(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】延伸不織布およびフィルム
(51)【国際特許分類】
D06M 15/564 20060101AFI20240701BHJP
D06M 15/693 20060101ALI20240701BHJP
A61F 13/15 20060101ALN20240701BHJP
A61F 13/53 20060101ALN20240701BHJP
【FI】
D06M15/564
D06M15/693
A61F13/15 311Z
A61F13/53 300
(21)【出願番号】P 2022085157
(22)【出願日】2022-05-25
(62)【分割の表示】P 2019534636の分割
【原出願日】2017-08-16
【審査請求日】2022-06-14
(32)【優先日】2016-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519355758
【氏名又は名称】ザ ライクラ カンパニー ユーケー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】ビッサ,コフィ
(72)【発明者】
【氏名】ギルバート,マイケル
【審査官】斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-047455(JP,A)
【文献】国際公開第2006/121010(WO,A1)
【文献】特表2016-540134(JP,A)
【文献】特開2016-037686(JP,A)
【文献】特表2005-522599(JP,A)
【文献】特表2008-506042(JP,A)
【文献】特表2009-530506(JP,A)
【文献】特表2011-520044(JP,A)
【文献】特表2008-530308(JP,A)
【文献】米国特許第04366814(US,A)
【文献】特表2011-516753(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0143767(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 - 13/84
A61L 15/16 - 15/64
D06M 13/00 - 15/715
D06M 23/16 - 23/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性布地と、前記吸収性布地または吸収性布地から製造された製品に延伸回復を提供する弾性ポリマー組成物とを備えた布地複合体であって、前記弾性ポリマー組成物は、不連続に配置され、別々に前記吸収性布地中に浸透して、光沢またはゴム状の接触面を生成することなく前記吸収性布地または吸収性布地から製造された製品に延伸回復を提供する分割されたポリマー粒子として分散印刷されている、布地複合体。
【請求項2】
前記弾性ポリマー組成物は、ポリウレタン、ラテックスもしくはゴム溶液、および/またはスチレンブロックコポリマーを含む、請求項1に記載の布地複合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性布地およびこれらの吸収性布地から製造された製品に延伸回復を提供
する弾性ポリマー組成物に関する。粘着性なしに延伸回復を有する薄フィルムがさらに提
供される。これらの組成物は、使い捨てパーソナルケア用品に使用される布地上への分散
印刷により延伸回復を提供するのに特に有用である。
【0002】
関連技術のまとめ
延伸回復を提供するポリウレタン尿素フィルムおよびテープなどのポリマー組成物は、
米国特許第7,240,371号に開示されている。
【0003】
Carmen C.らは、特許EP2280619B1およびUS2009/0181
599A1において、衣類の縁部にポリマー組成物を添加して衣類の縁部バンドを形成し
、ブラジャーなどの衣類にフィルムを付加して積層布地を形成する方法を開示した。
【0004】
WO2015/084865は、ベース弾性布地領域および少なくとも1つの布地複合
ゾーンを含む形状増強衣服を開示しており、ポリウレタン尿素、ポリウレタン、またはポ
リオレフィンなどの弾性ポリマー組成物は、布地の裏側に不連続的に配置され、布地の内
側に浸透して固着し、かつ布地の外側からは見えない。
【発明の概要】
【0005】
延伸回復を伴う使い捨てパーソナルケア用品が非常に望ましい。
【0006】
本発明の一態様は、吸収性布地およびこれらの吸収性布地から製造された製品に延伸回
復を提供する弾性ポリマー組成物に関する。
【0007】
非限定的な一実施形態では、弾性ポリマー組成物は、ポリマーコートされた延伸不織布
である。
【0008】
非限定的な一実施形態では、延伸不織布は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチ
レンテレフタレート、またはそれらの組み合わせもしくはブレンドを含む。
【0009】
非限定的な一実施形態では、弾性ポリマー組成物は、ポリマーコートされた延伸フィル
ムである。
【0010】
非限定的な一実施形態では、弾性ポリマー組成物は、約5~約2000%の伸び率を示
す。
【0011】
非限定的な一実施形態では、ポリマーコーティングは、ポリウレタン、ラテックスもし
くはゴム溶液、および/またはスチレンブロックコポリマーを含む。
【0012】
非限定的な一実施形態では、弾性ポリマー組成物は、布地に分散印刷される。
【0013】
非限定的な一実施形態では、布地は、吸収性布地である。
【0014】
本発明の別の態様は、吸収性布地の延伸回復性を向上させるための方法に関する。この
方法では、弾性ポリマー組成物は、吸収性布地に分散印刷される。
【0015】
非限定的な一実施形態では、この方法で使用される弾性ポリマー組成物は、ポリマーコ
ートされた延伸不織布である。
【0016】
非限定的な一実施形態では、延伸不織布は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチ
レンテレフタレート、またはそれらの組み合わせもしくはブレンドを含む。
【0017】
非限定的な一実施形態では、この方法で使用される弾性ポリマー組成物は、ポリマーコ
ートされた延伸フィルムである。フィルムは、非常に薄く、方向性のある延伸または他の
特質を付与するためにさらに印刷することができる。フィルムの厚さは、変えることがで
きるが、一般には0.5mm~5mmである。ほとんどの用途は、0.5mm~2mmの
フィルムを利用する。
【0018】
非限定的な一実施形態では、弾性ポリマー組成物は、約5~約2000%の伸び率を示
す。
【0019】
非限定的な一実施形態では、ポリマーコーティングは、ポリウレタン、ラテックスもし
くはゴム溶液、および/またはスチレンブロックコポリマーを含む。
【0020】
本発明の別の態様は、延伸回復を伴う使い捨てパーソナルケア用品に関する。使い捨て
パーソナルケア用品は、弾性ポリマー組成物で印刷された吸収性布地分散液を含む。
【0021】
非限定的な一実施形態では、弾性ポリマー組成物は、約5~約2000%の伸び率を示
す。
【0022】
非限定的な一実施形態では、この方法で使用される弾性ポリマー組成物は、ポリマーコ
ートされた延伸不織布である。
【0023】
非限定的な一実施形態では、延伸不織布は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチ
レンテレフタレート、またはそれらの組み合わせもしくはブレンドを含む。
【0024】
非限定的な一実施形態では、この方法で使用される弾性ポリマー組成物は、ポリマーコ
ートされた延伸フィルムである。
【0025】
非限定的な一実施形態では、ポリマーコーティングは、ポリウレタン、ラテックスもし
くはゴム溶液、および/またはスチレンブロックコポリマーを含む。
【0026】
非限定的な一実施形態では、使い捨てパーソナルケア用品は、おむつ、女性用衛生製品
、または失禁パッドである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
吸収性布地およびこれらの吸収性布地から製造される製品に延伸回復を提供する弾性ポ
リマー組成物が開示される。これらの組成物は、おむつ、女性用衛生製品、および失禁パ
ッドを含むがこれらに限定されない使い捨てパーソナルケア用品に使用される布地に分散
印刷することによって延伸回復を提供するのに特に有用である。
【0028】
本明細書で使用される場合、用語「フィルム」は、平らな、概して二次元の物品を意味
する。フィルムは、キャストおよび乾燥または押出しされたフィルムなどの自立型であり
得る。あるいは、フィルムは、溶融物、分散液、または溶液であり得る。
【0029】
本明細書で使用される場合、用語「分散液」は、分散相が微細粒子からなり、連続相が
液体、固体、または気体であり得る系を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「水性ポリウレタン分散液」は、脱イオン水を含む水
などの水性媒体中に分散されている、任意に溶剤を含む、少なくともポリウレタンまたは
ポリウレタン尿素ポリマーまたはプレポリマー(本明細書に記載のポリウレタンプレポリ
マーなど)を含有する組成物を指す。
【0031】
本明細書で使用される場合、用語「溶剤」は、他に指示がない限り、非水性媒体を指し
、非水性媒体は、揮発性有機溶剤(アセトンなど)およびやや揮発性の低い有機溶剤(例
えばMEK、またはNMP)を含める有機溶剤を含む。
【0032】
本明細書で使用される場合、用語「無溶剤」または「無溶剤系」は、組成物または分散
成分の大部分が溶剤に溶解または分散していない組成物または分散液を指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、用語「布地」は、編まれた、織られた、または不織布材料
を指す。編布は、横編み、丸編み、縦編み、細い伸縮素材、およびレースであってもよい
。織布は、任意の構造、例えばサテン、綾織り、平織り、オックスフォード織り、バスケ
ット織り、および細い伸縮素材であってもよい。不織布材料は、メルトブローン、スパン
ボンド、湿式、カード繊維ベースのステープルウェブなどであってもよい。「布地」とは
、吸収性布地を含むことを意味する。
【0034】
本明細書中で使用される場合、用語「から誘導される」とは、別の目的物から物質を形
成することをいう。例えば、フィルムは、乾燥することができる分散液から誘導され得る
。
【0035】
いくつかの態様の使い捨てパーソナルケア用品は、延伸回復を提供するために特定の場
所に布地複合体の領域を伴って有利に構築される。本明細書で使用される場合、用語「布
地複合体」は、例えば、吸収性でありかつ延伸回復性を示す吸収性布地に適用される弾性
ポリマー組成物を含むことが好ましい。いかなる特定の理論にも縛られることなく、弾性
ポリマー組成物のポリマー粒子は、不連続的に位置して繊維および糸と固着して、かつ別
々に布地本体中に浸透すると考えられる。
【0036】
エラストマー繊維は、布地および衣服において延伸および弾性回復を提供するために一
般的に使用されている。「エラストマー繊維」は、任意の捲縮とは無関係に100%を超
える破断伸び率を有する、連続フィラメント(任意に合体マルチフィラメント)または希
釈剤を含まない複数のフィラメントのいずれかである。(1)その長さの2倍に延伸され
、(2)1分間保持され、かつ(3)解放され、解放されてから1分以内にその元の長さ
の1.5倍未満に収縮したときのエラストマー繊維。本明細書の本文で使用されている場
合、「エラストマー繊維」は、少なくとも1つのエラストマー繊維またはフィラメントを
意味する。そのようなエラストマー繊維としては、ゴムフィラメント、二成分フィラメン
ト(ゴム、ポリウレタンなどをベースとし得る)、ラストール、およびスパンデックスが
挙げられるが、これらに限定されない。用語「エラストマー」および「弾性」は、本明細
書を通して互換的に使用される。
【0037】
「スパンデックス」は、繊維形成物質がセグメント化ポリウレタンの少なくとも85重
量%からなる長鎖合成ポリマーである製造フィラメントである。
【0038】
「エラストエステル」は、繊維形成物質が少なくとも50重量%の脂肪族ポリエーテル
および少なくとも35重量%のポリエステルからなる長鎖合成ポリマーである製造フィラ
メントである。エラストマーではないが、本明細書のいくつかの布地にはエラストエステ
ルが含まれていてもよい。
【0039】
「ポリエステル二成分フィラメント」は、繊維の長さに沿って互いに密接に接着された
一対のポリエステルを含む連続フィラメントを意味し、その結果、繊維断面は、例えば、
並列、偏心した鞘芯、または有用な捲縮を発生させることができる他の好適な断面である
。ポリエステル二成分フィラメントは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)と、約10
%~約80%のヒートセット後の捲縮収縮値を有する、ポリ(エチレンテレフタレート)
、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、およびポリ(テトラメチレンテレフタレート)
からなる群から選択される少なくとも1つのポリマー、またはそのような部材の組み合わ
せとを含む。
【0040】
本発明によれば、弾性ポリマー組成物は、ポリマーコートされた延伸不織布またはポリ
マーコートされた延伸フィルムを含み得る。
【0041】
これらの弾性ポリマー組成物に有用な延伸不織布の例としては、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、ポリエチレンテレフタレート、およびそれらの組み合わせまたはブレンドが挙
げられるが、これらに限定されない。
【0042】
フィルムの例としては、単一溶液ポリウレタン、ポリウレタンの誘導体、ラテックスN
RL、シリコーン、および硬化される他の組成物が挙げられるが、これらに限定されない
。フィルムの厚さは、約0.5ミル~約5ミルの範囲である。
【0043】
弾性ポリマー組成物に有用なポリマーコーティングの例としては、ポリウレタン、ラテ
ックスまたはゴム溶液、およびスチレンブロックコポリマー、ならびにそれらの組み合わ
せまたはブレンドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
本発明の弾性ポリマー組成物は、約5~約2000%の伸び率を示す。非限定的な一実
施形態では、弾性ポリマー組成物がポリマーコートされた延伸不織布であるとき、それは
約5%~約200%の伸び率を示す。代替の非限定的な実施形態では、弾性ポリマー組成
物がポリマーコートされたフィルムであるとき、それは約400%~約2000%の伸び
率を示す。
【0045】
本発明の弾性ポリマー組成物は、延伸回復を提供するために吸収性布地に適用すること
ができる。先行技術におけるフィルムまたは布地積層体とは異なり、本発明の布地内では
、ポリマー組成物は、フィルムまたは連続的な平坦な表面を形成しない。分散液が使用さ
れるとき、分割されたポリマー粒子は、不連続的に配置され、別々に布地本体中に浸透し
、それによって不快な光沢および/またはゴム状の接触面を回避する。弾性ポリマー組成
物はまた、その組成物から製造されるいかなる製品の外側からも見えず、その製品は良好
な通気性を示す。
【0046】
弾性ポリマー組成物は、加熱/接着、拡散、塗布、はけ塗り、噴霧、キッシング、印刷
、浸漬、パディング、分配、計量、およびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定され
ない種々の方法によって分散することができる。これに続いて熱および/または圧力を加
えてもよい。
【0047】
非限定的な一実施形態では、弾性ポリマー組成物は、布地または剥離紙上に分散印刷さ
れる。分散液は、オーバーレイスクリーン印刷およびグラビア印刷を含む様々な印刷方法
によって印刷することができる。印刷デザインは、方向強度、支持、一方向延伸、二方向
延伸、延伸および回復、流体移動効率、または吸収度の向上などの所望の特質を製品に付
与するように設計することができる。
【0048】
基布自体は、これらに限定されないが、おむつ、女性用衛生製品、および失禁パッドな
どの使い捨てパーソナル用品の製造に使用される任意の吸収性布地であり得る。ポリウレ
タン尿素組成物を含めることは、吸収性布地に延伸回復の利点を付与する。それらは、こ
れらに限定されないが、おむつ、女性用衛生製品、および失禁パッド、拭き取り用品、授
乳用パッド、乳房用パッド、散布用パッド、マットレスパッド、創傷用パッドなどの種々
の異なる使い捨てパーソナル用品に使用することができる。
【0049】
延伸回復を伴う使い捨てパーソナルケア用品は、弾性ポリマー組成物を分割された粒子
形態で標的領域に適用することによって提供される。弾性ポリマー組成物は、使い捨てパ
ーソナルケア用品の調製前に吸収性布地に、使い捨てパーソナルケア用品に、または布地
および使い捨てパーソナルケア用品の両方に塗布してもよい。弾性ポリマー組成物の含有
量は、基布重量の約1%~約30%である。
【0050】
弾性ポリマー組成物中に任意に含まれ得る他の添加剤としては、酸化防止剤、UV安定
剤、着色剤、顔料、架橋剤、相変化物質(すなわち、Outlast Technolo
gies,Boulder,Coloradoから入手可能なOutlast(登録商標
))、抗菌剤、ミネラル(すなわち、銅)、マイクロカプセル化されたウェルビーイング
添加剤(すなわち、アロエベラ、ビタミンEゲル、アロエベラ、海藻、ニコチン、カフェ
イン、香気、または香り)、ナノ粒子(すなわち、シリカまたはカーボン)、炭酸カルシ
ウム、難燃剤、粘着防止添加剤、耐塩素分解添加剤、ビタミン、医薬品、香料、導電性添
加剤、および/または染料助剤(すなわち、E.I.DuPont de Nemour
s,Wilmington,Delawareから市販されているMethacrol(
登録商標)が挙げられるが、これらに限定されない。弾性ポリマー組成物に添加され得る
他の添加剤は、接着促進剤、帯電防止剤、抗クレーター剤、クロール防止剤、蛍光増白剤
、凝集剤、導電性添加剤、発光添加剤、流動およびレベリング剤、凍結融解安定剤、潤滑
剤、有機および無機充填剤、防腐剤、テクスチャリング剤、サーモクロミック添加剤、防
虫剤、ならびに湿潤剤を含む。そのような任意の添加剤は、プロセスが許す限り、弾性ポ
リマー組成物が分散される前、その最中、またはその後に弾性ポリマー組成物に添加され
てもよい。
【0051】
少なくとも1つの凝固剤を任意に使用して、布地または他の物品への分散液の浸透を制
御し得る。使用され得る凝固剤の例としては、硝酸カルシウム(硝酸カルシウム四水和物
を含む)、塩化カルシウム、硫酸アルミニウム(水和物)、酢酸マグネシウム、塩化亜鉛
(水和物)、および硝酸亜鉛が挙げられる。
【0052】
コーティング、分散液、または布地は、彩色されていても着色されていてもよく、その
点に関してデザイン要素として使用されてもよい。
【0053】
本発明の範囲内に入る弾性ポリマー組成物を使用して製造することができる使い捨てパ
ーソナル用品の例としては、おむつ、女性用衛生製品、失禁パッドなどが挙げられるが、
これらに限定されない。
【0054】
分析方法
以下の実施例では、以下の分析方法を使用した。
【0055】
布地の伸び率(延伸)
複合糸(すなわち、緯糸、経糸、または緯糸および経糸)の方向である布地延伸方向に
おいて、指定された負荷(すなわち、力)での伸び率%について布地を評価する。20c
m×6.5cmの寸法の3つの試料を布地から切り取った。長い寸法(25cm)は、延
伸方向に対応する。試料幅を5.0cmに減らすために試料を部分的に解く。次いで、試
料を20℃+/-2℃および65%の相対湿度、+/-2%で少なくとも16時間コンデ
ィショニングする。
【0056】
第1のベンチマークを試料端部から6.5cmで、各試料の幅全体にわたって作製した
。第2のベンチマークを第1のベンチマークから20.0cmで試料幅全体にわたって作
製した。第2のベンチマークから試料のもう一方の端部までの余分な布地を使用して、金
属ピンを挿入できるループを形成してステッチした。次いで、重りを金属ピンに取り付け
ることができるように、切欠きをループに切り込んだ。
【0057】
試料の非ループ端部をクランプし、布地試料を垂直に吊るした。17.8ニュートン(
N)の重り(4LB)を吊り下げ布地ループによって金属ピンに取り付け、それにより布
地試料をその重りで延伸させる。試料を重りで3秒間延伸させ、次いで、重りを持ち上げ
ることによって力を手動で軽減することによって試料を「運動させた」。このサイクルを
3回行った。次いで、重りを自由に吊るして、布地試料を延伸させた。2つのベンチマー
ク間のミリメートルでの距離を布地が負荷を受けている間に測定し、この距離をMLと表
示した。ベンチマーク間の元の距離(すなわち未延伸距離)をGLと表示した。以下のよ
うに計算された個々の試料ごとの布地の伸び率%:
【数1】
【0058】
3つの伸び率の結果を最終結果のために平均した。以下の節は、本発明の組成物のさら
なる例証を提供する。これらの実施例は、例証にすぎず、決して本発明の範囲を限定する
ことを意図するものではない。
【表1】
【実施例】
【0059】
不織布は、「スパンボンド布地」スパンレース不織布、エアレイド不織布ウェブおよび
材料、ウェットレイド不織布、ならびにメルトスパン繊維含有布地および材料を含む商業
的に入手可能な材料であり、大部分がポリエステル(PETもしくはPBTなど)、ポリ
オレフィン(PPおよびPEを含む)、PP/PE二成分繊維、または20gsm~20
0gsmの範囲の坪量を有するPET/PP二成分繊維からなる。坪量(Z)は、不織布
の重量(Xグラム)を単位面積(Ysm(平方メートル))で割ることによって決定され
る。Z=X/Y[Zgsm]
【0060】
延伸不織布材料は、不織布をポリウレタン分散液(PUD)でコーティングし、強制空
気または周囲環境で乾燥し、高温(100℃~200℃)および滞留時間(5秒~45秒
)で硬化させて弾性特性を不織布に付与することによって達成される。溶液コーティング
にはいくつかの技術が利用可能であるが、本発明にとっては、スクリーン印刷、キスコー
ティング、輪転グラビアコーティング、オフセット印刷が好ましい様式である。スクリー
ンパターンを用いることにより、選択的印刷を可能にし、それによりコートされた不織布
に表面パターンを付与する。例えば、開口領域および閉鎖領域があるスクリーンデザイン
を選ぶことができる。PUDコーティングは、不織布をコートするためにスクリーンの開
口領域を通って移動し、選択的コーティングまたはパターンコーティングをもたらす。
【0061】
実施例1:実験室レベルでの延伸不織布の調製および試験
1.伸張性不織布、好ましくは横方向の伸張性を幅8インチおよび長さ11インチのサ
イズにダイカットする。
2.グラム単位で不織布試験片の重量を決定する[A]
3.平方メートルで面積を決定する[B]
4.乾燥した不織布の上にスクリーン(全て開口スクリーンまたは選択的スクリーン)
を配置する
5.スクリーンにPUDを注ぎ、スクリーン印刷ブレードを使用してスクリーン開口部
を介して不織布上にPUDを印刷する。
6.湿式コートされた不織布を強制空気または周囲環境で乾燥させる
7.乾燥した不織布を熱および滞留時間で硬化させる
8.硬化した不織布試験片の重量をグラム単位で決定する[C]
コーティング前の不織布の坪量=A/B
(延伸不織布)コートされた不織布または硬化不織布の坪量=C/B
【0062】
伝統的なインストロン引張方法論を使用して、延伸不織布の伸び率を5~200%の範
囲になるように決定した。延伸回復は、100%~50%可能である。したがって、設定
範囲は、0~50%である。0%設定は、100%回復を意味し、50%設定は、50%
回復を意味する。
【0063】
この延伸織物試料の透湿度(MVTR)は、24時間にわたって100~4000g/
m2の範囲であった。
【0064】
実施例2:延伸フィルムの調製および試験
ポリウレタン溶液でコートされたフィルム(PUD)を以下のように調製した[フィル
ムを製造するために使用される工程を提供してください。フィルムの厚さは、0.5ミル
~5ミルの範囲であり得る。
【0065】
延伸フィルムの伸び率は、400~2000%になるように決定した。この延伸フィル
ム試料の透湿度(MVTR)は、24時間にわたって50~2600g/m2の範囲であ
った。
【0066】
実施例3:通気性延伸フィルムのMVTR
ASTM E96としてのMVTR透湿度の決定に使用される分析方法。
【表2】