(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】多機能デバイスでキオスクモードを有効にする方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240701BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240701BHJP
G06Q 30/0645 20230101ALI20240701BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F3/12 303
G06F3/12 339
G06F3/12 373
G06F3/12 387
G06Q30/0645
(21)【出願番号】P 2021035887
(22)【出願日】2021-03-05
【審査請求日】2024-03-05
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ヒロシ・イノウエ
(72)【発明者】
【氏名】バーナード・ロッシュ・ヘロー・ ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】デビッド・アール.・ビーチ
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・エー.・ブラウン
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-010277(JP,A)
【文献】特開2018-108701(JP,A)
【文献】特開2016-167803(JP,A)
【文献】特開2011-090380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷システムであって、
プロセッサと、
1つ以上のプログラミング命令を含むコンピュータ可読記憶媒体と、を含み、
前記1つ以上のプログラミング命令は、実行されると、前記プロセッサに、
認可されたユーザとゲストユーザの両方からの文書処理ジョブを実行するように構成された印刷デバイスで、文書処理セッションを開始するための要求を受信することと、
前記要求された文書処理セッションが、ゲストユーザの文書処理ジョブを実行するためのキオスクモードセッションであるか、又は認可されたユーザの文書処理ジョブを実行するためのスタッフモードセッションであるかを決定することと、
前記要求された文書処理セッションが前記キオスクモードセッションであると決定したことに応答して、支払文書処理ジョブを実行するための前記キオスクモードセッションを開始することと、
第1の文書処理ジョブを実行するための要求を受信することと、
前記印刷デバイスにおいて前記第1の文書処理ジョブを実行するためのコストを決定することと、
前記決定されたコストで前記印刷デバイスにおいて前記第1の文書処理ジョブを実行する承認を、ゲストユーザから受信することと、
前記印刷デバイスに前記第1の文書処理ジョブを実行させることと、
前記キオスクモードセッションが終了すると、前記ゲストユーザに関連付けられた支払処理サービスに、前記決定されたコストに等しい支払金額を納入させることと、を行わせる、印刷システム。
【請求項2】
前記要求された文書処理セッションが、ゲストユーザの文書処理ジョブを実行するための前記キオスクモードセッションであるか、又は認可されたユーザの文書処理ジョブを実行するための前記スタッフモードセッションであるかを前記プロセッサに決定させる前記プログラミング命令は、前記文書処理セッションを開始するための前記要求に関連付けられたユーザが、非支払文書処理ジョブを前記印刷デバイスに提出することを認可されているかどうかを前記プロセッサに決定させるプログラミング命令を含む、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記文書処理セッションを開始するための前記要求が、前記印刷デバイスに関連付けられたユーザインターフェースから受信される、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
実行されると、前記プロセッサに、前記キオスクモードセッションの開始時に、前記印刷デバイスにおいてキオスクモードユーザインターフェースを出力させるプログラミング命令を更に含み、前記キオスクモードユーザインターフェースは、前記ゲストユーザが、支払文書処理ジョブの要求を提出することを可能にするように構成されている、請求項3に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記文書処理セッションを開始するための前記要求が、モバイルデバイスから受信される、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項6】
実行されると、前記プロセッサに、前記キオスクモードセッションの開始時に、前記モバイルデバイスにおいてキオスクモードユーザインターフェースを出力させるプログラミング命令を更に含み、前記キオスクモードユーザインターフェースは、前記ゲストユーザが、支払文書処理ジョブの要求を提出することを可能にするように構成されている、請求項5に記載の印刷システム。
【請求項7】
実行されると、前記要求された文書処理セッションが前記スタッフモードセッションであると決定したことに応答して、前記プロセッサに、認可されたユーザから受信された非支払文書処理ジョブを実行するための前記スタッフモードセッションを開始させ、支払文書処理ジョブよりも非支払文書処理ジョブを優先させるプログラミング命令を更に含む、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項8】
実行されると、前記プロセッサに、前記スタッフモードセッションの開始時に、スタッフモードユーザインターフェースを出力させるプログラミング命令を更に含み、前記スタッフモードユーザインターフェースは、認可されたユーザが、非支払文書処理ジョブの要求を提出することを可能にするように構成されている、請求項7に記載の印刷システム。
【請求項9】
実行されると、前記プロセッサに、前記ゲストユーザに関連付けられた支払処理サービスを識別させるプログラミング命令を更に含む、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項10】
認可されたユーザとゲストユーザの両方からの文書処理ジョブを実行するように構成された印刷デバイスであって、
プロセッサと、
1つ以上のプログラミング命令を含むコンピュータ可読記憶媒体と、を含み、
前記1つ以上のプログラミング命令は、実行されると、前記プロセッサに、
第1の文書処理セッション開始要求を受信することと、
前記第1の文書処理セッション開始要求がゲストユーザからであるか、又は認可されたユーザからであるかを決定することと、
前記第1の文書処理セッション開始要求がゲストユーザからであると決定したことに応答して、支払文書処理ジョブを実行するためのキオスクモードセッションを開始することと、
第1の文書処理ジョブを実行するために、前記ゲストユーザからの要求を処理することと、
前記印刷デバイスにおいて前記第1の文書処理ジョブを実行するためのコストを決定することと、
前記決定されたコストで前記印刷デバイスにおいて前記第1の文書処理ジョブを実行する承認を、前記ゲストユーザから受信することと、
前記第1の文書処理ジョブを実行することと、
前記キオスクモードセッションが終了すると、前記ゲストユーザに関連付けられた支払処理サービスに、前記決定されたコストに等しい支払金額を納入させる要求をサーバに送信することと、を行わせる、印刷デバイス。
【請求項11】
実行されると、前記プロセッサに、第2の文書処理ジョブを処理するための第2の文書処理セッション開始要求を受信することと、前記第2の文書処理セッション開始要求が認可されたユーザからであると決定したことに応答して、
支払文書処理ジョブのみを実行するためのスタッフモードセッションを開始することと、
前記認可されたユーザが支払いのモードを提供することを必要とせずに、前記第2の文書処理ジョブを実行することと、を行わせる追加のプログラミング命令を更に含む、請求項10に記載の印刷システム。
【請求項12】
実行されると、前記プロセッサに、前記スタッフモードセッションの開始時に、スタッフモードユーザインターフェースを出力させるプログラミング命令を更に含み、前記スタッフモードユーザインターフェースは、前記認可されたユーザが、非支払文書処理ジョブの要求を提出することを可能にするように構成されている、請求項11に記載の印刷システム。
【請求項13】
前記プロセッサに、前記第1の文書処理セッション開始要求がゲストユーザからであるか、又は認可されたユーザからであるかを決定させる前記プログラミング命令が、前記プロセッサに、前記第1の文書処理セッション開始要求に関連付けられたユーザが、前記印刷デバイスに非支払文書処理ジョブを提出することを認可されているかどうかを決定させるように構成されているプログラミング命令を含む、請求項10に記載の印刷システム。
【請求項14】
前記第1の文書処理セッション開始要求が、前記印刷デバイスに関連付けられたユーザインターフェースから受信される、請求項10に記載の印刷システム。
【請求項15】
実行されると、前記プロセッサに、前記キオスクモードセッションの開始時に、前記印刷デバイスにおいてキオスクモードユーザインターフェースを出力させるプログラミング命令を更に含み、前記キオスクモードユーザインターフェースは、前記ゲストユーザが、支払文書処理ジョブの要求を提出することを可能にするように構成されている、請求項14に記載の印刷システム。
【請求項16】
前記印刷デバイスとモバイルデバイスとの間に近接有効化通信リンクが確立されると、前記第1の文書処理セッションを開始するための前記要求が、前記モバイルデバイスから受信される、請求項10に記載の印刷システム。
【請求項17】
認可されたユーザとゲストユーザの両方からの文書処理ジョブを実行するように構成された印刷デバイスで印刷するための方法であって、プロセッサによって、
前記印刷デバイスでの文書処理セッションを開始するための要求を受信することと、
前記要求された文書処理セッションが、ゲストユーザの文書処理ジョブを実行するためのキオスクモードセッションであるか、又は認可されたユーザの文書処理ジョブを実行するためのスタッフモードセッションであるかを決定することと、
前記要求された文書処理セッションが前記キオスクモードセッションであると決定したことに応答して、支払文書処理ジョブを実行するための前記キオスクモードセッションを開始することと、
第1の文書処理ジョブを実行するための要求を受信することと、
前記印刷デバイスにおいて前記第1の文書処理ジョブを実行するためのコストを決定することと、
前記決定されたコストで前記印刷デバイスにおいて前記第1の文書処理ジョブを実行する承認を、ゲストユーザから受信することと、
前記印刷デバイスに前記第1の文書処理ジョブを実行させることと、
前記キオスクモードセッションが終了すると、前記ゲストユーザに関連付けられた支払処理サービスに、前記決定されたコストに等しい支払金額を納入させることと、を含む方法。
【請求項18】
前記要求された文書処理セッションが、ゲストユーザの文書処理ジョブを実行するための前記キオスクモードセッションであるか、又は認可されたユーザの文書処理ジョブを実行するための前記スタッフモードセッションであるかを決定することは、前記文書処理セッションを開始するための前記要求に関連付けられたユーザが、非支払文書処理ジョブを前記印刷デバイスに提出することを認可されているかどうかを決定することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記文書処理セッションを開始するための前記要求が、前記印刷デバイスに関連付けられたユーザインターフェースから受信される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記キオスクモードセッションの開始時に、前記印刷デバイスにおいてキオスクモードユーザインターフェースを出力することを更に含み、前記キオスクモードユーザインターフェースは、前記ゲストユーザが、支払文書処理ジョブの要求を提出することを可能にするように構成されている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記文書処理セッションを開始するための前記要求が、モバイルデバイスから受信される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記キオスクモードセッションの開始時に、前記モバイルデバイスにおいてキオスクモードユーザインターフェースを出力することを更に含み、前記キオスクモードユーザインターフェースは、前記ゲストユーザが、支払文書処理ジョブの要求を提出することを可能にするように構成されている、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記要求された文書処理セッションが前記スタッフモードセッションであると決定したことに応答して、認可されたユーザから受信された非支払文書処理ジョブを実行するための前記スタッフモードセッションを開始し、支払文書処理ジョブよりも非支払文書処理ジョブを優先させることを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記スタッフモードセッションの開始時に、スタッフモードユーザインターフェースを出力することを更に含み、前記スタッフモードユーザインターフェースは、認可されたユーザが、非支払文書処理ジョブの要求を提出することを可能にするように構成されている、請求項
23に記載の方法。
【請求項25】
前記ゲストユーザに関連付けられた支払処理サービスを識別することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
認可されたユーザとゲストユーザの両方からの文書処理ジョブを実行するための方法であって、印刷デバイスによって、
第1の文書処理セッション開始要求を受信することと、
前記第1の文書処理セッション開始要求がゲストユーザからであるか、又は認可されたユーザからであるかを決定することと、
前記第1の文書処理セッション開始要求がゲストユーザからであると決定したことに応答して、支払文書処理ジョブを実行するためのキオスクモードセッションを開始することと、
第1の文書処理ジョブを実行するために、前記ゲストユーザからの要求を処理することと、
前記印刷デバイスにおいて前記第1の文書処理ジョブを実行するためのコストを決定することと、
前記決定されたコストで前記印刷デバイスにおいて前記第1の文書処理ジョブを実行する承認を、前記ゲストユーザから受信することと、
前記第1の文書処理ジョブを実行することと、
前記キオスクモードセッションが終了すると、前記ゲストユーザに関連付けられた支払処理サービスに、前記決定されたコストに等しい支払金額を納入させる要求をサーバに送信することと、を含む方法。
【請求項27】
前記キオスクモードセッションを終了すると、第2の文書処理ジョブを処理するための第2の文書処理セッション開始要求を受信することと、前記第2の文書処理セッション開始要求が認可されたユーザからであると決定することに応答して、
支払文書処理ジョブのみを実行するためのスタッフモードセッションを開始することと、
前記認可されたユーザが支払いのモードを提供することを必要とせずに、前記第2の文書処理ジョブを実行することと、を更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記スタッフモードセッションの開始時に、スタッフモードユーザインターフェースを出力することを更に含み、前記スタッフモードユーザインターフェースは、前記認可されたユーザが、非支払文書処理ジョブの要求を提出することを可能にするように構成されている、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の文書処理セッション開始要求がゲストユーザからであるか、又は認可されたユーザからであるかを決定することは、前記第1の文書処理セッション開始要求に関連付けられたユーザが、前記印刷デバイスに非支払文書処理ジョブを提出することを認可されているかどうかを決定することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の文書処理セッション開始要求が、前記印刷デバイスに関連付けられたユーザインターフェースから受信される、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記キオスクモードセッションの開始時に、前記印刷デバイスにおいてキオスクモードユーザインターフェースを出力することを更に含み、前記キオスクモードユーザインターフェースは、前記ゲストユーザが、支払文書処理ジョブの要求を提出することを可能にするように構成されている、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記印刷デバイスとモバイルデバイスとの間に近接有効化通信リンクが確立されると、前記第1の文書処理セッションを開始するための前記要求が、前記モバイルデバイスから受信される、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年3月31日出願の米国仮特許出願第63/002,698号の優先権を主張し、当該仮特許出願の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
中小企業、ホームビジネス、個人、旅行者などは、時々、高品質の文書を印刷する必要がある。しかしながら、資本的制限、プリンタの利用可能性、又は他の問題により、必要な品質又はタイプの文書を作成するのに必要な機器を、それらの人々が購入するか又はそれにアクセスすることができない場合がある。例えば、中小企業は、不規則に又は断続的にのみ特別なフォーマット又は機能を必要とする特定のタイプの文書を作成する場合がある。そのような文書を作成することができる印刷デバイスを購入することは、そのような企業にとって費用対効果が高くない場合がある。同様に、携帯情報端末、携帯電話、及びラップトップなどのポータブル電子デバイスの普及、並びに電子メール及びインターネットの他の態様への依存性の増大に伴い、個人が、典型的な仕事場又は自宅から離れている間に、文書、写真などを印刷又はスキャンする必要がある状況がしばしば生じる。例えば、出張者は、オフィスの外にいる間にプレゼンテーションを印刷する必要がある場合があるが、プレゼンテーションを準備することができる印刷デバイスへのアクセスを有していない場合がある。
【0003】
一部の企業は、様々な機能を実行することができるが、十分には利用されない印刷デバイスを有する。例えば、企業は、フルに機能が使用されないカラー印刷デバイス又は他の印刷デバイスを有する可能性がある。このような場合、企業は、十分に活用されていない印刷デバイスのためにお金を支払っている可能性があり、印刷デバイスをより十分に利用する方法を特定し、かつ/又は追加の目的のために印刷デバイスを使用することによって追加の収益を得ることを望み得る。
【0004】
ポイントオブセール(point of sale、POS)支払ソリューションを有する印刷デバイスを含む印刷キオスクは、一般の人々がそのようなプリンタによって提供される様々な文書サービスに対して代金を支払い、文書サービスを受けることを可能にするために開発されてきた。そのようなセルフサービス多機能プリンタは、典型的には、一般の人々がアクセス可能な場所に配備されている。現在、これらのセルフサービス多機能プリンタ用のPOS支払ソリューションは、特定の支払システム用のハードウェア(例えば、コイン及び紙幣を含む現金の処理機、小切手処理機、限定するものではないが、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードなどを含む様々なカードの処理機など)を必要とする。そのようなPOS支払ソリューションは有効であるが、必要とされる追加のハードウェアは高価であり得る。
【0005】
本明細書は、上記の問題の少なくとも一部に対処し得るシステムについて記載する。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、記載される特定のシステム、方法、又はプロトコルが異なる場合があるので、これらに限定されない。本明細書で使用される用語は、特定のバージョン又は実施形態のみを説明するためのものであり、範囲を限定することを意図するものではない。
【0007】
本文書で使用される際、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでない旨を明確に指示しない限り、複数の指示内容を含む。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての刊行物は、参照により組み込まれる。本明細書に列挙される全てのサイズは単なる例であり、本発明は、以下に列挙される特定のサイズ又は寸法を有する構造に限定されない。本明細書で使用される際、用語「含む(comprising)」は、「限定するものではないが、含む(including)」を意味する。
【0008】
1つ以上のシナリオでは、認可されたユーザとゲストユーザの両方からの文書処理ジョブを実行するように構成された印刷デバイスで印刷するための方法及びシステムが開示される。この方法は、プロセッサによって、印刷デバイスでの文書処理セッションを開始するための要求を受信すること、要求された文書処理セッションが、ゲストユーザの文書処理ジョブを実行するためのキオスクモードセッションであるか、又は認可されたユーザの文書処理ジョブを実行するためのスタッフモードセッションであるかを決定すること、要求された文書処理セッションがキオスクモードセッションであると決定したことに応答して、支払文書処理ジョブを実行するためのキオスクモードセッションを開始すること、第1の文書処理ジョブを実行するための要求を受信すること、印刷デバイスにおいて文書処理ジョブを実行するためのコストを決定すること、決定されたコストで印刷デバイスにおいて第1の文書処理ジョブを実行する承認を、ゲストユーザから受信すること、を含み得る。方法はまた、印刷デバイスに文書処理ジョブを実行させることと、キオスクモードセッションが終了すると、ゲストユーザに関連付けられた支払処理サービスに、決定されたコストに等しい支払金額を納入させることと、を含んでもよい。
【0009】
任意選択的に、要求された文書処理セッションが、ゲストユーザの文書処理ジョブを実行するためのキオスクモードセッションであるか、又は認可されたユーザの文書処理ジョブを実行するためのスタッフモードセッションであるかを決定することは、文書処理セッションを開始するための要求に関連付けられたユーザが、非支払文書処理ジョブを印刷デバイスに提出することを認可されているかどうかを決定することを含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、文書処理セッションを開始するための要求が、印刷デバイスに関連付けられたユーザインターフェースから受信されてもよい。任意選択的に、この方法はまた、キオスクモードセッションの開始時に、印刷デバイスにおいてキオスクモードユーザインターフェースを出力することを含んでもよい。キオスクモードユーザインターフェースは、ゲストユーザが、支払文書処理ジョブの要求を提出することを可能にするように構成されてもよい。
【0011】
いくつかの他の実施形態では、文書処理セッションを開始するための要求が、モバイルデバイスから受信されてもよい。任意選択的に、この方法はまた、キオスクモードセッションの開始時に、モバイルデバイスにおいてキオスクモードユーザインターフェースを出力することを含んでもよく、キオスクモードユーザインターフェースは、ゲストユーザが、支払文書処理ジョブの要求を提出することを可能にするように構成されている。
【0012】
1つ以上の実施形態において、方法は、要求された文書処理セッションがスタッフモードセッションであると決定したことに応答して、認可されたユーザから受信された非支払文書処理ジョブを実行するためのスタッフモードセッションを開始し、支払文書処理ジョブよりも非支払文書処理ジョブを優先させることを含み得る。任意選択的に、この方法は、スタッフモードセッションの開始時に、スタッフモードユーザインターフェースを出力することを含んでもよく、スタッフモードユーザインターフェースは、認可されたユーザが、非支払文書処理ジョブの要求を提出することを可能にするように構成されている。
【0013】
任意選択的に、この方法は、ユーザに関連付けられた支払処理サービスを識別することを含んでもよい。
【0014】
いくつかの他のシナリオでは、印刷デバイスは、認可されたユーザとゲストユーザの両方からの文書処理ジョブを実行するための方法を実行するように構成されてもよい。この方法は、印刷デバイスによって、第1の文書処理セッション開始要求を受信することと、第1の文書処理セッション開始要求がゲストユーザからであるか、又は認可されたユーザからであるかを決定することと、第1の文書処理セッション開始要求がゲストユーザからであると決定したことに応答して、支払文書処理ジョブを実行するためのキオスクモードセッションを開始することと、第1の文書処理ジョブを実行するために、ゲストユーザからの要求を処理することと、印刷デバイスにおいて第1の文書処理ジョブを実行するためのコストを決定することと、決定されたコストで印刷デバイスにおいて第1の文書処理ジョブを実行する承認を、ゲストユーザから受信することと、第1の文書処理ジョブを実行することと、キオスクモードセッションが終了すると、ゲストユーザに関連付けられた支払処理サービスに、決定されたコストに等しい支払金額を納入させる要求をサーバに送信することと、を含み得る。
【0015】
方法はまた、キオスクモードセッションが終了すると、第2の文書処理ジョブを処理するための第2の文書処理開始セッション要求を受信することを含んでもよい。任意選択的に、第2の文書処理セッション開始要求が認可されたユーザからであると決定したことに応答して、方法は、支払文書処理ジョブのみを実行するためのスタッフモードセッションを開始することと、認可されたユーザが支払いのモードを提供することを必要とせずに、第2の文書処理ジョブを実行することと、を含み得る。代替的に、及び/又は追加的に、方法は、スタッフモードセッションの開始時に、スタッフモードユーザインターフェースを出力することを含んでもよく、スタッフモードユーザインターフェースは、認可されたユーザが、非支払文書処理ジョブの要求を提出することを可能にするように構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1の文書処理セッション開始要求がゲストユーザからであるか、又は認可されたユーザからであるかを決定することは、第1の文書処理セッション開始要求に関連付けられたユーザが、印刷デバイスに非支払文書処理ジョブを提出することを認可されているかどうかを決定することを含み得る。
【0017】
第1の文書処理セッション開始要求が、印刷デバイス及び/又はモバイルデバイスに関連付けられたユーザインターフェースから受信されてもよい。任意選択的に、この方法は、キオスクモードセッションの開始時に、印刷デバイス及び/又はモバイルデバイスにおいてキオスクモードユーザインターフェースを出力することを含んでもよい。キオスクモードユーザインターフェースは、ゲストユーザが、支払文書処理ジョブの要求を提出することを可能にするように構成されてもよい。
【0018】
任意選択的に、印刷デバイスとモバイルデバイスとの間に近接有効化通信リンクが確立されると、第1の文書処理開始セッションを開始するための要求が、モバイルデバイスから受信されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態に係る多機能デバイスでのキオスクモードを有効にするための例示的なシステムを示す。
【0020】
【
図2】一実施形態に係る多機能デバイスでのキオスクモードを有効にするための例示的な方法を示すフローチャートである。
【0021】
【
図3】一実施形態に係るプログラム命令を含むか、又は実装するために使用され得る例示的なハードウェアのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の用語は、本出願の目的のために、以下に記載されるそれぞれの意味を有するものとする。
【0023】
「コンピューティングデバイス」は、プロセッサと、非一時的コンピュータ可読媒体(すなわち、メモリ)とを含むデバイスを指す。メモリは、プロセッサによって実行されたとき、コンピューティングデバイスに、プログラミング命令に従って1つ以上の動作を実行させるプログラミング命令を含み得る。コンピューティングデバイスはまた、ユーザインターフェースとして機能するタッチセンシティブディスプレイデバイス、並びにカメラ又は他の画像キャプチャデバイスなどの追加の構成要素を含んでもよい。コンピューティングデバイスは、通信ネットワークを介して、又は近距離若しくは短距離通信プロトコルを介して、デバイスが他のデバイスとの間で通信を送受信できるようにする送信機及び/又は受信機などの1つ以上の通信ハードウェア構成要素を含み得る。本明細書で使用するとき、「コンピューティングデバイス」は、単一のデバイスであってもよく、又は互いに通信し、データ及び/若しくは命令を共有する1つ以上のプロセッサを有する任意の数のデバイスであってもよい。コンピューティングデバイスの例としては、限定するものではないが、モバイルデバイス、スマートフォン、スマートウォッチ、デジタルカメラ、タブレットコンピューティングデバイス、電子リーダ、パーソナルコンピュータ、フィットネストラッキングデバイス、ウェアラブル電子デバイス、ウェアラブル電子デバイス、メディアプレーヤ、衛星ナビゲーションデバイスなどが挙げられる。
【0024】
「モバイルデバイス」又は「モバイル電子デバイス」は、ポータブルコンピューティングデバイスを指す。モバイルデバイスは、送信機、近距離無線通信(near field communication、NFC)又は無線周波数識別子(radio frequency identifier、RFID)タグ又はBluetooth低エネルギー(Bluetooth low energy、BLE)受信機(送信電力の低減を伴う)、プロセッサ及び非一時的コンピュータ可読メモリなどの短距離無線通信インターフェースを含み得る。メモリは、プロセッサによって実行されると、デバイスに1つ以上の文書動作を実行させるソフトウェアアプリケーションの形態のプログラミング命令を含んでもよい。好適なポータブル電子デバイスの例としては、スマートフォン、携帯情報端末、カメラ、タブレットデバイス、電子リーダ、パーソナルコンピュータ、メディアプレーヤ、衛星ナビゲーションデバイスなどが挙げられる。
【0025】
本明細書では、「アプリケーション」という用語は、コンピューティングデバイス又は印刷デバイスのプロセッサによって実行されると、コンピューティングデバイス又は印刷デバイスに、本開示で説明される機能の一部又は全てを実行させるプログラミング命令のセットを指す。印刷デバイス及び/又はコンピューティングデバイスは、予め構成されたアプリケーションを有してもよい。代替的に、及び/又は追加的に、印刷デバイス及び/又はコンピューティングデバイスのユーザは、アプリケーションをダウンロードし、インストールすることができる。ユーザは、アプリケーションデータベース、サーバ、及び/又は印刷サービスプロバイダからダウンロードすることによってアプリケーションを取得することができる。アプリケーションは、任意の基礎になるオペレーティングシステム又はプラットフォーム上で実行され得る、実質的に任意のアプリケーションタイプを含んでもよい。インストールされたアプリケーションは、デバイスのオペレーティングシステムにそれ自体を登録して、アプリケーションがデバイスオペレーティングシステム上の特定の活動を監視し、オペレーティングシステムの特定の機能を使用することを可能にする。例えば、アプリケーションは、イベントの発生時に自動的に起動又は開始されてもよい。更に、アプリケーションは、コンピューティングデバイス及び/又は印刷デバイスで実行されるローカルアプリケーションに対応してもよい。代替的に、アプリケーションは、リモートアプリケーションサーバ上で実行されるウェブアプリケーションを表してもよい。すなわち、アプリケーションは、ネットワークを介してユーザによってアクセスされ、例えば、電子デバイス及び/又は印刷デバイスで実行されているブラウザを使用して、アプリケーションとしてローカルに実行されるアプリケーション機能を含み得る。他の実施形態では、アプリケーションは、ローカルとウェブ(リモート)の両方の要素を含み得るか、又はその両方へのアクセスを有してもよい。アプリケーションは、情報のデータベースを含んでもよい。特定の実施形態では、データベースは、別のローカルデバイス又はリモートのクラウドベースのリポジトリにエクスポートされてもよい。そのようなアプリケーション及び関連技術を実行するための技術は、当該技術分野において周知であり、したがって、動作を理解するのに役立つか、又は必要な場合を除いて、本明細書では更に詳細に説明されない。
【0026】
「文書」は、コンピュータ可読メモリ又は記憶媒体に記憶されたワードプロセッタファイル、電子プレゼンテーションファイル、電子スプレッドシート、PDFファイル、又はビットマップファイル(例えば、TIFF、JPG、PNGファイルなど)など文書のデジタル表現を指す。文書ファイルは、1ページ又は複数ページを含む物理的文書の電子表現であってもよい。文書はまた、文書を処理する命令セット又はメタデータを指し得る。
【0027】
「文書処理サービス」又は「文書処理ジョブ」は、例えば、印刷関連サービス、文書リポジトリサービス、スキャンサービス、文書管理サービス、画像処理サービスなどを実行することによって文書を修正又は処理することができるサービスを指す。
【0028】
「印刷デバイス」という用語は、デジタル文書ファイルを読み取り、ファイルからの情報及び関連する印刷命令を使用して、基板上に物理的文書を印刷することができるハードウェアを有する機械を指す。印刷デバイスの構成要素は、典型的には、インク、トナー、又は別の印刷材料を含む印刷カートリッジなどの構成要素を含み得る印刷ヘッドなどの印刷ハードウェアを含む印刷エンジン、並びに印刷ヘッドが基板上に文字及び/又は画像を印刷することができるように基板を印刷デバイスに通すように構成された文書供給システムを含む。印刷デバイスはまた、1つ以上の他のデバイスと通信するために使用される無線通信インターフェース(送信機、NFCインターフェース、RFIDタグ、又はBLE受信機など)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、印刷デバイスは、スキャン又はファックスなどの追加の機能を有してもよく、したがって、多機能デバイス(multifunction device、「MFD」)であってもよい。
【0029】
「キオスクモード」とは、支払いと引き換えに、印刷デバイスでの文書処理サービス(例えば、印刷、スキャンなど)へのアクセスをゲストユーザ(すなわち、デバイス、又はデバイスが通信可能に接続されているシステム又はサービスの登録又は認可されたユーザではない者)に提供するための、印刷デバイスでのセルフサービスモードを指す。本開示によるキオスクモードは、典型的には、サービス、グループ、又は組織に対する専用文書処理サービスのために指定された印刷デバイスに提供され得ることが理解されるであろう。キオスクモードを構成又は有効にすることは、支払いと引き換えに、登録されていないゲストユーザに対して文書処理サービスを提供するための印刷デバイスの動作を指す。
【0030】
「スタッフモード」とは、印刷デバイスが、印刷デバイスを使用する組織のスタッフなど、デバイス、又はデバイスが通信可能に接続されているシステム又はサービスの認可されたユーザに文書処理サービスを提供する印刷デバイスでのモードを指す。
【0031】
本明細書は、「認可されたユーザ」という用語を使用して、デバイスが通信可能に接続されるシステム又はサービスと関連しており、したがって、デバイスの正規のユーザである印刷デバイスのユーザを指す。「ゲストユーザ」という用語は、そのように関連していない、したがって、印刷デバイスを使用することが許可される前に、支払いのモードを提示することが必要となるユーザを指す。「ゲストユーザ」は、クラウドサーバによって認可されるか、又はクラウドサーバに登録され得る(後述)が、印刷デバイスのローカルシステム又はサービスと関連しておらず、したがって、印刷デバイスの正規のユーザではない。
【0032】
本明細書では、ゲストユーザのために処理される印刷ジョブを「支払」ジョブと呼び、認可されたユーザのために処理される印刷ジョブを「非支払」ジョブと呼ぶことがある。しかしながら、認可されたユーザのために処理される印刷ジョブを「支払ジョブ」として特徴づけることは、認可されたユーザの組織が、その組織の多くのユーザのために処理された印刷ジョブに対して支払いを行うアカウントを有している可能性があるため、必ずしもそのようなジョブのために支払いが行われないことを意味するものではない。しかしながら、認可されたユーザは、印刷デバイスにおいて文書を印刷することを許可される前に、最初に支払いのモード(クレジットカード、デビットカード、又は電子支払アカウント情報など)を提示する必要はない。
【0033】
ローカルネットワーク上の印刷デバイスは、多くの場合、ファイアウォールの背後にあり、ローカルネットワークに接続されていないデバイスとの接続を直接確立することができず、及び/又は印刷ジョブを提出するための印刷デバイスのネットワーク設定を認識しない。したがって、キオスクモードが有効にされたときであっても、他のデバイスへのネットワークアクセスを許可すること、印刷デバイスにすでに接続されているデバイスを介してジョブを提出すること、及び/又は様々なネットワーク構成設定を変更することなく、そのような印刷デバイスにおいてゲストユーザ(すなわち、ローカルネットワークの組織と関連しない個人)から文書処理ジョブを受け入れることは困難になる。提案されたソリューションは、支払いと引き換えに、(クラウドサーバを介して)印刷デバイスへの文書処理ジョブのゲストユーザによる提出を容易にすることに加えて、典型的には、専用の文書処理サービスのために指定された印刷デバイスでのキオスクモードを有効にする。更に、上述したように、セルフサービス多機能プリントデバイスは、費用がかかる場合がある特定の支払システム用のハードウェアを必要とする。そのような支払ソリューションも、ユーザにとって必ずしも便利ではない。例えば、ゲストユーザは、手が空いている店員を待つ必要があり得るか、又は必要とされる正しい額の現金を有していない、かつ/又は必要とされる正しいタイプのクレジット、デビット、又はプリペイドカードを有していない可能性がある。最後に、提案されたソリューションはまた、ユーザが印刷デバイス自体に追加のハードウェアを取り付ける必要なく、文書処理ジョブ用の支払いを印刷デバイスの所有者に安全に送信することを可能にする。
【0034】
図1は、印刷デバイスでのキオスクモードを構成するための例示的なシステムを示す。
図1に示すように、システム100は、モバイル電子デバイス(複数可)102a、102b...102n、コンピューティングデバイス(複数可)103、少なくとも1つの印刷デバイス104、クラウドサーバ106、及び支払サービス108を含む。システム100は、分散コンピューティング環境内に実装され、通信ネットワーク110によって相互接続されてもよい。例示の目的で、システム100は、1つの印刷デバイスのみで動作するものとして示されている。しかしながら、システム100は、任意の数の印刷デバイスで動作することができ、各々が独自の特定の文書処理機能及びそれらの機能に関連付けられたコストを有し、これらの印刷デバイスは、複数の異なるユーザによって使用され得ることを理解されたい。
【0035】
印刷デバイス104は、第1の通信ネットワーク110を介してシステム100の1つ以上の構成要素と通信し得る。第1の通信ネットワーク110のオペレータと関連しないユーザのデバイスなど、第1の通信ネットワーク110を介して印刷デバイス104と直接通信することができないモバイルデバイス(例えば、102b)は、第2の通信リンク120を使用して、クラウドサーバ106を介して間接的に印刷デバイス104と通信し得る。第1の通信ネットワーク110及び第2の通信ネットワーク120は、例えば、有線接続、無線通信リンク、又は光ファイバケーブルなどの接続を含んでもよく、WiFi、Bluetooth、Ethernet、セルラー、イントラネット、及びインターネットなど任意の好適な通信媒体を提供することができる。
【0036】
任意選択的に、システムセキュリティを強化するために、システムの様々な構成要素間の通信は、任意の現在又は以降の既知の暗号化方法及びシステムを使用して暗号化することができる。
【0037】
1つ以上の実施形態では、コンピューティングデバイス(複数可)103は、ネットワークと関連しているユーザによって文書処理ジョブを提出するために、印刷デバイス104に通信可能に結合されてもよく(例えば、無線又は有線接続)、したがって、最初に支払方法を提示する必要なく(すなわち、スタッフモード)、文書を印刷することが可能である。
【0038】
クラウドサーバ106は、モバイルデバイスと印刷デバイス104との間の実際の又は直接的な通信接続を確立することなく、印刷デバイス104でのキオスクモードを有効にし、管理し、及び/又は(モバイルデバイスから受信された場合)印刷デバイス104に文書処理ジョブをルーティングするように構成されている。クラウドサーバ106は、ソフトウェアを実行し、ネットワーク110及び/又は120に接続されたサーバコンピュータであってもよい。例えば、クラウドサーバ106は、ウェブサイト、プライベートネットワーク若しくはローカルイントラネット上のサーバ、又は他のローカル若しくはリモートハードウェア、ソフトウェア、若しくはロジック上に、又はそれらとして実装されてもよい。
【0039】
クラウドサーバ106は、クラウドサーバ106がゲストユーザから受信する支払文書処理ジョブの受信及び実行のために、印刷デバイス104でのキオスクモードを有効にする/管理するためのユーザ及び/又は印刷デバイス104を登録するように構成されたキオスク印刷サービス116を含み得る。キオスク印刷サービス116はまた、印刷デバイス104上、モバイルデバイス102上、支払サービス108上のアプリケーション、及び/又はクラウドサーバ106自体上の他のアプリケーションなど、他のデバイスのアプリケーションと通信するように構成されてもよい。したがって、例えば、キオスク印刷サービス116は、他のアプリケーションとのそのような通信を可能にする様々なアプリケーションプログラミングインターフェース(application programming interface、API)を実装することができる。キオスク印刷サービス116はまた、印刷デバイス管理者がキオスクモードのための印刷デバイスを登録することを可能にするウェブサイトをホストし、印刷デバイスにキオスクアプリケーションをダウンロードし、印刷デバイス(複数可)のキオスクアカウントを確立し、印刷デバイスでのキオスクモードを使用するための様々なルール、ポリシー、及び設定などを確立し得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、クラウドサーバ106はまた、文書のフォーマット及びレンダリングなどのサービスを提供することができる。クラウドサーバ106は、任意選択的に、システム100内のユーザ(及び/又は関連するモバイルデバイス)及び印刷デバイスに関する情報を記憶してもよい。例えば、クラウドサーバ106は、印刷デバイス104及び/又はユーザの登録を受信し、登録された印刷デバイス及び/又はユーザのデータストア(図示せず)に情報を記憶するように構成された登録サービス(キオスク印刷サービス116の一部であってもなくてもよい)を含んでもよく、及び/又はそれと通信してもよい。代替的及び/又は追加的に、クラウドサーバ106は、データストアからユーザ及び/又は印刷デバイスと関連付けられた情報にアクセスし、及び/又はそれを取得するように構成されてもよい。
【0041】
印刷デバイス104に関する情報としては、限定するものではないが、デバイス識別子、ネットワーク接続情報、支払情報(例えば、印刷デバイスによって提供される文書処理サービス(複数可)に関連付けられた様々なコスト、受け付ける支払方法など)、印刷デバイスの物理的位置、印刷デバイスが位置する管轄の税徴収要件、印刷デバイスに関する契約条件(例えば、加入、収益共有など)、印刷デバイスが支払文書処理ジョブに利用可能である時間を決定するための時間又はルール(例えば、アイドル時間の特定のしきい値期間の後、非ピーク需要時間中、営業時間外など)、異なる文書処理ジョブに利用可能なタイプ及び構成設定(例えば、カラー、両面、フォントサイズなど)、支払情報なしに、印刷デバイスでの文書処理ジョブを実行することを認可されたユーザの識別、印刷デバイス所有者(複数可)/管理者(複数可)(例えば、ログイン情報、連絡先情報、所有する他の印刷デバイスの識別、価格設定表、支払いなしの文書処理ジョブを実行するために所有者/管理者によって認可された関連付けられたユーザの識別など)などが挙げられる。
【0042】
ユーザに関する情報としては、限定するものではないが、ユーザ認証情報(例えば、ユーザ名、パスワードなど)、文書処理ジョブを処理するためのコストが納入され得る支払情報(例えば、クレジットカード、バックアカウント情報、財務サービス情報など)、システム内の1つ以上の印刷デバイスに関する使用履歴、ユーザ又はデバイスが、支払いなしに文書処理ジョブを実行することを認可されているかどうか、ユーザに関連付けられたモバイルデバイス(複数可)の識別などが挙げられ得る。
【0043】
モバイル電子デバイス(複数可)102a~nは、キオスクモード及び/又はスタッフモードでユーザが印刷することを望む可能性がある、及び/又はユーザが文書処理ジョブを実行することを望む可能性があるデータを記憶又はそれにアクセスすることができる任意のモバイルデバイスの例として示されている。
図1に示すように、モバイルデバイス(複数可)102a~nは、文書処理ジョブをシステム100内の印刷デバイスに提出するように構成された印刷アプリケーション112を実行することができる。印刷アプリケーション112は、文書処理ジョブがモバイルデバイス(複数可)102a~nを使用して提出される前の任意の時点に、モバイルデバイス(複数可)102a~nにインストールされてもよい。任意選択的に、印刷アプリケーション112は、モバイルデバイス(複数可)102a~nによってアクセス可能なウェブアプリケーションであってもよい。インストール及び/又は起動時に、印刷アプリケーションは、モバイルデバイスのユーザに関連付けられた支払情報を記憶し、及び/又はそれにアクセスし得る。例えば、印刷アプリケーションは、モバイルデバイスのユーザに支払情報を提供するよう促すことができる。
【0044】
モバイルデバイス102はまた、近接有効化通信リンク120を介して印刷デバイス104に通信可能に接続することもできる。近接有効化通信リンク120は、限定するものではないが、NFC、BLE、及びRFIDを含み得る。例えば、一実施形態では、NFCのような近接有効化通信リンクは、NFC対応デバイス(例えば、モバイルデバイス102)と印刷デバイスとの間の直接又は間接ネットワーク接続を開始するように動作可能であってもよい。例えば、印刷デバイスの符号化されたNFCタグは、デバイス識別子(例えば、IPアドレス、MACアドレス、デバイスシリアル番号、デバイス名など)、Bluetooth(登録商標)アドレスなど、印刷デバイスに関するネットワーク情報を識別する情報を提供することによって、別のNFC対応デバイスによって生成されたフィールドに応答することができる。この点に関して、印刷デバイスNFCタグは、例えば、モバイルデバイス102による受信のための印刷デバイス識別子を送信してもよい。モバイルデバイス102は、以下に説明するように、印刷デバイス識別子を印刷デバイスに関連付けられているとして識別し、モバイルデバイス102が、スタッフモード又はキオスクモードで印刷デバイス104に文書処理ジョブを提出することを可能にするプロセスを開始することができる印刷アプリケーション112を起動する(又はウェブホスト型印刷アプリケーション112にアクセスする)ように構成されてもよい。
【0045】
近距離通信は、2つのデバイスが近接しているときに使用され得る無線周波数通信のための規格の集合によって定義される。近距離通信の実装のためのプロトコルは、国際標準化機関によって公開されているISO/IEC18092又はISO/IEC18000-3などの産業規格に準拠し得る。近距離通信の典型的な範囲は、約10cm以下であるが、20cm以下、4cm以下、又は他の範囲であってもよい。近距離通信は、デバイス間の双方向(又はピアツーピア)通信をサポートすることができる。パッシブモードでは、NFCイニシエータデバイスは、ターゲットデバイス(又はトランスポンダ)が提供されたフィールドを変調することによって応答するために使用するキャリアフィールドを出力してもよい。アクティブモードでは、イニシエータ及びターゲットは各々、キャリアフィールドを生成することができ、デバイスは、フィールドを変更することによって通信する。双方向通信を利用するとき、2つのデバイスは、近距離通信の結果として有効にされる様々な機能を実行するためにデータを交換することができる。
【0046】
近距離通信は、通信リンクを確立するために、近接性(例えば、数インチ以下、又は場合によっては1フィート又は2フィート以下)を必要とし、したがって、別のNFCデバイスとのリンクを確立する動作を「タップ」と呼ぶことができる。本明細書で使用する「タップ」という用語は、必ずしも通信するNFCデバイス間の物理的接触を指すのではなく、むしろ、NFC通信リンクを確立するために十分に近接してNFCデバイスを配置することを指す。したがって、NFC対応スマートフォンのユーザは、NFCタグをタップして、タグからデータを送信及び/又は受信することができる。近距離通信は、近距離通信の短距離の性質のために、モバイル端末によって読み取られるデータを符号化するための他の無線プロトコル及び方法よりもいくつかの利点を提供する。いくつかの例としては、他の近隣のタグからクロストークを回避すること、アクセスを管理すること、セキュリティを改善すること、及び低電力要件が挙げられる。NFCタグはまた、モバイル端末によって読み取られると、モバイル端末に、例えば、アプリケーションの起動、特定のウェブサイトへのナビゲート、又は特定のファイルのダウンロードなど特定の処理アクションを実行させるように構成されてもよい。
【0047】
モバイルデバイス102及び/又はクラウドサーバ106は、支払サービス108と更に通信して、ゲストユーザが支払文書処理ジョブの支払いを処理することを可能にすることができる。具体的には、印刷アプリケーション112及び/又はキオスク印刷サービス106は、ゲストユーザが支払サービス108にアクセスして、印刷デバイス104の特定の支払使用のための支払いを実行することを可能にすることができる。支払サービス108は、例えば、インターネットを介して支払いを行うことを可能にするPayPalなどの電子商取引を含み得る。代替的に、支払サービス108は、クレジットカード処理サービス又は任意の他の好適な支払サービスを含み得る。いくつかの実施形態では、支払サービス108は、クラウドサーバ106内に含まれてもよい。他の実施形態では、支払サービス108は、クラウドサーバ106の外部にあってもよい。
【0048】
図1に示すように、印刷デバイス104はまた、ゲストユーザが印刷デバイス104上に支払文書処理ジョブを印刷することを可能にするために、印刷デバイス104でのキオスクモードを有効にするように構成されたキオスクアプリケーション118(ローカル及び/又はウェブアプリケーション)を実行してもよい。印刷デバイスの管理者は、印刷デバイスが(非支払文書処理ジョブに加えて)支払文書処理ジョブを受け入れることを、クラウドサーバ106が通知されるように、キオスクアプリケーション118を使用して、いつでもキオスクモード操作のために印刷デバイスを登録することができる。任意選択的に、管理者は、印刷デバイス104でのキオスクモードの利用可能性に関する異なるルールを定義することができる。そのようなルールの例としては、限定するものではないが、管理者のアクションなしにキオスクモードが自動的に有効になる定義された期間(例えば、特定の日、一日の間の特定の時間など)、印刷デバイスがしきい値期間の間アイドル状態になったときにキオスクモードを有効にすること、印刷デバイスが位置する場所で需要が増加したときにキオスクモードを有効にすること、ユーザ要求時にキオスクモードを有効にすること、様々な時間における印刷デバイスの使用履歴などが挙げられ得る。更に、管理者は、任意の所与の時間に、印刷デバイスにおける支払ジョブと非支払ジョブの優先順位に関するポリシーを定義することができる。例えば、ポリシーは、支払文書処理ジョブのみ又は非支払文書処理ジョブのみのいずれかを実行するための期間を定義することができ、そのような期間は、上記の規則に基づいて固定又は決定されてもよい。別のポリシーは、支払文書処理を実行する期間を定義することができるが、印刷デバイスがアイドルのとき、及び/又はキューに入れられた支払文書処理ジョブがないとき、非支払文書処理ジョブの実行を可能にし得る。別のポリシーは、非支払文書処理を実行する期間を定義することができるが、印刷デバイスがアイドルのとき、及び/又はキューに入れられた支払文書処理ジョブがないとき、支払文書処理ジョブの実行を可能にし得る。更に別のポリシーは、いつでも支払処理ジョブを受け入れ、任意の非支払ジョブの実行よりもそのような支払ジョブを優先させる(又はその逆)ことができる。
【0049】
キオスクアプリケーション118は、(後述するように)文書処理セッションを開始するユーザの識別に応じて、スタッフモード又はキオスクモードで動作するように印刷デバイスを制御してもよい。印刷デバイス104は、特徴を選択し、他のデータを入力するために使用され得るユーザインターフェース114を含み得る。そのようなユーザインターフェースは、例えば、オプションメニューをナビゲートするためのタッチ起動キーを有するタッチスクリーン、キーパッド、グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)、オーディオインターフェース、ディスプレイなどを含んでもよい。ユーザインターフェース114は、ユーザに情報も提供するために使用されてもよい。キオスクアプリケーション118はまた、印刷デバイスがスタッフモード又はキオスクモードで動作しているかどうかに応じて、モード依存インターフェースを出力するようにユーザインターフェース114を構成してもよい。
【0050】
一実施形態では、印刷デバイス104は、1つ以上の他のデバイス(例えば、コンピューティングデバイス103、クラウドサーバ106、及び/又はモバイルデバイス102)と通信するために使用される無線通信インターフェース(送信機、NFCインターフェース若しくはタグ、RFIDタグ、又はBLEビーコン送信機など)を含み得る。例えば、近接有効化通信リンク120を有効にするために、印刷デバイス104は、モバイルデバイス102とのそのような通信を許可するタグ115(例えば、NFCタグ、RFIDタグなど)を含み得る。タグ115は、単純に静的タグとして印刷デバイス104に貼付されてもよく、又はタグは、印刷デバイス104によって電力供給される動的タグとして印刷デバイス104の通信インターフェースに組み込まれてもよい。タグ115は、近接可能通信リンク120を介してモバイルデバイス102に送信される情報を含んでもよい。本開示は、モバイルデバイスと印刷デバイスとの間に近接有効化通信リンクを確立するための例としてNFCを説明するが、他の短距離無線通信プロトコルもまた、本開示の原理に従って使用され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0051】
特定の実施形態では、印刷デバイス104はまた、ユーザ認証のための手段を含んでもよい。印刷デバイスは、例えば、スマートカードリーダーなどの外部ユーザ認証システムに接続されてもよく、又は内部ユーザIDを含むように構成されてもよい。
【0052】
印刷デバイス104はまた、支払いの必要性の有無に関わらない、ユーザのための、文書処理ジョブを実行するために印刷デバイス104を使用するための手順を含む表記(ここには図示せず)を含んでもよい。表記はまた、印刷デバイス104でキオスクモードを有効にするための、印刷デバイス104の管理者又は所有者のための説明書を含んでもよい。
【0053】
図2は、印刷デバイスに支払(キオスクモード)又は非支払(スタッフモード)文書処理ジョブを提供するための方法200の例を示すフローチャートである。上述したように、印刷デバイスは、以下で論じられるステップの一部又は全てを実行するためのキオスクアプリケーションを実行する。
図2のフローチャート200は、逐次的な順序で動作202~228を示しているが、これは単なる例であり、追加又は代替の動作が含まれてもよいことが理解されるであろう。更に、
図2の動作及び関連する動作は、示されるものとは異なる順序で、又は並列若しくは重複する方式で実行されてもよい。
【0054】
202において、印刷デバイス104のキオスクアプリケーションは、クラウドサーバ106に印刷デバイスを登録することができる。印刷デバイス104は、印刷デバイス104上のキオスクアプリケーションの初期の起動/インストール時に登録を自動的に要求するように構成されてもよい。代替的及び/又は追加的に、印刷デバイス104のユーザは、クラウドサーバ106のキオスクサービス116によってホスティングされたキオスクアプリケーション及び/又はウェブサイトを介した印刷デバイス104の登録を手動で要求してもよい。特定の実施形態では、キオスクアプリケーションは、印刷デバイス104の登録後に印刷デバイス104にインストールされてもよい。
【0055】
登録中、印刷デバイス104は、アカウントに関連付けられてもよい。複数の印刷デバイスは、同じアカウントに関連付けられてもよい。加えて、単一の印刷デバイスは、複数のアカウントに関連付けられてもよい。
【0056】
印刷デバイス104の登録は、印刷デバイス104に一意のデバイス識別(identification、ID)を割り当てることを含み得る。デバイスIDの例としては、限定するものではないが、ランダムに生成された英数字コード(例えば、ABN0896HJY)、印刷デバイスのMACアドレス、デバイスシリアル番号、印刷デバイスのIPアドレス、印刷デバイス名、QRコード又はバーコードなどの機械可読コードなどが挙げられ得る。登録はまた、限定するものではないが、印刷デバイスにおいて提供される異なる文書処理サービス、印刷デバイス機能、印刷デバイス構成及び制約、異なる文書処理サービスに関連付けられた支払情報(例えば、機能コストメニュー、消費税徴収要件など)、承認済みの支払方法、支払文書処理サービスが提供される期間、最大及び最小の文書処理ジョブサイズ、支払モード(そのような認可されたユーザが利用可能なサービス、そのような認可されたユーザにとって利用可能な提供のルールなど)を最初に提出するように要求されることなく、印刷デバイスを使用することができる認可されたユーザ及び/又はデバイスのリストなど、印刷デバイス104に関する情報をクラウドサーバ106に提供することを含み得る。
【0057】
204において、システムは、ユーザから文書処理セッション開始要求を受信してもよい。開始要求は、要求を提出するユーザに対応するユーザ情報を含む。ユーザ情報の例としては、限定するものではないが、ログイン情報(例えば、ユーザ名、パスワード)、ユーザ電子メール、ユーザID、ゲストユーザ名又は識別情報、支払情報、デバイスが特定のユーザに関連付けられている場合に開始要求が受信されたデバイスに対応するデバイス識別子(例えば、MACアドレス、IPアドレス、デバイス名、証明書など)、ユーザのデバイスに関連付けられたネットワーク情報などが挙げられ得る。印刷デバイスは、コンピューティングデバイス、モバイルデバイス(例えば、モバイルデバイスで印刷アプリケーションを起動することによる、近接有効化通信リンクの確立など)、及び/又は印刷デバイス自体のユーザインターフェース(すなわち、ウォークアップ要求)から開始要求を受信することができる。
【0058】
モバイルデバイスからの開始要求の提出のために、(上述のように)モバイルデバイスと印刷デバイスとの間に近接有効化通信リンクを確立することができ、印刷デバイス識別子がモバイルデバイスに送信されてもよい。任意選択的に、デバイス識別子は、印刷デバイス(例えば、機械可読コード)上に印刷されてもよく、モバイルデバイスを使用してユーザによってスキャンされてもよい。また、モバイルデバイスと印刷デバイスとの間に近接有効化通信リンクが確立されると、以下に説明するステップのうちのいくつかを実行するために、印刷アプリケーションをモバイルデバイスで起動することができることに留意されたい。
【0059】
206において、システムは、要求された文書処理セッションがキオスクモードで実行されるか(すなわち、セッションがゲストユーザによって提出されたか)又はスタッフモードで実行される(すなわち、セッションが認可されたユーザによって提出された)かを決定するために、開始要求に含まれるユーザ情報を使用し得る。例えば、印刷デバイスは、ユーザ情報(例えば、デバイス識別子、ユーザ名、ログイン情報など)を分析して、最初に支払モードを提示することなくデバイス又は印刷デバイスを使用することを認可されたユーザに対応するかどうかを決定することができる。例えば、上述したように、印刷デバイスがクラウドサーバに登録されているとき、管理者は、最初に支払モードを提供することなく、認可されたユーザ及び/又は印刷デバイスを使用することを認可されたデバイスのリストを定義することができ、これは、ユーザ情報がリスト上のユーザに対応するかどうかを決定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、システムは、要求が受信されたネットワーク又はドメインを識別することができ、要求が、印刷デバイスが接続されているネットワーク又はドメインから受信された場合、システムは、ユーザが認可されたユーザであると決定することができる(及び、そうでない場合、システムは、ユーザがゲストユーザであると決定することができる)。いくつかの実施形態では、認可されたユーザは、それらのモバイルデバイス又は他のコンピューティングデバイスに既知の印刷ドライバがインストールされていてもよく、印刷ドライバはトークンを提示してもよく、又は、システムがユーザを認可されたユーザとして識別するために使用することができる符号化で印刷セッション要求を符号化してもよい。トークン又は符号化が提示されない場合、システムは、ユーザがゲストユーザであると決定することができる。システムは、要求された文書処理セッションがスタッフモードで実行されると決定した場合、印刷デバイス(208)上でスタッフモードの文書処理セッションを開始することができる。印刷デバイスでのスタッフモード文書処理セッションを開始することは、セッション中に受信された1つ以上の文書処理ジョブを実行するように、印刷デバイスを構成すること、非支払文書処理ジョブに関連付けられたジョブ制限及びルールのような情報を提供すること、印刷デバイスのキューに入れられた任意の以前に提出されたジョブを列挙すること、支払文書処理ジョブを無効にし、及び/又はキューに入れることを含み得る。例えば、スタッフモードセッションが開始されると、印刷デバイス104での支払ジョブの実行は、例えば、ウォークアップ開始要求インターフェース、ネットワーク制限などを無効にすることによって制限又は禁止され得る。他の実施形態では、スタッフモードセッションが開始されると、印刷デバイス104は、ゲストユーザ文書処理ジョブをキオスクモードセッションが開始された後で実行するためのキューに入れることができる。
【0060】
スタッフモード文書処理セッション中、システムは、開始要求が受信されたデバイス(すなわち、印刷デバイス、モバイルデバイスなど)上でスタッフモードユーザインターフェースを出力してもよい。スタッフモードのユーザインターフェースは、印刷デバイスにおける非ゲスト文書処理ジョブ(及び/又は関連情報)の提出及び実行のための様々なステップを通じてユーザを案内する様々な手順、アイコン、タブ、又は他のユーザインターフェース要素を含むカスタムインターフェースであってもよい。例えば、スタッフモードのユーザインターフェースは、文書処理ジョブの実行を認可されたユーザに関連付けられたユーザID、ユーザの役割又は肩書き、ユーザが利用可能な文書処理ジョブのタイプ(スキャン、FAX、印刷など)、ユーザが利用可能な印刷デバイスの機能(例えば、白黒、カラー、両面印刷など)、文書処理要求を実行するための情報の要求(例えば、文書処理要求を提出した理由など)などを提供してもよい。
【0061】
次いで、システムは、スタッフモードユーザインターフェースを介して1つ以上の文書処理ジョブ(210)を受信し得る。そのような文書処理ジョブは、以前にキューに入れられたジョブ(例えば、キオスクモードセッション中に受信された)及び/又は新しいジョブであってもよい。文書処理ジョブ(複数可)がモバイルデバイス又はコンピューティングデバイスで受信される場合、(デバイスが印刷デバイスと同じネットワーク上にある場合直接、及び/又はクラウドサーバを介して間接的に)印刷デバイスに転送されてもよい。例えば、モバイルデバイスは、文書処理ジョブ(複数可)と共に、受信した印刷デバイス識別子をクラウドサーバに送信してもよい。任意選択的に、ユーザは、モバイルデバイスで印刷アプリケーションを手動で起動し、そのジョブ要求と共に、クラウドサーバへの送信のためにデバイス識別子を入力することができる。代替的及び/又は追加的に、ユーザは、例えば、モバイルデバイスのカメラを使用して、デバイス識別子の画像をスキャン又はキャプチャしてもよい。モバイルデバイスと印刷デバイスとの間に近接有効化通信リンクが確立された場合、印刷アプリケーションは、デバイス識別子及びジョブ要求をクラウドサーバに自動的に送信することができる。クラウドサーバは、一意の印刷デバイス識別子を使用して文書処理ジョブ用の印刷デバイスを識別し、文書処理ジョブを識別された印刷デバイスに送信することができる。
【0062】
印刷デバイスは、ユーザに関連付けられたルール(例えば、白黒印刷のみが可能である、カラー印刷が可能であるなど)及び/又は文書処理ジョブで受信したジョブパラメータ(例えば、両面又は片面、印刷又は白黒、フォントサイズ及びスタイル、照合、パンチング指示など)に従って、文書処理ジョブ(複数可)(212)を実行してもよい。要求が文書処理ジョブを実行するためのジョブパラメータを含まない場合、印刷デバイスは、印刷デバイスのスタッフモードインターフェース又は要求が受信された別のデバイスを介してパラメータを提供するようにユーザに促すことができる。任意選択的に、印刷デバイスは、(例えば、印刷デバイス機能に基づいて)パラメータを決定してもよく、又は予め定義されたデフォルトパラメータを利用してもよい。
【0063】
システムは、要求された文書処理セッションがゲストユーザからのものであり、したがってキオスクモードで実行されると決定した場合、印刷デバイス(214)上でキオスクモードの文書処理セッションを開始することができる。印刷デバイスは、ウォークアップ(ゲスト)ユーザがスタッフモードセッションを開始することを禁止するように構成されてもよい。印刷デバイスでのキオスクモード文書処理セッションを開始することは、関連するコストの支払いの成功時にのみ、セッション中に受信された1つ以上の文書処理ジョブを実行するように、印刷デバイスを構成すること、支払文書処理ジョブに関連付けられたジョブ制限及びルールのような情報を提供すること、印刷デバイスのキューに入れられた任意の以前に提出されたジョブを列挙すること、非支払文書処理ジョブを無効にし、及び/又はキューに入れることを含み得る。例えば、キオスクモードセッションが開始されると、ユーザがジョブの支払いのモードを提示するまで、印刷デバイス104上でのジョブの実行は制限又は禁止され得る。キオスクモードのユーザインターフェースは、ゲストユーザのモバイルデバイスにインストールされたウェブブラウザ又は専用アプリケーションを介して、クラウドサーバ106に支払いを提出するようにゲストユーザに指示することができる。次いで、印刷デバイスは、クラウドサーバがゲストユーザの支払モードを受信したことの確認をクラウドサーバ106から受信するのを待つことができ、印刷デバイスはそれ自体が支払いを受信しないようにしてもよい。
【0064】
キオスクモードでは、印刷デバイスの特定のユーザインターフェース構成要素が無効にされ、USBポートが無効にされ、認可されたユーザが利用可能な他の機能が無効にされ得る。同様に、キオスクモードでは、印刷デバイス104は、ゲストユーザ(例えば、コンピューティングデバイス103のユーザ)が、例えば、ネットワーク制限機構を介して印刷デバイス104にスタッフモード開始要求を提出することを制限できるように構成されてもよい。他の実施形態では、キオスクモードが有効にされると、印刷デバイス104は、キュー内に存在する全てのスタッフモードセッション印刷ジョブが完了した後に、全てのゲストユーザの文書処理ジョブを後で実行するためにキューに入れてもよい。代替的に、印刷デバイスは、スタッフモードの印刷ジョブよりもゲストモードの印刷ジョブを優先させるように構成されてもよく、ゲストモードの印刷ジョブが完了するまで、スタッフモードの印刷ジョブをキューに保持してもよい(及び、任意選択的に、保留中のスタッフモードの印刷ジョブを中断してもよい)。
【0065】
キオスクモード文書処理セッション中、システムは、開始要求が受信されたデバイス(すなわち、印刷デバイス、モバイルデバイスなど)上でキオスクモードユーザインターフェースを出力してもよい。キオスクモードのユーザインターフェースは、印刷デバイスにおけるスタッフモード文書処理ジョブ(及び/又は関連情報)の提出及び実行のための様々なステップを通じてユーザを案内する様々な命令、アイコン、タブ、又は他のユーザインターフェース要素を含むカスタムインターフェースであってもよい。例えば、キオスクモードのユーザインターフェースは、ユーザが利用可能な文書処理ジョブのタイプ(スキャン、FAX、印刷など)、印刷デバイスの機能(例えば、白黒、カラー、両面印刷など)、利用可能な印刷デバイス(複数可)のリスト、ユーザが利用可能な様々な支払オプション、様々なタイプのジョブ及びジョブパラメータのコストメニュー、支払情報を入力するためのユーザインターフェース、文書処理契約の条件及びサービスなどを提供してもよい。
【0066】
次いで、システムは、キオスクモードのユーザインターフェースを介して1つ以上の文書処理ジョブ(216)を受信し得る。そのような文書処理ジョブは、以前にキューに入れられたジョブ(例えば、スタッフモードセッション中に受信される)及び/又は新しいジョブであってもよい。文書処理ジョブ(複数可)がモバイルデバイス又はコンピューティングデバイスで受信される場合、デバイスが印刷デバイスと同じネットワーク上にある場合直接、及び/又はクラウドサーバを介して間接的に印刷デバイスに転送されてもよい。例えば、モバイルデバイスは、文書処理ジョブ(複数可)と共に、受信した印刷デバイス識別子をクラウドサーバに送信してもよい。クラウドサーバは、一意の印刷デバイス識別子を使用して文書処理ジョブ用の印刷デバイスを識別し、文書処理ジョブを識別された印刷デバイスに送信することができる。任意選択的に、ユーザは、モバイルデバイスで印刷アプリケーションを手動で起動し、そのジョブ要求と共に、クラウドサーバへの送信のためにデバイス識別子を入力することができる。代替的及び/又は追加的に、ユーザは、例えば、モバイルデバイスのカメラを使用して、デバイス識別子の画像をスキャン又はキャプチャしてもよい。モバイルデバイスと印刷デバイスとの間に近接有効化通信リンクが確立された場合、印刷アプリケーションは、デバイス識別子及びジョブ要求をクラウドサーバに自動的に送信することができる。
【0067】
任意選択的に、印刷デバイスは、認可されたユーザからセッション開始要求を受信するまで、デフォルトでキオスクモードに構成されてもよく、セッション開始要求を受信した時点でスタッフモードに切り替わる。代替的に、印刷デバイスは、ゲストユーザからセッション開始要求を受信するまで、デフォルトでキオスクモードに構成されてもよく、セッション開始要求を受信した時点でキオスクモードに切り替わる。
【0068】
218において、システム(例えば、クラウドサーバ、印刷デバイス、及び/又はモバイルデバイス)は、印刷デバイスに関する情報(例えば、機能コストメニュー、適用される税金、契約条件など)に従って文書処理ジョブを実行することに関連付けられたコストを決定することができる。特定の実施形態では、コストはまた、印刷機能を有効にするためにクラウドサーバによって請求される手数料、支払サービス料などを含んでもよい。220において、システムは、例えば、印刷デバイスインターフェース、モバイルデバイスインターフェースなどを介して、承認のために、キオスクモードセッションに関連付けられたユーザに決定されたコストを出力することができる。いくつかの実施形態では、ゲストユーザが以前にクラウドサーバに登録している場合、クラウドサーバは、(例えば、モバイルデバイスに印刷アプリケーションをインストールするときにゲストユーザによって提供された)ゲストユーザに関連付けられた支払いのモードを自動的に識別することができる。しかしながら、システムがゲストユーザに関連付けられた支払処理サービスに関する情報を有さない場合、システムはまた、限定するものではないが、クレジットカードアカウント番号、デビットカードアカウント番号、電子支払アカウント情報などの支払いのモードを提供するようにユーザに促すこともできる。上述のように、システムはまた、スタッフユーザから受信したジョブのコストを決定することができるが、そのような場合、システムは、印刷ジョブの料金をユーザの組織のアカウントに自動的に請求し、認可されたユーザが支払いのモードを提示する必要がない。
【0069】
ユーザが決定されたコストを承認した場合、印刷デバイスは、文書処理ジョブで受信したジョブパラメータ(例えば、両面又は片面、印刷又は白黒、フォントサイズ及びスタイル、照合、パンチング指示など)及び/又はキオスクモードの許可されたジョブパラメータに関連付けられたルールに従って、文書処理ジョブ(複数可)を実行してもよい(222)。要求が文書処理ジョブを実行するためのジョブパラメータを含まない場合、印刷デバイスは、印刷デバイスのキオスクモードインターフェース又は要求が受信された別のデバイスを介してパラメータを提供するようにユーザに促すことができる。任意選択的に、印刷デバイスは、(例えば、印刷デバイス機能に基づいて)パラメータを決定してもよく、又は予め定義されたデフォルトパラメータを利用してもよい。ゲストユーザが決定されたコストを承認しない場合、システムは文書処理ジョブをキャンセルすることができる(224)。
【0070】
226において、システムは、現在のセッション(スタッフモードセッション又はキオスクモードセッション)を終了できるかどうかを決定することができる。セッションを終了するためのユーザ命令を受信したとき、セッションを開始したユーザのログオフ時、セッションを開始したモバイルデバイスと印刷デバイスとの間の近接可能リンクを無効にしたとき、特定の期間の満了時、特定の期間の間、文書処理要求を受信しなかったときなどに、セッションが終了され得る。現在のセッションを終了できない場合(226:いいえ)、印刷デバイスは、上述のように、実行文書処理ジョブを受信し続けることができる。
【0071】
現在のセッションを終了できる場合(226:はい)、システムは、セッションを終了し、ユーザに関連付けられた支払処理サービスに、セッション中に文書処理ジョブを実行するためのコストを納入させることによって、トランザクション(複数可)を終わらせることができる(228)。いくつかの実施形態では、支払処理に関する通信は、現在又は今後知られる任意の方法を使用して、セキュリティ目的で暗号化されるか、又は他の方法で保護されてもよい。クラウドサーバはまた、ゲストユーザに支払いの証明を送信してもよい。上述のように、クラウドサーバは、現在のセッションが終了するまで、印刷デバイスに新しいセッション(スタッフモード又はキオスクモード)の開始を無効にすることができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、クラウドサーバはまた、印刷デバイスによって実行され得るように、ジョブ要求を適切にフォーマットしてもよい。
【0073】
図3は、プログラム命令を含むか、又は実装するために使用され得る、モバイルデバイス、印刷デバイス、又はクラウドサーバ及び/又はハードウェアなど、システムの電子構成要素のいずれかに含まれ得る内部ハードウェアの例を示す。バス300は、ハードウェアの他の例示された構成要素を相互接続する主な情報ハイウェイとして機能する。CPU305は、プログラムを実行するために必要とされる計算及び論理演算を実行する、システムの中央処理ユニットである。CPU305は、単独で、又は
図3に開示される他の要素のうちの1つ以上と併せて、プロセッサの一例であり、そのような用語が本開示で使用される。読み出し専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体320、メモリデバイス又はデータストアの例を構成し、そのような用語が本開示内で使用される。
【0074】
インターフェースを提供し、1つ以上のデータセットに関連付けられた任意のクエリ又は分析を実行するためのプログラム命令、ソフトウェア、又は対話型モジュールがメモリデバイス320に記憶されてもよい。任意選択的に、プログラム命令は、コンパクトディスク、デジタルディスク、フラッシュメモリ、メモリカード、USBドライブ、光ディスク記憶媒体及び/又は他の記録媒体など有形の非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶されてもよい。
【0075】
任意選択のディスプレイインターフェース330は、バス300からの情報が、可聴、視覚、グラフィック、又は英数字形式でディスプレイデバイス335に表示されることを可能にしてもよい。外部デバイスとの通信は、様々な通信ポート340を使用して行われ得る。通信ポート340は、インターネット又はイントラネットなどの通信ネットワークに取り付けられてもよい。
【0076】
ハードウェアはまた、キーパッド350などの入力デバイス、又はタッチスクリーン、リモートコントロール、ポインティングデバイス、ビデオ入力デバイス及び/又はオーディオ入力デバイスなど他の入力デバイス355からのデータの受信を可能にするインターフェース345を含み得る。
【0077】
様々な上記で開示された及び他の特徴及び機能、又はこれらの代替物が、好ましくは、他の多くの異なるシステム又はアプリケーション、又はシステムとアプリケーションの組み合わせに結合され得ることが理解されるであろう。また、様々な現在予期されない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、当業者によって行われてよく、これらはまた、以下の「特許請求の範囲」によって包含されることが意図されている。