(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】選択的に制御可能なマイクロLEDシステム
(51)【国際特許分類】
G09G 3/32 20160101AFI20240701BHJP
A44C 1/00 20060101ALI20240701BHJP
A44C 3/00 20060101ALI20240701BHJP
A44C 7/00 20060101ALI20240701BHJP
A44C 9/00 20060101ALI20240701BHJP
A44C 11/00 20060101ALI20240701BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240701BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240701BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240701BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20240701BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20240701BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240701BHJP
【FI】
G09G3/32 A
A44C1/00
A44C3/00
A44C7/00
A44C9/00
A44C11/00
G09F9/33
G09G3/20 612B
G09G3/20 612G
G09G3/20 633K
G09G3/20 642F
G09G3/20 642J
G09G3/20 680D
G09G3/20 680G
G09G3/20 680H
G09G3/20 680S
G09G3/20 691C
G09G5/00 510V
G09G5/00 550C
G09G5/00 555D
G09G5/02 B
G09G5/10 B
H01L33/00 L
(21)【出願番号】P 2021555598
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(86)【国際出願番号】 KR2020003662
(87)【国際公開番号】W WO2020190011
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0030893
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】507073343
【氏名又は名称】リム,ソン-キュ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】リム,ソン-キュ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミョン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】リム,ジョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】リム,ジョン ユン
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-504069(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0131684(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0007015(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0084281(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0340902(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0148558(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0221244(US,A1)
【文献】特開2017-032975(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108369791(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C1/00-3/00
7/00-27/00
G09F9/30-9/46
G09G3/00-3/08
3/12-3/16
3/19-3/26
3/30-3-34
3/38-5/42
H01L33/00
33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明性と可撓性を有する透明可撓性基板(310)と、前記透明可撓性基板(310)の上に転写され且つ取り付けられ、マイクロLED画素(330)を有する半導体デバイス層(320)とを備え、
特定の装置(10)、特定の物品(20)、身体の一部(30)のうちいずれか一つの外側の表面に被せられる透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)と;
前記特定の装置(10)、前記特定の物品(20)、前記身体の一部(30)のうちいずれか一つの外側の表面に、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)から離隔して構成され、電源部(430)を制御する電源スイッチ(410)と、USBケーブルを介したバッテリーの充電のための充電ポート(420)と、前記電源スイッチ(410)
により制御される電源部(430)と、前記充電ポート(420)により充電された電力を蓄えるバッテリー(440)と、前記電源部(430)に電源を無線にて供給するための無線電気コイルを有する電源無線供給部(450)と、スマートフォン(600
)との近距離無線通信のための近距離無線通信部(460)と、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)における色の表現のための制御を行う主制御部(470)とを備えるマスター部(400)と;
前記特定の装置(10)、前記特定の物品(20)、前記身体の一部(30)のうちいずれか一つの外側の表面に、前記マスター部(400)から一定の間隔を隔てて位置
し、前記電源無線供給部(450)から発生されたパワーを受信する無線電気アンテナ(510)と、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)の駆動及び制御のための遠隔制御部(520)と、前記マスター部(400)
との送受信のための送受信部(530)とを備える遠隔スレーブ(500)と;
前記マスター部(400)と前記近距離無線通信部(460)との間の近距離無線通信方式を用いて、前記マスター部(400)
の主制御部(470)、または前記遠隔スレーブ(500)
の前記遠隔制御部(520)を制御可能な
アプリケーションを備えるスマートフォン(600)と;を備えることを特徴とする
、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)の色を選択的に制御可能なマイクロLEDシステム。
【請求項2】
前記マスター部(400)及び前記遠隔スレーブ(500)には、エネルギーそれ自体の生成のためのエネルギーハーベスティング部(480、540)が構成され、
前記ハーベスティング部(480,540)は、光電素子、熱電素子、圧電素子、無線電気変換素子のうちのいずれか一種またはそれらの組み合わせで構成されることを特徴とする請求項1に記載の選択的に制御可能なマイクロLEDシステム。
【請求項3】
前記透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)は、
前記
アプリケーションを介して特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)が制御されるとき、前記特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)
は、マスター部(400)
と遠隔スレーブ(500)
のうち、より前記特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン(300)に近いところに位置する方により制御されることを特徴とする請求項1に記載の選択的に制御可能なマイクロLEDシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択的に制御可能なマイクロLEDシステムに係り、さらに詳しくは、特定の装置、特定の物品、身体の一部のうちいずれか一つの外側の表面に選択的に取り付けられる透明マイクロLEDディスプレイスキンが被せられて、状況に応じて、前記透明マイクロLEDディスプレイスキンを単色または様々な色で表現することができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、かつら、衣類、装身具等のその他の物品及び装置をはじめとする身体の爪等では、独特なデザインを表現するために、その他のロゴ、及び爪の場合、マニキュア等を塗るか、マニキュアに似た発光可能な別途の装置を取り付けてなり、該当部分を浮き彫りにする用途として使っている。
【0003】
一方、前記装身具としては、指輪、イヤリング、ネックレス、腕輪、手袋、腕時計、へアバンド、人造爪、かつら、帽子等があり、携帯用品として用いられる装身具は、傘、日傘、ステッキ、扇子、ハンドバッグ(かばん)、ハンカチ、ベルト等がある。
【0004】
前述した通常の装身具、特定の装置、身体の一部、インテリア物品、及びその他の装置等に、別途に発光可能なLED等を構成して使用することがあるが、現代社会では、ユーザーが一つのデザインまたは単色の発光機能を使うと、長期にわたる使用時は、ユーザーが嫌気を起こすか、満足できないことが多く、新たなデザインを追い求めることが多いが、このようなユーザーの欲求を満たすためには、多くの経済的負担が伴われるべきであった。
【0005】
ここで、前記インテリアを変える場合、多数の特定の装置、特定の物品、及び壁紙が備えられるが、このような特定の装置及び特定の物品は、一応購入して配置すれば、位置の変更は必要に応じて可能であり、色の場合は、シート紙等を用いて、変更しようとする特定の装置及び物品の表面に取り付けて変更可能であるが、きれいではなく、多くの手間がかかり、数回にわたった変形や、独自なデザインの変形ができず、壁紙も、一つの壁紙で構成する場合、一部のポイントを構成して独特なデザインを形成するが、このような限定されたデザインのみを用いなければならないので単調さを避けられなかった。
【0006】
また、従来の発光可能なLEDを構成する装身具、特定の装置、身体の一部、インテリア物品、及びその他の装置等の場合、殆ど単色でのみ表現することができる技術であって、様々な色を表現するためには、多数のLEDを備えなければならないという問題点だけでなく、多くの電力損失により、頻繁なバッテリーの交替または充電を行わなければならないという煩雑さがあり、しかも、経済的な効率性に非常に劣っている技術であって、バッテリー等の消耗が多いという問題点がある。
【0007】
このような問題点により、最近、電力消耗及び光の明るさが比較的明るいマイクロLEDを用いる発光システムが呼応を得ており、このようなマイクロLEDを様々な分野に適用して、様々な物品及び装置に構成して使っている。
【0008】
まず、マイクロLEDと関連した従来の技術を調べてみると、韓国登録特許第10-1926715号公報は、第1基板を用意する第1基板用意段階と、前記第1基板の上に第1電極層母材を形成する第1電極層母材形成段階と、前記第1電極層母材の上に第1伝導性ボンディング層母材を形成する第1伝導性ボンディング層母材形成段階と、前記第1電極層母材及び前記第1伝導性ボンディング層母材に一括してパターンを形成して、第1電極層及び第1伝導性ボンディング層を形成する一括パターン形成段階と、前記第1伝導性ボンディング層の上にマイクロLEDチップの第1面を実装させるチップ実装段階と、を含み、前記チップ実装段階は、マイクロLED用ウエハーまたは複数個の前記マイクロLEDチップの第1面または第2面に、親水性表面または疎水性表面を形成する親水疎水表面形成段階と、複数個の前記マイクロLEDチップを水槽に入れ、親水性表面は水中方向に、または疎水性表面は水面方向に自然整列されるように浮遊させるチップ整列段階と、真空吸着板に形成された真空孔を用いて、自然整列された少なくとも一つのマイクロLEDチップを真空圧で吸着するチップ吸着段階と、真空圧を解除して、吸着された前記マイクロLEDチップを前記第1伝導性ボンディング層の上に定着させるチップ定着段階とを含む、マイクロLEDモジュール製造方法に関する技術である。
【0009】
韓国登録特許第10-1926714号公報は、第1電極層が形成された第1基板を用意する第1基板用意段階と、前記第1電極層の上に第1伝導性ペーストを形成する第1伝導性ペースト形成段階と、前記第1伝導性ペーストの上にマイクロLEDチップの第1面を実装させるチップ実装段階と、第2電極層が形成された第2基板を用意する第2基板用意段階と、前記マイクロLEDチップの第2面または前記第2電極層に第2伝導性ペーストを形成する第2伝導性ペースト形成段階と、前記第2基板をひっくり返して前記第2伝導性ペーストを前記マイクロLEDチップの第2面の上に実装する第2基板実装段階と、を含み、前記チップ実装段階は、マイクロLED用ウエハーまたは複数個の前記マイクロLEDチップの第1面または第2面に、親水性表面または疎水性表面を形成する親水疎水表面形成段階と、複数個の前記マイクロLEDチップを水槽に入れ、親水性表面は水中方向に、または疎水性表面は水面方向に自然整列されるように浮遊させるチップ整列段階と、真空吸着板に形成された真空孔を用いて、自然整列された少なくとも一つのマイクロLEDチップを真空圧で吸着するチップ吸着段階と、真空圧を解除して、吸着された前記マイクロLEDチップを前記第1伝導性ペーストの上に定着させるチップ定着段階とを含む、マイクロLEDモジュール製造方法に関する技術である。
【0010】
韓国登録特許第10-1597707号公報は、発光素子と、前記発光素子と連結された1次コイルと、前記発光素子と前記1次コイルが連結された封印用標識の瓶の栓と、前記1次コイルから分離され、前記1次コイルに対応する2次コイルと、前記2次コイルに連結されたバッテリーと、前記バッテリーを充電する無線充電部が組み込まれた栓抜きとを含み、前記瓶の栓が前記栓抜きにより損なわれると、前記1次コイルが断線されて、発光が中断される無線電源発光システムに関する技術である。
【0011】
上述した従来の技術は、生産性を向上させ、かつ製造時間を短縮させて費用を節減するようにして、電気的または機械的結合を容易にするか、バッテリーのような電源が組み込まれていない発光システムを実現することを中心として記載している。
【0012】
しかしながら、前述した技術は、殆ど一般のマイクロLEDの製造についての工程の改善と、耐久性への効果を奏し得るが、前述したように、このようなマイクロLEDを、特定の装置、特定の物品、身体の一部等の様々な変形を要する箇所に適用することができない技術であるので、急変する状況等においてユーザー好みにカスタマイズ可能な変形はできない技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】韓国登録特許第10-1926715号公報
【文献】韓国登録特許第10-1926714号公報
【文献】韓国登録特許第10-1597707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前述した従来の技術の問題を解消するために案出されたものであり、従来の一般のマイクロLEDを用いた発光システムの単色でのみ表現が可能な機能とは異なり、特定の装置、特定の物品、身体の一部等に手軽に適用できるとともに、前記特定の装置、特定の物品、身体の一部に適用時、単色ではなく、ユーザーの操作命令により選択的に様々な色を表現することができるようにして、急変する現代社会でユーザーの欲求を満たすことができるようにする選択的に制御可能なマイクロLEDシステムを提供することに主眼点をおいてその技術的課題を成し遂げるために完成したものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そこで、本発明は、発光システムにおいて、特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つの外側の表面に透明性と可撓性を有する透明可撓性基板310と、前記透明可撓性基板310の上に転写され且つ取り付けられ、マイクロLED画素330を有する半導体デバイス層320とを備え、前記胴体部100の外側の表面に被せられる透明マイクロLEDディスプレイスキン300と;前記特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つの外側の表面に前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300から離隔して構成され、電源部430を制御する電源スイッチ410と、USBケーブルを介したバッテリーの充電のための充電ポート420と、前記電源スイッチ410から制御される電源部430と、前記充電ポート420により充電された電力を蓄えるバッテリー440と、前記電源部430に電源を無線にて供給するための無線電気コイルを有する電源無線供給部450と、スマートフォン600をはじめとする外部機器及びその他の装置との近距離無線通信のための近距離無線通信部460と、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300における色の表現のための制御を行う主制御部470とを備えるマスター部400と;前記特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つの外側の表面にマスター部400から一定の間隔を隔てて位置しまたは据え置きまたはユーザーが所持するように構成され、前記電源無線供給部450から発生されたパワーを受信する無線電気アンテナ510と、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300の駆動及び制御のための遠隔制御部520と、前記マスター部400との超近接遠隔送受信のための送受信部530とを備える遠隔スレーブ500と;前記マスター部400と近距離無線通信部460との間の近距離無線通信方式を用いて、前記マスター部400または遠隔スレーブ500の主制御部470または遠隔制御部520を制御可能なAPPを備えるスマートフォン600と;を備えることを技術的な特徴とする。
【0016】
前記マスター部400及び遠隔スレーブ500には、外部の光の明るさを検出するための光検出部490、550が構成されるが、特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つに印加される外部の光量を感知した後、前記主制御部470と遠隔制御部520にそれぞれ印加し、前記主制御部470と遠隔制御部520は、印加された光量に基づいて、透明マイクロLEDディスプレイスキン300のディスプレイの輝度(明るさ)を制御することを技術的な特徴とする。
【0017】
前記マスター部400及び遠隔スレーブ500には、エネルギーそれ自体の生成のためのエネルギーハーベスティング部480、540が構成されるが、光電素子、熱電素子、圧電素子、無線電気変換素子のうちのいずれか一種またはそれらの組み合わせで構成されることを技術的な特徴とする。
【0018】
前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300は、前記APPを介して特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300が制御されるとき、前記特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300に近いマスター部400または遠隔スレーブ500により制御されることを技術的な特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の選択的に制御可能なマイクロLEDシステムによれば、マイクロLEDディスプレイスキンを特定の装置、特定の物品、身体の一部等に取り付けやすくなるとともに、様々な分野に適用できることにより、使用の多様性が与えられる一方、ユーザーが常に持ち歩くスマートフォンを用いて手軽に制御することにより、使用上の便利性が与えられ、使用の目的に合わせて全体的にもしくは部分的に様々な色及びキラキラを手軽に変形することができ、現場の状況に即座で対応することができて、ユーザーの興味と満足感をそそることができ、しかも、低電力・充電可能なバッテリーを用いて自体的に電力を供給することにより、長時間にわたって使用可能であるという効果を奏する有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図3】本発明の透明マイクロLEDディスプレイスキンを示す図である。
【
図4】本発明のマスター部の好適な実施形態を示す構成図である。
【
図5】本発明の遠隔スレーブの好適な実施形態を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、特定の装置、特定の物品、身体の一部等の外側の表面に選択的に取り付けられる透明マイクロLEDディスプレイスキンが被せられて、状況に応じて、前記透明マイクロLEDディスプレイスキンを単色または様々な色を表現することができる選択的に制御可能なマイクロLEDシステムを提供する。
【0022】
以下、添付の
図1から
図5に基づいて、前記目的を達成するための本発明の好適な実施形態について説明する。
【0023】
まず、本発明は、特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つに選択的に透明マイクロLEDディスプレイスキン300を被せられ、前記特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つの一側において、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300から離隔した位置にマスター部400及び遠隔スレーブ500を構成し、前記マスター部400及び遠隔スレーブ500を選択的に制御することができるスマートフォン600を用いて、ユーザーの使用用途及び使用目的に応じて様々に使うことができる。
【0024】
図1の場合、特定の物品20の一例として、かつらを実施形態として図示し、かつらの場合、胴体の一側に全体的または部分的に透明マイクロディスプレイスキン300を被せられてもよく、かつらを構成する毛髪部の外側の表面に全体的または部分的に透明マイクロディスプレイスキン300を被せられてもよく、本発明では、毛髪部(人造毛髪)の表面に全体的に前記透明マイクロディスプレイスキン300が被せられるように図示した。
【0025】
先に、前記特定の装置10の場合、一般の電子製品等の機械的に作動可能な全ての装置であってもよく、一例として、たんす、TV、コンピュータ、自動車、モーターサイクルのような機械的な構成要素からなる全ての装置であってもよく、前記特定の物品20の場合、指輪、ネックレス、イヤリング、ヘアバンド、帽子、靴、かつら、手袋、腕輪、腕時計、傘、ベルト、日傘、ステッキ、扇子、ハンドバッグ、ハンカチ等が挙げられ、前記身体の一部30の場合、手の爪、足の爪、眉毛、ふくらはぎ、下腕等が挙げられ、
図2では、特定の物品20として、指輪、ネックレス、かつら、かばんを一例として示し、特定の装置としてはTVを示し、身体の一部30としては爪を示している。
【0026】
言い換えれば、本発明の透明マイクロLEDディスプレイスキン300は、前述した特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つの外側の表面に選択的に被せられて、様々な分野に便利に使用できるようになる。
【0027】
このような本発明のマイクロLEDシステムが様々な分野に適用されることにより、新婚夫婦等が居住する家のインテリアを変えるにあたって、家の各所の内部ポイントを、別途の家具等のような装飾のための多くの費用をかけずに、本発明のマイクロLEDシステムを用いて、室内のデザイン(インテリア)を選択的に変えることができ、状況に応じて、カスタマイズに使うことができるという効果がある。
【0028】
殆どの人は、アパート、住宅、事務室等のインテリアを一応変えると、引越しするまでは、インテリアを変形し難いものであるが、本発明のマイクロLEDディスプレイシステムを用いると、単純な変形だけでなく、まるで毎日新たにデザインをしたかように感じられる効果がある。すなわち、インテリアを変える場合、特定の物品10、特定の装置20、及び壁紙等を用いて構成するが、壁紙の表面に本発明のマイクロLEDディスプレイスキン300を構成する場合、様々な形態のデザインを表現することができるとともに、本発明のマイクロLEDディスプレイスキン300の場合、単純に色のみを表現するのではなく、まるでTV画面のように映像を出力することにより、室内の壁面に構成する場合、壁掛けTVのように使用することができ、寝具類を備えるベッドの上側の壁面にマイクLEDディスプレイスキン300を構成する場合、睡眠前、TVを見るように使用することができるという効果がある。また、室内の空間に全体的にマイクロLEDディスプレイスキン300を構成する場合、自体の発光によって、別途の発光手段(照明等)を備えなくてもよいという効果がある。
【0029】
また、特定の物品20及び身体の一部30の場合も、毎日同じデザイン、色、模様のみで表現されずに、毎日、毎時間、毎秒等のユーザーの希望の時間、位置に選択的な表現が可能であって、ユーザーの欲求を満たすことができ、特定の物品20のうち、
図2に示すように、当該装身具に適用するとき、装身具の色及びデザインを選択的に異ならせ、多様な表現が可能であり、指輪、ネックレス、腕輪等に適用すると、当該装身具を浮き彫りにすることができるという効果がある。
【0030】
また、身体の一部30の手の爪、足の爪、下腕、足等に適用するとき、若いユーザーにとっては、持続的な色変形が可能であるので、極めて有用に用いられ得る。
【0031】
前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300は、本発明の核心構成要素として、
図3に示すように、透明性と可撓性を有する透明可撓性基板310と、前記透明可撓性基板310の上に転写され且つ取り付けられ、マイクロLED画素330を有する半導体デバイス層320とを備え、前記特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つの表面に被せられるように構成される。
【0032】
マイクロLEDディスプレイは、5~100μm(10万分の1cmである)の粒径の超小型LED粒子を基板(本発明においては、透明基板)に接合したディスプレイであって、LEDチップそれ自体を画素(ピクセル)として活用して柔軟性があるか(flexible)、あるいは、丸く巻ける(rollable)画面を実現するのに適しており、有機発光ディスプレイ(OLED)に比べて電力の消耗量が非常に少ないため、長時間にわたって使用可能であり、既存のOLEDに比べても照度、彩度、電力効率性の面からみても遥かに優れている。
【0033】
上述したような透明マイクロLEDディスプレイスキン300を特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つの表面に被せて取り付けるが、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300は、マイクロLEDディスプレイが作動していない場合であっても、特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つの構成が自身の役割をそのまま果たせるように透明性と可撓性を併せ持つ透明可撓性基板310を採用し、マイクロLEDチップからなる画素、すなわち、マイクロLED画素330もまた透明性を最大限に有するように構成する。
【0034】
一方、マイクロp-nダイオード層からなる数多くのマイクロLED画素330を有する半導体デバイス層320がマイクロ転写印刷技術を用いた方式により透明可撓性基板310に移植されて形成されることにより、本発明の透明マイクロLEDディスプレイスキン300が構成されるが、このとき、転写印刷技術を行うに当たって、ロール転写技術を用いて一秒当たりに一万余個以上のマイクロLED画素330を透明可撓性基板310に転写して取り付けることが好ましい。
【0035】
マイクロLED画素330は、母(native)基板の上に用意された後、透明可撓性基板310に転写され且つ印刷され、次いで、母基板及び不要な部分は取り除かれる。
【0036】
前記透明可撓性基板310は、透明であり、しかも、軟性を有し、5~10μm、10~50μm、50~100μm、100~200μm、200~500μm、0.5~1mm、1~5mm、5~10mmの厚さ範囲のうちいずれか一つの厚さの範囲が選定される。
【0037】
すなわち、
図3に示すように、透明マイクロLEDディスプレイスキン300は、透明性と可撓性を併せ持つ透明可撓性基板310の上にマイクロLED画素330を有する半導体デバイス層320が取り付けられて形成された構成要素である。
【0038】
前記半導体デバイス層320のマイクロLED画素330は、正電極層331、透明導電層332、透明p-電極層333、p-GaN層334、活性層335、n-GaN層336及び上部の透明n-電極層337で構成され、各マイクロLEDマイクロLED画素330の間には透明性絶縁層338が形成される。半導体デバイス層320に形成されたマイクロLED画素330のそれぞれは、p-nダイオード層であって、スペクトル内の特定の領域に対応するバンドギャップを有する化合物半導体から形成され、一例を挙げると、III~V属窒化物材料である窒化ガリウム(GaN)から形成される。
【0039】
前記p-電極層333は、電源の供給のためのものであって、透過率が70%以上のAl、Ga、Ag、Sn、In、Zn、Co、Ni、Auを含む酸化物から電極を形成し、正電極層321は、回路パターンやバンプ、伝導性接着層となり、透明n-電極層337は電気伝導性を有する。正電極層331は、可視スペクトルに対して反射性を有する銀及びニッケルの群から選ばれることが可能であり、潜在的な反射性ミラー層を形成する。
【0040】
因みに、本発明は、赤色、緑色及び青色を有する3種類の素子、すなわち、マイクロLEDパネルを並べることにより、透明マイクロLEDディスプレイスキン300をフルカラーで実現することができる。
【0041】
ここで、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300は、前記APPを介して特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300を制御するとき、前記特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300に近いマスター部400または遠隔スレーブ500により制御される。
【0042】
また、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300は、特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つの外側の表面に全体的にまたは部分的に構成されて、後述するスマートフォン600の制御に従って様々な色を表現することができる。
【0043】
一方、前記マスター部400は、
図4に示すように、前記ベース板100に構成されるが、電源部430を制御する電源スイッチ410と、USBケーブルを介したバッテリーの充電のための充電ポート420と、前記電源スイッチ410から制御される電源部430と、前記充電ポート420により充電された電力を蓄えるバッテリー440と、前記電源部430に電源を無線にて供給するための無線電気コイルを有する電源無線供給部450と、スマートフォン600をはじめとする外部機器及びその他の装置との近距離無線通信のための近距離無線通信部460と、前記特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つに構成された透明マイクロLEDディスプレイスキン300における色の表現のための制御を行う主制御部470と、エネルギーそれ自体の生成のためのエネルギーハーベスティング部480と、特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つの構成の外部の光の明るさを検出するための光検出部490とを備える。
【0044】
前記特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つに組み込む主制御部470のICチップは、注文型半導体チップ(Application specific integrated circuit;ASIC)により実現することが好ましく、無線電気とエネルギーハーベスティング部480は、太陽電池(photovoltaic)を適用してエネルギーの供給が可能になる。
【0045】
一方、前記遠隔スレーブ500は、
図5に示すように、前記マスター部400から供給される電源を無線にて受信するためのものであって、該遠隔スレーブ500は前記特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つに構成されたマスター部400から一定の間隔を隔てた位置に構成されるが、前記電源無線供給部450から発生されたパワーを受信する無線電気アンテナ510と、前記透明マイクロLEDディスプレイスキン300の駆動及び制御のためのICチップタイプの遠隔制御部520と、前記マスター部400との超近接遠隔送受信のための送受信部530と、エネルギーそれ自体の生成のためのエネルギーハーベスティング部540と、特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つの構成の外部の光の明るさを検出するための光検出部550とを備える。
【0046】
前記遠隔制御部520の集積回路(IC:integrated ciruit)は、相補性金属酸化膜半導体(complemntary-metal-oxide semiconductor;CMOS)を用いてミクロン単位に構成された集積回路であってもよく、ICチップの面積は1mm×1mmであり、厚さは0.5mmであることが好ましい。
【0047】
一方、本発明の特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つに構成された電源無線供給部450の無線電気コイルにおいて共振現象により発生されたパワーは、前記遠隔スレーブ500の無線電気アンテナ510において受信され、遠隔制御部520の制御により受信されたパワーを透明マイクロLEDディスプレイスキン300の駆動に用いることになる。
【0048】
ここで、前記ハーベスティング部480、540は、周りのエネルギーを採取する手段であって、別途のバッテリーの電源を供給されなくても電力を生成して内部の各部に供給し、光電素子、熱電素子、圧電素子、無線電気変換素子のうちのいずれか一種またはそれらの組み合わせで構成されることが好ましく、前記光検出部490、550は、特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つに印加される外部の光量を感知した後、前記主制御部470と遠隔制御部520にそれぞれ印加し、前記主制御部470と遠隔制御部520は、印加された光量に基づいて、透明マイクロLEDディスプレイスキン300のディスプレイの輝度(明るさ)を制御することができる。
【0049】
また、前記遠隔スレーブ500は、特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つに構成されてもよく、必要に応じて、ユーザーが所持するように構成されてもよい。前記遠隔スレーブ500をユーザーが所持することにより、遠隔スレーブ500の位置に応じて、下記のスマートフォン600から制御命令を受けた後、特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300を制御するとき、前記特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300に近いマスター部400または遠隔スレーブ500が制御するようになる。
【0050】
また、
図1に示すように、且つ、上述したように、前記マスター部400と近距離無線通信部460との間の近距離無線通信方式を用いて、前記マスター部400または遠隔スレーブ500の主制御部470または遠隔制御部520を制御可能なAPPを備えるスマートフォン600をさらに備えてなる。
【0051】
前記マスター部400とスマートフォン600との間の無線送受信方式は、LEDから発せられる光の波長を用いて高速の通信速度を実現するライファイ(Li-Fi)技術を用いた方式であってもよく、特に、本発明のマイクロLED技術を適用すれば、部品の小型化と軽量化が図れるという効果が高まる。
【0052】
すなわち、本発明のスマートフォン600を介して、特定の装置10、特定の物品20、身体の一部30のうちいずれか一つに構成された透明マイクロLEDディスプレイスキン300とスマートフォン600との間の近距離遠隔制御を行うことにより、デザイン及び色の変化を制御することが可能になり、前記マスター部400がブルーテゥース通信、ワイファイ(Wi-Fi(登録商標))通信、近距離無線通信(NFC)、赤外線(IR)通信、ライファイ(Li-Fi)通信などといった近距離無線通信方式を用いてスマートフォン600と無線にて接続することができ、前記スマートフォン600にインストールされているAPPをユーザーが選択的に制御するとき、その制御指令に従って透明マイクロLEDディスプレイスキン300に様々な色を表現することができる。
【0053】
さらに、本発明のマスター部400及び遠隔スレーブ500を制御する前記スマートフォン600のAPPを用いて透明マイクロLEDディスプレイスキン300を作動させるに当たって、前記マスター部400に最初の制御指令を引き渡す場合、マスター部400が透明マイクロLEDディスプレイスキン300を作動させるが、前記マスター部400と特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300との距離が遠い場合には、その制御指令を前記遠隔スレーブ500に引き渡し、前記遠隔スレーブ500が当該透明マイクロLEDディスプレイスキン300を作動させることになる。
【0054】
すなわち、最初にスマートフォン600を用いて特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300を作動させるとき、前記特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300との距離が近いマスター部400または遠隔スレーブ500が特定の透明マイクロLEDディスプレイスキン300を作動させることになって、速やかに且つ正確に制御可能であるというメリットを有する。
【0055】
本発明の選択的に制御可能なマイクロLEDシステムよれば、マイクロLEDディスプレイスキンを特定の装置、特定の物品、身体の一部等に取り付けやすくなるとともに、様々な分野に適用できることにより、使用の多様性が与えられる一方、ユーザーが常に持ち歩くスマートフォンを用いて手軽に制御することにより、使用上の便利性が与えられ、使用の目的に合わせて全体的にもしくは部分的に様々な色及びキラキラを手軽に変形することができ、現場の状況に即座で対応することができて、ユーザーの興味と満足感をそそることができ、しかも、低電力・充電可能なバッテリーを用いて自体的に電力を供給することにより、長時間にわたって使用可能であるという効果を奏する有用な発明である。
【符号の説明】
【0056】
10 特定の装置
20 特定の物品
30 身体の一部
300 透明マイクロLEDディスプレイスキン
310 透明可撓性基板
320 半導体デバイス層
330 マイクロLED画素
331 正電極層
332 透明導電層
333 透明p-電極層
334 p-GaN層
335 活性層
336 n-Gan層
337 透明n-電極層
338 透明性絶縁層
400 マスター部
410 電源スイッチ
420 充電ポート
430 電源部
440 バッテリー
450 電源無線供給部
460 近距離無線通信部
470 主制御部
480 ハーベスティング部
490 光検出部
500 遠隔スレーブ
510 無線電気アンテナ
520 遠隔制御部
530 送受信部
540 ハーベスティング部
550 光検出部
600 スマートフォン