(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】不織布水溶性複合材料構造
(51)【国際特許分類】
D04H 1/4374 20120101AFI20240701BHJP
B32B 5/26 20060101ALI20240701BHJP
D04H 1/4309 20120101ALI20240701BHJP
D04H 5/06 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
D04H1/4374
B32B5/26
D04H1/4309
D04H5/06
(21)【出願番号】P 2022518730
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 US2020053599
(87)【国際公開番号】W WO2021067474
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-05-20
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508122415
【氏名又は名称】モノソル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ブライドウェル, ヴィクトリア
(72)【発明者】
【氏名】ソアーヴェ, カルロ
(72)【発明者】
【氏名】ナイト, ジョナサン
【審査官】中西 聡
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/115590(WO,A1)
【文献】特開平11-138700(JP,A)
【文献】特開平11-140776(JP,A)
【文献】特開平11-140765(JP,A)
【文献】特開2009-263818(JP,A)
【文献】特開2011-202121(JP,A)
【文献】特開2004-161823(JP,A)
【文献】特開2016-204555(JP,A)
【文献】特開2018-157943(JP,A)
【文献】国際公開第2014/024805(WO,A1)
【文献】特表2017-533349(JP,A)
【文献】特表2018-507328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H、A61F、B32B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の直径を有する第1の複数の繊維を含む第1の不織布ウェブを含む第1の層と;
第2の直径を有する第2の複数の繊維を含む第2の不織布ウェブを含む第2の層と;
前記第1の不織布ウェブの少なくとも一部および前記第2の不織布ウェブの少なくとも一部を含む第1の境界面であって、前記第1の不織布ウェブの前記一部および前記第2の不織布ウェブの前記一部が融合している、第1の境界面と
を含む不織布複合物品であって、
前記第2の直径が、前記第1の直径よりも小さく、前記第1の複数の繊維、前記第2の複数の繊維またはその両方が、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含み、
前記第1の境界面が、溶媒融合しており、前記溶媒が、水、エタノール、メタノール、DMSOおよびグリセリンの群から選択される1つまたは複数を含む、不織布複合物品。
【請求項2】
前記第1の不織布ウェブの多孔度および前記第2の不織布ウェブの多孔度が異なる、請求項1に記載の不織布複合物品。
【請求項3】
前記物品が、第3の複数の繊維を含む第3の不織布ウェブの第3の層をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の不織布複合物品。
【請求項4】
前記第2の層が、前記第1の層と前記第3の層との間に設けられており、前記第2の不織布ウェブの少なくとも第2の部分および前記第3の不織布ウェブの少なくとも一部が、融合しており、第2の境界面を形成している、請求項3に記載の不織布複合物品。
【請求項5】
前記第3の不織布ウェブが、孔を含み、前記第3の不織布ウェブの前記孔が、前記第2の不織布ウェブの孔および前記第1の不織布ウェブの孔とは異なるサイズを有する、請求項3または請求項4に記載の不織布複合物品。
【請求項6】
前記第1の不織布ウェブの前記孔が、前記第2の不織布ウェブの前記孔よりも大きく、前記第2の不織布ウェブの前記孔が、前記第3の不織布ウェブの前記孔よりも大きい、請求項5に記載の不織布複合物品。
【請求項7】
前記第2の境界面を形成する前記第2の不織布ウェブの前記一部および前記第3の不織布ウェブの前記一部が、溶媒融合している、請求項3に直接または間接的に従属する場合の請求項4から6のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項8】
前記第1の複数の繊維が、前記水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項9】
前記第2の複数の繊維が、前記水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項10】
前記第3の複数の繊維が、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む、
請求項4から9が請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項3から9のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項11】
前記水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料が、ポリビニルアルコールホモポリマーおよびポリビニルアルコールコポリマーの群から選択される1つまたは複数を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項12】
前記ポリビニルアルコールコポリマーが、アニオン変性ポリビニルアルコールを含む、請求項11に記載の不織布複合物品。
【請求項13】
前記アニオン変性ポリビニルアルコールが、(アルキル)アクリレート変性ポリビニルアルコール、マレエート変性ポリビニルアルコールおよびスルホネート変性ポリビニルアルコールの群から選択される1つまたは複数を含む、請求項12に記載の不織布複合物品。
【請求項14】
前記第1の複数の繊維が、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、水溶性デンプン、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステルおよびセルロースアミドの群から選択される1つまたは複数の水溶性繊維形成材料を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項15】
前記第2の複数の繊維が、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、水溶性デンプン、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステルおよびセルロースアミドの群から選択される1つまたは複数の水溶性繊維形成材料を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項16】
前記第3の複数の繊維が、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、水溶性デンプン、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステルおよびセルロースアミドの群から選択される1つまたは複数の水溶性繊維形成材料を含む、
請求項4から15が請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項3から15のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項17】
前記第1の複数の繊維が、非水溶性繊維形成材料を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項18】
前記第2の複数の繊維が、非水溶性繊維形成材料を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項19】
前記第3の複数の繊維が、非水溶性繊維形成材料を含む、
請求項4から9が請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項3から9のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項20】
前記非水溶性繊維形成材料が、綿、大麻、ジュート、亜麻、ラミー、サイザル麻、バガス、芭蕉繊維、シロマツ、絹、シニュー、カットグット、毛、シーシルク、モヘア、アンゴラ、カシミア、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹繊維、モーダル、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、弾性ポリプロピレンおよびビスコースの群から選択される1つまたは複数を含む、請求項17から19のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項21】
前記第1の複数の繊維が、繊維形成材料のブレンドを含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項22】
前記第2の複数の繊維が、繊維形成材料のブレンドを含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項23】
前記第3の複数の繊維が、繊維形成材料のブレンドを含む、
請求項4から22が請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項3から22のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項24】
前記第1の複数の繊維
および前記第2の複数の繊
維のうちの1つまたは複数が、天然繊維形成材料、植物ベースの繊維形成材料、バイオベースの繊維形成材料、生分解性繊維形成材料および堆肥化可能な繊維形成材料の群から選択される1つまたは複数の繊維形成材料を含む、請求項1
または2に記載の不織布複合物品。
【請求項25】
前記第1の複数の繊維、前記第2の複数の繊維および前記第3の複数の繊維のうちの1つまたは複数が、天然繊維形成材料、植物ベースの繊維形成材料、バイオベースの繊維形成材料、生分解性繊維形成材料および堆肥化可能な繊維形成材料の群から選択される1つまたは複数の繊維形成材料を含む、請求項4から23が請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項3から23のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項26】
前記第1の不織布ウェブが、0.5~1.5の範囲の靭性比(機械方向:交差方向(MD:CD))を有する、請求項1~2
5のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項27】
前記第2の不織布ウェブが、0.75~1.5の範囲の靭性比(MD:CD)を有する、請求項1~2
6のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項28】
前記第3の不織布ウェブが、0.75~1.5の範囲の靭性比(MD:CD)を有する、
請求項4から27が請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項3から2
7のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項29】
前記第1の複数の繊維
および第2の複数の繊
維のうちの1つまたは複数が、二成分繊維を含む、請求項1
または2に記載の不織布複合物品。
【請求項30】
前記第1の複数の繊維、第2の複数の繊維および第3の複数の繊維のうちの1つまたは複数が、二成分繊維を含む、請求項4から28が請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項3~28のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項31】
前記二成分繊維が、繊維形成材料のシースによって囲まれる繊維形成材料のコアを含み、前記シース繊維形成材料が、前記コア繊維形成材料よりも高い水への溶解度を有する、請求項
30に記載の不織布複合物品。
【請求項32】
前記第1の複数の繊維
および第2の複数の繊
維のうちの1つまたは複数が、可塑剤および界面活性剤の一方または両方をさらに含む、請求項1
または2に記載の不織布複合物品。
【請求項33】
前記第1の複数の繊維、第2の複数の繊維および第3の複数の繊維のうちの1つまたは複数が、可塑剤および界面活性剤の一方または両方をさらに含む、請求項4から31が請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項3から31のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項34】
前記不織布複合
物品が、活性剤および吸収材料の一方または両方をさらに含む、請求項1~3
3のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項35】
前記第1の複数の繊維、第2の複数の繊維および第3の複数の繊維のうちの1つまたは複数が、前記活性剤および前記吸収材料の一方または両方を含む、
請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項3
4に記載の不織布複合物品。
【請求項36】
前記活性剤が、酵素、油、香料、着色料、臭気吸収剤、芳香剤、殺虫剤、肥料、酸化剤、活性化剤、酸触媒、金属触媒、イオン捕捉剤、洗剤、殺菌剤、界面活性剤、漂白剤、漂白成分および布柔軟剤の群から選択される1つまたは複数を含む、請求項3
4または請求項3
5に記載の不織布複合物品。
【請求項37】
前記
芳香剤が、カプセル化
香水である、請求項3
6に記載の不織布複合
物品。
【請求項38】
前記第1の層がカーディング層を含み、前記第2の層がメルトスパン層を含む、請求項1~3
7のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項39】
前記第3の層が、カーディング層を含む、
請求項4から38が請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項3から3
8のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項40】
前記第1の層がカーディング層を含み、前記第2の層が、セルロース繊維を含むエアレイド層を含む、請求項1から3
7のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項41】
前記第3の層が、メルトスパン層を含む、
請求項4から37または40が請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項3から3
7または
40のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項42】
前記第1の層が、30g/m
2~70g/m
2の坪量を有する、請求項
40または
41に記載の不織布複合物品。
【請求項43】
前記複合物品が、5g/m
2~150g/m
2の坪量を有する、請求項1から
41のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項44】
前記第1の層が、5g/m
2~15g/m
2の坪量を有する、請求項4
3に記載の不織布複合物品。
【請求項45】
前記第3の層が、5g/m
2~15g/m
2の坪量を有する、
請求項4から44が請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項3から4
4のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項46】
前記第2の層が、前記複合物品の総重量に基づいて、2.5wt.%~10wt.%で前記複合物品に含まれる、請求項1から4
5のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項47】
前記第3の層が、前記複合物品の総重量に基づいて、2.5wt.%~10wt.%で前記複合物品に含まれる、
請求項4から46が請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項3から4
6のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項48】
前記第1の複数の繊維が、10ミクロン~300ミクロンの直径を有する、請求項1~4
7のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項49】
前記第1の複数の繊維が、50ミクロン~300ミクロンの直径を有する、請求項4
8に記載の不織布複合物品。
【請求項50】
前記第1の複数の繊維が、100ミクロン超~300ミクロンの直径を有する、請求項4
8に記載の不織布複合物品。
【請求項51】
前記第1の複数の繊維の繊維直径が、実質的に均一である、請求項1から
50のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項52】
前記第1の複数の繊維、第2の複数の繊維
、またはその組合せが、3cN/dtex~10cN/dtexの靭性を有する、請求項1
または2に記載の不織布複合物品。
【請求項53】
前記第1の複数の繊維、第2の複数の繊維、第3の複数の繊維またはその組合せが、3cN/dtex~10cN/dtexの靭性を有する、請求項4から51が請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項3から51のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項54】
前記第1の複数の繊維、第2の複数の繊維、第3の複数の繊維またはその組合せが、7cN/dtex~10cN/dtexの靭性を有する、
請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項
53に記載の不織布複合物品。
【請求項55】
前記不織布複合物品が、前記第1の層のみを含む物品と比べて、前記機械方向、交差方向またはその両方において、改善された弾性率、引張強度、伸び、靭性またはその組合せを有する、請求項1から5
4のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
【請求項56】
前記不織布複合物品が、前記第1の層のみを含む物品と比べて、前記機械方向および交差方向の両方において、改善された弾性率、引張強度、伸び、靭性またはその組合せを有する、請求項5
5に記載の不織布複合物品。
【請求項57】
請求項1から5
6のいずれか一項に記載の不織布複合物品を含む水に流せるウェットワイプ。
【請求項58】
軟化剤および乳化剤を含む水性エマルジョンを含む清浄ローションをさらに含む、請求項5
7に記載の水に流せるウェットワイプ。
【請求項59】
前記清浄ローションが、芳香剤、保存剤、酵素、着色料、油吸収剤、殺虫剤、イオン捕捉剤、洗剤および殺菌剤の群から選択される1つまたは複数を含む、請求項5
8に記載の水に流せるウェットワイプ。
【請求項60】
水に流せるウェットワイプにおける請求項1から5
6のいずれか一項に記載の不織布複合物品の使用。
【請求項61】
着用可能吸収物品における請求項1から5
6のいずれか一項に記載の不織布複合物品の使用。
【請求項62】
請求項1から5
6のいずれか一項に記載の不織布複合物品を形成する方法であって、前記方法が、
前記第1の不織布ウェブの少なくとも前記一部を前記第2の不織布ウェブの前記一部に融合するのに十分な条件下で、前記第1の不織布ウェブを含む前記第1の層上に、前記第2の不織布ウェブを含む前記第2の層を堆積させ、それによって第1の境界面を形成するステップを含む、方法。
【請求項63】
前記第2の不織布ウェブの少なくとも前記第2の部分を前記第3の不織布ウェブの少なくとも前記一部に融合するのに十分な条件下で、前記第2の不織布ウェブを含む前記第2の層上に、前記第3の不織布ウェブを含む前記第3の層を堆積させ、それによって第2の境界面を形成するステップをさらに含む、
請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項
62に記載の方法。
【請求項64】
前記第1の不織布ウェブの少なくとも前記一部および前記第2の不織布ウェブの前記一部、前記第2の不織布ウェブの少なくとも前記第2の部分および前記第3の不織布ウェブの前記一部、またはその両方が、溶媒融合している、
請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項
62または請求項
63に記載の方法。
【請求項65】
溶媒融合が、前記第2の不織布ウェブを前記第1の不織布ウェブ上に堆積させる前に、前記第1の不織布ウェブの前記一部、前記第2の不織布ウェブの前記一部またはその両方に、溶媒を適用することを含む、請求項6
4に記載の方法。
【請求項66】
溶媒融合が、前記第3の不織布ウェブを前記第2の不織布ウェブ上に堆積させる前に、前記第2の不織布ウェブの前記第2の部分、前記第3の不織布ウェブの前記一部またはその両方に、溶媒を適用することを含む、
請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項6
4に記載の方法。
【請求項67】
溶媒融合が、前記第2の不織布ウェブを堆積させる前に、前記第1の不織布ウェブの前記一部に溶媒を適用することを含む、請求項6
5に記載の方法。
【請求項68】
溶媒融合が、前記第3の不織布ウェブを堆積させる前に、前記第2の不織布ウェブの前記第2の部分に溶媒を適用することを含む、
請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項6
6に記載の方法。
【請求項69】
前記第1の不織布ウェブの前記一部、前記第2の不織布ウェブの前記第2の部分またはその両方が、前記溶媒に少なくとも部分的に可溶である、請求項6
5から6
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記溶媒が、水、エタノール、メタノール、DMSOおよびグリセリンの群から選択される1つまたは複数を含む、請求項6
8から6
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記第1の層が、カーディング不織布ウェブを含む、請求項
62から
70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記第3の層が、カーディング不織布ウェブを含む、
請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項
63から
71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記第2の層が、メルトスパン不織布ウェブを含む、請求項
62から
72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記第3の層が、メルトスパン不織布ウェブを含む、
請求項3に直接的にまたは間接的に従属する場合の請求項
63から
71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記第2の層が、セルロース繊維形成材料を含む不織布ウェブを含む、請求項7
4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2019年9月30日に出願された米国特許仮出願第62/908,310号の利益を主張し、この米国特許仮出願の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本開示は、一般に、不織布複合材料構造、水に流せるワイプ、および吸収物品に関する。より詳細には、本開示は、ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む水溶性繊維を含む不織布ウェブの複合材料に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
不織布ウェブは、伝統的に、おむつ構成物、女性のケアおよび成人の失禁などのパーソナルケア製品を含む多くの1回使い切り消費者製品、ならびに工業用途、医療用途、清浄用途およびパーソナル/ベビーケアなどにおける1回使い切りワイプに使用される。そのような製品に使用される伝統的な化学物質、例えば、ビスコース、ポリプロピレンまたは綿繊維は、一般に、非持続性であり、非生分解性であり、マイクロプラスチックの潜在的原因因子であり、多くの場合、トイレに流され、廃水処理および下水施設に入ることなどによって不正確に廃棄される。公知のワイプは、ごみ入れに入れて廃棄されなくてはならず、これは、使用者にとって衛生的でも便利でもない場合がある。これらの物品の不適切な廃棄の結果、家の配管が詰まり、住宅および都市廃水システムにおいて、「ファットバーグ」、または固まったグリースおよび調理用脂および使い捨てワイプで構成される生分解性および非生分解性材料の固まった塊の凝集物が形成され、海洋マイクロプラスチックの原因となり得、消費者行動の変化が必要とされ得る。
【0004】
したがって、より生分解性であり、マイクロプラスチックの原因とならず、水溶性でさえある化学物質を使用して、1回使い切り消費者製品に適用される応力(例えば、ワイプによる摩擦、またはおむつを着用している間の子供の動き)に耐えるのに好適な機械特性を有し、例えば、ワイプへのローションの充填および/または液体取得層中の液体の保持のための流体リザーバを有する不織布構造を提供することが有利であると考えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本開示の一態様は、第1の直径を有する第1の複数の繊維を含む第1の不織布ウェブの第1の層と、第2の直径を有する第2の複数の繊維を含む第2の不織布ウェブの第2の層と、第1の不織布ウェブの少なくとも一部および第2の不織布ウェブの少なくとも一部を含む第1の境界面であって、第1の不織布ウェブの一部および第2の不織布ウェブの一部が融合している、第1の境界面とを有する不織布複合物品であって、第2の直径が第1の直径よりも小さく、第1の複数の繊維、第2の複数の繊維またはその両方が、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む、不織布複合物品を提供する。
【0006】
本開示の別の態様は、着用者側面および外側面を有する吸収コア、ならびに液体取得層を含む着用可能吸収物品であって、液体取得層が、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む複数の繊維を含む不織布ウェブを含む、着用可能吸収物品を提供する。
【0007】
本開示の別の態様は、液体透過性トップシート、液体不透過性バックシート、吸収コアおよび水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む複数の繊維を含む不織布ウェブを含む液体取得層を含む吸収物品を提供する。
【0008】
本開示の別の態様は、本開示の不織布複合物品を含む水に流せるウェットワイプを提供する。
【0009】
本開示の別の態様は、水に流せるウェットワイプにおける本開示の複合物品の使用を提供する。
【0010】
本開示の別の態様は、着用可能吸収物品における本開示の複合物品の使用を提供する。
【0011】
本開示の別の態様は、本開示の複合物品を形成する方法であって、第1の不織布ウェブの少なくとも一部を第2の不織布ウェブの一部に融合するのに十分な条件下で、第1の不織布ウェブを含む第1の層上に第2の不織布ウェブを含む第2の層を堆積させ、それによって第1の境界面を形成するステップを含む方法を提供する。
【0012】
本開示の別の態様は、液体含有不織布物品であって、第1のポリビニルアルコール繊維形成材料を含む第1の複数の繊維を含むコア不織布ウェブであって、前記コア不織布ウェブが液体を含み、前記液体が活性剤を含む、コア不織布ウェブ、および第2のポリビニルアルコール繊維形成材料を含む第2の複数の繊維を含む外側不織布ウェブを含み、コア不織布ウェブが外側不織布ウェブに封入されている、液体含有不織布物品を提供する。
【0013】
本開示の別の態様は、本開示の液体含有不織布物品を形成する方法であって、コア不織布ウェブを、活性剤を含む液体と接触させるステップ、コア不織布ウェブを外側不織布ウェブで覆うステップ、および外側不織布ウェブを封止して、コア不織布ウェブを封入するステップを含む方法を提供する。
【0014】
本明細書に記載の組成物について、これらに限定されないが、構成成分およびその組成範囲、繊維形成材料、繊維直径範囲、複数層構築物、繊維幾何形状ならびに/または機械特性を含む必要に応じた特徴は、本明細書に提供される様々な態様および実施形態から選択されることが企図される。
【0015】
さらなる態様および利点は、以下の詳細な説明の検討から、当業者に明らかになる。本開示の複合材料構造、水に流せるワイプおよび吸収物品は、様々な形態の実施形態が可能である一方、本明細書の以下の記載は、本開示が例示であることの理解とともに特定の実施形態を含み、本開示を本明細書に記載の特定の実施形態に限定することを意図されていない。
【0016】
本開示の理解をさらに促進するために、3つの図を本明細書に添付する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、様々な繊維形状の断面を示し、線は繊維の直径を示す。
【0018】
【
図2】
図2は、不織布ウェブの図であり、ウェブの外面を100および101として示す。
【0019】
【
図3】
図3は、第1の不織布ウェブ201が第2の不織布ウェブ202と重なる境界面200を示す。
【0020】
【
図4A】
図4Aは、不織布ウェブの図であり、機械方向を301とし、横方向を300として示し、機械方向301の不織布ウェブと同じ長さを有する第2の不織布ウェブ302を含む。
【0021】
【
図4B】
図4Bは、不織布ウェブを機械方向301に沿って第2の不織布ウェブ302の周りで包む図である。
【0022】
【
図5A】
図5Aは、機械方向に沿って、および横方向端部304に沿って複数の位置に封止303を有する第2の不織布ウェブ(図示せず)の周りを包み、これを封入する不織布ウェブの図である。
【0023】
【
図5B】
図5Bは、フランジ307を有する単位量306を形成するように切断305された、機械方向に沿って複数の位置に封止303を有する第2の不織布ウェブ(図示せず)の周りを包み、これを封入する不織布ウェブの図である。
【0024】
【
図6】
図6は、不織布ウェブを折り畳む一方法の図である。
【0025】
【
図7】
図7は、不織布ウェブを折り畳む一方法の図である。
【0026】
【
図8】
図8は、水平吸水試験の構成の様々な視点を示す。
【0027】
【
図9A】
図9Aは、ウェブ中のポリビニルアルコール繊維形成材料の平均加水分解度の関数としての本開示のウェブについてのWashburn勾配のプロットである。
【0028】
【
図9B】
図9Bは、ウェブ中のポリビニルアルコール繊維形成材料の平均加水分解度の関数としての本開示の不織布ウェブの吸水速度のプロットである。
【0029】
【
図9C】
図9Cは、ウェブ中のポリビニルアルコール繊維形成材料の平均加水分解度の関数としての本開示の不織布ウェブの吸収率のプロットである。
【0030】
【
図10】
図10は、ウェブ中のポリビニルアルコール繊維形成材料の平均加水分解度の関数としての本開示の不織布ウェブの液体吸収能の間隔のプロットである。
【0031】
【
図11A】
図11Aは、多層物品中のポリビニルアルコール繊維形成材料の平均加水分解度の関数としての本開示の不織布ウェブについてのWashburn勾配のプロットである。
【0032】
【
図11B】
図11Bは、多層物品中のポリビニルアルコール繊維形成材料の平均加水分解度の関数としての本開示の不織布ウェブの吸水速度のプロットである。
【0033】
【
図11C】
図11Cは、多層物品中のポリビニルアルコール繊維形成材料の平均加水分解度の関数としての本開示の不織布ウェブの吸収率のプロットである。
【0034】
【
図12】
図12は、多層物品中のポリビニルアルコール繊維形成材料の平均加水分解度の関数としての本開示の不織布ウェブの液体吸収能の間隔のプロットである。
【0035】
【
図13A】
図13Aは、多層物品中のポリビニルアルコール繊維形成材料の平均加水分解度の関数としての本開示の不織布ウェブについてのWashburn勾配のプロットである。
【0036】
【
図13B】
図13Bは、多層物品中のポリビニルアルコール繊維形成材料の平均加水分解度の関数としての本開示の不織布ウェブの吸水速度のプロットである。
【0037】
【
図13C】
図13Cは、多層物品中のポリビニルアルコール繊維形成材料の平均加水分解度の関数としての本開示の不織布ウェブの吸収率のプロットである。
【0038】
【
図14】
図14は、多層物品中のポリビニルアルコール繊維形成材料の平均加水分解度の関数としての本開示の不織布ウェブの液体吸収能の間隔のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
詳細な説明
本開示は、不織布複合物品、水に流せるワイプ、吸収物品、液体含有不織布物品、ならびにこれを作製および使用する方法を提供する。本開示の不織布複合物品は、第1の直径を有する第1の複数の繊維を含む第1の不織布ウェブを含む第1の層と、第2の直径を有する第2の複数の繊維を含む第2の不織布ウェブを含む第2の層と、第1の不織布ウェブの少なくとも一部および第2の不織布ウェブの少なくとも一部を含む第1の境界面であって、第1の不織布ウェブの一部および第2の不織布ウェブの一部が融合している、第1の境界面とを含み、第2の直径が第1の直径よりも小さく、第1の複数の繊維、第2の複数の繊維またはその両方が、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む。
【0040】
本開示の不織布複合物品は、これらに限定されないが、単一層不織布物品と比べて改善された液体取得、単一層不織布物品と比べて改善されたローション充填量および保持、伝統的な不織布物品と比べて改善された生分解性、伝統的な不織布物品と比べて改善されたフラッシング性、伝統的な不織布物品と比べて改善された柔らかさ、同一の水溶性繊維を含む単一層カーディング不織布と比べて改善された機械特性(例えば、弾性率、引張強度、伸び、靭性および/もしくは破壊強度)、ならびに/または伝統的な不織布物品と比べて改善された分散および溶解を含む1つまたは複数の利点を提供し得る。本開示の水に流せるワイプは、これらに限定されないが、伝統的なワイプと比べて改善されたローション充填量および保持、伝統的なワイプと比べて改善された液体取得、伝統的なワイプと比べて改善された柔らかさ、伝統的なワイプと比べて改善されたフラッシング性、ならびに/または伝統的なワイプと比べて改善された生分解性、分散および/もしくは溶解を含む1つまたは複数の利点を提供し得る。本開示の吸収物品は、これらに限定されないが、吸収物品の伝統的な液体取得層と比べて改善された液体取得、吸収物品の伝統的な液体取得層と比べて改善された液体保持、伝統的な液体取得層と比べて改善された柔らかさ、ならびに/または伝統的なワイプと比べて改善された生分解性、分散および/もしくは溶解を含む1つまたは複数の利点を提供し得る。
【0041】
本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、「不織布ウェブ」という用語とは、配置構成(例えば、カーディング法によって)され、互いに結合した繊維を含む、それらからなるまたはそれらから本質的になるウェブまたはシートをいう。さらに、本明細書で使用される場合、「不織布ウェブ」は、例えば、その表面にラミネートされたフィルムを有する不織布ウェブまたはシートを含む不織布ウェブまたはシートを含む任意の構造を含む。繊維から不織布ウェブを調製する方法は、当技術分野で周知であり、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるNonwoven Fabrics Handbook, prepared by Ian Butler, edited by Subhash Batra et al., Printing by Design, 1999に記載されている。本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、「フィルム」という用語とは、例えば、キャスティングまたは押出法によって調製された連続フィルムまたはシートをいう。
【0042】
本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、「水溶性」という用語とは、本明細書で示される通りMSTM-205に従って決定して、特定の温度において300秒またはそれ未満の溶解時間を有する任意の繊維、不織布ウェブ、不織布複合物品またはフィルムをいう。例えば、溶解時間は、必要に応じて、約80℃、約70℃、約60℃、約50℃、約40℃、約20℃、または約10℃の温度で、200秒もしくはそれ未満、100秒もしくはそれ未満、60秒もしくはそれ未満、または30秒もしくはそれ未満であり得る。溶解温度が指定されていない実施形態では、水溶性繊維、不織布ウェブまたは不織布複合物品は、約80℃以下の温度で300秒またはそれ未満の溶解時間を有する。本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、「冷水溶性」という用語とは、MSTM-205に従って決定して、10℃で300秒またはそれ未満の溶解時間を有する任意の繊維、不織布ウェブまたは不織布複合物品をいう。例えば、溶解時間は、必要に応じて、10℃で200秒もしくはそれ未満、100秒もしくはそれ未満、60秒もしくはそれ未満、または30秒であり得る。実施形態では、「水溶性フィルム」は1.5milの厚さにおいて、フィルムが、80℃以下の温度で300秒またはそれ未満で溶解することを意味する。例えば、1.5mil(約38μm)厚の水溶性フィルムは、約70℃、約60℃、約50℃、約40℃、約30℃、約20℃、または約10℃の温度で、300秒もしくはそれ未満、200秒もしくはそれ未満、100秒もしくはそれ未満、60秒もしくはそれ未満、30秒もしくはそれ未満、または20秒もしくはそれ未満の溶解時間を有し得る。
【0043】
「含む」は、本明細書で使用される場合、様々な構成成分、成分またはステップが、本開示を実施するのに合同して用いることができることを意味する。したがって、「含む」という用語は、より限定的な用語「から本質的になる」および「からなる」を包含する。本組成物は、本明細書に開示の必要なおよび必要に応じた要素のうちの任意のものを含む、それらから本質的になる、またはそれらからなり得る。本明細書に例示的に開示される本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素またはステップの非存在下で好適に実施されてもよい。
【0044】
本明細書で言及されるすべてのパーセンテージ、部および比は、場合により、本開示の繊維、不織布ウェブ、不織布複合物品、水に流せるワイプまたは吸収物品の総乾燥重量に基づき、すべての測定は、別に指定されない限り、約25℃で行われる。それらが列挙された成分に属する場合、すべてのそのような重量は、活性レベルに基づき、したがって、別に指定されない限り、市販材料に含まれ得る担体または副生成物を含まない。
【0045】
本明細書で示されるすべての範囲は、範囲のすべての可能な部分集合およびそのような部分集合範囲の任意の組合せを含む。既定では、別に述べられない限り、範囲は述べられた端点を含む。値の範囲が提示される場合、その範囲の上限と下限との間に介在する各値、およびその述べられた範囲の任意の他の述べられたまたは介在する値は、本開示内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、より小さい範囲に独立して含まれてもよく、また、述べられた範囲の任意の特に除外された限界を条件に、本開示内に包含される。述べられた範囲が、一方または両方の限界を含む場合、含まれる限界のいずれかまたは両方を除く範囲もまた、本開示の一部であることが企図される。
【0046】
例えば、記載の主題のパラメーターまたは記載の主題と関連する範囲の一部として本明細書に記載の任意の数値について、記載の一部を形成する代替案は、特定の数値を囲む機能的に等価な範囲である(例えば、「40mm」と開示される寸法について、企図される代替の実施形態は、「約40mm」である)ことが明らかに企図される。同様に、「約」によって記載される値は、代替の実施形態として、特定の値自体を明らかに含む(例えば、「約40」と記載される端点について、企図される代替の実施形態は、「40」である)。
【0047】
本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、「wt.%」および「wt%」という用語は、繊維、不織布ウェブ、不織布複合物品、水に流せるワイプまたは吸収物品全体の「乾燥」(非水)重量部の特定の要素の組成をいうことが意図される。
【0048】
本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、「PHR」(「phr」)という用語は、水溶性繊維、不織布ウェブ、不織布複合物品、水に流せるワイプまたは吸収物品中のポリマー樹脂100部当たりの部または繊維形成材料(PVOHまたは他のポリマー樹脂のいずれであれ)100部当たりの部の特定の要素の組成をいうことが意図される。
【0049】
繊維形成材料
【0050】
一般に、本開示の繊維は、単一の繊維形成材料または繊維形成材料の組合せ(すなわち、ブレンド)を含み得る。単一の繊維は、1つもしくは複数の水溶性繊維形成材料、1つもしくは複数の非水溶性繊維形成材料、または水溶性および非水溶性繊維形成材料の組合せを含み得る。本開示の繊維は、一般に、合成繊維形成材料、天然繊維形成材料、植物ベースの繊維形成材料、バイオベースの繊維形成材料、生分解性繊維形成材料、堆肥化可能な繊維形成材料、またはその組合せを含み得る。植物ベースの繊維形成材料は、天然に存在し得(例えば、綿)、または再構成され得る(例えば、竹)。
【0051】
水溶性繊維形成材料
【0052】
一般に、水溶性繊維形成材料は、水溶性ポリマーであり得る。水溶性ポリマーは、これらに限定されないが、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、水溶性アクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、プルラン、これらに限定されないが、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナンおよび水溶性デンプンを含む水溶性天然ポリマー、これらに限定されないが、変性デンプン、エトキシル化デンプンおよびヒドロキシプロピル化デンプンを含む水溶性ポリマー誘導体、前述のもののコポリマーおよび前述のもののうち任意のものの組合せを含み得る。なお他の水溶性ポリマーは、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸およびその塩、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸およびその塩、ポリアミノ酸、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートおよび前述のもののうち任意のものの組合せを含み得る。そのような水溶性ポリマーは、PVOHまたはそれ例外のいずれであれ、種々の供給源から市販されている。
【0053】
実施形態では、水溶性繊維形成材料は、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、水溶性デンプン、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミドまたはその組合せを含む。実施形態では、水溶性繊維形成材料は、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、水溶性デンプン、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミドまたはその組合せを含む。
【0054】
ポリビニルアルコールは、一般に、ポリビニルアセテートの、通常、加水分解または鹸化と呼ばれる加アルコール分解によって調製された合成ポリマーである。事実上すべてのアセテート基がアルコール基に変換された完全加水分解PVOHは、強く水素結合した、高度に結晶性のポリマーであり、約140°F(約60℃)を超える熱水にのみ溶解する。ポリビニルアセテートの加水分解後、十分な数のアセテート基が残留することが可能である場合、つまり、PVOHポリマーが部分的に加水分解された場合、ポリマーは、より弱く水素結合し、結晶性が低く、一般に、約50°F(約10℃)未満の冷水に可溶である。そのため、部分的に加水分解されたポリマーは、PVOHコポリマーであるビニルアルコール-酢酸ビニルコポリマーであるが、一般に、PVOHと呼ばれる。
【0055】
一部の実施形態では、ポリビニルアルコールは、変性ポリビニルアルコール、例えば、コポリマーを含む。変性ポリビニルアルコールは、酢酸ビニル/ビニルアルコール基に加えて1種または複数種のモノマーを含むコポリマーまたは高次ポリマー(例えば、ter-ポリマー)を含み得る。必要に応じて、変性は、例えば、エチレン、プロピレン、N-ビニルピロリドンまたは他の非電荷モノマー種によってもたらされた中性である。必要に応じて、変性は、例えば、正電荷モノマー種によってもたらされたカチオン変性である。必要に応じて、変性は、例えば、負電荷モノマー種によってもたらされたアニオン変性である。したがって、一部の実施形態では、ポリビニルアルコールは、アニオン変性ポリビニルアルコールを含む。アニオン変性ポリビニルアルコールは、アニオン性モノマー単位、ビニルアルコールモノマー単位および必要に応じて酢酸ビニルモノマー単位(すなわち、完全には加水分解されていない場合)を含む部分または完全加水分解PVOHコポリマーを含み得る。一部の実施形態では、PVOHコポリマーは、2種またはそれよりも多種のアニオン性モノマー単位を含み得る。PVOHコポリマーに使用できるアニオン性モノマー単位の一般クラスは、スルホン酸ビニルモノマーおよびそれらのエステル、モノカルボン酸ビニルモノマー、それらのエステルおよび無水物、重合性二重結合を有するジカルボン酸モノマー、それらのエステルおよび無水物、ならびに前述のもののうちの任意のもののアルカリ金属塩に対応するビニル重合単位を含む。好適なアニオン性モノマー単位の例は、ビニル酢酸、マレイン酸、モノアルキルマレエート、ジアルキルマレエート、無水マイレン酸、フマル酸、モノアルキルフマレート、ジアルキルフマレート、イタコン酸、モノアルキルイタコネート、ジアルキルイタコネート、シトラコン酸、モノアルキルシトラコネート、ジアルキルシトラコネート、シトラコン酸無水物、メサコン酸、モノアルキルメサコネート、ジアルキルメサコネート、グルタコン酸、モノアルキルグルタコネート、ジアルキルグルタコネート、グルタコン酸無水物、アルキルアクリレート、(アルキル)アクリレート、ビニルスルホン酸、アルキルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-スルホエチルアクリレート、前述のもののアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カリウムまたは他のアルカリ金属塩)、前述のもののエステル(例えば、メチル、エチルまたは他のC1~C4もしくはC6アルキルエステル)、および前述のものの組合せ(例えば、複数種類のアニオン性モノマーまたは同じアニオン性モノマーの等価形態)を含むビニルアニオン性モノマーに対応するビニル重合単位を含む。一部の実施形態では、PVOHコポリマーは、中性、アニオン性およびカチオン性モノマー単位から選択される2種またはそれよりも多種のモノマー単位を含み得る。
【0056】
PVOHコポリマー中の1種または複数種のアニオン性モノマー単位の組込みレベルは、特に限定されない。実施形態では、1種または複数種のアニオン性モノマー単位は、約1mol.%または2mol.%~約6mol.%または10mol.%の範囲(様々な実施形態において、例えば、少なくとも1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5もしくは4.0mol.%および/または最大約3.0、4.0、4.5、5.0、6.0、8.0もしくは10mol.%)の量でPVOHコポリマー中に存在する。
【0057】
ポリビニルアルコールは、溶解特徴の変化にかけられ得る。コ-ポリ(ビニルアセテートビニルアルコール)ポリマー(PVOHホモポリマー)のアセテート基は、酸またはアルカリ性加水分解のいずれかによって加水分解できることが当業者に公知である。加水分解度が増加するにつれて、PVOHホモポリマーで作製されたポリマー組成物は、増加した機械強度を有するが、より低温で溶解度が減少する(例えば、完全溶解のために熱水温度が必要である)。したがって、PVOHホモポリマーのアルカリ性環境(例えば、洗濯用漂白添加剤から生じる)への曝露により、ポリマーは、所与の水性環境(例えば、冷水媒体)に迅速にかつ完全に溶解するものから、水性環境にゆっくりおよび/または不完全に溶解するものに転換され得、洗浄サイクルの終了時に未溶解のポリマー残留物が生じる可能性がある。
【0058】
例えば、ビニルアルコール/加水分解メチルアクリレートナトリウム塩ポリマーなどのペンダントカルボキシル基を有するPVOHコポリマーは、隣接するペンダントカルボキシルとアルコール基との間でラクトン環を形成し得、したがって、PVOHコポリマーの水溶解度が減少する。強塩基の存在下で、ラクトン環は、比較的温暖(周囲)および高湿度条件で数週間の過程をかけて開環できる(例えば、ラクトン開環反応を介して、対応するペンダントカルボキシルおよびアルコール基が形成し、水溶解度が増加する)。したがって、PVOHホモポリマーで観察される効果とは逆に、そのようなPVOHコポリマーは、保存の間のポーチ内部のポリマーとアルカリ性組成物との間の化学的相互作用に起因して、より可溶性になり得ると考えられる。その結果、それらが古くなるにつれて、パケットは益々、熱水サイクル(名目40℃)の間に早期溶解しやすくなり得、次に、漂白剤の存在および結果として生じたpHの低下に起因して特定の洗濯剤の効果が低下し得る。
【0059】
重合性ビニル結合を有する特定のスルホン酸およびその誘導体は、酢酸ビニルと共重合して、強塩基の存在下で安定である冷水溶性PVOHポリマーをもたらし得る。水溶性繊維の配合物中で使用されるこれらのコポリマーの塩基触媒加アルコール分解生成物は、迅速に溶解するビニルアルコール-スルホネート塩コポリマーである。PVOHコポリマーのスルホネート基は、水素イオンの存在下でスルホン酸基に逆戻りし得るが、スルホン酸基は、ポリマーの優れた冷水溶解度をなおもたらす。実施形態では、ビニルアルコール-スルホネート塩コポリマーは、残留アセテート基を含有せず(すなわち、完全に加水分解されている)、したがって、酸またはアルカリ性加水分解のいずれによってもさらに加水分解できない。
【0060】
一般に、変性量が増加するにつれて、水溶解度は増加し、したがって、スルホネートまたはスルホン酸基を介した十分な変性により、水素結合および結晶性が阻害され、冷水への溶解が可能になる。酸性または塩基性種の存在下で、コポリマーは、スルホネートまたはスルホン酸基を除いて一般に影響を受けず、これは、酸性または塩基性種の存在下でさえ、優れた冷水溶解度を維持する。好適なスルホン酸コモノマー(および/またはそれらのアルカリ金属塩誘導体)の例は、ビニルスルホン酸、アルキルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸および2-スルホエチルアクリレートを含み、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)のナトリウム塩が好ましいコモノマーである。
【0061】
水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコールポリマーまたはそれ以外のいずれであれ、ブレンドできる。ポリマーブレンドが、ポリビニルアルコールポリマーのブレンドを含む場合、PVOHポリマーブレンドは、PVOHホモポリマーまたは1種もしくは複数種のアニオン性モノマー単位(例えば、PVOH ter-(またはより高級コ-)ポリマー)を含むPVOHコポリマーを含み得る第1のPVOHポリマー(「第1のPVOHポリマー」)、ならびにPVOHホモポリマーまたは1種もしくは複数種のアニオン性モノマー単位(例えば、PVOH ter-(またはより高級コ-)ポリマー)を含むPVOHコポリマーを含み得る第2のPVOHポリマー(「第2のPVOHポリマー」)を含み得る。一部の態様では、PVOHポリマーブレンドは、第1のPVOHポリマーおよび第2のPVOHポリマー(例えば、2種のポリマーの二成分ブレンド)のみを含む。あるいは、または加えて、PVOHポリマーブレンドまたはそれから作製された繊維もしくは不織布は、他のポリマー(例えば、一般に他の水溶性ポリマー、特に他のPVOHベースのポリマー、またはその両方)を含まない、または実質的に含まないことを特徴とし得る。本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」は、第1および第2のPVOHポリマーが、水溶性繊維またはフィルム中の水溶性ポリマーの総量の少なくとも95wt.%、少なくとも97wt.%、または少なくとも99wt.%を構成することを意味する。他の態様では、水溶性繊維または不織布は、1種または複数種の追加の水溶性ポリマーを含み得る。例えば、PVOHポリマーブレンドは、第3のPVOHポリマー、第4のPVOHポリマー、第5のPVOHポリマーなど(例えば、アニオン性モノマー単位を含むまたは含まない1種または複数種の追加のPVOHホモポリマーまたはPVOHコポリマー)を含み得る。例えば、水溶性繊維または不織布は、PVOHポリマー以外(例えば、アニオン性モノマー単位を含むまたは含まないPVOHホモポリマーまたはPVOHコポリマー以外)の少なくとも第3(または第4、第5など)の水溶性ポリマーを含み得る。
【0062】
本開示の水溶性繊維および不織布ウェブに含まれるPVOHホモポリマーおよびPVOHコポリマーの加水分解度(DH)は、約75%~約99.9%(例えば、冷水溶性組成物の場合、約79%~約92%、約80%~約90%、約88%~92%、約86.5%~約89%、または約88%、90%もしくは92%;約90%~約99%、約92%~約99%、約95%~約99%、約98%~約99%、約98%~約99.9%、約96%、約98%、約99%または99%超)の範囲であり得る。加水分解度が減少するにつれて、ポリマーから作製された繊維またはフィルムは、減少した機械強度を有するが、約20℃未満の温度でより速く溶解する。加水分解度が増加するにつれて、ポリマーから作製された繊維またはフィルムは、機械強度が高くなる傾向があり、熱成形性が減少する傾向がある。PVOHの加水分解度は、ポリマーの水溶解度が温度依存性であるように選択でき、したがって、ポリマーおよび追加の成分から作製された繊維またはフィルムの溶解度も影響される。1つの選択肢では、繊維またはフィルムは冷水溶性である。任意の他のモノマー(例えば、アニオン性モノマーと共重合しないホモポリマー)を含まないコ-ポリ(ビニルアセテートビニルアルコール)ポリマーの場合、10℃未満の温度で水に可溶である冷水溶性繊維またはフィルムは、約75%~約90%の範囲、または約80%~約90%の範囲、または約85%~約90%の範囲の加水分解度を有するPVOHを含み得る。別の選択肢では、繊維またはフィルムは熱水溶性である。任意の他のモノマー(例えば、アニオン性モノマーと共重合しないホモポリマー)を含まないコ-ポリ(ビニルアセテートビニルアルコール)ポリマーの場合、少なくとも約60℃の温度で水に可溶である熱水溶性繊維またはフィルムは、少なくとも約98%の加水分解度を有するPVOHを含み得る。
【0063】
ポリマーブレンドの加水分解度はまた、算術加重、平均加水分解度(
【数1】
)によって特徴付けることができる。例えば、2種またはそれよりも多種のPVOHポリマーを含むPVOHポリマーの
【数2】
は、式
【数3】
(式中、W
iはそれぞれのPVOHポリマーの重量パーセンテージであり、H
iは、それぞれの加水分解度である)によって計算される。ポリマーが特定の加水分解度を有するといわれる場合、ポリマーは、指定の加水分解度を有する単一のポリビニルアルコールポリマーまたは指定の平均加水分解度を有するポリビニルアルコールポリマーのブレンドであり得る。
【0064】
PVOHポリマーの粘度(μ)は、英国規格EN ISO 15023-2:2006 Annex E Brookfield試験法に記載の通り、ULアダプターを備えるBrookfield LV型粘度計を使用して、新たに作製した溶液を測定することによって決定される。20℃における4%ポリビニルアルコール水溶液の粘度を記述するのが国際標準である。本明細書で特定されるすべての粘度(単位センチポアズ(cp))は、別に指定されない限り、20℃における4%ポリビニルアルコール水溶液の粘度をいうと理解されるべきである。同様に、ポリマーが特定の粘度を有する(または有さない)と記載される場合、別に指定されない限り、特定の粘度は、ポリマーの平均粘度であり、これは、本質的に、対応する分子量分布、すなわち、以下に記載の通りの加重自然対数平均粘度を有することが意図される。PVOHポリマーの粘度は、PVOHポリマーの重量平均分子量
【数4】
と相関し、多くの場合、粘度は、
【数5】
の代わりとして使用されることが、当技術分野で周知である。
【0065】
参考のために、ポリマーブレンドにおいて、第1のPVOHポリマーは、第1の20℃における4%溶液粘度(μ
1)を有すると示され、第2のPVOHポリマーは、第2の20℃における4%溶液粘度(μ
2)を有すると示される。様々な実施形態では、第1の粘度μ
1は、約4cP~約70cP(例えば、少なくとも約4、8、10、12もしくは16cPおよび/または最大約12、16、20、24、28、30、32、35、37、40、45、48、50、56、60もしくは70cP、例えば、約4cP~約70cp、約4cp~約60cp、約4cP~約46cP、約4cP~約24cP、約10cP~約16cP、または約10cP~約20cP、または約20cP~約30cP)の範囲であり得る。あるいは、または加えて、第2の粘度μ
2は、約4cP~約70cP(例えば、少なくとも約4、8、10、12もしくは16cPおよび/または最大約12、16、20、24、28、30、32、35、37、40、45、48、50、56、60もしくは70cP、例えば、約12cP~約30cP、約10cP~約16cP、または約10cP~約20cP、または約20cP~約30cP)の範囲であり得る。PVOHポリマーブレンドが、PVOHポリマーおよびPVOHコポリマーから選択される3種またはそれよりも多種のPVOHポリマーを含む場合、前述の粘度値は、各PVOHポリマーまたはPVOHコポリマーに個々に当てはまり得る。したがって、第1のPVOHコポリマーおよび第2のPVOHコポリマーを含む水溶性ポリマーの重量平均分子量は、例えば、約30,000~約175,000、または約30,000~約100,000、または約55,000~約80,000の範囲であり得る。PVOHポリマーブレンドの平均粘度をいう場合、加重自然対数平均粘度
【数6】
が使用される。2種またはそれよりも多種のPVOHポリマーを含むPVOHポリマーの
【数7】
は、式
【数8】
(式中、μ
iは、それぞれのPVOHポリマーの粘度である)によって計算される。
【0066】
非水溶性繊維形成材料
【0067】
本開示の繊維は、非水溶性繊維形成材料を含み得る。一般に、非水溶性繊維形成材料は、MSTM-205によって決定して、80℃またはそれ未満の温度で300秒またはそれ未満で溶解しない任意の材料を含む。好適な非水溶性繊維形成材料は、これらに限定されないが、綿、セルロース、ポリエステル、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレンおよび低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、木材パルプ、フラッフパルプ、マニラ麻、ビスコース、ポリ乳酸、ナイロン6、セルロース、デンプン、大麻、ジュート、亜麻、ラミー、サイザル麻、バガス、芭蕉繊維、シロマツ、絹、シニュー、カットグット、毛、シーシルク、モヘア、アンゴラ、カシミア、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹繊維、モーダル、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維およびその組合せを含む。
【0068】
実施形態では、非水溶性繊維形成材料は、綿、セルロース、大麻、ジュート、亜麻、ラミー(rami)、サイザル麻、バガス、芭蕉繊維、シロマツ、絹、シニュー、カットグット、毛、シーシルク(seamilk)、モヘア、アンゴラ、カシミア、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹繊維、モーダル、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、ビスコースまたはその組合せを含む。実施形態では、非水溶性繊維形成材料は、綿、セルロース、毛、竹繊維、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ビスコースまたはその組合せを含む。実施形態では、非水溶性繊維形成材料は、セルロース、毛、ポリプロピレン、ビスコースまたはその組合せを含む。
【0069】
補助成分
【0070】
本開示の繊維は、これらに限定されないが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、界面活性剤、潤滑剤、剥離剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、脱粘着剤、消泡剤、液体吸収材料(例えば、超吸水性ポリマー)、剥離剤、層状シリケート型ナノクレイなどのナノ粒子(例えば、ナトリウムモンモリロナイト)、漂白剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムまたはその他)、苦味剤(例えば、安息香酸デナトニウム、デナトニウム糖および塩化デナトニウムなどのデナトニウム塩;オクタアセチルスクロース;キニーネ;ケルセチンおよびナリンゲニン(naringen)などのフラボノイド;ならびにカシンおよびブルシンなどのカシノイド)および辛味剤(例えば、カプサイシン、ピペリン、アリルイソチオシアネートおよびレシニフェラトキシン(resinferatoxin))などの嫌悪剤、ならびに他の機能性成分を含む他の補助剤および処理剤をその意図される目的に好適な量で含み得る。特定のそのような補助剤および処理剤は、水溶性繊維における使用に好適なもの、または水溶性不織布ウェブにおける使用に好適なものから選択され得る。
【0071】
実施形態では、本開示の繊維は、可塑剤を含む。可塑剤は、材料(通常、樹脂またはエラストマー)に添加されて、その材料をより柔らかく、より可撓性にし(ポリマーのガラス転移温度を低下させることによって)、加工しやすくする液体、固体または半固体である。ポリマーは、ポリマーまたはモノマーを化学変性する(例えば、可塑剤をポリマー主鎖にグラフトする)ことによって、内部から可塑化され得る。加えて、または代わりに、ポリマーは、好適な可塑化剤を繊維形成材料に添加することによって、外部から可塑化され得る。加えて、または代わりに、可塑剤は、形成された繊維または不織布ウェブにコーティングとして添加され得る。水は、PVOHおよびこれらに限定されないが、水溶性ポリマーを含む他のポリマーの非常に効率のよい可塑剤として認識されているが、しかしながら、ポリマー繊維、不織布ウェブおよびフィルムは、低および高相対湿度を含む周囲条件の変動に対して少なくともある程度の抵抗(頑強性)を有する必要があるため、水の揮発性により、その利用は制限される。
【0072】
可塑剤は、これらに限定されないが、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、最大400MWのポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、ソルビトール、2-メチル-1,3-プロパンジオール(MPDiol(登録商標))、エタノールアミンおよびその混合物を含み得る。繊維中に提供される非水可塑剤の総量は、総繊維重量に基づいて、約1wt.%~約45wt.%、または約5wt.%~約45wt.%、または約10wt.%~約40wt.%、または約20wt.%~約30wt.%、約1wt.%~約4wt.%、または約1.5wt.%~約3.5wt.%、または約2.0wt.%~約3.0wt.%の範囲、例えば、約1wt.%、約2.5wt.%、約5wt.%、約10wt.%、約15wt.%、約20wt.%、約25wt.%、約30wt.%、約35wt.%または約40wt.%であり得る。
【0073】
実施形態では、本開示の繊維は、界面活性剤を含む。繊維に使用するための界面活性剤は、当技術分野で周知である。必要に応じて、界面活性剤は、加工、例えば、カーディングの間、繊維の分散を補助するために含まれる。本開示の繊維に好適な界面活性剤は、これらに限定されないが、スルホコハク酸ジアルキル、グリセリンおよびプロピレングリコールのラクチル化脂肪酸エステル、脂肪酸の乳酸エステル、アルキル硫酸ナトリウム、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、アルキルポリエチレングリコールエーテル、レシチン、グリセリンおよびプロピレングリコールのアセチル化脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸のアセチル化エステル、ミリスチルジメチルアミンオキシド、トリメチルタローアルキルアンモニウムクロリド、第4級アンモニウム化合物、約8~24個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸アルキル、アルキルポリエトキシレートサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、モノエタノールアミン、ラウリルアルコールエトキシレート、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、その塩および前述のもののうちの任意のものの組合せを含む。
【0074】
好適な界面活性剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性および双性イオン性クラスを含み得る。好適な界面活性剤は、これらに限定されないが、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、モノエタノールアミン、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、第3級アセチレングリコールおよびアルカノールアミド(非イオン性)、ポリオキシエチレン化アミン、第4級アンモニウム塩および第4級化ポリオキシエチレン化アミン(カチオン性)、約8~24個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸アルキル、アルキルポリエトキシレートサルフェートおよびアルキルベンゼンスルホネート(アニオン性)、ならびにアミンオキシド、N-アルキルベタインおよびスルホベタイン(双性イオン性)を含む。他の好適な界面活性剤は、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、グリセリンおよびプロピレングリコールのラクチル化脂肪酸エステル、脂肪酸の乳酸エステル、アルキル硫酸ナトリウム、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、レシチン、グリセリンおよびプロピレングリコールのアセチル化脂肪酸エステル、ならびに脂肪酸のアセチル化エステル、ならびにその組合せを含む。界面活性剤は、繊維形成材料に含まれてもよく、また、添加されてもよい。様々な実施形態では、繊維中の界面活性剤の量は、約0.01wt.%~約2.5wt.%、約0.1wt.%~約2.5wt.%、約1.0wt.%~約2.0wt.%、約0.01wt%~0.25wt%、または約0.10wt%~0.20wt%の範囲である。
【0075】
実施形態では、本開示の繊維は、実質的に補助剤を含まない。本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、「実質的に補助剤を含まない」は、繊維が、繊維の総重量に基づいて、約0.01wt%未満、約0.005wt.%未満、または約0.001wt.%未満の補助剤を含むことを意味する。
【0076】
活性剤
【0077】
実施形態では、繊維は、繊維の一部として、またはその表面に1つまたは複数の活性剤を含み得る。活性剤は、繊維中に少なくとも約1wt%、または約1wt%~約99wt%の範囲の量で存在する場合、繊維に追加の機能性を提供する。実施形態では、活性剤は、酵素、油、香料、着色料、臭気吸収剤、芳香剤、殺虫剤、肥料、酸化剤、剥離剤、液体吸収材料、活性化剤、酸触媒、金属触媒、イオン捕捉剤、洗剤、殺菌剤、界面活性剤、可塑剤、漂白剤、漂白成分、布柔軟剤およびその組合せからなる群から選択される。実施形態では、活性剤は、酵素、油、香料、着色料、臭気吸収剤、芳香剤、殺虫剤、酸化剤、剥離剤、液体吸収材料、洗剤、殺菌剤、界面活性剤、可塑剤、漂白剤、漂白成分、布柔軟剤およびその組合せからなる群から選択される。実施形態では、活性剤は、酵素、油、臭気吸収剤、芳香剤、剥離剤、液体吸収材料、洗剤、殺菌剤およびその組合せからなる群から選択される。
【0078】
ある特定の実施形態では、活性剤は、酵素を含んでもよい。好適な酵素は、6つの従来の酵素委員会(EC)分類、すなわち、EC1のオキシドレダクターゼ(酸化/還元反応を触媒する)、EC2のトランスフェラーゼ(官能基、例えば、メチルまたはホスフェート基を転移する)、EC3のヒドロラーゼ(様々な結合の加水分解を触媒する)、EC4のリアーゼ(加水分解および酸化以外の方法によって様々な結合を切断する)、EC5のイソメラーゼ(分子内の異性化変化を触媒する)、およびEC6のリガーゼ(2つの分子を共有結合により結合する)のいずれか1つに分類される酵素を含む。そのような酵素の例は、EC1のデヒドロゲナーゼおよびオキシダーゼ、EC2のトランスアミナーゼおよびキナーゼ、EC3のリパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、マンナーゼおよびペプチダーゼ(プロテアーゼまたはタンパク質分解酵素としても公知)、EC4のデカルボキシラーゼ、EC5のイソメラーゼおよびムターゼ、ならびにEC6のシンセターゼおよびシンターゼを含む。各分類からの好適な酵素は、例えば、米国特許第9,394,092号に記載されており、その全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0079】
清浄用途に使用するための酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、デヒドロゲナーゼ、トランスアミナーゼ、キナーゼ、セルラーゼ、マンナーゼ、ペプチダーゼ、デカルボキシラーゼ、イソメラーゼ、ムターゼ、シンセターゼ、シンターゼおよび漂白剤の形成を触媒するオキシド-レダクターゼ酵素を含むオキシド-レダクターゼ酵素のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0080】
本明細書における使用のための酵素は、任意の好適な供給源または供給源の組合せ、例えば、細菌、真菌、植物または動物源由来であり得ることが企図される。一種の実施形態では、2つまたはそれよりも多くの酵素の混合物は、少なくとも2種類の異なる供給源由来である。例えば、プロテアーゼおよびリパーゼの混合物は、細菌(プロテアーゼ)および真菌(リパーゼ)源由来であり得る。
【0081】
必要に応じて、これらに限定されないが、本明細書に記載の任意の酵素クラスまたはメンバーを含む本明細書における使用のための酵素は、例えば、清浄用途における使用のためのアルカリ性pH条件、例えば、約8~約11の範囲のpHで作用するものである。必要に応じて、これらに限定されないが、本明細書に記載の任意の酵素クラスまたはメンバーを含む本明細書における使用のための酵素は、約5℃~約45℃の範囲の温度で作用するものである。
【0082】
別のクラスの実施形態は、活性剤として1つまたは複数の臭気吸収剤を含む。本開示による活性剤として使用するのに好適な臭気吸収剤は、これらに限定されないが、ゼオライトおよびリシノール酸の錯体亜鉛塩を含む。臭気吸収活性剤はまた、これらに限定されないが、ラダナム、エゴノキの抽出物およびアビエチン酸の誘導体を含むほぼ臭気中性芳香剤として当技術分野で周知の定着剤を含み得る。
【0083】
別のクラスの実施形態は、活性剤として1つまたは複数の芳香剤を含む。本明細書で使用される場合、芳香剤という用語とは、十分に揮発して香りを生じる任意の適用可能材料をいう。活性剤として芳香剤を含む実施形態は、ヒトに心地のよい香りである芳香剤、または代わりに、ヒト、動物および/もしくは昆虫が忌避する香りである芳香剤を含み得る。好適な芳香剤は、これらに限定されないが、レモン、リンゴ、チェリー、ブドウ、セイヨウナシ、パイナップル、オレンジ、イチゴ、ラズベリーを含む果物、ジャコウ、ならびにこれらに限定されないが、ラベンダーのようなもの、バラのようなもの、アヤメのようなものおよびカーネーションのようなものを含む花の香りを含むが、これらに限定されない。必要に応じて、芳香剤は、また着香料ではないものである。他の芳香剤は、これらに限定されないが、ローズマリー、タイムおよびセージを含む草木の香り、ならびにマツ、トウヒおよび他の森の匂い由来の森林の香りを含む。芳香剤はまた、これらに限定されないが、精油を含む様々な油、またはこれらに限定されないが、ペパーミント、スペアミントなどを含む植物材料由来であってもよい。好適な芳香油は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,458,754号に見出すことができる。好適な芳香油は、これらに限定されないが、4-(2,2,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エニル)-2-エン-4-オン、アセトアルデヒドフェニルエチルプロピルアセタール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、ヘキサン酸2-プロペニルエステル、1-オクテン-3-オール、trans-アネトール、イソブチル(z)-2-メチル-2-ブテノエート、アニスアルデヒドジエチルアセタール、3-メチル-5-プロピル-シクロヘキセン-1-オン、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボアルデヒド、trans-4-デセナール、デカナール、2-ペンチルシクロペンタノン、エチルアントラニレート、オイゲノール、3-(3-イソプロピルフェニル)ブタノール、メチル2-オクチノエート、イソオイゲノール、cis-3-ヘキセニルメチルカーボネート、リナロール、メチル-2-ノニノネート、安息香酸2-ヒドロキシメチルエステル、ノナール、オクタナール、2-ノネンニトリル、4-ノナノリド、9-デセン-1-オールおよび10-ウンデセン-1-アールを含む。適用可能な芳香剤はまた、すべてその全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,534,981号、同第5,112,688号、同第5,145,842号、同第6,844,302号およびPerfumes Cosmetics and Soaps, Second Edition, edited by W. A. Poucher, 1959に見出すことができる。これらの芳香剤は、アカシア、カシア、シプレ(chypre)、シクラメン、シダ、クチナシ、サンザシ、ヘリオトロープ、スイカズラ、ヒヤシンス、ジャスミン、ライラック、ユリ、モクレン、ミモザ、スイセン、刈りたての干し草、オレンジの花、ラン、モクセイソウ、スイートピー、クローバー(トレフル)、ゲッカコウ、バニラ、スミレ、ニオイアラセイトウなどを含む。
【0084】
芳香剤は、香水を含み得る。香水は、ニート香水、カプセル化香水またはその混合物を含んでもよい。好ましくは、香水は、ニート香水を含む。香水の一部は、コア-シェルカプセルにカプセル化されてもよい。別の種類の実施形態では、香水は、コア/シェルカプセルにカプセル化されない。
【0085】
本明細書で使用される場合、「香水」という用語は、香水原材料(PRM)および香水調合物を包含する。「香水原材料」という用語とは、本明細書で使用される場合、少なくとも約100g/molの分子量を有し、単独または他の香水原材料と共にのいずれかで臭気、芳香、エッセンスまたは香りを付与するのに有用な化合物をいう。本明細書で使用される場合、「香水成分」および「香水原材料」という用語は、交換可能である。「調合物」という用語とは、本明細書で使用される場合、2つまたはそれよりも多くのPRMの混合物をいう。
【0086】
典型的なPRMは、とりわけ、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、亜硝酸塩およびテルペンなどのアルケンを含む。一般的なPRMの列挙は、様々な参考試料、例えば、"Perfume and Flavor Chemicals", Vols. I and II; Steffen Arctander Allured Pub. Co. (1994)および"Perfumes: Art, Science and Technology", Miller, P. M. and Lamparsky, D., Blackie Academic and Professional (1994)に見出すことができる。PRMは、常圧(760mmHg)で測定したその沸点(B.P.)およびそのオクタノール/水分配係数(P)によって特徴付けられる。これらの特徴に基づいて、PRMは、Quadrant I、Quadrant II、Quadrant IIIまたはQuadrant IV香水として分類されてもよい。
【0087】
適用可能な昆虫忌避芳香剤は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,664,064号に開示のジクロルボス、ピレトリン、アレスリン、ナレドおよび/またはフェンチオン殺虫剤のうちの1つまたは複数を含む。好適な昆虫忌避剤は、シトロネラール(3,7-ジメチル-6-オクタナール)、N,N-ジエチル-3-メチルベンズアミド(DEET)、バニリン、ならびにウコン(Curcuma longa)、コブミカン(Citrus hystrix)、コウスイガヤ(Cymbopogon winterianus)およびタイバジル(Ocimum americanum)から抽出された揮発油である。さらに、適用可能な昆虫忌避剤は、昆虫忌避剤の混合物であり得る。
【0088】
代替の実施形態では、活性剤は、必要に応じて、イオン捕捉剤であってもよい。好適なイオン捕捉剤は、これらに限定されないが、ゼオライトを含む。必要に応じて、ゼオライトは、軟水化剤として、封入された洗濯用洗剤または食器洗浄用洗剤を含む水溶性パケットに添加され得る。
【0089】
無機および有機漂白剤は、本明細書における使用に好適な清浄活性剤である。無機漂白剤は、これらに限定されないが、過ホウ酸、過炭酸、過リン酸、過硫酸および過ケイ酸塩を含む過酸化水素化塩を含む。無機過酸化水素化塩は、通常、アルカリ金属塩である。アルカリ金属過炭酸塩、特に過炭酸ナトリウムは、本明細書における使用に好適な過酸化水素化物である。有機漂白剤は、ジアシルおよびテトラアシルペルオキシド、とりわけ、これらに限定されないが、ジペルオキシドデカン二酸、ジペルオキシテトラデカン二酸およびジペルオキシヘキサデカン二酸を含む有機ペルオキシ酸を含み得る。過酸化ジベンゾイルは、本開示による好適な有機ペルオキシ酸である。他の有機漂白剤は、ペルオキシ酸を含み、特定の例は、アルキルペルオキシ酸およびアリルペルオキシ酸である。
【0090】
一クラスの実施形態では、活性剤は、60℃およびそれ未満の温度で清浄の過程の漂白作用を強化する有機過酸前駆体を含む漂白活性化剤を含み得る。本明細書における使用に好適な漂白活性化剤は、過加水分解条件下で、1~10個の炭素原子、もしくは2~4個の炭素原子、および/または必要に応じて置換過安息香酸を有する脂肪族ペルオキシカルボン酸(peroxoycarboxylic acids)をもたらす化合物を含む。好適な物質は、特定の炭素原子の数のO-アシルおよび/もしくはN-アシル基、ならびに/または必要に応じて置換ベンゾイル基を有する。好適な物質は、これらに限定されないが、ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に、1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特に、テトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N-アシルイミド、特に、N-ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特に、n-ノナノイル-またはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-またはイソ-NOBS)、カルボン酸無水物、特に、無水フタル酸、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセテートおよび2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフランおよびまたトリエチルアセチルシトレート(TEAC)を含む。
【0091】
活性剤として布柔軟剤を含む実施形態では、様々な、洗い流す布柔軟剤、とりわけ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,062,647号のきめ細かいスメクタイト粘土、および当技術分野で公知の他の柔軟剤粘土が、必要に応じて、織物清浄と同時に利益のある布柔軟剤を提供するために使用できる。粘土柔軟剤は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,375,416号および同第4,291,071号に開示の通り、アミンおよびカチオン性柔軟剤と組み合わせて使用できる。
【0092】
実施形態では、活性剤は、殺菌剤を含み得る。本明細書における使用に好適な殺菌剤は、これらに限定されないが、過酸化水素、無機ペルオキシドおよびその前駆体、メタ重亜硫酸ナトリウム、第4級アンモニウムカチオンベースの化合物、塩素、活性炭および次亜塩素酸塩を含み得る。
【0093】
実施形態では、活性剤は、界面活性剤を含み得る。本明細書における使用に好適な界面活性剤は、これらに限定されないが、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、モノエタノールアミン、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、第3級アセチレングリコールおよびアルカノールアミド(非イオン性)、ポリオキシエチレン化アミン、第4級アンモニウム塩および第4級化ポリオキシエチレン化アミン(カチオン性)、約8~24個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸アルキル、アルキルポリエトキシレートサルフェートおよびアルキルベンゼンスルホネート(アニオン性)、アミンオキシド、N-アルキルベタインおよびスルホベタイン(双性イオン性)、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、グリセリンおよびプロピレングリコールのラクチル化脂肪酸エステル、脂肪酸のラクチル酸エステル、アルキル硫酸ナトリウム、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、レシチン、グリセリンおよびプロピレングリコールのアセチル化脂肪酸エステル、ならびに脂肪酸のアセチル化エステル、ならびにその組合せを含み得る。
【0094】
活性剤は、固体であっても液体であってもよい。固体である活性剤は、少なくとも約0.01μmの平均粒径(例えば、Dv50)、または例えば、約0.01μm~約2mmの範囲のサイズを有し得る。
【0095】
実施形態では、本開示の不織布ウェブ、複合物品、水に流せるワイプ、液体含有物品および吸収物品の繊維は、水溶性繊維、非水溶性繊維またはその組合せを含み、繊維は、同じまたは異なる直径、長さ、靭性、形状、剛性、弾性、溶解度、融点、ガラス転移温度および/または繊維形成材料を有し得る。
【0096】
繊維が水溶性繊維を含む実施形態では、水溶性繊維は、本明細書に開示の水溶性ポリマー繊維形成材料のうちの任意のものを含み得る。一般に、水溶性繊維は、単一の水溶性ポリマー繊維形成材料または水溶性繊維形成材料のブレンドを含み得る。実施形態では、水溶性繊維は、単一の水溶性ポリマー繊維形成材料からなる。実施形態では、水溶性繊維は、水溶性ポリマーのブレンドを含む。
【0097】
実施形態では、複数の水溶性繊維は、ポリビニルアルコール(PVOH)繊維形成材料を含む。前述の実施形態の改良では、水溶性繊維形成材料は、PVOHホモポリマーを含む。前述の実施形態の別の改良では、水溶性繊維形成材料は、PVOHコポリマーを含む。実施形態では、水溶性繊維は、ポリビニルアルコール繊維形成材料のブレンドを含む。前述の実施形態の改良では、水溶性繊維は、1つまたは複数のPVOHホモポリマー繊維形成材料を含む。前述の実施形態の別の改良では、水溶性繊維は、1つまたは複数のPVOHコポリマー繊維形成材料を含む。前述の実施形態のなお別の改良では、水溶性ポリマーは、1つまたは複数のPVOHホモポリマー繊維形成材料および1つまたは複数のPVOHコポリマー繊維形成材料を含む。
【0098】
水溶性繊維がポリビニルアルコールホモポリマーおよびポリビニルコポリマーのブレンドを含む実施形態では、ポリビニルアルコールホモポリマーは、水溶性ポリマーブレンドの総重量の約15wt.%~約70wt.%、例えば、水溶性ポリマーブレンドの総重量に基づいて、少なくとも約15wt.%、少なくとも約20wt.%、少なくとも約25wt.%、少なくとも約30wt.%、少なくとも約40wt.%、少なくとも約50wt.%または少なくとも約60wt.%および最大約70wt.%、最大約60wt.%、最大約50wt.%、最大約40wt.%または最大約30wt.%を構成し得、単一のホモポリマーまたは1種もしくは複数種のホモポリマー(例えば、粘度および/または加水分解度の差を有する)のブレンドであり得る。水溶性ポリビニルアルコールコポリマーは、水溶性ポリマーブレンドの総重量の約30wt.%~約85wt.%、例えば、水溶性ポリマーブレンドの総重量に基づいて、少なくとも約30wt.%、少なくとも約40wt.%、少なくとも約50wt.%、少なくとも約60wt.%、少なくとも約70wt.%、少なくとも約75wt.%または少なくとも約80wt.%および最大約85wt.%、最大約80wt.%、最大約70wt.%、最大約60wt.%、最大約50wt.%または最大約40wt.%を構成し得、単一のコポリマーまたは1種もしくは複数種のコポリマーのブレンドであり得る。ブレンドは、ポリビニルアルコールホモポリマーおよびポリビニルアルコールコポリマーからなり得る。ブレンドは、ポリビニルアルコールホモポリマーおよび複数のポリビニルアルコールコポリマーからなり得る。ブレンドは、1種よりも多いポリビニルアルコールホモポリマーおよび1種よりも多いポリビニルアルコールコポリマーからなり得る。
【0099】
生分解性
【0100】
ポリビニルアルコールポリマーは、一般に、好気性、嫌気性、土壌および堆肥条件下(水の存在下)、水および酵素の存在下で分解するため、生分解性である。一般に、ポリビニルアルコールポリマーの加水分解度が、最大約80%増加するにつれて、ポリビニルアルコールポリマーの生分解活性は増加する。理論に縛られることを意図することなく、80%超の加水分解度の増加は、生分解性に認識できるほどには影響しないと考えられる。
【0101】
理論に縛られることを意図することなく、ポリビニルアルコールポリマーの重合度は、ポリマーにより調製された繊維または不織布ウェブの生分解性にほとんどまたはまったく効果を有さない一方、重合温度はポリマーの結晶度および凝集状態に影響を及ぼし得るため、重合温度は、フィルムまたは不織布の生分解性に対する効果を有し得ると考えられる。特に、結晶度が減少するにつれて、ポリマー鎖ヒドロキシル基は、ポリマー構造中であまり整列しなくなり、ポリマー鎖は、より不規則になり、鎖が非晶質凝集体として蓄積することが可能になり、それによって、規則的なポリマー構造の利用性が減少し、生分解活性は、ポリマーが溶解しない土壌および/または堆肥生分解機序について減少すると予想される。
【0102】
さらに、ポリビニルアルコールポリマーのヒドロキシル基の立体規則性は、生物分解活性レベルに対して大きな効果を有し、ポリマー配列のヒドロキシル基がよりアイソタクチックであるほど、分解活性は高くなる。理論に縛られることを意図することなく、ポリビニルアルコールポリマーのヒドロキシル基の立体規則性は、生物分解活性レベルに対して大きな効果を有するため、ヒドロキシル基以外の官能基の置換(例えば、アニオン性AMPS官能基、カルボキシレート基またはラクトン基)は、官能基自体もまた生分解性であり、ポリマーの生分解性が置換により増加し得る場合でない限り、同じ加水分解度を有するポリビニルアルコールホモポリマーと比べて生物分解活性レベルを低下させると予想されると考えられる。さらに、置換ポリビニルアルコールの生物分解活性レベルは、対応するホモポリマーの生物分解活性レベル未満であり得る一方、置換ポリビニルアルコールは、なお生分解性を示すと考えられる。さらに、理論に縛られることを意図することなく、土壌および/または堆肥生分解について、フィルムと比べて、不織布ウェブによってもたらされるポリマー表面積が増加することに起因して、ポリビニルアルコール繊維から調製された不織布ウェブは、同様のポリビニルアルコールポリマーから調製された水溶性フィルムと比べてより高い生分解活性レベルを有すると考えられる。
【0103】
生分解活性を決定する方法は、当技術分野で公知である。好適な規格は、OECD 301B(易生分解性)、OECD 302B(固有の生分解性)、OECD 311(嫌気性)およびASTM D5988(土壌)を含む。
【0104】
繊維特性
【0105】
複数の繊維は、当技術分野で公知の任意の方法、例えば、湿式冷却ゲル紡糸、熱可塑性繊維紡糸、メルトブローン、スパンボンド、電界紡糸、回転紡糸、連続フィラメント製造手法、トウ繊維製造手法およびその組合せによって調製できる。
【0106】
実施形態では、繊維は、湿式冷却ゲル紡糸、メルトブローン、スパンボンドまたはその組合せによって調製された水溶性繊維を含む。実施形態では、繊維は、湿式冷却ゲル紡糸によって調製された水溶性繊維を含み、不織布ウェブにカーディングされる。実施形態では、繊維は水溶性繊維を含み、それから調製された不織布ウェブは、連続メルトブローン法で形成される。実施形態では、繊維は水溶性繊維を含み、それから調製された不織布ウェブは、連続スパンボンド法で形成される。繊維および不織布ウェブを調製するために使用した方法によってこれを呼ぶことが、当技術分野において標準的である。したがって、本明細書において、例えば、「メルトブローン繊維」または「カーディング不織布ウェブ」への任意の参照は、特定のメルトブローンまたはカーディング法についての方法による生成物の限定と理解されるべきではなく、むしろ、単に特定の繊維またはウェブを特定すると理解されるべきである。したがって、加工用語は、繊維および/または不織布を任意の特定の方法による調製に限定することなく、述べられた繊維および/または不織布を区別するために使用されてもよい。
【0107】
本開示の繊維は、二成分繊維であり得る。本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、「二成分繊維」は、繊維形成材料のブレンドを含む繊維をいうのではなく、むしろ、繊維形成材料の2つまたはそれよりも多くの別個の領域を含む繊維をいい、繊維形成材料の組成は、領域によって異なる。二成分繊維の例は、これらに限定されないが、コア/シース二成分繊維、海島型の二成分繊維および横並び二成分繊維を含む。コア/シース二成分繊維は、一般に、繊維形成材料の第1の組成物(例えば、単一の繊維形成材料または繊維形成材料の第1のブレンド)を有するコア、および繊維形成材料の第2の組成物(例えば、コア材料とは異なる単一の繊維形成材料、またはコアの繊維形成材料の第1のブレンドとは異なる繊維形成材料の第2のブレンド)を有するシースを含む。海島型二成分繊維は、一般に、繊維形成材料の第1の組成物を有する第1の連続する「海」領域、およびその中に分散した、第1の組成物とは異なる繊維形成材料の第2の組成物を有する目立たない「島」領域を含む。横並び二成分繊維は、一般に、繊維の長さにわたり、繊維形成材料の第1の組成物を含む第1の領域と、これに隣接する、繊維の長さにわたり、第1の組成物とは異なる繊維形成材料の第2の組成物を含む、少なくとも第2の領域とを含む。そのような二成分繊維は、当技術分野で周知である。
【0108】
本開示の繊維は、疎水性および/または親水性繊維であり得る。本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、「疎水性繊維」とは、その表面が疎水性である任意の繊維をいう。繊維は、繊維が、例えば、疎水性繊維形成材料を含む、繊維が、シース中に疎水性繊維形成材料を含むコア/シース型二成分繊維である、および/または繊維が、その表面に疎水性界面活性剤を含むように表面処理されている場合、疎水性表面を有し得る。同様に、本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、「親水性繊維」とは、その表面が親水性である任意の繊維をいう。繊維は、繊維が、例えば、親水性繊維形成材料を含む、繊維が、シース中に親水性繊維形成材料を含むコア/シース型二成分繊維である、および/または繊維が、その表面に親水性材料を含むように表面処理されている場合、親水性表面を有し得る。理論に縛られることを意図することなく、不織布の親水性繊維は、不織布の表面からの液体の毛細管作用/吸水を促進し得、親水性繊維を含まない同一の不織布と比べて改善された液体取得を提供すると考えられる。
【0109】
本開示の繊維は、本明細書に開示の繊維形成材料のうちの1つまたは複数を含み得る。繊維が1種のPVOHポリマー繊維形成材料を含む場合、繊維の加水分解度は、PVOHポリマーの加水分解度と同じである。繊維が2つまたはそれよりも多くのPVOHポリマー繊維形成材料を含む場合、繊維の加水分解度は、個々のPVOHポリマーの加水分解度の算術重量平均である。理論に縛られることを意図することなく、繊維の加水分解度が増加するにつれて、繊維の親水性は増加し、結果として、繊維の吸水速度が上昇すると考えられる。したがって、比較的高い平均加水分解度を有する繊維を含む不織布ウェブは、吸水速度が一次因子である用途、例えば、消費者の皮膚から液体を迅速に吸収して除くことが望ましい着用可能物品に特に好適であり得る。吸水速度が一次因子である実施形態では、本開示の繊維は、約95%~約99.9%の加水分解度(平均)を有し得る。
【0110】
繊維の形状は、特に限定されず、これらに限定されないが、丸形、楕円(リボンとも呼ばれる)、三角形(デルタとも呼ばれる)、三葉形および/または他の多葉形状を含む断面形状を有し得る(
図1)。繊維の形状は、完全に幾何学的である必要はなく、例えば、丸い断面形状を有する繊維は、断面領域として完全な円を有する必要はなく、三角形の断面形状を有する繊維は、一般に、丸みのある角を有することが理解される。理論に縛られることを意図することなく、液体の毛細管またはチャネル型の方向のある通路をもたらす形状を有する不織布中の親水性繊維(例えば、三葉形繊維)は、不織布の表面からの液体の毛細管作用/吸水を促進し得、毛細管またはチャネル型の方向通路を含まない繊維形状を有する同一の不織布と比べて改善された液体取得を提供すると考えられる。
【0111】
繊維の直径とは、最長の断面軸に沿った繊維の断面直径をいうことが理解される。繊維が特定の直径を有する(または有さない)と記載される場合、別に指定されない限り、特定の直径は、参照される特定の繊維型の平均直径である、すなわち、ポリビニルアルコール繊維形成材料から調製された複数の繊維は、複数の繊維にわたる算術平均繊維直径を有することが意図される。典型的には「直径」を有さないと考えられる形状、例えば、三角形または多葉形状の場合、直径とは、繊維形状を囲む円の直径をいう(
図1)。
【0112】
本開示の繊維は、典型的には、約10ミクロン~300ミクロン、例えば、少なくとも10ミクロン、少なくとも15ミクロン、少なくとも20ミクロン、少なくとも25ミクロン、少なくとも50ミクロン、少なくとも100ミクロンまたは少なくとも125ミクロンおよび最大約300ミクロン、最大約275ミクロン、最大約250ミクロン、最大約225ミクロン、最大約200ミクロン、最大約100ミクロン、最大約50ミクロン、最大約45ミクロン、最大約40ミクロンまたは最大約35ミクロンの範囲、例えば、約10ミクロン~約300ミクロン、約50ミクロン~約300ミクロン、約100ミクロン~約300ミクロン、約10ミクロン~約50ミクロン、約10ミクロン~約45ミクロン、または約10ミクロン~約40ミクロンの範囲の直径を有する。実施形態では、本開示の水分散性不織布ウェブを調製するために使用される水溶性繊維は、100ミクロン超~約300ミクロンの直径を有し得る。実施形態では、繊維は、約10ミクロン~約50ミクロン、約10ミクロン~約30ミクロン、約10ミクロン~約25ミクロン、約10ミクロン~約20ミクロン、または約10ミクロン~約15ミクロンの範囲の直径を有するセルロースを含む。実施形態では、繊維は、水溶性繊維形成材料を含み、約50ミクロン~約300ミクロン、約100ミクロン~約300ミクロン、約150ミクロン~約300ミクロン、または約200ミクロン~約300ミクロンの直径を有する。実施形態では、本開示の水分散性不織布ウェブを調製するのに使用される複数の水溶性繊維の直径は、実質的に均一な直径を有する。本明細書で使用される場合、繊維直径は、繊維間の直径のばらつきが10%未満、例えば、8%もしくはそれ未満、5%もしくはそれ未満、2%もしくはそれ未満、または1%もしくはそれ未満である場合、「実質的に均一」である。実質的に均一な直径を有する繊維は、本明細書に記載の通り、湿式冷却ゲル紡糸法または熱可塑性繊維紡糸によって調製できる。さらに、繊維のブレンドが使用される場合、繊維の平均直径は、個々の繊維の加重平均を使用して決定できる。
【0113】
本開示の不織布ウェブおよび不織布複合物品を調製するのに使用される本開示の繊維は、一般に任意の長さのものであり得る。実施形態では、繊維の長さは、約20mm~約100mm、約20~約90、約30mm~約80mm、約10mm~約60mm、または約30mm~約60mm、例えば、少なくとも約30mm、少なくとも約35mm、少なくとも約40mm、少なくとも約45mmまたは少なくとも約50mmおよび最大約100mm、最大約95mm、最大約90mm、最大約80mm、最大約70mmまたは最大約60mmの範囲であり得る。実施形態では、水溶性繊維の長さは、約30mm未満、または約0.25mm~約30mm未満、例えば、少なくとも約0.25mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約0.75mm、少なくとも約1mm、少なくとも約2.5mm、少なくとも約5mm、少なくとも約7.5mmまたは少なくとも約10mmおよび最大約29mm、最大約28mm、最大約27mm、最大約26mm、最大約25mm、最大約20mmまたは最大約15mmの範囲であり得る。繊維は、押出ポリマー混合物を切断および/またはクリンプすることによって任意の長さに調製できる。実施形態では、繊維は、例えば、スパンボンド、メルトブローン、電界紡糸および回転紡糸などのプロセスによって調製された連続フィラメントであり得、連続フィラメントは、ウェブ形態に直接調製され、提供される。さらに、繊維のブレンドが使用される場合、繊維の平均長さは、個々の繊維の加重平均を使用して決定できる。
【0114】
本開示の繊維は、一般に、任意の長さ対直径比を有し得る。実施形態では、繊維の長さ対直径比は、約2超、約3超、約4超、約6超、約10超、約50超、約60超、約100超、約200超、約300超、約400超、または約1000超であり得る。
【0115】
本開示の不織布ウェブを調製するのに使用される繊維は、一般に、任意の靭性を有し得る。繊維の靭性は、繊維の粗度と相関する。一般に、繊維の靭性が減少するにつれて、繊維の粗度は増加する。本開示の不織布ウェブを調製するのに使用される繊維は、約1~約100cN/dtex、もしくは約1~約75cN/dtex、もしくは約1~約50cN/dtex、もしくは約1~約45cN/dtex、もしくは約1~約40cN/dtex、もしくは約1~約35cN/dtex、もしくは約1~約30cN/dtex、もしくは約1~約25cN/dtex、もしくは約1~約20cN/dtex、もしくは約1~約15cN/dtex、もしくは約1~約10cN/dtex、もしくは約1~約5cN/dtex、もしくは約3~約8cN/dtex、もしくは約4~約8cN/dtex、もしくは約6~約8cN/dtex、もしくは約4~約7cN/dtex、もしくは約10~約20、もしくは約10~約18、もしくは約10~約16の範囲、または約1cN/dtex、約2cN/dtex、約3cN/dtex、約4cN/dtex、約5cN/dtex、約6cN/dtex、約7cN/dtex、約8cN/dtex、約9cN/dtex、約10cN/dtex、約11cN/dtex、約12cN/dtex、約13cN/dtex、約14cN/dtex、もしくは約15cN/dtexの靭性を有し得る。実施形態では、繊維は、約3cN/dtex~約10cN/dtexの靭性を有し得る。実施形態では、繊維は、約7cN/dtex~約10cN/dtexの靭性を有し得る。実施形態では、繊維は、約4cN/dtex~約8cN/dtexの靭性を有し得る。実施形態では、繊維は、約6cN/dtex~約8cN/dtexの靭性を有し得る。
【0116】
繊維が湿式冷却ゲル紡糸法から調製される実施形態では、得られる繊維は、一般に、本明細書に記載の通りの任意の靭性を有し得る。前述の実施形態の改良では、繊維は、約3~約15、約3~約13、約3cN/dtex~約10cN/dtex、約5cN/dtex~約10cN/dtex、または約6cN/dtex~約10cN/dtex、約7cN/dtex~約10cN/dtex、約4cN/dtex~約8cN/dtex、または約6cN/dtex~約8cN/dtexの範囲の靭性を有し得る。
【0117】
本開示の不織布ウェブを調製するのに使用される繊維は、一般に、任意の繊度を有し得る。繊維の繊度は、長さに対する繊維質量と相関する。繊維繊度の主物理単位は1texであり、これは、1gの重量で1000mの繊維に等しい。典型的には、1g/10,000mの繊維を表す単位dtexが使用される。繊維の繊度は、不織布ウェブの好適な硬度/手触り、ねじり剛性、光の反射および相互作用、染料および/または他の活性剤/添加剤の吸収、製造プロセスにおける繊維紡糸の容易さ、ならびに完成物品の均一性を有する不織布ウェブをもたらすように選択できる。一般に、繊維の繊度が増加するにつれて、それから得られる不織布は、より高い均一性、改善された引張強度、伸展性および光沢を示す。さらに、理論によって縛られることを意図することなく、繊維が細いほど、密度に基づいてより大きい繊維と比較して、よりゆっくりした溶解時間になると考えられる。さらに、理論に縛られることを意図することなく、繊維のブレンドが使用される場合、繊維の平均繊度は、個々の繊維成分の加重平均を使用して決定できる。繊維は、非常に微細(dtex≦1.22)、微細(1.22≦dtex≦1.54)、中程度(1.54≦dtex≦1.93)、わずかに粗い(1.93≦dtex≦2.32)、および粗い(dtex≧2.32)を特徴とし得る。本開示の不織布ウェブは、非常に微細、微細、中程度、わずかに粗い、またはその組合せの繊維を含み得る。実施形態では、繊維は、約1dtex~約10dtex、約1dtex~約7dtex、約1dtex~約5dtex、約1dtex~約3dtex、または約1.7dtex~約2.2dtexの範囲の繊度を有する。実施形態では、繊維は、約1.7dtexの繊度を有する。実施形態では、繊維は、約2.2dtexの繊度を有する。
【0118】
複数の水溶性繊維は、当技術分野で公知の任意の方法、例えば、熱可塑性繊維紡糸、湿式冷却ゲル紡糸、メルトブローン、スパンボンド、電界紡糸、回転紡糸、連続フィラメント製造手法、トウ繊維製造手法およびその組合せによって調製できる。
【0119】
湿式冷却ゲル紡糸
【0120】
実施形態では、複数の繊維は、湿式冷却ゲル紡糸法に従って調製された繊維を含み、湿式冷却ゲル紡糸法は、
(a)繊維形成ポリマー(または複数のポリマー)を溶液に溶解して、ポリマー混合物を形成するステップであって、ポリマー混合物が、必要に応じて、補助剤を含む、ステップ;
(b)ポリマー混合物を、スピナレットノズルを通して固化浴に押出して、押出ポリマー混合物を形成するステップ;
(c)押出ポリマー混合物を溶媒交換浴に通過させるステップ;
(d)必要に応じて、押出ポリマー混合物を湿式伸線するステップ;および
(e)押出ポリマー混合物を仕上げ処理して繊維を提供するステップ
を含む。
【0121】
繊維形成ポリマーが溶解される溶媒は、好適には、ポリマーが可溶である任意の溶媒であり得る。実施形態では、ポリマーが溶解される溶媒は、極性非プロトン溶媒を含む。実施形態では、ポリマーが溶解される溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む。
【0122】
一般に、固化浴は、押出ポリマー混合物をゲル化するための冷却溶媒を含む。固化浴は、一般に、押出ポリマー混合物の固化を促進する任意の温度であり得る。固化浴は、ポリマーが可溶である溶媒およびポリマーが不溶である溶媒の混合物を含み得る。ポリマーが不溶である溶媒は、一般に、一次溶媒であり、ポリマーが不溶である溶媒は、混合物の50%超を構成する。
【0123】
固化浴の通過後、押出ポリマー混合物ゲルは、1つまたは複数の溶媒交換浴に通過させてもよい。溶媒交換浴は、ポリマーが可溶である溶媒をポリマーが不溶である溶媒に交換するために用意されて、押出ポリマー混合物をさらに固化し、ポリマーが可溶である溶媒を、より容易に蒸発する溶媒に交換し、それによって、乾燥時間を短縮する。溶媒交換浴は、ポリマーが可溶である溶媒とポリマーが不溶である溶媒の勾配を有する一連の溶媒交換浴、ポリマーが不溶である溶媒のみを有する一連の溶媒交換浴、またはポリマーが不溶である溶媒のみを有する単一溶媒交換浴を含み得る。
【0124】
完成繊維は、時に、ステープル繊維、ショートカット繊維またはパルプと呼ばれることがある。実施形態では、仕上げ処理は、押出ポリマー混合物を乾燥することを含む。実施形態では、仕上げ処理は、押出ポリマー混合物を切断またはクリンプして、個々の繊維を形成することを含む。押出ポリマー混合物の湿式伸線により、押出ポリマー混合物、したがって、それから切断される繊維の直径は実質的に均一になる。伸線は、当技術分野で周知である通り、押出とは別個のものである。特に、押出とは、樹脂混合物をスピナレットヘッドに通過させることによって繊維を作製する作業をいい、一方、伸線とは、繊維を機械により機械方向に引いて、繊維強度および靭性が増加するようにポリマー鎖配向および結晶度を向上させることをいう。
【0125】
繊維が湿式冷却ゲル紡糸法から調製される実施形態では、繊維形成ポリマーは、一般に、本明細書に一般に記載の通り、任意の繊維形成ポリマーまたはそのブレンド、例えば、2種またはそれよりも多種の異なるポリマーであり得る。前述の実施形態の改良では、ポリマーは、例えば、10~10,000,000、例えば、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750または少なくとも1000および最大10,000,000、最大5,000,000、最大2,500,00、最大1,000,000、最大900,000、最大750,000、最大500,000、最大250,000、最大100,000、最大90,000、最大75,000、最大50,000、最大25,000、最大12,000、最大10,000、最大5,000または最大2,500の範囲、例えば、1000~約50,000、1000~約25,000、1000~約12,000、1000~約5,000、1000~約2,500、約50~約12,000、約50~約10,000、約50~約5,000、約50~約2,500、約50~約1000、約50~約900、約100~約800、約150~約700、約200~約600、または約250~約500の範囲の任意の重合度(DP)を有し得る。実施形態では、DPは、少なくとも1,000である。実施形態では、繊維形成ポリマーは、1000~約50,000、1000~約25,000、1000~約12,000、1000~約5,000、1000~約2,500、約50~約12,000、約50~約10,000、約50~約5,000、約50~約2,500、約50~約1000、約50~約900、約100~約800、約150~約700、約200~約600、または約250~約500の範囲のDPを有するポリビニルアルコールポリマーを含む。実施形態では、繊維形成ポリマーは、1000~約50,000、1000~約25,000、1000~約12,000、1000~約5,000、または1000~約2,500の範囲のDPを有するポリビニルアルコールを含む。
【0126】
熱可塑性繊維紡糸
【0127】
熱可塑性繊維紡糸は、当技術分野で周知である。簡潔には、熱可塑性繊維紡糸は、
(a)必要に応じて補助剤を含む繊維形成ポリマーを含むポリマー混合物を調製するステップ;
(b)ポリマー混合物を、スピナレットノズルに通して押出して、押出ポリマー混合物を形成するステップ;
(c)必要に応じて、押出ポリマー混合物を伸線するステップ;および
(d)押出ポリマー混合物を仕上げ処理して繊維を提供するステップ
を含む。
【0128】
熱可塑性繊維紡糸法の完成ステープル繊維は、乾燥、切断および/またはクリンプして個々の繊維を形成することによって仕上げ処理することができる。押出ポリマー混合物の伸線は、繊維を機械により機械方向に引いて、繊維強度および靭性が増加するようにポリマー鎖配向および結晶度を向上させる。熱可塑性繊維紡糸のためのポリマー混合物を調製するステップは、典型的には、(a)繊維形成材料および易揮発性溶媒の溶液を調製し、溶液をスピナレットに通して押出した後、溶液が熱気流と接触した場合、溶媒が容易に蒸発して後に固体繊維が残るようにすること、または(b)ポリマーを溶融し、熱ポリマーをスピナレットに通して押出した後、冷気でクエンチすることによってポリマーを固化することを含むことができる。熱可塑性繊維紡糸法は、少なくとも、(a)熱可塑性繊維紡糸法では、押出繊維が、固化浴の使用によってではなく、溶媒の蒸発によって、または熱固体繊維を冷気でクエンチすることによって固化される点;および(b)湿式冷却ゲル紡糸法では、必要に応じた伸線が、繊維が固体状態ではなくゲル状態である間に実施される点で、湿式冷却ゲル紡糸法とは別個のものである。
【0129】
熱可塑性繊維紡糸法から繊維を調製するための繊維形成材料は、一般に、任意の繊維形成ポリマーまたはそのブレンド、例えば、2種またはそれよりも多種の異なるポリマーであり得、ただし、ポリマーまたはそのブレンドは、易揮発性溶媒への好適な溶解度を有するおよび/またはその分解温度未満かつ分解温度とは別個の融点を有する。さらに、繊維形成ポリマーのブレンドを使用して繊維が作製される場合、繊維形成材料は、2つまたはそれよりも多くの繊維形成材料が同様の温度で溶融するように、易揮発性溶媒への同様の溶解度を有するおよび/または同様の熱プロファイルを有する必要がある。反対に、湿式冷却ゲル紡糸法から繊維を調製するための繊維形成材料は、限定されず、繊維は、同じ溶媒系に可溶である任意の2種またはそれよりも多種のポリマーのブレンドから調製でき、溶媒系は、単一溶媒である必要も、さらには揮発性溶媒である必要もない。
【0130】
熱可塑性繊維紡糸繊維を調製するための繊維形成ポリマーは、例えば、10~10,000、例えば、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750または少なくとも1000および最大10,000、最大5,000、最大2,500、最大1,000、最大900、最大750、最大500または最大250の範囲の重合度(DP)を有し得る。実施形態では、DPは、1,000未満である。
【0131】
メルトスパン
【0132】
メルトスパンは、当技術分野で周知であり、スパンボンド法およびメルトブローン法の両方をいうと理解される。メルトスパンは、不織布ウェブを繊維形成とインラインで直接調製する連続プロセスである。そのため、メルトスパン形成繊維は、仕上げ処理されず、任意の一定長さに切断される(例えば、ステープル繊維はこれらの方法によって調製されない)。さらに、メルトスパンは、伸線するステップを含まず、したがって、得られるメルトスパン繊維の直径に対する唯一の制御は、繊維形成材料が押出される穴のサイズであり、ポリマー鎖は、典型的には、どのような特定の方向にも配向されない。
【0133】
簡潔には、メルトスパンは、
(a)必要に応じて補助剤を含む繊維形成ポリマーを含むポリマー混合物を調製するステップ;
(b)ポリマー混合物を、ダイアセンブリに押出して、押出ポリマー混合物を形成するステップ;
(c)押出ポリマー混合物をクエンチするステップ;
(d)クエンチされた押出ポリマー混合物をベルト上に堆積させて、不織布ウェブを形成するステップ;および
(e)不織布ウェブを結合するステップ
を含む。
【0134】
スパンボンド法では、押出ポリマー混合物は、溶融ポリマーとしてダイアセンブリにポンプで送られ、いったんダイアセンブリを通過すると、冷気でクエンチされる。メルトブローン法では、押出ポリマー混合物は、それを通して熱気が吹き込まれたダイアセンブリにポンプで送られ、ダイアセンブリを出て、周囲温度空気と接触する際にクエンチされる。いずれの方法においても、繊維は、連続してベルトまたはドラム上に落とされ、通常、ベルトまたはドラム下で、真空にすることによって促進される。
【0135】
スパンボンド繊維の直径は、一般に、約0.1~約50ミクロン、例えば、少なくとも約0.1ミクロン、少なくとも約1ミクロン、少なくとも約2ミクロン、少なくとも約5ミクロン、少なくとも約10ミクロン、少なくとも約15ミクロンまたは少なくとも約20ミクロンおよび最大約50ミクロン、最大約40ミクロン、最大約30ミクロン、最大約25ミクロン、最大約20ミクロン、最大約15ミクロン、最大約10ミクロン、約0.1ミクロン~約50ミクロン、約0.1ミクロン~約40ミクロン、約0.1ミクロン~約30ミクロン、約0.1ミクロン~約25ミクロン、約0.1ミクロン~約20ミクロン、約0.1ミクロン~約15ミクロン、約0.1ミクロン~約10ミクロン、約0.1ミクロン~約9ミクロン、約0.1ミクロン~約8ミクロン、約0.1ミクロン~約7ミクロン、約0.1ミクロン~約6ミクロン、約0.1ミクロン~約6ミクロン、約5ミクロン~約35ミクロン、約5ミクロン~約30ミクロン、約7.5ミクロン~約25ミクロン、約10ミクロン~約25ミクロン、または約15ミクロン~約25ミクロンの範囲である。メルトブローン法は、約1~10ミクロンの範囲の平均直径を有するミクロ微細繊維を提供し得るが、しかしながら、メルトブローン法は、繊維間での直径の非常に高いばらつき、例えば、100~300%のばらつきを有することが、当技術分野で周知である。さらに、スパンボンド繊維は、より大きな平均繊維直径、例えば、典型的には約15~約25ミクロンを有し得るが、繊維間の均一性は改善され、例えば、約10%のばらつきであることが、当技術分野で周知である。
【0136】
加熱押出法(例えば、メルトスパン、熱可塑性繊維紡糸)のための繊維形成材料は、湿式冷却ゲル紡糸法よりも限定される。一般に、加熱押出法のための重合度は、約200~約500の範囲に限定される。重合度が200未満に減少すると、繊維形成材料の粘度は低くなりすぎ、材料をダイアセンブリに通してポンプにより送ることによって調製された個々の繊維は、ダイアセンブリを出た後に十分な分離を維持しない。同様に、重合度が500超に増加すると、材料をダイアセンブリの十分に小さな穴を通してポンプで効果的に送ってプロセスを高速で行うには粘度が高くなりすぎるため、プロセス効率、ならびに繊維および/または不織布均一性が失われる。さらに、ホモポリマーは、一般に、必要な熱安定性を有さないため、繊維形成材料を加熱する必要のある方法は、ポリビニルアルコールホモポリマーには適さない。なおさらに、溶融処理可能なポリマーは、5cPまたはそれ未満の粘度を有するものであることが公知である。したがって、湿式冷却ゲル紡糸法は、有利には、そうでなければ繊維に加工することができない5cP超の粘度を有するポリビニルアルコールホモポリマーおよびコポリマーを含むポリマー由来の繊維を提供し得る。
【0137】
湿式冷却ゲル紡糸法は、有利には、水溶性ポリマーのブレンドを含む繊維を提供すること、繊維の直径に対する制御を提供すること、比較的大きな直径の繊維を提供すること、繊維の長さに対する制御を提供すること、繊維の靭性に対する制御を提供すること、高靭性繊維を提供すること、高い重合度を有するポリマーから繊維を提供すること、および/または自己支持不織布ウェブを提供するために使用できる繊維を提供することなどの1つまたは複数の利点を提供する。スパンボンド、メルトブローン、電界紡糸および回転紡糸などの連続プロセスは、一般に、水溶性ポリマーをブレンドすること(例えば、様々なポリマーのメルトインデックスを一致させることが困難であることに起因して)、大直径(例えば、50ミクロン超)の繊維を形成すること、繊維の長さを制御すること、高靭性繊維を提供すること、および高重合度を有するポリマーの使用を可能にしない。さらに、湿式冷却ゲル紡糸法は、有利には、溶融加工可能なポリマーのみに限定されず、したがって、非常に高い分子量、高融点、低メルトフローインデックス、またはその組合せを有する繊維形成材料から作製された繊維を利用でき、加熱押出法によって調製された繊維と比較して、より強い物理特性および異なる化学機能性を有する繊維が提供される。
【0138】
不織布ウェブ
【0139】
本開示の不織布ウェブは、一般に、2つの外面を有するシート様構造であり、不織布ウェブは、複数の繊維を含む。本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、不織布ウェブの「外面」とは、
図2において100および101で示されるシート様構造の面をいう。不織布ウェブとは、一般に、互いに結合した繊維の配置構成をいい、繊維は、織られても、編まれてもいない。一般に、複数の繊維は、任意の配向で配置構成され得る。実施形態では、複数の繊維は、ランダムに配置構成される(すなわち、配向を有さない)。実施形態では、複数の繊維は、一方向配向で配置構成される。実施形態では、複数の繊維は、二方向配向で配置構成される。一部の実施形態では、複数の繊維は、不織布ウェブの異なる領域において異なる配置構成を有する多方向性である。実施形態では、不織布ウェブは、単一種類の水溶性繊維を含み得る。実施形態では、不織布ウェブは、単一種類の非水溶性繊維を含み得る。実施形態では、不織布ウェブは、単一種類の水溶性繊維および1つまたは複数の異なる種類の非水溶性繊維を含み得る。実施形態では、不織布ウェブは、1つまたは複数の異なる種類の水溶性繊維および1つまたは複数の異なる種類の非水溶性繊維を含み得る。実施形態では、不織布ウェブは、水溶性繊維からなる、または水溶性繊維から本質的になり得る。実施形態では、不織布ウェブは、非水溶性繊維からなる、または非水溶性繊維から本質的になり得る。一部の実施形態では、不織布ウェブは、単一種類の繊維形成材料を含み得る(すなわち、すべての繊維が同じ組成の繊維形成材料を有する)が、1つまたは複数の繊維形成法、例えば、湿式冷却ゲル紡糸、熱可塑性繊維紡糸、メルトブローン、スパンボンドまたはその組合せによって調製された繊維を含み得る。一部の実施形態では、不織布ウェブは、単一の種類の繊維形成材料を含み得、繊維は、単一の繊維形成法から作製される。一部の実施形態では、不織布ウェブは、2つまたはそれよりも多くの繊維形成材料(例えば、異なる組成の繊維形成材料を有する繊維のブレンド、繊維形成材料のブレンドを含む繊維、またはその両方)を含み得、繊維は、1つまたは複数の繊維形成法、例えば、湿式冷却ゲル紡糸、熱可塑性繊維紡糸、メルトブローン、スパンボンドまたはその組合せによって調製され得る。一部の実施形態では、不織布ウェブは、2つまたはそれよりも多くの繊維形成材料を含み得、繊維は、単一の繊維形成法から作製される。実施形態では、不織布ウェブの繊維は、実質的に同じ直径または異なる直径を有し得る。
【0140】
本開示の不織布ウェブが、第1の水溶性繊維および第2の水溶性繊維を含む水溶性繊維のブレンドを含む実施形態では、第1および第2の水溶性繊維は、直径、長さ、靭性、形状、剛性、弾性、溶解度、融点、ガラス転移温度(Tg)、繊維形成材料、色またはその組合せの差を有し得る。本開示の不織布ウェブが、第1の非水溶性繊維および第2の非水溶性繊維を含む非水溶性繊維のブレンドを含む実施形態では、第1および第2の非水溶性繊維は、直径、長さ、靭性、形状、剛性、弾性、溶解度、融点、ガラス転移温度、繊維形成材料、色またはその組合せの差を有し得る。
【0141】
一般に、不織布ウェブは、不織布の繊維を作製するのに使用されたポリビニルアルコール繊維形成材料の平均加水分解度によって特徴付けることができる。不織布ウェブが単一の繊維種類からなる場合、不織布ウェブの加水分解度は、単一の繊維種類の加水分解度と同じである。実施形態では、本開示の不織布ウェブは、繊維のブレンドを含み得、各繊維は、異なる加水分解度を有する。そのような場合、不織布ウェブの加水分解度は、個々の繊維種類の加水分解度の算術重量平均である。不織布ウェブが層化されて不織布物品が調製される実施形態では、不織布物品は、個々のウェブ層の加水分解度の算術重量平均である加水分解度を有する。不織布ウェブまたは物品が吸水に使用される実施形態(例えば、液体が使用者の皮膚から取り除かれる着用可能物)では、ウェブまたは物品は、約95~99.9%、約96~99%、または約97~98%の範囲の平均加水分解度を有し得る。不織布ウェブまたは物品が液体吸収能のために使用される実施形態(例えば、こぼれたものを清浄するためのワイプ)では、ウェブまたは物品は、約93~97%、約94~96%の範囲、または約95%の平均加水分解度を有し得、さらに、カレンダー結合ではなくエアスルー結合され得る。以下の実施例に示される通り、同様の組成を有する不織布ウェブをエアスルー結合した場合、カレンダー結合した不織布ウェブと比較した場合、液体吸収能が大幅に増加した。エアスルー結合不織布ウェブは、結合を促進するために、熱可塑性繊維材料を、5wt.%またはそれ未満のレベル(繊維の総重量に基づいて)で含んだ。理論に縛られることを意図することなく、不織布ウェブの結合レベルが高いほど、液体吸収能は低くなると考えられる。したがって、結合条件は、特定の繊維種類から調製された不織布ウェブの液体吸収能を増加させるように選択できるとさらに考えられる。理論に縛られることを意図することなく、エアスルー結合により、カレンダー結合と比較して、より吸収性の不織布ウェブが得られ、カレンダー結合不織布ウェブの滞留時間が増加するにつれて、吸収能は減少すると考えられる。
【0142】
不織布ウェブを作製する方法
【0143】
本開示の不織布ウェブは、当技術分野で公知の任意の方法を使用して、繊維から調製できる。当技術分野で公知の通り、繊維がスパンボンドまたはメルトブローンである場合、繊維は、連続して重ねられて、不織布ウェブが形成され、続いて、繊維が結合される。
【0144】
ステープル繊維は、カーディングまたはエアレイドし、結合して、不織布ウェブを得ることができる。カーディングおよびエアレイドの方法は、当技術分野で周知である。さらに、当技術分野で公知の通り、カーディングウェブは、典型的には、カーディングの間の繊維の整列に起因して、交差方向よりも機械方向に強く、カーディング法は、典型的には、2つのドッファシリンダを使用して、交差方向の第1の強度を有する第1のプライおよびカーディング不織布ウェブ全体に交差方向の追加の強度を付与する交差方向の第2の強度を有する第2のプライを有する二重プライ型のカーディングウェブを提供する。本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、「カーディング不織布ウェブ」という用語は、単一プライ型のカーディング不織布ウェブ、および多プライ型(例えば、2プライ、3プライなど)のカーディング不織布ウェブを包含する。したがって、そのような二重プライ型のカーディング不織布ウェブが本開示の複合物品の層として使用される場合、二重プライ型のカーディング不織布ウェブは、単一層であると考えられることが理解される。当技術分野で公知の通り、エアレイドは、バキュームの使用により繊維がシリンダーからベルトまたはドラム上に吹き飛ばされ、その結果、空気の乱れに起因して、エアレイド不織布は、一般に、繊維の配列において方向性を有さないことを除いて、カーディングと同様である。したがって、エアレイド不織布は、一般に、機械方向および交差方向で等しい強度を有する。
【0145】
不織布ウェブを結合する方法は、当技術分野で周知である。一般に、結合は、熱、機械および/または化学結合を含み得る。熱結合は、これらに限定されないが、カレンダー加工、エンボス加工、エアスルーおよび超音波を含み得る。機械結合は、これらに限定されないが、ハイドロエンタングルメント(スパンレース)、ニードルパンチおよびスティッチボンドを含み得る。化学結合は、これらに限定されないが、溶媒結合および樹脂結合を含み得る。
【0146】
熱結合は、一般に、熱および圧力を適用することによって実現され、典型的には、カーディング/メルトスパン法によって製造された孔径、形状および配列を維持する。熱結合のための条件は、当業者であれば、容易に決定できる。一般に、適用される熱および/または圧力が低すぎる場合、繊維は、自立ウェブを形成するのに十分に結合せず、熱および/または圧力が高すぎる場合、繊維は一緒に融合し始める。繊維化学は、熱結合のための熱および/または圧力の上限および下限を示す。理論に縛られることを意図することなく、235℃超の温度では、ポリビニルアルコールベースの繊維は分解すると考えられる。当技術分野において、熱点結合とも呼ばれるカレンダー結合は、彫刻カレンダーおよび滑らかな対向ロールを使用して、熱および圧力を局所適用して、不織布全体を通してフィルム様強化構造を形成する。カレンダー加工は、本明細書に開示の方法のうちの任意のものによって形成された不織布ウェブで使用できる。一般に、カレンダー加工されたメルトスパン不織布ウェブは、不織布表面の約10~25%の典型結合面積を有し、カレンダー加工されたカーディング不織布ウェブは、約20%またはそれよりも大きい典型結合面積を有する。結合点配置は、六角形、長方形などであり得、結合パターンの各点は、ひし形および長円などの形状であり得る。一般に、長円形状の結合により、より滑らかな結合領域および増加した強度が得られることが、当技術分野において認識されている。繊維の熱結合のためのエンボス加工の方法は公知である。エンボス加工は、片側エンボス加工または両面エンボス加工であり得る。典型的には、水溶性繊維のエンボス加工は、規則的円形アレイからなる単一のエンボス加工ロールおよび平坦面を有する鋼ロールを使用した片側エンボス加工を含む。エンボス加工が増加する(例えば、ウェブに表面特徴が付与される)につれて、ウェブの表面積は増加する。理論に縛られることを意図することなく、ウェブの表面積が増加するにつれて、ウェブの溶解度は増加すると予想される。したがって、不織布ウェブの溶解度特性は、有利には、エンボス加工により表面積を変更することによって調節できる。
【0147】
エアスルー結合は一般に、不織布ウェブ中の高い熱可塑性プラスチック含有量および2種の異なる融点の材料が必要である。エアスルー結合では、非結合不織布ウェブは、ドラムの周りを循環し、熱気がドラムの外側からドラムの中心に向かって流れる。エアスルー結合は、低密度およびより高い坪量(例えば、20超~約2000g/m2)を有する不織布を提供し得る。空気結合によって結合された不織布は、典型的には非常に柔らかい。
【0148】
ハイドロエンタングルメントはまた、スパンレースまたはジェットレースとして当技術分野で公知であり、結合は、不織布を、不織布の繊維を物理的にからませる高圧水ジェットのアレイと接触させることによって実現される。ハイドロエンタングルメントによって結合された不織布は一般に柔らかく、ドレープ性であり、交差方向に高い伸びを有し得、機械方向に高い強度を有し得、化学結合剤を含まず、熱結合の結果としてエンボス加工を有さない。
【0149】
化学結合は、一般に、溶媒結合および樹脂結合を含む。特に、化学結合は、典型的には、溶媒の結合剤溶液および樹脂(例えば、ラテックスまたは繊維の調製から残された廃棄ポリマー)を使用する。不織布を結合剤溶液でコーティングし、熱および圧力を適用して、結合剤を硬化させ、不織布を結合することができる。結合剤溶液は、不織布を結合剤溶液の浴に浸漬する、結合剤溶液を不織布にスプレーする、結合剤溶液をウェブ上に押出する(フォームボンド)および/または結合剤溶液をプリントもしくはグラビアとして適用することによって適用できる。
【0150】
化学結合の結果、カーディング/メルトスパンの孔と比べてより小さく、規則的でない孔が生じ得る。理論に縛られることを意図することなく、化学結合に使用される樹脂溶液が十分濃縮されているおよび/または十分な圧力が適用される場合、非多孔性水分散性不織布ウェブが形成され得ると考えられる。化学結合に使用される溶媒は、ウェブ中に存在する繊維の部分的な可溶化を誘発して、繊維を一緒に溶接し、結合させる。したがって、一般に、化学結合のための溶媒は、不織布の繊維の1つまたは複数の繊維形成材料を少なくとも部分的に可溶化し得る任意の溶媒であり得る。実施形態では、溶媒は、水、エタノール、メタノール、DMSO、グリセリンおよびその組合せからなる群から選択される。実施形態では、溶媒は、水、グリセリンおよびその組合せからなる群から選択される。実施形態では、結合剤溶液は、水、エタノール、メタノール、DMSO、グリセリンおよびその組合せからなる群から選択される溶媒を含み、ポリビニルアルコール、ラテックスおよびポリビニルピロリドンからなる群から選択される樹脂をさらに含む。溶液中に提供される結合剤は、溶接プロセスを補助して、より機械的に頑強なウェブを提供する。ポリマー溶液の温度は、特に限定されず、室温(約23℃)で提供され得る。
【0151】
一部の実施形態では、繊維の第2の層を使用して不織布ウェブを結合することができる。実施形態では、本開示の複合物品の少なくとも1つの不織布層は、不織布ウェブ/繊維の第2の層を使用して結合される。実施形態では、本開示の複合物品の少なくとも2つの不織布層は、不織布ウェブ/繊維の追加層を使用して結合される。実施形態では、本開示の複合物品の少なくとも1つの不織布層は、熱、機械または化学結合を、単独でまたは不織布ウェブ/繊維の追加層を使用した結合に加えて使用して、結合される。
【0152】
坪量/多孔度
【0153】
不織布ウェブは、坪量によって特徴付けることができる。不織布の坪量は、不織布の単位面積当たりの質量である。坪量は、当技術分野で公知の通り、製造条件を変更することによって修正できる。不織布ウェブは、結合前および結合後で同じ坪量を有し得る。あるいは、結合法により、不織布ウェブの坪量は変化し得る。例えば、結合が、熱および圧力の適用によって起こる場合、不織布の厚さ(およびしたがって不織布の面積)は、減少し得、それによって、坪量は増加する。したがって、本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、不織布の坪量とは、結合後の不織布の坪量をいう。
【0154】
本開示の不織布ウェブは、一般に、約0.1g/m2~約700g/m2、約0.5g/m2~約600g/m2、約1g/m2~約500g/m2、約1g/m2~約400g/m2、約1g/m2~約300g/m2、約1g/m2~約200g/m2、約1g/m2~約100g/m2、約30g/m2~約100g/m2、約20g/m2~約100g/m2、約20g/m2~約80g/m2、または約25g/m2~約70g/m2の範囲の任意の坪量を有し得る。
【0155】
実施形態では、不織布ウェブはカーティングされ得、約5g/m2~約15g/m2、約7g/m2~約13g/m2、約9g/m2~約11g/m2、または約10g/m2の坪量を有する。実施形態では、不織布ウェブはカーディングされ得、30g/m2またはそれよりも大きい、例えば、30g/m2~約70g/m2、約30g/m2~約60g/m2、約30g/m2~約50g/m2、約30g/m2~約40g/m2、または約30g/m2~約35g/m2の範囲の坪量を有し得る。実施形態では、不織布ウェブはメルトスパンされ得、約1g/m2~約20g/m2、約2g/m2~約15g/m2、約3g/m2~約10g/m2、約5g/m2~約15g/m2、約7g/m2~約13g/m2、約9g/m2~約11g/m2の範囲、または約10g/m2の坪量を有する。実施形態では、不織布ウェブはメルトスパンされ得、約0.1g/m2~約10g/m2、約0.1g/m2~約8g/m2、約0.2g/m2~約6g/m2、約0.3g/m2~約4g/m2、約0.4g/m2~約2g/m2、または約0.5g/m2~約1g/m2の坪量を有し得る。
【0156】
坪量には、不織布の繊維体積密度および多孔度が関係する。調製時および結合前の不織布ウェブは、一般に、約30体積%またはそれ未満の繊維密度を有し、すなわち、所与の体積の不織布について、30%またはそれ未満の体積が、繊維を構成し、残りの体積は空気である。したがって、不織布ウェブは、一般に高度に多孔性である。不織布の繊維体積密度および多孔度は、不織布の特徴に反比例に関連し、例えば、約30体積%の繊維体積密度を有する不織布は、約70体積%の多孔度を有することになる。繊維体積密度が増加するにつれて、多孔度が減少することは、当技術分野において十分理解されている。繊維体積密度は、不織布の坪量を増加させることによって、例えば、熱および圧力の適用による結合によって、潜在的に不織布の厚さ(したがって、体積)を減少させることによって、増加させることができる。したがって、本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、不織布の繊維体積密度および多孔度とは、結合後の不織布の繊維体積密度および多孔度をいう。
【0157】
本開示の不織布ウェブは、一般に、約50%~約95%、例えば、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%もしくは少なくとも約80%および最大約95%、最大約90%、最大約85%、最大約80%、最大約75%、最大約70%の範囲、または約50%~約95%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約75%、約60%~約80%、約60%~約90%、約75%~約85%、約75%~約90%、もしくは約75%~約95%の範囲の任意の多孔度を有し得る。
【0158】
孔径は、これらに限定されないが、Brunauer-Emmett-Teller理論(BET)、小角X線散乱(SAXS)および分子吸着を含む高倍率規則的表面分析技術を使用して決定できる。
【0159】
本開示の不織布ウェブは、一般に、任意の厚さを有し得る。好適な厚さは、これらに限定されないが、約5~約10,000μm(1cm)、約5~約5,000μm、約5~約1,000μm、約5~約500μm、約200~約500μm、約5~約200μm、約20~約100μm、または約40~約90μm、または約50~80μm、または約60~65μm、例えば、50μm、65μm、76μm、または88μmを含み得る。本開示の不織布ウェブは、高ロフトまたは低ロフトを特徴とし得る。一般に、ロフトとは、厚さの坪量に対する比をいう。高ロフト不織布ウェブは、厚さの坪量に対する高い比によって特徴付けることができる。本明細書で使用される場合、「高ロフト」とは、本明細書で定義される通りの坪量および200μmを超える厚さを有する本開示の不織布ウェブをいう。不織布ウェブの厚さは、ASTM D5729-97、ASTM D5736およびISO 9073-2:1995に従って決定でき、例えば、不織布ウェブを2Nの負荷にかけ、厚さを測定することを含み得る。高ロフト材料は、当技術分野で公知の方法、例えば、エアスルー結合またはクロスラッパーを使用して未結合ウェブをそれ自体の上に折り畳んで、ロフトおよび坪量を作るクロスラップに従って使用できる。理論に縛られることを意図することなく、フィルムの溶解度がフィルムの厚さに依存し得る水溶性フィルムとは反対に、水溶性繊維を含む不織布ウェブの溶解度は、ウェブの厚さに依存しないと考えられる。これに関して、フィルムの厚さに関わらず、個々の繊維により水溶性フィルムよりも大きい表面積がもたらされるため、水の繊維への到達、およびそれによって、水溶性不織布ウェブ中の繊維の溶解を制限するパラメーターは、坪量であると考えられる。
【0160】
本開示の不織布ウェブの水溶解度は、一般に、ウェブを調製するのに使用した繊維の種類および不織布ウェブの坪量の関数である。理論に縛られることを意図することなく、不織布ウェブの溶解度プロファイルは、不織布ウェブを調製するのに使用した繊維と同じ溶解度プロファイルに従い、繊維の溶解度プロファイルは、一般に、繊維形成ポリマーと同じ溶解度プロファイルに従うと考えられる。例えば、PVOH繊維を含む不織布ウェブの場合、PVOHポリマーの加水分解度は、不織布ウェブの水溶解度もまた影響を受けるように選択できる。一般に、所与の温度において、PVOHポリマーの加水分解度が、部分加水分解(88%DH)から完全加水分解(≧98%DH)に増加するにつれて、ポリマーの水溶解度は、一般に、減少する。したがって、1つの選択肢では、不織布ウェブは、冷水溶性であり得る。任意の他のモノマーを含まない(例えば、アニオン性モノマーと共重合されていない)コ-ポリ(ビニルアセテートビニルアルコール)ポリマーの場合、10℃未満の温度の水に可溶性である冷水溶性ウェブは、約75%~約90%の範囲、または約80%~約90%の範囲、または約85%~約90%の範囲の加水分解度を有するPVOHの繊維を含み得る。別の選択肢では、不織布ウェブは、熱水溶性であり得る。任意の他のモノマーを含まない(例えば、アニオン性モノマーと共重合されていない)コ-ポリ(ビニルアセテートビニルアルコール)ポリマーの場合、少なくとも約60℃の温度で水に可溶性である熱水溶性ウェブは、少なくとも約98%の加水分解度を有するPVOHの繊維を含み得る。
【0161】
PVOHの変性により、一般に、PVOHポリマーの溶解度が増加する。したがって、所与の温度において、PVOHコポリマーから調製された不織布ウェブの溶解度は、PVOHコポリマーと同じ加水分解度を有するPVOHホモポリマーから調製された不織布ウェブの溶解度よりも高いと予想される。これらの傾向に従って、特定の溶解度特徴を有する水溶性不織布ウェブは、繊維内のポリマーおよび/または不織布ウェブ内の繊維をブレンドすることによって設計できる。
【0162】
不織布ウェブ中の非水溶性繊維の包含はまた、特定の溶解度および/または遅延分解を有する不織布ウェブ(例えば、不織布ウェブが水に流せるワイプに含まれる場合)を設計するのに使用できる。理論に縛られることを意図することなく、不織布ウェブに含まれる非水溶性繊維の重量パーセント(不織布ウェブの総重量に基づく)が増加するにつれて、不織布ウェブの溶解度は一般に減少し、湿った水に流せるワイプの安定性は増加し、使用中の分解を防止し、ワイプのフラッシング性を維持すると考えられる。水溶性繊維の溶解温度またはそれよりも高い温度における水との接触時、水溶性繊維および非水溶性繊維を含む不織布ウェブは、水溶性繊維が溶解するにつれて分散し始め、それによってウェブ構造が分解する、および/または不織布ウェブの多孔度が増加する。同様に、本開示の不織布ウェブの遅延分解および/または溶解は、異なる溶解特性および/または異なる溶解温度を有する水溶性繊維のブレンドを使用することによって実現できる。不織布ウェブが水溶性繊維および非水溶性繊維を含む実施形態では、可溶性繊維の非可溶性繊維に対する比は特に限定されない。水溶性繊維は、繊維の総重量の約1重量%~約99重量%、約20重量%~約80重量%、約40重量%~約90重量%、約50重量%~約90重量%、または約60重量%~約90重量%を構成し得、非水溶性繊維は、繊維の総重量の約1重量%~約99重量%、約20重量%~約80重量%、約10重量%~約60重量%、約10重量%~約50重量%、または約10重量%~約40重量%を構成し得る。
【0163】
さらに、水溶性不織布ウェブの場合、ウェブの坪量が増加するにつれて、ウェブの溶解速度は減少し、ただし、より多くの材料が溶解するため、繊維組成は一定のままである。例えば、所与の温度において、PVOHポリマーを含む繊維から調製され、例えば、40g/m2の坪量を有する水溶性不織布ウェブは、例えば、30g/m2の坪量を有するそれ以外は同一の水溶性不織布ウェブよりもゆっくり溶解すると予想される。したがって、坪量はまた、不織布ウェブの溶解特徴を修正するために使用できる。不織布ウェブは、一般に、約1g/m2~約700g/m2、約1g/m2~約600g/m2、約1g/m2~約500g/m2、約1g/m2~約400g/m2、約1g/m2~約300g/m2、約1g/m2~約200g/m2、約1g/m2~約100g/m2、約30g/m2~約100g/m2、約20g/m2~約100g/m2、約20g/m2~約80g/m2、または約25g/m2~約70g/m2の範囲の任意の坪量を有し得る。
【0164】
理論に縛られることを意図することなく、水溶性不織布ウェブの溶解度(完全溶解までの時間の点で)は、同じPVOHポリマーから調製された同じサイズ(L×W)および/または質量の水溶性フィルムの溶解度を超えると予想されると考えられる。これは、フィルムと比較して不織布において見出される、より速い溶解をもたらすより大きい表面積に起因する。
【0165】
機械特性
【0166】
当技術分野で十分理解されている通り、機械方向(MD)という用語とは、例えば、市販の不織布作製機で不織布ウェブが製造される際にウェブが進行する方向をいう。同様に、交差方向(CD)という用語とは、機械方向に垂直なウェブの平面の方向をいう。不織布複合物品、ワイプ、吸収物品または本開示の不織布複合物品を含む他の物品に関して、これらの用語は、物品の製造に使用される不織布ウェブに関して物品の対応する方向をいう。
【0167】
不織布ウェブの靭性は、ウェブを調製するのに使用された繊維の靭性と同じまたは異なり得る。理論に縛られることを意図することなく、不織布ウェブの靭性は、不織布ウェブの強度に関連し、靭性がより高いほど、不織布ウェブの強度がより高くなると考えられる。一般に、不織布ウェブの靭性は、異なる靭性を有する繊維を使用することによって修正できる。不織布ウェブの靭性はまた、加工によって影響され得る。一般に、本開示の不織布ウェブは、比較的高い靭性を有し得、すなわち、不織布ウェブは、物品および/またはポーチを調製するための単独材料として使用できる自己支持ウェブである。実施形態では、不織布ウェブは自己支持ウェブである。反対に、メルトブローン、電界紡糸および/または回転紡糸法により調製された不織布ウェブは、典型的には、低い靭性を有し、自己支持ではない、または物品もしくはポーチを形成するための単独ウェブとして使用することができない場合がある。したがって、一部の実施形態では、不織布ウェブは、自己支持ではなく、第2の不織布ウェブと組み合わせて使用される。
【0168】
実施形態では、本開示の不織布ウェブは、約0.5~約1.5、約0.75~約1.5、約0.80~約1.25、約0.90~約1.1、もしくは約0.95~約1.05の範囲、または約1の、機械方向の靭性の交差方向の靭性に対する比(MD:CD)を有し得る。実施形態では、本開示の不織布ウェブは、約0.8~約1.25の靭性比MD:CDを有する。実施形態では、本開示の不織布ウェブは、約0.9~約1.1の靭性比MD:CDを有する。実施形態では、本開示の不織布ウェブは、約1の靭性を有する。理論に縛られることを意図することなく、靭性比MD:CDが1に近づくにつれて、不織布の耐久性が増加し、使用の間、例えば、本開示の不織布ウェブを含む水に流せるワイプでこする、または着用可能吸収物品の着用の間の動きによって引き起こされる不織布の引張(pulling/tugging)により不織布に応力が適用された場合、不織布の分解への優れた抵抗を付与すると考えられる。
【0169】
一般に、本開示の不織布ウェブは、水溶性フィルムと比べて粗い表面を有し、これにより、表面と水溶性フィルムとの間よりも表面と不織布ウェブとの間の接触が減少する。有利には、この表面粗度により、不織布ウェブは同等のフィルムと比べて動摩擦係数、および得られる静摩擦係数の動摩擦係数に対する比がより低くなり、消費者の感触が改善され(すなわち、より柔らかく、ゴムのような手触りではなく布のような手触りになる)、ならびに/または審美性が改善される(すなわち、水溶性フィルムよりも光沢が少なくなる)。したがって、繊維は、抗力を生じるほど粗くなることなく、得られる不織布ウェブに表面粗度をもたらすのに十分粗くなくてはならない。
【0170】
補助成分
【0171】
本開示の不織布ウェブは、補助剤および/または処理剤を含み得る。補助剤および処理剤は、不織布ウェブに含まれる場合、ウェブ全体を通して、例えば、繊維間に分散され得る、または不織布ウェブの1つまたは複数の表面に適用され得る。補助剤は、当技術分野で周知の通り、メルトスパン法の間に、Kimberly Clarkによって開発された「同時形成」法を使用して不織布ウェブに添加できる。補助剤および処理剤は、これらに限定されないが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、界面活性剤、潤滑剤、剥離剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、脱粘着剤、消泡剤、層状シリケート型ナノクレイなどのナノ粒子(例えば、ナトリウムモンモリロナイト)、漂白剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムまたはその他)、苦味剤(例えば、安息香酸デナトニウム、デナトニウム糖および塩化デナトニウムなどのデナトニウム塩;オクタアセチルスクロース;キニーネ;ケルセチンおよびナリンゲニンなどのフラボノイド;ならびにカシンおよびブルシンなどのカシノイド)および辛味剤(例えば、カプサイシン、ピペリン、アリルイソシアネートおよびレシニフェラトキシン)などの嫌悪剤、ならびに他の機能性成分をその意図される目的に好適な量で含み得る。特定のそのような補助剤および処理剤は、水溶性繊維における使用に好適なもの、または水溶性フィルムにおける使用に好適なものから選択され得る。
【0172】
実施形態では、不織布ウェブは、可塑剤を含む。不織布ウェブ中/上に含まれる場合、可塑剤は、例えば、本開示の繊維との使用について本明細書に記載の任意の可塑剤またはその組合せであり得る。含まれる非水可塑剤の総量は、不織布ウェブの総重量に基づいて、約1wt.%~約45wt.%、または約5wt.%~約45wt.%、または約10wt.%~約40wt.%、または約20wt.%~約30wt.%、約1wt.%~約4wt.%、または約1.5wt.%~約3.5wt.%、または約2.0wt.%~約3.0wt.%の範囲、例えば、約1wt.%、約2.5wt.%、約5wt.%、約10wt.%、約15wt.%、約20wt.%、約25wt.%、約30wt.%、約35wt.%または約40wt.%であり得る。
【0173】
実施形態では、不織布ウェブは、界面活性剤を含む。不織布ウェブ中/上に含まれる場合、界面活性剤は、例えば、本開示の繊維との使用について本明細書に記載の任意の界面活性剤またはその組合せであり得る。様々な実施形態では、界面活性剤は、不織布ウェブの総重量に基づいて、約0.01wt.%~約2.5wt.%、約0.1wt.%~約2.5wt.%、約1.0wt.%~約2.0wt.%、約0.01wt%~0.25wt%、または約0.10wt%~0.20wt%の範囲で提供され得る。
【0174】
実施形態では、本開示の不織布ウェブは、実質的に補助剤を含まない。本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、「実質的に補助剤を含まない」は、不織布ウェブが、不織布ウェブの総重量に基づいて、約0.01wt%未満、約0.005wt.%未満、または約0.001wt.%未満の補助剤を含むことを意味する。
【0175】
実施形態では、水分散性不織布ウェブは、着色、顔料により着色および/または染料により着色されて、水溶性フィルムと比べて改善された審美効果を提供し得る。好適な着色料は、指示染料、例えば、pH指示薬(例えば、チモールブルー、ブロモチモール、チモールフタレインおよびチモールフタレイン)、水分/水指示薬(例えば、ハイドロクロミック(hydrochromic)インクまたはロイコ染料)、または温度が上昇および/または下降すると色が変化するサーモクロミックインクを含み得る。好適な着色料は、これらに限定されないが、トリフェニルメタン染料、アゾ染料、アントラキノン染料、ペリレン染料、インジゴイド染料、食品、薬物および化粧用(FD&C)着色料、有機顔料、無機顔料、またはその組合せを含む。着色料の例は、これらに限定されないが、FD&C赤色#40、赤色#3、FD&C黒色#3、黒色#2、マイカベースの真珠光沢顔料、FD&C黄色#6、緑色#3、青色#1、青色#2、二酸化チタン(食品グレード)、ブリリアントブラックおよびその組合せを含む。
【0176】
水溶性繊維に含まれる場合、着色料は、水溶性ポリマー混合物の0.01重量%~25重量%、例えば、水溶性ポリマー混合物の0.02重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、21重量%、22重量%、23重量%、および24重量%の量で提供され得る。
【0177】
活性剤
【0178】
実施形態では、本開示の不織布ウェブは、活性剤を含み得る。活性剤は、一般に、本開示の繊維との使用について本明細書に記載の任意の活性剤であり得る。活性剤は、ステープル繊維のカーディング、連続繊維の堆積の間に不織布ウェブに添加してもよく、そして/または結合前に不織布ウェブに添加してもよい。カーディングまたは堆積の間に繊維に添加された活性剤は、不織布ウェブ全体を通して分散し得る。活性剤は、当技術分野で周知の通り、メルトスパン法の間に、Kimberly Clarkによって開発された「同時形成」法を使用して不織布ウェブに添加できる。カーディングまたは堆積の後、および結合前または後に不織布ウェブに添加される活性剤は、不織布ウェブの1つまたは両方の面に選択的に添加できる。さらに、活性剤は、ワイプ、吸収物品または不織布ウェブから調製した他の物品の表面に添加できる。
【0179】
活性剤は、不織布ウェブ中に少なくとも約1wt%、または約1wt%~約99wt%の範囲の量で存在する場合、不織布ウェブに追加の機能性を提供する。実施形態では、活性剤は、本明細書に記載の酵素、油、香料、着色料、臭気吸収剤、芳香剤、殺虫剤、肥料、酸化剤、剥離剤、液体吸収材料、活性化剤、酸触媒、金属触媒、イオン捕捉剤、洗剤、殺菌剤、界面活性剤、可塑剤、漂白剤、漂白成分、布柔軟剤およびその組合せからなる群から選択される。実施形態では、活性剤は、酵素、油、香料、着色料、臭気吸収剤、芳香剤、殺虫剤、酸化剤、剥離剤、液体吸収材料、洗剤、殺菌剤、界面活性剤、可塑剤、漂白剤、漂白成分、布柔軟剤およびその組合せからなる群から選択される。実施形態では、活性剤は、酵素、油、臭気吸収剤、芳香剤、剥離剤、液体吸収材料、洗剤、殺菌剤およびその組合せからなる群から選択される。
【0180】
活性剤は、固体であっても液体であってもよい。固体である活性剤は、少なくとも約0.01μmの平均粒径(例えば、Dv50)、または例えば、約0.01μm~約2mmの範囲のサイズを有し得る。液体活性剤は、不織布ウェブに直接適用してもよく、担体粉末と混合してもよく、また、マイクロカプセル化してもよい。担体粉末を含む実施形態では、担体粉末の平均粒径は、少なくとも約0.01μm、または例えば、約0.01μm~約2mmの範囲であり得る。
【0181】
一クラスの実施形態では、活性剤はカプセル化されて、活性剤の制御放出が可能になる。好適なマイクロカプセルは、メラミンホルムアルデヒド、ポリウレタン、ウレアホルムアルデヒド、キトサン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリテトラヒドロフラン、ゼラチン、アラビアゴム、デンプン、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、アラビノガラクタン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、エチルセルロース、ポリエチレン、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリ(エチレンビニルアセテート)、硝酸セルロース、シリコーン、ポリ(ラクチドコ-グリコリド)、パラフィン、カルナウバ、鯨ろう、蜜ろう、ステアリン酸、ステアリルアルコール、グリセリルステアレート、シェラック、酢酸フタル酸セルロース、ゼインおよびその組合せのうちの1つまたは複数を含む、またはそれらから作製され得る。一種の実施形態では、マイクロカプセルは、少なくとも約0.1ミクロン、または例えば、約0.1ミクロン~約200ミクロンの範囲の平均粒径(例えば、Dv50)によって特徴付けられる。代替の実施形態では、マイクロカプセルは、個々の粒子の凝集体を形成し得、例えば、個々の粒子は、少なくとも約0.1ミクロン、または約0.1ミクロン~約200ミクロンの範囲の平均粒径を有する。
【0182】
活性剤が不織布ウェブの1つもしくは複数の面、または物品に適用される実施形態では、活性剤は、任意の好適な方法で適用できる。一実施形態では、1つまたは複数の静止粉末スプレーガンを使用して、活性剤粉末流を、1つまたは1つよりも多い方向からウェブまたは物品に向け、一方では、ウェブまたは物品は、ベルトコンベヤによってコーティングゾーンを通って運搬される。代替の実施形態では、物品は、空気中活性剤粉末の懸濁液を通して運ばれる。なお別の代替の実施形態では、物品は、筒状装置において活性剤粉末とタンブル混合される。任意の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、静電力を用いて、活性剤粉末と物品との間の誘引が強化される。この種類の方法は、典型的には、粉末粒子を負に帯電させ、これらの荷電粒子を接地物品に方向付けることに基づく。他の代替の実施形態では、これらに限定されないが、粉末と接触した回転ブラシを含む二次転移ツールによって、または粉末を容器から物品に転移できる粉末化グローブによって、活性剤粉末は物品に適用される。なお別の実施形態では、活性剤粉末は、粉末を非水性溶媒または担体に溶解または懸濁し、次いで、これを不織布または物品上に噴霧およびスプレーすることによって、適用される。一種の実施形態では、溶媒または担体は、その後蒸発し、活性剤粉末が後に残される。一クラスの実施形態では、活性剤粉末は、正確な投入量で不織布または物品に適用される。このクラスの実施形態は、閉鎖システム乾燥潤滑剤適用機器、例えば、PekuTECH粉末塗布装置PM 700 Dを利用する。この方法では、活性剤粉末は、必要に応じてバッチ式または連続して、適用機器の供給トラフに供給される。不織布ウェブまたは物品は、標準回転ドラムポーチ装置の出口ベルトから粉末塗布装置のコンベヤベルト上に転移され、制御された投入量の活性剤が不織布ウェブまたは物品に適用される。
【0183】
液体活性剤は、例えば、スピンコーティング、エアロゾル化溶液などの溶液のスプレー、ロールコーティング、フローコーティング、カーテンコーティング、押出、ナイフコーティング、およびその組合せによって、不織布ウェブまたは物品に適用できる。
【0184】
複合物品
【0185】
本開示の複合物品は、少なくとも2層の不織布ウェブを含む。本開示の複合物品は、第1の直径を有する第1の複数の繊維を含む第1の不織布ウェブの第1の層と、第2の直径を有する第2の複数の繊維を含む第2の不織布ウェブの第2の層と、ならびに第1の不織布ウェブの少なくとも一部および第2の不織布ウェブの少なくとも一部を含む第1の境界面であって、第1の不織布ウェブの一部および第2の不織布ウェブの一部が融合している、第1の境界面とを有し得、第2の直径が第1の直径よりも小さく、第1の複数の繊維、第2の複数の繊維またはその両方が、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む。複合物品の任意の不織布層は、それにラミネートされた水溶性フィルムを含み得る。水溶性フィルムは、水溶性繊維形成材料として本明細書に記載の任意のポリマーから調製できる。
【0186】
本開示の複合物品は、これらに限定されないが、単一層の複合物品単独と同一の不織布ウェブと比べて増加した機械強度、単一層の複合物品単独と同一の不織布ウェブと比べて向上した液体取得機能(例えば、おむつの液体取得層、またはこぼれたものを吸収するワイプ)、ならびに/または単一層の複合物品単独と同一の不織布ウェブと比べて向上した液体保持および/もしくは活性組成物(例えば、ウェットワイプの活性ローション)を含む1つまたは複数の利点を提供し得る。
【0187】
第1の不織布ウェブの少なくとも一部および第2の不織布ウェブの少なくとも一部を含む第1の境界面は、
図3に示される通り、第1および第2の不織布ウェブが重なり、第1の複数の繊維および第2の複数の繊維が混在する複合体の領域である。
図3に示される通り、一般に、第1の境界面200を形成する第1の不織布ウェブ201の一部は、第1の不織布ウェブの外面である。実施形態では、第1の境界面は、第1の不織布ウェブの厚さの50%もしくはそれ未満、第1の不織布ウェブの厚さの40%もしくはそれ未満、30%もしくはそれ未満、25%もしくはそれ未満、20%もしくはそれ未満、10%もしくはそれ未満、5%もしくはそれ未満、2.5%もしくはそれ未満、または1%もしくはそれ未満を構成する。実施形態では、第1の境界面は、第1の不織布の厚さの少なくとも0.1%、少なくとも0.5%、少なくとも1%、または少なくとも5%を構成する。実施形態では、第1の境界面は、第1の不織布の厚さの約0.1%~約25%を構成する。一般に、
図3に示される通り、境界面を形成する第2の不織布ウェブ202の一部は、第2の不織布ウェブの外面である。実施形態では、境界面は、第2の不織布ウェブの厚さの75%もしくはそれ未満、70%もしくはそれ未満、60%もしくはそれ未満、50%もしくはそれ未満、40%もしくはそれ未満、30%もしくはそれ未満、25%もしくはそれ未満、20%もしくはそれ未満、または15%もしくはそれ未満を構成する。実施形態では、第1の境界面は、第2の不織布ウェブの厚さの少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、または少なくとも40%を構成する。実施形態では、第1の境界面は、第2の不織布ウェブの厚さの約1%~約75%を構成する。
【0188】
本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、各ウェブからの繊維の少なくとも一部が、他のウェブからの繊維に結合している場合、2層の不織布ウェブは「融合」している。本明細書に記載の通り、繊維の結合は、繊維の絡合を含む。2層の不織布ウェブは、任意の好適な方法を使用して融合し得る。実施形態では、第1の不織布ウェブの一部および第2の不織布ウェブの一部は、熱融合している、溶媒融合している、またはその両方である。実施形態では、第1の不織布ウェブの一部および第2の不織布ウェブの一部は、熱融合している。熱融合は、熱および/または圧力の使用を含み得る。実施形態では、2つの別々の不織布ウェブの一方または両方は、繊維が柔らかくなるまで加熱でき、次いで、ウェブは、一緒に圧縮され、繊維が冷却されると、各ウェブからの繊維の少なくとも一部が、他のウェブからの繊維の少なくとも一部に結合する。実施形態では、第1および第2の不織布ウェブの一方または両方は、メルトスパンされ、加熱された柔らかい繊維が、ダイアセンブリを通過した後、予備形成不織布ウェブに直接適用され、融合境界面を形成する予備形成不織布の繊維に融合するように、インラインプロセスに適用され得る。実施形態では、第1の不織布ウェブの一部および第2の不織布ウェブの一部は、溶媒融合している。溶媒融合は、結合剤溶液を不織布ウェブの一方または両方に適用し、続いて、乾燥時、各ウェブからの繊維の少なくとも一部が他のウェブからの繊維の少なくとも一部に結合するように、不織布ウェブを接触させることを含み得る。溶媒融合は、2つの別々の予備形成ウェブを含む別々のプロセスとして行われ得、または、結合剤溶液が予備形成不織布ウェブに適用され、第2の不織布ウェブが、連続プロセスにおいて予備形成不織布ウェブ上で形成されるインラインプロセスであり得る。不織布ウェブの溶媒融合のための結合剤溶液は、結合について本明細書に記載の任意の結合剤溶液であり得る。本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、「予備形成不織布ウェブ」は、形成されているが結合されていない不織布ウェブ、および形成され、結合された不織布ウェブを包含する。本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、「別々の不織布ウェブ」は、ステープル繊維のカーディングもしくはエアレイドによって、または連続プロセスによって形成された不織布ウェブを包含し、不織布ウェブは、結合していても、結合していなくてもよい。実施形態では、2つの不織布ウェブの融合はまた、不織布ウェブの一方または両方を結合するために使用できる。
【0189】
実施形態では、第1の境界面は溶媒融合され、溶媒は、水、エタノール、メタノール、DMSO、グリセリンおよびその組合せからなる群から選択される。実施形態では、第1の境界面は溶媒融合され、溶媒は、水、グリセリンおよびその組合せからなる群から選択される。実施形態では、第1の境界面は、ポリビニルアルコールを含む結合剤溶液および水、グリセリンまたはその組合せを使用して、溶媒融合される。実施形態では、第1の境界面は、ポリビニルアルコール、ラテックスまたはその組合せを含む結合剤溶液、および水、グリセリンまたはその組合せを使用して、溶媒融合される。
【0190】
本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、特定の種類の繊維の平均繊維直径が、別の特定の種類の繊維の平均繊維直径未満である場合、特定の種類の繊維は、その別の特定の種類の繊維の直径「よりも小さい」直径を有する。例えば、特定の種類の繊維は、別の種類の繊維と重なる直径サイズ分布を有し得、特定の種類の繊維についての平均繊維直径が、その別の種類の繊維の平均繊維直径よりも小さい限り、より小さい直径をなお有する。実施形態では、より小さい繊維種類は、より大きい繊維種類の直径サイズ分布の最小直径よりも小さい平均繊維直径を有する。ISO137:2015に概説される通り、投射顕微鏡撮像を使用して差が可視化できる場合、直径の差が存在する。実施形態では、例えば、複数のメルトスパン層が使用される場合、より小さい繊維種類とより大きい繊維種類との間の直径の差は、サブミクロンであり得る。実施形態では、より小さい繊維種類とより大きい繊維種類との間の直径の差は、約1ミクロン~約300ミクロン、約5ミクロン~約300ミクロン、約5ミクロン~約250ミクロン、約5ミクロン~約200ミクロン、約10ミクロン~約150ミクロン、約10ミクロン~約100ミクロン、約10ミクロン~約90ミクロン、約15ミクロン~約80ミクロン、約15ミクロン~約70ミクロン、約20ミクロン~約60ミクロン、約20ミクロン~約50ミクロン、または約25ミクロン~約45ミクロンであり得る。実施形態では、より小さい繊維種類とより大きい繊維種類との間の直径の差は、約5ミクロン~約75ミクロンであり得る。実施形態では、より小さい繊維種類とより大きい繊維種類との間の直径の差は、約20ミクロン~約80ミクロンであり得る。理論に縛られることを意図することなく、不織布ウェブが融合しており、第2の不織布ウェブが第1の不織布ウェブよりも小さい繊維直径を有する2つの不織布ウェブの複合体を提供することにより、有利には、複合物品の吸着/吸収速度および流体容量、流体が優先的に移動するより大きい直径の繊維からより小さい直径の繊維への直接吸着/吸収が改善し得;単一直径材料と比較して、不織布複合物品の表面対体積比が増加し得、その結果、単一直径材料を有する不織布と比較して、充填容量が増加し、そして/または分散が改善し、そして/または不織布複合物品の全溶解が改善すると考えられる。個々のウェブ層の繊維の平均直径は、本明細書で提示される任意の直径であり得る。実施形態では、第1の不織布の第1の層の第1の複数の繊維は、約10ミクロン~約300ミクロン、約50ミクロン~約300ミクロン、または約100ミクロン超~約300ミクロンの直径を有し得る。実施形態では、第1の複数の繊維は、約100ミクロン超~約300ミクロンの平均直径を有し得る。不織布複合材料の不織布層が、異なる直径を有する繊維種類のブレンドを含む実施形態では、繊維直径の分布が一峰性である場合、平均繊維直径とは、ブレンドの平均繊維直径をいう。繊維種類のブレンドは、二峰性またはそれよりも高次の不織布層の繊維直径の分布を有し得る。繊維のブレンドが二峰性またはより高次峰性直径分布を有する場合、繊維がブレンドの最小直径繊維の分布の平均未満の平均繊維直径を有する場合、繊維は前記ブレンドの繊維よりも小さい直径を有し、繊維がブレンドのより大きい直径繊維の分布の平均よりも大きい平均繊維直径を有する場合、繊維は前記ブレンドの繊維よりも大きい。
【0191】
実施形態では、複合物品は、第3の複数の繊維を含む第3の不織布ウェブの第3の層をさらに含む。不織布複合物品が第3の不織布ウェブの第3の層を含む実施形態では、第2の層は、第1の層と第3との層の間に設けられ得、第2の不織布ウェブの少なくとも第2の部分および第3の不織布ウェブの少なくとも一部は、融合して第2の境界面をもたらし得る。第2の不織布ウェブの少なくとも第2の部分および第3の不織布ウェブの少なくとも一部を含む第2の境界面は、第2および第3の不織布ウェブが重なり、第2の複数の繊維および第3の複数の繊維が混在する複合体の領域である。一部の実施形態では、第2の不織布ウェブの第2の層の厚さに応じて、第1の複数の繊維および第3の複数の繊維は、第1の境界面と第2の境界面との間に明らかな線引きがないように、混在および/または融合されてもよい。一般に、第2の境界面を形成する第2の不織布ウェブの一部は、第1の不織布ウェブに融合した第2の不織布ウェブの外面とは反対側の第2の不織布ウェブの外面である。実施形態では、第2の境界面は、第2の不織布ウェブの厚さの75%もしくはそれ未満、70%もしくはそれ未満、60%もしくはそれ未満、50%もしくはそれ未満、40%もしくはそれ未満、30%もしくはそれ未満、25%もしくはそれ未満、20%もしくはそれ未満、または15%もしくはそれ未満を構成する。実施形態では、第2の境界面は、第2の不織布ウェブの厚さの少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、または少なくとも40%を構成する。実施形態では、第2の境界面は、第2の不織布ウェブの厚さの約1%~約75%を構成する。実施形態では、第2の境界面を形成する第3の不織布ウェブの一部は、第3の不織布ウェブの外面である。実施形態では、第2の境界面は、第3の不織布ウェブの厚さの50%もしくはそれ未満、第1の不織布ウェブの厚さの40%もしくはそれ未満、30%もしくはそれ未満、25%もしくはそれ未満、20%もしくはそれ未満、10%もしくはそれ未満、5%もしくはそれ未満、2.5%もしくはそれ未満、または1%もしくはそれ未満を構成する。実施形態では、第2の境界面は、第3の不織布の厚さの少なくとも0.1%、少なくとも0.5%、少なくとも1%、または少なくとも5%を構成する。実施形態では、第2の境界面は、第3の不織布の厚さの約0.1%~約25%を構成する。
【0192】
実施形態では、第2の不織布ウェブの第2の部分および第3の不織布ウェブの一部は、熱融合している、溶媒融合している、またはその両方である。実施形態では、第2の不織布ウェブの第2の部分および第3の不織布ウェブの一部は、熱融合している。実施形態では、第2の不織布ウェブの第2の部分および第3の不織布ウェブの一部は、溶媒融合している。
【0193】
実施形態では、第2の境界面は溶媒融合され、溶媒は、水、エタノール、メタノール、DMSO、グリセリンおよびその組合せからなる群から選択される。実施形態では、第2の境界面は溶媒融合され、溶媒は、水、グリセリンおよびその組合せからなる群から選択される。実施形態では、第2の境界面は、ポリビニルアルコールを含む結合剤溶液および水、グリセリンまたはその組合せを使用して、溶媒融合される。実施形態では、第2の境界面は、ポリビニルアルコール、ラテックスまたはその組合せを含む結合剤溶液、および水、グリセリンまたはその組合せを使用して、溶媒融合される。
【0194】
実施形態では、第1の不織布ウェブの第1の層および第2の不織布ウェブの第2の層は、異なる多孔度を有する。本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、不織布ウェブの多孔度の差が少なくとも約1%である場合、2つの不織布ウェブは「異なる多孔度」を有する。実施形態では、複合物品の不織布ウェブの2つの層間の多孔度の差は、約1%~約20%であり得る。例えば、複合物品の不織布ウェブの1つの層は、約80%の多孔度を有し得、複合物品の不織布ウェブの第2の層は、約85%の多孔度を有し得、多孔度の差は5%である。実施形態では、第2の不織布ウェブの多孔度は、第1の不織布ウェブの多孔度未満である。実施形態では、第2の不織布ウェブの多孔度は、第1の不織布ウェブの多孔度と同じである。本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、2つの不織布ウェブ間の多孔度値の差が1%未満である場合、2つの不織布ウェブは「同じ多孔度」を有する。
【0195】
複合物品が第3の不織布ウェブの第3の層を含む実施形態では、第3の不織布ウェブは、第1の不織布ウェブと同じまたは異なる多孔度を有し得る。実施形態では、第3の不織布ウェブは、第1の不織布ウェブと同じ多孔度を有し得る。実施形態では、第3の不織布ウェブは、第1の不織布ウェブとは異なる多孔度を有し得る。実施形態では、第3の不織布ウェブは、第1の不織布ウェブ未満の多孔度であり得る。実施形態では、第3の不織布ウェブは、第2の不織布ウェブと同じ多孔度を有し得る。実施形態では、第3の不織布ウェブは、第2の不織布ウェブとは異なる多孔度を有し得る。実施形態では、第3の不織布ウェブは、第2の不織布ウェブ未満の多孔度であり得る。実施形態では、第2の不織布ウェブは、第1の不織布ウェブ未満の多孔度であり得、第3の不織布ウェブは、第2の不織布ウェブ未満の多孔度であり得る。実施形態では、不織布複合物品は、不織布ウェブの層間で多孔度の勾配を有し得、複合材料構造の1つの外面は最大多孔度を有し得、複合材料構造の他の外面は最小多孔度を有し得る。実施形態では、複合材料構造は、不織布ウェブの層間で多孔度の勾配を有し得、複合材料構造の外面は最大多孔度を有し得、複合材料構造の中間層は最小多孔度を有し得る。実施形態では、複合材料構造は、不織布ウェブの第4のまたはそれよりも大きい層を含み得、中間層は、不織布ウェブの第2および第3の層(4層複合材料構造の場合)、または不織布ウェブの第3の層(5層複合材料構造の場合)を含み得る。
【0196】
理論に縛られることを意図することなく、複合材料構造の多孔度が勾配を含む場合、複合材料構造は、有利には、より多孔性の外面から多孔性の低い外面または多孔性の低い中間層への強化された液体の吸水を有すると考えられる。
【0197】
複合物品の任意の所与の不織布層の複数の繊維は、本明細書に開示の繊維のうちの任意のものであり得、同じであっても異なっていてもよい。実施形態では、第1の複数の、第2の複数の、および第3の複数の繊維の繊維形成材料の組成は、同じであっても異なっていてもよく、例えば、直径、長さ、靭性、形状、剛性、弾性、溶解度、融点、ガラス転移温度(T
g)、繊維形成材料、色またはその組合せの任意の差を有する。以下の表は、不織布層が3種の異なる繊維組成を有する繊維を含み得る企図される複合物品を示しており、「A」、「B」および「C」の各文字は、特定の繊維組成をいい、「-」は、企図される複合物品が不織布ウェブの第3の層を含まないことを意味する。繊維組成A、BおよびCの各々は、(a)単一の繊維形成材料を含む単一の繊維種類、(b)繊維形成材料のブレンドを含む単一の繊維種類、(c)各繊維種類が単一繊維形成材料を含む繊維種類のブレンド、(d)各繊維種類が繊維形成材料のブレンドを含む繊維種類のブレンド、または(e)各繊維種類が単一繊維形成材料もしくは繊維形成材料のブレンドを含む繊維種類のブレンドであり得る。
【表1】
【0198】
実施形態では、第1の複数の繊維は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む。実施形態では、第2の複数の繊維は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む。実施形態では、第1の複数の繊維および第2の複数の繊維は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む。第3の複数の繊維を有する不織布ウェブの第3の層を含む実施形態では、第3の複数の繊維は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含み得る。実施形態では、ポリビニルアルコール繊維形成材料は、複数の繊維の1つまたは複数の繊維種類中に存在し得る。第1の複数、第2の複数、または第3の複数の繊維のうちの任意のものの水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料は、本明細書に開示の任意の水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料であり得る。第1の複数の繊維、第2の複数の繊維および/または第3の複数の繊維の2つまたはそれよりも多くがポリビニルアルコール繊維形成材料を含む実施形態では、ポリビニルアルコールは、各複数において同じであっても異なってもよく、各複数において単独繊維形成材料または繊維形成材料のブレンドの一部であり得、各複数が異なるポリビニルアルコール繊維形成材料を含む場合、直径、長さ、靭性、形状、剛性、弾性、溶解度、融点、ガラス転移温度(Tg)、繊維形成材料、色またはその組合せの差があり得る。実施形態では、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料は、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマーまたはその組合せを含む。実施形態では、ポリビニルアルコールはコポリマーを含み、コポリマーは、アニオン変性ポリビニルアルコールであり得る。実施形態では、ポリビニルアルコールはアニオン変性ポリビニルアルコールを含み、アニオン変性ポリビニルアルコールは、(アルキル)アクリレート変性ポリビニルアルコール、マレエート変性ポリビニルアルコール、スルホネート変性ポリビニルアルコールまたはその組合せを含む。
【0199】
実施形態では、第1の複数の繊維、第2の複数の繊維および/または第3の複数の繊維の繊維は、ポリビニルアルコール繊維形成材料以外の水溶性繊維形成材料を含み得る。実施形態では、第1の複数の繊維、第2の複数の繊維および/または第3の複数の繊維の繊維は、ポリビニルアルコール繊維形成材料およびポリビニルアルコール繊維形成材料以外の水溶性繊維形成材料を含む水溶性繊維形成材料のブレンドを含み得る。実施形態では、ポリビニルアルコール繊維形成材料以外の水溶性繊維形成材料は、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、水溶性デンプン、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミドまたは前述のものの組合せを含み得る。実施形態では、第1の複数の繊維は、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、水溶性デンプン、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミドおよび前述のものの組合せからなる群から選択される水溶性繊維形成材料を含む。実施形態では、第2の複数の繊維は、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、水溶性デンプン、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミドおよび前述のものの組合せからなる群から選択される水溶性繊維形成材料を含む。実施形態では、第3の複数の繊維は、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、水溶性デンプン、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミドおよび前述のものの組合せからなる群から選択される水溶性繊維形成材料を含む。
【0200】
実施形態では、第1の複数の繊維、第2の複数の繊維および/または第3の複数の繊維の繊維は、本明細書に開示の非水溶性繊維形成材料を含み得る。実施形態では、非水溶性繊維形成材料は、セルロース、綿、大麻、ジュート、亜麻、ラミー、サイザル麻、バガス、芭蕉繊維、シロマツ、絹、シニュー、カットグット、毛、シーシルク、モヘア、アンゴラ、カシミア、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹繊維、モーダル、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、弾性ポリプロピレン、ビスコースまたはその組合せを含み得る。実施形態では、非水溶性繊維形成材料は、セルロースを含む。実施形態では、非水溶性繊維形成材料は、セルロース、綿、大麻、ジュート、亜麻、ラミー、サイザル麻、バガス、芭蕉繊維、シロマツ、絹、シニュー、カットグット、毛、シーシルク、モヘア、アンゴラ、カシミア、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹繊維、モーダル、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、弾性ポリプロピレン、ビスコースまたはその組合せを含む。
【0201】
以下の実施形態は、第1、第2および第3の複数の繊維、ならびに例えば、複合物品が追加の不織布層(すなわち、第4の層、第5の層など)を含む場合、複合材料に提供される任意の追加の複数の繊維について企図される。
【表2】
【0202】
実施形態では、第1の複数の繊維は、単一種類の繊維を含む。前述の実施形態の改良では、単一種類の繊維は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料、ポリビニルアルコール以外の水溶性繊維形成材料、および非水溶性繊維形成材料から選択される単独繊維形成材料を含む。さらなる改良では、単一種類の繊維は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料、ポリビニルアルコール以外の水溶性繊維形成材料、非水溶性繊維形成材料およびその組合せのうちの2つまたはそれよりも多くを含む繊維形成材料のブレンドを含む。実施形態では、第1の複数の繊維は、繊維のブレンドを含む。実施形態では、第1の複数の繊維は、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマーおよびその組合せからなる群から選択される繊維形成材料を含む単一の繊維種類を含む。
【0203】
実施形態では、第2の複数の繊維は、単一種類の繊維を含む。前述の実施形態の改良では、単一種類の繊維は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料、ポリビニルアルコール以外の水溶性繊維形成材料、および非水溶性繊維形成材料から選択される単独繊維形成材料を含む。さらなる改良では、単一種類の繊維は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料、ポリビニルアルコール以外の水溶性繊維形成材料、非水溶性繊維形成材料およびその組合せのうちの2つまたはそれよりも多くを含む繊維形成材料のブレンドを含む。実施形態では、第2の複数の繊維は、繊維のブレンドを含む。実施形態では、第2の複数の繊維は、水溶性繊維形成材料を含む単一の繊維種類を含む。前述の実施形態の改良では、水溶性繊維形成材料は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料、ポリビニルアルコール以外の水溶性繊維形成材料またはその組合せを含む。実施形態では、第2の複数の繊維は、単一の繊維種類を含み、単一の繊維種類は、非水溶性繊維形成材料を含む。実施形態では、第2の複数の繊維は、繊維種類のブレンドを含み、繊維種類のブレンドの少なくとも1つは、水溶性繊維形成材料を含む。
【0204】
実施形態では、第3の複数の繊維は、単一種類の繊維を含む。前述の実施形態の改良では、単一種類の繊維は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料、ポリビニルアルコール以外の水溶性繊維形成材料、および非水溶性繊維形成材料から選択される単独繊維形成材料を含む。さらなる改良では、単一種類の繊維は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料、ポリビニルアルコール以外の水溶性繊維形成材料、非水溶性繊維形成材料およびその組合せのうちの2つまたはそれよりも多くを含む繊維形成材料のブレンドを含む。実施形態では、第3の複数の繊維は、繊維のブレンドを含む。実施形態では、第1の複数の繊維は、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマーおよびその組合せからなる群から選択される繊維形成材料を含む単一の繊維種類を含む。実施形態では、第3の複数の繊維は、繊維種類のブレンドを含む。実施形態では、第3の複数の繊維は、第1の複数の繊維と同じである。
【0205】
実施形態では、第1の複数の繊維、第2の複数の繊維、第3の複数の繊維またはその組合せは、天然繊維形成材料、植物ベースの繊維形成材料、バイオベースの繊維形成材料、生分解性繊維形成材料、堆肥化可能な繊維形成材料またはその組合せを含む。
【0206】
実施形態では、第1の不織布ウェブは、約0.5~約1.5の靭性比(MD:CD)を有する。実施形態では、第1の不織布ウェブは、約0.8~約1.25のMD:CDを有する。実施形態では、第1の不織布ウェブは、約0.9~約1.1のMD:CDを有する。実施形態では、第2の不織布ウェブは、約0.5~約1.5の靭性比(MD:CD)を有する。実施形態では、第2の不織布ウェブは、約0.8~約1.25のMD:CDを有する。実施形態では、第2の不織布ウェブは、約0.9~約1.1のMD:CDを有する。実施形態では、第3の不織布ウェブは、約0.5~約1.5の靭性比(MD:CD)を有する。実施形態では、第3の不織布ウェブは、約0.8~約1.25のMD:CDを有する。実施形態では、第3の不織布ウェブは、約0.9~約1.1のMD:CDを有する。実施形態では、不織布複合物品は、約0.5~約1.5、約0.8~約1.25、約0.9~約1.1、または約0.95~約1.05の範囲の靭性比(MD:CD)を有する。実施形態では、不織布複合物品は、約0.8~約1.5のMD:CDを有する。実施形態では、不織布複合物品は、約0.9~1.1のMD:CDを有する。不織布複合物品のMD:CDは、複合物品中に存在する不織布ウェブの各個々の層のMD:CD比に関係する。理論に縛られることを意図することなく、複合物品のMD:CDは、不織布ウェブの各層のMDおよびCDを個々に考慮することによっては決定できないが、不織布複合物品のMDおよびCDは、測定しなくてはならないと考えられる。理論に縛られることを意図することなく、不織布複合物品の靭性比MD:CDが1に近づくにつれて、複合物品の耐久性が増加し、使用の間に不織布に応力が適用された場合の不織布の分解に対する優れた抵抗が付与されると考えられる。さらに、理論に縛られることを意図することなく、少なくとも一層のメルトスパン不織布ウェブを含む複合物品のMD:CD比は、すべてカーディング層を含むことを除いて同一の複合物品よりも1:1に近いMD:CD比を有すると考えられる。
【0207】
実施形態では、第1の複数の繊維、第2の複数の繊維、第3の複数の繊維またはその組合せは、二成分繊維を含む。実施形態では、第1の複数の繊維は、二成分繊維を含む。実施形態では、第2の複数の繊維は、二成分繊維を含む。実施形態では、第3の複数の繊維は、二成分繊維を含む。実施形態では、第1および第2の複数の繊維は、二成分繊維を含む。実施形態では、第1および第3の複数の繊維は、二成分繊維を含む。実施形態では、第2および第3の複数の繊維は、二成分繊維を含む。実施形態では、第1、第2および第3の複数の繊維は、二成分繊維を含む。第1、第2および/または第3の複数の繊維が二成分繊維を含む実施形態では、二成分繊維は、繊維形成材料のシースによって囲まれた繊維形成材料のコアを含み得、シース繊維形成材料は、所与の水温について、コア繊維形成材料よりも高い水への溶解度を有する。
【0208】
実施形態では、第1の複数の繊維、第2の複数の繊維、第3の複数の繊維またはその組合せは、可塑剤、界面活性剤またはその組合せを含む。実施形態では、本開示の不織布複合物品は、活性剤、吸収材料またはその組合せを含む。前述の実施形態の改良では、第1の複数の繊維、第2の複数の繊維、第3の複数の繊維またはその組合せは、活性剤、吸収材料またはその組合せを含む。実施形態では、本開示の不織布複合物品は、酵素、油、香料、着色料、臭気吸収剤、芳香剤、殺虫剤、肥料、酸化剤、活性化剤、酸触媒、金属触媒、イオン捕捉剤、洗剤、殺菌剤、界面活性剤、漂白剤、漂白成分、布柔軟剤またはその組合せを含む活性剤を含む。実施形態では、本開示の不織布複合物品は、酵素、油、着色料、臭気吸収剤、芳香剤、殺虫剤、酸化剤、イオン捕捉剤、洗剤、殺菌剤、界面活性剤、漂白剤、漂白成分、布柔軟剤またはその組合せを含む活性剤を含む。実施形態では、本開示の不織布複合物品は、油、着色料、臭気吸収剤、芳香剤、イオン捕捉剤、殺菌剤またはその組合せを含む活性剤を含む。不織布複合物品が香水を含む実施形態では、香水は、カプセル化され得る。
【0209】
複合物品の不織布ウェブの層は、一般に、本明細書に記載の任意の方法を使用して調製できる。一部の実施形態では、第1の不織布ウェブの第1の層は、カーディング層であり得る。実施形態では、第2の不織布ウェブの第2の層は、メルトスパン層であり得る。実施形態では、第1の層はカーディング層を含み、第2の層はメルトスパン層を含む。実施形態では、第1の層はカーディング層であり得、第2の層はメルトブローン層であり得る。実施形態では、第1の層はカーディング層であり得、第2の層はエアレイド層であり得る。実施形態では、第1の層は、ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む繊維を含むカーディング層であり得、第2の層は、約5cPまたはそれ未満の粘度を有する低分子量ポリビニルアルコールホモポリマーを含む繊維を含むメルトブローン層であり得る。実施形態では、第1の層は、ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む繊維を含むカーディング層であり得、第2の層は、セルロース繊維を含むエアレイド層であり得る。実施形態では、第3の層は、カーディング層またはメルトスパン層であり得る。実施形態では、第3の層は、カーディング層であり得る。実施形態では、第3の層は、メルトブローン層であり得る。実施形態では、第1の層はカーディング層であり得、第2の層はメルトスパン層であり得、第3の層はカーディング層であり得る。実施形態では、第1の層はカーディング層であり得、第2の層はエアレイド層であり得、第3の層はメルトスパン層であり得る。
【0210】
本開示の不織布複合物品の坪量は特に限定されず、約5g/m2~約150g/m2、約5g/m2~約125g/m2、約5g/m2~約100g/m2、約5g/m2~約70g/m2、約5g/m2~約50g/m2、約5g/m2~約30g/m2の範囲であり得る。実施形態では、本開示の不織布複合物品は、約5g/m2~約50g/m2の坪量を有し得る。実施形態では、本開示の不織布複合物品は、約50g/m2~約150g/m2の坪量を有し得る。実施形態では、不織布ウェブの第1の層は、約30g/m2~約70g/m2の坪量を有し得、不織布複合物品は、約60g/m2~約150g/m2の坪量を有し得る。実施形態では、不織布ウェブの第1の層は、約5g/m2~約15g/m2の坪量を有し得る。実施形態では、不織布ウェブの第1の層は、約5g/m2~約15g/m2の坪量を有し得、不織布複合物品は、約15g/m2~約50g/m2の範囲の坪量を有し得る。実施形態では、不織布ウェブの第3の層は、約5g/m2~約15g/m2の坪量を有し得る。実施形態では、不織布ウェブの第1の層は、約5g/m2~約15g/m2の坪量を有し得、不織布ウェブの第3の層は、約5g/m2~約15g/m2の坪量を有し得る。実施形態では、不織布ウェブの第2の層は、複合物品の総重量に基づいて、約2.5wt.%~約10wt.%で複合物品に含まれ得る。実施形態では、不織布ウェブの第2の層は、複合物品の総重量に基づいて、約2.5wt.%~約10wt.%で複合物品に含まれ得、不織布ウェブの第1の層は、複合物品の総重量に基づいて、約90wt.%~約97.5wt.%で複合物品に含まれ得る。実施形態では、不織布ウェブの第2の層は、複合物品の総重量に基づいて、約2.5wt.%~約10wt.%で複合物品に含まれ得、不織布ウェブの第1の層および不織布ウェブの第3の層は一緒に、複合物品の総重量に基づいて、約90wt.%~約97.5wt.%で含まれる。実施形態では、不織布ウェブの第3の層は、複合物品の総重量に基づいて、約2.5wt.%~約10wt.%で複合物品に含まれ得、不織布ウェブの第1の層および不織布ウェブの第2の層は一緒に、複合物品の総重量に基づいて、約45wt.%~約48wt.%で含まれる。
【0211】
実施形態では、第1の複数の繊維の繊維直径は、実質的に均一であり得る。実施形態では、第2の複数の繊維の繊維直径は、実質的に均一であり得る。実施形態では、第3の複数の繊維の繊維直径は、実質的に均一であり得る。実施形態では、第1の複数の繊維および第3の複数の繊維の繊維直径は、実質的に均一であり得る。実施形態では、第1の複数の繊維、第2の複数の繊維および第3の複数の繊維の各々の繊維直径は、実質的に均一であり得る。
【0212】
一般に、第1の複数、第2の複数および/または第3の複数の繊維は、約3cN/dtex~約10cN/dtex、必要に応じて、約3cN/dtex~約5cN/dtex、約4cN/dtex~約7cN/dtex、約7cN/dtex~約10cN/dtex、約4cN/dtex~約8cN/dtex、約5cN/dtex~約8cN/dtex、または約6cN/dtex~約8cN/dtexの靭性を有し得る。実施形態では、第1の複数、第2の複数および/または第3の複数の繊維は、4cN/dtex~8cN/dtexの靭性を有し得る。実施形態では、第1の複数、第2の複数および/または第3の複数の繊維は、約6cN/dtex~約8cN/dtexの靭性を有し得る。実施形態では、第1の複数、第2の複数および/または第3の複数の繊維は、約3cN/dtex~約5cN/dtexの靭性を有し得る。実施形態では、第1の複数の繊維は、約4cN/dtex~約8cN/dtexの範囲の靭性を有し得る。複数の繊維が繊維種類のブレンドを含む実施形態では、繊維ブレンドの靭性は、各繊維種類の靭性の算術加重平均である。
【0213】
実施形態では、不織布複合物品は、 第1の層のみを含む同一の物品と比べて、機械方向、交差方向またはその両方において、改善された弾性率、引張強度、伸び、靭性またはその組合せを有し得る。実施形態では、不織布複合物品は、第1の層のみを含む同一の物品と比べて、機械方向において、改善された弾性率、引張強度、伸び、靭性またはその組合せを有し得る。実施形態では、不織布複合物品は、第1の層のみを含む同一の物品と比べて、交差方向において、改善された弾性率、引張強度、伸びまたはその組合せを有し得る。実施形態では、不織布複合物品は、第1の層のみを含む同一の物品と比べて、機械方向および交差方向において、改善された弾性率、引張強度、伸び、靭性またはその組合せを有し得る。
【0214】
複合物品を調製する方法
【0215】
一般に、複合物品は、不織布ウェブの2つまたはそれよりも多くの層を、第1の層の少なくとも一部および第2の層の一部が融合しており、それによって境界面を形成するように組み合わせるのに好適な当技術分野で公知の任意の方法を使用して作製できる。
【0216】
実施形態では、本開示の不織布複合物品を形成する方法は、
(a)第1の不織布ウェブの少なくとも一部を第2の不織布ウェブの少なくとも一部に融合し、それによって第1の境界面を形成するのに十分な条件下で、第1の不織布ウェブを含む第1の層上に、第2の不織布ウェブを含む第2の層を堆積させるステップ;および
(b)第2の不織布ウェブの少なくとも第2の部分を第3の不織布ウェブの少なくとも一部に融合し、それによって第2の境界面を形成するのに十分な条件下で、必要に応じて、第2の不織布ウェブを含む第2の層上に、第3の不織布ウェブを含む第3の層を堆積させるステップ
を含み得る。
【0217】
実施形態では、ステップ(a)および(b)は、複合材料構造に追加の不織布層、例えば、第4の不織布層、第5の不織布層などを含むように繰り返され得る。
【0218】
一般に、第1の不織布ウェブの少なくとも一部を第2の不織布ウェブの少なくとも一部に融合するおよび/または第2の不織布ウェブの少なくとも第2の部分を第3の不織布ウェブの少なくとも一部に融合するのに十分な条件は、本明細書に記載の通りの熱融合および/または溶媒融合を含み得る。
【0219】
実施形態では、熱融合は、第1の不織布ウェブの一部を第2の不織布ウェブの一部に接触させること、第2の不織布ウェブの第2の部分を第3の不織布ウェブの一部に接触させること、またはその両方を含み、第1の不織布ウェブもしくは第2の不織布ウェブの一方、または第2の不織布ウェブもしくは第3の不織布ウェブの一方は、加熱状態にあり、融合される不織布ウェブの1つまたは複数の部分は、軟化状態にある。実施形態では、熱融合は、第2の不織布ウェブが加熱状態にある間に、第1の不織布ウェブの一部を第2の不織布ウェブの一部に接触させることを含む。実施形態では、第2の不織布ウェブが加熱状態にある間に、第1の不織布ウェブの一部を第2の不織布ウェブの一部に接触させることは、第2の不織布ウェブの繊維を形成し、第2の不織布ウェブの繊維が、ダイアセンブリを通した押出の後、冷却および/またはクエンチの前に堆積されるように、第2の不織布ウェブの繊維を、第1の不織布ウェブ上にインラインプロセスで堆積させることを含む。実施形態では、熱融合は、第2の不織布ウェブが加熱状態にある間に、第2の不織布ウェブの第2の部分を第3の不織布ウェブの一部に接触させることを含む。実施形態では、第2の不織布ウェブが加熱状態にある間に、第2の不織布ウェブの第2の部分を第3の不織布ウェブの一部に接触させることは、第2の不織布ウェブの繊維を形成し、第2の不織布ウェブの繊維が、ダイアセンブリを通した押出の後、冷却および/またはクエンチの前に堆積されるように、第2の不織布ウェブの繊維を、第1の不織布ウェブ上にインラインプロセスで堆積させ、続いて、第2の不織布ウェブの冷却および/またはクエンチの前に、第3の不織布ウェブを、不織布ウェブのなお加熱状態の第2の層上に堆積させることを含む。
【0220】
実施形態では、溶媒融合は、第2の不織布ウェブを第1の不織布ウェブ上に堆積させて、それによって第1の境界面を形成する前に、第1の不織布ウェブの一部、第2の不織布ウェブの一部またはその両方に、溶媒を適用することを含む。実施形態では、溶媒融合は、第3の不織布ウェブを第2の不織布ウェブ上に堆積させて、それによって第2の境界面を形成する前に、第2の不織布ウェブの第2の部分、第3の不織布ウェブの一部またはその両方に、溶媒を適用することを含む。実施形態では、溶媒融合は、第2の不織布ウェブを堆積させる前に、第1の不織布ウェブの一部に溶媒を適用することを含む。実施形態では、溶媒融合は、第3の不織布ウェブを堆積させる前に、第2の不織布ウェブの第2の部分に溶媒を適用することを含む。溶媒融合のための溶媒は、溶媒融合および化学結合について本明細書に開示の任意の溶媒または結合剤溶液であり得る。実施形態では、第1の不織布ウェブの一部、第2の不織布ウェブの一部、第2の不織布ウェブの第2の部分、第3の不織布ウェブの一部または前述のものの組合せは、溶媒に少なくとも部分的に可溶である。実施形態では、溶媒は、水、グリセリンまたはその組合せを含む。実施形態では、溶媒融合は、第2および/または第3の不織布ウェブ層の堆積後に圧力を適用することをさらに含む。
【0221】
前述の方法の実施形態では、第1の層は、カーディング不織布ウェブを含み得る。前述の方法の実施形態では、第3の層は、カーディング不織布ウェブまたはメルトスパン不織布ウェブを含み得る。前述の方法の実施形態では、第2の層は、メルトスパン不織布ウェブまたはエアレイド不織布ウェブを含み得る。実施形態では、第1の層はカーディング不織布ウェブを含み得、第2の層はメルトスパン不織布ウェブを含み得、第3の層はカーディング不織布ウェブを含み得る。実施形態では、第1の層はカーディング不織布ウェブを含み得、第2の層はメルトブローン不織布ウェブを含み得、第3の層はカーディング不織布ウェブを含み得る。実施形態では、第2の層は、エアレイド不織布ウェブを含み得る。実施形態では、第1の層はカーディング不織布ウェブを含み得、第2の層はエアレイド不織布ウェブを含み得、第3の層はメルトスパン不織布ウェブを含み得る。実施形態では、第1の層はカーディング不織布ウェブを含み得、第2の層はエアレイド不織布ウェブを含み得、第3の層はメルトブローン不織布ウェブを含み得る。実施形態では、不織布複合物品は、5層の不織布ウェブを含み得、第1の層はカーディング不織布ウェブを含み得、第2の層はエアレイド不織布ウェブを含み得、第3の層はメルトスパン不織布ウェブを含み得、第4の層はエアレイド不織布ウェブを含み得、第5の層はカーディング不織布ウェブを含み得る。実施形態では、不織布複合物品は、5層の不織布ウェブを含み得、第1の層はカーディング不織布ウェブを含み得、第2の層はエアレイド不織布ウェブを含み得、第3の層はメルトブローン不織布ウェブを含み得、第4の層はエアレイド不織布ウェブを含み得、第5の層はカーディング不織布ウェブを含み得る。実施形態では、第2の不織布ウェブは、セルロース繊維形成材料を含み得る。
【0222】
水に流せるワイプ
【0223】
本開示の水に流せるワイプは、一般に、本開示による不織布複合物品を含む。
【0224】
本明細書で使用される場合、「水に流せる」という用語とは、ウェブまたは物品の廃棄の結果、そのような品目が給排水システムの配管内に留まるまたは経時的に蓄積してそのような配管の閉塞を引き起こすことのないような、水性環境、例えば、下水システムに分散性である不織布ウェブ、複合物品または不織布ウェブもしくは複合物品を含む他の物品をいう。水に流せる物品は、再利用法においてより処理可能である、または例えば、浄化用の都市下水処理システムに単純に流すことができ、使用後、ウェブまたは物品が埋め立て、焼却または他の方法の廃棄の必要がないという利点を有する。
【0225】
水に流せるワイプは、複数の繊維を含み得、複数の繊維は、水溶性繊維および非水溶性繊維を含み得る。水に流せる不織布ウェブの水溶性繊維は、本明細書に開示の水溶性ポリマーのうちの任意のものを含み得る。実施形態では、水溶性繊維は、ポリビニルアルコールポリマーを含む。前述の実施形態の改良では、水溶性繊維は、PVOHホモポリマーを含む。前述の実施形態の別の改良では、水溶性繊維は、PVOHコポリマーを含む。実施形態では、水溶性繊維は、ポリビニルアルコールポリマーのブレンドを含む。前述の実施形態の改良では、水溶性繊維は、1種または複数種のPVOHホモポリマーを含む。前述の実施形態の別の改良では、水溶性繊維は、1種または複数種のPVOHコポリマーを含む。前述の実施形態のなお別の改良では、水溶性ポリマーは、1種または複数種のPVOHホモポリマーおよび1種または複数種のPVOHコポリマーを含む。
【0226】
実施形態では、水溶性繊維は、水溶性ポリマーのブレンドを含む。前述の実施形態の改良では、水溶性ポリマーのブレンドは、ポリビニルアルコールポリマーまたはポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマーまたはその組合せを含むポリビニルアルコールポリマーのブレンドを含み得る。さらなる改良では、水溶性繊維は、ポリビニルアルコールホモポリマーおよびポリビニルアルコールコポリマーを含む水溶性ポリマーのブレンドを含み得る。
【0227】
実施形態では、水溶性繊維は、二成分繊維を含む。前述の改良では、二成分繊維は、コア/シース型繊維を含む。理論に縛られることを意図することなく、二成分繊維により、シースの組成に起因して、保存および使用の間の水に流せるワイプの安定性、およびコアの組成に基づいて、廃棄される易溶解、分解可能または堆肥化可能な使用済み物品が提供され得ると考えられる。
【0228】
実施形態では、水に流せる不織布ウェブは、第1の水溶性繊維および第2の水溶性繊維を含む複数の水溶性繊維を含み得、第1および第2の水溶性繊維は、直径、長さ、靭性、形状、剛性、弾性、溶解度、融点、ガラス転移温度(Tg)、水溶性ポリマー、色またはその組合せの差を有し得る。
【0229】
既に記載の通り、非水溶性繊維は、一般に、MSTM-205によって決定して、80℃またはそれ未満の温度で300秒またはそれ未満で溶解しない任意の材料で作製された繊維を含む。好適な非水溶性繊維材料は、これらに限定されないが、綿、ポリエステル、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレンおよび低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、木材パルプ、フラッフパルプ、マニラ麻、ビスコース、ポリ乳酸、ナイロン6、不溶性セルロース、不溶性デンプン、大麻、ジュート、亜麻、ラミー、サイザル麻、バガス、芭蕉繊維、シロマツ、絹、シニュー、カットグット、毛、シーシルク、モヘア、アンゴラ、カシミア、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹繊維、モーダル、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維およびその組合せを含む。
【0230】
水に流せる不織布ウェブ中の水溶性繊維の量は、水に流せる不織布ウェブの総重量に基づいて、少なくとも約20、25、30、40、50もしくは60wt%および/または最大約90、85、80、75、70、60、50もしくは40wt%の範囲、例えば、水に流せる不織布ウェブの総重量に基づいて、約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85または90wt%であり得る。
【0231】
水に流せる不織布ウェブ中の非水溶性繊維の量は、水に流せる不織布ウェブの総重量に基づいて、少なくとも約5、10、15、20、40、50もしくは60wt%および/または最大約75、70、60、50、40、30もしくは25wt%の範囲、例えば、水に流せる不織布ウェブの総重量に基づいて、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70または75wt%であり得る。
【0232】
水に流せる不織布ウェブ中の非水溶性繊維対水溶性繊維の比は、約1:18~約4:1、約1:10~約3:1、約1:5~約2:1、または約1:2~約2:1の範囲、例えば、約1:18、1:16、1:14、1:12、1:10、1:5、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1または4:1であり得る。
【0233】
理論に縛られることを意図することなく、ポリビニルアルコールの繊維のみを含有する不織布ウェブの場合、フラッシング性が増加するにつれて、機械安定性が減少する。したがって、本発明者らは、非水溶性繊維を不織布ウェブに組み込むことによって、ウェブの機械安定性を損なうことなく、フラッシング性をなお増加できることを見出した。
【0234】
ポリビニルアルコールを含む水に流せる不織布ウェブの場合、水溶解度が増加するにつれてフラッシング性が増加するが、水溶解度および機械安定性は、反比例の関係を有する。したがって、特定のポリビニルアルコール、ならびに任意の追加の水溶性および/または非水溶性繊維の選択は、ウェブの機械的完全性を維持する一方、また好適なフラッシング性特徴を有するために重要であり得る。例えば、ポリビニルアルコールホモポリマーまたはコポリマーのDHおよびパーセント変性などのパラメーターは、繊維のフラッシング性および機械特性に影響を及ぼし得る。
【0235】
本開示の水に流せるワイプは、清浄ローションを含み得る。本開示の水に流せるワイプは、一般に、ワイプ製造プロセスの湿潤ステップの間に、清浄ローションによって繊維を容易に湿潤させることを可能にするのに十分高い表面エネルギーを有する繊維を含む。したがって、実施形態では、水に流せるワイプの不織布複合物品の少なくとも1つの外層の少なくとも一部は、親水性繊維を含む。実施形態では、水に流せるワイプを調製するのに使用される不織布複合物品の各外層の少なくとも一部は、親水性繊維を含む。
【0236】
ワイプの用途の非限定例は、表面の清浄、皮膚の清浄、自動車用途、ベビーケア、女性のケア、毛髪清浄および化粧、皮膚コンディショナー、軟膏、日焼け止め、昆虫忌避剤、薬品の除去または適用、ワニスの工業および機関清浄を含む。
【0237】
ローション組成物
【0238】
本開示の水に流せるワイプは、基材を湿潤して清浄を促進するローション組成物を含み得る。水に流せるワイプがパーソナルケアワイプである実施形態では、ローション組成物はまた、例えば、皮膚を鎮静、軟化もしくはケアする、ローションの感触を改善する、皮膚からの残留物の除去を改善する、心地のよい香りをもたらすおよび/または細菌増殖を防止するための成分を含んでもよい。
【0239】
ローション組成物は、生理学的皮膚pHに近い約5.5またはそれに近いpHを有し得る。低pHローション組成物は、約3.8またはそれに近いpHを有し得、ワイプがアルカリ性残留物、例えば、腸排泄物からの残留物を除去するために使用される場合、有用であり得、およそ5の健康な酸性皮膚pHに回復するのを助ける、および/または糞便酵素を不活化することによって、腸排泄物からの刺激物を非刺激性にする。低pHローションはまた、微生物増殖を阻害し得る。ローション組成物のpHが約4またはそれ未満である実施形態では、第1の複数の繊維、第2の複数の繊維および/または第3の複数の繊維の繊維は、ポリビニルアルコールコポリマーを含み得る。コポリマーは、繊維ブレンドの繊維中の単独繊維形成材料として、または繊維形成材料のブレンドを含む繊維中の繊維形成材料の一成分として提供され得る。前述の実施形態の改良では、繊維は、ポリビニルアルコールコポリマーおよびホモポリマーのブレンドを含み得る。ポリビニルアルコールコポリマーおよびホモポリマーは、約1:1~約4:1の比で提供され得る。前述の実施形態のさらなる改良では、ポリビニルアルコールコポリマー含有繊維は、非水溶性繊維とブレンドされ得る。
【0240】
ローション組成物は、スーパーウェッター、レオロジー改質剤、軟化剤および/または乳化剤を含み得る。スーパーウェッターは、ローション組成物の総重量に対して約0.01重量%~0.2重量%のスーパーウェッターの量で存在し得る。スーパーウェッターは、トリシロキサン、ポリエーテルジメチコン(ポリエーテル官能基は、PEG、PPGまたはその混合物である)、および前述のものの混合物からなる群から選択され得る。
【0241】
レオロジー改質剤は、ローション組成物の総重量に基づいて約0.01重量%~0.5重量%のレオロジーの量で存在し得る。レオロジー改質剤は、キサンタンガム、変性キサンタンガムおよびその組合せからなる群から選択され得る。
【0242】
軟化剤は、存在する場合、粘稠軟化剤であってもよい。好適な軟化剤は、これらに限定されないが、PEG-10ヒマワリ油グリセリド、ヒマワリ油、パーム油、オリーブ油、エミュー油、ババス油、マツヨイグサ油、パーム核油、肝油、綿実油、ホホバ油、メドウフォーム種子油、スイートアーモンド油、キャノーラ油、ダイズ油、アボカド油、ベニバナ油、ココナッツ油、ゴマ油、米ぬか油、ブドウ種子油、鉱油、イソプロピルステアレート、イソステアリルイソノナノエート、ジエチルヘキシルフマレート、ジイソステアリルマレート、トリイソセチルシトレート、ステアリルステアレート、メチルパルミテート、メチルヘプチルイソステアレート、ワセリン、ラノリン油およびラノリンワックス、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコールおよび2-ヘキシル-デカノールのような長鎖アルコール、ミリスチルアルコール、様々な分子量のジメチコン液およびその混合物、PPG-15ステアリルエーテル(arlatone Eとしても公知)、シアバター、オリーブバター、ヒマワリバター、ココナッツバター、ホホババター、ココアバター、スクアランおよびスクアレン、イソパラフィン、様々な分子量のポリエチレングリコール、様々な分子量のポリプロピレングリコールまたはその混合物を含む。
【0243】
乳化剤は、存在する場合、室温で固体であってもよい。好適な乳化剤は、これらに限定されないが、ラウレス-23、セテス-2、セテス-10、セテス-20、セテス-21、セテアレス-20、ステアレス-2、ステアレス-10、ステアレス-20、オレス-2、オレス-10、オレス-20、ステアレス-100、ステアレス-21、PEG-40ソルビタンペルオレエート、PEG-8ステアレート、PEG-40ステアレート、PEG-50ステアレート、PEG-100ステアレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンオレエート、ソルビタントリオレート、ポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、PEG-40水添ヒマシ油、クエン酸エステル、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、蜜ろう、カルナウバワックス、オゾケライトワックス、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ミリスチルアルコール、ベヘニルアルコールおよびその混合物を含む。
【0244】
実施形態では、清浄ローションは、軟化剤および乳化剤を含む水性エマルジョンを含む。
【0245】
清浄ローションは、これらに限定されないが、グリセリン、プロピレングリコールおよびホスホリピドを含む保水剤;本明細書に記載の精油および香水などの芳香剤;保存剤;酵素;着色料;油吸収剤;殺虫剤;肥料;活性化剤;酸触媒;金属触媒;イオン捕捉剤;洗剤;殺菌剤;界面活性剤;漂白剤;漂白成分;ならびに布柔軟剤をさらに含み得る。実施形態では、清浄ローションは、芳香剤、保存剤、酵素、着色料、油吸収剤、殺虫剤、イオン捕捉剤、洗剤、殺菌剤またはその組合せを含む。
【0246】
保存剤は、液体ローション、水に流せるワイプおよび/またはワイプが使用される基材における微生物の増殖を防止する。保存剤は、疎水性であっても、親水性であってもよい。好適な保存剤は、これらに限定されないが、メチルパラベン、プロピルパラベンなどのパラベン、アルキルグリシネート、ヨウ素誘導体およびその組合せを含む。
【0247】
ローション充填量は、150%~480%であり得る。本明細書で使用される場合、「充填」とは、不織布複合物品をローション組成物と組み合わせるために使用される方法、すなわち浸漬、スプレー、キスロールなどに関わらず、不織布複合物品をローション組成物と組み合わせることをいい、すなわち、ローション組成物は不織布複合物品の上または中に充填される。「ローション充填量」とは、不織布複合物品の上または中に充填されるローションの量をいい、乾燥(非充填)不織布複合物品の重量に対するローションの重量のパーセンテージとして表される。水に流せるワイプは、使用の間、基材(例えば、皮膚または清浄される別の表面)にいくらかのローションが容易に転移できる程度にローションを充填されることが望ましい場合がある。転移は、清浄を促進する、使用者に心地のよい感覚(滑らかな皮膚感または蒸発による清涼感など)をもたらす、および/または基材に有益な機能を提供する化合物の転移を可能にし得る。
【0248】
水に流せるワイプは、ワイプを構成する繊維間に高密度の格子間空間を有する不織布複合物品であり得る。基材に転移するのに十分なローションをワイプの表面で利用可能に維持するために、ワイプ中の格子間空間の大部分は、ローションで満たされ得る。例えば、十分な湿潤感を提供することによって、使用者に、ローションが基材への転移に利用可能であることを知らせるのに十分な量で過剰のローションをワイプ中に充填できるように、格子間空間のローションは、基材への転移に容易には利用できなくてもよい。有利には、水に流せるワイプに使用される不織布複合物品は、本明細書に記載の通りの多孔度の勾配を有し得、これは、ローションのワイプへの充填を促進し得る。
【0249】
水に流せるワイプは、不織布複合物品を、乾燥繊維質複合体1グラム当たり少なくとも1グラムの液体清浄ローションで湿潤することによって作製できる。清浄ローションを基材に送達する好適な方法は、これらに限定されないが、水浸、スプレー、埋め込み、押出コーティングおよびディップコーティングを含む。湿潤後、湿潤複合物品は、所望により折り畳まれ、積層され、長さに切断され、包まれ得る。水に流せるワイプは、一般に、取り扱いに好都合であるのに十分な寸法である一方、下水システムに容易に廃棄するのに十分小さい。湿潤複合物品は、製造プロセスの間、そのような寸法に切断もしくは折り畳むことができ、またはより大きなサイズであり、切り取り線などの、使用者が個々のワイプを所望のサイズにウェブから分離することを可能にする手段を有し得る。
【0250】
一般に、本開示の不織布複合物品は、水に流せるワイプに使用できる。実施形態では、本開示の水に流せるワイプは、本開示の不織布複合物品および清浄ローションを含む。実施形態では、本開示の水に流せるワイプは、本開示の不織布複合物品および清浄ローションからなる。
【0251】
吸収物品
【0252】
本開示の不織布ウェブおよび不織布複合物品は、吸収物品の液体取得層として使用できる。吸収物品は、よだれ掛け、胸部パッド、ケアマット、清浄パッド(例えば、床清浄パッド)、おむつ、パンツ型おむつ、失禁ライナー、パッドおよび他の物品(例えば、成人失禁用おむつ、成人失禁用パッド、成人失禁用パンツ、トイレトレーニングライナー、トイレトレーニングパッド、トイレトレーニングパンツおよびペットトレーニング用パッド、例えば、子犬用パッド)、陰唇間デバイス、月経パッド、パンツライナー、生理用ナプキン、タンポン、こぼれたものの吸収マット、こぼれたものの吸収パッド、こぼれたものの吸収ロール、創傷被覆材などを含み得る。一態様では、前述の物品のうちの任意のものは、使い捨て品であり得る。「使い捨て」という用語とは、単回使用後に廃棄されることを設計または意図された物品をいう。つまり、使い捨て物品は、洗濯または他の方法で回復もしくは再使用されることを意図されず、実施形態では、洗濯、回復または再使用ができない場合がある。
【0253】
本明細書で使用される場合、「吸収物品」という用語は、身体浸出液を吸収および含有する物品を含む。「吸収物品」という用語は、おむつ、失禁用物品、生理用ナプキンなどを含むことが意図される。「失禁用物品」という用語は、成人または他の失禁者のいずれによって着用されるのであれ、パッド、下着(ベルト等などの何らか種類の支持システムによって所定位置に保持されたパッド)、吸収物品の挿入物、吸収物品の容量ブースター、ブリーフ、ベッドパッドなどを含むことが意図される。少なくとも一部のそのような吸収物品は、月経血または血液、腟分泌物、尿、汗、母乳および腸排泄物などの体液の吸収が意図される。
【0254】
本明細書で使用される場合、「おむつ」とは、着用者の皮膚に対して配置されて、身体から排出される様々な浸出液を吸収および含有することが意図されるデバイスをいう。おむつは、一般に、乳児および失禁者によって、着用者のウエストおよび脚を一周するように胴の下部に着用される。おむつの例は、乳児または成人用おむつ、およびトレーニングパンツなどのパンツ様おむつを含む。「トレーニングパンツ」とは、本明細書で使用される場合、乳児または成人着用者向けに設計されたウエスト開口部および脚開口部を有する使い捨て下着をいう。パンツは、着用者の脚を脚開口部に挿入し、パンツを着用者の胴の下部周囲の位置に移動させることによって着用者の所定位置に配置され得る。パンツは、これらに限定されないが、再固定可能および/または再固定不可能な結合(例えば、縫い目、溶接、接着、密着ボンド、ファスナーなど)を使用して物品の部分に一緒に接続することを含む任意の好適な技術によって予備形成されていてもよい。パンツは、物品の周囲に沿った任意の位置(例えば、横側固定、前面ウエスト固定)で予備形成されていてもよい。
【0255】
本開示の吸収物品は、典型的には、液体透過性トップシート、トップシートに接続された液体不透過性バックシート、ならびにトップシートとバックシートとの間の液体取得層および吸収コアを含む。吸収物品が着用可能物品(例えば、失禁用物品、生理用ナプキンなど)である実施形態では、物品は、着用者側面および外側面を有し得る。一般に、液体透過性トップシートは、吸収物品の着用者側面にあり、液体不透過性バックシートは、外側面にある。吸収コアは、一般に、シート様構造であり、着用可能物として提供される場合、着用者側面および外側面を有する。
【0256】
一般に、液体透過性トップシートは、当技術分野で公知の任意の液体透過性トップシートであり得る。着用可能物品の場合、トップシートは、完全または部分的に伸縮自在にされ得、またはトップシートと吸収コアとの間に空所を備えるように短縮され得る。一般に、液体不透過性バックシートは、当技術分野で公知の任意の液体不透過性バックシートであり得る。バックシートは、吸収コアによって吸収され、物品内に含有される浸出液が、吸収物品が接触し得る任意の基材と接触することを防止する。バックシートは、液体不透過性であり、不織布および熱可塑性フィルムなどのプラスチック薄膜の積層物を含み得る。好適なバックシートフィルムは、Terre Haute、Ind.のTredegar Industries Inc.によって製造され、商品名X15306、X10962およびX10964で販売されているものを含む。他の好適なバックシート材料は、液体がバックシートを通過するのを防止しながらも、吸収物品から蒸気を逃がすことができる通気性材料を含み得る。例示的な通気性材料は、織物ウェブ、不織布ウェブなどの材料、ならびに日本のMitsui Toatsu Colによって表示名ESPOIR NOで製造されているものおよびBay City、Tex.のEXXON Chemical Co.によって表示名EXXAIREで製造されているものなどの複合材料を含み得る。
【0257】
吸収コアは、トップシートとバックシートとの間に配置される。吸収コアは、一般に、尿および他の身体浸出液などの液体を吸収および保持することが可能な任意の吸収材料を含み得る。吸収コアは、使い捨ておむつ、および超吸収性ポリマー、細砕木材パルプ(エアフェルト)、クレープ加工セルロースワッディング;吸収性発泡体、吸収性スポンジ、吸収性ゲル化材料、または任意の他の公知の吸収材料、または材料の組合せなどの他の吸収物品に一般に使用される多種多様な液体吸収材料を含み得る。吸収コアは、少量(約10%未満)の非液体吸収性材料、例えば、接着剤、ワックス、油などを含み得る。
【0258】
一般に、液体取得層は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む複数の繊維を含む本開示の不織布ウェブを含む。複数の繊維は、単一の繊維種類または繊維種類のブレンドを含み得、繊維は、単独ポリビニルアルコール繊維形成材料またはポリビニルアルコール繊維形成材料を含む繊維形成材料のブレンドを含み得る。
【0259】
実施形態では、液体取得層は、吸収コアとトップシートとの間に設けられ得る。着用可能な実施形態では、液体取得層は、吸収コアの着用者側面に設けられ得る。実施形態では、液体取得層は、吸収コアとバックシートとの間に設けられ得る。着用可能な実施形態では、液体取得層は、吸収コアの外側面上に設けられ得る。実施形態では、液体取得層は、吸収コアを包む。液体取得層は、吸収コアを包む単一シートであり得、または接続された2つの個々の層として設けられ得る。理論に縛られることを意図することなく、吸収コアとバックシートとの間、または吸収コアの外側面上に液体取得層を含むことは、トップシート側および/または着用者側面からの液体のいかなる流出も捕捉する追加の液体取得材料を設けることによって、有利には、吸収物品からの液体の漏れが防止すると考えられる。
【0260】
一般に、液体取得層は、吸収コアと直接接触し得、吸収コアと液体取得層との間に空間を含み得、または吸収コアと液体取得層との間に介在層を含み得る。実施形態では、液体取得層は、吸収コアと接触している。実施形態では、吸収物品は、取得層と吸収コアとの間に設けられた介在層を含む。実施形態では、液体取得層は、トップシート側/着用者側面で吸収コアと接触しており、介在層が、バックシート側/外側面の取得層と吸収コアとの間に設けられている。実施形態では、液体取得層は、バックシート側/外側面で吸収コアと接触しており、介在層が、トップシート側/着用者側面の取得層と吸収コアとの間に設けられている。介在層は、例えば、液体が、堆積点から吸収コアの全面積を被覆するように拡がるのを助けて促進するために含まれる第2の液体透過性層または液体取得層であり得る。
【0261】
実施形態では、吸収物品は、吸収コアおよび液体取得層を含み、液体取得層は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む複数の繊維を含む不織布ウェブを含み、液体取得層は、第1の複数の繊維を含む不織布ウェブの第1の層、第2の複数の繊維を含む不織布ウェブの第2の層、および必要に応じて不織布ウェブの第3の層を含む不織布複合物品を含み、不織布ウェブの層、不織布ウェブの第2の層および/または不織布ウェブの第3の層は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む不織布ウェブであり得る。実施形態では、着用可能吸収物品は、着用者側面および外側面を有する吸収コア、ならびに液体取得層を含み、液体取得層は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む複数の繊維を含む不織布ウェブを含み、液体取得層は、第1の複数の繊維を含む不織布ウェブの第1の層、第2の複数の繊維を含む不織布ウェブの第2の層、および必要に応じて不織布ウェブの第3の層を含む不織布複合物品を含み、不織布ウェブの層、不織布ウェブの第2の層および/または不織布ウェブの第3の層は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む不織布ウェブであり得る。
【0262】
実施形態では、吸収物品は、本開示の不織布複合物品である液体取得層を含む。実施形態では、着用可能吸収物品は、本開示の不織布複合物品である液体取得層を含む。
【0263】
実施形態では、液体取得層は、本明細書に開示の通りの単一層の不織布ウェブであり得、不織布ウェブの層は、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む。実施形態では、本開示の不織布複合物品は、液体取得層に使用できる。実施形態では、液体取得層は、本開示の不織布複合物品を含む。実施形態では、液体取得層は、本開示の不織布複合物品からなる。
【0264】
液体含有不織布物品
【0265】
本開示の不織布ウェブは、液体含有不織布物品に使用できる。液体含有不織布物品は、活性剤を含む液体の正確な投入のための単一単位量物品であり得る。活性剤を含む液体は、これらに限定されないが、洗濯洗剤、清浄組成物、布柔軟剤もしくは食器洗浄洗剤などの液体家事用組成物、シャンプー、ボディウォッシュもしくはひげそり用クリームなどの液体パーソナルケア組成物、または肥料および殺虫剤などの液体農業用製品などの非家事用、非パーソナルケア組成物を含み得る。液体は、一般に、不織布物品を溶解しない非水性液体を含み得る。好適な液体は、これらに限定されないが、1,2-プロパンジオール、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、メチルプロパンジオールおよびその混合物を含む。他の低級アルコール、低分子量ポリオール、C1~C4アルカノールアミン、例えば、モノエタノールアミンおよびトリエタノールアミンもまた使用できる。本明細書で使用される場合、「低分子量ポリオール」は、50g/mol~1000g/mol、50g/mol~800g/mol、または50g/mol~600g/molの範囲の分子量を有する2つより多いヒドロキシル基を有する分子である。液体は、液体および活性剤の総重量に基づいて、約0.1%~約98%、約1%~約75%、または約5%~約50%の範囲、例えば、約10%、約25%、約45%、約40%、約45%、約48%または約50%のレベルで存在し得る。典型的には、液体は、50%未満の水、25%未満の水、20%未満の水、10%未満の水、5%未満の水、または約0.001%~約20%、もしくは約0.001%~約10%の水を含む。
【0266】
液体中の活性剤は、これらに限定されないが、酵素、油、香料、着色料、臭気吸収剤、芳香剤、殺虫剤、肥料、酸化剤、活性化剤、酸触媒、金属触媒、イオン捕捉剤、洗剤、殺菌剤、界面活性剤、漂白剤、漂白成分および布柔軟剤の群の1つまたは複数を含み得る。実施形態では、活性剤は、1つまたは複数の酵素、および1つまたは複数の界面活性剤を含む。
【0267】
有利には、本開示の不織布ウェブは、液体組成物を繊維ネットワーク中および繊維表面上に吸収および/または吸着して、単位量に十分な活物質を提供し得る。吸収/吸着された液体組成物を有する不織布ウェブは、第2の不織布ウェブに包まれ、または他の方法で封入されて、活物質と消費者の手との間に障壁を提供し得る。したがって、本開示の液体含有不織布物品は、消費者の手または他の表面を夾雑することなく、消費者が有利に取り扱うことができる。液体洗濯洗剤に使用されるフィルムから構成される単一単位量ポーチとは反対に、本開示の液体含有不織布物品は、不織布ウェブの繊維によってもたらされる表面積の増加に起因して、フィルムよりも速く、より完全に溶解し得る。
【0268】
一般に、液体含有不織布ウェブは、第1のポリビニルアルコール繊維形成材料を含む第1の複数の繊維を含むコア不織布ウェブであって、前記コア不織布ウェブが活性剤を含む液体を含む、コア不織布ウェブ、および第2のポリビニルアルコール繊維形成材料を含む第2の複数の繊維を含む外側不織布ウェブを含み、コア不織布ウェブは、外側不織布ウェブによって封入される。実施形態では、外側不織布ウェブは、第1の不織布ウェブを包む。
図4Aに示される通り、不織布ウェブは、機械方向301および横方向302を有し得る。不織布ウェブは、例えば、不織布ウェブを機械方向に沿うなどの軸周りに折り畳むことによって、コア不織布ウェブ302を包み得る(
図4B)。実施形態では、外側不織布ウェブは、スリーブまたはエンベロープの形態を有し得、コア不織布ウェブは、スリーブまたはエンベロープに設けられ得る。スリーブまたはエンベロープは、単一不織布ウェブ、例えば、ウェブを半分に折り畳み、長端を封止して、コア不織布ウェブを挿入できる2つの開口部を有するスリーブ構造を提供することによって、またはウェブを半分に折り畳み、3つの端部のうち2つを封止して、コア不織布ウェブを挿入できる1つの開口部を有するエンベロープまたはポケット構造を形成することによって、調製できる。スリーブまたはエンベロープは、代わりに、積層し、2つの相対する端部に沿って(スリーブを形成するように)または3つの端部に沿って(ポケットまたはエンベロープを形成するように)封止した2つの不織布ウェブから調製できる。実施形態では、コア不織布ウェブおよび外側不織布ウェブは、少なくとも1つ寸法が同じ長さを有する。例えば、外側不織布ウェブがコア不織布ウェブを包む実施形態、および外側不織布ウェブがスリーブとして設けられている実施形態では、コア不織布ウェブは、外側不織布ウェブと同じ長さを有し得る。反対に、外側不織布ウェブがエンベロープまたはポケットとして設けられている実施形態では、エンベロープまたはポケットの3つの側面がコア不織布ウェブの導入前に封止されるため、コア不織布ウェブは、必然的に、エンベロープまたはポケットよりも短い。
【0269】
一般に、コア不織布ウェブは、液体を含み、液体は活物質を含む。コア不織布ウェブの液体への曝露前に、コア不織布ウェブは、約15gsm~約200gsm、約20gsm~約175gsm、約25gsm~約150gsm、または約30gsm~約120gsmの範囲の乾燥坪量を有し得る。コア不織布ウェブは、液体で飽和され得る。実施形態では、液体を含むコア不織布ウェブの重量は、液体の添加前のコア不織布ウェブの重量の2~10倍である。実施形態では、コア不織布は、約5~約30gの液体、約5~約25gの液体、約8~約20gの液体、約8~約19gの液体、約10~約19gの液体、または約12~約18gの液体を含む。実施形態では、液体を含むコア不織布ウェブは、約30gsm~約2000gsm、約40gsm~約1750gsm、約50gsm~約1500gsm、約60gsm~約1200gsm、約100gsm~約1000gsm、約200gsm~約800gsm、または約300gsm~約600gsmの液体重量を有する。つまり、コア不織布ウェブ1平方メートル当たりの液体の量は、約30g~約2000g、約40g~約1750g、約50g~約1500g、約60g~約1200g、約100g~約1000g、約200g~約800g、または約300g~約600gである。
【0270】
一般に、コア不織布ウェブは、単一プライの不織布ウェブを含み得、または必要に応じてラミネートもしくは一緒に結合された多層の不織布ウェブ(例えば、目立たない層または折り畳みによる積層)を含み得る。実施形態では、コア不織布ウェブは、単一プライまたは多層層の不織布ウェブのいずれであれ、それ自体に折り畳まれて、液体含有不織布物品のより厚いコアを提供し得る。コア不織布ウェブが折り畳まれ得る回数は特に限定されず、液体含有不織布物品の所望の厚さに依存する。実施形態では、液体含有不織布物品は、約2~約50mm、約3~約45mm、約4~約40mm、約5~約35mm、約5~約30mm、または約5~約25mmの総厚さ(外側不織布ウェブおよびコア不織布ウェブの両方を含む)を有し得る。
【0271】
一般に、外側不織布ウェブは、単一プライの不織布ウェブを含み得、または必要に応じてラミネートもしくは一緒に結合された多層の不織布ウェブ(例えば、目立たない層または折り畳みによる積層)を含み得る。実施形態では、外側不織布ウェブは、約15gsm~約400gsm、約20gsm~約300gsm、約25gsm~約250gsm、約30gsm~約210gsm、または約30gsm~約140gsmの坪量を有し得る。実施形態では、外側不織布ウェブは、約0.5mm~約6.0mm、約0.75mm~約4.5mm、または約1.0~約3.0mmの厚さを有し得る。有利には、外側不織布ウェブの坪量および厚さは、活性剤と環境との間に障壁を提供し、二次包装、表面または消費者の手が活性剤により夾雑されないように選択され得る。外側不織布ウェブはまた、有利には、焼き付け、プリントまたはエンボス加工され得る表面を提供する。実施形態では、ロゴまたは使用説明書などの標示は、標示が消費者に見えるように外側不織布ウェブにプリントされ得る。実施形態では、外側不織布ウェブは、パターンをエンボス加工され得る。外側不織布ウェブは、液体含有不織布物品の形成前および/または液体含有不織布物品の形成後にプリント、エンボス加工、または他の方法で印を付けられ得る。
【0272】
一般に、コア不織布ウェブの少なくとも一部は、外側不織布ウェブの少なくとも一部と接触し得る。実施形態では、外側不織布ウェブの一部と接触したコア不織布ウェブの一部は、コア不織布の端部または外周であり得、コア不織布ウェブの一部と接触した外側不織布ウェブの一部は、端部または外周であり得る。実施形態では、外側不織布ウェブの一部と接触したコア不織布ウェブの一部は、封止または他の方法で外側不織布ウェブに結合され得る。実施形態では、コア不織布ウェブおよび外側不織布ウェブは、少なくとも1つの端部、少なくとも2つの端部または少なくとも3つの端部で封止され得る。実施形態では、外側不織布ウェブの一部と接触したコア不織布ウェブの一部は、コア不織布ウェブの面の一部であり得、コア不織布ウェブと接触した外側不織布ウェブの一部は、外側不織布ウェブの面の一部であり得る。実施形態では、コア不織布ウェブが、外側不織布ウェブによって形成される内部容積を実質的に満たすように、コア不織布ウェブは、外側不織布ウェブ内にぴったりおさまり得る。本明細書で使用される場合、別に指定されない限り、コア不織布ウェブが「実質的に満たす」は、外側不織布によって形成される内部容積の少なくとも70%を、コア不織布ウェブが占めることを意味する。実施形態では、コア不織布ウェブは、外側不織布ウェブによって形成される内部容積の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%を占める。
【0273】
一般に、液体含有不織布物品の形状および寸法は、特に限定されない。実施形態では、液体含有不織布物品のサイズおよび形状は、液体含有物品が消費者の手の掌内におさまるように選択される。実施形態では、任意の寸法の最大長さは、約7インチ(17.78cm)、約6インチ(15.24cm)、約5インチ(12.70cm)、または約4インチ(10.16cm)である。実施形態では、任意の寸法の最大長さは、少なくとも約0.5インチ(1.27cm)、少なくとも約1インチ(2.54cm)、少なくとも約1.5インチ(3.81)、または少なくとも約2インチ(5.08cm)である。実施形態では、任意の寸法の最大長さは、約2インチ(5.08cm)~約4インチ(10.16cm)である。実施形態では、液体含有不織布物品は、四辺形、三角形、円、星形、ハート、八角形、五角形、六角形、七角形、楕円形、三日月形、半円、十字形、三つ葉模様、四つ葉模様、雫形、五芒星、六芒星、八芒星、王冠、雪片、盾形、雲形、矢印および前述のものの組合せからなる群から選択される形状を有する。
【0274】
一般に、液体含有不織布物品は、本明細書に開示の任意の繊維形成材料を含む繊維を含み得る。実施形態では、コア不織布ウェブは、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマーおよび前述のものの組合せから選択される第1のポリビニルアルコール繊維形成材料を含む繊維を含む。実施形態では、第1のポリビニルアルコールは、アニオン変性ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコールコポリマーを含む。実施形態では、アニオン変性ポリビニルアルコールは、(アルキル)アクリレート変性ポリビニルアルコール、マレエート変性ポリビニルアルコール、スルホネート変性ポリビニルアルコールまたはその組合せを含む。実施形態では、第1のポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールホモポリマーを含む。
【0275】
実施形態では、外側不織布ウェブは、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマーおよび前述のものの組合せから選択される第2のポリビニルアルコール繊維形成材料を含む繊維を含む。実施形態では、第2のポリビニルアルコールは、アニオン変性ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコールコポリマーを含む。実施形態では、アニオン変性ポリビニルアルコールは、(アルキル)アクリレート変性ポリビニルアルコール、マレエート変性ポリビニルアルコール、スルホネート変性ポリビニルアルコールまたはその組合せを含む。実施形態では、第2のポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールホモポリマーを含む。
【0276】
実施形態では、コア不織布ウェブは、第1のポリビニルアルコール繊維形成材料を含む第1の複数の繊維を含み、第1の複数の繊維は、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、水溶性デンプン、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステルおよびセルロースアミドの群から選択される1つまたは複数の繊維形成材料をさらに含む。実施形態では、外側不織布ウェブは、第2のポリビニルアルコール繊維形成材料を含む第2の複数の繊維を含み、第2の複数の繊維は、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、水溶性デンプン、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステルおよびセルロースアミドの群から選択される1つまたは複数の繊維形成材料をさらに含む。
【0277】
一般に、コア不織布ウェブの第1のポリビニルアルコールおよび外側不織布ウェブの第2のポリビニルアルコールは、同じであっても異なっていてもよい。第1および第2のポリビニルアルコールが異なる実施形態では、第1のポリビニルアルコール繊維形成材料および第2のポリビニルアルコール繊維形成材料は、粘度、加水分解度、共重合度、コポリマー変性の種類またはその組合せの差を有し得る。
【0278】
一般に、液体の添加前のコア不織布ウェブは、外側不織布ウェブと同じであっても異なっていてもよい。有利には、液体含有不織布物品は、消費者が取り扱う場合、心地のよくないゴムまたはプラスチックのような感触を有する水溶性ポリマーフィルムで作製された現在市販されているポーチとは反対に、布のような手触りを有し、取り扱いに心地のよい、液体組成物を含む消費者製品を提供し得る。液体含有不織布物品は、本明細書に開示の柔らかさ等級付け法を使用して決定して、1~5等級の柔らかさを有し得る。
【0279】
液体含有不織布物品は、コア不織布ウェブを、活性剤を含む液体と接触させ、コア不織布ウェブを外側不織布ウェブで覆い、外側不織布ウェブを封止して、コア不織布ウェブを封入することによって調製できる。
【0280】
実施形態では、液体含有不織布物品を調製する方法は、コア不織布ウェブをそれ自体に対して、2~50回、3~45回、4~40回、5~35回、または6~30回折り畳むステップをさらに含む。
図6および7に示される通り、コア不織布ウェブをそれ自体に対して折り畳むことにより、より厚い不織布コアが得られる。折り畳む方法は特に限定されず、アコーディオン型(
図6)、または同じ方向への連続した折り畳み(
図7)であり得る。折り畳んだ後、層は、必要に応じて、当技術分野で公知の任意の結合法を使用して一緒に結合され得る。
【0281】
一般に、コア不織布ウェブを、活性剤を含む液体と接触させるステップは、液体組成物を基材に適用するための、当技術分野で公知の任意の方法を使用できる。接触する方法は、これらに限定されないが、グラビアコーティング、ディップコーティング、スロットダイコーティング、ワイヤコーティング、フラッドコーティング、スプレーコーティングおよび活性剤を含む液体浴にコア不織布ウェブを浸漬することのうちの1つまたは複数を含む。実施形態では、折り畳みは、接触の後に行われ、接触は、グラビアコーティング、ディップコーティング、スロットダイコーティング、ワイヤコーティング、フラッドコーティングおよびスプレーコーティングのうちの1つまたは複数を含む。実施形態では、折り畳みは、接触の前に行われ、接触は、活性剤を含む液体浴にコア不織布ウェブを浸漬することを含む。
【0282】
実施形態では、方法は、多層の不織布ウェブをプライ、積層、折り畳みまたはラミネートすることによって外側不織布ウェブを調製するステップをさらに含む。1つまたは複数の不織布ウェブは、重ねられ、必要に応じて一緒に結合およびまたはラミネートされ得る。
【0283】
一般に、コア不織布ウェブを外側不織布ウェブで覆うステップは、外側不織布ウェブが内部空間を形成し、コア不織布ウェブが内部空間に設けられる任意の方法を含み得る。実施形態では、コア不織布ウェブを外側不織布ウェブで覆うステップは、コア不織布ウェブを外側不織布ウェブで包むこと、コア不織布ウェブを、外側不織布ウェブを含むエンベロープに挿入すること、またはコア不織布ウェブを、外側不織布ウェブを含むスリーブに挿入することを含む。実施形態では、覆うステップは、水平流ラッピングを含む。外側不織布ウェブは、次いで、機械方向に沿って一緒に封止されて、活性剤を含む液体を含むコア不織布ウェブの周りに管が作製され得る。
【0284】
図4に示される通り、外側不織布ウェブは、機械方向(301)および横方向(302)を有し得、コア不織布ウェブ(302)は、外側不織布ウェブをコア不織布ウェブ周りに包むことによって包まれ得る。
図5に示される通り、封止するステップは、外側不織布ウェブを、機械方向の2つまたはそれよりも多くの点に沿って封止すること(303)を含み得る。封止するステップは、外側不織布ウェブを、横方向端部(304)の少なくとも一端に沿って封止することをさらに含み得る。封止するステップは、当技術分野で公知の任意の封止法、例えば、加熱封止、溶媒溶接および接着封止を含み得る。典型的には、封止が形成される領域のみが、熱または溶媒で処理される。熱または溶媒は、任意の方法によって適用され得る。溶媒または湿潤封止または溶接が使用される場合、熱も適用されることが好ましい場合がある。好ましい湿潤または溶媒封止/溶接法は、例えば、これを封止される領域上にスプレーまたはプリントし、次いで、これらの領域上に圧力を適用して封止を形成することによって、溶媒を選択的に適用することを含む。例えば、封止ロールおよびベルト(必要に応じて、熱も供給する)が使用できる。溶媒封止/溶接のための溶媒は、任意の好適な溶媒、例えば、水および/またはグリセリンを含む極性溶媒を含み得る。理論に縛られることを意図することなく、溶液封止の結果、不織布繊維の結晶度は低下し、これは次に、液体含有不織布物品の溶解時に残される残留物を少なくすることに寄与し得ると考えられる。
【0285】
液体含有不織布物品は、インラインプロセスとして調製できる。
図5Bに示される通り、液体含有不織布物品を調製する方法は、不織布物品を機械方向の封止(303)に沿って横方向に切断(305)して、フランジ(307)を有する単位量を提供するステップをさらに含み得る。ダイカットシステムを使用して、個々の投入量を分離することができる(
図5B(306))。各単位量の周りにフランジを作るように、単位量間封止間に切り目が設けられる。実施形態では、フランジは、少なくとも1mmおよび10mm以下、例えば、約1.5mm~約9mm、約2mm~約7.5mm、または約2.5mm~約5mmであり得る。個々の単位量は、次いで、二次包装中への配置のために収集、秤量および分割され得る。
溶解および崩壊試験(MSTM 205)
【0286】
不織布ウェブ、水溶性フィルムまたは複合材料構造は、当技術分野で公知の方法であるMonoSol試験法205(MSTM 205)に従って、溶解時間および崩壊時間によって特徴付け、または試験できる。例えば、米国特許第7,022,656号を参照されたい。以下に提供される記載は、不織布ウェブを指すが、これは、水溶性フィルムまたは複合材料構造にも等しく適用可能である。
装置および材料:
600mLビーカー
磁気撹拌器(Lablineモデル番号1250または等価物)
磁気撹拌棒(5cm)
温度計(0~100℃±1℃)
鋳型、ステンレス鋼(3.8cm×3.2cm)
タイマー(0~300秒、秒単位の精度)
Polaroid 35mmスライドマウント(または等価物)
MonoSol 35mmスライドマウントホルダー(または等価物)
蒸留水
【0287】
試験される各不織布ウェブについて、不織布ウェブ試料から、3.8cm×3.2cm標本の3つの試験標本を切断する。標本は、ウェブの領域からウェブの横方向に沿って均等に間を空けて切断するべきである。次いで、各試験標本を、以下の手順を使用して分析する。
【0288】
各標本を、別々の35mmスライドマウンドに固定する。
【0289】
ビーカーに500mLの蒸留水を満たす。温度計で水温を測定し、必要であれば、水を加熱または冷却して、溶解を決定する温度、例えば、20℃(約68°F)で温度を維持する。
【0290】
水のカラム高さに印を付ける。ホルダーのベースに磁気撹拌器を置く。ビーカーを磁気撹拌器の上に置き、ビーカーに磁気撹拌棒を入れ、撹拌機を作動させ、水カラムのおよそ5分の1の高さの渦が生じるまで撹拌速度を調節する。渦の深さに印を付ける。
【0291】
35mmスライドマウントホルダーのワニ口クランプに、スライドマウントの長端が水面に平行になるように35mmスライドマウントを固定する。ホルダーの深さ調節は、落としたときに、クランプの端部が水面の0.6cm下になるように設定するべきである。不織布ウェブ表面が水の流れに垂直になるように、スライドマウント短端の一方をビーカーの側面に接し、他端を攪拌棒の中心に対して直接配置するべきである。
【0292】
1回の動作で、固定したスライドおよびクランプを、水中に落とし、タイマーを起動する。崩壊は、不織布ウェブが分離したときに起こる。すべての可視不織布ウェブがスライドマウントから離れたら、スライドを水から取り出し、一方、未溶解の不織布ウェブ断片について溶液のモニタリングを継続する。溶解は、すべての不織布ウェブ断片が可視ではなくなり、溶液が透明になったときに起こる。
【0293】
結果は、以下のもの:完全な試料の同定、個々および平均崩壊および溶解時間、ならびに試料を試験したときの水温を含むべきである。
単一繊維溶解度を決定する方法
【0294】
単一繊維の溶解度は、水分解温度によって特徴付けることができる。繊維分解温度は、以下の通り決定できる。2mg/dtexの充填量を、100mmの固定長を有する繊維に負荷する。水温は、1.5℃で開始し、次いで、繊維が分解するまで、2分毎に1.5℃の増分で上昇させる。繊維が分解する温度を、水分解温度として記す。
【0295】
単一繊維の溶解度はまた、完全溶解の温度によって特徴付けることもできる。完全溶解の温度は、以下の通り決定できる。2mmの固定長さを有する0.2gの繊維を、100mLの水に添加する。水温は、1.5℃で開始し、次いで、繊維が完全に溶解するまで、2分毎に1.5℃の増分で上昇させる。試料を、各温度においてかき混ぜる。繊維が完全に溶解する温度を、完全溶解温度として記す。
直径試験法
【0296】
別個の繊維または不織布ウェブ内の繊維の直径は、走査型電子顕微鏡(SEM)または光学顕微鏡、および画像分析ソフトウェアを使用して決定する。繊維が測定のために好適に拡大されるように、200~10,000倍の倍率を選択する。SEMを使用した場合、試料は、金またはパラジウム化合物でスパッタリングして、電子ビーム中での繊維の帯電および振動を回避する。繊維直径を決定するための手動手順を、SEMまたは光学顕微鏡で撮った画像(モニタースクリーン上)から使用する。マウスおよびカーソルツールを使用して、ランダムに選択した繊維の端部を探し、次いで、繊維の他方の端部までその幅にわたって(すなわち、その点で繊維方向に垂直に)測定する。縮尺を合わせ、較正した画像分析ツールにより、縮尺を合せたミクロン単位の実際の読取りが得られる。不織布ウェブ内の繊維について、SEMまたは光学顕微鏡を使用して、不織布ウェブの試料にわたっていくつかの繊維をランダムに選択する。不織布ウェブ材料の少なくとも2つの部分を切断し、この方法で試験する。合せて少なくとも100回、そのような測定を行い、次いで、すべてのデータを、統計分析のために記録する。記録したデータを使用して、繊維の平均(幾何平均(mean))、繊維の標準偏差および繊維直径の中央値を計算する。
引張強度、弾性率および伸び試験
【0297】
引張強度(TS)試験に従って引張強度、弾性率(MOD)試験に従って弾性率(または引張応力)、および伸び試験に従って伸びによって特徴付けられ、または試験される不織布ウェブ、水溶性フィルムまたは複合材料構造は、以下の通り分析する。以下に提供される記載は、不織布ウェブを指すが、これは、水溶性フィルムまたは複合材料構造にも等しく適用可能である。手順は、ASTM D 882(「薄プラスチックシートの引張特性に関する標準試験法」)または等価物に従う引張強度の決定および10%伸びにおける弾性率の決定を含む。INSTRON引張試験装置(モデル5544引張試験機または等価物)を、不織布ウェブデータの収集のために使用する。各々、寸法安定性および再現性を確実にする信頼性の高い切断ツールで切断した最小で3つの試験標本を、各測定について機械方向(MD)(適用可能な場合)で試験する。試験は、23±2.0℃および35±5%相対湿度の標準研究室雰囲気で行う。引張強度または弾性率の決定のために、不織布ウェブの1”幅(2.54cm)の試料を調製する。次いで、試料をINSTRON引張試験機に移して、試験を進める一方、35%相対湿度環境への曝露を最小にする。引張試験機は、製造業者の説明書に従って調製し、500Nロードセルを備え、較正する。正確なグリップおよび面を取付ける(ゴムコーティングされた25mm幅の、モデル番号2702-032面を有するINSTRONグリップ、または等価物)。試料を、引張試験機に嵌め、分析して、100%弾性率(すなわち、100%フィルム伸びを実現するのに必要な応力)、引張強度(すなわち、フィルムを破壊するのに必要な応力)、および伸び%(初期試料長さと比べた、破壊時の試料長さ)を決定する。一般に、試料の伸び%が高いほど、不織布ウェブの加工性特徴(例えば、パケットまたはポーチへの増加した形成性)が良好になる。
坪量の決定
【0298】
坪量は、ASTM D3776/D3776M-09a(2017)に従って決定する。簡潔には、少なくとも130cm2の面積を有する標本、または試料の異なる位置から取った、少なくとも130cm2の総面積を有するいくつかのより小さいダイカット標本を切断する。±0.001gの分解能のトップローディング化学秤で標本を秤量して、質量を決定する。秤は、ドラフトシールドを使用して、気流および他の外乱から保護する。布の標本を、一緒に秤量してもよい。質量を、1平方ヤード当たりオンス、1線形ヤード当たりオンス、1ポンド当たり線形ヤードまたは平方メートル当たりグラムで3有効桁まで計算する。
水蒸気透過率の決定
【0299】
水蒸気透過率(MVTR)は、MSTM-136に従って決定する。MVTRは、不織布ウェブ、フィルムまたは複合材料試料を通して、1日当たりどれくらいの水分が移動するかを定義する。以下に提供される記載は、不織布ウェブを指すが、これは、水溶性フィルムまたは複合材料構造にも等しく適用可能である。
装置および材料:
Permatran-Wモデル3/34(または等価物)
窒素の高圧ガスシリンダー(99.7%またはそれよりも高い)
レギュレータ-ティー(パーツ番号027-343)
主ライン供給レギュレータ
HPLCグレード水(または等価物)
Luerlokチップを備える10ccシリンジ(パーツ番号800-020)
粉末不含グローブ
高真空グリース(パーツ番号930-022)
(2)試験セル
切断鋳型
切断ボード
持ち手つきレーザーブレード
耐切創性グローブ
【0300】
Permatran W-モデル3/34の調製:確実に、窒素圧力レベルを300psi超、担体ガスレギュレータ-ティーの圧力読取りを29psi(32psiを超えてはならない)にし、主ライン供給レギュレータ圧力を35psiに設定する。機器パネルの扉を開いて加湿器を利用して、水レベルを確認する。水レベルが低い場合、シリンジにHPLCグレードの水を満たし、シリンジに取付けたルアーをリザーバの「充填口」に挿入する。「充填バルブ」を、2~3回、反時計回りに回すことによって開き、次いで、プランジャーをシリンジに押し込んで、水をリザーバに入れる。「充填バルブ」を閉め、シリンジを取り外す。注:水レベルが、リザーバに隣接して印を付けた線を超えないようにする。
【0301】
試料の調製および試験:試験される各不織布ウェブについて、試料ウェブを取り、切断ボードに平らに置く。ウェブの上部に鋳型を置き、持ち手つきレーザーブレードを使用して試料を切り出す。試料を切り出す際は、耐切創性グローブを確実に装着する。試料を横によけておく。試験セルの上部部分の封止表面に高真空グリースでグリースを塗る。不織布ウェブ試料を試験セルの上部部分の上部に載せる。注:配向が重要な場合がある。均質材料の場合、配向は重要ではない。多層のラミネート材料の場合、セルの上部に向けて、バリアコーティングまたはラミネートが上になるように多層フィルムまたはラミネートを置く。例えば、片面ワックスコーティングPVOHウェブは、ワックス側を上にして載せ、ワックスを担体ガス(窒素)に向けて置くべきである。試験セルの上部部分を試験セルの底部部分の上部に置く。試験セルが、良好な封止で一緒に確実にクランプされるようにする。セルロード/アンロードボタンを押して、セルトレイを開く。試験セルの前および後端部を掴み、真っ直ぐ下に下げる。やさしくパネルに向けて真っ直ぐ押し込むことによって、セルトレイを完全に閉める。セルロード/アンロードボタンを押して、セルをクランプする。注:カチッと音をさせるべきである。第2の試料について繰り返す。
【0302】
試料が充填され、機器の用意ができた後、試験パラメーターを設定しなくてはならない。注:試験パラメーターは、セルパラメーターおよび機器パラメーターの2種類がある。セルパラメーターは、各セルに特異的である一方、機器パラメーターはすべてのセルに共通である。スクリーンの「試験ボタン」にタッチする。「自動試験」の「タブA」を選択する。「セルタブ」にタッチする。各吹き出しをタッチすることによって以下を入力する:ID、面積(cm’2)、厚さ(mil)。注:鋳型の面積は50cm2である。「タブB」について繰り返す。「機器タブ」にタッチする。各吹き出しをタッチすることによって以下を入力する:セル温度(℃)および試験ガスRH(%)。注:100%RHを確実にオフに設定する。セル温度は、最小10℃~最大40℃に設定できる。試験ガスRHは、最小5%~90%に設定できる。100%RHが必要である場合、異なる方法が必要である。「タブB」について繰り返す。試験パラメーターを設定したら、試料数に応じて「選択したものを開始」または「すべて開始」を選択する。注:フロントパネルの各セルについてのインジケータランプが緑であれば、試験の開始を示している。
表面抵抗率測定
【0303】
不織布ウェブおよびフィルムの表面抵抗率は、ASTM D257に従って測定できる。
柔らかさ等級
【0304】
本開示の不織布ウェブ、液体含有不織布物品または不織布複合物品の手触りは、試料の柔らかさに関連し、関連する試験法を使用して評価できる。柔らかさ評価を実施する試験者は、清潔な手を使用して、88%の加水分解度を有するポリビニルアルコールホモポリマーからなり、2.2dtex/51mm切片を有する繊維からなる不織布ウェブを含み、1(最も柔らかい)の柔らかさ等級を有する対照材料、ならびに75%ポリビニルアルコールホモポリマーからなり、88%の加水分解度を有し、2.2/51mm切片を有する繊維および25%の22dtex/38mmのPET繊維からなり、5(最も粗い(roughest/coarsest))の柔らかさ等級を有する対照材料と比較して、本開示の不織布ウェブおよび物品の柔らかさ等級を決定するための何であれ個々に選択した方式または方法で、試料を触った。ハンドパネルは盲検研究で実施することで、評定者が試料名の認識によって意見を変えることができないようにすることができる。試料は、1~5で等級付けることができる。
水平吸水試験
【0305】
不織布を、本明細書に開示の通りの水平吸水について試験した。試験は、送風機をオフにした換気フード中で完了した。試験される液体は、液体を室内条件に平衡にするのに好適な時間、大気に曝露する。不織布ストリップを、機械方向が液体の移動の方向と平行になるように切断した。ガラスペトリ皿を、液体リザーバとして使用し、吸水について試験する液体で可能な限り高レベルまで満たした。ペトリ皿の蓋をペトリ皿に隣接して置いて、不織布ウェブを支える。バインダークリップをペトリ皿の蓋に配置して、不織布ストリップの端部がガラスに付かないように支える。試料構成を、
図8に示す。不織布ウェブを通して液体が移動するのを、定規を視野に入れて、ビデオ撮影する。異なる時点において液体の移動距離を、単位mmで記録する。経時的な距離をプロットして吸水速度を得る。水平吸水は、湿潤遅延、Washburn期(基材を通した溶液の線形流動)および減衰期の3相で起こる。Washburn勾配、吸水速度および吸収率に使用したデータは、30秒から十分Washburn期内である試験中であった。
【数9】
速度、v
wickは、以下の式:
【数10】
に従って決定した。
吸収能および速度
【0306】
不織布を、本明細書に開示の吸収能および速度について試験した。液体吸収能(LAC%)について、試験試料を、60秒間、200mm深さの試験液に浸した(1回に1つ)。試験試料を、120秒間、鉛直にして水を切った。次いで、LAC%を、以下の式:
【数11】
に従って計算する。
【0307】
吸収速度(単位面積当たりの吸水の体積速度)、
【数12】
を、水平吸水試験から得られた吸水速度、v
wickに不織布試料の空隙率、φを掛けることによって計算する:
【数13】
【0308】
空隙率は、秤量した乾燥不織布試料を、既知体積の水のディスクに漬けることによって決定できる。
【数14】
不織布を15秒間浸水させ、皿の上で30秒間、水を切る。皿から失われた水の量(体積)を測定し、式:
【数15】
に従って空隙率を計算する。
【実施例】
【0309】
実施例の不織布ウェブを、以下に記載される繊維D、繊維E、繊維Fおよび繊維Gからなる群から選択される1つまたは複数の繊維から調製した。
【0310】
繊維Dは、88%加水分解度(DH)および1.7~2.2dtexの繊度を有するPVOHホモポリマーを含む市販のPVOHステープル繊維製品である。繊維Dは、以下の条件下で、20℃の温度の水に溶解する:10gの繊維、続いて、繊維標本の重量の30倍の蒸留水を500ccの容器に入れる。水をわずかに撹拌し、標本を観察すると、数分後、典型的には15分以内に完全に溶解する。
【0311】
繊維Eは、96%加水分解度(DH)および1.4~2.2の繊度を有するPVOHホモポリマーを含む市販のPVOHステープル繊維製品である。繊維Eは、以下の条件下で、40℃の温度の水に溶解する:10gの繊維、続いて、繊維標本の重量の30倍の蒸留水を500ccの容器に入れる。水をわずかに撹拌し、標本を観察すると、数分後、典型的には15分以内に完全に溶解する。
【0312】
繊維Fは、98%加水分解度(DH)および1.4~2.2の繊度を有するPVOHホモポリマーを含む市販のPVOHステープル繊維製品である。繊維Fは、以下の条件下で、70℃の温度の水に溶解する:10gの繊維、続いて、繊維標本の重量の30倍の蒸留水を500ccの容器に入れる。水をわずかに撹拌し、標本を観察すると、数分後、典型的には15分以内に完全に溶解する。
【0313】
繊維Gは、99+%加水分解度(DH)および1.7dtexの繊度を有するPVOHホモポリマーを含む市販のPVOHステープル繊維製品である。繊維Gは、以下の条件下で、95℃の温度の水に溶解する:10gの繊維、続いて、繊維標本の重量の30倍の蒸留水を500ccの容器に入れる。水をわずかに撹拌し、標本を観察すると、数分後、典型的には15分以内に完全に溶解する。
【0314】
(実施例1)
【0315】
様々な不織布ウェブを、単一のPVOH繊維形成材料を含む繊維を使用して調製した。繊維は、異なる加水分解度を有するPVOHホモポリマーから構成された。特に、それぞれ88%、96%、98%および99%のDHを有する繊維D、繊維E、繊維Fおよび繊維Gを、単独でまたは50/50(重量による)ブレンドで使用して、88%(D繊維)、92%(D/E繊維)、93%(D/F繊維)、93.5%(D/G繊維)、96%(E繊維)、97%(E/F繊維)、97.5%(E/G繊維)、98%(F繊維)、98.5%(F/G繊維)および99+%(G繊維)の平均DHを有する不織布ウェブを提供した。繊維をカレンダー結合して、不織布ウェブを形成した。88%の平均DHを有する不織布ウェブは、40psi、2FPM(1分当たりフィート)の速度および140℃の温度でカレンダー加工した。残りの不織布ウェブは、必要に応じ、繊維のDHに応じて、1~2FPMの速度で40psiおよび140℃~190℃の温度でカレンダー加工して、88%の平均DHを有する不織布と同じ結合度を実現した。本明細書に開示の引張強度試験に従って測定して、ウェブの引張強度が同じ(±5%)である場合、2つの不織布ウェブについて結合度が同じであると考えた。得られた不織布ウェブを、本明細書に提示される方法に従って、水平吸水および吸収能および速度について試験した。
【0316】
様々な不織布ウェブで試験した液体は、DI水、ヘキサン、合成血液および合成尿であった。合成血液は、ヘモグロビン、アミノ酸、タンパク質および他の非危険成分の94%水混合物であった。合成尿は、尿素、硫酸マグネシウム七水和物、塩化カルシウム二水和物(calcium chloride dehydrate)および塩化ナトリウムの97%水混合物であった。
【0317】
図9に示される通り、水および合成尿の場合、不織布ウェブの平均DHが増加するにつれて、Washburn勾配、吸水速度および吸収率は増加し、合成血液の場合、平均DHが増加するにつれて、Washburn勾配および吸水速度は増加し、吸水率は維持され、ヘキサンの場合、不織布ウェブのDHが増加するにつれて、Washburn勾配、吸水速度および吸水率の各々は、減少した。
【0318】
図10に示される通り、液体吸収能について、高DH繊維は、ブレンド中に提供される場合、吸収能に対して低DH繊維よりも高い効果を有し、むしろ、吸収能に対する混合物規則の効果を示した。コットンピル材料のみを含む不織布ウェブをまた、比較のために試験した。
【0319】
(実施例2)
【0320】
様々な多層不織布ウェブを、単一のPVOH繊維形成材料を含む繊維を含む不織布ウェブを使用して調製した。繊維は、異なる加水分解度を有するPVOHホモポリマーから構成された。特に、それぞれ88%、96%、98%および99+%のDHを有する繊維D、繊維E、繊維Fおよび繊維Gを、単独でまたはブレンドで使用した。第1の層の繊維をカーディングし、第2の層の繊維は、第1の層の繊維の上部に層化した。2つの層を同時に、不織布ウェブおよび多層不織布物品にカレンダー結合した。88%の平均DHを有する不織布ウェブは、40psi、2FPMおよび140℃の温度でカレンダー加工した。残りの不織布ウェブは、必要に応じ、繊維のDHに応じて、1~2FPMで40psiおよび140℃~190℃の温度でカレンダー加工して、88%の平均DHを有する不織布と同じ結合度を実現した。本明細書に開示の引張強度試験に従って測定して、ウェブの引張強度が同じ(±5%)である場合、2つの不織布ウェブについて結合度が同じであると考えた。92%(50/50 D/E繊維不織布)、93%(50/50 D/F繊維不織布)、93.5%(50/50 D/G繊維不織布)、94%(25/75 D/E繊維不織布)、95.2%(10/90 D/E繊維不織布)、96%(E繊維不織布)、97%(50/50 E/F繊維不織布)および97.5%(50/50 E/G繊維不織布)の平均DHを有する物品を、同じ組成および坪量の2つの不織布ウェブを組み合わせることから調製した。
【0321】
すべての多層物品を、本明細書に提示される方法に従って、水平吸水および吸収能および速度について試験した。
【0322】
様々な不織布ウェブで試験した液体は、DI水、ヘキサン、合成血液および合成尿であった。合成血液は、ヘモグロビン、アミノ酸、タンパク質および他の非危険成分の94%水混合物であった。合成尿は、尿素、硫酸マグネシウム七水和物、塩化カルシウム二水和物および塩化ナトリウムの97%水混合物であった。
【0323】
図11に示される通り、ヘキサンを除くすべての液体について、多層物品の平均DHが増加するにつれて、Washburn勾配、吸水速度および吸収率が増加した。ヘキサンの場合、多層物品のDHが増加すると、Washburn勾配、吸水速度および吸収率は、増加はわずかで、比較的安定なままであった。
【0324】
図12に示される通り、液体吸収能について、高いDH層は、ブレンド中に提供される場合、吸収能に対して低DH繊維よりも高い効果を有し、むしろ、吸収能に対する混合物規則の効果を示した。コットンピル材料のみを含む不織布ウェブをまた、比較のために試験した。
【0325】
(実施例3)
【0326】
様々な多層不織布ウェブを、単一のPVOH繊維形成材料を含む繊維を有する不織布ウェブ使用して調製した。繊維は、異なる加水分解度を有するPVOHホモポリマーから構成された。特に、それぞれ88%、96%、98%および99+%のDHを有する繊維D、繊維E、繊維Fおよび繊維Gを、単独で使用した。第1の層の繊維をカーディングし、第2の層の繊維を、第1の層の繊維の上部に層化した。2つの層を同時に、不織布ウェブおよび多層不織布物品にカレンダー結合した。不織布ウェブを、40psi、2FPMおよび150℃の温度でカレンダー加工した。いくつかの単一層物品をまた、エアスルー結合を使用して調製した。エアスルー結合は、180℃、6:50の速度で実施した。エアスルー結合した不織布ウェブは、96%のDHを有するPVOH繊維および結合の補助のために最大5重量%のポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を含んだ。多層物品の場合、DHは、2層の平均DHと考えた。92%(D繊維不織布/E繊維不織布)、93%(D繊維不織布/F繊維不織布)、93.5%(D繊維不織布/G繊維不織布)、97%(E繊維不織布/F繊維不織布)および97.5%(E繊維不織布/G繊維不織布)の平均DHを有する物品を、異なる組成であるが、同じ坪量を有する2つの不織布ウェブを組み合わせることから調製した。
【0327】
2つの異なる不織布ウェブを含む多層物品を、本明細書に提示される方法に従って、水平吸水および吸収能および速度について試験した。試験は、より高DH層が上向きである第1の配向、およびより低DH層が上向きである第2の配向の多層物品で複数回実行した。2つの配向間で、吸水速度における識別可能な差は、見出されなかった。
【0328】
様々な不織布ウェブで試験した液体は、DI水、ヘキサン、合成血液および合成尿であった。合成血液は、ヘモグロビン、アミノ酸、タンパク質および他の非危険成分の94%水混合物であった。合成尿は、尿素、硫酸マグネシウム七水和物、塩化カルシウム二水和物および塩化ナトリウムの97%水混合物であった。
【0329】
物品は、実施例1と同じ傾向を示し、平均DHの増加と共にWashburn勾配は増加した。
【0330】
図13に示される通り、ヘキサンを除くすべての液体について、多層物品の平均DHが増加するにつれて、Washburn勾配、吸水速度および吸収率が増加した。ヘキサンの場合、多層物品のDHが増加すると、Washburn勾配、吸水速度および吸収率は、増加はわずかで、比較的安定なままであった。
図13のデータは、不織布ウェブが、より高DH側が上向きであり、より低DH側が液体に曝露される配向にある場合、カレンダー結合物品について収集した。
【0331】
図14に示される通り、不織布の性能は、物品の平均DHおよび結合の種類に依存した。カレンダー結合した対照物と比べて、エアスルー結合した不織布について、より高いLAC%値が示された。この傾向は、より高い結合度、例えば、カレンダー結合(エアスルー法よりも高い温度、圧力およびより長い滞留時間を有する)により、物品のLACが減少することを示唆している。
図14のx軸の符号は以下の本開示の不織布ウェブを指す:「Eブレンド」は、E繊維からなる単一層不織布ウェブ(実施例1から)であり、「Eブレンド、1.75%PET」は、E繊維および1.75wt.%PET繊維を含む単一層不織布ウェブであり、「Eブレンド、2.5%PET」は、E繊維および2.5wt.%PET繊維を含む単一層不織布ウェブであり、「Eブレンド、5%PET」は、E繊維および5wt.%PET繊維を含む単一層不織布ウェブであり、「E多層」は、各層がE繊維からなる2層不織布ウェブ(実施例2から)であり、「E/Fブレンド」は、1つの層がE繊維からなり、1つの層がF繊維からなる2層不織布物品であり、「E/Gブレンド」は、1つの層がE繊維からなり、1つの層がG繊維からなる2層不織布物品である。コットンピル材料のみを含む不織布ウェブをまた、比較のために試験した。
【0332】
(実施例4)
【0333】
単一層不織布ウェブを、ポリビニルアルコール繊維(繊維E)およびポリ乳酸(PLA)繊維または綿繊維の混合物から調製した。不織布ウェブにおいて、ポリビニルアルコール繊維は総繊維重量の50wt.%を構成し、他の50wt.%はPLA繊維または綿繊維であった。ポリビニルアルコール繊維を、PLA繊維または綿繊維と一緒にカーディングし、40psiおよび140℃でカレンダー加工した。得られた不織布ウェブは、約50gsmの坪量を有した。
【0334】
したがって、実施例4は、水溶性繊維および非水溶性繊維を含む異成分不織布ウェブの調製を示す。
【0335】
前述の記載は理解の明快さのためにのみ示され、当業者には本開示の範囲内の変更が明らかであり得るため、前述の記載から不必要な制限が理解されるべきではない。
【0336】
本明細書で引用されるすべての特許、刊行物および参考文献は、完全に参照により本明細書に組み込まれる。本開示と組み込まれる特許、刊行物および参考文献との間で矛盾がある場合、本開示が優先するべきである。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
第1の直径を有する第1の複数の繊維を含む第1の不織布ウェブを含む第1の層と;
第2の直径を有する第2の複数の繊維を含む第2の不織布ウェブを含む第2の層と;
前記第1の不織布ウェブの少なくとも一部および前記第2の不織布ウェブの少なくとも一部を含む第1の境界面であって、前記第1の不織布ウェブの前記一部および前記第2の不織布ウェブの前記一部が融合している、第1の境界面と
を含む不織布複合物品であって、
前記第2の直径が、前記第1の直径よりも小さく、前記第1の複数の繊維、前記第2の複数の繊維またはその両方が、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む、不織布複合物品。
(項目2)
前記第1の不織布ウェブの多孔度および前記第2の不織布ウェブの多孔度が異なる、項目1に記載の不織布複合物品。
(項目3)
前記物品が、第3の複数の繊維を含む第3の不織布ウェブの第3の層をさらに含む、項目1または項目2に記載の不織布複合物品。
(項目4)
前記第2の層が、前記第1の層と前記第3の層との間に設けられており、前記第2の不織布ウェブの少なくとも第2の部分および前記第3の不織布ウェブの少なくとも一部が、融合しており、第2の境界面を形成している、項目3に記載の不織布複合物品。
(項目5)
前記第3の不織布ウェブが、孔を含み、前記第3の不織布ウェブの前記孔が、前記第2の不織布ウェブの孔および前記第1の不織布ウェブの孔とは異なるサイズを有する、項目3または項目4に記載の不織布複合物品。
(項目6)
前記第1の不織布ウェブの前記孔が、前記第2の不織布ウェブの前記孔よりも大きく、前記第2の不織布ウェブの前記孔が、前記第3の不織布ウェブの前記孔よりも大きい、項目5に記載の不織布複合物品。
(項目7)
前記第1の境界面を形成する前記第1の不織布ウェブの前記一部および前記第2の不織布ウェブの前記一部が、熱融合または溶媒融合している、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目8)
前記第2の境界面を形成する前記第2の不織布ウェブの前記一部および前記第3の不織布ウェブの前記一部が、熱融合または溶媒融合している、項目4から7のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目9)
前記第1の境界面、第2の境界面またはその両方が、溶媒融合しており、前記溶媒が、水、エタノール、メタノール、DMSOおよびグリセリンの群から選択される1つまたは複数を含む、項目7または8に記載の不織布複合物品。
(項目10)
前記第1の複数の繊維が、前記水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目11)
前記第2の複数の繊維が、前記水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目12)
前記第3の複数の繊維が、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む、項目3から11のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目13)
前記水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料が、ポリビニルアルコールホモポリマーおよびポリビニルアルコールコポリマーの群から選択される1つまたは複数を含む、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目14)
前記ポリビニルアルコールコポリマーが、アニオン変性ポリビニルアルコールを含む、項目13に記載の不織布複合物品。
(項目15)
前記アニオン変性ポリビニルアルコールが、(アルキル)アクリレート変性ポリビニルアルコール、マレエート変性ポリビニルアルコールおよびスルホネート変性ポリビニルアルコールの群から選択される1つまたは複数を含む、項目14に記載の不織布複合物品。
(項目16)
前記第1の複数の繊維が、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、水溶性デンプン、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステルおよびセルロースアミドの群から選択される1つまたは複数の水溶性繊維形成材料を含む、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目17)
前記第2の複数の繊維が、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、水溶性デンプン、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステルおよびセルロースアミドの群から選択される1つまたは複数の水溶性繊維形成材料を含む、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目18)
前記第3の複数の繊維が、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、水溶性デンプン、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステルおよびセルロースアミドの群から選択される1つまたは複数の水溶性繊維形成材料を含む、項目3から17のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目19)
前記第1の複数の繊維が、非水溶性繊維形成材料を含む、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目20)
前記第2の複数の繊維が、非水溶性繊維形成材料を含む、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目21)
前記第3の複数の繊維が、非水溶性繊維形成材料を含む、項目3から11のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目22)
前記非水溶性繊維形成材料が、綿、大麻、ジュート、亜麻、ラミー、サイザル麻、バガス、芭蕉繊維、シロマツ、絹、シニュー、カットグット、毛、シーシルク、モヘア、アンゴラ、カシミア、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹繊維、モーダル、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、弾性ポリプロピレンおよびビスコースの群から選択される1つまたは複数を含む、項目19から21のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目23)
前記第1の複数の繊維が、繊維形成材料のブレンドを含む、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目24)
前記第2の複数の繊維が、繊維形成材料のブレンドを含む、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目25)
前記第3の複数の繊維が、繊維形成材料のブレンドを含む、項目3から24のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目26)
前記第1の複数の繊維、前記第2の複数の繊維および前記第3の複数の繊維のうちの1つまたは複数が、天然繊維形成材料、植物ベースの繊維形成材料、バイオベースの繊維形成材料、生分解性繊維形成材料および堆肥化可能な繊維形成材料の群から選択される1つまたは複数の繊維形成材料を含む、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目27)
前記第1の不織布ウェブが、約0.5~約1.5、約0.75~約1.5、約0.80~約1.25、約0.90~約1.1、または約0.95~約1.05の範囲の靭性比(機械方向:交差方向(MD:CD))を有する、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目28)
前記第2の不織布ウェブが、約0.75~約1.5、約0.80~約1.25、約0.90~約1.1、または約0.95~約1.05の範囲の靭性比(MD:CD)を有する、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目29)
前記第3の不織布ウェブが、約0.75~約1.5、約0.80~約1.25、約0.90~約1.1、または約0.95~約1.05の範囲の靭性比(MD:CD)を有する、項目3から28のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目30)
前記第1の複数の繊維、第2の複数の繊維および第3の複数の繊維のうちの1つまたは複数が、二成分繊維を含む、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目31)
前記二成分繊維が、繊維形成材料のシースによって囲まれる繊維形成材料のコアを含み、前記シース繊維形成材料が、前記コア繊維形成材料よりも高い水への溶解度を有する、項目30に記載の不織布複合物品。
(項目32)
前記第1の複数の繊維、第2の複数の繊維および第3の複数の繊維のうちの1つまたは複数が、可塑剤および界面活性剤の一方または両方をさらに含む、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目33)
前記不織布複合体が、活性剤および吸収材料の一方または両方をさらに含む、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目34)
前記第1の複数の繊維、第2の複数の繊維および第3の複数の繊維のうちの1つまたは複数が、前記活性剤および前記吸収材料の一方または両方を含む、項目33に記載の不織布複合物品。
(項目35)
前記活性剤が、酵素、油、香料、着色料、臭気吸収剤、芳香剤、殺虫剤、肥料、酸化剤、活性化剤、酸触媒、金属触媒、イオン捕捉剤、洗剤、殺菌剤、界面活性剤、漂白剤、漂白成分および布柔軟剤の群から選択される1つまたは複数を含む、項目33または項目34に記載の不織布複合物品。
(項目36)
前記香水が、カプセル化されている、項目35に記載の不織布複合体。
(項目37)
前記第1の層がカーディング層を含み、前記第2の層がメルトスパン層を含む、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目38)
前記第3の層が、カーディング層を含む、項目3から37のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目39)
前記第1の層がカーディング層を含み、前記第2の層が、セルロース繊維を含むエアレイド層を含む、項目1から36のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目40)
前記第3の層が、メルトスパン層を含む、項目3から36または39のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目41)
前記第1の層が、約30g/m
2
~約70g/m
2
の坪量を有する、項目39または40に記載の不織布複合物品。
(項目42)
前記複合物品が、約5g/m
2
~約150g/m
2
、約5g/m
2
~約125g/m
2
、約5g/m
2
~約100g/m
2
、約5g/m
2
~約70g/m
2
、約5g/m
2
~約50g/m
2
、または約5g/m
2
~約30g/m
2
の坪量を有する、項目1から40のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目43)
前記第1の層が、約5g/m
2
~約15g/m
2
の坪量を有する、項目42に記載の不織布複合物品。
(項目44)
前記第3の層が、約5g/m
2
~約15g/m
2
の坪量を有する、項目3から43のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目45)
前記第2の層が、前記複合物品の総重量に基づいて、約2.5wt.%~約10wt.%で前記複合物品に含まれる、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目46)
前記第3の層が、前記複合物品の総重量に基づいて、約2.5wt.%~約10wt.%で前記複合物品に含まれる、項目3から45のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目47)
前記第1の複数の繊維が、約10ミクロン~約300ミクロン、必要に応じて約50ミクロン~約300ミクロン、必要に応じて100ミクロン超~約300ミクロンの直径を有する、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目48)
前記第1の複数の繊維の繊維直径が、実質的に均一である、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目49)
前記第1の複数の繊維、第2の複数の繊維、第3の複数の繊維またはその組合せが、約3cN/dtex~約10cN/dtex、必要に応じて約7cN/dtex~約10cN/dtex、約4cN/dtex~約8cN/dtex、または約6cN/dtex~約8cN/dtexの靭性を有する、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目50)
前記不織布複合物品が、前記第1の層のみを含む同一の物品と比べて、前記機械方向、交差方向またはその両方において、改善された弾性率、引張強度、伸び、靭性またはその組合せを有する、前記項目のいずれか一項に記載の不織布複合物品。
(項目51)
前記不織布複合物品が、前記第1の層のみを含む同一の物品と比べて、前記機械方向および交差方向の両方において、改善された弾性率、引張強度、伸び、靭性またはその組合せを有する、項目50に記載の不織布複合物品。
(項目52)
項目1から51のいずれか一項に記載の不織布複合物品を含む水に流せるウェットワイプ。
(項目53)
軟化剤および乳化剤を含む水性エマルジョンを含む清浄ローションをさらに含む、項目52に記載の水に流せるウェットワイプ。
(項目54)
前記清浄ローションが、芳香剤、保存剤、酵素、着色料、油吸収剤、殺虫剤、イオン捕捉剤、洗剤および殺菌剤の群から選択される1つまたは複数を含む、項目53に記載の水に流せるウェットワイプ。
(項目55)
着用者側面および外側面を有する吸収コア;ならびに
液体取得層
を含む着用可能吸収物品であって、
前記液体取得層が、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む複数の繊維を含む不織布ウェブを含む、着用可能吸収物品。
(項目56)
前記液体取得層が、前記吸収コアの前記着用者側面上に設けられている、項目55に記載の吸収物品。
(項目57)
前記液体取得層が、前記吸収コアの前記外側面上に設けられている、項目55または56に記載の吸収物品。
(項目58)
前記液体取得層が、前記吸収コアの周りを包む、項目55から57のいずれか一項に記載の吸収物品。
(項目59)
前記液体取得層が、前記吸収コアと接触している、項目55から58のいずれか一項に記載の吸収物品。
(項目60)
前記取得層と前記吸収コアとの間に設けられた介在層をさらに含む、項目55から59のいずれか一項に記載の吸収物品。
(項目61)
前記液体取得層が、前記吸収コアの前記外側面上で前記吸収コアと接触しており、介在層が、前記吸収コアの前記着用者側面上で前記取得層と前記吸収コアとの間に設けられている、項目55から60のいずれか一項に記載の吸収物品。
(項目62)
前記液体取得層が、
第1の複数の繊維を含む不織布ウェブの第1の層;
第2の複数の繊維を含む不織布ウェブの第2の層;および
必要に応じて、第3の複数の繊維を含む不織布ウェブの第3の層
を含む不織布複合体
を含み、
不織布ウェブの前記第1の層、不織布ウェブの前記第2の層および不織布ウェブの前記第3の層のうちの1つまたは複数が、水溶性ポリビニルアルコール繊維形成材料を含む前記不織布ウェブを含む、項目55から61のいずれか一項に記載の吸収物品。
(項目63)
前記液体取得層が、項目1から43のいずれか一項に記載の不織布複合物品を含む、
項目55から62のいずれか一項に記載の吸収物品。
(項目64)
水に流せるウェットワイプにおける項目1から51のいずれか一項に記載の不織布複合物品の使用。
(項目65)
着用可能吸収物品における項目1から51のいずれか一項に記載の不織布複合物品の使用。
(項目66)
項目1から51のいずれか一項に記載の不織布複合物品を形成する方法であって、前記方法が、
前記第1の不織布ウェブの少なくとも前記一部を前記第2の不織布ウェブの前記一部に融合するのに十分な条件下で、前記第1の不織布ウェブを含む前記第1の層上に、前記第2の不織布ウェブを含む前記第2の層を堆積させ、それによって第1の境界面を形成するステップを含む、方法。
(項目67)
前記第2の不織布ウェブの少なくとも前記第2の部分を前記第3の不織布ウェブの少なく前記とも一部に融合するのに十分な条件下で、前記第2の不織布ウェブを含む前記第2の層上に、前記第3の不織布ウェブを含む前記第3の層を堆積させ、それによって第2の境界面を形成するステップをさらに含む、項目66に記載の方法。
(項目68)
前記第1の不織布ウェブの少なくとも前記一部を前記第2の不織布ウェブの前記一部に融合する、前記第2の不織布ウェブの少なくとも前記第2の部分を前記第3の不織布ウェブの前記一部に融合する、またはその両方に融合するのに十分な前記条件が、熱融合または溶媒融合を含む、項目66または項目67に記載の方法。
(項目69)
熱融合が、前記第1の不織布ウェブの前記一部を前記第2の不織布ウェブの前記一部に接触させること、前記第2の不織布ウェブの前記第2の部分を前記第3の不織布ウェブの前記一部に接触させること、またはその両方を含み、前記第1の不織布ウェブもしくは第2の不織布ウェブの一方、または前記第2の不織布ウェブもしくは第3の不織布ウェブの一方が、加熱状態にある、項目68に記載の方法。
(項目70)
熱融合が、前記第2の不織布ウェブが加熱状態にある間に、前記第1の不織布ウェブの前記一部を前記第2の不織布ウェブの前記一部に接触させることを含む、項目69に記載の方法。
(項目71)
熱融合が、前記第2の不織布ウェブが加熱状態にある間に、前記第2の不織布ウェブの前記第2の部分を前記第3の不織布ウェブの前記一部に接触させることであって、接触させることを含む、項目69に記載の方法。
(項目72)
溶媒融合が、前記第2の不織布ウェブを前記第1の不織布ウェブ上に堆積させる前に、前記第1の不織布ウェブの前記一部、前記第2の不織布ウェブの前記一部またはその両方に、溶媒を適用することを含む、項目68に記載の方法。
(項目73)
溶媒融合が、前記第3の不織布ウェブを前記第2の不織布ウェブ上に堆積させる前に、前記第2の不織布ウェブの前記第2の部分、前記第3の不織布ウェブの前記一部またはその両方に、溶媒を適用することを含む、項目68に記載の方法。
(項目74)
溶媒融合が、前記第2の不織布ウェブを堆積させる前に、前記第1の不織布ウェブの前記一部に溶媒を適用することを含む、項目72に記載の方法。
(項目75)
溶媒融合が、前記第3の不織布ウェブを堆積させる前に、前記第2の不織布ウェブの前記第2の部分に溶媒を適用することを含む、項目73に記載の方法。
(項目76)
前記第1の不織布ウェブの前記一部、前記第2の不織布ウェブの前記第2の部分またはその両方が、前記溶媒に少なくとも部分的に可溶である、項目72から75のいずれか一項に記載の方法。
(項目77)
前記溶媒が、水、エタノール、メタノール、DMSOおよびグリセリンの群から選択される1つまたは複数を含む、項目72から76のいずれか一項に記載の方法。
(項目78)
前記第1の層が、カーディング不織布ウェブを含む、項目66から77のいずれか一項に記載の方法。
(項目79)
前記第3の層が、カーディング不織布ウェブを含む、項目67から78のいずれか一項に記載の方法。
(項目80)
前記第2の層が、メルトスパン不織布ウェブを含む、項目66から79のいずれか一項に記載の方法。
(項目81)
前記第3の層が、メルトスパン不織布ウェブを含む、項目67から78のいずれか一項に記載の方法。
(項目82)
前記第2の層が、セルロース繊維形成材料を含む不織布ウェブを含む、項目81に記載の方法。
(項目83)
液体含有不織布物品であって、前記液体含有不織布物品は、
第1のポリビニルアルコール繊維形成材料を含む第1の複数の繊維を含むコア不織布ウェブであって、前記コア不織布ウェブが液体を含み、前記液体が活性剤を含む、コア不織布ウェブ;および
第2のポリビニルアルコール繊維形成材料を含む第2の複数の繊維を含む外側不織布ウェブ
を含み、
前記コア不織布ウェブが、前記外側不織布ウェブに封入されている、液体含有不織布物品。
(項目84)
前記外側不織布ウェブが、第1の不織布ウェブを包む、項目83に記載の液体含有不織布物品。
(項目85)
前記外側不織布ウェブが、スリーブまたはエンベロープの形態を有し、前記コア不織布ウェブが、前記スリーブまたはエンベロープ中に設けられている、項目83に記載の液体含有不織布物品。
(項目86)
前記コア不織布ウェブおよび前記外側不織布ウェブが、少なくとも1つの寸法が同じ長さを有する、項目83から85のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目87)
前記コア不織布が、前記液体で飽和している、項目83から86のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目88)
前記液体を含む前記コア不織布ウェブの重量が、前記活性剤を含む前記液体の添加前の前記コア不織布ウェブの重量の2~10倍である、項目83から87のいずれか一項に
記載の液体含有不織布物品。
(項目89)
前記コア不織布ウェブが、約5~約30gの液体、約5~約25gの液体、約8~約20gの液体、約8~約19gの液体、約10~約19gの液体、または約12~約18gの液体を含む、項目83から88のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目90)
前記液体を含む前記コア不織布ウェブが、約30gsm~約2000gsm、約40gsm~約1750gsm、約50gsm~約1500gsm、約60gsm~約1200gsm、約100gsm~約1000gsm、約200gsm~約800gsm、または約300gsm~約600gsmの液体重量を有する、項目83から89のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目91)
前記コア不織布ウェブが、約15gsm~約200gsm、約20gsm~約175gsm、約25gsm~約150gsm、または約30gsm~約120gsmの範囲の乾燥坪量を有する、項目83から90のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目92)
前記外側不織布ウェブが、約15gsm~約400gsm、約20gsm~約300gsm、約25gsm~約250gsm、約30gsm~約210gsm、または約30gsm~約140gsmの坪量を有する、項目83から91のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目93)
前記外側不織布ウェブが、約0.5mm~約6.0mm、約0.75mm~約4.5mm、または約1.0~約3.0mmの厚さを有する、項目83から92のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目94)
前記コア不織布ウェブが、単一プライである、または多層の不織布ウェブから構成される、項目83から93のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目95)
前記コア不織布ウェブの少なくとも一部が、前記外側不織布ウェブの少なくとも一部と接触している、項目83から94のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目96)
前記液体含有不織布物品が端部を有し、前記コア不織布ウェブおよび前記外側不織布ウェブが、少なくとも2つの端部または少なくとも3つの端部で封止されている、項目83から95のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目97)
前記外側不織布ウェブ上に、インクジェットプリントまたはエンボス加工などからの標示またはパターンをさらに含む、項目83から96のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目98)
前記不織布物品が、四辺形、三角形、円、星形、ハート、八角形、五角形、六角形、七角形、楕円形、三日月形、半円、十字形、三つ葉模様、四つ葉模様、雫形、五芒星、六芒星、八芒星、王冠、雪片、盾形、雲形、矢印および前述のものの組合せからなる群から選択される形状を有する、項目83から97のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目99)
約2~約50mm、約3~約45mm、約4~約40mm、約5~約35mm、約5~約30mm、または約5~約25mmの厚さを有する、項目83から98のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目100)
任意の寸法における最大長さが、約7インチ(17.78cm)、約6インチ(15.
24cm)、約5インチ(12.70cm)、または約4インチ(10.16cm)である、項目83から99のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目101)
任意の寸法における最大長さが、少なくとも約0.5インチ(1.27cm)、少なくとも約1インチ(2.54cm)、または少なくとも約1.5インチ(3.81)である、項目83から100のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目102)
前記第1のポリビニルアルコール繊維形成材料および前記第2のポリビニルアルコール繊維形成材料が、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマーおよび前述のものの組合せから独立して選択される、項目83から101のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目103)
前記ポリビニルアルコールコポリマーが、アニオン変性ポリビニルアルコールを含む、項目102に記載の液体含有不織布物品。
(項目104)
前記アニオン変性ポリビニルアルコールが、(アルキル)アクリレート変性ポリビニルアルコール、マレエート変性ポリビニルアルコール、スルホネート変性ポリビニルアルコールまたはその組合せを含む、項目103に記載の液体含有不織布物品。
(項目105)
前記第1の複数の繊維または前記第2の複数の繊維が、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、水溶性デンプン、水溶性セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステルおよびセルロースアミドの群から選択される1つまたは複数の繊維形成材料をさらに含む、項目83から104のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目106)
前記第1のポリビニルアルコール繊維形成材料が、ポリビニルアルコールホモポリマーを含む、項目83から105のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目107)
前記第2のポリビニルアルコール繊維形成材料が、ポリビニルアルコールホモポリマーを含む、項目83から106のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目108)
前記第1のポリビニルアルコール繊維形成材料および前記第2のポリビニルアルコール繊維形成材料が、同じである、項目83から107のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目109)
前記第1のポリビニルアルコール繊維形成材料および前記第2のポリビニルアルコール繊維形成材料が、粘度、加水分解度、共重合度またはその組合せの差を有する、項目83から107のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目110)
前記活性剤が、酵素、油、香料、着色料、臭気吸収剤、芳香剤、殺虫剤、肥料、酸化剤、活性化剤、酸触媒、金属触媒、イオン捕捉剤、洗剤、殺菌剤、界面活性剤、漂白剤、漂白成分および布柔軟剤の群から選択される1つまたは複数を含む、項目83から109のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品。
(項目111)
項目83から110のいずれか一項に記載の液体含有不織布物品を調製する方法であって、
前記コア不織布ウェブを、活性剤を含む前記液体と接触させるステップ;
前記コア不織布ウェブを前記外側不織布ウェブで覆うステップ;および
前記外側不織布ウェブを封止して、前記コア不織布ウェブを封入するステップ
を含む、方法。
(項目112)
前記コア不織布ウェブをそれ自体に対して、2~50回、3~45回、4~40回、5~35回、または6~30回折り畳むステップをさらに含む、項目111に記載の方法。
(項目113)
接触させるステップが、グラビアコーティング、ディップコーティング、スロットダイコーティング、ワイヤコーティング、フラッドコーティング、スプレーコーティング、前記活性剤を含む前記液体の浴に浸漬すること、またはその組合せを含む、項目111または112に記載の方法。
(項目114)
前記折り畳むステップが、前記接触するステップの後に行われ、前記接触するステップが、グラビアコーティング、ディップコーティング、スロットダイコーティング、ワイヤコーティング、フラッドコーティング、スプレーコーティングまたはその組合せを含む、項目112または113に記載の方法。
(項目115)
前記折り畳むステップが、前記接触するステップの前に行われ、前記接触するステップが、前記活性剤を含む前記液体の浴に浸漬することを含む、項目112または113に記載の方法。
(項目116)
多層の不織布ウェブをプライ、積層、折り畳みまたはラミネートすることによって前記外側不織布ウェブを調製するステップをさらに含む、項目111から115のいずれか一項に記載の方法。
(項目117)
前記コア不織布ウェブを前記外側不織布ウェブで覆うステップが、前記コア不織布ウェブを前記外側不織布ウェブで包むこと、前記コア不織布ウェブを、前記外側不織布ウェブを含むエンベロープに挿入すること、または前記コア不織布ウェブを、前記外側不織布ウェブを含むスリーブに挿入することを含む、項目111から116のいずれか一項に記載の方法。
(項目118)
前記外側不織布ウェブが、機械方向および横方向を含み、封止するステップが、前記外側不織布ウェブを、前記機械方向の2つまたはそれよりも多くの点に沿って封止することを含む、項目111から117のいずれか一項に記載の方法。
(項目119)
封止するステップが、前記横方向の少なくとも一端を封止することをさらに含む、項目118に記載の方法。
(項目120)
封止するステップが、熱封止または溶媒溶接を含む、項目111から119のいずれか一項に記載の方法。
(項目121)
溶媒溶接が、極性溶媒溶液を含む、項目120に記載の方法。
(項目122)
前記不織布物品が、インラインプロセスとして調製される、項目111から121のいずれか一項に記載の方法。
(項目122)
前記不織布物品を、前記機械方向の前記封止に沿って前記横方向で切断して、フランジを含む単位量を提供するステップをさらに含む、項目118から122のいずれか一項に記載の方法。
(項目123)
前記フランジが、少なくとも1mmであり、かつ10mm以下である、項目122に記載の方法。