(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】管理装置および管理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20240701BHJP
G08G 1/14 20060101ALI20240701BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240701BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240701BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240701BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20240701BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G08G1/14 A
G06Q50/10
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
(21)【出願番号】P 2020183614
(22)【出願日】2020-11-02
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細谷 健治
(72)【発明者】
【氏名】古田 秀憲
(72)【発明者】
【氏名】野島 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】西野 徳仁
(72)【発明者】
【氏名】石井 俊輔
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-096102(JP,A)
【文献】国際公開第2012/056530(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0358472(US,A1)
【文献】特開2001-084494(JP,A)
【文献】特開2014-192946(JP,A)
【文献】特開2020-170244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G06Q 50/10
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電施設を管理する管理装置であって、
前記充電施設に関するセンシングデータに基づいて前記充電施設の状況を判定
し、
車両が前記充電施設の所定のエリアへ所定時間以上停車していると判定された場合に、当該車両を前記充電施設の待ちへ登録
し、
前記車両の待機順が第1位でないにも関わらず当該車両が前記所定のエリアから移動した場合に、当該車両の前記待ちへの登録をキャンセルする制御部
を備える
管理装置。
【請求項2】
前記
制御部は、
前記車両の充電量が規定残量以下であると判定された場合に、前記車両を前記待ちへ登録する
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記
制御部は、
ユーザのマニュアル操作による前記車両の前記待ちへの登録を可能に設けられ、前記マニュアル操作による登録を行う場合に、所定の登録料の支払いがある場合に限り登録を受け付ける
請求項1
または
2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
待機順が第1位である前記車両に対する順番変更依頼を受け付けた場合に、当該順番変更依頼に対する前記車両のユーザの応答に応じて、前記車両の待機順を変更させる
請求項1
、2または3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記
制御部は、
待機順が第1位である前記車両の充電が一定時間内に開始されない場合に、当該車両の前記待ちへの登録をキャンセルし、待機順を1ずつ繰り上げる
請求項1~
4のいずれか一つに記載の管理装置。
【請求項6】
前記所定のエリアは、前記車両の駐車エリアを兼ねており、
前記
制御部は、
前記車両の待機順が第1位であるにも関わらず当該車両が前記所定のエリアから一定時間内に移動しない場合に、当該車両を前記駐車エリアの利用車両である駐車車両と判定する
請求項1~
5のいずれか一つに記載の管理装置。
【請求項7】
前記充電施設は、電子決済システムを搭載する入場ゲートおよび退場ゲートを有しており、
前記制御部は、
前記入場ゲートおよび前記退場ゲートのセンシングデータに基づいて電子決済を行
い、
前記車両が前記駐車車両であるか否かに応じて、駐車料金または充電料金の電子決済を行う
請求項
6に記載の管理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記車両に搭載された車載装置から近隣の充電施設に関する施設情報を要求された場合に、当該施設情報を前記車載装置へ通知し、前記車載装置に対し、前記施設情報に基づいて前記近隣の充電施設における待機時間を含む充電完了までの見込み時間を算出させる
請求項1~
7のいずれか一つに記載の管理装置。
【請求項9】
前記
制御部は、
前記見込み時間に基づいてユーザにより前記近隣の充電施設が選択された場合に、前記車両が当該近隣の充電施設への移動を開始する前に、当該近隣の充電施設の前記待ちへ前記車両を登録可能である
請求項
8に記載の管理装置。
【請求項10】
充電施設を管理する管理装置
が実行する管理方法であって、
前記充電施設に関するセンシングデータに基づいて前記充電施設の状況を判定する
ことと、
車両が前記充電施設の所定のエリアへ所定時間以上停車していると判定された場合に、当該車両を前記充電施設の待ちへ登録する
ことと
、
前記車両の待機順が第1位でないにも関わらず当該車両が前記所定のエリアから移動した場合に、当該車両の前記待ちへの登録をキャンセルすることと
を含む
管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、管理装置および管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に充電スタンドと呼ばれ、EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)といった車両の充電に用いられる充電施設が知られている。
【0003】
また、かかる充電施設において、施設を利用する車両に搭乗するユーザの携帯端末へ適宜施設の利用案内情報を送信することによって、充電施設の利用効率の向上を図る管理システムが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術には、充電施設の利用効率をより向上させるうえで、さらなる改善の余地がある。
【0006】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、充電施設の利用効率をより向上させることができる管理装置および管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る管理装置は、充電施設を管理する管理装置であって、制御部を備える。前記制御部は、前記充電施設に関するセンシングデータに基づいて前記充電施設の状況を判定し、車両が前記充電施設の所定のエリアへ所定時間以上停車していると判定された場合に、当該車両を前記充電施設の待ちへ登録し、前記車両の待機順が第1位でないにも関わらず当該車両が前記所定のエリアから移動した場合に、当該車両の前記待ちへの登録をキャンセルする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、充電施設の利用効率をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る管理方法の概要説明図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る管理装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、見なし登録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、マニュアル登録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、順番変更処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、タイムアウト判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第2の実施形態に係る管理方法の概要説明図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態に係る管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態に係る管理装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、第3の実施形態に係る管理方法の概要説明図(その1)である。
【
図12】
図12は、第3の実施形態に係る管理方法の概要説明図(その2)である。
【
図13】
図13は、第3の実施形態に係る管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、第3の実施形態に係る車載装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する管理装置および管理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
また、以下では順に、第1の実施形態、第2の実施形態および第3の実施形態についてそれぞれ説明する。第1の実施形態は、
図1~
図7を用いて説明する。第2の実施形態は、
図8~
図10を用いて説明する。第3の実施形態は、
図11~
図14を用いて説明する。また、以下では、充電施設には符号「ST」を付すものとする。
【0012】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る管理方法について、
図1を用いて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る管理方法の概要説明図である。
【0013】
一般に、充電施設STでは、充電装置3に既に利用者がいる場合、後ろに並ぶなどして順番待ちを行うが、従来技術では、何台の車両が順番待ちしているのか、次に充電装置が空いた時はどの車両の番なのか、自分は何番目なのかといった状況が分かりにくくなっている。
【0014】
そこで、第1の実施形態に係る管理方法では、充電施設STに関するセンシングデータに基づいて充電施設STの状況を判定し、車両が充電施設STの所定のエリアへ所定時間以上停車していると判定された場合に、かかる車両を充電施設STの待ちへ登録することとした。なお、ここに言う「待ちへ登録」とは、「待っていることを登録する」ことを指す。
【0015】
具体的には、
図1に示すように、第1の実施形態に係る管理システム1は、充電施設STと、管理装置10とを含む。
【0016】
充電施設STは、1以上の充電エリアCAを含む。なお、
図1の例では、充電エリアCAは8つである。1つの充電エリアCAは、1つの充電装置3を含む。充電装置3は、接触式、非接触式のいずれであってもよい。また、充電施設STは、1以上の待機エリアWAを含む。なお、
図1の例では、待機エリアWAは8つである。
【0017】
管理装置10は、たとえば充電施設STを運営する事業者等によって運用され、充電施設STを管理する装置である。管理装置10は、たとえばコンピュータであって、充電装置3のそれぞれと通信可能に設けられている。
【0018】
また、充電施設STは、カメラ等の各種センサ(
図2参照)を備えており、管理装置10は、かかる各種センサ2のセンシングデータに基づいて、充電施設STの状況を逐次取得可能に設けられている。管理装置10は、たとえば充電施設STへ入場した車両をそれぞれ識別し、識別した各車両の現在の状況を把握することが可能である。
【0019】
そして、第1の実施形態に係る管理方法では、管理装置10は、車両の待機エリアWAへの所定時間以上の停車を検知した場合に(ステップS11)、自動的に、当該車両の当該充電施設STへの順番待ち登録を実行する(ステップS12)。以下、かかる自動的な順番待ち登録処理を適宜「見なし登録処理」という。
【0020】
かかる見なし登録処理は、たとえば車両に搭載された車載装置と管理装置10との間でWi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信を介して行われる。これにより、充電施設STの利用時にユーザが車両から降車する機会を低減しつつ、充電施設STでの順番待ち登録を行うことが可能となり、充電施設STの利用効率をより向上させることができる。
【0021】
なお、近距離無線通信が不可能な場合であっても、第1の実施形態に係る管理方法では、充電装置3等に対するユーザのマニュアル操作を介して順番待ち登録を行うことができる。これにより、従来であれば、そもそも行うことのできなかった充電施設STの順番待ち登録を行うことが可能となり、充電施設STの利用効率をより向上させることができる。以下、かかるマニュアル操作を介した順番待ち登録処理を適宜「マニュアル登録処理」という。
【0022】
なお、順番待ち登録が行われるとたとえば、見なし登録処理の場合は車載装置に、マニュアル登録処理の場合は充電施設STに設けられたディスプレイ等である表示部4(
図2参照)に、それぞれ現在の待機順が表示される。これにより、ユーザは、現在の待ち状況を随時把握することが可能となり、充電施設STの利用効率をより向上させることができる。
【0023】
このように、第1の実施形態に係る管理方法では、充電施設STに関するセンシングデータに基づいて充電施設STの状況を判定し、車両が充電施設STの所定のエリアへ所定時間以上停車していると判定された場合に、かかる車両を充電施設STの待ちへ登録する。したがって、第1の実施形態に係る管理方法によれば、充電施設STの利用効率をより向上させることができる。
【0024】
また、この他にも、第1の実施形態に係る管理方法では、たとえば順番待ち中の車両が待機エリアWAを離れた場合、自動的に登録をキャンセルさせることができる。これにより、ユーザが車両から降車する機会を低減しつつ、順番待ちのキャンセルを行うことが可能となり、充電施設STの利用効率をより向上させることができる。
【0025】
また、第1の実施形態に係る管理方法では、たとえばマニュアル登録処理の場合に、予め所定の登録料を徴収することによって、安易な登録またはキャンセルを抑止することができる。
【0026】
また、第1の実施形態に係る管理方法では、たとえば、緊急的な順番変更依頼を受け付け、かかる依頼を受け付けた場合の「順番変更処理」を実行することができる。なお、順番変更の依頼を受け、これに応じたユーザに対しては、充電料金の割引サービス等の特典を付与してもよい。
【0027】
また、第1の実施形態に係る管理方法では、たとえば、充電を完了したユーザの次の待機順のユーザが所定時間内に充電を開始しない場合の「タイムアウト判定処理」を実行することができる。かかる場合にタイムアウト判定されたユーザはキャンセル扱いとなり、さらに次のユーザへ順番を移すことができる。
【0028】
以下、上述した第1の実施形態に係る管理方法を適用した管理システム1の構成例について、
図2~
図7を用いてより具体的に説明する。
【0029】
図2は、第1の実施形態に係る管理システム1の構成例を示すブロック図である。なお、
図2では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0030】
換言すれば、
図2に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。なお、かかる点は、後に
図9および
図13に示すブロック図についても同様とする。
【0031】
また、
図2、後に示す
図9および
図13を用いた説明では、既に説明済みの構成要素については、説明を簡略するか、説明を省略する場合がある。
【0032】
図2に示すように、第1の実施形態に係る管理システム1は、管理装置10と、車載装置100とを含む。
【0033】
管理装置10から説明する。管理装置10は、既に述べた各種センサ2、充電装置3および表示部4と接続される。また、管理装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。
【0034】
通信部11は、たとえば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部11は、インターネットや携帯電話回線網等のネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、車載装置100との間で情報の送受信を行う。
【0035】
なお、ネットワークNは、近距離無線通信網を含むものであって、通信部11は、たとえば車載装置100がWi-Fi等による近距離無線通信が可能である場合には、かかる近距離無線通信を介して車載装置100と情報の送受信を行うことも可能である。
【0036】
記憶部12は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、
図2の例では、充電装置情報12aと、待ち行列情報12bとを記憶する。
【0037】
充電装置情報12aは、充電施設STに設けられた各充電装置3の電力規格や給電性能等に関する情報である。待ち行列情報12bは、充電施設STにおける現在の待ち状況に関する情報であり、順番待ち登録、キャンセルおよび各充電エリアCAにおける充電の進行状況に応じて随時更新される。
【0038】
制御部13は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部12に記憶されている図示略の各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現することができる。
【0039】
制御部13は、取得部13aと、判定部13bと、登録部13cと、変更部13dと、受付部13eと、通知部13fとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0040】
取得部13aは、各種センサ2のセンシングデータを取得する。また、取得部13aは、各充電装置3の状態を取得する。また、取得部13aは、通信部11を介し、車載装置100から送信されるデータを取得する。
【0041】
判定部13bは、取得部13aによって取得された各データに基づいて、充電施設STの状況や、車両の状況、各充電装置3の状態等を判定する。
【0042】
判定部13bは、たとえば車両が待機エリアWAに所定時間以上停車しているか否かを判定する。また、判定部13bは、たとえば車両が無線通信可能であるか否かを判定する。また、判定部13bは、車両のバッテリの充電量が規定残量以下であるか否かを判定する。
【0043】
その結果、判定部13bは、たとえば車両が待機エリアWAに所定時間以上停車しており、無線通信可能であり、充電量が規定残量以下である場合に、登録部13cに、上述した「見なし登録処理」を実行させる。
【0044】
また、判定部13bは、たとえば車両が待機エリアWAに所定時間以上停車しているが、無線通信不可である場合に、登録部13cに、上述した「マニュアル登録処理」を実行させる。
【0045】
また、判定部13bは、たとえば充電を完了したユーザの次の待機順のユーザが所定時間内に充電を開始しない場合に、上述した「タイムアウト判定処理」を実行する。かかる処理の具体的な処理手順については、
図7を用いた説明で後述する。
【0046】
登録部13cは、判定部13bの判定結果に基づいて、「見なし登録処理」または「マニュアル登録処理」を実行する。これら各処理の具体的な処理手順については、
図4または
図5を用いた説明で後述する。
【0047】
変更部13dは、緊急的な順番変更依頼を受け付けた場合に、上述した「順番変更処理」を実行する。かかる処理の具体的な処理手順については、
図6を用いた説明で後述する。
【0048】
受付部13eは、待ち行列情報12bに基づいて、待ち行列において待機順=1となったユーザの充電を受け付ける。かかる受け付けに際しては、受付部13eは、「見なし登録処理」または「マニュアル登録処理」において発行されるキーコードの入力を受け付け、ユーザを認証する。キーコードは、たとえば、車載装置100のMAC(Media Access Control)アドレスや、車両のナンバー、車両番号、ユーザが任意に指定したコード情報等である。
【0049】
通知部13fは、車載装置100または表示部4に対し、現在の待ち状況を随時通知する。
【0050】
次に、車載装置100について説明する。車載装置100は、車両に搭載された装置であって、たとえばECU(Electronic Control Unit)や、カーナビゲーション(以下、適宜「ナビ」という)装置等によって実現される。
【0051】
なお、車載装置100は、一時的に車両に搭載されるという意味で、車両に搭乗するユーザが携帯するスマートフォン等の携帯端末であってもよい。
【0052】
車載装置100は、通信部101と、操作部102と、表示部103と、記憶部104と、制御部105とを備える。
【0053】
通信部101は、上述した通信部11と同様に、たとえば、NIC等によって実現される。通信部101は、インターネットや携帯電話回線網等のネットワークNと無線で接続され、ネットワークNを介して、管理装置10との間で情報の送受信を行う。
【0054】
なお、ネットワークNは、近距離無線通信網を含むものであって、通信部101は、たとえば車載装置100が近距離無線通信を可能である場合には、かかる近距離無線通信を介して管理装置10と情報の送受信を行うことも可能である。
【0055】
操作部102は、ユーザからの操作を受け付ける操作部品である。表示部103は、ディスプレイ等の表示部品であり、たとえば管理装置10から通知される現在の待ち状況を表示する。なお、操作部102および表示部103は、タッチパネルディスプレイ等により、一体に構成されてもよい。
【0056】
記憶部104は、たとえば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、
図2の例では、キーコード情報104aと、現在順位情報104bとを記憶する。
【0057】
キーコード情報104aは、上述したキーコードを含む情報である。現在順位情報104bは、現在の待機順を含む情報であり、状況の変化に応じて随時更新される。
【0058】
制御部105は、上述した制御部13と同様に、コントローラであり、たとえば、CPUやMPU等によって、記憶部104に記憶されている図示略の各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部105は、たとえば、ASICやFPGA等の集積回路により実現することができる。
【0059】
制御部105は、取得部105aと、応答制御部105bと、送信部105cとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0060】
取得部105aは、通信部101を介し、管理装置10から送信されるデータを取得する。取得部105aは、たとえば、管理装置10から送信されるキーコードを取得し、キーコード情報104aへ格納する。また、取得部105aは、たとえば、管理装置10から送信される現在の待ち状況を取得し、現在順位情報104bを更新する。
【0061】
また、取得部105aは、操作部102からの入力を取得する。応答制御部105bは、操作部102からの入力に基づいて管理装置10に対する応答を制御する。応答制御部105bは、たとえば、管理装置10から順番変更依頼が通知された場合に、かかる順番変更依頼に対するユーザの応答を操作部102の入力から受け付け、送信部105cへ送信させる。
【0062】
また、応答制御部105bは、管理装置10から通知された通知内容、たとえばキーコードや、現在の待ち状況、上述の順番変更依頼等を表示部103に表示させる。
【0063】
送信部105cは、応答制御部105bによって制御される応答を、通信部101を介し、管理装置10へ送信する。
【0064】
次に、第1の実施形態に係る管理装置10が実行する処理手順について、
図3~
図7を用いて説明する。
図3は、第1の実施形態に係る管理装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0065】
まず、判定部13bが、車両が待機エリアWAに所定時間以上停車していることを検知する(ステップS101)。すると、判定部13bは、車両が無線通信可能であるか否かを判定する(ステップS102)。
【0066】
ここで、車両が無線通信可能である場合(ステップS102,Yes)、通信部11が無線通信を開始する(ステップS103)。そして、判定部13bが、車両のバッテリの充電量が規定残量以下であるか否かを判定する(ステップS104)。
【0067】
そして、充電量が規定残量以下である場合(ステップS104,Yes)、登録部13cが、見なし登録処理を実行する(ステップS105)。一方、充電量が規定残量を超える場合は(ステップS104,No)、処理を終了する。
【0068】
また、車両が無線通信不可である場合(ステップS102,No)、判定部13bは、たとえば充電装置3等に対するユーザの操作に基づき、ユーザが充電施設STを利用するか否かを判定する(ステップS106)。
【0069】
ここで、充電施設STを利用する場合(ステップS106,Yes)、登録部13cが、マニュアル登録処理を実行する(ステップS107)。一方、充電施設STを利用しない場合は(ステップS106,No)処理を終了する。
【0070】
そして、見なし登録処理またはマニュアル登録処理が実行された後、変更部13dが、順番変更処理を実行する(ステップS108)。そして、受付部13eが、待機順=1のユーザの充電受付を開始し(ステップS109)、充電が開始される(ステップS110)。
【0071】
そして、判定部13bが、タイムアウト判定処理を実行した後(ステップS111)、処理を終了する。
【0072】
次に、上述した見なし登録処理の処理手順について
図4を用いて説明する。
図4は、見なし登録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0073】
図4に示すように、見なし登録処理では、まず登録部13cは、車両が継続して待機エリアWAに停車中であるか否かを判定する(ステップS201)。ここで、継続して待機エリアWAに停車中である場合(ステップS201,Yes)、登録部13cは、該当の車両が順番待ち未登録であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0074】
そして、登録部13cは、順番待ち未登録である場合(ステップS202,Yes)、該当の車両を順番待ちと見なして登録し、キーコードを発行する(ステップS203)。順番待ち未登録済みである場合(ステップS202,No)、そのままステップS204へ移行する。
【0075】
そして、登録部13cは、車内に現在の順番を通知する(ステップS204)。そして、登録部13cは、該当の車両が待機順=1であるか否かを判定する(ステップS205)。待機順=1である場合(ステップS205,Yes)、見なし登録処理を終了する。待機順=1でない場合(ステップS205,No)、ステップS201からの処理を繰り返す。
【0076】
また、ステップS201で車両が継続して待機エリアWAに停車中でない場合(ステップS201,No)、すなわち、車両が待機順=1でないにも関わらず待機エリアWAから移動した場合、登録部13cは、該当の車両が順番待ち登録済みであるか否かを判定する(ステップS206)。
【0077】
そして、ここで該当の車両が順番待ち登録済みである場合(ステップS206,Yes)、登録部13cは、自動的に登録をキャンセルし(ステップS207)、
図3に示すように処理を終了する。順番待ち未登録である場合(ステップS206,No)、同じく
図3に示すように処理を終了する。
【0078】
次に、上述したマニュアル登録処理の処理手順について
図5を用いて説明する。
図5は、マニュアル登録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0079】
図5に示すように、マニュアル登録処理では、まず登録部13cは、充電施設ST内の充電装置3等の所定の端末装置からのユーザ操作により、順番待ち登録を行う(ステップS301)。そして、登録部13cは、かかる際に所定の登録料の支払いがあったか否かを判定する(ステップS302)。
【0080】
ここで、登録料の支払いがあった場合(ステップS302,Yes)、登録部13cは、たとえばユーザ指定の任意のキーコードで予約番号を発券する(ステップS303)。そして、充電施設ST内に現在の順番を表示させる(ステップS304)。
【0081】
そして、登録部13cは、該当の車両が待機順=1であるか否かを判定する(ステップS305)。待機順=1である場合(ステップS305,Yes)、マニュアル登録処理を終了する。待機順=1でない場合(ステップS305,No)、ステップS304からの処理を繰り返す。
【0082】
また、ステップS302で登録料の支払いがなかった場合(ステップS302,No)、登録部13cは、自動的に登録をキャンセルし(ステップS306)、
図3に示すように処理を終了する。
【0083】
次に、上述した順番変更処理の処理手順について
図6を用いて説明する。
図6は、順番変更処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0084】
順番変更処理では、変更部13dは、順番変更依頼があったか否かを判定する(ステップS401)。ここで、順番変更依頼がない場合(ステップS401,No)、そのまま順番変更処理を終了する。
【0085】
順番変更依頼があった場合(ステップS401,Yes)、変更部13dは、待機順=1の車両の車内に順番変更依頼を通知する(ステップS402)。そして、かかる通知に対する車載装置100からの応答に基づき、順番変更が可能であるか否かを判定する(ステップS403)。
【0086】
ここで、順番変更が可能でない場合(ステップS403,No)、変更部13dは、そのまま順番変更処理を終了する。
【0087】
順番変更が可能である場合(ステップS403,Yes)、変更部13dは、現在の順番を1繰り下げ(ステップS404)、順番変更依頼を要求した車両の待機順=1としたうえで、
図4のステップS204または
図5のステップS304へ処理を移行させる。
【0088】
次に、上述したタイムアウト判定処理の処理手順について
図7を用いて説明する。
図7は、タイムアウト判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0089】
図7に示すように、タイムアウト判定処理では、判定部13bは、充電装置3を利用中のユーザの充電が完了すると(ステップS501)、待機者があるか否かを判定する(ステップS502)。
【0090】
ここで、待機者がない場合(ステップS502,No)、判定部13bは、そのままタイムアウト判定処理を終了する。待機者がある場合(ステップS502,Yes)、判定部13bは、待機順を1ずつ繰り上げる(ステップS503)。そして、判定部13bは、一定時間内に次のユーザの充電が開始されたか否かを判定する(ステップS504)。
【0091】
ここで、一定時間内に充電が開始された場合(ステップS504,Yes)、判定部13bは、ステップS501からの処理を繰り返す。
【0092】
また、一定時間内に充電が開始されなかった場合(ステップS504,No)、判定部13bは、待機順=1のユーザがタイムアウトであると判定する(ステップS505)。そして、自動的にかかるユーザの登録をキャンセルし(ステップS506)、ステップS502からの処理を繰り返す。
【0093】
上述してきたように、第1の実施形態に係る管理装置10は、充電施設STを管理する管理装置であって、判定部13bと、登録部13cとを備える。判定部13bは、充電施設STに関するセンシングデータに基づいて充電施設STの状況を判定する。登録部13cは、判定部13bによって車両が充電施設STの所定のエリアへ所定時間以上停車していると判定された場合に、かかる車両を充電施設STの待ち行列(「待ち」の一例に相当)へ登録する。
【0094】
したがって、第1の実施形態に係る管理装置10によれば、充電施設STの利用効率をより向上させることができる。
【0095】
また、登録部13cは、判定部13bによって車両の充電量が規定残量以下であると判定された場合に、車両を待ち行列へ登録する。
【0096】
したがって、第1の実施形態に係る管理装置10によれば、充電が必要な車両を優先的に待ち行列へ登録することが可能となる。
【0097】
また、登録部13cは、車両の待機順が第1位でないにも関わらず当該車両が所定のエリアから移動した場合に、当該車両の待ち行列への登録をキャンセルする。
【0098】
したがって、第1の実施形態に係る管理装置10によれば、割り込みを防止しつつ、待機順に沿って充電を行わせることができるとともに、自動的に登録をキャンセルできることによって充電施設STの利用効率をより向上させることができる。
【0099】
また、登録部13cは、ユーザのマニュアル操作による車両の待ち行列への登録を可能に設けられ、マニュアル操作による登録を行う場合に、所定の登録料の支払いがある場合に限り登録を受け付ける。
【0100】
したがって、第1の実施形態に係る管理装置10によれば、安易な登録またはキャンセルを抑止することができる。
【0101】
また、第1の実施形態に係る管理装置10は、変更部13dをさらに備える。変更部13dは、待機順が第1位である車両に対する順番変更依頼を受け付けた場合に、当該順番変更依頼に対する車両のユーザの応答に応じて、車両の待機順を変更させる。
【0102】
したがって、第1の実施形態に係る管理装置10によれば、たとえば充電量の極端に少ない車両を緊急的に優先して充電を行わせることが可能となる。
【0103】
また、判定部13bは、待機順が第1位である車両の充電が一定時間内に開始されない場合に、当該車両の待ち行列への登録をキャンセルし、待機順を1ずつ繰り上げる。
【0104】
したがって、第1の実施形態に係る管理装置10によれば、待機順が第1位であるにも関わらず不在の車両のために待ち行列の解消が滞るのを防止することができ、充電施設STの利用効率をより向上させることができる。
【0105】
なお、第1の実施形態では、充電待ちの車両が待機するエリアが、充電施設ST内において区画された待機エリアWAである場合を例に挙げたが、待機エリアWAは充電エリアCA以外のエリアであればよい。したがって、待機エリアWAは、充電エリアCA以外の通路等であってもよい。
【0106】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
図8は、第2の実施形態に係る管理方法の概要説明図である。
【0107】
図8に示すように、第2の実施形態は、充電施設STが駐車場を兼ねる場合を想定する。ここでは、
図1に示した待機エリアWAが、
図8に示すように、それぞれ駐車エリアPAを兼ねるものとする。
【0108】
図8に示すように、第2の実施形態では、充電施設STは、入場ゲート5と、退場ゲート6とを備える。入場ゲート5および退場ゲート6は、いわゆるETC(Electronic Toll Collection System)に相当する電子決済システムを搭載する。なお、以下では、説明の便宜上、かかる電子決済システムを「ETC」と記載する。
【0109】
第2の実施形態に係る管理システム1Aでは、かかるETCにより、充電施設STに対する車両の入退場および決済を管理する。
【0110】
具体的には、
図8に示すように、第2の実施形態に係る管理システム1Aは、管理装置10Aが、入場ゲート5を通過する入場車両のETC情報およびナンバーを取得する(ステップS21)。ETC情報は、車両に搭載され、ETC車載器の機能を兼ねる車載装置100Aの識別情報や、クレジットカードの識別情報等を含む。
【0111】
そして、管理装置10Aは、入場した車両につき、充電施設STへの順番待ち登録を実行する(ステップS22)。かかる順番待ち登録については、第1の実施形態と同様であってよい。
【0112】
なお、第2の実施形態では、駐車場のみを利用する車両についても、無条件に充電施設STへの順番待ち登録を行う。そして、第2の実施形態では、待機順=1になっても、一定時間以上駐車エリアPAから移動しない車両については、駐車車両と判定する。
【0113】
一方、待機順=1となり、一定時間内に駐車エリアPAから移動した車両については、充電車両と判定し、たとえばかかる車両が駐車エリアPAに待機した間の駐車料金を差し引く。
【0114】
そして、管理装置10Aは、車両が退場ゲート6を通過すると、かかる車両の充電施設STの利用形態、すなわち充電か駐車かに応じてETCによる電子決済を行う(ステップS23)。
【0115】
なお、第2の実施形態では、管理装置10Aは、車両が充電装置3を利用する場合、充電を開始する前に入場時に取得した車両のナンバーを照合することによって、待機順=1の車両であるかを確認する。これにより、割り込みを防止することができる。
【0116】
かかる割り込み防止のためには、たとえば充電エリアCAにロック板を設けておき、待機順=1である車両が充電エリアCAへ進入しようとした場合にのみ、ロック板を下げるようにしてもよい。
【0117】
また、車両のナンバーは、どの車両がどの充電施設STで充電したかを示す履歴情報の管理等にも用いることができる。また、車両のナンバーは、かかる履歴情報等を用いた充電料金の算出、たとえばお得意様に対する割引サービスを適用した充電料金の算出等にも利用することができる。
【0118】
このように、第2の実施形態に係る管理方法では、待機エリアWAは、車両の駐車エリアPAを兼ねており、車両の待機順が第1位であるにも関わらず当該車両が所定のエリアから一定時間内に移動しない場合に、当該車両を駐車エリアPAの利用車両である駐車車両と判定する。したがって、第2の実施形態に係る管理方法によれば、駐車車両を即座に待ち行列から外すことが可能となり、充電施設STの利用効率をより向上させることができる。
【0119】
以下、上述した第2の実施形態に係る管理方法を適用した管理システム1Aの構成例について、
図9および
図10を用いてより具体的に説明する。
【0120】
図9は、第2の実施形態に係る管理システム1Aの構成例を示すブロック図である。なお、
図9は、第1の実施形態の説明で示した
図2に対応しているため、
図9を用いた説明では、
図2と異なる点について主に説明する。
【0121】
図9に示すように、第2の実施形態に係る管理装置10Aは、入場ゲート5および退場ゲート6がさらに接続される点が第1の実施形態とは異なる。また、記憶部12が、ETC情報12cおよびナンバー情報12dをさらに記憶する点が第1の実施形態とは異なる。また、制御部13が、電子決済部13gをさらに有する点が第1の実施形態とは異なる。
【0122】
また、第2の実施形態に係る車載装置100Aは、記憶部104が、ETC情報104cをさらに記憶する点が第1の実施形態とは異なる。
【0123】
管理装置10Aの取得部13aは、車両が入場ゲートを通過する際の入場ゲート5および各種センサ2からのセンシングデータに基づき、ETC情報104cおよび車両のナンバーを取得し、ETC情報12cおよびナンバー情報12dへそれぞれ格納する。
【0124】
管理装置10Aの判定部13bは、順番待ちに登録された車両が、駐車エリアPAのみを利用する駐車車両であるか、充電エリアCAを利用する充電車両であるかを判定する。
【0125】
電子決済部13gは、車両が退場ゲート6を通過する際に、判定部13bの判定結果に基づいて、充電料金または駐車料金の電子決済を行う。
【0126】
次に、第2の実施形態に係る管理装置10Aが実行する処理手順について、
図10を用いて説明する。
図10は、第2の実施形態に係る管理装置10Aが実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0127】
図10に示すように、まず取得部13aが、入場ゲート5を通過する車両のETC情報104cおよびナンバーを取得する(ステップS601)。そして、登録部13cが、順番待ち登録を行う(ステップS602)。
【0128】
そして、判定部13bが、車両が充電エリアCAに停車したか否かを判定する(ステップS603)。ここで、充電エリアCAに停車した場合(ステップS603,Yes)、車両のナンバーを照合する(ステップS604)。
【0129】
そして、判定部13bは、車両が待機順=1の車両であるか否かを判定する(ステップS605)。ここで、待機順=1の車両でない場合(ステップS605,No)、判定部13bは、待機順=1の車両が来るまでステップS605を繰り返す。
【0130】
また、待機順=1の車両である場合(ステップS605,Yes)、充電を開始する(ステップS606)。そして、充電が完了すると(ステップS607)、判定部13bは、ETCで退場を確認する(ステップS608)。そして、電子決済部13gが、充電料金の電子決済を行い(ステップS609)、処理を終了する。
【0131】
一方、ステップS603で車両が充電エリアCAに停車しなかった場合(ステップS603,No)、判定部13bは、かかる車両が待機順=1であるか否かを判定する(ステップS610)。
【0132】
ここで、待機順=1でない場合(ステップS610,No)、判定部13bは、ステップS610を繰り返す。また、待機順=1である場合(ステップS610,Yes)、判定部13bは、かかる車両が、一定時間内に充電エリアCAへ移動したか否かを判定する(ステップS611)。
【0133】
ここで、一定時間内に充電エリアCAへ移動した場合(ステップS611,Yes)、充電車両と判定し、ステップS604へ移行する。また、一定時間内に充電エリアCAへ移動しなかった場合(ステップS611,No)、判定部13bは、駐車車両と判定し(ステップS612)、ステップS608へ移行する。
【0134】
なお、かかる駐車車両と判定された場合は、ステップS609において電子決済部13gは、駐車料金の電子決済を行うこととなる。
【0135】
上述してきたように、所定のエリアは、車両の駐車エリアPAを兼ねており、第2の実施形態に係る管理装置10Aは、判定部13bが、車両の待機順が第1位であるにも関わらず当該車両が所定のエリアから一定時間内に移動しない場合に、当該車両を駐車エリアPAの利用車両である駐車車両と判定する。
【0136】
したがって、第2の実施形態に係る管理装置10Aによれば、駐車車両を待ち行列から即座に外すことが可能となり、充電施設STの利用効率をより向上させることができる。
【0137】
また、充電施設STは、電子決済システムを搭載する入場ゲート5および退場ゲート6を有しており、第2の実施形態に係る管理装置10Aは、電子決済部13gをさらに備える。電子決済部13gは、入場ゲート5および退場ゲート6のセンシングデータに基づいて電子決済を行う。また、電子決済部13gは、車両が駐車車両であるか否かに応じて、駐車料金または充電料金の電子決済を行う。
【0138】
したがって、第2の実施形態に係る管理装置10Aによれば、電子決済により、充電施設STの利用効率をより向上させることができるとともに、充電施設STの利用形態に応じて適切な料金収受を行うことができる。
【0139】
なお、第2の実施形態では、ETCに相当する電子決済システムを用いることとしたが、これに限られるものではなく、非接触通信による電子決済が可能なシステムであればよい。
【0140】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
図11は、第3の実施形態に係る管理方法の概要説明図(その1)である。また、
図12は、第3の実施形態に係る管理方法の概要説明図(その2)である。
【0141】
図11に示すように、第3の実施形態は、複数の充電施設ST-1,ST-2,ST-3…がある場合を想定する。車両が、ある充電施設STにおいて充電のために順番待ち登録したものの、待ち行列が長く、待機順=1となるまで長時間を要するものとする。
【0142】
かかる場合に、第3の実施形態に係る管理システム1Bでは、車載装置100Bが、近隣の充電施設ST-1,ST-2,ST-3…を検索し、それぞれにつき充電完了までの見込み時間を算出し、算出された見込み時間に基づいてユーザが選択した施設へ案内する。すなわち、管理装置10Bは、ネットワークNを介し、自身が管理する各充電施設STの施設情報を車載装置100Bへ提供し、これに基づいて見込み時間を算出させる。
【0143】
具体的には、
図11に示すように、第3の実施形態に係る管理システム1Bは、車載装置100Bが、たとえばナビ機能により、近隣の充電施設STを検索する(ステップS31)。
【0144】
そして、近隣に充電施設ST-1,ST-2,ST-3…があれば、これら充電施設ST-1,ST-2,ST-3…の管理装置10B-1,10B-2,10B-3…は、それぞれの現在の施設情報を車載装置100Bへ送信し、車載装置100Bに取得させる。施設情報は、上述した充電装置情報12aおよび待ち行列情報12bに相当する。
【0145】
そして、車載装置100Bは、取得した各施設情報に基づき、充電施設STごとにおける充電完了までの見込み時間を算出する(ステップS32)。ここで、充電完了までの見込み時間は、
図12に示すように、該当施設への移動時間、待機時間および自車両の充電時間を加算した値である。
【0146】
そして、ユーザがかかる算出結果に基づいて任意に、たとえば見込み時間が最も小さい充電施設STを選択すると、車載装置100Bは、かかる施設への案内経路を生成し、ナビ機能により車両をユーザが選択した施設へ案内する(ステップS33)。
【0147】
これにより、たとえば複数の充電施設STを共通の事業者が運営している場合等に、混んでいる充電施設STのユーザを空いている方の充電施設STへ回すことができ、充電施設STの利用効率をより向上させることができる。
【0148】
なお、第3の実施形態では、車両は、ある充電施設STで順番待ちをしている場合に限らず、充電施設STを探しながら走行中の状態であってもよい。
【0149】
また、管理装置10Bは、必ずしも1つの充電施設STを管理する必要はなく、1つの管理装置10Bが、統合的に複数の充電施設STを管理するようにしてもよい。
【0150】
このように、第3の実施形態に係る管理方法では、車載装置100Bが、近隣の充電施設ST-1,ST-2,ST-3…を検索し、それぞれにつき充電完了までの見込み時間を算出し、算出された見込み時間に基づいてユーザが選択した施設へ案内することとした。また、管理装置10Bは、ネットワークNを介し、自身が管理する各充電施設STの施設情報を車載装置100Bへ提供し、これに基づいて見込み時間を算出させることとした。したがって、第2の実施形態に係る管理方法によれば、充電施設STの利用効率をより向上させることができる。
【0151】
以下、上述した第3の実施形態に係る管理方法を適用した管理システム1Bの構成例について、
図13および
図14を用いてより具体的に説明する。
【0152】
図13は、第3の実施形態に係る管理システム1Bの構成例を示すブロック図である。なお、
図13は、第1の実施形態の説明で示した
図2、および、第2の実施形態の説明で示した
図9に対応しているため、
図13を用いた説明では、これらと異なる点について主に説明する。
【0153】
図13に示すように、第3の実施形態に係る管理装置10Bは、複数の充電施設STにそれぞれ対応して複数設けられる点が第1の実施形態または第2の実施形態とは異なる。なお、既に述べたように、管理装置10Bは1つで統合的に複数の充電施設STを管理してもよい。
【0154】
また、第3の実施形態に係る車載装置100Bは、記憶部104が、施設情報104dおよびナビ情報104eをさらに記憶する点が第1の実施形態または第2の実施形態とは異なる。また、制御部105が、算出部105dと、生成部105eと、ナビ制御部105fとをさらに有する点が第1の実施形態または第2の実施形態とは異なる。
【0155】
施設情報104dは、既に述べたが、各管理装置10Bの充電装置情報12aおよび待ち行列情報12bに相当する。また、施設情報104dは、各充電施設STの所在地等を含む。ナビ情報104eは、ユーザによって選択された充電施設STへの案内経路に関する情報である。
【0156】
算出部105dは、取得部105aによって取得された施設情報104dに基づいて、上述した充電完了までの見込み時間を算出する。算出された算出結果は、たとえば応答制御部105bによって表示部103に表示される。
【0157】
生成部105eは、表示部103へ算出結果とともに表示された候補施設に対し、ユーザにより、操作部102を介して選択された充電施設STへの案内経路を生成し、ナビ情報104eへ格納する。
【0158】
ナビ制御部105fは、ナビ機能により、近隣の充電施設STを検索する。なお、かかる際に、ナビ制御部105fは、近隣の充電施設STがある場合に、送信部103cを介し、各充電施設STの管理装置10Bへ施設情報を要求する。かかる要求を受けた管理装置10Bは、たとえば通知部13fが施設情報を通知し、車載装置100Bに取得させる。また、ナビ制御部105fは、ナビ情報104eに基づいて、ユーザによって選択された充電施設STへ、ナビ機能により車両を案内する。
【0159】
次に、第3の実施形態に係る車載装置100Bが実行する処理手順について、
図14を用いて説明する。
図14は、第3の実施形態に係る車載装置100Bが実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0160】
図14に示すように、まずナビ制御部105fが、近隣の充電施設STを検索する(ステップS701)。そして、近隣に充電施設STがあるか否かを判定する(ステップS702)。
【0161】
ここで、近隣に充電施設STがない場合(ステップS702,No)、処理を終了する。一方、充電施設STがある場合(ステップS702,Yes)、制御部105は、検索された充電施設STの数の回数分、ループ処理L1を実行する。
【0162】
ループ処理L1では、取得部105aが、管理装置10Bから施設情報104dを取得する(ステップS703)。そして、算出部105dが、施設情報104dに基づいて、現在地からの移動時間を算出する(ステップS704)。
【0163】
また、算出部105dは、施設情報104dに基づいて、該当の充電施設STに待機している待機車両があるか否かを判定する(ステップS705)。そして、待機車両がある場合(ステップS705,Yes)、待機車両数の回数分、ループ処理L2を実行する。待機車両がない場合(ステップS705,No)、ステップS710へ移行する。
【0164】
ループ処理L2では、算出部105dが、待機車両情報を取得する(ステップS706)。待機車両情報は、施設情報104dが含む待ち行列情報に含まれる。待機車両情報は、待機車両それぞれのバッテリの充電容量および現在の充電量を含む。
【0165】
そして、算出部105dは、取得した待機車両情報に基づいて、待機車両の充電完了時間を算出する(ステップS707)。そして、算出部105dは、算出した充電完了時間を合計待機時間へ積算する(ステップS708)。
【0166】
そして、算出部105dは、ループ処理L2を実行した後、合計待機時間を表示部103へ表示させる(ステップS709)。また、算出部105dは、自車両の充電時間を算出する(ステップS710)。
【0167】
そして、算出部105dは、ステップS704で算出した移動時間、ステップS708で積算した合計待機時間、および、ステップS710で算出した自車両の充電時間を合計し、充電施設STごとにおける充電完了までの見込み時間を算出する(ステップS711)。
【0168】
そして、算出部105dは、ループ処理L1を実行した後、選択候補施設とかかる施設ごとの見込み時間を表示部103に表示させる(ステップS712)。そして、ユーザが施設を選択すると、生成部105eがナビ情報104eを生成し、ナビ制御部105fがナビ情報104eに基づいて、ユーザが選択した施設への案内を開始する(ステップS713)。そして、処理を終了する。
【0169】
なお、車両を案内中においても、算出部105dは、継続して充電完了までの見込み時間を算出し、表示部103に表示させて、ユーザに適宜候補施設を選択可能にさせてもよい。これにより、動的な状況の変化に対応し、たとえば車両の案内中に不意の渋滞や事故等で充電施設STへの到着が遅れそうな場合等であっても、ユーザに適宜行き先の変更を行わせることが可能となる。
【0170】
また、自車両のバッテリの充電残量に応じて、お勧めの充電施設STをガイダンスするようにしてもよい。また、同じく充電残量に応じて、移動が困難と推定される場合には、あえて充電施設STの移動を行わないようにガイダンスするようにしてもよい。
【0171】
また、管理装置10Bは、ユーザが選択した施設へ車両が移動を開始する前に、たとえば登録部13cが、管理装置10B間の通信を介して、移動先の管理装置10Bの待ち行列情報12bへ該当車両を登録できるようにしてもよい。これにより、車両が移動した後に移動先の充電施設STにおける待ち行列がさらに長くなっても、待機時間を当初の算出値通りに維持することが可能となる。
【0172】
上述してきたように、第3の実施形態に係る管理装置10Bは、通知部13fが、車両に搭載された車載装置100Bから近隣の充電施設STに関する施設情報104dを要求された場合に、当該施設情報104dを車載装置100Bへ通知し、車載装置100Bに対し、施設情報104dに基づいて近隣の充電施設STにおける待機時間を含む充電完了までの見込み時間を算出させる。
【0173】
したがって、第3の実施形態に係る管理装置10Bによれば、たとえば充電施設STでの待機時間が長時間となる場合に、近隣の充電施設STを利用した場合の見込み時間を提示してユーザを近隣の充電施設STへ移動させることが可能となり、充電施設STの利用効率をより向上させることができる。
【0174】
また、登録部13cは、見込み時間に基づいてユーザにより近隣の充電施設STが選択された場合に、車両が近隣の充電施設STへの移動を開始する前に、かかる近隣の充電施設STの待ち行列へ車両を登録可能である。
【0175】
したがって、第3の実施形態に係る管理装置10Bによれば、車両が移動した後に移動先の充電施設STにおける待ち行列がさらに長くなっても、待機時間を当初の算出値通りに維持することが可能となる。
【0176】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0177】
1,1A,1B 管理システム
2 各種センサ
3 充電装置
4 表示部
5 入場ゲート
6 退場ゲート
11 通信部
12 記憶部
12a 充電装置情報
12b 待ち行列情報
12c ETC情報
12d ナンバー情報
13 制御部
13a 取得部
13b 判定部
13c 登録部
13d 変更部
13e 受付部
13f 通知部
13g 電子決済部
100,100A,100B 車載装置
101 通信部
102 操作部
103 表示部
103c 送信部
104 記憶部
104a キーコード情報
104b 現在順位情報
104c ETC情報
104d 施設情報
104e ナビ情報
105 制御部
105a 取得部
105b 応答制御部
105c 送信部
105d 算出部
105e 生成部
105f ナビ制御部
CA 充電エリア
PA 駐車エリア
ST 充電施設
WA 待機エリア