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特許7512266交通用システムおよび交通用インフラストラクチャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】交通用システムおよび交通用インフラストラクチャ
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20240701BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240701BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20240701BHJP
   B60Q 1/26 20060101ALI20240701BHJP
   B60Q 1/50 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
G08G1/09 F
G08G1/16 D
H05B47/11
B60Q1/26 Z
B60Q1/50 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021519320
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(86)【国際出願番号】 JP2020016931
(87)【国際公開番号】W WO2020230523
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】P 2019092782
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019092783
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019098564
(32)【優先日】2019-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 義朗
(72)【発明者】
【氏名】竹田 新
(72)【発明者】
【氏名】岡村 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】塚本 真弘
【審査官】篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-082748(JP,A)
【文献】特開2019-051793(JP,A)
【文献】特開2019-051792(JP,A)
【文献】特表2017-518581(JP,A)
【文献】特開2017-207932(JP,A)
【文献】特開2017-049885(JP,A)
【文献】特開2014-119778(JP,A)
【文献】特開2011-165573(JP,A)
【文献】特開2004-259248(JP,A)
【文献】国際公開第2018/158885(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/104198(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
H05B 47/00 - 47/29
B60Q 1/00 - 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
街路灯を備える交通用インフラストラクチャと、
前記交通用インフラストラクチャと通信可能な車両に備わる車両制御部から前記交通用インフラストラクチャが路面描画をしたい信号を受信したときに、前記街路灯により照らされる前記路面描画をしたい領域の少なくとも一部を暗くさせる指令部と、を備え、
前記街路灯は、路面に光を照射する照明部と、前記路面の明るさを検出するカメラと、前記照明部から出射される光の輝度を制御する街路灯制御部と、を有し、
前記街路灯制御部は、前記指令部から前記街路灯により照らされる領域の少なくとも一部を暗くさせるための指示信号を受信すると、前記カメラにより検出された前記路面の明るさに応じて前記輝度を制御するよう構成されている、交通用システム。
【請求項2】
照射領域が互いに異なる複数の前記街路灯を含んでおり、
前記指令部は、前記路面描画をしたい信号とともに、路面描画をしたい位置を示す信号を受信し、前記路面描画をしたい位置に対応する照射領域を照射可能な前記街路灯により照らされる領域の少なくとも一部を暗くさせる、請求項1に記載の交通用システム。
【請求項3】
前記交通用システムは、地面に設置される路面描画装置を備えている、請求項1または2に記載の交通用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通用システムおよび交通用インフラストラクチャに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、路面に光画像を投影することで、運転者による適切な運転を可能にする運転支援装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2017-144995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、街路灯により照らされる領域に路面描画を行いたい場合において、当該領域が明るいと路面描画を適切に行うことが難しい場合がある。この点において、従来の交通用システムには改善の余地があると考えられる。
【0005】
本開示は、路面描画に適した交通用システムを提供することを目的とする。
【0006】
また、路面描画を行いたい場合において、例えば、路面描画装置の位置と、路面描画をしたい位置と、が遠い場合、適切に路面描画を行うことが難しい場合がある。この点において、従来の交通用システムには改善の余地があると考えられる。
【0007】
本開示は、路面描画に適した交通用インフラストラクチャを提供することも目的とする。
【0008】
また従来、自動車、バイク、自転車、歩行者等の交通参加者は、信号等に基づいて、右左折等の判断をしていた。しかし、例えば、交差点における対向車により死角となる領域に他の車両が存在するかどうかが分かりにくいことがあった。その一方で、交差点に存在する車両やその車両の運転手等に対するコミュニケーションに改善の余地があると考えられる。
【0009】
本開示は、交通参加者の利便性を向上させることが可能な交通用システムを提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための一態様に係る交通用システムは、
街路灯と、
路面描画をしたい信号を受信したときに、前記街路灯により照らされる領域の少なくとも一部を暗くさせる指令部と、を備えている。
【0011】
上記構成に係る交通用システムによれば、例えば、路面が明るく照らされていても、街路灯により照らされる領域の少なくとも一部を暗くさせるので、路面描画が明確に表示される。
このように、上記構成によれば、路面描画に適した交通用システムを提供することができる。
【0012】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る交通用システムにおいて、
照射領域が互いに異なる複数の前記街路灯を含んでおり、
前記指令部は、前記路面描画をしたい信号とともに、路面描画をしたい位置を示す信号を受信し、前記路面描画をしたい位置に対応する照射領域を照射可能な前記街路灯により照らされる領域の少なくとも一部を暗くさせる。
【0013】
上記構成に係る交通用システムによれば、指令部は、複数の街路灯のうち、路面描画をしたい位置に対応する照射領域を照射可能な街路灯により照らされる領域の少なくとも一部を暗くさせる。したがって、上記構成に係る交通用システムによれば、路面描画をしたい位置を的確に暗くすることができる。
【0014】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る交通用システムは、地面に設置される路面描画装置を備えていてもよい。
【0015】
上記構成に係る交通用システムによれば、交通システムは、地面に設置される路面描画装置を備えている。当該路面描画装置は移動しないので、移動している車両が路面描画を行う場合と比べて、当該路面描画装置が路面描画を行う方が、より的確に路面描画することができる。
【0016】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る交通用インフラストラクチャは、
路面描画をしたい信号と、路面描画をしたい領域に関する情報および路面描画を見せたい対象に関する情報の少なくとも一方を含む指定領域情報と、を取得可能な要求取得部と、
路面描画可能な路面描画装置と、前記路面描画装置が描画可能な領域と、を特定可能な状況把握部と、
前記要求取得部により取得された前記指定領域情報と、前記状況把握部により特定された前記路面描画装置が描画可能な領域と、に基づいて、前記路面描画装置のうち最も適した路面描画装置に路面描画させる指令部と、を備える。
【0017】
上記構成に係る交通用インフラストラクチャによれば、交通用インフラストラクチャが備える指令部は、指定領域情報と、状況把握部により特定された路面描画装置が描画可能な領域と、に基づいて、状況把握部により特定された路面描画装置のうち路面描画させるのに最も適した路面描画装置に路面描画させる。
このように、上記構成によれば、路面描画に適した交通用インフラストラクチャを提供することができる。
【0018】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る交通用インフラストラクチャにおいて、
前記指定領域情報は、路面描画を見せたい前記対象に関する情報を含んでいてもよい。
【0019】
上記構成に係る交通用インフラストラクチャによれば、指定領域情報は、路面描画を見せたい対象に関する情報を含み得る。したがって、例えば、路面描画により表示される情報が文字情報のとき、路面描画を見せたい対象が路面描画を認識しやすいように、路面描画装置は文字情報を路面描画することができる。
【0020】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る交通用インフラストラクチャにおいて、
前記交通用インフラストラクチャは、前記指定領域情報を生成可能な撮像部をさらに備えており、
前記撮像部は、生成した前記指定領域情報を前記要求取得部に送信する。
【0021】
上記構成に係る交通用インフラストラクチャによれば、指定領域情報は撮像部により生成され、要求取得部に送信される。したがって、例えば、交通用インフラストラクチャは、車両と通信しないとしても、最適な路面描画を実現することができる。
【0022】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る交通用システムは、
第一車両と、前記第一車両の対向車である第二車両と、前記第一車両から見て前記第二車両の後方から前記第一車両に接近して死角となり得る領域にいる第三車両と、を検知可能な検知部と、
前記第一車両が前記第二車両の前方を通って曲がることの適否に関する情報を報知可能な報知部と、を備え、
前記報知部は、前記検知部の出力に基づいて前記第三車両が前記第一車両に接近しようとしていると判定された情報に基づき、前記第一車両に対して前記情報を報知する。
【0023】
上記構成に係る交通用システムによれば、第二車両の前方を通って曲がることの適否に関する情報を用いて、第一車両または第一車両の運転手は、右折または左折の可否を判断することができる。したがって、死角に存在する第三車両を直接視認することができないとしても、第一車両または第一車両の運転手は、第二車両の前方を通って曲がることの適否に関する情報を参考にして、右折または左折の可否を判断することができる。
このように、上記構成によれば、交通参加者の利便性を向上させることが可能な交通用システムを提供することができる。
【0024】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る交通用システムにおいて、
前記第一車両からの要求信号に基づいて、前記検知部は前記第三車両を検知し得る。
【0025】
上記構成に係る交通用システムによれば、検知部は、第一車両からの要求信号に基づいて、第三車両を検知することができる。したがって、第一車両が右折しようとするタイミングで、検知部が動作するので、検知部を効率よく動作させることができる。
【0026】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る交通用システムにおいて、
前記検知部は、前記第二車両に備わっていてもよい。
【0027】
上記構成に係る交通用システムによれば、検知部は第二車両に備わっている。第一車両の死角となる領域は、第二車両にとっては死角とはならない。したがって、第三車両が第一車両の死角となる領域に存在していたとしても、検知部は、第三車両を検知することができる。さらに、第二車両は、第一車両と比較して、第三車両の近くに位置するので、より確実に第三車両を検知することができる。また、検知部は第一車両が右折しようとするタイミングで動作を開始することができるので、検知部を効率よく動作させることができる。
【0028】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る交通用システムにおいて、
前記交通用システムは、交通用インフラストラクチャを含み、
前記検知部は、前記交通用インフラストラクチャに備わっていてもよい。
【0029】
上記構成に係る交通用システムによれば、検知部は交通用インフラストラクチャに備わっている。したがって、例えば、第二車両が検知部を備えていない場合であっても、第一車両または第一車両の運転手は、第二車両の前方を通って曲がることの適否に関する情報を参考にして、右折または左折の可否を判断することができる。
【0030】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る交通用システムにおいて、
前記報知部は、路面描画装置を含み得る。
【0031】
上記構成に係る交通用システムによれば、報知部は、路面描画装置を含んでいる。したがって、例えば、第一車両が手動運転車のとき、第二車両の前方を通って曲がることの適否に関する情報は、路面描画により、第一車両の運転手に視覚的に伝えられる。
【発明の効果】
【0032】
本開示によれば、路面描画に適した交通用システムおよび交通用インフラストラクチャを提供することができる。
【0033】
また、本開示によれば、交通参加者の利便性を向上させることが可能な交通用システムを提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1A図1Aは、本開示の実施形態に係る交通用システムに用いられる車両の平面図である。
図1B図1Bは、図1Aに例示する車両の左側面図である。
図2図2は、本開示の一実施形態に係る交通用システムのブロック図である。
図3図3は、本開示の一実施形態に係る街路灯を例示する図である。
図4図4は、本開示の一実施形態に係る路面描画装置を例示する図である。
図5図5は、車両が交差点で左折しようとするときの状態を例示する図である。
図6図6は、本開示の一実施形態に係る交通用システムのブロック図である。
図7図7は、本開示の一実施形態に係る街路灯を例示する図である。
図8図8は、本開示の一実施形態に係る信号機を例示する図である。
図9図9は、車両が交差点で左折しようとするときの状態を例示する図である。
図10図10は、車両が交差点で左折しようとするときの状態を例示する図である。
図11図11は、本開示の一実施形態に係る交通用システムのブロック図である。
図12図12は、本線道路と支線道路が合流する道路の様子を例示する図である。
図13図13は、本開示の一実施形態に係る交通用システムのブロック図である。
図14図14は、本開示の一実施形態に係る信号機を例示する図である。
図15図15は、本開示の一実施形態に係る交通用システムが実行する処理の流れを例示する図である。
図16図16は、本開示の一実施形態に係る車両が交差点で右折しようとするときの状態を例示する図である。
図17図17は、本開示の一実施形態に係る車両が交差点で右折しようとするときの状態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本開示の実施形態(以下、本実施形態という。)について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態の説明において既に説明された部材と同一の参照番号を有する部材については、説明の便宜上、その説明は省略する。また、本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
【0036】
また、本実施形態の説明では、説明の便宜上、「左右方向」、「前後方向」、「上下方向」について適宜言及する。これらの方向は、図1に例示する車両1、または図3に例示する街路灯53、図4に例示する信号機54、図7に例示する街路灯153、図8に例示する信号機1500、または図14に例示する信号機250について設定された相対的な方向である。ここで、「上下方向」は、「上方向」及び「下方向」を含む方向である。「前後方向」は、「前方向」及び「後方向」を含む方向である。「左右方向」は、「左方向」及び「右方向」を含む方向である。なお、本明細書における「車両」という語句には、自動車等の四輪車、オートバイ等の二輪車等、様々な車両が含まれ得る。
【0037】
(第一実施形態)
本実施形態に係る交通用システム100(図2参照)に用いられる車両1について以下に説明する。図1Aは、車両1の平面図を例示し、図1Bは、車両1の左側面図を例示する。車両1は、自動運転モードで走行可能な車両であって、車両用照明装置4(以下、単に「照明装置4」という。)を備える。照明装置4は、照明ユニット42と、照明制御部43とを備える(図2参照)。照明ユニット42は、車両1の車体ルーフ1A上に配置されており、車両1の外部に向けて光パターンを照射するように構成されている。
【0038】
照明ユニット42は、例えば、レーザ光源と、レーザ光源から出射されるレーザ光を偏向する光偏向装置とを備えるレーザ走査装置である。光偏向装置は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーやガルバノミラー等の可動ミラーである。照明ユニット42は、レーザ光を走査することで光パターン(例えば、リング状の光パターンや線状の光パターン)を歩行者等の対象物に向けて照射する。特に、照明ユニット42は、レーザ光を走査することで、光パターンを対象物の周囲の路面上に描画する。
【0039】
なお、本実施形態では、単一の照明ユニット42は車体ルーフ1A上に配置されているが、照明ユニット42は、車両1を基準とした任意の方向に存在する対象物に向けて光パターンを照射することが可能である限りにおいて、照明ユニット42の数、配置、形状等は特に限定されない。例えば、4つの照明ユニット42のうち、2つの照明ユニット42のそれぞれが左側ヘッドランプ20Lと右側ヘッドランプ20R内に配置されると共に、残りの2つの照明ユニット42のそれぞれが左側リアコンビネーションランプ30Lと右側リアコンビネーションランプ30R内に配置されてもよい。さらに、照明ユニット42は、車両1の側面1Bを囲むように配置されてもよい。
【0040】
次に、図2を参照して交通用システム100について説明する。図2は、交通用システム100のブロック図を例示している。図2に例示するように、交通用システム100は、車両1に備わる車両システム2と、交通用インフラストラクチャ50と、を備えている。車両システム2は、車両制御部3と、照明装置4と、センサ5と、カメラ6と、レーダ7と、HMI(Human Machine Interface)8と、GPS(Global Positioning System)9と、無線通信部10(第1無線通信部)と、地図情報記憶部11とを備える。さらに、車両システム2は、ステアリングアクチュエータ12と、ステアリング装置13と、ブレーキアクチュエータ14と、ブレーキ装置15と、アクセルアクチュエータ16と、アクセル装置17とを備える。
【0041】
車両制御部3は、車両1の走行や照明装置4の動作を制御するように構成されている。車両制御部3は、電子制御ユニット(ECU)により構成されている。電子制御ユニットは、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、各種車両制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、各種車両制御データが一時的に記憶されるRAM(Random Access Memory)とにより構成されている。プロセッサは、ROMに記憶された各種車両制御プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。
【0042】
車両制御部3は、例えば車両1の進路に、他の車両が進入する虞がある場合、車両1の速度や位置情報等と他の車両の速度や位置情報等に基づいて、車両1は停止するべきか否かを判断することができる。例えば、車両1がある交差点を通過する推定時刻が、他の車両のそれよりも十分に遅い、または十分に早いとき、車両制御部3は、車両1は停止せずに進行すべきであると判断する。一方、車両1がある交差点を通過する推定時刻が、他の車両のそれと略同じとき、車両制御部3は、車両1は停止すべきであると判断する。
【0043】
照明装置4(路面描画装置の一例)は、車両1の外部(特に、歩行者や他の車両等の対象物)に向けてレーザ光(リング状や線状の光パターン)を照射するように構成されており、照明ユニット42と、照明制御部43とを備える。照明制御部43は、電子制御ユニット(ECU)により構成されており、対象物の位置情報に基づいて、対象物に向けてレーザ光が照射されるように照明ユニット42を制御するように構成されている。なお、照明制御部43と車両制御部3は、同一の電子制御ユニットによって構成されていてもよい。
【0044】
センサ5は、加速度センサ、速度センサ及びジャイロセンサ等を備える。センサ5は、車両1の走行状態を検出して、走行状態情報を車両制御部3に出力するように構成されている。センサ5は、運転者が運転席に座っているかどうかを検出する着座センサ、運転者の顔の方向を検出する顔向きセンサ、外部天候状態を検出する外部天候センサ及び車内に人がいるかどうかを検出する人感センサ等をさらに備えてもよい。
【0045】
カメラ6は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(相補型MOS)等の撮像素子を含むカメラである。レーダ7は、ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ又はレーザーレーダ等である。カメラ6及び/又はレーダ7は、車両1の周辺環境(他車、歩行者、道路形状、交通標識、障害物等)を検出し、周辺環境情報を車両制御部3に出力するように構成されている。車両制御部3は、受信した周辺環境情報から、歩行者や他の車両等を把握することができる。また車両制御部3は、受信した周辺環境情報から、歩行者や他の車両等の対象物に向けて、所定の情報(例えば、歩行者が横断しようとしている横断歩道に車両が進入しようとしていることを示す情報、歩行者や自転車または自動車等の車両に対し停止や減速を促す情報等)を路面描画する必要があるか否かを判断することもできる。
【0046】
HMI8は、運転者からの入力操作を受付ける入力部と、走行情報等を運転者に向けて出力する出力部とから構成される。入力部は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、車両1の運転モードを切替える運転モード切替スイッチ等を含む。出力部は、各種走行情報を表示するディスプレイである。
【0047】
GPS9は、車両1の現在位置情報を取得し、当該取得された現在位置情報を車両制御部3に出力するように構成されている。無線通信部10は、車両1の周囲にいる他車に関する情報(例えば、走行情報等)を他車から受信すると共に、車両1に関する情報(例えば、走行情報等)を他車に送信するように構成されている(車車間通信)。また、無線通信部10は、信号機や標識灯等のインフラ設備からインフラ情報を受信すると共に、車両1の走行情報をインフラ設備に送信するように構成されている(路車間通信)。車両1は、他車両やインフラ設備と直接通信してもよいし、無線通信ネットワークを介して通信してもよい。地図情報記憶部11は、地図情報が記憶されたハードディスクドライブ等の外部記憶装置であって、地図情報を車両制御部3に出力するように構成されている。
【0048】
車両1が自動運転モードで走行する場合、車両制御部3は、走行状態情報、周辺環境情報、現在位置情報、地図情報等に基づいて、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号のうち少なくとも一つを自動的に生成する。ステアリングアクチュエータ12は、ステアリング制御信号を車両制御部3から受信して、受信したステアリング制御信号に基づいてステアリング装置13を制御するように構成されている。ブレーキアクチュエータ14は、ブレーキ制御信号を車両制御部3から受信して、受信したブレーキ制御信号に基づいてブレーキ装置15を制御するように構成されている。アクセルアクチュエータ16は、アクセル制御信号を車両制御部3から受信して、受信したアクセル制御信号に基づいてアクセル装置17を制御するように構成されている。このように、自動運転モードでは、車両1の走行は車両システム2により自動制御される。
【0049】
一方、車両1が手動運転モードで走行する場合、車両制御部3は、アクセルペダル、ブレーキペダル及びステアリングホイールに対する運転者の手動操作に従って、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を生成する。このように、手動運転モードでは、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号が運転者の手動操作によって生成されるので、車両1の走行は運転者により制御される。
【0050】
次に、車両1の運転モードについて説明する。運転モードは、自動運転モードと手動運転モードとからなる。自動運転モードは、完全自動運転モードと、高度運転支援モードと、運転支援モードとからなる。完全自動運転モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御の全ての走行制御を自動的に行うと共に、運転者は車両1を運転できる状態にはない。高度運転支援モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御の全ての走行制御を自動的に行うと共に、運転者は車両1を運転できる状態にはあるものの車両1を運転しない。運転支援モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御のうち一部の走行制御を自動的に行うと共に、車両システム2の運転支援の下で運転者が車両1を運転する。一方、手動運転モードでは、車両システム2が走行制御を自動的に行わないと共に、車両システム2の運転支援なしに運転者が車両1を運転する。
【0051】
また、車両1の運転モードは、運転モード切替スイッチを操作することで切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、運転モード切替スイッチに対する運転者の操作に応じて、車両1の運転モードを4つの運転モード(完全自動運転モード、高度運転支援モード、運転支援モード、手動運転モード)の間で切り替える。また、車両1の運転モードは、自動運転車が走行可能である走行可能区間や自動運転車の走行が禁止されている走行禁止区間についての情報または外部天候状態についての情報に基づいて自動的に切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、これらの情報に基づいて車両1の運転モードを切り替える。さらに、車両1の運転モードは、着座センサや顔向きセンサ等を用いることで自動的に切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、着座センサや顔向きセンサからの出力信号に基づいて、車両1の運転モードを切り替える。
【0052】
次に、交通用インフラストラクチャ50について説明する。交通用インフラストラクチャ50は、例えば、信号機、電柱、街路灯、鉄塔等の複数の様々なインフラストラクチャを含み得る。図2に例示するように、本実施形態に係る交通用インフラストラクチャ50は、街路灯53と、信号機54と、を備えている。
【0053】
街路灯53は、車道や歩道等の近くの地面に設置されている。街路灯53は、図3に例示するように、近傍の路面に光を出射するための照明部531と、照明部531から出射される光を遮蔽可能な遮蔽部532と、街路灯53の周囲を撮像可能なカメラ533と、街路灯53を制御可能な街路灯制御部534と、を備えている。
【0054】
照明部531は、例えばLEDランプ等である。照明部531は、街路灯53の設置位置の近くにある路面に向けて光を出射することができる。なお、照明部531は、車両用照明装置4の照明ユニット42と同様の構成のレーザ走査装置を含んでいてもよい。
【0055】
遮蔽部532は、例えば、可動式の遮蔽板等である。遮蔽部532は、照明部531の近くに配置されている。遮蔽部532は、左右方向に可動するように構成されている。遮蔽部532が、照明部531から出射される光の出射方向に位置するとき、遮蔽部532は、照明部531から出射される光の全てまたは一部を遮断することができる。
【0056】
カメラ533は、カメラ6と同様の構成であるため、説明を省略する。カメラ533は、街路灯53の周辺環境(車両、歩行者、道路形状、交通標識、障害物、路面の明るさ等)を検出し、周辺環境情報を街路灯制御部534に出力するように構成されている。
【0057】
街路灯制御部534は、車両制御部3と同様の電子制御ユニットによって構成されていてもよい。街路灯制御部534は、例えば、カメラ533から受信した周辺環境情報に基づき、照明部531および遮蔽部532を制御することができる。また、街路灯制御部534は、受信した周辺環境情報から、歩行者や車両等の対象物に向けて、所定の情報を路面描画する必要があるか否かを判断することも可能である。
【0058】
次に、図2図4を参照し、交通用インフラストラクチャ50の信号機54について説明する。信号機54は、車道や歩道等の近くの地面に設置されている。信号機54は、無線通信部541(第2無線通信部)と、信号機制御部542と、路面描画装置543と、カメラ544と、交通用照明装置545と、を備えている。これらはバス547を介して互いに通信可能に接続されている。
【0059】
無線通信部541は、車両システム2の無線通信部10と無線通信を行うように構成されている。無線通信部541は、例えば、アドホックモードで無線通信部10と直接通信してもよいし、ネットワークを介して無線通信部10と通信してもよい。また、信号機54は、無線通信部541を介して、無線通信装置を有する他の信号機とも通信することができる。
【0060】
信号機制御部542は、車両制御部3と同様の電子制御ユニットによって構成されていてもよい。信号機制御部542は、指令部546を含む。信号機制御部542は、信号機54の各種動作を制御するように構成されている。信号機制御部542は、例えば、対象領域の位置情報に基づいて、対象領域に向けてレーザ光が照射されるように路面描画装置543を制御する。信号機制御部542は、受信した周辺環境情報から、歩行者や車両等の対象物に向けて、所定の情報を路面描画する必要があるか否かを判断することも可能である。
【0061】
指令部546は、街路灯53の動作を制御するように構成されている。指令部546は、車両制御部3と同様の電子制御ユニットによって構成されていてもよい。指令部546は、例えば、無線通信部541を介して車両システム2から送信された路面描画をしたい信号および路面描画をしたい位置を示す信号の少なくとも一つに基づき、街路灯53が出射する光の輝度や、街路灯53が備える遮蔽部532の動作を制御するための制御信号を生成する。指令部546は、当該制御信号を街路灯53に送信する。また、指令部546は、路面描画をしたい位置を示す信号に基づき、路面描画をしたい位置を特定することができる。さらに、指令部546は、当該特定された路面描画をしたい位置に対応する照射領域を照射可能な街路灯53を特定することもできる。また、指令部546は、路面描画装置543、または他の信号機が有する路面描画装置を制御することもできる。
【0062】
地面に設置されている信号機54の路面描画装置543は、交通用インフラストラクチャ50の外部(例えば、交通用インフラストラクチャ50近傍の路面等の対象領域)に向けてレーザ光(リング状や線状の光パターン)を照射するように構成されている。なお、路面描画装置543は、車両用照明装置4の照明ユニット42と同様の構成のレーザ走査装置を含んでいてもよい。
【0063】
カメラ544は、カメラ6と同様の構成であるため、説明を省略する。カメラ544は、信号機54の周辺環境(車両、歩行者、道路形状、交通標識、障害物、路面の明るさ等)を検出し、周辺環境情報を信号機制御部542に出力するように構成されている。
【0064】
交通用照明装置545は、青色(Green)、黄色(Yellow)、赤色(Red)の3色の表示灯を有している。
【0065】
図5は、車両1が交差点Cで左折しようとするときの状態を例示する図である。図5に例示するように、交差点Cには横断歩道Z1~Z4が配置されている。横断歩道Z1~Z4の付近には、それぞれ、街路灯53A~53Dが設置されている。なお、本明細書では、街路灯53A~53Dを含む表現として街路灯53を用いることがある。また、横断歩道Z1~Z4の付近には、それぞれ、信号機SG1~SG4が設置されている。図5に例示する状態において、信号機SG2およびSG4は青信号(車両の進行を許可することを示す信号)を表示しており、信号機SG1および信号機SG3は赤信号(車両の進行を許可しないことを示す信号)を表示している。なお、信号機SG1~SG4の全てが信号機54の機能を有していてもよいし、信号機SG1~SG4の一部のみが信号機54の機能を有していてもよい。本実施形態では、信号機SG1のみが信号機54の機能を有しているものとして説明する。一方、信号機SG2~SG4は信号機SG1と通信するための無線通信部と、路面描画装置543と同様の構成の路面描画装置と、交通用照明装置545と同様の構成の交通用照明装置と、を有している。信号機SG1の信号機制御部542は、無線通信部541を介して、信号機SG2~SG4の路面描画装置を制御することもできる。
【0066】
図5に例示するように、車両1は横断歩道Z2上を通過し、交差点Cで左折しようとしている。一方、歩行者Pは、横断歩道Z1を横断しようとしている。このとき、車両1のカメラ6は、周辺環境情報としての歩行者Pの存在を検出し、周辺環境情報を車両制御部3に出力する。車両制御部3は、受信した周辺環境情報から、歩行者Pに向けて、車両1が横断歩道Z1を通過しようとしていることを示す情報を、歩行者Pの近くの路面である領域S1に描画する必要があると判断する。
【0067】
車両制御部3が、歩行者Pに対して所定の情報を伝達する必要があると判断すると、車両1の車両制御部3は、路面描画をしたい信号および路面描画をしたい位置(領域S1)を示す信号を生成する。車両制御部3は、これらの信号を、無線通信部10を介して、交通用インフラストラクチャ50に送信する。これらの信号は、信号機SG1(54)の無線通信部541を介して、信号機SG1(54)の指令部546に送られる。
【0068】
指令部546は、路面描画をしたい信号を受信すると、路面描画をしたい位置を示す信号に基づき、路面描画をしたい位置(領域S1)を特定する。指令部546は、領域S1が路面描画を行うのに明るすぎる場合、領域S1の明るさを、路面描画を行うのに適切な明るさにするための制御を行う。領域S1の明るさは、街路灯53の街路灯制御部534から取得した情報、またはカメラ544から取得した情報により、判断される。指令部546は、領域S1が路面描画を行うのに明るすぎる場合、路面描画をしたい位置に対応する照射領域を照射可能な街路灯53を特定する。なお、指令部546は、路面描画をしたい位置を示す信号のみに基づいて、当該処理を実行してもよい。
【0069】
指令部546は、路面描画をしたい位置と、路面描画をしたい位置に対応する照射領域を照射可能な街路灯53と、を特定すると、街路灯53を制御するための信号を生成し、当該制御信号を街路灯53に送信する。本実施形態において、路面描画をしたい場所は、領域S1である。したがって、指令部546は、領域S1に対して光を照射している街路灯53Aに、制御信号を送信する。
【0070】
街路灯53Aが指令部546から制御信号を受信すると、街路灯53Aの街路灯制御部534は、照明部531から出射される光の輝度を低減させるよう照明部531を制御する。なお、照明部531から出射される光の輝度をどの程度にするかどうかは、カメラ533から受信した周辺環境情報(例えば、街路灯53Aの周囲の明るさ)に基づいて、街路灯制御部534が適宜判断し得る。この結果、領域S1の照度は低くなる。
【0071】
また、指令部546は、路面描画装置543が領域S1に向けて路面描画するための制御信号を生成し、当該制御信号を領域S1から最も近い位置にある信号機SG4に送信する。信号機SG4の路面描画装置は、当該制御信号に基づいて制御される。この結果、信号機SG4の路面描画装置は、領域S1に向けてレーザ光を照射し、歩行者が横断しようとしている横断歩道に車両が進入しようとしていることを示す情報を歩行者Pに伝達する。
【0072】
本実施形態に係る構成によれば、路面描画をしたい路面が、街路灯53によって明るく照らされていても、街路灯53により照らされる領域の少なくとも一部を暗くさせることで、路面描画が明確に表示される。したがって、路面描画を見せたい対象である歩行者Pは、路面描画された情報を容易に認識することができる。
【0073】
また、本実施形態に係る構成によれば、交通用システム100は、照射領域が互いに異なる複数の街路灯53A~53Dを含んでいる。指令部546は、複数の街路灯53A~53Dのうち、路面描画をしたい位置に対応する領域S1を照射可能な街路灯53Aにより照らされる領域の少なくとも一部を暗くさせる。したがって、路面描画をしたい位置の照度を的確に低下させることができる。
【0074】
また、本実施形態に係る構成によれば、交通用システム100は、路面描画装置543を備え、かつ地面に設置される信号機54を有する。路面描画装置543を備えている信号機54は移動しないので、移動している車両1が路面描画を行う場合と比べて、より的確に、路面描画をしたい位置に路面描画をすることができる。
【0075】
(第二実施形態)
本実施形態に係る交通用システム1100について、図6を参照しつつ説明する。なお、これ以降において、第一実施形態と共通する要素には同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。図6は、交通用システム1100のブロック図を例示している。図6に例示するように、交通用システム1100は、車両1に備わる車両システム2と、交通用インフラストラクチャ150と、を備えている。
【0076】
次に、交通用インフラストラクチャ150について説明する。交通用インフラストラクチャ150は、例えば、信号機、電柱、街路灯、鉄塔等の複数の様々なインフラストラクチャを含み得る。図6に例示するように、交通用インフラストラクチャ150は、信号機1500と、街路灯153と、を備えている。
【0077】
図6および図7に例示するように、街路灯153は、無線通信部1530(第3無線通信部)と、照明部1531と、カメラ1533と、制御部1534と、を備えている。これらはバス1535を介して互いに通信可能に接続されている。街路灯153は、車道や歩道等の近くの地面に設置されている。
【0078】
無線通信部1530は、後述する信号機1500の無線通信部151と無線通信を行うように構成されている。無線通信部1530は、例えば、アドホックモードで無線通信部151と直接通信してもよいし、ネットワークを介して無線通信部151と通信してもよい。本実施形態において、無線通信部1530は、信号機1500の内部に配置されているが、信号機1500の外部に配置されていてもよい。
【0079】
照明部1531は、例えばLEDランプ等である。また、照明部1531は、車両用照明装置4の照明ユニット42と同様の構成のレーザ走査装置を含む照明装置を備えていてもよい。したがって、照明部1531は、街路灯としての照明機能と、路面描画機能と、を備えている。つまり、照明部1531は、街路灯153の設置位置の近くにある路面に向けて照明用の光を出射することができるとともに、路面描画をすることもできる。このように、街路灯153は、路面描画装置として機能し得る。
【0080】
カメラ1533は、カメラ6と同様の構成であるため、説明を省略する。カメラ1533は、街路灯153の周囲を撮像することで、街路灯153の周辺環境(車両、歩行者、道路形状、交通標識、障害物等)を検出し、周辺環境情報を制御部1534に出力するように構成されている。
【0081】
制御部1534は、車両制御部3と同様の電子制御ユニットによって構成されていてもよい。制御部1534は、街路灯153を制御するように構成されている。制御部1534は、例えば、カメラ1533から受信した周辺環境情報に基づき、照明部1531を制御することができる。また、制御部1534は、受信した周辺環境情報から、歩行者や車両等の対象物に向けて、所定の情報を路面描画する必要があるか否かを判断することもできる。
【0082】
次に、図6および図8を参照しつつ、信号機1500について説明する。図6および図8に例示するように、信号機1500は、無線通信部151(第4無線通信部)と、指令部152と、要求取得部154と、状況把握部155と、描画ユニット156(路面描画装置の一例)と、制御部157と、交通用照明装置158と、車両検知センサ159と、を備えている。これらはバス160を介して互いに通信可能に接続されている。信号機1500は、車道や歩道等の近くの地面に設置されている。
【0083】
無線通信部151は、車両システム2の無線通信部10および街路灯153の無線通信部1530と無線通信を行うように構成されている。無線通信部151は、例えば、アドホックモードで無線通信部10および無線通信部1530と直接通信してもよいし、ネットワークを介して無線通信部10および無線通信部1530と通信してもよい。本実施形態において、無線通信部151は、信号機1500の内部に配置されているが、信号機1500の外部に配置されていてもよい。
【0084】
要求取得部154は、例えば、無線通信部151を介して車両システム2から送信された路面描画をしたい信号と、指定領域情報と、を取得することができる。指定領域情報は、路面描画をしたい領域に関する情報および路面描画を見せたい対象に関する情報の少なくとも一方を含む。路面描画をしたい領域に関する情報とは、路面描画をする場所に関する位置情報である。路面描画を見せたい対象に関する情報とは、路面描画により所定の情報を視認させたい歩行者、自転車や自動車等の車両等の位置、向き、速度等に関する情報である。要求取得部154は、路面描画をしたい信号と、指定領域情報と、を受信すると、指定領域情報を指令部152に送信する。
【0085】
状況把握部155は、無線通信部151と無線通信部1530を介して、街路灯153と通信する。状況把握部155は、信号機1500の周囲に設置されている街路灯153と、各街路灯153が描画可能な領域と、を特定することができる。状況把握部155は、街路灯153に対し、街路灯153が有する照明部1531は光を照射することが可能かどうか(すなわち、街路灯153が有する照明部1531は故障していないかどうか)を確認するための信号を送信する。状況把握部155は、街路灯153からの当該信号に対応する応答信号に基づき、各街路灯153が路面描画を行うことが可能か否かを判断する。
【0086】
状況把握部155は、所定の情報を記憶可能な記憶部を有している。状況把握部155の記憶部には、信号機1500の周囲に設置されている街路灯153が描画可能な領域に関する情報が記憶されている。街路灯153が描画可能な領域に関する情報は、例えば街路灯153が設置されている位置、街路灯153が備えている照明装置から出射される光の光度等に関する情報を含む。また、状況把握部155の記憶部には、描画ユニット156が描画可能な領域に関する情報も記憶されている。
【0087】
車両検知センサ159は、車両1のカメラ6やレーダ7と同様の構成であってもよい。
【0088】
再び、状況把握部155について説明する。状況把握部155は、照明装置4は光を照射することが可能かどうかを確認するための信号を、車両検知センサ159によって検知された車両1の車両制御部3に送信する。状況把握部155は、車両制御部3からの当該信号に対応する応答信号に基づき、車両1の照明装置4が路面描画を行うことが可能か否かを判断する。状況把握部155が、照明装置4は路面描画を行うことが可能であると判断した場合、状況把握部155は、照明装置4が描画可能な領域に関する情報(照明装置4の照射可能範囲や出力強度に関する情報等)を取得するための信号を車両制御部3に送信する。車両制御部3は、当該信号を受信すると、照明装置4が描画可能な領域に関する情報を状況把握部155に送信する。
【0089】
状況把握部155は、街路灯153が描画可能な領域に関する情報に基づき、街路灯153が描画可能な領域を判断することができる。また、状況把握部155は、照明装置4が描画可能な領域に関する情報に基づき、照明装置4が描画可能な領域を判断することができる。さらに、状況把握部155は、描画ユニット156が描画可能な領域に関する情報に基づき、描画ユニット156が描画可能な領域を判断することができる。状況把握部155は、路面描画を行うことが可能と判断した街路灯153、車両1の照明装置4、および描画ユニット156に関し、街路灯153、照明装置4、および描画ユニット156が描画可能な領域に関する情報に基づき、街路灯153、照明装置4、および描画ユニット156が描画可能な領域を判断する。その後、状況把握部155は、特定した街路灯153、照明装置4、および描画ユニット156が描画可能な領域に関する情報を指令部152に送信する。
【0090】
指令部152は、無線通信部151と街路灯153の無線通信部1530を介して、街路灯153の動作を制御するように構成されている。また、指令部152は、無線通信部151と、車両システム2の無線通信部10を介して、照明装置4の動作を制御するように構成されている。指令部152は、車両制御部3と同様の電子制御ユニットによって構成されていてもよい。指令部152は、要求取得部154により取得された指定領域情報と、状況把握部155により特定された街路灯153、車両1の照明装置4、および描画ユニット156が描画可能な領域と、に基づいて、街路灯153、照明装置4、および描画ユニット156のうち路面描画させるのに最も適した路面描画装置を特定することができる。指令部152は、路面描画させるのに最も適した路面描画装置を特定すると、指示信号を生成する。例えば、路面描画させるのに最も適した路面描画装置が街路灯153のとき、指令部152は、街路灯153に当該指示信号を送信する。路面描画させるのに最も適した路面描画装置が照明装置4のとき、指令部152は、照明装置4を有する車両1の車両制御部3に当該指示信号を送信する。路面描画させるのに最も適した路面描画装置が描画ユニット156のとき、指令部152は、描画ユニット156に当該指示信号を送信する。そして、街路灯153、照明装置4、および描画ユニット156の少なくとも一つは、所定の領域に所定の情報を路面描画する。なお、指令部152は、路面描画させるのに最も適した街路灯153及び/又は照明装置4を複数特定してもよい。
【0091】
描画ユニット156は、信号機1500の外部(例えば、信号機1500近傍の路面等)に向けてレーザ光(例えば、リング状や線状の光パターン)を照射するように構成されている。描画ユニット156は、車両用照明装置4の照明ユニット42と同様の構成のレーザ走査装置を含んでいてもよい。本実施形態において、描画ユニット156は、信号機1500の外部に配置されているが、例えば信号機1500の内部に配置されていてもよい。
【0092】
制御部157は、車両制御部3と同様の電子制御ユニットによって構成されていてもよい。制御部157は、例えば、信号機1500が有する交通用照明装置158の切換動作を制御することができる。
【0093】
交通用照明装置158は、青色(Green)、黄色(Yellow)、赤色(Red)の3色の表示灯を有している。
【0094】
図9は、車両1が交差点Cで左折しようとするときの状態を例示する図である。図9に例示するように、交差点Cには横断歩道Z1~Z4が配置されている。横断歩道Z1~Z4の付近には、それぞれ、街路灯153A~153Dが設置されている。街路灯153A~153Dは、街路灯153と同様の構成である。街路灯153Aは、領域S11に光を照射することができる。街路灯153Bは、領域S12に光を照射することができる。街路灯153Cは、領域S13に光を照射することができる。街路灯153Dは、領域S14に光を照射することができる。また、車両1の照明装置4も路面描画装置として機能する。照明装置4は、領域S12に光を照射することができる。なお、交差点Cには、信号機SG11~SG14が設置されている。信号機SG11~SG14は、横断歩道Z1~Z4の付近にそれぞれ設置されている。図9に例示する状態において、信号機SG12およびSG14は青信号(車両の進行を許可することを示す信号)を表示しており、信号機SG11および信号機SG13は赤信号(車両の進行を許可しないことを示す信号)を表示している。なお、信号機SG11~SG14の全てが信号機1500の機能を有していてもよいし、信号機SG11~SG14の一部のみが信号機1500の機能を有していてもよい。本実施形態では、信号機SG11のみが信号機1500の機能を有しているものとして説明する。一方、信号機SG12~SG14は表示灯としてのみ機能する。信号機SG11(1500)は、領域S15に光を照射することができる。
【0095】
図9に例示するように、車両1は横断歩道Z2上を通過し、交差点Cで左折しようとしている。一方、歩行者Pは、横断歩道Z1を横断しようとしている。このとき、車両1のカメラ6は、周辺環境情報としての歩行者Pの存在を検出し、周辺環境情報を車両制御部3に出力する。車両制御部3は、受信した周辺環境情報から、歩行者Pに向けて、横断歩道Z1の横断をやめることを促すための情報を、歩行者Pの近くの路面である領域S11に描画する必要があると判断する。
【0096】
車両制御部3が、歩行者Pに対して所定の情報を伝達する必要があると判断すると、車両制御部3は、路面描画をしたい信号と、路面描画をしたい領域に関する情報および路面描画を見せたい対象に関する情報を含む指定領域情報と、を示す信号を生成する。本実施形態において、路面描画をしたい領域とは領域S11である。路面描画を見せたい対象とは、D1方向に進行しながら横断歩道Z1を横断しようとしている歩行者Pである。なお、路面描画を見せたい対象に関する情報には、路面描画により所定の情報を視認させたい歩行者Pの位置、向き、歩行速度等に関する情報が含まれる。車両制御部3は、これらの信号を、無線通信部10を介して、信号機1500に送信する。これらの信号は、例えば、無線通信部151を介して、要求取得部154に送られる。
【0097】
要求取得部154は、路面描画をしたい信号と、指定領域情報と、を受信すると、指定領域情報を指令部152に送信する。またこのとき、状況把握部155は、信号機1500の周囲に設置されている街路灯153のうち、領域S11に光を出射可能な街路灯153Aに対し、街路灯153Aが備える照明装置は光を照射可能かどうかを確認するための信号を送信する。状況把握部155は、街路灯153からの当該信号に対応する応答信号に基づき、各街路灯153が路面描画を行うことが可能か否かを判断する。さらに、状況把握部155は、車両検知センサ159によって検知された車両1に対し、車両1が有する照明装置4は光を照射可能かどうかを確認するための信号を、検出された車両1の車両制御部3に送信する。状況把握部155は、車両制御部3からの当該信号に対応する応答信号に基づき、車両1の照明装置4が路面描画を行うことが可能か否かを判断する。また、状況把握部155は、信号機1500の描画ユニット156に対し、光を照射可能かどうかを確認するための信号を送信する。このようにして、状況把握部155は、路面描画を行うことが可能な街路灯153、照明装置4、および描画ユニット156の特定と、当該特定された街路灯153の照射領域、特定された照明装置4の照射領域および特定された描画ユニット156の照射領域の特定と、を行う。特定された街路灯153の照射領域、特定された照明装置4の照射領域および特定された描画ユニット156の照射領域に関する情報は、指令部152に送信される。
【0098】
指令部152は、指定領域情報と、特定された街路灯153の照射領域、特定された照明装置4の照射領域および特定された描画ユニット156の照射領域に関する情報と、を受信する。次いで、指令部152は、要求取得部154により取得された指定領域情報と、状況把握部155により特定された街路灯153が描画可能な領域、特定された照明装置4が描画可能な領域および特定された描画ユニット156の描画可能な領域と、に基づいて、街路灯153、照明装置4、および描画ユニット156のうち路面描画させるのに最も適した路面描画装置を特定する。本実施形態において、指令部152は、路面描画させるのに最も適した路面描画装置として、領域S11に光を照射することが可能な街路灯153Aを特定する。指令部152は、街路灯153Aを特定すると指示信号を生成し、当該指示信号を街路灯153Aに送信する。街路灯153Aは、当該指示信号を受信すると、領域S11に、歩行者Pが横断歩道Z1の横断をやめることを促す情報として、「STOP」の文字を路面描画する。なお、指令部152が受信した指定領域情報には、歩行者Pの位置、向き、速度等に関する情報が含まれているため、「STOP」の文字は、歩行者Pが視認しやすい向きおよび位置に表示される。
【0099】
(第二実施形態における第一変形例)
次に、図10を参照して、第二形態における第一変形例について説明する。図10は、車両1が交差点Cで左折しようとするときの状態を例示する図である。当該第一変形例は、歩行者Pの代わりに、車両1の隣を走行する自転車Bがいる点で第二実施形態と異なる。なお、その他の構成については第一実施形態または第二実施形態と同様なので説明を省略する。
【0100】
図10に例示するように、車両1は横断歩道Z2上を通過し、交差点Cで左折しようとしている。一方、自転車Bは、車両1の左側を走行しており、前方向(D2方向)に直進しながら横断歩道Z2上を通過しようとしている。このとき、車両1のカメラ6は、周辺環境情報としての自転車Bの存在を検出し、周辺環境情報を車両制御部3に出力する。車両制御部3は、受信した周辺環境情報から、自転車Bに向けて、停止することを促すための情報を、自転車Bの近くの路面である領域S12に描画する必要があると判断する。
【0101】
車両制御部3が、自転車Bに対して所定の情報を伝達する必要があると判断すると、車両制御部3は、路面描画をしたい信号と、路面描画をしたい領域に関する情報および路面描画を見せたい対象に関する情報を含む指定領域情報と、を示す信号を生成する。本変形例において、路面描画をしたい領域とは領域S12である。路面描画を見せたい対象とは、車両1の左側を前方向(D2方向)に進行している自転車Bである。なお、路面描画を見せたい対象に関する情報には、路面描画により所定の情報を視認させたい自転車Bの位置、向き、速度等に関する情報が含まれる。車両制御部3は、これらの信号を、無線通信部10を介して、信号機1500に送信する。これらの信号は、信号機1500の無線通信部151(図8参照)を介して、要求取得部154(図8参照)に送られる。
【0102】
要求取得部154は、路面描画をしたい信号と、指定領域情報と、を受信すると、指定領域情報を指令部152に送信する。またこのとき、状況把握部155は、路面描画を行うことが可能な街路灯153、照明装置4および描画ユニット156の特定と、当該特定された街路灯53の照射領域、当該特定された照明装置4の照射領域および当該特定された描画ユニット156の照射領域の特定と、を行う。特定方法については第二実施形態と同様なので説明を省略する。
【0103】
本変形例において、指令部152は、路面描画させるのに最も適した路面描画装置として、領域S12に光を照射することが可能な街路灯153Bと車両1の照明装置4を特定する。指令部152は、街路灯153Bと照明装置4を特定すると指示信号を生成し、当該指示信号を、街路灯153Bおよび車両1の車両制御部3に送信する。その結果、街路灯153Bおよび照明装置4は、領域S12に、停止することを促すための情報として、「STOP」の文字を路面描画する。なお、指令部152が受信した指定領域情報には、自転車Bの位置、向き、速度等に関する情報が含まれているため、「STOP」の文字は、自転車Bの運転手が視認しやすい向きおよび位置に表示される。
【0104】
(第二実施形態における第二変形例)
次に、図11および図12を参照して、第二実施形態における第二変形実施例について説明する。図11は、本変形例に係る交通用システム1100Aの機能ブロック図である。図12は、本線道路R1と支線道路R2が合流する道路Rの様子を例示する図である。道路Rは、例えば高速道路の合流地点における道路である。当該第二変形例は、交通用システム1100Aに係る交通用インフラストラクチャ150Aが、信号機1500の代わりに、鉄塔200を含む点で第二実施形態と異なる。鉄塔200は、描画ユニット156と、交通用照明装置158と、車両検知センサ159と、を備えていない代わりに、撮像部161を備えている点で信号機1500と異なる。なお、以下の説明において、第一実施形態または第二実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0105】
撮像部161は、鉄塔200の周辺環境(車両、歩行者、道路形状、交通標識、障害物等)を撮像可能なカメラと、当該カメラが撮像した画像を解析可能な画像処理部と、を有している。当該カメラは、カメラ6と同様の構成であってもよい。本変形例において、撮像部161は、鉄塔200の上部に設けられているが、これ以外の場所に設けられていてもよい。撮像部161は、例えば、道路Rの周辺環境を含む画像を撮像し、撮像部161が撮像した画像を解析する。画像解析の結果から、撮像部161は、例えば、鉄塔200の周辺を走行する車両に向けて、減速を促すための情報を、当該車両の近くの路面に描画する必要があると判断する。この場合、撮像部161は、路面描画をしたい信号と、路面描画をしたい領域に関する情報および路面描画を見せたい対象に関する情報を含む指定領域情報と、を示す信号を生成する。これらの信号は、要求取得部154に送信される。
【0106】
図12に例示するように、道路Rの付近には、街路灯153A~153Dが設置されている。街路灯153Aは支線道路R2の側方に配置されている。街路灯153B~153Dは本線道路R1の側方に配置されている。街路灯153Aは、領域S21に光を照射することができる。街路灯153Bは、領域S22に光を照射することができる。街路灯153Cは、領域S23に光を照射することができる。街路灯153Dは、領域S24に光を照射することができる。
【0107】
街路灯153Aの近くには車両1とは異なる車両Vがいる。車両Vは支線道路R2を走行している。街路灯153Bの近くには車両1がいる。車両1は本線道路R1を走行している。なお、車両Vは、車両1と同様の構成であってもよい。車両1は、本線道路R1を前方向に直進している。他方、車両Vは、支線道路R2を右前方向に進行しており、本線道路R1に合流しようとしている。このとき、鉄塔200の撮像部161は、道路Rの周辺環境を含む画像を撮像し、撮像した画像を解析する。そして、撮像部161は、車両1に向けて、減速を促すための情報を、車両1の近くの路面に描画する必要があると判断する。
【0108】
撮像部161は、車両1に対して所定の情報を伝達する必要があると判断すると、路面描画をしたい信号と、路面描画をしたい領域に関する情報および路面描画を見せたい対象に関する情報を含む指定領域情報と、を示す信号を生成する。これらの信号は、要求取得部154に送信される。本変形例において、路面描画をしたい領域とは領域S22である。路面描画を見せたい対象とは、本線道路R1を前方向に直進している車両1である。なお、路面描画を見せたい対象に関する情報には、路面描画により所定の情報を視認させたい車両1の位置、向き、速度等に関する情報が含まれる。これらの信号は要求取得部154に送られる。
【0109】
要求取得部154は、路面描画をしたい信号と、指定領域情報と、を受信すると、指定領域情報を指令部152に送信する。またこのとき、状況把握部155は、路面描画を行うことが可能な街路灯153および照明装置4の特定と、当該特定された街路灯153の照射領域および当該特定された照明装置4の照射領域の特定と、を行う。特定方法については第二実施形態と同様なので説明を省略する。
【0110】
本変形例において、指令部152は、路面描画させるのに最も適した路面描画装置として、領域S22に光を照射することが可能な街路灯153Bと車両1の照明装置4を特定する。指令部52は、街路灯153Bと照明装置4を特定すると指示信号を生成し、当該指示信号を街路灯153Bおよび車両1の車両制御部3のどちらか一方に送信する。その結果、街路灯153Bまたは照明装置4は、領域S22に、減速を促すための情報として、「SLOW」の文字を路面描画する。なお、指令部152が受信した指定領域情報には、車両1の位置、向き、速度等に関する情報が含まれているため、「SLOW」の文字は車両1の運転手が視認しやすい向きおよび位置に表示される。
【0111】
本実施形態に係る構成によれば、交通用インフラストラクチャ150,150Aが備える指令部152は、路面描画をしたい領域に関する情報および路面描画を見せたい対象に関する情報を含む指定領域情報と、状況把握部155により特定された街路灯153、車両1の照明装置4、および描画ユニット156が描画可能な領域と、に基づいて、状況把握部155により特定された街路灯153、照明装置4、および描画ユニット156のうち最も適した路面描画装置に路面描画させる。したがって、交通用インフラストラクチャ150は、最適な路面描画を実現することができる。
【0112】
また、本実施形態に係る構成によれば、指定領域情報は、路面描画を見せたい対象(例えば、歩行者、自転車や自動車等の車両等)に関する情報を含んでいる。したがって、例えば、路面描画により表示される情報が文字情報のとき、路面描画を見せたい対象の向き等を考慮して、当該文字情報が路面描画されるので、路面描画を見せたい対象は当該文字情報を認識しやすい。
【0113】
また、本実施形態に係る構成によれば、交通用インフラストラクチャ150Aが撮像部161を備えている場合、指定領域情報は撮像部161により生成され、要求取得部154に送信される。したがって、交通用インフラストラクチャ150Aは車両1と通信しないとしても、最適な路面描画を実現することができる。
【0114】
(第三実施形態)
本実施形態に係る交通用システム2100について、図13を参照しつつ説明する。図13は、交通用システム2100のブロック図を例示している。図13に例示するように、交通用システム2100は、車両1に備わる車両システム2と、信号機250(交通用インフラストラクチャの一例)と、を備えている。
【0115】
本実施形態に係る車両制御部3は、車両制御部3としての検知部20をさらに備えている。車両制御部3は、要求信号を生成することができる。要求信号とは、例えば、車両1が右折するときに車両1が辿る進路上に進入し得る他の車両の検知を要求するための信号である。車両制御部3によって生成された要求信号は、検知部20または信号機250に送信される。検知部20は、センサ5やカメラ6から受信した情報に基づき、車両1の周囲にいる他の車両を検知することができる。
【0116】
次に、図13および図14を用いて、信号機250について説明する。なお、信号機250は、例えば、電柱、街路灯、鉄塔等の他のインフラストラクチャに置き換えられ得る。図13に例示するように、信号機250は、無線通信部251(第5無線通信部)と、カメラ252と、制御部253と、報知部254と、交通用照明装置258と、を備えている。これらはバス259を介して互いに通信可能に接続されている。
【0117】
無線通信部251は、車両システム2の無線通信部10と無線通信を行うように構成されている。無線通信部251は、例えば、アドホックモードで無線通信部10と直接通信してもよいし、ネットワークを介して無線通信部10と通信してもよい。本実施形態において、無線通信部251は、信号機250の内部に配置されているが(図14参照)、信号機250の外部に配置されていてもよい。また、信号機250は、無線通信部251を介して、無線通信装置を有する他の信号機とも通信することができる。さらに、信号機250は、無線通信部251を介して、車両1と同様の構成の複数の車両と通信することもできる。
【0118】
カメラ252は、信号機250の周辺環境(車両、歩行者、道路形状、交通標識、障害物等)を撮像する。カメラ252は、撮像データを制御部253に出力するように構成されている。本実施形態において、カメラ252は、信号機250の外部に配置されているが(図14参照)、信号機250の内部に配置されていてもよい。
【0119】
制御部253は、信号機250の各種動作を制御するように構成されており、検知部255と、判断部256と、を備えている。制御部253は、例えば、車両1の車両制御部3から送信された要求信号に基づき、カメラ252を制御する。具体的には、制御部253は、カメラ252に、信号機250の周辺を撮像させ、撮像データを検知部255に送信させる。本実施形態において、制御部253は、信号機250の内部に配置されている(図14参照)。
【0120】
検知部255は、カメラ252から受信した撮像データに基づいて、信号機250の周囲にいる車両や、これらの車両の位置等を検知する。これらの検知された情報は、周辺環境情報として、判断部256に送信される。なお、カメラ252と検知部255は一体的に構成されていてもよい。つまり、カメラ252が検知部255の機能を有していてもよい。
【0121】
判断部256は、検知部255から連続的に受信した周辺環境情報から信号機250の周囲にいる車両の速度や位置の変化を算出し、信号機250の周囲にいる車両が減速または停止しているかどうかを判断することができる。また、判断部256は、周辺環境情報に基づき、例えば、車両1が、車両1の進路に侵入する虞がある他の車両の前方を通って曲がってよいか否かを判定することができる。
【0122】
報知部254は、路面描画装置257を備えている。路面描画装置257は、照明装置4と同様の照明装置を有していてもよい。また、報知部254は、制御部253の判断部256の出力に基づいて、所定の情報(例えば、ある車両が、自車と対向する位置にいる他の車両の前方を通って曲がることの適否に関する情報)を報知することができる。報知部254による報知方法は、例えば、路面描画装置257により路面描画する方法や、報知部254が備えているスピーカから音声等を出力する方法等である。
【0123】
交通用照明装置258は、青色(Green)、黄色(Yellow)、赤色(Red)の3色の表示灯を有している。
【0124】
次に、図15図17を参照して、交通用システム2100が実行する処理について説明する。図15は、交通用システム2100が実行する処理の流れを例示する図である。図16図17は、車両1が交差点Cで右折しようとするときの状態を例示する図である。なお、本実施形態では、図16に例示するように、交通参加者として、車両1(以下、「第一車両1」ともいう。)、第二車両60、第三車両70が登場する。第二車両60は、第一車両1と同様の構成であり、第一車両1と通信可能である。一方、第三車両70は、手動運転により操縦されるオートバイであり、第一車両1とは通信不可能である。
【0125】
図16に例示するように、交差点Cには横断歩道Z1~Z4が配置されている。横断歩道Z1~Z4の付近には、それぞれ、信号機SG21~SG24が設置されている。信号機SG21~SG24は、これら全てが信号機250の機能を有していてもよいし、信号機SG21~SG24の一部のみが信号機250の機能を有していてもよい。本実施形態では、信号機SG22のみが信号機250の機能を有しているものとして説明する。一方、信号機SG21および信号機SG23~SG24は、信号機SG22と通信するための無線通信部と、交通用照明装置258と同様の構成の交通用照明装置と、報知部254と同様の構成の報知部と、を有している。信号機SG22の制御部253は、無線通信部251を介して、信号機SG21および信号機SG23~SG24の報知部を制御することもできる。
【0126】
図16に例示する状態において、信号機SG21および信号機SG23の表示は、赤信号(車両の進行を許可しないことを示す信号)から青信号(車両の進行を許可することを示す信号)に変わったばかりである。一方、信号機SG22およびSG24の表示は赤信号である。第一車両1は横断歩道Z3の付近にいる。第二車両60は横断歩道Z1の付近にいる。第二車両60は、第一車両1の対向車である。第三車両70は横断歩道Z1の付近におり、かつ第三車両70は第二車両60からみて後方の領域にいる。つまり、横断歩道Z1から第二車両60までの距離は、横断歩道Z1から第三車両70までの距離よりも短い。第三車両70は、第一車両1から見て第二車両60の後方から第一車両1に接近して死角となる領域にいる。
【0127】
図15に例示するように、最初に、第一車両1と第二車両60との間で、車車間通信が行われる(STEP01)。具体的には、まず、第一車両1の車両制御部3は、例えばカメラ6から受信した周辺環境情報に基づき、第二車両60の存在を把握する。一方、第二車両60の車両制御部も同様に、第一車両1の存在を把握する。次に、第一車両1は、無線通信部10から、第一車両1に関する走行情報を第二車両60に送信する。一方、第二車両60は、第二車両60が有する無線通信部から、第二車両60に関する走行情報を第一車両1に送信する。第一車両1および第二車両60に関する走行情報としては、例えば、第一車両1の速度、位置、進路等に関する情報および第二車両60の速度、位置、進路等に関する情報である。このようにして、第一車両1は第二車両60に関する走行情報を、第二車両60は第一車両1に関する走行情報を受信する。第一車両1に関する走行情報には、第一車両1が交差点Cを右折しようとしている情報が含まれる。
【0128】
第一車両1と第二車両60は完全自動運転モードであってもよいし、予め走行情報を認識した運転手によって操縦される手動運転モードであってもよい。例えば、第二車両60が完全自動運転モードの場合、第二車両60の車両制御部は、第一車両1が交差点Cを右折しようとしていることを認識する。他方、第二車両60が手動運転モードの場合、第二車両60は、第一車両1から受信した第一車両1に関する走行情報に基づいて、第二車両60の内部に備わる表示ディスプレイに、第一車両1が右折しようとしていることを示す情報を表示させてもよい。なお、第二車両60の運転手は、例えば、第一車両1の方向指示器を視認することにより、第一車両1が右折しようとしていることを認識してもよい。このように、第一車両1と第二車両60との間で、車車間通信が行われないとしても、第二車両60の運転手は、第一車両1が右折しようとしていることを認識できる。
【0129】
本実施形態において、第二車両60または第二車両60の運転手は、第一車両1が右折しようとしていることを認識し、第一車両1を先に右折させるべきであると判断する。したがって、第二車両60の車両制御部は、第二車両60は停止すべきであると判断し、または第二車両60の運転手はブレーキ操作を行い、当該判断または操作に関する情報を第一車両1に伝達する。また、第二車両60の車両制御部は、第二車両60が有する照明装置に対して、第二車両60は停止することを示す情報を路面描画させるための指示信号を生成する。第二車両60の照明制御部は、当該指示信号に基づき、第二車両60の照明ユニットを制御する。その結果、図16に例示するように、第二車両60の前方には、第二車両60が停止することを示す情報として、例えば、「止まります」という文字が路面描画される(STEP02)。その結果、第一車両1の運転手は、第二車両60が、第一車両1の右折のために停止することを認識する。なお、路面描画される情報は文字に限られず、色彩、記号、図形等の視覚的な情報であってもよい。
【0130】
なお、STEP02は、信号機SG21およびSG23が赤信号から青信号に切り替わった際、または右折のみを許可する右折矢印が表示された際に行われてもよい。その場合、青信号に切り替わったにも関わらず、第二車両60が停止し続けている情報を第一車両1に送信する。また同様に、第二車両60の前方には、第二車両60が停止することを示す情報が路面描画される。
【0131】
図15に戻って、交通用システム2100が実行する処理について説明する。第一車両1の車両制御部3は、第二車両60が停止することを受信し、第一車両1が先に右折しようとする制御を開始する。このとき、車両制御部3は要求信号を生成し、当該要求信号を信号機SG22(250)に送信する(STEP03)。要求信号を受信した信号機SG22(250)の制御部253は、受信した要求信号に基づき、カメラ252が信号機SG22(250)の周辺環境を撮像するように制御する(STEP04)。カメラ252が撮像した撮像データは、制御部253に送信される。
【0132】
制御部253の検知部255は、カメラ252が撮像した撮像データから、第一車両1、第二車両60、第三車両70を検知する(STEP05)。またこのとき、検知部255は、第一車両1、第二車両60、第三車両70の位置を検知することもできる。これらの検知された情報は、周辺環境情報として、判断部256に送信される(STEP06)。なお、本実施形態において、第三車両70は、横断歩道Z1を通過しながら直進しようとしている。判断部256は、第一車両1、第二車両60、第三車両70の速度の変化を算出し、例えば、第一車両1が、第一車両1の進路に侵入する虞がある他の車両の前方を通って曲がってよいか否かを判定することができる(STEP07)。
【0133】
STEP07において、判断部256は、検知部255から出力された第一車両1、第二車両60、第三車両70の走行情報を含む周辺環境情報に基づき、第一車両1が、第二車両60の前方を通って曲がってよいか否かを判定する。判断部256が、第一車両1は第二車両60の前方を通って曲がってよいと判定したとき(STEP07においてYES)、STEP08に進む。一方、判断部256が、第一車両1は第二車両60の前方を通って曲がってはならないと判定したとき(STEP07においてNO)、STEP09に進む。
【0134】
STEP08に進んだ場合、報知部254は、第一車両1が、第二車両60の前方を通って曲がることの適否に関する情報として、第一車両1に対して右折を促す情報である「OK」という文字を、報知部254の路面描画装置257によって、第一車両1の前方に路面描画する(図示せず)。この場合、第一車両1または第一車両1の運転手は、右折することができると判断することができる。なお、路面描画される情報は、文字情報に限られず、色彩、記号、図形等であってもよい。
【0135】
STEP09に進んだ場合、図17に例示するように、報知部254は、第一車両1が第二車両60の前方を通って曲がることの適否に関する情報として、第一車両1に対して右折をやめることを促す情報である「STOP」という文字を、報知部254の路面描画装置257によって、第一車両1の前方に路面描画する。この場合、第一車両1または第一車両1の運転手は、右折することができないと判断することができる。なお、路面描画される情報は、文字情報に限られず、色彩、記号、図形等であってもよい。
【0136】
報知部254による報知方法は、路面描画装置257により路面描画する方法の他、例えば、報知部254が備えているスピーカから音声等を出力する方法等であってもよい。さらに、報知部254による報知方法は、報知部254が、信号機250と第一車両1との間で通信を行うための信号を生成し、無線通信部251と第一車両1の無線通信部10を介して、当該信号を第一車両1に送信する方法であってもよい。
【0137】
本実施形態に係る構成によれば、第一車両1が第二車両60の前方を通って曲がることの適否に関する情報は、路面描画により、第一車両1やその運転手等に伝達される。したがって、例えば、第一車両1の死角に第三車両70がおり、かつ第一車両1と第三車両70が交差点Cを通過する推定時刻が略同じである場合、第一車両1または第一車両1の運転手は、右折できないと判断することができる。反対に、第一車両1の死角に第三車両70がいない場合、または前記推定時刻が異なる場合、第一車両1または第一車両1の運転手は、右折することができると判断することができる。このように、本実施形態に係る交通用システム2100によれば、第一車両1または第一車両1の運転手が、第一車両1の死角に他の車両が存在するか否かを直接認識できなくても、第一車両1または第一車両1の運転手は、交通用システム2100の報知部254によって、第一車両1が第二車両60の前方を通って曲がることの適否を判断することができる。すなわち、本実施形態に係る交通用システム2100によれば、交通参加者(本実施形態においては、第一車両1やその運転手)の利便性を向上させることができる。
【0138】
また、本実施形態に係る構成によれば、検知部255は、第一車両1からの要求信号に基づいて、第三車両70を検出する。したがって、例えば、第一車両1が右折しようとするタイミングで、検知部255が動作するので、検知部255を効率よく動作させることができる。
【0139】
また、本実施形態に係る構成によれば、検知部255は信号機250に備わっている。したがって、例えば、第二車両60が検知部を備えていない場合であっても、第一車両1が第二車両60の前方を通って曲がることの適否に関する情報は、第一車両1の近傍に路面描画される。したがって、第一車両1が第二車両60の前方を通って曲がることの適否に関する情報が、第一車両1の運転手から視認されやすい。また、他の車両が、第二車両60と第三車両70との間にいる場合、第三車両70は第二車両60にとって死角となる位置にいる。この場合、交差点Cおよび交差点Cの周囲を比較的高い位置から検知することができる信号機250の検知部255を用いることが有効である。
【0140】
また、本実施形態に係る構成によれば、報知部254は、路面描画装置257を含んでいる。したがって、例えば、第一車両1が手動運転車のとき、第二車両60の前方を通って曲がることの適否に関する情報は、路面描画により、第一車両1の運転手に視覚的に伝えられる。また例えば、第一車両1が自動運転車のとき、第二車両の前方を通って曲がることの適否に関する情報は、信号機250の無線通信部251を介して第一車両1に伝えられる。
【0141】
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本開示を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0142】
上述した第一実施形態においては、信号機SG4が路面描画を行う例を用いて説明したが、この例に限られない。例えば、車両1が備える車両用照明装置4または街路灯53の照明部531が路面描画を行ってもよい。
【0143】
上述した第一実施形態においては、車両制御部3が、所定の情報を路面描画する必要があるか否かを判断する例を用いて説明したが、この例に限られない。例えば、信号機54の信号機制御部542または街路灯53の街路灯制御部534がこの判断を行ってもよい。
【0144】
上述した第一実施形態においては、街路灯53Aが指令部546から制御信号を受信すると、街路灯53Aの街路灯制御部534は、照明部531から出射される光の輝度を低減させるよう照明部531を制御する例を用いて説明したがこの例に限られない。例えば、街路灯53Aは、指令部546から送信される制御信号に基づいて、遮蔽部532を動作させ、照明部531から出射される光の全部または一部を遮蔽することによって、領域S1の照度を低くしてもよい。
【0145】
上述した第一実施形態においては、交差点Cで左折しようとする車両1と、交差点Cの横断歩道Z1を横断しようとする歩行者Pと、の関係を示しながら本開示について説明したが、この例に限られない。例えば、直線状の道において、直進する車と、当該道に設けられた横断歩道を横断しようと歩行者と、の関係においても、本開示は適用し得る。
【0146】
上述した第一実施形態においては、無線通信部541および指令部546が、信号機54に備わっている例を用いて説明したがこの例に限られない。例えば、無線通信部541および指令部546は、街路灯53や電柱、または、信号機、電柱、街路灯等のインフラストラクチャと有線または無線により通信可能であって、交差点C付近の地中に埋め込まれている通信装置等に備わっていてもよい。
【0147】
上述した第二実施形態および第二実施形態の第一変形例において、街路灯153および信号機1500の少なくとも一つは、第二変形例の鉄塔200に備わっている撮像部161と同様の撮像部を備えていてもよい。
【0148】
上述した第二実施形態、第一変形例および第二変形例では、指定領域情報は、路面描画をしたい領域に関する情報および路面描画を見せたい対象に関する情報を含むものとして説明したがこの例に限られない。指定領域情報は、路面描画をしたい領域に関する情報および路面描画を見せたい対象に関する情報のどちらか一方のみであってもよい。
【0149】
上述した第二実施形態および第一変形例においては、車両制御部3が、所定の情報を路面描画する必要があるか否かを判断する例を用いて説明したが、この例に限られない。例えば、信号機1500の制御部157または街路灯153の制御部1534がこの判断を行ってもよい。
【0150】
上述した第二実施形態および第一変形例においては、無線通信部151が、信号機1500に備わっている例を用いて説明したがこの例に限られない。例えば、無線通信部151は、信号機、電柱、街路灯等のインフラストラクチャと有線または無線により通信可能であって、交差点C付近の地中に埋め込まれている通信装置等に備わっていてもよい。
【0151】
上述した第二実施形態および第一変形例においては、無線通信部1530が、街路灯153に備わっている例を用いて説明したがこの例に限られない。例えば、無線通信部1530は、信号機、電柱、街路灯、鉄塔等のインフラストラクチャと有線または無線により通信可能であって、交差点C付近の地中に埋め込まれている通信装置等に備わっていてもよい。
【0152】
上述した第二変形例においては、無線通信部1530が、街路灯153に備わっている例を用いて説明したがこの例に限られない。例えば、無線通信部1530は、信号機、電柱、街路灯、鉄塔等のインフラストラクチャと有線または無線により通信可能であって、道路Rの地中に埋め込まれている通信装置等に備わっていてもよい。
【0153】
上述した第二実施形態および第一変形例においては、無線通信部151、指令部152、要求取得部154、状況把握部155、描画ユニット156、制御部157、交通用照明装置158、車両検知センサ159は、信号機1500に備わっているがこの例に限られない。無線通信部151、指令部152、要求取得部154、状況把握部155、描画ユニット156、制御部157、交通用照明装置158、車両検知センサ159は、例えば、電柱、街路灯、鉄塔等の他のインフラストラクチャに備わっていてもよい。また、無線通信部151、指令部152、要求取得部154、状況把握部155、描画ユニット156、制御部157、交通用照明装置158、車両検知センサ159は、単一のインフラストラクチャに備わっていてもよいし、複数のインフラストラクチャに分散されて備わっていてもよい。
【0154】
上述した第二変形例においては、無線通信部151、指令部152、要求取得部154、状況把握部155、制御部157、撮像部161は、鉄塔200に備わっているがこの例に限られない。無線通信部151、指令部152、要求取得部154、状況把握部155、制御部157、撮像部161は、例えば、鉄塔以外の他のインフラストラクチャに備わっていてもよい。また、無線通信部151、指令部152、要求取得部154、状況把握部155、制御部157、撮像部161は、単一のインフラストラクチャに備わっていてもよいし、複数のインフラストラクチャに分散されて備わっていてもよい。
【0155】
上述した第二実施形態および第一変形例においては、指令部152が、信号機1500または鉄塔200に備わっている例を用いて説明したがこの例に限られない。例えば、指令部152は、信号機、電柱、街路灯、鉄塔等のインフラストラクチャと有線または無線により通信可能であって、交差点C付近の地中に埋め込まれている通信装置等に備わっていてもよい。
【0156】
上述した第三実施形態では、信号機250に備わっている検知部255を用いる例を用いて説明したが、第二車両60に備わっている検知部を用いてもよい。この場合、第二車両60は、第三車両70の近くにあるため、確実に第三車両を検知することができる。また、第二車両60に備わっている検知部は第一車両1が右折しようとするタイミングで動作を開始することができるので、第二車両60に備わっている検知部を効率よく動作させることもできる。
【0157】
上述した第三実施形態では、第三車両70は、手動運転により操縦されるオートバイであるが、第三車両70は、例えば、手動運転により操縦される自転車、自動運転車両等であってもよい。
【0158】
上述した第三実施形態では、検知部255は、カメラ252から受信した撮像データから、信号機250の周囲にいる車両と、これらの車両の位置と、を検知する例を用いて説明したがこれに限られない。例えば、第三車両70が、信号機250と通信可能な通信装置とGPSを備えているとき、検知部255は、第一車両1のGPS9、第二車両60のGPS、第三車両70のGPS、によって取得される第一車両1の位置、第二車両60の位置、第三車両70の位置を、第一車両1、第二車両60、第三車両70のそれぞれから受信し、受信した位置情報から、信号機250の周囲にいる車両と、これらの車両の位置と、を検知してもよい。
【0159】
本出願は、2019年5月16日出願の日本国特許出願(特願2019-092782号)、2019年5月16日出願の日本国特許出願(特願2019-092783号)および2019年5月27日出願の日本国特許出願(特願2019-098564号)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
図1A
図1B
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