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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】ボックス組立ての方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B31B 50/30 20170101AFI20240701BHJP
   B31B 100/00 20170101ALN20240701BHJP
   B31B 110/35 20170101ALN20240701BHJP
【FI】
B31B50/30
B31B100:00
B31B110:35
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2021512243
(86)(22)【出願日】2019-09-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 US2019049535
(87)【国際公開番号】W WO2020096685
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】1851054-5
(32)【優先日】2018-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511117392
【氏名又は名称】パックサイズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】ペッターソン,ニクラス
(72)【発明者】
【氏名】ブロムベルク,ヨハン
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03288349(US,A)
【文献】特開2007-185799(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0264271(US,A1)
【文献】特開平06-099526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B50/00-70/99
B31C 1/00-99/00
B31D 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボックステンプレートからボックスを組み立てるための方法であって、
ボックステンプレートがボックス組立てシステムの供給部を通して送り出される前に前記供給部の第1の案内デバイスの折り畳み位置を選択的に調整するステップであって、前記第1の案内デバイスの前記折り畳み位置は、最終的に組み立てられたボックスの高さに相当する前記ボックステンプレートの側壁の高さに従って調整可能であるステップと、
前記第1の案内デバイスで前記ボックステンプレートの2つの第1の底部フラップおよび2つの第2の底部フラップを対応する側壁に対して折り畳むステップであって、前記第1および第2の底部フラップが、前記ボックスが組み立てられたときに前記ボックスの底部を形成するように構成され、また、前記ボックスが組み立てられたときに、前記ボックス内で前記2つの第1の底部フラップが互いに向かい合い、前記2つの第2の底部フラップが互いに向かい合い、前記ボックステンプレートの前記第1および第2の底部フラップを折り畳むステップは、前記第1の案内デバイスが前記第1および第2の底部フラップを強制的に折り畳ませるように、前記ボックステンプレートを前記フレームに向かって前記ボックス組立てシステムの前記供給部に通して送り出すことを含み、前記2つの第1の底部フラップを第1の量だけ折り畳むこと、および前記2つの第2の底部フラップを前記第1の量とは異なる第2の量だけ折り畳むことを含む、底部フラップを折り畳むステップと、
前記ボックステンプレートをフレームに取り付けるステップと、
前記ボックステンプレートを前記フレームに巻き付けるために前記フレームを回転させるステップと、
を含み、
前記2つの第1の底部フラップを前記第1の量だけ折り畳み、前記2つの第2の底部フラップを前記第2の量だけ折り畳むことは、前記ボックステンプレートが前記フレームに巻き付けられるときに、前記2つの第1の底部フラップと前記2つの第2の底部フラップとが互いに衝突するのを防止するようになっている、
方法。
【請求項2】
前記ボックステンプレートを前記フレームに向かってボックス組立てシステムの前記供給部に通して送り出すことにより、前記第1の案内デバイスが前記第1および第2の底部フラップを前記ボックステンプレートの隣接する側壁部に対して60から90度の角度で折り畳ませる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ボックステンプレートを前記フレームに巻き付けるために前記フレームを回転させるステップの前に、
前記ボックステンプレートの2つの第1の頂部フラップおよび2つの第2の頂部フラップを折り畳むステップであって、前記第1および第2の頂部フラップが、前記ボックスが組み立てられて閉じられたときに前記ボックスの頂部を形成するように構成され、また、前記ボックスが組み立てられたときに、前記ボックス内で前記2つの第1の頂部フラップが互いに向かい合い、前記2つの第2の頂部フラップが互いに向かい合う、頂部フラップを折り畳むステップをさらに含み、前記第1および第2の頂部フラップが、前記ボックステンプレートの隣接する側壁部に対して折り畳まれ、かつ、前記底部フラップの前記折り畳みとは反対方向に折り畳まれる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
組立て済みのボックスが前記フレームから分離される前に前記ボックスの継ぎ代および底部をシールするステップをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ボックスの継ぎ代および底部をシールするステップが、前記ボックステンプレートが完全に前記フレームに巻き付けられる前に前記ボックステンプレートの第1の端部または第2の端部および前記第1または第2の底部フラップに接着剤を提供することと、前記継ぎ代を圧迫することと、前記底部をシールするために前記第1の底部フラップを前記第2の底部フラップに向かって圧迫することと、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ボックステンプレートを前記フレームに取り付けるステップが、前記フレームに設けられた4つの角部柱のうちの1つに前記ボックステンプレートの第1の端部を取り付けることを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ボックステンプレートが前記フレームに巻き付けられる前に前記ボックステンプレートのサイズに従って前記フレームのサイズを調整するステップ
をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記フレームの前記サイズを調整するステップが、前記フレームに接続された制御システムにより前記フレームの前記サイズを制御することを含み、前記調整するステップが、前記フレームに設けられた4つの角部柱間の距離によって制御することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ボックステンプレートが前記ボックス組立てシステムの前記供給部を通して送り出される前に前記供給部の第2の案内デバイスの折り畳み位置を調整するステップをさらに含み、前記第2の案内デバイスの前記折り畳み位置が、最終的に組み立てられたボックスの高さに相当する前記ボックステンプレートの側壁の高さに従って調整される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
巻き付けられた前記ボックステンプレートの内側に前記フレームを保持しながら底部が折り畳まれ得るように、前記フレームの遠位端部を前記ボックステンプレートの底部フラップクリーズと実質的に一致させて位置決めするステップをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ボックステンプレートからボックスを組み立てるためのボックス組立てシステムであって、
フレームと、
前記フレームに接続され、かつ、組み立てられるべきボックステンプレートの第1の端部に前記フレームを取り付けるように構成された取付けデバイスと、
前記フレームに接続され、かつ、前記フレームに取り付けられたボックステンプレートを前記フレームに巻き付けるために前記フレームを回転させるように構成された制御システムと、
前記ボックステンプレートが前記フレームに巻き付けられる前に前記ボックステンプレートの2つの第1の底部フラップおよび2つの第2の底部フラップを対応する側壁に対して折り畳むために前記ボックス組立てシステム内に配置された第1の案内デバイスであって、前記第1および第2の底部フラップが、前記ボックスが組み立てられたときに前記ボックスの底部を形成するように構成され、また、前記ボックスが組み立てられたときに、前記ボックス内で前記2つの第1の底部フラップが互いに向かい合い、前記2つの第2の底部フラップが互いに向かい合い、前記第1の案内デバイスの折り畳み位置は選択的に調整可能であり、前記折り畳み位置は、最終的に組み立てられたボックスの高さに相当する前記ボックステンプレートの前記側壁の高さに従って調整可能であり、前記第1の案内デバイスは、前記2つの第1の底部フラップを第1の量だけ折り畳み、前記2つの第2の底部フラップを前記第1の量とは異なる第2の量だけ折り畳むように構成され、前記2つの第1の底部フラップを前記第1の量だけ折り畳み、前記2つの第2の底部フラップを前記第2の量だけ折り畳むことは、前記ボックステンプレートが前記フレームに巻き付けられるときに、前記2つの第1の底部フラップと前記2つの第2の底部フラップとが互いに衝突するのを防止するようになっている、第1の案内デバイスと、
を備える、ボックス組立てシステム。
【請求項12】
前記ボックステンプレートを前記フレームに向かって供給部の経路に沿って送り出すために前記ボックス組立てシステムの前記供給部に設けられた送出しデバイスをさらに備え、前記フレームが、前記供給部の出口側に設けられ、前記第1の案内デバイスが、前記ボックステンプレートが前記供給部を通して供給されるときに前記第1の案内デバイスが前記第1および第2の底部フラップを前記ボックステンプレートの隣接する側壁部に対して60から90度の間で強制的に折り畳ませるように、前記供給部に対して配置される、請求項11に記載のボックス組立てシステム。
【請求項13】
前記供給部に設けられ、かつ、前記ボックスが前記供給部を通して供給されるときに前記2つの第1の底部フラップまたは前記2つの第2の底部フラップのどちらかにさらなる折り畳み量を提供するように構成された少なくとも1つのアクチュエータをさらに備える、請求項12に記載のボックス組立てシステム。
【請求項14】
前記ボックス組立てシステムの供給部に設けられ、かつ、前記ボックステンプレートが前記フレームに巻き付けられる前に前記ボックステンプレートの2つの第1の頂部フラップおよび2つの第2の頂部フラップを折り畳むように構成された第2の案内デバイスをさらに備え、前記第1および第2の頂部フラップが、前記ボックスが組み立てられて閉じられたときに前記ボックスの頂部を形成するように構成され、前記ボックスが組み立てられたときに前記ボックス内で前記2つの第1の頂部フラップが互いに向かい合いまた前記2つの第2の頂部フラップが互いに向かい合い、前記第1および第2の頂部フラップが、前記ボックステンプレートの隣接する側壁部に対してまた前記底部フラップの折り畳みとは反対方向に折り畳まれるように構成される、請求項11から13のいずれか一項に記載のボックス組立てシステム。
【請求項15】
前記ボックステンプレートが完全に前記フレームに巻き付けられる前に前記ボックステンプレートの第1の端部または第2の端部にまた前記第1または第2の底部フラップのうちの少なくとも1つに接着剤を提供するように構成された接着デバイスをさらに備える、請求項11から14のいずれか一項に記載のボックス組立てシステム。
【請求項16】
前記フレームが、前記フレームのサイズを画定している調整可能部分を含み、前記制御システムが、組み立てられるべきボックステンプレートのサイズに従って前記調整可能部分を調整することにより前記フレームの前記サイズを調整するように構成される、請求項11から15のいずれか一項に記載のボックス組立てシステム。
【請求項17】
前記フレームの前記調整可能部分が、4つの角部柱を含み、前記制御システムが、組み立てられる様々なボックスのサイズに対して前記角部柱の位置を制御するように構成される、請求項16に記載のボックス組立てシステム。
【請求項18】
各角部柱が、巻き付けられた前記ボックスの2つの側壁間の角部内に提供され、前記フレームの前記サイズの調整が、組み立てられる前記ボックスの幅および長さに相当する距離である前記角部柱間の距離を調整することによって提供される、請求項17に記載のボックス組立てシステム。
【請求項19】
前記角部柱のうちの少なくとも1つが、前記フレームへのボックステンプレートの巻き付け中に前記ボックステンプレートの第1の端部が取り付けられ得る取付けデバイスを含む、請求項17または18に記載のボックス組立てシステム。
【請求項20】
前記制御システムが、巻き付けられた前記ボックステンプレートの内側に前記フレームを保持しながら底部が折り畳まれ得るように前記フレームの遠位端部が前記ボックステンプレートの底部フラップクリーズと実質的に一致した状態で前記ボックステンプレートに前記フレームを提供するように構成される、請求項11から19のいずれか一項に記載のボックス組立てシステム。
【請求項21】
前記制御システムが、前記ボックステンプレートが供給部を通して送り出される前に前記ボックス組立てシステムの前記供給部の前記第1の案内デバイスおよび第2の案内デバイスの折り畳み位置を制御するように構成され、前記折り畳み位置が、最終的に組み立てられた前記ボックスの高さに相当する高さである前記ボックステンプレートの側壁の高さに従って調整される、請求項11から20のいずれか一項に記載のボックス組立てシステム。
【請求項22】
前記制御システムが、プロセッサと、前記プロセッサ上で実行されたときに前記制御システムに請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行させるコンピュータプログラムとを含む、請求項11から21のいずれか一項に記載のボックス組立てシステム。
【請求項23】
ボックス組立てシステムの制御システム内のプロセッサ上で実行されたときに前記制御システムに請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行させるコンピュータ可読コードを含む、コンピュータプログラム。
【請求項24】
シート材料からボックスを作製するための方法であって、
シート材料からボックステンプレートを作製するステップと、
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法に従って前記ボックステンプレートを組み立てるステップと、
を含む方法。
【請求項25】
蛇腹状に折り畳まれたシート材料のベールからまたはシート材料のロールからボックス作製システムの変形部に前記シート材料を提供するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記フレームへのボックステンプレートの前記巻き付けが前記変形部でのボックステンプレートへのシート材料の変形と同期され、それによりシート材料から組立て済みのボックスに至るまでの全工程が連続工程となるように、前記ボックス組立てシステムの制御システムを前記変形部の制御システムと同期させるステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
シート材料を受け入れるための少なくとも1つの入口と、
前記シート材料を受け入れて前記シート材料を所与の命令に従ってボックステンプレートに変形するように構成された少なくとも1つの変形部と、
前記少なくとも1つの変形部から供給されるボックステンプレートを組み立てるように構成された、請求項11から22のいずれか一項に記載の少なくとも1つのボックス組立てシステムと、
を備える、ボックス作製システム。
【請求項28】
前記少なくとも1つの入口が、蛇腹状に折り畳まれたシート材料のベールからまたはシート材料のロールから前記シート材料を受け入れるように構成される、請求項27に記載のボックス作製システム。
【請求項29】
前記ボックス組立てシステムの前記制御システムが、前記フレームへのボックステンプレートの前記巻き付けが前記変形部でのボックステンプレートへのシート材料の変形と同期され、それによりシート材料から組立て済みのボックスに至るまでの全工程が連続工程となるように、前記変形部の制御システムと同期または統合される、請求項27または28に記載のボックス作製システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月5日に出願され「A BOX ERECTING METHOD AND SYSTEM」と題されたスウェーデン特許出願第1851054.5号の優先権および利益を主張するものであり、その出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ボックス組立て(box erecting)の方法およびシステム、ならびにボックス作製の方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
例えば輸送および包装業界において、ボックステンプレートからボックスを組み立てることは、手動でかつ/または何らかの組立てツールの助けを借りて行われ得る。それらのツールは、例えば、ボックステンプレートの特定の部分を把握すると同時に例えばボックスの底部などの他の部分を折り畳むための真空ツールを含み得る。ボックスの自動組立ては、例えば、同じツールを使用して様々なサイズのボックスが組み立てられなければならない場合、および/または、例えばテンプレート材料の蛇腹折り保管(fanfold storage)に起因してテンプレートに与えられた折り目によりボックスの壁に必要とされるような安定性がない場合に、問題に遭遇し得る。
【0004】
輸送および包装業界は、シート材料をボックステンプレートに変形する、厚紙および他のシート材料の加工設備を頻繁に使用する。そのような設備の1つの利点は、荷送人が、標準的な種々のサイズの予め作られたボックスの在庫を保持する代わりに、要求に応じて必要なサイズのボックスを用意することができることである。したがって、荷送人は、予め作られた標準的なサイズのボックスを保管することの他に、特定のボックスのサイズに対する要求を予測する必要性を排除することができる。代わりに、荷送人は、各輸送時に具体的なボックスサイズの要求に基づいて種々のボックスサイズを生成するために使用され得る蛇腹折り材料の1つまたは複数のベールを保管することができる。それにより、荷送人は、定期的に使用される輸送用品のために必要とされる保管スペースを減少することが可能となり、また、輸送される物品およびそれらのそれぞれの寸法が時々変わるときに、ボックスサイズ要求を予測する本質的に不正確な過程に関連する無駄および費用を減少することが可能になる。
【0005】
多数のサイズの予め作られたボックスを保管することに関連する効率の悪さを低減することに加えて、特注サイズのボックスを作ることは、包装および輸送の費用も削減する。フルフィルメント業界では、輸送される物品は一般的に輸送される物品よりも約65%大きいボックスで包装されると推定されている。より大きいボックスを作るために使用される余分な材料の費用のために、特定の物品に対して過度に大きいボックスは、その物品のために特注サイズとされたボックスよりも高価である。大きすぎるボックスに物品が梱包される場合、物品がボックスの内部で移動するのを防ぐために、また、圧力が加えられたときに(例えば、ボックスがテープで閉じられるときまたは積み重ねられるときに)ボックスが凹むのを防ぐために、充填材料(例えば、スタイロフォーム(登録商標)、フォームピーナッツ(foam peanut)、紙、エアピロー、など)がボックスに入れられることが多い。これらの充填材料は、大きすぎるボックスに物品を梱包することに関連する費用をさらに増大させる。
【0006】
特注サイズのボックスはまた、大きすぎるボックスで物品を輸送することと比較して、物品の輸送に関連する輸送費用を削減する。包装された物品よりも65%大きいボックスで満たされた輸送用車両は、包装された物品に適合するように特注サイズとされたボックスで満たされた輸送用車両よりも、運転に対する費用効率がずっと低い。言い換えれば、特注サイズのボックスで満たされた輸送用車両は、遙かに多くの荷物を運ぶことができ、それにより、同数の物品を輸送するのに必要とされる輸送用車両の台数を減らすことができる。したがって、荷物の重さに基づいて輸送料を計算することに加えて、またはその代わりに、輸送料は、輸送される荷物のサイズの影響を受けることがしばしばある。したがって、物品の包装のサイズを小さくすることにより、物品の輸送料を引き下げることができる。輸送料が荷物のサイズに基づいて計算されない(例えば、荷物の重さのみに基づいて計算される)場合でも、より小さい特注サイズの包装は、使用する包装材料および充填材料がより少ないことから、大きすぎる包装よりも軽量になるので、特注サイズの包装を使用することにより輸送費用を削減することができる。
【0007】
典型的なボックステンプレート作製システムは、シート材料を切断し、スコアを入れ、かつ/またはクリーズを入れてボックステンプレートを形成する、変形部を含む。シート材料は、蛇腹状に折り畳まれた(fanfolded)ベールからシステムに供給され得る。シート材料の蛇腹折り保管は、ボックステンプレートに不要な蛇腹状折り目(fanfold fold)を与える。これらの折り目は、ボックスを組み立てる際、特に自動組立てのためのツールが使用される場合には、問題になり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、ボックスを組み立てるための改善された方法およびシステムを提供することである。
本発明のさらなる目的は、自動化されかつ順応性のある、ボックスを組み立てるための方法およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これは、独立請求項に記載のボックスを組み立てるための方法およびシステムにおいて達成される。
本発明の1つの態様では、ボックステンプレートからボックスを組み立てるための方法が提供される。上記方法は、
- ボックステンプレートの2つの第1の底部フラップおよび2つの第2の底部フラップを折り畳むステップであって、第1および第2の底部フラップが、ボックスが組み立てられたときにボックスの底部を構成し、また、ボックスが組み立てられたときに、ボックス内で2つの第1の底部フラップが互いに向かい合い、2つの第2の底部フラップが互いに向かい合う、底部フラップを折り畳むステップと、
- ボックステンプレートをフレームに取り付けるステップと、
- ボックステンプレートをフレームに巻き付けるためにフレームを回転させるステップと、
を含む。
【0010】
本発明の別の態様では、ボックステンプレートからボックスを組み立てるためのボックス組立てシステムが提供される。上記ボックス組立てシステムは、
- フレームと、
- フレームに接続され、かつ、組み立てられるボックステンプレートの第1の端部にフレームを取り付けるように構成された取付けデバイスと、
- 上記フレームに接続され、かつ、フレームに取り付けられたボックステンプレートをフレームに巻き付けるために上記フレームを回転させるように構成された制御システムと、
- ボックステンプレートがフレームに巻き付けられる前にボックステンプレートの2つの第1の底部フラップおよび2つの第2の底部フラップを折り畳むためにボックス組立てシステム内に配置された第1の案内デバイスであって、ボックスが組み立てられたときに、第1および第2の底部フラップがボックスの底部を構成し、また、ボックスが組み立てられたときに、ボックス内で2つの第1の底部フラップが互いに向かい合い、2つの第2の底部フラップが互いに向かい合う、第1の案内装置と、
を備える。
【0011】
それにより、ボックスを組み立てるための信頼性のある工程が達成される。ボックスをフレームに巻き付ける前に底部フラップを折り畳むことのおかげで、例として、例えば蛇腹折りベールまたはロールといったシート材料の保管方法から生じる、ボックスの側壁の安定性に関して起こり得る問題が回避され得る。ボックステンプレートをフレームに巻き付けるときに、ロールの保管によってもたらされる蛇腹状折り目または材料の不安定性により、ボックステンプレートの側面角部が計画通りにフレームの周りにぴったりとフィットしない場合がある。巻き付けの前に底部フラップが折り畳まれる場合、ボックステンプレートの安定性は、はるかに良くなり、また、蛇腹状折り目によって生じる可能性のある折り畳み中の問題は、はるかに減少される。
【0012】
本発明のさらなる目的は、ボックスを作製するための改善された方法およびシステムを提供することである。
この目的は、
- シート材料からボックステンプレートを作製するステップと、
- 上述の方法に従ってボックステンプレートを組み立てるステップと、
を含む、シート材料からボックスを作製するための方法によって達成される。
この目的はまた、
- シート材料を受け入れるための少なくとも1つの入口と、
- 上記シート材料を受け入れて上記シート材料を所与の命令に従ってボックステンプレートに変形するように構成された少なくとも1つの変形部と、
- 少なくとも1つの変形部から供給されるボックステンプレートを組み立てるように構成された少なくとも1つの上述のボックス組立てシステムと、
を備えるボックス作製システムによって達成される。
その結果、ボックスは、効率的に作製され得る。ボックスの自動的なまたは部分的に自動的な組立てが、ボックス作製システムの近くに提供され得る。
【0013】
本発明の1つの実施形態では、2つの第1の底部フラップおよび2つの第2の底部フラップを折り畳むステップは、2つの第2の底部フラップが折り畳まれるのとは異なる角度量で2つの第1のフラップを折り畳むことを含む。それにより、ボックステンプレートは、底部フラップが衝突することなしにフレームに巻き付けられ得る。
【0014】
本発明の1つの実施形態では、ボックステンプレートの第1および第2の底部フラップを折り畳むステップは、供給部内に設けられた第1の案内デバイスが第1および第2の底部フラップをボックステンプレートの隣接する側壁部に対して60度から90度の間で強制的に折り畳ませるように、ボックステンプレートをボックス組立てシステムの供給部を通してフレームに向かって送り出すことを含む。
【0015】
本発明の1つの実施形態では、方法は、ボックステンプレートをフレームに巻き付ける前に行われるステップ、つまり、
- ボックステンプレートの2つの第1の頂部フラップおよび2つの第2の頂部フラップを折り畳むステップであって、第1および第2の頂部フラップが、ボックスが組み立てられて閉じられたときにボックスの頂部を構成し、また、ボックスが組み立てられたときに、ボックス内で2つの第1の頂部フラップが互いに向かい合い、2つの第2の頂部フラップが互いに向かい合う、頂部フラップを折り畳むステップであって、第1および第2の頂部フラップが、ボックステンプレートの隣接する側壁に対して折り畳まれ、かつ、底部フラップの折り畳みとは反対方向に折り畳まれる、頂部フラップを折り畳むステップ
をさらに含む。
【0016】
本発明の1つの実施形態では、方法は、
- ボックステンプレートがフレームに巻き付けられる前にボックステンプレートのサイズに従ってフレームのサイズを調整するステップ
をさらに含む。
その結果、様々なサイズのボックスが組み立てられ得る。
【0017】
本発明の1つの実施形態では、フレームのサイズを調整するステップは、フレームに接続された制御システムによりフレームのサイズを制御することを含み、上記調整するステップは、制御システムによりフレームに設けられた4つの角部柱間の距離を制御することを含む。
【0018】
本発明の1つの実施形態では、方法は、
- ボックステンプレートが供給部を通して送り出される前にボックス組立てシステムの供給部の第1の位置を調整しまた場合により第2の案内デバイスの位置を調整するステップであって、上記位置が、ボックステンプレートの側壁の高さに従って調整され、その高さが、最終的に組み立てられたボックスの高さに相当するステップ
を、さらに含む。
【0019】
本発明の1つの実施形態では、ボックス組立てシステムは、ボックステンプレートをフレームに向かって供給部の経路に沿って送り出すためにボックス組立てシステムの供給部に設けられた送出しデバイスをさらに備え、フレームは、供給部の出口側に設けられ、第1の案内デバイスは、ボックステンプレートが供給部を通して供給されるときに第1の案内デバイスが第1および第2の底部フラップをボックステンプレートの隣接する側壁部に対して60度から90度の間で強制的に折り畳ませるように、上記供給部に設けられる。
【0020】
本発明の1つの実施形態では、ボックス組立てシステムは、供給部に設けられ、かつ、ボックステンプレートが供給部を通して供給されるときに2つの第1の底部フラップまたは2つの第2の底部フラップのどちらかにさらなる折り畳み量を提供するように構成された少なくとも1つのアクチュエータを、さらに備える。
【0021】
本発明の1つの実施形態では、ボックス組立てシステムは、ボックス組立てシステムの供給部に設けられかつボックステンプレートがフレームに巻き付けられる前にボックステンプレートの2つの第1の頂部フラップおよび2つの第2の頂部フラップを折り畳むように構成された第2の案内デバイスをさらに備え、第1および第2の頂部フラップは、ボックスが組み立てられかつ閉じられたときにボックスの頂部を構成し、また、ボックスが組み立てられたときに、ボックス内で2つの第1の頂部フラップが互いに向かい合い、2つの第2の頂部フラップが互いに向かい合い、第1および第2の頂部フラップは、ボックステンプレートの隣接する側壁部に対して折り畳まれ、かつ、底部フラップの折り畳みとは反対方向に折り畳まれる。
さらなる実施形態が、従属請求項で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1a】本発明の1つの実施形態によるボックス組立てシステムの斜視図である。
図1b】本発明の1つの実施形態によるボックス組立てシステムの斜視図である。
図1c】本発明の1つの実施形態によるボックス組立てシステムの斜視図である。
図2a図1a~1cに示されたボックス組立てシステムの一部分の斜視図である。
図2b図2aに示されたボックス組立てシステムを通過しているときのボックステンプレートの形状を概略的に示す図である。
図2c図2aに示されたボックス組立てシステムの同じ部分を反対側から示す斜視図である。
図3a】本発明の1つの実施形態によるボックス作製システムを、ボックスをフレームに巻き付けるためのある位置で概略的に示す図である。
図3b】本発明の1つの実施形態によるボックス作製システムを、ボックスをフレームに巻き付けるためのある位置で概略的に示す図である。
図3c】本発明の1つの実施形態によるボックス作製システムを、ボックスをフレームに巻き付けるためのある位置で概略的に示す図である。
図3d】本発明の1つの実施形態によるボックス作製システムを、ボックスをフレームに巻き付けるためのある位置で概略的に示す図である。
図4】本発明の1つの実施形態による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明によれば、ボックス組立てシステム、およびボックステンプレートからボックスを組み立てるための方法が提供される。本発明の1つの実施形態によるボックス組立てシステム1が、図1および図2に示されている。さらに、ボックス作製システム、およびシート材料からボックスを作製するための方法が、提供される。本発明の1つの実施形態によるボックス組立てシステム1を備えるボックス作製システム100が、図3a~図3dに概略的に示されている。
【0024】
本発明による方法およびシステムは、例えばFefco201もしくはアメリカンボックスとも呼ばれるいわゆるレギュラースロッテッドコンテナ(RSC:Regular Slotted Container)またはFefco200とも呼ばれるハーフスロッテッドコンテナ(HSC:Half Slotted Container)といった様々なタイプのボックスに適用され得る。
【0025】
図1a~図1cは、本発明の1つの実施形態によるボックス組立てシステム1を、異なる視点で、また、異なる位置で概略的に示す。ボックス組立てシステム1は、フレーム5、および上記フレーム5に接続された制御システム11を備える。フレーム5は、この実施形態では、フレーム5のサイズを画定している調整可能部分7を含む。本発明のこの実施形態では、調整可能部分7は、4つの角部柱7を含み、制御システム11は、様々なボックステンプレートサイズに従って、すなわち組み立てられるべき様々なボックスのサイズに従って上記角部柱7の位置を制御するように構成される。4つの角部柱7は、組み立てられるべきボックスの矩形形状に対応する矩形形状を形成するように位置決めされる。各角部柱7は、本発明の1つの実施形態では、組み立てられたボックスの2つの側壁の間の角部に設けられることになる。フレームのサイズの調整は、本発明の1つの実施形態では、組み立てられるべきボックスの幅および長さに対応する距離である角部柱間の距離を調整することとされ得る。本発明のこの実施形態では、角部柱7のうちの少なくとも1つは、取付けデバイス19を含み、この取付けデバイス19には、フレーム5へのボックステンプレートの巻き付け中に、ボックステンプレート3の第1の端部23が取り付けられ得る。これは、例えば、制御システム11から制御され得る吸着カップまたはクランプであってもよい。図1a~図1cに示された実施形態では、ボックステンプレートの第1の端部23は、継ぎ代の部分を形成するために設けられた接着剤タブである。しかし、本発明の別の実施形態では、重なる継ぎ代は必須ではなく、代わりに、テープシーリングを使用する稜部継ぎ代が提供され得る。その場合、角部柱7のうちの1つに取り付けられるボックステンプレートの第1の端部23は、接着剤タブではなく、単純にボックステンプレートの最も外側の端部である。
【0026】
本発明のこの実施形態では、制御システム11は、ボックステンプレート3をフレーム5に巻き付けるためにフレーム5の位置を制御するように構成される。制御システム11は、角部柱7のうちの少なくとも1つに設けられた取付けデバイス19を、組み立てられるべきボックステンプレート3の第1の端部23に付着するように制御することができる。制御システム11は、ボックステンプレート3をフレーム5に巻き付けるためにフレーム5を回転させるように構成される。
【0027】
ボックス組立てシステム1は、フレーム5にボックステンプレート3を供給するように構成された供給部31をさらに備える。供給部31は、場合により、ボックステンプレート作製システムに直接接続して設けられてもよく、例えば、ボックステンプレート作製システムの変形部41からの出口43に直接に設けられてもよい。これは、ボックス作製システム100が示されている図3a~図3bに概略的に示されている。ボックス作製システム100は、変形部41、および変形部41からの出口43と関係して位置決めされるボックス組立てシステム1を備える。シート材料は、例えば蛇腹折りベール(図示せず)に保管されたシート材料から、変形部41の入口45において変形部41に供給される。それにより、ボックステンプレート3が、変形部41からボックス組立てシステム1の供給部31内に送達される。供給部31は、図3a~図3bでは概略的にのみ示されているが、図1および図2ではより詳細に示されている。供給部31は、ボックステンプレート5を経路35に沿ってフレーム5に向かって送り出すように構成された送出しデバイス33を備える。経路35は、ボックステンプレート3がその上に横たわる表面であり、この経路35は、供給部31の入口側36aと供給部の出口側36bとの間に及んでおり、出口側36bは、フレーム5と関係して位置決めされる。本発明によれば、ボックス組立てシステム1の供給部31は、ボックステンプレートがフレーム5に巻き付けられる前にボックステンプレート3の2つの第1の底部フラップ28および2つの第2の底部フラップ29を折り畳むためにシステム内に配置された第1の案内デバイス37aを含む。第1および第2の底部フラップ28、29は、ボックスが組み立てられたときにボックスの底部を構成し、2つの第1の底部フラップ28は、ボックスが組み立てられたときにボックス内で互いに向かい合い、また、小フラップ(minor flap)とも呼ばれる場合があり、2つの第2の底部フラップ29は、ボックスが組み立てられたときにボックス内で互いに向かい合い、また、大フラップ(major flap)と呼ばれる場合がある。
【0028】
第1の案内デバイス37aは、図2aで最も良く分かり、また、この実施形態では、経路35に沿って設けられかつ案内表面38aを含む曲げられた金属薄板であり、案内表面38aは、湾曲しており、また、案内表面38aは、第1および第2の底部フラップ28、29を、供給部31を通して移動されるときにボックステンプレート3の隣接する側壁部108、109が提供される平面に対して60~90度の間の量で、または1つの実施形態では80~90度の間の量で、強制的に折り曲げさせる。それにより、第1および第2の底部フラップ28、29は、ボックステンプレート3をフレーム5に向かって供給部31に通して供給している間に、ボックステンプレート3の隣接部に対して折り曲げられる。
【0029】
それにより、底部フラップ28、29は、フレーム5へのボックステンプレート3の巻き付けのためにボックステンプレート3がフレーム5に到着するときには、すでに折り畳まれている。z折り(z-fold)でのシート材料の保管によってもたらされ得るボックステンプレートのいかなる蛇腹状折り目も、ボックスの側面を折り目のない側面よりも安定性および頑強さに劣るものにし得るので、底部フラップ28、29がすでに折り畳まれていることは、適切である。そのような蛇腹状折り目は、ボックスを組み立てる際、特にボックスが自動的に組み立てられる際に、問題を引き起こし得る。底部フラップ28、29を最初に折り畳むことにより、蛇腹状折り目を含むボックス側面は安定化され、また、ボックスの組立てが促進され、すなわち、より信頼性がありかつ頑強なボックス組立てシステムが達成される。例えばシート材料のロールなどの他の保管方法も、側壁の不安定性をもたらし得る。本発明による底部フラップの折り畳みは、この場合でも側壁の安定性を増大させる。
【0030】
本発明の1つの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ39が、供給部31にさらに設けられる。このアクチュエータ39は、図2cで最も良く分かる。アクチュエータ39は、制御システム11に接続され、かつ、2つの第1の底部フラップ28または2つの第2の底部フラップ29のどちらかにさらなる折り畳み量を与えるように構成される。それにより、フレーム5へのボックステンプレート3の巻き付け中に、2つの第1の底部フラップ28が2つの底部フラップ29の内側に設けられるか、またはその逆の場合もある。これは、底部フラップ28、29の衝突を伴わないボックステンプレートの簡便な巻き付けを提供するのに適している。制御システム11は、アクチュエータ39が設けられている位置に現在あるのは底部フラップ28、29のうちのいずれであるのかを認識し、それにより、第1のまたは第2の底部フラップ28、29のどちらかをさらなる量だけ折り畳むようにアクチュエータ39を制御することができる。さらなる量は、例えば、わずかな角度であってよい。図2bでは、ボックステンプレート3は、供給部31を通過しているときの1つの特定の位置で提供されたものとして示されている。この位置では、第1の底部フラップのうちの1つ28aは、アクチュエータ39によりさらなる量だけ折り畳まれており、これは、第1の底部フラップのうちの1つ28aが、隣接して設けられた第2の底部フラップ29よりも多く折り畳まれていることから分かる。他方の第1の底部フラップ28bは、第1の案内デバイス37aによって強制的に折り畳まれ始めたばかりである。
【0031】
この実施形態では、必須ではないが、ボックス組立てシステム1の供給部31は、第1の案内デバイス37aに似ているが反転されている、第2の案内デバイス37b(図1cで最も良く分かる)をさらに含む。つまり、第2の案内デバイス37bは、経路35に沿って設けられかつ案内表面38bを含む曲げられた金属薄板であってよく、案内表面38bは、湾曲しており、また、案内表面38bは、第1および第2の頂部フラップ48、49を、供給部31を通して移動されるときにボックステンプレート3の隣接する側壁部108、109が提供される平面に対して下向きに強制的に折り曲げさせる。それにより、第1および第2の頂部フラップ48、49は、ボックステンプレート3を供給部31に通してフレーム5に向かって供給している間に、ボックステンプレート3の隣接する側壁部に対して折り曲げられる。
【0032】
それにより、ボックステンプレート3の2つの第1の頂部フラップ48および2つの第2の頂部フラップ49は、ボックステンプレート3がフレーム5に巻き付けられる前に折り畳まれる。第1および第2の頂部フラップ48、49は、ボックスが組み立てられて閉じられたときにボックスの頂部を構成し、また、ボックスが組み立てられたときに、ボックス内で2つの第1の頂部フラップ48は互いに向かい合い、2つの第2の頂部フラップ49は互いに向かい合う。第1および第2の頂部フラップ48、49は、底部フラップ28、29の折り畳みとは反対方向に折り畳まれる。折り畳みの量は、頂部フラップの場合、0~180度の間のいずれでもよい。また、小規模の折り畳みは、安定性を高める。頂部フラップの折り畳みはまた、組み立てられたボックスのより容易な充填、組み立てられたボックスの充填ステーションに向けてのより容易な輸送、および、ボックスがフレームに巻き付けられるときにボックスを保持するためにフレーム5の角部柱7が過度に長くなくてもよいことなどの、さらなる利点を提供する。
【0033】
ボックス組立てシステム1は、本発明の1つの実施形態では、継ぎ代のシーリングのためにボックステンプレート3の第1の端部23または第2の端部24に接着剤を提供するように、また、ボックステンプレート3が完全にフレーム5に巻き付けられる前に第1または第2の底部フラップ28、29に接着剤を提供するように構成された、接着デバイス51をさらに備える。ボックス組立てシステム1はまた、底部をシールするために第1の底部フラップ28を第2の底部フラップ29に向かって圧迫するように構成された圧迫デバイスを備え得る。
【0034】
上記のように、ボックスの継ぎ代および底部は、フレーム5が組立て済みのボックスから取り外されて新たなボックスを組み立てるために使用される前に、例えばテープまたは接着剤によってシールされてもよい。
【0035】
本発明のこの実施形態では、フレーム5は、4つの角部柱7a、7b、7c、7dを含む。例えばレギュラースロッテッドコンテナ(RSC)またはハーフスロッテッドコンテナ(HSC)が組み立てられる場合、4つの角部柱7a~7dのそれぞれが、ボックスの2つの側壁間のボックスの内側角部それぞれに提供される。さらに、角部柱のうちの第1の角部柱7aと第2の角部柱7bとの間の距離が、最終的に組み立てられたボックスの幅に相当し、第1の角部柱7aと第3の角部柱7cとの間の距離が、最終的に組み立てられたボックスの長さに相当する。フレームのサイズを調整するときに、角部柱間の距離が変更され、それらの距離は、最終的に組み立てられたボックスの長さおよび幅に相当する。ボックス組立てシステム1の供給部31もまた、様々なボックステンプレートのサイズに適切に適合され得る。第1および第2の案内デバイス37a、37bの位置は、最終的に組み立てられたボックスの高さに相当する、ボックステンプレートの側壁108、109の高さに従って調整される。また、上記のように、角部柱7のうちの少なくとも1つは、フレーム5へのボックステンプレートの巻き付け中にボックステンプレート3の第1の端部23が取り付けられ得る取付けデバイス19を含む。図1図3に示された実施形態では、ボックステンプレートの第1の端部23は、継ぎ代の部分を形成するために設けられた接着剤タブである。しかし、上記のように、第1の端部23は、接着剤タブでなくてもよい。
【0036】
さらに、この実施形態では、制御システム11は、巻き付けられたボックステンプレートの内側にフレーム5を保持しながら底部が折り畳まれ得るように、フレーム5の遠位端部25がボックステンプレート3の底部フラップクリーズ27と実質的に一致した状態でボックステンプレート3にフレーム5を提供するように構成されることが分かる。
【0037】
本発明のこの実施形態では、制御システム11は、ボックステンプレート3をフレーム5に巻き付けるためにフレーム5の位置および配向を制御するように構成される。制御システム11は、組み立てられるべきボックステンプレート3の第1の端部23に付着するように、角部柱7のうちの少なくとも1つに設けられた取付けデバイス19を制御することができる。制御システム11は、この実施形態では、ボックステンプレート3をフレーム5に巻き付けるためにフレーム5を回転させるようにさらに構成される。
【0038】
図3dは、ボックス組立てシステム1を、ボックステンプレート3がほとんどフレーム5に巻き付けられた位置で概略的に示す。フレーム5の取付けデバイス19に取り付けられるボックステンプレート3の第1の端部23として接着剤タブが提供されるこの実施形態では、接着剤は、接着剤タブ、またはボックステンプレートが完全にフレームに巻き付けられたときに接着剤タブ23と結合することになるボックステンプレート3の第2の端部24のどちらかに提供されている。ボックステンプレートの接着剤タブ23と第2の端部24との間のシーリングは、継ぎ代と呼ばれる。それにより、本発明のこの実施形態では、方法は、フレームがボックステンプレートから分離される前に継ぎ代をシールするステップを含む。そのため、ボックス組立てシステムは、上記のように、接着デバイス51を備える。接着デバイス51は、制御システム11に接続されて、制御システム11により、継ぎ代および底部の両方をシールするためにボックステンプレートに接着剤を放出するように制御される。接着剤は、ボックステンプレートの第1および第2の端部ならびに第1および第2の底部フラップ28、29が供給部31を通る途中で接着デバイス51を通り越しているときに、ボックステンプレートの第1または第2の端部のどちらか、および第1または第2の底部フラップ28、29のどちらかに提供される。
【0039】
図4では、本発明の1つの実施形態によるボックスを組み立てるための方法のフローチャートが示されている。方法のステップは、以下で簡潔に説明される。方法ステップのほとんどは、上記ですでに詳細に説明されている。
S1:第1および第2の底部フラップ28、29を、ボックステンプレート3の隣接する側壁部108、109に対して折り畳む。折り畳みは、60~90度の間であってよく、また、1つの実施形態では、80~90度の間であってよい。場合により、頂部フラップ48、49も折り畳まれ得るが、底部フラップの折り畳みとは反対方向に折り畳まれ得る。適切には、底部フラップ28、29を折り畳むこのステップはまた、2つの第1の底部フラップ28を2つの第2の底部フラップ29が折り畳まれるのとは異なる角度量で折り畳むことを含む。
S2:ボックステンプレート3の第1の端部23をボックス組立てシステム1のフレーム5に取り付ける。
S3:フレーム5を回転させてボックステンプレート3をフレームに巻き付ける。
S4:ボックスがフレームから分離される前にボックスの継ぎ代および底部をシールする。シーリングは、ボックステンプレートの第1の端部23または第2の端部24に接着剤を提供すること、第1または第2の底部フラップ28、29のどちらかに接着剤を提供すること、また場合により第1および第2の底部フラップを互いに向かって圧迫しかつ継ぎ代を圧迫することを含み得る。
S5:別のボックスが組み立てられ得るように組立て済みのボックスをフレームから分離すること。
【0040】
本発明の別の態様によれば、シート材料からボックスを作製するための方法が提供される。シート材料は、例えば厚紙または段ボールであり得る。方法は、
- シート材料から場合により様々なサイズのボックステンプレートを作製するステップと、
- 上記されたボックスを組み立てるための方法の実施形態のうちのいずれかに従ってボックステンプレートを組み立てるステップと、
を含む。
【0041】
方法は、蛇腹状に折り畳まれたシート材料のベールからボックステンプレート作製システムにシート材料を供給する初期ステップをさらに含み得る。例えば蛇腹状に折り畳まれた段ボールなどの蛇腹状に折り畳まれた材料からボックステンプレートが作製されるときに、意図された以外の位置にもボックステンプレートに折り目が付けられ、ここでは蛇腹状折り目と呼ばれる。これらの蛇腹状折り目は、ボックスの壁がそのような蛇腹状折り目なしでは壁として機能しない場合があるので、ボックスを組み立てるときに対処するのに問題になり得る。それらは、意図されたクリーズ線に沿ってではなく、蛇腹状折り目に沿って折り畳み得る。意図された位置における角部の折り畳みを確実にすることは、正確なボックス組立てを確実とするのに不可欠である。ボックスを組み立てるためのフレームの使用およびボックステンプレートをフレームに巻き付ける方法は、蛇腹状折り目を含むボックステンプレート、すなわち蛇腹状に折り畳まれたシート材料から要求に応じて様々なサイズで提供されるボックステンプレートの組立て工程に特に適し、かつ、そのような組立て工程を改善する。そのような蛇腹状折り目140が、図1cに示されたボックス組立てシステム1によって組み立てられるボックステンプレート3に示されている。シート材料はまた、シート材料のロールから、または任意の他の形状のシート材料ストレージからボックステンプレート作製システムに提供され得る。ロールで提供される段ボールは、例えば、片面段ボール(single phase corrugated board)であり得る。ロールでのシート材料の保管は、側壁の不安定さをもたらす場合があり、したがって、ボックスを組み立てるためのフレームの使用およびボックステンプレートをフレームに巻き付ける前に底部を折り畳む方法は、そのようなロールから提供されるシート材料を使用する際にも有利になるであろう。
【0042】
本発明の1つの実施形態によれば、ボックスを作製するための方法は、フレーム5へのボックステンプレート3の巻き付けが変形部41でのボックステンプレートへのシート材料の変形と同期され、それによりシート材料から組立て済みのボックスに至るまでの全工程が連続工程となるように、ボックス組立てシステム1の制御システム11と変形部41の制御システム11’とを同期させるステップをさらに含む。これらの2つの制御システム11、11’は、1つの制御システムに組み合わせられてもよい。
【0043】
本発明の別の態様によれば、ボックス作製システム100が提供される。そのようなボックス作製システムは、すでに説明されたように、図3a~図3dに概略的に示されている。ボックス作製システムは、
- シート材料を受け入れるための少なくとも1つの入口45と、
- 上記シート材料を受け入れて上記シート材料を所与の命令に従って場合により様々なサイズのボックステンプレートに変形するように構成された少なくとも1つの変形部41と、
- 少なくとも1つの変形部41から供給されるボックステンプレートを組み立てるように構成された少なくとも1つの上述のボックス組立てシステム1と、
を備える。
【0044】
本発明の1つの実施形態では、上記少なくとも1つの入口45は、蛇腹状に折り畳まれたシート材料のベールから、または上記のようなシート材料のロールから上記シート材料を受け入れるように構成される。
【0045】
本発明の1つの実施形態では、ボックス組立てシステム1の制御システム11は、フレーム5へのボックステンプレート3の巻き付けが変形部41でのボックステンプレートへのシート材料の変形と同期され、それによりシート材料から組立て済みのボックスに至るまでの全工程が連続工程となるように、変形部41の制御システムと同期または統合される。
【0046】
ボックス組立てシステム1の制御システム11は、プロセッサと、プロセッサ上で実行されたときに制御システム11に上記のようなボックスを組み立てるための方法を実行させるコンピュータプログラムとをさらに含む。
【0047】
本発明は、本発明によるボックス組立てシステム1の制御システム11内のプロセッサ上で実行されたときに制御システムに上記のような本発明のボックス組立て方法を実行させるコンピュータ可読コードを含むコンピュータプログラムをさらに備える。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図3d
図4