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特許7512308医療器具位置決め装置、システム、並びに使用及び製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】医療器具位置決め装置、システム、並びに使用及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
A61B8/12
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021563291
(86)(22)【出願日】2020-04-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 US2020030114
(87)【国際公開番号】W WO2020220033
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】62/839,520
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521076937
【氏名又は名称】ヌベラ・メディカル・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ミクスター・コリン
(72)【発明者】
【氏名】ビトゥン・マーク
(72)【発明者】
【氏名】スカエル・アラン
(72)【発明者】
【氏名】ソール・トム
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0279994(US,A1)
【文献】特開平10-225457(JP,A)
【文献】国際公開第01/036017(WO,A2)
【文献】特開2007-037786(JP,A)
【文献】特開2006-212353(JP,A)
【文献】特表2015-523868(JP,A)
【文献】特表2004-504093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15 、
A61F 2/82 - 2/97 、
A61M25/00 -29/04 、35/00 -36/08 、
37/00 、99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象内に配置されるように構成及びサイズ設定された医療機器であって、
前記医療機器の遠位領域にあり、外側シャフトに固定された超音波トランスデューサと、
前記遠位領域内の第1位置で前記超音波トランスデューサに固定された平坦面を有する可撓性導体束であって、前記可撓性導体束は、前記第1位置から前記医療機器のハンドル組立体内に近位に延び、前記可撓性導体束は、前記医療機器の前記外側シャフト内及び前記医療機器の内側シャフト内に延び、
前記可撓性導体束は前記内側シャフト内で軸方向に移動可能である、可撓性導体束と、
前記ハンドル組立体内の第2位置で前記可撓性導体束の1つ以上の表面に固定された張力部材であって、
前記張力部材及び前記超音波トランスデューサは、ハンドルアクチュエータと軸方向に作動可能に連通しており、その結果、前記ハンドルアクチュエータの作動により前記超音波トランスデューサ及び前記張力部材が軸方向に共に移動することで前記可撓性導体束の前記第1位置と前記第2位置との間の張力を維持するように構成される、張力部材と、を備える、医療機器。
【請求項2】
前記内側シャフトは、第2ハンドルアクチュエータと作動可能に連通しており、それにより、前記内側シャフトは前記第2ハンドルアクチュエータの作動時に偏向可能である、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記張力部材は、前記第2位置で前記可撓性導体束に軸方向に固定され、それにより、前記ハンドルアクチュエータの作動時に前記張力部材及び前記可撓性導体束は前記第2位置で軸方向に共に移動する、請求項1に記載の医療機器。
【請求項4】
前記張力部材は、前記可撓性導体束に固定され、それにより、前記超音波トランスデューサが近位に後退するときに、前記可撓性導体束は、前記第1位置と前記第2位置との間で平坦な構成に維持される、請求項1に記載の医療機器。
【請求項5】
前記張力部材は、前記超音波トランスデューサが近位に後退するときに、前記可撓性導体束が前記第1位置と前記第2位置との間で折り畳まれるのを防ぐために、前記可撓性導体束に固定されている、請求項4に記載の医療機器。
【請求項6】
前記可撓性導体束は、平坦又はほぼ平坦な第1及び第2表面を有し、前記張力部材は、前記平坦又はほぼ平坦な第1及び第2表面の一方又は両方に固定されている、請求項1に記載の医療機器。
【請求項7】
前記ハンドルアクチュエータはまた、前記超音波トランスデューサの回転を引き起こすように回転するように適合されており、前記張力部材及び前記ハンドルアクチュエータは、前記ハンドルアクチュエータの回転が前記張力部材の回転を引き起こさないように作動可能に連通している、請求項1に記載の医療機器。
【請求項8】
前記可撓性導体束は、前記ハンドル組立体内のプリント回路基板に結合されている、請求項1に記載の医療機器。
【請求項9】
前記第2位置は、前記プリント回路基板の近位にある、請求項8に記載の医療機器。
【請求項10】
対象内に配置されるように構成及びサイズ設定された医療機器であって、
前記医療機器の遠位領域にあり、外側シャフトに固定された超音波トランスデューサと、
前記遠位領域内の第1位置で前記超音波トランスデューサに固定された平坦面を有する可撓性導体束であって、前記可撓性導体束は、前記第1位置から前記医療機器のハンドル組立体内に近位に延び、前記可撓性導体束は、前記医療機器の前記外側シャフト内及び前記医療機器の内側シャフト内に延び、
前記可撓性導体束は前記内側シャフト内で軸方向に移動可能である、可撓性導体束と、
前記ハンドル組立体内の第2位置で前記可撓性導体束の1つ以上の表面に固定された可撓性導体平坦化部材であって、
前記可撓性導体平坦化部材及び前記超音波トランスデューサ先端は、ハンドルアクチュエータと軸方向に作動可能に連通しており、その結果、前記ハンドルアクチュエータの作動により前記超音波トランスデューサ及び前記可撓性導体平坦化部材が軸方向に共に移動することで前記可撓性導体束の前記第1位置と前記第2位置との間の張力を維持し、前記可撓性導体束を前記第1位置と前記第2位置との間で平坦な構成に維持するように構成された、可撓性導体平坦化部材と、を備える、医療機器。
【請求項11】
対象内に配置されるように構成及びサイズ設定された医療機器であって、
前記医療機器の遠位領域にあり、外側シャフトに固定された超音波トランスデューサと、
前記遠位領域内の第1位置で前記超音波トランスデューサに固定された平坦面を有する可撓性導体束であって、前記可撓性導体束は、前記第1位置から前記医療機器のハンドル組立体内に近位に延び、前記可撓性導体束は、前記医療機器の前記外側シャフト内及び前記医療機器の内側シャフト内に延び、
前記可撓性導体束は前記内側シャフト内で軸方向に移動可能である、可撓性導体束と、
前記ハンドル組立体内の第2位置で前記可撓性導体束の1つ以上の表面に固定された可撓性導体曲げ防止部材であって、
前記可撓性導体曲げ防止部材及び前記超音波トランスデューサ先端は、ハンドルアクチュエータと軸方向に作動可能に連通しており、その結果、前記ハンドルアクチュエータの作動により前記超音波トランスデューサ及び前記可撓性導体曲げ防止部材が軸方向に共に移動することで前記可撓性導体束の前記第1位置と前記第2位置との間の張力を維持し、前記可撓性導体束が前記第1位置と前記第2位置との間で曲がるのを防止する、可撓性導体曲げ防止部材と、を備える、医療機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(参照による援用)
本出願は、2019年4月26日に出願された米国特許仮出願第62/839520号に対する優先権を主張するものであり、当該特許出願は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、2019年11月13日に出願された国際出願PCT/US2019/061228号、2018年11月13日に出願された米国特許仮出願第62/760784号、2018年1月25日に公開された国際公開第2018/017717号、及び2018年10月4日に公開された国際公開第2018/182836号の出願の開示全体を参照により本明細書に組み込み、当該特許文献は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本明細書において言及されるすべての刊行物及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
多種多様な血管内医療機器が知られている。医療機器のより良い制御、位置決め、及び使いやすさを容易にする改善されたシステム、機器、及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書の開示は、医療機器及びその使用に関する。本開示は、概して、医療機器の一部の長さに沿って延びることができる可撓性の細長い部材(例えば、可撓性導体束)に関する。本開示の一部の態様は、可撓性の細長い部材が変形するのを防止するか、又は少なくとも変形の程度を最小限にする方法を記載する。一部の例では、本明細書の開示は、1つ以上の位置における可撓性の細長い部材に沿った曲げを最小限にする試みに関する。曲げは変形の一種であるが、本開示はまた、可撓性の細長い部材の折り畳み又は他の束ねを最小化又は防止する試みに関し得る。一部の例では、本明細書の開示は、可撓性の細長い部材の構成を維持する試み、又は少なくとも特定の構成に可能な限り近い構成を維持して、大きな程度の変形による望ましくない結果を防止に関する。
【0006】
一部の例では、可撓性の細長い部材が医療器具に固定されている位置の近位の位置で、可撓性の細長い部材に力が加えられる。加えられた力は、望ましくない変形を防止し、及び/又は所望の構成を維持するのに役立つことができる。
【0007】
本開示の一態様は、血管、心腔、又は他の体内管腔若しくは空間内などの対象内に配置されるように構成及びサイズ設定された医療機器である。
【0008】
本明細書の医療機器は、医療機器の遠位領域に超音波トランスデューサなどの医療器具を含み得る。医療器具は、第1位置で、可撓性電子機器(例えば、可撓性導体束)などの可撓性部材に(直接又は間接的に)固定されてもよい。可撓性部材は、ハンドル組立体に向かって(及び任意選択で内に)近位に延びることができる。一部の例では、本開示は、可撓性電子機器が望ましくない程度に変形するのを防止する試み、及び/又は可撓性電子機器の構成を維持する試み(たとえわずかな程度の変形があったとしても)に関する。
【0009】
医療機器は、可撓性部材が通って延びる1つ以上の細長いシャフトを含み得る。医療機器は、外側シャフト及び内側シャフトなどの、可撓性部材が通って延びる2つ以上の細長いシャフトを含むことができ、内側シャフトは、外側シャフトの少なくとも一部を通って延びる。内側シャフトは、外側シャフトに対して移動可能であり得る。内側シャフトは、外側シャフトに対して独立して偏向可能であり得る。
【0010】
可撓性部材(例えば、可撓性導体束)は、1つ以上の細長いシャフト内で軸方向に移動可能であってもよく、また外側シャフトなどのシャフトに固定されてもよい。
【0011】
医療機器は、医療器具が可撓性部材に固定されている位置の近位にある第2位置で、可撓性部材(例えば、可撓性導体束)の1つ以上の表面に固定された張力部材を含み得る。第2位置は、医療機器のハンドル組立体内にあってもよいが、第2位置は、ハンドル組立体の遠位にあってもよい。第2位置は、医療機器が使用されているときに対象内にあるように配置されてもよい。
【0012】
張力部材は、ハンドル組立体アクチュエータ(例えば、ノブなど)と作動可能に連通している(作動可能に結合されている)可能性があり、その結果、ハンドルアクチュエータの作動(例えば、回転、軸方向への移動)により張力部材が移動する。アクチュエータはまた、医療器具と作動可能に連通していてもよい。一部の実施形態では、張力部材及び医療器具は、ハンドルアクチュエータと軸方向に作動可能に連通しており、その結果、ハンドルアクチュエータの作動により超音波トランスデューサ及び張力部材が軸方向に移動する。張力の軸方向の移動は、ハンドル組立体内の第2位置で可撓性導体束に張力を加えることができる。
【0013】
張力部材は、ハンドル内の第2位置で可撓性導体束に軸方向に固定されてもよく、それにより、ハンドルアクチュエータの作動時に張力部材及び可撓性導体束は第2位置で軸方向に共に移動する。
【0014】
張力部材は、可撓性導体束に固定されてもよく、それにより、可撓性導体束は、少なくとも医療器具に近い位置で実質的に平坦な構成に維持される。可撓性導体束は、医療器具が近位に後退するときに、第1位置と第2位置との間で実質的に平坦な構成に維持され得る。
【0015】
可撓性部材は、平坦又はほぼ平坦な第1及び第2表面を有してもよく、張力部材は、平坦又はほぼ平坦な第1表面及び第2表面の一方又は両方に固定されてもよい。
【0016】
アクチュエータはまた、医療器具の回転を引き起こすように回転するように適合されてもよく、張力部材及びアクチュエータは、アクチュエータの回転が張力部材の回転を引き起こさないように作動可能に連通している。
【0017】
可撓性部材(例えば、可撓性導体束)は、任意選択で、プリント回路基板の近位の位置で、ハンドル組立体内のプリント回路基板(「printed circuit board、PCB」)に固定されてもよい。
【0018】
医療機器の内側シャフトは、内側シャフトが第2ハンドルアクチュエータの作動時に偏向可能であるように、第2ハンドルアクチュエータと作動可能に連通していてもよい。
【0019】
医療機器は、第2位置で可撓性電子機器の1つ以上の表面に固定された可撓性電子機器(例えば、導体束)平坦化部材を含むことができ、第2位置は、ハンドル組立体内にあってもよい。可撓性電子機器平坦化部材及び医療器具は、ハンドルアクチュエータと軸方向に作動可能に連通していてもよく、その結果、ハンドルアクチュエータの作動により医療器具及び可撓性電子機器平坦化部材が軸方向に移動し、それによって可撓性導体束を、任意選択で第1位置と第2位置との間で平坦な構成に維持する。
【0020】
医療機器はまた、可撓性電子機器曲げ防止部材を含み得る。
【0021】
本開示の一態様は、対象内に配置されるように構成及びサイズ設定された医療機器を使用する方法である。この方法は、血管内超音波カテーテルの超音波トランスデューサを対象内に配置することであって、第1位置で超音波プローブに固定された可撓性電子機器(例えば、可撓性導体束)が、そこからハンドル組立体まで近位に延びる、ことと、超音波トランスデューサを近位に後退させることと、第1位置の近位の第2位置で可撓性電子機器に張力を加えることとを含む。第2位置は、ハンドル組立体内にあってもよい。
【0022】
この方法は、ハンドルアクチュエータを作動させることを更に含み、ハンドルアクチュエータを作動させると、超音波トランスデューサが近位に後退し、ハンドル組立体内の第2位置で可撓性導体束に張力が加えられる。
【0023】
可撓性電子機器に張力を加えることは、第2位置の遠位にある可撓性導体束の折り畳みを防止することができる。
【0024】
可撓性電子機器に張力を加えることは、ハンドル組立体内で張力部材を近位に移動させることを含むことができ、張力部材は第2位置で可撓性導体束に固定されている。張力部材はハンドルアクチュエータと作動可能に連通していてもよく、この方法は、アクチュエータを作動させて張力部材を近位に移動させ、可撓性導体束に張力を加えることを更に含む。
【0025】
医療機器は、その長さの少なくとも一部に沿ったねじれた領域にねじれた構成を有する可撓性電子機器を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A】ステアリング及び医療機器を含むシステムの例示的な実施形態を示す図である。
図1B図1Aの医療機器のステアリング及び機器部分の断面A-Aを示す図である。
図2】複数のアクチュエータを有するハンドル組立体、操縦可能なシース、及び医療器具を含む例示的なシステムを示す図である。
図3Ai】プルワイヤを有する例示的な操縦可能なシャフトを示す図である。
図3Aii】プルワイヤを有する例示的な操縦可能なシャフトを示す図である。
図3Aiii】プルワイヤを有する例示的な操縦可能なシャフトを示す図である。
図3Bi】プルワイヤを有する例示的な操縦可能なシャフトを示す図である。
図3Bii】プルワイヤを有する例示的な操縦可能なシャフトを示す図である。
図3Ci】プルワイヤを有する例示的な操縦可能なシャフトを示す図である。
図3Cii】プルワイヤを有する例示的な操縦可能なシャフトを示す図である。
図3Di】プルワイヤを有する例示的な操縦可能なシャフトを示す図である。
図3Dii】プルワイヤを有する例示的な操縦可能なシャフトを示す図である。
図3Diii】プルワイヤを有する例示的な操縦可能なシャフトを示す図である。
図3Diiii】プルワイヤを有する例示的な操縦可能なシャフトを示す図である。
図3E】1つ以上のプルワイヤがシャフトの編組ワイヤに円周方向に織り込まれた例示的な操縦可能シャフトを示す図である。
図4】束を含む例示的なシステムの例示的な部分を示す図である。
図5】プリント回路基板(PCB)が収容されている近位コネクタ内に延びる導体束を含む医療器具の例示的な近位端を示す図である。
図6A】可撓性回路ストリップを含む例示的な医療器具の一部を示す図である。
図6B】ストリップの例示的な近位部分を示す図である。
図6C】ストリップの例示的な近位部分の詳細図である。
図6D】例示的なフレックスストリップの端面図である。
図6E】フレックスストリップの例示的なスタックを示す図である。
図6F】フレックスストリップ及び接地シールドストリップの例示的なスタックを示す図である。
図6G】ストリップ及び接地シールドストリップのスタックの周りのチューブ材を含む例示的な束を示す図である。
図7】システムがコネクタケーブルを介してコンソールに接続されている、操縦可能なシース及び医療器具の一体化システムを示す図である。
図8A】本明細書の内側及び外側の細長い本体又はシャフトのいずれかと共に使用することができる例示的なハンドル組立体を示す図である。
図8B】本明細書の内側及び外側の細長い本体又はシャフトのいずれかと共に使用することができる例示的なハンドル組立体を示す図である。
図9A】例示的な内側の細長い本体、又は内側シャフトの一部を示す図である。
図9B】例示的な外側の細長い本体、又は外側シャフトの一部を示す図である。
図9C図9A及び図9Bからの細長い本体(又はシャフト)を含む例示的な医療機器の一部を示す図である。
図9D図9Cからの偏向可能な部分における機器の断面を示す図である。
図10A】例示的なハンドル組立体の一部を示す図である。
図10B】例示的な外側の細長い本体(又は外側シャフト)移動部分組立品を示す分解図である。
図10C図57Aからのハンドル組立体の側断面図である。
図11】第1アクチュエータ及び第2アクチュエータの回転インジケータを含む例示的なハンドル組立体を示す図である。
図12A】張力部材又は平坦化部材を含む例示的なハンドル組立体の内部構成要素を示す図である。
図12B】張力部材又は平坦化部材を含む例示的なハンドル組立体の内部構成要素を(側面図で)示す図である。
図12C】張力部材又は平坦化部材を含む例示的なハンドル組立体の内部構成要素を(図12Bに対して反対側である側面図で)示す図である。
図12D】ハンドル組立体内の張力部材を安定させるのを助けるように配置された1つ以上のガイド特徴を含む例示的なハンドルシェルの内部構成要素を示す図である。
図12E】例示的なハンドルシェルの側面図である。
図12F】例示的なハンドルシェルの側面図である。
図13A】長軸に対して少なくとも一部がねじれている例示的な可撓性ケーブル束を示す図である。
図13B】長軸に対して少なくとも一部がねじれている例示的な可撓性ケーブル束を示す図である。
図13C】長軸に対して少なくとも一部がねじれている例示的な可撓性ケーブル束を示す図である。
図13D】長軸に対して少なくとも一部がねじれている例示的な可撓性ケーブル束を示す図である。
図13E図13Dからの詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1Aは、ステアリング及び医療機器を一体化したシステムの例示的な実施形態を示す。システム1000は、ハンドル組立体1002と、ステアリング及び医療機器部分1004とを含む。ステアリング及び医療機器部分1004は、近位部分1006と、操縦可能な部分1008とを含む。システムは、ハンドル組立体1002を作動させて、操縦可能な部分1008を操縦させることができるように、また、任意選択的に更に作動させて、医療機器1010をステアリング及び医療機器部分1004に対して移動させることができるように適合されている。この例示的な実施形態では、ハンドル組立体1002は、第1アクチュエータ1001と、第2アクチュエータ1003と、第3アクチュエータ1005とを含む。第1アクチュエータ1001は、ハンドル本体1007に対して作動(この例では、回転)されて、操縦可能な部分1008を操縦するように、具体的には外側シース1102を操縦するように適合されている。本実施形態における操縦可能な部分1008は、図1Aに実線で示される構成に操縦又は曲げることができ、また破線で示される構成又はその間の任意の位置に操縦することができ、一部の実施形態では、反対の操縦機能は、図1Aの実線の曲げ構成など、最初の曲げ構成から単にシャフトを真っ直ぐにすることに限定される。本開示における「操縦する」という用語は、任意選択で少なくとも1つのプルワイヤの作動を介して、偏向又は曲げることを意味するが、一部の例では、この用語は、シャフトの回転(トルク)及び軸方向の移動を含むことができる。本明細書における「プルワイヤ」という用語は、機器の近位端から遠位端領域に張力を伝達することができる任意の要素を指す。プルワイヤは、中実若しくは撚り/編組のいずれかであるステンレス鋼若しくはニッケルチタンなどの金属ワイヤで構成されてもよく、又はアラミド繊維(Kevlar(登録商標))、ポリエチレン、ptfe、eptfeなどのポリマーで構成されてもよく、好ましくは撚り/編組であるが、モノフィラメントの形態でもよい。好ましい実施形態では、プルワイヤは、1インチあたり高いピックで共に編組された4本の50デニールのマルチフィラメント(約25本のフィラメント)糸を有するアラミド繊維束から構成される。ワイヤの断面直径は、典型的には、0.005インチ~0.012インチ、より好ましくは0.008インチ~0.010インチの範囲にあるが、編組された又は撚られたワイヤは、機器の管腔内で平坦化又は楕円化される場合がある。好ましい構造の実施形態は、シャフトの直径を最小に保つために必要なサイズに関して、最適化された強度及び耐摩耗性をもたらすと考えられる。任意選択的な第2アクチュエータ1003は、ハンドル本体1007に対して作動(この例では、回転)されて、医療器具1010をシャフト1102に対して回転(回転移動「R」と符号が付されている)させるように適合されており、任意選択的なアクチュエータ1005は、ハンドル本体1007に対して(この例では、軸方向に)作動されて、医療機器1010を外側シース1102に対して軸方向(遠位-近位)に移動させるように適合されている。近位部分1006は、操縦可能な部分1008が操縦(屈曲/偏向)されるときに著しく屈曲するように構成されていないが、近位部分は、近位部分が内部で使用される解剖学的構造に適合するように曲がる及び屈曲することができる。多くの実施形態において、これは、近位部分1006よりも軟質であるか又は剛性の低い材料及び/又は複合構造体から操縦可能な部分1008を構築することによって達成される。
【0028】
図1Aに示される実施形態は、操縦可能な外側シャフト及び内側の医療器具の両方と動作可能に連通している一体型ハンドル組立体を含む装置の例である。ハンドル組立体は、包装及び使用の前に、外側シャフト及び内側の医療器具と動作可能に連通するように組み立て及び構築されるという点で一体化されている。「一体化された」は、この用語が一体化されたハンドル組立体の文脈において使用されるとき、医療器具を外側シャフト内から除去することが可能になる前にハンドル組立体の少なくとも一部を破壊又は分解する必要のあるハンドル組立体を指す。
【0029】
図1Bは、ステアリング及び機器部分1004の、具体的には操縦可能な部分1008における例示的な断面A-A(図1Aに図示)を示す。本実施形態では、医療機器1010は、操縦可能なシース内に配設されるようにサイズ決め及び構成されている。操縦可能なシースは、外側シャフト1102と、操縦可能な部分1008の遠位領域において軸方向に固定されている一組のプルワイヤ1104と、を含む。
【0030】
図1A及び図1Bの医療器具は、例えば、超音波器具などの本明細書における任意の医療器具であり得る。「超音波プローブ」が本明細書で使用されるとき、これは、大略的に、少なくとも1つの超音波トランスデューサと、少なくとも1つの超音波トランスデューサを細長い器具の近位領域に電気的に接続する1つ以上の導電性要素と、を含む、細長い器具を指す。超音波プローブの近位領域は、少なくとも1つの超音波トランスデューサと電気的に連通しており、かつ別の機器、ケーブル、又はコネクタ上の電気接点と、任意選択でこれらへのアタッチメントを介して電気的に通信させることが可能な、少なくとも1つの近位接点を含むか、又はこれを含むように変更されている。
【0031】
図2は、図1A及び図1Bのシステムと同様に機能するように適合された例示的なシステム10を示し、また、ハンドル組立体12の例示的な内部の構成要素(破線として示される内部の構成要素)も示す。ハンドル組立体12は、外側の操縦可能なシャフト20及び医療器具30と一体化されており、外側の操縦可能なシャフト20及び医療器具30と作動可能に連通している。ハンドル組立体12は、ハンドル本体15に対して作動すると、操縦可能なシャフト20を操作するように適合されているアクチュエータ14を含む。アクチュエータ14は、ハンドル組立体12内に配設された操縦制御部16を介して、操縦可能なシャフト20と作動可能に連通している。医療器具30は、ハンドル組立体12内に配設され、ハンドル組立体12に組み込まれた近位部分18を含む。アクチュエータ13は、医療器具30と動作可能に連通しており、アクチュエータ13をハンドル本体15に対して作動(この例では、回転)させることによって、回転制御部1215を介して、医療器具30を外側シャフト20に対して回転させる。任意選択的な第3アクチュエータ17はまた、医療器具30と作動可能に連通しており、本実施形態では、(ハンドル本体15に対して)軸方向に作動することによって、軸方向制御部1217を介して、医療器具30を外側の操縦可能なシャフト20に対して軸方向に移動させるように適合されている。
【0032】
図2の医療器具は、例えば、超音波器具などの本明細書における任意の医療器具であり得る。
【0033】
図3A図3Eは、システム1200内の操縦可能なシース1202のシース部分1208の遠位領域の例示的な実施形態を表す。簡略化のために、図示される断面は、外側シース1208のみを示し、内側の器具1212は示されていない。外側シース1208は、好ましくは、近位端からシャフトの外側に加えられるトルク伝達を改善するための、又は器具1212からなど、シャフト内から外側シース1208に加えられるトルク力に抵抗するための複合構造を有する。図3Ai~図3Aiiiに示されるように、複合体を形成するために、好ましくは金属ワイヤ(丸形、数対の丸形、又はリボン形)及び/又は複数の繊維(例えば、アラミド又はナイロン)から形成された複数の編組要素1250が、PTFE又はFEP材料などの薄肉の(例えば、0.0010インチ±0.0005インチ)潤滑性ライナーチューブ1251の上に直接編組されてもよい。熱可塑性ポリマー1252(25D~72Dのデュロメータの範囲のPebax、又はナイロン、又は他の一般的なカテーテル材料など)を、熱収縮チューブ(FEPなど)を使用して熱でラミネートして、ポリマーを編組要素1250及びライナーチューブ1251上にリフローして、均一な部材を形成することができる。熱可塑性ポリマー1252はまた、X線透視下でシースの先端がユーザに見えるように、ビスマス、硫酸バリウム、又はタングステンなどの材料を含む放射線不透過性化合物を有し得る。図3Ai~図3Aiiiの実施形態では、プルワイヤ1104は、好ましくは、シースの操縦可能な(偏向可能な)部分1222において中央アクセスに平行であり、また好ましくは、操縦可能なシース1208の壁内に作製された管腔1253内に設けられている。この管腔は、熱可塑性ポリマーチューブの押出成形プロセス中に、又は取り外し可能なマンドレルを用いたシャフト熱ラミネート融合プロセス中に作製され得る。好ましくは取り外し可能なマンドレルによって一時的に支持されるプルワイヤチューブ1254を壁内部に組み込むことによって、プルワイヤ管腔1253が更に作製されてもよい。取り外し可能なマンドレルはまた、融合プロセス中にプルライン1104又は1104’に沿って配置されてもよく、その結果、いくぶん楕円形の管腔1253が得られ、内部で、繊維状のプルワイヤを平坦化することができ、プルワイヤが自由に移動するための空間が確保される。チューブ1254は、PTFE、FEP、ポリイミド、又は約500°Fまでの熱ラミネートプロセス中にチューブ1254の壁の完全性を保つ他の材料を含んでもよい。チューブは、好ましくは、熱可塑性ポリマー1252によって囲まれて支持されており、熱可塑性ポリマー1252は、好ましくは、チューブに対して熱ラミネートされている。別の実施形態では、好ましくはプルワイヤチューブを含むプルワイヤ管腔が、編組要素1250の織物の内部に組み込まれる。例えば、ある方向に延びる編組要素1250は、プルワイヤ管腔の下方を通ることになる一方、反対方向に延びる編組要素1250は、プルワイヤ管腔の上方を通ることになる。編組補強材は、カテーテルの操作中に寸法がより安定した管腔を提供し、また必要に応じて管腔の真直性を保証するのに役立つ。操縦可能な部分の近位では、プルワイヤは、図3Ai~図3Aiiiに示されるように、外側シース1208の同じ側で中心軸に平行に近位に延びていてもよい。本実施形態及び以下の他の実施形態では、操縦可能な部分1222を通ってシース1208の壁内で引き回された更なるプルワイヤ管腔内の更なるプルワイヤ1104’が、機器の操縦可能な部分を真っ直ぐにするために必要とされ得る。この直線化プルワイヤ1104’は、好ましくは、操縦可能な部分1222での操縦(偏向)に使用されるプルワイヤ(複数可)1104とは反対側で、操縦可能な部分1222内で引き回される。図示されていない別の実施形態では、2つの管腔及び2つの直線化プルワイヤ1104’を使用することができ、基本的に、対になった1104プルワイヤ構成を反映する。これらの直線化ワイヤはまた、ハンドル内で(単に真っ直ぐにするのを越えて)より長い距離に張力をかけることによって、反対方向への偏向を可能にするように構成され得る。
【0034】
使用中、操縦可能な(偏向可能な)部分1222のすぐ近位にある遠位カテーテルの部分1223は、部分1223が内部で使用される解剖学的構造の制約に基づいて曲線に適合するように付勢されてもよい。機器が鼠径部のアクセスから心腔内に前進する特定の実施形態に関して、付勢されて曲線になる部分1223は、長さ5~25cmの範囲であると予想される。近位端からのシースシャフト1208の回転中に、この遠位湾曲領域1223を介してカテーテル先端にトルクが伝達される。この領域1223における機器の不均一な断面及び/又は張力は、シャフトがトルクを蓄積し、突然解放する傾向を誘発して、トルクが加えられたときに「ホイップ」又は回転の突然のがたつきを生じさせる場合がある。ホイップの可能性を最小限に抑えるために、任意選択的に、湾曲領域1223の表面の周りで、プルワイヤの張力及び構成材料を分散させる。図3Bi~図3Biiiに示されるような一実施形態では、プルワイヤ1104は、少なくとも部分1222の近位にある湾曲領域1223でシースの中心軸の周りに螺旋状に巻かれていてもよい。本実施形態のプルワイヤは、約10cm(この値は5~15cmの範囲である)の長さにわたって全周に巻き付いていてもよい。螺旋体は、湾曲領域1223にのみ存在すればよく、その後、近位部分1224(1006と同様)を通って近位に真っ直ぐに延び、それによって、プルワイヤ管腔内での摩擦と、操縦可能な部分1222を操縦(偏向)するのに必要な関連するプルワイヤの力と、を最小限に抑えることができる。螺旋体は、最低1回転した後、真っ直ぐに延びてもよく、又はシャフトの全長に螺旋状に巻かれてもよい。ホイップを最小限に抑えるための別の実施形態では、プルワイヤの張力をシャフトの反対側に分散させるだけでよい場合もある。図3Ci~図3Ciiに示されるように、操縦可能なセクション1222の偏向は、シース1208の同じ側で互いに隣接して位置付けられた2つの平行なプルワイヤ1104によって達成される。操縦可能なセクション1222の近位にある湾曲領域1223及び近位部分1224(1006と同様)では、プルワイヤは、張力をより均等に分散するために、シャフトの反対側に、操縦可能なセクション1222における位置からそれぞれ90°で引き回される。2つの平行なプルワイヤをハンドルアクチュエータによって等しい力で同時に作動させることが好ましいが、他の実施形態では、力の差を適用して、2つのプルワイヤが等しい力で作動されるときに形成される平面の一方の側又は他方の側へと先端を操作することができる。他の実施形態では、任意の複数のプルワイヤを、図3B又は図3Cに示される構成と同じ構成で引き回すことができ、複数の近位プルワイヤが、シャフトの円周の周りに均一に分配される。また、図3Ci~図3Ciiに示されるように、プルワイヤ1104は、シャフト近位部分1124の長さの大半にわたってシャフトの反対側に沿って近位に引き回され得るが、好ましくは、シャフトの近位端部分の近くで再び互いに隣接して合わされ、ワイヤが近位シャフトの同じ側から一緒に出ることができ、同時作動張力のためにこれらがハンドル構成要素に一緒に固定されるのを容易にする。
【0035】
図3Di~図3Divは、前述したものと同様の構造を有するが、代わりに、2つの異なる方向に偏向させることができる遠位の操縦可能な部分1222を提供するように構成されたカテーテルの遠位領域の別の実施形態を示す。図示されるように、二対のプルワイヤ1105/1107及び1106/1108は、近位シャフト領域1224及び湾曲領域1223に沿っている。これは、図3Ai~図3Aiiiと同様であるが、シャフトの各側でワイヤが対にされている点で異なる。引き回しは、図3Bi~図3Biiのように螺旋巻きであっても、又は論じられる他の構成であってもよい。遠位の操縦可能な部分1222の中で、ワイヤは、近位部分から90°引き回されるが、他の角度も想到される。1222内の接合部1225で、プルワイヤのうちの1つ以上(例えば、1105及び1107)が終端され、シャフトに固定されてもよく、残りのプルワイヤ(例えば、1106及び1108)は、より遠位の先端場所1226まで延び、そこで固定される。この構成によって、1225及び1226で終端するプルワイヤの独立した作動が可能になり、作動中に異なる形状を形成することができる。図3Diiは、線1107及び1108の両方に張力がかけられて同じ方向に可変曲線を作成しているところを示す。図3Diiiは、線1107及び1106に張力がかけられて「S」曲線を作成しているところを示す。他の構成も可能である。
【0036】
繰り返し張力が加えられるときにプルワイヤが破壊したり又は自由に引っ張られたりしないように、プルワイヤ(1104及び1104’など)は、プルワイヤの遠位端において、プルワイヤが遠位の操縦可能なシャフト部分1222の壁に確実に固着されるように終端される必要がある。図3Eに示される好ましい実施形態では、プルワイヤ1104及び1104’は、遠位プルワイヤ管腔1253を出ると、遠位シャフト1222(熱可塑性ポリマー1252なしで示されている)の編組ワイヤ1250内に円周方向に織り込まれる。更に又は代替的に、プルワイヤ1104又は1104’のうちの1つ以上を、更なる固定のために編組ワイヤ1250の外側の周りに巻き付ける及び/又は結び付けることもできる。次いで、編組ワイヤ1250を、固定点の遠位で切り落とすことができ、織り込まれた及び/又は巻き付けられたプルワイヤによって、編組ワイヤの拡張及び/又はほつれが防がれる。また、UV硬化又はシアノアクリレートなどの更なる接着剤を使用して、プルワイヤを編組ワイヤに固定することもできる。次いで、プルワイヤ及び編組ワイヤの織り及び/又は巻き付けが、熱可塑性ポリマーでラミネートされ、熱可塑性ポリマーは、ワイヤの周りの空間内で溶融し、冷却されてワイヤを所定の位置に固定する。熱可塑性ポリマーはまた、X線透視下でシースの先端がユーザに見えるように、ビスマス、硫酸バリウム、又はタングステンなどの材料を含む放射線不透過性化合物を有し得る。
【0037】
更なる実施形態では、器具1212は、同様に又は代替的に、外側シース1208について述べた前述の実施形態のいずれかと同じように先端を偏向させるために、1つ以上のプルワイヤを用いて構築され得る。器具1212のチューブ状部材の壁内でプルワイヤを引き回すことに加えて、プルワイヤは、チューブ状要素1212の管腔内の導体に並べて引き回されてもよい。プルワイヤの作動は、近位ハンドル1206内に位置するアクチュエータ由来であってもよい。器具1212の遠位シャフトは、外側シース1208の操縦可能な部分1222の先端から出るときに特定の形状に屈曲するように特定の形状(例えば、円弧状)に形成されていてもよい。器具1212の遠位シャフトの剛性は、内部にある間は遠位シャフトが外側シース1208を実質的に変形させず、出た後に屈曲するような剛性である。形状は、以下の手段:ポリマー材料の熱硬化、シャフト1212の内側管腔内における又はシャフト1212の壁内の管腔内における可動又は固定の成形されたスタイレットの使用、のうちのいずれか1つ又はこれらの組み合わせによって定められ得る。そのようなスタイレットは、断面が丸形、楕円形、又は矩形であり、ステンレス鋼、ニチノール、又はPEEK、Vestamidなどの剛直性ポリマーから形成されてもよい。代替的には、外側の操縦可能なシースを、更なるプルワイヤの偏向を伴うか又は伴わずに、かつ器具シャフト1212の遠位部分の更なる成形又は偏向を伴うか又は伴わずに、上記と類似した方法によって屈曲させることができる。
【0038】
本開示の一態様は、システムの少なくとも一部分を他の構成要素から、任意選択的に再配置プロセスの一部として切り離す方法を含む。一部の実施形態では、医療器具は、エネルギーコンソールと電気的に通信する他の電気接点に連結された1つ以上の電気接点を含み、コンソールの例は、超音波の分野において既知である。
【0039】
図4は、超音波コンソールなどのエネルギーコンソールに直接又は間接的に電気的に結合することができる、超音波プローブなどの例示的な医療器具の一部のみを示す。
【0040】
機器を再配置することは、1つ以上の近位電気接点を切断し、器具部分をシース部分の遠位端から遠位方向に移動させることを含み得る。本実施形態では、器具部分1212は、少なくとも器具外側シース又は器具外側部材2010、(少なくとも1つの超音波トランスデューサを含むことができる)遠位作業端部1821、及び導体束2020を含む。導体束2020は、遠位作業端部1821から器具外側部材2010を通って近位コネクタまで延在する(明確にするために、コネクタ及びハンドル機構は図18には示されていない)。一部の実施形態では、医療器具は超音波撮像に使用され、任意選択的に、遠位作業端部1821は、特定用途向け集積回路(ASIC)に搭載された圧電素子の二次元(2D)アレイを含む。
【0041】
図5は、医療機器の単なる例示的な近位端を示しており(医療機器が右側に示されている)、本実施形態では、医療機器は超音波プローブである。医療機器の近位端2015は、超音波エネルギーコンソールなどのエネルギーコンソールに直接電気的に結合されるか、又は間接的に電気的に結合されるように適合されているコネクタケーブル270に電気的に結合されるように適合されている。図5に示されるように、可撓性導体束2020は、医療器具の遠位領域(遠位領域は図示せず)から、剛性又は可撓性プリント回路基板(「PCB」)2030が収容されている近位コネクタ2015内に延びる。コネクタ束2020は、PCB基板接点2031に取り付けられている(その例を後述する)複数の接点2024を含む。それぞれの接点2031からのそれぞれの個々の配線は、PCBの別の部分、任意選択的により近位の、個々の露出接点2050に結合される。個々のPCB配線はまた、PCB上の他の有用な回路を通過し得る。露出接点2050は、前述した近位器具コネクタ1990と同様の考え方の噛合接続コネクタケーブル2070上の同様の接点2060への電気伝導のための機械的噛合のために構成され、器具1204をユーザインターフェースコンソールに接続する。近位コネクタ2015は、本明細書におけるシステム、ハンドル、操縦可能なシース、医療器具などのいずれかに組み込まれ得る。
【0042】
本明細書で使用される「導体束」という用語は、本明細書で特段の記載がない限り、「可撓性導体束」と交換可能に使用することができる。
【0043】
図6A及び図6Bは、本明細書における導体束のいずれかに含められ得る例示的な導体ストリップ(本明細書では可撓性回路ストリップとも称する)2021を示す。図6A及び図6Bの実施形態は、図4及び図5の束2020に含められ得る導体ストリップの例である。図6A及び図6Bの実施形態は、本明細書における任意の他のシステムに組み込まれ得る。
【0044】
図6A図6B及び図6Gに示されるように、導体束2020は、複数配線のストリップ2021、並びに接地2022及びシールド2023のための導電ストリップ(その一部分のみが図示されている)を含む複数のフレックス回路ストリップを含む。それぞれの複数配線のストリップは、図6B図6C及び図6Dにおいて明確に見ることができる複数の導電性配線2025を含む。図6D図6Gの配線2025の数は12であり、図6A図6Cの配線の数は16であり、これらは共に、使用することができる配線2025の数に関して例示的である。それぞれのストリップ2021は、およそ0.072インチ幅及び0.0022インチ厚であってもよく、任意選択的に、それぞれおよそ0.0022インチ間隔で離間配置された、16本の0.0022インチ幅×約0.0007インチ厚の導電性(例えば、銅)配線を含むことができる。配線は、ポリイミド基板などの絶縁基板層2027上に配設され、配線は、感光性フィルムカバー(「PIC」)層若しくは他のドライフィルム型はんだマスク(DFSM)などのカバー層2026、又は他の同様の材料によって少なくとも部分的に被覆され得る。カバー層は、電気的結合のための近位領域及び遠位領域内の別個の場所を除いて、束の大部分に沿って概ね延在する。他の実施形態では、ストリップ2021は、およそ0.055インチ幅であり、12本の導電性配線を含む(図6D図6Gを参照)。他の実施形態では、ストリップ2021は、およそ0.037インチ幅であり、8本の銅導電性配線を含む。接地及びシールドに使用される外側ストリップ2022及び2023は、銅の単一の全幅ストリップを含むことができることを除いて、同様の構成及び寸法を有してもよい。2D圧電アレイのために最適化されるように、複数配線のストリップの積層体の各側のストリップ2022及び2023のそれぞれ1つに沿って、およそ7個の16本配線ストリップ2021の積層体(又は9個の12本配線、又は14個の8本配線)が必要とされることになる。図6Eは、互いに積み重ねられた9つのストリップ2021を有する例示的な束2020の一部を示す。図6Fは、積み重ねられた9つのストリップ2021、並びに接地ストリップ2022及びシールドストリップ2023(上部のストリップのみがラベル付けされている)を含む束の一部を示す。完全な束は、任意選択で、例えば限定されないが、図6Gのチューブ2028などの約0.001インチの壁厚の収縮チューブと共に保持されてもよい。上述のフレックス回路の寸法及び配線の数は、圧電アレイ(及び/又はそのASICコントローラ)の特定の構成のためのものであり、アレイ素子の数及びサイズが特定の用途のために最適化される方法に応じて変化させてもよい。
【0045】
それぞれのフレックス回路ストリップの近位端は、場所2024でカバー層2026を除去することにより、例えば、およそ3mmの長さにわたって露出させた導電性材料(例えば、金メッキ銅)を有する。場所2024及び本明細書に記載される他の露出場所は、大略的に「接点」と称される。この文脈で使用される場合、接点は、(領域の場所に示されるなどの)複数の分離された導電配線を実際に含み、これらの配線のそれぞれは、それ自体が対応する導電性要素と電気的に通信するように適合されていることが理解される。したがって、「接点」は、2つの導電性要素間の単一の電気接続部のみを意味することに限定されない。図6Aは、複数の露出領域2024を示しているが、図6Aの実施形態は、最初に、1つの露出領域(すなわち、近位端の領域2024)のみが存在するかのように、本明細書に記載されている。ストリップ2021は、PCB2030上の導電配線のために、図6A図6Cに示した、一致する露出接点2031への電気接続部を作り出すように製造することができる。一部の実施形態では、複数配線のストリップ2021内の16本の配線と一致するようにサイズ決めされ、かつ離間された16本の個々の配線が、所与の接点2031内に提供されることになる。異方性導電フィルム(ACF)、はんだ付け、導電性接着剤、機械的接続、又はこれらの任意の組み合わせを使用して、ストリップ配線とPCBの接点との間の好適な電気的接続(電気的連結)を達成してもよい。
【0046】
図7は、操縦可能なシース1202及び医療器具1204の一体化システム1200を示しており、システム1200は、コネクタケーブル2070を介してコンソール4000に接続されている。図5に関してなど、前述のように、器具1204は、ケーブル2070への噛合接続を形成する近位コネクタ2015を含む。前述のように、システム1200を再配置(例えば再処理及び再使用)することが所望される。システムが、非関連の第三者ではなく、正規製造業者だけによって再配置され、デバイスが特定の回数だけ再使用されることを確実にすることが更に所望される。再配置プロセスを制御するために、暗号認証チップ(暗号化チップ)が、好ましくは、PCB2030上の器具1204に組み込まれるが、操縦可能なハンドル1206内又は先端3000内などの他の場所が想到される。暗号化チップは、認証キーを制御する正規製造業者だけがプログラム可能である。システム1200が接続されるコンソール4000は、認証キーも有するトラステッド・プラットフォーム・モジュール(TPM)を有する。システム1200の使用中、コンソール4000は、暗号化チップを介してシステム1200を認証することができ、所望により、(例えば、EEPROM機構を介して)情報を読み出し、チップに情報を書き込むことができる。検討されたシナリオのいずれにおいても、RFIDチップ、好ましくは暗号化されたRFIDチップを使用して、コンソール、コネクタ、及びデバイス間でデータを読み取り、送信することができる。
【0047】
本明細書で使用するとき、「清浄化」は、限定するものではないが、クリーナ及び/又は消毒剤の洗浄システムを使用して外側シャフトの内部を清浄化し、任意選択的に小さなブラシで機械的に摺洗すること、クリーナ/消毒剤によって、外側シャフトの外側部分及び/又は医療機器のシャフト(例えば、超音波プローブ)の外側部分を機械的に清浄化(例えば、ワイプ、ブラシ)し、任意選択的に、特定の期間にわたって、クリーナ/消毒剤の超音波浴にシャフトを浸漬させること、並びにUV光を使用することを含むなどの光学的清浄化方法などの任意のタイプの洗浄を指すことができる。本明細書で使用するとき、「清浄化」は、特定の清浄化プロセスを指すものではなく、むしろ、物体を清浄化する一般的な概念を指す。
【0048】
本明細書における開示はまた、本明細書におけるハンドル組立体のいずれかの内部の部分組立品のいずれかを含む、本明細書における部分組立品又は組立体のいずれかを組み立てるか、又は組み立て直す方法を含む。例えば、限定するものではないが、本明細書での開示は、スピンドル支持体の軸受面の上に、次いでスピンドルの周囲に1本以上のプルワイヤを巻き付ける方法を含む。
【0049】
本明細書における方法はまた、本明細書における部分組立品又は組立体のいずれかの個々の構成要素のいずれかを製造又は構築することを含む。例えば、本開示は、本明細書における組立体又は部分組立品が意図されるように機能することを可能にする内部部品を収容することができる特定の構成(例えば、ガイド、壁など)を有するハンドルシェルの構成要素を製造する方法を含む。
【0050】
符号が付されている参照番号にかかわらず、本明細書におけるハンドル組立体、医療器具、操縦可能なシース、及び電気接続部のいずれも、互いに任意の組み合わせでシステム内で共に使用することができる。
【0051】
以下の米国特許参照文献のいずれかにおける、超音波及び操作技術を含む技術のうちの任意のものは、本明細書における医療器具、機器、システム、又はこれらの使用方法のいずれかに組み込まれてもよく、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれている:6100626、6537217、6559389、7257051、7297118、7331927、7338450、7451650、7451650、7527591、7527592、7569015、7621028、7731516、7740584、7766833、7783339、7791252、7791252、7819802、7824335、7966058、8057397、8096951、8207652、8207652、8213693、8364242、8428690、8451155、8527032、8659212、8721553、8727993、8742646、8742646、8776335、8790262、8933613、8978216、8989842、9055883、9439625、9575165、9639056、及び20080287783。
【0052】
上記の任意の好適な開示は、以下の実施形態のいずれかに組み込むことができる。例えば、機器、システム、並びに製造及び使用方法の態様は、本明細書に組み込まれ、特に指示がない限り、以下の実施形態のいずれかに組み込むことができる。
【0053】
図8A及び図8Bは、外側シャフト132及び内側シャフト132と作動可能に連通することができる単なる例示的なハンドル組立体を示す。この例示的な実装において、ハンドル組立体120は、ユーザによって把持され得る外面を有するハンドル本体123と、第1アクチュエータ121と、第2アクチュエータ122と、を含む。アクチュエータ121は、外側シャフト132と作動可能に連通することができ、またアクチュエータ122は、内側シャフト132と作動可能に連通することができる。アクチュエータ121は、ハンドル本体123に対して(及び第2アクチュエータ122に対して)軸方向に回転及び移動するように適合される。これにより、アクチュエータ121は、内側シャフト132の遠位端に対して、医療器具103の軸方向の移動及び医療器具103の回転を引き起こすことができる。第2アクチュエータ122は、ハンドル本体123に対して作動(例えば、本実施形態では回転)されて、内側シャフト132の偏向を引き起こすように適合される。例えば、ハンドル組立体は、アクチュエータ122の作動が1つ以上のプルワイヤに張力をかけて内側シャフトの偏向を引き起こすように、プルワイヤの近位端とインターフェースで接続する内部構成要素を有することができる。本実施形態では、アクチュエータ121はアクチュエータ122の遠位にあるが、他の設計では、それらの相対位置を逆にすることができる。図8Bは、アクチュエータ121が図8Aのその位置に対して遠位に前進した後のハンドル組立体120を示す。この遠位への前進により、外側シャフト131が遠位に前進し、したがって、医療器具が遠位に前進する。アクチュエータ121は、同様に、図8Bのその位置に対して近位に後退することができる。アクチュエータ121が近位に後退することに関して、以下に更に説明する張力部材を参照する。
【0054】
他の設計では、アクチュエータ121は、内側シャフトと作動可能に連通することができ、またアクチュエータ122は、外側シャフトと作動可能に連通することができる。
【0055】
本明細書に記載されるように、外側シャフトは、内側の偏向可能シャフトに対して軸方向に移動することができる。外側シャフトは、外側シャフトの少なくとも一部の長さに沿って剛性(例えば、デュロメータ)が変化する材料の部分で構成されてもよい。例えば、第2部分の遠位にある第1部分は、第2部分よりも低いデュロメータを有し得る。外側シャフトは、偏向可能な内側シャフトに対して軸方向に移動することができ、外側シャフトの剛性は外側シャフトの長さに沿って変化し得るため、機器全体の、程度(又は量)を含む偏向は、(内側シャフトに対する)外側シャフトの軸方向の位置を制御することによって選択的に制御することができる。したがって、外側シャフトの軸方向の移動により、機器の偏向を選択的に制御することができる。例えば、ユーザ(例えば、医師)は、外側シャフトを内側シャフトに対して軸方向に移動させることによって、(遠位端から測定された)機器の長さに沿って屈曲が生じる場所を変更又は制御することができる。加えて、例えば、外側シャフトにおける多様な剛性のセクションにより、偏向可能な内側シャフトに対する外側シャフトの相対位置に応じて、より多くの又はより少ない偏向を可能にすることができる。例えば、外側シャフトが比較的高い剛性を有する領域で内側シャフトを偏向させることにより、内側シャフトは、外側シャフトがより低い剛性を有する領域で偏向されるときよりも、偏向が小さくなり得る。
【0056】
図9Cは、細長い内側シャフト132(図9Aを参照)及び細長い外側シャフト131(図9Bを参照)を含む例示的な装置医療装置130を示す。医療装置130は、本明細書では、「カテーテル」、又は少なくとも1つの細長いシャフトを含む他の医療機器と呼ばれてもよい。
【0057】
図9Dは、図9Cの組立体に示される断面A-Aを示しており、これは、機器の偏向可能な部分における断面である。図9A図9Cの部品は、同様に符号を付けられている。図9Dに見られるように、プルワイヤ111及び112は、互いに非常に近く、直線化プルワイヤ116から約180度離れている。
【0058】
また、図9Dに示されているように、細長い内部シャフト132は、2層の編組材料119を含み、プルワイヤは、少なくともこの部分の位置において、本質的に2層の編組材料の間に挟まれている。環状空間118は、移動の自由及び任意選択の潤滑剤のための空間を可能にする。内側シャフト132は、例えば、限定されないが、Pebaxなどのポリマー材料から、任意選択で潤滑性添加剤と共に製造することができる。内側シャフト132は、PTFEライナーなどのライナー125を含み得る。可撓性ケーブル束105は、PTFE絶縁体などの絶縁体126の1つ以上の層によって囲まれてもよい。外側シャフト131は、Pebaxなどのポリマー材料127を含み得る。外側シャフト132はまた、PTFEライナーなどの半径方向内側ライナー128を含み得る。プルワイヤ(例えば、111、112、116)のいずれも、PTFEライナー129などのライナーを有する管腔内に配置されてもよい。
【0059】
医療装置130(又は、個別に、細長いシャフト132及び細長いシャフト131のいずれか)は、図8A及び8Bに示されるハンドル組立体120を含めて、本明細書のハンドル組立体のいずれかと作動可能に連通することができる。
【0060】
図10A~10C及び図11は、本明細書の、超音波プローブを含む任意の医療機器と作動可能に連通することができる追加の例示的なハンドル組立体を示す。例えば、図10A図10Cに示される例示的なハンドル組立体は、図9A図9Dに示される医療装置130に(直接又は間接的に)結合され、それと作動可能に連通することができる。特定の実施形態では、細長い外側シャフト131及び細長い内側シャフト132の両方が、図10A図10Cに示されるハンドル組立体に結合され、それと作動可能に連通している。
【0061】
図10A図10C及び図11のハンドル組立体は、図8A及び図8BBに示されるハンドル組立体、個々の構成要素、及び部分組立品といくつかの類似点を有する。特段の記載がない限り、図10A図10Cのハンドル組立体に組み込むことができる図8A及び図8Bの概念、特徴及び使用方法は、すべての目的のために、図10A図10Cに示され、それらに関して説明されるハンドル組立体の開示に参照により組み込まれる。同様に、本明細書の他のハンドル組立体に組み込むことができる、図10A図10Cに示され、それらに関して説明される概念、特徴、及び使用方法は、すべての目的のために、本明細書に記載のハンドル組立体のいずれかの開示に参照により組み込まれる。
【0062】
図10Aは、ハンドル組立体の一部の内部構成要素が見えるようにハンドル本体141の一部が取り除かれたハンドル組立体140の側面図である。ハンドル組立体140は、第1アクチュエータ143及び第2アクチュエータ142を含み、本実施形態では、第1アクチュエータ143は、第2アクチュエータ142の遠位にある。第1アクチュエータ143は、ハンドル本体に対して、また第2アクチュエータ(本実施形態ではアクチュエータ142)に対して、軸方向に移動する及び回転することができる。第1アクチュエータ143は、外側シャフト131(図9B参照)などの外側の細長い本体と作動可能に連通している。アクチュエータ143の軸方向の移動(遠位又は近位)は、外側シャフト131を軸方向に移動させ、一方、アクチュエータ143の回転は、外側シャフトを回転させる。第2アクチュエータ142は、内側シャフト132(図9A)などの内側シャフトと作動可能に連通している。第2アクチュエータ142の作動、本実施形態では回転は、内側シャフトの偏向を引き起こす。本実施形態では、回転可能で軸方向に移動可能なアクチュエータ(即ち、第1アクチュエータ143)は、外側シャフトと作動可能に連通している。
【0063】
第1アクチュエータ143は、図10Bの分解図に示される細長い外側シャフト移動組立体150に結合され、それにより、第1アクチュエータ143の移動は、組立体150を移動させる。細長い外側シャフト移動組立体150は、同様に細長い外側シャフトに結合され、それにより、第1アクチュエータの移動は、細長い外側シャフトの移動も引き起こす。本実施形態では、外側の細長いシャフトは、チャネル156に挿入された後、取り外し可能な部品153に取り付けられる。取り外し可能な部品153及びチャネル156は、取り外し可能な部品153が、チャネル156に挿入されるときに、チャネルの少なくとも1つの内面によって拘束されるように構成される。細長い外側シャフト移動組立体150はまた、第1アクチュエータに固定された遠位ヘッド部分151を含む。細長い外側シャフト移動組立体150はまた、本明細書に記載されるものと同様の回転制限機構を含み、これは第1アクチュエータ143の回転を制限し、それによって外側の細長いシャフトの回転を制限する。回転制限部分組立品、機能性、及び使用に関する上記の開示のいずれも、全ての目的のために本実施形態に組み込まれ、またこの設計及び同様の設計に組み込まれてもよい。回転中、部品157(図10Bを参照)は、部品161と相互作用し、部品162は部品158と相互作用する。これら2組の部品の物理的相互作用は、例えば、外側本体の回転の最大630度までの回転を制限する(他の実施形態では、許容される回転は、例えば、720度以下など630度超であり得る)など、所望の回転制限に回転を制限する。
【0064】
例えば、使用後に外側シャフトを洗浄することが望まれる場合、取り外し可能な部品153を外側シャフトから取り外して、外側シャフトをハンドル組立体から取り外して洗浄してから、取り外し可能な部品153、又は部品153が損傷若しくは破損した場合には新しい取り外し可能な部品に再挿入して再び取り付けることができる。
【0065】
ハンドル組立体140はまた、第2アクチュエータ142と作動可能に連通している内側シャフト偏向組立体146を含む。内側シャフト偏向組立体146は、第2アクチュエータ142が回転するときに回転するように適合及び構成された中央歯車147を含む。中央歯車147は、歯車付きインターフェースを介して第1スピンドル148及び第2スピンドル149とインターフェースで接続し、その結果、中央歯車147の回転がスピンドルの反対方向の回転を引き起こす。スピンドルを含む内側シャフト偏向組立体146は、細長い外側本体移動組立体150よりも更に近位に延びる。内側シャフトは、外側シャフトを通って延び、またハンドル組立体150内の外側シャフトよりも更に近位に延びる。これにより、内側シャフトの一部である1つ以上のプルワイヤが半径方向外向きに延び、リール160とインターフェースで接続することが可能になる。
【0066】
細長い外側シャフト移動組立体150と細長い内側シャフト移動組立体146との間の相互作用の欠如により、内側及び外側の細長いシャフトは第1アクチュエータ143及び第2アクチュエータ142によって独立して制御されることが可能になる。
【0067】
ハンドル組立体140はまた、ハンドル本体141内に配置されたプリント回路基板(「PCB」)170を含み、PCBは、図53の可撓性ケーブル束105などのケーブル束、又は超音波トランスデューサなどの医療器具と通信する本明細書のケーブル束のいずれかと電気的に通信する。
【0068】
ハンドル組立体140はまた、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータのうちの少なくとも1つがホーム位置又は中立位置に対して回転する程度をユーザに示すために使用することができる回転インジケータ180を含む。第1アクチュエータ143は、図11に示されるように、第1アクチュエータ143が中立位置にあるときに回転インジケータ180と共に軸に沿って整列される回転インジケータ181を含むことができる。第1アクチュエータ143が回転すると、回転インジケータ181は、回転インジケータ180が延びる軸に対して回転し、これにより、ユーザは、第1アクチュエータ143、したがって外側シャフトが中立位置に対してある程度回転することを視覚的に理解することができる。同様に、第2アクチュエータ142はまた、図11に示されるように、第2アクチュエータ142が中立位置にあるときに回転インジケータ180と共に軸に沿って整列される回転インジケータ182を有することができる。第2アクチュエータ143が回転すると、回転インジケータ182は、回転インジケータ180が延びる軸に対して回転し、これにより、ユーザは、第2アクチュエータ143、したがって内側シャフトがその中立位置に対してある程度偏向されることを視覚的に理解することができる。
【0069】
一部の代替の実施形態では、ハンドル組立体は、どれだけの回転が外側シャフトに発生したか、又はどれだけの偏向が内側シャフトに発生したかを追跡するための1つ以上のセンサを含むことができる。一部の実施形態では、ハンドル組立体は、各アクチュエータ用のエンコーダを含むことができる。
【0070】
外側シャフト及び内側シャフトを含む本明細書の実施形態のいずれにおいて、機器は、内側シャフトと外側シャフトとの間に1つ以上の潤滑剤を含むことができ、これにより、2つのシャフトの間の摩擦を低減することによって、内側シャフトと外側シャフトを互いに対して移動させることが容易になる。再使用のために医療機器を洗浄する必要がある場合、洗浄プロセス後に内側シャフトと外側シャフトとの間に追加の潤滑剤を加えることができる。
【0071】
本明細書の一部の実施形態では、医療機器は、医療機器の遠位領域(例えば、プローブ先端)に結合され、そこから近位領域に向かって延びる可撓性導体束(本明細書では、導体束、フレックス束、又はそれらの他の同様の派生語と呼ばれてもよい)などの可撓性部材を含むことができる(例えば、例示的な図4図6Gに示される導体束2020、又は図9Bの束105を参照)。プローブ先端は、可撓性導体束と電気的に通信する超音波トランスデューサを含み得る。本明細書の一部の実施形態(例えば、図9A図11)では、プローブ先端及び導体束は、ハンドルアクチュエータ(例えば、図10Aに示されるアクチュエータ143)の作動によって軸方向に(近位及び/又は遠位に)変位され得る。場合によっては、導体束は、細長い部材(例えば、操縦可能な内側の細長い本体132、又は細長い部材132)内に配置され、プローブ先端が遠位に前進又は近位に後退するときに、それに対して軸方向に移動する。遠位領域(例えば、超音波プローブ)及び導体束が近位に後退するとき(遠位に前進した後)、導体束は、その遠位端部の近く又は隣接して、束と、例えば、導体束が配置されている細長い部材(例えば、操縦可能な内部シャフト132)との間の摩擦のために、折り畳まれたり、束になったり、又は他の方法で曲がったりする傾向がある。束になることは、医療機器が直線構成である場合、及び医療機器にある程度の屈曲(例えば、直線構成又は線形構成から偏向された後)がある場合に発生する可能性がある。
【0072】
束になったり、曲がったりする傾向の程度を低減するか、又は更には完全に防止するために、本明細書の医療機器のいずれも、導体束が遠位医療器具に結合されている位置の近位の位置で、可撓性導体束などの可撓性部材に張力を加えるか又は維持するように適合及び構成された構造張力部材を含み得る。可撓性部材に張力付与することにより、可撓性部材の折り畳み又は束になることを最小限に抑えるか、又は防止することさえできる。本文脈で使用される場合、「張力」部材は、遠位プローブが近位に後退するときに、可撓性導体束の少なくとも遠位部分を近位に移動させることによって、(張力部材のない機器と比較して)可撓性導体の遠位領域が束になることを低減するように適合及び構成される。一部の実施形態では、構造張力部材(例えば、張力バー)は、可撓性導体束に物理的に固定されてもよい(例えば、直接又は間接取り付け)。一般に、本明細書の張力部材は、可撓性部材(例えば、可撓性導体束)と作動可能に連通しており、それにより、張力部材の移動又は作動は、ある程度の力を可撓性部材に加え、可撓性部材の移動(例えば、近位)を引き起こす。一部の例示的な実施形態では、構造張力部材は、医療機器のハンドル組立体内に配置されるか、又はそれによって支持されてもよい。本文脈における構造張力部材は、単一の構成要素又は別個の構成要素の組立体であり得る。
【0073】
図12A図12Fは、例示的な医療機器のハンドル組立体部分を示しており、これは本明細書の任意の適切な医療機器に組み込むことができる。例えば、図12A図12Fのハンドル組立体は、その遠位端又はその遠位端の近くに医療器具(例えば、超音波画像プローブ)を含む医療機器の一部であってもよく、その例は本明細書に記載されている。本明細書の他の実施形態又は特徴は、参照により、図12A図12Fに示される例示的なハンドル組立体に組み込まれる。
【0074】
例示的なハンドル組立体310は、第1アクチュエータ314及び第2アクチュエータ322を含み、第1アクチュエータ314は、近位アクチュエータ322の遠位にある。第1アクチュエータ314は、第2アクチュエータ322に対して軸方向(遠位及び近位に)に移動するように適合及び構成され(また、任意選択で第2アクチュエータ322に対して回転可能である)、また、遠位領域に医療器具(例えば、103)を含むことができる細長い本体(例えば、131又は132)と作動可能に連通することができる。ハンドル組立体310(アクチュエータを含む)は、本明細書の任意の他のハンドル組立体からの関連する開示のいずれかを組み込むことができる。ハンドル組立体310が一部である医療機器はまた、第1遠位位置で医療器具に(直接又は間接的に)しっかりと結合され(例えば、医療器具103が可撓性部材105に固定される図9B及び図9Cに示されるように)、医療器具からハンドル組立体310に向かって近位に延びる可撓性部材(例えば、図9Bの可撓性導体束105)を含む。可撓性部材は、図示のように、可撓性導体束であってもよく、またハンドル組立体310内に延びることができる。可撓性部材の一部は、細長い本体の外面内に(例えば、131及び/又は132内に)配置される。医療機器はまた、第1位置の近位にある第2位置316で可撓性部材に固定された張力部材を含む(本文脈における「第1位置」は、第1遠位位置又はその派生語と呼ばれてもよい)。図12Aは、例示的な張力部材312を示し、図12Aの参照番号312はまた、張力部材の任意選択の細長い剛性部材(本実施形態では、細長い剛性部材は線形であり、軸方向に延びる)を指す。張力部材312は、医療器具が近位に後退するときに可撓性部材に張力をかけるように適合及び構成される。これは、本明細書では、可撓性部材に張力を加えること、又は可撓性部材に張力付与すること、又は可撓性部材の張力を維持することと呼ばれてもよい。この例示的な実施形態では、張力部材312は、医療器具が近位に後退するときに可撓性部材に張力をかけるように適合及び構成され、これは、本実施形態では、第1アクチュエータ314が図12A図12Cに示されるその位置から近位に後退するときに発生する。本明細書の張力部材は、医療機器が直線構成である場合、また医療機器が非直線(線形)構成である場合、例えば、医療機器が偏向又は屈曲する可能性がある場合に、張力を加えることができる。
【0075】
本実施形態では、張力部材312(図12Aに示される張力バーを含み得る)は、位置316で可撓性導体束に固定され(例えば、直接取り付けられ)、その位置は、本実施形態ではハンドル組立体の内側にある。あるいは、張力部材は、ハンドル内にない位置、例えば、ハンドルの外側、例えば、外側シャフト及び内側シャフトの一方又は両方の内側などで可撓性部材に固定されてもよい。本実施形態では、張力部材はまた、第1アクチュエータ314に対して軸方向に固定され、その結果、第1アクチュエータ314の軸方向の移動は、張力部材312を軸方向に移動させる(1:1の移動比であり得る)。張力部材312はまた、(例えば、位置316で)可撓性部材に固定されているため、張力部材312の軸方向の移動はまた、位置316で可撓性部材を軸方向に移動させる。張力部材312を可撓性部材に固定することにより、第1アクチュエータ314が近位に後退するときに、可撓性部材は、張力部材が可撓性部材に固定されている位置の遠位に張力がかけられ、これは、可撓性部材が、医療器具に近い又は隣接するその遠位領域で折り畳まれたり、束ねられたりすることを防止する(又は、少なくとも、張力部材のない機器と比較して、折り畳まれる/束ねられる程度を低減する)。
【0076】
可撓性部材は、本明細書の可撓性導体束のいずれかなどの可撓性導体束を含み得る。図12A図12Fでは、張力部材は、固定長を有する剛性の細長い部材(一般に図12Aでは312と呼ばれる)を含む。図示される剛性張力部材は、一般的な長手方向軸を有し、これは、本実施形態では、医療機器の長手方向軸及び/又はハンドル組立体の長手方向軸と平行である。剛性張力部材は、剛性プラスチック部材などの様々な材料で作ることができる。
【0077】
本明細書の張力部材は、医療器具が移動する距離が、第1位置と第2位置との間で可撓性部材上の任意の点が移動する距離と同じであることを保証することができる。本明細書の張力部材は、医療器具が移動する距離が、張力部材が可撓性部材に固定されている位置(例えば、図12Aの位置316)が移動する距離と同じであることを保証することができる。
【0078】
張力部材と可撓性部材との間の固定された関係は、医療器具が近位に後退するとき(医療機器が直線構成である場合)、第1位置と第2位置との間で可撓性部材を実質的に平坦又は直線構成に維持する。本文脈における平坦な構成は、可撓性部材がねじれてもよい実施形態を含むことができる(即ち、可撓性部材は平坦であっても依然としてねじれてもよいが、束ねられていない/折り畳まれていない)。本明細書で使用される平坦な構成は、可撓性部材が折り畳まれていない又は束ねられていないことを示す。
【0079】
張力部材が組み込まれている医療機器もまた、操縦可能又は偏向可能であり得る。本明細書の張力部材は、可撓性部材を含む医療機器が非直線(例えば、偏向された、操縦された、曲げられた)構成である場合でも、可撓性部材に張力を加えるように適合及び構成することができる。本開示が可撓性部材において実質的に平坦な構成を維持することに言及する場合、それは、医療機器が操縦され、曲げられ、又は偏向された場合のような場合である必要はなく、医療機器が直線構成であってもよい場合を指す。
【0080】
本明細書の張力部材と可撓性部材との間の固定された関係は、医療器具が近位に後退するときに、可撓性部材が第1位置と第2位置との間に折り目を形成すること(即ち、曲がること、又は束になること)を防止する。本文脈における折り畳み、曲げ、及び束になることは、可撓性部材の第1領域が可撓性部材の第2領域と軸方向に重なることを含み、また、平坦ではなく、例えば、曲がった湾曲領域を形成する、及び/又は前後に蛇行する可撓性部材の領域など、可撓性部材の一般的な曲げ及び束ねを含む。
【0081】
可撓性部材は、平坦な上面及び下面(例えば、1つ以上の平坦面を有する導体束)を有してもよく、任意選択で、張力部材は、上面及び下面の少なくとも1つに固定されてもよい。例えば、図6A図6Gは、平坦又はほぼ平坦な第1及び第2表面(例えば、上面及び下面)を有する可撓性部材を示し、張力部材は、平坦又はほぼ平坦な表面の一方又は両方に固定されてもよい(例えば、位置316でなど)。それらは、接着剤、溶接、又は他の接合技術を使用するなど、様々な技術を使用して固定することができる。
【0082】
張力部材は、ハンドルアクチュエータと(直接又は間接的に)作動可能に連通してもよく、その結果、アクチュエータの軸方向の移動により張力部材が軸方向に移動する。ハンドルアクチュエータは、医療器具の回転を引き起こすように回転するように更に適合及び構成されてもよく(例えば、アクチュエータ314)、任意選択で、アクチュエータの回転は、張力部材の回転を引き起こさない。したがって、張力部材は、アクチュエータが軸方向に移動するときに軸方向に移動するが、アクチュエータが回転するときに回転しないように適合させることができる。これは、張力部材をアクチュエータと(直接又は間接的に)作動可能に連通させる方法によって達成することができる。
【0083】
医療機器は、可撓性部材の少なくとも一部が内部に配置されている管腔を含む内側の細長い本体(例えば、132)を含み得る。内側の細長い本体は、別個の独立して作動可能なハンドルアクチュエータ(例えば、アクチュエータ322)を用いてなど、独立して操縦可能であり得る。医療機器が内部部材及び外部部材を含み、内部部材が独立して制御可能である(例えば、軸方向及び回転方向に)本明細書の他の実施形態の態様は、本明細書の任意の実施形態に完全に組み込まれる。
【0084】
可撓性部材は、ハンドル組立体内のプリント回路基板(例えば、図12Aに示される321「基板」)に結合されてもよい。張力部材は、プリント回路基板の近位にある可撓性部材に結合されてもよい。代替の実施形態では、張力部材は、プリント回路基板の遠位にある可撓性部材に結合されてもよい。
【0085】
図12A図12Fは、医療機器の一部の一例であり、この例は、細長い本体の遠位領域にプローブ先端を含む細長い外側本体(例えば、311)と、第1位置(図9B及び図9Cに示される)でプローブ先端にしっかりと結合され、医療器具からハンドル組立体内に近位に延びる可撓性導体束(例えば、105)であって、可撓性部材が細長い本体の外面内に配置される、可撓性導体束と、内側の細長い本体(例えば、131)であって、その少なくとも一部が細長い外側本体内に配置され、内側の細長い本体が、任意選択で操縦可能であり、可撓性導体束の少なくとも一部が、内側の細長い本体内に配置され、内側の細長い本体に対して軸方向に移動可能であるように構成されている、内側の細長い本体と、ハンドル組立体内の第2位置で可撓性部材に固定され、プローブ先端が近位に後退するときに可撓性部材に張力を加えるように適合及び構成された張力部材とを含む。本明細書で使用されるプローブ先端は、1つ以上の超音波トランスデューサを含み得る。
【0086】
図12E図12Fは、ハンドル外側シェル320の半分を示し、その2つは、ハンドル組立体310の外面の一部を形成する。ハンドルシェル320は、張力部材312の移動を制御する制御部とインターフェースで接続するように適合された、半径方向内向きに延びる特徴315を含む。特徴315は、1つ以上の位置で張力部材とインターフェースで接続し、張力部材を安定させるのを助けるように構成されたガイドを含むことができる。
【0087】
ハンドル組立体310に適切に一体化することができる、本明細書の任意の他の実施形態における任意の他のハンドル組立体構成要素は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0088】
本明細書の任意の実施形態及び特許請求の範囲において、「張力部材」という語句は、「直線化部材」、「平坦化部材」、又はそれらの派生語で置き換えることができる。本明細書に記載されるように、直線化部材又は平坦化部材とは、医療機器が直線構成にあるときに、可撓性部材において実質的に直線又は平坦な構成を維持することを指し、機器が常に直線構成を有することを必要としない。したがって、可撓性部材が必ずしも張力下に置かれているとは限らない場合でも、可撓性部材は、直線化部材のために、依然としてその長さの少なくとも一部に沿って直線(即ち、折り畳まれていない構成)に維持され得る。例えば、図12Aの部材312は、たとえそれが張力部材としても機能するとしても、直線化部材の一例である。これは、本明細書に記載され、示され、且つ特許請求されるすべての張力部材に適用される。本明細書の一部の実施形態では、「部材」は直線化部材(又は平坦化部材)であってもよく、また張力部材として機能することもできる。更に、本明細書における「張力部材」という語句は、「折り畳み防止部材」、「曲げ防止部材」、「束ね防止部材」、又はそれらの派生語で置き換えることができる。
【0089】
上記の開示は、一部の実施形態では、導体束2010などの可撓性部材が、その長さの一部に沿ってねじれてもよいことを記載している。例えば、導体束は、医療機器の長さの一部に沿ってよりバランスのとれた断面を提供するようにねじれてもよい。導体束は、偏向を受ける医療機器の一部においてのみねじれてもよい。
【0090】
図13A図13Eは、可撓性導体束などのねじれた可撓性部材を含む例示的な医療機器の一部を示す。図13A図13Eの実施形態は、本明細書に記載される任意の他の適切な特徴及び/又は医療機器を組み込むことができる。
【0091】
図13A図13Eに示される医療機器の部分330は、遠位領域にある医療器具332と、それに結合され、そこから近位に延びる可撓性部材331と、複数の電気コネクタを含む近位端領域333とを含む。可撓性部材331は、本明細書の束のいずれかなどの可撓性導体束であってもよい。医療器具332は、超音波画像トランスデューサ339を含み得る。可撓性導体束331は、導体束がねじれている領域338を有し、ねじれた領域338は、遠位端及び近位端を有する。可撓性導体束331はまた、ねじれた領域334の遠位にあるねじれていない領域336と、ねじれた領域336の近位にあるねじれていない領域340とを含む。医療器具332は、図9Bに示される外側シャフト131などの外側シャフトに結合されてもよい。
【0092】
ねじれた領域338のその遠位端からその近位端までの長さは変化することができ、一部の実施形態では、5~15cm、例えば8~15cm、例えば11cmなどである。完全なターンが形成される長さは、例えば1~5cm、例えば3cmなど、十分に変化することができる。
【0093】
ねじれた領域の長さにわたるねじれの数も、例えば、限定されないが、7~9回の完全なねじれなど、変化することができる。
【0094】
可撓性部材(例えば、可撓性導体束)のねじれた領域を形成するための例示的な方法は、可撓性部材を遠位端(例えば、プローブ先端)で医療器具に結合することである。次に、PET熱収縮の薄い部分を可撓性導体束の上に前進させることができる。機器の一部を所定の位置に保持しながら、別の部分を所望の巻数までねじって、ねじれた領域を形成することができる。ねじれた構造を維持しながら、PETをねじれた束領域上で熱収縮させることができる。その後、追加のPET層を追加することができる。次に、細長い部材(例えば、シャフト131)を、ねじれた領域を含む束の上に配置することができ、細長い部材を医療器具に結合することができる。
【0095】
〔実施の態様〕
(1) 対象内に配置されるように構成及びサイズ設定された医療機器であって、
前記医療機器の遠位領域にあり、外側シャフトに固定された超音波トランスデューサと、
前記遠位領域内の第1位置で前記超音波トランスデューサに固定された可撓性導体束であって、前記可撓性導体束は、前記第1位置から前記医療機器のハンドル組立体内に近位に延び、前記可撓性導体束は、前記医療機器の前記外側シャフト内及び前記医療機器の内側シャフト内に延び、
前記可撓性導体束は前記内側シャフト内で軸方向に移動可能である、可撓性導体束と、
前記ハンドル組立体内の第2位置で前記可撓性導体束の1つ以上の表面に固定された張力部材であって、
前記張力部材及び前記超音波トランスデューサは、ハンドルアクチュエータと軸方向に作動可能に連通しており、その結果、前記ハンドルアクチュエータの作動により前記超音波トランスデューサ及び前記張力部材が軸方向に移動し、それによって前記ハンドル組立体内の前記第2位置で前記可撓性導体束に張力を加える、張力部材と、を備える、医療機器。
(2) 前記内側シャフトは、第2ハンドルアクチュエータと作動可能に連通しており、それにより、前記内側シャフトは前記第2ハンドルアクチュエータの作動時に偏向可能である、実施態様1に記載の医療機器。
(3) 前記張力部材は、前記第2位置で前記可撓性導体束に軸方向に固定され、それにより、前記ハンドルアクチュエータの作動時に前記張力部材及び前記可撓性導体束は前記第2位置で軸方向に共に移動する、実施態様1に記載の医療機器。
(4) 前記張力部材は、前記可撓性導体束に固定され、それにより、前記超音波トランスデューサが近位に後退するときに、前記可撓性導体束は、前記第1位置と前記第2位置との間で実質的に平坦な構成に維持される、実施態様1に記載の医療機器。
(5) 前記張力部材は、前記超音波トランスデューサが近位に後退するときに、前記可撓性導体束が前記第1位置と前記第2位置との間で折り畳まれるのを防ぐために、前記可撓性導体束に固定されている、実施態様4に記載の医療機器。
【0096】
(6) 前記可撓性導体束は、平坦又はほぼ平坦な第1及び第2表面を有し、前記張力部材は、前記平坦又はほぼ平坦な第1及び第2表面の一方又は両方に固定されている、実施態様1に記載の医療機器。
(7) 前記アクチュエータはまた、前記超音波トランスデューサの回転を引き起こすように回転するように適合されており、前記張力部材及び前記アクチュエータは、前記アクチュエータの回転が前記張力部材の回転を引き起こさないように作動可能に連通している、実施態様1に記載の医療機器。
(8) 前記可撓性導体束は、前記ハンドル組立体内のプリント回路基板に結合されている、実施態様1に記載の医療機器。
(9) 前記第2位置は、前記プリント回路基板の近位にある、実施態様8に記載の医療機器。
(10) 対象内に配置されるように構成及びサイズ設定された医療機器であって、
前記医療機器の遠位領域にあり、外側シャフトに固定された超音波トランスデューサと、
前記遠位領域内の第1位置で前記超音波トランスデューサに固定された可撓性導体束であって、前記可撓性導体束は、前記第1位置から前記医療機器のハンドル組立体内に近位に延び、前記可撓性導体束は、前記医療機器の前記外側の細長いシャフト内及び前記医療機器の内側シャフト内に延び、
前記可撓性導体束は前記内側シャフト内で軸方向に移動可能である、可撓性導体束と、
前記ハンドル組立体内の第2位置で前記可撓性導体束の1つ以上の表面に固定された可撓性導体平坦化部材であって、
前記可撓性導体平坦化部材及び前記超音波トランスデューサ先端は、ハンドルアクチュエータと軸方向に作動可能に連通しており、その結果、前記ハンドルアクチュエータの作動により前記超音波トランスデューサ及び前記可撓性導体平坦化部材が軸方向に移動し、それによって前記可撓性導体束を前記第1位置と前記第2位置との間で平坦な構成に維持する、可撓性導体平坦化部材と、を備える、医療機器。
【0097】
(11) 対象内に配置されるように構成及びサイズ設定された医療機器であって、
前記医療機器の遠位領域にあり、外側シャフトに固定された超音波トランスデューサと、
前記遠位領域内の第1位置で前記超音波トランスデューサに固定された可撓性導体束であって、前記可撓性導体束は、前記第1位置から前記医療機器のハンドル組立体内に近位に延び、前記可撓性導体束は、前記医療機器の前記外側シャフト内及び前記医療機器の内側シャフト内に延び、
前記可撓性導体束は前記内側シャフト内で軸方向に移動可能である、可撓性導体束と、
前記ハンドル組立体内の第2位置で前記可撓性導体束の1つ以上の表面に固定された可撓性導体曲げ防止部材であって、
前記可撓性導体曲げ防止部材及び前記超音波トランスデューサ先端は、ハンドルアクチュエータと軸方向に作動可能に連通しており、その結果、前記ハンドルアクチュエータの作動により前記超音波トランスデューサ及び前記可撓性導体曲げ防止部材が軸方向に移動し、それによって前記可撓性導体束が前記第1位置と前記第2位置との間で曲がるのを防止する、可撓性導体曲げ防止部材と、を備える、医療機器。
(12) 対象内に配置されるように構成及びサイズ設定された医療機器を使用する方法であって、
血管内超音波カテーテルの超音波トランスデューサを対象内に配置することであって、第1位置で前記超音波トランスデューサに固定された可撓性導体束が、そこからハンドル組立体まで近位に延びる、ことと、
前記超音波トランスデューサを近位に後退させることと、
前記超音波トランスデューサを近位に後退させながら、前記ハンドル組立体内の第2位置で前記可撓性導体束に張力を加えることと、を含む、方法。
(13) ハンドルアクチュエータを作動させることを更に含み、前記ハンドルアクチュエータを作動させると、前記超音波トランスデューサが近位に後退し、前記ハンドル組立体内の前記第2位置で前記可撓性導体束に張力が加えられる、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記可撓性導体束に張力を加えることは、前記ハンドル組立体内の前記第2位置の遠位にある前記可撓性導体束の折り畳みを防止する、実施態様12に記載の方法。
(15) 前記可撓性導体束に張力を加えることは、前記ハンドル組立体内で張力部材を近位に移動させることを含み、前記張力部材は前記第2位置で前記可撓性導体束に固定されている、実施態様12に記載の方法。
【0098】
(16) 前記張力部材はハンドルアクチュエータと作動可能に連通しており、前記方法は、前記アクチュエータを作動させて前記張力部材を近位に移動させ、前記可撓性導体束に張力を加えることを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記アクチュエータを作動させると、前記超音波トランスデューサが近位に後退する、実施態様16に記載の方法。
(18) 対象内に配置されるように構成及びサイズ設定された医療機器を使用する方法であって、
血管内超音波カテーテルの超音波トランスデューサを対象内に配置することであって、第1位置で前記超音波トランスデューサに固定された可撓性導体束が、そこからハンドル組立体まで近位に延びる、ことと、
前記超音波トランスデューサを近位に後退させることと、
前記超音波トランスデューサを近位に後退させながら、前記ハンドル組立体内の第2位置で前記可撓性導体束に力を加えることと、を含む、方法。
(19) 前記第2位置で前記可撓性導体束に力を加えることにより、前記可撓性導体束は、前記第1位置と前記第2位置との間で平坦な構成に維持される、実施態様18に記載の方法。
図1A
図1B
図2
図3Ai
図3Aii-3Aiii】
図3Bi
図3Bii
図3Ci
図3Cii
図3Di
図3Dii
図3Diii
図3Diiii
図3E
図4
図5
図6A-6B】
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E