(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】制御されたフロータービンブレード
(51)【国際特許分類】
F01D 5/14 20060101AFI20240701BHJP
F01D 9/02 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
F01D5/14
F01D9/02 101
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020174816
(22)【出願日】2020-10-16
【審査請求日】2023-09-29
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ハラー・ブライアン・ロバート
(72)【発明者】
【氏名】マクヴィーン・イヴァン・ウィリアム
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-031847(JP,A)
【文献】特開平10-331791(JP,A)
【文献】特開平10-184304(JP,A)
【文献】特開2012-172588(JP,A)
【文献】特開2012-145112(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00661413(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/14- 5/20
F01D 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前縁(230)と、
第1の湾曲した制御されたフローセクション(310)を備える根元セクション(215)と、
第2の湾曲した制御されたフローセクション(320)を備える先端セクション(220)と、
前記根元セクション(215)と前記先端セクション(220)との間に位置決めされた複数の中間セクション(225)であって、前記複数の中間セクション(225)の各々は、角柱状の形状(330)を備える複数の中間セクションと
を備え、
前記第1の湾曲した制御されたフローセクション(310)、前記第2の湾曲した制御されたフローセクション(320)、および前記複数の中間セクション(225)は、前記前縁(230)に沿って分布し、
ブレードのブレード出口角度とは、ロータの円周方向に対する、作動流体が円周方向のブレード列を離れる角度であり、
前記第1及び第2の湾曲した制御されたフローセクション(310、320)は、前記複数の中間セクション(225)が前記第1及び第2の湾曲した制御されたフローセクション(310、320)と比較して減少した軸方向幅を有するように、前記複数の中間セクション(225)から離れる方向に外側に湾曲し、
前記軸方向幅は、タービンの回転軸Aに沿って測定した前縁と後縁の間の距離であり、
前記第1の湾曲した制御されたフローセクション(310)は、
前記複数の中間セクション(225)から離れるに従って減少する第1の減少するブレード出口角度を規定し、
前記第2の湾曲した制御されたフローセクション(320)は、
前記複数の中間セクション(225)から離れるに従って減少する第2の減少するブレード出口角度を規定し、
前記複数の中間セクション(225)は、一定のブレード出口角度を規定し、
前記複数の中間セクション(225)は、ピッチ寸法に対するスロート寸法の比が±0.1までの公差で一定であり、
前記第1の湾曲した制御されたフローセクション(310)のスロート寸法とピッチ寸法の比、および前記第2の湾曲した制御されたフローセクション(320)のスロート寸法とピッチ寸法の比は、前記複数の中間セクション(225)のスロート寸法とピッチ寸法の比よりも低い、翼形部ロータタービンブレード(300)。
【請求項2】
前記第1の湾曲した制御されたフローセクション(310)は、前記タービンブレード(300)の高さの0%から15%の間であり、かつ、前記第2の湾曲した制御されたフローセクション(320)は、前記タービンブレード(300)の高さの85%から100%の間である、請求項1に記載のタービンブレード(300)。
【請求項3】
前記第1の減少するブレード出口角度と
前記第2の減少するブレード出口角度の変化は2度と8度の間である、請求項1乃至2のいずれか1項に記載のタービンブレード(300)。
【請求項4】
1対6のアスペクト比を有し、前記アスペクト比はタービンブレードの幅に対する高さの比である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のタービンブレード(300)。
【請求項5】
蒸気タービンブレードである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のタービンブレード(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願および結果として得られる特許は、一般に、蒸気タービン、ガスタービンなどの軸流タービンに関し、より具体的には、効率を向上させるためにより高いアスペクト比で使用するための制御されたフロータービンブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に説明すると、蒸気タービンなどは、蒸気入口、タービンセクション、および蒸気出口を含む画定された蒸気経路を有することができる。蒸気は、一般に、ガイドおよびランナ(またはノズルおよびバケット)を備えた第1段ブレードまたは制御段ブレードを含む、典型的には直列に配置されたいくつかのタービン段を通って流れ、その後、蒸気タービンの後段のガイドおよびランナを通って流れることができる。このようにして、ガイドは蒸気をそれぞれのランナに向けて導き、ランナを回転させ、発電機などの負荷を駆動することができる。蒸気は、ランナを囲む円周方向シュラウドによって封じ込めることができ、これはまた、経路に沿って蒸気を導くのに役立ち得る。このようにして、タービンガイド、ランナ、およびシュラウドは、蒸気に起因する高温に曝される可能性があり、その結果、これらの構成要素にホットスポットが形成され、高い熱応力が生じる場合がある。蒸気タービンの効率はその動作温度に部分的に依存するため、蒸気経路または高温ガス経路に沿って位置決めされた構成要素は、故障または耐用年数の低下なしに、より高い温度に耐えられることが継続的に要求されている。重要なことは、全体的な動作の柔軟性および部分負荷の性能を向上させることである。
【0003】
特定のタービンブレードは、翼形部の幾何学的形状で形成されてもよい。ブレードは、先端および根元に取り付けることができ、根元は、ブレードをディスクまたはドラムに結合するために使用される。既知のタービンブレードは、先端と根元との間で半径方向に延びる真っ直ぐなまたは「角柱状」の形態の翼形部断面を有し得る。角柱状のブレード設計では、固定ブレードと可動ブレードの両方の配向が標準化されている。設計に応じて、タービンブレードの幾何学的形状および寸法により、特定のプロファイル損失、二次損失、漏れ損失、混合損失などが生じ、蒸気タービンまたは他のタイプの軸流装置の効率および/または性能に影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本出願および結果として得られる特許は、タービンブレードを提供する。タービンブレードは、第1の湾曲セクションを備えた根元セクションと、第2の湾曲セクションを備えた先端セクションと、根元セクションと先端セクションとの間に位置決めされたいくつかの中間セクションとを含むことができる。中間セクションは各々、実質的に角柱状の形状を含む。
【0005】
さらに、本出願および結果として得られる特許は、蒸気タービンブレードを提供する。蒸気タービンブレードは、第1の湾曲セクションを備えた根元セクションと、第2の湾曲セクションを備えた先端セクションと、根元セクションと先端セクションとの間に位置決めされたいくつかの中間セクションとを含むことができる。中間セクションは、第1の湾曲セクションおよび第2の湾曲セクションと比較して、実質的に角柱状の形状および減少した軸方向幅を含み得る。
【0006】
本出願および結果として得られる特許のこれらの特徴および改良ならびに他の特徴および改良は、いくつかの図面および添付の特許請求の範囲と併せて、以下の詳細な説明を検討することにより当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】高圧セクションおよび中圧セクションを備えた蒸気タービンの概略図である。
【
図2】ガイドブレードおよびランナブレードを備えたいくつかの段を示す蒸気タービンの一部の概略図である。
【
図3】
図2の段で従来から使用されてきた一対のブレードの部分斜視図である。
【
図5】
図3の一対のブレードのブレード出口角度αを示す図である。
【
図6】本明細書で説明され得るブレードの斜視図である。
【
図7】
図6のブレードの高さに沿ったスロート寸法対ピッチ寸法の比率(K)の変化を示すチャートである。
【
図8】同様のブレードの高さに沿ったスロート寸法対ピッチ寸法の比率(K)の変化を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで図面を参照すると、いくつかの図を通して類似の符号は類似の要素を指しており、
図1は、蒸気タービン10の一例の概略図を示す。一般的に説明すると、蒸気タービン10は、高圧セクション15と、中圧セクション20とを含むことができる。他の圧力および他のセクションもまた、本明細書で使用することができる。外側シェルまたはケーシング25は、軸方向に上半分セクション30および下半分セクション35に分割され得る。ケーシング25の中央セクション40は、高圧蒸気入口45と、中圧蒸気入口50とを含むことができる。ケーシング25内で、高圧セクション15および中圧セクション20は、ロータまたはディスク55の周りに配置されてもよい。ディスク55は、いくつかのベアリング60によって支持されてもよい。蒸気シールユニット65が、ベアリング60の各々の内側に位置し得る。環状のセクション仕切り70が、中央セクション40からディスク55に向かって半径方向内向きに延びることができる。仕切り70は、いくつかのパッキングケーシング75を含み得る。他の構成要素および他の構成もまた、使用することができる。
【0009】
動作中、高圧蒸気入口45は、蒸気源から高圧蒸気を受け取る。蒸気は、仕事がディスク55の回転によって蒸気から抽出されるように、高圧セクション15を通して送ることができる。蒸気は、高圧セクション15を出て、その後、再加熱のために蒸気源に戻されてもよい。次いで、再加熱された蒸気は、中圧セクションの入口50に経路変更することができる。蒸気は、高圧セクション15に入る蒸気と比較して低い圧力であるが高圧セクション15に入る蒸気の温度にほぼ等しい温度で、中圧セクション20に戻すことができる。
【0010】
図2は、蒸気経路または高温ガス経路120内に位置決めされたいくつかの段110を含む蒸気タービン100の一部の概略図を示す。第1段130が、いくつかの円周方向に間隔を置いて配置された第1段の制御されたフローガイド140と、いくつかの円周方向に間隔を置いて配置された第1段の制御されたフローランナ150とを含むことができる。第1段130は、円周方向に延び、第1段の制御されたフローランナ150を囲む第1段のシュラウド160を含むことができる。第1段のシュラウド160は、環状配置で互いに隣接して位置決めされたいくつかのシュラウドセグメントを含み得る。同様に、第2段170は、いくつかの第2段の制御されたフローガイド180と、いくつかの第2段の制御されたフローランナ190と、第2段の制御されたフローランナ190を囲む第2段のシュラウド200とを含むことができる。制御されたフローガイドおよびランナは、反応技術ブレード(Reaction Technology Blading:RTB)設計などを有してもよい。制御されたフローガイドおよびランナは、元の機器または改造品の一部であってもよい。対応するガイドおよびランナを備えた任意の数の段を、本明細書に含めることができる。他の実施形態は、異なる構成を有してもよい。
【0011】
図3は、
図2に示す制御されたフローガイド140などの一対のブレード205、210を示す。ブレード205、210は、既知の真っ直ぐなまたは角柱状の配向のものであり得る。言い換えれば、ブレード205、210は、各々がロータからの半径方向線に直交すると見なされる概念的な翼形部セクションが、ブレード根元215からブレード先端220(およびその間の中間セクション225)まで同じ形状を有し得、ブレード根元215からブレード先端220まで捩られておらず、前縁230および後縁240が各々直線上に積み重ねられるように設計されている。各ブレード205、210はまた、凹状の正圧面250と、凸状の負圧面260とを有する。
【0012】
本明細書では、ブレード205、210の設計に関連する以下のパラメータについて詳細に説明する。
図5に示すように、翼形部ブレードの「ブレード出口角度α」は、例えば、ロータの円周方向に対する、作動流体が円周方向のブレード列を離れる角度であり、以下の関係から導き出すことができる:
α=sin
-1K、ここで、K=スロート寸法(t)/ピッチ寸法(p)。
【0013】
図4に示すように、「スロート寸法(t)」は、例えば、同じ列における隣接する翼形部ブレードの負圧面260に垂直な1つの翼形部ブレード後縁240から延びる最短の線として定義される。「ピッチ寸法(p)」は、例えば、翼形部ブレードのプラットフォーム領域から指定された半径方向距離で、同じ列における1つの翼形部ブレード後縁240から隣接する翼形部ブレード後縁240までの円周方向距離である。
【0014】
「設定角度(β)」は、例えば、翼形部ブレードの高さまたはスパンに沿った位置にある特定の翼形部セクションが、所定のゼロデータムからそれ自体の平面内で変位する角度である。データムは、例えば、翼形部セクションが、そのような翼形部ブレードを利用する既知のタービンにおける既知の角柱状の翼形部ブレードと同じ「食違い角度(Ψ)」を有する半径方向の場所で取ることができる。食違い角度(Ψ)は、例えば、タービンの軸Aと、翼形部セクションの後縁円270および前縁280に接触する接線290との間の角度であり(以下でより詳細に説明する)、タービン軸Aに対する翼形部セクションの配向を示す。
【0015】
「翼弦線」285は、例えば、翼形部セクションの前縁230および後縁240の半径に接する最短の線である。「翼弦長」は、翼弦線に垂直であり、翼弦線がそれぞれ前縁230および後縁240に接触する点を通過する2本の線の間の距離である。翼形部ブレードの「軸方向幅」(W)は、例えば、前縁230と後縁240との間の軸方向距離(例えば、タービンの回転軸Aに沿って測定された前縁と後縁との間の距離)である。「裏面偏向(BSD)角度」は、例えば、負圧面上のスロート点と後縁の混合点との間の、翼形部ブレードの覆われていない表面上の角度の変化である。「アスペクト比」は、翼形部ブレードの高さ対幅または翼弦の比率を定義することができる。
【0016】
図4は、タービン軸A(ロータ55)、およびケーシング25を含み、タービン軸Aが垂直である横方向(例えば、接線方向または円周方向)平面Tに対するブレード205、210の配向の半径方向平面図を示す。ブレード翼形部セクションは、小さな後縁円270およびより大きな前縁280に基づいている。これらの2点への接線290は、タービン軸Aの方向からの食違い角度Ψを定義する。より大きな前縁280は、連続的な湾曲を有し得る。所与の半径方向位置でのこれらの既知の固定ブレード205、210の軸方向幅(W)は、所与の半径方向位置での前縁230と後縁240との間の距離である。
【0017】
隣接するブレード210の正圧面250に交わるようにブレード205の負圧面260から垂直線が引かれ、次に最短のその線が取られる場合、これは、ブレード210の後縁240の領域にあるスロート寸法tである。上述のように、また
図5に示すように、固定ブレードのこのスロート寸法(t)対ピッチ寸法(p)の比率は、前に定義したように、ブレード出口角度(α)の正弦に等しい値Kを与える。およそ、この角度は、横方向平面Tに対する各ブレードからのブレード出口角度であることが分かる。
【0018】
図6は、本明細書で説明され得る翼形部ブレード300を示す。翼形部ブレード300は、より大きな高さ、したがって、より大きなアスペクト比を有する段に対応することができる。翼形部ブレード300は、ブレード300の高さに沿って延びる角柱状の真っ直ぐな後縁240を有し得る。上述の3つのセクション(根元セクション215、先端セクション220、および中間セクション225)の代わりに、ブレード300は、根元セクション215と、先端セクション220と、それらの間の任意の数の中間セクション225とを有し得る。具体的には、前縁230は、根元セクション215の周りの第1の湾曲した制御されたフローセクション310と、先端セクション220の周りの第2の湾曲した制御されたフローセクション320と、「局所的に混合した」領域に対する、それらの間に真っ直ぐなまたは角柱状の形状330を備えた任意の数の中間セクション225とを有することができる。
【0019】
「湾曲した」という用語は、所定の長さにわたってブレード出口角度(α)が変化する、すなわち、「単調に減少する」角度を有する表面を表す。湾曲した制御されたフローセクション310、320は、真っ直ぐなまたは角柱状の形状330を備えた中間セクション225から離れて外向きに湾曲し、それにより中間セクション225は、向上された揚力のために減少した軸方向幅を有し、より広い湾曲した制御されたフローセクション310、320は、より大きな前縁スイープを提供する。これらのセクション310、320は、後縁240に沿って積み重なる修正された制御されたフローを伴う、正圧側250に沿った比較的高い裏面偏向角度と組み合わせることができる。制御されたフローセクション310は、第1の減少するブレード出口角度を画定し得、第2の制御されたフローセクション320は、第2の減少する出口角度を画定し得、中間セクション225は、実質的に一定のブレード出口角度を画定し得る。
【0020】
湾曲した制御されたフローセクション310、320の性質は、
図7および
図8に示され得、これは、ブレード300の部分高さ(ht)に沿ったK(スロート寸法(t)対ピッチ寸法(p)の比率)の変化をプロットしている。根元セクション215から第1の湾曲した制御されたフローセクション310に沿った高さht
1まで、ブレード出口角度(α)の減少は、Kの増加を提供する。高さ(ht
1)から真っ直ぐなまたは角柱状の形状330を備えた中間セクション225に沿った高さht
2まで、Kは、実質的に安定したまま、すなわち、約±0.1の範囲内に留まることができる。高さ(ht
2)から第2の湾曲した制御されたフローセクション320の先端セクション220の端部まで、ブレード出口角度(α)の減少は、Kの同様の減少を提供する。
【0021】
概して、
図7に示すようにブレード300の高さに沿って、約1対2のより小さなアスペクト比の場合、第1の湾曲セクション310の高さ(ht
1)は、ブレード高さ(ht)の約0%~約50%未満(0≦ht
1≦0.5)であり、第2の湾曲セクション320の高さ(ht
2)は、ブレード高さ(ht)の約50%~100%(0.5≦ht
2≦1.0)である。
図8に示すような他のブレードでは、より高いアスペクト比(すなわち、約2よりも大きいアスペクト比)の場合、第1の湾曲セクション310は、ブレード高さの約0%~約15%(0≦ht
1≦0.15)延び、第2の湾曲セクション320は、ブレード高さの約85%~約100%(0.85≦ht
2≦1.0)延びる。いくつかのブレードでは、アスペクト比は、約1~約6であり得る。湾曲した制御セクション310、320の高さht
1およびht
2は、同じであっても異なっていてもよく、中間セクション225に沿った高さは変化する。
【0022】
同様に、ブレード出口角度(α)の変化は、約2≦Δα1≦8°、および2≦Δα2≦8°である場合がある。興味深いことに、端壁での閉鎖は、中間セクション225の真っ直ぐなまたは角柱状の形状330に沿ったK±0.1の範囲よりも大きくなり得、すなわち、第1の湾曲した制御されたフローセクション310に沿ったKの変化と第2の湾曲した制御されたフローセクション320に沿ったKの変化は両方とも、いくつかの中間セクション225に沿ったK±0.1の範囲よりも大きい。
【0023】
したがって、翼形部ブレード300は、より大きな高さの段で使用するために約1~約6程度のアスペクト比に対応し得、プロファイルの減少および二次損失をもたらす可能性がある。具体的には、真っ直ぐなまたは角柱状の形状330を備えた中間セクション225の使用は、より高い開口/ピッチと高い裏面偏向により、より低いプロファイル損失で揚力が増加し、前方の前縁スイープを有する湾曲した制御されたフローセクション310、320は、全体的な二次流れ損失を低減する。それを考慮すると、ブレード300は、全高の大部分(約15%~約85%)にわたってより一定のK分布を有し、損失は端壁に向かう局所的に制御されたフローの閉鎖のみである。すべてのセクションは、さらなるプロファイル損失および二次損失を低減するために高い後方荷重を有する。
【0024】
したがって、翼形部ブレード300は、起こり得る構成要素の損傷および/または故障を低減しながら、全体的な効率を向上させることができる。具体的には、改良された翼形部ブレード300は、全体的な効率を向上させることができ、改造も容易である。
【0025】
上記は、本出願および結果として得られる特許の特定の実施形態のみに関するものであることは明らかである。当業者であれば、以下の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される本発明の一般的な趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書において数多くの変更および修正を行うことができる。
【符号の説明】
【0026】
10 蒸気タービン
15 高圧セクション
20 中圧セクション
25 ケーシング
30 上半分セクション
35 下半分セクション
40 中央セクション
45 高圧蒸気入口
50 中圧蒸気入口
55 ロータ/ディスク
60 ベアリング
65 蒸気シールユニット
70 セクション仕切り
75 パッキングケーシング
100 蒸気タービン
110 段
120 蒸気経路/高温ガス経路
130 第1段
140 第1段の制御されたフローガイド
150 第1段の制御されたフローランナ
160 第1段のシュラウド
170 第2段
180 第2段の制御されたフローガイド
190 第2段の制御されたフローランナ
200 第2段のシュラウド
205 ブレード
210 ブレード
215 ブレード根元/根元セクション
220 ブレード先端/先端セクション
225 中間セクション
230 前縁
240 後縁
250 正圧面
260 負圧面
270 後縁円
280 より大きな前縁
285 翼弦線
290 接線
300 翼形部ブレード/タービンブレード
310 第1の湾曲した制御されたフローセクション
320 第2の湾曲した制御されたフローセクション
330 真っ直ぐなまたは角柱状の形状/実質的に角柱状の形状
A タービン軸
K 比率
W 軸方向幅
BSD 裏面偏向
ht1 第1の高さ
ht2 第2の高さ
p ピッチ寸法
t スロート寸法
α ブレード出口角度
β 設定角度
Ψ 食違い角度