(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】画像形成装置、表示装置及びその制御方法、
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0486 20130101AFI20240701BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240701BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240701BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
G06F3/0486
B41J29/42 F
G03G21/00 386
H04N1/00 350
(21)【出願番号】P 2020190219
(22)【出願日】2020-11-16
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】森谷 昭浩
(72)【発明者】
【氏名】池田 篤
(72)【発明者】
【氏名】小池 宏明
(72)【発明者】
【氏名】木暮 岳史
【審査官】九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0013254(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0167065(US,A1)
【文献】特開2014-120859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0486
B41J 29/42
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部に重畳して配置されるタッチパネルと、
複数の事前に決められた数のアイコンを収容することができる複数のタブを含む画面を前記表示部に表示する制御部と、を備える表示装置であって、
前記制御部は、
前記複数のタブのうち前記タッチパネルを介して選択された第1のタブに収容されたアイコンを表示するホーム画面と、前記第1のタブに収容された所定のアイコンをドラッグアンドドロップ操作により第2のタブへ移動させるための設定画面とを切り替える切り替え手段と、
前記設定画面において前記所定のアイコンが前記第2のタブの見出し部へドラッグされた際に、前記第2のタブに前記所定のアイコンを挿入するスペースがない場合には前記第2のタブの見出し部にドロップ操作不可の表示を行い、前記第2のタブに前記所定のアイコンを挿入するスペースがある場合には前記第2のタブの見出し部にドロップ操作可の表示を行う表示制御手段と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第2のタブに前記所定のアイコンを挿入するスペースがある場合、前記ドロップ操作可の表示では、前記第2のタブの見出し部の色を他のタブの見出し部と異なる色にすることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2のタブに前記所定のアイコンを挿入するスペースがある場合、前記ドロップ操作可の表示では、前記第2のタブの見出し部に所定の模様を重畳させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2のタブに前記所定のアイコンを挿入するスペースがある場合、前記ドロップ操作可の表示では、前記所定のアイコンを段階的に小さくするアニメーションを前記第2のタブの見出し部に重畳させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記第2のタブに前記所定のアイコンを挿入するスペースがあり、且つ、前記所定のアイコンが前記第2のタブの見出し部の上にドロップされた場合、前記第2のタブに収容されているアイコンの末尾に前記所定のアイコンを挿入して、前記第2のタブに収容されたアイコンを表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記第2のタブに前記所定のアイコンを挿入するスペースがあり、且つ、前記第2のタブの見出し部の上にドラッグされた後に所定の時間が経過した場合に、前記第2のタブに収容されているアイコンを表示することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記第2のタブに収容されているアイコンが表示されている領域に前記所定のアイコンがドラッグされた場合、前記所定のアイコンがドロップされた際に挿入される位置を示す挿入位置カーソルを前記所定のアイコンがドラッグされている位置に応じて表示することを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2のタブに前記所定のアイコンを挿入するスペースがない場合、前記ドロップ操作不可の表示では、前記第2のタブの見出し部に所定の形状のマークを重畳させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2のタブに前記所定のアイコンを挿入するスペースがない場合、前記ドロップ操作不可の表示では、前記第2のタブの見出し部を揺らすアニメーション表示を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記複数のタブの全てを前記表示部に表示することができない場合に、表示されていないタブを表示するためのスクロールバーを前記表示部に表示し、
前記所定のアイコンが前記スクロールバーの上にドラッグされた際に、前記全てのタブの見出し部を表す一覧画面を前記表示部に表示し、
前記一覧画面において前記見出し部の表示を、前記所定のアイコンを挿入するスペースがあるタブとないタブとで区別することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の表示装置と、
電子写真方式で記録紙に画像を形成する印刷手段と、を備え、
前記表示装置の表示部に表示される複数のタブの少なくとも1つのタブは前記印刷手段を動作させるアイコンを収容していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
表示部と、前記表示部に重畳して配置されるタッチパネルとを備え、複数の事前に決められた数のアイコンを収容することができる複数のタブを含む画面が前記表示部に表示される表示装置の制御方法であって、
前記複数のタブのうち前記タッチパネルを介して選択された第1のタブに収容されたアイコンを表示するホーム画面を表示するステップと、
前記ホーム画面に対する所定の操作により、前記第1のタブに収容された所定のアイコンをドラッグアンドドロップ操作により第2のタブへ移動させるための設定画面へ切り替えるステップと、
前記設定画面において前記所定のアイコンが前記第2のタブの見出し部へドラッグされた際に、前記第2のタブに前記所定のアイコンを挿入するスペースがない場合には前記第2のタブの見出し部にドロップ操作不可の表示を行い、前記第2のタブに前記所定のアイコンを挿入するスペースがある場合には前記第2のタブの見出し部にドロップ操作可の表示を行うステップと、を有することを特徴とする表示装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、表示装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等では、画面に表示されているアイコンを指等でロングタッチ操作をすることによってアイコン編集モードへ移行し、ロングタッチ操作中のアイコンの表示位置をドラッグアンドドロップ操作によって変更する技術が広く用いられている。一方、コンピュータ等のファイル閲覧アプリケーションとして、フォルダをタブ表示し、ファイルのアイコンをドラッグアンドドロップすることによりフォルダを跨いでファイルを移動する技術が知られている。また、特許文献1は、画像形成装置での操作画面をタブ表示し、ページをグルーピングして切り替える方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したファイル閲覧アプリケーションでは、ドラッグアンドドロップ操作によってフォルダを跨いだアイコンの移動は可能であるが、移動したファイルを移動先のフォルダ又はタブの中で任意の順序に並べることができない。
【0005】
一方、上記特許文献1に記載された技術でのアイコンの並び替えには、タブ間の移動を含めて、移動したいアイコンを事前に選択し、選択したアイコンを左右又は任意のタブに移動するためのボタンを押下する方法が採用されている。また、ドラッグアンドドロップ操作によるタブ間でのアイコンの移動について開示されていない。
【0006】
本発明は、タブを跨いだアイコンの移動を簡単に行うことができ、移動先のタブでのアイコンの順序を自由に変更することが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示装置は、表示部と、前記表示部に重畳して配置されるタッチパネルと、複数の事前に決められた数のアイコンを収容することができる複数のタブを含む画面を前記表示部に表示する制御部と、を備える表示装置であって、前記制御部は、前記複数のタブのうち前記タッチパネルを介して選択された第1のタブに収容されたアイコンを表示するホーム画面と、前記第1のタブに収容された所定のアイコンをドラッグアンドドロップ操作により第2のタブへ移動させるための設定画面とを切り替える切り替え手段と、前記設定画面において前記所定のアイコンが前記第2のタブの見出し部へドラッグされた際に、前記第2のタブに前記所定のアイコンを挿入するスペースがない場合には前記第2のタブの見出し部にドロップ操作不可の表示を行い、前記第2のタブに前記所定のアイコンを挿入するスペースがある場合には前記第2のタブの見出し部にドロップ操作可の表示を行う表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る表示装置によれば、タブを跨いだアイコンの移動を簡単に行うことができ、移動先のタブでのアイコンの順序を自由に変更することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るMFPのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】MFPの第1実施形態でのホーム画面の一例を示す図である。
【
図4】ホーム画面のアイコン表示順番を管理するデータの構造を説明する図である。
【
図5】ホーム画面に表示されたアイコン押下時の処理を示すフローチャートである。
【
図6】S502での表示順番の設定処理のフローチャートである。
【
図7】S603で表示されるアイコンの表示順番の設定画面の一例を示す図である。
【
図9】表示順番の設定画面でのドラッグ中アイコンの表示例を示す図である。
【
図10】挿入位置カーソルが表示された表示順番の設定画面の一例と、アイコンがドロップされた後の表示順番の設定画面の一例を示す図である。
【
図13】S1204の処理後の表示順番の設定画面の一例を示す図である。
【
図14】表示順番の設定画面で確定ボタンが押下された後の表示されるホーム画面の一例を示す図である。
【
図15】MFPの第2実施形態でのホーム画面の一例を示す図である。
【
図16】第1実施形態でのS612に対応する、第2の実施形態でのアイコンドラッグ時の処理のフローチャートである。
【
図17】タブ一覧画面の一例とタブ表示の描画更新が行われた画面の一例とを示す図である。
【
図18】S1601の処理のフローチャートである。
【
図19】第2実施形態での表示制御によるアイコンの移動後の画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。ここでは、本発明に係る表示装置を備える画像形成装置(以下「MFP」と記す)を取り上げるが、本発明はこれに限られず、表示装置を備える各種の電子機器に適用することができる。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るMFP10のハードウェア構成を示すブロック図である。MFP10は、CPU101、ROM102、RAM103、表示コントローラ104、表示部105、操作コントローラ106及び操作部107を備える。また、MFP10は、eMMCホストコントローラ108、eMMC109、読取コントローラ110、読取部111、印刷記録コントローラ112及び印刷部113を備える。MFP10は更に、USBホストコントローラ114、モデム115、ネットワーク制御ユニット(NCU)116、ネットワークインタフェースカード(NIC)117及びシステムバス118を備える。
【0012】
CPU101は、システムバス118に接続される各デバイスを統括的に制御する。CPU101は、電源が供給されると、ROM102に記憶されたブートプログラムを実行する。通常、ブートプログラムは、ROM102等のストレージ(記憶手段)に保存されているメインプログラムをRAM103にロードし、ロードされたメインプログラムの先頭にジャンプする。RAM103は、メインプログラムのロード場所としてだけでなく、メインプログラムのワークエリア等として機能する。CPU101が実行する各種の制御プログラムと、所定の制御プログラムが実行されることによる表示部105での表示制御の内容については後述する。
【0013】
表示コントローラ104は、表示部105に対する描画を制御する。表示部105は、例えば、WVGAサイズのフルビットマップLCDである。操作コントローラ106は、MFP10に装備された操作部107からの入力を制御する。操作部107は、各種の操作ボタンと、表示部105に重畳されたタッチパネルを含む。後述する表示部105での表示制御は、タッチパネルに対する操作に応じて実行される。
【0014】
読取部111は、原稿の読み取りを行う。なお、読取部111には、不図示の自動原稿送出装置(ADF)が装着されており、読取部111は、ADFによって複数枚の原稿を自動的に順次読み取ることができるよう構成されている。読取部111は読取コントローラ110に接続されており、CPU101は読取コントローラ110を介して読取部111との間で通信を行う。
【0015】
印刷部113は、電子写真方式で記録紙に画像を形成する。印刷部113は印刷記録コントローラ112に接続されており、CPU101は印刷記録コントローラ112を介して印刷部113との間で通信を行う。USBホストコントローラ114は、USBのプロトコル制御を受け持ち、USBメモリ(不図示)等USBデバイスに対するアクセスを仲介する。
【0016】
モデム115は、ファクシミリ通信に必要な信号の変調や復調を行う。モデム115はNCU116に接続されており、モデム115で変調された信号はNCU116を介して公衆回線網(PSTN)130へ送出される。NIC117は、LANを介して、メールサーバやファイルサーバ、Webサーバ等との間で双方向にデータ通信を行う。eMMC109はストレージの1つであり、CPU101はeMMCホストコントローラ108を介してeMMC109にアクセスする。
【0017】
図2は、MFP10のソフトウェア構成図である。
図2において実線で示した各部は、CPU101がブートプログラムでRAM103にロードされたメインプログラムを実行することにより実現されるソフトウェアモジュールである。
【0018】
メインプログラムによる各モジュールの実行は、オペレーティングシステム(OS)201によって管理、制御されている。OS201には、デバイスドライバ部208が組み合わされている。デバイスドライバ部208は、表示コントローラ104、操作コントローラ106及び読取コントローラ110等のハードウェアデバイスとの通信を仲介する。ユーザインタフェース(UI)部202は、表示部105及び操作部107を介して各種の情報をユーザに提供すると共にユーザからの各種指示を受け付ける。MFP10の動作に関する各種設定も、UI部202を通じて変更することができる。UI部202によって変更された各種設定は、データベース部213を介してeMMC109に格納(記憶)される。なお、MFP10の各種設定のうちの1つに表示言語の設定があり、表示言語の設定はUI部202によって変更することができる。
【0019】
ジョブコントローラ203は、コピーや印刷、ファクシミリ送受信等のジョブを受け付け、受け付けたジョブの実行を制御する。ストレージ部206は、例えば、ファクシミリ送受信を行う画像や拡張アプリケーション210から要求されたアプリケーション設定等のデータをeMMC109へ格納して管理するソフトウェアモジュールである。例えば、MFP10においてジョブコントローラ203がファックス送信ジョブを受け付けると、そのジョブ要求を受けてスキャン制御部207が読取部111を制御して原稿をスキャンし、得られたファクシミリ画像データがストレージ部206へ格納される。ストレージ部206に格納されたファクシミリ画像データは、ファックス制御部204によって読み出され、モデム115及びNCU116を介して相手先にファクシミリ送信される。一方、NCU116及びモデム115を介して外部からファクシミリ受信した画像データは、ファックス制御部204によって取り込まれて、ストレージ部206へ格納される。
【0020】
MFP10は、VM(Virtual Machine)/FW(Framework)部209を備える。拡張アプリケーション210は、スクリプト言語で記述された任意のプログラム等から構成され、例えば、バイトコードを解釈して実行するインタープリタであるJava(登録商標)や、Lua等の言語系を用いて構成される。VM/FW部209は、スクリプト言語や所定の高級言語で記述された任意のプログラムの拡張アプリケーション210へのインストールと拡張アプリケーション210からのアンインストールを行う。また、VM/FW部209は、拡張アプリケーション210にインストールされた任意のプログラムで実現される機能と既存機能とを調停する等の役割を受け持つ。そして、VM/FW部209は、記述されているスクリプト言語を解釈して実行する。これにより、MFP10は、機能の着脱性を維持しつつ、例えば、言語切替アプリケーション214のような任意の機能を容易に実現することが可能となっている。更にVM/FW部209は、拡張アプリケーション210にインストールされた任意のプログラムからの要求を受けて、データベース部213に格納されている各種の設定値を参照したり変更したりする。なお、MFP10において、拡張アプリケーション210は必須ではない。
【0021】
UIデバイスコントローラ部211は、UI部202及び拡張アプリケーション210が表示部105へ各種情報を出力する処理を仲介する。また、UIデバイスコントローラ部211は、ユーザが操作部107を操作することによって発生する信号をUI部202及び拡張アプリケーション210へ伝達する処理を仲介する。送信制御部205は、例えば、ファックス制御部204によりストレージ部206によって取り込まれたファクシミリ画像データ等をNIC117を介して外部に送信する処理を行う。印刷制御部212は、読取部111により読み取られてストレージ部206に格納された画像データ等を印刷記録コントローラ112を介して印刷部113にて印刷するための処理を行う。
【0022】
図3は、MFP10の第1実施形態でのホーム(HOME)画面の一例を示す図である。ホーム画面は、CPU101がUI部202を構成するプログラムを実行することにより生成され、UIデバイスコントローラ部211を介して表示部105に表示される。
【0023】
ここでは、ホーム画面は6つのタブ1~6から構成されており、タブ1~6は見出し部309~314を有する。ホーム画面には、選択されているタブに収容されているアイコンを表示するためのアイコン表示領域350が設けられている。
【0024】
図3(a)にはタブ1が選択されている場合のホーム画面300が示されており、
図3(b)にはタブ2が選択されている場合のホーム画面320が示されている。タブ1には8つのアイコン301~308が収容されており、タブ2には4つのアイコン321~324が収容されている。ホーム画面には、現在表示されているタブが6つのタブのうちのどのタブかをユーザに知らしめるために、表示されているタブの見出し部にタブ選択マーク315が付加されている。
【0025】
図4は、MFP10のホーム画面のアイコン表示順番を管理するデータの構造を説明する図である。MFP10では、ホーム画面での各アイコンの表示順番は、タブ番号と位置番号からなる二次元配列である表示順番配列400で管理される。表示順番配列400は、データベース部213を介してeMMC109へ格納される。
【0026】
図4の上段は、
図3のホーム画面300,320を簡略的に示したものである。タブ1の上段の位置1に配置されるアイコンの配列情報は、タブ番号1、且つ、位置番号1を用いて、配列[1][1]、として保持される。よって、タブ1の上段に配置される4つのアイコンの配列情報は、それぞれ、配列[1][1],[1][2],[1][3],[1][4]、の通りに保持される。
【0027】
また、タブ1の下段の領域5~8に配置される4つのアイコンの配列情報は、配列[1][5],[1][6],[1][7],[1][8]、の通りに保持される。同様に、タブ2の上段の領域1~4の4つのアイコンとタブ2の下段の領域4~8の4つのアイコンの配列情報は、配列[2][1]~[2][8]の通りに保持され、その他のタブにそれぞれ配置されているアイコンの番号も同様に保持される。こうして、MFP10では、1つのタブに8つまでのアイコンを収容することができるように構成されている。
【0028】
図4には、
図3に示したタブ1に収容されている8つのアイコン301~308とタブ2に収容されている4つのアイコン321~324が表示順番配列400に保持されている例が示されている。表示順番配列400の配列[2][5]~[2][8]に保存されている‘0’は、アイコンが存在しないこと、つまり、ホーム画面上の空白を意味している。
【0029】
MFP10では、原則として、各タブにおいてアイコンとアイコンの間に空白が配置されないように制御される。つまり、空白を示す‘0’は配列[i][j](i;1~6,j;1~8)において、配列[i][j]~[i][8]の範囲で連続するように保持される。なお、
図4に示したアイコンの番号は、便宜上、
図3に示した各アイコンに付与された符号を用いているが、個々のアイコンを識別することができれば、異なる値を用いても構わない。
【0030】
図5は、ホーム画面に表示されたアイコン押下時の処理を示すフローチャートである。
図5のフローチャートにS番号で示す各処理(ステップ)は、CPU101が、UI部202を構成するプログラムの一部を実行して、MFP10の各部の動作を制御することにより実行される。
【0031】
ユーザが操作部107を操作すると、画面上の座標位置、タップインやタップアウト、ロングタッチ(長押し)、フリック、ドラッグ等の操作内容等の情報が、操作部107からUIデバイスコントローラ部211を介してUI部202に通知される。UI部202は、操作部107からの通知がアイコン表示領域350に対する操作であった場合に
図5のフローチャートの処理を呼び出す。
【0032】
S501でCPU101は、UI部202への通知がユーザによるアイコンの操作がロングタッチであったか否かを判定する。CPU101は、ロングタッチであったと判定した場合(S501でYES)、処理をS502へ進め、ロングタッチではないと判定した場合(S502でNO)、処理をS503へ進める。なお、ロングタッチではない操作の典型例は、単純なタップインとタップアウトから構成されるタップ操作(以下「通常のタップ操作」という)である。
【0033】
S502でCPU101は、表示順番の設定処理を行い、その後、本処理を終了させる。つまり、S501の判定対象となっているロングタッチは、アイコン上へのロングタッチであっても、CPU101は、ロングタッチされたアイコンに関する処理を実行するものとして検出せず、表示順番の設定処理へ移行するための操作として検出する。換言すれば、ホーム画面から表示順番の設定処理を行うための画面へ遷移するためには、アイコン表示領域350に表示された任意をアイコンをロングタッチすればよい。
【0034】
なお、本実施形態ではS501にてアイコンに対する操作がロングタッチか否かを判定している。但し、これに限られず、アイコン表示領域350に対するロングタッチであれば、必ずしもアイコン上にタッチしていなくとも、タブの表示順番の設定画面が表示されるように構成されていてもよい。その場合、アイコン表示領域350においてアイコン間の領域へのロングタッチではないタップ操作の場合、S503の処理が行われることはなく、S501へ処理が戻されることになる。S502の処理の詳細については後述する。
【0035】
S503でCPU101は、タップされたアイコンに対応する処理(例えば、
図3(a)のアイコン301がタップされた場合にはコピー処理)を実行し、その後、本処理を終了させる。S503での実行される所定の処理は、本発明の特徴的構成に対して直接に関係するものではないため、説明を省略する。
【0036】
図6は、S502での表示順番の設定処理のフローチャートである。
図6のフローチャートにS番号で示す各処理(ステップ)は、CPU101が、UI部202を構成するプログラムの一部を実行して、MFP10の各部の動作を制御することにより実行される。
【0037】
S601でCPU101は、表示順番配列400(
図4参照)の複製を内部的に作成する。S602でCPU101は、S501でロングタッチされたと判定されたアイコンを有するタブの番号を‘t’に設定する。S603でCPU101は、タブ番号tのタブが選択(表示)されている状態で、表示順番の設定画面を表示する。
【0038】
図7は、S603で表示部105に表示されるタブの表示順番の設定画面700の一例を示す図である。設定画面700は、t=1、つまり、
図3(a)に示されるタブ1が選択されている場合の表示例である。設定画面700は、確定ボタン701と、戻るボタン702を含む。
【0039】
S604でCPU101は、戻るボタン702が押下されたか否かを判定する。S604の判定は、具体的には、戻るボタン702の座標位置に対する通常のタップ操作であるか否かによって行われる。CPU101は、戻るボタン702が押下されたと判定した場合(S604でYES)、何ら処理を行うことなく、本処理を終了させ、戻るボタン702は押下されていないと判定した場合(S604でNO)、処理をS605へ進める。なお、戻るボタン702が押下されたと判定された場合には、表示順番の設定画面はホーム画面へ切り替わる。例えば、設定画面700で戻るボタン702が押下された場合、ホーム画面300へ切り替わる。
【0040】
S605でCPU101は、確定ボタン701が押下されたか否かを、確定ボタン701に対して通常のタップ操作が行われたか否か、によって判定する。CPU101は、確定ボタン701が押下されたと判定した場合(S605でYES)、処理をS606へ進める。S606でCPU101は、最新の表示順番配列の複製を元の表示順番配列400に書き戻し、その後、本処理を終了させる。これによって、その時点までに行われたアイコン表示順番の変更作業が表示順番配列400に反映される。なお、確定ボタン701が押下されたと判定された場合には、表示順番の設定画面はホーム画面へ切り替わる。
【0041】
CPU101は、S605で確定ボタン701は押下されていないと判定した場合(S605でNO)、処理をS607へ進める。S607でCPU101は、現在表示しているタブtとは異なるタブt´の見出し部が押下されたか否かを判定する。S607の判定は、ユーザが表示位置(収容場所)を移動させたいアイコンが現時点でどのタブにあるかを探す処理が行われたか否かを判定する処理に該当する。CPU101は、タブt´の見出し部が押下されたと判定した場合(S607でYES)、処理をS608へ進める。S608でCPU101は、tにt´の値をセットして、処理をS603へ戻す。これにより、押下されたタブt´にタブ選択マーク315が移動し、タブt´に収容されているアイコンを含む画面が表示される。
【0042】
CPU101は、タブt´の見出し部が押下されていないと判定した場合(S607でNO)、処理をS609へ進める。S609でCPU101は、アイコンに対するタップイン操作が行われたか否かを判定する。CPU101は、アイコンに対するタップイン操作は行われていないと判定した場合(S609でNO)、処理をS604へ戻し、アイコンに対するタップイン操作が行われたと判定した場合(S609でYES)、処理をS610へ進める。
【0043】
S610でCPU101は、S609でのタップイン後にドラッグされているアイコン(以下の説明において「ドラッグ中アイコン」と言う)がドロップされたか否かを判定する。なお、表示順番の設定画面は、表示されているアイコンの移動が行われることが前提で表示される画面である。そのため、表示順番の設定画面でタップイン操作がされたアイコンがドラッグされない場合(例えば、表示されているアイコンに対して通常のタップ操作が行われた場合)には、何ら処理は行われず、表示順番の設定画面も変化しない。
【0044】
S610でCPU101は、ドラッグ中アイコンがドロップされていないと判定した場合(S610でNO)、処理をS611へ進める。S611でCPU101は、ドラッグ中アイコンの位置が変化(移動)したか否かを判定する。CPU101は、ドラッグ中アイコンの位置が変化したと判定した場合(S611でYES)、処理をS612へ進め、ドラッグ中アイコンの位置は変化していないと判定した場合(S611でNO)、処理をS613へ進める。
【0045】
S612でCPU101は、アイコンドラッグ時の処理を実行し、その後、処理をS610へ戻す。一方、S613でCPU101は、ドラッグ位置が変化していない場合の処理を実行し、その後、処理をS610へ戻す。なお、S612,S613の処理の詳細については後述する。
【0046】
CPU101は、ドラッグ中アイコンがドロップされた(ドラッグ中アイコンに対するタップアウト操作がなされた)と判定した場合(S610でYES)、処理をS614へ進める。S614でCPU101は、アイコンドロップ時の処理を実行し、その後、処理をS603へ戻す。なお、S614の処理の詳細については後述する。
【0047】
次に、S612,S613,S614の各処理について説明する。最初に、S612の処理について説明する。
図8は、S612のアイコンドラッグ時の処理のフローチャートである。
図8のフローチャートにS番号で示す各処理は、CPU101がUI部202を構成するプログラムの一部を実行して、MFP10の各部の動作を制御することにより実行される。
【0048】
S801でCPU101は、ドラッグ中アイコンを表示順番の設定画面に表示する。具体的には、前回(移動前)の描画位置のドラッグ中アイコン画像は背景画像で消去され、新たな(移動後の)位置に同じアイコン画像が描画される。
図9(a)は、S801でのドラッグ中アイコンの表示例を示す図である。
図9(a)には、表示順番の設定画面700でアイコン301にタッチインした後、アイコン301をタブ2上へドラッグした状態の一例である表示順番の設定画面900が示されている。なお、設定画面900は、後述するように、更にS802~804を経た後にS805においてタブt´の見出し部上に挿入可カーソル901が表示された状態を示している。
図9(a)には、挿入可カーソル901として、タブ2の見出し部310に網掛け模様を重畳させて表示した例を示しているが、これに限られずに、見出し部310を他のタブの見出し部と区別することができれば、他の模様(パターン)であってもよい。
【0049】
S802でCPU101は、ドラッグ中アイコンの位置がタブtのアイコン表示領域350の領域内か否かを判定する。なお、S612の処理がS613の処理の後に行われている場合には、ここでのタブtは、S613(S1103~S1104)での処理により、ドラッグ中アイコンが元々収容されていたタブとは異なるタブとなる。CPU101は、ドラッグ中アイコンの位置がアイコン表示領域350の領域外であると判定した場合(S802でNO)、処理をS803へ進める。
【0050】
S803でCPU101は、ドラッグ中アイコンのドラッグ位置がタブt´の見出し部上か否かを判定する。つまり、ドラッグ中アイコンが収容されていた元々のタブとは異なるタブの見出し部上にドラッグ中アイコンがドラッグされているか否かが判定される。CPU101は、ドラッグ中アイコンがタブt´の見出し部上にないと判定した場合(S803でNO)、本処理を終了させ、これにより処理はS612からS610へ戻される。なお、S803の判定がNOとなる場合とは、表示位置を変更するための処理を行うことができないドラッグ位置にドラッグ中アイコンがある場合(ドラッグ位置が不適切な場合)となる。
【0051】
CPU101は、S803においてドラッグ中アイコンがタブt´の見出し部上にあると判定した場合(S803でYES)、処理をS804へ進める。S804でCPU101は、タブt´のアイコン表示領域350にアイコンを挿入(収容)することができる空き(以下「スペース」という)があるか否か判定する。S803の処理は、換言すれば、タブt´のアイコン表示領域350に収容されているアイコンが7つ以下であるか否かを判定する処理である。CPU101は、タブt´のアイコン表示領域350にスペースがあると判定した場合(S804でYES)、処理をS805へ進め、タブt´のアイコン表示領域350にスペースがないと判定した場合(S804でNO)、処理をS806へ進める。
【0052】
S805でCPU101は、タブt´の見出し部上に、ドラッグ中アイコンのドロップ操作可の表示の一例としての挿入可カーソルを表示する。一方、806でCPU101は、タブt´の見出し部上に、ドラッグ中アイコンのドロップ操作不可の表示の一例としての挿入不可マークを表示する。CPU101は、S805又はS806の処理が終了すると、本処理を終了させる。これにより、処理はS612からS610へ戻されることになる。
【0053】
ここで、S805,S806での表示例について説明する。S801の処理についての説明の際に参照した
図9(a)は、S805の処理により、タブ2の見出し部310上に挿入可カーソル901が表示された状態も示している。
【0054】
図9(b)は、挿入不可マーク911が表示された表示順番の設定画面の一例を示す図である。
図9(b)の設定画面910は、
図3(b)のホーム画面が表示順番の設定画面へ遷移した後に、アイコン323がタッチインされ、アイコン323がタブ1の見出し部309上にドラッグされた状態を示している。設定画面910では、タブ1のアイコン表示領域350にスペースがない(8つのアイコンが収容されている)ためにアイコンを挿入することはできず、その結果、タブ1の見出し部309上に挿入不可マーク911が表示されている。
【0055】
さて、CPU101は、S802においてドラッグ中アイコンの位置がアイコン表示領域350内であると判定した場合(S802でYES)、処理をS807へ進める。S807でCPU101は、ドラッグ中アイコンが挿入される位置を示す挿入位置カーソルを表示する。
図10(a)は、挿入位置カーソルが表示された表示順番の設定画面の一例を示す図である。
図9(a)の設定画面900が表示された後に、後述するS1104の処理が行われると、
図10(a)に示されるように、タブ2全体が表示されたの設定画面1000が表示される。そして、アイコン301の表示位置に応じて挿入位置カーソル1001が表示される。
図10(a)には、アイコン301はアイコン321とアイコン322の間へドラッグされているため、アイコン321とアイコン322の間に挿入位置カーソル1001が表示されている。なお、この位置でアイコン301がドロップされた場合の処理については後述する。
【0056】
挿入位置カーソル1001の表示位置について、より詳細に説明する。
図10(a)は、ドラッグ中アイコンであるアイコン301の中心が、アイコン321の中央より右側、且つ、アイコン322の中央より左側の位置で、アイコン表示領域350の上段と下段の境界よりも上段側にある場合の挿入位置カーソル1001の表示例である。なお、アイコン表示領域350の上段及び下段とは、アイコン表示領域350を
図10(a)での長辺と平行な仮想線で2等分して形成される上側と下側の領域を指す。
【0057】
ドラック中アイコンの中心がアイコン表示領域350の空白領域(隣接して表示されているアイコン間の間隙領域を除く)にある場合には、配列[t][i]のiを小さい方に遡ったときに空白でなくなる領域の右側に挿入位置カーソル1001が表示される。例えば、アイコン表示領域350に2つのアイコンが収容されている場合には、
図4の上段の領域2の右側に挿入位置カーソル1001が表示される。また、設定画面1000のように、アイコン表示領域350の上段が満杯で下段が空であり、且つ、ドラック中アイコンの中心が下段にある場合には、
図4の領域4の右側に代えて領域5の左側(下段の左端)に挿入位置カーソル1001が表示される。更に、アイコン表示領域350に全くアイコンが収容されていない場合(アイコンの収容数がゼロの場合)には、
図4の上段の領域1の左側に挿入位置カーソル1001が表示される。
【0058】
なお、本実施形態では、アイコン表示領域350の下段に4つのアイコンが収容されている場合には、アイコン表示領域350の上段にも4つのアイコンが収容されていることになる。この場合にはタブ2はアイコンを挿入することはできないため、タブ1のアイコン301がタブ2の見出し部310上にドラッグされた時点で、S806の処理が行われることになる。つまり、8つのアイコンが収容されているタブのアイコン表示領域350に挿入位置カーソル1001が表示されることはない。
【0059】
次に、S613の処理について説明する。
図11は、S613のドラッグ位置が変化していない場合の処理のフローチャートである。
図11のフローチャートにS番号で示す各処理は、CPU101がUI部202を構成するプログラムの一部を実行して、MFP10の各部の動作を制御することにより実行される。
【0060】
S1101でCPU101は、表示されているタブtとは異なるタブt´の見出し部上にドラッグ中アイコンがある状態で所定の時間が経過したか否かを判定する。CPU101は、所定の時間は経過していないと判定した場合(S1101でNO)、本処理を終了させる。一方、CPU101は、所定の時間が経過したと判定した場合(S1101でYES)、処理をS1102へ進める。
【0061】
S1102でCPU101は、タブt´のアイコン表示領域350にスペースがあるか否かを判定する。CPU101は、タブt´のアイコン表示領域350にスペースがないと判定した場合(S1102でNO)、本処理を終了させる。一方、CPU101は、タブt´のアイコン表示領域350にスペースがあると判定した場合(S1102でYES)、処理をS1103へ進める。
【0062】
S1103でCPU101は、S602で設定したt(タブの番号)をt´に置き換える。そして、S1104でCPU101は、S603と同様に、新たに設定されたtの番号のタブの表示順番の設定画面を表示し、本処理を終了させる。これにより、S613からS610へ処理が戻されることになる。
【0063】
S1104での具体的な表示例について説明する。例えば、アイコン301がタブ2の見出し部310上にドラッグされた
図9(a)の設定画面900でドラッグ位置が変化することなく所定の時間が経過したとする。すると、
図10(a)の設定画面1000のように、アイコン301の位置は変わらずに、タブ1の内容(アイコンの収容状態)からタブ2の内容へ表示が切り替わる。
【0064】
次に、S614の処理について説明する。
図12は、S614のアイコンドラッグ時の処理のフローチャートである。
図12のフローチャートにS番号で示す各処理は、CPU101がUI部202を構成するプログラムの一部を実行して、MFP10の各部の動作を制御することにより実行される。
【0065】
S1201でCPU101は、ドラッグ中アイコンがアイコン表示領域350にドロップされたか否かを判定する。CPU101は、ドラッグ中アイコンがアイコン表示領域350にドロップされていないと判定した場合(S1201でNO)、処理をS1202へ進める。S1202でCPU101は、表示されているタブtとは異なるタブt´の見出し部上にドラッグ中アイコンがドロップされたか否かを判定する。CPU101は、ドラッグ中アイコンが、タブt´の見出し部上にドロップされていないと判定した場合(S1202でNO)、本処理を終了させ、タブt´の見出し部上にドロップされたと判定した場合(S1202でYES)、処理をS1203へ進める。
【0066】
S1203でCPU101は、タブt´のアイコン表示領域350にスペースがあるか否かを判定する。CPU101は、タブt´のアイコン表示領域350にスペースがあると判定した場合(S1203でYES)、処理をS1204へ進め、タブt´のアイコン表示領域350にスペースがないと判定した場合(S1203でNO)、本処理を終了させる。なお、S1203の判定がNOとなる場合、つまり、アイコン表示領域350にスペースのないタブt´の見出し部上へのドラッグ中アイコンのドロップは、事実上、無視される。その結果、ドロップされたアイコンは、続くS603での処理によって元の位置に描画されることになる。
【0067】
S1204でCPU101は、ドラッグ中アイコンがタブの見出し部上にドロップされた場合の順番更新処理を行う。例えば、
図9(a)の設定画面900のように、挿入可カーソル901が表示されたタブ2の見出し部310上でアイコン301がドロップされたとする。この場合、S1204では、S601で内部的に作成された表示順番配列400の複製が次の通りに操作される。即ち、先ず、タブ2のアイコン表示領域350での空白の先頭である配列[2][5]にアイコン301を識別する値である‘301’が書き込まれる。また、タブ1の配列[1][2]~[1][8]は、配列[1][1]~[1][7]に移される(書き換えられる)。最後に、タブ1の配列[1][8]に空白を示す‘0’が書き込まれる。S1204の処理によってS614の処理は終了し、これにより処理はS603へ戻される。
【0068】
図13は、上述の処理例によって更新された表示順番配列の複製に従ってS603で表示されたタブ2の表示順番の設定画面1300を示す図である。設定画面1300から、タブ2のアイコン表示領域350の末尾にアイコン301が挿入されて、表示されていることがわかる。
【0069】
図14は、設定画面1300において確定ボタン701が押下された後に表示されるホーム画面の例を示す図である。
図14(a)はタブ1が選択されている場合のホーム画面1400を示しており、
図14(b)はタブ2が選択されている場合のホーム画面1410を示している。
図3のホーム画面300とホーム画面1400を比較すると、ホーム画面1400ではアイコン302~308が1つ前の領域に移動し、末尾に空白が生成されたことがわかる。また、
図3のホーム画面320とホーム画面1410を比較すると、ホーム画面1410では、アイコン301がアイコン表示領域350の下段の左端に配置されたことがわかる。なお、設定画面1300において戻るボタン702が押下された場合、表示順番配列の複製が更新されていたとしても、S606の処理が行われないために表示順番配列400は更新前のままである。その結果、タブ1,2の内容はそれぞれホーム画面300,320の状態に戻ることになる。
【0070】
さて、CPU101は、S1201においてアイコンがアイコン表示領域350にドロップされたと判定した場合(S1201でYES)、処理をS1205へ進める。S1205でCPU101は、アイコンがドロップされたアイコン表示領域350でのアイコンの順番を更新する。S1205での具体的な表示例について、先に示した
図10(a)の設定画面1000を参照して説明する。設定画面1000は、タブ1のアイコン301がタブ2の見出し部310へドラッグされた後、所定時間が経過してタブ1からタブ2へ表示内容が切り替わり、更にアイコン321,322間に挿入位置カーソル1001が表示された状態を示している。この状態でアイコン301がドロップされると、S1205においてS601で内部的に作成された表示順番配列400の複製が次のように操作される。即ち、先ず、アイコンの位置番号が挿入位置カーソル1001より後ろ、且つ、空白の直前までの配列[2][2]~[2][4]の内容が、配列[2][3]~[2][5]に移動する。そして、空白が生じた配列[2][2]にアイコン301を識別する値である‘301’が書き込まれる。
【0071】
図10(b)は、上述の処理例によって更新された表示順番配列の複製に従ってS603で表示されたタブ2の表示順番の設定画面1010を示す図である。設定画面1010から、タブ2のアイコン表示領域350では、
図4の領域2にアイコン301が配置されて表示されていることがわかる。S1205の処理によってS614の処理は終了し、これにより処理はS603へ戻される。
【0072】
以上の説明の通り、第1実施形態での表示制御によれば、タブを跨いだアイコンの移動を容易に行うことができ、しかも、移動先のタブで任意の位置にドラッグ中アイコンをドロップすることで、移動先のタブでアイコンの順序を自由に変更することができる。また、アイコンを挿入するためのスペースがないタブへアイコンがドラッグされた際には、そのタブへはアイコンをドロップすることができないことを示すマークがタブの見出し部に表示される。この場合に、アイコンがタブの見出し部上に一定時間滞在しても、タブの表示を切り替えないようにすることで、ユーザは無駄な操作を行わずに済むようになる。
【0073】
<第2実施形態>
第1実施形態では、6つのタブを備えるホーム画面を例示して、タブを跨いだアイコンの移動(並び替え)方法について説明した。しかし、ホーム画面でのタブの数は6つである必要はなく、データベース部213が許す範囲で任意の数のタブを管理するようにしてもよい。そこで、第2の実施形態では、複数のタブをスクロールして表示する構成を取り上げる。なお、第1実施形態と共通する部分については説明を簡略化又は省略し、以下では本実施形態に特有な構成を中心に説明する。
【0074】
図15は、MFP10の第2実施形態でのホーム画面の一例を示す図である。ホーム画面は、CPU101がUI部202を構成するプログラムを実行することによって生成され、UIデバイスコントローラ部211を介して表示部105上に表示される。第2実施形態でのホーム画面では、タブ1~12を表示することができ、タブ1~12はタブの見出し部1503~1514を備えている。
【0075】
より詳しくは、
図15(a)の画面1500は、タブ1が選択され、タブ1に収容されているアイコン301~308が表示されている状態を示している。ホーム画面に表示されるタブの見出し部の数を多くすると、必然的にタブの表示面積が小さくなって、タッチ操作性が低下してしまう。このような問題が生じないように、ホーム画面に表示されるタブ数を6つとしている。なお、表示可能なタブ数は、タッチ操作性が低下しない範囲で任意に設定することができ、本実施形態での6つに限定されるものではない。
【0076】
一方で、表示されていないタブを選択して、選択されたタブのアイコン表示領域を表示させるために、タブの見出し部が表示される領域の左右端にはそれぞれ、タブスクロールバー1501,1502が表示されている。タブスクロールバー1501,1502は、同時に表示可能なタブ数を超えた数のタブが設けられている場合に表示され、よって、第1実施形態でのホーム画面では表示されていない。画面1500上で、タブスクロールバー1502を選択することで、画面1500には表示されていないタブ7~12を表示させることができる。
【0077】
図15(b)の画面1530は、タブスクロールバー1502に対するタッチ操作により、タブ7~12の見出し部が表示された状態を示している。画面1530では、タブ見出し部のスクロールが終了した段階であり、特定のタブは選択されていない。そのため、アイコン表示領域350には、元の画面1500でのタブ1のアイコン301~308が表示されたままとなっている。
【0078】
図15(c)の画面1550は、画面1530でタブ9に対するタッチ操作が行われた(タブ9が選択された)ことにより、タブ9に収容されているアイコン341~343がアイコン表示領域350に表示された状態を示している。第1実施形態と同様に、表示されているタブがどのタブかをユーザに知らしめるために、表示されているタブの見出し部には、タブ選択マーク315が付加されている。
【0079】
図16は、第1実施形態でのS612(アイコンドラッグ時の処理)に対応する、第2の実施形態でのアイコンドラッグ時の処理のフローチャートである。なお、第1実施形態でのS601~S611,S613,S614の処理は、第2実施形態にそのまま適用される。
図16のフローチャートにS番号で示す各処理は、CPU101がUI部202を構成するプログラムの一部を実行することにより実行される。
【0080】
S1601でCPU101は、タブ表示の更新処理を行う。なお、S1601の詳細については、
図19を参照して後述する。S1602でCPU101は、ドラッグ中アイコンを描画する。S1602の処理は、第1実施形態でのS801の処理と同様に、前回の描画位置のドラッグ中アイコンの画像が背景画像で消去され、新たな位置に同じアイコン画像が描画される。なお、具体的は表示例は、
図9(a)の設定画面900でのドラッグ中アイコンの表示態様と同様である。
【0081】
S1603でCPU101は、タブ一覧画面の表示中か否かを判定する。
図17(a)は、タブ一覧画面1701の一例を示す図である。なお、タブ一覧画面1701は、後述のS1606の処理終了後の状態を示している。
【0082】
タブ一覧画面1701は、画面1700に重畳する形で表示される。タブ一覧画面1701中の枠1~12はタブ1~12(見出し部1503~1514)に対応している。また、現在選択されているタブがタブ1であることをユーザに知らしめるために、枠1の上辺近傍にはタブ選択マーク315に対応するマーク1702が表示されている。枠3,6,10,11は、対応するタブ3,6,10,11にはアイコンを挿入するためのスペースがアイコン表示領域350に存在しないことを示すために、背景が濃色(後述の挿入不可色)で表されている。
【0083】
CPU101は、タブ一覧画面1701の表示中であると判定した場合(S1603でYES)、本処理を終了し、タブ一覧画面1701は表示されていないと判定した場合(S1603でNO)、処理をS1604へ進める。
【0084】
S1604でCPU101は、アイコンがアイコン表示領域350にドラッグされたか否かを判定する。CPU101は、アイコンがアイコン表示領域350にドラッグされていないと判定した場合(S1604でNO)、処理をS1605へ進める。S1605でCPU101は、アイコンがタブスクロールバー1501,1502のいずれかにドラッグされたか否かを判定する。CPU101は、アイコンがタブスクロールバー1501,1502のいずれもドラッグされていないと判定した場合(S1605でNO)、本処理を終了させる。この場合、S1602の処理の終了後には、実質的に何ら処理は行われないことになる。一方、CPU101は、アイコンがタブスクロールバー1501,1502のいずれかにドラッグされたと判定した場合(S1605でYES)、処理をS1606へ進める。
【0085】
S1606でCPU101は、タブ一覧画面を表示し、その後、本処理を終了させる。なお、タブ一覧画面の例については、先に
図17(a)を参照して説明した通りである。
【0086】
さて、CPU101は、S1604においてアイコンがアイコン表示領域350にドラッグされたと判定した場合(S1604でYES)、処理をS1607へ進める。S1607でCPU101は、ドラッグ中アイコンが挿入される位置を示す挿入位置カーソルを表示し、その後、本処理を終了させる。なお、挿入位置カーソルの具体的な表示例は、
図10(a)の設定画面1000での挿入位置カーソル1001の表示態様と同様である。
【0087】
図18は、S1601のタブ表示更新処理のフローチャートである。
図18のフローチャートにS番号で示す各処理は、CPU101がUI部202を構成するプログラムの一部を実行することにより実行される。S1801でCPU101は、タブN´の値を‘1’に設定する。N´=1は、画面1500でのタブ1(見出し部1503)を示している。
【0088】
S1802でCPU101は、タブN´のアイコン表示領域350にスペースがあるか否かを判定する。CPU101は、タブN´のアイコン表示領域350にスペースがあると判定した場合(S1802でYES)、処理をS1804へ進め、タブN´のアイコン表示領域350にスペースがないと判定した場合(S1802でNO)、処理をS1803へ進める。S1803でCPU101は、タブN´のアイコン表示領域350にスペースがないために、アイコンをドロップすることができないことを示す挿入不可色をタブN´の見出し部に設定し、その後、処理をS1804へ進める。
【0089】
S1804でCPU101は、N´の値を1だけインクリメントする。S1805でCPU101は、N´が最大タブ数より大きいか否かを判定する。本実施形態では、タブ1~12があるため、最大タブ数は‘12’となる。CPU101は、N´が最大タブ数より大きいと判定した場合、つまり、タブ1~12の全てについてスペースがあるか否かの確認が終了した場合(S1805でYES)、処理をS1806へ進める。一方、CPU101は、N´が最大タブ数以下であると判定した場合、つまり、タブ1~12の全てについてスペースがあるか否かの確認が終了していない場合(S1805でNO)、処理をS1802へ戻す。
【0090】
S1806でCPU101は、タブ表示の描画更新を行い、その後、本処理を終了させる。
図17(b)に示す画面1710は、S1806によりタブ表示の描画更新が行われた画面の一例である。画面1710では、アイコン表示領域350にスペースのないタブの見出し部が挿入不可色(
図17でグレーカラー)で示されている。なお、S1606で生成されるタブ一覧画面1701では、S1806の処理を受けて、
図17(a)に示されるように、挿入不可色が付されたタブに対応する枠にも挿入不可色が付される。
【0091】
図19に示す画面1900は、第2実施形態での表示制御による、アイコンの移動後の画面の一例である。画面1900は、経時的には、タブ1のアイコン301をドラッグして、タブ9に対応する
図17(a)の枠9にドロップして、確定ボタンを押下した(タッチ操作した)結果として表示されるホーム画面である。
【0092】
以上の説明の通り、第2実施形態での表示制御によれば、表示部105に同時に表示することが可能なタブの数より多いタブがホーム画面にある場合でも、タブを跨いだアイコンの移動を容易に行うことができる。また、その際に、移動先のタブで任意の位置にドラッグ中アイコンをドロップすることで、移動先のタブでアイコンの順序を自由に変更することができる。更に、アイコンを挿入するためのスペースがないタブを、アイコンを挿入するためのスペースのあるタブと区別して表示する。これにより、アイコンを挿入するためのスペースがないタブへのドラッグアンドドロップの作業が行われ難くなり、ユーザは無駄な操作を行わずに済むようになる。
【0093】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。更に、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0094】
例えば、上記実施形態では、1つのタブに8つのアイコンを収容することができる構成となっているが、1つのタブに収容可能なアイコンの数は8つに限定されるものではない。例えば、表示部の画面(LCD等の画面)が物理的に小さい場合には、1つのタブに収容可能なアイコンは4つ程度でもよいし、逆に表示部の画面が物理的に大きい場合には、1つのタブに収容可能なアイコンを8つより多くしてもよい。また、表示部の画面が小さくても、アイコンのサイズを小さくする等して、1つのタブに8つより多くのアイコンを収容するようにしてもよい。
【0095】
上記実施形態では、タブの見出し部上にドラッグ中アイコンがドロップされた際に複数のアイコンを収容可能なスペースがある場合には、その先頭にドラッグ中アイコンが挿入されるように構成されている。しかしながら、これに限られず、アイコンの挿入位置は、例えば、アイコン表示領域350の先頭に設定して、元々収容されていたアイコンが末尾に向かって移動するように構成してもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、各タブのアイコン表示領域350では、アイコンの挿入が可能なスペースを隣り合うアイコン間に設けない構成としたが、これに限定られず、隣り合うアイコン間にスペースを設けてアイコンを挿入可能な構成としてもよい。その場合でも、アイコン表示領域350におけるスペースの有無の判定(S804,S1102,S1203,S1802)をそのまま適用することができる。
【0097】
更に上記実施形態では、ホーム画面でアイコンに対してロングタッチが行われた場合に、ホーム画面から表示順番の設定画面に移行するように構成したが、画面の移行方法はこれに限られない。例えば、
図3のホーム画面300のアイコン304を押下(通常のタップ操作)して、各種設定を行うためのメニュー画面に移行させる。そして、事前にメニュー画面の中に表示順番の設定画面へ移行するためのアイコンを準備しておき、そのアイコンを押下することで、ホーム画面から表示順番の設定画面への移行が可能になる構成としてもよい。
【0098】
第1実施形態では、タブのアイコン表示領域350にスペースがない場合にS806では挿入不可マーク911が表示されるように構成したが、ドラッグ中アイコンを挿入することができないことを示す方法は、これに限られない。例えば、アイコン表示領域350にスペースのないタブの見出し部上にアイコンがドラッグされた場合、そのタブの見出し部を上下左右に揺らすアニメーション表示を行うことで、アイコンの挿入を拒否しているように見せかけてもよい。また、アイコンの挿入ができないことを、タブの見出し部の表示を全く変えないことで表現してもよいし、一時的に「挿入不可」の旨のメッセージをポップアップ表示させてもよい。
【0099】
また、第1実施形態では、タブのアイコン表示領域350にスペースがある場合にS805では挿入可カーソル901が表示されるように構成したが、ドラッグ中アイコンを挿入することが可能なことを示す方法は、これに限られない。例えば、アイコンの挿入候補となっているタブの見出し部を、他のタブの見出し部とは異なるハイライト色に切り替える、或いは、タブ選択マーク315と同様な形状で異なる色のマークを表示するようにしてもよい。更に、ドラッグ中アイコンを段階的に小さくなるアニメーション表示を行って、アイコンが吸い込まれるように見せかけることで、ドラッグ中アイコンを挿入することが可能なことを示してもよい。
【0100】
更に、第1実施形態では、ホーム画面においてアイコンにロングタッチが行われた場合に、ホーム画面から表示順番の設定画面へ(S501からS502へ)直ちに移行するように構成した。これに代えて、表示順番の設定画面へ移行してもよいか否かを問い合わせるメッセージをポップアップ表示し、ユーザの合意が得られた場合にのみ表示順番の設定画面へ移行するように構成してもよい。
【0101】
第2実施形態では、アイコンがタブスクロールバー1501,1502へドラッグされた場合にタブ一覧画面1701が表示される構成としたが、タブ一覧画面1701を表示する代わりに、アイコンのドラッグ中にはタブをスクロールさせて表示してもよい。そして、タブのスクロールに同期させて、選択されたタブのアイコン表示領域350に表示を切り替えるようにしてもよい。一方、タブ一覧画面1701を表示させる場合、そのトリガとなる操作として、ホーム画面でのタブスクロールバー1501,1502に対するロングタッチを採用してもよい。
【0102】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0103】
101 CPU
105 表示部
107 操作部
113 印刷部
202 UI部
320,300 ホーム画面
301~308,321~324,341~343 アイコン
309~314 見出し部
700,900,910,1000 設定画面
901 挿入可カーソル
911 挿入不可マーク
1001 挿入位置カーソル
1501,1502 タブスクロールバー
1701 タブ一覧画面