(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】スライドガイド付きゲート弁
(51)【国際特許分類】
F16K 3/18 20060101AFI20240701BHJP
F16K 51/02 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
F16K3/18 E
F16K51/02 B
(21)【出願番号】P 2021547378
(86)(22)【出願日】2020-02-12
(86)【国際出願番号】 EP2020053596
(87)【国際公開番号】W WO2020165248
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】102019001115.5
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】593030945
【氏名又は名称】バット ホールディング アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ネッツァー,マルティン
【審査官】藤森 一真
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-129470(JP,A)
【文献】特開平08-042716(JP,A)
【文献】特開2015-209955(JP,A)
【文献】米国特許第06237892(US,B1)
【文献】米国特許第02895709(US,A)
【文献】特開2002-323149(JP,A)
【文献】米国特許第04634094(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0139799(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 3/18
F16K 51/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口軸(O)を規定する開口部(11)を実質的に気密に閉塞するための真空弁(10)
であって、
・閉塞側面(15)と、前記閉塞側面(15)の反対側の裏側に配置された結合ユニット(20)とを有する閉塞要素(14、14’)、
・前記開口部(11)を囲む弁座を備えた弁壁(12、12’)、
・線形駆動ユニット(30)、これによって、前記閉塞要素(14、14’)は、前記開口軸(O)に本質的に直交する調整軸(V)に沿って、少なくとも2つの調整方向に調整されうる、を有し、
前記閉塞要素(14、14’)は、
o 前記開口部(11)を露出する開放位置、
o 前記開口部(11)上方に押された中間位置、そこにおいて、前記閉塞要素(14、14’)は、少なくとも部分的に、前記弁座に対して実質的に平行な間隔を空けられた対向位置にある、及び
o 前記開口部(11)を閉塞する閉塞位置、ここで、前記閉塞要素(14、14’)は、その閉塞側面(15)で前記弁座に押し付けられ、且つ前記開口部(11)
を気密な様式で閉塞する、
の間で調整されうる、上記の真空弁(10)において、
・前記真空弁(10)は、前記開口部(11)に関連付けられた前記閉塞要素(14、14’)のためのガイド部(26、26’)を備えていること、
・前記閉塞要素(14、14’)は、前記開放位置から前記閉塞位置への変位中に及び逆の変位中に前記ガイド部(26、26’)と相互作用するガイド要素(25、25’)を含んでいること、及び
・前記ガイド部(26、26’)と前記ガイド要素(25、25’)とは、前記中間位置から前記閉塞位置への調整の過程で、前記閉塞要素(14、14')の前記調整軸(V)に対する横方向への傾斜が、第1の部分的な動きにおいて開始され及び/又は達成されるように、成型され且つ相互作用すること、
を特徴とする、前記真空弁(10)。
【請求項2】
前記閉塞側面(15)の一部分が前記弁座に押し付けられ、少なくとも接地線(12a)に沿って前記弁座と接触するように、前記傾斜は顕著であり、前記接地線(12a)は、前記開口軸(O)並びに前記調整軸(V)に対して実質的に直交している、ことを特徴とする、請求項1に記載の真空弁(10)。
【請求項3】
前記中間位置から前記閉塞位置への調整の過程において、前記閉塞要素(14、14’)は、第2の部分的な動きにおいて、前記弁座と前記閉塞側面(15)との間に円周状の接触があり且つ前記開口部(11)が閉塞されるように、その閉塞側面(15)で前記弁座上に押されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の真空弁(10)。
【請求項4】
前記第2の部分的な動きは、前記閉塞要素(14、14’)の前記接地線(12a)の周りの回転を含むこと、
を特徴とする、請求項3に記載の真空弁(10)。
【請求項5】
前記ガイド部(26、26’)が前記ガイド要素(25、25')のための停止部を提供する、ここで、前記第1の部分的な動きは、前記停止部と衝突する前記ガイド要素(25、25’)によって制限され、且つ前記第2の部分的な動きは、前記衝突で開始される、ことを特徴とする、請求項1~4の何れか1項に記載の真空弁(10)。
【請求項6】
前記ガイド部(26、26’)は、
・前記開放位置から前記中間位置への移動中及びその逆の移動中に、前記閉塞要素全体(14、14’)の直線的動きは前記調整軸(V)に沿って発生し、且つ
・前記第1の部分的な動きの過程で、前記調整軸(V)の位置合わせから逸脱する前記閉塞要素(14、14’)の少なくとも一部分の横方向の動きが生じ、前記閉塞要素(14、14’)の傾斜をもたらす、
ように成形されていることを特徴とする、請求項1~5の何れか1項に記載の真空弁(10)。
【請求項7】
前記ガイド部(26、26’)は、ガイド経路を規定するか、又はそのように設計されている、
・凹部、
・細長い窪み、
・チャネル、又は
・溝
を含むことを特徴とする、請求項1~6の何れか1項に記載の真空弁(10)。
【請求項8】
前記ガイド経路は、前記中間位置から前記閉塞位置への調整を規定する領域において、少なくとも部分的に湾曲した、
経路(26a、26a’)を有することを特徴とする、請求項7に記載の真空弁(10)。
【請求項9】
前記ガイド部(26、26’)は、前記閉塞要素(14、14')を1自由度のみの運動で移動させる、
ことを特徴とする、請求項1~8の何れか1項に記載の真空弁(10)。
【請求項10】
運動の自由度は前記ガイド経路によって規定される、ことを特徴とする、請求項9に記載の真空弁(10)。
【請求項11】
・前記ガイド要素(25、25’)は、前記ガイド部(26、26’)に係合していること、及び/又は
・前記ガイド要素(25、25’)は、スライド要素又はローラーを備えているか、そのように設計されていること、及び/又は
・前記ガイド要素(25、25’)は、前記閉塞要素(14、14')に堅固に接続されていること、
を特徴とする、請求項1~
10のいずれか1項に記載の真空弁(10)。
【請求項12】
前記結合ユニット(20)は、少なくとも前記中間位置から前記閉塞位置への変位の文脈において、ガイド部(26、26’)と相互作用する別のガイド要素(27)を含んでいることを特徴とする、請求項1~
11のいずれか1項に記載の真空弁(10)。
【請求項13】
前記結合ユニット(20)は、
・前記閉塞要素(14、14')の背面に堅固に配設された保持要素(21)、
・前記閉塞要素(14、14')の背面に旋回可能に取り付けられた旋回要素(22、22’)、及び
・前記保持要素(21)及び前記旋回要素(22、22')に接続され
、前記開放位置と前記中間位置に予め張力をかけられた様式で置かれている復元要素(23)、を備えていることを特徴とする、請求項3又は4のいずれか1項に記載の真空弁(10)。
【請求項14】
前記復元要素(23)によって提供される復元力は、前記閉塞位置への前記第2の部分的
な動きの一部分として増加し、前記復元力は、前記閉塞位置への前記第2の部分的
な動きの方向の反対に作用する、ことを特徴とする、請求項
13に記載の真空弁(10)。
【請求項15】
前記第2の部分的
な動き中に、前記旋回要素(22、22')の旋回が起こり、それによって、前記閉塞要素(14、14')は、前記弁座と前記閉塞側(15)との間の接触が円周状に生成され、前記開口部(11)は閉塞されるように、その閉塞側面(15)で前記弁座上に押されることを特徴とする、請求項
13又は
14に記載の真空弁(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文による、開口部又は容積部の実質的に気密な閉塞のための真空弁に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、流路(弁ハウジング内に形成された開口部を通してつながる流路又はジェット経路)を実質的気密に閉塞するための真空弁は、先行技術の様々な実施形態で知られている。真空スライド弁は、特にIC及び半導体製造の分野で使用されるが、例えば電子顕微鏡の分野でも使用され。それはまた、汚染粒子が存在しない可能な限り保護された雰囲気で行われ必要がある。
【0003】
例えば、半導体ウェーハ又は液晶基板の生産システムにおいて、高感度の半導体又は液晶素子は、いくつかの処理チャンバー(そこでは処理チャンバー内に配置された半導体素子がそれぞれの場合に処理装置によって処理される)を順次通過する。処理チャンバー内の機械加工プロセス中、及び処理チャンバーから処理チャンバーへの移送中の両方において、高感度半導体素子は、常に保護された雰囲気、特に真空内になければならない。さらに、真空弁は電池製造の分野でも使用されており、処理領域を周囲雰囲気から大気分離することもできる。処理チャンバーは、例えば接続通路を介して、互いに接続されており、処理チャンバーは、部品を或る処理チャンバーから次の処理チャンバーに移すための真空スライド弁によって開かれ、その後、それぞれの製造ステップを実行するために、気密様式で閉じられうる。説明された適用分野に起因して、そのような弁は、真空移送弁とも呼ばれ、そして、それら長方形の開口断面のために、長方形スライド弁とも呼ばれる。
【0004】
真空弁の様々な実施形態(特にそれらのシーリング材及び駆動技術)はまた、先行技術から知られている。それぞれの駆動技術に応じて、特に真空スライド弁又はスライド弁(弁スライド又は長方形スライド弁とも呼ばれる)と振り子弁とが区別される。ここで、従来技術における開閉は、通常2つのステップで行われる。
【0005】
第1のステップにおいて、弁閉塞部、特に閉塞ディスクは、スライド弁の場合、例えば、米国特許US 6,416,037(Geiser)又は米国特許US 6,056,266(Blecha)から知られているように、弁座に本質的に平行な開口部上で直線的に変位する。又、振り子弁の場合、例えば、米国特許US 6,089,537(Olmsted)から知られているように、閉塞ディスクと弁ハウジングの弁座との間の接触なしに、開口部上の旋回軸を中心に旋回する。次のステップにおいて、閉塞ディスクは、開口部が気密な仕方でシールされるように、その閉塞側面で弁ハウジングの弁座に押し付けられる。シーリングは、例えば、閉塞ディスクの閉塞側面に配置されたシーリングリング(それは開口部を囲む弁座に押し付けられる)を介して、又は閉塞側面が対抗する弁座上のシーリングリング(それに対して閉塞ディスクが押される)を介して達成されうる。
【0006】
米国特許US 5,769,952(Komino)は、本質的に、線形作動装置、プッシュロッド(それは、そのプッシュロッド軸に沿って直線的に動かされうる)、及び閉塞ディスクからなる真空移送弁の形態のスライド弁を開示している。閉塞ディスクは、2本の脚を介してプッシュロッドに接続されている。プッシュロッドをプッシュロッド軸に沿って閉塞方向に直線的に動かすことにより、閉塞ディスクを弁開口部を横切って平行に動かすことができ、閉塞ディスクは、上記開口部を取り囲む弁座に対向する位置に配置される。2つの脚は、それぞれ一方の脚の端部で、プッシュロッドを横切って延在し且つ弁座平面に平行に走るクロスバーに取り付けられ、そしてそれぞれ他方の脚の端部で、旋回ベアリングによって旋回可能であるように閉塞ディスクに取り付けられている。両方の脚は、クロスバーの方向に互いに平行に配置され、且つ閉塞ディスクとクロスバーの両方に共通の幾何学的旋回軸を有している。脚は、クロスバー側の幾何学的旋回軸が、プッシュロッドの線形調整移動の閉塞方向に対して閉塞部分側の旋回軸の下に位置するように閉塞ディスクを保持し、その結果、プッシュロッドの閉塞方向に対して閉塞ディスクに作用する力は、閉塞方向に対する2つの旋回軸間の距離を減少させる。ガイドローラーは、閉塞ディスクの線形調整経路の端に配設されている。閉塞ディスクとガイドローラーとの間に接触が起きると、閉塞ディスクは、最早それ以上閉じる方向に調整できなくなる。しかし、線形調整駆動部は、脚を振り出すように閉塞ディスクに力を加え続け、こうして、線形調整方向に対して垂直位置に近づき、レバーとして動作する。このようにして、閉塞ディスクは、弁座の方向に調整され、それに押し付けられる。
【0007】
脚機構を備えたこのようなゲート弁の利点の1つは、駆動部の設計が比較的単純なことであり、それは、プッシュロッドを直線的に変位させるだけでよいためである。ただし、1つの問題は、プッシュロッド軸に垂直に作用する力であり、それはプッシュロッドベアリングによって吸収される必要がある。閉塞ディスクがガイドローラーで支持される必要があり、したがって大きな力を吸収する必要があるので、閉塞ディスクは大きな寸法である必要がある。旋回軸の配置が原因で、閉塞ディスクと弁座の平行な位置合わせが保証されず、そのことが、閉塞ディスクが弁座に接触するとき、最初に或る角度で着座すること、シールへのせん断力が避けられないこと、均等に分布した接触圧力が確保されないことの理由である。ガイドローラーとピボットベアリングを用いることにより、粒子の発生(特に摩擦による)を防ぐことができず、それが粒子が存在しないことが保証されない理由である。
【0008】
米国特許US 7,980,529は、真空スライド弁を示しており、そこでは、閉塞部分は、2つの脚によって線形調整可能なプッシュロッドに取り付けられ、上記2つの脚は平行四辺形の方法で旋回され得、且つプッシュロッドの調整方向に平行に間隔を空けて配置されうる。脚を介した平行四辺形様の取り付けのために、閉塞部分は常にプッシュロッドと弁座に平行に配置される。閉塞部が調整可能なプッシュロッドの閉塞方向に旋回された状態において、閉塞部は、プッシュロッドを直線的に調整することにより、閉塞部が開口部上方に取り付けられた停止部に接触するまで、弁の開口部上方に平行に押される。停止部は、閉塞部分が閉塞方向に更に移動するのを防止する。しかし、プッシュロッドが閉塞方向に調整され続けると、閉塞部分が弁座に押し付けられ開口部が閉じられるように、脚は弁座の方向に振り切れる。
【0009】
米国特許US 4,491,145(Williams 達)、US 5,415,375(Gaboriault)、US 2,841,361(Palmer)、及び独国特許GB 257,254にも示されているのは、脚を脱出させることによって弁閉塞部を弁座に押し付けるために、平行四辺形に案内され機械的に取り付けられた脚を備えたスライド弁である。これらの実施形態に共通するのは、それらの動作が、多数の摩擦点(特に脚ベアリング)に起因する比較的大量の粒子生成に関連していること、及び高純度真空範囲での使用(そこでは、自由粒子を最小限に保たねればならない)が大部分は除外されていることである。
【0010】
真空又は高真空の用途で、比較的大きなワークピースが処理される場合に、閉塞要素は、例えば電子顕微鏡の真空チャンバーを閉塞するために必要とされるよりもはるかに大きくなりうる。この目的のために、閉塞要素は、大きな部品がまた真空チャンバーに挿入されうるように設計されなければならないことが多い。特に、閉塞部はドア又はゲートの形状に設計されうる。この場合、閉塞部の重量だけが、弁に追加のストレスを発生させる。
【0011】
閉塞要素の寸法が大きいほど、閉塞部の開閉動作中に作用する力が大きくなる。例えば、弁ゲートを垂直に開閉する場合、ゲートの運動エネルギーは、弁が閉じるときに潜在的な位置エネルギーに変換する必要がある。この場合、閉じる過程にかかる時間ができるだけ短くなること、つまり、ゲートの移動が比較的速く行われることに関心がある。ワークピースの処理におけるこの望ましい速度は、その過程で生成されるゲートの運動エネルギーの大きさにも寄与する。したがって、ここでの重要な因子は、比較的大きな質量の望ましい急速な動き(加速と減速)に起因する個々の弁部品の摩耗である。特に、閉塞部の動きを制動又は制限することを意図されたそれらの弁部品に摩耗が発生する。
【0012】
同時に、急速な動きとサイズに起因して、チャンバーの気密シールを確実に確保することに関して困難が生じることがよくある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、真空弁、特に比較的大きなワークピースの機械加工のためのもので、特にドア若しくはゲート弁で、その摩耗特性に関して改善を示すものを提供することである。
【0014】
特に、本発明の目的は、開口部に信頼度の高い閉塞を与えるゲート弁であって、粒子形成を減少又は排除するものを提供することである。
【0015】
これらの目的は、独立請求項の特徴的な機能を実現することによって解決される。代替的又は有利な方法で更に本発明を形成する特徴は、従属請求項から取得されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、開口軸を規定する開口部を実質的に気密に閉塞するための真空弁、特に真空ゲート弁に関する。上記弁は、閉塞側面を備えた閉塞要素と、上記閉塞側面の反対側の裏面に配設された結合ユニット、特にレバー機構とを有する。上記弁は、上記開口部を囲む弁座を備えた弁壁、及び線形駆動ユニットを有し、上記駆動ユニットによって、上記閉塞要素は、開口軸に本質的に直交する調整軸に沿って、少なくとも2つの調整方向に調整され得、ひいては、上記閉塞要素は、上記開口部を開放する開放位置、上記開口部上をスライドする中間位置、そこでは上記閉塞要素は、上記弁座に対して実質的に平行な間隔を空けられた対向位置に少なくとも部分的に置かれる、及び上記開口部を閉塞する閉塞位置、ここで、上記閉塞要素は、その閉塞側面で上記弁座に押し付けられ、上記開口部を閉塞する、特に気密な様式でそれを閉じる、との間で移動させられうる。
【0017】
上記線形駆動ユニットは、上記閉塞部が閉じるときに、上記閉塞部(弁ディスク又はゲート)の動きを事前に制動するために、又は事前に減衰された閉塞動作を実現するために、特に内部減衰機構、及び/又は、これに対応する減衰制御を有する駆動シリンダーとして例えば設計されうる。
【0018】
上記真空弁はまた、上記開口部又は上記弁壁に割り当てられた上記閉塞要素のためのガイド部を有している。上記ガイド部は、特に上記弁ハウジングに対して固定されて配置されている。上記閉塞要素は、上記ガイド部に対して移動可能であるように配置且つ設計されている。上記閉塞要素は、開放位置から閉塞位置又は中間位置への、及びその逆の調整中に上記ガイド部と協働するガイド要素をさらに含む。従って、上記ガイド要素は、上記ガイド部に対して移動可能である。
【0019】
上記ガイド部及び上記ガイド要素は、上記中間位置から上記閉塞位置への調整中に、上記閉塞要素の上記調整軸を横切る傾斜が第1の部分的な動きにおいて開始され及び/又は達成されるように、成形され及び相互作用する。
【0020】
特に、このことは、上記閉塞要素の部分の上記調整軸を横切る横方向への動き、特に主に直交する方向成分を有する、を開始し引き起こす。
【0021】
ガイド要素とガイド部の上記相互作用(例えば、ゲート内又はゲート上を走行するローラーを備えたゲート様のガイド部)は、上記弁閉塞部(例えば、ディスク又はゲート閉塞部)が、以下のような仕方で、ガイドされ及び押圧されることを可能にする。即ち、上記閉塞側面を上記弁座に接触させるとき、上記弁座表面に直交する上記閉塞部の支配的な動きが存在し、且つ上記弁座と上記閉塞部との間のシーリング材料への横方向の負荷が全くないか又はごく僅かであるような仕方である。この目的のために、ガイド部又はゲートは、例えば、湾曲様の(湾曲した)表面を用いて設計することができ、これは、閉塞過程の最終局面において、上記閉塞部の閉塞運動の方向の対応する偏向をもたらす。
【0022】
特に、上記閉塞要素の傾斜は、上記閉塞側面の一部分が、上記弁座に押し付けられ、且つ少なくとも接地線に沿う上記弁座と接触するように公表されうる。ここで、上記接地線は、上記開口軸に必須的に直交し、同様に上記調整軸に直交している。次に、上記閉塞要素は、片側で上記弁座に押し付けられ、中間のシーリング材料がこの領域における気密移行を保証する。
【0023】
1実施形態において、上記中間位置から上記閉塞位置への調整中に、上記閉塞要素は、上記弁座と上記閉塞側面との間に円周状の接触があり、且つ上記開口部が閉塞されるように、第2の部分的な運動においてその閉塞側面で上記弁座に押し付けられうる。上記閉塞位置に到達すると、上記閉塞要素のシール面は、上記弁座の対向するシール面に完全に載ることができる。中間シール材は、その全長に沿って圧縮することができ、したがって、所望のシール効果を提供することができる。
【0024】
特に、第2の部分的な動きは、(回転軸としての)接地線の周りの弁閉塞部の回転運動を有し、特にここで、上記部分的な動きは、接地線の周りの弁閉塞部の回転に対応する。
【0025】
本発明の1実施形態によれば、上記ガイド部は、上記ガイド要素のための停止部を提供する。ここで、上記第1の部分的な動きは、上記停止部に衝突する上記ガイド要素によって制限され、上記第2の部分的な動きは、衝突することで開始される。
【0026】
そのような停止は、例えば、上記ガイド部の閉じた端部又は上記ガイド部の経路における動き制限停止要素によって提供されうる。
【0027】
しかし、上記駆動ユニットのプッシュロッド又は結合ロッドは、例えば、それが衝突した後も閉塞方向に調整され続けることができ、その結果、例えば、2つの脚(旋回要素)は、上記閉塞部分が上記弁座に押し付けられ、こうして上記開口部が閉塞されるように、上記弁座の方向に旋回される。
【0028】
1実施形態において、上記開放位置から上記中間位置への変位及びその逆の変位中に、上記閉塞要素全体の線形移動が上記調整軸に沿い且つ上記第1の部分的な動きの範囲内で起こり、上記調整軸の位置合わせから逸脱する上記閉塞要素の少なくとも一部分の横方向の動きが起こり、その結果、上記閉塞要素の傾斜を生じるように、上記ガイド部は成形されうる。上記調整軸に沿った直線運動は、特に横方向の運動によって重ね合わされる。
【0029】
上記ガイド部は、特に、ガイド経路を規定する凹部、細長い窪み、チャネル、又は溝を有するか、又はそのように設計される。そのような実施形態(そこでは、上記ガイド要素が例えばローラーの形で移動される)は、上記閉塞要素の移動のために一種のガイド部を提供する。このようにして、上記閉塞要素は、線形駆動ユニットによってのみ、非常に正確に且つ所定の方法で動かされうる。
【0030】
特に、上記ガイド部は、上記閉塞要素が1自由度のみの動きで運動することを可能にする。特に、ここでは、動きの自由度が上記ガイド経路によって規定される。上記閉塞要素は、2つの反対方向(閉塞と開放)にのみ動かされうる。
【0031】
特に、上記ガイド経路は、上記中間位置から上記閉塞位置への調整を規定する領域において、少なくとも部分的に湾曲した、特に湾曲した形状の経路を有する。湾曲した経路は、特に、湾曲部が上記弁座の方向を指す(閉塞過程に関して)ように設計されている。
【0032】
特に、上記ガイド部は、上記調整軸を横切って延在する上記ガイド表面の平坦な、特にくさび形の、表面プロファイルを用いて、又は上記ガイド表面の湾曲した、特に曲線を成す表面プロファイルを用いて設計されている。上記表面は、経路が均一な曲率又は少なくとも一定の湾曲方向を有するように特に設計されている。上記表面のそのような形状が、上記ゲートの流れるような閉塞動作を実現可能にする。
【0033】
本発明によれば、特に、上記閉塞要素の上記横方向の動きは、上記開放位置から上記閉塞位置への変位中に、上記弁座に実質的に平行な変位運動に重ね合わされる。
【0034】
上記ガイド部及びガイド要素の上記実施形態に応じて、特定の実施形態において、上記ガイド要素は、上記ガイド部と係合し、且つそれによって上記閉塞要素の案内を行うように構成されうる。
【0035】
1実施形態において、ガイド要素は、スライド要素又はローラーを有するか、又はそのように設計されうる。上記ガイド要素は、運動方向を偏向させるためのローラー又は(丸みを帯びた)スライド要素として設計されることが好ましい。そのような偏向手段の表面は、例えば、生じうる摩耗を減らすために特別な方法で硬化されるように設計されうる。あるいは、走行面は、上記閉塞過程中の上記閉塞要素の好ましくは衝撃が少なく滑らかなガイドの目的のために、例えば、ゴム引き、即ち、弾性ゴム状材料(例えばポリマー)を備えうる。
【0036】
特定の実施形態によれば、上記ガイド要素は、上記閉塞要素に堅固に接続されうる。代替の実施形態において、上記ガイド要素は、上記閉塞要素に対して位置的に可変であり、特に旋回可能であるように配置されている。
【0037】
上記結合ユニットはまた、少なくとも上記中間位置から上記閉塞位置への運動中に、上記ガイド部と相互作用する更なるガイド要素を有しうる。特に、上記更なるガイド要素は、上記開放位置から上記閉塞位置(及びその逆)までの運動系列全体の間に、上記ガイド部と相互作用する。
【0038】
本発明の1実施形態によれば、上記結合ユニットは、上記閉塞要素の裏面に堅固に配設された保持要素、上記閉塞要素の裏面に旋回可能に取り付けられた旋回要素、並びに保持要素及び上記旋回要素に接続された復元要素を有している。
【0039】
上記復元要素は、特にばね(中でも、螺旋ばね)として、又は弾性要素として設計されており、上記開放位置及び上記中間位置において張力が予めかけられている。
【0040】
事前の張力は、旋回要素を折り畳まれた通常の位置に保持しうる。上記加えられた復元力及び上記折り畳まれた通常の位置での上記旋回要素の位置が原因で、上記閉塞要素は、上記開放位置及び上記中間位置において、規定された、上記弁座に対し本質的に平行で間隔を空けられた対向位置に置かれ又は保持されうる。
【0041】
上記復元要素によって提供される復元力は、次に、上記閉塞位置(即ち、例えば、上記停止部に達した後)への上記第2の部分的運動の部分として増加可能であり、上記閉塞位置への上記第2の部分的運動の方向の反対に作用する上記復元力を伴っている。特に、ばねは、上記過程において更に張力をかけられる。
【0042】
上記復元力の増加は、例えば脚として形成されている上記旋回要素の旋回外れに起因する可能性がある。上記保持要素と、上記旋回要素上の上記復元要素の固定点との間の距離は、好ましくは、上記過程中に増加する。
【0043】
特に、上記第2の部分的運動中に、旋回要素の旋回が起こり、それによって、上記弁座と上記閉塞側面との間の接触が円周状に形成され且つ上記開口部が閉塞されるように、上記閉塞部をその閉塞側面で上記弁座上に押し付ける。
【0044】
このようにして、上記復元要素(特に、1又は複数のばね)は、上記弁の開閉過程の間、運動間隔のほとんどに対して(上記中間位置から上記閉塞位置への又はその逆の動きの間)、上記閉塞要素の部分を上記弁壁又はその弁座から規定された距離に保持することができる。これにより、動きの間に上記閉塞要素と上記弁壁との間の望ましくない接触を発生しないことが確実に保証される。こうして、材料の摩耗による不要な粒子の形成を確実に防ぐことができる。
【0045】
本発明の更なる利点は、上記の2つのアプローチの相互作用、即ち、上記調整軸を横切る上記閉塞要素の動き(上記軸に直交する少なくとも1つの運動成分を伴う)による上記復元要素のエネルギー吸収から生じる。このようにして、動きの運動エネルギーの部分が上記復元要素の張力エネルギーに変換されるために、上記閉塞装置の動きを上記閉塞位置に到達する前に減速させることができる。
【0046】
このように遅くなる動きのために、上記動きの最後の局面での上記開口部の実際の閉塞は、より正確になり得、且つ最適化された方法で制御されうる。
【0047】
上記閉塞動作の減衰は、従って2つの構成要素 ― 線形駆動ユニットと復元要素 ― によって、2つの局面で次々に又は時間と効果の点で重複して生じうる。例えば、上記駆動ユニットは、最初に一種の事前減衰(粗い減衰)を実行し、これにより、既に大幅に上記閉塞動作を遅くする。ここで、更なる減衰効果(精細な減衰)が、上記復元要素のエネルギー吸収によって与えられる。
【0048】
従って、上記復元要素に関して、本発明の1実施形態は、上記中間位置から上記閉塞位置へ動くときに、上記閉塞要素の上記横方向の動きは、上記復元力の増加を引き起こすような上記復元要素のそのような構成を提供し、且つ上記復元力の増加は、上記中間位置から上記閉塞位置へ動くときに上記閉塞要素の上記動きの減衰をもたらす。
【0049】
より具体的な実施形態において、ガイド部は、少なくとも2つのガイドレールを有し、それらは、平行に弁壁上に間隔を空けて配置されている。
【0050】
本発明による装置は、純粋に例として図面に概略的に示された特定の例示的な実施形態によって、以下でより詳細に説明される。本発明の更なる利点もまた議論される。図は詳細を示す。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1a】開口部を閉塞するための、又は様々な位置での断面における容積部をシールするための、本発明による真空弁の1実施形態の図である。
【
図1b】開口部を閉塞するための、又は様々な位置での断面における容積部をシールするための、本発明による真空弁の1実施形態の図である。
【
図1c】開口部を閉塞するための、又は様々な位置での断面における容積部をシールするための、本発明による真空弁の1実施形態の図である。
【
図2a】異なる状態における、本発明による真空弁の更なる実施形態を示す図である。
【
図2b】異なる状態における、本発明による真空弁の更なる実施形態を示す図である。
【
図2c】異なる状態における、本発明による真空弁の更なる実施形態を示す図である。
【
図3】本発明による真空弁の別の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1aは、本発明による弁10の断面図を示し、弁10は、開口部11を閉じるように設計されている。弁10は、弁座を備えた弁壁12を有する。弁座は、開口部11を取り囲み、その形状及びサイズで、閉塞要素14の座面に対応する。示された本例において、閉塞要素14は、比較的大きな寸法のゲート又はドアとして設計されているが、代替的に、例えば丸い弁ディスクとして、又は当業者に知られている代替的形状、例えば、細長い又は長方形として設計されうる。閉塞要素14は、弁ディスクとも呼ばれる。
【0053】
示された本実施形態において、シール部16は、閉塞要素14の閉塞側面15、特に軸受面に適用される。このシール部16は、例えば、加硫によって、ポリマーとして閉塞要素14上において加硫処理されうる。あるいは、シール部16は、例えば、閉塞要素14の溝内におけるOリングとして実装されうる。また、シーリング材は、閉塞要素14に結合され得、それにより、シール部16を具体化する。或る代替の実施形態において、シール部16は、弁壁12の側面、特に弁座に配置されうる。これらの実施形態の組み合わせも考えられる。
【0054】
閉塞要素14は、結合ユニット20を有し、この結合ユニット20は、駆動ユニット(例えば、モーター、空気圧式又は油圧式の)に結合ロッド19を介して接続され、そして、その結合ユニット20を用いて閉塞要素14は、制御された方法で調整軸Vに沿って直線的に動かされうる。調整軸Vは、開口部11によって規定される開口軸Oに対して少なくとも実質的に直交して置かれている。
【0055】
結合ユニット20は、固定された堅固な位置関係で閉塞要素14に接続された保持要素21と、閉塞要素14に対して枢動可能に取り付けられた旋回要素22とを有する。保持要素21と旋回要素22とは、復元要素23(この場合は螺旋ばね)によって互いに結合されている。示された本実施形態において、結合ロッド19は、旋回要素22に接続されている。
【0056】
示された開放位置において、復元要素23は予め張力を加えられた状態にあり、ひいては、弁ディスク14に対して旋回要素22を横方向位置にさせる。この横方向位置は、弁ディスクが弁壁12から或る規定された距離にあるように弁ディスク14の保持をもたらす。予めの張力により、弁壁12と閉塞要素14との間の距離は、弁の開放中及び閉塞動作中、弁の実際の閉塞の直前まで確実に維持されうる。これは、これらの部品間の接触及び調整軸Vに平行な同時の相対運動(シール部への横応力)の場合に起こり得る粒子形成を有利に確実に防止する。
【0057】
閉塞要素14は、ガイド要素25(例えば、ローラー、ホイール、又はスライダー)をさらに備えている。当業者は、同じ効果を有するこれに対するさらなる代替の設計可能性を認識しており、それらはまた、本発明の意味におけるガイド要素25と見なされる。ガイド要素25は、弁10のガイド部26内に存在する。ガイド部26とガイド要素25との相互作用は、調整軸Vにほぼ直線的に沿う閉塞要素14の調整可能性を提供する。ガイド部26は、細長い窪み(溝)として設計され、従って、ガイド経路を規定し、そのガイド経路に沿ってガイド要素25が2つの方向に移動することができる。
【0058】
ガイド部26は、弁10に接続され、この場合、弁壁12に堅固に接続されている。ここに示されるように、ガイド部26は、断面において曲面の輪郭を有するガイド表面を提供しうる。代替の実施形態によれば、表面の進展は、湾曲せず(平坦であり)、調整軸Vに対して横方向に形成されうる。湾曲したガイド部表面と平坦なガイド部表面との混合形態も可能である。
【0059】
ガイド部26は、その閉じた端部の領域に、ガイド要素25の動きを制限する湾曲部26aを有する。湾曲部26aは、弁座の方向を向いている。換言すれば、湾曲部26aは、ガイド部26の端部に向かう弁壁(弁壁のそれぞれの法線に対して)までの方向に互いに隣接して位置するガイド経路上の点の距離が小さくなるように、ガイド経路のコースを規定する。結果として、シャッター板14の直線運動(それは調整経路の大部分にわたってそれだけが存在する)は、弁10の閉塞状態への動き中に横方向の動きと部分的に重ね合わされ(
図1c)、その結果、閉塞要素14は、閉塞運動の最後の運動区間において、調整軸Vに対してもはや直線的に平行にのみ動くのではなく、(また)この軸を横切って、特に移動方向の連続的な変化を伴って移動する。このことは、閉塞要素14の傾斜をもたらす。
【0060】
駆動部によって、ガイド要素25及び結合ユニット20と一緒の閉塞要素14は、最初に中間位置に移動させられうる(
図2aによる実施形態における閉塞要素の状態と比較せよ)。結合要素20の状態は、ここでは本質的に、開放位置の状態に対応する。
【0061】
結合要素20は、少なくとも1つの更なるガイド要素(例えば、1又は2の更なるローラー)を有し、それは、保持要素21及び/又は旋回要素22上に配置されている。ガイド部26の形状に応じて、この更なるガイド要素は、常にガイド部26と協調しているか、又は開放位置から閉塞位置、特に中間位置への移動の過程でガイド部26と協調させられる。示された例において、更なるガイド要素は、旋回要素22に結合されている。
【0062】
ガイド経路に沿ったさらなる動き、即ち中間位置から閉塞位置への調整中に、閉塞要素14は、2段階で調整され、従って2つの異なる状態をとる。
【0063】
第1の段階、即ち第1の部分的な動きにおいて、ガイド要素25は湾曲部26aに沿って動かされ、調整軸Vに対して閉塞要素14の傾斜運動を引き起こし、閉塞側15の一部分を弁座に押し付け、そして、少なくとも接地線12aに沿って弁座と接触している。ここで、特に、シール16は、この領域の反対側の弁座に押し付けられている。この状態は
図1bに示されている。開口部11は、いまだ閉じられていない。結合要素20の状態は、ここでは本質的に開放位置の状態に対応し続ける。結合要素20は、ガイド部26によって案内される。
【0064】
ガイド部26の表面の湾曲部26aは、閉塞部14の動きが、シール部16と弁座との間の接触時に、動きがすでに少なくとも部分的に又は大部分で、特に完全に、直交する横方向の動きに変化し、ひいては接触中にシーリング材料に横方向の応力がないか、又はごくわずかであるように案内されうるという利点を提供する。これは、潜在的な粒子の摩耗を大幅に又は完全に防ぐことができることを意味する。
【0065】
第2の段階、即ち第2の部分的な動きの範囲内において、閉塞要素14のそれ以上の動きは、調整軸Vの方向には生じないが、閉塞要素14の一部分は、調整軸Vに関して単に横方向に、特に直交して動かされる。特に、閉塞要素14の接地線12aの周りでの回転が生じる。この回転は、閉塞側15を弁座に沿って完全に押すことにより、開口部11の閉塞をもたらす(閉塞位置;
図1c)。第2の部分的な動きの過程で、旋回要素22は、結合ロッド19の更なる動きによって、閉塞要素に対して旋回される。それにより、旋回要素22は、閉塞要素14に対して益々直交する配向をとる。換言すれば、旋回要素22は、閉塞要素14に対して配置されている。
【0066】
旋回要素22の動きの自由度は、別のガイド要素との結合のために、ガイド部26の方向への動きに制限される。これにより、横方向の動きは排除される。これは、旋回要素22がこの副ステップで必要に応じて旋回され、且つ閉塞要素14が旋回によって弁座に押し付けられるという効果を有する。
【0067】
この過程の間、復元要素23は圧縮され、その提供される復元力は増加する。閉塞位置から中間位置への逆運動の間、この復元力は、旋回要素を後方に旋回させ、ひいては、閉塞要素14を弁座から切り離す。
【0068】
本発明による装置、並びにガイド部/ガイド要素の及びガイド部/旋回要素の相互作用は、比較的少数の構成要素を備えた閉塞システムの記載された実施形態を可能とする。弁、特に開口部及び閉塞部は、対応する同一の構成要素及び対応する配置を備えた様々なサイズで実現することができる。開放状態の変更は、高度に制御された仕方で実行されうることもまた有利である。
【0069】
本発明の別の主要な利点は、シーリング材料が、提供された閉塞及び開放過程中に、横方向の応力を受けないことであり、従って、不純物(例えば、摩耗による粒子)の形成を防止することである。
【0070】
同時に、本発明による配置は、開口部を比較的迅速に開閉することを可能にする。ここで、上記配置の複雑さは比較的低いが、ロバスト性は高い。
【0071】
ガイド経路の現在の湾曲は、閉塞動作を(自動的に)遅くすることもでき、これにより、閉塞要素が望ましくない力で弁座に当たるのを防ぐことができる。
【0072】
図2a~cは、本発明による弁閉塞についての別の実施形態を示している。
【0073】
図2aは、中間位置にある閉塞要素14’を示しており、その位置において、閉塞要素14’は、少なくとも部分的に、弁座に対して実質的に平行に間隔を空けられた対向する位置にある。ここで、閉塞要素14’は、弁座の全ての部分に対向しているわけではない。
【0074】
中間位置において、旋回要素22’(例えば、突起機構及び/又はトグル機構として実装される)は、閉塞部14’に対して傾斜した位置を有する。
【0075】
図2bは、中間位置と閉塞位置との間の状態における、特に、
図1a~cによる実施形態で説明されたような第1の部分的な動きの後の弁閉塞部を示している。旋回要素に接続されている別のガイド要素27’もまた、ガイド部26'によってここに案内される。閉塞要素14’のガイド要素25'は、溝26’の端部によって形成された停止部に衝突する。シール部16’は、湾曲部26a'の領域で弁座に押し付けられる。閉塞要素14’は、弁壁に対して横方向に突出している。
【0076】
この中間状態から閉塞位置への移行中(
図2c)、旋回要素22が旋回され、閉塞要素14’を傾斜させる。傾斜は、シール部16’と弁座12'との間の接触領域によって規定される軸の周りの閉塞部の旋回に対応する。傾斜は、シール部16’を弁座12'に円周状に押し付け、気密様式で開口部11’を閉じる。この場合、旋回要素22により、閉塞要素がロックされる。
【0077】
図3は、本発明による弁10の実施形態を、ゲート弁の形態で斜視図で示す。ここでは、弁10のハウジングが開いて示されている。以前に示された弁と同様に機能的相互作用する部品には、同じ参照記号が付けられている。
【0078】
弁10は、開口部11を規定し、その開口部11は、弁ディスク14又は弁ドア(閉塞要素)で閉じることができる。この場合、ゲート14又は弁のドアは、角が丸い長方形に設計されている。弁ドア14は、駆動部によって調整することができる。駆動部は、開口部の両側に配置された2つの空気圧要素30を有する。クロスバー28は、両方の空気圧要素30に接続されている。
【0079】
駆動部は、シリンダーの内部に延在するプッシュロッドを持ちうる。閉塞運動の事前減衰のために、適切な減衰要素がシリンダー内部に提供されうる、及び/又は、駆動モーターの特定の電子制御がシリンダーに提供されうる。そのような事前減衰は、中間位置に到達する前に前以て実行でき、中間位置に到達した後にも実行できる。
【0080】
クロスバー28はまた、それぞれの結合ユニットの2つの旋回要素22(トグル要素)に結合されている。結合ユニットは、弁ドア14の背面(閉塞側の反対側)に取り付けられている。ローラー27(更なるガイド要素)は、各旋回要素22に関連付けられており、旋回要素22は、ここではクロスバー28によって接続され且つその上に配置されている。ローラー27は、それぞれのガイド部26内を走り、その中で直線的に変位可能である。
【0081】
図3は、閉塞状態における弁10を示している。ドア側シール部は、ハウジング側の弁座に押し付けられる。シール全体に沿ったこの押圧は、一方ではガイド26(特にガイドコースの湾曲)とガイド要素25との協働によって提供され、他方ではガイド部26と結合ユニットとの協働によって提供される。ゲートは、閉塞運動の最終局面において、ガイド部26の湾曲部によって、少なくとも片側で弁座の方向に動かされる。
【0082】
弁10が開かれると、旋回要素22は、最初に、保持要素21との結合によって旋回され、その結果、ドア14が弁座から片側に分離される。その後、ガイド要素25は、調整方向(ここでは右)に開放位置まで動かされ、その結果、シール部が弁座から完全に外れる。運動の両方の部分は、駆動部によって提供される。
【0083】
閉塞ゲート14は、このようにして、2つのレバー機構20によってクロスバー28(結合ユニット)に結合される。この建設的な配置により、ゲート14は、クロスバー28からの距離に関して移動可能に変化させられうる。ばね23は、旋回要素22に取り付けられ、他端は保持要素21に取り付けられている。これにより、即ち、ばね23の予め張力をかけられた固定により、復元力がクロスバー28に関しゲート14に加えられ、その結果、ゲート14は、クロスバー28から規定された距離で非閉塞状態で存在し、その可動性は、旋回要素22の設計(特に長さ及び旋回可能性)により、等しく規定された距離の増加を許容する。上記ゲート14(開放状態における)の延長面(弁の開口部の方へ向けられた閉塞側面の表面)に直交する調整経路は、実際の閉塞位置までの閉塞要素14の非接触誘導を確実に提供するように、及び閉塞するために、上記ゲート14のシール部16又はシール面を本質的にシーリング面の法線方向に(即ち、シーリング面の法線に平行な方向に)押すのを達成するように使われる。不要な粒子の形成(例えば、シーリング材の横方向の応力に起因する)は、このようにして防止されうるか、少なくとも大幅に低減されうる。
【0084】
示された図は、可能性のある例示的な実施形態の概略図にすぎないことが理解される。本発明によれば、様々なアプローチはまた、相互に、及び従来技術の真空条件下での処理容積部を閉じるための弁と組み合わせることができる。