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  • 特許-濃縮水調整弁 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】濃縮水調整弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/07 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
F16K11/07 F
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023541856
(86)(22)【出願日】2021-11-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 CN2021130143
(87)【国際公開番号】W WO2022105672
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-03-21
(31)【優先権主張番号】202011317964.0
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521198240
【氏名又は名称】南京▲はん▼束環保設備有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】劉果
(72)【発明者】
【氏名】劉小▲はん▼
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-265838(JP,A)
【文献】特開2001-152515(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0182456(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/00-11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
濃縮水調整弁であって、
供給口、吐出口及び排出口を有し、内部に弁室が形成されている弁体と、
前記弁体内に設けられ、前記弁室を第1室と第2室に仕切り、前記第1室及び前記第2室を貫通している孔群が開けられており、前記供給口及び前記吐出口が前記第1室に連通し、前記排出口が前記第2室に連通するセパレータと、
前記第2室内に設けられて前記孔群の通流断面を変えるスプールと、を含み、
前記第1室は柱状室として構成され、
少なくとも前記供給口は接線方向に沿って前記第1室まで延びるこれにより、濃縮水が前記供給口を介して前記第1室に入ってから旋回流動することを特徴とする濃縮水調整弁。
【請求項2】
前記供給口及び前記吐出口はいずれも接線方向に沿って前記第1室まで延びており、
前記吐出口の向きが前記第1室内で旋回流動する濃縮水の飛離方向と反対することを特徴とする請求項1に記載の濃縮水調整弁。
【請求項3】
前記吐出口の向きが前記供給口の向きと反対することを特徴とする請求項2に記載の濃縮水調整弁。
【請求項4】
前記供給口及び前記吐出口の前記第1室に連通する部分が縮径口となることを特徴とする請求項1に記載の濃縮水調整弁。
【請求項5】
前記セパレータは前記第1室に位置する一端に弁板が形成されているスリーブ部材であり、前記孔群は前記弁板に開けられ、
前記スプールは前記スリーブ部材内に設けられて、回動することで前記孔群の通流断面を変えることを特徴とする請求項1に記載の濃縮水調整弁。
【請求項6】
前記第2室は柱状室として構成され、前記第2室と前記第1室とにより段差構造が画定されており、前記スリーブ部材の外周には、前記段差構造と嵌合する環状段差が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の濃縮水調整弁。
【請求項7】
前記弁板の第1室に位置する面は平面であることを特徴とする請求項5に記載の濃縮水調整弁。
【請求項8】
前記弁板の第1室に位置する面は中部領域が隆起した面であり、前記孔群は前記中部領域の径方向の周辺に設けられることを特徴とする請求項5に記載の濃縮水調整弁。
【請求項9】
前記孔群は円周方向に配置されている複数の貫通孔を含むことを特徴とする請求項1に記載の濃縮水調整弁。
【請求項10】
前記孔群は円周方向に延びており、断面が勾配的に変化する円弧状貫通溝であることを特徴とする請求項1に記載の濃縮水調整弁。
【請求項11】
前記スプールの前記弁板に面する端部に端溝が開けられ、前記端溝と前記孔群との重なり領域に前記孔群の通流断面が画定されていることを特徴とする請求項5に記載の濃縮水調整弁。
【請求項12】
前記端溝は案内通路を介して前記第2室に流れ、
前記案内通路は、
環状導流溝であって、前記環状導流溝が前記スプールの外周に設けられ、前記端溝が軸方向に延びて前記環状導流溝まで貫通する環状導流溝と、
一端が前記スリーブ部材の内壁まで延びて、前記環状導流溝に対応しており、他端が前記スプールの前記第2室に面する端面まで延びる導流通路と、を含むことを特徴とする請求項11に記載の濃縮水調整弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水浄化の技術分野に関し、特に濃縮水調整弁に関する。
【背景技術】
【0002】
浄水システム(水道水などの原水を処理して、人間の飲用基準を満たす飲用水にするため
のもの)には、濃縮水調整弁が接続されており、該濃縮水調整弁は、浄水システムから濃
縮水を受け入れ、濃縮水の一部を再び浄水システムに戻して利用し、他の濃縮水を排出す
るように、濃縮水を比例配分するためのものである。
【0003】
従来技術では、濃縮水調整弁は、内部に孔群が形成されており、スプールにより孔群の開
度を制御して濃縮水の配分割合を調整する。
【0004】
しかし、濃縮水調整弁に入った濃縮水は、スケールを引き起こして、孔群の孔、特に孔の
端部を閉塞しやすく、例えば、最小孔径の孔の端部を閉塞しやすく、ひいては濃縮水調整
弁の濃縮水配分割合の規則を変えて、深刻な場合は、濃縮水調整弁全体を閉塞し、浄水シ
ステムの運転や飲用水の水質に悪影響を及ぼすことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術に存在する上記の技術的課題を解決するために、本発明の実施例は濃縮水調整弁
を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の実施例に使用される技術的手段は以下のと
おりである。
【0007】
濃縮水調整弁であって、
供給口、吐出口及び排出口を有し、内部に弁室が形成されている弁体と、
前記弁体内に設けられ、前記弁室を第1室と第2室に仕切り、前記第1室及び前記第2室
を貫通している孔群が開けられており、前記供給口及び前記吐出口が前記第1室に連通し
、前記排出口が前記第2室に連通するセパレータと、
前記第2室内に設けられて前記孔群の通流断面を変えるスプールと、を含み、
前記第1室は柱状室として構成され、
少なくとも前記供給口は接線方向に沿って前記第1室まで延びるこれにより、濃縮水が前
記供給口を介して前記第1室に入ってから旋回流動する。
【0008】
好ましくは、前記供給口及び前記吐出口はいずれも接線方向に沿って前記第1室まで延び
ており、
前記吐出口の向きが前記第1室内で旋回流動する濃縮水の飛離方向と反対する。
【0009】
好ましくは、前記吐出口の向きが前記供給口の向きと反対する。
【0010】
好ましくは、前記供給口及び前記吐出口の前記第1室に連通する部分が縮径口となる。
好ましくは、前記セパレータは前記第1室に位置する一端に弁板が形成されているスリー
ブ部材であり、前記孔群は前記弁板に開けられ、
前記スプールは前記スリーブ部材内に設けられて、回動することで前記孔群の通流断面を
変える。
【0011】
好ましくは、前記第2室は柱状室として構成され、前記第2室と前記第1室とにより段差
構造が画定されており、前記スリーブ部材の外周には、前記段差構造と嵌合する環状段差
が形成されている。
【0012】
好ましくは、前記弁板の第1室に位置する面は平面である。
【0013】
好ましくは、前記弁板の第1室に位置する面は中部領域が隆起した面であり、前記孔群は
前記中部領域の径方向の周辺に設けられる。
【0014】
好ましくは、前記孔群は円周方向に配置されている複数の貫通孔を含む。
【0015】
好ましくは、前記孔群は円周方向に延びており、断面が勾配的に変化する円弧状貫通溝で
ある。
【0016】
好ましくは、前記スプールの前記弁板に面する端部に端溝が開けられ、前記端溝と前記孔
群との重なり領域に前記孔群の通流断面が画定されている。
【0017】
好ましくは、前記端溝は案内通路を介して前記第2室に流れ、
前記案内通路は、
前記スプールの外周に設けられ、前記端溝が軸方向に延びて前記環状導流溝まで貫通する
環状導流溝と、
一端が前記スリーブ部材の内壁まで延びて、前記環状導流溝に対応しており、他端が前記
スプールの前記第2室に面する端面まで延びる導流通路と、を含む。
【0018】
好ましくは、前記導流通路の前記第2室に近い部分がラッパ口として構成される。
【0019】
好ましくは、前記スプールはリテーナによって前記スリーブ部材内に制限される。
【0020】
好ましくは、前記スプールはノブ機構によって駆動され、
前記ノブ機構は、
内端が前記第2室内に伸びて前記スプールに接続され、外端が前記弁体の外に位置する軸
系と、
前記軸系の外端まで接続されているノブと、を含む。
【0021】
好ましくは、前記軸系は、
前記スプールに接続され、スプリングローラを介して前記弁体と配合する止め柱と、
内端が前記止め柱に挿入されて前記止め柱とキー嵌合し、外端に前記ノブが接続されてい
る軸棒と、を含む。
【0022】
好ましくは、前記スプールはセラミックス材料で製造される。
【発明の効果】
【0023】
有益な効果
従来技術と比べて、本発明で開示された濃縮水調整弁の有益な効果は以下のとおりである
【0024】
供給口が接線方向に沿って第1室まで延びることにより、孔群が持続的かつ強く流され、
結晶化による孔群の閉塞が効果的に回避され、特に孔群の開口の小さい端部の閉塞が回避
される。
【0025】
なお、上記の一般的な説明及び下記の詳細な説明は例示的かつ説明的なものに過ぎず、本
発明を限定するものではない。
【0026】
本発明に記載の技術の各種形態及び例示的な説明は、開示された技術の範囲全体又は全て
の特徴の開示ではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
必ずしも比例して描かれていない図面では、同一の符号を用いて、異なる図面において類
似の構成要素を記述することができる。文字サフィックス又は異なる文字サフィックスを
有する同一の符号は、類似する構成要素の異なる例を表すことができる。図面は、概して
様々な実施例を限定的ではなく例示的に示し、明細書及び特許請求の範囲と共に発明の実
施例を説明するために使用される。該当する場合は、すべての図面において同一又は類似
の部分を参照するために、同一の符号を使用する。このような実施例は、例示的なもので
あって、本装置又は方法の網羅的又は排他的な実施例として意図されているものではない

図1】本発明の実施例による濃縮水調整弁の内部構造概略図である。
図2図1のA-A矢視図である。
図3図1のB矢視図である。
【発明を実施するための最良な形態】
【0028】
本発明の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施
例の技術案について、図面を参照して明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実
施例は、本発明の一部の実施例であって、全ての実施例ではない。説明される本発明の実
施例に基づいて、当業者が創造的な労力を必要とせずに取得する他のすべての実施例は本
発明の特許範囲に属する。
【0029】
別段の定義がない限り、本発明において使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理
解する一般的な意味を有するものである。本発明で使用される「第1」、「第2」及び同
様の用語は、いかなる順序、数又は重要性をも表すものではなく、単に異なる構成要素を
区別するために使用される。「含む」又は「包含」等の類似の用語は、その用語の前に出
現する要素又は物品が、その用語の後に出現する要素又は物品やこれらの均等物を包含し
、他の要素又は物品を排除しないことを意味する。「接続」や「連結」などの類似の用語
は、物理的又は機械的接続に限定されるものではなく、直接的であるか間接的であるかを
問わず、電気的接続を含むことができる。「上」、「下」、「左」、「右」などは相対的
な位置関係のみを表すものであり、説明対象の絶対的な位置が変化した場合、この相対的
な位置関係はその分変化する。
【0030】
以下の本発明の実施例の説明を明確かつ簡潔に維持するために、本発明では、既知の機能
及び部材の詳細な説明を省略する。
【0031】
本発明の実施例は濃縮水調整弁を開示し、該濃縮水調整弁は浄水システムに接続されて浄
水システムからの濃縮水を比例配分し、これにより、濃縮水調整弁を経た濃縮水の一部は
浄水システムに再び戻って飲用水の製造に用いられ、残りは直接排出される。
【0032】
図1~3に示すように、該濃縮水調整弁は、弁体10と、セパレータと、スプール40と
、駆動機構と、を含む。
【0033】
弁体10の内部に弁室が形成されており、弁体10の一端は開口しており、セパレータは
開口側から弁室に取り付けられ、該開口側はキャップ13で塞がれる。セパレータは弁室
を第1室11(第1室11は図1に示すセパレータの左側に位置する)と第2室12(第
2室12は図1に示すセパレータの右側に位置する)に仕切る。
【0034】
セパレータには孔群50が開けられ、該孔群50の両端はそれぞれ第1室11及び第2室
12まで貫通しており、スプール40は第2室12内に設けられ、スプール40の回動に
より孔群50の通流断面が変わる。
【0035】
弁体10では、第1室11に対応する軸方向の位置に供給口21及び吐出口22が形成さ
れており、供給口21及び吐出口22はいずれも第1室11に連通し、弁体10では、第
2室12に対応する軸方向の位置に排水口が形成されており、該排水口は第2室12に連
通する。
【0036】
供給口21は浄水システムの濃縮水吐出口に連通し、吐出口22は浄水システムの濃縮水
返水口に連通する。このようにして、浄水システムからの濃縮水は供給口21を経て第1
室11に入り、第1室11に入った濃縮水分画は吐出口22を通過して、浄水システムの
濃縮水返水口を経て、浄水システムに再び戻って、飲用水の製造に用いられ、一方、残り
は孔群50を経て第2室12に入り、さらに排水口から排出される。さらに、スプール4
0は駆動機構によって回動駆動されて、孔群50の通流断面を調整し、これにより、孔群
50を経た濃縮水の流量が調整され、吐出口22から排出される濃縮水と排水口から排出
される濃縮水との割合が変わる。
【0037】
本実施例の重点として、第1室11は扁柱状室として構成され、すなわち、第1室11の
内壁により偏円柱面が画定され、さらに、供給口21は接線方向に沿って第1室11まで
延びている。
【0038】
第1室11及び供給口21の上記の構造上の特徴によって、
濃縮水は供給口21を介して第1室11に入った後、所定の流速で第1室11内を旋回流
動し、このような旋回流動は濃縮水の第1室11内でのエネルギー(運動エネルギー)損
失を小さくし、第1室11の内壁及びセパレータのうち第1室11に面する端面は旋回流
動する濃縮水で持続的に流され、これにより、濃縮水が第1室11の内壁やセパレータの
端面で結晶化することを回避し、特に孔群50の端部での結晶化をさらに回避することが
できる。
【0039】
また、濃縮水の旋回流動による接線方向力が孔群50の内部に対して大きなフラッシング
作用を与える。
【0040】
また、濃縮水が第1室11内で旋回流動するため、第1室11での濃縮水の滞在時間が長
くなり、これにより、単位量の濃縮水による第1室11内の関連する面の流し作用が十分
に利用される。
【0041】
以上より、本実施例による濃縮水調整弁のメリットは以下にある。
【0042】
供給口21が接線方向に沿って第1室11まで延びることにより、孔群50が持続的かつ
強く流され、結晶化による孔群50の閉塞が効果的に回避され、特に孔群50の開口の小
さい端部の閉塞が回避される。
【0043】
さらに好ましい実施例では、図2に示すように、吐出口22も接線方向に沿って第1室1
1まで延びているが、吐出口22の向きは第1室11内で旋回流動する濃縮水の飛離方向
と反対する。このような構成によれば、以下のメリットがある。供給口21の延び方向が
第1室11内で旋回流動する濃縮水の飛離方向と同一又は所定の角度をなす場合、旋回流
動する濃縮水は吐出口22を経るときに大きな剪断力を受け、濃縮水の流れが乱れ、大き
なエネルギー損失が生じる。一方、供給口21の向きが旋回流動する濃縮水の飛離方向と
反対することにより、濃縮水が供給口21を経るときに受ける抵抗力(剪断力を含む)が
小さくなり、エネルギー損失が小さくなり、これにより、濃縮水がある程度持続的に第1
室11内を旋回流動し、第1室11内の各室壁に対する濃縮水の流し作用がさらに強化さ
れる。
【0044】
さらに好ましい実施例では、吐出口22の向きは供給口21の向きと反対する。すなわち
、供給口21は図2に示す頂部に位置し、吐出口22は図1に示す底部に位置する。この
ように、第1室11に入ったすべての濃縮水は少なくとも円弧の半分だけの流路があり、
濃縮水のエネルギー損失がさらに減少する。
【0045】
孔群50の構造形態がさまざまであり、以下、孔群50の2つの具体的な構造形態を挙げ
る。
【0046】
構造形態1(図示せず):孔群50はセパレータを貫通している複数の貫通孔を含み、こ
の複数の貫通孔は円周方向に配置され、孔径が順に変化し、このような場合、スプール4
0は異なる孔径の貫通孔を開き、残りの貫通孔を閉じることで孔群50の通流断面を変え
、さらに吐出口22及び排出口23からの濃縮水の割合を変える。
【0047】
構造形態2:図2に示すように、該孔群50は円周方向に延びており、断面が勾配的に変
化する円弧状貫通溝である。スプール40は円弧状貫通溝の一部を開き、残りの部分を閉
じることで孔群50の通流断面を変え、さらに吐出口22及び排出口23からの濃縮水の
割合を変える。
【0048】
さらに好ましい実施例では、供給口21及び吐出口22では、第1室11に連通する部分
が縮径口211となる。このような構成によれば、以下のメリットがある。縮径口211
が設けられることによって、第1室11に入る濃縮水の流速が速まり、第1室11の各室
壁に対する濃縮水の流し作用が強化される。
【0049】
セパレータの構造形態がさまざまであるが、さらに好ましい実施例では、セパレータはス
リーブ部材30であり、該スリーブ部材30では第1室11に位置する一端は弁板31と
なる。孔群50は該弁板31に設けられ、スプール40はスリーブ部材30内に装着され
、該スプール40はセラミックス材料で製造されてもよい。スリーブ部材30はシールリ
ングを介して弁体10にシールして設けられ、また、キー構造や締まり嵌めを通じてスリ
ーブ部材30の回動が制限される。スリーブ部材30内にリテーナが設けられ、該リテー
ナはスプール40がスリーブ部材30から抜くことを回避する。セパレータをスリーブ部
材30のように構成すること、及びスプール40とスリーブ部材30に上記のような組み
立て関係を付与することによって、以下のメリットがある。組み立てのコンパクト性がよ
り向上する。
【0050】
さらに好ましい実施例では、第2室12は柱状室として構成され、第2室12と第1室1
1との間に段差構造が画定されている。スリーブ部材30の外周には、段差構造と嵌合す
る環状段差が形成されている。このように、スリーブ部材30の組立や位置決めが容易に
なる。
【0051】
弁板31では、第1室11に面する面は平面であってもよいし、中部に隆起部311を有
する面であってもよい。弁板31の表面の中部に隆起部311が設けられた場合、孔群5
0は隆起部311の径方向の周辺に配置される。このように、濃縮水のほとんどは隆起部
311の径方向の周辺に沿って旋回流動し、濃縮水の流速を速め、孔群50に対するフラ
ッシング作用がより良好になる。
【0052】
孔群50を流れる濃縮水はさまざまな構造形態を介して第2室12に流れるようにしても
よく、さらに好ましい実施例では、図1図3に示すように、スプール40の弁板31に
面する端面の縁部に端溝41が設けられ、端溝41と第2室12との間に案内通路が形成
されており、該案内通路は、スプール40の外周面に開けられる環状導流溝42と、スリ
ーブ部材30に開けられる導流通路32と、を含む。端溝41は軸方向に延びて環状導流
溝42まで貫通している。導流通路32の一端はスリーブ部材30の内壁まで貫通し、環
状導流溝42に軸方向に対向し、導流通路32の他端はスリーブ部材30まで貫通し、第
2室12の端面に位置する。このように、孔群50を流れた濃縮水は端溝41、環状導流
溝42及び導流通路32を順次経て第2室12に入り、排出口23から排出される。さら
に、スプール40が回動することにより端溝41と孔群50との重なり面積が変わり、濃
縮水の流量を決定する通流断面が変わる。
【0053】
さらに好ましい実施例では、端溝41の断面面積が端面に対応する孔群50の断面面積よ
りも大きいことによって、孔群50を流れた濃縮水は端溝41に入ってから流速が遅くな
り、これにより、関連部品に対する濃縮水の衝撃が低減し、騒音や振動が低減する。
【0054】
さらに好ましい実施例では、導流通路32の第2室12に近い部分がラッパ口となる。こ
れによって、導流通路32を流れる濃縮水の流速が遅くなり、騒音や振動がある程度低減
する。
【0055】
駆動機構は、例えば、駆動機構はサーボモータによってスプール40を駆動するなど、さ
まざまな方式でスプール40を駆動してもよい。
【0056】
好ましい一実施例では、図1に示すように、ノブ63機構60は駆動機構とする。該ノブ
63機構60は軸系とノブ63を含む。軸系は止め柱61と軸棒62を含む。具体的には
、止め柱61のヘッド部はスプラインを介してスプール40に接続され、止め柱61の外
周とキャップ13との間にスプリングローラ64が設けられ、軸棒62のヘッド部はキャ
ップ13を貫通して止め柱61の末端に接続され、軸棒62とキャップ13との間に2層
のシールリングが設けられ、ノブ63は軸棒62の末端に接続される。このように、ノブ
63を回すことでスプール40が回動駆動される。
【0057】
さらに、例示的な実施例が本発明に記載されているが、その範囲は、同等の要素、修正、
省略、組み合わせ(例えば、様々な実施例が交差する形態)、変化又は変更を有する、本
発明に基づく任意及びすべての実施例を含む。特許請求の範囲における要素は、特許請求
の範囲内で採用される言語に基づいて広く解釈され、本明細書又は本願の実施の間に説明
される例に限定されるものではなく、その例は非排他的であると解釈される。したがって
、本明細書及び例示は、単なる例示とみなされることが意図されており、真の範囲及び精
神は、以下の請求項及びその均等物の全範囲によって示される。
【0058】
以上の説明は、限定的ではなく、例示的であることを意図している。例えば、上記の例(
又はその1つ又は複数の態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。例えば、
当業者は、上述した説明を読むときに、他の実施例を使用することができる。また、上記
の特定実施形態では、本発明を単純化するために、様々な特徴を組み合わせることができ
る。これは、保護を請求していない開示特徴がいずれの請求項にも必要であるという意図
と解釈してはならない。むしろ、本発明の主題は、開示された特定の実施例のすべての特
徴よりも少なくてもよい。したがって、以下の特許請求の範囲は、例示又は実施例として
、本明細書において具体的な実施形態に組み込まれ、各請求項は独立して別個の実施例と
して機能し、これらの実施例は、様々な組合せ又は配置で相互に結合され得ることが考慮
される。本発明の範囲は、添付の請求項及びこれらの請求項により付与された均等な形態
の全範囲を参照して決定されるものとする。
【0059】
上記の実施例は、本発明の例示的な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本
発明の特許範囲は特許請求の範囲によって限定される。当業者は、本発明の趣旨及び特許
範囲内で本発明に対して様々な修正又は同等置換を行うことができ、そのような修正又は
同等置換も本発明の特許範囲内にあるものとみなす。
【符号の説明】
【0060】
10 弁体
11 第1室
12 第2室
13 キャップ
21 供給口
211 縮径口
22 吐出口
221 縮径口
23 排出口
30 スリーブ部材
31 弁板
311 隆起部
32 導流通路
40 スプール
41 端溝
42 環状導流溝
50 孔群
60 ノブ機構
61 止め柱
62 軸棒
63 ノブ
64 スプリングローラ
図1
図2
図3