(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】表示基板及びその製造方法、並びに表示パネル
(51)【国際特許分類】
H10K 50/844 20230101AFI20240701BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240701BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20240701BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20240701BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20240701BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20240701BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240701BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20240701BHJP
H10K 71/12 20230101ALI20240701BHJP
【FI】
H10K50/844
G09F9/30 365
H05B33/04
H05B33/10
H05B33/14 Z
H05B33/22 Z
H10K50/844 445
H10K59/10
H10K59/122
H10K71/12
(21)【出願番号】P 2019563792
(86)(22)【出願日】2019-06-13
(86)【国際出願番号】 CN2019091127
(87)【国際公開番号】W WO2020024705
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】201810862548.5
(32)【優先日】2018-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲龍▼ 春平
【審査官】内村 駿介
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0054386(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0015629(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0151838(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0380685(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0155082(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104900681(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107507931(CN,A)
【文献】特開2012-253036(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105914224(CN,A)
【文献】中国実用新案第206893618(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0091030(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/00-33/28
H10K 50/00-102/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、前記表示領域の周囲に位置する非表示領域と、を有する表示基板であって、
ベース基板と、
前記非表示領域における前記ベース基板上に位置し、互いに間隔を空けて配置される複数のバリアダムと、
前記ベース基板上に位置する第1の封止層と、
前記第1の封止層と前記ベース基板との間に位置する第2の封止層と、
前記ベース基板から離れた前記第1の封止層の側に位置する第3の封止層と、をさらに含
み、
前記複数のバリアダムは、第1のバリアダム、第2のバリアダム及び第3のバリアダムを含み、前記第1のバリアダムは、前記第2のバリアダムと前記表示領域との間に位置し、前記第3のバリアダムは、前記第1のバリアダムから離れた前記第2のバリアダムの側に前記第2のバリアダムから離間して位置し、
前記第1の封止層は有機層であり、前記第2の封止層および前記第3の封止層は無機層であり、前記ベース基板上での前記第1のバリアダムの正射影は、前記ベース基板上での前記第1の封止層及び前記第2の封止層の正射影の内側に位置し、前記ベース基板上での前記第2及び第3のバリアダムの正射影は、前記ベース基板上での前記第1の封止層及び前記第2の封止層の正射影の外側に位置し、前記ベース基板上での前記第1、第2及び第3のバリアダムの正射影は、前記ベース基板上での前記第3の封止層の正射影の内側に位置し、
前記表示基板は、前記ベース基板と前記第1の封止層との間に画素定義層をさらに含み、前記複数のバリアダムの少なくとも1つは、互いに重なる第1のバリア層及び第1のフォトレジスト層を含み、前記第1のバリア層は、前記ベース基板と前記第1のフォトレジスト層との間に位置し、前記画素定義層の少なくとも一部と同層で前記画素定義層の少なくとも一部と同じ材料であ
る、
表示基板。
【請求項2】
前記バリアダムの平面形状は、前記表示領域を囲む閉ループ状である
請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記ベース基板から離れた前記第1のバリアダムの表面から前記ベース基板の表面までの距離は、前記ベース基板から離れた前記第2のバリアダムの表面から前記ベース基板の表面までの距離よりも小さく、
前記ベース基板から離れた前記第2のバリアダムの表面から前記ベース基板の表面までの距離は、前記ベース基板から離れた前記第3のバリアダムの表面から前記ベース基板の表面までの距離よりも小さい、
請求項1に記載の表示基板。
【請求項4】
前記ベース基板から離れた前記第1の封止層の表面から前記ベース基板の表面までの距離は、前記ベース基板から離れた前記バリアダムの表面から前記ベース基板の表面までの距離よりも大きい
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項5】
前記画素定義層は、単層構造に設けられる
請求項1に記載の表示基板。
【請求項6】
前記画素定義層は、互いに重なる第1の定義層及び第2の定義層を含み、前記第1の定義層は、前記第2の定義層と前記ベース基板との間に位置し、
前記少なくとも1つのバリアダムは、第2のバリア層を含み、前記第1のバリア層及び前記第1の定義層は、同層かつ同材料であり、前記第2のバリア層及び前記第2の定義層は、同層かつ同材料である、
請求項1に記載の表示基板。
【請求項7】
前記画素定義層の材料は、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、及びアクリル酸のうちの少なくとも1つを含む
請求項1に記載の表示基板。
【請求項8】
複数の有機発光素子をさらに含み、
前記有機発光素子は、前記表示領域に位置し、前記第1の封止層と前記ベース基板との間に位置する
請求項1~7のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項9】
平坦層をさらに含み、前記平坦層は、前記有機発光素子と前記ベース基板との間に位置し、前記バリアダムの少なくとも一部が前記平坦層と同層且つ同材料である
請求項8に記載の表示基板。
【請求項10】
前記平坦層の材料は、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、エポキシ、ポリアミド、アクリルを含む
請求項9に記載の表示基板。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の表示基板を含む
表示パネル。
【請求項12】
ベース基板を提供する工程であって、形成しようとする表示基板の表示領域と、前記表示領域の周囲に位置する非表示領域と、を前記ベース基板上に限定する、ベース基板を提供する工程と、
前記非表示領域における前記ベース基板上に互いに間隔を空けて配置される複数のバリアダムを形成する工程であって、前記複数のバリアダムは、第1のバリアダム、第2のバリアダム及び第3のバリアダムを含み、前記第1のバリアダムは、前記第2のバリアダムと前記表示領域との間に位置し、前記第3のバリアダムは、前記第1のバリアダムから離れた前記第2のバリアダムの側に前記第2のバリアダムから離間して位置する、工程と、
前記表示領域における前記ベース基板上に第1の封止材を塗布する工程と、
前記第1の封止材を硬化させて第1の封止層を形成する工程と、
前記第1の封止層の前記ベース基板から離れた側に第2の封止層を形成する工程と、
前記第2の封止層の前記第1の封止層から離れた側に第3の封止層を形成する工程であって、前記第1の封止層は有機層であり、前記第2の封止層および前記第3の封止層は無機層であり、前記ベース基板上での前記第1のバリアダムの正射影は、前記ベース基板上での前記第1の封止層及び前記第2の封止層の正射影の内側に位置し、前記ベース基板上での前記第2及び第3のバリアダムの正射影は、前記ベース基板上での前記第1の封止層及び前記第2の封止層の正射影の外側に位置し、前記ベース基板上での前記第1、第2及び第3のバリアダムの正射影は、前記ベース基板上での前記第3の封止層の正射影の内側に位置する、工程と、
を含み、
前記バリアダムの少なくとも前記第1の封止層に面する側は、硬化前の前記第1の封止材に対して撥液性を有し、
前記方法は、前記第1の封止層を形成する前に前記ベース基板に画素定義層を形成する工程をさらに含み、前記複数のバリアダムの少なくとも1つは、互いに重なる第1のバリア層及び第1のフォトレジスト層を含み、前記第1のバリア層は、前記ベース基板と前記第1のフォトレジスト層との間に位置し、前記画素定義層の少なくとも一部と同層で前記画素定義層の少なくとも一部と同じ材料であり、前記第1のフォトレジスト層は、パターニングする工程において前記画素定義層を形成するために使用されるフォトレジストから形成される、
表示基板の製造方法。
【請求項13】
前記バリアダムを形成した後、前記ベース基板上に前記第1の封止材を塗布する前に、ハロゲン元素及び/又は不活性ガスを用いて前記バリアダムの改質処理を行う
請求項12に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年8月1日に提出された中国特許出願201810862548.5号の優先権を主張し、ここでは全文において上記中国特許出願で開示された内容を本願の一部として引用する。
【0002】
本開示の少なくとも1つの実施例は、表示基板及びその製造方法、並びに表示パネルに関する。
【背景技術】
【0003】
有機発光素子(OLED,Organic Light-Emitting Diode)は、製造工程が簡単で、低コスト、低消費電力、高輝度、高視野角、高コントラスト、及びフレキシブルディスプレイを実現できるなどの利点を有するため、有機薄膜電界発光素子として注目されている。
【0004】
OLED電子ディスプレイ製品は、浸入される水分や酸素等の影響によりその内部の部品が劣化、損傷されることを防ぐために、封止する必要がある。しかし、現在のOLED電子ディスプレイ製品は、それ自体の設計構造に制限され、封止の歩留まりをさらに向上させることができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板は、表示領域と、前記表示領域の周囲に位置する非表示領域と、を有し、前記表示基板は、ベース基板と、前記ベース基板上に位置する少なくとも1つのバリアダムと、第1の封止層と、をさらに有し、前記バリアダムは、前記非表示領域における前記ベース基板上に位置し、前記第1の封止層は、前記ベース基板上に位置し、少なくとも1つの前記バリアダムの前記表示領域に面する側に位置し、前記第1の封止層は、硬化後の第1の封止材からなり、前記バリアダムの少なくとも前記第1の封止層に面する側は、硬化前の前記第1の封止材に対して撥液性を有する。
【0006】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、前記バリアダムの平面形状は、前記表示領域を囲む閉ループ状である。
【0007】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、前記表示基板は、複数の前記バリアダムを有し、複数の前記バリアダムは、互いに間隔を空けて配置される。
【0008】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、複数の前記バリアダムは、第1のバリアダム及び第2のバリアダムを含み、前記第1のバリアダムは、前記第2のバリアダムと前記表示領域との間に位置し、前記ベース基板から離れた前記第1のバリアダムの表面から前記ベース基板の表面までの距離は、前記ベース基板から離れた前記第2のバリアダムの表面から前記ベース基板の表面までの距離よりも小さい。
【0009】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、複数の前記バリアダムは、前記第2のバリアダムの、前記第1のバリアダムから離れた側に位置する第3のバリアダムをさらに含み、前記ベース基板から離れた前記第2のバリアダムの表面から前記ベース基板の表面までの距離は、前記ベース基板から離れた前記第3のバリアダムの表面から前記ベース基板の表面までの距離よりも小さい。
【0010】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、前記ベース基板から離れた前記第1の封止層の表面から前記ベース基板の表面までの距離は、前記ベース基板から離れた前記バリアダムの表面から前記ベース基板の表面までの距離よりも大きい。
【0011】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板は、前記ベース基板上に位置する画素定義層をさらに含み、前記画素定義層は、前記ベース基板と前記第1の封止層との間に位置する。
【0012】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、前記画素定義層は、単層構造に設けられ、前記バリアダムは、前記画素定義層と同層かつ同材料の第1のバリア層を有する。
【0013】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、前記画素定義層は、単層構造に設けられ、前記バリアダムは、互いに重なる第1のバリア層及びフォトレジスト層を含み、前記第1のバリア層は、前記ベース基板とフォトレジスト層との間に位置し、前記第1のバリア層は、前記画素定義層と同層かつ同材料である。
【0014】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、前記画素定義層は、互いに重なる第1の定義層及び第2の定義層を含み、前記第1の定義層は、前記第2の定義層と前記ベース基板との間に位置し、前記バリアダムは、第1の定義層と同層かつ同材料の第1のバリア層と、前記第2の定義層と同層かつ同材料の第2のバリア層と、を含む。
【0015】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、前記バリアダムは、前記第1のバリア層又は前記第2のバリア層の前記ベース基板から離れた側に位置する少なくとも1つのフォトレジスト層をさらに含む。
【0016】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、前記画素定義層の材料は、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、及びアクリル酸のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板は、前記第1の封止層とベース基板との間に位置する第2の封止層と、前記ベース基板から離れた前記第1の封止層の側に位置する第3の封止層と、をさらに含み、前記第1の封止層は有機層であり、前記第2の封止層および前記第3の封止層は無機層である。
【0018】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、前記ベース基板上での前記バリアダムの正射影は、前記ベース基板上での前記第1の封止層及び前記第2の封止層の正射影の外側に位置し、前記ベース基板上での前記第1の封止層の正射影は、前記ベース基板上での前記第3の封止層の正射影の内側に位置し、前記ベース基板上での前記バリアダムの正射影は、前記ベース基板上での前記第3の封止層の正射影の内側に位置する。
【0019】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、前記ベース基板上での少なくとも1つの前記バリアダムの正射影は、前記ベース基板上での前記第1の封止層及び第2の封止層の正射影の内側に位置し、前記ベース基板上での少なくとも1つの前記バリアダムの正射影は、前記ベース基板上での前記第1の封止層及び第2の封止層の正射影の外側に位置し、前記ベース基板上での前記第1の封止層の正射影は、前記ベース基板上での前記第3の封止層の正射影の内側に位置し、前記ベース基板上での前記バリアダムの正射影は、前記ベース基板上での前記第3の封止層の正射影の内側に位置する。
【0020】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板は、複数の有機発光素子をさらに含み、前記有機発光素子は、前記表示領域に位置し、前記第1の封止層と前記ベース基板との間に位置する。
【0021】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板は、平坦層をさらに含み、前記平坦層は、前記有機発光素子と前記ベース基板との間に位置し、前記バリアダムの少なくとも一部が前記平坦層と同層且つ同材料である。
【0022】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、前記平坦層の材料は、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、エポキシ、ポリアミド、アクリルを含む。
【0023】
本開示の少なくとも1つの実施形態による表示パネルは、上記いずれかの実施形態に記載の表示基板を含む。
【0024】
本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板の製造方法は、ベース基板を提供する工程であって、形成しようとする表示基板の表示領域と、前記表示領域の周囲に位置する非表示領域と、を前記ベース基板上に限定する、ベース基板を提供する工程と、前記非表示領域における前記ベース基板上に少なくとも1つのバリアダムを形成する工程と、前記表示領域における前記ベース基板上に第1の封止材を塗布する工程と、前記第1の封止材を硬化させて第1の封止層を形成する工程と、を含み、前記バリアダムの少なくとも前記第1の封止層に面する側は、硬化前の前記第1の封止材に対して撥液性を有する。
【0025】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板の製造方法において、前記バリアダムを形成した後、前記ベース基板上に前記第1の封止材を塗布する前に、ハロゲン元素を用いて前記バリアダムの改質処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の実施形態の技術案をより明確に説明するため、以下では、実施形態の図面を簡単に説明するが、以下の記述における図面は本発明の一部の実施形態に過ぎず、本発明を制限するものでないことは明らかである。
【0027】
【
図1A】本開示の1つの実施形態による表示基板の一部の構成を示す平面図である。
【
図1B】
図1Aに示す表示基板のA-Bに沿った断面図である。
【
図2】本開示の1つの実施形態によるもう1つの表示基板の断面図である。
【
図3】本開示の1つの実施形態によるもう1つの表示基板の断面図である。
【
図4】本開示の1つの実施形態によるもう1つの表示基板の断面図である。
【
図5】本開示の1つの実施形態によるもう1つの表示基板の断面図である。
【
図6】本開示の1つの実施形態によるもう1つの表示基板の断面図である。
【
図7】本開示の1つの実施形態によるもう1つの表示基板の断面図である。
【
図8】本開示の1つの実施形態によるもう1つの表示基板の断面図である。
【
図9A】本開示の1つの実施形態による表示基板の製造方法を示す工程図である。
【
図9B】本開示の1つの実施形態による表示基板の製造方法を示す工程図である。
【
図9C】本開示の1つの実施形態による表示基板の製造方法を示す工程図である。
【
図9D】本開示の1つの実施形態による表示基板の製造方法を示す工程図である。
【
図9E】本開示の1つの実施形態による表示基板の製造方法を示す工程図である。
【
図9F】本開示の1つの実施形態による表示基板の製造方法を示す工程図である。
【
図9G】本開示の1つの実施形態による表示基板の製造方法を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施形態の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下では、本発明の実施形態の図面と併せて、本発明の実施形態の技術案を、明確且つ完全に説明する。記載の実施形態が本発明の一部の実施形態に過ぎず、全部の実施形態ではないことは明らかである。記載された本発明の実施形態に基づいて、当業者が創造力を働かせない前提で得られる全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0029】
本開示で使用される技術用語又は科学用語は、別段の定義がない限り、当業者によって理解される通常の意味である。本開示で使用される「第1の」、「第2の」及び類似の用語は、いかなる順序、数、又は重要性を示すものでもなく、異なる構成要素を区別するために使用されるだけである。「含む」または「有する」などの類似の単語は、その単語の前に記載される要素または物品が、その単語の後に記載される要素または物品およびその均等物を含むことを意味し、他の要素または物品を排除するものではない。「連結」または「接続」などの類似の用語は、物理的または機械的接続に限定されず、直接的または間接的を問わず、電気的接続を含むことができる。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係を示すためのものにすぎず、記載された対象の絶対的位置が変化すると、該相対位置関係も相応に変化する可能性がある。
【0030】
例えば、表示基板の周囲に沿って、バリアダムを設けることができ、表示基板の封止過程において、バリアダムは、封止材(例えば、当該封止材は、インクジェット印刷プロセスにおいてインク形態である)をバリアし、封止材が乾燥硬化後に封止層を形成することができる。バリアダムの高さが不十分であると、封止材がオーバーフローし、材料が無駄になり、これによって封止材で形成される封止層の平坦性が悪く、厚みが薄く、封止層の封止効果が制限されることになる。しかし、バリアダムを高くすると、バリアダムが位置する領域の段差が大きくなり、表示基板の設計厚さが厚くなり、製造プロセスの難易度が高くなるだけでなく、表示基板の後続製造後工程に悪影響を与える。
【0031】
本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板は、表示領域と、表示領域の周囲に位置する非表示領域と、を有し、当該表示基板は、ベース基板と、ベース基板上に設けられた少なくとも1つのバリアダムと、第1の封止層と、をさらに有し、バリアダムは、非表示領域におけるベース基板上に位置し、第1の封止層は、ベース基板上に位置し、少なくとも1つのバリアダムの表示領域に面する側に位置し、第1の封止層は、硬化後の第1の封止材からなり、バリアダム少なくとも第1の封止層に面する側は、硬化前の第1の封止材に対して撥液性を有する。当該表示基板において、バリアダムは、第1の封止層を得るための第1の封止材のオーバーフローを防止して、第1の封止層の平坦性を向上させることができる。また、従来の表示基板の構造と比較して、バリアダムの設計厚さが同一の場合、本開示の実施形態におけるバリアダムは、表示基板の封止工程において、より多くの第1の封止材を保持することを可能にし、それによって、第1の封止層の設計厚さを増加させる。このように、本開示の実施形態によるバリアダムは、表示基板の封止効果を高めることができる。
【0032】
以下では、図面と組合せて、本開示の少なくとも1つの実施形態における表示基板及びその製造方法、並びに表示パネルについて説明する。
【0033】
図1Aは、本開示の1つの実施形態による表示基板の一部の構成を示す平面図であり、
図1Bは、
図1Aに示す表示基板のA-Bに沿った断面図である。
【0034】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板は、
図1A及び
図1Bに示すように、表示領域101と、表示領域101の周囲に位置する非表示領域102と、を有し、表示基板は、ベース基板100と、非表示領域102におけるベース基板100上に位置するバリアダム200と、ベース基板100上に位置し、かつバリアダム200の表示領域101に面する側に位置する第1の封止層310と、をさらに含み、第1の封止層310は、硬化後の第1の封止材(図示せず、
図9Fの第1の封止材301を参照)からなり、バリアダム200の少なくとも第1の封止層310に面する側は、硬化前の第1の封止材に対して撥液性を有する。表示領域101は、
図1Aの点線枠で囲まれた領域である。
【0035】
以下では、ベース基板100を参考に空間直交座標系を設けて、本開示の下記の少なくとも1つの実施形態における表示基板の各部品の位置について説明する。例示的に、
図1A及び
図1Bに示すように、上記空間直交座標系において、X軸及びY軸の方向は、ベース基板100のバリアダム200に面する表面に平行であり、Z軸の方向は、ベース基板100のバリアダム200に面する表面に垂直である。
【0036】
さらに、本開示の下記の少なくとも1つの実施形態において、「上」及び「下」、「高さ」、「厚さ」は、ベース基板100の、バリアダム200に面する表面に近い距離により定義される。また、バリアダム200を例に挙げると、バリアダム200の「高さ」及び「厚さ」は、ベース基板100とバリアダム200との間に設けられる他の部材(例えば、
図6に示す薄膜トランジスタ500等)によって制限されない。例示的に、
図3に示す下記の実施形態を例に挙げると、フォトレジスト層230は、第1のバリア層210の上に位置し、第1のバリア層210は、フォトレジスト層230の下に位置し、フォトレジスト層230の厚さは、ベース基板100から離れたフォトレジスト層230の表面から、ベース基板100に向いたフォトレジスト層230の表面までの距離であり、フォトレジスト層230の高さは、ベース基板100から離れたフォトレジスト層230の表面から、ベース基板100のフォトレジスト層230に向いた表面までの距離である。
【0037】
例えば、
図1A及び
図1Bに示すように、ベース基板100に面するバリアダム200の表面は下面であり、ベース基板100から離れたバリアダム200の表面は上面である。第1の封止層310は、第1の封止層310の下に位置するベース基板100(または、後述する実施形態における有機発光素子400)の上に位置している。
【0038】
例えば、バリアダム200の高さは、バリアダム200の上面から、バリアダム200に面するベース基板100の表面までの距離である。バリアダム200の厚さは、バリアダム200のZ軸方向の寸法である。例示的に、
図1Bに示すように、バリアダム200の高さはhであり、第1の封止層310の高さはHである。また、下記の実施形態における
図6に示すように、バリアダム200とベース基板100との間に薄膜トランジスタ500等の構造が設けられ、バリアダム200の第3のバリアダム203の高さはh3、第3のバリアダム203の厚さはL3、第1の封止層310の高さはHである。
【0039】
例えば、表示基板の製造工程では、バリアダムによって限定された領域内に第1の封止材が塗布される。第1の封止層に面するバリアダムの側(側表面)は、第1の封止材に対して撥液性を有するため、第1の封止材の側表面における接触角が90度より大きくなり、バリアダムの側表面における第1の封止材のクライミングが抑制され、第1の封止材の中央部(表示領域の一部)の高さが、縁部(バリアダムに近い部分)の高さより高くてもよい。例えば、第1の封止材の中央部の高さは、バリアダムの高さよりも高くてもよい。現在の表示基板と比較して、表示基板上に塗布される第1の封止材の量は、バリアダムの高さ制限をより低く抑えることができ、第1の封止材もバリアダムを越えて溢れにくくなり、より厚い第1の封止層を形成することができる。また、第1の封止材の周縁部を除いて、第1の封止材の中央部(例えば、少なくとも表示領域に位置する第1の封止材の部分)の表面は、基本的に平面状であるため、第1の封止材を乾燥させた後に形成される第1の封止層の表面の平坦性が高い。これにより、表示基板の封止の歩留まりを向上させることができる。
【0040】
なお、第1の封止材は、乾燥後に第1の封止層を形成する必要があるため、第1の封止層の厚さは、通常、第1の封止材の厚さよりも小さくなる。本開示の少なくとも1つの実施形態において、第1の封止層とバリアダムとの高さ関係は限定されず、第1の封止層の高さは、バリアダムの高さよりも高くても、又は低くても、又は等しくてもよい。
【0041】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、第1の封止層のベース基板から離れた面からベース基板の表面までの距離が、バリアダムのベース基板から離れた面からベース基板の表面までの距離よりも大きい。例示的に、
図1Bに示すように、第1の封止層310の高さHは、バリアダム200の高さhよりも大きい。
【0042】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、バリアダムの平面形状は、表示領域を囲む閉ループ状である。例示的に、
図1Aに示すように、バリアダム200のX-Y平面における形状は、表示領域101が当該閉ループ状の内側に位置する。これにより、バリアダム200は、第1の封止層を形成するための第1の封止材のオーバーフローをさらに減少させることができ、表示基板の封止の歩留まりをさらに向上させることができる。
【0043】
図2は、本開示の1つの実施形態によるもう1つの表示基板の断面図である。
【0044】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、表示基板は複数のバリアダムを含み、複数のバリアダムは、互いに離間して配置される。例えば、複数のバリアダムは、表示領域を囲んで内側から外側に間隔を空けて配置されてもよい。このように、実際の工程において、第1の封止材が表示領域に近い方のバリアダムを乗り越えても、表示領域から遠い方のバリアダムは依然として第1の封止材が溢れることを防止でき、第1の封止材が溢れるリスクをさらに低減することができる。
【0045】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、複数のバリアダムの間の高さ関係は制限されず、バリアダムが第1の封止材のオーバーフローを防止できればよい。例えば、本開示の一部の実施形態において、各バリアダムの高さは等しい。例えば、本開示の別の一部の実施形態において、表示領域に近い側のバリアダムの高さは、表示領域から遠い側のバリアダムの高さよりも低い。これにより、隣り合うバリアダム間に形成される開口の深さを浅くし、後述する実施形態の封止層の形成などの後工程を行う際に、封止層の成膜時の品質を向上させることができる。また、表示領域に近い方のバリアダムの高さが相対的に低く、表示領域に近い方のバリアダムによる表示領域中の部材への悪影響を低減でき、表示領域から遠い方のバリアダムの高さが相対的に高く、封止層と合わせて水や酸素の侵入経路を長くでき、水や酸素の侵入のリスクを低減して表示基板の封止効果を新たに高めることができる。
【0046】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、複数のバリアダムは、第1のバリアダム及び第2のバリアダムを含み、第1のバリアダムは、第2のバリアダムと表示領域との間に位置し、第1のバリアダムの、ベース基板から遠い表面から基板の表面までの距離は、第2のバリアダムの、ベース基板から遠い表面からベース基板の表面までの距離よりも小さい。
【0047】
さらに、例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、複数のバリアダムは、第1のバリアダム、第2のバリアダム、及び第3のバリアダムを含み、第1のバリアダムは、第2のバリアダムと表示領域との間に位置し、第3のバリアダムは、第2のバリアダムの第1のバリアダムから遠い側に位置し、第2のバリアダムのベース基板から遠い側の表面からベース基板の表面までの距離は、第3のバリアダムのベース基板から遠い側の表面からベース基板の表面までの距離よりも小さい。
【0048】
例示的に、
図2に示すように、表示基板上に設けられたバリアダム200は、互いに間隔をおいて配置された第1のバリアダム201、第2のバリアダム202、及び第3のバリアダム203を有し、表示領域に近づく方向から表示領域から遠ざかる方向(X軸正方向)に、第1のバリアダム201、第2のバリアダム202、及び第3のバリアダム203がこの順に配置され、第1のバリアダム201、第2のバリアダム202、及び第3のバリアダム203の高さがこの順に高くなっている。
【0049】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、表示基板の種類は限定されない。例えば、表示基板は、OLED表示基板であり、表示基板は、複数の有機発光素子をさらに含み、有機発光素子は、表示領域に位置し、第1の封止層とベース基板との間に位置する。例示的に、
図1Bに示すように、有機発光素子400は、第1の封止層310とベース基板100との間に位置し、有機発光素子400には、ベース基板100上に順次積層された第1電極層410、有機発光機能層430、第2の電極層420が含まれる。例えば、第1の電極層410および第2の電極層420のうちの一方が陽極であり、第1の電極層410および第2の電極層420のうちの他方が陽極である。第1の封止層310は、有機発光素子400を覆うことによって、有機発光機能層、陰極などが侵入した水、酸素などの外部物質と反応して劣化することを防止し、有機発光素子400の性能を保障し、有機発光素子400の寿命を延長させる。また、第1の封止層310は、平坦度が高く、比較的厚い厚さを有するので、表示基板の表面の平坦度を向上させ、受ける応力を緩和させることにより、表示基板の機械的損傷を減少させ、表示基板を保護することができる。
【0050】
例えば、
図1Bに示すように、第2の電極層420は、複数の有機発光素子400の共通駆動電極として配置されてもよい。例えば、有機発光素子における有機発光機能層は、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層などを含んでもよく、例えば、正孔ブロック層、電子ブロック層などをさらに含んでもよい。
【0051】
以下では、表示基板がOLED表示基板である場合を例に挙げて、本開示の少なくとも1つの実施形態における表示基板について説明する。
【0052】
図3は、本開示の1つの実施形態によるもう1つの表示基板の断面図である。
【0053】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板は、ベース基板上に位置する画素定義層をさらに含み、画素定義層は、ベース基板と第1の封止層との間に位置する。例示的に、
図3に示すように、画素定義層103は単層構造であり、画素定義層103は、第1の封止層310とベース基板100との間に位置し、有機発光素子400の有機発光機能層430が画素定義層103の開口内に形成されることができ、これらの開口は、隣接する画素ユニットを離間させて互いに干渉するのを防止することができる。例えば、インクジェットプリンティング方式を利用して画素定義層103の開口内に、有機発光機能層430の少なくとも一部の構造、例えば正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層などを製造することができる。
【0054】
なお、本開示の少なくとも1つの実施形態において、有機発光機能層430の一部の膜層はインクジェットプリンティング方式で形成され、他の一部の膜層は蒸着などの工程で形成されてもよい。例示的に、画素定義層の開口内に、インクジェットプリンティング方式で正孔注入層など一部の膜層を形成した後、蒸着工程により、有機発光層、電子注入層などの一部の膜層を形成することができ、これにより、開口内に形成される膜層が増加するに伴い、開口の残り空間の深さが減少し、蒸着工程によって、画素定義層の厚さを厚くする必要がないと同時に、後続で形成される膜層(有機発光層など)の厚さを確保することができる。
【0055】
図4は、本開示の1つの実施形態によるもう1つの表示基板の断面図である。
【0056】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、画素定義層は、互いに重なり合う第1の定義層及び第2の定義層を含み、第1の定義層は、第2の定義層とベース基板との間に位置する。例示的に、
図4に示すように、画素定義層103は、互いに重なり合う第1の定義膜110及び第2の定義膜120を含み、第2の定義膜120は、第1の封止層310と第1の定義膜110との間に位置する。例えば、第2の発光層120は、第1の発光層110をさらに高くし、第2の発光層120及び第1の発光層110の開口容量を増加させ、有機発光機能層430の厚さを増加させ、有機発光素子の発光機能を向上させることができる。例えば、ベース基板100上への第2の境界層120の正射影は、ベース基板100上への第1の境界層110の正射影と一致する。
【0057】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、バリアダムの形成方式は限定しない。例えば、本開示の一部の実施形態において、バリアダムは個別に形成されてもよく、これにより、バリアダムの材料、厚さ等のパラメータが、表示基板の製造工程によって制限されない。例えば、本開示の一部他の実施形態において、表示基板における部品(バリアダム以外の構成要素)を製造する工程で、同時にバリアダムを製造することができ、これにより、表示基板の製造工程を増やす必要がなく、コストを低減することができる。
【0058】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、画素定義層は単層構造に設けられ、バリアダムには、画素定義層と同層及び同材料からなる第1バリア層が含まれる。例示的に、
図3に示す表示基板において、バリアダム200は第1バリア層210を含む。表示基板の製造工程において、ベース基板100上に絶縁物質薄膜を形成した後、当該絶縁物質薄膜をパターニングすることにより、画素定義層103と第1のバリア層210とを同時に形成することができる。
【0059】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、画素定義層は単層構造に設けられ、バリアダムは第1のバリア層とフォトレジスト層を含み、第1のバリア層はベース基板とフォトレジスト層との間に配置され、第1のバリア層と画素定義層とは同層かつ同材料である。例示的に、
図3に示す表示基板において、バリアダム200は、第1のバリア層210の上に位置するフォトレジスト層230を含む。表示基板の製造工程では、フォトレジストを用いて、画素定義層103及び第1バリア層210を形成するための絶縁物質薄膜をパターニングし、パターニングが完了した後、第1バリア層210上にフォトレジストを残すことで、フォトレジスト層230が得られる。フォトレジスト層230は、バリア層200の高さを増加させ、表示基板上により多くの第1の封止材料を塗布することができ、これにより、第1の封止層310の厚さを増加させ、表示基板の封止効果を増加させることができる。
【0060】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、画素定義層は、互いに重なり合う第1定義層及び第2定義層を含み、第1定義層は、第2定義層とベース基板との間に位置し、バリアダムは、第1バリア層及び第2バリア層を含み、第1バリア層は、第1定義層と同層且つ同材料であり、第2バリア層は、第2定義層と同層且つ同材料である。例示的に、
図4に示す表示基板において、バリアダム200は、ベース基板100上に順に積層された第1バリア層210及び第2バリア層220を含む。例えば、表示基板を製造する過程で、一方の薄膜をパターニングして第1の定義層110及び第1のバリア層210を形成し、他方の薄膜をパターニングして第2の定義層120及び第2のバリア層220を形成することができる。
【0061】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、バリアダムは、互いに積み重ねられた第1のバリア層、第2のバリア層、及び少なくとも1つのフォトレジスト層を含み、第1のバリア層は、第1の定義層と同層且つ同一材料であり、第2のバリア層は、第2の定義層と同層且つ同一材料であり、フォトレジスト層は、第1のバリア層又は第2のバリア層のベース基板から離れる側に位置する。例示的に、
図4に示す表示基板において、バリアダム200はフォトレジスト層230を含み、第1のバリア層210と第2のバリア層220の間、及び第2のバリア層220の上にそれぞれフォトレジスト層230が配置される。フォトレジスト層230は、第1の定義層110及び第2の定義120を形成するパターニング工程で使用されるフォトレジストを用いて形成される。フォトレジスト層230は、バリア層200の高さを増加させ、表示基板上により多くの第1の封止材を塗布することができ、これにより、第1の封止層310の厚さを増加され、表示基板の封止効果を向上させることができる。
【0062】
図5は、本開示の1つの実施形態によるもう1つの表示基板の断面図である。
【0063】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態において、画素定義層の第1の定義層の厚さは、第2の定義層の厚さと異なる。これにより、表示基板の製造工程を増やすことなく、表示基板上に間隔をおいて配置された複数のバリアダムを配置させ、表示領域から非表示領域に向かう方向に沿って、複数のバリアダムの高さを順次高くすることができる。
【0064】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態において、第1の定義層の厚さが第2の定義層の厚さよりも大きいという相違点から、バリアダムは複数設けられ、複数のバリアダムのうちの1つは第1の定義層と同層且つ同材料であり、複数のバリアダムのうちの他の1つは第2の画定層と同層且つ同材料であり、複数のバリアダムのうちの他の1つは第1の定義層及び第2の定義層と同層且つ同材料である。このように、少なくとも3つのバリアダムの高さが互いに異なり、当該3つのバリアダムを形成することで表示基板の製造工程が増加することはない。
【0065】
なお、本開示の少なくとも1つの実施形態において、「同層且つ同材料」は、2つの構造が1つの膜層によって形成できること、例えば、当該2つの構造が当該膜層の同じパターニング工程で形成され得ることを意味する。
【0066】
以下では、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板について、画素定義層が厚さの異なる第1の定義層及び第2の定義層を含む状況において、第1定義層の厚さが第2定義層の厚さより大きい場合を例に挙げて説明する。
【0067】
例示的に、
図5に示すように、表示領域の近くから表示領域から離れる方向(X軸正方向)において、表示基板は、順に配置された第1のバリアダム201、第2のバリアダム202、第3のバリアダム203を有する。第1のバリアダム201は、第2の定義層120と同層且つ同材料である。第2のバリアダム202は、第1の定義層110と同層且つ同材料である。また、第3のバリアダム203の、ベース基板100に近い部分は、第1の定義層110と同層且つ同材料であり、第3のバリアダム203の、ベース基板100から遠い部分は、第2の定義層120と同層且つ同材料である。このように、表示パネルの製造工程を増やすことなく、第3のバリアダム203の高さを第1のバリアダム201の高さよりも高くし、第2のバリアダム202の高さを第1のバリアダム201の高さよりも高くすることができる。
【0068】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、第1の封止層、画素定義層の厚さは、限定されず、実際の工程に応じて設計できる。例えば、第1の封止層の厚さは、3~10μmであってもよく、画素定義層が単層である場合、画素定義層の厚さは、1μm~2μmであってもよく、画素定義層が、第1定義層及び第2定義層を含む場合、第1定義層の厚さは、1μm~2μmであり、第2定義層の厚さは、1μm~1.5μmであってもよい。
【0069】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態において、複数のバリアダムが設けられる場合、各バリアダムの前の離間距離は限定されない。例えば、X-Y平面に平行な方向において、バリアダムの前の離間距離は、10~100μm、例えば、更に約30μm、50μm、80μm等である。
【0070】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態において、バリアダムの幅は限定されない。例えば、X-Y平面に平行な方向において、バリアダムの幅は、10~100μm、例えば、更に約30μm、50μm、80μm等である。
【0071】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、第1の定義層及び第2の定義層の材料は、限定しない。例えば、第1の定義層は、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、アクリル等の高分子樹脂材料のいずれか1種又は複数種であってもよく、或いはフォトレジストであってもよい。例えば、第2の定義層は、ポリイミドなどの高分子樹脂材料であってもよい。なお、バリアダムの第1のバリア層が第1の定義層と同層且つ同材料である場合、第1の定義層がフォトレジストである場合、第1のバリア層のベース基板から離れた表面上にフォトレジスト層を形成する必要はない。
【0072】
図6は、本開示の1つの実施形態によるもう1つの表示基板の断面図である。
【0073】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板は、有機発光素子とベース基板との間に位置する平坦層をさらに含む。例示的に、
図6に示すように、有機発光素子400とベース基板100との間に平坦層600を設ける。表示基板の製造過程において、有機発光素子400を形成する前に、平坦層600は表示基板の表面を平坦にし、有機発光素子400の歩留まりを向上させることができる。
【0074】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態において、バリアダムの少なくとも一部が平坦層と同層且つ同材料である。例示的に、
図6に示すように、バリアダム200のベース基板に近い部分は、平坦層600と同層且つ同材料である。このように、バリアダム200の厚さを厚くすることができ、表示基板の封止(例えば、後述する実施形態における第3の封止層の形成)が完了した後、水、酸素等が表示基板内部へ侵入する経路を延長でき、水、酸素等の侵入のリスクを低減し、表示基板の封止効果を高めることができる。
【0075】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、平坦層の材料は限定されない。例えば、平坦層の材料はアクリル系材料であってもよく、このアクリル系材料は、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、エポキシ、ポリアミド、アクリル等の材料の1種または複数種であってもよく、或いは他の適切な材料であってもよい。
【0076】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、表示基板の封止方式は限定されない。例えば、表示基板は、単層薄膜(第1の封止層)で封止されてもよく、多層薄膜(第1の封止層を含む)で封止されてもよい。多層薄膜封止は、表示基板の封止効果をさらに向上させることができる。
【0077】
図7は、本開示の1つの実施形態によるもう1つの表示基板の断面図である。
【0078】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板は、第1の封止層とベース基板との間に位置する第2の封止層と、第1の封止層のベース基板から離れた側に位置する第3の封止層と、をさらに含む。例示的に、
図7に示すように、第1の封止層310と有機発光素子400との間に第2の封止層320が配置され、第1の封止層310の上に第3の封止層330が配置される。第1の封止層310、第2の封止層320、及び第3の封止層330からなる複合封止積層体は、表示基板に対する封止効果をさらに向上させることができる。
【0079】
例えば、第1の封止層は有機層であり、第2の封止層および第3の封止層は無機層である。例えば、第2の封止層および第3の封止層の材料は、窒化珪素、酸化珪素、酸化窒化珪素、フッ化物などの無機材料であってもよく、無機材料は緻密性が高く、水、酸素などの侵入を防ぐことができる。例えば、第1の封止層は、ポリエチレンテレフタレートやポリアクリレートなどの高分子樹脂などの有機材料を含んでいる。このように、第1の封止層は、第2の封止層及び第3の封止層の応力を緩和することができ、また、第1の封止層に、例えば、乾燥剤などの材料を設けることができ、表示基板を封止するとともに内部に侵入した水、酸素などの物質を吸収し、表示基板中の部材をさらに保護することができる。例えば、乾燥剤は、アルカリ金属(例えば、Li、Na)、アルカリ土類金属(例えば、Ba、Ca)、又は他の湿気反応性金属(例えば、Al、Fe)を含む吸水性材料であってもよく、さらに、アルカリ金属酸化物(例えば、Li2O、Na2O)、アルカリ土類金属酸化物(例えば、MgO、CaO、BaO)、硫酸塩(例えば、無水MgSO4)、金属ハロゲン化物(例えば、CaCl2)、又は過塩素酸塩(例えば、Mg(ClO4)2)等、内部に侵入した水、酸素等を吸収する物質であってもよい。
【0080】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、第2の封止層と第3の封止層の厚さは限定されない。例えば、第2の封止層および第3の封止層の厚さは、1μm以下である。
【0081】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、ベース基板上へのバリアダムの正射影は、ベース基板上への第2の封止層の正射影の外側に位置し、ベース基板上への第1の封止層の正射影は、ベース基板上への第3の封止層の正射影の内側に位置し、ベース基板上へのバリアダムの正射影は、ベース基板上への第3の封止層の正射影の内側に位置する。例示的に、
図7に示すように、第2の封止層320は、バリアダム200の表示領域に面する側に位置し、このように、バリアダム200が第2の封止層320で覆われず、バリアダム200の第1の封止材をバリアする効果を保障する。また、第3の封止層330が第1の封止層310を覆うことで、外部からの水分、酸素等が第1の封止層310に侵入することを防止し、第3の封止層330がバリアダム200を覆うことで、第3の封止層330とバリアダム200とが協力して、外部からの水分、酸素等が表示基板の内部に侵入する経路を増加させることができる。このように、第1の封止層310、第2の封止層320、及び第3の封止層330は、表示基板の封止効果をさらに向上させることができる。
【0082】
図8は、本開示の1つの実施形態によるもう1つの表示基板の断面図である。
【0083】
なお、本開示の少なくとも1つの実施形態において、表示基板上に複数のバリアダムが設けられる場合、少なくとも1つのバリアダムを覆い、且つ少なくとも1つのバリアダムを覆わないように第2の封止層を設けることで、表示基板の封止効果を向上させることができる。例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、ベース基板上への少なくとも1つのバリアダムの正投影は、ベース基板上への第1の封止層と第2の封止層の正投影内に位置し、ベース基板上への少なくとも1つのバリアダムの正投影は、ベース基板上への第1の封止層と第2の封止層の正投影外に位置する。ベース基板上への第1の封止層の正射影は、ベース基板上への第3の封止層の正射影内に位置し、ベース基板上へのバリアダムの正射影は、ベース基板上への第3の封止層の正射影内に位置する。
【0084】
例示的に、
図8に示すように、表示領域の近くから表示領域から離れる方向(X軸正方向)上に、表示基板は、順に配置された第1のバリアダム201、第2のバリアダム202、及び第3のバリアダム203を有し、第2の封止層320は、第1のバリアダム201を覆うように配置され、第2のバリアダム202及び第3のバリアダム203は、第2の封止層220に覆われない。このように、第1のバリアダム201は、第2の封止層320の封止効果を高め、第1の封止層310を形成するための第1の封止材料は、第2のバリアダム202及び第3のバリアダム203によって依然としてバリアされる。このように、第1の封止層の厚さ、平坦度等を確保した状況で、表示基板の封止効果をより高めることができる。
【0085】
例えば、本開示の1つの実施形態において、表示基板は、ベース基板上に配置された駆動回路層などの構造をさらに含むことができる。例えば、駆動回路層は、複数のスイッチング素子、容量、ゲート線、データ線、電源線等を有し、これらのスイッチング素子は、例えば薄膜トランジスタであり、例えば、薄膜トランジスタは有機発光素子に接続され、有機発光素子の電気的な機能を制御する。例示的に、
図6~
図8に示す実施形態のように、表示基板は駆動回路層を含み、当該駆動回路層は、複数の薄膜トランジスタ500(一例として図面に示される)と、薄膜トランジスタ500に対応して配置された例えば、ゲート絶縁層510、層間絶縁層520、及びパッシベーション層530などの層間構造と、を有する。
【0086】
なお、本開示の少なくとも1つの実施形態において、薄膜トランジスタの種類は限定されない。薄膜トランジスタは、トップゲート型、ボトムゲート型、ダブルゲート型などであってもよい。ゲート絶縁層、層間絶縁層、パッシベーション層等の層間構造の配置位置は、薄膜トランジスタの種類に応じて配置されてもよい。
【0087】
本開示の1つの実施形態による表示パネルは、上記のいずれかの実施形態における表示基板を含むものである。例えば、表示パネルは、表示基板と対向設置される封止カバーを含み、当該封止カバーは、第1の封止層(または第3の封止層)上に位置し、封止カバーは、表示基板における部品をさらに保護することができる。例えば、当該表示パネルは、テレビ、デジタルカメラ、携帯電話、腕時計、タブレット、ノート型パソコン、ナビゲーションなど、表示機能を有する任意の製品または部品であってもよい。
【0088】
なお、明確にするために、本開示では、本開示の少なくとも1つの実施形態における表示パネルの全ての構造を述べていない。表示パネルの必要な機能を実現するために、当業者は、特定の応用場面に応じて他の構造(例えば、タッチ構造など)を設定することができ、本開示の実施形態はこれに限定されない。
【0089】
本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板の製造方法は、ベース基板を提供する工程であって、形成しようとする表示基板の表示領域と、表示領域の周囲に位置する非表示領域と、をベース基板上に限定する、ベース基板を提供する工程と、非表示領域の前記ベース基板上に少なくとも1つのバリアダムを形成する工程と、表示領域においてベース基板上に第1の封止材を塗布する工程と、第1の封止材料を硬化させて第1の封止層を形成する工程と、を含み、バリアダムの少なくとも第1の封止層に面する側は、硬化前の第1の封止材に対して撥液性を有する。上記製造方法により得られる表示基板において、バリアダムによって第1の封止層を得るための第1の封止材のオーバーフローを防止して、第1の封止層の平坦性を向上させて、表示基板に封止工程においてより多くの第1の封止材を保持させることができ、これにより、第1の封止層の設計厚みを向上させ、表示基板の封止効果を向上させることができる。上記製造方法により得られる表示基板の構造は、前記実施形態における関連説明を参照することができ、ここでの詳細な説明は省略する。
【0090】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板の製造方法において、バリアダムを形成した後、ベース基板に第1の封止材を塗布する前に、ハロゲン元素及び/又は不活性ガスを用いてバリアダムの改質処理を行う。例えば、当該改質処理は、プラズマ処理又はイオンドーピング処理であってもよい。また、例えば、改質処理は、改質処理領域を制限するためのマスクを用いることができる。当該ハロゲン元素は、例えばフッ素元素、塩素元素および臭素元素などである。例えば、プラズマ処理においては、これらのハロゲン元素の有機物により対応するプラズマを得ることにより、バリアダムの表面に撥液性を有する被膜を形成することができる。ハロゲン元素は、少なくともバリアダムの表面の材料を改質し、それによって、バリアダムが第1の封止材料に対して撥液性を有するようにすることができる。例示的に、第1の封止材料の溶媒は水であり、ハロゲン元素がドープされた後、バリアダムは疎水性を有する。例えば、当該不活性ガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン等であってもよい。例えば、不活性ガスをアルゴンガスとすれば、アルゴンと水素のプラズマにより、バリアダムを改質処理することができる。
【0091】
図9A~
図9Gは、本開示の1つの実施形態による表示基板の製造方法を示す工程図である。
【0092】
以下では、
図7に示すような表示基板を製造する場合を例に挙げて、本開示の少なくとも1つの実施形態における表示基板の製造方法について説明する。例示的に、
図9A~
図9G及び
図7に示すように、本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板の製造方法は、以下のような工程を含む。
【0093】
図9Aに示すように、ベース基板100を提供し、ベース基板100上に、複数の薄膜トランジスタ500(図面には1つの例のみが示される)を含む駆動回路層を形成し、例えば、ベース基板100上には、ゲート電極、ゲート絶縁層510、活性層、層間絶縁層520、ソースドレイン電極層、パッシベーション層530等が順に形成され、当該ソースドレイン電極層は、互いに離間したソースおよびドレインを含み、当該薄膜トランジスタ500は、ボトムゲート型の薄膜トランジスタである。次に、ベース基板100上に平坦層600を形成して、表示基板の表面を平坦化する。次いて、平坦層600をパターン加工して、平坦層600及びパッシベーション層530にビアを形成する。その後、平坦層600上に、第1の電極層410を形成し、第1の電極層410は上述したビアを介して、例えば、ソースドレイン電極層におけるドレイン電極と電気的に接続される。
【0094】
なお、平坦層600をパターニングする工程において、非表示領域102に位置する平坦層600の部分を、第1のバリアダムの第1の部分201a、第2のバリアダムの第1の部分202a、及び第3のバリアダムの第1の部分203aとして形成してもよい。
【0095】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態において、パターニング工程は、フォトレジストパターニングとして、例えば、パターニングされるべき構造層上にフォトレジストを塗布する工程と、マスク板を用いてフォトレジストを露光する工程と、露光されたフォトレジストを現像してフォトレジストパターンを得る工程と、フォトレジストパターンを用いて構造層をエッチングする工程と、及び選択的にフォトレジストパターンを除去する工程と、を含むことができる。なお、パターニングされた構造層がフォトレジストからなるものである場合、フォトレジストを塗布する工程を不要とすることができる。
【0096】
図9A~
図9Bに示すように、ベース基板100上に第1の定義層110を形成し、第1の定義層110をパターン処理し、表示領域101の第1の定義層110に複数の開口を形成し、非表示領域102に位置する第1の定義層110の部分を、第2のバリアダムの第2の部分202b及び第3のバリアダムの第2の部分203bとして形成する。第2のバリアダム及び第3のバリアダムは、後の工程で形成されるバリアダムである。
【0097】
図9B~
図9Cに示すように、ベース基板100上に第2の定義層120を形成し、第2の定義層120をパターン処理し、表示領域101の第2の定義層120に複数の開口を形成し、第2の定義層120の非表示領域102に位置する部分を、第1のバリアダムの第2の部分201b及び第3のバリアダムの第3の部分203cとして形成する。このようにして、第1のバリアダム201、第2のバリアダム202、及び第3のバリアダム203が得られ、第1の定義層110及び第2の定義層120は、画素定義層103を形成することができる。
【0098】
なお、第1のバリアダム201、第2のバリアダム202、及び第3のバリアダム203を形成する材料は、第1の封止材料に対して撥液性を有してもよいし、あるいは、第1のバリアダム201、第2のバリアダム202及び第3のバリアダム203は、ハロゲン元素により改質処理が施され、第1の封止材に対して撥液性を有するようにしてもよい。
【0099】
図9C~
図9Dに示すように、画素定義層103の開口に有機発光機能層430を形成した後、有機発光機能層430上に第2の電極層420を形成する。第1の電極層410、有機発光機能層430、及び第2の電極層420は、有機発光素子400として形成される。
【0100】
図9D~
図9Eに示すように、有機発光素子400に無機材料薄膜を蒸着して、第1のバリアダム201の表示領域に面する側に第2の封止層320を形成する。
【0101】
図9E~
図9Fに示すように、有機材料を含む第1の封止材301が第2の封止層320の上に塗布され、第1の封止材301の高さは第1のバリアダム201の高さよりも高く、第1の封止材301が第2のバリアダム202まで延在できないように、第1のバリアダム201は第1の封止材301をバリアする。例えば、インクジェット方式によって第1の封止材301は塗布される。例えば、スピンコートなどにより第1の封止材301を塗布することもできる。
【0102】
図9F~
図9Gに示すように、第1の封止材301を乾燥させて、第1の封止層310として形成する。第1の封止層310は、第1のバリアダム201の表示領域に面する側に形成され、第1の封止層310の高さは、第1のバリアダム201の高さよりも高い。
【0103】
図9G及び
図7に示すように、第1の封止層310上に無機材料膜を蒸着して第3の封止層330を形成する。第3の封止層330は、第1の封止層310を覆い、第3の封止層330は、第1のバリアダム201、第2のバリアダム202、及び第3のバリアダム203を覆う。
【0104】
本開示の少なくとも1つの実施形態は、表示基板及びその製造方法、表示パネルを提供し、以下の少なくとも1項の有益な効果を有することができる。
(1)本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、バリアダムは、第1の封止層を得るための第1の封止材のオーバーフローを防止して、第1の封止層の平坦性、設計厚さを向上させて、表示基板の封止効果を向上させることができる。
(2)本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、バリアダムにおける少なくとも一部の構造は、画素定義層と同じ層且つ異なる材料であってもよく、表示基板の製造工程を増加させる必要がなく、コストを低減する。
(3)本開示の少なくとも1つの実施形態による表示基板において、バリアダムにおける一部の構造は、フォトレジスト層であってもよく、バリアダムの設計高さを増加させれば、表示基板の製造工程を増加させる必要がない。
【0105】
本開示について、以下の点をさらに説明する必要がある。
(1)本開示の実施形態の図面は、本開示の実施形態に係る構造のみに関し、他の構造は、一般的な設計を参照することができる。
(2)明確化のため、本開示の実施形態を説明するための図面において、層又は領域の厚さは、拡大又は縮小されており、すなわち、これらの図面は、実際の縮尺で描かれていない。
(3)矛盾がない状況で、本開示の実施形態及び実施形態における特徴は、互いに組み合わせて新しい実施形態を得ることができる。
【0106】
以上では、本開示の特定の実施形態についてのみ説明したが、本開示の保護範囲はこれに限定されるものではなく、本開示の保護範囲は特許請求の範囲によって規定されるべきである。
【符号の説明】
【0107】
100 ベース基板
101 表示領域
102 非表示領域
103 画素定義層
110 第1の定義層
120 第2の定義層
200 バリアダム
201 第1のバリアダム
202 第2のバリアダム
203 第3のバリアダム
210 第1のバリア層
220 第2のバリア層
230 フォトレジスト層
240 第3のバリア層
301 第1の封止材
310 第1の封止層
320 第2の封止層
330 第3の封止層
400 有機発光素子
410 第1の電極層
420 第2の電極層
430 有機発光機能層
500 薄膜トランジスタ
510 ゲート絶縁層
520 層間絶縁層
530 パッシベーション層
600 平坦層