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特許7512013プラント操業支援システム及びプラント操業支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】プラント操業支援システム及びプラント操業支援方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20240701BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20240701BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20240701BHJP
【FI】
G05B23/02 R
G06Q10/04
G06Q50/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018234266
(22)【出願日】2018-12-14
(65)【公開番号】P2020095572
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-08-10
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100183438
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100223424
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100165526
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 寛
(72)【発明者】
【氏名】阿部 真晴
【合議体】
【審判長】渋谷 善弘
【審判官】鈴木 貴雄
【審判官】菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-74007(JP,A)
【文献】特開平11-328152(JP,A)
【文献】特開2018-81350(JP,A)
【文献】特開2005-332360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
G05B 13/02
G06Q 10/04
G06Q 50/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操業パラメータを提供することによって、プラントの操業を支援するシステムであって、
プラントの最適化運転を考慮して算出された操業パラメータである最適化パラメータを用いてプラントの操業効果を算出する支援効果計算機を備え、
前記支援効果計算機は、
前記最適化パラメータを用いて、前記プラントを実際に運転させた場合の第1運転結果を取得する取得部と、
プロセスモデルを記憶する記憶部と、
前記最適化パラメータとは異なる通常の操業パラメータである通常パラメータを前記プロセスモデルに入力したシミュレーション結果に基づき、前記プラントを運転させた場合の第2運転結果を予測する予測部と、
前記第1運転結果と前記第2運転結果とを比較することによって、前記最適化パラメータを用いることによる操業効果を導出する比較部と、を有し、
前記取得部は、前記最適化パラメータの提供が停止された後に、前記通常パラメータを用いて前記プラントを実際に運転させた場合の第3運転結果を取得することを更に実行し、
前記比較部は、前記第2運転結果と前記第3運転結果とを比較し、前記第2運転結果と前記第3運転結果との差に基づき、前記操業効果の補正値を導出することを更に実行する、プラント操業支援システム。
【請求項2】
前記比較部によって導出された前記操業効果を出力する出力部をさらに備える、請求項1記載のプラント操業支援システム。
【請求項3】
前記プラントの運転情報を取得して最適化運転を行うことにより前記最適化パラメータを算出し、該最適化パラメータを前記プラントに出力する操業パラメータ計算機をさらに備える、請求項1又は2記載のプラント操業支援システム。
【請求項4】
前記比較部は、互いに同時間帯の、前記第1運転結果と前記第2運転結果とを比較する、請求項1~3のいずれか一項記載のプラント操業支援システム。
【請求項5】
前記予測部は、前記取得部に対する前記最適化パラメータの提供が停止された時刻における前記シミュレーション結果を、前記最適化パラメータの提供が停止されている期間における共通の前記シミュレーション結果として、前記第2運転結果を固定する、請求項1~4のいずれか一項記載のプラント操業支援システム。
【請求項6】
前記比較部は、前記最適化パラメータの提供が停止された後、一定期間内における、操業パラメータの変動要因の値が一定範囲内である場合に限り、前記第2運転結果と前記第3運転結果とを比較し前記操業効果の補正値を導出する、請求項記載のプラント操業支援システム。
【請求項7】
プラントの最適化運転を考慮して算出された操業パラメータである最適化パラメータを用いて、前記プラントを実際に運転させた場合の第1運転結果を取得することと、
前記最適化パラメータとは異なる通常の操業パラメータである通常パラメータをプロセスモデルに入力したシミュレーション結果に基づき、前記プラントを運転させた場合の第2運転結果を予測することと、
前記第1運転結果と前記第2運転結果とを比較することによって、前記最適化パラメータを用いることによる操業効果を導出することと、を含み、
前記最適化パラメータの提供が停止された後に、前記通常パラメータを用いて前記プラントを実際に運転させた場合の第3運転結果を取得することを更に実行し、
前記第2運転結果と前記第3運転結果とを比較し、前記第2運転結果と前記第3運転結果との差に基づき、前記操業効果の補正値を導出することを更に実行する、プラント操業支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラント操業支援システム及びプラント操業支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギープラントの実際の運転結果(ランニングコスト等)と、仮想的なエネルギープラントのシミュレーション結果(ランニングコスト等)とを比較することにより、プラント運用の経済性等を評価するシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載されたシステムでは、現状のプラントを実際に運転させた場合の運転コストと、プラントの操業状態を最適化する制御パラメータ(操業パラメータ)を用いたシミュレーション結果に基づく運転コストとを比較することにより、現状のプラントの運用評価を行うと共に、改善案(代替案)の運用評価を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4210015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、プラントを操業している顧客に対して、プラントの操業状態を最適化する制御パラメータ(操業パラメータ)を提供するビジネスモデルが考えられている。このようなビジネスモデルにおいては、提供された操業パラメータに応じてプラントが操業されることによる効果(ランニングコストの低減、生産量増加等)に応じて課金を行うサービスが検討されている。
【0006】
上述したような操業パラメータを提供して顧客に課金するビジネスモデルでは、課金の妥当性(すなわち、最適化された操業パラメータを用いたプラント操業の効果)を顧客に信頼してもらうことが難しく、サービス料金の決定が困難であった。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、最適化された操業パラメータを用いたプラント操業の効果の信頼性を向上させることができる、プラント操業支援システム及びプラント操業支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るプラント操業支援システムは、操業パラメータを提供することによって、プラントの操業を支援するシステムであって、プラントの最適化運転を考慮して算出された操業パラメータである最適化パラメータを用いてプラントの操業効果を算出する支援効果計算機を備え、支援効果計算機は、最適化パラメータを用いて、プラントを実際に運転させた場合の第1運転結果を取得する取得部と、プロセスモデルを記憶する記憶部と、最適化パラメータとは異なる通常の操業パラメータである通常パラメータをプロセスモデルに入力したシミュレーション結果に基づき、前記プラントを運転させた場合の第2運転結果を予測する予測部と、第1運転結果と第2運転結果とを比較することによって、最適化パラメータを用いることによる操業効果を導出する比較部と、を有する。
【0009】
このようなシステムでは、最適化パラメータを用いてプラントを実際に運転させた運転結果と、最適化されていない操業パラメータである通常パラメータを用いたシミュレーション結果に基づく運転結果とが比較されて、最適化パラメータを用いることによる操業効果が導出される。このように、最適化パラメータが実際に運転するプラントに用いられ、実際の運転結果と、通常パラメータを用いたシミュレーション結果に基づく運転結果とから操業効果が導出されることにより、最適化パラメータの提供を受けているユーザー(顧客)にとって操業効果の導出根拠が明確になり、プラント操業の効果の信頼性を向上させることができる。このことで、課金の妥当性を顧客に信頼してもらいやすくなり、操業パラメータを提供するサービスの料金を適切且つ容易に決定することができる。
【0010】
上記プラント操業支援システムは、比較部によって導出された操業効果を出力する出力部をさらに備えていてもよい。これにより、顧客に対して操業効果を提示し、顧客が課金の妥当性を確認することができ、課金の妥当性を顧客に信頼してもらうことができる。
【0011】
上記プラント操業支援システムは、プラントの運転情報を取得して最適化運転を行うことにより最適化パラメータを算出し、該最適化パラメータをプラントに出力する操業パラメータ計算機をさらに備えていてもよい。これにより、プラントに対して最適化パラメータを確実に提供することができる。
【0012】
比較部は、互いに同時間帯の、第1運転結果と第2運転結果とを比較してもよい。比較対象の運転結果の時間帯を同じにすることによって、より確実且つ適切に、操業効果を導出することができ、プラント操業の効果の信頼性をより向上させることができる。
【0013】
取得部は、最適化パラメータの提供が停止された後に、通常パラメータを用いてプラントを実際に運転させた場合の第3運転結果を取得することを更に実行し、比較部は、第2運転結果と第3運転結果とを比較し、第2運転結果と第3運転結果との差に基づき、操業効果の補正値を導出することを更に実行してもよい。上述した操業効果の導出方法においては、プラント操業の効果の信頼性を高める上で、第2運転結果の導出に係るプロセスモデルの精度の信頼性を高めることが重要である。この点、理想的には同様の結果になることが期待される、通常パラメータを用いてプラントを実際に運転させた運転結果と、通常パラメータを用いたシミュレーション結果に基づく運転結果とが比較されることにより、プロセスモデルの信頼性を確認しやすくすることができる。更に、第2運転結果と第3運転結果の差に基づき操業効果の補正値が導出されることにより、例えばプロセスモデルを用いたシミュレーション結果と実際の運転結果との差異が大きい場合に適切に補正を行うことが可能となり、プラント操業の効果の信頼性をより向上させることができる。
【0014】
予測部は、取得部に対する最適化パラメータの提供が停止された時刻におけるシミュレーション結果を、最適化パラメータの提供が停止されている期間における共通のシミュレーション結果として、第2運転結果を固定してもよい。第2運転結果と第3運転結果とが比較され補正値が導出されるに際して、例えば、第2運転結果を導出するためのシミュレーション結果をシステム側で自由に変更することができる場合には、顧客に、第2運転結果が第3運転結果に近い値となるようにシミュレーション結果を変更していると認識され、プラント操業の効果の信頼性が低下するおそれがある。この点、最適化パラメータの提供が停止されている期間(すなわち、第2運転結果と第3運転結果との比較及び補正値の導出が行われうる期間)において、第2運転結果を導出するためのシミュレーション結果が、ある時点(最適化パラメータの提供が停止された時点)のシミュレーション結果に固定されることにより、上述したシステム側でのシミュレーション結果の変更が行われなくなるため、プラント操業の効果の信頼性を向上させることができる。
【0015】
比較部は、最適化パラメータの提供が停止された後、一定期間内における、操業パラメータの変動要因の値が一定範囲内である場合に限り、第2運転結果と第3運転結果とを比較し操業効果の補正値を導出してもよい。上述したように、第2運転結果と第3運転結果との比較においてシミュレーション結果が固定値とされるところ、最適化パラメータの提供が停止された後に、操業パラメータの変動要因(温度、圧力等)の値が大きく変化した場合には、第2運転結果が実際の値と大きくかけ離れてしまい、正確な補正値が導出できないおそれがある。この点、操業パラメータの変動要因の値が一定範囲内である場合に限り、補正値の導出が行われる構成を採用することにより、導出される補正値の精度を担保することができる。
【0016】
本発明の他の態様に係るプラント操業支援方法は、プラントの最適化運転を考慮して算出された操業パラメータである最適化パラメータを用いて、プラントを実際に運転させた場合の第1運転結果を取得することと、最適化パラメータとは異なる通常の操業パラメータである通常パラメータをプロセスモデルに入力したシミュレーション結果に基づき、プラントを運転させた場合の第2運転結果を予測することと、第1運転結果と第2運転結果とを比較することによって、最適化パラメータを用いることによる操業効果を導出することと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、最適化された操業パラメータを用いたプラント操業の効果の信頼性を向上させることができる、プラント操業支援システム及びプラント操業支援方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る操業支援システムの概略構成を示す模式図である。
図2】支援効果計算機の機能ブロック図である。
図3】支援効果計算機のハードウェア構成図である。
図4】操業効果導出処理の実行手順を示すフローチャートである。
図5】支援効果計算機における処理イメージを示す模式図である。
図6】ランニングコスト削減効果の導出イメージを示す模式図である。
図7】ランニングコスト削減効果の表示イメージである。
図8】操業効果補正処理の実行手順を示すフローチャートである。
図9】支援効果計算機における処理イメージを示す模式図である。
図10】ランニングコスト削減額の補正方法の表示イメージである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
[操業支援システム]
まず、図1を参照して、本実施形態に係る操業支援システム1(プラント操業支援システム)の概略を説明する。図1は、本実施形態に係る操業支援システム1の概略構成を示す模式図である。
【0021】
操業支援システム1は、操業パラメータを使用することによって、プラント200の操業(運転)を支援するシステムである。操業支援システム1は、例えばサービス提供事業者によって運用され、顧客のプラント200に対して操業パラメータ(詳細は後述)を提供する。図1に示されるように、操業支援システム1は、操業パラメータ計算機2と、支援効果計算機3と、モニター4とを備える。
【0022】
操業パラメータ計算機2は、プラント200の運転情報を取得して最適化運転を行うことにより最適化パラメータを算出し、該最適化パラメータをプラント200に出力する。操業パラメータ計算機2は、プラント200の最適化運転を考慮した操業パラメータである最適化パラメータを算出する。最適化運転とは、例えばプラント200のランニングコストを可能な限り低減する運転、又は/及び、プラント200において生成されるエネルギーの生産量を可能な限り増加させる運転である。操業パラメータとは、プラント200の操業に係る各種パラメータであり、例えばプラント200のPID(Proportional-Integral-Differential)制御の目標値(SV(Set Variable))、又は、バルブ及びモーター等の操作量等である。操業パラメータ計算機2は、操業パラメータの変動要因の計測値、及び、操業パラメータの現在の設定値をプラント200の主幹制御装置210から取得し、当該計測値及び設定値に基づき最適化パラメータを算出する。操業パラメータの変動要因とは、例えば、プラント200に係る温度、濃度、圧力等である。操業パラメータ計算機2は、算出した最適化パラメータをプラント200の主幹制御装置210に設定する。
【0023】
支援効果計算機3は、最適化パラメータを用いることによるプラント200の操業効果を算出する。図2は、支援効果計算機3の機能ブロック図である。図2に示されるように、支援効果計算機3は、機能モジュールとして、取得部31と、予測部32と、比較部33と、記憶部34とを備える。
【0024】
取得部31は、主幹制御装置210に設定された最適化パラメータを用いてプラント200を実際に運転させた場合の第1運転結果を取得する。第1運転結果とは、例えば、最適化パラメータの提供(サービス利用)が開始されてから最適化パラメータの提供(サービス利用)が停止されるまでの期間におけるプラント200の実際の運転結果である。なお、以下の説明では、「運転結果」とは、プラント200のランニングコストに関する情報であるとして説明する。取得部31は、例えば、最適化パラメータを用いて実際に運転するプラント200についての、使用電力及び使用蒸気量の計測値を、プラント200の主幹制御装置210から取得する。取得部31は、例えば、毎秒、使用電力及び使用蒸気量の計測値を取得する。そして、取得部31は、以下の(1)式により、例えば所定時間トータルの計測値を足し込むことにより、所定時間当たりのプラント200のランニングコスト(第1運転結果)を取得する。取得部31は、取得した第1運転結果を比較部33に出力する。
f(x´,y´,・・・)=ax´+by´+・・・ (1)
f:所定時間当たりのランニングコスト
x´:使用電力の計測値
y´:使用蒸気量の計測値
a:電力単価
b:蒸気単価
【0025】
取得部31は、最適化パラメータの提供(サービス利用)が停止された後に、最適化パラメータとは異なる通常の操業パラメータである初期操業パラメータ(通常パラメータ)を用いてプラント200を実際に運転させた場合の第3運転結果を取得することを更に実行してもよい。第3運転結果とは、例えば、最適化パラメータの提供(サービス利用)が停止されている期間におけるプラント200の実際の運転結果である。初期操業パラメータとは、操業支援システム1を運用するサービス提供事業者と、プラント200を運用する顧客との間で事前に取り決められた、「サービス利用が停止された(最適化パラメータを用いた操業を行わない)場合の操業パラメータ」である。初期操業パラメータは、上述した操業パラメータ計算機2によって算出された操業パラメータ(最適化運転を考慮した操業パラメータ)ではないため、理論上、期待される操業効果が最適化パラメータよりも小さい。取得部31は、例えば、初期操業パラメータを用いて実際に運転するプラント200についての、使用電力及び使用蒸気量の計測値を、プラント200の主幹制御装置210から取得する。取得部31は、例えば、毎秒、使用電力及び使用蒸気量の計測値を取得する。そして、取得部31は、上述した(1)式により、例えば所定時間トータルの計測値を足し込むことにより、所定時間当たりのプラント200のランニングコスト(第3運転結果)を取得する。取得部31は、取得した第3運転結果を比較部33に出力する。
【0026】
取得部31は、サービス利用が停止されている状態であって且つ所定の条件を満たす場合に限り、上述した第3運転結果の取得を行ってもよい。具体的には、取得部31は、サービス利用が停止された場合において、初期操業パラメータに係る情報をモニター4に出力(表示)させ、顧客が所定時間内にモニター4に表示された初期操業パラメータに係る情報をプラント200に入力した場合に限り、第3運転結果の取得を行ってもよい。このように、顧客が能動的に所定の操作をした場合に限って第3運転結果を取得することによって、後述する比較部33の処理により、顧客が望む場合に限り操業効果(ランニングコスト削減額)の補正処理を実行することができる。
【0027】
予測部32は、初期操業パラメータ(通常パラメータ)をプロセスモデル50に入力したシミュレーション結果に基づき、プラント200を運転させた場合の第2運転結果を予測する。予測部32は、記憶部34に記憶されているプロセスモデル50に、初期操業パラメータと、操業パラメータの変動要因の計測値とを入力することにより、例えば毎秒の使用電力及び使用蒸気量をシミュレーション(推定)する。そして、予測部32は、以下の(2)式により、例えば所定時間トータルのシミュレーション結果を足し込むことにより、所定時間当たりのプラント200のランニングコスト(第2運転結果)を予測する。予測部32は、予測した第2運転結果を比較部33に出力する。
f(x,y,・・・)=ax+by+・・・ (2)
f:所定時間当たりのランニングコスト
x:使用電力のシミュレーション結果
y:使用蒸気量のシミュレーション結果
a:電力単価
b:蒸気単価
【0028】
予測部32は、取得部31に対する最適化パラメータの提供(サービス利用)が停止された時刻におけるシミュレーション結果を、サービス利用が停止されている期間における共通のシミュレーション結果(固定値)として、第2運転結果を固定してもよい。なお、上述した、サービス利用が停止された際とは、サービス利用が停止されてから所定時間内(例えば、モニター4に初期操業パラメータに係る情報が表示されてから顧客が初期操業パラメータに係る情報を入力可能な所定時間内)の任意のタイミングであってもよい。
【0029】
比較部33は、取得部31によって取得された第1運転結果と、予測部32によって予測された第2運転結果とを比較することによって、最適化パラメータを用いることによる操業効果を導出する。最適化パラメータを用いることによる操業効果とは、例えば、第2運転結果として示されるランニングコストと、第1運転結果として示されるランニングコストとの差異である、ランニングコストの削減額である。比較部33は、互いに同時間帯の、第1運転結果と第2運転結果とを比較する。すなわち、比較部33は、例えば、最適化パラメータを提供するサービスを開始した1時間前から現在までの第1運転結果と、同様にサービスを開始した1時間前から現在までの第2運転結果とを比較する。比較部33は、最適化パラメータを提供するサービスが利用されている場合の実測値(f(x´,y´,・・・))と、サービスが利用されていない場合の推定値(f(x,y,・・・))との差の積分を逐次計算することにより、比較対象の時間帯における操業効果(ランニングコストの削減額)を導出し、モニター4に出力(表示)させる。比較部33は、比較対象の時間帯における操業効果(ランニングコストの削減額)を、例えば以下の(3)式により導出する。なお、(3)式における各記号のうち、(1)式又は(2)式と重複する記号については、説明を省略する。
F=Σ{f(x,y,・・・)-f(x´,y´,・・・)}×Δt (3)
F:比較対象の時間帯における操業効果(ランニングコストの削減額)
Δt:単位時間
【0030】
比較部33は、取得部31によって取得された第3運転結果と、予測部32によって予測された第2運転結果とを比較し、第2運転結果と第3運転結果との差(誤差)に基づき、操業効果の補正値を導出することを更に実行してもよい。比較部33は、最適化パラメータの提供(サービス利用)が停止された後、一定期間内における操業パラメータの変動要因の値が一定範囲内である場合に限り、第2運転結果と第3運転結果とを比較し、操業効果の補正値を導出してもよい。ここでの操業パラメータの変動要因とは、例えば、プラント200に係る温度、濃度、圧力等である。比較部33は、例えば以下の(4)式により、所定時間当たりの誤差を導出する。
E=∫{(第2運転結果)-(第3運転結果)}dt/評価区間の時間 (4)
E:所定時間当たりの第2運転結果と第3運転結果との誤差
【0031】
比較部33は、例えば以下の(5)式により、操業効果(ランニングコストの削減額)の補正値を導出する。
F´=F-E×(サービスを利用した時間) (5)
F´:操業効果(ランニングコストの削減額)の補正値
【0032】
図3は、支援効果計算機3のハードウェア構成図である。図3に示されるように、支援効果計算機3は、一つ又は複数のプロセッサ103と、メモリ104と、ストレージ105と、入出力ポート106と、を有する回路100により構成される。入出力ポート106は、主幹制御装置210及びモニター4との間で制御信号の入出力を行う。ストレージ105は、支援効果計算機3による処理を実行させるためのプログラムを記録している。ストレージ105は、コンピュータ読み取り可能であればどのようなものであってもよい。具体例として、ハードディスク、不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク及び光ディスク等が挙げられる。メモリ104は、ストレージ105からロードしたプログラム及びプロセッサ103の演算結果等を一時的に記憶する。プロセッサ103は、メモリ104と協働してプログラムを実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。
【0033】
なお、支援効果計算機3のハードウェア構成は、必ずしもプログラムにより各機能モジュールを構成するものに限られない。例えば支援効果計算機3の各機能モジュールは、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成されていてもよい。
【0034】
[操業効果導出処理の実行手順]
次に、図4図7を参照して、支援効果計算機3による操業効果導出処理の実行手順について説明する。図4は、操業効果導出処理の実行手順を示すフローチャートである。図5は、支援効果計算機3における処理イメージを示す模式図である。図6は、ランニングコスト削減効果の導出イメージを示す模式図である。図7は、モニター4における、ランニングコスト削減効果の表示イメージである。
【0035】
図4に示されるように、支援効果計算機3による操業効果導出処理では、最初に、取得部31が、主幹制御装置210に設定された最適化パラメータを用いてプラント200を実際に運転させた場合の第1運転結果を取得する(ステップS1)。具体的には、取得部31は、図5に示されるように、プラント200の主幹制御装置210から、最適化パラメータを用いて実際に運転するプラント200についての使用電力及び使用蒸気量の計測値を取得し、所定時間当たりのプラント200のランニングコスト(第1運転結果)であるf(x´,y´,・・・)を導出(取得)する。取得部31は、取得した第1運転結果を比較部33に出力する。
【0036】
また、予測部32が、初期操業パラメータをプロセスモデル50に入力したシミュレーション結果に基づき、プラント200を運転させた場合の第2運転結果を予測する(ステップS2)。具体的には、予測部32は、図5に示されるように、プロセスモデル50に、初期操業パラメータと操業パラメータの変動要因の計測値とを入力することにより、使用電力及び使用蒸気量をシミュレーション(推定)し、所定時間当たりのプラント200のランニングコスト(第2運転結果)を予測する。予測部32は、予測した第2運転結果を比較部33に出力する。
【0037】
つづいて、比較部33が、取得部31によって取得された第1運転結果と、予測部32によって予測された第2運転結果とを比較することによって、最適化パラメータを用いることによる操業効果を導出する(ステップS3)。具体的には、比較部33は、図5及び図6に示されるように、サービス利用がONとなっている場合に、最適化パラメータを用いた場合のプラント200のランニングコストの実測値f(x´,y´,・・・)と、初期操業パラメータを用いた場合のプラント200のランニングコストの推定値f(x,y,・・・)との差の積分を逐次計算することにより、比較対象の時間帯における操業効果(ランニングコストの削減額)Fを導出する。
【0038】
そして、比較部33は、導出した操業効果をモニター4に表示させる(ステップS4)。図7に示される例では、モニター4において、最適化パラメータを用いた場合のプラント200のランニングコストの実測値f(x´,y´,・・・)と、初期操業パラメータを用いた場合のプラント200のランニングコストの推定値f(x,y,・・・)とがリアルタイムで表示される。そして、モニター4の下部には、本日のサービス利用時間及びランニングコストの削減額、今月のサービス利用時間及びランニングコストの削減額、今年のサービス利用時間及びランニングコストの削減額が表示されている。以上が、操業効果導出処理の実行手順である。
【0039】
[操業効果補正処理の実行手順]
次に、図8図10を参照して、支援効果計算機3による操業効果補正処理の実行手順について説明する。図8は、操業効果補正処理の実行手順を示すフローチャートである。図9は、支援効果計算機における処理イメージを示す模式図である。図10は、モニター4における、レポート(ランニングコスト削減額の補正方法)の表示イメージである。
【0040】
操業効果補正処理は、顧客の任意のタイミングでサービス利用(最適化パラメータの提供)が停止された場合に開始されうる。図8に示されるように、支援効果計算機3による操業効果補正処理では、サービス利用が停止された後、取得部31が、初期操業パラメータに係る情報及び所定の入力制限時間をモニター4に表示させ(図9参照)、入力制限時間(所定時間)内に、顧客から初期操業パラメータの入力がなされたか否かを判定する(ステップS11)。この際の顧客からの初期操業パラメータの入力は、顧客が手動で行ってもよいし、自動で行われるものであってもよい。
【0041】
ステップS11において、入力制限時間内に初期操業パラメータの入力が検知されなかった場合には、顧客が操業効果の補正を望んでいないと判断され、操業効果補正処理が終了する。一方で、ステップS11において、入力制限時間内に初期操業パラメータの入力が検知された場合(図9参照)には、取得部31が、初期操業パラメータ(通常パラメータ)を用いてプラント200を実際に運転させた場合の第3運転結果を取得する(ステップS12)。具体的には、取得部31は、図9に示されるように、プラント200の主幹制御装置210から、初期操業パラメータを用いて実際に運転するプラント200についての使用電力及び使用蒸気量の計測値を取得し、所定時間当たりのプラント200のランニングコスト(第3運転結果)であるf(x´,y´,・・・)を導出(取得)する。取得部31は、取得した第3運転結果を比較部33に出力する。なお、取得部31は、入力制限時間内に初期操業パラメータの入力が検知された場合には、図9に示されるように、図10に示すレポートの作成開始指令を出力する。
【0042】
そして、予測部32が、第2運転結果の予測に係るシミュレーション結果を固定する(ステップS13)。具体的には、予測部32は、サービス利用が停止された際におけるシミュレーション結果を、サービス利用が停止されている期間における共通のシミュレーション結果(固定値)とする。つづいて、予測部32が、固定値としたシミュレーション結果に基づき、第2運転結果を予測する(ステップS14)。予測部32は、予測した第2運転結果を比較部33に出力する。
【0043】
つづいて、比較部33は、サービス利用が停止された後一定期間内における操業パラメータの変動要因の値が一定範囲内であるか否かを判定する(ステップS15)。具体的には、比較部33は、操業パラメータの変動要因である、プラント200に係る温度、濃度、圧力等の値が一定範囲内であるか否かを判定する。比較部33は、判定結果である診断可否(操業効果補正を行えるか否か)を、モニター4に表示される図10のレポートにおける「(イ)診断可否」に出力する。図10に示す例では、診断許容値(変動要因の変化の許容値)がコストに換算して±1000円/hであるのに対し、変動要因の変化(図10中における「変動」)が-350円/h相当であったことが示されており、その結果、変動要因の値が一定範囲内であると判定され、「判定:可」とされている。なお、図10に示す例では、レポートの「(ア)変動要因の変化履歴」において、変動要因の値が時系列でグラフ化して示されている。
【0044】
つづいて、比較部33が、取得部31によって取得された第3運転結果と、予測部32によって予測された第2運転結果とを比較し、第3運転結果と第2運転結果との差(誤差)を導出する(ステップS16)。比較部33は、第3運転結果(実測値)と第2運転結果(推定値)とを、図10に示すレポートの「(ウ)推定値と実測値との比較」に示されるように、時系列でグラフ化して、モニター4に表示させる。また、比較部33は、図10に示すレポートの「(エ)評価区間の誤差」に示されるように、導出した第3運転結果と第2運転結果との差(誤差)をモニター4に表示させる。
【0045】
つづいて、比較部33が、導出した誤差Eに基づき、操業効果(ランニングコストの削減額)の補正値F´を導出し、図10に示すレポートの「(オ)ランニングコスト削減額の補正方法」に示されるようにモニター4に表示させる(ステップS17)。以上が、操業効果補正処理の実行手順である。
【0046】
[作用効果]
上述したように、本実施形態に係る操業支援システム1の支援効果計算機3は、操業パラメータを提供することによってプラント200の操業を支援するシステムであって、プラント200の最適化運転を考慮して算出された操業パラメータである最適化パラメータを用いてプラント200の操業効果を算出する支援効果計算機3を備え、支援効果計算機は、最適化パラメータを用いて、プラント200を実際に運転させた場合の第1運転結果を取得する取得部31と、プロセスモデル50を記憶する記憶部34と、最適化パラメータとは異なる通常の操業パラメータである通常パラメータをプロセスモデル50に入力したシミュレーション結果に基づき、プラント200を運転させた場合の第2運転結果を予測する予測部32と、第1運転結果と第2運転結果とを比較することによって、最適化パラメータを用いることによる操業効果を導出する比較部33と、を有する。
【0047】
このような操業支援システム1では、最適化パラメータを用いてプラントを実際に運転させた運転結果と、最適化されていない操業パラメータである通常パラメータを用いたシミュレーション結果に基づく運転結果とが比較されて、最適化パラメータを用いることによる操業効果が導出される。このように、最適化パラメータが実際に運転するプラント200に用いられ、実際の運転結果と、通常パラメータを用いたシミュレーション結果に基づく運転結果とから操業効果が導出されることにより、最適化パラメータの提供を受けているユーザー(顧客)にとって操業効果の導出根拠が明確になり、プラント操業の効果の信頼性を向上させることができる。このことで、課金の妥当性を顧客に信頼してもらいやすくなり、操業パラメータを提供するサービスの料金を適切且つ容易に決定することができる。
【0048】
操業支援システム1は、比較部33によって導出された操業効果を表示(出力)するモニター4をさらに備えている。これにより、顧客に対して操業効果を提示し、顧客が課金の妥当性を確認することができ、課金の妥当性を顧客に信頼してもらうことができる。
【0049】
操業支援システム1は、プラント200の運転情報を取得して最適化運転を行うことにより最適化パラメータを算出し、該最適化パラメータをプラント200に出力する操業パラメータ計算機2をさらに備えている。これにより、プラント200に対して最適化パラメータを確実に提供することができる。
【0050】
比較部33は、互いに同時間帯の、第1運転結果と第2運転結果とを比較する。比較対象の運転結果の時間帯を同じにすることによって、より確実且つ適切に、操業効果を導出することができ、プラント操業の効果の信頼性をより向上させることができる。
【0051】
取得部31は、最適化パラメータの提供が停止された後に、通常パラメータを用いてプラント200を実際に運転させた場合の第3運転結果を取得することを更に実行し、比較部33は、第2運転結果と第3運転結果とを比較し、第2運転結果と第3運転結果との差(誤差)に基づき、操業効果の補正値を導出することを更に実行する。上述した操業効果の導出方法においては、プラント操業の効果の信頼性を高める上で、第2運転結果の導出に係るプロセスモデル50の精度の信頼性を高めることが重要である。この点、理想的には同様の結果になることが期待される、通常パラメータを用いてプラント200を実際に運転させた運転結果と、通常パラメータを用いたシミュレーション結果に基づく運転結果とが比較されることにより、プロセスモデル50の信頼性を確認しやすくすることができる。更に、第2運転結果と第3運転結果の差に基づき操業効果の補正値が導出されることにより、例えばプロセスモデル50を用いたシミュレーション結果と実際の運転結果との差異が大きい場合に適切に補正を行うことが可能となり、プラント操業の効果の信頼性をより向上させることができる。
【0052】
予測部32は、取得部31に対する最適化パラメータの提供が停止された時刻におけるシミュレーション結果を、最適化パラメータの提供が停止されている期間における共通のシミュレーション結果として、第2運転結果を固定する。第2運転結果と第3運転結果とが比較され補正値が導出されるに際して、例えば、第2運転結果を導出するためのシミュレーション結果をシステム側で自由に変更することができる場合には、顧客に、第2運転結果が第3運転結果に近い値となるようにシミュレーション結果を変更していると認識され、プラント操業の効果の信頼性が低下するおそれがある。この点、最適化パラメータの提供が停止されている期間(すなわち、第2運転結果と第3運転結果との比較及び補正値の導出が行われうる期間)において、第2運転結果を導出するためのシミュレーション結果が、ある時点(最適化パラメータの提供が停止された時点)のシミュレーション結果に固定されることにより、上述したシステム側でのシミュレーション結果の変更が行われなくなるため、プラント操業の効果の信頼性を向上させることができる。
【0053】
比較部33は、最適化パラメータの提供が停止された後、一定期間内における、操業パラメータの変動要因の値が一定範囲内である場合に限り、第2運転結果と第3運転結果とを比較し操業効果の補正値を導出する。上述したように、第2運転結果と第3運転結果との比較においてシミュレーション結果が固定値とされるところ、最適化パラメータの提供が停止された後に、操業パラメータの変動要因(温度、圧力等)の値が大きく変化した場合には、第2運転結果が実際の値と大きくかけ離れてしまい、正確な補正値が導出できないおそれがある。この点、操業パラメータの変動要因の値が一定範囲内である場合に限り、補正値の導出が行われる構成を採用することにより、導出される補正値の精度を担保することができる。
【0054】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、互いに同時間帯の第1運転結果と第2運転結果とを比較するとして説明したがこれに限定されず、互いに異なる時間帯の第1運転結果と第2運転結果とを比較して操業効果を導出してもよい。また、モニター4が操業効果を表示するとして説明したが、モニター4に代えて、表示以外の出力方法によって操業効果を出力する構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…操業支援システム、31…取得部、32…予測部、33…比較部、50…プロセスモデル、200…プラント。
図1
図2
図3
図4
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図6
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図8
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