(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】低い引き裂き伝播を有するエラストマーフィルム
(51)【国際特許分類】
B32B 25/10 20060101AFI20240701BHJP
B32B 27/32 20060101ALI20240701BHJP
D04H 3/16 20060101ALI20240701BHJP
A61F 13/514 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B32B25/10
B32B27/32 Z
D04H3/16
A61F13/514 300
(21)【出願番号】P 2021524418
(86)(22)【出願日】2019-10-28
(86)【国際出願番号】 US2019058261
(87)【国際公開番号】W WO2020096792
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-09-12
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512008428
【氏名又は名称】ベリー グローバル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ムスレット・イヤード
(72)【発明者】
【氏名】ブヤス・アニケット
【審査官】深谷 陽子
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-514391(JP,A)
【文献】特開2005-006799(JP,A)
【文献】特表2015-529581(JP,A)
【文献】特開2007-105173(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0255658(US,A1)
【文献】特表2016-512478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
A61F 13/15-13/84
A61L 15/16-15/64
D04H 1/00-18/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムと、2つの不織布基材と、を含み、前記2つの不織布基材の一方が前記フィルムの一方の側に接合され、前記2つの不織布基材の他方が前記フィルムの他方の側に接合された、積層物であって、
前記フィルムは、
内層と、前記内層の両面に配置された外層と、を含む多層フィルムであり、前記内層は、少なくとも50%
のSIS
と、1%~30%のポリスチレンと、を含
み、
前記外層は、ポリエチレンと、少なくとも70%のポリプロピレンと、を含み、
前記2つの不織布基材は、リボン状繊維を含むスパンボンド材料の少なくとも1つの層を含み、
前記積層物は、超音波接合部を含み、前記2つの不織布基材が非リボン状繊維を含む比較積層物よりも少なくとも10%大きい破断点伸びを有し、前記比較積層物よりも高い剥離力を有する、積層物。
【請求項2】
前記フィルムは、約5gsm~約65gsmの坪量を有する、請求項1に記載の積層物。
【請求項3】
前記外層は、全フィルム厚さの約5%~約25%を構成する、請求項
1に記載の積層物。
【請求項4】
前記積層物は、45dB未満のノイズレベルを示す、請求項1に記載の積層物。
【請求項5】
前記フィルムは、約65gsm以下の坪量を有する、請求項
4に記載の積層物。
【請求項6】
前記積層物は、前記比較積層物よりも少なくとも3dB低いノイズレベルを示す、請求項
4に記載の積層物。
【請求項7】
吸収性物品に使用するのに適した積層物を製造する方法であって、
内層と、前記内層の両面に配置された外層と、を含む多層フィルムであって、前記内層は、少なくとも50%の
SISと、1%~30%のポリスチレンと、を含
み、前記外層は、ポリエチレンと、少なくとも70%のポリプロピレンと、含む、多層フィルムを提供するステップと、
リボン状繊維を含むスパンボンド材料の少なくとも1つの層を含む2つの不織布基材を提供するステップと、
超音波接合によって、前記2つの不織布基材の一方を前記
多層フィルムの一方の側に接合し、前記2つの不織布基材の他方を前記
多層フィルムの他方の側に接合するステップと、
を含んで、前記2つの不織布基材が非リボン状繊維を含む比較積層物よりも少なくとも10%大きい破断点伸びを有し、かつ、前記比較積層物よりも高い剥離力を有する、積層物を製造する、方法。
【請求項8】
縦方向または横方向の一方または両方において前記
多層フィルムを予備活性化するステップをさらに含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
積層中に縦方向または横方向の一方または両方に前記積層物を延伸するステップをさらに含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
前記積層物は、45dB未満のノイズレベルを示す、請求項
7に記載の方法。
【請求項11】
前記積層物は、前記比較積層物よりも少なくとも3dB低いノイズレベルを示す、請求項
10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願〕
本出願は、2018年11月8日に出願され、参照により全体として本明細書に組み込まれる、米国仮特許出願第62/757,347号の優先権の利益を主張する。
【0002】
〔発明の分野〕
本発明は、高められた接合強度、伸長性、柔軟性、ドレープ性、および低減されたノイズを含む様々な所望の特性を示す、エラストマーフィルムと、リボン状繊維を含む不織布基材と、を含む積層物に関する。フィルムおよび積層物は、吸収性物品を含む様々な製品での使用に適している。
【0003】
〔発明の背景〕
エラストマー材料は、使い捨て吸収性製品に使用されて、体に合う、ぴったりとした快適なフィット感を提供する。ぴったりとフィットすることを保証するために、材料は、着用されている間、特に、正常な体温以上に維持されながら延伸されている間に発生する典型的な状態に耐え得ることが重要である。エラストマー材料が、例えば穴を形成したり、層間剥離したりすることによって、弾性または完全性を失う場合、その材料は消費者製品での使用には適さない。さらに、使い捨て吸収性製品のエラストマー部分は、しばしば皮膚に直接接触するので、それがソフトな感触および良好な美的特性を有することが重要である。
【0004】
非接着で接合された積層物(例えば、超音波または熱的に接合された積層物)は、主に接着接合に依存する積層物の欠点および高いコストを回避する。しかしながら、超音波接合は、積層物の製造プロセス中および積層物を吸収性物品に変換する間に独自の課題を呈する。例えば、超音波で接合された積層物はしばしば、望ましくない物理的特性も示し、これは、数例を挙げると、低い接合強度(結果として層間剥離を引き起こす)、低い剥離強度、使用中の高いノイズ、および減少したドレープ性などである。したがって、接着剤を実質的に含まず、かつ吸収性物品での使用に適したものとなる特性を示す、積層物を製造することが引き続き必要とされている。
【0005】
〔発明の概要〕
本発明は、エラストマーフィルム、およびそのフィルムを含む積層物を提供することによって上記の必要性を満たし、積層物は、吸収性物品の通常の使用において典型的に遭遇する力に耐えるのに十分な強度を示し、さらに、非常に静かで、手触りが柔らかく、容易にドレープする。外側のスキン層および内側のコア層の両方の適切なフィルム配合と組み合わせて、処理条件を注意深く制御することにより、超音波積層に特に適したフィルムが得られることが分かった。さらに、リボン状繊維を有する不織布を使用することにより、得られる積層物は、驚くほど高い破断伸び(elongation break)、剥離力および伸長、ならびにより低いノイズを示す物理的特性を示すことが分かった。フィルム中の特定のスチレンブロックコポリマー(SBC)、オレフィンブロックコポリマー(OBC)、および不織布中のリボン状繊維の選択的な組み合わせは、本明細書に記載の適切なプロセスパラメータを使用して製造したときに、積層物の驚くべき優れた特性をもたらすことが本明細書で実証される。
【0006】
以下で、本発明の積層物のいくつかの非限定的な態様を説明する。
【0007】
1つの態様において、少なくとも1つのフィルムと、少なくとも1つの不織布基材と、を含む積層物が記載され、フィルムは、少なくとも約50%の1つ以上のスチレンブロックコポリマー、オレフィンブロックコポリマー、またはこれらの組み合わせを含むポリマー組成物を含み、不織布基材は、リボン状繊維を含むスパンボンド材料の少なくとも1つの層を含み、積層物は、超音波接合部、熱接合部、またはこれらの組み合わせを含み、不織布が非リボン状繊維を含む比較積層物よりも少なくとも10%大きい伸長性を有する。
【0008】
別の態様では、フィルムと、2つの不織布基材と、を含む積層物が記載され、フィルムは、少なくとも約50%の1つ以上のスチレンブロックコポリマーを含むポリマー組成物を含み、不織布基材は、リボン状繊維を含むスパンボンド材料の少なくとも1つの層を含み、積層物は、超音波接合部、熱接合部、またはこれらの組み合わせを含み、45dB未満のノイズレベルを示す。
【0009】
別の態様では、フィルムと、不織布基材と、を含む積層物が記載され、フィルムは、少なくとも約50%の1つ以上のスチレンブロックコポリマーを含むポリマー組成物を含み、不織布基材は、リボン状繊維を含むスパンボンド材料の少なくとも1つの層を含み、積層物は、超音波接合部、熱接合部、またはこれらの組み合わせを含み、不織布が非リボン状繊維を含む比較積層物よりも少なくとも3dB低いノイズレベルを示す。
【0010】
フィルムと、不織布基材と、を含む積層物であって、フィルムは、少なくとも約50%の1つ以上のスチレンブロックコポリマーを含むポリマー組成物を含み、不織布基材は、リボン状繊維を含むスパンボンド材料の少なくとも1つの層を含み、積層物は、超音波接合部、熱接合部、またはこれらの組み合わせを含み、不織布が非リボン状繊維を含む比較積層物よりも少なくとも15N/cm低い剥離力を示す、積層物。
【0011】
さらに別の態様では、積層物を製造する方法が提供され、この方法は、
少なくとも約50%の1つ以上のスチレンブロックコポリマー、オレフィンブロックコポリマー、またはこれらの組み合わせを含むポリマー組成物を含むフィルムを提供するステップと、
リボン状繊維を含むスパンボンド材料の少なくとも1つの層を含む不織布基材を提供するステップと、
超音波接合、熱接合、またはこれらの組み合わせによってフィルムと不織布とを接合するステップと、
を含んで、本発明の積層物を製造する。この方法は、縦方向もしくは横方向のうちの一方もしくは両方においてフィルムを予備活性化するステップ、および/または積層中に縦方向もしくは横方向の一方もしくは両方に積層物を延伸するステップをさらに含み得る。積層物が、吸収性物品の少なくとも1つの構成要素を形成する、請求項1に記載の積層物。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、本明細書に記載した積層物のいずれかを含む吸収性物品を提供し、積層物は、吸収性物品の少なくとも1つの構成要素を形成する。吸収性物品は、耳状のもの、サイドパネル、レッグカフおよび/またはウエストバンドであってよい。
【0013】
上記の態様のいずれにおいても、スチレンブロックコポリマーは、SBS、SIS、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0014】
上記の態様のいずれにおいても、ポリマー組成物は、約1%~約30%のポリスチレンを含み得る。
【0015】
上記の態様のいずれにおいても、フィルムは、約65gsm以下の坪量を有することができる。
【0016】
上記の態様のいずれにおいても、フィルムは、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む少なくとも1つの外層を含む多層フィルムであってよい。
【0017】
上記の態様のいずれにおいても、多層フィルムの各外層は、全フィルム厚さの約1%~約20%を構成し得る。
【0018】
上記の態様のいずれにおいても、外層のポリプロピレンは、少なくとも約70%の量で存在し得る。
【0019】
上記の態様のいずれにおいても、外層のポリエチレンは、少なくとも約60%の量で存在し得る。
【0020】
上記の態様のいずれにおいても、積層物は接着剤を実質的に含まなくてもよい。
【0021】
上記の態様のいずれにおいても、積層物は、フィルムの両側に接合された少なくとも2つの不織布基材を含み得る。
【0022】
〔発明の詳細な説明〕
「同等の積層物」、「比較積層物」、または「先行技術の積層物」とは、組成、厚さ、坪量および構造の点で実質的に同様のフィルムおよび不織布を有する積層物を意味し、唯一の重要な相違点は、不織布が平坦または「リボン状」繊維を実質的に含まないことである。
【0023】
「比較破断点伸び率(%)(Comparative percent (%) elongation at break)」とは、本明細書に記載するような引張力試験方法ASTM法D822-02を用いた、本発明の積層物と比較積層物との間の、測定伸び率の差を意味する。明確にするために、破断点伸び率は[(破断直前の積層物の長さ-延伸力を加える前の積層物の初期長さ)/延伸力を適用する前の積層物の初期長さ]×100である。
【0024】
「比較剥離力」とは、本明細書に記載するような、本発明の積層物と比較積層物との間の測定剥離力の差を意味する。
【0025】
「比較音圧レベル」とは、本明細書に記載するような、本発明の積層物と比較積層物との間の、dB単位の測定音圧の差を意味する。
【0026】
「低ノイズ」、「低ノイズを示す」、または同様の用語は、本明細書に定義するような、比較積層物と比較した本発明の積層物の測定ノイズレベルの差が少なくとも3dBであることを意味する。
【0027】
繊維に関して「リボン状」または「平坦」とは、繊維の断面が高さよりも少なくとも1.5倍大きい幅を有することを意味する。「リボン状」は、実質的に丸いかもしくは円形であるか、または本明細書中「非リボン状」もしくは「丸い」繊維と呼ばれる、1.5未満の平均断面幅:高さ比を有する、断面形状を含まないと理解される。
【0028】
本明細書で使用される「平坦な繊維を実質的に含まない」とは、不織布が10%以下の平坦な繊維または非リボン状繊維を含むことを意味する。
【0029】
本明細書で使用される「接着剤を実質的に含まない」とは、積層物の表面積の約5%以下が接着剤によって接合されていることを意味する。
【0030】
「実質的に非接着で接合される」とは、フィルムを基材に接合するための主な手段が、非接着手段、例えば、超音波接合、熱点接合、または他の適切な手段によるものであり、存在する任意の接着剤が、積層物の総表面積の約25%以下をカバーすることを意味する。
【0031】
本明細書に記載される積層物は、エラストマー積層物であり、1つ以上のエラストマーフィルムと、平坦な繊維またはリボン状繊維から作られた1つ以上の不織布基材と、を含む。フィルムは、1つ以上のスチレンブロックコポリマー、オレフィンブロックコポリマー、またはこれらの組み合わせを含む。フィルムはさらにポリスチレンを含むことができる。フィルム中のポリマーの選択は、リボン状繊維を有する不織布基材にフィルムを接合することにより生じる積層物の物理的特性を決定する。フィルムは単層フィルムであっても多層フィルムであってもよい。
【0032】
超音波接合のための有用なフィルムの1つのタイプは、同時押出多層フィルムを含み、比較的弾性のある層(B)が比較的非弾性の層(A)と交互になる構造を有し得る。1つの特定の実施形態において、フィルムは、ABAで示される構造を有し、ここで、Aは外層またはスキン層であり、Bは内側層またはコア層である。しかし、層の数および配置の変動は、当業者には容易に明らかであろう。本明細書では、SBCおよび/またはOBCは、コア層(B)、または3つを超える層を有するフィルム中のコア層に存在すると理解され、一方、単層フィルムでは、SBCおよび/またはOBCはフィルム全体にわたって存在する。
【0033】
適切なSBCには、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-イソプレン-ブチレン-ジチレン(styrene-isoprene-butylene-dtyrene)(SIBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン(SEP)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEPS)、またはスチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEEPS)ブロックコポリマーのエラストマー、ならびに前述したもののうちいずれかのコポリマーおよび混合物が挙げられるが、これらに限定されない。任意のSBCを使用することができるが、本発明のフィルムにおける特に有用なSBCは、SBS、SISおよびSIBSを含むがこれらに限定されない、非水素化SBCである。本発明における使用に適したSBCの非限定的な例としては、ルイジアナ州プラケマインのDexco Polymersから入手可能なもの、例えば、VECTOR 4111AおよびVECTOR 7620が挙げられる。
【0034】
コア層での使用に適したオレフィンブロックコポリマー(OBC)としては、ミシガン州ミッドランドのThe Dow Chemical CompanyによるINFUSE 9507および9100を含む商品名INFUSE、ならびに、テキサス州ヒューストンのExxonMobil Chemical Companyから入手可能な、商品名VISTAMAXXおよびIMPACT、例えばVISTAMAXX 6102で販売されるもののようなポリプロピレン系(「プロピレンに富む」とも呼ばれる)オレフィンブロックコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。特定の一実施形態では、コア層は、SIS、ポリプロピレン系OBC、およびポリエチレン系OBCを含む。
【0035】
フィルムまたは特定の層中のSBCの総量は、少なくとも約50%、約50%~約99%、約60%~約99%、約50%~約95%、約55%~約95%、約60%~約95%、約65%~約95%、約70%~約95%、約75%~約95%、約80%~約95%、約70%~約90%、または代わりに約80%~約90%とすることができる。
【0036】
フィルム、またはフィルムの特定の層は、約30%以下、あるいは25%以下、20%以下、または約1%~約30%、約5%~約25%、または約5%~約20%の量のポリスチレンをさらに含み得る。本発明における使用に適したポリスチレンの一例は、オハイオ州エイボンレイクのPolyOne Corporationから入手可能なSTYROLUTION 3190である。
【0037】
フィルムはさらに、エラストマーオレフィンランダムコポリマー、ポリウレタン、ゴム、ビニルアリーレンおよび共役ジエン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリイソプレン、ポリネオプレン、上記のいずれかのコポリマー、およびそれらの混合物などの他のエラストマーポリマーを含んでもよい。
【0038】
フィルムは、ポリエチレン(PE)、ならびに/または、ホモポリマーポリプロピレン、インパクトコポリマーポリプロピレン、および当業者には明らかであろう他のタイプのポリプロピレンを含む、ポリプロピレン(PP)をさらに含み得る。適切なポリエチレンの非限定的な例には、LDPE、LLDPE、MDPE、またはHDPEが含まれる。特定の一実施形態において、フィルムは、OBCと組み合わせて約30%のポリプロピレンを含む。
【0039】
一実施形態では、ポリプロピレンおよび/またはポリエチレンは、多層フィルムの外層(A層またはスキン層)に存在する。各外層は、ポリプロピレンおよび/またはポリエチレンを、それぞれ、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、約1%~約90%、約10%~約80%、約60%~約80%、約60%~約70%、約70%~約80%、約20%~約40%、約30%~約40%、または約20%~約30%の量で、含むことができる。一実施形態では、外層はそれぞれ、ポリプロピレンを少なくとも約20%の量で、あるいは約20%~約85%の量で含む。代替的な実施形態では、各外層は、約70%~約80%のポリプロピレンと、約20%~約30%のポリエチレンと、を含む。さらに別の代替的な実施形態では、各外層は、約60%~約70%のポリエチレンと、約30%~約40%のポリプロピレンと、を含む。
【0040】
各外層はさらに、全フィルム厚さの約2.5%、5%、7.5%、10%、15%または20%を構成することができる。いくつかの実施形態において、外層は、さらに、それぞれ、フィルムの厚さ全体の約1%~約20%、3%~約15%または約5%~約15%の厚さを有し得る。代替的に、外層はそれぞれ、約1μm~約20μm、または約1μm~約15μm、1μm~約10μm、約1μm~約7μm、あるいは約1μm~約5μmの厚さを有し得る。例示のみとして、フィルムの厚さ全体が100μmであり、各外層が5μmの厚さを有する場合、外層はフィルム厚さの合計10%を構成する。
【0041】
フィルムはさらに、炭酸カルシウムを含むがこれに限定されない、延伸時に細孔形成を誘導するのに適した充填剤を含むことができる。一実施形態では、充填剤は、約10%~約70%、約20%~約60%、または約30%~約60%の量で存在する。
【0042】
フィルムは、マスターバッチおよびオプションの成分または充填剤、例えば、乳白剤、可塑剤、相溶化剤、ドローダウンポリマー、加工助剤、ブロッキング防止剤、粘度低減ポリマーなどを含むことができる。
【0043】
フィルムは、約5gsm~約100gsm、約5gsm~約65gsm、約15gsm~約65gsm、約15gsm~約55gsm、約20gsm~約55gsm、約25gsm~約55gsm、約30gsm~約55gsm、約35gsm~約55gsm、約20gsm~約50gsm、約25gsm~約45gsm、約25gsm~約35gsm、約65gsm未満、約60gsm未満、約55gsm未満、約50gsm未満、約45gsm未満、約40gsm未満、約35gsm未満、約30gsm未満、約25gsm未満、または約20gsm未満の坪量を有することができる。
【0044】
積層物は、フィルムの一方または両方の表面に取り付けられた基材を含み、2つ以上のフィルムおよび/または3つ以上の積層物を含み得る。基材は、接着積層、超音波接合、押出接合、または当業者に知られている他の手段などの様々な手段によって、フィルムに取り付けられ得る。一実施形態では、積層物は超音波接合され、得られる積層物は超音波溶接部または接合部を含む。一実施形態では、積層物は接着剤を実質的に含まない。代替的な実施形態では、積層物は実質的に非接着で接合される。
【0045】
本明細書で使用するのに適した基材は、2013年2月14日に公開され、参照により全体として本明細書に組み込まれる、Dwigginsらの米国特許出願公開第2013/0041335号に記載されるものなど、リボン状または「平坦な」繊維を含む不織布基材である。特に有用な基材は、少なくとも1つのスパンボンド(S)層および1つのメルトブローン(M)層を有するものを含み、一例はSMS基材であり、スパンボンド層は平坦なスパンボンド繊維、例えばNUVISOFT不織布(Berry Global, Inc.)を含む。スパンボンド層は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%の平坦なスパンボンド繊維を含むことができる。一実施形態では、不織布または代替的にスパンボンド層は、平坦な繊維から本質的になる。あるいは、不織布またはスパンボンド層は、非リボン状繊維を実質的に含まず、これは繊維の10%未満が非リボン状であることを意味すると理解される。
【0046】
一実施形態では、基材は、約100gsm以下、代替的に約50gsm以下、代替的に約25gsm以下、代替的に約15gsm以下、代替的に約1gsm~約100gsm、約5gsm~約50gsm、代替的に約5gsm~約25gsmの坪量を有することができる。
【0047】
積層物は、少なくとも約90%、少なくとも約220%、少なくとも約235%、約90%~約500%、約90%~約300%、または約90%~約200%の破断点伸び率を有することができる。積層物は、本明細書に定義されるように、少なくとも約15%、20%、25%、30%、または約30%~約100%の比較破断点伸び率を有することができる。
【0048】
積層物は、少なくとも約20N/cm、50N/cm、60N/cm、70N/cm、80N/cm、90N/cm、または100N/cmの剥離力を有し得る。積層物は、少なくとも約15N/cm、20N/cm、30N/cm、40N/cm、50N/cm、または約15~約100N/cmの比較剥離力を有し得る。
【0049】
積層物は、約45dB未満の音圧レベル、および少なくとも3dB、少なくとも5dB、または約3dB~約10dBの比較音圧レベルを有することができる。
【0050】
積層物は、さらに、38.1m/分(1500インチ/分)で測定される、少なくとも5Nの比較高速破断力(comparative high speed force at break)を有することができる。
【0051】
積層物は、ソフトな感触および外観を有する、超音波接合された積層物であってよい。積層物は、引き裂き伝播試験を受けた場合、ほとんどまたは全く剥離を示さない場合がある。
【0052】
〔方法〕
本明細書に記載するような同時押出フィルムおよび積層物を製造するのに適した任意の装置が、使用され得、当業者には容易に理解されるであろう。本発明のフィルムを製造するのに適した装置の一例は、例えば、米国特許第9,492,332号(Cancioら)および米国特許第7,442,332号(Cancioら)に記載されている。概してそれらに記載されている方法も、本明細書で特許請求するフィルムの独自の特性に寄与する、本明細書に記載されている相違点を除いて、本発明のフィルムを製造するのに適している。
【0053】
本発明のウェブまたはフィルムは、同時押出されてよく、本明細書に記載のフィルムをもたらす他の任意の方法によって、鋳造、吹き付け、または形成されてもよい。
【0054】
熱可塑性ポリマーフィルム配合物は、約50rpm~約75rpmのスクリュー速度で、押出機中でブレンドすることができる。押出中、溶融カーテンの温度(melt curtain temperature)は、約204.444℃~約260℃(約400°F~約500°F)であり得る。厳密な温度およびスクリュー速度は、ポリマー組成物の配合によって決まる。ポリマー組成物を含むウェブまたは「溶融カーテン」は、押出機から第1のギャップを横切って、エンボス加工されたロールまたはチルロール上に押し出されて(または、多層フィルムが形成されている場合は同時押出され)、フィルムを形成することができ、このフィルムは第2のギャップを横切って延伸ローラまでさらに前進することができる。延伸ローラは、追加のローラでニップを形成することができる。ニップ圧は、約0kPa~約689.476kPa(約0psi~約100psi)の範囲で注意深く制御することができる。
【0055】
フィルムの延伸性は、予備活性化によって、例えば、CD(横方向)噛み合いまたはCDIを介して横方向に延伸することによって増加され得る。噛み合いの深さは、約0mm(約0インチ)から約6.35mm(約0.250インチ)まで変化し得、特定の実施形態では、3.048mm(0.120インチ)、3.556mm(0.140インチ)、4.064mm(0.160インチ)、または4.572mm(0.180インチ)であり得る。一実施形態では、縦方向交互嵌合ローラが、CDIセクションの前または後に、横方向交互嵌合ローラの代わりに、またはそれに加えて使用される。
【0056】
SISとポリスチレン、またはSBSとポリスチレンなどのブレンドを混合する場合、スクリューは均一なブレンドを提供するために良好な混合を提供する必要がある。適切な混合要素の例は、Maddockミキサーである。温度プロファイルは、最良の混合結果を得るために、193.333℃~215.556℃(380°F~420°F)の溶融温度を有するように設定される。
【0057】
フィルムは、CDIセクションから、コロナ処理セクション、アニーリングセクション、第2の縦方向配向(MDO)セクション、および/またはワインダを含むがこれらに限定されない他の構成要素に移動することができ、ここで、フィルムは、意図された使用の準備ができる。フィルムは、さらなる使用の前に活性化されるか、または活性化されなくてもよく、特定の一実施形態では、フィルムは、使用の前にCDおよび/またはMDにおいて予備活性化される。
【0058】
得られたフィルムは、不織布または他の適切な基材への積層に特に適している。フィルムは、同時押出、接着、熱点接合、超音波接合、および当業者に知られている他の積層手段を含む様々な手段によって積層され得る。フィルムを不織布基材に積層するための有用な方法および装置の非限定的な一例が、米国特許第9,498,491号(Sabloneら)に記載されている。
【0059】
フィルムは、横方向、縦方向、またはその両方における積層の前に、活性化または延伸されてもよい。フィルムは、例えば、その元の長さまたは幅の2倍~10倍延伸され得る。
【0060】
フィルムを基材に積層するのに有用な装置は、超音波積層システムであり、その非限定的な一例は、Fameccanica North America, Inc.によって製造されるFMD-M2-00013積層システムである。得られる積層物はまた、例えば、吸収性物品に変換する前に、放射状に広がるディスク(diverging disks)または他の適切な手段によって、横方向および縦方向の一方または両方に延伸され得る。
【0061】
本発明のフィルムおよび/または積層物は、例えば使い捨て吸収性製品などの個人用衛生製品のような物品での使用を含む、様々な目的に有用である。非限定的な例としては、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁パッドおよびパンツ、水着、生理用ナプキン、タンポン、パンティライナー、ならびに/または、身体の特定領域における汗などの流体から衣類を保護するための吸収性パッドもしくは通気性シールドとしてのものが挙げられる。
【0062】
フィルムおよび/または積層物は、吸収性物品のファスナー、ウエストバンドおよびカフとして特に有用である。したがって、一実施形態では、本発明は、本明細書に記載のフィルムおよび/または積層物を含む吸収性物品に関する。一実施形態では、吸収性物品はおむつである。他の用途には、おむつ用バックシートまたは耳状部(閉鎖タブ)、包装用パウチ、個人用衛生用品などの包装製品としてのもの、ならびに当業者には明らかであろう消費者製品用の他の用途が含まれる。
【0063】
〔試験方法〕
剥離力はASTM F904-98に規定されたとおりに測定する。
【0064】
音圧:模擬使用条件下(すなわち、ねじる、膨張する、および収縮する、または「くしゃくしゃになる」などの連続的な動きを伴う)でフィルムおよび積層物の音のレベルを測定するのに適した任意の装置を使用することができるが、同じ装置および方法が、2000~5000Hzの範囲ですべてのサンプルを測定するために使用されることを条件とする。周波数範囲を9つの周波数範囲に分割し、エネルギーを範囲のそれぞれにおいてdB単位で測定し、対数的に合計して、特定のサンプルについて測定された総dBレベルを得た。マイクロフォンをサンプルから約38.1mm(約1.5インチ)のところに置き、サンプルと接触しないようにする。
【0065】
「引っ張り強さ」とは、横方向(CD)または縦方向(MD)のいずれかでフィルムに破断を誘発するのに必要な荷重(「破断点荷重」)を意味する。引っ張り強さはN/cmの単位またはそれと同等の単位で表され、ASTM法D822-02により以下のパラメータを用いて決定される:サンプル方向=MD×CD;サンプルサイズ=幅25.4mm(1インチ)×長さ152.4mm(6インチ);テスト速度=50.8cm/分(20インチ/分);グリップ距離=50.8mm(2インチ)。グリップサイズ=サンプルを均一につかむ76.2mm(3インチ)幅のゴム張りグリップ(rubber faced grips)。
【0066】
〔実施例〕
表1は、不織布が平坦な繊維を含む積層物、ならびに不織布が平坦な繊維を実質的に含まない比較例を表すデータを含む。フィルムは、同時押出され、構造A/B/Aを有し、ここで、Aは外層またはスキン層を表し、Bは内層またはコア層を表す。すべての実施例において、A層またはB層のポリマー組成物の残りは、当業者によって容易に理解されるように、加工助剤およびマスターバッチで構成される。
【0067】
表1において、「比較」サンプルという表記は、それらが比較されるサンプルと実質的に類似しており、唯一の例外は、比較例において、不織布基材が非リボン(または円筒状)繊維で構成されることである。疑いを避けるために、本明細書で使用される全てのNUVISOFT不織布基材は、平坦な(リボン)繊維を含み、一方、参照される他の全ての不織布基材は、非リボン(または円筒状)繊維を含む。全サンプルにおけるすべての不織布は17gsmの坪量を有した。
【0068】
すべてのサンプルは、Fameccanica Data SPAによって製造されたFMD-M2-00013積層システム上で超音波接合によって積層された。
【0069】
実施例1、3、5および7の三層積層物(trilaminates)は、2つのNUVISOFT SMS不織布基材に積層されたフィルムを含み、フィルムの各側に1つの基材が積層されて三層積層構造体(trilaminate structure)を製造する。比較例2、4および6の三層積層物は、円筒状または非リボン状繊維を有する2つのSMS不織布基材(Berry Global, Inc.)に積層された、それらの比較対照物と同じフィルムを含む。比較例8の三層積層物は、やはり非リボン状繊維を含む、2つのSMS不織布基材(Avgol)に積層された、比較対照物と同じフィルムを含む。
【0070】
実施例9および11における二層積層物(bilaminates)は、平坦な繊維を有する1つのNUVISOFT SMS不織布基材(Berry Global, Inc.)に積層されたフィルムを含み、二層積層構造体(bilaminate structure)を製造する。比較例10および12の積層物は、円筒状繊維を含む1つのSMS不織布基材(Avgol)に積層された、それらの比較対照物と同じフィルムを含む。
【0071】
実施例1~4は、ABA層構造を有する多層フィルムで作製された。外層(A)は、それぞれ、全フィルム厚さの約10%~20%であり、約80%のポリプロピレンと、約20%のポリエチレンと、を含む。内層(B)は、約80%のSISと、約15%のポリスチレンと、を含み、残りは加工助剤およびマスターバッチを含む。積層中、フィルムは横方向に初期幅の2倍まで延伸した。
【0072】
実施例5および6は、ABA層構造を有する多層フィルムで作製された。外層Aはそれぞれ、フィルム厚さの約5~10%であり、約30%のポリプロピレンと、約70%のポリエチレンと、を含む。内層(B)は約95%のポリエチレンOBCを含み、残りは加工助剤およびマスターバッチを含む。積層中、フィルムは横方向に初期幅の4倍まで延伸した。
【0073】
実施例7~10は、ABA層構造を有する多層フィルムで作製された。外層Aはそれぞれ、全フィルム厚さの約8%~約12%を構成し、約70%のポリエチレンと、約30%のポリプロピレンと、を含む。内層BはSBSを含む。
【0074】
実施例11および12は、ABA層構造を有する多層フィルムで作製された。外層Aはそれぞれ、全フィルム厚さの約8%~約12%を構成し、約70%のポリエチレンと、約30%のポリプロピレンと、を含む。内層Bは、94%のポリエチレンOBC(Dow INFUSE)を含み、フィルム組成物の残りは、マスターバッチおよび加工助剤を含む。
【0075】
不織布がリボン状繊維を含む表1中のすべてのサンプル(サンプル1、3、5、7、9および11)は、それらの比較対照物(サンプル2、4、6、8、10および12)と比較して有意に高い破断点伸びを示す。
【0076】
表1のデータは、SISもしくはSBSなどのSBC、またはOBCを含むフィルムと、平坦な繊維を含む不織布と、を有する二層積層物および三層積層物(サンプル1、3、5、7および9)が、不織布が非リボン状繊維を含む積層物(サンプル2、4、6、8および10)よりも、一貫して静かであることを示す。フィルムがOBCを含む二層積層物(サンプル11)は、その比較対照物(サンプル12)と比較して有利なノイズ特性を示さず、この特性に関して、平坦な繊維が予想外に静かな積層物を生成する原因であることを示唆する。
【0077】
表中のデータはさらに、SBCまたはOBCを含むフィルムと、平坦な繊維を含む不織布と、を有する三層積層物(サンプル1、3、5、および7)が、不織布が非リボン状繊維を含む積層物(サンプル2、4、6、および8)と比較して有意に増加した剥離強度を示すことを示す。三層積層物は二層積層物よりも高い剥離強度を示すと予想されるが、二層積層物サンプル(9~12)において、比較サンプル(10および12)が実際にはサンプル9および11よりも高い剥離強度を示すという事実は、不織布繊維の形状および積層物の構造の両方が積層物の物理的特性における決定因子であることを示している。
【0078】
【0079】
表1のデータは、本発明の三層積層物(実施例1、3および5)がいずれも対応する比較例よりも高い剥離力を有することを示している。これは、フィルムと不織布との間の超音波接合のより高い強度を示す。接合強度の増加は伸長の減少をもたらすと予想される。しかしながら、本発明の積層物は、それらの比較例対照物と比較して、より高い破断点伸びによって証明されるように、実際にはより大きな伸長性を示す。積層物の低い音圧レベルに加えて、この特性の組み合わせは、驚くべきものであり、消費者製品において非常に望ましい。理論によって制限されることを望まないが、不織布の平坦な繊維は、観察される望ましい特性に寄与する、より大きな移動性または柔軟性を有し得ると考えられる。
【0080】
発明の詳細な説明に引用されたすべての文献は、関連する部分において、参照により本明細書に組み込まれ;いかなる文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。本文書における用語の任意の意味または定義が、参照により組み込まれる文書における同一用語の任意の意味または定義と矛盾する場合は、本文書においてその用語に付与された意味または定義が適用されるものとする。すべての範囲は包括的であり、組み合わせ可能である。値が明示的に列挙されていない限り、列挙された範囲に含まれている場合は、オプションとして暗示されているものと理解される。
【0081】
本発明の特定の実施形態を図示および説明してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な他の変更および修正を行い得ることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるすべてのそのような変更および修正を本特許請求の範囲に包含することが意図される。
【0082】
〔実施の態様〕
(1) フィルムと、少なくとも1つの不織布基材と、を含む積層物であって、
前記フィルムは、少なくとも50%の1つ以上のスチレンブロックコポリマー、オレフィンブロックコポリマー、またはこれらの組み合わせを含む、ポリマー組成物を含み、
前記不織布基材は、リボン状繊維を含むスパンボンド材料の少なくとも1つの層を含み、
前記積層物は、超音波接合部、熱接合部、またはこれらの組み合わせを含み、前記不織布が非リボン状繊維を含む比較積層物よりも少なくとも10%大きい破断点伸びを有する、積層物。
(2) 前記スチレンブロックコポリマーは、SBS、SIS、またはこれらの組み合わせを含む、実施態様1に記載の積層物。
(3) 前記ポリマー組成物は、約1%~約30%のポリスチレンをさらに含む、実施態様1に記載の積層物。
(4) 前記フィルムは、約5gsm~約65gsmの坪量を有する、実施態様1に記載の積層物。
(5) 前記フィルムは、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む少なくとも1つの外層を含む多層フィルムである、実施態様1に記載の積層物。
【0083】
(6) 前記外層は、全フィルム厚さの約5%~約25%を構成する、実施態様5に記載の積層物。
(7) 前記フィルムの前記外層は、ポリプロピレンを少なくとも70%の量で含む、実施態様5に記載の積層物。
(8) 前記フィルムの前記外層は、ポリエチレンを少なくとも60%の量で含む、実施態様5に記載の積層物。
(9) 前記積層物は、前記フィルムの両側に接合された少なくとも2つの不織布基材を含む、実施態様1に記載の積層物。
(10) フィルムと、2つの不織布基材と、を含む積層物であって、
前記フィルムは、少なくとも約50%の1つ以上のスチレンブロックコポリマーを含むポリマー組成物を含み、
前記不織布基材は、リボン状繊維を含むスパンボンド材料の少なくとも1つの層を含み、
前記積層物は、超音波接合部、熱接合部、またはこれらの組み合わせを含み、45dB未満のノイズレベルを示す、積層物。
【0084】
(11) 前記スチレンブロックコポリマーは、SBS、SIS、またはこれらの組み合わせを含む、実施態様10に記載の積層物。
(12) 前記ポリマー組成物は、約1%~約30%のポリスチレンをさらに含む、実施態様10に記載の積層物。
(13) 前記フィルムは、約65gsm以下の坪量を有する、実施態様10に記載の積層物。
(14) 前記不織布が非リボン状繊維を含む比較積層物よりも少なくとも15N/cm大きい剥離力を有する、実施態様10に記載の積層物。
(15) フィルムと、不織布基材と、を含む積層物であって、
前記フィルムは、少なくとも50%の1つ以上のスチレンブロックコポリマーを含むポリマー組成物を含み、
前記不織布基材は、リボン状繊維を含むスパンボンド材料の少なくとも1つの層を含み、
前記積層物は、超音波接合部、熱接合部、またはこれらの組み合わせを含み、前記不織布が非リボン状繊維を含む比較積層物よりも少なくとも3dB低いノイズレベルを示す、積層物。
【0085】
(16) 前記スチレンブロックコポリマーは、SBS、SIS、またはこれらの組み合わせを含む、実施態様15に記載の積層物。
(17) 前記ポリマー組成物は、約1%~約30%のポリスチレンをさらに含む、実施態様15に記載の積層物。
(18) 吸収性物品に使用するのに適した積層物を製造する方法であって、
少なくとも約50%の1つ以上のスチレンブロックコポリマー、オレフィンブロックコポリマー、またはこれらの組み合わせを含むポリマー組成物を含むフィルムを提供するステップと、
リボン状繊維を含むスパンボンド材料の少なくとも1つの層を含む不織布基材を提供するステップと、
超音波接合、熱接合、またはこれらの組み合わせによって前記フィルムと前記不織布とを接合するステップと、
を含んで、前記不織布が非リボン状繊維を含む比較積層物よりも少なくとも10%大きい破断点伸びを有する積層物を製造する、方法。
(19) 縦方向または横方向の一方または両方において前記フィルムを予備活性化するステップをさらに含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 積層中に縦方向または横方向の一方または両方に前記積層物を延伸するステップをさらに含む、実施態様18に記載の積層物。