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特許7511970姿勢推定システム、制御システム、及び姿勢推定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】姿勢推定システム、制御システム、及び姿勢推定方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/22 20060101AFI20240701BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20240701BHJP
   G01B 11/26 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
G01B21/22
G01S17/931
G01B11/26 H
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022019861
(22)【出願日】2022-02-10
(65)【公開番号】P2023117251
(43)【公開日】2023-08-23
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】浦添 和哉
(72)【発明者】
【氏名】向井 裕人
(72)【発明者】
【氏名】今村 隼
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102019109253(DE,A1)
【文献】特開2015-075382(JP,A)
【文献】特開2003-057345(JP,A)
【文献】特開2021-103132(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
21/00-21/32
G01S 7/48-7/51
17/00-17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられた第1センサの検知結果を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第1センサの検知結果に基づいて、前記第1センサを基準とした前記車両が移動する路面の相対的な角度である相対角度を算出し、前記車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定する推定部と、
前記推定部が推定した前記ずれを示す姿勢情報を出力する出力部と、
前記第1センサとは別に、前記車両の周辺に対して障害物を検知するために設けられる第2センサに対して、前記第2センサが前記障害物の有無を判定する閾値を指示する制御信号を出力する制御部と、を備え、
前記第1センサは、前記相対角度を算出するために設けられ、
前記制御部は、前記姿勢情報が示す前記ずれの大きさに応じて、前記閾値を変化させる、
姿勢推定システム。
【請求項2】
前記基準姿勢は、前記車両の前記路面に対する相対的な角度に基づく姿勢である、
請求項1に記載の姿勢推定システム。
【請求項3】
前記第1センサは、前記車両の周辺の対象物を検知するセンサであって、
前記推定部は、前記第1センサで検知された前記対象物としての前記路面を示す点群に基づいて、前記相対角度を算出する、
請求項1又は2に記載の姿勢推定システム。
【請求項4】
前記第1センサは複数であって、複数の前記第1センサは、それぞれ互いに異なる方向を向くように前記車両に取り付けられており、
前記推定部は、複数の前記第1センサのそれぞれで検知された複数の前記点群に基づいて、前記相対角度を算出する、
請求項3に記載の姿勢推定システム。
【請求項5】
前記推定部は、前記相対角度の一定時間における分散が所定値を上回る場合、前記ずれを推定しない、又は、前記一定時間における前記相対角度を平均した角度を用いて前記ずれを推定する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の姿勢推定システム。
【請求項6】
前記第1センサは少なくとも一対であって、一方の第1センサが前記車両の前方に取り付けられ、他方の第1センサが前記車両の後方に取り付けられており、
前記推定部は、前記一方の第1センサの検知結果に基づく前記相対角度と、前記他方の第1センサの検知結果に基づく前記相対角度と、に基づいて前記車両が勾配に進入しているか否かを判定し、前記車両が前記勾配に進入していると判定した場合、前記ずれを推定しない、
請求項1~4のいずれか1項に記載の姿勢推定システム。
【請求項7】
前記推定部は、前記相対角度に瞬時的な立ち上がり又は立下りが存在する場合、前記ずれを推定しない、
請求項1~4のいずれか1項に記載の姿勢推定システム。
【請求項8】
前記取得部は、前記車両の速度を検知する速度センサの検知結果を更に取得し、
前記推定部は、前記取得部が取得した前記車両の速度の変化が所定の範囲を超える場合、前記ずれを推定しない、
請求項1~4のいずれか1項に記載の姿勢推定システム。
【請求項9】
前記第1センサは、前記車両の周辺の対象物を検知するセンサであって、
前記推定部は、前記第1センサで検知された前記対象物としての前記路面を示す点群に含まれる路面点の数が所定数を下回る場合、前記ずれを推定しない、
請求項1~4のいずれか1項に記載の姿勢推定システム。
【請求項10】
前記第1センサはカメラであり、前記第2センサは検知領域に対して送信波を放射し、かつ、当該検知領域に存在する物体からの反射波を受信するセンサである、
請求項1~9のいずれか1項に記載の姿勢推定システム。
【請求項11】
第1センサの検出結果に基づいて算出される、前記第1センサを基準とした車両が移動する路面の相対的な角度である相対角度に基づいて推定される前記車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを示す姿勢情報を取得する入力部と、
前記入力部で取得した前記姿勢情報に基づいて、前記車両の周辺における障害物の有無を検知するために前記第1センサとは別に設けられる第2センサに対して、前記第2センサが前記障害物の有無を判定する閾値を指示する制御信号を出力する制御部と、を備え、
前記第1センサは、前記相対角度を算出するために設けられており、
前記制御部は、前記姿勢情報が示す前記ずれの大きさに応じて、前記閾値を変化させる、
制御システム。
【請求項12】
相対角度を算出するために車両に取り付けられた第1センサの検知結果を取得し、
取得した前記第1センサの検知結果に基づいて、前記第1センサを基準とした前記車両が移動する路面の相対的な角度である前記相対角度を算出し、前記車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定し、
前記基準姿勢に対する前記定常的な姿勢のずれの大きさに応じて、前記第1センサとは別に障害物を検知するために車両に取り付けられた第2センサが、前記障害物の有無を判定する閾値を変更する、
姿勢推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に車両の姿勢を推定する姿勢推定システム、制御システム、及び姿勢推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動車に搭載され、走行中の自動車が走行時に車両周辺に存在する障害物の有無を検知する車両周辺監視システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-135301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、積載物等による車両の定常的な姿勢のずれを推定することができる姿勢推定システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る姿勢推定システムは、取得部と、推定部と、出力部と、を備える。前記取得部は、車両に取り付けられた第1センサの検知結果を取得する。前記推定部は、前記取得部が取得した前記第1センサの検知結果に基づいて、前記第1センサを基準とした前記車両が移動する路面の相対的な角度である相対角度を算出し、前記車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定する。前記出力部は、前記推定部が推定した前記ずれを示す姿勢情報を出力する。
【0006】
本開示の一態様に係る制御システムは、入力部と、制御部と、を備える。前記入力部は、車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを示す姿勢情報を取得する。前記制御部は、前記入力部で取得した前記姿勢情報に基づいて、前記車両の周辺における障害物の有無を検知する第2センサに対して、前記第2センサが前記障害物の有無を判定する閾値を指示する制御信号を出力する。前記制御部は、前記姿勢情報が示す前記ずれの大きさに応じて、前記閾値を変化させる。
【0007】
本開示の一態様に係る姿勢推定方法では、車両に取り付けられた第1センサの検知結果を取得する。前記姿勢推定方法では、取得した前記第1センサの検知結果に基づいて、前記第1センサを基準とした前記車両が移動する路面の相対的な角度である相対角度を算出し、前記車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の姿勢推定システム等では、積載物等による車両の定常的な姿勢のずれを推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態における姿勢推定システムの概要を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態における姿勢推定システムの推定部の動作例の説明図である。
図3図3は、実施の形態における姿勢推定システムの推定部で生成された3次元画像の一例を示す図である。
図4図4は、実施の形態における姿勢推定システムの推定部で生成された、積載物が存在する場合の点群を車両の幅方向から見た平面に投影した図である。
図5図5は、実施の形態における車両の路面に対する定常的な姿勢のずれと、相対角度との相関の説明図である。
図6図6は、実施の形態における姿勢推定システムの動作例を示すフローチャートである。
図7図7は、車両に積載物が存在しない場合の第2センサの動作の説明図である。
図8図8は、車両に積載物が存在する場合の第2センサの動作の説明図である。
図9図9は、車両に積載物が存在する場合の課題の説明図である。
図10図10は、実施の形態の第1変形例における姿勢推定システムの説明図である。
図11図11は、実施の形態の第2変形例における姿勢推定システムの説明図である。
図12図12は、実施の形態の第3変形例における姿勢推定システムの説明図である。
図13図13は、実施の形態の第4変形例における姿勢推定システムの説明図である。
図14図14は、実施の形態の第5変形例における姿勢推定システムの説明図である。
図15図15は、実施の形態の第6変形例における姿勢推定システムの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一態様に係る姿勢推定システムは、取得部と、推定部と、出力部と、を備える。前記取得部は、車両に取り付けられた第1センサの検知結果を取得する。前記推定部は、前記取得部が取得した前記第1センサの検知結果に基づいて、前記第1センサを基準とした前記車両が移動する路面の相対的な角度である相対角度を算出し、前記車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定する。前記出力部は、前記推定部が推定した前記ずれを示す姿勢情報を出力する。
【0011】
これによれば、積載物等により車両に定常的な姿勢のずれが生じることに伴って、車両に取り付けられた第1センサも同様に既定位置からずれることから、第1センサの既定位置からのずれに相当する相対角度を算出することで、積載物等による車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定することができる、という利点がある。
【0012】
本開示の他の態様に係る姿勢推定システムでは、基準姿勢は、前記車両の前記路面に対する相対的な角度に基づく姿勢である。
【0013】
これによれば、例えば上り勾配又は下り勾配等の路面の種類を問わず、車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定することができる、という利点がある。
【0014】
本開示の他の態様に係る姿勢推定システムでは、前記第1センサは、前記車両の周辺の対象物を検知するセンサである。前記推定部は、前記第1センサで検知された前記対象物としての前記路面を示す点群に基づいて、前記相対角度を算出する。
【0015】
これによれば、車両の周辺の状況を把握するために使用される既設のセンサを用いて相対角度を算出することができるので、別途第1センサを用意しなくて済む、という利点がある。
【0016】
本開示の他の態様に係る姿勢推定システムでは、前記第1センサは複数である。複数の前記第1センサは、それぞれ互いに異なる方向を向くように前記車両に取り付けられている。前記推定部は、複数の前記第1センサのそれぞれで検知された複数の前記点群に基づいて、前記相対角度を算出する。
【0017】
これによれば、例えば第1センサの取付時に第1センサが既定位置からずれて取り付けられた場合等、第1センサの意図しない取付位置のずれが生じた場合でも、複数の第1センサの検知結果を用いて総合的に相対角度を算出することができるので、ロバスト性を向上しやすい、という利点がある。
【0018】
本開示の他の態様に係る姿勢推定システムでは、前記推定部は、前記相対角度の一定時間における分散が所定値を上回る場合、前記ずれを推定しない、又は、前記一定時間における前記相対角度を平均した角度を用いて前記ずれを推定する。
【0019】
これによれば、例えば車両が凹凸を有する路面を移動する等して車両の姿勢が瞬時的に変化した場合に、車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度が劣化するのを防ぎやすい、という利点がある。
【0020】
本開示の他の態様に係る姿勢推定システムでは、前記第1センサは少なくとも一対である。一方の第1センサが前記車両の前方に取り付けられ、他方の第1センサが前記車両の後方に取り付けられている。前記推定部は、前記一方の第1センサの検知結果に基づく前記相対角度と、前記他方の第1センサの検知結果に基づく前記相対角度と、に基づいて前記車両が勾配に進入しているか否かを判定し、前記車両が前記勾配に進入していると判定した場合、前記ずれを推定しない。
【0021】
これによれば、例えば車両が上り勾配又は下り勾配に進入する場合に、車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度が劣化するのを防ぎやすい、という利点がある。
【0022】
本開示の他の態様に係る姿勢推定システムでは、前記推定部は、前記相対角度に瞬時的な立ち上がり又は立下りが存在する場合、前記ずれを推定しない。
【0023】
これによれば、例えば車両が上り勾配若しくは下り勾配に進入する場合、又は車両が急激に加速若しくは減速する場合に、車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度が劣化するのを防ぎやすい、という利点がある。
【0024】
本開示の他の態様に係る姿勢推定システムでは、前記取得部は、前記車両の速度を検知する速度センサの検知結果を更に取得する。前記推定部は、前記取得部が取得した前記車両の速度の変化が所定の範囲を超える場合、前記ずれを推定しない。
【0025】
これによれば、例えば車両が急激に減速したり、急激に加速したり等した場合に、車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度が劣化するのを防ぎやすい、という利点がある。
【0026】
本開示の他の態様に係る姿勢推定システムでは、前記第1センサは、前記車両の周辺の対象物を検知するセンサである。前記推定部は、前記第1センサで検知された前記対象物としての前記路面を示す点群に含まれる路面点の数が所定数を下回る場合、前記ずれを推定しない。
【0027】
これによれば、例えば車両が上り勾配から平坦路に進入する場合に、車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度が劣化するのを防ぎやすい、という利点がある。
【0028】
本開示の他の態様に係る姿勢推定システムは、前記車両の周辺における障害物の有無を検知する第2センサに対して、前記第2センサが前記障害物の有無を判定する閾値を指示する制御信号を出力する制御部を更に備える。前記制御部は、前記姿勢情報が示す前記ずれの大きさに応じて、前記閾値を変化させる。
【0029】
これによれば、車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの大きさに応じて第2センサの閾値を変化させるので、車両に積載物が存在しない場合の閾値を小さくすることができ、比較的小型の障害物等、反射波の受信電力が小さくなりがちな障害物を検知しやすくなる、という利点がある。
【0030】
本開示の一態様に係る制御システムは、入力部と、制御部と、を備える。前記入力部は、車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを示す姿勢情報を取得する。前記制御部は、前記入力部で取得した前記姿勢情報に基づいて、前記車両の周辺における障害物の有無を検知する第2センサに対して、前記第2センサが前記障害物の有無を判定する閾値を指示する制御信号を出力する。前記制御部は、前記姿勢情報が示す前記ずれの大きさに応じて、前記閾値を変化させる。
【0031】
これによれば、車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの大きさに応じて第2センサの閾値を変化させることで、車両に積載物が存在しない場合の閾値を小さくすることができ、比較的小型の障害物等、反射波の受信電力が小さくなりがちな障害物を検知しやすくなる、という利点がある。
【0032】
本開示の一態様に係る姿勢推定方法では、車両に取り付けられた第1センサの検知結果を取得する。前記姿勢推定方法では、取得した前記第1センサの検知結果に基づいて、前記第1センサを基準とした前記車両が移動する路面の相対的な角度である相対角度を算出し、前記車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定する。
【0033】
これによれば、積載物等により車両に定常的な姿勢のずれが生じることに伴って、車両に取り付けられた第1センサも同様に既定位置からずれることから、第1センサの既定位置からのずれに相当する相対角度を算出することで、積載物等による車両の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定することができる、という利点がある。
【0034】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータで読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0035】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、包括的又は具体的な一例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置、ステップ、ステップの順序等は、一例であって本開示を限定するものではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。
【0036】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成については同じ符号を付している。
【0037】
<構成>
図1は、実施の形態における姿勢推定システム10の概要を示すブロック図である。図2は、実施の形態における姿勢推定システム10の動作例の説明図である。
【0038】
実施の形態における姿勢推定システム10は、自動車等の車両4の姿勢(ピッチ角、ヨー角、及びロール角)を推定するためのシステムである。特に、実施の形態における姿勢推定システム10は、例えば車両4が凹凸を有する路面5を移動する場合、又は平坦路から上り勾配若しくは下り勾配に進入する場合等における、車両4の基準姿勢に対する瞬時的な姿勢のずれを推定するのではなく、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定するためのシステムである。実施の形態では、車両4は自動車であることとして説明するが、車両4を自動車に限定する趣旨ではない。車両4は、例えば農業機械又は工業機械等、サスペンション等のばねを有する移動体であってもよい。
【0039】
ここで、基準姿勢とは、車両4が路面5を移動している場合の基準となる姿勢であって、具体的には、車両4の長手方向が路面5と平行である、言い換えればピッチ角が0度である状態をいう。なお、ここでいう「平行」は、完全に平行であることの他、略平行を含む。同様に、ここでいう「0度」は、完全の0度であることの他、略0度を含む。
【0040】
実施の形態では、基準姿勢は、平坦路を基準面とした車両4の基準面に対する絶対的な角度に基づく姿勢ではなく、車両4の路面5に対する相対的な角度に基づく姿勢である。つまり、実施の形態では、基準姿勢は、路面5の勾配に依らない車両4の姿勢となる。したがって、実施の形態では、姿勢推定システム10は、車両4の路面5に対する相対的かつ定常的な姿勢のずれを推定する。
【0041】
また、ここで、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれとは、車両4が外的要因により基準姿勢に対して傾いており、この外的要因が取り除かれない間においては、車両4が路面5に対して傾いた状態が恒久的に維持されることをいう。このような車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれは、例えば車両4の一部(例えば、前部、後部、左部、又右部)に積載物7が集中して存在する場合に生じ得る。積載物7は、例えば車両4に搭乗する乗員、又は車両4に積載される荷物等である。なお、図2、及び以降の説明で登場する図面においては、積載物7は、車両4の上に載せ置かれている形で表現されているが、積載物7の態様を限定する趣旨ではない。
【0042】
以下では、車両4の路面5に対する定常的な姿勢のずれとして、車両4の路面5に対するピッチ角を例に挙げて説明する。なお、上記ずれは、ピッチ角に限らず、ロール角、又はヨー角で表されてもよい。例えば、車両4の幅方向における左部又は右部に積載物7が集中して存在する場合、上記ずれは、車両4の路面5に対するロール角で表され得る。
【0043】
姿勢推定システム10は、例えばメモリ及びプロセッサ(マイクロプロセッサ)を含むコンピュータを備え、メモリに格納された制御プログラムをプロセッサが実行することにより、姿勢推定システム10の各部を制御して各種機能を実現する。なお、メモリは、プログラム及びデータを予め保持しているROM(Read Only Memory)、プログラムの実行に際してデータ等の記憶に利用するためのRAM(Random Access Memory)等であり、例えば不揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0044】
姿勢推定システム10は、例えば車両4に搭載されている第1センサ31(後述する)を制御するECU(Electronic Control Unit)により実現される。なお、姿勢推定システム10は、第1センサ31を制御するECUに限らず、他のECUにより実現されてもよい。また、姿勢推定システム10は、ECUとは別の独立した信号処理回路で実現されてもよい。
【0045】
図1に示すように、姿勢推定システム10は、取得部11と、推定部12と、出力部13と、を備えている。
【0046】
取得部11は、車両4に取り付けられた第1センサ31の検知結果を取得する。第1センサ31は、車両4の周辺の対象物を検知するセンサである。第1センサ31は、例えば先進運転支援システム(ADAS:Advanced driver-assistance systems)用のセンサであって、車両4の内部又は外部に搭載され、逐次(例えば、1/60秒等の所定時間ごとに)、車両4の周辺の対象物を検知する。第1センサ31は、例えば車両4の周辺の光等を検知するイメージセンサ(カメラ)である。カメラは、ステレオカメラであってもよいし、単眼カメラであってもよい。また、第1センサ31は、例えば電磁波の反射を検知するレーダ、又はレーザ光の反射を検知するLiDAR(Light Detection and Ranging)等であってもよい。
【0047】
推定部12は、取得部11が取得した第1センサ31の検知結果に基づいて、第1センサ31を基準とした車両4が移動する路面5の相対的な角度である相対角度θ1(図5参照)を算出し、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定する。実施の形態では、推定部12は、第1センサ31で検知された対象物としての路面5を示す点群に基づいて、相対角度θ1を算出する。
【0048】
以下、推定部12で実行する処理について具体的に説明する。図2は、実施の形態における姿勢推定システム10の推定部12の動作例の説明図である。図2においては、車両4は、前部に積載物7が存在することにより、常時、前部が路面5に近づく向きに傾いた姿勢となっている。このため、図2においては、第1センサ31の位置は、車両4が基準姿勢である場合の既定位置310から高さ方向及びピッチ方向に定常的にずれている。
【0049】
第1センサ31は、単眼カメラ又はステレオカメラであって、車両4の前方を検知領域としていることとする。そして、推定部12は、第1センサ31で撮像した画像に対してSfM(Structure From Motion)及びSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)等の画像処理を実行することにより、車両4の周辺(ここでは、車両4の前方)の3次元画像及び点群データを生成することとする。以下では、点群データのうちの路面5上の任意の1点である路面点61に焦点を当てて説明する。
【0050】
以下では、第1センサ31が単眼カメラであって、時系列でのステレオマッチングを行うことにより3次元画像上に投影される路面点610の位置を算出する例について説明する。なお、ここでは説明を省略するが、第1センサ31がステレオカメラである場合も、非時系列でのステレオマッチングを行うことにより、3次元画像上に投影される路面点610の位置を算出することが可能である。
【0051】
まず、推定部12は、時刻tで第1センサ31により撮像された路面点61と、時刻t+1で第1センサ31により撮像された路面点61と、をマッチングする。ここで、時刻tと時刻t+1との間隔は、第1センサ31のフレームレートに依存する。例えば、時刻tと時刻t+1との間隔は、1/60秒である。
【0052】
次に、推定部12は、時刻tでの第1センサ31の位置と、時刻t+1での第1センサ31の位置と、マッチングした路面点61と、の3点で三角測量を実行することにより、これら3点の相対的な位置関係を算出する。そして、推定部12は、算出した位置関係と、時刻tでの第1センサ31の既定位置310と、時刻t+1での第1センサ31の既定位置310と、に基づいて、3次元画像上に投影される路面点610の位置を算出する。
【0053】
図3は、実施の形態における姿勢推定システム10の推定部12で生成された3次元画像の一例を示す図である。図3の(a)は、車両4に積載物7が存在しない場合の3次元画像を示しており、図3の(b)は、車両4に積載物7が存在する場合の3次元画像を示している。また、図3の(a)、(b)の各々においては、点群60は、多数の路面点610の集合を表している。さらに、図3の(a)、(b)においては、3次元画像には路面5上に存在する棒状の物体8が投影されている。
【0054】
図3の(b)に示すように、車両4に積載物7が存在することによる第1センサ31の既定位置310からのずれは、3次元画像において修正されずに反映されている。すなわち、上記ずれが修正されていれば、図3の(a)に示すような3次元画像になるところ、上記ずれが修正されていないため、図3の(b)に示すような3次元画像となる。上記ずれは、図3の(a)における物体8の先端の位置と、図3の(b)における物体8の先端の位置との差分に相当する。
【0055】
ここで、第1センサ31の既定位置310からのずれは、3次元画像に投影された物体8のみならず、3次元画像に投影された点群60にも反映される。具体的には、図3の(b)に示す3次元画像における点群60は、車両4の幅方向から見ると、図4に示すような画像で表される。図4は、実施の形態における姿勢推定システム10の推定部12で生成された、積載物7が存在する場合の点群60を車両4の幅方向から見た平面に投影した図である。図4において、横軸は路面5に沿った水平方向であり、縦軸は路面5と垂直な方向である。また、図4において、点群60のうちの点群60Aは、3次元画像において路面5を示す点群であり、点群60Bは、3次元画像において物体8を示す点群である。
【0056】
図4に示すように、3次元画像において路面5を示す点群60Aは、車両4の幅方向から見ると、前方に向かうにつれて横軸から離れるように平面上に投影される。この点群60Aは、車両4の前方へ向かうにつれて路面5から離れる向きに傾斜する直線L1(又は平面)に近似される。
【0057】
図5は、実施の形態における車両4の路面5に対する定常的な姿勢のずれと、相対角度θ1との相関の説明図である。図5に示すように、直線L1は、第1センサ31が既定位置310にあると仮定した場合に3次元画像に投影される路面5の傾きを表している。この直線L1の傾きから、直線L1と実際の路面5とのなす角度θ1、つまり第1センサ31を基準とした路面5に対する相対的な角度である相対角度θ1が算出される。
【0058】
そして、第1センサ31の既定位置310からのずれ(相対角度θ1)は、車両4に積載物7が存在することによる車両4の路面5に対する相対的かつ定常的な姿勢のずれ(車両4の路面5に対するピッチ角)に相当する。
【0059】
したがって、推定部12は、第1センサ31の検知結果に基づいて相対角度θ1を算出することにより、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定することが可能である。特に、実施の形態では、推定部12は、上記ずれとして、車両4の路面5に対する相対的かつ定常的な姿勢のずれを推定することになる。
【0060】
出力部13は、推定部12が推定した上記ずれ、すなわち車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを示す姿勢情報を出力する。実施の形態では、出力部13は、姿勢情報として上記の相対角度θ1を出力する。また、実施の形態では、出力部13は、図1に示すように、制御システム20に対して姿勢情報を出力する。
【0061】
制御システム20は、例えばメモリ及びプロセッサ(マイクロプロセッサ)を含むコンピュータを備え、メモリに格納された制御プログラムをプロセッサが実行することにより、制御システム20の各部を制御して各種機能を実現する。なお、メモリは、プログラム及びデータを予め保持しているROM、プログラムの実行に際してデータ等の記憶に利用するためのRAM等であり、例えば不揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0062】
制御システム20は、例えば車両4に搭載されている第2センサ32を制御するECUにより実現される。なお、制御システム20は、第2センサ32を制御するECUに限らず、他のECUにより実現されてもよい。また、制御システム20は、ECUとは別の独立した信号処理回路で実現されてもよい。
【0063】
第2センサ32は、車両4の周辺における障害物の有無を検知するセンサである。第2センサ32は、例えば車両4の内部又は外部に搭載され、逐次(例えば、1/60秒等の所定時間ごとに)、車両4の周辺の障害物の有無を検知する。第2センサ32は、例えばToF(Time of Flight)センサであって、検知領域に対して送信波を放射し、かつ、検知領域に存在する物体からの反射波を受信することで、障害物の有無を検知する。実施の形態では、第2センサ32は、超音波を送信波とするソナーである。また、第2センサ32は、例えば電磁波を送信波とするレーダ、又はレーザ光を送信波とする2次元LiDAR等であってもよい。
【0064】
制御システム20は、図1に示すように、入力部21と、制御部22と、を備えている。
【0065】
入力部21は、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを示す姿勢情報を取得する。実施の形態では、入力部21は、姿勢推定システム10の出力部13から出力される姿勢情報を取得する。
【0066】
制御部22は、入力部21で取得した姿勢情報に基づいて、第2センサ32に対して、第2センサ32が障害物の有無を判定する閾値を指示する制御信号を出力する。
【0067】
ここで、第2センサ32の閾値について説明する。既に述べたように、第2センサ32は、検知領域に対して送信波を放射し、かつ、検知領域に存在する物体からの反射波を受信することで、障害物の有無を検知するが、物体には、障害物の他に、路面5も含まれる。つまり、第2センサ32は、障害物で反射した反射波の他に、路面5で反射した反射波も受信する。このため、第2センサ32は、反射波の受信電力と閾値とを比較することにより、障害物と路面5とを区別して検知するように構成されている。すなわち、基本的に、障害物からの反射波の受信電力は、路面5からの反射波の受信電力よりも大きくなるため、受信電力に対して適宜閾値を設定することで、障害物と路面5とを区別することが可能である。
【0068】
制御部22は、姿勢情報が示す上記ずれの大きさに応じて、閾値を変化させる。実施の形態では、制御部22は、相対角度θ1が0度である場合の閾値を基準閾値として、上記ずれ、つまり相対角度θ1が大きくなればなる程、閾値を基準閾値よりも大きくする。このような制御部22の処理については、後述する<利点>にて詳細に説明する。
【0069】
<動作>
以下、姿勢推定システム10の動作例(言い換えれば、姿勢推定方法の例)について、図6を参照して説明する。図6は、実施の形態における姿勢推定システム10の動作例を示すフローチャートである。まず、取得部11は、第1センサ31から定期的に検知結果を取得する(S1)。
【0070】
次に、推定部12は、取得部11が取得した第1センサ31の検知結果に基づいて、相対角度θ1を算出する(S2)。具体的には、推定部12は、第1センサ31で検知された対象物としての路面5を示す点群60に基づいて、第1センサ31が既定位置310にあると仮定した場合に3次元画像に投影される路面5の傾きを示す直線L1を算出する。そして、推定部12は、算出した直線L1の傾きから、直線L1と実際の路面5とのなす角度、つまり相対角度θ1を算出する。
【0071】
そして、推定部12は、算出した相対角度θ1から、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定する(S3)。具体的には、推定部12は、算出した相対角度θ1を車両4の路面5に対する相対的かつ定常的な姿勢のずれ(ピッチ角)とする。その後、出力部13は、推定部12が推定した上記ずれ、すなわち車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを示す姿勢情報を出力する(S4)。具体的には、出力部13は、推定部12で算出された相対角度θ1を、姿勢情報として制御システム20に対して出力する。
【0072】
<利点>
以下、実施の形態における姿勢推定システム10の利点について説明する。まず、姿勢推定システム10により、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定するに至った背景について、図7図9を用いて説明する。図7は、車両4に積載物7が存在しない場合の第2センサ32の動作の説明図である。図8は、車両4に積載物7が存在する場合の第2センサ32の動作の説明図である。図9は、車両4に積載物7が存在する場合の課題の説明図である。図9において、横軸は時間、縦軸は第2センサ32で受信した反射波の受信電力を表している。
【0073】
図7及び図8の各々に示すように、第2センサ32は、送信波を前方に放射し、路面点61からの反射波を受信していることとして説明する。ここで、図7に示すように、第2センサ32の中心を通り、かつ、第2センサ32の前方において他の方向と比較して送信強度及び受信強度が高くなる中心軸(同図の破線参照)と、第2センサ32の中心及び路面点61を結ぶ直線とのなす角度を「θ2」とする。同様に、図8に示すように、第2センサ32の中心を通り、かつ、第2センサ32の前方において他の方向と比較して送信強度及び受信強度が高くなる中心軸(同図の破線参照)と、第2センサ32の中心及び路面点61を結ぶ直線とのなす角度を「θ3」とする。
【0074】
図8に示すように車両4に積載物7が存在することで車両4の姿勢が定常的にずれている場合、図7に示すように車両4に積載物7が存在せずに車両4が基準姿勢を維持している場合と比較して、角度θ3は角度θ2よりも小さくなる。このため、同じ路面点61からの反射波であっても、車両4の姿勢が定常的にずれている場合に第2センサ32が受信する反射波の受信電力(図9の破線の波線参照)は、車両4が基準姿勢を維持している場合の受信電力(図9の実線の波線参照)よりも大きくなる。
【0075】
既に述べたように、第2センサ32は、反射波の受信電力と閾値とを比較することにより、障害物と路面5とを区別して検知するように構成されている。この閾値が、例えば図9に示すように第1閾値Th1である、と仮定する。図7に示すように車両4が基準姿勢を維持している場合であれば、路面5の路面点61からの反射波の受信電力は第1閾値Th1よりも十分に小さいため、第2センサ32は、障害物と路面5とを明確に区別して検知することが可能である。
【0076】
しかしながら、図8に示すように車両4の姿勢が定常的にずれている場合であれば、路面5の路面点61からの反射波の受信電力は閾値Th1と殆ど同等、又は閾値Th1を上回り得る。このため、第2センサ32は、路面5を誤って障害物であると検知する可能性がある。
【0077】
上記の課題を解消するために、例えば車両4の姿勢が定常的にずれる場合を想定して、閾値を大きくすることが考えられる。具体的には、図9に示すように、閾値を第1閾値Th1よりも大きい第2閾値Th2にすることが考えられる。この場合、車両4の姿勢が定常的にずれている場合においても、路面5の路面点61からの反射波の受信電力は第2閾値Th2よりも十分に小さいため、第2センサ32は、障害物と路面5とを明確に区別して検知することが可能である。
【0078】
しかしながら、上述のように単に閾値を大きくした場合、以下に示す新たな課題が生じる。すなわち、比較的小型の障害物等、反射波の受信電力が小さくなりがちな障害物が路面5上に存在する場合、障害物からの反射波の受信電力が第2閾値Th2を上回らず、第2センサ32が障害物を検知することができなくなる、という課題が生じる。
【0079】
これに対して、実施の形態における姿勢推定システム10では、積載物7等により車両4に定常的な姿勢のずれが生じることに伴って、車両4に取り付けられた第1センサ31も同様に既定位置310からずれることから、第1センサ31の既定位置310からのずれに相当する相対角度θ1を算出することで、積載物7等による車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定することができる、という利点がある。
【0080】
そして、制御システム20は、姿勢推定システム10で推定された上記ずれを参照すれば、上記の課題を解消することが可能である。すなわち、上記ずれの大きさに応じて第2センサ32の閾値を変化させることで、車両4に積載物7が存在せずに車両4が基準姿勢を維持している場合の閾値を小さくすることができ、比較的小型の障害物等、反射波の受信電力が小さくなりがちな障害物を検知しやすくなる、という利点がある。
【0081】
例えば、図9に示す例であれば、姿勢推定システム10で推定された上記ずれが小さい、又は上記ずれが無い場合に第2センサ32の閾値を第1閾値Th1とし、姿勢推定システム10で推定された上記ずれが大きい場合に第2センサ32の閾値を第2閾値Th2とする。このように上記ずれの大きさに応じて第2センサ32の閾値を動的に変化させることで、車両4の姿勢が定常的にずれている場合においても、第2センサ32は障害物と路面5とを明確に区別して検知することができる。また、車両4が基準姿勢を維持している場合においても、第2センサ32は反射波の受信電力が小さくなりがちな障害物を検知しやすくなる。
【0082】
<変形例>
以下、本開示に係る姿勢推定システムについて、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を上記実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0083】
<第1変形例>
図10は、実施の形態の第1変形例における姿勢推定システム10の説明図である。図10の(a)は、積載物7が存在する車両4が、凹凸を有する路面5を移動している様子を表している。図10の(b)は、上記車両4が凹凸を有する路面5を移動する際の相対角度θ1の時系列変化を表している。図10の(b)に示すように、車両4が凹凸を有する路面5を移動する際に、相対角度θ1には、瞬時的な変化が表れる(同図の丸印を参照)。このような相対角度θ1の瞬時的な変化、つまり車両4の姿勢の瞬時的な変化を含めた姿勢情報を制御システム20に出力した場合、車両4の姿勢の瞬時的な変化に伴って第2センサ32の閾値が変化してしまい、障害物の検知性能に影響を及ぼし得る。
【0084】
そこで、第1変形例における姿勢推定システム10では、推定部12は、相対角度θ1の一定時間における分散が所定値を上回るか否かを判定することにより、車両4の姿勢に瞬時的な変化が表れているか否かを判定する。そして、推定部12は、相対角度θ1の一定時間における分散が所定値を上回る場合、相対角度θ1を推定しない、つまり車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定しない。または、推定部12は、上記の場合、上記一定時間における相対角度θ1を平均した角度を用いて、上記ずれを推定する。ここで、「ずれを推定しない」とは、そもそも上記ずれを推定する処理を実行しないことを含む他、上記ずれを推定するが推定結果を棄却することを含み得る。
【0085】
第1変形例によれば、例えば車両4が凹凸を有する路面5を移動する等して車両4の姿勢が瞬時的に変化した場合に、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度が劣化するのを防ぎやすい、という利点がある。特に、第1変形例によれば、相対角度θ1の瞬時的な変化を除いた姿勢情報を制御システム20に出力するため、車両4の姿勢の瞬時的な変化に伴って第2センサ32の閾値が変化せず、障害物の検知性能に影響を及ぼしにくい。
【0086】
<第2変形例>
図11は、実施の形態の第2変形例における姿勢推定システム10の説明図である。図11は、積載物7が存在する車両4が、路面5の上り勾配に進入する様子を表している。このように車両4が路面5の上り勾配(又は下り勾配)に進入する際に、相対角度θ1には、車両4が凹凸を有する路面5を移動する場合と比較すると緩やかではあるが、瞬時的な変化が表れる。このような相対角度θ1の瞬時的な変化、つまり車両4の姿勢の瞬時的な変化を含めた姿勢情報を制御システム20に出力した場合、車両4の姿勢の瞬時的な変化に伴って第2センサ32の閾値が変化してしまい、障害物の検知性能に影響を及ぼし得る。
【0087】
そこで、第2変形例における姿勢推定システム10では、図11に示すように、車両4に少なくとも一対の第1センサ31が取り付けられており、一方の第1センサ31が車両4の前方に取り付けられ、他方の第1センサ31が車両4の後方に取り付けられていることを前提として、上記の課題を解消する。すなわち、推定部12は、一方の第1センサ31の検知結果に基づく相対角度θ1と、他方の第1センサ31の検知結果に基づく相対角度θ1とに基づいて、車両4が勾配に進入しているか否かを判定する。
【0088】
ここで、車両4が勾配に進入すると、車両4が勾配に進入する前と比較して、一方の第1センサ31の検知結果に基づく相対角度θ1と、他方の第1センサ31の検知結果に基づく相対角度θ1との差分に変化が生じる。推定部12は、上記差分が所定値を上回るか否かにより、車両4が勾配に進入しているか否かを判定する。そして、推定部12は、上記差分が所定値を上回る場合、つまり車両4が勾配に進入していると判定した場合、相対角度θ1を推定しない、つまり車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定しない。
【0089】
第2変形例によれば、例えば車両4が上り勾配又は下り勾配に進入する場合に、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度が劣化するのを防ぎやすい、という利点がある。特に、第2変形例によれば、第1変形例と同様に、車両4の姿勢の瞬時的な変化に伴って第2センサ32の閾値が変化せず、障害物の検知性能に影響を及ぼしにくい。
【0090】
<第3変形例>
図12は、実施の形態の第3変形例における姿勢推定システム10の説明図である。図12の(a)は、積載物7が存在する車両4が勾配(ここでは、上り勾配)に進入する際の相対角度θ1の時系列変化を表している。図12の(b)は、上記車両4が急激に加速し、その後、急激に減速する際の相対角度θ1の時系列変化を表している。図12の(a)、(b)に示すように、車両4が上り勾配に進入する場合、又は車両4が急激に加速若しくは減速する場合、相対角度θ1には、瞬時的な立ち上がり又は立ち下がりが表れる(同図の丸印を参照)。このような相対角度θ1の瞬時的な変化、つまり車両4の姿勢の瞬時的な変化を含めた姿勢情報を制御システム20に出力した場合、車両4の姿勢の瞬時的な変化に伴って第2センサ32の閾値が変化してしまい、障害物の検知性能に影響を及ぼし得る。
【0091】
そこで、第3変形例における姿勢推定システム10では、推定部12は、相対角度θ1に瞬時的な立ち上がり又は立下りが存在するか否かを判定することにより、車両4が勾配に進入しているか否か、又は車両4が急激に加速又は減速をしているか否かを判定する。例えば、推定部12は、相対角度θ1が第1所定値を上回る状況が比較的短い所定時間において生じた場合、相対角度θ1に瞬時的な立ち上がりが存在すると判定する。また、例えば、推定部12は、相対角度θ1が第2所定値(<第1所定値)を下回る状況が比較的短い所定時間において生じた場合、相対角度θ1に瞬時的な立ち下がりが存在すると判定する。そして、推定部12は、相対角度θ1に瞬時的な立ち上がり又は立ち下がりが存在する場合、相対角度θ1を推定しない、つまり車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定しない。
【0092】
第3変形例によれば、例えば車両4が上り勾配若しくは下り勾配に進入する場合、又は車両4が急激に加速若しくは減速する場合に、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度が劣化するのを防ぎやすい、という利点がある。特に、第3変形例によれば、第1変形例又は第2変形例と同様に、車両4の姿勢の瞬時的な変化に伴って第2センサ32の閾値が変化せず、障害物の検知性能に影響を及ぼしにくい。
【0093】
<第4変形例>
図13は、実施の形態の第4変形例における姿勢推定システム10の説明図である。図13の(a)は、積載物7が存在する車両4が、急ブレーキにより急激に減速する様子を表している。図13の(b)は、上記車両4が急激に加速し、その後、急激に減速する際の相対角度θ1の時系列変化を表している。図13の(b)に示すように、車両4が急激に減速したり、急激に加速したりする際に、相対角度θ1には、瞬時的な変化が表れる(同図の丸印参照)。このような相対角度θ1の瞬時的な変化、つまり車両4の姿勢の瞬時的な変化を含めた姿勢情報を制御システム20に出力した場合、車両4の姿勢の瞬時的な変化に伴って第2センサ32の閾値が変化してしまい、障害物の検知性能に影響を及ぼし得る。
【0094】
そこで、第4変形例における姿勢推定システム10では、車両4の速度を検知する速度センサ(例えば、加速度センサ)が取り付けられていることを前提として、上記の課題を解消する。すなわち、取得部11は、車両4の速度を検知する速度センサの検知結果を更に取得する。また、推定部12は、取得部11が取得した車両4の速度の変化が所定の範囲を超えるか否かを判定することにより、車両4が急激に加速又は減速をしているか否かを判定する。そして、推定部12は、車両4の速度の変化が所定の範囲を超える場合、つまり車両4が急激に加速又は減速していると判定した場合、相対角度θ1を推定しない、つまり車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定しない。
【0095】
第4変形例によれば、例えば車両4が急激に減速したり、急激に加速したり等した場合に、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度が劣化するのを防ぎやすい、という利点がある。特に、第4変形例によれば、第1変形例~第3変形例と同様に、車両4の姿勢の瞬時的な変化に伴って第2センサ32の閾値が変化せず、障害物の検知性能に影響を及ぼしにくい。
【0096】
<第5変形例>
図14は、実施の形態の第5変形例における姿勢推定システム10の説明図である。図14の(a)は、第1センサ31が、取付時において既定位置310からずれて車両4に取り付けられている様子を表している。図14の(b)は、車両4を上方から見た平面図であって、車両4の前後左右のそれぞれに第1センサ31が取り付けられている様子を表している。
【0097】
図14の(a)に示すように、第1センサ31は、車両4に取り付けられる際に、既定位置310からずれて取り付けられる場合がある。このような場合、推定部12が第1センサ31の既定位置310を参照しても、第1センサ31の実際の取付位置とずれているため、相対角度θ1の算出精度が劣化し、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度が劣化する可能性がある。
【0098】
そこで、第5変形例における姿勢推定システム10では、図14の(b)に示すように、車両4の前後左右のそれぞれに第1センサ31が取り付けられている、言い換えれば複数の第1センサ31がそれぞれ互いに異なる方向を向くように車両4に取り付けられていることを前提として、上記の問題を解消する。すなわち、推定部12は、複数の第1センサ31のそれぞれで検知された複数の点群60に基づいて、相対角度θ1を算出する。
【0099】
具体的には、推定部12は、1つの第1センサ31で検知された点群60を車両4の幅方向から見た平面に投影するのではなく、全ての第1センサ31でそれぞれ検知された全ての点群60を車両4の幅方向から見た平面に投影し、これらの点群60から直線L1を算出する。そして、推定部12は、算出した直線L1の傾きから、相対角度θ1を算出する。
【0100】
第5変形例によれば、複数の第1センサ31のそれぞれで検知された点群60を用いて相対角度θ1を算出するため、いずれかの第1センサ31が既定位置310からずれて取り付けられた場合であっても、相対角度θ1の算出結果に影響を及ぼしにくい。つまり、第5変形例によれば、例えば第1センサ31の取付時に第1センサ31が既定位置310からずれて取り付けられた場合等、第1センサ31の意図しない取付位置のずれが生じた場合でも、複数の第1センサ31の検知結果を用いて総合的に相対角度θ1を算出することができるので、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度が劣化しにくく、ロバスト性を向上しやすい、という利点がある。
【0101】
<第6変形例>
図15は、実施の形態の第6変形例における姿勢推定システム10の説明図である。図15は、積載物7が存在する車両4が、上り勾配から平坦路へと進入する際の様子を表している。図15に示すように、車両4が上り勾配から平坦路へと進入する際には、第1センサ31が路面5よりも上方の空間を検知領域とするため、第1センサ31が検知する路面5の領域が狭くなる。このため、第1センサ31で検知される路面5を示す点群60に含まれる路面点61の数が少なくなり、相対角度θ1の算出精度が劣化し、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度が劣化する可能性がある。
【0102】
そこで、第6変形例における姿勢推定システム10では、推定部12は、第1センサ31で検知された対象物としての路面5を示す点群60に含まれる路面点61の数が所定数を下回るか否かを判定する。そして、推定部12は、路面点61の数が所定数を下回る場合、相対角度θ1を推定しない、つまり車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定しない。
【0103】
第6変形例によれば、路面5を示す点群60に含まれる路面点61の数が、相対角度θ1を算出するために十分な数に達していない場合に上記ずれを推定せず、相対角度θ1を算出するために十分な数に達している場合のみ上記ずれを推定する。このため、第6変形例によれば、例えば車両4が上り勾配から平坦路に進入する場合に、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度が劣化するのを防ぎやすい、という利点がある。
【0104】
<その他の変形例>
実施の形態では、第1センサ31及び第2センサ32は、車両4の前方を検知領域とするように車両4に取り付けられているが、これに限られない。例えば、第1センサ31及び第2センサ32は、車両4の後方を検知領域とするように車両4に取り付けられてもよいし、車両4の左方又は右方を検知領域とするように車両4に取り付けられてもよい。第1センサ31及び第2センサ32が車両4の左方又は右方を検知領域とするように車両4に取り付けられた場合、積載物7による車両4のロール方向における定常的な姿勢のずれを推定することが可能である。つまり、第1センサ31及び第2センサ32は、車両4に対する前後左右の四方向のうちの少なくとも1つの方向を検知領域とするように車両4に取り付けられていればよい。もちろん、複数の方向を検知領域とするように複数の第1センサ31及び複数の第2センサ32が車両4に取り付けられていてもよい。
【0105】
実施の形態において、推定部12は、車両4の角速度を検知することにより、車両4の姿勢を検知するジャイロセンサ等の姿勢センサの検知結果を更に参照してもよい。この場合、姿勢センサの検知結果は、平坦路を基準面とした車両4の基準面に対する絶対的な角度となる。そして、推定部12は、車両4の基準面に対する絶対的な角度を更に参照することにより、第1センサ31で検知された点群60を、路面5上の点群か、路面5以外の点群かに分類する機能を動的に制御又は調整してもよい。この態様では、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度を向上することが期待できる。
【0106】
また、推定部12は、姿勢センサの検知結果に基づいて、車両4の瞬時的な姿勢のずれが発生する状況を特定し、特定した状況においては、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれを推定しなくてもよい。この態様では、車両4の瞬時的な姿勢のずれによる影響を排除することで、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度を向上することが期待できる。
【0107】
実施の形態において、第1センサ31で検知された点群60のうち、車両4から比較的遠方に位置する点群を推定部12が参照した場合、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定精度が劣化する可能性がある。そこで、推定部12は、第1センサ31で検知された点群60のうち、例えば車両4から所定距離の範囲内にある点群のみを参照し、所定距離よりも離れた点群を参照しなくてもよい。この態様では、車両4の基準姿勢に対する定常的な姿勢のずれの推定に悪影響を及ぼし得る点群を排除することができるので、推定精度を向上することが期待できる。
【0108】
実施の形態では、推定部12は、車両4の路面5に対する相対的かつ定常的な姿勢のずれを推定しているが、これに限られない。例えば、推定部12は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムからの地図情報を用いて路面5の勾配を取得することができれば、当該勾配を相対角度θ1に加算することにより、車両4の基準面に対する絶対的かつ定常的な姿勢のずれも推定することが可能である。
【0109】
実施の形態では、第1センサ31は、カメラ又はLiDAR等の車両4の周辺の対象物を検知するセンサであるが、これに限られない。例えば、第1センサ31は、車両4の角速度を検知することにより、車両4の姿勢を検知するジャイロセンサ等の姿勢センサであってもよい。この場合、第1センサ31の検知結果は、平坦路を基準面とした車両4の基準面に対する絶対的な角度となる。このため、推定部12は、例えば第1センサ31の検知結果から路面5の勾配を減算することにより、相対角度θ1を算出することが可能である。路面5の勾配については、例えばGPS等の測位システムによる測位情報及び地図データから取得することが可能である。
【0110】
実施の形態において、姿勢推定システム10は、単一のECUで実現してもよいし、姿勢推定システム10が備える各機能を複数のECUに分散して実現してもよい。同様に、制御システム20は、単一のECUで実現してもよいし、制御システム20が備える各機能を複数のECUに分散して実現してもよい。
【0111】
実施の形態では、姿勢推定システム10と制御システム20とは、互いに独立したシステムであるが、これに限られない。例えば、姿勢推定システム10は、制御システム20を備えた構成であってもよい。この場合、姿勢推定システム10は、制御部22を更に備えればよい。また、この場合、出力部13は、入力部21に姿勢情報を出力する代わりに、制御部22に姿勢情報を出力すればよい。
【0112】
また、上述の姿勢推定システム10における処理の手順の実行順序は、必ずしも、上述した通りの順序に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えたりその一部を省略したりすることができるものである。また、上記処理の手順の全部又は一部は、ハードウェアにより実現されても、ソフトウェアを用いて実現されてもよい。なお、ソフトウェアによる上記処理は、コンピュータ等に含まれるプロセッサがメモリに記憶された上記処理用の制御プログラムを実行することにより実現されるものである。また、その制御プログラムを記録媒体に記録して頒布や流通させてもよい。例えば、頒布された制御プログラムを、プロセッサを有する装置にインストールして、その装置のプロセッサに実行させることで、その装置に上述の処理の全部又は一部を行わせることが可能となる。
【0113】
また、上述した姿勢推定システム10におけるコンピュータは、必須ではないが、タッチパッド等の入力装置、ディスプレイ若しくはスピーカ等の出力装置、ハードディスク装置若しくはSSD(Solid State Drive)等の記憶装置、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)若しくはUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体から情報を読み取る読取装置、又はネットワークを介して通信を行う送受信装置を有してもよい。例えば上述した制御プログラムがUSBメモリ等の記録媒体に記録されていれば、読取装置は、その制御プログラムを読み取り、メモリ又はその他の記憶装置に記憶させる。また、送受信装置が、制御プログラムを格納している外部のサーバ装置とネットワークを介して通信を行い、サーバ装置から制御プログラムをダウンロードしてメモリ又はその他の記憶装置に記憶させてもよい。なお、姿勢推定システム10は、集積回路として構成されてもよい。
【0114】
また、上述した各構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本開示は、車両の姿勢を推定するシステム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0116】
10 姿勢推定システム
11 取得部
12 推定部
13 出力部
20 制御システム
21 入力部
22 制御部
31 第1センサ
32 第2センサ
310 既定位置
4 車両
5 路面
60、60A、60B 点群
61、610 路面点
7 積載物
8 物体
L1 直線
θ1 相対角度
θ2、θ3 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
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図15