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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】切羽撮像システム、切羽撮像方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/56 20230101AFI20240701BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20240701BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240701BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20240701BHJP
【FI】
H04N23/56
H04N23/63 330
G03B15/00 U
G03B15/02 G
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020089127
(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公開番号】P2021184536
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】邊見 涼
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 裕員
(72)【発明者】
【氏名】淡路 動太
(72)【発明者】
【氏名】谷村 浩輔
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 敏
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-205062(JP,A)
【文献】特開2005-318009(JP,A)
【文献】特開2004-215157(JP,A)
【文献】特開2002-027316(JP,A)
【文献】特開2010-145972(JP,A)
【文献】特開2018-150720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222- 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 -23/76
H04N 23/90 -23/959
G03B 15/00 -15/02
G03B 17/18
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切羽を撮像可能な撮像部と、
前記撮像部によって撮像された画像を表示するライブビュー画面に、トンネルの断面形状のガイド画像を表示する表示部と、
を有する切羽撮像装置と、
トンネル上部のうち切羽から第1距離だけ離れた位置に設けられ切羽を照明する第1照明装置と、
前記トンネルの水平方向における第1端部側であって切羽から前記第1距離よりも短い距離である第2距離だけ離れた位置に設けられ、前記第1照明装置の補助として、前記第1照明装置が照明光を照射する向きと異なる方向から前記切羽を照明する第2照明装置と
前記トンネルの水平方向における第1端部側とは反対側である第2端部側であって前記切羽から前記第2距離だけ離れた位置に設けられ、前記第1照明装置の補助として、前記第1照明装置が照明光を照射する向きと異なる方向から前記切羽を照明する第3照明装置と
を有する切羽撮像システム
【請求項2】
前記ガイド画像は、
上半の形状に応じて湾曲する湾曲領域と、
水平面に対応した直線状である水平領域とを含む
請求項1記載の切羽撮像システム
【請求項3】
前記表示部は、
ISO感度とシャッター速度とのうち少なくともいずれか一方の設定条件を設定可能な設定ボタンをガイド画像とともに表示する
請求項1または請求項2に記載の切羽撮像システム
【請求項4】
トンネルの上部のうち切羽から第1距離だけ離れた位置に、切羽を照明する第1照明装置を配置し、
前記トンネルの水平方向における第1端部側であって切羽から前記第1距離よりも短い距離である第2距離だけ離れた位置に、前記第1照明装置の補助として、前記第1照明装置が照明光を照射する向きと異なる方向から前記切羽を照明する第2照明装置を配置し、
前記トンネルの水平方向における第1端部側とは反対側である第2端部側であって前記切羽から前記第2距離だけ離れた位置に、前記第1照明装置の補助として、前記第1照明装置が照明光を照射する向きと異なる方向から前記切羽を照明する第3照明装置を配置し、
切羽撮像装置が、前記切羽を撮像したライブビュー画面において前記トンネルの断面形状のガイド画像が前記切羽の輪郭形状に合うように当該切羽撮像装置の姿勢が調整された上で、撮影指示が入力されると、前記切羽を撮像した撮像画像のデータを記憶部に書き込む
切羽撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切羽撮像システム、切羽撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
山岳トンネル工事の地山評価において、AI(artificial intelligence;人口知能)が活用されつつある(例えば、特許文献1参照)。AIで用いられる画像分類アルゴリズム(ディープラーニング)を高い精度で行うためには、均質な条件で撮影した一定品質の画像データが大量に必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-023392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、今まで現場で取得した切羽画像の多くは、向きや大きさ、解像度が不揃いであり、AI学習の教師データに活用するには、困難なものが多いため、効率的に講師データを収集することが難しい。
特に、照明条件でカメラが自動補正してしまう場合には、同じ地山であっても切羽の様子(色合い)が大きく異なる画像になってしまう。そうした切羽写真をAI学習に用いる場合、画像編集ソフトでコントラストや解像度を編集する必要があるため、多くの作業時間を要していた。
また、編集では実際の切羽の色合いを再現することは難しい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、切羽を評価するAIの学習データとして収集される画像の品質のばらつきを低減させることができる切羽撮像システム、切羽撮像方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、切羽を撮像可能な撮像部と、前記撮像部によって撮像された画像を表示するライブビュー画面に、トンネルの断面形状のガイド画像を表示する表示部と、を有する切羽撮像装置と、トンネル上部のうち切羽から第1距離だけ離れた位置に設けられ切羽を照明する第1照明装置と、前記トンネルの水平方向における第1端部側であって切羽から前記第1距離よりも短い距離である第2距離だけ離れた位置に設けられ、前記第1照明装置の補助として、前記第1照明装置が照明光を照射する向きと異なる方向から前記切羽を照明する第2照明装置と前記トンネルの水平方向における第1端部側とは反対側である第2端部側であって前記切羽から前記第2距離だけ離れた位置に設けられ、前記第1照明装置の補助として、前記第1照明装置が照明光を照射する向きと異なる方向から前記切羽を照明する第3照明装置とを有する切羽撮像システムである
【0007】
また、本発明の一態様は、トンネル上部のうち切羽から第1距離だけ離れた位置に、切羽を照明する第1照明装置を配置し、前記トンネルの水平方向における第1端部側であって切羽から前記第1距離よりも短い距離である第2距離だけ離れた位置に、前記第1照明装置の補助として、前記第1照明装置が照明光を照射する向きと異なる方向から前記切羽を照明する第2照明装置を配置し、前記トンネルの水平方向における第1端部側とは反対側である第2端部側であって前記切羽から前記第2距離だけ離れた位置に、前記第1照明装置の補助として、前記第1照明装置が照明光を照射する向きと異なる方向から前記切羽を照明する第3照明装置を配置し、切羽撮像装置が、前記切羽を撮像したライブビュー画面において前記トンネルの断面形状のガイド画像が前記切羽の輪郭形状に合うように当該撮像装置の姿勢が調整された上で、撮影指示が入力されると、前記切羽を撮像した撮像画像のデータを記憶部に書き込む切羽撮像方法である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、この発明によれば、切羽を評価するAIの学習データとして収集される画像の品質のばらつきを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の一実施形態による切羽撮像システム1の構成を示す概略ブロック図である。
図2】トンネル10内に設置される照明装置の設置位置を説明する図である。
図3】撮像装置20の機能を説明する機能ブロック図である。
図4】表示部202に表示される表示画面400の一例を示す図である。
図5】撮像条件を設定する場合における設定画面の一例を示す図である。
図6】切羽撮像システム1を用いて切羽を撮像する撮像方法について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による切羽撮像システムについて図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態による切羽撮像システム1の構成を示す概略ブロック図であり、図2は、トンネル10内に設置される照明装置の設置位置を説明する図である。この切羽撮像システム1は、トンネル10内において用いられる。
トンネル10のトンネル軸に沿った方向において坑口とは反対側に切羽11がある。
切羽11に向かい、かつ、水平方向のうち第1の方向における側面側には第1の側面部12があり、水平方向のうち第1の方向とは反対側の方向における側面側には第2の側面部13がある。
【0011】
撮像装置20は、切羽11を撮像し、撮像データを記憶する。また、撮像装置20には液晶表示装置が設けられており、切羽11を撮像する際のライブビュー画面を表示することができる。撮像装置20は、切羽11から一定距離だけ離れた位置において撮影によって保持され、シャッターボタンが押されたタイミングで撮像画像を記憶領域に書き込む。
この撮像装置20は、デジタルカメラであってもよいし、撮像装置20の機能を実現するためのアプリケーションプログラムがインストールされ実行するスマートフォンまたはタブレット端末であってもよい。撮像装置20は、防水・防塵機能を持ち、高解像度(例えば、1200万画素程度以上)で撮像可能であることが好ましい。
【0012】
照明装置21は、トンネル10の上部(例えば、天端部)のうち、切羽から第1距離L1だけ離れた位置に設けられ、切羽11を照明する。第1距離L1は、10m(メートル)程度から30m程度の距離である。ここでは、第1距離L1が10mの位置に照明装置21が設置され、切羽11の撮像が行われる。その後、トンネル10の掘削が進み、切羽11から照明装置21までの距離が距離L11(10m程度)から距離L12(30m程度)となった際に、切羽11から第1距離L1(10m)の位置まで盛替える。
【0013】
照明装置22は、第1の側面部12の近傍であって、トンネル10の水平方向における第1側面部側(第1の側面部12)であって、切羽11から第1距離よりも短い距離である第2距離だけ離れた位置に設けられ切羽11を照明する。この照明装置22が照明光を照射する向きは、切羽11であればよいが、第2側面部側(第2の側面部13)に向く方向であってもよい。
照明装置23は、トンネル10の水平方向における第1端部側とは反対側である第2端部(第2の側面部13)側であって、切羽11から第2距離だけ離れた位置に設けられ切羽11を照明する。この照明装置23が照明光を照射する向きは、切羽11であればよいが、第1側面部側(第1の側面部12)に向く方向であってもよい。
【0014】
これら照明装置22と照明装置23は、照明装置21に対する補助として設けられる。例えば、照明装置21を主照明装置とし、この照明装置21から切羽11に対して照射された照明光の方向とは、異なる方向から照明光を照射する。これにより、切羽11にクラック等があった場合であっても、照明装置21からの照明のみでは、切羽11の鏡面における凹凸やクラックの形状や幅や深さによっては、陰影が強くなってしまう場合があるため、この陰影を打ち消す方向から光を投射することで、照明装置21の照明光によって生じた影を弱くし、切羽11全体に対する照明光が照射されるバランスをとることができる。
また、主たる照明装置とは別に補助としての照明装置を用いることで、切羽11の鏡面をより自然な状態に近づけて撮像することできる。
このように、切羽写真を撮像する際には、これらの照明装置21、照明装置22、照明装置23を用いることで、切羽11の照度を確保することができるため、切羽11の写真の品質を確保することが可能となる。
【0015】
照明装置22、照明装置23は、切羽11から5~7m程度離れた位置であって、トンネル10の床面から1.5m程度である高さHの位置に設置される。この照明装置22及び照明装置23は、切羽11の写真撮影時のみ設置し、撮影を行わない期間においては、一時的に撤去してもよい。
【0016】
なお、照明装置21としては、例えば、軽量型高輝度LEDランプ(有限会社ジャパンマグネット社製、JCT-400A-L/P 400W、64,000lm)を1台、照明装置22、照明装置23としては、例えば、それぞれ、軽量型高輝度LEDランプ(有限会社ジャパンマグネット社製、JCT-200A-L/P 200W、32,000lm)を用いる。
【0017】
電源装置24は、照明装置22、照明装置23に電源を供給する。照明装置22、照明装置23は、この電源装置24から供給される電源を利用して駆動することで、照明光を照射することができる。なお、照明装置21は、電源装置24から電源の供給を受けてもよいし、別の電力供給経路から電源の供給を受けるようにしてもよい。
【0018】
図3は、撮像装置20の機能を説明する機能ブロック図である。
撮像装置20は、撮像部201、表示部202、入力部203、記憶部204を含む。
撮像部201は、切羽を撮像可能である。
表示部202は、撮像部201によって撮像された画像を表示するライブビュー画面に、トンネルの断面形状のガイド画像を表示する。
入力部203は、撮影担当者からの操作入力を受け付ける。
記憶部204は、撮像画像を記憶する。
記憶部204は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。この記憶部204は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0019】
ここで、図4は、表示部202に表示される表示画面400の一例を示す図である。この図では、撮像装置20としてスマートフォンが用いられた場合であって、表示画面の長手方向が水平方向となるように撮影担当者によって構えられた場合が図示されている。
この表示画面400では、撮像画像表示領域401と、撮影条件設定領域402とを含む。撮像画像表示領域401は、ライブビュー画面が表示される。ライブビュー画面は、撮像対象である切羽11全体と、切羽11の支保工410の第1の側面部12側からの天端部及び第2の側面部13までが撮像領域内に収まるような画角となっている場合について図示されている。ライブビュー画面は、撮像装置20を撮像モードにし、レンズを介して受光素子に受光された像を撮影画面として表示する画面である。
また、ライブビュー画面には、撮像対象が撮像されている状態を示す撮像画像に重なるようにガイド画像420が表示される。
ガイド画像420は、上半の形状に応じて湾曲する湾曲領域421と、水平面に対応した直線状である水平領域422とを含む。ガイド画像420の形状は、トンネル10の標準断面の輪郭形状に基づいて設定される。ガイド画像420の表示態様としては、例えば、実線、破線、ハッチングパターン等のうちいずれかの態様であって、切羽11や支保工410とは異なる色で表示されるようにしてもよい。これにより、ライブビュー画面において切羽11や支保工410とはガイド画像420とが異なることが把握しやすい。
【0020】
撮影担当者は、撮像装置20を撮像モードにし、ライブビュー画面に表示されるガイド画像420のうち、湾曲領域421の形状が切羽支保工の切羽11側の端部に合うように、かつ、水平領域422の形状が、床面と切羽11との境界とに合うように、撮像装置20の向きやズームの度合いを調整する。その上で、撮影ボタン430をタッチすることで、撮像装置20は、撮像画像を取り込んで記憶部204にそのデータを書き込む。ここでは、撮像画像は、撮像素子に受光された光(すなわち、切羽11、支保工410、床面などの像)に基づく画像が撮像画像として取り込まれ、ガイド画像420については、ライブビュー画面に表示されるだけであり、撮像画像には残らないようになっている。これにより、撮像画像内において、切羽11の輪郭形状がガイド画像420の形状と概ね一致するようにした撮像画像が得られるため、切羽11の掘削が進む毎に切羽11を撮像する場合であっても、また、異なる撮影担当者によって切羽11が撮像される場合であっても、切羽11の輪郭形状が撮像画像内において、一定サイズとなるようにして切羽画像を得ることができる。このため、切羽11を概ね正面側に捉え、仰俯角も概ね一定であり、撮像領域内における切羽11の画像のサイズが一定となるようにすることができ、撮像毎のばらつきが少ない。
【0021】
さらに、表示画面400において撮影条件設定領域402には、設定ボタンが配置されている。撮像担当者は、この設定ボタンをタッチすることで、撮像条件を指定することができる。
図5は、撮像条件を設定する場合における設定画面の一例を示す図である。この設定画面は、撮影条件設定領域402の設定ボタンを押すことで切り替わる、あるいはポップアップ画面として表示される。設定画面においては、ISO感度とシャッター速度とを指定することが撮像担当者の操作入力に応じて指定可能である。ここでは、照明装置21、照明装置22、照明装置23の配置、向き、明るさが規定されていることで、切羽11を撮像するために十分な照度が確保することができ、また、画像の粗さや感度が一定の等品質となるようにし、切羽11を撮像可能である。ここでは、切羽11を好ましい状態で撮像できるようなISO感度とシャッター速度とを決め、設定画面から設定しておく。そして、この設定を行った後は、照明や画角等において同じような条件で切羽11を撮影することが可能とであるため、ISO感度とシャッター速度についても、基本的には一度設定された条件を変更せず、概ね同じ品質となるように撮影することができる。また、ISO感度とシャッター速度については、マニュアルにて変更するようになっているため、意図せずにISO感度とシャッター速度が自動で変更されてしまうこともない。
【0022】
なお、ここでは、ライブビュー画面(図4)と設定画面(図5)とは別の画面で表示されてもよいし、1つの画面上に両方が表示されてもよい。また、ISO感度とシャッター速度のうち、いずれか一方をマニュアルにて変更可能とし、もう一方についての設定値が予め決められていてもよい。
【0023】
図6は、切羽撮像システム1を用いて切羽を撮像する撮像方法について説明するフローチャートである。
切羽11の掘削が完了すると(ステップS101)、撮像担当者は、照明装置21が切羽11から第1距離L1にあることを確認する(ステップS102)。もし第1距離にない場合には、照明装置21の位置が第1距離L1となるように盛替えする。
次に、撮影担当者は、照明装置22と照明装置23を、切羽11から第2距離L2の位置に左右それぞれ設置し(ステップS103)、切羽余掘り部の影を無くすように照らされていることを確認する。
次に、撮影担当者は、撮像装置20を撮像モードにし、ライブビュー画面において、ガイド画像420が、形状が切羽支保工の切羽11側の端部と、床面と切羽11との境界とに合うように、撮像装置20の向き(撮像装置20の姿勢)やズームの度合いを調整する(ステップS104)。これらの調整を行った後、撮像ボタンをタッチし、撮像する(ステップS105)。
撮影が終了すると、撮影担当者は、照明装置22及び照明装置23を撤去する(ステップS106)。
【0024】
以上説明した実施形態によれば、切羽撮影時から切羽からの距離や大きさを一定に保って、均一品質(色合い、明るさなど)の切羽画像を容易に得ることができる撮像装置20を実現することができ、また、この撮像装置20の機能を実現するアプリケーションプログラムをスマートフォンにインストールすることで、スマートフォンであっても撮像装置20を実現することができる。
山岳トンネル工事では、工事の特性から切羽の占有時間を極力減らす必要があるが、上述した実施形態によれば、山岳トンネルの工事現場における撮影時間は、平均数分(例えば1分)程度であり、施工サイクルへの影響も軽微な範囲に抑えることができる。
【0025】
このように、品質のばらつきが少ない撮像画像を得ることができるため、このようにして得られた撮像画像を教師データとして用いることで、学習データとして収集される画像の品質のばらつきを低減させることができる。
【0026】
上述した実施形態における撮像装置20をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0027】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0028】
1…切羽撮像システム、10…トンネル、11…切羽、12…第1の側面部、13…第2の側面部、20…撮像装置、21,22,23…照明装置、24…電源装置、201…撮像部、202…表示部、203…入力部、204…記憶部、400…表示画面、401…撮像画像表示領域、402…撮影条件設定領域、410…支保工、420…ガイド画像、421…湾曲領域、422…水平領域、430…撮影ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6