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特許7512030テレビジョンシステム及び該テレビジョンシステムを制御する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】テレビジョンシステム及び該テレビジョンシステムを制御する方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/485 20110101AFI20240701BHJP
   H04N 21/4415 20110101ALI20240701BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
H04N21/485
H04N21/4415
H04Q9/00 301E
H04Q9/00 331A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019212069
(22)【出願日】2019-11-25
(65)【公開番号】P2020088865
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-08-23
(31)【優先権主張番号】18208487
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513227066
【氏名又は名称】冠捷投資有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アズマスラ、バイ
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-130977(JP,A)
【文献】特開2016-224960(JP,A)
【文献】特開2010-087596(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105519125(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101385342(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0240223(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0064390(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/85
H04Q 9/00 - 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョンシステムの制御方法であって、
前記テレビジョンシステムは、テレビジョン装置とコントローラ装置とを備え、前記テレビジョン装置はプロセッサとデータベースを保存するストレージ部品とを有し、
前記データベースには、少なくとも1つの既存指紋認証情報及び該少なくとも1つの既存指紋認証情報に関連付けられたユーザプロファイルとが保存されており、
前記ユーザプロファイルには、起動情報が含まれる上、ユーザの年齢情報と該ユーザによる視聴が許可されるチャンネルのリストとプリセット信号源とプリセット画質とプリセット音質とからなる群から選ばれる少なくとも1種類の情報が含まれており、前記起動情報はスタートアップ画面を構成するものであり、バックグラウンド壁紙と表示テーマと再生オーディオファイルとスクリーンセーバーとからなる群から選ばれる少なくとも1種類の情報が含まれており、
前記コントローラ装置は前記テレビジョン装置と通信可能に構成されていると共に、指紋センサーを有しており、
該テレビジョンシステムの制御方法は、
前記指紋センサーにより指紋を検知するステップと、
前記指紋センサーにより指紋が検知されると、前記コントローラ装置により前記指紋センサーが検知した指紋を分析して該指紋に対応する情報が含まれる入力指紋認証情報を取得し、前記コントローラ装置により前記入力指紋認証情報を前記テレビジョン装置に送信するステップと、
前記テレビジョン装置が前記入力指紋認証情報を受信すると、前記プロセッサは前記ストレージ部品に保存されている前記データベースにアクセスして該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報を検索するステップと、
該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報を検出した場合、検出した既存指紋認証情報に関連付けられているユーザプロファイルを特定済みユーザプロファイルとし、前記プロセッサにより該特定済みユーザプロファイルに基づいて該テレビジョン装置を制御するステップと、
該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報を検出できない場合、前記プロセッサは前記テレビジョン装置のディスプレイを制御して該ディスプレイにマニュアル選択画面を表示させて、前記コントローラ装置のコントロールパッドに対する操作による前記データベースに保存されたいずれか1つの前記ユーザプロファイルの選択を待ち受けし、選択された前記ユーザプロファイルを特定済みユーザプロファイルとし、前記プロセッサにより該特定済みユーザプロファイルに基づいて該テレビジョン装置を制御するステップと、を含み、
前記プロセッサにより該特定済みユーザプロファイルに基づいて該テレビジョン装置を制御するステップにおいては、前記プロセッサは前記特定済みユーザプロファイルに含まれる前記起動情報にアクセスし、該起動情報に基づいて前記スタートアップ画面を前記テレビジョン装置のディスプレイに表示する、
ことを特徴とするテレビジョンシステムの制御方法。
【請求項2】
該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報を検出できない場合、前記プロセッサはゲストモードで該テレビジョン装置を制御することを特徴とする請求項1に記載のテレビジョンシステムの制御方法。
【請求項3】
ユーザプロファイルを新規登録する要求に応じて、新規ユーザを登録するためのプロファイル登録処理として、
ユーザプロファイルを新規作成するステップと、
ユーザーに指を指紋センサーに置く旨の指示メッセージを表示するステップと、
ユーザーの指紋を検知するステップと、
検知した指紋を分析して対応の指紋認証情報を新規作成するステップと、
新規作成した指紋認証情報を新規作成したユーザプロファイルに関連付けて前記既存指紋認証情報として該新規作成したユーザプロファイルと共に前記データベースに保存するステップと、を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のテレビジョンシステムの制御方法。
【請求項4】
前記プロセッサにより該特定済みユーザプロファイルに基づいて該テレビジョン装置を制御するステップにおいては、
前記特定済みユーザプロファイルにおいて年齢情報が含まれている場合、前記テレビジョン装置が指定年齢情報が提示される番組を表示するように前記テレビジョン装置の操作が指示された際、前記プロセッサは、前記特定済みユーザプロファイルに含まれる年齢情報と該番組の前記指定年齢情報とを比較して、前記年齢情報が示す年齢が前記指定年齢情報により指定される年齢未満の場合、前記指定年齢情報が提示される番組が表示されないように代わりの画面を表示するように更に構成されることを特徴とする、請求項1に記載のテレビジョンシステムの制御方法。
【請求項5】
前記代わりの画面にはパスワード入力エリアが表示されており、前記パスワード入力エリアに正確なパスワードが入力された場合、前記指定年齢情報が提示される番組を表示するように前記テレビジョン装置を制御することを特徴とする、請求項4に記載のテレビジョンシステムの制御方法。
【請求項6】
前記プリセット信号源は、オンラインメディア再生アプリケーションであり、且つ、
前記プロセッサにより該特定済みユーザプロファイルに基づいて該テレビジョン装置を制御するステップにおいては、前記プロセッサは、前記オンラインメディア再生アプリケーションを実行して、前記オンラインメディア再生アプリケーションから受け取ったメディアストリーミング配信が前記テレビジョン装置の前記ディスプレイで表示されるように前記ディスプレイを制御するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のテレビジョンシステムの制御方法。
【請求項7】
テレビジョン装置及びコントローラ装置を備えるテレビジョンシステムであって、
前記テレビジョン装置は、プロセッサと、ディスプレイと、データベースを保存するストレージ部品とを備え、
前記データベースには、少なくとも1つの既存指紋認証情報及び該少なくとも1つの既存指紋認証情報に関連付けられたユーザプロファイルとが保存されており、前記ユーザプロファイルには、起動情報が含まれる上、ユーザの年齢情報と該ユーザによる視聴が許可されるチャンネルのリストとプリセット信号源とプリセット画質とプリセット音質とからなる群から選ばれる少なくとも1種類の情報が含まれており、前記起動情報はスタートアップ画面を構成するものであり、バックグラウンド壁紙と表示テーマと再生オーディオファイルとスクリーンセーバーとからなる群から選ばれる少なくとも1種類の情報が含まれており、
前記コントローラ装置は、前記テレビジョン装置と通信可能に構成されていると共に、指紋センサーと、コントロールパッドとを有しており、且つ、
前記指紋センサーに指紋が検出された際、検出した指紋から該指紋に関する情報を含む入力指紋認証情報を作成して、前記入力指紋認証情報を前記テレビジョン装置に送信するよう構成されていて、
前記プロセッサは、
前記入力指紋認証情報の受信に応じて、前記ストレージ部品に保存されている前記データベースにアクセスして該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報を検索し、
該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報を検出した場合、検出した既存指紋認証情報に関連付けられているユーザプロファイルを特定済みユーザプロファイルとし、該特定済みユーザプロファイルに基づいて該テレビジョン装置を制御し、
該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報を検出できない場合、前記テレビジョン装置のディスプレイを制御して該ディスプレイにマニュアル選択画面を表示させて、前記コントローラ装置のコントロールパッドに対する操作による前記データベースに保存されたいずれか1つの前記ユーザプロファイルの選択を待ち受けし、選択された前記ユーザプロファイルを特定済みユーザプロファイルとし、該特定済みユーザプロファイルに基づいて該テレビジョン装置を制御し、
前記特定済みユーザプロファイルに含まれる前記起動情報にアクセスし、該起動情報に基づいて前記スタートアップ画面を前記ディスプレイに表示するように構成されていることを特徴とする、テレビジョンシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報を検出できない場合には、ゲストモードで該テレビジョン装置を制御するよう構成されていることを特徴とする請求項7に記載のテレビジョンシステム。
【請求項9】
前記プロセッサは更に、
ユーザプロファイルを新規登録する要求に応じて、
ユーザプロファイルを新規作成し、
ユーザーに指を指紋センサーに置く旨の指示メッセージを表示し、
ユーザーの指紋を検知すると、検知した指紋を分析して対応の指紋認証情報新規作成する上、新規作成した指紋認証情報を新規作成したユーザプロファイルに関連付けて前記既存指紋認証情報として該新規作成したユーザプロファイルと共に前記データベースに保存するユーザプロファイル登録処理を実行可能に構成されていることを特徴とする請求項7に記載のテレビジョンシステム。
【請求項10】
前記プロセッサは更に、
前記テレビジョン装置の操作を制御することにおいて、
前記特定済みユーザプロファイルにおいて年齢情報が含まれている場合、前記テレビジョン装置が指定年齢情報が提示される番組を表示するように前記テレビジョン装置の操作が指示された際、前記特定済みユーザプロファイルに含まれる年齢情報と該番組の前記指定年齢情報とを比較して、前記年齢情報が示す年齢が前記指定年齢情報により指定される年齢未満の場合、前記指定年齢情報が提示される番組が表示されないように代わりの画面を表示するように更に構成されていることを特徴とする、請求項7に記載のテレビジョンシステム。
【請求項11】
前記プリセット信号源は、オンラインメディア再生アプリケーションであり、且つ、
前記プロセッサは更に、
前記テレビジョン装置の操作を制御することにおいて、前記オンラインメディア再生アプリケーションを実行して、前記オンラインメディア再生アプリケーションから受け取ったメディアストリーミング配信が前記テレビジョン装置の前記ディスプレイで表示されるように制御するよう構成されていることを特徴とする、請求項7に記載のテレビジョンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテレビジョンシステム及び該テレビジョンシステムを制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン(テレビ)装置は一般にグループの人々(例えば、家族)の間で共有される。そんな中、グループのメンバーの利用習慣は大きく異なり得る。また、高齢者の方や小さい子供にとって、チャンネルを切り替えること以外にいくつかの機能を有するスマートテレビ装置を操作することが困難である問題は残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】中国特許出願公開第CN101242480A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は、比較的に簡単に制御できると共に、グループのメンバーにそれぞれ対応する異なるユーザプロファイルの間で切り替えるように制御可能にするテレビジョンシステム及び該テレビジョンシステムを制御する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的に達成すべく、本発明は、テレビジョン装置及びコントローラ装置を備えるテレビジョンシステムであって、
前記テレビジョン装置は、プロセッサと、ディスプレイと、データベースを保存するストレージ部品とを備え、
前記データベースには、少なくとも1つの既存指紋認証情報及び該少なくとも1つの既存指紋認証情報に関連付けられたユーザプロファイルとが保存されており、前記ユーザプロファイルには、起動情報が含まれる上、ユーザの年齢情報と該ユーザによる視聴が許可されるチャンネルのリストとプリセット信号源とプリセット画質とプリセット音質とからなる群より選ばれる少なくとも1種類の情報が含まれており、前記起動情報はスタートアップ画面を構成するものであり、バックグラウンド壁紙と表示テーマと再生オーディオファイルとスクリーンセーバーとからなる群より選ばれる少なくとも1種類の情報が含まれており、
前記コントローラ装置は前記テレビジョン装置と通信可能に構成されていると共に、指紋センサーと、コントロールパッドとを有しており、且つ、
前記指紋センサーに指紋が検出された際、検出した指紋から該指紋に関する情報を含む入力指紋認証情報を作成して、前記入力指紋認証情報を前記テレビジョン装置に送信するよう構成されていて、
前記プロセッサは、前記入力指紋認証情報の受信に応じて、前記ストレージ部品に保存されている前記データベースにアクセスして該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報を検索し、
該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報を検出した場合、検出した既存指紋認証情報に関連付けられているユーザプロファイルを特定済みユーザプロファイルとし、該特定済みユーザプロファイルに基づいて該テレビジョン装置を制御し、
該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報を検出できない場合、前記テレビジョン装置のディスプレイを制御して該ディスプレイにマニュアル選択画面を表示させて、前記コントローラ装置のコントロールパッドに対する操作による前記データベースに保存されたいずれか1つの前記ユーザプロファイルの選択を待ち受けし、選択された前記ユーザプロファイルを特定済みユーザプロファイルとし、該特定済みユーザプロファイルに基づいて該テレビジョン装置を制御し、
前記特定済みユーザプロファイルに含まれる前記起動情報にアクセスし、該起動情報に基づいて前記スタートアップ画面を前記ディスプレイに表示するように構成されていることを特徴とする、テレビジョンシステムを提供する。
【0006】
また、本発明は、テレビジョンシステムの制御方法であって、
前記テレビジョンシステムは、テレビジョン装置とコントローラ装置とを備え、前記テレビジョン装置はプロセッサとデータベースを保存するストレージ部品とを有し、
前記データベースには、少なくとも1つの既存指紋認証情報及び該少なくとも1つの既存指紋認証情報に関連付けられたユーザプロファイルとが保存されており、
前記ユーザプロファイルには、起動情報が含まれる上、ユーザの年齢情報と該ユーザによる視聴が許可されるチャンネルのリストとプリセット信号源とプリセット画質とプリセット音質とからなる群より選ばれる少なくとも1種類の情報が含まれており、前記起動情報はスタートアップ画面を構成するものであり、バックグラウンド壁紙と表示テーマと再生オーディオファイルとスクリーンセーバーとからなる群により選ばれる少なくとも1種類の情報が含まれており、
前記コントローラ装置は前記テレビジョン装置と通信可能に構成されていると共に、指紋センサーを有しており、
該テレビジョンシステムの制御方法は、
前記指紋センサーにより指紋を検知するステップと、
前記指紋センサーにより指紋が検知されると、前記コントローラ装置により前記指紋センサーが検知した指紋を分析して該指紋に対応する情報が含まれる入力指紋認証情報を取得し、前記コントローラ装置により前記入力指紋認証情報を前記テレビジョン装置に送信するステップと、
前記テレビジョン装置が前記入力指紋認証情報を受信すると、前記プロセッサは前記ストレージ部品に保存されている前記データベースにアクセスして該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報を検索するステップと、
該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報を検出した場合、検出した既存指紋認証情報に関連付けられているユーザプロファイルを特定済みユーザプロファイルとし、前記プロセッサは該特定済みユーザプロファイルに基づいて該テレビジョン装置を制御するステップと、
該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報を検出できない場合、前記プロセッサは前記テレビジョン装置のディスプレイを制御して該ディスプレイにマニュアル選択画面を表示させて、前記コントローラ装置のコントロールパッドに対する操作による前記データベースに保存されたいずれか1つの前記ユーザプロファイルの選択を待ち受けし、選択された前記ユーザプロファイルを特定済みユーザプロファイルとし、前記プロセッサにより該特定済みユーザプロファイルに基づいて該テレビジョン装置を制御するステップと、を含み、
前記プロセッサにより該特定済みユーザプロファイルに基づいて該テレビジョン装置を制御するステップにおいては、前記プロセッサは前記特定済みユーザプロファイルに含まれる前記起動情報にアクセスし、該起動情報に基づいて前記スタートアップ画面を前記テレビジョン装置のディスプレイに表示する、
ことを特徴とするテレビジョンシステムの制御方法をも提供する。
【発明の効果】
【0007】
上記構成により、本発明は、指紋認証により特定された特定済みユーザプロファイルに含まれる前記起動情報にアクセスし、該起動情報に基づいて前記スタートアップ画面を表示して該テレビジョンシステムを制御するため、高齢者の方や小さい子供はチャンネルを切り替えること以外の操作はしなくてすむようになり、全く新しいテレビジョンシステム及び該テレビジョンシステムを制御する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のテレビジョンシステムの構成が示されるブロック図である。
図2】ユーザプロファイル登録処理が示されるフローチャートである。
図3】ログイン処理が示されるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明をより詳細に説明する前に、適切と考えられる場合において、符号又は符号の末端部は、同様の特性を有し得る対応の又は類似の要素を示すために各図面間で繰り返し用いられることに留意されたい。
【0010】
図1は本発明のテレビジョンシステムの構成が示されるブロック図である。図示のように、本発明のテレビジョンシステムは、テレビジョン装置150と、コントローラ装置100とを備えている。
【0011】
(テレビジョン装置150)
テレビジョン装置150は、ディスプレイ152と、通信部品154と、ストレージ部品156と、ユーザインターフェイス158と、プロセッサ160と、を有している。
【0012】
プロセッサ160は、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行することにより、該実行されるソフトウェアアプリケーションに対応する機能を発揮可能に構成されている。本発明のテレビジョンシステムに用いられるプロセッサ160としては、例えば、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、デュアルコアモバイルプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、RFIC(radio-frequency integrated circuit)などを用いることができるが、これらに限らず、レジスタもしくはメモリからの電子データを他の電子データに変換する処理を実行可能な装置または装置の一部であれば、本発明におけるプロセッサ160として用いることができる。
【0013】
通信部品154は短距離無線通信技術を用いてコントローラ装置100と通信可能に構成されたものであり、また、通信部品154はネットワーク(例えばインターネット)を利用してデータを転送するように構成することも可能である。前記短距離無線通信技術としては、例えばブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などが挙げられ、ネットワークを利用してデータを転送する技術としては、たとえばLTE(Long Term Evolution)、3G、4G、無線モバイル通信技術などが挙げられる。
【0014】
この実施形態において、ストレージ部品156は、不揮発性(non-transitory)の記憶媒体が用いられており、例えば、ROM、RAM、磁性ディスクストレージメディア、光学ストレージメディア、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ装置(SSD)、もしくは他の不揮発性の記憶媒体を本発明におけるストレージ部品156として用いることができる。
【0015】
本発明において、ストレージ部品156には、該テレビジョン装置150にインストールされた少なくとも1つのソフトウェアアプリケーションが保存されている。該ソフトウェアアプリケーションとしては、例えば該テレビジョン装置150が複数の機能を実行するためのオペレーションシステムであることができる。例えば、YouTube(登録商標)、NETFLIX(登録商標)、GooglePlay Movie(登録商標)などのオンラインメディア再生アプリケーションなどが挙げられる。
【0016】
更に、ストレージ部品156にはデータベースが保存されており、該データベースには、少なくとも1つの既存指紋認証情報及び該少なくとも1つの既存指紋認証情報に関連付けられたユーザプロファイルが保存されている。
【0017】
該ユーザプロファイルは、例えば該テレビジョンシステムを所有するファミリーメンバーの一員に対応するものであり、該ユーザプロファイルには、起動情報が含まれる上、年齢情報と該ユーザによる視聴が許可されるチャンネルのリストとプリセット信号源とプリセット画質とプリセット音質とからなる群から選ばれる少なくとも1種類の情報が含まれている。起動情報はスタートアップ画面を構成するものであり、バックグラウンド壁紙と表示テーマと再生オーディオファイルとスクリーンセーバーとからなる群から選ばれる少なくとも1種類の情報が含まれる。
【0018】
(コントローラ装置100)
コントローラ装置100は、例えばリモートコントローラとして構成されることができ、コントロールパッド106と、テレビジョン装置150と通信するための通信部品104と、指紋センサー102とを有している。
【0019】
通信部品104はテレビジョン装置150側の通信部品154と無線通信する機能を持ち、例えばテレビジョン装置150側の通信部品154に準ずる構成を有することができる。また、指紋センサー102は従来の技術を用いて指紋を検出し、検出した指紋から該指紋に関する情報を含む入力指紋認証情報を作成して通信部品104を経由してテレビジョン装置150(通信部品154)に転送することができるように構成されている。
【0020】
テレビジョン装置150が起動されると、プロセッサ160はユーザーにコントローラ装置100を使用して新規ユーザーの登録操作(例えば、ユーザーに登録ユーザーとして登録することを求めるサインアップボタンを表示する)を完了させる要求、もしくは既存ユーザーの認証操作(例えば、登録ユーザーに認証を求めるログインボタンを表示する)を完了させる要求を実行する。
【0021】
(ユーザプロファイル登録処理)
ユーザーがコントローラ装置100のコントロールパッド106を操作することによりサインアップボタンが選択されると、コントローラ装置100からユーザプロファイルの新規登録リクエストがテレビジョン装置150に送信され、これに応じて、プロセッサ160はユーザプロファイル登録処理を実行する。図2は本実施形態におけるユーザプロファイル登録処理が示されるフローチャートである。
【0022】
ステップS202では、プロセッサ160は新規ユーザプロファイルを登録する要求に応じて、該ユーザーに対応する新規ユーザプロファイルを作成する。この新規ユーザプロファイルを登録する要求は、例えばコントローラ装置100を操作することにより成されることができる。
【0023】
ステップS204では、ユーザーに指をコントローラ装置100の指紋センサー102に置く旨の指示メッセージを、ディスプレイ152に表示する。
【0024】
ステップS206では、コントローラ装置100の指紋センサー102が起動される。ここで、指紋センサー102は所定の時間(例えば30秒)のみ起動されるように制御され、該所定の時間内に指紋センサー102が指紋を検出すると、ステップS208を実行し、該所定の時間内に指紋センサー102が指紋を検出できない場合、ステップS204に戻り、もしくはユーザプロファイル登録処理を終了するように構成することができる。
【0025】
指紋センサー102に置かれた指の指紋が検出されると、ステップS208を実行する。ステップS208では、検出した指紋を分析して対応の指紋認証情報を新規作成し、ステップS210に移る。なお、ステップS206において検出した指紋から対応の指紋認証情報を作成することに失敗した場合はステップS204に戻り、ユーザーに指をコントローラ装置100の指紋センサー102に置く旨の指示メッセージを再びディスプレイ152に表示する。
【0026】
ステップS210では、コントローラ装置100から新規作成した指紋認証情報をテレビジョン装置150に転送する。
【0027】
ステップS212では、新規作成された指紋認証情報を新規ユーザプロファイルに関連付けて、該新規作成されたユーザプロファイルと共にデータベースに保存する。なお、ここで新規作成された指紋認証情報は既存指紋認証情報としてデータベースに保存される。
【0028】
ここで、ステップS206においては、指紋センサー102に置かれた指の指紋が検出された際に、まずはコントローラ装置100から検出した指紋をテレビジョン装置150に転送して、テレビジョン装置150が受信した指紋を分析して対応の指紋認証情報を新規作成する上、作成した指紋認証情報を既存指紋認証情報として、新規作成されたユーザプロファイルに関連付けて該新規作成したユーザプロファイルと共にデータベースに保存するように構成することも可能である。
【0029】
更に、ユーザプロファイル登録処理において、ステップS214では、該新規ユーザプロファイルに関連する情報の入力画面を表示する。ユーザーは年齢情報や、該ユーザによる視聴が許可されるチャンネルのリストと、パスワードと、少なくとも1つのプリセット音量、プリセット信号源と、プリセット画質と、プリセット音質など、さまざまな情報を入力することができる。
【0030】
プリセット信号源は、例えばケーブルテレビ、HDMI(high definition multimedia interface)、いずれかのオンラインメディア再生アプリケーションなどが挙げられる。プリセット音量に関しては、例えば夜間専用の音量などが挙げられる。
【0031】
更に、本実施形態において、ユーザプロファイルにはスタートアップ画面を構成する起動情報が含まれている。起動情報にはバックグラウンド壁紙と表示テーマと再生オーディオファイルとスクリーンセーバーとからなる群から選ばれる少なくとも1種類の情報が含まれている。該ユーザプロファイルに関連する情報は、プロセッサ160により全て該ユーザプロファイルに関連付けられてデータベースに保存される。
【0032】
以上により、ユーザーによる新規のユーザプロファイル登録処理が完了する。
【0033】
(ログイン処理)
ユーザーがコントローラ装置100のコントロールパッド106を操作することによりログインボタンが選択されると、コントローラ装置100からユーザプロファイルの認証リクエストがテレビジョン装置150に送信され、これに応じて、プロセッサ160はログイン処理を実行する。
【0034】
図3はログイン処理が示されるフローチャートである。
【0035】
ステップS302では、コントローラ装置100から起動シグナルを受信すると、これに応じて、プロセッサ160はログイン処理を実行してディスプレイ152にログインに関する指示をログイン画面として表示させる。この実施形態において、ログイン画面はテレビ番組の画面と共に表示されるので、テレビ番組を視聴しながらログインすることができる。
【0036】
この実施形態において、ログイン画面にユーザネームやパスワードの入力を要求するように構成することも可能であり、また、コントローラ装置100の指紋センサー102を起動してユーザの指紋によるログインを実行することも可能である。以下では指紋によるログインを例としてログイン処理のフローを説明する。
【0037】
ステップS304では、コントローラ装置100の指紋センサー102を起動してユーザの指紋を検知し、指紋センサー102が指紋を検出すると、コントローラ装置100は検出した指紋を分析して入力指紋認証情報を取得してテレビジョン装置150に転送する。
【0038】
テレビジョン装置150が入力指紋認証情報を受信すると、これに応じて、ステップS306を実行する。ステップS306では、プロセッサ160にストレージ部品156のデータベース内に保存されている既存指紋認証情報から該入力指紋認証情報にマッチするデータを検索する。
【0039】
該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報が検出されると、プロセッサ160は検出された既存指紋認証情報に関連付けられるユーザプロファイルを特定済みユーザプロファイルとして特定して、ステップS308に進む(ログイン成功)。該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報が検出できない場合、ステップS310に進む(ログイン失敗)。
【0040】
ステップS308では、プロセッサ160は該特定済みユーザプロファイルに基づいてテレビジョン装置150を制御する。
【0041】
例えば、プロセッサ160は該特定済みユーザプロファイルにおけるプリセット信号源としてオンラインメディア再生アプリケーションを選択して、該テレビジョン装置150のディスプレイ152を制御して該オンラインメディア再生アプリケーションから受け取ったメディアストリーミング配信画面を表示する。また、プロセッサ160は該特定済みユーザプロファイルに基づいてテレビジョン装置150のプリセット音量を変更したり、画質や音質を変更したり、もしくは該特定済みユーザプロファイルに対応するスタートアップ画面を表示する。
【0042】
また、いずれかのユーザプロファイルにログインして該テレビジョン装置150を視聴する際、該テレビジョン装置150を視聴した履歴もプロセッサ160によりデータベースに記録されるように構成することもできる。
【0043】
また、特定済みユーザプロファイルにおいて年齢情報が含まれている場合、テレビジョン装置150が指定年齢情報が提示される(例えば18歳以上)番組を表示するようにテレビジョン装置150の操作が指示された際、プロセッサ160は、特定済みユーザプロファイルに含まれる年齢情報と該番組の指定年齢情報とを比較して、年齢情報が示す年齢が指定年齢情報により指定される年齢未満の場合、特定の年齢層しか利用できない番組が表示されないように代わりの画面を表示するように更に構成されることができる。
【0044】
また、前記代わりの画面にパスワード入力エリアを表示し、前記パスワード入力エリアに正確なパスワードが入力された場合にのみ、前記指定年齢情報が提示される番組を表示するようにテレビジョン装置150を制御するように構成することもできる。
【0045】
該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報が検出できない場合、ステップS310に進む。
【0046】
ステップS310において、プロセッサ160はテレビジョン装置150のディスプレイ152を制御して該ディスプレイ152にマニュアル選択画面を表示させて、コントローラ装置100のコントロールパッド106に対する操作によるデータベースに保存されたいずれか1つのユーザプロファイルの選択を待ち受け、選択されたユーザプロファイルを特定済みユーザプロファイルとし、プロセッサ160は該特定済みユーザプロファイルに基づいて該テレビジョン装置を制御する。
【0047】
また、該入力指紋認証情報にマッチする既存指紋認証情報が検出できない場合、プロセッサ160がゲストモードに基づいて該テレビジョン装置150を制御するように構成されることもできる。
【0048】
上記構成により、本実施形態においては、指紋認証により特定された特定済みユーザプロファイルに含まれる前記起動情報にアクセスし、該起動情報に基づいて前記スタートアップ画面を表示して該テレビジョンシステムを制御するため、高齢者の方や小さい子供はチャンネルを切り替えること以外の操作はしなくてすむようになり、全く新しいテレビジョンシステム及び該テレビジョンシステムを制御する方法を提供することができる。
【0049】
上記においては、説明のため、本発明の全体的な理解を促すべく多くの具体的な詳細が示された。しかしながら、当業者であれば、一またはそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。また、本明細書における「一つの実施形態」「一実施形態」を示す説明において、序数などの表示を伴う説明は全て、特定の態様、構造、特徴を有する本発明の具体的な実施に含まれ得るものであることと理解されたい。更に、本説明において、時には複数の変化例が一つの実施形態、図面、またはこれらの説明に組み込まれているが、これは本説明を合理化させるためのもので、また、本発明の多面性が理解されることを目的としたものである。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施形態及び変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【符号の説明】
【0051】
100 コントローラ装置
102 指紋センサー
104 通信部品
106 コントロールパッド
150 テレビジョン装置
152 ディスプレイ
154 通信部品
156 ストレージ部品
158 ユーザインターフェイス
160 プロセッサ
図1
図2
図3