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特許7512127情報処理プログラム、情報処理方法及び改札装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理方法及び改札装置
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20240701BHJP
【FI】
G07B15/00 H
G07B15/00 T
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020138335
(22)【出願日】2020-08-19
(65)【公開番号】P2022034581
(43)【公開日】2022-03-04
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉谷 大輔
(72)【発明者】
【氏名】牧野 道成
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-209661(JP,A)
【文献】特開2017-162012(JP,A)
【文献】特開2021-144372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
改札装置のコンピュータを、
列車の乗車に用いるチケットに記憶された情報であるチケット記憶情報を、読取手段によって読み取らせる読取制御手段、
前記チケット記憶情報を、所定のサーバ装置へと送信手段によって送信させる第1送信制御手段、
前記第1送信制御手段が前記チケット記憶情報を前記サーバ装置へと送信手段によって送信させた際に、前記サーバ装置との間に通信障害が生じていた場合に、前記チケット記憶情報を、記憶手段に記憶させる記憶制御手段、
前記第1送信制御手段が前記チケット記憶情報を送信手段によって送信させてからの経過時間に係る情報を取得する第1取得手段、
として機能させ、
前記記憶制御手段は、
前記第1取得手段が取得する経過時間が所定の時間を過ぎても、前記サーバ装置から所定の情報を取得できない場合に、前記チケット記憶情報を前記記憶手段に記憶させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、
前記サーバ装置との間の前記通信障害の復旧につき知得する知得手段、
前記知得手段が通信障害の復旧につき知得した場合に、前記記憶手段に記憶された前記チケット記憶情報を、前記サーバ装置へと送信手段によって送信させる第2送信制御手段、
としてさらに機能させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、
前記第1取得手段が取得する経過時間が所定の時間を過ぎても、前記サーバ装置から所定の情報を取得できない場合に、前記チケット記憶情報を、前記サーバ装置へと送信手段によって再度送信させる第3送信制御手段としてさらに機能させ、
前記記憶制御手段は、
前記第1取得手段が取得する経過時間が、前記第3送信制御手段が前記チケット記憶情報を送信手段によって再度送信させてから所定の時間を過ぎても、前記サーバ装置から所定の情報を取得できない場合に、前記チケット記憶情報を前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、
前記改札装置における前記チケットの所持者の入出場の可否の判定結果に係る情報を、前記サーバ装置から取得する第2取得手段、
としてさらに機能させ、
前記記憶制御手段は、前記第1取得手段が取得する経過時間が所定の時間を過ぎても、前記第2取得手段が前記サーバ装置から前記入出場の可否の判定結果に係る情報を取得できない場合に、前記チケット記憶情報を前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記チケットの内容に係る情報を、前記サーバ装置から取得する第3取得手段、
としてさらに機能させ、
前記記憶制御手段は、前記第1取得手段が取得する経過時間が所定の時間を過ぎても、前記第3取得手段が前記サーバ装置から前記チケットの内容に係る情報を取得できない場合に、前記チケット記憶情報を前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記読取手段が前記チケット記憶情報を読み取ったチケットが、正規に発行されたチケットであるかを判定する正規券判定手段、
としてさらに機能させ、
前記第1送信制御手段は、前記正規券判定手段が正規に発行されたチケットであると判定した場合に、前記チケット記憶情報を、所定のサーバ装置へと送信手段によって送信させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
列車の乗車に用いるチケットに記憶された情報であるチケット記憶情報を、読取手段によって読み取らせる読取制御ステップと、
前記チケット記憶情報を、所定のサーバ装置へと送信手段によって送信させる送信制御ステップと、
前記送信制御ステップにおいて前記チケット記憶情報を前記サーバ装置へと送信手段によって送信させた際に、前記サーバ装置との間に通信障害が生じていた場合に、前記チケット記憶情報を、記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、
前記送信制御ステップが前記チケット記憶情報を送信手段によって送信させてからの経過時間に係る情報を取得する取得ステップ、
を含み、
前記記憶制御ステップは、
前記取得ステップが取得する経過時間が所定の時間を過ぎても、前記サーバ装置から所定の情報を取得できない場合に、前記チケット記憶情報を前記記憶手段に記憶させることを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
列車の乗車に用いるチケットに記憶された情報であるチケット記憶情報を、読取手段によって読み取らせる読取制御手段と、
前記チケット記憶情報を、所定のサーバ装置へと送信手段によって送信させる送信制御手段と、
前記送信制御手段が前記チケット記憶情報を前記サーバ装置へと送信手段によって送信させた際に、前記サーバ装置との間に通信障害が生じていた場合に、前記チケット記憶情報を、記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記送信制御手段が前記チケット記憶情報を送信手段によって送信させてからの経過時間に係る情報を取得する取得手段と、
を備え、
前記記憶制御手段は、
前記取得手段が取得する経過時間が所定の時間を過ぎても、前記サーバ装置から所定の情報を取得できない場合に、前記チケット記憶情報を前記記憶手段に記憶させることを特徴とする改札装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理方法及び改札装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、駅における列車の利用者の改札内への入場時及び改札内からの出場時の入出場の履歴に係る情報の取得は、自動改札機により自動的に行うことが主流となっており、このような自動改札機による処理を円滑に行うことを目的とした種々のシステムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6668112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような自動改札機においては、利用者の入出場の履歴に係る情報の記録(入出場の履歴に基づくチケットの利用状況に係る情報の更新)は、自動改札機自体ではなく、所定のサーバにおいて行われる場合も存在するところ、このような場合において、自動改札機とサーバとの間に通信障害が発生してしまうと、利用者の入出場の履歴に係る情報につき記録することができなくなる。
しかし、このような状態では、例えば、入場履歴が記録されていなかった場合に、出場時に利用者が改札で止められてしまうおそれがあり、また、使用済みにもかかわらず入出場に係る履歴が記録されなかったチケットが生じた場合に、このようなチケットを利用者が悪用(使用済みのチケットの再使用や払い戻し等)するおそれも否定できないことから、好ましくなかった。
【0005】
本発明の課題は、通信障害時において、利用者の入出場の履歴に係る情報につき記録することができなくなるおそれを低減できる情報処理プログラム、情報処理方法及び改札装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、情報処理プログラムにおいて、
改札装置のコンピュータを、
列車の乗車に用いるチケットに記憶された情報であるチケット記憶情報を、読取手段によって読み取らせる読取制御手段、
前記チケット記憶情報を、所定のサーバ装置へと送信手段によって送信させる第1送信制御手段、
前記第1送信制御手段が前記チケット記憶情報を前記サーバ装置へと送信手段によって送信させた際に、前記サーバ装置との間に通信障害が生じていた場合に、前記チケット記憶情報を、記憶手段に記憶させる記憶制御手段、
前記第1送信制御手段が前記チケット記憶情報を送信手段によって送信させてからの経過時間に係る情報を取得する第1取得手段、
として機能させ、
前記記憶制御手段は、
前記第1取得手段が取得する経過時間が所定の時間を過ぎても、前記サーバ装置から所定の情報を取得できない場合に、前記チケット記憶情報を前記記憶手段に記憶させることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理プログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記サーバ装置との間の前記通信障害の復旧につき知得する知得手段、
前記知得手段が通信障害の復旧につき知得した場合に、前記記憶手段に記憶された前記チケット記憶情報を、前記サーバ装置へと送信手段によって送信させる第2送信制御手段、
としてさらに機能させることを特徴とする。
【0009】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の情報処理プログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記第1取得手段が取得する経過時間が所定の時間を過ぎても、前記サーバ装置から所定の情報を取得できない場合に、前記チケット記憶情報を、前記サーバ装置へと送信手段によって再度送信させる第3送信制御手段としてさらに機能させ、
前記記憶制御手段は、
前記第1取得手段が取得する経過時間が、前記第3送信制御手段が前記チケット記憶情報を送信手段によって再度送信させてから所定の時間を過ぎても、前記サーバ装置から所定の情報を取得できない場合に、前記チケット記憶情報を前記記憶手段に記憶させることを特徴とする。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の情報処理プログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記改札装置における前記チケットの所持者の入出場の可否の判定結果に係る情報を、
前記サーバ装置から取得する第2取得手段、
としてさらに機能させ、
前記記憶制御手段は、前記第1取得手段が取得する経過時間が所定の時間を過ぎても、前記第2取得手段が前記サーバ装置から前記入出場の可否の判定結果に係る情報を取得できない場合に、前記チケット記憶情報を前記記憶手段に記憶させることを特徴とする。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理プログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記チケットの内容に係る情報を、前記サーバ装置から取得する第3取得手段、
としてさらに機能させ、
前記記憶制御手段は、前記第1取得手段が取得する経過時間が所定の時間を過ぎても、前記第3取得手段が前記サーバ装置から前記チケットの内容に係る情報を取得できない場合に、前記チケット記憶情報を前記記憶手段に記憶させることを特徴とする。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理プログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記読取手段が前記チケット記憶情報を読み取ったチケットが、正規に発行されたチケットであるかを判定する正規券判定手段、
としてさらに機能させ、
前記第1送信制御手段は、前記正規券判定手段が正規に発行されたチケットであると判定した場合に、前記チケット記憶情報を、所定のサーバ装置へと送信手段によって送信させることを特徴とする。
【0013】
請求項に記載の発明は、情報処理方法において、
列車の乗車に用いるチケットに記憶された情報であるチケット記憶情報を、読取手段によって読み取らせる読取制御ステップと、
前記チケット記憶情報を、所定のサーバ装置へと送信手段によって送信させる送信制御ステップと、
前記送信制御ステップにおいて前記チケット記憶情報を前記サーバ装置へと送信手段によって送信させた際に、前記サーバ装置との間に通信障害が生じていた場合に、前記チケット記憶情報を、記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、
前記送信制御ステップが前記チケット記憶情報を送信手段によって送信させてからの経過時間に係る情報を取得する取得ステップ、
を含み、
前記記憶制御ステップは、
前記取得ステップが取得する経過時間が所定の時間を過ぎても、前記サーバ装置から所定の情報を取得できない場合に、前記チケット記憶情報を前記記憶手段に記憶させることを特徴とする。
【0014】
請求項に記載の発明は、改札装置において、
列車の乗車に用いるチケットに記憶された情報であるチケット記憶情報を、読取手段によって読み取らせる読取制御手段と、
前記チケット記憶情報を、所定のサーバ装置へと送信手段によって送信させる送信制御
手段と、
前記送信制御手段が前記チケット記憶情報を前記サーバ装置へと送信手段によって送信させた際に、前記サーバ装置との間に通信障害が生じていた場合に、前記チケット記憶情報を、記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記第1送信制御手段が前記チケット記憶情報を送信手段によって送信させてからの経過時間に係る情報を取得する取得手段と、
を備え、
前記記憶制御手段は、
前記取得手段が取得する経過時間が所定の時間を過ぎても、前記サーバ装置から所定の情報を取得できない場合に、前記チケット記憶情報を前記記憶手段に記憶させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、通信障害時において、利用者の入出場の履歴に係る情報につき記録することができなくなるおそれを低減できる情報処理プログラム、情報処理方法及び改札装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係るチケット情報処理システムの構成の概略を示すブロック図である。
図2】実施形態に係るチケット情報処理システムにおけるチケット情報管理サーバの構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係るチケット情報処理システムにおけるチケット予約サーバの構成を示すブロック図である。
図4】実施形態に係るチケット情報処理システムにおけるチケット発行サーバの構成を示すブロック図である。
図5】実施形態に係るチケット情報処理システムにおける改札装置の構成を示すブロック図である。
図6】実施形態に係るチケット情報処理システムにおける窓口処理機の構成を示すブロック図である。
図7】実施形態に係るチケット情報処理システムにおけるチケット発行装置の構成を示すブロック図である。
図8】実施形態に係るチケット情報処理システムにおける駅員端末の構成を示すブロック図である。
図9】実施形態に係るチケット情報処理システムにおけるユーザ端末の構成を示すブロック図である。
図10】実施形態に係るチケット情報処理システムの動作における全体の流れの概略を示すフローチャートである。
図11】実施形態に係るチケット情報処理システムのチケットの発行時(ユーザ端末に対して発行される場合)の動作を示すフローチャートである。
図12】実施形態に係るチケット情報処理システムのチケットの発行時(ユーザ端末に対して発行される場合)の動作を示すフローチャートである。
図13】実施形態に係るチケット情報処理システムの平常時発行二次元コードデータのデータ構造を示す図である。
図14】実施形態に係るチケット情報処理システムのチケットの発行時(チケット発行装置において発行される場合(チケット発行装置において磁気券エンコード情報が生成される場合))の動作を示すフローチャートである。
図15】実施形態に係るチケット情報処理システムのチケットの発行時(チケット発行装置において発行される場合(チケット情報管理サーバにおいて磁気券エンコード情報が生成される場合))の動作を示すフローチャートである。
図16】実施形態に係るチケット情報処理システムの改札入出場時(チケット発行サーバにおいて入出場判定がなされる場合)の動作を示すフローチャートである。
図17】実施形態に係るチケット情報処理システムの改札入出場時(改札装置において入出場判定がなされる場合)の動作を示すフローチャートである。
図18】実施形態に係るチケット情報処理システムのウェブチェックイン/アウト時の動作を示すフローチャートである。
図19】実施形態に係るチケット情報処理システムの一括入出場時の動作を示すフローチャートである。
図20】実施形態に係るチケット情報処理システムの一括入出場時の動作を示すフローチャートである。
図21】実施形態に係るチケット情報処理システムの駅員による入出場処理時(窓口処理機を利用する場合)の動作を示すフローチャートである。
図22】実施形態に係るチケット情報処理システムの駅員による入出場処理時(駅員端末を利用する場合)の動作を示すフローチャートである。
図23】実施形態に係るチケット情報処理システムの通信障害時の改札入出場時の動作を示すフローチャートである。
図24】実施形態に係るチケット情報処理システムの通信障害復旧後の処理時(チケット発行サーバにおいて入出場判定がなされる場合)の動作を示すフローチャートである。
図25】実施形態に係るチケット情報処理システムの通信障害復旧後の処理時(改札装置において入出場判定がなされる場合)の動作を示すフローチャートである。
図26】実施形態に係るチケット情報処理システムの通信障害時のチケット発行装置におけるチケット発行時の動作を示すフローチャートである。
図27】実施形態に係るチケット情報処理システムの障害時発行二次元コードデータのデータ構造を示す図である。
図28】実施形態に係るチケット情報処理システムの通信障害時に発行されたチケットを用いた改札入出場時の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図1から図28に基づいて、本発明の実施形態であるチケット情報処理システム100について説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されるものではない。
【0020】
[第1 構成の説明]
チケット情報処理システム100は、システムを利用するユーザへの一次元又は二次元の所定のコードを利用したチケットの提供、当該チケットを利用した改札における入出場等を支援するためのシステムであり、図1に示すように、チケット情報処理システム100を管理・運営する企業等が管理する各種サーバ、すなわち、チケット情報管理サーバ1、チケット予約サーバ2及びチケット発行サーバ3と、鉄道路線の各駅に設置された改札装置4、窓口処理機5及びチケット発行装置6と、駅に所在する各駅員が携帯する駅員端末7と、本システムを利用する各ユーザが携帯するユーザ端末8と、を備えて構成されている。
また、各装置の間は、図1に示すように、通信ネットワークNを介して接続されている。
【0021】
なお、上記各サーバは、必ずしも別個に設けられていることを要せず、単一のPC(Personal Computer)、WS(Work Station)等の情報機器が、これら複数のサーバとしての機能を兼ねていてもよい。
また、反対に、上記各サーバは、必ずしも単一のPC、WS等の情報機器によって実現されることを要せず、複数台のPC、WS等の情報機器が通信ネットワークNを介して接続されることで、複数台の情報機器により、各サーバとしての機能が実現されていてもよい。また、改札装置4、窓口処理機5、チケット発行装置6、駅員端末7及びユーザ端末8についても、必ずしも単一の機器によって実現されていることを要せず、複数の機器によって実現されていてもよい。
【0022】
[1 チケット情報管理サーバ]
チケット情報管理サーバ1は、例えば、PC、WS等の情報機器であり、後述のように、運行列車情報D3、予約状況情報D4等のチケット発行に際して必要となる情報につき管理すると共に、磁気券エンコード情報D2の生成及び他のサーバへの送信等を行う。
チケット情報管理サーバ1は、図2に示すように、例えば、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備えて構成されている。
【0023】
制御部11は、チケット情報管理サーバ1の動作を制御する部分であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部12に記憶されたプログラムとCPUとの協働により、チケット情報管理サーバ1の各部を統括制御する。
【0024】
記憶部12は、チケット情報管理サーバ1の運用に必要となる各種情報が記憶される部分であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、プログラムデータ等のチケット情報管理サーバ1の運用に必要となるデータを、制御部11から読み書き可能に記憶する。
【0025】
記憶部12には、磁気券エンコード情報発行プログラム121と、運行列車情報D3が記憶される運行列車情報記憶部122と、予約状況情報D4が記憶される予約状況情報記憶部123と、が備えられている。
【0026】
磁気券エンコード情報発行プログラム121は、チケット情報管理サーバ1を動作させるための制御部11への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べるチケット情報管理サーバ1の動作は、磁気券エンコード情報発行プログラム121に従ってなされることとなる。
また、各記憶部に記憶された情報の詳細は、動作の説明において述べる。
【0027】
通信部13は、チケット情報管理サーバ1と、チケット予約サーバ2、チケット発行サーバ及びチケット発行装置6との間の通信に用いられる部分であり、例えば、通信用IC(Integrated Circuit)及び通信コネクタなどを有する通信インターフェイスであり、制御部11の制御の元、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0028】
[2 チケット予約サーバ]
チケット予約サーバ2は、例えば、PC、WS等の情報機器であり、後述のように、ユーザ端末8からのユーザが購入を希望するチケットに係る情報の取得等を行う。
チケット予約サーバ2は、図3に示すように、チケット情報管理サーバ1と同様、例えば、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を備えて構成されている。
【0029】
制御部21及び通信部23の構成は、それぞれチケット情報管理サーバ1における制御部11及び通信部13と変わるところはない。
記憶部22は、チケット情報管理サーバ1における記憶部12と同様に、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、チケット予約プログラム221と、磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6、チケット予約情報D8及びチケット番号情報D11が記憶されるチケット情報記憶部222と、鉄道駅情報D27が記憶される鉄道駅情報記憶部223と、が備えられている。
【0030】
チケット予約プログラム221は、チケット予約サーバ2を動作させるための制御部21への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べるチケット予約サーバ2の動作は、チケット予約プログラム221に従ってなされることとなる。
また、各記憶部に記憶された情報の詳細は、動作の説明において述べる。
【0031】
また、チケット予約サーバ2は、図1に示すように、通信部23により、チケット情報管理サーバ1、チケット発行サーバ3、駅員端末7及びユーザ端末8と通信ネットワークNを介して接続され、チケット情報管理サーバ1、チケット発行サーバ3、駅員端末7及びユーザ端末8との間でデータの送受信が可能とされている。
【0032】
[3 チケット発行サーバ]
チケット発行サーバ3は、例えば、PC、WS等の情報機器であり、後述のように、チケットとして利用する二次元コードに係るデータの生成等を行う。
チケット発行サーバ3は、図4に示すように、チケット情報管理サーバ1等と同様、例えば、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、を備えて構成されている。
【0033】
制御部31及び通信部33の構成は、それぞれチケット情報管理サーバ1における制御部11及び通信部13と変わるところはない。
記憶部32は、チケット情報管理サーバ1における記憶部12と同様に、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、チケット発行プログラム321と、磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6、チケット識別子情報D10及びチケット番号情報D11が記憶されるチケット情報記憶部322と、一般符号化情報D13が記憶される符号化情報記憶部323と、一般検定用処理情報D15が記憶される検定用処理情報記憶部324と、が備えられている。
【0034】
チケット発行プログラム321は、チケット発行サーバ3を動作させるための制御部31への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べるチケット発行サーバ3の動作は、チケット発行プログラム321に従ってなされることとなる。
また、各記憶部に記憶された情報の詳細は、動作の説明において述べる。
【0035】
また、チケット発行サーバ3は、図1に示すように、通信部33により、チケット情報管理サーバ1、チケット予約サーバ2、改札装置4、窓口処理機5及びチケット発行装置6と通信ネットワークNを介して接続され、チケット情報管理サーバ1、チケット予約サーバ2、改札装置4、窓口処理機5及びチケット発行装置6との間でデータの送受信が可能とされている。
【0036】
[4 改札装置]
改札装置4は、鉄道路線の各駅に設置された、改札における入出場の可否の判定等の改札業務を自動的に行う装置であり、後述のように、チケットを所持するユーザの改札内への入場又は改札内からの出場の可否に応じた開閉部45の開閉等を行う。
改札装置4は、図5に示すように、チケット情報管理サーバ1等と同様、例えば、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、を備えると共に、さらにチケット情報読取部44と、開閉部45と、を備えて構成されている。
【0037】
制御部41及び通信部43の構成は、それぞれチケット情報管理サーバ1における制御部11及び通信部13と変わるところはない。
記憶部42は、チケット情報管理サーバ1における記憶部12と同様に、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、入出場処理プログラム421と、一般検定用処理情報D15及び特殊検定用処理情報D50が記憶される検定用処理情報記憶部422と、改札装置設置駅情報D18及び改札装置機器情報D19が記憶される機器情報記憶部423と、特殊符号化情報D45が記憶される符号化情報記憶部424と、平常時発行二次元コードデータD12、通信障害入出場日時情報D38、通信障害入出場駅情報D39及び通信障害入出場処理フラグD40が記憶される通信障害時チケット情報記憶部425と、が備えられている。
【0038】
入出場処理プログラム421は、改札装置4を動作させるための制御部41への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べる改札装置4の動作は、入出場処理プログラム421に従ってなされることとなる。
また、各記憶部に記憶された情報の詳細は、動作の説明において述べる。
【0039】
また、改札装置4は、図1に示すように、通信部43により、チケット発行サーバ3と通信ネットワークNを介して接続され、チケット発行サーバ3との間でデータの送受信が可能とされている。
【0040】
チケット情報読取部44は、後述のように一次元又は二次元の所定のコードにより発行されたチケットの記憶内容を読み取るための部分であり、チケットの発行時に使用されるコードの種類に対応した所定の一次元コード又は二次元コードの読み取り機からなる。チケット情報読取部44は、ユーザによりチケットがかざされた際に、当該チケットの記憶内容を読み取る。
【0041】
開閉部45は、改札装置4の開状態と閉状態とを切り替える手段であり、開閉自在の柵を有し、後述のように、ユーザの当該改札装置4が設置された駅における入出場の可否に係る判定結果に従い、入場又は出場を許可する場合にこれを開状態とし、入場又は出場を不許可とする場合にこれを閉状態とする。
【0042】
なお、ユーザがチケットをチケット情報読取部44にかざしておらず、改札装置4が使用されていない不使用状態においては、開閉部45は、開状態・閉状態のどちらとしておいてもよい。ただし、不使用状態においてはこれを開状態とした上で、チケットをかざしたユーザにつき入場又は出場を許可する場合にこれを開状態のままとし、チケットをかざしたユーザにつき入場若しくは出場を不許可とする場合、又はユーザがチケットをかざすことなく入場又は出場しようとした場合にこれを閉状態とすることが好ましい。
本発明においては、不使用状態において開状態であった開閉部45につき、ユーザがチケットをかざした際に開状態を維持することも、開閉部45を開状態とすることに含まれるものとする。
【0043】
[5 窓口処理機]
窓口処理機5は、鉄道路線の各駅に設置された駅員が使用する端末であり、本来的には、例えば、駅員による乗り越した乗客に対する精算処理等に使用されるが、本実施形態においては、後述のように、例えば、改札装置4がトラブル使用できない場合や、改札装置4が備えられていない駅等において、駅員がユーザの改札内への入場又は出場の可否に係る判定を行う際等に用いられる。
窓口処理機5は、図6に示すように、例えば、チケット情報管理サーバ1等と同様に、制御部51と、記憶部52と、通信部53と、を備えると共に、さらに、表示部54と、操作部55と、チケット情報読取部56と、を備えて構成されている。
【0044】
制御部51及び通信部53の構成は、それぞれチケット情報管理サーバ1における制御部11及び通信部13と変わるところはない。
記憶部52は、チケット情報管理サーバ1における記憶部12と同様に、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、窓口処理用アプリケーション521が備えられている。
窓口処理用アプリケーション521は、窓口処理機5を動作させるための制御部51への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べる窓口処理機5の動作は、窓口処理用アプリケーション521に従ってなされることとなる。
【0045】
また、窓口処理機5は、図1に示すように、通信部53により、チケット発行サーバ3と通信ネットワークNを介して接続され、チケット発行サーバ3との間でデータの送受信が可能とされている。
【0046】
表示部54は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを備え、制御部51から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。
【0047】
操作部55は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーを有するキーボード等を備え、例えば駅員等の窓口処理機5の使用者からの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部51へと出力する。操作部55は、例えば、表示部54と一体的に形成されたタッチパネル等であってもよく、窓口処理機5の使用者からの操作入力を受け付けることができるものであれば特に限定されない。
【0048】
チケット情報読取部56は、後述のように一次元又は二次元の所定のコードにより発行されたチケットの記憶内容を読み取るための部分であり、チケットの発行時に使用されるコードの種類に対応した一次元又は二次元の所定のコードの読み取り機からなる。チケット情報読取部56は、駅員によってユーザが使用するチケットがかざされた際に、当該チケットの記憶内容を読み取る。
【0049】
[6 チケット発行装置]
チケット発行装置6は、鉄道路線の各駅に設置された、ユーザが列車の乗車に用いるチケットを購入する際に使用する装置であり、本実施形態においては、後述のように、一次元又は二次元の所定のコードによるチケットを、紙等の所定の媒体により発行する際等に用いられる。
チケット発行装置6は、図7に示すように、例えば、窓口処理機5と同様に、制御部61と、記憶部62と、通信部63と、表示部64と、操作部65と、を備えると共に、さらに、チケット発行部66を備えて構成されている。
【0050】
制御部61、通信部63、表示部64及び操作部65の構成は、それぞれ窓口処理機5における制御部51、通信部53、表示部54及び操作部55と変わるところはない。
記憶部42は、窓口処理機5における記憶部52と同様に、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、磁気券エンコード情報発行プログラム621と、特殊符号化情報D45が記憶される符号化情報記憶部622と、特殊検定用処理情報D50が記憶される検定用処理情報記憶部623と、運行列車情報D3が記憶される運行列車情報記憶部624と、予約状況情報D4が記憶される予約状況情報記憶部625と、が備えられている。
【0051】
磁気券エンコード情報発行プログラム621は、チケット発行装置6を動作させるための制御部61への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べるチケット発行装置6の動作は、磁気券エンコード情報発行プログラム621に従ってなされることとなる。
また、各記憶部に記憶された情報の詳細は、動作の説明において述べる。
【0052】
また、チケット発行装置6は、図1に示すように、通信部63により、チケット情報管理サーバ1及びチケット発行サーバ3と通信ネットワークNを介して接続され、チケット発行サーバ3との間でデータの送受信が可能とされている。
【0053】
チケット発行部66は、制御部61の制御の下、ユーザに対するチケットの発行を行う部分であり、本実施形態においては、後述のようにチケット発行サーバ3から受信したデータに基づく、所定の一次元コード又は二次元コードによるチケットを、紙等の所定の媒体により発行することとなる。
【0054】
[7 駅員端末]
駅員端末7は、鉄道路線の各駅に所在する駅員が携帯するスマートフォン、タブレット端末等の情報機器であり、後述のように、窓口処理機5と同様、駅員がユーザの改札内への入場又は出場の可否に係る判定を行う際等に用いられる。
駅員端末7は、図8に示すように、例えば、窓口処理機5等と同様に、制御部71と、記憶部72と、通信部73と、表示部74と、操作部75と、を備えると共に、さらに撮像部76を備えて構成されている。
【0055】
制御部71、通信部73、表示部74及び操作部75の構成は、それぞれ窓口処理機5における制御部51、通信部53、表示部54及び操作部55と変わるところはない。
記憶部72は、窓口処理機5における記憶部52と同様に、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、駅員端末用アプリケーション721が備えられている。
駅員端末用アプリケーション721は、駅員端末7を動作させるための制御部71への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べる駅員端末7の動作は、駅員端末用アプリケーション721に従ってなされることとなる。
【0056】
また、駅員端末7は、通信部73から通信ネットワークNを介してチケット予約サーバ2と接続され、チケット予約サーバ2との間でデータを送受信可能とされている。
【0057】
撮像部76は、例えば、レンズ等の光学系と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像素子と、を有し、レンズの光軸方向の画像(動画を含む。)を撮像する。撮像部76は、撮像した画像データを制御部71へと出力する。
【0058】
[8 ユーザ端末]
ユーザ端末8は、本システムを利用してチケットの発行等を受ける各ユーザが携帯するスマートフォン、タブレット端末等の情報機器であり、後述のように、一次元又は二次元の所定のコードによって発行されたチケットを用いた改札装置4における入場又は出場の際等に用いられる。
ユーザ端末8は、図9に示すように、例えば、駅員端末7と同様に、制御部81と、記憶部82と、通信部83と、表示部84と、操作部85と、撮像部86と、を備えると共に、さらに位置情報取得部87を備えて構成されている。
【0059】
制御部81、通信部83、表示部84、操作部85及び撮像部86の構成は、それぞれ駅員端末7における制御部71、通信部73、表示部74、操作部75及び撮像部76と変わるところはない。
記憶部82は、駅員端末7における記憶部72と同様に、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、ユーザ端末用アプリケーション821と、平常時発行二次元コード画像データD16、チケット番号情報D11、チケット予約情報D8及び同伴者用二次元コード画像データD33が記憶されるチケット情報記憶部822と、が備えられている。
【0060】
ユーザ端末用アプリケーション821は、ユーザ端末8を動作させるための制御部81への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べるユーザ端末8の動作は、ユーザ端末用アプリケーション821に従ってなされることとなる。
また、各記憶部に記憶された情報の詳細は、動作の説明において述べる。
【0061】
また、ユーザ端末8は、通信部83から通信ネットワークNを介してチケット予約サーバ2と接続され、チケット予約サーバ2との間でデータを送受信可能とされている。
【0062】
位置情報取得部87は、ユーザ端末8の所在位置に関する情報を取得する部分であり、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機が用いられる。GPS受信機は、GPSを構成する複数のGPS衛星から提供される測位用電波であるGPS信号を受信し、これを用いて、ユーザ端末8、ひいてはそれを所持するユーザの位置情報を取得する。
なお、位置情報取得部87としては、ユーザ端末8の位置情報を取得可能なものであればよく、GPS受信機には限られない。例えば、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)受信機等、その他の衛星測位システムに係る信号の受信機を使用してもよい。
【0063】
[9 通信ネットワーク]
通信ネットワークNは、例えば、インターネット、電話回線網、携帯電話通信網、無線LAN通信網等であり、図1に示すように、チケット情報処理システム100を構成する各装置の間を接続する。
通信ネットワークNとしては、上記のように各装置間を繋ぎ、これらの間でデータの送受信を行うことが可能なものであれば特に限定されない。
【0064】
[第2 動作の説明]
以下、本実施形態に係るチケット情報処理システム100の使用時の動作について説明する。チケット情報処理システム100の動作は、図10のフローチャートに示すように、大きく分けてステップS1からステップS9の9個のステップからなる。なお、以下においてはステップS1からステップS9の順に説明するが、これらがなされる順序はこれに限られるものではない。例えば、ステップS2からS6いずれも入出場処理に係るものであり、実際には並列的な処理がなされることとなる。
【0065】
[1 ステップS1:チケットの発行]
まず、ユーザに対し、列車の乗車に用いるチケットを発行する際の本システムの動作につき、ユーザ端末8に対してデータによりチケットの発行がなされる場合と、チケット発行装置6において紙等の所定の媒体によりチケットの発行がなされる場合と、に分けて説明する。
【0066】
[(1)動作の流れ]
[ア ステップS11:ユーザ端末に対する発行]
まず、ユーザ端末8に対してデータによりチケットの発行がなされる場合の動作の流れにつき、図11及び図12のフローチャートに従って説明する。
【0067】
ユーザは、本システムを利用し、列車の乗車に用いるチケットの発行を受けることを希望する場合、まず、ユーザ端末8の操作部85を用いて、予約を希望するチケットに係る情報、すなわち、例えば、列車の乗車駅、降車駅、出発時刻、到着時刻、座席番号等に係る情報を含む購入希望チケット情報D1につき入力し(ステップS11-1)、購入希望チケット情報D1が入力されると、制御部81は、入力された情報を、通信部83から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS11-2)。
【0068】
ユーザによる予約を希望するチケットに係る情報の入力は、例えば、チケット予約サーバ2によって提供される、予約を希望する列車、座席、乗車駅、降車駅を指定できるように構成された所定のチケット予約に係るウェブサイトにおいて、予約を希望する列車及び座席を指定することによって行うようにすればよい。
また、ユーザ端末8の記憶部82に事前に所定のアプリケーションをダウンロードするようにし、当該アプリケーションにしたがって入力がなされるようにしてもよい。
【0069】
チケット予約サーバ2においては、通信部23により購入希望チケット情報D1を受信すると、制御部21が、通信部23から通信ネットワークNを介して、チケット情報管理サーバ1へと、受信した購入希望チケット情報D1を、当該データに対応した磁気券エンコード情報D2を送信する旨の所定の要求と共に送信する(ステップS11-3)。
【0070】
チケット情報管理サーバ1においては、通信部13により、購入希望チケット情報D1と、磁気券エンコード情報D2の送信要求と、を受信すると、制御部11が、運行列車情報記憶部122に記憶された運行列車情報D3及び予約状況情報記憶部123に記憶された予約状況情報D4に基づき、座席を確保する必要のある場合は列車の空席状況につき照合の上、購入希望チケット情報D1に係る、ユーザがチケットの購入を希望する列車の座席につき、チケットの購入が可能である場合、これに対応した磁気券エンコード情報D2を生成する(ステップS11-4)。
【0071】
磁気券エンコード情報D2は、従来の磁気券により列車の乗車に用いるチケットを発行する際に、当該磁気券にエンコードされることとなるものと同内容のチケットの内容をなす情報であり、例えば、具体的なチケットの有効区間(区間の始点となる乗車駅、区間の終点となる降車駅、乗車駅と降車駅との間に位置する経由駅)及びチケットの有効期間等の購入希望チケット情報D1に対応したチケットの内容に係る情報を含むこととなる。
【0072】
また、磁気券エンコード情報D2は、チケットのステータス、すなわち、入場及び出場履歴と、乗車済区間に係る情報、具体的には、未使用(入場前)、既使用(降車駅における出場後)、使用中(入場後出場前)、使用中(途中駅における出場後)等の各チケットの状態に係る情報を含む。なお、列車の乗車に用いるチケットは、有効区間(乗車駅と降車駅との間の経由駅を経由する区間)内であれば、乗車済の区間に戻らない限り入場・出場の繰り返し(途中下車・途中乗車)が可能なものがあることから、途中下車し、途中乗車前である場合に、使用中(途中駅における出場後)という状態が生じることとなる。
【0073】
このような情報は、例えば、チケットの購入直後にはステータスとして未使用である旨の情報が記憶され、これが使用開始(例えば、改札装置4からの入場)されると、ステータスが使用中(入場後出場前)である旨の情報に更新され、途中駅で出場すると、ステータスが使用中(途中駅における出場後)である旨の情報に更新され、さらに、使用が完了(降車駅における改札装置4からの出場)すると、ステータスが既使用である旨の情報に更新されることとなる。
【0074】
磁気券エンコード情報D2を利用することにより、従来の磁気券の発行時に用いられていたものと共通の情報を流用可能となり、チケット発行時及び後述の平常時発行二次元コード画像データD16に係る二次元コードの発行時のコストを抑制できる。
【0075】
磁気券エンコード情報D2を生成すると、チケット情報管理サーバ1においては、制御部11が、通信部13から通信ネットワークNを介して、生成した磁気券エンコード情報D2を、購入結果情報D5と共に、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS11-5)。
購入結果情報D5は、ユーザが購入希望チケット情報D1に対応するチケットを購入できるか否かに係る情報であり、磁気券エンコード情報D2が生成される場合には、必然的に購入可能である旨の情報となる。なお、ユーザが購入希望チケット情報D1に対応するチケットを購入できない場合、磁気券エンコード情報D2は送信されず、購入不可能である旨の購入結果情報D5のみがチケット予約サーバ2へと送信されることとなる。
【0076】
チケット予約サーバ2においては、通信部23によって磁気券エンコード情報D2及び購入結果情報D5を受信すると、制御部21が、通信部23から通信ネットワークNを介して、ステップS11-2において購入希望チケット情報D1を送信したユーザ端末8へと、購入結果情報D5を送信し(ステップS11-6)、通信部83によりこれを受信したユーザ端末8においては、制御部81が、受信したデータに基づき、チケットの購入結果につき、表示部84に表示させる(ステップS11-7)。
【0077】
チケット予約サーバ2においては、ユーザ端末8への購入結果情報D5の送信が完了すると、続いて、ユーザが購入したチケットに係るチケット購入情報D6及びチケット予約情報D8を生成の上、これらを磁気券エンコード情報D2と紐付けて、記憶部22のチケット情報記憶部222に記憶させる(ステップS11-8)。
【0078】
チケット購入情報D6は、例えば各チケットに割り振られた購入番号に係る情報であるチケット購入番号情報D7を含む、磁気券エンコード情報D2、購入結果情報D5及びチケット予約情報D8等の発行されたチケットに係る各情報を紐づけるための情報である。また、チケット購入情報D6にも、磁気券エンコード情報D2に含まれるものと同様の、購入希望チケット情報D1に対応したチケットの内容に係る情報と、チケットのステータスに係る情報と、が含まれる。
チケット予約情報D8は、予約されたチケットにつきチケット予約サーバ2において管理するための、ユーザによる具体的な予約内容に係るデータであり、チケット予約情報にも、磁気券エンコード情報D2に含まれるものと同様の、購入希望チケット情報D1に対応したチケットの内容に係る情報と、チケットのステータスに係る情報と、が含まれる。
【0079】
チケット予約サーバ2においては、上記データを生成すると、制御部21が、通信部23から通信ネットワークNを介して、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6を、チケット発行サーバ3へと送信し(ステップS11-9)、これらデータを通信部33によって受信したチケット発行サーバ3においては、制御部31が、受信した磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6を紐付けて、記憶部32のチケット情報記憶部322に記憶させる(ステップS11-10)。
【0080】
なお、ステップS11-9におけるチケット予約サーバ2からチケット発行サーバ3への磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6の送信は、必ずしもステップS11-8におけるチケット購入情報D6及びチケット予約情報D8の生成の直後に行われる必要はなく、例えば、複数の磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6を所定のタイミングでまとめてチケット発行サーバ3へと送信するようにしてもよい。
【0081】
上記のようにしてチケット予約サーバ2及びチケット発行サーバ3に情報が記憶された後、購入したチケットにつき、二次元コードの発行を受けることを希望する場合、ユーザは、まず、ユーザ端末8の操作部85を用いて、二次元コードによるチケットの発行を要求する所定の情報(チケット発行要求情報D9)につき入力し(ステップS11-11)、チケット発行要求情報D9が入力されると、ユーザ端末8の制御部81は、入力された情報を、通信部83から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS11-12)。
【0082】
ユーザによる二次元コードの発行を受けることを希望するチケットに係る情報の入力は、例えば、チケット予約サーバ2によって提供される、チケット予約サーバ2に存在する当該ユーザが購入済みのチケットに係るチケット予約情報D8の一覧から、二次元コードの発行を受けることを希望するチケットを選択できるように構成された所定のウェブサイトにおいて、二次元コードの発行を希望するチケットを選択することによって行うようにすればよい。
また、ユーザ端末8の記憶部82に事前に所定のアプリケーションをダウンロードするようにし、当該アプリケーションにしたがって入力がなされるようにしてもよい。
【0083】
チケット予約サーバ2においては、通信部23によりチケット発行要求情報D9を受信すると、制御部21が、受信したチケット発行要求情報D9に基づき、記憶部22のチケット情報記憶部222につき検索の上、対応するチケット購入情報D6を抽出し、抽出したチケット購入情報D6に含まれるチケット購入番号情報D7を、発行する二次元コードを利用に制限時間がない静的なものとするか、利用に制限時間があり、ユーザが利用時にリアルタイムに生成することを要する動的なもとするか、に関する情報である静的・動的発行識別情報D51と共に、通信部23から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS11-13)。
【0084】
チケット発行サーバ3においては、通信部33により、チケット発行要求情報D9に係るチケット購入情報D6に含まれるチケット購入番号情報D7を受信すると、制御部31が、受信したチケット購入番号情報D7に従い、記憶部32のチケット情報記憶部322に記憶された対応するチケット購入情報D6につき抽出の上、抽出したチケット購入情報D6ごとに、所定の規則に従いID(識別子)を設定して、後述の平常時発行二次元コードデータD12ごとに付されることとなる識別子に係る情報であるチケット識別子情報D10を生成するとともに、番号を採番して、後述の平常時発行二次元コードデータD12ごとに付されることとなる番号に係る情報であるチケット番号情報D11を生成の上、記憶部32のチケット情報記憶部322に、対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6と紐付けて記憶させる(ステップS11-14)。チケット識別子情報D10、チケット番号情報D11のいずれも、チケットごとに付された各チケットを識別し得る識別情報となる。
【0085】
続いて制御部31は、チケット購入情報D6及び生成したチケット識別子情報D10を用いて、所定の二次元コードのフォーマットに従い、平常時発行二次元コードデータD12を作成する(ステップS11-15)。二次元コードのフォーマットとしては、例えばQRコード(登録商標)に係るフォーマット等を用いることができる。
【0086】
また、制御部31は、平常時発行二次元コードデータD12を作成する際、受信した静的・動的発行識別情報D51につき参照し、これが、発行する二次元コードを動的なもとする内容であった場合、作成する平常時発行二次元コードデータD12に係る二次元コードの利用可能時間に係る情報である二次元コード利用可能時間情報D52を生成し、生成した二次元コード利用可能時間情報D52を、記憶部32のチケット情報記憶部322に、対応する磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6、チケット識別子情報D10及びチケット番号情報D11と紐付けて記憶させる。
二次元コード利用可能時間情報D52は、例えば、ステップS11-15において平常時発行二次元コードデータD12が作成された時刻と、当該時刻から所定の時間(5分等)という形で設定すればよい。
【0087】
平常時発行二次元コードデータD12は、所定の二次元コードのフォーマットに従い作成された二次元コードの元となるデータである。なお、通信障害の発生していない平常時に本ステップの手順を経て発行されたデータである点で、後述の障害時発行二次元コードデータD44と区別される。
なお、面積に対するデータ容量の関係で好ましくないものの、二次元コードに代えて一次元コードを使用することも一応可能である。この点は以下説明するいずれのステップにおいても同様である。
【0088】
平常時発行二次元コードデータD12は、複数の記憶領域、例えば、図13に示すように、基本情報部D12-1と、正当性検定部D12-2と、を有し、基本情報部D12-1の一部情報のみが、記憶部32の符号化情報記憶部323に記憶された一般符号化情報D13を用いて符号化されている。なお、一般符号化情報D13は、チケット発行サーバ3が平常時発行二次元コードデータD12の符号化の際に用いる所定の変換規則に係るデータである。
【0089】
このうち基本情報部D12-1には、発行事業者や発行時期などに係る属性情報に加え、ステップS11-14において生成されたチケット識別子情報D10が含まれる。なお、チケット識別子情報D10については、一般符号化情報D13を用いて符号化されている情報に含まれる。
【0090】
また、正当性検定部D12-2には、基本情報部D12-1に含まれるデータを基に、所定の検定用の変換又は計算を行った結果に係る情報である一般検定情報D14が含まれる。一般検定情報D14は、記憶部32の検定用処理情報記憶部324に一般検定用処理情報D15として記憶された所定の変換規則又は計算式に、制御部31が、基本情報部D12-1に含まれるデータを入力して生成する。
【0091】
平常時発行二次元コードデータD12を生成すると、チケット発行サーバ3においては、制御部31が、生成した平常時発行二次元コードデータD12を、対応するチケット番号情報D11と共に、通信部33から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS11-16)。
また、制御部31は、ステップS11-15において二次元コード利用可能時間情報D52を生成した場合には、二次元コード利用可能時間情報D52についても、チケット番号情報D11及び平常時発行二次元コードデータD12と共に、通信部33から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する。
【0092】
チケット予約サーバ2においては、通信部23によって、チケット発行サーバ3から送信された情報を受信すると、制御部21が、受信したチケット番号情報D11を、記憶部22のチケット情報記憶部222に、対応する磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8と紐付けて記憶させた上で、受信した平常時発行二次元コードデータD12に基づき、これを画像データ化したデータである平常時発行二次元コード画像データD16を生成する(ステップS11-17)。
なお、チケット発行サーバ3から、二次元コード利用可能時間情報D52を受信した場合には、制御部21は、二次元コード利用可能時間情報D52についても、記憶部22のチケット情報記憶部222に、対応する磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6、チケット予約情報D8及びチケット番号情報D11と紐付けて記憶させる。
【0093】
平常時発行二次元コード画像データD16を生成すると、制御部21は、生成したデータを、対応するチケット番号情報D11及びチケット予約情報D8と共に、通信部23から通信ネットワークNを介して、ユーザ端末8へと送信する(ステップS11-18)。
【0094】
また、上記送信処理が完了すると、チケット予約サーバ2においては、制御部21が、記憶部22のチケット情報記憶部222に記憶された当該チケットに係る磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、二次元コード発行済みである旨の情報に更新すると共に(ステップS11-19)、ステータス更新の内容に係る情報である二次元コード発行時ステータス更新情報D17をチケット発行サーバ3へと送信し(ステップS11-20)、チケット発行サーバ3においても、同様に、制御部31が、記憶部32のチケット情報記憶部322に記憶された当該チケットに係る磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、二次元コード発行済みである旨の情報に更新する(ステップS11-21)。
【0095】
なお、ステップS11-19においては、磁気券エンコード情報D2に含まれるチケットのステータスに係る情報については更新することなく、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報についてのみ更新するようにしてもよい。
【0096】
ユーザ端末8においては、通信部83によって平常時発行二次元コード画像データD16、チケット番号情報D11及びチケット予約情報D8を受信すると、制御部81が、受信したデータを紐付けて、記憶部82のチケット情報記憶部822に記憶させる(ステップS11-22)。
これによって、ユーザ端末8においては、表示部84に、記憶部82のチケット情報記憶部822に記憶された平常時発行二次元コード画像データD16に係る二次元コードの画像及びチケット番号情報D11に係るチケット番号を表示させることが可能となる。
【0097】
なお、平常時発行二次元コード画像データD16をチケット予約サーバ2において生成することなく、チケット予約サーバ2の制御部21が、平常時発行二次元コード画像データD16に代えて、平常時発行二次元コードデータD12を通信部23から通信ネットワークNを介してユーザ端末8へと送信するようにし、これを受信したユーザ端末8において、制御部81が、ユーザ端末用アプリケーション821に従って平常時発行二次元コード画像データD16を生成することによって、平常時発行二次元コード画像データD16を取得するようにしてもよい。
【0098】
[イ ステップS12:チケット発行装置における発行]
続いて、チケット発行装置において紙等の所定の媒体によりチケットの発行がなされる場合の動作の流れにつき、チケット発行装置6において磁気券エンコード情報D2が生成される場合と、チケット情報管理サーバ1において磁気券エンコード情報D2が生成される場合と、に分けて説明する。
【0099】
[(ア) ステップS121:チケット発行装置において磁気券エンコード情報が生成される場合]
まず、チケット発行装置6において磁気券エンコード情報D2が生成される場合の動作の流れにつき、図14のフローチャートに従って説明する。
【0100】
ユーザは、チケット発行装置6により、列車の乗車に用いるチケットの発行を受けることを希望する場合、まず、チケット発行装置6の操作部65を用いて、予約を希望するチケットに係る情報、すなわち、例えば、列車の乗車駅、降車駅、出発時刻、到着時刻、座席番号等に係る情報を含む購入希望チケット情報D1につき入力した上で、所定の購入操作を行う(ステップS121-1)。
【0101】
ユーザによる予約を希望するチケットに係る情報の入力は、例えば、チケット発行装置6において表示部64に表示される、予約を希望する列車及び座席を指定できるように構成された所定のチケット予約に係る画面に従って、操作部65を用いて、予約を希望する列車及び座席を指定することによって行うようにすればよい。
【0102】
購入希望チケット情報D1が入力されると、制御部61は、入力された情報を基にチケット購入情報D6を生成する(ステップS121-2)。
【0103】
続いて、制御部61は、運行列車情報記憶部624に記憶された運行列車情報D3及び予約状況情報記憶部625に記憶された予約状況情報D4に基づき、列車の空席状況につき確認の上、チケット購入情報D6に係るユーザがチケットの購入を希望する列車の座席につき、チケットの購入が可能である場合、これに対応した磁気券エンコード情報D2を生成する(ステップS121-3)。
【0104】
磁気券エンコード情報D2を生成すると、制御部61は、ステップS121-3生成した磁気券エンコード情報D2を、ステップS121-2で生成したチケット購入情報D6と共に、通信部63から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS121-4)。
【0105】
チケット発行サーバ3においては、通信部33によって磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6を受信すると、制御部31が、受信した磁気券エンコード情報D2と、チケット購入情報D6と、を紐付けて、記憶部32のチケット情報記憶部322に記憶させる(ステップS121-5)。
【0106】
続いて、チケット発行サーバ3の制御部31は、チケット購入情報D6ごとに、所定の規則に従いID(識別子)を設定して、チケット識別子情報D10を生成するとともに、番号を採番して、チケット番号情報D11を生成の上、記憶部32のチケット情報記憶部322に、対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6と紐付けて記憶させる(ステップS121-6)。
【0107】
続いて制御部31は、チケット購入情報D6及び生成したチケット識別子情報D10を用いて、所定の二次元コードのフォーマットに従い、平常時発行二次元コードデータD12を生成する(ステップS121-7)。
【0108】
平常時発行二次元コードデータD12を生成すると、チケット発行サーバ3においては、制御部31が、生成した平常時発行二次元コードデータD12を、対応するチケット番号情報D11と共に、通信部33から通信ネットワークNを介して、チケット発行装置6へと送信する(ステップS121-8)。
【0109】
チケット発行装置6においては、通信部63によって平常時発行二次元コードデータD12及びチケット番号情報D11を受信すると、制御部61が、平常時発行二次元コードデータD12に基づき平常時発行二次元コード画像データD16を生成の上、チケット発行部66により、平常時発行二次元コード画像データD16に係る二次元コード及びチケット番号情報D11に係る番号が紙等の所定の媒体に印刷等の方法で記憶されたチケットを発行させる(ステップS121-9)。
【0110】
チケットの発行が完了すると、チケット発行装置6においては、制御部61が、チケットの発行が完了した旨の所定の通知を、通信部63から通信ネットワークNを介してチケット発行サーバ3へと送信する(ステップS121-10)。
【0111】
上記通知を通信部33によって受信したチケット発行サーバ3においては、制御部31が、記憶部32のチケット情報記憶部322に記憶された当該チケットに係る磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、二次元コード発行済みである旨の情報に更新する(ステップS121-11)。
【0112】
[(イ) ステップS122:チケット情報管理サーバにおいて磁気券エンコード情報が生成される場合]
続いて、チケット情報管理サーバ1において磁気券エンコード情報D2が生成される場合の動作の流れにつき、図15のフローチャートに従って説明する。
【0113】
ユーザは、チケット発行装置6により、列車の乗車に用いるチケットの発行を受けることを希望する場合、まず、チケット発行装置6の操作部65を用いて、予約を希望するチケットに係る情報、すなわち、例えば、列車の乗車駅、降車駅、出発時刻、到着時刻、座席番号等に係る情報を含む購入希望チケット情報D1につき入力した上で、所定の購入操作を行う(ステップS122-1)。
【0114】
購入希望チケット情報D1が入力されると、制御部61は、入力された情報を基にチケット購入情報D6を生成し(ステップS122-2)、生成したチケット購入情報D6を、当該データに対応した磁気券エンコード情報D2を生成する旨の所定の要求と共に、通信部63から通信ネットワークNを介して、チケット情報管理サーバ1へと送信する(ステップS122-3)。
【0115】
チケット情報管理サーバ1においては、通信部13により、チケット購入情報D6と、磁気券エンコード情報D2の生成要求と、を受信すると、制御部11が、運行列車情報記憶部122に記憶された運行列車情報D3及び予約状況情報記憶部123に記憶された予約状況情報D4に基づき、列車の空席状況につき確認の上、チケット購入情報D6に係るユーザがチケットの購入を希望する列車の座席につき、チケットの購入が可能である場合、これに対応した磁気券エンコード情報D2を生成する(ステップS122-4)。
【0116】
磁気券エンコード情報D2を生成すると、チケット情報管理サーバ1においては、制御部11が、通信部13から通信ネットワークNを介して、生成した磁気券エンコード情報D2を、ステップS122-3において受信したチケット購入情報D6と共に、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS122-5)。
【0117】
チケット発行サーバ3においては、通信部33によって磁気券エンコード情報D2と、チケット購入情報D6と、を受信すると、制御部31が、受信した磁気券エンコード情報D2と、チケット購入情報D6と、を紐付けて、記憶部32のチケット情報記憶部322に記憶させる(ステップS122-6)。
【0118】
続いて、チケット発行サーバ3の制御部31は、チケット購入情報D6ごとに、所定の規則に従いID(識別子)を設定して、チケット識別子情報D10を生成するとともに、番号を採番して、チケット番号情報D11を生成の上、記憶部32のチケット情報記憶部322に、対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6と紐付けて記憶させる(ステップS122-7)。
【0119】
続いて制御部31は、チケット購入情報D6及び生成したチケット識別子情報D10を用いて、所定の二次元コードのフォーマットに従い、平常時発行二次元コードデータD12を生成する(ステップS122-8)。
【0120】
平常時発行二次元コードデータD12を生成すると、チケット発行サーバ3においては、制御部31が、生成した平常時発行二次元コードデータD12を、対応するチケット番号情報D11と共に、通信部33から通信ネットワークNを介して、チケット情報管理サーバ1へと送信する(ステップS122-9)。
【0121】
チケット情報管理サーバ1においては、通信部13によって平常時発行二次元コードデータD12及びチケット番号情報D11を受信すると、制御部11が、受信した情報を、通信部13から通信ネットワークNを介して、チケット発行装置6へと送信する(ステップS122-10)。
【0122】
チケット発行装置6においては、通信部63によって平常時発行二次元コードデータD12及びチケット番号情報D11を受信すると、制御部61が、平常時発行二次元コードデータD12に基づき平常時発行二次元コード画像データD16を生成の上、チケット発行部66により、平常時発行二次元コード画像データD16に係る二次元コード及びチケット番号情報D11に係る番号が紙等の所定の媒体に印刷等の方法で記憶されたチケットを発行させる(ステップS122-11)。
【0123】
チケットの発行が完了すると、チケット発行装置6においては、制御部61が、チケットの発行が完了した旨の所定の通知を、通信部63から通信ネットワークNを介してチケット情報管理サーバ1へと送信する(ステップS122-12)。
【0124】
チケット情報管理サーバ1においては、上記通知を通信部13によって受信すると、制御部11が、チケットの発行が完了した旨の所定の通知を、通信部13から通信ネットワークNを介してチケット発行サーバ3へと送信する(ステップS122-13)。
【0125】
上記通知を通信部33によって受信したチケット発行サーバ3においては、制御部31が、記憶部32のチケット情報記憶部322に記憶された当該チケットに係る磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、二次元コード発行済みである旨の情報に更新する(ステップS122-14)。
【0126】
[(2) 本ステップにおける効果]
本実施形態に係るチケット情報処理システム100によれば、上記のようにしてチケット発行がなされることにより、以下の効果を得ることができる。
【0127】
すなわち、上記のようにして発行される二次元コードを利用したチケットには、ユーザ端末8に対して発行される場合、チケット発行装置6において発行される場合のいずれにおいても、乗車駅、降車駅、乗車列車等のチケットの内容をなす情報は含まれておらず、チケットの内容に係る情報を含む磁気券エンコード情報D2等のデータは、チケット発行サーバ3において管理され、発行される二次元コードには、これに対応するチケット識別子情報D10が含まれているのみである。
【0128】
従来のように二次元コード自体に乗車駅、降車駅、乗車列車等のチケットの内容をなす情報が含まれている場合、仮に符号化されていたとしても、それが破られた場合、任意の内容の偽造チケットを作成可能となるおそれがあるが、本実施形態によれば、二次元コード自体には、チケットの内容をなす情報は含まれず、チケット識別子情報D10のみを偽造したとしても、これに対応する磁気券エンコード情報D2等のデータがチケット発行サーバ3に存在しなければ利用できないことから、このようなおそれはなくなる。
【0129】
また、二次元コードによるチケットは、電子データであれ紙等の所定の媒体であれ、その複製が容易であるところ、本実施形態によれば、正規に発行された二次元コードが複製された場合においても、上記のように二次元コードがチケットの内容をなす情報を含まない以上、利用時には必ず、チケット識別子情報D10により、磁気券エンコード情報D2等のチケットの内容をなす情報を管理するチケット発行サーバ3に照会せざるを得なくなり、同一のチケットが複製され複数回使用された場合に、サーバにおいて必ず検知できるようになることから、正規に発行されたチケットが複製されて複数回使用されることも防止し易くなる。
【0130】
また、二次元コードに含まれるデータが、基本情報部D12-1と、正当性検定部D12-2と、を有し、かつ、正当性検定部D12-2には、基本情報部D12-1に含まれるデータを基に、一般検定用処理情報D15に係る所定の変換規則又は計算式に従って所定の検定用の変換又は計算を行った結果に係る情報である一般検定情報D14が含まれることで、後述のように、改札装置4において容易に正規に発行されたチケットか否かにつき判定することが可能となる。
【0131】
また、ステップS11のユーザ端末8に対して二次元コードが発行される場合においては、チケット発行サーバ3がチケット予約サーバ2から受信した静的・動的発行識別情報D51が、発行する二次元コードを動的なもとする内容であった場合、上記のように、チケット発行サーバ3の記憶部32のチケット情報記憶部322及びチケット予約サーバ2の記憶部22のチケット情報記憶部222に、平常時発行二次元コードデータD12に係る二次元コードの利用可能時間に係る情報である二次元コード利用可能時間情報D52が記憶されることから、後述のように当該利用可能時間経過後の二次元コードの利用を防止することが可能となる。
【0132】
例えば、本実施形態によって発行されるチケットは、一回限りの利用を予定するものに限られず、何らかの企画券、すなわち、所定の期間、所定の範囲内において自由に列車に乗車できるチケットである場合等も想定されるところ、このようなチケットについては、使い回しが可能であるため、利用可能時間を限定せずに平常時発行二次元コードデータD12に係る二次元コードを発行してしまうと、これが二次元コードの発行を受けたユーザから他の者に配布され、正当なユーザ以外の者による不正な乗車に利用される可能性がある。
この点、チケット発行サーバ3の記憶部32のチケット情報記憶部322及びチケット予約サーバ2の記憶部22のチケット情報記憶部222に二次元コード利用可能時間情報D52が記憶されるようにし、当該利用可能時間経過後に二次元コードを利用できなくすれば、このような不正は不可能(厳密にいえば可能ではあるが、利用可能時間が限定されるため有効ではない。)となり、上記のような企画券についても、二次元コードにより発行し易くなる。
【0133】
[2 ステップS2:改札入出場]
続いて、ユーザが、ステップS1で発行された二次元コードを利用して、改札装置4において、改札内へ入場又は改札内から出場する際の本システムの動作につき、入出場の可否の判定をチケット発行サーバ3で行う場合と、改札装置4で行う場合と、に分けて説明する。なお、本発明において改札内とは、改札装置4の設置の有無を問わず、駅の施設のうち、列車の乗車に用いるチケット(又は所定の入場券)を所持している者しか立ち入ることが許されない場所のことを言う。また、単に入場という場合、このような改札内への入場を意味し、単に出場という場合このような改札内からの出場を意味する。
【0134】
[(1)動作の流れ]
[ア ステップS21:チケット発行サーバにおいて入出場判定がなされる場合]
まず、チケット発行サーバ3において入出場判定がなされる場合の動作の流れにつき、図16のフローチャートに従って説明する。
【0135】
ユーザは、列車への乗車前に改札装置4から駅の改札内へと入場することを希望する場合、又は列車への乗車後に改札装置4から駅の改札外へと出場することを希望する場合、ステップS1で発行された二次元コードを、改札装置4のチケット情報読取部44にかざす。
具体的には、ユーザ端末8に対して発行された場合、ユーザ端末8の操作部85を用いて所定の操作を行い、平常時発行二次元コード画像データD16に係る二次元コードを表示部84に表示させたのち、表示された二次元コードをチケット情報読取部44にかざすこととなる。また、チケット発行装置6において発行された場合、紙等の所定の媒体に印刷等の方法で記憶された二次元コードをチケット情報読取部44にかざすこととなる。
【0136】
二次元コードがチケット情報読取部44にかざされると、改札装置4の制御部41は、チケット情報読取部44により、かざされた二次元コードから、平常時発行二次元コードデータD12を読み取らせる(ステップS21-1)。
【0137】
チケット情報読取部44によって平常時発行二次元コードデータD12が読み取られると、制御部41は、かざされた二次元コードが、正規のチケットか否かにつき判定する(ステップS21-2)
【0138】
具体的には、ステップS11において説明したように、平常時発行二次元コードデータD12は、複数の記憶領域、例えば、図13に示すように、基本情報部D12-1と、正当性検定部D12-2と、から構成され、正当性検定部D12-2には、基本情報部D12-1に含まれるデータを基に、一般検定用処理情報D15に係る所定の変換規則又は計算式に従って、所定の検定用の変換又は計算を行った結果に係る情報である一般検定情報D14が含まれる。
【0139】
また、改札装置4においては、記憶部42の検定用処理情報記憶部422に、同様の所定の変換規則又は計算式が、一般検定用処理情報D15として記憶されている。
【0140】
そこで、制御部41は、ステップS21-1で読み取った平常時発行二次元コードデータD12のうち、基本情報部D12-1に含まれるデータを基に、記憶部42の検定用処理情報記憶部422に一般検定用処理情報D15として記憶された上記所定の変換規則又は計算式に従って、所定の検定用の変換又は計算を行う。
そして、制御部41は、上記変換又は計算の結果が、正当性検定部D12-2に含まれる一般検定情報D14と一致する場合に、当該二次元コードを正規のチケットであると判定し、これが一致しない場合に、当該二次元コードを正規のチケットではないものと判定する。
【0141】
ステップS21-2において平常時発行二次元コードデータD12を正規のチケットに係るものであると判定すると、改札装置4においては、制御部41が、チケット情報読取部44が読み取った平常時発行二次元コードデータD12を、記憶部42の機器情報記憶部423に記憶された改札装置設置駅情報D18及び改札装置機器情報D19と共に、通信部43から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS21-3)。
なお、ステップS21-2において非正規のチケットであると判定した場合には、制御部41は開閉部45を閉じて処理を終了することとなる。
【0142】
改札装置設置駅情報D18は、当該改札装置4が設置された駅に係る情報であり、二次元コードをチケット情報読取部44にかざしたユーザが改札から入場又は出場する駅を意味することとなる。
改札装置機器情報D19は、当該改札装置4に係る情報であり、設置した事業者を示す情報、当該改札装置4が、チケット発行サーバ3による入出場判定を要するものか、改札装置4自身において入出場判定を行うものかに係る情報、改札装置4ごとに有している不正判定等の詳細設定に係る情報等が含まれる。
【0143】
通信部33によって、改札装置4から送信された情報を受信したチケット発行サーバ3においては、制御部31が、改札装置機器情報D19に基づき、当該改札装置4がチケット発行サーバ3による入出場判定を要する改札装置4か判断した後、チケット発行サーバ3による入出場判定を要する場合、まず、記憶部32の符号化情報記憶部323に記憶されている一般符号化情報D13を用いて、平常時発行二次元コードデータD12の基本情報部D12-1のうち符号化されている情報を復号化する(ステップS21-4)。
【0144】
続いて、制御部31は、復号化された情報に含まれるチケット識別子情報D10に基づき、記憶部32のチケット情報記憶部322につき検索し、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6を抽出した上で、受信した改札装置設置駅情報D18及び改札装置機器情報D19と、磁気券エンコード情報D2とを対比して、入出場の可否に係る判定を行う(ステップS21-5)。
なお、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6が抽出されなかった場合、制御部31は、通信部33から通信ネットワークNを介して、改札装置4へと開閉部45を閉じる旨の所定の指令を送信して、処理を終了することとなる。
【0145】
具体的には、入場の場合には、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報から入出場履歴につき確認の上、改札装置設置駅情報D18に係るユーザの入場駅と、磁気券エンコード情報D2に含まれる有効区間(乗車駅と降車駅との間の経由駅を経由する区間)に係る情報と、につき対比する。そして、例えば、入場履歴がないか途中駅における出場後であり、磁気券エンコード情報D2に係る有効期間内であり、かつ、改札装置設置駅情報D18に係るユーザの入場駅が、磁気券エンコード情報D2に含まれる有効区間に係る情報における有効区間内に存在する駅である場合に入場可能と判定し、既に入場履歴がありかつ途中駅における出場後でないか、磁気券エンコード情報D2に係る有効期間外であるか、改札装置設置駅情報D18に係るユーザの入場駅が、磁気券エンコード情報D2に含まれる有効区間に係る情報における有効区間内に存在する駅ではない場合に入場不可能と判定する。
【0146】
また、出場の場合には、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報から入場履歴及び出場履歴につき確認の上、改札装置設置駅情報D18に係るユーザの出場駅と、磁気券エンコード情報D2に含まれる有効区間に係る情報と、につき対比する。そして、例えば、入場後出場前であり、磁気券エンコード情報D2に係る有効期間内であり、かつ、改札装置設置駅情報D18に係るユーザの出場駅が、磁気券エンコード情報D2に含まれる有効区間に係る情報における有効区間内に存在する駅である場合に出場可能と判定し、入場前又は出場後であるか、磁気券エンコード情報D2に係る有効期間外であるか、改札装置設置駅情報D18に係るユーザの出場駅が、磁気券エンコード情報D2に含まれる有効区間に係る情報における有効区間内に存在する駅ではない場合に出場不可能と判定する。
【0147】
なお、記憶部32のチケット情報記憶部322に、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する二次元コード利用可能時間情報D52が記憶されている場合には、制御部31は、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6の抽出に先立って、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する二次元コードが利用可能時間内であるかについての判定も行う。
具体的には、チケット識別子情報D10に基づき記憶部32のチケット情報記憶部322につき検索し、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する二次元コード利用可能時間情報D52を抽出した上で、例えば、二次元コード利用可能時間情報D52に含まれる当該平常時発行二次元コードデータD12が作成された時刻と、現在時刻とを対比し、その差が二次元コード利用可能時間情報D52に含まれる所定の時間内である場合に利用可能時間内であると判定し、その差が二次元コード利用可能時間情報D52に含まれる所定の時間外である場合に利用可能時間外であると判定する。
この場合、制御部31は、利用可能時間内であると判定した場合のみ、上記の受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6の抽出及び入出場の可否に係る判定を行い、利用可能時間外であると判定した場合には、制御部31は、通信部33から通信ネットワークNを介して、改札装置4へと開閉部45を閉じる旨の所定の指令を送信して、処理を終了することとなる。
【0148】
上記判定が完了すると、制御部31は、記憶部32のチケット情報記憶部322に記憶されたチケットのステータスに係る情報につき更新する(ステップS21-6)。
具体的には、入場可能であった場合、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、チケット使用中(入場後出場前)とし、出場可能であった場合、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、既使用(降車駅における出場後)又は使用中(途中駅における出場後)とする。
【0149】
上記更新が完了すると、制御部31は、ステップS21-5における改札入出場の判定結果に係る情報(第1入出場判定結果情報D20)を、通信部33から通信ネットワークNを介して、改札装置4へと送信する(ステップS21-7)。
【0150】
通信部43によって、チケット発行サーバ3から送信された第1入出場判定結果情報D20を受信した改札装置4においては、制御部41が、受信した第1入出場判定結果情報D20に基づき、開閉部45の開閉を行う(ステップS21-8)。
具体的には、受信した第1入出場判定結果情報D20が、入場又は出場を可とするものであった場合、開閉部45につき開状態とし、入場又は出場を不可とするものであった場合、開閉部45につき閉状態とすることとなる。
【0151】
チケット発行サーバ3においては、第1入出場判定結果情報D20を改札装置4へと送信した後、ステップS21-6における磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報の更新内容に関する情報(第1入出場時ステータス更新情報D21)を、通信部33から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS21-9)。
【0152】
チケット予約サーバ2においては、通信部23により第1入出場時ステータス更新情報D21を受信すると、制御部21が、記憶部22のチケット情報記憶部222に記憶された磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、ステップS21-6におけるチケット発行サーバ3における更新と同様にして更新する(ステップS21-10)。
【0153】
[イ ステップS22:改札装置において入出場判定がなされる場合]
続いて、改札装置4において入出場判定がなされる場合の動作の流れにつき、図17のフローチャートに従って説明する。
【0154】
ユーザは、列車への乗車前に改札装置4から駅の改札内へと入場することを希望する場合、又は列車への乗車後に改札装置4から駅の改札外へと出場することを希望する場合、ステップS1で発行された二次元コード、具体的には、ユーザ端末8に対して発行された場合には、ユーザ端末8の表示部84に表示された二次元コード、チケット発行装置6において発行された場合には紙等の所定の媒体に印刷等の方法で記憶された二次元コードを、改札装置4のチケット情報読取部44にかざす。
二次元コードがチケット情報読取部44にかざされると、改札装置4の制御部41は、チケット情報読取部44により、かざされた二次元コードから、平常時発行二次元コードデータD12を読み取らせる(ステップS22-1)。
【0155】
チケット情報読取部44によって平常時発行二次元コードデータD12が読み取られると、制御部41は、かざされた二次元コードが、正規のチケットか否かにつき判定する(ステップS22-2)。判定方法は、ステップS21-2において述べたものと同様である。
【0156】
ステップS22-2において平常時発行二次元コードデータD12を正規のチケットに係るものであると判定すると、改札装置4においては、制御部41が、チケット情報読取部44が読み取った平常時発行二次元コードデータD12を、記憶部42の機器情報記憶部423に記憶された改札装置設置駅情報D18及び改札装置機器情報D19と共に、通信部43から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS22-3)。
なお、ステップS22-3において非正規のチケットであると判定した場合には、制御部41は開閉部45を閉じて処理を終了することとなる。
【0157】
通信部33によって、改札装置4から送信された情報を受信したチケット発行サーバ3においては、制御部31が、改札装置機器情報D19に基づき、当該改札装置4が改札装置4において入出場判定を行う改札装置4か判断した後、改札装置4において入出場判定を行う場合、まず、記憶部32の符号化情報記憶部323に記憶されている一般符号化情報D13を用いて、符号化されている平常時発行二次元コードデータD12の基本情報部D12-1のうち符号化されている情報を復号化する(ステップS22-4)。
【0158】
続いて、制御部31は、復号化された情報に含まれるチケット識別子情報D10に基づきチケット情報記憶部322につき検索し、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6を抽出し、抽出した磁気券エンコード情報D2を、ステップS22-3において情報を送信した改札装置4へと送信する(ステップS22-5)。
【0159】
なお、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6が抽出されなかった場合には、制御部31は、通信部33から通信ネットワークNを介して、改札装置4へと開閉部45を閉じる旨の所定の指令を送信して、処理を終了することとなる。
【0160】
また、記憶部32のチケット情報記憶部322に、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する二次元コード利用可能時間情報D52が記憶されている場合には、制御部31は、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6の抽出に先立って、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する二次元コードが利用可能時間内であるかについての判定を行う。
具体的には、チケット識別子情報D10に基づき記憶部32のチケット情報記憶部322につき検索し、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する二次元コード利用可能時間情報D52を抽出した上で、例えば、二次元コード利用可能時間情報D52に含まれる当該平常時発行二次元コードデータD12が作成された時刻と、現在時刻とを対比し、その差が二次元コード利用可能時間情報D52に含まれる所定の時間内である場合に利用可能時間内であると判定し、その差が二次元コード利用可能時間情報D52に含まれる所定の時間外である場合に利用可能時間外であると判定する。
この場合、制御部31は、利用可能時間内であると判定した場合のみ、上記の受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6の抽出並びに磁気券エンコード情報D2の改札装置4への送信を行い、利用可能時間外であると判定した場合には、制御部31は、通信部33から通信ネットワークNを介して、改札装置4へと開閉部45を閉じる旨の所定の指令を送信して、処理を終了することとなる。
【0161】
通信部43によって磁気券エンコード情報D2を受信した改札装置4においては、制御部41が、受信した磁気券エンコード情報D2に基づき、入出場の可否に係る判定を行う(ステップS22-6)。上記のように、磁気券エンコード情報D2は既存の磁気券にエンコードされることとなるものと同内容のチケットの内容をなすデータであることから、この際の判定のロジックとしては、既存の磁気券による入出場の際のものを流用すればよい。これによって、新規に判定のロジックを構築する必要がなくなり、コストを抑制できる。
【0162】
具体的には、例えば、チケット発行サーバ3において入出場の可否に係る判定がなされる場合と同様、入場の場合には、磁気券エンコード情報D2に含まれるチケットのステータスに係る情報において入場履歴がないか途中駅における出場後であり、磁気券エンコード情報D2に係る有効期間内であり、かつ、改札装置設置駅情報D18に係るユーザの入場駅が、磁気券エンコード情報D2に係る有効区間内に存在する駅である場合に入場可能と判定し、出場の場合には、磁気券エンコード情報D2に含まれるチケットのステータスに係る情報において入場後出場前であり、磁気券エンコード情報D2に係る有効期間内であり、かつ、改札装置設置駅情報D18に係るユーザの出場駅が、磁気券エンコード情報D2に係る有効区間内に存在する駅である場合に出場可能と判定する。
【0163】
上記判定が完了すると、制御部41は、判定結果に基づき、開閉部45の開閉を行う(ステップS22-7)。
具体的には、ステップS22-7における判定結果が、入場又は出場を可とするものであった場合、開閉部45につき開状態とし、入場又は出場を不可とするものであった場合、開閉部45につき閉状態とすることとなる。
【0164】
続いて、改札装置4においては、制御部41が、ステップS22-6における改札入出場の判定結果に係る情報(第2入出場判定結果情報D22)を、ステップS22-5において受信した磁気券エンコード情報D2と共に、通信部43から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS22-8)。
【0165】
改札装置4から送信された情報を受信したチケット発行サーバ3においては、制御部31が、記憶部32のチケット情報記憶部322に記憶された磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報につき更新する(ステップS22-9)。
具体的には、入場可能であった場合、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、チケット使用中(入場後出場前)とし、出場可能であった場合、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、既使用(降車駅における出場後)又は使用中(途中駅における出場後)とする。
【0166】
上記更新が完了すると、制御部31は、ステップS22-9における磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報の更新内容に係る情報(第2入出場時ステータス更新情報D23)を、通信部33から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS22-10)。
【0167】
チケット予約サーバ2においては、通信部23により第2入出場時ステータス更新情報D23を受信すると、制御部21が、記憶部22のチケット情報記憶部222に記憶された磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、ステップS22-9におけるチケット発行サーバ3における更新と同様にして更新する(ステップS22-11)。
【0168】
[(2) 本ステップにおける効果]
本実施形態に係るチケット情報処理システム100によれば、上記のようにして改札入出場が行われることにより、以下の効果を得ることができる。
【0169】
すなわち、上記のように、チケット発行サーバ3には、記憶部32のチケット情報記憶部322に、例えば、具体的なチケットの有効区間(乗車駅と降車駅との間の経由駅を経由する区間)及びチケットの有効期間等の情報を含むチケットの内容をなす情報である磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6と、チケットごとに付された識別子に係る情報であるチケット識別子情報D10と、が紐付けて記憶されている。そして、改札装置4から、チケット情報読取部44によって読み取られた平常時発行二次元コードデータD12に含まれる形でチケット識別子情報D10を受信すると、チケット発行サーバ3においては、受信したチケット識別子情報D10に対応する磁気券エンコード情報D2につき抽出の上、これを基にチケット発行サーバ3において入出場の可否につき判定がなされるか、磁気券エンコード情報D2をチケット発行サーバ3から取得した改札装置4において入出場の可否につき判定がなされることとなる。
【0170】
したがって、いずれにしても、改札装置4で読み取られることとなる二次元コード自体には、入出場に係る判定に必要となるチケットの内容をなす情報は含まれておらず、改札装置4において読み取られたチケット識別子情報D10に対応する磁気券エンコード情報D2がチケット発行サーバ3に記憶されていなければ、ユーザは入出場できない。
【0171】
したがって、発行されていない内容の二次元コードが偽造されたとしても、チケット発行サーバ3に対応するデータがなければ当該チケットの所持者は入出場できず、また、正規に発行された二次元コードが複製される形でチケットが偽造された場合も、同一の二次元コードが複数回使用されれば必ずチケット発行サーバ3において検知できることから、改札において偽造チケットの使用を防止し易くなる。
【0172】
また、従来の磁気券と違い、チケットを二次元コードとすると、一度発行された二次元コードの書き替えは困難であることから、チケット自体に記憶された情報の書き替えにより、当該チケットについての、未使用、使用中、既使用等のステータスに係る情報を更新することができない。
【0173】
この点、本実施形態によれば、チケット予約サーバ2及びチケット発行サーバ3において、チケット識別子情報D10と紐付けて、チケットのステータスに係る情報を含む磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8が記憶され、チケット発行サーバ3又は改札装置4においてなされた入出場の可否に係る判定結果に従い、これらに含まれるチケットのステータスに係る情報につき更新がなされることから、二次元コードをチケットに用いつつ、容易にチケットのステータスに係る情報につき更新し、記憶することができる。
【0174】
また、本実施形態によれば、ユーザの入出場に係る判定がチケット発行サーバ3で行われる場合、改札装置4で行われる場合のいずれにおいても、改札装置4のチケット情報読取部44によって、ユーザによってかざされた二次元コードからデータが読み取られた後、まず当該チケットが正規に発行されたチケットであるかにつき判定がなされ、正規に発行されたチケットでない場合には、その後のステップへと進むことはない。
【0175】
したがって、正規に発行されたチケットでないチケットについては、チケット発行サーバ3へとデータが送られることもなく、入場又は出場の可否の判定に係る処理を一切行うことなく処理を終了できることから、正規に発行されたものではないチケットが改札装置4においてチケット情報読取部44にかざされた場合の、チケット発行サーバ3及び改札装置4における処理の負担を低減できる。
また、正規に発行されたものではないチケットにつきチケット発行サーバ3において入場又は出場の可否に係る判定がなされることがなくなることから、DoS攻撃のようなサーバ負荷攻撃にも対抗することができる。
【0176】
また、チケット発行サーバ3において、記憶部32のチケット情報記憶部322に、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する二次元コード利用可能時間情報D52が記憶されている場合には、二次元コード利用可能時間情報D52を用いて、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する二次元コードが利用可能時間内であるかについての判定が行われることから、当該利用可能時間経過後の二次元コードの利用を防止することが可能となり、これによって、ステップS1において述べたように、一回限りの利用に限定されない企画券についても、二次元コードにより発行し易くなる。
【0177】
また、発行されたチケットから読み取られる平常時発行二次元コードデータD12が、基本情報部D12-1と、正当性検定部D12-2と、を有し、正当性検定部D12-2に、基本情報部D12-1に含まれるデータを基に、所定の変換規則又は計算式に従って、所定の検定用の変換又は計算を行った結果に係る情報である一般検定情報D14が含まれると共に、改札装置4において、記憶部42の検定用処理情報記憶部422に、同様の所定の変換規則又は計算式が、一般検定用処理情報D15として記憶されていることで、改札装置4において、容易にチケットの正規券判定を行うことが可能となる。
【0178】
[3 ステップS3:ウェブチェックイン/アウト]
続いて、改札装置4が備えられていない駅においても、ユーザの入出場に従い入出場履歴を記録するため、ウェブチェックイン又はウェブチェックアウト、すなわち、ユーザ端末8から、改札装置4を介さずに、入出場の可否の判定及びチケット予約サーバ2及びチケット発行サーバ3に記憶された磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報への入出場履歴の反映を行う際の流れにつき、図18のフローチャートに従って説明する。
【0179】
[(1) 動作の流れ]
前提として、ウェブチェックイン及びウェブチェックアウトを可能とするため、改札装置4が備えられていない駅には、各駅の管理者等が、各駅の入出場口(改札内、改札外の境界)付近の柱等の所定の場所に、所定の二次元コードを掲示するようにする。
【0180】
具体的には、各駅の入出場口付近に、チェックイン用とチェックアウト用の2種類の二次元コードが掲示される。このうち、チェックイン用のものは、例えば、当該二次元コードが掲示された駅の駅名、バージョン情報及びチェックイン用である旨の情報(当該二次元コードに含まれる情報を、合わせてウェブチェックイン用情報D24という。)が記憶された二次元コードであり、各駅の入出場口の外側に掲示される。また、チェックアウト用のものは、例えば、当該二次元コードが掲示された駅の駅名、バージョン情報及びチェックアウト用である旨の情報(当該二次元コードに含まれる情報を、合わせてウェブチェックアウト用情報D25という。)が記憶された二次元コードであり、各駅の入出場口の内側に掲示される。
【0181】
なお、ウェブチェックイン用情報D24及びウェブチェックアウト用情報D25に含まれるバージョン情報は、定期的に新しいものに更新され、そのたびに掲示された二次元コードがかけ替えられることとなる。
また、二次元コードと共に、チェックイン用又はチェックアウト用のいずれであるかを表示することにより、ユーザが間違えないようにすることが好ましい。
【0182】
ユーザは、ウェブチェックイン又はウェブチェックアウトを行うことを希望する場合、まず、ユーザ端末8の操作部85を用いて所定の操作を行い、所定のウェブページにアクセスする、所定のアプリケーションを起動する等して、チケット予約サーバ2との通信ネットワークNを介した接続を確立した後、記憶部82のチケット情報記憶部822に記憶された平常時発行二次元コード画像データD16から、ウェブチェックイン又はウェブチェックアウトに利用することを希望するデータを選択する(ステップS3-1)。
なお、ステップS3-1においては、ユーザが利用を希望するチケットを選択できればよく、必ずしも平常時発行二次元コード画像データD16から選択する必要はない。例えば、ユーザ端末8の表示部84に、チケットの有効期間に係る情報及びチケットの有効区間に係る情報等、当該ユーザが購入した各チケットに係る所定の情報が含まれるリストが表示されるようにし、ユーザが、当該リストから利用を希望するチケットを選択するようにしてもよい。
【0183】
続いてユーザは、ユーザ端末8の操作部85を用いた操作により、撮像部86を用いて、ウェブチェックインの場合であれば、駅に掲示されたウェブチェックイン用の二次元コードを撮影し、ウェブチェックアウトの場合であれば、駅に掲示されたウェブチェックアウト用の二次元コードを撮影する。二次元コードが撮影されると、制御部81は、撮像部86によって撮像された二次元コードから、その記憶内容であるウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25を読み取る(ステップS3-2)。ウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25には、上記の通り、当該二次元コードが掲示された駅の駅名に係る情報が含まれることから、これをユーザ端末8において読み取った場合、読み取った情報には、ユーザ端末8、ひいてはユーザが所在する駅の駅名に係る情報が含まれることとなる。
【0184】
続いて、ユーザ端末8の制御部81は、位置情報取得部87によって、ユーザ端末8、ひいてはそれを携帯するユーザの位置情報(ユーザ位置情報D26)を取得させる(ステップS3-3)。
【0185】
位置情報取得部87によってユーザ位置情報D26が取得されると、制御部81は、ステップS3-2で読み取られたウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25と、ステップS3-3で取得したユーザ位置情報D26と、を、ステップS3-1でユーザが選択したデータに対応するチケット予約情報D8と共に、通信部83から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信させる(ステップS3-4)。
【0186】
通信部23によってユーザ端末8から送信された情報を受信したチケット予約サーバ2においては、制御部21が、ウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25に含まれるバージョン情報につき確認の上、これが最新のものであった場合、受信したユーザ位置情報D26と、記憶部22の鉄道駅情報記憶部223に記憶された鉄道駅情報D27とを用いてユーザの利用駅につき特定する(ステップS3-5)。鉄道駅情報D27は、鉄道路線の各駅に係る、所在地の位置情報(経度及び緯度)を含む情報である。
なお、ウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25に含まれるバージョン情報が最新のものでなかった場合、制御部21はその旨ユーザ端末8に通知して処理を終了する。
【0187】
具体的には、鉄道駅情報D27には、上記のように各駅の位置情報が含まれることから、これと受信したユーザ位置情報D26とを対比の上、例えば、ユーザ位置情報D26に係る位置から所定の距離内にあり、かつユーザ位置情報D26に係る位置から最も近い駅を、ユーザの利用駅として特定する。この場合、ユーザ位置情報D26に係る位置から所定の距離内にある駅が存在しなかった場合、その旨の通知をユーザ端末8へと送信して処理を終了することとなる。
【0188】
また、ユーザ位置情報D26に係る位置から所定の距離内にある駅が複数存在する場合、ユーザ端末8にこれら複数の駅に係る情報を候補駅として送信し、ユーザが、ユーザ端末8の操作部85を使用して、これら複数の駅から利用駅を選択可能としてもよい。この場合、位置情報取得部87によって取得されるユーザ位置情報D26の精度が十分でない場合においても、ユーザにより正しい利用駅を特定させることが可能となる。
【0189】
続いて、制御部21は、ステップS3-5において特定した駅名と、ステップS3-4で受信したウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25に含まれる駅名に係る情報を、を対比し、駅名の一致につき判定する(ステップS3-6)。
【0190】
ステップS3-5において特定した駅名と、ステップS3-4で受信したウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25に含まれる駅名と、が一致していた場合、制御部21は、通信部23から通信ネットワークNを介して、当該駅名に係る情報(利用駅情報D28)を、通信部23から通信ネットワークNを介してユーザ端末8へと送信する(ステップS3-7)。なお、ステップS3-5において特定した駅名と、ステップS3-4で受信したウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25に含まれる駅名と、が一致しなかった場合、その旨の通知をユーザ端末8へと送信し、処理を終了することとなる。
【0191】
なお、不正防止の観点から好ましくはないものの、上記のような過程を経ず、チケット予約サーバ2において、ステップS3-4におけるウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25の受信又はステップS3-5における位置情報に基づく利用駅の特定のいずれかのみを行うようにし、ウェブチェックイン用情報D24若しくはウェブチェックアウト用情報D25に含まれる駅名に係る情報、又はステップS3-5においてユーザ位置情報D26に基づいて特定された利用駅の駅名に係る情報を、そのまま利用駅情報D28とするように構成することも可能である。
この場合、ステップS3-4において、ユーザ端末8からチケット予約サーバ2へと送信する必要のある情報も、ウェブチェックイン用情報D24若しくはウェブチェックアウト用情報D25、又はユーザ位置情報D26のいずれかのみということとなる。
【0192】
通信部83によって利用駅情報D28を受信したユーザ端末8においては、制御部81が、受信した利用駅情報D28を、表示部84に表示させる(ステップS3-8)。
表示部84に利用駅情報D28が表示されると、ユーザはこれを確認した後、利用駅に間違いがなければ、操作部85を用いて、所定のウェブチェックイン又はウェブチェックアウトの操作を行い、当該操作がなされると、制御部81は、当該操作がなされた旨の情報(ウェブチェックイン/アウト指示情報D29)を、通信部83から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS3-9)。
【0193】
通信部23によってウェブチェックイン/アウト指示情報D29を受信したチケット予約サーバ2においては、制御部21が、ステップS3-4で受信したチケット予約情報D8に基づき、記憶部22のチケット情報記憶部222につき検索し、対応するチケット購入情報D6を抽出した上、これに含まれるチケット購入番号情報D7を、利用駅情報D28及び利用日時に係る情報(当該時点における日付及び時刻に係る情報、利用日時情報D30)と共に、通信部23から通信ネットワークNを介してチケット発行サーバ3へと送信する(ステップS3-10)。
【0194】
通信部33によって、チケット予約サーバ2から送信された情報を受信したチケット発行サーバ3においては、制御部31が、チケット購入番号情報D7に基づき、記憶部32のチケット情報記憶部322につき検索し、対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6を抽出した上で、磁気券エンコード情報D2に含まれるチケットの有効期間に係る情報及び有効区間に係る情報と、受信した利用駅情報D28及び利用日時情報D30と、とを対比して、ウェブチェックイン又はウェブチェックアウトの可否、すなわち、当該ユーザの改札内への入場又は改札内からの出場の可否に係る判定を行う(ステップS3-11)。
【0195】
具体的には、ウェブチェックインの場合には、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報から入場履歴及び出場履歴につき確認の上、利用駅情報D28及び利用日時情報D30と、磁気券エンコード情報D2に含まれるチケットの有効期間に係る情報及び有効区間に係る情報と、につき対比する。そして、例えば、入場履歴がないか途中駅における出場後であり、さらに、利用駅情報D28に係る利用駅が、磁気券エンコード情報D2に係る有効区間内に存在する駅であり、かつ、利用日時情報D30に係る利用日時が、磁気券エンコード情報D2に係る有効期間内である場合にウェブチェックイン可能、いずれか一つでも満たさない場合にウェブチェックイン不可能と判定する。
【0196】
また、ウェブチェックアウトの場合には、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報から入場履歴及び出場履歴につき確認の上、利用駅情報D28及び利用日時情報D30と、磁気券エンコード情報D2に含まれるチケットの有効期間に係る情報及び有効区間に係る情報と、につき対比する。そして、例えば、入場後出場前である場合に、さらに、利用駅情報D28に係る利用駅が、磁気券エンコード情報D2に係る有効区間内に存在する駅であり、かつ、利用日時情報D30に係る利用日時が、磁気券エンコード情報D2に係る有効期間内である場合にウェブチェックアウト可能、いずれか一つでも満たさない場合にウェブチェックアウト不可能と判定する。
【0197】
上記判定が完了すると、制御部31は、記憶部32のチケット情報記憶部322に記憶された磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報につき更新する(ステップS3-12)。
具体的には、ウェブチェックイン可能であった場合、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、チケット使用中(入場後出場前)とし、ウェブチェックアウト可能であった場合、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、既使用(降車駅における出場後)又は使用中(途中駅における出場後)とする。
【0198】
上記更新が完了すると、制御部31は、ステップS3-11におけるウェブチェックイン又はウェブチェックアウトの判定結果に係る情報(ウェブチェックイン/アウト判定結果情報D31)と、ステップS3-12における磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報の更新内容に関する情報(ウェブチェックイン/アウト時ステータス更新情報D32)と、を通信部33から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS3-13)。
【0199】
チケット予約サーバ2においては、通信部23により、チケット発行サーバ3から送信された情報を受信すると、制御部21が、記憶部22のチケット情報記憶部222に記憶された磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、ステップS3-12におけるチケット発行サーバ3における更新と同様にして更新する(ステップS3-14)。
【0200】
上記更新が完了すると、制御部21は、ウェブチェックイン/アウト判定結果情報D31を、通信部23から通信ネットワークNを介して、ユーザ端末8へと送信し(ステップS3-15)、通信部83によりこれを受信したユーザ端末8においては、制御部81が、ウェブチェックイン/アウト判定結果情報D31に基づき、ウェブチェックイン又はウェブチェックアウトの可否につき表示部84に表示させる(ステップS3-16)。
【0201】
[(2) 本ステップにおける効果]
本実施形態に係るチケット情報処理システム100によれば、上記のようにしてウェブチェックイン/アウトが可能となることにより、以下の効果を得ることができる。
【0202】
従来、無人駅等の改札装置4が設置されていない駅においては、改札装置4によって取得される情報を基に、入場駅での入場の可否につき判定して入場が可能な場合にのみ入場を許可した上で、入場に係る履歴を残すことができない。
したがって、このような駅が入場駅となっているチケットを所持するユーザについては、出場駅において入場履歴の有無にかかわらず出場させるしかないが、このような状況では、乗車した区間のうち乗車駅付近及び降車駅付近についてのチケットのみを購入し、途中区間につきチケットを購入しないで乗車する不正乗車が容易にできてしまう。
この点は、磁気券と異なり、画像データとして容易に受け渡し可能な二次元コードをチケットに利用した場合、大量に購入の上転売することが容易となることから、組織的な不正に利用されるおそれがあり、より深刻となる。
【0203】
この点、本実施形態によれば、ユーザが、ユーザ端末8を利用してウェブチェックイン/アウトを行うことができるようにすることで、改札装置4が設置されていない駅から入場するユーザについても、入出場の可否につき判定の上、判定結果に応じて、ユーザの入場履歴を、チケット予約サーバ2及びチケット発行サーバ3において残す(磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報を更新する)ことが可能となる。
したがって、改札装置4が設置されていない駅から入場したユーザについても、入場に係る履歴がない場合に、出場駅において出場を拒むことが可能となることから、改札装置4が設置されていない駅から入場したユーザによって不正乗車がなされるリスクを低減できる。
【0204】
ただし、単にユーザ端末8から送信された情報に応じて、ユーザの入出場の可否につき判定の上、判定結果に応じて、ユーザの入場履歴を、チケット予約サーバ2及びチケット発行サーバ3において残すようにするのみだと、ユーザ端末8がどこにあってもウェブチェックイン/アウトが可能となってしまう。
これだと、何ら履歴がなくても出場できる状態よりはよいものの、事前にウェブチェックイン/アウト処理を行うことが可能となり、このような処理がなされたチケットを利用されると、不正乗車を防止できない。また、ウェブチェックイン/アウト処理の上で転売されれば、上記のような組織的な不正に利用されるおそれも存する。
【0205】
そこで、本実施形態においては、ユーザ端末8において取得されたウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25と、ユーザ位置情報D26と、を用いてユーザが入場又は出場する駅について特定の上、当該駅における入出場に係るウェブチェックイン/アウトしかできないようにすることで、実際に駅にいるものにしか、ウェブチェックイン/アウトを行うことができなくなり、上記のようなリスクを低減できる。なお、事前に駅に行けばウェブチェックイン/アウトを行うことが可能であることから、不正のリスクは未だ存するものの、逐一駅に行くのは非常に手間が掛かることから、少なくとも組織的に大規模に行うことは難しくなる。
【0206】
また、ユーザ端末8からユーザ位置情報D26を取得するのみだと、列車内からもウェブチェックインが可能となってしまうことから、ユーザが、降車時に用いるチケットに係る乗車駅を通過する際に列車内でウェブチェックインを行うことで、不正乗車を行うことができてしまうが、駅に掲示された二次元コードから読み取られるウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25を用いるようにすることで、上記のような不正乗車を行う場合、ユーザは、駅でわざわざ降車の上、ユーザ端末8によって二次元コードを読み取らせなければならなくなり、このような行動は明らかに不自然であることから、上記のような不正乗車のおそれも低減できる。
【0207】
また、ユーザ端末8からウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25を取得するのみだと、駅に掲示された二次元コードが盗難されたり、事前に写真撮影の上複製されたりした場合に、これを用いて駅以外でもウェブチェックインが可能となってしまうおそれがあるが、ユーザ端末8において取得されるユーザ位置情報D26を用いるようにすることで、このようなおそれも低減できる。また、不正を働こうとしているユーザや、二次元コードが盗難又は写真撮影により流出した駅につき特定することも可能となる。
また、ウェブチェックイン用情報D24及びウェブチェックアウト用情報D25がバージョン情報を含むとともに、最新のものしかウェブチェックイン/アウトに利用できなくした上で、頻繁にバージョン情報を更新することによっても、盗難されたり、事前に写真撮影の上複製されたりした二次元コードが利用されるおそれを低減できる。
【0208】
また、ウェブチェックイン用情報D24及びウェブチェックアウト用情報D25がバージョン情報を含むとともに、最新のものしかウェブチェックイン/アウトに利用できなくした上で、さらに、バージョン情報が最新のものではないウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25を利用してウェブチェックイン/アウトを行おうとしたユーザがいた場合に、チケット予約サーバ2においてユーザ端末8から受信した情報につき記憶して履歴を残した上で、さらに当該ユーザのそれ以降のウェブチェックイン/アウトの利用を停止するようにすれば、駅に掲示された二次元コードを事前に撮影して、古いウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25を利用する不正に対する対策を、さらに強化できる。
【0209】
[4 ステップS4:一括入出場]
続いて、ユーザ端末8を用いて、ステップS11で説明したようにして平常時発行二次元コード画像データD16によりチケットの発行を受けたユーザと、これと紐づけられたチケットを利用する同伴者と、につき、一括してウェブチェックイン/アウトを行う際の流れにつき、図19及び図20のフローチャートに従って説明する。
【0210】
[(1) 動作の流れ]
この場合、ユーザは、まず、ステップS11において、平常時発行二次元コード画像データD16の発行を受け、これが記憶部82のチケット情報記憶部822に記憶された後、これと紐づけられた、ユーザ端末8を所持するユーザ以外の同伴者が使用するチケットに係る二次元コードの画像データである同伴者用二次元コード画像データD33の発行を受ける(ステップS4-1)。複数の同伴者につき一括してウェブチェックイン/アウトを行う場合には、同伴者の人数分発行を受けることとなる。
【0211】
同伴者用二次元コード画像データD33の発行を受けるための流れは、基本的にステップS11で説明した平常時発行二次元コード画像データD16の発行を受けるまでの流れと同様であり、同伴者用二次元コード画像データD33は、チケット予約サーバ2から、通信ネットワークNを介してユーザ端末8へと送信され、ユーザ端末8においては、制御部81が、受信した同伴者用二次元コード画像データD33を、記憶部82のチケット情報記憶部822に記憶することとなる。
なお、同伴者用二次元コード画像データD33の元となる二次元コードデータ(同伴者用二次元コードデータ)の内容は、基本的にステップS11で説明した平常時発行二次元コードデータD12と同様である。
【0212】
同伴者用二次元コード画像データD33が記憶部82のチケット情報記憶部822に記憶されると、ユーザは、ユーザ端末8の操作部85を用いて所定の操作を行い、同伴者用二次元コード画像データD33に係る二次元コードを、任意の印刷手段を用いて紙等の所定の媒体に印刷させる(ステップS4-2)。
【0213】
同伴者用二次元コード画像データD33に係る二次元コードが印刷された後、ユーザが駅に赴き、ウェブチェックイン又はウェブチェックアウトを行うことを希望する場合、まず、ユーザ端末8の操作部85を用いて所定の操作を行い、所定のウェブページにアクセスする、所定のアプリケーションを起動する等して、チケット予約サーバ2との通信ネットワークNを介した接続を確立した後、記憶部82のチケット情報記憶部822に記憶された平常時発行二次元コード画像データD16から、自らがウェブチェックイン又はウェブチェックアウトに利用することを希望するデータを選択する(ステップS4-3)。なお、ステップS3において述べたのと同様、平常時発行二次元コード画像データD16から選択することは必須ではなく、所定のリストから選択する等、ユーザが利用を希望するチケットを選択可能であれば任意の選択方法を用いることができる。
【0214】
続いて、ユーザは、記憶部82のチケット情報記憶部822に記憶された同伴者用二次元コード画像データD33から、同伴者がウェブチェックイン又はウェブチェックアウトに利用することを希望するデータを選択する(ステップS4-4)。なお、ここでも、同伴者用二次元コード画像データD33から選択することは必須ではなく、所定のリストから選択する等、同伴者が利用を希望するチケットを選択可能であれば任意の選択方法を用いることができる。
【0215】
この際、ユーザは、複数の同伴者用二次元コード画像データD33につき選択し、複数の同伴者につき、一括してウェブチェックイン又はウェブチェックアウトさせるようにすることも可能である。この場合、この後の処理はこのような複数の同伴者に係るデータにつき一括してなされることとなる。
【0216】
これ以降の処理は、ユーザ自身と同伴者につき一括した処理がなされる点を除いて、ステップS3におけるステップS3-2以降と同様であり、まず、ユーザは、ユーザ端末8の操作部85を用いた操作により、撮像部86を用いて、駅に掲示されたウェブチェックイン用の二次元コード又はウェブチェックアウト用の二次元コードを撮影し、二次元コードが撮影されると、制御部81は、撮像部86によって撮像された二次元コードから、その記憶内容であるウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25を読み取る(ステップS4-5)。
【0217】
続いて、制御部81は、位置情報取得部87によって、ユーザ端末8の位置情報(ユーザ位置情報D26)を取得させる(ステップS4-6)。
位置情報取得部87によってユーザ位置情報D26が取得されると、制御部81は、ステップS4-5で読み取られたウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25と、ステップS4-6で取得したユーザ位置情報D26と、を、ステップS4-3で選択された平常時発行二次元コード画像データD16及びステップS4-4で選択された同伴者用二次元コード画像データD33に対応するチケット予約情報D8と共に、通信部83から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信させる(ステップS4-7)。
【0218】
通信部23によってユーザ端末8から送信された情報を受信したチケット予約サーバ2においては、制御部21が、ウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25に含まれるバージョン情報につき確認の上、これが最新のものであった場合、受信したユーザ位置情報D26と、記憶部22の鉄道駅情報記憶部223に記憶された鉄道駅情報D27とを用いてユーザの利用駅につき特定する(ステップS4-8)。
【0219】
続いて、制御部21は、ステップS4-8において特定した駅名と、ステップS3-4で受信したウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25に含まれる駅名に係る情報を、を対比し、駅名の一致につき判定し(ステップS4-9)、ステップS4-8において特定した駅名と、ステップS4-7で受信したウェブチェックイン用情報D24又はウェブチェックアウト用情報D25に含まれる駅名と、が一致していた場合、制御部21は、通信部23から通信ネットワークNを介して、当該駅名に係る情報(利用駅情報D28)を、通信部23から通信ネットワークNを介してユーザ端末8へと送信する(ステップS4-10)。
【0220】
通信部83によって利用駅情報D28を受信したユーザ端末8においては、制御部81が、受信した利用駅情報D28を、表示部84に表示させ(ステップS4-11)、これを確認したユーザは、利用駅に間違いがなければ、操作部85を用いて、所定のウェブチェックイン又はウェブチェックアウトの操作を行い、当該操作がなされると、制御部81は、当該操作がなされた旨の情報(ウェブチェックイン/アウト指示情報D29)を、通信部83から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS4-12)。
【0221】
通信部23によってウェブチェックイン/アウト指示情報D29を受信したチケット予約サーバ2においては、制御部21が、ステップS4-7で受信したチケット予約情報D8に基づき、記憶部22のチケット情報記憶部222につき検索し、ステップS4-3で選択された平常時発行二次元コード画像データD16に対応するチケット購入情報D6及びステップS4-4で選択された同伴者用二次元コード画像データD33に対応するチケット購入情報D6を抽出した上、これらに含まれるチケット購入番号情報D7を、利用駅情報D28及び利用日時に係る情報(利用日時情報D30)と共に、通信部23から通信ネットワークNを介してチケット発行サーバ3へと送信する(ステップS4-13)。
【0222】
通信部33によって、チケット予約サーバ2から送信された情報を受信したチケット発行サーバ3においては、制御部31が、チケット購入番号情報D7に基づき、記憶部32のチケット情報記憶部322につき検索し、対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6を抽出した上で、磁気券エンコード情報D2に含まれるチケットの有効期間に係る情報及びチケットの有効区間に係る情報と、受信した利用駅情報D28及び利用日時情報D30と、とを対比して、ステップS4-3で選択された平常時発行二次元コード画像データD16に係るチケット及びステップS4-4で選択された同伴者用二次元コード画像データD33に係るチケットの両者につき、ウェブチェックイン又はウェブチェックアウトの可否に係る判定を行い、平常時発行二次元コード画像データD16に対応するウェブチェックイン又はウェブチェックアウトの判定結果に係る情報であるウェブチェックイン/アウト判定結果情報D31と、同伴者用二次元コード画像データD33に対応するウェブチェックイン又はウェブチェックアウトの判定結果に係る情報である同伴者ウェブチェックイン/アウト判定結果情報D31Aと、を取得する(ステップS4-14)。
【0223】
上記判定が完了すると、制御部31は、記憶部32のチケット情報記憶部322に記憶された、ステップS4-3で選択された平常時発行二次元コード画像データD16に対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報、並びにステップS4-4で選択された同伴者用二次元コード画像データD33に対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報の両者につき更新する(ステップS4-15)。
【0224】
上記更新が完了すると、制御部31は、ステップS4-14におけるウェブチェックイン又はウェブチェックアウトの判定結果に係る情報(ウェブチェックイン/アウト判定結果情報D31及び同伴者ウェブチェックイン/アウト判定結果情報D31A)と、ステップS4-15における磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報の更新内容に関する情報(平常時発行二次元コード画像データD16に対応するウェブチェックイン/アウト時ステータス更新情報D32及び同伴者用二次元コード画像データD33に対応する同伴者ウェブチェックイン/アウト時ステータス更新情報D32A)と、を通信部33から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS4-16)。
【0225】
チケット予約サーバ2においては、通信部23により、チケット発行サーバ3から送信された情報を受信すると、制御部21が、記憶部22のチケット情報記憶部222に記憶された、ステップS4-3で選択された平常時発行二次元コード画像データD16に対応する磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報、並びにステップS4-4で選択された同伴者用二次元コード画像データD33に対応する磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報の両者につき、ステップS4-15におけるチケット発行サーバ3における更新と同様にして更新する(ステップS4-17)。
【0226】
上記更新が完了すると、制御部21は、ステップS4-3で選択された平常時発行二次元コード画像データD16に対応するウェブチェックイン/アウト判定結果情報D31及びステップS4-4で選択された同伴者用二次元コード画像データD33に対応する同伴者ウェブチェックイン/アウト判定結果情報D31Aを、通信部33から通信ネットワークNを介して、ユーザ端末8へと送信し(ステップS4-18)、通信部83によりこれを受信したユーザ端末8においては、制御部81が、ウェブチェックイン/アウト判定結果情報D31及び同伴者ウェブチェックイン/アウト判定結果情報D31Aに基づき、ユーザ及び同伴者のウェブチェックイン又はウェブチェックアウトの可否につき表示部84に表示させる(ステップS4-19)。
【0227】
[(2) 本ステップにおける効果]
本実施形態に係るチケット情報処理システム100によれば、上記のようにして、ユーザ端末8を携帯するユーザと、ユーザ端末8を携帯しない同伴者と、につき、一括してウェブチェックイン/アウトを行うことが可能となることにより、以下の効果を得ることができる。
【0228】
すなわち、ステップS3において説明したように、ユーザが、例えばスマートフォン、タブレット端末等のユーザ端末8を利用してウェブチェックイン/アウトを行うことができるようにすることで、改札装置4が設置されていない駅から入場したユーザについても、入場に係る履歴がない場合に、出場駅において出場を拒むことが可能となるが、この場合、ユーザ端末8を携帯していない者は、一律に改札装置4が設置されていない駅を利用できなくなってしまう。
この点、例えば、家族連れで出かける際等には、両親はスマートフォン、タブレット端末等を持っていたとしても、子供は持っていないといったケースも多いことから、上記のような状態は不便である。
【0229】
この点、本実施形態によれば、ユーザ端末8を携帯するユーザは、自らが利用する平常時発行二次元コード画像データD16に係るチケットのみならず、同伴者が利用する同伴者用二次元コード画像データD33に係るチケットについても、ウェブチェックイン/アウトを行うことができる。
【0230】
これによって、ユーザ端末8を携帯していない者についても、ユーザ端末8を携帯するユーザと共に入出場する同伴者であれば、その入出場の可否につき判定の上、判定結果に応じて、入場履歴を、チケット予約サーバ2及びチケット発行サーバ3において残す(磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報を更新する)ことが可能となる。
したがって、改札装置4が設置されていない駅における入出場に際して、ウェブチェックイン/アウトを必須としたとしても、ユーザ端末8を携帯していない者も、少なくともユーザ端末8を携帯するユーザと同行する限りにおいて、このような駅を利用可能となる。
【0231】
[5 ステップS5:駅員による入出場判定]
続いて、ユーザの入出場の可否に係る判定及びチケットのステータスに係る情報の更新につき、改札装置4を利用せずに、駅に所在する駅員が行う際の流れにつき、窓口処理機5を利用する場合と、駅員端末7を利用する場合とに分けて説明する。
【0232】
[(1) 動作の流れ]
[ア ステップS51:窓口処理機を利用する場合]
まず、駅員が窓口処理機5を利用する場合の動作の流れにつき、図21のフローチャートに従って説明する。
【0233】
ユーザは、例えば、駅員が所在する駅において、改札装置4が何らかのトラブルで使用できない場合や、駅員が所在するが改札装置4が設置されていない駅に赴いた場合等において、列車への乗車前に駅の改札内へと入場することを希望する場合、又は列車への乗車後に駅の改札外へと出場することを希望する場合、ユーザ端末8の操作部85を用いて所定の操作を行い、記憶部82のチケット情報記憶部822に記憶された、入場又は出場に使用することを希望するチケットについての平常時発行二次元コード画像データD16に係る二次元コード及びチケット番号情報D11に係るチケット番号を、表示部84に表示させたのち、表示された二次元コード及びチケット番号を駅員に提示する。
また、ステップS12において紙等の所定の媒体によって発行されたチケットを使用する場合、ユーザは当該チケットを駅員に提示する。
【0234】
ユーザによって提示された平常時発行二次元コード画像データD16に係る二次元コード及びチケット番号情報D11に係るチケット番号を確認した駅員は、窓口処理機5のチケット情報読取部56に、提示された二次元コードをかざすか、又は窓口処理機5の操作部55を用いて、提示されたチケット番号を入力する。二次元コードがチケット情報読取部56にかざされた場合、チケット情報読取部56は、制御部51の制御の下、かざされた二次元コードから、平常時発行二次元コードデータD12を読み取る(ステップS51-1)。
【0235】
チケット情報読取部56によって平常時発行二次元コードデータD12が読み取られ、又はチケット番号情報D11に係るチケット番号が入力されると、窓口処理機5においては、制御部51が、読み取られた平常時発行二次元コードデータD12又は入力されたチケット番号情報D11を、通信部53から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS51-2)。
【0236】
通信部33によって、窓口処理機5から送信された情報を受信したチケット発行サーバ3においては、制御部31が、平常時発行二次元コードデータD12又はチケット番号情報D11に基づき、記憶部32のチケット情報記憶部322につき検索し、受信した平常時発行二次元コードデータD12又はチケット番号情報D11に対応するチケット購入情報D6が存在した場合、当該チケット購入情報D6を抽出する(ステップS51-3)。なお、平常時発行二次元コードデータD12を受信した場合、制御部31は、まず、平常時発行二次元コードデータD12の基本情報部D12-1のうち符号化されている情報を、記憶部32の符号化情報記憶部323に記憶された一般符号化情報D13を用いて復号化した後、復号化された情報に含まれるチケット識別子情報D10に基づき検索を行うこととなる。
【0237】
チケット購入情報D6の抽出が完了すると、チケット発行サーバ3においては、制御部31が、抽出したチケット購入情報D6に係るチケットに関する情報(磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8)の更新を一時的に停止し、記憶された情報を固定する旨の所定の指示を、ステップS51-1で、窓口処理機5において平常時発行二次元コードデータD12が読み取られた場合には当該チケットに係るチケット購入番号情報D7と共に、窓口処理機5においてチケット番号情報D11が入力された場合には当該チケットに係るチケット番号情報D11と共に、通信部33から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS51-4)。
【0238】
チケット発行サーバ3から送信された指示と、チケット購入番号情報D7又はチケット番号情報D11と、を通信部23によって受信したチケット予約サーバ2においては、制御部21が、チケット購入番号情報D7又はチケット番号情報D11に基づきチケット情報記憶部222から対応するデータを抽出の上、例えば、チケット情報記憶部222に、抽出された磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8と紐付けて、更新が停止された情報であることを示す所定の情報を記憶する等の方法により、磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8の更新を一時的に停止し、記憶された情報を固定する(ステップS51-5)。
【0239】
続いて、チケット発行サーバ3においては、制御部31が、ステップS51-3で抽出したチケット購入情報D6を、通信部33から通信ネットワークNを介して、ステップS51-2において情報を送信した窓口処理機5へと送信する(ステップS51-6)。なお、ステップS51-3において抽出されたチケット購入情報D6が存在しなかった場合、その旨の通知を窓口処理機5へと送信して処理を終了することとなる。
【0240】
通信部53によって、チケット発行サーバ3から送信されたチケット購入情報D6を受信した窓口処理機5においては、制御部51が、受信したチケット購入情報D6を、表示部54に表示させる(ステップS51-7)。
窓口処理機5の表示部54にチケット購入情報D6が表示されると、駅員は、表示された情報に基づき、ユーザの入出場の可否につき判定の上、当該駅において入場又は出場可能なチケットを所持するユーザであった場合にのみ、入場又は出場を認めることとなる。
【0241】
具体的には、入場の場合には、例えば、当該駅員が所在する駅がチケットの有効区間内にあり、かつ入場履歴がないか途中駅における出場後である場合に入場可能、当該駅員が所在する駅がチケットの有効区間外にあるか、すでに入場履歴があり途中駅における出場後でない場合に入場不可能と判定する。
また、出場の場合には、例えば、当該駅員が所在する駅がチケットの有効区間内にあり、かつ入場後出場前である場合に出場可能、当該駅員が所在する駅がチケットの有効区間外にあるか、入場前又は出場後である場合に出場不可能と判定する。
【0242】
駅員が、ユーザの入場又は出場を認めた場合、窓口処理機5においては、駅員による操作部55を用いた所定の操作に従い、制御部51が、駅員によるユーザの入出場の判定結果に係る情報(第3入出場判定結果情報D34)を、ステップS51-6において受信したチケット購入情報D6と共に、通信部63から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS51-8)。
【0243】
チケット発行サーバ3においては、通信部33により窓口処理機5から送信された情報を受信すると、制御部31が、受信したチケット購入情報D6に基づき記憶部32のチケット情報記憶部322につき検索の上、受信したチケット購入情報D6に対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、第3入出場判定結果情報D34に基づいて更新する(ステップS51-9)。
具体的には、入場を認めた場合、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、チケット使用中(入場後出場前)とし、出場を認めた場合、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、既使用(降車駅における出場後)又は使用中(途中駅における出場後)とする。
【0244】
続いて、制御部31は、ステップS51-9における磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報の更新内容に関する情報(第3入出場時ステータス更新情報D35)を、通信部33から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS51-10)。
【0245】
続いて、制御部31は、ステップS51-5における情報更新の停止を解除する旨の所定の指示を、ステップS51-1で、窓口処理機5において平常時発行二次元コードデータD12が読み取られた場合には当該チケットに係るチケット購入番号情報D7と共に、窓口処理機5においてチケット番号情報D11が入力された場合には当該チケットに係るチケット番号情報D11と共に、通信部33から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS51-11)。
【0246】
チケット発行サーバ3から送信された指示と、チケット購入番号情報D7又はチケット番号情報D11と、を通信部23によって受信したチケット予約サーバ2においては、制御部21が、チケット購入番号情報D7又はチケット番号情報D11に基づきチケット情報記憶部222から対応するデータを抽出の上、例えば、磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8と紐付けてチケット情報記憶部222に記憶された更新が停止された情報であることを示す所定の情報を削除する等の方法により、磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8の更新停止を解除する(ステップS51-12)。
【0247】
チケット予約サーバ2においては、ステップS51-10で通信部23により第3入出場時ステータス更新情報D35を受信し、さらにステップS51-12で情報の更新停止を解除すると、続いて、制御部21が、記憶部22のチケット情報記憶部222に記憶された磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、ステップS51-9におけるチケット発行サーバ3における更新と同様にして更新する(ステップS51-13)。
【0248】
ステップS51-8においてチケット予約サーバ2へと情報を送信した後、チケット発行サーバ3の制御部31は、第3入出場時ステータス更新情報D35を、通信部33から通信ネットワークNを介して、窓口処理機5へ送信する(ステップS51-14)。
【0249】
通信部53によって、チケット発行サーバ3から送信された第3入出場時ステータス更新情報D35を受信した窓口処理機5においては、制御部51が、受信した第3入出場時ステータス更新情報D35を、表示部54に表示させる(ステップS51-15)。これによって、駅員が、ステータスの更新結果につき確認することができる。
【0250】
[イ ステップS52:駅員端末を利用する場合]
続いて、駅員が駅員端末7を利用する場合の動作の流れにつき、図22のフローチャートに従って説明する。
【0251】
この場合、ステップS51の場合と同様にユーザによって提示された平常時発行二次元コード画像データD16に係る二次元コード及びチケット番号情報D11に係るチケット番号を確認した駅員は、駅員端末7の撮像部76に、提示された二次元コードをかざすか、又は駅員端末7の操作部75を用いて、提示されたチケット番号を入力する。二次元コードが撮像部76にかざされた場合、撮像部76が撮像した二次元コードの画像に基づき、制御部71が、平常時発行二次元コードデータD12を読み取る(ステップS52-1)。
【0252】
平常時発行二次元コードデータD12が読み取られ、又はチケット番号情報D11に係るチケット番号が入力されると、駅員端末7においては、制御部71が、読み取られた平常時発行二次元コードデータD12又は入力されたチケット番号情報D11を、通信部73から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS52-2)。
【0253】
通信部23によって、駅員端末7から送信された情報を受信したチケット予約サーバ2においては、制御部21が、受信した平常時発行二次元コードデータD12又はチケット番号情報D11を、通信部23から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS52-3)。
【0254】
通信部33によって、チケット予約サーバ2から送信された情報を受信したチケット発行サーバ3においては、制御部31が、平常時発行二次元コードデータD12又はチケット番号情報D11に基づき、記憶部32のチケット情報記憶部322につき検索し、受信した平常時発行二次元コードデータD12又はチケット番号情報D11に対応するチケット購入情報D6が存在した場合、当該チケット購入情報D6を抽出する(ステップS52-4)。なお、平常時発行二次元コードデータD12を受信した場合、制御部31は、まず、平常時発行二次元コードデータD12の基本情報部D12-1のうち符号化されている情報を、符号化情報記憶部323に記憶された一般符号化情報D13を用いて復号化した後、復号化した情報に含まれるチケット識別子情報D10に基づき検索を行うこととなる。
【0255】
チケット購入情報D6の抽出が完了すると、チケット発行サーバ3においては、制御部31が、例えば、記憶部32のチケット情報記憶部322に、抽出したチケット購入情報D6に係るチケットに関する情報(磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6)と紐付けて、更新が停止された情報であることを示す所定の情報を記憶する等の方法により、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6の更新を一時的に停止し、記憶された情報を固定する(ステップS52-5)。
【0256】
続いて、チケット発行サーバ3においては、制御部31が、ステップS52-4で抽出したチケット購入情報D6に対応するチケット番号情報D11を、通信部33から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS52-6)。すなわち、チケット発行サーバ3がステップS52-3においてチケット予約サーバ2からチケット番号情報D11を受信した場合、対応するチケット購入情報D6の記憶の有無につき確認の上、受信したものと同様のデータを送信することとなる。
なお、ステップS52-4において抽出されたチケット購入情報D6が存在しなかった場合、その旨の通知をチケット予約サーバ2へと送信し、チケット予約サーバ2が、駅員端末7へと当該通知を送信して処理を終了することとなる。
【0257】
通信部23によって、チケット発行サーバ3から送信されたチケット番号情報D11を受信したチケット予約サーバ2においては、制御部21が、受信したチケット番号情報D11に基づき、記憶部22のチケット情報記憶部222につき検索し、受信したチケット番号情報D11に対応するチケット予約情報D8を抽出する(ステップS52-7)。
【0258】
チケット予約情報D8の抽出が完了すると、チケット予約サーバ2においては、制御部21が、例えば、記憶部22のチケット情報記憶部222に、抽出したチケット予約情報D8に係るチケットに関する情報(磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8)と紐付けて、更新が停止された情報であることを示す所定の情報を記憶する等の方法により、磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8の更新を一時的に停止し、記憶された情報を固定する(ステップS52-8)。
【0259】
続いて、チケット予約サーバ2においては、制御部21が、ステップS52-7で抽出したチケット予約情報D8を、通信部23から通信ネットワークNを介して、ステップS52-2において情報を送信した駅員端末7へと送信する(ステップS52-9)。
【0260】
通信部73によって、チケット予約サーバ2から送信されたチケット予約情報D8を受信した駅員端末7においては、制御部71が、受信したチケット予約情報D8を、表示部74に表示させる(ステップS52-10)。
駅員端末7の表示部74にチケット予約情報D8が表示されると、駅員は、表示された情報に基づき、ユーザの入出場の可否につき判定の上、当該駅において入場又は出場可能なチケットを所持するユーザであった場合にのみ、入場又は出場を認めることとなる。
【0261】
具体的には、入場の場合には、例えば、当該駅員が所在する駅がチケットの有効区間内にあり、かつ入場履歴がないか途中駅における出場後である場合に入場可能、当該駅員が所在する駅がチケットの有効区間外にあるか、すでに入場履歴があり途中駅における出場後でない場合に入場不可能と判定する。
また、出場の場合には、例えば、当該駅員が所在する駅がチケットの有効区間内にあり、かつ入場後出場前である場合に出場可能、当該駅員が所在する駅がチケットの有効区間外にあるか、入場前又は出場後である場合に出場不可能と判定する。
【0262】
駅員が、ユーザの入場又は出場を認めた場合、駅員端末7においては、駅員による操作部75を用いた所定の操作に従い、制御部71が、駅員によるユーザの入出場の判定結果に係る情報(第4入出場判定結果情報D36)を、ステップS52-9において受信したチケット予約情報D8と共に、通信部73から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS52-11)。
【0263】
チケット予約サーバ2においては、通信部23により駅員端末7から送信された情報を受信すると、制御部21が、受信した第4入出場判定結果情報D36を、受信したチケット予約情報D8に対応するチケット購入情報D6に含まれるチケット購入番号情報D7と共に、通信部23から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS52-12)。
【0264】
チケット発行サーバ3においては、通信部33によりチケット予約サーバ2から送信された情報を受信すると、制御部31が、例えば、記憶部32のチケット情報記憶部322に、更新が停止された磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6と紐付けて記憶された更新が停止された情報であることを示す所定の情報を削除する等の方法により、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6の更新停止を解除する(ステップS52-13)。
【0265】
続いて、制御部31は、ステップS52-12で受信したチケット購入情報D6に基づき記憶部32のチケット情報記憶部322につき検索の上、受信したチケット購入情報D6に対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、第4入出場判定結果情報D36に基づいて更新する(ステップS52-14)。
具体的には、入場を認めた場合、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、チケット使用中(入場後出場前)とし、出場を認めた場合、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、既使用(降車駅における出場後)又は使用中(途中駅における出場後)とする。
【0266】
続いて、制御部31は、ステップS52-14における磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報の更新内容に関する情報(第4入出場時ステータス更新情報D37)を、通信部33から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS52-15)。
【0267】
チケット予約サーバ2においては、通信部23により第4入出場時ステータス更新情報D37を受信すると、制御部21が、例えば、記憶部22のチケット情報記憶部222に、更新が停止された磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8と紐付けて記憶された更新が停止された情報であることを示す所定の情報を削除する等の方法により、磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8の更新停止を解除する(ステップS52-16)。
【0268】
続いて、制御部21は、記憶部22のチケット情報記憶部222に記憶された磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、ステップS52-14におけるチケット発行サーバ3における更新と同様にして更新する(ステップS52-17)。
【0269】
続いて、チケット予約サーバ2の制御部21は、チケット発行サーバ3から受信した第4入出場時ステータス更新情報D37を、通信部23から通信ネットワークNを介して、駅員端末7へと送信する(ステップS52-18)。
【0270】
通信部73によって、チケット予約サーバ2から送信された第4入出場時ステータス更新情報D37を受信した駅員端末7においては、制御部71が、受信した第4入出場時ステータス更新情報D37を、表示部74に表示させる(ステップS52-19)。これによって、駅員が、ステータスの更新結果につき確認することができる。
【0271】
[(2) 本ステップにおける効果]
本実施形態に係るチケット情報処理システム100によれば、上記のようにして改札入出場が行われることにより、以下の効果を得ることができる。
【0272】
ステップS2において説明したように、ユーザ端末8に対して発行する場合、チケット発行装置6において発行する場合のいずれにおいても、平常時発行二次元コードデータD12に係る二次元コードにより列車の乗車に用いるチケットを発行する場合、このような発行されたチケットを駅員が目視してもチケットの内容を読み取ることは不可能である。
したがって、例えば、駅員が所在する駅において自動改札機が何らかのトラブルで使用できない場合や、駅員が所在するが自動改札機が設置されていない駅等において、駅員がチケットにつき目視で確認しても、チケットに乗車駅、降車駅等のチケットの内容に係る情報が記載されていた従来の磁気カードによるチケットと異なり、改札内への入場や改札内からの出場の可否につき判定の上、チケットの所持者を通すといった処理を行うことはできない。
【0273】
この点、本実施形態によれば、窓口処理機5又は駅員端末7において、チケット識別子情報D10を含む平常時発行二次元コードデータD12又はチケット番号情報D11を取得の上、これをチケット予約サーバ2又はチケット発行サーバ3へと送信し、このような情報を受信したチケット予約サーバ2又はチケット発行サーバ3において、受信した情報に対応した、チケットの内容に係る情報を含むチケット購入情報D6又はチケット予約情報D8を、窓口処理機5又は駅員端末7に送信する。
【0274】
これによって、窓口処理機5又は駅員端末7を使用する駅員が、チケット購入情報D6又はチケット予約情報D8を用いて、平常時発行二次元コードデータD12に係る二次元コードにより発行されたチケットを所持するユーザの改札内への入場又は改札内からの出場の可否につき判定することが可能となる。
また、ユーザの改札内への入場又は改札内からの出場の可否についての判定が、駅員が目視でチケットを確認していた、自動改札機が使用できない場合の従来の運用と同様に、駅員自身によって行われることから、窓口処理機5又は駅員端末7につき、ユーザの改札内への入場又は改札内からの出場の可否についての判定を可能とすることを要せず、大きなコストの増大を招くこともない。
【0275】
また、従来の磁気カードによるチケットにつき、自動改札機を通さずに、駅員が改札内への入場や改札内からの出場の可否につき判定の上、チケットの所持者を通した場合、当該チケットに所定のスタンプを押す、切れ目を入れるといった手段で、入出場の履歴をチケット自体に残し、当該チケットが再度使用されることを防止していたが、平常時発行二次元コードデータD12に係る二次元コードにより発行されたチケットの場合、このような処理は不可能である。
すなわち、ユーザ端末8に対してデータで発行された場合、スタンプを押す、切れ目を入れるといった処理を行うことはそもそもできず、また、チケット発行装置6において紙等の所定の媒体で発行された場合、印刷されたチケットにスタンプを押す、切れ目を入れるといった処理を行うことはできるが、このような二次元コードはいくらでも複製できてしまうことから、印刷されたもの一枚にこのような処理を行っても無意味である。
【0276】
この点、本実施形態によれば、チケット予約サーバ2及びチケット発行サーバ3において、駅員によるユーザの入出場の判定結果に係る情報である第3入出場判定結果情報D34又は第4入出場判定結果情報D36を取得の上、これに従って、磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報につき更新する。
これによって、チケット予約サーバ2又はチケット発行サーバ3において、改札入出場に係る処理の際に、受信した平常時発行二次元コードデータD12やチケット番号情報D11に対応する磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報につき確認することで、改札装置4を通さずに入場又は出場したユーザについても、チケットが再度使用されるのを防止することが可能となる。
【0277】
[6 ステップS6:通信障害時の改札入出場]
続いて、ユーザが、ステップS1で発行された二次元コードを利用して、改札装置4から改札内へ入場又は改札内から出場する際において、何らかの通信障害により、改札装置4と、チケット発行サーバ3との間の通信が不可能であった場合の本システムの動作につき、図23のフローチャートに従って説明する。なお、本実施形態において「通信障害」とは、通信回線に障害が生じている場合に限らず、改札装置4がチケット発行サーバ3から情報を取得できなくなる場合を広く含むものであり、チケット発行サーバ3においてサーバ障害が生じている場合等も含まれる。
なお、ステップS21で説明した入出場判定がチケット発行サーバ3で行われる場合、ステップS22で説明した入出場判定が改札装置4で行われる場合のいずれにおいても、改札装置4とチケット発行サーバ3との間で通信しないと正規の入出場処理を行うことができない点に変わりないことから、以下の処理はいずれの場合においても同様となる。
【0278】
[(1) 動作の流れ]
ユーザが、ステップS1で発行された二次元コード、すなわちステップS11でユーザ端末8に対し発行された平常時発行二次元コード画像データD16に係る二次元コード又はステップS12でチケット発行装置6によって紙等の所定の媒体で発行された二次元コードを改札装置4のチケット情報読取部44にかざした際に、制御部41が、チケット情報読取部44により、平常時発行二次元コードデータD12を読み取らせた後(ステップS6-1)、かざされた二次元コードが正規のチケットか否かにつき判定の上(ステップS6-2)、正規のチケットであると判定した場合に、平常時発行二次元コードデータD12を、改札装置設置駅情報D18及び改札装置機器情報D19と共に、通信部43から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS6-3)。ここまでは、ステップS21におけるステップS21-1からS21-3及びステップS22におけるS22-1からS22-3と同様である。
【0279】
ステップS6-3におけるデータ送信後、制御部41は、自らカウントする等所定の方法によって、ステップS6-3におけるデータ送信からの経過時間に係る情報を取得し、所定の時間(例えば1秒等)が経過してもチケット発行サーバ3から応答がない場合(ステップS21で説明したチケット発行サーバ3において入出場判定がなされるケースであれば、第1入出場判定結果情報D20を受信できない場合、ステップS22で説明した改札装置4において入出場判定がなされるケースであれば、磁気券エンコード情報D2を受信できない場合)、制御部41は、再度、ステップS6-3と同様の情報を、通信部43から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS6-4)。
【0280】
ステップS6-4におけるデータ送信後、所定の時間(例えば1秒等)が経過してもチケット発行サーバ3から応答がない場合、制御部41は、ステップS6-1においてチケット情報読取部44によって読み取られた平常時発行二次元コードデータD12を、当該時点の日時に係る情報である通信障害入出場日時情報D38、当該改札装置4の設置駅に係るデータである通信障害入出場駅情報D39及び入場又は出場の可否に係る判定を経ずに入場又は出場がなされた平常時発行二次元コードデータD12である旨を示す所定のフラグに係るデータである通信障害入出場処理フラグD40と紐付けて、記憶部42の通信障害時チケット情報記憶部425に記憶させる(ステップS6-5)。
【0281】
上記記憶処理が完了すると、制御部41は、開閉部45を開状態とし、ユーザを入場又は出場させる(ステップS6-6)。なお、もともと開閉部45が開状態であり、チケットをチケット情報読取部44にかざさずに通過しようとしたユーザがいた場合や、かざされたチケットが入場又は出場できないものであった場合に開閉部45が閉状態となるように設定されている改札装置4においては、開閉部45が閉状態とならず、開状態が維持されるようにすることで、ユーザを入場又は出場させることとなる。上記のように、このような場合も、開閉部45を開状態とする場合に該当する。
【0282】
[(2) 本ステップにおける効果]
本実施形態に係るチケット情報処理システム100によれば、上記のようにして通信障害時に改札入出場が行われることにより、以下の効果を得ることができる。
【0283】
すなわち、ステップS2において説明したように、本実施形態においては、ユーザの入場又は出場の可否に係る判定がチケット発行サーバ3で行われる場合は勿論、改札装置4で行われる場合においても、チケット発行サーバ3からの磁気券エンコード情報D2の取得を要することから、いずれの場合も、改札装置4とチケット発行サーバ3との間に通信障害が発生すると、改札装置4から入場又は出場しようとするユーザの入場又は出場の可否に係る判定を行うことは不可能となる。
しかし、このような場合にユーザを通信障害が復旧するまで改札装置4の前に留め置けば、ユーザを長時間待たせることとなると共に、駅構内に人が溢れ返る事態となってしまう。
【0284】
この点、本実施形態に係るチケット情報処理システム100によれば、通信障害によりチケット発行サーバ3から応答がない場合、改札装置4において開閉部45を自動的に開状態として、ユーザを通すようにすることで、上記のような事態が生じることを防止できる。
【0285】
なお、この場合、ステップS2において説明したような正規の入出場の可否に係る判定を経ず、一律にユーザを通すことから、ユーザは、例えば、本来の入場駅でない駅から入場したり、本来の出場駅ではない駅から出場したりすることも可能となってしまう。
しかしながら、ユーザは、通常、改札装置4とチケット発行サーバ3との間の通信障害の発生につき認識し得ないことから、故意に上記のような不正な入出場を行うことは通常できない。また、ステップS6-2において、チケットが正規のチケットであるかの確認は行うことから、少なくとも偽造チケットのような非正規のチケットによる入出場は防止できる。
したがって、上記のようなリスクは、皆無とは言えないまでも、鉄道事業者にとって無視できる程度のものに過ぎない。
【0286】
また、改札装置4からチケット発行サーバ3への情報送信後、所定の時間が経過した時点でチケット発行サーバ3へと情報を再送信し、再送信から所定の時間の経過をもって開閉部45を開状態とすることで、時間の経過により機械的に処理がなされることから、単純な処理で迅速にユーザを通すことが可能となると共に、二度情報を送信した上で応答がない場合に初めて通信障害が発生しているものと判定してユーザを通すことから、通信障害の発生につき改札装置4において誤判定するおそれも低減できる。
【0287】
また、改札装置4において、入場又は出場の可否につき判定することなく開閉部45を開状態としてユーザを通した場合、記憶部42の通信障害時チケット情報記憶部425に、平常時発行二次元コードデータD12が、通信障害入出場日時情報D38、通信障害入出場駅情報D39及び通信障害入出場処理フラグD40と紐付けて記憶されることで、ステップS7において後述のように、通信障害の復旧後に、チケットのステータスに係る情報につき更新することが可能となる。
【0288】
[7 ステップS7:通信障害復旧後の処理]
続いて、ステップS6において、通信障害により入場又は出場の可否に係る判定を経ずにユーザを入場又は出場させた場合において、通信障害が復旧した後の本システムの動作につき、ステップS21で説明した入出場の可否の判定をチケット発行サーバ3で行う場合と、ステップS22で説明した改札装置4で行う場合と、に分けて説明する。
【0289】
[(1) 動作の流れ]
[ア ステップS71:チケット発行サーバにおいて入出場判定がなされる場合]
まず、チケット発行サーバ3において入出場判定がなされる場合の動作の流れにつき、図24のフローチャートに従って説明する。
【0290】
改札装置4においては、チケット発行サーバ3との間の通信障害が復旧した後、制御部41が、所定の方法で通信障害の復旧につき知得する(ステップS71-1)。
具体的な方法は問わないが、例えば、通信障害中、制御部41が、通信部43から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3の応答を求める所定の信号をチケット発行サーバ3へと送信し続け、当該信号に対する応答があった時点で通信が回復したものと判断すればよい。また、特別な手段を講ずることなく、ユーザがかざした二次元コードに応じて、ステップS6-3の平常時発行二次元コードデータD12等の送信を行った際に応答があった時点で、通信が回復したものと判断してもよい。
【0291】
通信障害の復旧につき知得すると、改札装置4においては、制御部41が、通信部43から通信ネットワークNを介して、通信障害の発生中(当該通信障害発生前に最後にチケット発行サーバ3からデータを受信してから、上記通信障害復旧までの間)に記憶部42の通信障害時チケット情報記憶部425に紐付けて記憶された平常時発行二次元コードデータD12、通信障害入出場日時情報D38、通信障害入出場駅情報D39及び通信障害入出場処理フラグD40を、機器情報記憶部423に記憶された改札装置機器情報D19と共に、通信部43から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS71-2)。
【0292】
通信部33によって、改札装置4から送信された情報を受信したチケット発行サーバ3においては、制御部31が、改札装置機器情報D19に基づき、当該改札装置4がチケット発行サーバ3による入出場判定を要する改札装置4か判断した後、チケット発行サーバ3による入出場判定を要する場合、まず、記憶部32の符号化情報記憶部323に記憶されている一般符号化情報D13を用いて、平常時発行二次元コードデータD12の基本情報部D12-1のうち符号化されている情報を復号化する(ステップS71-3)。
【0293】
続いて、制御部31は、復号化された情報に含まれるチケット識別子情報D10に基づき、記憶部32のチケット情報記憶部322につき検索し、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6を抽出した上で、受信した通信障害入出場日時情報D38、通信障害入出場駅情報D39及び通信障害入出場処理フラグD40と、磁気券エンコード情報D2と、を対比して、入出場の可否に係る判定を行う(ステップS71-4)。なお、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6が抽出されなかった場合、制御部31は、入出場の可否に係る判定を行うことなく処理を終了することとなる。
【0294】
具体的には、入場の場合には、例えば、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報から入場履歴及び出場履歴つき確認し、入場履歴がないか途中駅における出場後である場合に、さらに、通信障害入出場駅情報D39に係る入場駅が、磁気券エンコード情報D2に係る有効区間内に存在する駅であり、かつ、通信障害入出場日時情報D38に係る入場日時が、磁気券エンコード情報D2に係る有効期間内である場合に、入場可能なユーザであったと判定し、いずれか一つでも満たさない場合に、入場不可能なユーザであったと判定する。
【0295】
また、出場の場合には、例えば、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報から入場履歴及び出場履歴につき確認し、入場後出場前である場合に、さらに、通信障害入出場駅情報D39に係る出場駅が、磁気券エンコード情報D2に係る有効区間内に存在する駅であり、かつ、通信障害入出場日時情報D38に係る出場日時が、磁気券エンコード情報D2に係る有効期間内である場合に、出場可能なユーザであったと判定し、いずれか一つでも満たさない場合に、出場不可能なユーザであったと判定する。
【0296】
上記判定が完了すると、制御部31は、記憶部32のチケット情報記憶部322に記憶された磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報につき更新する(ステップS71-5)。
具体的には、入場可能なユーザであった場合、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、チケット使用中(入場後出場前)とし、出場可能なユーザであった場合、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を既使用(降車駅における出場後)又は使用中(途中駅における出場後)とする。
なお、出場又は入場が不可能なユーザであった場合には、ステータスに係る情報の更新が行われることはない。
【0297】
上記更新が完了すると、制御部31は、ステップS71-5における磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報の更新内容に係る情報(第1通信障害入出場時ステータス更新情報D41)を、通信部33から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS71-6)。
【0298】
チケット予約サーバ2においては、通信部23によって第1通信障害入出場時ステータス更新情報D41を受信すると、制御部21が、記憶部22のチケット情報記憶部222に記憶された磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、ステップS71-5におけるチケット発行サーバ3における更新と同様にして更新する(ステップS71-7)。
【0299】
なお、通信障害の発生中(当該通信障害発生前に最後にチケット発行サーバ3からデータを受信してから、上記通信障害復旧までの間)に、記憶部42の通信障害時チケット情報記憶部425に記憶された平常時発行二次元コードデータD12、通信障害入出場日時情報D38、通信障害入出場駅情報D39及び通信障害入出場処理フラグD40が複数組ある場合、記憶された組数分、ステップS71-2からS71-7までの処理を繰り返すこととなる。
【0300】
[イ ステップS72:改札装置において入出場判定がなされる場合]
続いて、改札装置4において入出場判定がなされる場合の動作の流れにつき、図25のフローチャートに従って説明する。
【0301】
改札装置4においては、チケット発行サーバ3との間の通信障害が復旧した後、所定の方法で通信障害の復旧につき知得し(ステップS72-1)、通信障害の復旧につき知得すると、制御部41が、通信部43から通信ネットワークNを介して、通信障害の発生中(当該通信障害発生前に最後にチケット発行サーバ3からデータを受信してから、上記通信障害復旧までの間)に記憶部42の通信障害時チケット情報記憶部425に紐付けて記憶された平常時発行二次元コードデータD12、通信障害入出場日時情報D38、通信障害入出場駅情報D39及び通信障害入出場処理フラグD40を、機器情報記憶部423に記憶された改札装置機器情報D19と共に、通信部43から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS72-2)。ここまではチケット発行サーバ3において入出場判定がなされる場合と同様である。
【0302】
通信部33によって、改札装置4から送信された情報を受信したチケット発行サーバ3においては、制御部31が、改札装置機器情報D19に基づき、当該改札装置4が改札装置4において入出場判定を行う改札装置4か判断した後、改札装置4において入出場判定を行う場合、まず、記憶部32の符号化情報記憶部323に記憶されている一般符号化情報D13を用いて、平常時発行二次元コードデータD12の基本情報部D12-1のうち符号化されている情報を復号化する(ステップS72-3)。
【0303】
続いて、制御部31は、復号化された情報に含まれるチケット識別子情報D10に基づきチケット情報記憶部322につき検索し、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6を抽出し、抽出した磁気券エンコード情報D2を、ステップS72-2において情報を送信した改札装置4へと送信する(ステップS72-4)。
【0304】
なお、受信した平常時発行二次元コードデータD12に対応する磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6が抽出されなかった場合には、制御部31は、磁気券エンコード情報D2を改札装置4へと送信することなく処理を終了することとなる。
【0305】
通信部43によって磁気券エンコード情報D2を受信した改札装置4においては、制御部41が、受信した磁気券エンコード情報D2に基づき、入出場の可否に係る判定を行う(ステップS72-5)。上記のように、磁気券エンコード情報D2は既存の磁気券にエンコードされることとなるものと同内容のチケットの内容をなすデータであることから、この際の判定のロジックとしては、既存の磁気券による入出場の際のものを流用の上、通信障害入出場日時情報D38、通信障害入出場駅情報D39及び通信障害入出場処理フラグD40と、磁気券エンコード情報D2と、を対比して行うようにすればよい。
【0306】
具体的には、例えば、チケット発行サーバ3において入出場の可否に係る判定がなされる場合と同様、入場の場合には、磁気券エンコード情報D2に含まれるチケットのステータスに係る情報において入場履歴がないか途中駅における出場後であり、通信障害入出場駅情報D39に係る入場駅が、磁気券エンコード情報D2に係る有効区間内に存在する駅であり、かつ、通信障害入出場日時情報D38に係る入場日時が、磁気券エンコード情報D2に係る有効期間内である場合に入場可能と判定し、出場の場合には、磁気券エンコード情報D2に含まれるチケットのステータスに係る情報において入場後出場前であり、通信障害入出場駅情報D39に係る出場駅が、磁気券エンコード情報D2に係る有効区間内に存在する駅であり、かつ、通信障害入出場日時情報D38に係る出場日時が、磁気券エンコード情報D2に係る有効期間内である場合に、出場可能と判定する。
【0307】
続いて、改札装置4においては、制御部41が、ステップS72-5における改札入出場の判定結果に係る情報(通信障害入出場判定結果情報D42)を、ステップS72-4において受信した磁気券エンコード情報D2と共に、通信部43から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS72-6)
【0308】
改札装置4から送信された情報を受信したチケット発行サーバ3においては、制御部31が、記憶部32のチケット情報記憶部322に記憶された磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報につき更新する(ステップS72-7)。
具体的には、入場可能なユーザであった場合、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、チケット使用中(入場後出場前)とし、出場可能なユーザであった場合、磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を既使用(降車駅における出場後)又は使用中(途中駅における出場後)とする。
なお、出場又は入場が不可能なユーザであった場合には、データの更新が行われることはない。
【0309】
上記更新が完了すると、制御部31は、ステップS72-7における磁気券エンコード情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報の更新内容に係る情報(第2通信障害入出場時ステータス更新情報D43)を、通信部33から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ2へと送信する(ステップS72-8)。
【0310】
チケット予約サーバ2においては、通信部23により第2通信障害入出場時ステータス更新情報D43を受信すると、制御部21が、記憶部22のチケット情報記憶部222に記憶された磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、ステップS72-7におけるチケット発行サーバ3における更新と同様にして更新する(ステップS72-9)。
【0311】
なお、通信障害の発生中(当該通信障害発生前に最後にチケット発行サーバ3からデータを受信してから、上記通信障害復旧までの間)に、記憶部42の通信障害時チケット情報記憶部425に記憶された平常時発行二次元コードデータD12、通信障害入出場日時情報D38、通信障害入出場駅情報D39及び通信障害入出場処理フラグD40が複数組ある場合、記憶された組数分、ステップS72-2からS72-10までの処理を繰り返すこととなる。
【0312】
[(2) 本ステップにおける効果]
本実施形態に係るチケット情報処理システム100によれば、上記のようにして通信障害の復旧後に入出場の可否に係る判定やチケットのステータスに係る情報の更新等が行われることにより、以下の効果を得ることができる。
【0313】
すなわち、ステップS2において説明したように、ユーザの入場又は出場の可否に係る判定がチケット発行サーバ3で行われる場合は勿論、改札装置4で行われる場合においても、チケットを利用した入出場の履歴の記録(入出場の履歴に応じた磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報の更新)は、サーバ側(チケット予約サーバ2及びチケット発行サーバ3)においてなされることから、改札装置4とチケット発行サーバ3との間に通信障害が発生すると、チケットを利用した入出場の履歴につき記録することができなくなる。
【0314】
しかし、このような状態は、例えば、入場に使用されたにもかかわらず入場履歴が記録されなかった場合(磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報がチケット使用中(入場後出場前)とならなかった場合)に、出場時にユーザが改札装置4で止められてしまうおそれがあり、また、使用済みにもかかわらず通信障害により入出場共に履歴が記録されなかったチケットが生じた場合に、このようなチケットをユーザが悪用(使用済みのチケットの再使用や払い戻し等)するおそれも否定できないことから、好ましくない。
【0315】
この点、本実施形態によれば、通信障害中に入場又は出場したユーザが使用したチケットに係る平常時発行二次元コードデータD12等の情報を、改札装置4において記憶部42の通信障害時チケット情報記憶部425に記憶しておくことで、通信障害の復旧後に当該情報をチケット発行サーバ3へと送信の上、チケット発行サーバ3及びチケット予約サーバ2において、磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報について更新することが可能となる。
【0316】
これによって、例えば、改札装置4とチケット発行サーバ3との間の通信障害中に入場したユーザについて、出場前に通信障害が復旧した場合には、磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、チケット使用中(入場後出場前)と更新しておくことが可能となることから、通信障害が長引き出場時にも復旧していなかった場合を除き、改札装置4において入場履歴がないものとして止められてしまうことを防止できる。
【0317】
また、例えば、通信障害により、入場時、出場時共に履歴が記録されなかったチケットが生じた場合にも、通信障害の復旧後には、磁気券エンコード情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、既使用(出場後)と更新しておくことが可能となることから、通信障害復旧前に再使用や払い戻し等がなされた場合を除き、使用済みのチケットが再使用や払い戻し等の形で悪用されることも防止できる。
【0318】
[8 ステップS8:通信障害時のチケット発行装置におけるチケット発行]
続いて、ユーザが、チケット発行装置6において二次元コードを利用したチケットの発行を受けることを希望する場合において、何らかの通信障害により、チケット発行装置6と、チケット発行サーバ3との間の通信が不可能であった場合の本システムの動作につき、図26のフローチャートに従って説明する。
【0319】
[(1) 動作の流れ]
ユーザは、チケット発行装置6により、列車の乗車に用いるチケットを購入することを希望する場合、まず、チケット発行装置6の操作部65を用いて、予約を希望するチケットに係る情報、すなわち、例えば、列車の乗車駅、降車駅、出発時刻、到着時刻、座席番号等に係る情報を含む購入希望チケット情報D1につき入力した上で、所定の購入操作を行う(ステップS8-1)。
【0320】
購入希望チケット情報D1が入力されると、制御部61は、入力された情報を基にチケット購入情報D6を生成し(ステップS8-2)、生成したチケット購入情報D6を、通信部63から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS8-3)。ここまで、ステップS12におけるステップS12-1からS12-3と同様である。
【0321】
ステップS8-3におけるデータ送信後、制御部61は、自らカウントする等所定の方法によって、ステップS8-3におけるデータ送信からの経過時間に係る情報を取得し、所定の時間(例えば1秒等)が経過してもチケット発行サーバ3から応答がない場合(平常時発行二次元コードデータD12等を受信できない場合)、制御部61は、再度、ステップS8-3と同様の情報を、通信部63から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ3へと送信する(ステップS8-4)。
【0322】
ステップS8-4におけるデータ送信後、所定の時間(例えば1秒等)が経過してもチケット発行サーバ3から応答がない場合、制御部61は、障害時発行チケットの発行を行う。
【0323】
すなわち、制御部61は、まず、チケット購入情報D6に基づき、例えばQRコード(登録商標)に係るフォーマット等の所定の二次元コードのフォーマットに従い、障害時発行二次元コードデータD44を生成する(ステップS8-5)。
【0324】
障害時発行二次元コードデータD44は、平常時発行二次元コードデータD12と同様、所定の二次元コードのフォーマットに従い作成された二次元コードの元となるデータである。なお、通信障害時にステップS12で説明した手順を経ずに発行されたデータである点で、平常時発行二次元コードデータD12と区別される。
なお、面積に対するデータ容量の関係で好ましくないものの、障害時発行二次元コードデータD44についても、二次元コードに代えて一次元コードを使用することも一応可能である。
【0325】
障害時発行二次元コードデータD44は、複数の記憶領域、例えば、図27に示すように、平常時発行二次元コードデータD12と同様、基本情報部D44-1と、正当性検定部D44-2と、を有し、基本情報部D44-1の一部情報のみが、記憶部62の符号化情報記憶部622に記憶された特殊符号化情報D45を用いて符号化されている。
【0326】
このうち基本情報部D44-1には、発行事業者や発行時期などに係る属性情報に加え、特殊符号化情報識別情報D46と、特殊検定用処理情報識別情報D47と、障害時発行情報D48と、が含まれる。なお、障害時発行情報D48は、特殊符号化情報D45を用いて符号化されている情報に含まれ、特殊符号化情報識別情報D46及び特殊検定用処理情報識別情報D47は、特殊符号化情報D45を用いて符号化されていない情報に含まれる。
また、正当性検定部D44-2には、特殊検定情報D49が含まれる。
【0327】
特殊符号化情報D45は、所定の範囲ごと、例えば、鉄道事業者ごとに、異なる内容とされた符号化の際の変換規則に係るデータである。
特殊符号化情報D45が鉄道事業者ごとに異なる内容とされる場合、鉄道事業者ごとに、同一の鉄道事業者が提供する改札装置4及びチケット発行装置6においては、同一内容の特殊符号化情報D45が記憶されている一方、鉄道事業者が異なれば、改札装置4及びチケット発行装置6に記憶されている特殊符号化情報D45の内容が異なることとなる。
【0328】
特殊検定情報D49は、基本情報部D44-1に含まれるデータを基に、所定の範囲ごと、例えば、鉄道事業者ごとに異なる内容とされた所定の変換規則又は計算式に従って、所定の検定用の変換又は計算を行った結果に係る情報である。特殊検定情報D49は、記憶部62の検定用処理情報記憶部623に特殊検定用処理情報D50として記憶された上記所定の変換規則又は計算式に従って、制御部61が、基本情報部D44-1に含まれるデータを基に、所定の検定用の変換又は計算を行って生成する。
特殊検定用処理情報D50が鉄道事業者ごとに異なる内容とされる場合、鉄道事業者ごとに、同一の鉄道事業者が提供する改札装置4及びチケット発行装置6においては、同一内容の特殊検定用処理情報D50が記憶されている一方、鉄道事業者が異なれば、改札装置4及びチケット発行装置6に記憶されている特殊検定用処理情報D50の内容が異なることとなる。
【0329】
特殊符号化情報識別情報D46は、基本情報部D44-1のうち符号化されている情報の符号化に使用した特殊符号化情報D45に係る符号化の際の変換規則を識別するための所定の識別情報であり、上記のように所定の範囲ごとに異なる内容とされた特殊符号化情報D45ごとに、別個の識別情報が予め定められ、基本情報部D44-1のうち符号化されている情報の符号化に使用した特殊符号化情報D45に対応した識別情報が、基本情報部D44-1のうち符号化されていない情報に含まれることとなる。
【0330】
特殊検定用処理情報識別情報D47は、正当性検定部D44-2に記憶された特殊検定情報D49の生成時に使用した特殊検定用処理情報D50に係る変換規則又は計算式を識別するための所定の識別情報であり、上記のように所定の範囲ごと異なる内容とされた特殊検定用処理情報D50ごとに、別個の識別情報が予め定められ、特殊検定情報D49の生成時に使用した特殊検定用処理情報D50に対応した識別情報が、基本情報部D44-1のうち符号化されていない情報に含まれることとなる。
【0331】
障害時発行情報D48は、チケット発行装置6とチケット発行サーバ3との間に通信障害が生じ、通信が不可能な状態において発行されたデータであることを示す所定のフラグに係るデータであり、後述のように改札装置4において、チケット情報読取部44によって読み取られたデータが、障害時発行二次元コードデータD44である旨を識別することができるデータである。
【0332】
障害時発行二次元コードデータD44を生成すると、チケット発行装置6においては、続いて、制御部61が、障害時発行二次元コードデータD44に基づきこれを画像データ化したデータである障害時発行二次元コード画像データを生成の上、チケット発行部66により、障害時発行二次元コード画像データに係る二次元コードが紙等の所定の媒体に印刷等の方法で記憶されたチケットを発行させる(ステップS8-6)。
【0333】
[(2) 本ステップにおける効果]
本実施形態に係るチケット情報処理システム100によれば、上記のようにしてチケット発行がなされることにより、以下の効果を得ることができる。
【0334】
すなわち、ステップS12において説明したように、チケット発行装置6における通常のチケット発行のプロセスにおいては、チケット発行サーバ3からの平常時発行二次元コードデータD12等の情報の取得が不可欠であることから、チケット発行装置6とチケット発行サーバ3との間に通信障害が発生すると、通常のチケット発行のプロセスに従ってチケットの発行を行うことは不可能となる。
しかし、このような場合にユーザを通信障害が復旧するまでチケット発行装置6の前に留め置けば、ユーザを長時間待たせることとなると共に、駅構内に人が溢れ返る事態となってしまう。
【0335】
この点、本実施形態に係るチケット情報処理システム100によれば、通信障害によりチケット発行サーバ3から応答がない場合、チケット発行装置6において、平常時発行二次元コードデータD12に含まれるチケット識別子情報D10に代えて障害時発行情報D48を含む障害時発行二次元コードデータD44を生成の上、単独でチケットを発行可能とすることで、上記のような事態が生じることを防止できる。
【0336】
また、チケット発行装置6からチケット発行サーバ3への情報送信後、所定の時間が経過した時点でチケット発行サーバ3へと情報を再送信し、再送信から所定の時間の経過をもって障害時発行二次元コードデータD44を生成することで、時間の経過により機械的に処理がなされることから、単純な処理で迅速にチケットを発行することが可能となると共に、二度情報を送信した上で応答がない場合に初めて通信障害が発生しているものと判定して障害時発行二次元コードデータD44を生成することから、通信障害の発生につきチケット発行装置6において誤判定するおそれも低減できる。
【0337】
また、障害時発行二次元コードデータD44が、複数の記憶領域、例えば、基本情報部D44-1と、正当性検定部D44-2と、を有し、かつ、正当性検定部D44-2には、基本情報部D44-1に含まれるデータを基に、特殊検定用処理情報D50として記憶された所定の変換規則又は計算式に従って、所定の検定用の変換又は計算を行った結果に係る情報である特殊検定情報D49が含まれることで、後述のように、改札装置4において容易に正規に発行されたチケットか否かにつき判定することが可能となる。
【0338】
また、この場合、基本情報部D44-1のうち符号化されている情報の符号化に用いる特殊符号化情報D45は、各改札装置4及び各チケット発行装置6において記憶されていることから、チケット発行サーバ3にしか記憶されていない一般符号化情報D13と比較して、これが流出するリスクは高くなる。
この点、特殊符号化情報D45が、所定の範囲ごとに異なる内容とされた符号化の際の変換規則に係るデータであることで、流出した場合も、上記所定の範囲で用いられる符号化の際の変換規則に係る情報が流出するにとどまる。したがって、例えば、複数の鉄道事業者が参加している場合において、改札装置4及びチケット発行装置6を提供する鉄道事業者ごとに異なる内容とされていれば、他の鉄道事業者に影響を与えることを防止できることから、情報流出時のリスクも抑えることができる。
【0339】
また、障害時発行二次元コードデータD44が、基本情報部D44-1のうち特殊符号化情報D45を用いて符号化されていない情報に、基本情報部D44-1のうち特殊符号化情報D45を用いて符号化されている情報の符号化に使用した特殊符号化情報D45に係る符号化の際の変換規則を識別するための所定の識別情報である特殊符号化情報識別情報D46を含むことで、特殊符号化情報D45が、上記のように所定の範囲ごとに異なる内容とされた符号化の際の変換規則に係るデータであっても、ステップS9で述べるように、改札装置4において、障害時発行二次元コードデータD44の基本情報部D44-1のうち符号化されている情報の符号化に用いた特殊符号化情報D45に係る符号化の際の変換規則を特定の上、これを復号化することが可能となる。
【0340】
また、障害時発行二次元コードデータD44が、基本情報部D44-1のうち特殊符号化情報D45を用いて符号化されていない情報に、正当性検定部D44-2に記憶された特殊検定情報D49の生成時に使用された特殊検定用処理情報D50に係る変換規則又は計算式を識別するための所定の識別情報である特殊検定用処理情報識別情報D47を含むことで、特殊検定情報D49の生成時に使用される特殊検定用処理情報D50が、所定の範囲ごとに異なる内容とされていても、ステップS9で述べるように、改札装置4において、正当性検定部D44-2に記憶された特殊検定情報D49の生成時に使用された特殊検定用処理情報D50に係る変換規則又は計算式を特定の上、かざされた二次元コードが、正規のチケットか否かにつき判定することが可能となる。
【0341】
[9 ステップS9:通信障害時に発行されたチケットを用いた改札入出場]
続いて、ユーザが、ステップS8で発行された二次元コードを利用して、改札装置4から改札内へ入場又は改札内から出場する際の本システムの動作につき、図28のフローチャートに従って説明する。なお、ステップS21で説明した入出場判定がチケット発行サーバ3で行われる場合、ステップS22で説明した入出場判定が改札装置4で行われる場合のいずれにおいても、以下の処理は同様となる。
【0342】
[(1) 動作の流れ]
まず、ユーザは、列車への乗車前に改札装置4から駅の改札内へと入場する場合、又は列車への乗車後に改札装置4から駅の改札外へと出場することを希望する場合、ステップS8において発行された障害時発行二次元コードデータD44に係る二次元コードを改札装置4のチケット情報読取部44にかざし、二次元コードがチケット情報読取部44にかざされると、改札装置4の制御部41は、チケット情報読取部44により、かざされた二次元コードから、障害時発行二次元コードデータD44を読み取らせる(ステップS9-1)。
【0343】
チケット情報読取部44によって障害時発行二次元コードデータD44が読み取られると、制御部41は、かざされた二次元コードが、正規のチケットか否かにつき判定する(ステップS9-2)。
【0344】
具体的には、ステップS8において説明したように、障害時発行二次元コードデータD44は、複数の記憶領域、例えば、図27に示すように、基本情報部D44-1と、正当性検定部D44-2と、を有し、正当性検定部D44-2には、基本情報部D44-1に含まれるデータを基に、特殊検定用処理情報D50に係る所定の変換規則又は計算式に従って、所定の検定用の変換又は計算を行った結果に係る情報である特殊検定情報D49が含まれる。
また、基本情報部D44-1のうち符号化されていない情報には、正当性検定部D44-2に記憶された特殊検定情報D49の生成時に使用した特殊検定用処理情報D50に係る変換規則又は計算式を識別するための所定の識別情報である特殊検定用処理情報識別情報D47が含まれる。
【0345】
そこで、制御部41は、まず、障害時発行二次元コードデータD44の基本情報部D44-1から、特殊検定用処理情報識別情報D47を抽出の上、抽出した特殊検定用処理情報識別情報D47に基づき、正当性検定部D44-2に記憶された特殊検定情報D49の生成時に使用された特殊検定用処理情報D50に係る変換規則又は計算式につき特定し、チケット情報読取部44により読み取られた障害時発行二次元コードデータD44の正当性検定部D44-2に記憶された特殊検定情報D49の生成時に使用された変換規則又は計算式と、記憶部42の検定用処理情報記憶部422に特殊検定用処理情報D50として記憶された変換規則又は計算式とが一致するかにつき判定する。
【0346】
チケット情報読取部44により読み取られた障害時発行二次元コードデータD44の正当性検定部D44-2に記憶された特殊検定情報D49の生成時に使用された変換規則又は計算式と、記憶部42の検定用処理情報記憶部422に特殊検定用処理情報D50として記憶された変換規則又は計算式とが一致する場合、制御部41は、ステップS9-1で読み取られた障害時発行二次元コードデータD44のうち、基本情報部D44-1に含まれるデータを基に、記憶部42の検定用処理情報記憶部422に特殊検定用処理情報D50として記憶された変換規則又は計算式に従って、所定の検定用の変換又は計算を行う。
そして、制御部41は、上記変換又は計算の結果が、正当性検定部D44-2に含まれる特殊検定情報D49と一致する場合に、当該二次元コードを正規のチケットであると判定し、これが一致しない場合に、当該二次元コードを正規のチケットではないものと判定する。
【0347】
なお、チケット情報読取部44により読み取られた障害時発行二次元コードデータD44の正当性検定部D44-2に記憶された特殊検定情報D49の生成時に使用された変換規則又は計算式と、記憶部42の検定用処理情報記憶部422に特殊検定用処理情報D50として記憶された変換規則又は計算式とが一致しない場合、及び上記変換又は計算の結果が正当性検定部D44-2に含まれる特殊検定情報D49と一致せず、当該二次元コードを正規のチケットではないものと判定した場合には、制御部41は、開閉部45につき閉状態とし、処理を終了することとなる。
【0348】
チケット情報読取部44によって読み取られた障害時発行二次元コードデータD44が、ステップS9-2において正規のチケットであると判定されると、制御部41は、障害時発行二次元コードデータD44の基本情報部D44-1のうち符号化されていない情報から、特殊符号化情報識別情報D46を抽出の上、抽出した特殊符号化情報識別情報D46に基づき、基本情報部D44-1のうち符号化されている情報の符号化に用いられた特殊符号化情報D45に係る符号化の際の変換規則につき特定し、チケット情報読取部44により読み取られた障害時発行二次元コードデータD44の基本情報部D44-1のうち符号化されている情報の符号化に用いられた変換規則と、記憶部42の符号化情報記憶部424に特殊符号化情報D45として記憶された変換規則とが一致するかにつき判定する(ステップS9-3)。
【0349】
チケット情報読取部44により読み取られた障害時発行二次元コードデータD44の基本情報部D44-1のうち符号化されている情報の符号化に用いられた変換規則と、記憶部42の符号化情報記憶部424に特殊符号化情報D45として記憶された変換規則とが一致する場合、制御部41は、当該変換規則に従って、基本情報部D44-1のうち特殊符号化情報D45を用いて符号化されている情報につき復号化する(ステップS9-4)。
なお、チケット情報読取部44により読み取られた障害時発行二次元コードデータD44の基本情報部D44-1のうち符号化されている情報の符号化に用いられた変換規則と、記憶部42の符号化情報記憶部424に特殊符号化情報D45として記憶された変換規則とが一致しない場合、制御部41は、開閉部45につき閉状態とし、処理を終了することとなる。
【0350】
基本情報部D44-1のうち特殊符号化情報D45を用いて符号化されている情報につき復号化すると、続いて制御部41は、復号化した情報に、障害時発行情報D48が含まれるか否かにつき検索し(ステップS9-5)、復号化した情報に障害時発行情報D48が含まれていた場合に、開閉部45につき開状態とする(ステップS9-6)。
なお、復号化した情報に、障害時発行情報D48が含まれていなかった場合、制御部41は、開閉部45につき閉状態とし、処理を終了することとなる。
【0351】
[(2) 本ステップにおける効果]
本実施形態に係るチケット情報処理システム100によれば、上記のようにして改札入出場がなされることにより、以下の効果を得ることができる。
【0352】
すなわち、ステップS8において説明したように、チケット発行装置6とチケット発行サーバ3との間に通信障害が発生すると、通常のチケット発行のプロセスに従ってチケットの発行を行うことは不可能となる。
そこで、チケット発行装置6において、通信障害によりチケット発行サーバ3から応答がない場合に、平常時発行二次元コードデータD12に含まれるチケット識別子情報D10に代えて障害時発行情報D48を含む障害時発行二次元コードデータD44を生成の上、単独でチケットを発行可能とした上で、さらに、改札装置4において、チケット情報読取部44が読み取った二次元コードにこのような障害時発行情報D48が含まれていた場合に、開閉部45を開状態とすることで、ユーザが、このようなチケット発行装置6単独で発行された障害時発行二次元コードデータD44に係るチケットを用いて、改札装置4から入出場することが可能となる。
【0353】
なお、このような障害時発行二次元コードデータD44に係るチケットを用いた入出場においては、ステップS2において説明したような正規の入出場の可否に係る判定を経ず、チケットから読み取られた情報に障害時発行情報D48が含まれていた場合に一律にユーザを通すことから、ユーザは、例えば、本来の入場駅でない駅から入場したり、本来の出場駅ではない駅から出場したりすることも可能となってしまう。
しかしながら、ユーザは、通常、チケット発行装置6とチケット発行サーバ3との間の通信障害の発生につき認識し得ず、また、発行された二次元コードからも、自らが発行を受けた二次元コードが障害時発行二次元コードデータD44に係るものであるかは判別できないことから、ユーザが故意に上記のような不正な入出場を行うことは通常できない。また、ステップS9-2において、チケットが正規のチケットであるかの確認は行うことから、少なくとも偽造チケットのような非正規のチケットによる入出場は防止できる。
したがって、上記のようなリスクは、皆無とは言えないまでも、鉄道事業者にとって無視できる程度のものに過ぎない。
【0354】
また、ステップS8において説明したように、障害時発行二次元コードデータD44の基本情報部D44-1のうち符号化されている情報の符号化に用いる特殊符号化情報D45は、情報流出時のリスクを抑えるため、所定の範囲ごと、例えば、鉄道事業者ごとに、異なる内容とされた変換規則とされていることから、符号化の際に用いられている可能性のある変換規則が複数存在することとなり、用いられた特殊符号化情報D45に係る変換規則を特定しないと、改札装置4において基本情報部D44-1のうち特殊符号化情報D45を用いて符号化されている情報につき復号化することができない。
この点、障害時発行二次元コードデータD44が、基本情報部D44-1のうち符号化されていない情報に、基本情報部D44-1のうち符号化されている情報の符号化に使用した特殊符号化情報D45に係る変換規則を識別するための所定の識別情報である特殊符号化情報識別情報D46を含むことで、基本情報部D44-1のうち符号化されている情報の符号化の際に使用される特殊符号化情報D45が、上記のように所定の範囲のチケット発行装置6ごとに異なる内容とされ、基本情報部D44-1のうち符号化されている情報の符号化に使用された可能性のある変換規則が複数存在する場合においても、改札装置4において、障害時発行二次元コードデータD44の基本情報部D44-1のうち符号化されている情報の符号化に使用された特殊符号化情報D45に係る変換規則を特定の上、これを復号化することが可能となる。
【0355】
なお、例えば特殊符号化情報D45が鉄道事業者ごとに異なる内容の符号化の際の変換規則が割り振られたものである場合、チケットを発行したチケット発行装置6の鉄道事業者と、ユーザが当該チケットを使用して入場又は出場しようとした改札装置4の鉄道事業者と、が同一の場合にのみ、改札装置4において基本情報部D44-1のうち特殊符号化情報D45を用いて符号化されている情報の復号化が可能となり、ユーザが入出場できるということとなる。
【0356】
また、障害時発行二次元コードデータD44が、基本情報部D44-1のうち符号化されていない情報に、正当性検定部D44-2に記憶された特殊検定情報D49の生成時に使用された特殊検定用処理情報D50に係る変換規則又は計算式を識別するための所定の識別情報に係るデータである特殊検定用処理情報識別情報D47を含むことで、特殊検定情報D49の生成時に使用される特殊検定用処理情報D50が、所定の範囲のチケット発行装置6ごとに異なる内容とされ、特殊検定情報D49の生成時に使用された可能性のある変換規則又は計算式が複数存在する場合においても、改札装置4において、正当性検定部D44-2に記憶された特殊検定情報D49の生成時に使用された特殊検定用処理情報D50に係る変換規則又は計算式を特定の上、かざされた二次元コードが、正規のチケットか否かにつき判定することが可能となる。
【符号の説明】
【0357】
100 チケット情報処理システム
1 チケット情報管理サーバ
2 チケット予約サーバ
3 チケット発行サーバ(サーバ装置)
31 制御部
32 記憶部
321 チケット発行プログラム(情報処理プログラム)
33 通信部(取得手段)
4 改札装置
41 制御部(読取制御手段、第1送信制御手段、記憶制御手段、知得手段、第2送信制御手段、第1取得手段、第3送信制御手段、正規券判定手段、送信制御手段)
42 記憶部(記憶手段)
421 入出場処理プログラム(情報処理プログラム)
43 通信部(送信手段、第2取得手段、第3取得手段)
44 チケット情報読取部(読取手段)
45 開閉部
5 窓口処理機
6 チケット発行装置
7 駅員端末
8 ユーザ端末
D2 磁気券エンコード情報
D6 チケット購入情報
D8 チケット予約情報
D12 平常時発行二次元コードデータ(チケット記憶情報)
D20 第1入出場判定結果情報
N 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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