(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】移動制御システムおよび移動制御方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20240701BHJP
【FI】
G05D1/43
(21)【出願番号】P 2021000501
(22)【出願日】2021-01-05
【審査請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 紘司
(72)【発明者】
【氏名】笹川 憲二
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 直孝
(72)【発明者】
【氏名】松崎 謙司
【審査官】影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-160831(JP,A)
【文献】特開2020-038665(JP,A)
【文献】特開平05-019853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が移動する範囲に設けられた構造物の位置を示す情報を含む環境地図を設定する地図設定部と、
前記移動体の寸法と比較して狭隘であ
り、かつ前記移動体が通過可能な寸法の狭隘部の開口に対応する前記構造物に前記移動体の接近を禁止する仮想的な特定禁止領域を前記環境地図に設定する領域設定部と、
を備
え、
前記特定禁止領域は、前記移動体の前記狭隘部に対する進入角度を緩やかにする形状となっている、
移動制御システム。
【請求項2】
前記特定禁止領域は、前記狭隘部から離れる方向に膨張して設けられる、
請求項1に記載の移動制御システム。
【請求項3】
前記特定禁止領域の縁辺は、前記移動体の旋回半径に対応して曲率半径が決定された曲線の部分を有する、
請求項1または請求項2に記載の移動制御システム。
【請求項4】
前記領域設定部は、前記環境地図における前記構造物の周囲に前記移動体の接近を禁止する通常禁止領域を設定するものであり、
前記特定禁止領域は、前記通常禁止領域から膨張された領域である、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の移動制御システム。
【請求項5】
前記環境地図に基づいて前記特定禁止領域を避けて前記移動体を進行させる移動経路を生成する経路生成部と、
前記移動経路に沿って前記移動体を自律的に移動させるための移動指令を生成する指令生成部と、
前記移動指令に基づいて前記移動体の移動を制御する自律制御部と、
を備える、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の移動制御システム。
【請求項6】
前記環境地図における前記移動体の自己位置を推定する自己位置推定部と、
前記移動体が前記移動経路に沿って移動するときに、前記自己位置と前記移動経路の間に閾値以上の差分が生じているか否かを判定する差分判定部と、
を備え、
前記指令生成部は、前記差分が生じている場合に前記移動体を一定距離後退させる前記移動指令を生成する、
請求項5に記載の移動制御システム。
【請求項7】
前記移動体が遠隔操作されるときに入力される前記移動体の速度と角速度の情報を含む操作指令に基づいて前記移動体を移動させる遠隔制御部と、
前記移動体が前記特定禁止領域に進入したか否かを判定する進入判定部と、
前記移動体が前記特定禁止領域に進入した場合に、前記移動体を前記特定禁止領域から押し戻す仮想的な反発力を生成する仮想反力生成部と、
前記反発力に基づいて前記操作指令における前記速度と前記角速度の少なくともいずれか一方を修正する操作修正部と、
を備える、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の移動制御システム。
【請求項8】
地図設定部が、移動体が移動する範囲に設けられた構造物の位置を示す情報を含む環境地図を設定するステップと、
領域設定部が、前記移動体の寸法と比較して狭隘であ
り、かつ前記移動体が通過可能な寸法の狭隘部の開口に対応する前記構造物に前記移動体の接近を禁止する仮想的な特定禁止領域を前記環境地図に設定するステップと、
を含
み、
前記特定禁止領域は、前記移動体の前記狭隘部に対する進入角度を緩やかにする形状となっている、
移動制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、移動制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、山奥などの人のアクセスが容易ではない場所に建設された発電所において、点検作業を省力化するために、定期的に巡回して点検する移動ロボットを配備する取り組みが行われている。このような移動ロボットは、自動走行時または遠隔操作での移動時に、誤って発電所内の設備に衝突してしまうことを避ける必要がある。従来、周囲の構造物との衝突を避けて目的位置までの移動経路を生成する際に、構造物を観測した位置から、ある一定のマージン(禁止領域)を設けるなどの、移動禁止領域を設定する手法が用いられている。
【0003】
例えば、移動ロボットの急旋回動作を防止することを目的として、移動ロボットの左右に円形の移動禁止領域を設ける技術が知られている。また、移動ロボットの進行方向にない障害物は、近くにあっても衝突する可能性が低いため、実際に計測された距離よりも遠くにあるものとして障害物回避動作を生成する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2009/011296号
【文献】特開2010-134742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
移動ロボットの配備先によっては点検ルートに狭隘な通路がある場合がある。例えば、ロボットの車体幅よりも僅かに大きいような狭隘な通路を通過できるように、移動禁止領域を小さく設定すると、狭隘な通路への進入角度が浅くなりスタック状態に陥るおそれがある。なお、前述の技術は、このような狭隘な部分の通過に対応するものではない。
【0006】
本発明の実施形態は、このような事情を考慮してなされたもので、移動体が狭隘部を通過する際にスタック状態に陥ることを抑制できる移動制御技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る移動制御システムは、移動体が移動する範囲に設けられた構造物の位置を示す情報を含む環境地図を設定する地図設定部と、前記移動体の寸法と比較して狭隘であり、かつ前記移動体が通過可能な寸法の狭隘部の開口に対応する前記構造物に前記移動体の接近を禁止する仮想的な特定禁止領域を前記環境地図に設定する領域設定部と、を備え、前記特定禁止領域は、前記移動体の前記狭隘部に対する進入角度を緩やかにする形状となっている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態により、移動体が狭隘部を通過する際にスタック状態に陥ることを抑制できる移動制御技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】特定禁止領域が無い場合の狭隘部を示す平面図。
【
図5】特定禁止領域が有る場合の狭隘部を示す平面図。
【
図8】移動ロボットの移動経路の生成態様を示す平面図。
【
図9】移動ロボットの移動経路の修正態様を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、移動制御システムおよび移動制御方法の実施形態について詳細に説明する。
【0011】
図1の符号1は、本実施形態の移動制御システムである。この移動制御システム1は、移動ロボット2(移動体)と管理サーバ3と管理用端末4とを備える。これらは所定のネットワーク5(通信回線)を介して互いに接続されている。
【0012】
移動制御システム1は、発電所などの所定のプラント6に設けられた各種設備の点検を行うために用いられる。所定のプラント6としては、発電プラント、化学プラント、工場などがある。このようなプラント6の点検エリアには、点検の対象となる複数の対象機器(図示略)が設けられている。対象機器としては、例えば、発電機、制御盤、冷却器、分電盤、変電設備などがある。これら対象機器を点検エリアに配備された移動ロボット2を用いて点検を行う。
【0013】
本実施形態の移動体としての移動ロボット2は、例えば、車輪7などを用いて地面を走行可能である。この移動ロボット2は、自己位置推定機能を有し、自律的に走行して対象機器の点検を行うことができる無人ロボットである。移動ロボット2は、自動走行が可能であるとともに、管理者M(操作者)の遠隔操作による手動走行も可能である。
【0014】
管理サーバ3は、CPU、ROM、RAM、HDDなどのハードウェア資源を有し、CPUが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータで構成される。
【0015】
なお、プラント6から見て遠隔地にある管理事務所8に居る管理者Mは、移動ロボット2の遠隔操作を行い、この遠隔操作で対象機器の点検を行うこともできる。また、管理者Mは、管理サーバ3を介して対象機器の状態(異常の有無)を把握することができる。
【0016】
管理事務所8には、管理者Mが扱う管理用端末4が設けられている。この管理用端末4は、例えば、デスクトップPC、ノートPC、またはタブレット型PCなどの所定のコンピュータで構成される。本実施形態では、デスクトップPCを例示する。管理用端末4には、管理者Mが視認を行うディスプレイ9と、移動ロボット2の遠隔操作時に管理者Mが用いる遠隔操作端末10が接続されている。なお、遠隔操作端末10には、管理者Mが移動ロボット2を操作するときに用いる操縦桿が設けられている。
【0017】
管理用端末4は、ネットワーク5を介して移動ロボット2および管理サーバ3に接続されている。管理者Mが移動ロボット2の遠隔操作を行う際には、管理用端末4と移動ロボット2で遠隔操作用の信号を送受するための通信が確立する。そして、管理者Mは、遠隔操作端末10を用いて移動ロボット2の手動操作を行うことができる。なお、管理サーバ3を介して管理用端末4と移動ロボット2の通信が確立し、この管理サーバ3を介して移動ロボット2の遠隔操作が行われても良い。
【0018】
所定のネットワーク5は、インターネットを例示する。なお、このネットワーク5は、LAN(Local Area Network)でも良いし、WAN(Wide Area Network)ででも良いし、移動体(携帯電話)通信ネットワークでも良い。なお、移動ロボット2は、無線通信でネットワーク5に接続される。
【0019】
移動ロボット2は、自己位置および自己姿勢を測定することができる。例えば、公知のGPS(Global Positioning System)などの衛星測位システムを用いて自己位置を測定できる。移動ロボット2は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)、または、VSLAM(Visual Simultaneous Localization and Mapping)を用いて自己位置および自己姿勢を測定することができる。また、SfM(Structure from Motion)などを用いて自己位置および自己姿勢を測定しても良い。
【0020】
通常時は、移動ロボット2がプラント6の点検エリア内を定期的に巡回して対象機器(図示略)の点検を行っている。ここで、それぞれの対象機器は、ネットワーク5を介して管理サーバ3に接続されている。それぞれの対象機器の状態は、管理サーバ3が監視している。
【0021】
また、移動ロボット2は、ネットワーク5を介して管理サーバ3に接続されている。移動ロボット2の動作は、管理サーバ3により管理されている。例えば、対象機器で異常が生じた場合には、移動ロボット2が急行して対象機器の点検を行う。そのため、管理サーバ3は、重要な対象機器の故障または予兆を迅速に把握することができ、その後の悪影響を最小限に抑えることができる。
【0022】
移動ロボット2は、点検エリアの環境地図を保持しており、この環境地図上で自己位置推定をしながら移動を行う。しかし、ロボット自体のトラブルまたは外的要因によって移動精度にばらつきが生じる可能性がある。また、意図しない移動が行われてしまう可能性がある。
【0023】
そこで、点検エリア内の構造物30,31の近傍の領域に安全マージンを設定し、構造物30,31にロボットが接触してしまうことを回避するようにしている。
【0024】
なお、構造物30,31とは、移動ロボット2の移動の妨げになる障害物であり、例えば、対象機器、所定の荷物、建物を構成する柱または壁などを含む。
【0025】
図4に示すように、構造物30,31の近傍(周辺)の領域に移動ロボット2の進入を禁止する通常禁止領域33が設定される。例えば、平面視において、構造物30,31の表面から一定の距離の範囲に通常禁止領域33が設定される。
【0026】
しかし、通常禁止領域33を設けた場合であっても、狭隘部35を移動ロボット2が通過する場合には、スタック状態に陥るおそれがある。そこで、本実施形態では、
図5に示すように、通常禁止領域33から膨張する特定禁止領域34が設定される。なお、通常禁止領域33および特定禁止領域34は、環境地図に設定される仮想の進入禁止領域である。さらに、スタック状態とは、移動ロボット2の一部が構造物30,31に衝突して進行し難くなる態様を含む。
【0027】
また、狭隘部35としては、移動ロボット2の外形の寸法と比較して狭隘である通路を例示する。例えば、少なくとも2つの構造物30,31に挟まれた通路であり、かつ平面視でL字形状に曲がった通路があるとする。ここで、一方の通路幅D1よりも他方の通路幅D2が狭くなっている。この通路幅D2が狭い部分を狭隘部35として例示する。
【0028】
狭隘部35を通過するためには、移動ロボット2が狭隘部35に進入する角度が重要である。本実施形態では、この進入角度が緩やかになるように、特定禁止領域34を変形させることで、移動ロボット2が狭隘部35を通過し易くなる。
【0029】
例えば、特定禁止領域34は、狭隘部35を構成する構造物30の通常禁止領域33から膨張して設けられる。この特定禁止領域34は、狭隘部35から離れる方向に膨張して設けられる。このようにすれば、移動ロボット2を特定禁止領域34の縁辺に沿って狭隘部35に向かって導くことができる。
【0030】
なお、本実施形態では、特定禁止領域34の膨張のベースとなる通常禁止領域33が設けられることで、構造物30における狭隘部35の開口近傍の部分のみならず、狭隘部35とは関係の無い他の部分にも移動ロボット2を接近させないようにして、構造物30,31に移動ロボット2が接触してしまうことを抑制することができる。
【0031】
次に、本実施形態の特定禁止領域34について詳述する。まず、移動ロボット2は、環境地図において狭隘部35の入口部分(開口)の形状に相当するコーナー32を検出する。この検出処理には、公知の画像処理を用いることができる。
【0032】
次に、移動ロボット2は、コーナー32に対面する構造物31までの距離D1と距離D2を算出する。そして、距離D1と距離D2のうち、大きい方のコーナー32の通常禁止領域33から特定禁止領域34を狭隘部35から離れる方向に膨張させる。
【0033】
特定禁止領域34の設定の態様としては、例えば、
図6に示すように、検出したコーナー32から半円36が張り出すように設定する。特定禁止領域34の縁辺であって、半円36の曲線の部分の曲率半径Rは、移動ロボット2の旋回半径に対応して決定される。このようにすれば、移動ロボット2が特定禁止領域34の縁辺に沿って移動しても、スタック状態に陥り難くすることができる。
【0034】
なお、曲率半径Rは、移動ロボット2の最小旋回半径に基づいて決定しても良いし、最小旋回半径から所定のマージンを設けた旋回半径に基づいて決定しても良い。
【0035】
また、半円36の中心37は、構造物30のコーナー32に対応する通常禁止領域33のコーナー32から、曲率半径Rと同一の距離Rの位置に設けられる。
【0036】
さらに、
図7に示すように、半円36の中心37に対してコーナー32とは逆の位置であって、半円36の中心37から通常禁止領域33の縁辺に沿って所定距離L離れた特定位置38を設定する。ただし、L>Rとする。この特定位置38を通る半円36の接線39の内側を特定禁止領域34として設定する。このようにすれば、特定禁止領域34における狭隘部35の反対側に凹部が形成されることを防ぎ、緩やかな縁辺とすることができる。このようにすれば、移動ロボット2が通常禁止領域33の縁辺に沿って移動しても、半円36の部分をスムーズに避けられるようになる。
【0037】
本実施形態では、特定禁止領域34を狭隘部35に設けずに、その近傍に設けることで、狭隘部35において、移動ロボット2が進行可能な領域を狭めることなく、移動ロボット2の狭隘部35に対する進入角度を緩やかにすることができる。そのため、移動ロボット2の狭隘部35の通過確率を向上させることができる。
【0038】
図8に示すように、移動ロボット2が自律移動する際に、路面の摩擦または車輪7の制御性の影響で、移動ロボット2が移動経路40からずれる場合がある。つまり、自己位置と移動経路40の間の差分41が生じる。このように、移動ロボット2がずれたまま狭隘部35に進入し、その通路内で軌道を修正しようとしても、狭隘なため旋回動作を行えず、修正できずにスタック状態に陥るおそれがある。
【0039】
そこで、本実施形態では、構造物30のコーナー32の付近において、移動ロボット2が、推定した自己位置と移動経路40とに所定の閾値以上の差分41が生じた場合に、一定距離後退し、再度進入を試みるようにする。このようにすれば、移動ロボット2が狭隘部35に進入した後の軌道修正を防止できる。なお、移動ロボット2の後退時も前進時と同様に、移動経路40に沿うように移動させる。
【0040】
次に、移動ロボット2が遠隔操作により移動する際の態様について説明する。移動ロボット2は、遠隔地に居る管理者M(
図1)の操作に基づいて、自動走行と手動操作を切り換える機能を有している。
【0041】
図9に示すように、遠隔操作時(手動操作時)に、通常禁止領域33または特定禁止領域34に移動ロボット2が進入すると、移動ロボット2に仮想的な反発力F(
図10)が与えられる。ここで、遠隔地の管理者Mの操作に基づく、移動ロボット2の速度または角速度を修正することで、構造物30との衝突を防ぐとともに、狭隘部35へ進入する際のガイドとして利用でき、遠隔操作を行う管理者Mの負荷を低減できる。
【0042】
具体的な速度または角速度の修正例を、
図10を参照して説明する。仮想的な反発力Fは、移動ロボット2の外形が通常禁止領域33または特定禁止領域34に進入したときの進入量dと、ばね定数に相当する定数行列Kにより以下の数式1のように求めることができる。ここで、進入量dは、平面視において、通常禁止領域33または特定禁止領域34の縁辺の垂線に平行であるとする。
【0043】
【0044】
さらに、移動ロボット2の速度と角速度の修正量(Δν、Δω)は、仮想的な反発力Fを用いて以下の数式2のように算出する。
【0045】
【0046】
ここで、mは、移動ロボット2の質量に相当する定数、Iは、移動ロボット2の慣性モーメントに相当する定数行列、Pは、通常禁止領域33または特定禁止領域34に進入した箇所の位置ベクトル、Δtは、制御周期とする。
【0047】
さらに、移動ロボット2の進行方向をxとし、上方をzとし、移動ロボット2が独立二輪型であるとすると、修正後の目標速度νrefと目標角速度ωrefは、遠隔操作による操作指令に基づく目標速度νoperatorと目標角速度ωoperatorを用いて以下の数式3のように算出する。なお、(Δν、Δω)の添え字xおよびzは、その方向の成分を表す。
【0048】
【0049】
次に、移動ロボット2のシステム構成を
図2から
図3に示すブロック図を参照して説明する。
【0050】
図2に示すように、移動ロボット2は、カメラ11と点検用センサ12と形状測定センサ13とモーションセンサ14と移動機構部15と記憶部16と通信部17とロボット制御部18とを備える。
【0051】
カメラ11は、移動ロボット2に搭載され、この移動ロボット2の近傍の対象機器(図示略)を可視光または赤外線により撮影する。なお、カメラ11で撮影された画像は、記憶部16に記憶されるとともに管理サーバ3に送られる。
【0052】
点検用センサ12は、対象機器の点検に用いるセンサである。例えば、対象機器の温度、振動、ノイズなどを検出する。点検用センサ12としては、サーモカメラ、温度計、マイクロフォンなどが考えられる。
【0053】
形状測定センサ13は、移動ロボット2の周辺の物体の2次元形状(平面形状)または3次元形状(立体形状)を測定する。また、形状測定センサ13としては、例えば、深度センサが用いられる。なお、形状測定センサ13として赤外線センサまたはLiDARなどのレーザセンサを用いても良い。
【0054】
形状測定センサ13は、例えば、物体にレーザを投光してその反射光を受光素子により受光することで、移動ロボット2から周辺の物体までの距離を測定することができる。また、カメラ11による撮影方向と形状測定センサ13による測定方向は一致している。さらに、形状測定センサ13は、投光パルスに対する受光パルスの遅れ時間を距離に換算するToF(Time of Flight)方式を用いて、移動ロボット2から周辺の物体までの距離を測定する。この形状測定センサ13を用いることで、移動ロボット2から周辺の物体までの距離および形状の情報を含む3次元点群データを生成することができる。
【0055】
モーションセンサ14は、慣性センサ(3軸加速度センサと3軸角速度センサ)と3軸地磁気センサを組み合わせた9軸センサとなっている。このモーションセンサ14は、移動ロボット2に搭載され、この移動ロボット2が移動したときに生じる加速度を検出する。また、このモーションセンサ14により重力加速度の検出も行える。
【0056】
さらに、モーションセンサ14は、この移動ロボット2の姿勢(機体の向き)が変化したときに生じる角速度を検出する。なお、地磁気により移動ロボット2の姿勢を把握することもできる。モーションセンサ14で検出された加速度の値と角速度の値は、ロボット制御部18に入力される。移動ロボット2は、このモーションセンサ14を用いて自己位置および自己姿勢を測定することができる。
【0057】
移動機構部15は、移動ロボット2の走行に必要な車輪7の回転駆動を行う。移動機構部15は、例えば、車輪7(
図1)を駆動するモータ、または、車輪7の向きを変更するアクチュエータなどで構成される。
【0058】
記憶部16は、対象機器(図示略)の点検を行うために必要な各種情報を記憶する。例えば、カメラ11で撮影した画像、または点検用センサ12で取得したデータなどを記憶する。
【0059】
また、記憶部16には、点検エリアの構造物30,31に関する構造物情報、移動ロボット2の移動に関する移動計画情報、巡回点検に関する巡回点検計画情報などが記憶される。なお、点検エリアに設けられる対象機器(図示略)も構造物30,31に含まれており、構造物情報には、対象機器に関する対象機器情報も含まれる。また。移動計画情報には、移動ロボット2の移動速度と移動範囲に関する情報が含まれる。
【0060】
本実施形態では、移動ロボット2に記憶されている情報と同一の情報が、管理サーバ3にも記憶される。移動ロボット2に記憶されている情報と管理サーバ3に記憶されている情報は、互いに同期されている。管理者Mは、管理サーバ3を介して移動ロボット2の管理をすることもできる。
【0061】
移動ロボット2は、記憶部16に記憶された情報に基づいて、自律的に移動を行い、無人で点検エリアのそれぞれの対象機器の点検を行うことができる。
【0062】
通信部17は、ネットワーク5を介して管理サーバ3および管理用端末4と通信を行う。管理者Mは、ネットワーク5を介して移動ロボット2の操作または管理を行うことができる。そのため、管理者Mがプラント6の点検エリアに出向く必要がなく、労力および管理コストの削減ができる。
【0063】
図3に示すように、ロボット制御部18は、地図設定部19と領域設定部20と経路生成部21と指令生成部22と自律制御部23と自己位置推定部24と差分判定部25と遠隔制御部26と進入判定部27と仮想反力生成部28と操作修正部29とを備える。これらは、メモリまたはHDDに記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで実現される。
【0064】
本実施形態のロボット制御部18は、プロセッサおよびメモリなどのハードウェア資源を有し、CPUが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータで構成される。さらに、本実施形態の移動制御方法は、各種プログラムをコンピュータに実行させることで実現される。
【0065】
ロボット制御部18の各構成は、必ずしも1つのコンピュータに設ける必要はない。例えば、ネットワーク5で互いに接続された複数のコンピュータを用いて1つのロボット制御部18を実現しても良い。例えば、ロボット制御部18の一部または全ての構成を管理サーバ3に設けても良い。
【0066】
次に、ロボット制御部18が実行する移動制御処理について
図11のフローチャートを用いて説明する。なお、前述の
図1から
図10を適宜参照する。以下のステップは、移動制御処理に含まれる少なくとも一部の処理であり、他のステップが移動制御処理に含まれても良い。
【0067】
この移動制御処理は、一定時間毎(周期的)に繰り返される処理である。この移動制御処理が繰り返されることで、ロボット制御部18で移動制御方法が実行される。なお、ロボット制御部18が他のメイン処理を実行中に、この処理を割り込ませて実行しても良い。
【0068】
図11に示すように、まず、ステップS11において、地図設定部19は、環境地図設定処理を実行する。ここで、地図設定部19は、形状測定センサ13で取得した情報に基づいて環境地図を作成する。例えば、SLAM技術を用いて環境地図を作成する。また、環境地図は、予め作成されたものでも良いし、移動ロボット2の進行中にリアルタイムに作成または更新されるものでも良い。
【0069】
なお、環境地図は、別の移動ロボット2で作成したものを用いても良い。また、管理サーバ3で作成したものを用いても良い。これらの場合は、地図設定部19で環境地図の作成を行わなくても良い。
【0070】
また、地図設定部19は、移動ロボット2が移動する範囲に設けられた構造物30,31の位置を示す情報を含む環境地図(地図情報)を設定する。なお、構造物30,31の位置を示す情報には、対象機器(図示略)の位置を示す情報も含まれる。
【0071】
ここで、環境地図は、記憶部16に記憶され、移動ロボット2が自律移動するときに用いられる。例えば、この環境地図は、移動経路40の生成に用いられる。さらに、移動ロボット2が有する環境地図と同様のものが、管理サーバ3に記憶されても良い。また、環境地図を管理者Mが任意に修正しても良い。
【0072】
次のステップS12において、領域設定部20は、禁止領域設定処理を実行する。ここで、領域設定部20は、移動ロボット2が構造物30,31に衝突することを防ぐため、環境地図に対して構造物30,31が存在する位置から、ある一定のマージンを設ける。本実施形態では、環境地図における構造物30,31の周囲に移動ロボット2の接近を禁止する通常禁止領域33(
図5)を設定する。また、領域設定部20は、移動ロボット2の外形の寸法と比較して狭隘である狭隘部35の開口に対応する構造物30に移動ロボット2の接近を禁止する特定禁止領域34(
図5)を設定する。
【0073】
また、領域設定部20は、環境地図において狭隘部35の入口部分(開口)の形状に相当するコーナー32から半円36(
図6)が張り出すように特定禁止領域34を設定する。さらに、半円36の接線39(
図7)の内側を特定禁止領域34として設定する。
【0074】
次のステップS13において、自己位置推定部24は、自己位置推定処理を実行する。ここで、自己位置推定部24は、環境地図における移動ロボット2の自己位置(現在位置)を推定する。例えば、自己位置推定部24は、形状測定センサ13で取得した情報と車輪7の回転数などから公知の自己位置推定手法を用いて自己位置を推定する。
【0075】
次のステップS14において、ロボット制御部18は、後述の自律移動処理(
図12)を実行する。
【0076】
次のステップS15において、ロボット制御部18は、後述の遠隔操作移動処理(
図13)を実行する。
【0077】
そして、ロボット制御部18は、移動制御処理を終了する。
【0078】
次に、ロボット制御部18が実行する自律移動処理について
図12のフローチャートを用いて説明する。なお、前述の図面を適宜参照する。以下のステップは、自律移動処理に含まれる少なくとも一部の処理であり、他のステップが自律移動処理に含まれても良い。この自律移動処理は、一定時間毎(周期的)に繰り返される処理である。
【0079】
まず、ステップS21において、経路生成部21は、経路生成処理を実行する。ここで、経路生成部21は、対象機器を順次点検する移動ロボット2の移動経路40を生成する。例えば、経路生成部21は、移動ロボット2が目的位置まで移動する移動経路40を、A*探索、ダイキストラ法など公知のアルゴリズムを用いて生成する。
【0080】
特に、経路生成部21は、環境地図に基づいて、通常禁止領域33を避けるとともに、特定禁止領域34を避けて移動ロボット2を進行させる移動経路40を生成する。このようにすれば、移動ロボット2が自律的に移動する場合であっても、特定禁止領域34を避けるように移動し、狭隘部35でスタック状態に陥り難くなる。
【0081】
なお、移動経路40は、管理サーバ3で生成されても良い。そして、管理サーバ3から受信した移動経路40が移動ロボット2の記憶部16に設定されるようにしても良い。この設定された移動経路40に沿って移動ロボット2が自律移動を行う。
【0082】
次のステップS22において、自律制御部23は、前進自律移動処理を実行する。ここで、指令生成部22は、移動ロボット2の自己位置と環境地図とを参照して前進用の移動指令を生成する。そして、自律制御部23は、指令生成部22で生成された前進用の移動指令に基づいて移動ロボット2を前進させる制御を行う。
【0083】
次のステップS23において、自律制御部23は、移動ロボット2が目的地に到着したか否かを判定する。ここで、移動ロボット2が目的地に到着した場合(ステップS23でYESの場合)は、自律移動処理を終了する。一方、移動ロボット2が目的地に到着していない場合(ステップS23でNOの場合)は、ステップS24に進む。
【0084】
ステップS24において、差分判定部25は、移動ロボット2が移動経路40に沿って移動するときに、移動ロボット2の自己位置と移動経路40の間に閾値以上の差分41(
図8)が生じているか否かを判定する。ここで、閾値以上の差分41が生じていない場合(ステップS24でNOの場合)は、前述のステップS22に戻る。一方、閾値以上の差分41が生じている場合(ステップS24でYESの場合)は、ステップS25に進む。
【0085】
ステップS25において自律制御部23は、後退自律移動処理を実行する。ここで、指令生成部22は、移動ロボット2の自己位置と環境地図とを参照し、一定距離の後退量を設定するとともに、後退用の移動指令を生成する。そして、自律制御部23は、指令生成部22で生成された後退用の移動指令に基づいて移動ロボット2を後退させる制御を行う。
【0086】
次のステップS26において、自律制御部23は、移動ロボット2が一定距離後退したか否かを判定する。ここで、移動ロボット2が一定距離後退した場合(ステップS26でYESの場合)は、前述のステップS22に戻る。一方、移動ロボット2が未だ一定距離後退していない場合(ステップS26でNOの場合)は、前述のステップS25に戻る。
【0087】
次に、ロボット制御部18が実行する遠隔操作移動処理について
図13のフローチャートを用いて説明する。なお、前述の図面を適宜参照する。以下のステップは、遠隔操作移動処理に含まれる少なくとも一部の処理であり、他のステップが遠隔操作移動処理に含まれても良い。また、この遠隔操作移動処理は、一定時間毎(周期的)に繰り返される処理である。
【0088】
まず、ステップS31において、遠隔制御部26は、遠隔制御処理を実行する。ここで、遠隔制御部26は、移動ロボット2が管理者Mにより遠隔操作されるときに入力される移動ロボット2の速度と角速度の情報を含む操作指令に基づいて、移動ロボット2を移動させる。
【0089】
次のステップS32において、進入判定部27は、移動ロボット2が通常禁止領域33または特定禁止領域34に進入したか否かを判定する。ここで、移動ロボット2が通常禁止領域33または特定禁止領域34に進入していない場合(ステップS32でNOの場合)は、遠隔制御処理を終了する。一方、移動ロボット2が通常禁止領域33または特定禁止領域34に進入した場合(ステップS32でYESの場合)は、ステップS33に進む。
【0090】
次のステップS33において、仮想反力生成部28は、仮想反力生成処理を実行する。ここで、仮想反力生成部28は、移動ロボット2が通常禁止領域33または特定禁止領域34に進入した場合に、移動ロボット2を通常禁止領域33または特定禁止領域34から押し戻す仮想的な反発力F(
図9から
図10)を生成する。
【0091】
次のステップS34において、操作修正部29は、操作修正処理を実行する。ここで、操作修正部29は、仮想反力生成部28で生成された反発力F(
図9から
図10)に基づいて操作指令における速度と角速度の少なくともいずれか一方を修正する。このようにすれば、移動ロボット2が遠隔操作されるときに管理者M(操作者)が誤った操作をした場合であっても、通常禁止領域33または特定禁止領域34を避けて移動ロボット2を移動させることができる。
【0092】
そして、ロボット制御部18は、遠隔制御処理を終了する。
【0093】
なお、本実施形態のフローチャートにおいて、各ステップが直列に実行される形態を例示しているが、必ずしも各ステップの前後関係が固定されるものでなく、一部のステップの前後関係が入れ替わっても良い。また、一部のステップが他のステップと並列に実行されても良い。
【0094】
なお、本実施形態において、基準値(閾値)を用いた任意の値(自己位置と移動経路の間の差分)の判定は、「任意の値が基準値以上か否か」の判定でも良いし、「任意の値が基準値を超えているか否か」の判定でも良い。或いは、「任意の値が基準値以下か否か」の判定でも良いし、「任意の値が基準値未満か否か」の判定でも良い。また、基準値が固定されるものでなく、変化するものであっても良い。従って、基準値の代わりに所定範囲の値を用い、任意の値が所定範囲に収まるか否かの判定を行っても良い。また、予め装置に生じる誤差を解析し、基準値を中心として誤差範囲を含めた所定範囲を判定に用いても良い。
【0095】
本実施形態のシステムは、専用のチップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、またはCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを高集積化させた制御装置と、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスまたはキーボードなどの入力装置と、通信インターフェースとを備える。このシステムは、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。
【0096】
なお、本実施形態のシステムで実行されるプログラムは、ROMなどに予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク(FD)などのコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記憶されて提供するようにしても良い。
【0097】
また、このシステムで実行されるプログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしても良い。また、このシステムは、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワークまたは専用線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
【0098】
なお、本実施形態では、狭隘部35として狭隘である通路を例示しているが、その他の態様であっても良い。例えば、狭隘部35は、門であっても良いし、地面に置かれた2つの荷物の間でも良い。
【0099】
なお、本実施形態では、車輪7を備える移動ロボット2が地面を走行して点検を行っているが、その他の態様であっても良い。例えば、移動ロボット2がプロペラなどの飛行機構を備えたドローンでも良く、移動ロボット2が空中を移動して対象機器の点検を行っても良い。その場合の移動経路は、ドローンの飛行経路となる。そして、狭隘部としては、例えば、建物の壁に開口された窓、または、地面に開口されたマンホール穴などが考えられる。
【0100】
なお、本実施形態では、通常禁止領域33(
図5)と特定禁止領域34の双方が構造物30の周辺に設けられているが、その他の態様であっても良い。例えば、
図14の変形例に示すように、構造物30,31の周辺に通常禁止領域33を設けずに、特定禁止領域34のみを設けるようにしても良い。この変形例では、構造物30から膨張する特定禁止領域34が設定される。この特定禁止領域34は、狭隘部35から離れる方向に膨張して設けられる。このようにすれば、移動ロボット2が進行可能な領域を狭めることなく、移動ロボット2の狭隘部35に対する進入角度を緩やかにすることができる。
【0101】
以上説明した実施形態によれば、移動体の寸法と比較して狭隘である狭隘部の開口に対応する構造物に移動体の接近を禁止する仮想的な特定禁止領域を環境地図に設定する領域設定部を備えることにより、移動体が狭隘部を通過する際にスタック状態に陥ることを抑制できる。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態またはその変形は、発明の範囲と要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0103】
1…移動制御システム、2…移動ロボット、3…管理サーバ、4…管理用端末、5…ネットワーク、6…プラント、7…車輪、8…管理事務所、9…ディスプレイ、10…遠隔操作端末、11…カメラ、12…点検用センサ、13…形状測定センサ、14…モーションセンサ、15…移動機構部、16…記憶部、17…通信部、18…ロボット制御部、19…地図設定部、20…領域設定部、21…経路生成部、22…指令生成部、23…自律制御部、24…自己位置推定部、25…差分判定部、26…遠隔制御部、27…進入判定部、28…仮想反力生成部、29…操作修正部、30,31…構造物、32…コーナー、33…通常禁止領域、34…特定禁止領域、35…狭隘部、36…半円、37…中心、38…特定位置、39…接線、40…移動経路、41…差分。