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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】吐出装置及び吐出の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
B41J2/01 203
B41J2/01 451
B41J2/01 401
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020103905
(22)【出願日】2020-06-16
(65)【公開番号】P2021194873
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】保田 みどり
【審査官】岩本 太一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-017868(JP,A)
【文献】特開2008-299041(JP,A)
【文献】特開2006-248009(JP,A)
【文献】特開2007-152853(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0001626(US,A1)
【文献】特開2005-081714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を吐出する吐出口を備えた吐出ヘッドと、
光を発光する発光部と前記発光部が発光した光を受光する受光部とを有する検知手段と、
前記吐出ヘッドと前記検知手段が、前記吐出ヘッドから吐出された液滴が前記発光部と前記受光部との間を通過する位置となった状態で、前記受光部の光量に基づいて前記吐出ヘッドから吐出された液滴を検出する液滴検出手段と、
前記吐出ヘッドが前記液滴の吐出を開始してから前記液滴検出手段により前記液滴が前記光を通過したことを検出するまでの時間を検出する時間検出手段と、
を有する吐出装置であって、
前記吐出ヘッドに前記吐出口から連続して複数の液滴を吐出させ、時間検出手段に前記複数の液滴を含む吐出された液滴それぞれについて吐出の開始から前記液滴検出手段が液滴を検出するまでの時間を検出させ、前記時間検出手段が検出した前記複数の液滴を含む吐出された液滴に夫々対応する複数の時間に基づいて前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数を決定し、決定した前記回数に従って、前記吐出ヘッドの前記時間を検出するための液滴の吐出動作を制御する制御手段をさらに有することを特徴とする吐出装置。
【請求項2】
前記制御手段が検出した前記吐出口から連続して吐出させた液滴を含む液滴それぞれの吐出の開始から前記液滴検出手段が液滴を検出するまでの複数の時間の検出の安定性を判定する判定手段を有し、
前記制御手段は、前記判定手段の判定に基づいて決定した前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数に従って前記吐出動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の吐出装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記複数の時間の分散に基づいて時間の検出の安定性を判定することを特徴とする請求項2に記載の吐出装置。
【請求項4】
前記時間検出手段は第1の回数の連続吐出を含む複数回の吐出によって吐出された液滴に対して前記複数の時間を検出し、前記判定手段が当該複数の時間の安定性がある判定した場合には、前記制御手段は前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数を前記第1の回数として前記吐出動作を制御し、
前記時間検出手段は第1の回数の連続吐出を含む複数回の吐出によって吐出された液滴に対して前記複数の時間を検出し、前記判定手段が当該複数の時間の安定性がないと判定した場合には、前記制御手段は前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数を前記第1の回数より少ない第2の回数として前記吐出動作を制御することを特徴とする請求項2または3に記載の吐出装置。
【請求項5】
前記時間検出手段は第1の回数の連続吐出を含む複数回の吐出によって吐出された液滴に対して前記複数の時間を検出し、前記判定手段が当該複数の時間の安定性がある判定した場合には、前記制御手段は前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数を第1の回数として前記吐出動作を制御し、
前記時間検出手段は第1の回数の連続吐出を含む複数回の吐出によって吐出された液滴に対して前記複数の時間を検出し、前記判定手段が当該複数の時間の安定性がないと判定した場合には、前記時間検出手段は前記第1の回数より少ない第2の回数の連続吐出を含む複数回の吐出によって吐出された液滴に対して前記複数の時間を検出し、
前記判定手段が前記第2の回数の連続吐出を含む複数回の吐出によって吐出された液滴に対して検出された前記複数の時間の安定性があると判定した場合には、前記制御手段は前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数を前記第2の回数として前記吐出動作を制御し、
前記判定手段が前記第2の回数の連続吐出を含む複数回の吐出によって吐出された液滴に対して検出された前記複数の時間の安定性がないと判定した場合には、前記制御手段は前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数を前記第2の回数より少ない第3の回数として前記吐出動作を制御することを特徴とする請求項2または3に記載の吐出装置。
【請求項6】
前記第1の回数の連続吐出を含む複数回の吐出回数と、前記2の回数の連続吐出を含む複数回の吐出回数は同じであることを特徴とする請求項4または5に記載の吐出装置。
【請求項7】
前記時間検出手段が検出した時間と、前記吐出口が形成された吐出口面と前記発光部が発光する光との距離とに基づいて前記液滴の吐出速度を算出する算出手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項8】
前記時間検出手段が検出した時間と、前記吐出口が形成された吐出口面と前記発光部が発光する光との距離とに基づいて前記液滴の吐出速度を算出する算出手段を有し、
前記判定手段は、前記複数の時間の内、安定した時間を検出している区間を判定し、
前記算出手段は、前記判定手段が判定した前記区間の間に検出された前記時間を用いて前記液滴の吐出速度を算出することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項9】
前記吐出ヘッドは第1のインクと第2のインクとを吐出でき、
前記制御手段は、前記時間検出手段に前記第1のインクと前記第2のインクについての前記複数の時間を検出させ、
前記制御手段は、前記時間検出手段が検出した前記第1のインクについての前記複数の時間に基づいて決定した前記第1のインクについての前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数に従って前記吐出動作を制御し、前記時間検出手段が検出した前記第2のインクについての前記複数の時間に基づいて決定した前記第2のインクについての前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数に従って前記吐出動作を制御することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項10】
前記吐出ヘッドは第1のインクと第2のインクとを吐出でき、
前記制御手段は、前記時間検出手段に前記第1のインクについての前記複数の時間を検出させ、
前記制御手段は、前記時間検出手段に前記第1のインクについての前記複数の時間に基づいて決定した、前記第1のインクと前記第2のインクについての前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数に従って前記吐出動作を制御することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項11】
前記吐出ヘッドから吐出された液滴が前記発光部と前記受光部との間を通過する位置における、前記吐出口が形成された吐出口面と前記検知手段との距離を変化させる変化手段を有し、
前記制御手段は、前記吐出口面と前記発光部が発光する光との距離が第1の距離の状態で前記時間検出手段に前記複数の時間を検出させ、前記変化手段によって前記吐出口面と前記発光部が発光する光との距離が前記第1の距離とは異なる第2の距離とした状態で前記時間検出手段に前記複数の時間を検出させ、
前記判定手段は、前記第1の距離の状態で検出した前記複数の時間の安定性と、前記第2の距離の状態で検出した前記複数の時間の安定性を判定し、
前記制御手段は、前記判定手段が判定した前記第1の距離における前記複数の時間についての安定性と、前記第2の距離における前記複数の時間の安定性に基づいて決定された、前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数に従って前記吐出動作を制御することを特徴とする請求項2乃至6、及び8のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記判定手段が判定した前記第1の距離における前記複数の時間についての安定性に基づいて決定された前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数と、前記判定手段が判定した前記第の距離における前記複数の時間についての安定性に基づいて決定された前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数のうち、連続して吐出する回数が少ない方を前記時間検出手段が前記時間を検出する際の連続して液滴を吐出する回数として決定することを特徴とする請求項11に記載の吐出装置。
【請求項13】
前記時間検出手段は、前記吐出ヘッドの前記吐出口面と前記発光部が発光する光との距離が第1の距離の状態で前記吐出口から液滴の吐出を開始してから前記液滴検出手段が前記液滴を検出するまでの第1の時間を検出し、前記変化手段によって前記吐出ヘッドの前記吐出口面と前記発光部が発光する光との距離が前記第1の距離とは異なる第2の距離とした状態で前記吐出口から液滴の吐出を開始してから前記液滴検出手段が前記液滴を検出するまでの第2の時間を検出し、
前記第1の距離、前記第2の距離、前記第1の時間及び前記第2の時間に基づいて前記液滴の吐出速度を算出する算出手段を有することを特徴とする請求項11または12に記載の吐出装置。
【請求項14】
前記制御手段が決定した前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項12または13に記載の吐出装置。
【請求項15】
吐出信号を生成する吐出信号生成手段と、
前記吐出信号の入力に従って前記吐出ヘッドの前記吐出口から前記液滴を吐出するための駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、を更に有し、
前記吐出ヘッドは前記駆動パルスが印加されることによって前記吐出口から液滴を吐出し、
前記時間検出手段は、前記吐出信号生成手段が前記駆動パルス生成手段に前記吐出信号を入力したタイミングを前記吐出口から前記液滴の吐出を開始したタイミングとして時間を検出することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項16】
吐出口を有する吐出ヘッドの前記吐出口から吐出された液滴が光を発光する発光部と前記発光部の発光する光を受光する受光部との間を通過する位置に前記吐出ヘッドがある状態で、前記受光部の受光量に基づいて前記吐出ヘッドから吐出された液滴を検出する液滴検出工程と、
前記吐出ヘッドが前記液滴の吐出を開始してから前記液滴が前記光を通過したことを検出するまでの時間を検出する時間検出工程と、
を有する吐出の制御方法であって、
前記液滴検出工程において前記吐出ヘッドの前記吐出口から連続して吐出された液滴を含む液滴を検出し、
前記時間検出工程において前記液滴検出工程にて検出した複数の液滴の、吐出の開始から前記液滴検出工程において液滴を検出するまでの時間である複数の時間を検出し、
前記複数の時間に基づいて、前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数を決定する決定工程と、
前記決定工程において決定した前記回数に従って前記吐出ヘッドの前記時間を検出するための液滴の吐出動作を行う吐出工程と、
を更に有することを特徴とする吐出の制御方法。
【請求項17】
前記複数の時間に基づいて、時間の検出の安定性を判定する判定工程を更に有し、
前記決定工程は、前記判定工程における判定に基づいて、前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数を決定することを特徴とする請求項16に記載の吐出の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吐出装置及び吐出の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット方式の記録装置においては、使用を続けていくと記録装置や記録ヘッドの個体差及びインクの特性、さらにはその使用状況や環境影響によってインク滴の吐出速度が変化することがある。インク滴の吐出速度が変化すると、例えば記録ヘッドの往復走査によって画像を記録するときには、往路方向で吐出したインク滴と復路方向で吐出したインク滴の着弾位置の関係がずれてしまい、画質に影響が生じる。
【0003】
特許文献1は、吐出するインクの吐出速度を計測する光学的検出器を備え、計測結果に基づき記録ヘッドの移動速度と吐出速度とから吐出タイミングを適切に設定するためのレジストレーション調整方法が開示されている。また、この文献にはインクの吐出速度の測定方法として、インクの吐出タイミングから光学的検出器から照射される光束に到達するまでの時間を測定し、その測定結果と記録ヘッドから光束までの距離に基づいて吐出速度を算出することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-152853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1において、測定誤差を小さくするために測定数を増やそうとすると却って測定誤差が大きくなることがあり得る。測定数を増やそうとインク滴を連続的に吐出すると、図7(b)に示すように測定環境の周囲にインクの主滴から分離したインクであるミストが増加する。ミストが周辺環境に増加した状態でインク滴を吐出すると、インク滴はより主滴とサテライトに分離し、主滴は小さくなりやすい。また、連続的に吐出することでリフィルが間に合わず、吐出するインクの主滴が小さくなることがある。このように主滴が小さくなると吐出速度が低下し、このため測定結果にばらつきが生じる虞がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、吐出された液滴の測定の精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、液滴を吐出する吐出口を備えた吐出ヘッドと、光を発光する発光部と前記発光部が発光した光を受光する受光部とを有する検知手段と、前記吐出ヘッドと前記検知手段が、前記吐出ヘッドから吐出された液滴が前記発光部と前記受光部との間を通過する位置となった状態で、前記受光部の光量に基づいて前記吐出ヘッドから吐出された液滴を検出する液滴検出手段と、前記吐出ヘッドが前記液滴の吐出を開始してから前記液滴検出手段により前記液滴が前記光を通過したことを検出するまでの時間を検出する時間検出手段と、を有する吐出装置であって、前記吐出ヘッドに前記吐出口から連続して複数の液滴を吐出させ、時間検出手段に前記複数の液滴を含む吐出された液滴それぞれについて吐出の開始から前記液滴検出手段が液滴を検出するまでの時間を検出させ、前記時間検出手段が検出した前記複数の液滴を含む吐出された液滴に夫々対応する複数の時間に基づいて前記時間の検出のために前記吐出ヘッドから連続して液滴を吐出する回数を決定し、決定した前記回数に従って、前記吐出ヘッドの前記時間を検出するための液滴の吐出動作を制御する制御手段をさらに有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、測定結果に基づいて連続吐出回数を決定することにより、測定の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る記録装置の外観を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る記録装置の内部構成を示す斜視図である。
図3】第1の実施形態における距離検出センサの内部構成と検出の例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図5】インク滴の吐出速度と着弾位置の相関関係を示す模式図である。
図6】第1の実施形態におけるインク滴の吐出速度の算出方法について説明するための図である。
図7】検出時間の測定時の記録ヘッドと液滴検出センサ付近の測定環境の様子を示す模式図である。
図8】第1の実施形態における検出時間と測定回数との関係を示すグラフである。
図9】第1の実施形態における測定条件を決定するタイミングを判断するフローチャートである。
図10】第1の実施形態における測定条件決定処理のフローチャートである。
図11】第1の実施形態における吐出速度の算出処理のフローチャートである。
図12】第2の実施形態における距離検出センサの内部構成と検出の例を示す図である。
図13】第2の実施形態における検出時間および吐出速度を示す図である。
図14】第3の実施形態における検出時間と測定回数の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
<記録装置の全体概要>
図1は、実施形態に係る液滴吐出装置の一例としてのインクジェット記録装置(以下、記録装置)100の外観を示す図である。
【0011】
図1に示す記録装置100は、出力された記録媒体を積載する排紙ガイド101、種々の記録情報や設定結果などを表示するための表示パネル103と、記録モードや記録紙などの設定をするための操作ボタン102などを備える。さらに記録装置100には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローなどの色のインクを貯留するインクタンクを収容し、液滴吐出ヘッドの一例として記録ヘッド201(図2)にインクを供給するインクタンクユニット104を備える。図1の記録装置は60インチサイズの記録媒体までの複数の幅の記録媒体に記録可能な記録装置である。記録媒体203はロール紙やカット紙を使用することができる。また、記録媒体203は紙に限られるものではなく、例えば布やビニールであってもよい。
【0012】
図2は、記録装置100の内部構成を示す斜視図である。プラテン212は記録ヘッド201と対向する位置に位置する記録媒体203を支持する部材である。記録媒体203は、プラテン212によって支持されながら、用紙搬送ローラ213によって搬送方向(Y方向)に搬送される。記録ヘッド201は、吐出口が形成された吐出口面201a(図5)を有している。吐出口面201aには、複数の吐出口がY方向に配列された吐出口列が各インク色毎に形成され、吐出口列はX方向に配列されている。記録ヘッド201はキャリッジ202に搭載される。また、記録ヘッド201は、プラテン212上の記録媒体203と記録ヘッド201との距離を検出するための距離検出センサ204を備える。距離検出センサ204は記録媒体203上に光を照射する発光素子(図3)、記録媒体203から反射する光を受光する受光素子(図3)を有し、受光素子の受光量の出力の変化から、距離を計測する光学センサである。詳しくは図3にて説明する。液滴検出センサ205は記録ヘッドから吐出される液滴、ここではインク滴を検出するセンサである。液滴検出センサ205は発光素子401(図5)、受光素子402(図5)、制御回路基板403(図5)を備える光学センサである。詳しくは図5にて説明する。メインレール206はキャリッジ202を支持するものであり、キャリッジ202はメインレール206に沿ってX方向(記録媒体の搬送方向に対して直交方向)に往復走査する。キャリッジ202の走査は、キャリッジ搬送ベルト207を介してキャリッジモーター208が駆動することにより行われる。リニアスケール209は走査方向に配設され、リニアスケール209をキャリッジ202に搭載されたエンコーダセンサ210が検出することで位置情報を取得する。さらに、記録装置100はキャリッジ202を支持するメインレール206の高さを段階的に可変するためのリフトカム(不図示)およびそのリフトカムを駆動するリフトモーター211を備える。リフトカムをリフトモーター211で駆動することで、記録ヘッド201を昇降させ、記録ヘッド201と記録媒体203の間の距離を接近させたり離間させたりすることができる。リフトカムの停止位置に基づき所定の精度で多段階に高さを可変することが可能で、その高さの可変量は所定段階の高さに対して相対的に駆動するため、高精度に段階間の変動距離を設定することができる。また、記録ヘッド201から吐出されたインク滴の主滴から分離し、記録ヘッド201とプラテン212の間に浮遊するミストを回収するための気流を発生させるミストファン(不図示)がプラテン212の下方に設けられている。ミストファンはファンモータ214(図4)によって駆動される。ミストファンは記録媒体に画像を記録する記録動作時に駆動し、ミストを回収する。設置位置はこれに限られず、ミストが記録に影響しない場所まで移動されるような位置であればよい。
【0013】
図3は、距離検出センサ204の内部構成と、記録媒体203の照射面との距離に応じて変化する照射領域と受光領域の光量(出力)変化を示した図である。図3(a)に示すように、距離検出センサ204内部には記録媒体203が搬送される位置に光源の点灯および消灯処理を行う制御基板701とその光を照射するための発光部702と、その反射光を受光する受光部703、受光部704を搭載している。本実施形態において、距離検出センサ204の記録媒体203と対向する面は記録ヘッド201の吐出口面201aとZ方向に同じ位置にある。そのため、距離検出センサ204によって測定した記録媒体203までの距離は、記録ヘッド201の吐出口面201aと記録媒体203との距離と対応する。さらに、受光部703、704で得られた反射光の強度を電流値もしくは電圧値の出力信号に変換し、その出力信号に対して所定の演算処理を行い、その結果をメモリ303に格納する。例えば、受光部703、704で得られた出力信号の比率値と、記録ヘッド201から記録媒体203までの距離との関係を示す距離情報データとして記憶する。図3(b)に距離と、出力信号と距離情報データの関係について示す。図3(b)に示すように、記録媒体203の照射面からの距離がM1の時は受光部704への反射光量が最大となり、受光部703への反射光量が最小となる。そのため距離検出センサ204の出力信号の比率値、すなわち距離情報データにおいても最小を示す。また、記録媒体の照射面がM3時は受光部703、704への反射光量がそれぞれピーク時の約半分となる。そのため距離検出センサの出力分布としては受光部703と受光部704が等しくなるため、距離検出センサ204の出力信号の比率値、すなわち距離情報データにおいても1となる。さらに、記録媒体の照射面がM5時は受光部704への反射光量が最小となり、受光部703への反射光量が最大となる。そのため距離検出センサの出力分布としては受光部704が最小、受光部703が最大を示し、距離検出センサ204の出力信号の比率値、すなわち距離情報データにおいても最大を示す。ここで、基準となる照射面の位置と距離検出センサ204の出力信号の比例値の関係に関して、予め求めておき、メモリ303に格納しておいてもよい。例えば、所定の厚さの記録媒体に対して検知される値を基準値として保持しておくことができる。さらに、記録ヘッド201から記録媒体203までの距離がM1~M5となるときの記録ヘッド201の位置と、その時の記録ヘッド201から液滴検出センサ205との距離を記憶しておくことも可能である。
【0014】
<ブロック図>
図4は、記録装置100の制御構成を示すブロック図である。記録装置100は、装置全体を制御するCPU301、各センサやモータを制御するセンサ・モーター制御部302、および吐出速度や記録媒体の厚さなどの各種情報を記憶するメモリ303を備える。CPU301、センサ・モーター制御部302、メモリ303は、互いに通信可能に接続される。センサ・モーター制御部302は、距離検出センサ204、液滴検出センサ205、キャリッジ202を走査するキャリッジモーター208、及びミストファンを駆動するためのファンモータ214を制御する。また、センサ・モーター制御部302は、エンコーダセンサ210で検出した位置情報に基づきヘッド制御回路305を制御し、記録ヘッド201からインクを吐出する。
【0015】
ホスト装置1から送信された画像データは、CPU301にて吐出信号に変換され、吐出信号に従って記録ヘッド201からインクが吐出されて記録媒体203への印刷が行なわれる。CPU301は、ドライバ部306、シーケンス制御部307、画像処理部308、タイミング制御部309、およびヘッド制御部310を含んで構成される。シーケンス制御部307は、記録制御全般を制御し、具体的には、各機能ブロックである画像処理部308、タイミング制御部309及びヘッド制御部310の起動および停止、記録媒体の搬送制御、キャリッジ202の走査制御等を行なう。各機能ブロックの制御は、シーケンス制御部307が各種プログラムをメモリ303から読み出して実行することにより実行される。ドライバ部306は、シーケンス制御部307からの指令に基づき、センサ・モーター制御部302、メモリ303、ヘッド制御回路305等への制御信号を生成し、また各ブロックからの入力信号をシーケンス制御部307へ伝達する。
【0016】
画像処理部308は、ホスト装置1からの入力画像データを色分解・変換し、記録ヘッド201で記録可能な記録データに変換する画像処理を行なう。タイミング制御部309は、キャリッジ202の位置と連動して、画像処理部308で変換・生成された記録データをヘッド制御部310に転送する。また、タイミング制御部309は、記録データの吐出のタイミングの制御も行なう。タイミング制御は、後述する吐出速度の算出処理において算出される吐出速度に基づいて決定された吐出タイミングに従って行う。ヘッド制御部310は、吐出信号生成手段として機能し、タイミング制御部309から入力された記録データを吐出信号に変換して出力する。また、シーケンス制御部307の指令に基づいてインクを吐出しない程度の制御信号を出力することによって記録ヘッド201の温度制御を行なう。ヘッド制御回路305は駆動パルス生成手段として機能し、ヘッド制御部310から入力された吐出信号に従って駆動パルスを生成し、記録ヘッド201に印加する。
【0017】
<吐出タイミングの調整>
次に、図5を用いて吐出タイミングの調整について説明する。図5(a)は、インク滴の吐出速度と着弾位置の関係を示す模式図である。記録ヘッド201の吐出口面201aと記録媒体203のZ方向の距離をHとする。記録ヘッド201はX方向に速度Vcrで往復走査しながらインクを吐出して記録媒体203に画像の記録を行う。記録ヘッド201から吐出されたインク滴の吐出速度をVaとする。図5(a)に示すように、往路方向の走査と復路方向の走査では走査方向が異なるために、インク滴を吐出した位置に対するインクの着弾位置が異なる。記録ヘッド201が吐出したインク滴の着弾位置を合わせるために、インク滴の吐出タイミングを調整する。まず、往路方向の走査においてインク滴を吐出した位置から記録媒体203上にインク滴が着弾する位置までの距離Xaは以下の計算式で記述される。
【0018】
Xa = (H / Va)× Vcr
さらに、復路方向の走査においてインク滴を吐出した位置から記録媒体203上にインク滴が着弾する位置までの距離Xbは以下の計算式で記述される。
【0019】
Xb =(H / Va)×(―Vcr)
= ―Xa
上記により、記録ヘッド201と記録媒体203の距離と、液滴検出センサ205により検出されたインク滴の吐出速度に基づき、エンコーダセンサ210が検出する記録ヘッド201の位置に対する適切な吐出タイミングが求められる。本実施形態では、予めデフォルトの吐出速度と、デフォルトの吐出速度に対する吐出タイミングが定められてメモリ303に保存されている。このデフォルトの吐出速度に対する吐出タイミングの調整値を0として、吐出速度に応じて調整値が-4から+4までの値で調整される。調整は1200dpi単位で行われる。この吐出速度と吐出タイミングの調整値が対応づけられたテーブルは予めメモリ303に保存しておく。そして、後述する図11の吐出速度の算出処理によって取得した速度に応じた吐出タイミングの調整値をテーブルから取得し、吐出タイミングの調整を行う。
【0020】
また、図5(b)は、液滴検出センサ205により検出されたインク滴の吐出速度が上記図5(a)で示すインク滴の吐出速度から下がった場合を示している。このとき、往路方向の走査においてインク滴を吐出した位置から記録媒体203上にインク滴が着弾する位置までの距離Xa’は以下の計算式で記述される。
【0021】
Xa’ = (H / Va’)× Vcr
仮に、記録ヘッド201に吐出したインク滴が記録媒体203に着弾するまでのインク滴の吐出速度が10%減衰していたと仮定すると、以下のように吐出位置から着弾位置までの距離を求めることができる。
【0022】
Xa’= (H / Va’)× Vcr
= (H / (Va×0.9))× Vcr
= 1.11×Xa
以上のように、吐出速度が遅くなると、着弾位置は記録ヘッド201が走査する方向にずれる。吐出位置から着弾位置までの距離が求められると、図5(a)と同様に、吐出速度に基づいて適切な吐出タイミングの調整値を求めることができる。尚、第1の実施形態では、記録媒体203は十分薄いとし、記録ヘッド201の吐出口面201aと記録媒体203の距離は、吐出口面201aとプラテン212の距離と同じ距離であると見なすことができるとする。
【0023】
<吐出速度の算出>
次に、図6を用いて本実施形態における、記録ヘッド201から吐出されるインク滴の吐出速度の算出方法を説明する。図6は記録装置100をY-Z断面で切断した時の記録ヘッド201と液滴検出センサ205の模式図を示す。また、記録ヘッド201に駆動パルスを印加するための吐出信号と、液滴検出センサ205がインク滴の通過を検知したときの検出信号のタイミングチャートを示す。
【0024】
図6に示すように記録ヘッド201は吐出口面201aを有している。液滴検出センサ205は発光素子401、受光素子402、制御回路基板403などから構成されている。発光素子401は光404を発し、受光素子402は発光素子401が発光した光404を受光する。受光素子402が受光した受光量を制御回路基板403が検出する。光404をインク滴が通過すると受光量が少なくなるため、インク滴の通過を検出することができる。液滴検出センサ205は、光404の光軸がプラテン212の記録媒体203を支持する側の表面とZ方向に同じ位置になるように設置されている。発光素子401および受光素子402の近傍にはそれぞれスリットが設けられ、入射する光404を絞り込んでS/N比を向上させる。X方向において、液滴検出センサ205の光404の中を記録ヘッド201が吐出したインク滴が通過するような液滴検出センサ205と記録ヘッド201との位置関係を、検出用の位置関係とする。インク滴の吐出速度を算出するためにインク滴を検出する際には、シーケンス制御部307によってセンサ・モーター制御部302はキャリッジモーター208が制御され、記録ヘッド201は検出可能位置に移動する。本実施形態における光404の光束の断面積は1(mm^2)程度とする。そして、インク滴が光404を通過した場合のインク滴の平行光射影面積は2^-3(mm^2)程度とする。
【0025】
図6は、記録ヘッド201の吐出口面201aと発光素子401が発光する光404との高さ方向(Z方向)の距離がH1であるときの様子を示している。吐出口面201aと光404との距離がH1でない場合にはセンサ・モーター制御部302はリフトモーター211を駆動してリフトカムによって記録ヘッド201の高さを移動させる。図6に示す状態になると、CPU301内のヘッド制御部310からの吐出信号がドライバ部306を介してヘッド制御回路305に送信される。ドライバ部306は吐出信号を送信したタイミングをシーケンス制御部307へ伝達する。ヘッド制御回路305は吐出信号に従って駆動パルスを発生させ、記録ヘッド201に印加することで吐出口からインクを吐出させる。発光素子401が発光する光404をインク滴が通過して受光素子402が受光する受光量が変化すると、受光量が変化したタイミングが制御回路基板403にて検出信号として出力される。出力した検出信号はセンサ・モーター制御部302を介してシーケンス制御部307に送られる。そしてシーケンス制御部307は、ドライバ部306からヘッド制御回路305に吐出信号が送信されたタイミングを吐出が開始されたタイミングとして、吐出信号が送信されてから検出信号が出力されるまでの検出時間T1を検出する。以上のように、シーケンス制御部307はインクの吐出開始から吐出したインク滴が検出されるまでの時間を検出する時間検出手段として機能し、吐出速度を算出するための検出時間を検出する。本実施形態では、ヘッド制御回路305に吐出信号が送信されたタイミングを吐出が開始されたタイミングとした。しかし記録ヘッド201の構造等によっては、ヘッド制御回路305に吐出信号が入力されてから実際にインク滴が吐出されるまでに時間がかかる場合がある。そのような構成の場合には、吐出信号が送信されたタイミングから所定時間後から検出信号が出力されるまでの時間を検出時間とすることができる。
【0026】
検出時間T1を検出すると、シーケンス制御部307は検出時間T1と距離H1から吐出速度Vを算出する。算出式は以下のようになる。
【0027】
V=H1/T1
以上のように吐出速度を算出することができる。
【0028】
<測定条件の決定>
次に検出時間の測定条件の決定について説明する。本実施形態では、吐出速度を算出するために複数回、ここでは合計1000回検出時間を測り、測定した検出時間に基づいて吐出速度を算出する。本実施形態において、検出時間を測定するときには、吐出したインク滴が気流の影響を受けることを避けるためにミストファンは駆動しない。
【0029】
図7に検出時間の測定時の記録ヘッド201と液滴検出センサ205付近の測定環境の様子を示す模式図を示す。図7(a)は測定環境にあまりミストが舞っていない場合を、図7(b)は測定環境にミストが多く舞っている場合の様子を示している。測定のためのインク滴の吐出を開始した直後は図7(a)に示すようにミストはあまり舞っていない。しかし、吐出回数が増えていくと図7(b)に示すようにミストが多く舞う状態になる。このようなミストが多く発生している環境において吐出を行うと吐出したインク滴が主滴とサテライトに分離しやすくなり、吐出速度が落ちるので検出される検出時間が長くなる。また、ミストが舞っていない状態でも連続吐出を行うことによりリフィルが間に合わなくなった場合には、吐出されるインク滴が小さくなることによって検出時間が長くなる。
【0030】
図8に検出時間と測定回数との関係を示すグラフを示す。図8(a)は1000回連続して吐出を行った場合の検出時間を示す。図8(a)に示すように測定回数が増えていくと検出時間が長くなっている。また、検出時間の増加傾向は、インクの組成や、製造バラツキによる記録ヘッドの特性により異なる。
【0031】
そこで、本実施形態においては安定した検出時間の検出が行えるような測定条件を決定する。ここでは同じ吐出口から連続して吐出する回数を決定する。本実施形態においては、所定の吐出口についての検出時間の測定を行っている期間は別の吐出口についての検出時間の測定は行わない。図9に測定条件を決定するタイミングを判断するフローチャートを示す。本処理は記録ヘッド201が記録装置100に装着されたときに行う処理であり、例えばメモリ303に格納されたプログラムに従ってCPU301のシーケンス制御部307が行う処理である。
【0032】
まず、ステップS501で、装着された記録ヘッド201が記録装置100に初めて装着される記録ヘッド201か否かを判定する。判定は記録ヘッド201内のメモリを読み出すことによって行われる。初めて装着されたと判定された場合はステップS502に進み、測定条件決定処理を行う。この処理で、検出時間の測定において何回連続して吐出を行うかを決定する。測定条件決定処理について詳しくは図10で説明する。ステップS501にて初めて装着された記録ヘッドではないと判定された場合には、メモリ303に記憶してある測定条件を選択する。
【0033】
次に、ステップS504にて吐出速度算出処理を行う。吐出速度の算出に使用する検出時間の検出はステップS502或いはステップS503で決定した測定条件に基づいて行う。吐出速度算出処理について詳しくは図11で説明する。
【0034】
図10に測定条件決定処理のフローチャートを示す。
【0035】
まず、ステップS601にて、第一の測定条件として連続して1000回インク滴を吐出した場合の検出時間を測定する。尚、本処理使用する第一から第四の測定条件はメモリ303に予め記憶してある。
【0036】
次に、ステップS602にて、ステップS601で測定した検出時間が安定しているか否かを判定する。安定しているか否かは、測定した検出時間のばらつきによって判定する。例えば測定値から分散を求め、求めた分散が所定値以内であれば安定と判定する。また、測定値の平均値から±5%の範囲に入っている検出時間が80%以上の場合には安定していると判定してもよい。他にも、例えば測定した検出時間の時系列データの近似曲線の式を求め、その係数が所定の値以下であれば安定と判定することもできる。また範囲の設定についても割合ではなく固定の値であってもよい。安定していると判定された場合にはステップS603に進み、安定していないと判定された場合にはステップS604に進む。
【0037】
ステップS603に進んだ場合には、測定において連続して1000回インク滴を吐出して測定を行うことを決定し、ステップS611にてステップS603で決定した測定条件をメモリ303に記憶する。
【0038】
ステップS611の処理が完了するとステップS612に進み、全てのインク色について測定条件を決定したかを判定する。全てのインク色についての測定条件を決定したと判定した場合には本処理を終了する。全てのインク色についての測定条件を決定していないと判定した場合にはまだ測定条件を決定していないインク色についてステップS601から処理を行う。
【0039】
ステップS604に進んだ場合には、第二の測定条件として連続して100回吐出し、その後ウェイトする、という動作を10回繰り返し、1000回吐出した場合の検出時間を測定する。
【0040】
そして、ステップS605にて、ステップS604で測定した検出時間が安定しているか否かを判定する。判定は、ステップS604で測定した1000回の検出時間のばらつきによって判定する。ばらつきの求め方はステップS602と同じように計算することができる。連続吐出の回数を変化させたことで検出において改善が見られたかを評価する上では、計算の仕方および判定基準は、ステップS602と同じことが望まれるが、適宜変更しても差し支えない。安定していると判定された場合にはステップS606にて連続100回の吐出を10回繰り返して検出時間を測定することを決定し、ステップS611にてステップS606で決定した測定条件をメモリ303に記憶する。
【0041】
ステップS604において安定していないと判定された場合にはステップS607に進み、第三の測定条件である連続して10回吐出し、その後ウェイトする、という動作を100回繰り返し、1000回吐出した場合の検出時間を測定する。
【0042】
次に、ステップS608にて、ステップS607で測定した検出時間が安定しているか否かを判定する。判定は、ステップS607で測定した1000回の検出時間のばらつきによって判定する。ばらつきの求め方はステップS602と同じように計算することができる。連続吐出の回数を変化させたことで検出において改善が見られたかを評価する上では、計算の仕方および判定基準は、ステップS602、ステップS604と同じことが望まれるが、適宜変更しても差し支えない判定方法はステップS602と同様の方法である。安定していると判定された場合にはステップS609にて連続10回の吐出を100回繰り返して検出時間を測定することを決定し、ステップS611にてステップS609で決定した測定条件をメモリ303に記憶する。
【0043】
ステップS608において安定していないと判定された場合にはステップS610に進む。ステップS610では第四の測定条件である1回吐出する毎にウェイトを入れ、1000回吐出することで検出時間を測定することを決定し、ステップS611にてステップS610で決定した測定条件をメモリ303に記憶する。
【0044】
以上のようにして各インク色についての検出時間の測定条件を決定する。インク色によって同じ条件を設定することができる場合には、1つのインク色について図10の処理を実行して測定条件を決定し、他のインク色については1つのインク色について決定した測定条件に決定するようにしてもよい。また、本実施形態では決定する全ての測定条件において合計1000回の検出時間が測定できるような条件を設定したが、第二から第四の測定条件についてはウェイト時間が入るため、測定に時間がかかる。測定時間を短縮するために合計の検出回数が少なくなるような測定条件を設定してもよい。
【0045】
また、図10においては検出時間の安定性を判定したが、吐出速度まで算出し、吐出速度の安定性を判定することによって測定条件を求めてもよい。
【0046】
本実施形態は、所定の吐出口についての検出時間を測定している期間は、別の吐出口についての検出時間を測定しないとしたが、同じ期間において所定の吐出口と別の吐出口の検出時間を測定するようにしてもよい。2つの吐出口が、お互いのミストの影響を受けるような位置にある場合には、2つの吐出について考慮して測定条件を設定するようにしてもよい。
【0047】
<吐出速度算出処理>
図11に、図6で説明した吐出速度の算出方法に対応し、図9のS504の処理である、吐出速度の算出処理のフローチャートを示す。
【0048】
図11の吐出速度の算出処理は、記録装置100のユーザーが記録装置100を初めて動作させる初期設置の動作時や、記録ヘッド201を新しいものに交換して装着されたときなどに行う処理である。また、メンテナンスとして定期的に行われたり、ユーザーの指示に従って行われたりしてもよい。図7の処理は、例えばメモリ303に格納されたプログラムに従ってCPU301のシーケンス制御部307が行う処理である。
【0049】
まず、ステップS601では、シーケンス制御部307はリフトモーター211を駆動させ、記録ヘッド201と液滴検出センサ205を所定距離だけ離間させる。離間させる距離は、予めメモリ303に設定してあり、本実施形態では図5で説明した距離H1~H4である。離間する距離の順番は図5で説明した通り、距離H1、H2、H3、H4の順番とする。
【0050】
次にステップS602に進み、吐出速度を検出するために必要な前処理を実行する。詳しくは、吐出速度を検出するために最適な吐出制御の事前設定や、インク滴の安定吐出のための予備吐出動作、さらには記録装置内部の気流制御の安定化のためのミストファン停止動作、などが挙げられる。
【0051】
次にステップS603に進み、液滴検出センサ205の発光素子401が発光する光404に対し、記録ヘッド201から検査用のインク滴を吐出する吐出動作を図10の測定条件決定処理において決定した条件に従って実行する。詳しくは、ステップS601で離間した距離H1において、記録ヘッド201の所定のノズルからインク滴の吐出を開始してから液滴検出センサ205の受光素子402が、光404をインク滴が通過したことを検出するまでの時間である検出時間を検出する。このとき、検出時間は、記録ヘッド201の複数のノズルを用いて複数の検出時間を検出する。検出時間の測定を行う対象のノズルは、吐出速度を精度よく検出するために両端および中心を含む広範のノズルが選択されることが望ましい。
【0052】
次にステップS604に進み、ステップS603で取得した検出時間のデータ処理を実行し、ステップS601で離間させた距離に対する検出時間を算出する。詳しくは、検出時間の測定の安定化のために必要な取得サンプル数に基づき平均化処理やデータの異常値混入を防ぐための上下誤差範囲外データの削除などのデータ処理を実行する。
【0053】
ステップS605では、吐出速度の算出を実行する。詳しくは、図6を用いて説明したように、距離H1において測定した検出時間に基づいて吐出速度を算出する。吐出速度を算出するとステップS606に進み、ステップS605で算出した吐出速度の情報をメモリ303に保存する。ここで保存した吐出速度情報は、以降、必要な処理に応じてデータ処理および記録ヘッド201の駆動制御に使用される。
【0054】
次にステップS607に進み、終了処理を行う。詳しくは、吐出速度の算出が完了したため、記録ヘッド201を所定位置に退避させたり、次回記録動作処理のための待機状態に移行したり、さらには取得した吐出速度情報に基づき、記録ヘッド201のクリーニング処理、などに移行し、その後本処理は終了する。
【0055】
図11の吐出速度算出処理が終了すると、メモリ303に予め保存された吐出速度と吐出タイミングの調整値が対応づいたテーブルと、図11の処理によって取得した吐出速度に基づいて吐出タイミングの調整値をテーブルから取得する。そして、取得した調整値に基づいて吐出タイミングの調整を行う。画像の印刷を行う際には、タイミング制御部309によって記録データに従ってインクを吐出するタイミングの制御を行う。
【0056】
以上、本実施形態によれば、吐出速度を算出するために測定する検出時間の測定条件を決定することで、インクの組成や、製造バラツキによる記録ヘッドの特性の影響を抑えて検出時間を安定的に測定することができる。これにより吐出速度の算出精度を向上することができる。また、連続吐出できる場合には連続吐出を行って測定を行うことで測定時間の増大を抑えつつ測定を行うことができる。
【0057】
尚、本実施形態では検出時間の測定を行っている間はミストファンを停止していたが、測定中にウェイトを入れる測定条件の場合には、ウェイト中にミストファンを駆動し、ミストを回収してもよい。
【0058】
また、上記の実施形態においては、第一の測定条件である連続1000回の吐出において検出時間が安定していた場合は第一の測定条件を測定条件としていた。他にも、すべての測定条件において検出時間を測定し、その中から最も安定している条件を選択するようにしてもよい。
【0059】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、記録ヘッド201の吐出口面から液滴検出センサ205の距離がH1の場合の検出時間から吐出速度を算出した。本実施形態では、複数の距離の場合の検出時間を測定し、吐出速度を算出する。第1の実施形態と同様の部分については省略する。
【0060】
<吐出速度の算出>
図12を用いて本実施形態における、記録ヘッド201から吐出されるインク滴の吐出速度の算出方法を説明する。図12は記録装置100をY-Z断面で切断した時の記録ヘッド201と液滴検出センサ205の模式図を示す。また、記録ヘッド201に駆動パルスを印加するための吐出信号と、液滴検出センサ205がインク滴の通過を検知したときの検出信号のタイミングチャートを示す。
【0061】
図12(a)は、記録ヘッド201の吐出口面201aと液滴検出センサ205の発光素子401が発光する光404との高さ方向(Z方向)の距離をH1としたときの様子を示している。第1の実施形態と同様の方法で検出時間を検出する。まず、吐出口面201aと光404との距離がH1でない場合にはセンサ・モーター制御部302はリフトモーター211を駆動してリフトカムによって記録ヘッド201の高さを移動させる。図5(a)に示す状態になると、CPU301内のヘッド制御部310からの吐出信号がドライバ部306を介してヘッド制御回路305に送信される。ドライバ部306は吐出信号を送信したタイミングをシーケンス制御部307へ伝達する。ヘッド制御回路305は吐出信号に従って駆動パルスを発生させ、記録ヘッド201に印加することで吐出口からインクを吐出させる。発光素子401が発光する光404をインク滴が通過して受光素子402が受光する受光量が変化すると、受光量が変化したタイミングが制御回路基板403にて検出信号として出力される。出力した検出信号はセンサ・モーター制御部302を介してシーケンス制御部307に送られる。そしてシーケンス制御部307は、吐出信号が発せられてから検出信号が出力されるまでの検出時間T1を検出する。
【0062】
図12(b)は、図12(a)にてインク滴を吐出した後に、リフトモーター211を駆動し、吐出口面201aと発光素子401が発光する光404との高さ方向(Z方向)の距離をH2としたときの様子を示している。図12(a)と同様に、インク滴が液滴検出センサ205の光404を通過した時の、受光素子402の受光量が変化したタイミング検出信号として出力される。そして、記録ヘッド201にインク滴を吐出させる吐出信号が発せられてから検出信号が出力されるまでの検出時間T2がシーケンス制御部307にて検出される。
【0063】
本実施形態では、図12(a)および図12(b)の状態で検出時間T1、T2を検出すると、シーケンス制御部307は検出時間T1と検出時間T2の時間差と、距離H1と距離H2の距離差と、に基づき、距離H2から距離H1の間を通過するインク滴の吐出速度V1を算出する。算出式は以下のようになる。
【0064】
V1=(H2-H1)/(T2-T1)
吐出速度V1を算出すると、リフトモーター211を駆動し、吐出口面201aと光404との高さ方向の距離を距離H2よりも更に離間させたH3にする。このときの状態を図12(c)に示す。図12(a)および図12(b)と同様に、記録ヘッド201の吐出口からインク滴を吐出し、吐出したインク滴が液滴検出センサ205の光404を通過したときの光量が変化したタイミングを制御回路基板403にて検出信号として検出する。そして、記録ヘッド201にインク滴を吐出させる吐出信号が発せられてから検出信号が出力されるまでの検出時間T3がシーケンス制御部307にて検出される。図12(a)、図12(b)で説明した時と同じように、距離H2と距離H3においてそれぞれ検出した検出時間T2と検出時間T3の差と、距離H2と距離H3の距離差とに基づき、距離H3から距離H2の間を通過するインク滴の吐出速度V2を算出する。算出式は以下のようになる。
【0065】
V2=(H3-H2)/(T3-T2)
吐出速度V2を算出すると、さらにリフトモーター211を駆動し、吐出口面201aと光404との高さ方向の距離を距離H3よりも更に離間させたH4にする。このときの状態を図12(d)に示す。図12(a)、図12(b)および図12(c)と同様に、記録ヘッド201の吐出口からインク滴を吐出する。そして、吐出したインク滴が液滴検出センサ205の光404を通過したときの光量が変化したタイミングを制御回路基板403によって検出し、検出信号を出力する。そして、記録ヘッド201にインク滴を吐出させる吐出信号が発せられてから検出信号が出力されるまでの検出時間T4がシーケンス制御部307にて検出される。図12(a)~図12(c)で説明した時と同じように、距離H3と距離H4においてそれぞれ検出した検出時間T3と検出時間T4との差と、距離H3と距離H4の距離差とに基づき、距離H4から距離H3の間を通過するインク滴の吐出速度V3を算出する。算出式は以下のようになる。
【0066】
V3=(H4-H3)/(T4-T3)
以上のように、記録ヘッド201と液滴検出センサ205との距離を変化させ、それぞれの距離における検出時間を検出することによってインク滴の吐出速度Vを算出する。以上では、短い距離から順に検出時間を検出していったが、検出順はこれに限られない。例えば距離が長い方から順に検出しても良い。本実施形態において、離間させる距離Hは1.2mm-2.2mmの間の距離である。
【0067】
また、記録ヘッド201と液滴検出センサ205の距離について、更に多くの距離での検出時間を測り、吐出速度を算出してもよい。多くの距離に対応する吐出速度が算出できるため、吐出速度の減衰影響(吐出速度が距離によって一定か、もしくは変化しているかどうか)をより詳細に取得することができる。その結果、より高精度にインク滴の吐出速度と減衰影響を取得することが可能である。
【0068】
図13(a)、(c)は、図12で説明した、吐出口面201aと液滴検出センサ205の光404の距離と、それぞれの距離における検出時間の出力結果を示す図である。図13(b)、(d)はそれぞれ図13(a)、(c)に示す距離と検出時間から算出した吐出速度と、各距離の差との関係を示す図である。
【0069】
図13(a)に示すグラフにおいて、縦軸はシーケンス制御部307で検出される検出時間を示し、横軸を記録ヘッド201の吐出口面201aと液滴検出センサ205の光404の距離を示す。図13(a)において斜線付き丸で示す箇所が実際に測定した箇所である。ここでは距離H1~H5のときに検出を行っている。距離H5は距離H4よりも更に離れた距離である。
【0070】
図13(b)に示すグラフにおいて、縦軸は吐出速度を示し、横軸は離間させた各距離の差を示す。このとき、算出した吐出速度のデータは、種々の影響から非線形に推移するデータが得られることがある。そのため、距離の差ごとに示す吐出速度のデータについてより精度よく算出するために、取得した吐出速度のデータから、2次以上の多項式の近似曲線を求め、求めた近似曲線の多項式を吐出速度を表す式とする。近似曲線を求めるためには、3つ以上吐出速度を用いる。3つ以上の吐出速度を算出するためには、4つ以上の距離における検出時間を検出する必要がある。吐出速度の求め方は上述した通りである。
【0071】
また、記録ヘッドの個体差およびインク色ごとの物性の差、さらにはその使用状況や環境影響によっては線形的に推移するデータが得られる可能性もあることが、発明者の実験により判明している。このような線形的に推移する場合のデータを図13(c)に示す。この場合も、上記と同様に、各距離における検出時間と、吐出口面201aと光404との距離の差から吐出速度を算出することができる。算出した吐出速度と距離の差との関係を示す図を図13(d)に示す。図13(d)に示すように、各距離の差において算出した吐出速度はどの距離の差においても一定の吐出速度を示す。線形に移行するデータが得られることが分かっている場合には、距離に関わらず一定の吐出速度のため、1つの吐出速度を求めればよい。1つの吐出速度を算出するためには2つの距離における検出時間を検出すればよい。
【0072】
また、吐出速度の推移が非線形であっても、吐出口面201aと記録媒体203との距離が一定の距離の場合にのみ記録を行う場合には近似曲線の算出を必ずしも行う必要はない。その場合には、記録を行う際の距離が間に含まれる2つの距離における検出時間を検出すればよい。
【0073】
本実施形態の吐出速度の算出処理は、第1の実施形態の図11の処理において、ステップS601~S603の処理を距離H1~H4について行い、ステップS605において上述したように吐出速度を算出するように実行される。
【0074】
吐出タイミングの調整は、第1の実施形態と同様の方法によって調整する。
【0075】
<測定条件の決定>
測定条件を設定するタイミングの決定処理は第1の実施形態の図9と同様の処理を行う。
【0076】
ステップS502の測定条件決定処理について、第1の実施形態の図10と同様のsy理を行って測定条件を決定する。このとき検出時間を測定する吐出口面201aと発光素子401が発光する光404との距離は予め設定されてメモリ303に記憶してある距離とし、距離H1~H4のいずれかである。また、複数の距離において検出時間を測定し、それぞれにおいて安定性を判定し、その中で最も連続吐出回数が少ない測定条件に決定するようにしてもよい。
【0077】
以上説明したように、本実施形態では、記録ヘッド201と液滴検出センサ205の距離を変化させ、複数の距離ごとにインク滴の吐出から検知までの時間を検出した。そして、各距離の差と、検出時間の差とに基づいて吐出速度を算出する。これにより、高精度に組み立てた状態でなくとも、高精度にインク滴の吐出速度を算出することができる。また、さらに4つ以上の距離の検出時間を検出することにより、記録装置や記録ヘッドの個体差およびインク色ごとの物性、さらにはその使用状況や環境影響と、離間した距離ごとにおける吐出速度の減衰影響についてもより精度よく取得することができる。
【0078】
なお、上述の処理においては、液滴検出センサ205に対して、記録ヘッド201が移動して距離を変化させる構成としたが、液滴検出センサ205と記録ヘッド201とのZ方向の距離が相対的に変化すればよい。そのため、例えば液滴検出センサ205をZ方向に移動させて距離を変化させるようにしてもよい。
【0079】
(第3の実施形態)
前回吐出してから暫くインクを吐出していない状態である場合には、吐出口を介して大気に触れている部分からインクの水分が蒸発し、吐出口付近のインクの粘度が下がる。このような状態において吐出すると吐出量および吐出速度に影響を与えることがある。本実施形態ではこのような影響を考慮して吐出速度を算出する。上述の実施形態と同様の部分については省略する。
【0080】
以下に説明することは、図9のステップS502の測定条件の決定処理と、図11の吐出速度算出処理に適用することができる。
【0081】
図14は、暫くインクを吐出していない状態から、検出時間を測定し始めた場合の検出時間と測定回数の関係を示すグラフである。このときの検出時間の測定はミストの影響が小さくなるような測定条件下で行われている。図14に示すように、測定回数1回目から10回目までに測定された検出時間はデータのばらつきが大きく、安定していない。そこで、吐出の状態が安定している状態において検出時間を測定できる状態になるまでの、所定数のデータを、吐出速度を算出の算出に使用するデータから除外する。除外するデータ数は当業者が予め実験等により予め設定する数である。また、除外するデータ数は、前回の吐出からの経過時間によって変化させてもよい。吐出速度の算出は上述の実施形態に記載の方法によって算出する。
【0082】
また、吐出回数が増えていくにしたがって記録ヘッド201の温度が上がるのでインクの粘度が下がる。そのため記録ヘッド201に一定量の駆動エネルギーを印加した場合であっても、記録ヘッドの温度やインクの温度によって吐出されるインク滴の量が変化し、吐出速度が変化する。吐出速度の算出に使用する検出時間の安定性をより高めるために、測定された時系列データに基づき、所定の測定回数ごとに単純移動平均を用いてもよい。その場合には、単純移動平均により求められた検出時間のうち、安定していると判断された区間のデータを用いて、吐出速度の算出を行う。
【0083】
また、測定の対象となるインク色の特性や周囲の環境変化による変化の影響を考慮して重み付けを行ない、加重移動平均を使用する構成であっても適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
100 記録装置
201 記録ヘッド
203 記録媒体
204 距離検出センサ
205 液滴検出センサ
301 CPU
302 センサ・モーター制御部
303 メモリ
図1
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