(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】投票処理システムおよび投票処理端末
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/34 20120101AFI20240701BHJP
【FI】
G06Q50/34
(21)【出願番号】P 2021021667
(22)【出願日】2021-02-15
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村元 大亮
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-077147(JP,A)
【文献】特開2005-004551(JP,A)
【文献】特開2016-157315(JP,A)
【文献】特開2020-035227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの口座を管理し、ネットワーク投票を実行するサーバ側制御部を備えるサーバ装置と、
開催場における現地投票を実行し、前記現地投票の実行時には前記口座に対して入出金処理を行う端末側制御部を備え、ネットワークを介して前記サーバ装置に接続される投票処理端末と、
を有し、
前記端末側制御部は、
前記ユーザにより出金金額が入力されて出金データを前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置が前記ユーザの口座情報に出金データを反映した後に、前記ユーザによって前記現地投票が行われた場合、
前記現地投票の成功を認識した場合には、前記サーバ装置に成功を伝える第1の電文を送信し、前記サーバ側制御部は、前記第1の電文を受信するとサービスポイントを前記ユーザに付与し、
前記現地投票の失敗を認識した場合には、前記サーバ装置に決済キャンセルを伝える第2の電文を送信し、前記サーバ側制御部は、前記第2の電文を受信すると前記現地投票の対象の取引を取り消し、
前記ネットワーク投票を実行可能とする前記ユーザの第1の識別子と、前記現地投票を実行可能とする前記ユーザの第2の識別子とを紐づけて管理して、前記ネットワーク投票および前記現地投票に対して同一の前記口座を利用する、
投票処理システム。
【請求項2】
前記端末側制御部は、前記現地投票の実行時に投票金額を前記サーバ装置が管理する前記口座から引いて投票券を発行する請求項1記載の投票処理システム。
【請求項3】
開催場における現地投票を実行し、前記現地投票の実行時にはサーバ装置で管理される口座に対して入出金処理を行い、ネットワーク投票を実行する前記サーバ装置にネットワークを介して接続される制御部
を有し、
前記制御部は、
ユーザにより出金金額が入力されて出金データを前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置が前記ユーザの口座情報に出金データを反映した後に、前記ユーザによって前記現地投票が行われた場合、
前記現地投票の成功を認識した場合には、前記サーバ装置に成功を伝える第1の電文を送信して、前記第1の電文を受信した前記サーバ装置に対してサービスポイントを前記ユーザに付与させ、
前記現地投票の失敗を認識した場合には、前記サーバ装置に決済キャンセルを伝える第2の電文を送信して、前記第2の電文を受信した前記サーバ装置に対して前記現地投票の対象の取引の取り消しを実行させ、
前記ネットワーク投票を実行可能とする前記ユーザの第1の識別子と、前記現地投票を実行可能とする前記ユーザの第2の識別子とを紐づけて管理して、前記ネットワーク投票および前記現地投票に対して同一の前記口座を利用する、
投票処理端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投票処理システムおよび投票処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
競馬、競艇、競輪等の公営競技では、開催場に設置されている投票処理端末に、現金、投票カードを投入して投票券が排出される。また、直接現金を投入する代わりに、事前に現金をチャージした会員カードを用いて投票を行い、投票データはサーバ上で管理し、購入結果をレシートとして排出するキャッシュレスタイプの投票処理端末も使用されている。
【0003】
さらに、近年では、公営競技ネット投票が行われている。これは、公営競技の投票を、インターネット等のネットワークを介して行うものであり、ネット投票会社によってサービスが提供される。入金には、銀行口座、クレジットカード、その他キャッシュレス等が使用されている。
【0004】
関連技術としては、例えば、現金取引端末からの入金情報を、払戻の準備のための準備金と併合して現金情報として管理を行うと共に、現金取引端末からのインターネット投票を現金情報に基づいて実行する技術が提案されている(特許文献1)。また、ユーザの識別情報、投票口数、投票金額を運営者システムから受け付け、その情報にもとづいて当該投票に対する金額を当該ユーザの口座から減算する技術が提案されている(特許文献2)。
【0005】
さらに、ユーザが投票権利識別子の残高値を投票券購入に充当するのではなく、ユーザの持つ既存の金融機関口座に送金する技術が提案されている(特許文献3)。さらにまた、キャッシュレス投票装置と現金自動入出装置とを有し、キャッシュレス投票装置は投票を受け付けると、口座残高から受信した投票金額を減じる技術が提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-106224号公報
【文献】特開2013-097409号公報
【文献】特開2006-221416号公報
【文献】特開2005-092350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従前では、ネット投票会社と、公営競技の開催場に設置されている投票処理端末とを連携したシステムが構築されていない。このような状況では、ユーザがネット投票を行った場合、ネット投票会社および投票を管理している集計センタにほとんどの売上が入り、公営競技の開催場へは一部しか還元されないという状態が生じてしまう。このため、開催場における現地での投票率の向上が望まれている。
【0008】
1つの側面では、本発明は、ネット投票会社と投票処理端末を連携することで投票率の向上を図った投票処理システムおよび投票処理端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、投票処理システムが提供される。投票処理システムは、ユーザの口座を管理し、ネットワーク投票を実行するサーバ側制御部を備えるサーバ装置と、開催場における現地投票を実行し、現地投票の実行時には口座に対して入出金処理を行う端末側制御部を備え、ネットワークを介してサーバ装置に接続される投票処理端末とを有する。端末側制御部は、ユーザにより出金金額が入力されて出金データをサーバ装置に送信し、サーバ装置がユーザの口座情報に出金データを反映した後に、ユーザによって現地投票が行われた場合、現地投票の成功を認識した場合には、サーバ装置に成功を伝える第1の電文を送信し、サーバ側制御部は、第1の電文を受信するとサービスポイントをユーザに付与し、現地投票の失敗を認識した場合には、サーバ装置に決済キャンセルを伝える第2の電文を送信し、サーバ側制御部は、第2の電文を受信すると現地投票の対象の取引を取り消し、ネットワーク投票を実行可能とするユーザの第1の識別子と、現地投票を実行可能とするユーザの第2の識別子とを紐づけて管理して、ネットワーク投票および現地投票に対して同一の口座を利用する。
【0010】
また、上記課題を解決するために、投票処理端末が提供される。投票処理端末は、開催場における現地投票を実行し、現地投票の実行時にはサーバ装置で管理される口座に対して入出金処理を行い、ネットワーク投票を実行するサーバ装置にネットワークを介して接続される制御部を有する。制御部は、ユーザにより出金金額が入力されて出金データをサーバ装置に送信し、サーバ装置がユーザの口座情報に出金データを反映した後に、ユーザによって現地投票が行われた場合、現地投票の成功を認識した場合には、サーバ装置に成功を伝える第1の電文を送信して、第1の電文を受信したサーバ装置に対してサービスポイントをユーザに付与させ、現地投票の失敗を認識した場合には、サーバ装置に決済キャンセルを伝える第2の電文を送信して、第2の電文を受信したサーバ装置に対して現地投票の対象の取引の取り消しを実行させ、ネットワーク投票を実行可能とするユーザの第1の識別子と、現地投票を実行可能とするユーザの第2の識別子とを紐づけて管理して、ネットワーク投票および現地投票に対して同一の口座を利用する。
【発明の効果】
【0011】
1側面によれば、投票率の向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施の形態の投票処理システム一例を説明するための図である。
【
図2】第2の実施の形態の投票処理システムの構成の一例を示す図である
【
図3】投票処理端末の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図4】ネット投票会社サーバの機能ブロックの一例を示す図である。
【
図5】投票処理端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図6】投票処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】ログインおよび入金の動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】出金および投票の動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図9】取引履歴および払戻の動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は第1の実施の形態の投票処理システムの一例を説明するための図である。投票処理システム1-1は、投票処理端末1とサーバ装置2を備える。投票処理端末1とサーバ装置2は、ネットワークn0を介して接続される。
【0014】
投票処理端末1は、端末側制御部1aと記憶部1bを含み、サーバ装置2は、サーバ側制御部2aと記憶部2bを含む。
サーバ側制御部2aは、ユーザの口座を管理し、ネットワーク投票(ネットワークを介した投票)を実行する。記憶部2bは、口座情報を記憶する。端末側制御部1aは、開催場における現地投票を実行し、現地投票の実行時にはサーバ装置2で管理される口座に対して入出金処理を行う。記憶部1bは、現地投票の実行時に利用されるマークカードやQR(Quick Response:登録商標)コード等の各種情報を記憶する。
【0015】
なお、端末側制御部1aの機能は、投票処理端末1が備える図示しないプロセッサが、所定のプログラムを実行することによって実現される。また、サーバ側制御部2aの機能は、サーバ装置2が備える図示しないプロセッサが、所定のプログラムを実行することによって実現される。
【0016】
動作の流れについて説明する。
〔ステップS1〕サーバ装置2のサーバ側制御部2aは、ユーザの口座を管理する。
〔ステップS2〕投票処理端末1に対して、ユーザにより入金が行われ、投票処理端末1の端末側制御部1aは、入金処理を行う。
【0017】
〔ステップS3〕端末側制御部1aは、入金データをサーバ装置2に送信して、サーバ側制御部2aが管理する口座へ入金する。
〔ステップS4〕投票処理端末1に対して、ユーザにより投票が行われ、端末側制御部1aは、現地投票処理を実行する。
【0018】
〔ステップS5〕端末側制御部1aは、投票分の金額をサーバ側制御部2aが管理する口座から引き出す。
〔ステップS6〕端末側制御部1aは、投票券を排出する。
【0019】
〔ステップS7〕端末側制御部1aは、投票が的中した場合、投票券を読み取り、現金による払戻を行う。
このように、投票処理システム1-1では、ネットワーク投票を実行可能なサーバ装置側でユーザの口座を管理する。そして、開催場における投票処理端末で、現地投票を実行する際に、サーバ装置で管理されている口座に対して入出金処理を行う構成とした。
【0020】
従前では、投票処理端末を介しての銀行口座やクレジットカードから入金して投票することができなかったが、サーバ装置と連携することで本システムにより投票処理端末を介して銀行口座やクレジットカードから入金して投票することが可能になる。このため、開催場での投票率を向上させることが可能になる。
【0021】
[第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態の投票処理システムの構成および動作について詳しく説明する。第2の実施の形態では、ネットワーク投票を実行するサーバ装置がネット投票会社に設置されるものとし、サーバ装置をネット投票会社サーバと呼んで以下説明する。
【0022】
<システム構成>
図2は第2の実施の形態の投票処理システムの構成の一例を示す図である。投票処理システム1-2は、投票処理端末10、ネット投票会社サーバ20および集計センタ30を備え、互いにネットワークn1を介して接続される。
【0023】
投票処理端末10は、
図1の投票処理端末1に対応し、ネット投票会社サーバ20は、
図1のサーバ装置2に対応する。投票処理端末10は、例えば、公営競技の開催場に設置され、ネット投票会社サーバ20は、例えば、ネット投票会社内に設置される。なお、集計センタ30は、投票データを集計して管理するセンタ(サーバ)である。
【0024】
<機能ブロック>
図3は投票処理端末の機能ブロックの一例を示す図である。投票処理端末10は、端末側制御部11、記憶部12および通信インタフェース部13を備える。端末側制御部11は、
図1の端末側制御部1aの機能を実現し、記憶部12は、
図1の記憶部1bの機能を実現する。端末側制御部11は、口座入出金処理11aおよび投票処理部11bを含む。
【0025】
投票処理部11bは、マークカード読み取り部11b1、投票券読み取り部11b2、現金入出金処理部11b3、発券処理部11b4およびIC(Integrated Circuit)カードリーダ11b5を含む。
【0026】
口座入出金処理11aは、ネット投票会社サーバ20側で管理されている会員の口座から入金および出金の処理を行う。マークカード読み取り部11b1は、投票内容が記入されたマークカードの読み取りを行う。投票券読み取り部11b2は、的中投票券の読み取りを行う。
【0027】
現金入出金処理部11b3は、紙幣や硬貨の入出金処理を行う。例えば、紙幣の入出金処理については、紙幣の受け入れ、紙幣の真贋の鑑別、紙幣の収納、紙幣の返却、釣銭(紙幣)の払い出しを行う。また、硬貨の入出金処理については、硬貨の受け入れ、硬貨の真贋の鑑別、硬貨の収納、硬貨の返却、釣銭(硬貨)の払い出しを行う。
【0028】
発券処理部11b4は、投票券を印刷して投票券の発行(発券)を行う。ICカードリーダ11b5は、会員によってかざされたICカード(会員カード)から会員の識別ID(Identifier)の読み取りを行う。なお、投票処理端末10では、投票内容についてはマークカードでもQRコードでも読み取ることができる。
【0029】
記憶部12は、マークカードやQRコードに含まれる各種情報や、端末運用に関する制御情報等を保存する。通信インタフェース部13は、ネットワークn1に接続して、ネット投票会社サーバ20や集計センタ30に対する通信インタフェース制御を行う。なお、通信インタフェース部13の機能は、端末側制御部11に含まれてもよい。
【0030】
図4はネット投票会社サーバの機能ブロックの一例を示す図である。ネット投票会社サーバ20は、サーバ側制御部21、記憶部22および通信インタフェース部23を備える。サーバ側制御部21は、
図1のサーバ側制御部2aの機能を実現し、記憶部22は、
図1の記憶部2bの機能を実現する。
【0031】
サーバ側制御部21は、口座管理部21aを含む。口座管理部21aは、会員の口座情報の管理を行う。記憶部22は、口座情報や、サーバ運用に関する制御情報等を保存する。
【0032】
通信インタフェース部23は、ネットワークn1に接続して、投票処理端末10および集計センタ30に対する通信インタフェース制御を行う。なお、通信インタフェース部13の機能は、サーバ側制御部21に含まれてもよい。
【0033】
<ハードウェア構成>
図5は投票処理端末のハードウェア構成の一例を示す図である。投票処理端末10は、プロセッサ(コンピュータ)100によって全体制御されている。プロセッサ100は、端末側制御部11の機能を実現する。
【0034】
プロセッサ100には、バス103を介して、メモリ101、入出力インタフェース102およびネットワークインタフェース104が接続されている。
プロセッサ100は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。またプロセッサ100は、CPU、FPGA、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
【0035】
メモリ101は、記憶部12の機能を実現し、投票処理端末10の主記憶装置として使用される。メモリ101には、プロセッサ100に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ101には、プロセッサ100による処理に要する各種データが格納される。
【0036】
また、メモリ101は、投票処理端末10の補助記憶装置としても使用され、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。メモリ101は、補助記憶装置として、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)等の半導体記憶装置やHDD(Hard Disk Drive)等の磁気記録媒体を含んでもよい。
【0037】
バス103に接続されている周辺機器としては、入出力インタフェース102およびネットワークインタフェース104がある。入出力インタフェース102は、情報入力装置である操作パネル102aが接続され、操作パネル102aから送られてくる信号をプロセッサ100に送信する。
【0038】
さらに、入出力インタフェース102は、マークカードやICカード等を読み取るための機能、および音声案内を行うためのスピーカやマイクを含む。さらにまた、入出力インタフェース102は、周辺機器を接続するための通信インタフェースとしても機能する。
【0039】
例えば、入出力インタフェース102は、レーザ光等を利用して、光ディスクに記録されたデータの読み取りを行う光学ドライブ装置を接続することができる。光ディスクには、Blu-rayDisc(登録商標)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(Rewritable)等がある。
【0040】
また、入出力インタフェース102は、メモリ装置、メモリリーダライタの各機能を有する。メモリ装置は、入出力インタフェース102との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタは、メモリカードへのデータの書き込み、またはメモリカードからのデータの読み出しを行う装置である。メモリカードは、カード型の記録媒体である。
【0041】
ネットワークインタフェース104は、通信インタフェース部13の機能を有し、ネットワークn1に接続してネットワークインタフェース制御を行う。ネットワークインタフェース104は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)カード等を使用することもできる。ネットワークインタフェース104で受信されたデータは、メモリ101やプロセッサ100に出力される。
【0042】
グラフィックインタフェース105には、ディスプレイ105aが接続されている。グラフィックインタフェース105は、プロセッサ100からの命令にしたがって、画像をディスプレイ105aの画面に表示させる。
【0043】
以上のようなハードウェア構成によって、投票処理端末10の処理機能を実現することができる。例えば、投票処理端末10は、プロセッサ100がそれぞれ所定のプログラムを実行することで本発明の処理を行うことができる。
【0044】
投票処理端末10は、例えば、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、本発明の処理機能を実現する。投票処理端末10に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。
【0045】
例えば、投票処理端末10に実行させるプログラムを補助記憶装置に格納しておくことができる。プロセッサ100は、補助記憶装置内のプログラムの少なくとも一部を主記憶装置にロードし、プログラムを実行する。
【0046】
また、光ディスク、メモリ装置、メモリカード等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えば、プロセッサ100からの制御により、補助記憶装置にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ100が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。なお、上記の投票処理端末10のハードウェア構成は、ネット投票会社サーバ20に対しても同様なハードウェア構成を適用することができる。
【0047】
<動作フローチャート>
図6は投票処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。最初に、ユーザに対して、開催場にてネット投票会社との連携システムの会員になってもらい、ICカードが付与されるとする。
【0048】
〔ステップS11〕投票処理端末10に対して、会員によりICカードがかざされて入金が行われる。
〔ステップS12〕投票処理端末10は、入金データをネット投票会社サーバ20に送信する。
【0049】
〔ステップS13〕投票処理端末10は、ネット投票会社サーバ20が管理する口座へ入金する。
〔ステップS14〕投票処理端末10に対して、会員により投票機能が選択され、マークカードまたはタッチパネルでの投票(現地投票)が行われる。
【0050】
〔ステップS15〕投票処理端末10は、投票分の金額をネット投票会社サーバ20が管理する口座から引き出す。
〔ステップS16〕投票処理端末10は、投票データを集計センタ30に送信する。
【0051】
〔ステップS17〕投票処理端末10は、投票券を排出する。
〔ステップS18〕投票処理端末10は、投票完了をネット投票会社サーバ20に送信し、会員に対して投票金額に応じたサービスポイントを付与する。
【0052】
〔ステップS19〕投票処理端末10は、投票が的中した場合は投票券を読み取り、現金による払戻を行う。
ここで、投票処理端末10では、ネット投票会社サーバ20を通じてネットワーク投票を実行可能とするユーザの識別IDと、投票処理端末10を介して現地投票を実行可能とするユーザの識別IDとを紐づけて管理する。
【0053】
これにより、ユーザは、ネット投票会社を利用したネットワーク投票および開催場の投票処理端末を利用した現地投票の両方を行うことができ、サービス性および利便性の向上を図ることができる。
【0054】
<動作シーケンス>
次に投票処理システム1-2の動作シーケンスについて、
図7から
図9を用いて説明する。なお、以降に示す動作において、投票処理端末10の動作は主に端末側制御部11の機能による動作であり、ネット投票会社サーバ20の動作は主にサーバ側制御部21の機能による動作である。
【0055】
図7はログインおよび入金の動作の一例を示すシーケンス図である。ステップS21からステップS24までの処理がログインの動作を示し、ステップS31からステップS37までの処理が入金の動作を示す。
【0056】
〔ステップS21〕公営競技場の来場者から会員受付カウンタの従業員等によって会員が選択される。
〔ステップS22〕投票処理端末10に対して、会員によりICカードがかざされる。
【0057】
〔ステップS23〕投票処理端末10に対して、会員によるログインが行われる。この場合、投票処理端末10は、ICカードから読み取った識別IDと、会員操作により入力された暗証番号とをネット投票会社サーバ20に送信する。
【0058】
ネット投票会社サーバ20は、識別IDと暗証番号にもとづいて、管理している会員口座のうちから当該会員の口座(口座情報)を認識する。なお、投票処理端末10は、会員のログイン時、現時点で貯まっているサービスポイントを画面に表示することができる。
【0059】
〔ステップS24〕ネット投票会社サーバ20は、ログインが成功した場合は成功した旨を、ログインが失敗した場合は失敗した旨を投票処理端末10にログイン結果として送信する。
【0060】
〔ステップS31〕投票処理端末10は、会員に対して、入金(チャージ)を選択可能な取引選択画面を表示する。
〔ステップS32〕投票処理端末10に対して、会員により暗証番号が入力される。
【0061】
〔ステップS33〕投票処理端末10に対して、現金が投入される。
〔ステップS34〕投票処理端末10は、ネット投票会社サーバ20に入金データを送信する。ネット投票会社サーバ20は、当該会員の口座情報に入金データを反映させる。
【0062】
〔ステップS35〕ネット投票会社サーバ20は、チャージ金額(入金されている金額)の応答を投票処理端末10に送信する。
〔ステップS36〕投票処理端末10に対して、会員により利用控券の要否が選択される。
【0063】
〔ステップS37〕投票処理端末10は、利用控券が要の場合、利用控券を発行する。
図8は出金および投票の動作の一例を示すシーケンス図である。ステップS41からステップS45までの処理が出金の動作を示し、ステップS51からステップS58までの処理が投票の動作を示す。
【0064】
〔ステップS41〕投票処理端末10は、会員に対して、出金(引き出し)を選択可能な取引選択画面を表示する。
〔ステップS42〕投票処理端末10に対して、会員により出金金額が入力される(例えば、当日分の入金のみの出金)。
【0065】
〔ステップS43〕投票処理端末10は、ネット投票会社サーバ20に出金データを送信する。ネット投票会社サーバ20は、当該会員の口座情報に出金データを反映させる。
〔ステップS44〕ネット投票会社サーバ20は、出金された旨の応答を投票処理端末10に送信する。
【0066】
〔ステップS45〕投票処理端末10は、現金を出金し利用控券を発行する。
〔ステップS51〕投票処理端末10に対して、会員によりマークカードの挿入またはタッチパネルによる投票が行われる。
【0067】
〔ステップS52〕投票処理端末10は、ネット投票会社サーバ20に対して投票決済を行う。ネット投票会社サーバ20は、当該会員の口座から投票金額を減算する。
〔ステップS53〕ネット投票会社サーバ20は、投票処理端末10に投票決済結果の応答を送信する。
【0068】
〔ステップS54〕投票処理端末10は、集計センタ30に投票データを送信する。
〔ステップS55〕集計センタ30は、投票データを集計し、投票の成立または不成立の結果を投票処理端末10に送信する。
【0069】
〔ステップS56〕投票処理端末10は、投票の成立または不成立にもとづく電文をネット投票会社サーバ20に送信する。
この場合、投票処理端末10は、現地投票の成功を認識した場合、ネット投票会社サーバ20に成功を伝える電文(第1の電文)を送信する。ネット投票会社サーバ20では、成功の電文を受信するとサービスポイントをユーザに付与する。
【0070】
また、投票処理端末10は、現地投票の失敗(締め切り発生による失敗等)を認識した場合、ネット投票会社サーバ20に失敗を伝える電文(第2の電文)を送信する。ネット投票会社サーバ20は、失敗の電文を受信すると現地投票の対象の取引を取り消す。これにより、投票失敗時のリカバリが可能になる。
【0071】
なお、投票が不成立の場合に送信される電文は、例えば、決済キャンセルの電文である。決済キャンセルを行う場合には、再度ログイン(2重ログイン)が行われ、ログインが許可された場合に決済キャンセルが行われる。
【0072】
〔ステップS57〕ネット投票会社サーバ20は、チャージ残高の応答を投票処理端末10に送信する。
〔ステップS58〕投票処理端末10は、投票券を発行する。
【0073】
図9は取引履歴および払戻の動作の一例を示すシーケンス図である。ステップS61からステップS64までの処理が取引履歴の動作を示し、ステップS71からステップS77までの処理が払戻の動作を示す。
【0074】
〔ステップS61〕投票処理端末10は、会員に対して、取引履歴を選択可能な取引選択画面を表示する。
〔ステップS62〕投票処理端末10は、ネット投票会社サーバ20に取引履歴の問い合わせを行う。
【0075】
〔ステップS63〕ネット投票会社サーバ20は、投票処理端末10に取引履歴の応答を送信する。
〔ステップS64〕投票処理端末10は、取引履歴画面に表示する。
【0076】
〔ステップS71〕投票処理端末10に対して、会員により投票券が挿入される。
〔ステップS72〕投票処理端末10は、集計センタ30に的中情報の照会を行う。
〔ステップS73〕集計センタ30は、照会結果を投票処理端末10に送信する。
【0077】
〔ステップS74〕投票処理端末10は、的中金額を会員に通知する。
〔ステップS75〕投票処理端末10は、会員に対して、サービスポイントによる購入を選択可能な取引選択画面を表示する。
【0078】
〔ステップS76〕投票処理端末10とネット投票会社サーバ20との間で入金データの送受信が行われる。
〔ステップS77〕投票処理端末10は、会員に対して出金を行う。
【0079】
以上説明したように、本発明によれば、投票処理端末とネット投票会社サーバとが連携したシステムを構築した。これにより、例えば、以下に示すような効果を奏することができる。
【0080】
(1)投票処理端末を介して銀行口座やクレジットカードから入金して投票することが可能になるので、開催場での投票率の向上が図られ、投票機会の拡大が可能になる。
(2)ネット投票と開催場での投票において、同一の口座を使って投票を行うことができるので、ネット投票と開催場における投票との境目がなくなり、両方のファンを呼び込めることが可能になる。
【0081】
(3)開催場における投票で、ネット投票で貯めたサービスポイントを使用することができ、サービス性の向上が可能になる。
(4)投票を開催場から集計センタへ上げることが可能になるため、開催場の売上が上がることが見込める。
【0082】
(5)投票処理端末に連携するネット投票会社としては、会員数の拡大、開催場ファンのネット投票機会の拡大が見込まれる。
(6)ファンとしてはサービスポイントの還元を受けられ、開催場では買えない投票方式もネット投票で買うことができる。
【0083】
上記で説明した本発明の投票処理システムおよび投票処理端末の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。この場合、投票処理システムおよび投票処理端末が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0084】
処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶部、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶部には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、CD-ROM/RW等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto Optical disk)等がある。
【0085】
プログラムを流通させる場合、例えば、そのプログラムが記録されたCD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶部に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0086】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶部に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶部からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0087】
また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP、ASIC、PLD等の電子回路で実現することもできる。
【0088】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1-1 投票処理システム
1 投票処理端末
2 サーバ装置
1a 端末側制御部
2a サーバ側制御部
1b、2b 記憶部
n0 ネットワーク