(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】クロストーク及び反射損失を調整するプラグコネクタ
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20240701BHJP
H01R 12/75 20110101ALI20240701BHJP
H01R 13/6466 20110101ALI20240701BHJP
H01R 13/6477 20110101ALI20240701BHJP
H01R 13/719 20110101ALI20240701BHJP
H05K 1/11 20060101ALI20240701BHJP
H05K 3/40 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
H05K3/46 Z
H05K3/46 Q
H01R12/75
H01R13/6466
H01R13/6477
H01R13/719
H05K1/11 D
H05K3/40 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017130172
(22)【出願日】2017-07-03
【審査請求日】2020-05-25
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-08
(32)【優先日】2016-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509233459
【氏名又は名称】フルークコーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Fluke Corporation
【住所又は居所原語表記】6920 Seaway Boulevard, Everett, Washington 98203 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ウィットマン-トッド
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・エス・ボットマン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・エフ・ウィンストン
【合議体】
【審判長】河本 充雄
【審判官】松永 稔
【審判官】棚田 一也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0079710(US,A1)
【文献】特開2001-60480(JP,A)
【文献】特開平9-98537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K3/46, H01R12/75, H01R13/6466, H01R13/6477, H01R13/719, H05K1/11, H05K3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板と、
前記プリント回路基板の第1の端にある複数の外部端子であって、前記複数の外部端子が複数の外部端子対で配置されて、前記複数の外部端子対が複数の非スプリット対を含み、前記複数の外部端子対の全ての非スプリット対が前記複数の非スプリット対に含まれる、複数の外部端子と、
前記プリント回路基板の第2の端にある複数の内部端子であって、前記複数の内部端子が前記複数の外部端子にそれぞれ対応する、複数の内部端子と、を備え、
前記プリント回路基板は、前記複数の非スプリット対にそれぞれ結合された複数のフィルタを含み、前記複数のフィルタのうちのフィルタが、前記複数の非スプリット対のうちの非スプリット対の第1の外部端子と前記複数の非スプリット対のうちの前記非スプリット対の第2の外部端子とに結合されており、前記フィルタは、キャパシタと、前記第1の外部端子と前記キャパシタの第1の側との間に結合された第1のインダクタと、前記第2の外部端子と前記キャパシタの第2の側との間に結合された第2のインダクタとを含み、前記フィルタは、前記第1及び第2の外部端子によって生じる反射損失を調整し、前記第1及び第2の外部端子のサイズ、並びに前記第1の外部端子と前記第2の外部端子との間の近接によって引き起こされる容量性負荷の補償を支援するように動作し、前記第1のインダクタの端子と前記第2のインダクタの端子とは、反射損失調整の要件と、前記第1のインダクタと前記第1の外部端子との間の第1の経路長及び前記第2のインダクタと前記第2の外部端子との間の第2の経路長による伝搬遅延と、に基づいて決定される距離内で、前記第1の外部端子と前記第2の外部端子とにそれぞれ結合される、装置。
【請求項2】
前記プリント回路基板が、第1の伝送路と第2の伝送路とを含む第1の伝送路網であって、前記プリント回路基板の第1の側に位置する第1の伝送路網を更に備え、
前記プリント回路基板が、前記プリント回路基板の前記第1の側に位置する第1の部分と、前記プリント回路基板の第2の側に位置する第2の部分と、を有する第2の伝送路網を更に備え、
前記第2の伝送路網は、前記複数の外部端子対のうちのスプリット対に結合するものであり、
前記第1の伝送路は、前記キャパシタの前記第1の側と前記複数の内部端子の第1の内部端子との間に結合され、前記第2の伝送路は、前記キャパシタの前記第2の側と前記複数の内部端子の第2の内部端子との間に結合されており、前記第2の伝送路網の前記第1の部分に対して
、前記プリント回路基板の前記第1の側において、前記第2の伝送路網の前記第1の部分と対向する、前記第1の伝送路網の第1の部分が前記プリント回路基板上で位置決めされることで、前記第1の伝送路網と前記第2の伝送路網との間のクロストークの大きさが所望の範囲のクロストークの大きさに調整され前記クロストークの位相が所望の限度内のクロストークの位相になるように調整される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2の伝送路網が、第3の伝送路と第4の伝送路とを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の伝送路網及び前記第2の伝送路網によって調整される前記クロストークの大きさが、前記第1の伝送路網
の前記第1の部分と前記第2の伝送路網
の前記第1の部分との間の距離に反比例する、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の伝送路網の
前記第1の部分以外の部分が、前記第2の伝送路網の前記第2の部分
に対して前記プリント回路基板の反対側に位置することで、前記クロストークの前記大きさ及び前記クロストークの前記位相の調整が停止される、請求項2~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとが個別インダクタであり、前記キャパシタが個別キャパシタである、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記フィルタは、前記反射損失の調整を前記クロストークの前記大きさ及び前記クロストークの前記位相の調整から分離するように動作し、その結果、前記反射損失が、前記クロストークの前記大きさ及び前記クロストークの前記位相に対して最小の影響で調整される、請求項2~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記距離が、2.5ミリメートル(mm)以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の外部端子が、前記装置をジャックに接続するように動作可能な接点ブロックを構成し、前記複数の内部端子が、前記装置をケーブルに接続するように動作可能である、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
複数の外部端子対で配置された複数の外部端子であって、前記複数の外部端子対が複数の非スプリット対を含み、前記複数の外部端子対の全ての非スプリット対が前記複数の非スプリット対に含まれる、複数の外部端子と、
前記複数の外部端子にそれぞれ対応する複数の内部端子と、
前記複数の非スプリット対にそれぞれ結合された複数のフィルタであって、前記複数のフィルタのうちのフィルタが、前記複数の非スプリット対のうちの非スプリット対の第1の外部端子と前記複数の非スプリット対のうちの前記非スプリット対の第2の外部端子とに結合された複数のフィルタと、を備え、前記フィルタは、キャパシタと、前記第1の外部端子と前記キャパシタの第1の側との間に結合された第1のインダクタと、前記第2の外部端子と前記キャパシタの第2の側との間に結合された第2のインダクタとを含み、前記フィルタは、前記第1及び第2の外部端子によって生じる反射損失を調整し、前記第1及び第2の外部端子のサイズ、並びに前記第1の外部端子と前記第2の外部端子との間の近接によって引き起こされる容量性負荷の補償を支援するように動作し、前記第1のインダクタの端子と前記第2のインダクタの端子とは、反射損失調整の要件と、前記第1のインダクタと前記第1の外部端子との間の第1の経路長及び前記第2のインダクタと前記第2の外部端子との間の第2の経路長による伝搬遅延と、に基づいて決定される距離内で、前記第1の外部端子と前記第2の外部端子とにそれぞれ結合される、装置。
【請求項11】
第1の伝送路と第2の伝送路とを含む第1の伝送路網であって、前記プリント回路基板の第1の側に位置する第1の伝送路網と、
前記複数の外部端子対のうちのスプリット対に結合する第2の伝送路網であって、前記プリント回路基板の前記第1の側に位置する第1の部分と、前記プリント回路基板の第2の側に位置する第2の部分と、を有する第2の伝送路網と、を更に備え、
前記第1の伝送路は、前記キャパシタの前記第1の側と前記複数の内部端子の第1の内部端子との間に結合され、前記第2の伝送路は、前記キャパシタの前記第2の側と前記複数の内部端子の第2の内部端子との間に結合されており、前記第2の伝送路網の前記第1の部分に対して
、前記プリント回路基板の前記第1の側において、前記第2の伝送路網の前記第1の部分と対向する、前記第1の伝送路網の第1の部分が前記プリント回路基板上で位置決めされることで、前記第1の伝送路網と前記第2の伝送路網との間のクロストークの大きさが所望の範囲のクロストークの大きさに調整され前記クロストークの位相が所望の限度内のクロストークの位相になるように調整される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の伝送路網及び前記第2の伝送路網によって調整される前記クロストークの大きさが、前記第1の伝送路網
の前記第1の部分と前記第2の伝送路網
の前記第1の部分との間の距離に反比例する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとが個別インダクタであり、前記キャパシタが個別キャパシタである、請求項10~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記フィルタは、前記反射損失の調整を前記クロストークの前記大きさ及び前記クロストークの前記位相の調整から分離するように動作し、その結果、前記反射損失が、前記クロストークの前記大きさ及び前記クロストークの前記位相に対して最小の影響で調整される、請求項
11又は12に記載の装置。
【請求項15】
前記距離が、2.5ミリメートル(mm)以下である、請求項10~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
複数のフィルタのうちのフィルタによって、複数の非スプリット端子対のうちの非スプリット端子対の第1の外部端子及び第2の外部端子によってそれぞれ生じる反射損失を調整して、前記第1及び第2の外部端子のサイズ、並びに前記第1の外部端子と前記第2の外部端子との間の近接によって引き起こされる容量性負荷を補償することであって、前記フィルタは、前記第1の外部端子と前記第2の外部端子とに結合され、前記フィルタは、前記第1の外部端子とキャパシタの第1の側との間に結合された第1のインダクタと、前記第2の外部端子と前記キャパシタの第2の側との間に結合された第2のインダクタとを含み、前記第1のインダクタの端子と前記第2のインダクタの端子とは、反射損失調整の要件と、前記第1のインダクタと前記第1の外部端子との間の第1の経路長及び前記第2のインダクタと前記第2の外部端子との間の第2の経路長による伝搬遅延と、に基づいて決定される距離内で、前記第1の外部端子と前記第2の外部端子とにそれぞれ結合され、前記複数のフィルタが前記複数の非スプリット端子対の全てにそれぞれ結合されることと、
前記フィルタを使用して、前記反射損失の前記調整を、第1の伝送路網と第2の伝送路網との間のクロストークの大きさ及び位相の調整から分離して、その結果、前記反射損失が、前記クロストークに対して最小の影響で調整されることであって、前記第1の伝送路網が、第1の伝送路と第2の伝送路とを含み、前記第1の伝送路は、前記キャパシタの前記第1の側と第1の内部端子との間に結合され、前記第2の伝送路は、前記キャパシタの前記第2の側と第2の内部端子との間に結合される、ことと、を含む、方法。
【請求項17】
前記第2の伝送路網が、プリント回路基板の第1の側に位置する第1の部分と、前記プリント回路基板の第2の側に位置する第2の部分とを有し、
前記第2の伝送路網は、外部端子対のうちのスプリット対に結合するものであり、
前記第2の伝送路網内で引き起こされる前記クロストークの大きさを前記第1の伝送路網によって所望の範囲のクロストークの大きさに調整することであって、前記第2の伝送路網の
前記第1の部分に対して
、前記プリント回路基板の前記第1の側において、前記第2の伝送路網の前記第1の部分と対向する、前記第1の伝送路網の第1の部分が前記プリント回路基板上で位置決めされることで、前記クロストークの前記大きさを前記所望の範囲のクロストークの大きさに調整する、ことと、
前記第2の伝送路網内で引き起こされる前記クロストークの前記位相を、前記第1の伝送路網によって所望の限度内のクロストークの位相になるように調整する、ことと、を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の伝送路網が、第3の伝送路と第4の伝送路とを含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとが個別インダクタであり、前記キャパシタが個別キャパシタである、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、クロストーク及び反射損失を調整するプラグコネクタを対象とする。
【背景技術】
【0002】
通信媒体を横切る信号は、その信号の通信媒体の近傍内にある別の通信媒体を横切る別の信号から電磁干渉を受けることが多い。電磁干渉は、信号のクロストークを引き起こす。また、信号は、通信媒体内のインピーダンス不整合によって生じる電力損失(反射損失として知られる)を受けることがある。反射損失は、インピーダンス不整合に比例する。例えば、電源から負荷までの伝送媒体に比較的大きなインピーダンス不整合がある場合、信号の反射電力が信号の入射電力より大きくなる。これと反対に、インピーダンス不整合の程度が比較的小さいときは、信号の反射電力もその入射電力より小さくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、装置は、プリント回路基板と、プリント回路基板の第1の端にある複数の外部端子と、プリント回路基板の第2の端にある複数の内部端子とを含む。プリント回路基板は、複数の外部端子のうちの第1の外部端子と第2の外部端子とに結合されたフィルタを含む。フィルタは、第1の外部端子とキャパシタの第1の側との間に結合された第1のインダクタと、第2の外部端子とキャパシタの第2の側との間に結合された第2のインダクタとを含む。フィルタは、第1及び第2の外部端子によって生じる反射損失を調整し、第1及び第2の外部端子のサイズ、並びに第1の外部端子と第2の外部端子との間の近接によって引き起こされる容量性負荷の補償を支援するように動作する。
【0005】
一実施形態では、プリント回路基板は、第1の伝送路と第2の伝送路とを含む第1の伝送路網を含む。第1の伝送路は、キャパシタの第1の側と第1の内部端子との間に結合され、第2の伝送路は、キャパシタの第2の側と第2の内部端子との間に結合される。第1及び第2の伝送路はそれぞれ、プリント回路基板上に、第1の伝送路網と第2の伝送路網との間のクロストークの大きさを所望の範囲のクロストークの大きさに調整するように第2の伝送路網の距離内に位置する。第1及び第2の伝送路は、それらの長さのそれぞれの第1及び第2の部分にわたって、クロストークの位相を所望の限度内のクロストークの位相になるように調整するために第2の伝送路網の距離内に位置される。
【0006】
一実施形態では、第2の伝送路網は、第3の伝送路と第4の伝送路とを含み、第1の伝送路は、第3の伝送路の第1の距離内でその長さのそれぞれの第1の部分にわたってプリント回路基板上に延在し、第2の伝送路は、第4の伝送路の第2の距離内でその長さのそれぞれの第2の部分にわたってプリント回路基板上に延在する。
【0007】
一実施形態では、第1の伝送路網及び第2の伝送路網によって調整されるクロストークの大きさは、第1の伝送路網の第2の伝送路網までの距離に比例する。
【0008】
一実施形態では、第1及び第2の伝送路は、クロストークの大きさ及びクロストークの位相の調整を停止するために、第1及び第2の伝送路の長さのそれぞれの第1及び第2の部分の後に第2の伝送路網から遠ざけられる。
【0009】
一実施形態では、第1のインダクタと第2のインダクタとは個別インダクタであり、キャパシタは個別キャパシタである。一実施形態では、フィルタは、反射損失の調整をクロストークの大きさ及びクロストークの位相の調整から分離するように動作し、その結果、反射損失が、クロストークの大きさ及びクロストークの位相に対して最小の影響で調整される。
【0010】
一実施形態では、フィルタは、第1の外部端子及び第2の外部端子に2.5ミリメートル(mm)の距離内で結合される。一実施形態では、複数の外部端子は、装置をジャックに接続するように動作可能な接点ブロックを構成し、複数の内部端子が、装置をケーブルに接続するように動作可能である。
【0011】
一実施形態では、装置は、複数の外部端子と、複数の内部端子と、複数の外部端子のうちの第1の外部端子と第2の外部端子とに結合されたフィルタとを含む。フィルタは、第1の外部端子とキャパシタの第1の側との間で結合された第1のインダクタと、第2の外部端子とキャパシタの第2の側との間に結合された第2のインダクタとを含む。フィルタは、第1及び第2の外部端子によって生じる反射損失を調整し、第1及び第2の外部端子のサイズ、並びに第1の外部端子と第2の外部端子との間の近接によって引き起こされる容量性負荷の補償を支援するように動作する。
【0012】
一実施形態では、方法は、フィルタによって、第1の外部端子と第2の外部端子によって生じる反射損失を調整して、第1及び第2の外部端子のサイズ、並びに第1の外部端子と第2の外部端子との間の近接によって引き起こされる反射損失を補償することを含む。フィルタは、第1の外部端子と第2の外部端子とに結合される。フィルタは、第1の外部端子とキャパシタの第1の側との間で結合された第1のインダクタと、第2の外部端子とキャパシタの第2の側との間に結合された第2のインダクタとを含む。
【0013】
一実施形態では、方法は、フィルタを使用して、反射損失の調整を、第1の伝送路網と第2の伝送路網との間のクロストークの大きさ及び位相の調整から分離して、その結果、反射損失が、クロストークに対して最小影響で調整されることを含む。第1の伝送路網は、第1の伝送路と第2の伝送路とを含み、第1の伝送路は、キャパシタの第1の側と第1の内部端子との間に結合され、第2の伝送路は、キャパシタの第2の側と第2の内部端子との間に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、複数の外部端子を有するプラグの斜視図を示す。
【
図2A】
図2Aは、プラグのプリント回路基板レイアウトの平面図を示す。
【
図2B】
図2Bは、プラグのプリント回路基板レイアウトの底面図を示す。
【
図3】
図3は、2つの外部端子と1つの伝送路網との間に結合されたπフィルタの回路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、複数の外部端子104を有するプラグ100の斜視図を示す。複数の外部端子104(本明細書では単数で外部端子104と呼ばれる)は、プラグ100が接続された別の装置(ジャック(図示せず)など)の対応する複数の端子と接触するように動作可能である。各外部端子は、
図1に示されるようなブレード105を含む。外部端子104は、また、導電性スロットと溶融合金(図示せず)を含み得る。溶融合金は、ブレード105を導電性スロットに電気的に結合するために使用することができる。溶融合金の例には、はんだが挙げられる。複数の外部端子104は、プラグ100を他の装置のジャックに電気的に結合するために使用される接点ブロックを構成する。プラグ100とジャックを電気的に結合することによって、複数の外部端子104を介した信号伝送が可能になる。
【0016】
実際には、使用中にプラグ100をジャックに何度も抜き差しすることによって生じる摩耗と腐食に耐え抑制するようにするために、複数の外部端子104が高耐久性に構成されると好都合である。したがって、複数の外部端子104は、繰り返し使用することによって起こる摩耗に耐えるために、比較的大きいサイズプロファイルを有することがある。例えば、外部端子104は、銅などの導電体から作成され得る。外部端子104は、例えば、ブートのプロファイルに形成された1枚の銅であってよい。
【0017】
複数の外部端子104のサイズ及び近接によって、様々な対の外部端子104(対の隣接外部端子104など)間に容量性負荷が生じる。したがって、一対の外部端子104の各外部端子104は、容量性負荷の導電性電極として機能する。一対の外部端子104間の間隔は、容量性負荷の絶縁誘電体として機能する。容量性負荷は、一対の外部端子104のいずれかを横切る信号にも影響を及ぼす。一対の外部端子104(より一般的には、信号の伝送経路)の両端の容量性負荷の存在によって、信号経路内に反射損失が引き起される。生じた反射損失は、本明細書に示されたように調整され軽減される。
【0018】
図2A及び
図2Bはそれぞれ、プラグ100のプリント回路基板レイアウトの上面図及び底面図を示す。プラグ100は、プリント回路基板102、複数のスロット107a~h(本明細書では単数でスロット107と呼ばれる)、及び複数の内部端子106を備える。複数のスロット107a~hの各スロット107は、複数の外部端子104a~hの対応する外部端子104の一部である。本明細書で
図1に関して述べたように、ブレード105は、スロット107にはんだ付けされてもよい。ブレード105、スロット107、及びはんだ(図示せず)は一緒に外部端子104を構成する。複数の外部端子104a~hは、プラグ100をジャックに接続するように動作可能な接点ブロックを構成する。複数の外部端子106は、プラグ100をケーブルに接続するように動作可能であり得る。
【0019】
図2A及び
図2Bでは、複数の外部端子104は、8つの外部端子104a~h(本明細書では第1の外部端子104a、第2の外部端子104bなどと呼ばれる)を有するように示される。プリント回路基板は、複数のフィルタ108a~c(本明細書では、第1のフィルタ108a、第2のフィルタ108b、及び第3のフィルタ108cと呼ばれる)と、複数の伝送路網110~116(本明細書では、第1の伝送路網110、第2の伝送路網112、第3の伝送路網114、及び第4の伝送路網116と呼ばれる)を含む。
【0020】
第1の伝送路網110は、第1の部分110a(
図2B)と第2の部分110b(
図2Aを含む。同様に、第2の伝送路網112は、第1の部分112a(
図2A)と第2の部分112b(
図2B)を含む。第1の伝送路網110の第1及び第2の部分110a、110bは、一対の垂直相互接続アクセス部分(ビア)118a、118bによって互いに電気的に結合される。更に、第2の伝送路網112の第1及び第2の部分112a、112bは、別の一対のビア120a、120bによって互いに電気的に結合される。要素の電気的結合は、本明細書で使用されるとき、電流がある要素から別の要素に流れることができるように、要素を結合することを示すように意図したものである。
【0021】
図2Bに示されるように、第1のフィルタ108aは、第1及び第2の外部端子104a、104bと、第1の伝送路網110の第1の部分110aとの間に結合される。
図2Aでは、第1の伝送路網110の第2の部分110bは、一対の内部端子106に結合される。
【0022】
図2Aに示されるように、第2のフィルタ108bは、第4及び第5の外部端子104d、104eと、第3の伝送路網114の第1の側との間に結合される。第3の伝送路網114の第2の側は、一対の内部端子106に結合される。
【0023】
第2の伝送路網112の第1の部分112aは、第3及び第6の端子104c、104fに一方の側で結合される。ビア120a、120bは、第2の伝送路網112の第1及び第2の部分112a、112aを互いに電気的に結合する。第2の伝送路網112の第2の部分112bの別の側は、一対の内部端子106に結合される。内部端子106は、ケーブルに結合され得る。
【0024】
図2Bに示されるように、第3のフィルタ108cは、第7及び第8の外部端子104g、104hと、第4の伝送路網116の第1の側との間に結合される。第4の伝送路網116の第2の側は、一対の内部端子106に結合される。
【0025】
各対の外部端子104(第1及び第2の外部端子104a、104b、第3及び第6の外部端子104c、104f、第4及び第5の外部端子104d、104e、並びに第7及び第8の外部端子104g、104h)は、信号を差動的に伝送するために使用することができる。差動シグナリングでは、第1の伝送媒体(例えば、電線又は伝送路)が信号を伝達し、第2の伝送媒体(例えば、別の電線又は伝送路)が、第1の端子伝送媒体によって伝達される信号から位相がオフセットされた相補信号を伝達する。オフセットは、半サイクル長(又は、180°)であってよい。例えば、一対の第2の端子を横切る信号は、第1の端子を横切る信号より半サイクル長だけ遅延され得る。
【0026】
動作では、第3及び第6の外部端子104c、104fは、差動信号を伝達し得る。更に、第4及び第5の外部端子104d、104eは、差動信号も伝達し得る。第3及び第6の外部端子104c、104fは、「スプリット端子」又は「スプリット対」と呼ばれる。これは、これらの外部端子が差動信号を伝達するが互いに隣り合っていない(すなわち、それらの間に1つ以上の外部端子がある)ということによる。これと反対に、第4及び第5の外部端子104d、104eは、隣接しているので、「スプリット端子」又は「スプリット対」ではない。
【0027】
一対の端子間の距離が小さいほど一対の端子によって引き起こされる容量性負荷も小さくなり、その逆の場合も同様である。第3の外部端子104cと第6の外部端子104fとの間の距離が大きいほど、第3の外部端子104cと第6の外部端子104fとの間の静電容量が小さくなる。したがって、第3及び第6の外部端子104c、104fによって伝達される差動信号に影響を及ぼす反射損失は、他の対の端子(互いに空間的に接近した第1及び第2の端子104a、104bなど)が受ける反射損失ほど大きくない。その結果、第3及び第6の外部端子104c、104fによって伝達される差動信号に影響を及ぼす反射損失を調整するフィルタは使用されない。しかしながら、第1及び第2の外部端子104a、104b、第4及び第5の外部端子104d、104e、及び第7及び第8の外部端子104g、104hによって伝達される信号はそれぞれ、第1、第2、及び第3のフィルタ108a、108b、108cによる反射損失に合わせて調整される。
【0028】
第1、第2、及び第3のフィルタ108a、108b、108cはπフィルタであってよく、各πフィルタは、
図3に関して述べたような2つのインダクタと1つのキャパシタを含む。
【0029】
図3は、2つの外部端子104と1つの伝送路網121との間に結合されたπフィルタの回路図を示す。伝送路網121は、第1の伝送路121aと第2の伝送路121bを含むように示される。伝送路網121は、
図2A及び
図2Bに関して述べた伝送路網110~116のいずれか1つであってよい。更に、2つの外部端子114は、外部端子対104a,b、104d,e、及び104g,hのいずれか1つであってもよい。
【0030】
πフィルタ122は、第1のインダクタ124、第2のインダクタ126、及びキャパシタ128を含む。第1のインダクタ124は、1つの外部端子104と第1の伝送路121aとの間に結合され、その結果、第1のインダクタ124の第1の側(又は端子)が1つの外部端子104に結合され、第1のインダクタ124の第2の側が第1の伝送路121aに結合される。第2のインダクタ124は、別の端子104と第2の伝送路121bとの間に結合される。キャパシタは、第1の伝送路121aと第2の伝送路121bとの間に結合される。
【0031】
本明細書で述べるように、一対の外部端子104の近接とサイズによって引き起こされる容量性負荷は、一対の外部端子104を横切る差動信号に影響を及ぼす。容量性負荷は、伝送路に反射損失を導入する。πフィルタ122は、反射損失を反射損失の望ましい範囲内になるように調整する。例えば、πフィルタ122は、反射損失を国際標準化機構(ISO)及び国際電気標準会議(IEC)(ISO/IEC)カテゴリ8規格などの業界標準によって許容可能な範囲内になるように調整してもよい。πフィルタ122のインダクタ124、126及びキャパシタ128は、好ましくは、伝送路ではなく、それぞれインダクタとキャパシタをモデル化するために使用される誘導及び容量特性を有する個別要素であってよい。
【0032】
個別構成要素を使用すると、プリント回路基板102のサイズが小さくなって好都合であり、その理由は、個別構成要素は、構成要素の伝送路ベースモデルより小さい占有面積を有し、プリント回路基板102上の小さい面積を占めるからである。いくつかの状況では、プラグ100は、比較的小型で、比較的小さいサイズ又は専有面積を有することがある。プラグ100のサイズ制限によって、プリント回路基板102上の伝送路に使用可能な面積が限られることがある。サイズ制限があると、プリント回路基板102上に、フィルタ構成要素をモデル化するために使用される伝送路に適合するのに十分に大きい面積がないことがある。
【0033】
更に、フィルタの応答が試験され構成される試験又は研究所環境では、個別構成要素の使用によって、プリント回路基板102又はその伝送路を再構成することなく、インダクタ124、126及びキャパシタ128を交換してフィルタ応答を達成することが可能になる。
【0034】
πフィルタ122は、有利には、一対の外部端子104の最小距離内に配置され得る。例えば、インダクタ124、126の端子は、外部端子104の導電性スロットから2.5ミリメートル(mm)の最大距離内にあってもよい。信号周波数2Ghzで反射損失に14dB制限が課される場合、最大距離は1mmであってよい。
【0035】
一対の外部端子104とπフィルタ122との間の経路長による伝播遅延が反射損失調整の能力を低下させるので、そのような配置は、反射損失調整を改善する。
【0036】
より低い周波数範囲(例えば、944メガヘルツ(MHz)未満)では、インダクタ124、126は、一対の外部端子104によって引き起こされる容量性負荷を補償する。その結果、反射損失が反射損失の許容範囲まで減少する。πフィルタ122のキャパシタ128とインダクタ124、126との相互作用によって、1800MHz範囲より低い周波数範囲でゼロになることがあり、プラグ100が14デシベル(dB)高周波制限を満たすことが可能になる。更に、広帯域用途(1~2ギガヘルツ(GHz))では、πフィルタ122を使用することにより、広帯域周波数範囲全体で反射損失が反射損失の範囲内になるように調整される。
【0037】
本明細書で述べるように、外部端子104のサイズプロファイルによって、反射損失が、著しくかつ比較的大きいことがある。更に、より高い信号周波数(例えば、2GHz近くの信号周波数)では、反射損失が悪化しより著しくなる。更に、反射損失の存在によって、プラグが、反射損失ケーブル布線要件(ISO/IECカテゴリ8規格の要件など)を満たさないことがある。πフィルタ122の使用によって、反射損失が所望の範囲(例えば、ISO/IECカテゴリ8規格などの規格に準拠する範囲)に調整される。個別構成要素を使用して実現されるとき、πフィルタ122は、小さい専有面積しか使用せずに反射損失を調整する。
【0038】
πフィルタ122を利用しない従来のプラグでは、反射損失の調整がクロストークに悪影響を及ぼす。例えば、差動伝送信号を伝達する一対の外部端子104の反射損失を調整すると、信号にクロストークが導入される。しかしながら、πフィルタ122は、反射損失調整をクロストークの導入からほとんど切り離す。反射損失に合わせて調整している間、πフィルタ122は、差動信号に大きいクロストークは導入しない。πフィルタ122は、比較的少量のクロストーク又はごくわずかなクロストークしか導入せずに反射損失を調整する。πフィルタ122を使用すると、反射損失調整がクロストーク調整からほとんど切り離され、その結果、反射損失調整はクロストークに僅かしか影響を及ぼさなくなる。反射損失は、クロストークに影響を及ぼすことなく独立(又は、実質的に独立に)に調整されてもよく、その逆の場合も同様である。
【0039】
従来の技術では、反射損失調整とクロストーク調整は相互依存である。あるタイプの干渉の調整は、他のタイプの干渉に悪影響を及ぼす。例えば、従来技術では、反射損失の調整は、クロストークに影響を及ぼし、その結果クロストークを引き起こす。引き起こされたクロストークは、調整されなければならず、これは反射損失を引き起こす。したがって、従来技術では、循環手法に従うことが多く、それにより、第1のタイプの干渉が第2のタイプの干渉に影響を及ぼし、これが更にその干渉自体の調整を必要とする。
【0040】
πフィルタ122の使用は、クロストーク調整と反射損失調整が分離されるという点で有利である。クロストークと反射損失は、独立に(又は実質的に独立に)調整され得る。
【0041】
そのため、差動伝送信号にクロストークを引き起こすうえで望ましいことがある。クロストークの位相と大きさは両方とも、クロストークの位相と大きさのそれぞれの範囲内になるように調整され得る。プラグ100が、位相と大きさを有するクロストークを、それぞれの所望のクロストークの位相及び大きさの範囲内で引き起こす上で望ましいことがある。本明細書に示されたように、プラグ100は、接点ブロックとして複数の外部端子104を使用するジャックと結合されてもよい。ISO/IECテクニカルレポート11801-99-1(ISO/IEC TR 11801-99-1)などのいくつかの相互運用仕様は、規格準拠プラグ及びジャックの反射損失及びクロストーク性能に関する要件を規定している。相互運用仕様に準拠するため、プラグ100は、いくつかの位相と大きさ又はその範囲を有するクロストークを引き起こすことが必要とされることがある。その反対に、ジャックは、プラグによって引き起こされたクロストークを補償することが必要とされることがある。
【0042】
ここで
図2A及び
図2Bを参照して、クロストークの大きさと位相を調整する際の伝送路網112、114の使用について述べる。動作では、第3及び第6の外部端子104c、104fは、差動信号を伝達する。更に、第4及び第5の外部端子104d、104eは、差動信号も伝達し得る。
【0043】
第4及び第5の外部端子104d、104e(及び第3の伝送路網114)を横切る差動信号に、特定の大きさを有するクロストークが引き起こされることがある。クロストークの大きさを高めるため、第2の伝送路網112の第1の部分112aは、第3の伝送路網114の距離内でプリント回路基板102上に延在する。クロストークの大きさと距離との関係は反比例する。第2の伝送路網112と第3の伝送路網114との間の距離が短いほど、第3の伝送路網114に引き起こされるクロストークの大きさが大きくなる。
【0044】
図2Aに示されるように、第2の伝送路網112の第1の部分112aの2つの伝送路は、分離されており、第2の伝送路網112の長さ130に対して第3の伝送路網114のそれぞれ対応する伝送路物を取り囲む。その後、ビア120a、120bに到達し、第2の伝送路網112の第2の部分112bは、プリント回路基板102の下側の経路を横切る。第3の伝送路網114は、プリント回路基板102の反対側(上)にとどまる。プリント回路基板102の両側には、クロストークはほとんど又は全く引き起こされない。クロストーク調整が行われた後、第2及び第3の伝送路網112、114は、互いに遠ざけられる。その後、第2及び第3の伝送路網112、114は、クロストークを調整するために、互いの接近内にない。伝送路網112、114の長さ130にわたる第2及び第3の伝送路網112、114のそれぞれの伝送路間の近接が、クロストークの大きさを調整する。
【0045】
引き起こされるクロストークの位相は、第2及び第3の伝送路網112、114が互いの接近範囲内にある長さ130に比例する。第2及び第3の伝送路網112、114が互いの接近範囲内で延在する長さが長いほど、クロストークの位相が大きくなる。図に示されるように、第2及び第3の伝送路網112、114は、伝送路網112、114の長さ130に対して互いの接近範囲内で延在して、所望の位相を有するクロストークを引き起こす。
【0046】
プラグ100は、必要に応じて、複数の終端要素132a~dを含み得る(本明細書では単に終端要素132と呼ばれる)。複数の終端要素132a~dは、第1の終端要素132a、第2の終端要素132b、第3の終端要素132c、及び第4の終端要素132dを含む。
【0047】
複数の終端要素132a~dの各終端要素132は、それぞれの一対のはんだパッド134、136を有する。複数の終端要素132a~dの各終端要素132は、複数の伝送路網110~116のうちのそれぞれの伝送路網に結合される。
【0048】
各終端要素132は、試験又は研究所環境で反射損失性能を測定するために使用することができる。終端要素132を使用して反射損失測定を行なうことは、他の技術を使用して反射損失測定を行なうより正確である。例えば、終端要素132がない場合、反射損失測定を行なうには、プラグの内部端子104を裁断ケーブルに結合し、ケーブルの裁断端における反射損失を測定しなければならない。しかしながら、そのような測定は、プラグ200だけでなくケーブルによって引き起こされる反射損失も含むので、プラグ200の反射損失性能を正確に伝えないことがある。
【0049】
例えば、第1の終端要素132aを使用して第1の伝送路網110によって伝達される差動信号の反射損失測定を行なうために、抵抗器(50オーム(Ω)抵抗器(図示せず))の第1の側が、第1のはんだパッド134aにはんだ付けされることがある。第2のはんだパッド136aは、接地に接続されてもよい。抵抗器の第2の側は、第1の伝送路網110によって伝達される差動信号の反射損失を測定するために、測定装置に結合されることがある。
【0050】
上述の様々な実施形態は、更なる実施形態を提供するために組み合わせてもよい。上記の説明を考慮すれば、実施形態へのこれらの及び他の変更を行なうことができる。概して、次の請求項では、使用する用語は、明細書及び請求項に開示された特定の実施形態に対する請求項を制限するものと解釈すべきではないが、こうした請求項に権利を与えた等価物の全範囲と共にすべての考えられる実施形態を含むものと解釈すべきである。したがって、請求項は、開示によって制限されるものではない。