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  • 特許-真空ポンプ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】真空ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 19/04 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
F04D19/04 H
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021548218
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 GB2020050403
(87)【国際公開番号】W WO2020169976
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】1902303.5
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】シェリー ジェラルド ロビン
(72)【発明者】
【氏名】スタマーズ ピーター ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ ブライアン スチュアート ブレイクリー
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-503027(JP,A)
【文献】特表2011-509168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空ポンプ装置であって、
複数のポンプライン入口と、ポンプライン出口とを有し、前記ポンプライン入口の各々が、関連する複数の真空処理チャンバーの出口と接続するように構成された、共通ポンプラインと、
前記ポンプライン出口と流体接続され、前記真空処理チャンバーの各々からのガスを圧送する少なくとも1つの1次真空ポンプと、
前記複数の真空処理チャンバーの動作状態の指標に応答して、前記1次真空ポンプの動作と下流の除害装置とを制御するように動作可能な制御論理回路と、
を備え、
前記制御論理回路は、前記指標に応答して、前記1次真空ポンプ、前記2次真空ポンプ、及び前記除害装置の少なくとも1つに供給される希釈ガスの量を変化させるように動作可能である、
真空ポンプ装置。
【請求項2】
前記制御論理回路は、前記指標に応答して、前記1次真空ポンプの動作速度を変化させるように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御論理回路は、前記動作速度を変化させて前記真空ポンプのガス圧送流量を、示された前記複数の真空処理チャンバーからのガス流量に一致させるように動作可能である、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
複数の1次真空ポンプを備え、前記制御論理回路は、前記指標に応答して、前記1次真空ポンプの少なくとも1つを非動作とするように動作可能である、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記制御論理回路は、前記指標に応答して、前記除害装置に供給されるエネルギーの量を変化させるように動作可能である、
請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記指標は、前記複数の真空処理チャンバー及び前記複数の真空処理チャンバーに供給する装置のうちの少なくとも1つによって提供される、
請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記指標は、前記複数の真空処理チャンバーを通るガス流量を示す、
請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記指標は、それぞれのポンプライン入口に結合された圧力センサー及び流量制御弁のうちの少なくとも一方によって提供される、
請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記入口と前記チャンバーとの間に接続された2次真空ポンプを備え、前記指標は、前記2次真空ポンプの電力消費及び速度のうちの一方によって提供される、
請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
各々が複数のポンプライン入口と、ポンプライン出口とを備え、前記ポンプライン入口の各々は、関連する複数の真空処理チャンバーの出口と接続するように構成される、少なくとも1つの追加の共通ポンプラインと、
前記ポンプライン出口と流体接続され、前記真空処理チャンバーの各々からのガスを圧送する少なくとも1つの追加の1次真空ポンプと、
を備える、
請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記真空処理チャンバーの各々を前記共通ポンプラインと選択的に接続するように動作可能なマニホールドを備え、前記指標は、前記マニホールドの構成の指標を提供する、
請求項1から10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
共通ポンプラインの複数のポンプライン入口を、関連する複数の真空処理チャンバーの出口と接続するステップと、
前記真空処理チャンバーの各々からのガスを圧送するために、前記共通ポンプラインのポンプライン出口を少なくとも1つの1次真空ポンプと接続するステップと、
前記複数の真空処理チャンバーの動作状態の指標に応答して、前記1次真空ポンプの動作を制御するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空ポンプ装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真空ポンプ装置は、真空処理において、特に半導体製造設備において広く使用されている。製造設備の処理ツールは、選択されたガスの存在下で真空圧を必要とし、真空ポンプシステムは、これらのガスが必要とする真空圧での排気を実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数の真空ポンプ装置が存在するが、これらには独自の欠点がある。従って、改善された真空ポンプ装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様によれば真空ポンプ装置が提供され、真空ポンプ装置は、複数のポンプライン入口と、ポンプライン出口とを有し、各ポンプライン入口が、関連する複数の真空処理チャンバーの出口と接続するように構成された共通ポンプラインと、ポンプライン出口と流体接続され、各真空処理チャンバーからのガスを圧送する少なくとも1つの1次真空ポンプと、複数の真空処理チャンバーの動作状態の指標(indication)に応答して、1次真空ポンプの動作を制御するように動作可能な制御論理回路と、を備える。
【0005】
第1の態様は、真空ポンプ装置が、共通ポンプラインを介して接続された複数の処理チャンバーに使用されることを認識する。処理チャンバーの最大処理ニーズに対応するために、一般に、装置は、平均的な処理ニーズに比べてオーバーサイズにされる。それに応じて、真空ポンプ装置又はシステムが提供される。装置は、2以上の入口及び少なくとも1つの出口を有するポンプラインを備えることができる。各ポンプライン入口は、複数の真空処理チャンバーのうちの関連する1つの出口と接続することができる。すなわち、複数の真空処理チャンバーは、共通の又は単一のポンプラインと接続することができる。装置は、真空処理チャンバーからのガスを圧送するために共通ポンプラインのポンプライン出口に接続することができる、1又は2以上の真空ポンプを備えることができる。装置は、処理チャンバーの動作状態に応じてこの1次真空ポンプの動作を制御することができる、制御論理回路を備えることができる。このように、1次真空ポンプの性能は、処理チャンバーが供給する負荷に一致するように調整することができ、また過剰な能力が存在する場合(1次真空ポンプが十分に活用されていないことを意味する)、1次真空ポンプの性能を低下させることができ、これは、大幅なエネルギー節約につながり、ポンプの摩耗を低減することができる。
【0006】
1つの実施形態において、制御論理回路は、指標に応答して、1次真空ポンプの動作速度を変化させるように動作可能である。従って、真空ポンプの速度は、処理ツールによって生成される負荷に基づいて低下又は増大させることができる。
【0007】
1つの実施形態において、制御論理回路は、動作速度を変化させて、真空ポンプのガス圧送流量を、示された複数の真空処理チャンバーからのガス流量に一致させるように動作可能である。従って、真空ポンプの速度は、処理ツールによって生成される負荷に一致するように変更すること又は調整することができる。
【0008】
1つの実施形態において、装置は複数の1次真空ポンプを備える。
【0009】
1つの実施形態において、制御論理回路は、指標に応答して、1次真空ポンプの少なくとも1つの動作を停止するように動作可能である。従って、1又は2以上の1次真空ポンプは、必要でない場合は運転停止又は動作停止とすることができる。
【0010】
1つの実施形態において、動作可能な制御論理回路は、指標に応答して、下流装置の動作を制御するように動作可能である。従って、共通ポンプラインの下流にある他の装置の性能は、予想される負荷に一致するように調整可能であり、これによってさらに効果的に節約することができる。
【0011】
1つの実施形態において、下流装置は除害装置を備える。
【0012】
1つの実施形態において、動作可能な制御論理回路は、指標に応答して、除害装置に供給されるエネルギーの量を変化させるように動作可能である。従って、除害装置に供給されるエネルギーとそれに伴う動作温度は、処理チャンバーの出力に応じて調整することができる。
【0013】
1つの実施形態において、装置は複数の除害装置を備え、動作可能な制御論理回路は、複数の除害装置の少なくとも1つの動作を停止するように動作可能である。
【0014】
1つの実施形態において、動作可能な制御論理回路は、指標に応答して、1次真空ポンプ、2次真空ポンプ、及び除害装置のうち少なくとも1つに供給される希釈ガスの量を変化させるように動作可能である。
【0015】
1つの実施形態において、指標は、複数の真空処理チャンバーによって提供される。従って、処理チャンバーによって放出される流量は、処理チャンバー自体が提供することができる。
【0016】
1つの実施形態において、指標は、複数の真空処理チャンバーに供給する装置によって提供される。従って、処理チャンバーに供給されるガスの流量の指標は、制御論理回路に提供することができる。
【0017】
1つの実施形態において、指標は、複数の真空処理チャンバーを通るガス流量を示す。
【0018】
1つの実施形態において、指標は、それぞれのポンプライン入口に結合された圧力センサー及び流量センサーのうちの少なくとも一方によって提供される。
【0019】
1つの実施形態において、指標は、それぞれのポンプライン入口に結合された流量制御弁によって提供される。
【0020】
1つの実施形態において、装置は、入口とチャンバーとの間に接続された2次真空ポンプを備え、指標は、2次真空ポンプの電力消費及び速度のうちの一方によって提供される。
【0021】
1つの実施形態において、装置は、各々が複数のポンプライン入口と、ポンプライン出口とを有し、各ポンプライン入口が関連する複数の真空処理チャンバーの出口と接続するように構成された少なくとも1つの追加の共通ポンプラインと、ポンプライン出口と流体接続され、各真空処理チャンバーからのガスを圧送する少なくとも1つの追加の1次真空ポンプと、を備える。
【0022】
1つの実施形態において、装置は、各真空処理チャンバーを共通ポンプラインと選択的に接続するように動作可能なマニホールドを備え、指標は、マニホールドの構成の指標を提供する。
【0023】
第2の態様によれば方法が提供され、本方法は、共通ポンプラインの複数のポンプライン入口を、関連する複数の真空処理チャンバーの出口と接続するステップと、各真空処理チャンバーからのガスを圧送するために、共通ポンプラインのポンプライン出口を少なくとも1つの1次真空ポンプと接続するステップと、複数の真空処理チャンバーの動作状態の指標に応答して、1次真空ポンプの動作を制御するステップと、を含む。
【0024】
1つの実施形態において、制御するステップは、指標に応答して1次真空ポンプの動作速度を変化させるステップを含む。
【0025】
1つの実施形態において、制御するステップは、真空ポンプのガス圧送流量を、示された複数の真空処理チャンバーからのガス流量に一致させるように、動作速度を変化させるステップを含む。
【0026】
1つの実施形態において、接続するステップは、複数の1次真空ポンプと接続するステップを含む。
【0027】
1つの実施形態において、制御するステップは、指標に応答して、1次真空ポンプの少なくとも1つの動作を停止するステップを含む。
【0028】
1つの実施形態において、制御するステップは、指標に応答して、下流装置の動作を制御するステップを含む。
【0029】
1つの実施形態において、下流装置は除害装置を含む。
【0030】
1つの実施形態において、制御するステップは、指標に応答して、除害装置に供給されるエネルギーの量を変化させるステップを含む。
【0031】
1つの実施形態において、下流装置は複数の除害装置を含み、制御するステップは、複数の除害装置のうちの少なくとも1つの動作を停止するステップを含む。
【0032】
1つの実施形態において、制御するステップは、指標に応答して、1次真空ポンプ、2次真空ポンプ、及び除害装置のうちの少なくとも1つに供給される希釈ガスの量を変化させるステップを含む。
【0033】
1つの実施形態において、指標は、複数の真空処理チャンバーによって提供される。
【0034】
1つの実施形態において、指標は、複数の真空処理チャンバーに供給する装置によって提供される。
【0035】
1つの実施形態において、指標は、複数の真空処理チャンバーを通るガス流量を示す。
【0036】
1つの実施形態において、指標は、それぞれのポンプライン入口に結合された圧力センサー及び流量センサーのうちの少なくとも一方によって提供される。
【0037】
1つの実施形態において、指標は、それぞれのポンプライン入口に結合された流量制御弁によって提供される。
【0038】
1つの実施形態において、本方法は、入口とチャンバーとの間に接続された2次真空ポンプを設けるステップを備え、指標は、2次真空ポンプの電力消費及び速度のうちの一方によって提供される。
【0039】
1つの実施形態において、本方法は、各々が複数のポンプライン入口と、ポンプライン出口とを備え、各ポンプライン入口は、関連する複数の真空処理チャンバーの出口と接続するように構成される少なくとも1つの追加の共通ポンプラインと、ポンプライン出口と流体接続され、各真空処理チャンバーからのガスを圧送する少なくとも1つの追加の1次真空ポンプとを提供するステップを含む。
【0040】
1つの実施形態において、本方法は、各真空処理チャンバーを共通ポンプラインと選択的に接続するように動作可能なマニホールドを提供するステップを備え、指標は、マニホールドの構成の指標を提供する。
【0041】
別の特定の好ましい態様は、独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、必要に応じて独立請求項の特徴と組み合わせること、及び請求項に明示的に記載されているもの以外と組み合わせることができる。
【0042】
装置の特徴が機能を提供するように動作可能であると説明される場合、これのことは、その機能を提供する又はその機能を提供するように適応又は構成された装置機能を含むことを理解されたい。
【0043】
本発明の実施形態は、添付図面を参照して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】1つの実施形態による真空ポンプ装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
実施形態をさらに詳細に説明する前に、最初に概要を説明する。実施形態により配置が与えられ、この配置により、1又は2以上の1次真空ポンプ、及び/又は真空処理チャンバーと接続する他の下流処理装置が、それらの性能がそれら真空処理チャンバーに由来する負荷又は出力に対して一致するように最適化された動作を有することができる。特に、真空ポンプは、一般的に、チャンバーの粗引き又はポンプダウンの間などの、処理チャンバーの全てがピークで動作し、最大出力負荷を生じる場合にもたらされる最大負荷に対応する大きさにされることになる。しかしながら、一部の処理チャンバーが使用されない場合又は出力が予想よりも低い場合があるので、実際に生じる負荷が小さくなる場合がある。これは、真空ポンプ及び/又は他の下流装備が過度に供され、必要以上の能力を与えることを意味する。従って、これらの装置の動作は、処理チャンバーの動作状態と一致するように制御され、結果的にエネルギー消費が削減されて寿命が延びる。
【0046】
図1は、1つの実施形態による真空ポンプ装置10を示す。この実施例では、真空処理装置10は、4つの処理ツール20と結び付いている。各処理ツール20は、複数の処理チャンバーを有し、例えば、1つの処理ツール20は、4つの処理チャンバー30を有する。処理ツール及び処理チャンバーの数は、要求に応じて様々とすることができ、単一の配置も想定されていることを理解されたい。
【0047】
各処理チャンバーは、ターボポンプ40などのポンプに結合する。この実施例では、ターボポンプ40が設けられているが、他の形態の2次ポンプが可能であり、2次ポンプがない構成も可能であることを理解されたい。また、この実施例のターボポンプ40は、真空ポンプ装置10の一部を形成するが、ターボポンプ40は、代わりに処理ツール30によってもたらすことができることを理解されたい。各ターボポンプ40は、仕切り弁50及びフォアライン60を介してブースターポンプ70に接続する。
【0048】
各ブースターポンプ70は多方向弁80に接続する。この実施例では、各多方向弁は4ポート式多方向弁であり、ブースターポンプ70と接続する多方向弁の入口は、3つの出力の何れかと接続することができることを意味する。弁80の各出力は、対応する共通ポンプライン90A-90Cと接続する。
【0049】
従って、各共通ポンプライン90A-90Cは、弁80の対応する出口と接続する複数のポンプライン入口を有することが分かる。図1に示される実施例において、各共通ポンプライン90A-90Cは14個のポンプライン入口を有し、各々は、ブースターポンプ70、フォアライン60、仕切り弁50、及びターボポンプ40を介して、関連する処理チャンバー30と接続する。各共通ポンプライン90A-90Cは、ルーツ式機械ポンプなどの1又は2以上の1次真空ポンプ100と接続する少なくとも1つのポンプライン出口を有する。
【0050】
図1に示す実施例において、各共通ポンプラインは、3つの1次真空ポンプ100と接続するが、これよりも多い又は少ない真空ポンプ100を設けることができる。1次真空ポンプ100は、次に、下流の除害装置110に接続する。
【0051】
複数の共通ポンプライン90A-90Cの存在は、異なる処理チャンバー30から供給される不相溶性化学物質が相互作用して有害反応を引き起こすことがないことを保証するのを助ける。他の構成では、単一の共通ポンプラインのみを利用することができる。
【0052】
制御論理回路120が設けられており、制御論理回路120は、共通ポンプライン90A~90Cの各々を通過する予期される排出ストリームを評価するために、弁80の各々の構成と共に、動作条件及び各処理チャンバー30によって生成される排出ストリームの指標を提供する信号を受け取る。一般的に、この指標は、弁80(マニホールド)上の1又は2以上の圧力センサーから提供される。この情報を用いて、1次ポンプ100及び/又は除害装置110及び/又はプラズマ装置130又は他のフォアライン除害装置に対してどれ程の大きさのポンプ能力又は除害能力が必要とされるかを評価することができる。
【0053】
例えば、現在のところ共通ポンプラインを通過する排出ストリームはないと判定されると、下流側の設備は、アイドルモードにするか又はスイッチオフにすることもできる。同様に、共通ポンプラインを通過する排出ストリームが減少すると、下流側の設備の能力は、これに対応して低減することができる。例えば、2次ポンプ100の各々は、それらの速度を予想される負荷に一致するように低下させること、又はいくつかのポンプを完全にスイッチオフとし、他のポンプを高速運転のままとすることができる。同様に、除害装置110又はプラズマ装置130の動作性能は、それらに供給されるエネルギーを変化させることによって、予想される負荷に一致するように変更することができる。同様に、除害装置110に供給される希釈ガス量も変更することができる。また、冷却水、酸化剤又は他のガス、補給水などの他のユーティリティー(utilities)の量は、予想される負荷又は動作条件に一致させて変更することができる。
【0054】
処理チャンバー30の各々によって供給される排出ストリームの流量は、様々な異なる方法で決定することができることを理解されたい。制御弁は一般的に流れを制御して圧力を維持し、流れは制御弁の位置から得られるので、流量は、チャンバーに供給する制御弁(図示せず)によって提供することができる。代替的に又は追加的に、流量は、ターボポンプ40及び/又はブースターポンプ70の電力消費及び/又は速度を測定することによって決定することができる。代替的に又は追加的に、流量は、弁80上にある圧力センサーから決定することができる。
【0055】
1つの実施形態は、部分真空及び除害システムを提供し、これは、ポンプシステム及び除害システムに接続された共通マニホールドを備える複数の処理モジュールに用いられる。最大処理ニーズに対応するために、このようなシステムは、平均的なシステムニーズに比べてオーバーサイズとすることが必要である。従って、ユーティリティー節約機会を意味する余分の能力がある。1つの実施形態は、各ツールからの信号の有無にかかわらず、動的なユーティリティーの節約が可能になる。
【0056】
処理時、ツールは、常に完全な真空性能を当てにして設計されている。全ての処理モジュールがマニホールドの何らかの単一の肢部(leg)にある可能性をサポートするために、システムの全ての肢部に余分に真空及び除害を準備することが必要である。個々の処理モジュールは、全体システムにわたって一度に1つの肢部にのみ接続するので、この余分な準備により、電力、冷却水、窒素などの過剰なユーティリティーが消費される可能性がある。
【0057】
1つの実施形態において、監視システムは、接続した全てのプロセスモジュール(チャンバー)から出るガス流れの合計に基づいて、マニホールドの各肢部上のガス負荷の動的な状況(picture)を維持する。合計された流れは、部分ポンプ及び除害システムに関する需要を決定するために使用される。需要値は、作動中のポンプカートリッジの数及び速度を最適化するために並びに除害システム内の燃料とガスとの混合物を最適化するために使用される。各ツールからのガスの流れは、複数の情報源からのデータを組み合わせることによって得ることができる。情報源は、システムツールインターフェイスへの直接又は間接的なツール信号、ツールバタフライ弁などの圧力制御装置の位置情報、ターボ及びブースターポンプなどのツールポンプ上の電気的負荷である。
【0058】
1つの実施形態は、ユーティリティー消費を最小にするために、チャンバー要求とマニホールドシステムを通る経路とを組み合わせることによって、部分真空/除害システムの真空/除害設備の管理を行う。
【0059】
本発明の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して本明細書で詳細に開示されているが、本発明は、詳細な実施形態に限定されず、当業者によって特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更及び修正を行い得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0060】
10 真空ポンプ装置
20 処理ツール
30 処理チャンバー
40 ターボポンプ
50 仕切り弁
60 フォアライン
70 ブースターポンプ
80 弁
90A-90C 共通ポンプライン
100 1次真空ポンプ
110 除害装置
120 制御論理回路
130 プラズマ装置
図1