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特許7511954レーダー測位方法、測位レーダー及び測位システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】レーダー測位方法、測位レーダー及び測位システム
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/14 20060101AFI20240701BHJP
   G01S 7/03 20060101ALI20240701BHJP
   G01S 13/06 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
G01S5/14
G01S7/03 212
G01S13/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023533281
(86)(22)【出願日】2021-06-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 CN2021102809
(87)【国際公開番号】W WO2022236936
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2023-05-29
(31)【優先権主張番号】202110511801.4
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523201786
【氏名又は名称】雷遠信息技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】LONGRUN INFORMATION & TECHNOLOGY (HK) LIMITED
【住所又は居所原語表記】NO 24 WO HOP SHEK TSUEN, WO HING ROAD, FANLING, N.T.,HONG KONG SAR
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】叶 雷
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-017879(JP,A)
【文献】特表2003-501664(JP,A)
【文献】特開2014-186731(JP,A)
【文献】特表2018-510373(JP,A)
【文献】特開2020-009173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00-G01S 5/14
G01S 19/00-G01S 19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダー測位方法であって、
複数のビーコンを含むレーダービーコン組合せの各前記ビーコンが反射するエコー信号である反射データを受信することと、
前記反射データに基づいて、対象物体から各ビーコンまでの距離を特定することと、
前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定することと、
前記レーダービーコン組合せが送信電波を受信できず、前記エコー信号を反射しなくなったことにより、前記対象物体から各ビーコンまでの算出した距離が急減した時点と、前記レーダービーコン組合せが送信電波を受信し始め、前記エコー信号を返したことにより、前記対象物体から各ビーコンまでの算出した距離が上昇した時点において、カウント情報を1回ずつカウントすることをさらに含み、
前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定することは、
め記憶されている、複数のカウント情報と複数のレーダービーコン組合せの各ビーコンの位置情報とを対応付けて示すデータから、カウント後の現在のカウント情報と対応する前記レーダービーコン組合せの各ビーコンの位置情報を取得することと、
前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定することと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記反射データに基づいて、対象物体から各ビーコンまでの距離を特定することは、
レーダー信号の送信時間とエコー信号の受信時間とに基づいて、時間差を特定することと、
前記時間差に基づいて、前記対象物体からビーコンまでの距離を特定することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記レーダービーコン組合せは、第1のビーコンと、第2のビーコンと、第3のビーコンとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定することは、
現在のステップの対象物体の位置情報を特定することと、
現在のステップの対象物体の位置情報と各ビーコンの位置情報とに基づいて、行列パラメータを特定することと、
前記行列パラメータと、対象物体から各ビーコンまでの距離とに基づいて、誤差補正値を特定することと、
前記誤差補正値に基づいて、推定精度を特定することと、
前記推定精度が所定の閾値以上であることに応答して、前記誤差補正値に基づいて、現在のステップの対象物体の位置情報を調整することと、
前記推定精度が所定の閾値未満であることに応答して、現在のステップの対象物体の位置情報を前記対象物体の位置情報として特定することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
測位レーダーであって、
所定の方向に電波を送信するように構成される送信装置と、
複数のビーコンを含むレーダービーコン組合せの各前記ビーコンが反射するエコー信号である反射データを受信するように構成される受信装置と、
前記反射データに基づいて、対象物体から各ビーコンまでの距離を特定し、前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定するように構成される制御装置と、を含み、
前記制御装置は、前記レーダービーコン組合せが送信電波を受信できず、前記エコー信号を反射しなくなったことにより、前記対象物体から各ビーコンまでの算出した距離が急減した時点と、前記レーダービーコン組合せが送信電波を受信し始め、前記エコー信号を返したことにより、前記対象物体から各ビーコンまでの算出した距離が上昇した時点において、カウント情報を1回ずつカウントするように構成され、
前記制御装置は、複数のカウント情報と複数のレーダービーコン組合せの各ビーコンの位置情報とを対応付けて示すデータを予め記憶しており、
前記制御装置は、前記データから、カウント後の現在のカウント情報と対応する前記レーダービーコン組合せの各ビーコンの位置情報を取得し、前記対象物体から各ビーコンまでの距離と各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定するように構成されることを特徴とする測位レーダー。
【請求項6】
前記制御装置は、レーダー信号の送信時間とエコー信号の受信時間とに基づいて、時間差を特定し、前記時間差に基づいて、前記対象物体からビーコンまでの距離を特定するように構成されることを特徴とする請求項に記載の測位レーダー。
【請求項7】
前記制御装置は、
現在のステップの対象物体の位置情報を特定し、
現在のステップの対象物体の位置情報と各ビーコンの位置情報とに基づいて、行列パラメータを特定し、
前記行列パラメータと、対象物体から各ビーコンまでの距離とに基づいて、誤差補正値を特定し、
前記誤差補正値に基づいて、推定精度を特定し、
前記推定精度が所定の閾値以上であることに応答して、前記誤差補正値に基づいて、現在のステップの対象物体の位置情報を調整し、
前記推定精度が所定の閾値未満であることに応答して、現在のステップの対象物体の位置情報を前記対象物体の位置情報として特定するように構成されることを特徴とする請求項に記載の測位レーダー。
【請求項8】
測位システムであって、
少なくとも1つのレーダービーコン組合せと、
請求項のいずれか1項に記載の測位レーダーと、を含むことを特徴とする測位システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2021年05月11日に出願された、出願番号202110511801.4、発明の名称「レーダー測位方法、測位レーダー及び測位システム」の中国特許出願に対して優先権を主張し、そのすべての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本発明は測位分野に関し、具体的にはレーダー測位方法、測位レーダー及び測位システムに関する。
【背景技術】
【0003】
科学技術の発展に伴い、多くの場合、対象物体の正確な位置を特定する必要がある。従来技術は通常衛星測位技術によって実現されるが、単純に衛星測位に依存すると、一部の衛星信号が悪い場合や環境では衛星測位信号が遮られ、測位が困難になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この点に鑑みて、本発明の実施形態は、対象物体の衛星測位信号が弱い場合や衛星測位信号がない場合に正確な位置情報を提供することができるレーダー測位方法、測位レーダー及び測位システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、本発明の実施形態は、レーダー測位方法であって、
複数のビーコンを含むレーダービーコン組合せの各前記ビーコンが反射するエコー信号である反射データを受信することと、
前記反射データに基づいて、対象物体から各ビーコンまでの距離を特定することと、
前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定することと、を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記方法は、
レーダービーコン組合せのカウント情報を特定することをさらに含み、
前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定することは、
前記カウント情報に基づいて予め記憶されているデータから各ビーコンの位置情報を取得することと、
前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定することと、を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記反射データに基づいて、前記対象物体から各ビーコンまでの距離を特定することは、
レーダー信号の送信時間とエコー信号の受信時間とに基づいて、時間差を特定することと、
前記時間差に基づいて、前記対象物体からビーコンまでの距離を特定することと、を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記レーダービーコン組合せは、第1のビーコンと、第2のビーコンと、第3のビーコンとを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定することは、
現在のステップの対象物体の位置情報を特定することと、
現在のステップの対象物体の位置情報と各ビーコンの位置情報とに基づいて、行列パラメータを特定することと、
前記行列パラメータと、対象物体から各ビーコンまでの距離とに基づいて、誤差補正値を特定することと、
前記誤差補正値に基づいて、推定精度を特定することと、
前記推定精度が所定の閾値以上であることに応答して、前記誤差補正値に基づいて、現在のステップの対象物体の位置情報を調整することと、
前記推定精度が所定の閾値未満であることに応答して、現在のステップの対象物体の位置情報を前記対象物体の位置情報として特定することと、を含む。
【0010】
第2の態様では、本発明の実施形態は、測位レーダーであって、
所定の方向に送信電波を送信する送信装置と、複数のビーコンを含むレーダービーコン組合せの各前記ビーコンが反射するエコー信号である反射データを受信する受信装置と、を含むレーダー距離測定部と、
前記反射データに基づいて、前記対象物体から各ビーコンまでの距離を特定し、前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定するように構成された制御装置と、を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記制御装置は、レーダービーコン組合せのカウント情報を特定するようにさらに構成され、
前記制御装置は、前記カウント情報に基づいて予め記憶されているデータから各ビーコンの位置情報を取得し、前記対象物体から各ビーコンまでの距離と各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定するように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記制御装置は、レーダー信号の送信時間とエコー信号の受信時間とに基づいて、時間差を特定し、前記時間差に基づいて、前記対象物体からビーコンまでの距離を特定するように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記制御装置は、
現在のステップの対象物体の位置情報を特定し、
現在のステップの対象物体の位置情報と各ビーコンの位置情報とに基づいて、行列パラメータを特定し、
前記行列パラメータと、対象物体から各ビーコンまでの距離とに基づいて、誤差補正値を特定し、
前記誤差補正値に基づいて、推定精度を特定し、
前記推定精度が所定の閾値以上であることに応答して、前記誤差補正値に基づいて、現在のステップの対象物体の位置情報を調整し、
前記推定精度が所定の閾値未満であることに応答して、現在のステップの対象物体の位置情報を前記対象物体の位置情報として特定するように構成される。
【0014】
第3の態様では、本発明の実施形態は、測位システムであって、
少なくとも1つのレーダービーコン組合せと、
第2の態様に記載の測位レーダーと、を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態に係る発明は、レーダービーコン組合せの反射データを受信することにより、反射データに基づいて、前記対象物体から各ビーコンまでの距離を特定し、前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定する。これにより、対象物体の衛星測位信号が弱い場合や衛星測位信号がない場合に正確な位置情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下の図面を参照して本発明の実施形態を説明することにより、本発明の上述およびその他の目的、特徴および利点がより明確になる。
図1】本発明の第1の実施形態に係るレーダー測位システムの概略図である。
図2】本発明の実施形態に係る測位レーダーの構成図である。
図3】本発明の実施形態に係る対象物体の位置情報を特定するフローチャートである。
図4】本発明の第2の実施形態に係るレーダー測位システムの概略図である。
図5】本発明の実施形態に係る予め記憶されているデータの概略図である。
図6】本発明の実施形態に係る距離変化のグラフである。
図7】本発明の実施形態に係る球形ビーコンの概略図である。
図8】本発明の実施形態に係る球形ビーコンのレーダー信号伝送の概略図である。
図9】本発明の実施形態に係るレーダー測位方法のフローチャートである。
図10】本発明の実施形態に係る制御装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。以下、本発明の詳細な説明では、特定の詳細な部分について詳しく説明する。本発明は、当業者にとってこれらの詳細な部分の説明がなくても完全に理解できる。本発明の本質を混同することを避けるために、公知の方法、プロセス、フロー、素子、回路は詳細に述べられていない。
【0018】
また、本明細書で提供される図面は、説明の目的のために提供され、必ずしも比例して描かれたものではないことを当業者は理解するであろう。
【0019】
なお、以下の説明において、「回路」とは、少なくとも1つの素子又はサブ回路が電気的接続又は電磁的接続により構成された導電回路を意味することを理解されたい。素子または回路が他の素子に「接続」されている場合、または素子/回路が2つのノード間に「接続」されている場合、それは他の素子に直接結合または接続されているか、または中間素子が存在していてもよく、素子間の接続は物理的、論理的、またはそれらの組合せであってもよい。逆に、素子が他の素子に「直接結合」または「直接接続」されている場合、両者は中間素子が存在しないことを意味する。
【0020】
文脈が明確に要求されない限り、明細書の「含む」、「備える」などの類似語は、排他的または貧挙的な意味ではなく、含む意味として解釈されるべきである。つまり、「含むがこれに限らない」という意味である。
【0021】
本発明の説明では、用語「第1」、「第2」などは、説明の目的にのみ使用され、相対的な重要性を指示するものまたは暗示するものとしては理解できないことを理解する必要がある。さらに、本発明の説明では、特に説明がない限り、「複数」の意味は2つまたは2つ以上である。
【0022】
図1は本発明の第1の実施形態に係るレーダー測位システムの概略図である。図1に示す実施形態では、測位システムは、レーダービーコン組合せ1と測位レーダー2とを含む。レーダービーコン組合せ1は、第1のレーダー11と、第2のレーダー12と、第3のレーダー13との3つのビーコンを含む。測位レーダー2は対象物体の所定位置に取り付け、例えば、いくつかの施工シーンでは、掘削機を用いて穴を掘る必要がある場合や、掘削機のバケットを穴の中に突っ込んで作業する必要がある場合、作業者は通常掘削機の位置を直接特定することができず、掘削機のバケットの位置を特定するために測位レーダー2を掘削機のバケットに取り付けることができる。なお、下記対象物体の位置情報と測位レーダーの位置情報は同一の位置情報である。
【0023】
さらに、図2は本発明の実施形態に係る測位レーダーの構成図である。図2に示すように、本発明の実施形態に係る測位レーダーは、送信装置21と、受信装置22と、制御装置23とを含む。
【0024】
本実施形態では、図1を参照して、送信装置21は所定の方向に電波を送信するように構成され、図1に示す電波はA1、A2、A3を含む。実際の使用において、送信される電波A1、A2、A3の起点は同一点であり、理解の便宜上、図1の電波A1、A2、A3は同一起点ではないことを理解すべきである。
【0025】
本実施形態では、受信装置22は、複数のビーコンを含むレーダービーコン組合せの各ビーコンが反射するエコー信号である反射データを受信するように構成される。
【0026】
図1を参照して、レーダービーコン組合せ1は、第1のビーコン11と、第2のビーコン12と、第3のビーコン13との3つのビーコンを含む。第1のビーコン11は、電波A1を受信してエコー信号B1を生成する。第2のビーコン12は、電波A2を受信してエコー信号B2を生成する。第3のビーコン13は、電波A3を受信してエコー信号B3を生成する。受信装置22は、エコー信号B1、B2、B3を受信する。
【0027】
さらに、第1のビーコン11、第2のビーコン12および第3のビーコン13の位置情報は既知であり、具体的には施工設置時に水準器によりビーコンの位置情報を特定することができる。ここで、位置情報は座標である。例えば、第1のビーコン11の座標は(X、Y、Z)であり、第2のビーコン12の座標は(X、Y、Z)であり、第3のビーコン13の座標は(X、Y、Z)である。
【0028】
本実施形態では、制御装置23は、前記反射データに基づいて、前記対象物体から各ビーコンまでの距離を特定し、前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定するように構成される。ここで、反射データは、各前記ビーコンが反射するエコー信号である。
【0029】
さらに、送信装置21が電波を送信する場合、制御装置23は、電波を送信する第1の時間を記録し、制御装置23は、受信装置22を介してエコー信号を受信した後、エコー信号を受信した第2の時間を取得し、第1の時間と第2の時間により測位レーダーからビーコンまでの距離を算出する。
【0030】
具体的には、第1のビーコン11について、電波を送信する第1の時間をT11、エコー信号を受信する第2の時間をT12とすると、測位レーダーから第1のビーコンまでの距離Rは、
【0031】
ただし、Vは電波の中継速度であり、通常は光速に近似される。T11は電波を送信する第1の時間であり、T12はエコー信号を受信した第2の時間である。
【0032】
同様の方法により、測位レーダーから第2のビーコンまでの距離Rおよび測位レーダーから第3のビーコンまでの距離Rを得ることができる。
【0033】
さらに、制御装置23は、対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定する。具体的には、制御装置23は、前記対象物体の位置情報を特定し、図3に示すように、以下のようなステップを含む。
【0034】
ステップS310で、現在のステップの対象物体の位置情報を特定する。
【0035】
本実施形態では、現在のステップが最初の実行ステップである場合、対象物体の位置情報に初期値を設定することができ、現在のステップが最初の実行ステップでない場合は、前回の実行ステップの位置情報と誤差補正値とに基づいて、現在のステップの対象物体の位置情報を特定することができる。具体的には、以下のステップS350で説明する。本発明の実施形態では、対象物体の位置情報は(X、Y、Z)であると記す。
【0036】
ステップS320で、現在のステップの対象物体の位置情報と各ビーコンの位置情報とに基づいて、行列パラメータを特定する。
【0037】
上述したように、第1のビーコン11の座標は(X、Y、Z)であり、第2のビーコン12の座標は(X、Y、Z)であり、第3のビーコン13の座標は(X、Y、Z)であり、対象物体の位置情報は(X、Y、Z)であることが得られる。行列パラメータMは次の通りである。
【0038】
【0039】
これにより、行列パラメータMを得ることができる。
【0040】
ステップS330で、前記行列パラメータと、対象物体から各ビーコンまでの距離とに基づいて、誤差補正値を特定する。
【0041】
上述したように、第1のビーコン11の座標は(X、Y、Z)であり、第2のビーコン12の座標は(X、Y、Z)であり、第3のビーコン13の座標は(X、Y、Z)であり、対象物体の位置情報は(X、Y、Z)であり、同時に、対象物体から第1のビーコンまでの距離はRであり、対象物体から第2のビーコンまでの距離はRであり、対象物体から第3のビーコンまでの距離はRである。これにより、
【0042】
さらに、上記式を線形化すると、
【0043】
すなわち、
これにより、誤差補正値は、
【0044】
ただし、DXは第1の補正値であり、DYは第2の補正値であり、DZは第3の補正値である。
【0045】
ステップS340で、前記誤差補正値に基づいて、推定精度を特定する。
【0046】
さらに、推定精度DEの計算式は、
これにより、推定精度を得ることができる。
【0047】
ステップS350で、推定精度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。
【0048】
本実施形態では、予め所定の閾値を設定しておき、前記推定精度と所定の閾値とを比較して、推定精度が所定の閾値以上であるか否かを判断する。
【0049】
前記推定精度が所定の閾値以上であることに応答して、ステップS310に戻り、前記誤差補正値に基づいて、現在のステップの対象物体の位置情報を調整する。具体的には、調整の式は次のとおりである。
【0050】
ただし、X’、Y’、Z’は調整後の位置情報である。
【0051】
前記推定精度が所定の閾値未満であることに応答して、ステップS360に進む。
【0052】
ステップS360で、現在のステップの対象物体の位置情報を前記対象物体の位置情報として特定する。
【0053】
前記推定精度が所定の閾値未満であることに応答して、現在のステップの対象物体の位置情報を前記対象物体の位置情報として特定するように構成される。
【0054】
これにより、対象物体の位置情報を特定することができる。
【0055】
本発明の実施形態は、レーダービーコン組合せの反射データを受信することにより、反射データに基づいて、前記対象物体から各ビーコンまでの距離を特定し、前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定する。これにより、対象物体の衛星測位信号が弱い場合や衛星測位信号がない場合に正確な位置情報を提供することができる。
【0056】
図4は本発明の第2の実施形態に係る測位システムの概略図である。図4に示す実施形態では、測位システムは、複数のレーダービーコン組合せと測位レーダー2とを含む。ここで、測位レーダー2は、乗り物に取り付けられている。レーダービーコン組合せ1A、1B、1C、1Dは、トンネル、駐車場などであってもよい建物に予め取り付けられている。測位レーダー2は、電波を送受信することができる。レーダービーコン組合せは、前記測位レーダー2が送信する電波を反射することができる。
【0057】
乗り物の走行中、測位レーダー2は乗り物とレーダービーコン組合せが相対的に運動するにつれて、測位レーダー2は所定の方向に絶えず無線電波を送信し、レーダービーコン組合せは無線電波を反射してエコー信号を形成し、測位レーダー2はエコー信号を受信する。測位レーダー2は、受信したエコー信号に基づいて、運動する乗り物を測位する。
【0058】
さらに、各レーダービーコン組合せは、3つのビーコンを含む。
【0059】
さらに、トンネル内に各レーダービーコン組合せを等間隔に配置し、各レーダービーコン組合せのカウントと各ビーコンの位置情報を予め記憶することができる。具体的には、図4中の4つのレーダービーコン組合せを例に説明すると、記憶されているデータは図5に示すように、図5において、(XJ、I、YJ、I、ZJ、I)で、Jはカウントであり、J=1、2、3、…、Nであり、Nは0より大きい正の整数であり、I=1、2、3であり、それぞれレーダービーコン組合せにおける各ビーコンの番号を表す。
【0060】
本実施形態では、制御装置は、エコー信号に基づいて、カウント情報を特定することができる。具体的には、図4および図6を参照して説明すると、図6において、縦軸は制御装置が算出する距離Rを示し、Rは測位レーダーとレーダービーコン組合せのいずれかのビーコンとの間の距離であってもよいし、測位レーダーとレーダービーコン組合せの複数のビーコンとの間の距離の平均値であってもよいし、本発明の実施形態はこれに限定するものではなく、具体的には、本発明の実施形態に係る測位レーダーが各ビーコンまでの距離Rを特定する過程は上述した通りであり、ここではこれ以上説明しない。測位レーダー2は、測位レーダーが所定の区間にあるときにのみビーコンがエコー信号を反射できるように、所定の方向に送信電波を送信するため、T3時点でトンネルに入り始めたと仮定すると、各レーダービーコン組合せは送信電波を受信できず、エコー信号を反射しないため、算出された距離は0となる。乗り物の絶えずの移動に伴い、T4の時点で、レーダービーコン組合せ1Aは送信電波を受信し始め、エコー信号を返し、このとき、測位レーダーとレーダービーコン組合せ1Aとの距離は遠く、算出された距離はRMAXである。乗り物の絶えずの移動に伴い、測位レーダーとレーダービーコン組合せ1Aの距離は徐々に減少し、T5の時点ではRMINに減少した。同時に、この時点でレーダービーコン組合せ1Aは電波を送信するカバー範囲にないため、距離はRMINから0に激減した。同様に、T6、T8、T10の時点では、レーダービーコン組合せ1B、1C、および1Dは、それぞれ送信電波の受信を開始し、エコー信号を返す。T7、T9、T11の時点では、レーダービーコン組合せ1B、1C、および1Dは、それぞれ電波の送信範囲外である。
【0061】
測位レーダーが算出した距離には一定の規則性変化があるため、算出した距離に基づいてカウントすることができる。例えば、距離が上昇するごとにカウントすることができ、すなわち、T4、T6、T8、T10の時点にそれぞれ1回カウントすることができ、あるいは、トンネルに入った直後に1回目のカウントを行い、その後、距離が急減するごとに1回、つまりT3、T5、T7、T9の時点でそれぞれ1回カウントすることができる。カウント後、現在のカウントにより予め記憶されているデータからビーコンの位置情報を取得し、さらにビーコンの位置情報と算出された距離から測位レーダーの位置情報、すなわち対象物体の位置情報を特定する。
【0062】
いくつかの実施形態では、車両がトンネルを走行している間に、1つの位置で測位レーダーが1つのレーダービーコン組合せで返されたエコー信号を受信できるように、レーダーの送信方向、ビーコンの取り付け位置、ビーコンの取り付け方向を予め設定しておくことができる。
【0063】
本発明の実施形態は、レーダービーコン組合せの反射データを受信することにより、反射データに基づいて、前記対象物体から各ビーコンまでの距離を特定し、前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定する。これにより、対象物体の衛星測位信号が弱い場合や衛星測位信号がない場合に正確な位置情報を提供することができる。
【0064】
さらに、本発明の実施形態で用いられるビーコンは、球形ビーコンである。具体的には、図7に示すビーコンは、球形レンズ111と反射装置112とを含む。
【0065】
ここで、図8は本発明の実施形態に係る球形レンズ及び反射装置の概略図である。本実施形態のレーダービーコンは、好ましくは球形レンズと同心の曲面を有する球形レンズと反射装置とを含む。
【0066】
具体的には、図8に示すように、実線円は球形レンズを示し、破線円は前記球形レンズの異なる方向の焦点によって形成される前記球形レンズと同心の曲面を示し、以下、曲面と略称する。前記球形レンズは、前記曲面と共通の球心Oを有する。さらに、前記曲面は前記球形レンズと同心であり、かつ半径は前記球形レンズの球面の半径よりも大きい。
【0067】
本実施形態では、球面の半径は図中Lのように、球形レンズの半径は図中Rのようになっている。
【0068】
さらに、球面の半径は、前記球形レンズの半径よりも大きい。
【0069】
さらに、前記球形レンズは、単媒体球形レンズである。なお、前記単媒体球形レンズとは、同一の材質で作製された球形レンズをいう。これにより、前記球形レンズの異なる方向の焦点を規則的な球面にすることができ、かつ前記球面と前記球形レンズは同じ円心を持つことができる。
【0070】
さらに、前記曲面は焦点によって形成された球面の一部である。
【0071】
さらに、異なる方向における2組の電磁波の伝送路を図に示す。ここで、第1組の電磁波はW11とW12であり、電磁波W11と電磁波W12は前記球形レンズに平行に入射し、球形レンズを経て屈折した後、焦点はF点である。第2組の電磁波はW21とW22であり、電磁波W21と電磁波W22は前記球形レンズに平行に入射し、球形レンズを経て屈折した後、焦点はG点である。
図から分かるように、任意の方向の電磁波が前記球形レンズを通過すると、最後の焦点は球面上に位置する。
【0072】
本実施形態では、球形レンズの材質はポリテトラフルオロエチレン(PTFE、Poly tetra fluoroethylene)である。ポリテトラフルオロエチレンは、モノマーとしてテトラフルオロエチレンを重合して得られる高分子ポリマーである。形状は白色ワックス状、半透明で、耐熱性、耐寒性に優れ、コストが低いなどの特徴があり、-180~260oCで長期使用することができる。
【0073】
さらに、本発明の実施形態は、ポリテトラフルオロエチレンに基づいて作製された球形レンズの誘電率が2.08である。
【0074】
さらに、前記曲面と球形レンズ表面との距離は0.4R-0.5Rである。前記距離は、前記曲面の半径Lと前記球形レンズの半径Rとの差である。
【0075】
具体的には、原理計算とシミュレーションにより、球形レンズの材質がポリテトラフルオロエチレンで誘電率が2.08の場合、球面から球形レンズ表面までの距離Dが0.4Rの場合、レーダービーコンの効率が最も高い。距離Dが0.5Rの場合、最も平坦な口径位相が得られ、Dがさらに大きくなると、口径効率も方向図も悪くなる。したがって、本発明の実施形態に係る球形レンズにとって、Dが0.4R-0.5Rの間にある場合、レーダービーコンの効率は最も優れている。
【0076】
従来技術でよく使われている角反射器は3つの互いに垂直な平面鏡から構成されているため、形成された形状構造は角反射器の風に対する抵抗を大きくし、風力が大きい場合、角反射器に揺れなどの現象を発生させ、レーダー測定システムが測定できないか、測定結果の精度が不足している。一方、本実施形態における球形レンズは平滑で規則的な表面を有し、大きな起伏と鋭い角と溝がなく、風が球形レンズを迂回することができ、風に対する抵抗が小さく、風力の影響を受けにくく、測定誤差を招く。
【0077】
本実施形態では、反射装置22は、前記球面上に設けられ、かつ前記反射面と前記球面の一部とが重なり合い、かつ前記球面と同じ曲率の反射面を有する。
【0078】
さらに、前記レーダービーコンは、前記反射装置と前記球形レンズとの相対位置を固定するために前記反射装置と前記球形レンズとの間に接続された少なくとも1つの固定具をさらに含む。
【0079】
本発明の実施形態に係るレーダービーコンは受動ビーコン(追加の電力供給を必要としない)であり、安価であり、インフラストラクチャに広く設置することができる。
【0080】
本発明の実施形態に係る発明は、少なくとも1つのレーダービーコン組合せを建築環境に予め設置することにより、レーダービーコン組合せに対して、レーダーが相対運動する。レーダーの距離測定精度は結晶振動精度と相関があるため、オプションとして、レーダーは屋外で北斗衛星測位システムを通じてタイムサービスすることができ、タイムサービス精度は20ナノ秒にも達することができ、これにより、本発明の実施形態に係るレーダー測位精度は1ミリ以内に保持することができる。これに加えて、本発明の実施形態に係るレーダーは、軌道交通に限定されるものではなく、トンネルや地下シーンに広く使用することができる。
【0081】
従来技術の角反射レーダーの反射角は30度未満であり、測位機能をリアルタイムに実現することは困難である。本発明の実施形態に係るレーダーとレーダービーコン組合せを組合わせて使用することにより、移動中の物体の衛星測位システムにおける高精度な測位情報を取得することができる。
【0082】
本発明の実施形態は、レーダービーコン組合せの反射データを受信することにより、反射データに基づいて、前記対象物体から各ビーコンまでの距離を特定し、前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定する。これにより、対象物体の衛星測位信号が弱い場合や衛星測位信号がない場合に正確な位置情報を提供することができる。
【0083】
図9は本発明の実施形態に係るレーダー測位方法のフローチャートである。図9に示すように、本発明の実施形態に係るレーダー測位方法は、以下のステップを含む。
【0084】
ステップS910で、複数のビーコンを含むレーダービーコン組合せの各前記ビーコンが反射するエコー信号である反射データを受信する。
【0085】
ステップS920で、前記反射データに基づいて、前記対象物体から各ビーコンまでの距離を特定する。
【0086】
ステップS930で、前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定する。
【0087】
いくつかの実施形態では、前記方法は、
レーダービーコン組合せのカウント情報を特定することをさらに含み、
前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定することは、
前記カウント情報に基づいて予め記憶されているデータから各ビーコンの位置情報を取得することと、
前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定することと、を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、前記反射データに基づいて、前記対象物体から各ビーコンまでの距離を特定することは、
レーダー信号の送信時間とエコー信号の受信時間とに基づいて、時間差を特定することと、
前記時間差に基づいて、前記対象物体からビーコンまでの距離を特定することと、を含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、前記レーダービーコン組合せは、第1のビーコンと、第2のビーコンと、第3のビーコンとを含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定することは、
現在のステップの対象物体の位置情報を特定することと、
現在のステップの対象物体の位置情報と各ビーコンの位置情報とに基づいて、行列パラメータを特定することと、
前記行列パラメータと、対象物体から各ビーコンまでの距離とに基づいて、誤差補正値を特定することと、
前記誤差補正値に基づいて、推定精度を特定することと、
前記推定精度が所定の閾値以上であることに応答して、前記誤差補正値に基づいて、現在のステップの対象物体の位置情報を調整することと、
前記推定精度が所定の閾値未満であることに応答して、現在のステップの対象物体の位置情報を前記対象物体の位置情報として特定することと、を含む。
【0091】
本発明の実施形態は、レーダービーコン組合せの反射データを受信することにより、反射データに基づいて、前記対象物体から各ビーコンまでの距離を特定し、前記対象物体から各ビーコンまでの距離と、予め記憶されている各ビーコンの位置情報とに基づいて、前記対象物体の位置情報を特定する。これにより、対象物体の衛星測位信号が弱い場合や衛星測位信号がない場合に正確な位置情報を提供することができる。
【0092】
図10は本発明の実施形態に係る制御装置の概略図である。図10に示す制御装置は、プロセッサ101とメモリ102とを少なくとも含む汎用ハードウェア構成を含む。プロセッサ101とメモリ102は、バス103を介して接続されている。メモリ102は、プロセッサ101が実行可能な命令またはプログラムを記憶するように構成されている。プロセッサ101は、独立したマイクロプロセッサであってもよいし、1つまたは複数のマイクロプロセッサのセットであってもよい。これにより、プロセッサ101は、メモリ102に格納された命令を実行することにより、上述した本発明の実施形態に係る方法フローを実行してデータの処理及び他の装置の制御を実現する。バス103は、上記複数のコンポーネントを接続するとともに、上記コンポーネントを表示コントローラ104と表示装置、および入出力(I/O)デバイス105に接続する。入出力(I/O)デバイス105は、マウス、キーボード、モデム、ネットワークインターフェース、タッチ入力デバイス、体感入力デバイス、プリンタ、および本技術分野で周知の他のデバイスであってもよい。典型的には、入出力デバイス105は、入出力(I/O)コントローラ106を介してシステムに接続されている。
【0093】
当業者であれば、本発明の実施形態は、方法、装置(デバイス)、またはコンピュータプログラム製品として提供することができることを理解するであろう。したがって、本発明は、完全ハードウェア実施形態、完全ソフトウェア実施形態、またはソフトウェアおよびハードウェアを組合せた実施形態を採用することができる。また、本発明は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むがこれらに限らない)の1つまたは複数に実装されるコンピュータプログラム製品を採用することができる。
【0094】
本発明は、本願の実施形態に係る方法、装置(デバイス)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャートを参照して説明される。フローチャートの各フローは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されるべきである。
【0095】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置を特定の方法で動作させることができるコンピュータ読み取り可能なメモリに格納することができ、それにより、コンピュータ読み取り可能なメモリに格納された命令は、フローチャートの1つまたは複数のフローで指定された機能を実装する命令装置を含む製造品を生成する。
【0096】
これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供して1つの機器を生成し、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャートの1つのフローまたは複数のフローで指定された機能を実現するための手段を生成するようにすることもできる。
【0097】
本発明の別の実施形態は、コンピュータが上記の方法の一部または全部を実行するための実施形態を記憶するためのコンピュータ読み取り可能なプログラムを記憶するための不揮発性読み取り可能な記憶媒体に関する。
【0098】
すなわち、当業者は、上述の実施形態を実現する方法のすべてまたは一部のステップは、1つの装置(シングルチップ、チップなどであってもよい)またはプロセッサ(processor)が本願の各実施形態に記載された方法のすべてまたは一部のステップを実行するためのいくつかの命令を含む読み取り可能な記憶媒体に格納されたプログラムによって関連するハードウェアを指定することによって実行することができることを理解することができる。前述の読み取り可能な記憶媒体は、Uディスク、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを記憶することができる様々な媒体を含む。
【0099】
以上説明した本発明の好適な実施例のみであって、本発明を限定するものではなく、当業者にとって、本発明は種々の変更や変化が可能である。本発明の精神と原理の内に行ったいかなる修正、均等置換、改善などは、本発明の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10