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特許7512382組み合わせ薬物送達デバイスの、直列接続された複数の薬物モジュールの正確さを確認するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】組み合わせ薬物送達デバイスの、直列接続された複数の薬物モジュールの正確さを確認するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20240701BHJP
   G16H 20/10 20180101ALI20240701BHJP
【FI】
A61J1/20 314B
G16H20/10
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022526159
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 US2020056660
(87)【国際公開番号】W WO2021091693
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-10-13
(31)【優先権主張番号】62/932,825
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】マクローリン,マーティン ジョン
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-519437(JP,A)
【文献】特表2008-532635(JP,A)
【文献】特表2018-519141(JP,A)
【文献】特表2014-504921(JP,A)
【文献】特開2005-334056(JP,A)
【文献】特開2004-188167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/20
G16H 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組み合わせ薬物送達デバイスの、直列接続された複数の薬物モジュールの正確さを確認するためのシステムであって、
前記複数の薬物モジュールの各々は、液体薬物を収容する薬物貯蔵器を含み、
前記システムは、
前記複数の薬物モジュールの各々に配置される機械可読コードと、
ユーザのモバイルデバイス上にあるアプリケーションソフトウェアと、
前記ユーザのモバイルデバイス上にある送信機と、
前記薬物送達デバイス上にあり、前記薬物送達デバイスから前記液体薬物が流れることを許容する使用状態に選択的に起動可能なフローコントローラと、
前記薬物送達デバイス上にあり、認証コードが格納された関連付けられたメモリを有するコンピューティング処理ユニットと受信機とを有するコントロールユニットと、
を備え、
前記アプリケーションソフトウェアは、直列接続された前記複数の薬物モジュールの取り込まれたデジタル画像内の複数の前記機械可読コードを読み取るように構成され、
前記アプリケーションソフトウェアは、前記複数の機械可読コード及び前記複数の機械可読コードの順序に基づいてアクティベーションコードを生成するように構成され、
前記送信機は、前記アクティベーションコードを送信するように構成され、
前記受信機は、前記送信機により送信された前記アクティベーションコードを受信するように構成され、
前記コンピューティング処理ユニットは、前記アクティベーションコードを前記認証コードと比較するように構成され、
前記コンピューティング処理ユニットは、前記認証コードが前記アクティベーションコードに一致する場合、前記フローコントローラを、前記薬物送達デバイスから前記液体薬物が流れることを許容する前記使用状態に起動するように構成される、
システム。
【請求項2】
前記機械可読コードは、QRコード及びバーコードから成る群の1以上から選択される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アプリケーションソフトウェアは、直列接続された前記複数の薬物モジュール用の複数のデータ列を、それらのそれぞれの前記機械可読コードに基づいて生成し、
前記アクティベーションコードとして、組み合わされた英数字データ列を生成するために、生成された前記複数のデータ列は、直列接続された前記複数の薬物モジュールの順序に基づいて互いに組み合わされる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の機械可読コードの各々は、個々の薬物モジュールの前記薬物貯蔵器に収容された薬物の種類を表す、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の機械可読コードの各々は、前記個々の薬物モジュールの前記貯蔵器に収容された前記薬物の濃度を表す、
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
組み合わせ薬物送達デバイスの、直列接続された複数の薬物モジュールの正確さを確認するためのシステムであって、
前記複数の薬物モジュールの各々は、液体薬物を収容する薬物貯蔵器を含み、
前記システムは、
前記複数の薬物モジュールの各々に配置される機械可読コードと、
ユーザのモバイルデバイス上にあるアプリケーションソフトウェアと、
前記ユーザのモバイルデバイス上にある送信機と、
前記薬物送達デバイス上にあり、前記薬物送達デバイスから前記液体薬物が流れることを許容する使用状態に選択的に起動可能なフローコントローラと、
前記薬物送達デバイス上にあり、コンピューティング処理ユニットと受信機とを有するコントロールユニットと、
を備え、
前記アプリケーションソフトウェアは、直列接続された前記複数の薬物モジュールの取り込まれたデジタル画像内の複数の前記機械可読コードを読み取るように構成され、
前記アプリケーションソフトウェアは、前記複数の機械可読コード及び前記複数の機械可読コードの順序に基づいてアクティベーションコードを生成するように構成され、
前記アプリケーションソフトウェアは、前記薬物送達デバイスに関連付けられた認証コードを取得するためにリモートサーバを呼び出すアプリケーションプログラミングインターフェースを含み、
前記アプリケーションソフトウェアは、前記アクティベーションコードと前記認証コードとを比較し、前記認証コードと前記アクティベーションコードとが一致する場合に承認メッセージを生成するように構成され、
前記送信機は、前記承認メッセージを送信するように構成され、
前記受信機は、前記送信機により送信された前記承認メッセージを受信するように構成され、
前記コンピューティング処理ユニットは、前記承認メッセージに基づいて、前記フローコントローラを、前記薬物送達デバイスから前記液体薬物が流れることを許容する前記使用状態に起動するように構成される、
システム。
【請求項7】
前記機械可読コードは、QRコード及びバーコードから成る群の1以上から選択される、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記アプリケーションソフトウェアは、直列接続された前記複数の薬物モジュール用の複数のデータ列を、それらのそれぞれの前記機械可読コードに基づいて生成し、
前記アクティベーションコードとして、組み合わされた英数字データ列を生成するために、生成された前記複数のデータ列は、直列接続された前記複数の薬物モジュールの順序に基づいて互いに組み合わされる、
請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の機械可読コードの各々は、個々の薬物モジュールの前記薬物貯蔵器に収容された薬物の種類を表す、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の機械可読コードの各々は、前記個々の薬物モジュールの前記貯蔵器に収容された前記薬物の濃度を表す、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
組み合わせ薬物送達デバイスの、直列接続された複数の薬物モジュールの正確さを確認するためのシステムであって、
前記複数の薬物モジュールの各々は、液体薬物を収容する薬物貯蔵器を含み、
前記システムは、
前記複数の薬物モジュールの各々に配置される薬物モジュール機械可読コードと、
ユーザのモバイルデバイス上にあるアプリケーションソフトウェアと、
前記ユーザのモバイルデバイス上にある送信機と、
前記薬物送達デバイス上にあり、前記薬物送達デバイスから前記液体薬物が流れることを許容する使用状態に選択的に起動可能なフローコントローラと、
前記薬物送達デバイス上にあり、コンピューティング処理ユニットと受信機とを有するコントロールユニットと、
を備え、
前記アプリケーションソフトウェアは、直列接続された前記複数の薬物モジュールの取り込まれたデジタル画像内の複数の前記薬物モジュール機械可読コードを読み取るように、及び、認証コードを表す第2の機械可読コードを読み取るように構成され、
前記アプリケーションソフトウェアは、前記複数の薬物モジュール機械可読コード及び前記複数の薬物モジュール機械可読コードの順序に基づいてアクティベーションコードを生成するように構成され、
前記アプリケーションソフトウェアは、前記アクティベーションコードと前記認証コードとを比較し、前記認証コードと前記アクティベーションコードとが一致する場合に承認メッセージを生成するように構成され、
前記送信機は、前記承認メッセージを送信するように構成され、
前記受信機は、前記送信機により送信された前記承認メッセージを受信するように構成され、
前記コンピューティング処理ユニットは、前記承認メッセージに基づいて、前記フローコントローラを、前記薬物送達デバイスから前記液体薬物が流れることを許容する前記使用状態に起動するように構成される、
システム。
【請求項12】
前記機械可読コードは、QRコード及びバーコードから成る群の1以上から選択される、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記アプリケーションソフトウェアは、直列接続された前記複数の薬物モジュール用の複数のデータ列を、それらのそれぞれの前記機械可読コードに基づいて生成し、
前記アクティベーションコードとして、組み合わされた英数字データ列を生成するために、生成された前記複数のデータ列は、直列接続された前記複数の薬物モジュールの順序に基づいて互いに組み合わされる、
請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の機械可読コードの各々は、個々の薬物モジュールの前記薬物貯蔵器に収容された薬物の種類を表す、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の機械可読コードの各々は、前記個々の薬物モジュールの前記貯蔵器に収容された前記薬物の濃度を表す、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
組み合わせ薬物送達デバイスの、直列接続された複数の薬物モジュールの正確さを確認するためのシステムであって、
前記複数の薬物モジュールの各々は、液体薬物を収容する薬物貯蔵器を含み、
前記システムは、
前記複数の薬物モジュールの各々に配置される機械可読コードと、
ユーザのモバイルデバイス上にあるアプリケーションソフトウェアと、
前記ユーザのモバイルデバイス上にある送信機と、
前記薬物送達デバイスに関連付けられた認証コードを格納するリモートサーバと、
前記薬物送達デバイス上にあり、前記薬物送達デバイスから前記液体薬物が流れることを許容する使用状態に選択的に起動可能なフローコントローラと、
前記薬物送達デバイス上にあり、コンピューティング処理ユニットと受信機とを有するコントロールユニットと、
を備え、
前記アプリケーションソフトウェアは、直列接続された前記複数の薬物モジュールの取り込まれたデジタル画像内の複数の前記機械可読コードを読み取るように構成され、
前記アプリケーションソフトウェアは、前記複数の機械可読コード及び前記複数の機械可読コードの順序に基づいてアクティベーションコードを生成するように構成され、
前記送信機は、前記アクティベーションコードを送信するように構成され、
前記リモートサーバは、前記送信機により送信された前記アクティベーションコードを受信するように構成され、
前記リモートサーバは、前記アクティベーションコードと前記認証コードとを比較するように構成され、
前記リモートサーバは、前記認証コードが前記アクティベーションコードに一致する場合に、承認メッセージを生成し、前記承認メッセージを送信するように構成され、
前記ユーザのモバイルデバイス上にある前記送信機は、前記承認メッセージを受信すると、前記承認メッセージを送信し、
前記受信機は、前記ユーザのモバイルデバイス上にある前記送信機により送信された前記承認メッセージを受信するように構成され、
前記コンピューティング処理ユニットは、前記承認メッセージに基づいて、前記フローコントローラを、前記薬物送達デバイスから前記液体薬物が流れることを許容する前記使用状態に起動するように構成される、
システム。
【請求項17】
前記機械可読コードは、QRコード及びバーコードから成る群の1以上から選択される、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記アプリケーションソフトウェアは、直列接続された前記複数の薬物モジュール用の複数のデータ列を、それらのそれぞれの前記機械可読コードに基づいて生成し、
前記アクティベーションコードとして、組み合わされた英数字データ列を生成するために、生成された前記複数のデータ列は、直列接続された前記複数の薬物モジュールの順序に基づいて互いに組み合わされる、
請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数の機械可読コードの各々は、個々の薬物モジュールの前記薬物貯蔵器に収容された薬物の種類を表す、
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数の機械可読コードの各々は、前記個々の薬物モジュールの前記貯蔵器に収容された前記薬物の濃度を表す、
請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
組み合わせ薬物送達デバイス及びシステムが、米国仮特許出願62/670,266(2018年5月11日出願)、国際出願PCT/US2019/031727(2019年5月10日出願)、国際出願PCT/2019/031762(2019年5月10日出願)、及び、国際出願PCT/US2019/031791(2019年5月10日出願)に開示され、及び、説明されている。上記の特許出願の全ては、本件と同じ譲受人によるものである。上記の特許出願で示されるように、異なる(個人に合わせた)薬物の組み合わせを提供するために、異なる液体薬物の複数の薬物モジュールは、様々な組み合わせで提供され得る。複数の薬物モジュールは、トレイ又は他のベース構造上に、直列に、又は、並列に、収容される、つまり、接続される。あるいは、複数の薬物モジュールは、直接的に互いに直列に(垂直及び/又は水平に)接続され得る。米国仮特許出願62/670,266、国際出願PCT/US2019/031727、国際出願PCT/2019/031762、及び、国際出願PCT/US2019/031791は、それぞれの全体を参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【0002】
直列接続型の組み合わせシステムは、収容型の設計と比較すれば、流体接続を形成するために別個のトレイ部品を必要としないために、部品、及び、そのためサプライチェーンにおいて効率がよいという点で利点がある。
【0003】
収容型のシステムにおいて、トレイ設計は、固有の設計及びトレイ設計のレイアウトを通じて複数のモジュールの構成に関する情報を「保有」できる。例えば、トレイは、正しい薬物モジュールのみがトレイの収容部に挿入できて、正しい薬物モジュールが正しい順序で並ぶことを保証する構成(例えば、「錠前」機構等の機械的に協働する機構)を提供し得る。これは、使用のために薬物モジュールの準備をする際の安全確認として機能する。対照的に、直列接続型のシステムは、トレイ型の要素を有していないから、これに基づいて安全確認をする機能を有していない。
【0004】
なぜなら、直列接続された場合には、誤りを防止するためのトレイベースの機械的な手段が利用できないからである。直列接続システムにおける構成の誤りを検出する別の手段を実施し、それによって投薬過誤の発生を防止することが、望まれる。
【発明の概要】
【0005】
一態様において、主題の発明は、組み合わせ薬物送達デバイスの、直列接続された複数の薬物モジュールの正確さを確認するためのシステムを提供する。複数の薬物モジュールの各々は、液体薬物を収容する薬物貯蔵器を含む。システムは、複数の薬物モジュールの各々に配置される機械可読コードと、ユーザのモバイルデバイス上にあるアプリケーションソフトウェアと、ユーザのモバイルデバイス上にある送信機と、薬物送達デバイス上にあり、薬物送達デバイスから液体薬物が流れることを許容する使用状態に選択的に起動可能なフローコントローラと、薬物送達デバイス上にあり、認証コードが格納された関連付けられたメモリを有するコンピューティング処理ユニットと受信機とを有するコントロールユニットと、を備える。アプリケーションソフトウェアは、直列接続された複数の薬物モジュールの取り込まれたデジタル画像内の複数の機械可読コードを読み取るように構成される。アプリケーションソフトウェアは、複数の機械可読コード及び複数の機械可読コードの順序に基づいてアクティベーションコードを生成するように構成される。送信機は、アクティベーションコードを送信するように構成される。受信機は、送信機により送信されたアクティベーションコードを受信するように構成される。コンピューティング処理ユニットは、アクティベーションコードを認証コードと比較するように構成される。コンピューティング処理ユニットは、認証コードがアクティベーションコードに一致する場合、フローコントローラを、薬物送達デバイスから液体薬物が流れることを許容する使用状態に起動するように構成される。
【0006】
さらなる態様において、主題の発明は、組み合わせ薬物送達デバイスの、直列接続された複数の薬物モジュールの正確さを確認するためのシステムを提供する。複数の薬物モジュールの各々は、液体薬物を収容する薬物貯蔵器を含む。システムは、複数の薬物モジュールの各々に配置される機械可読コードと、ユーザのモバイルデバイス上にあるアプリケーションソフトウェアと、ユーザのモバイルデバイス上にある送信機と、薬物送達デバイス上にあり、薬物送達デバイスから液体薬物が流れることを許容する使用状態に選択的に起動可能なフローコントローラと、薬物送達デバイス上にあり、コンピューティング処理ユニットと受信機とを有するコントロールユニットと、を備える。アプリケーションソフトウェアは、直列接続された複数の薬物モジュールの取り込まれたデジタル画像内の複数の機械可読コードを読み取るように構成される。アプリケーションソフトウェアは、複数の機械可読コード及び複数の機械可読コードの順序に基づいてアクティベーションコードを生成するように構成される。アプリケーションソフトウェアは、薬物送達デバイスに関連付けられた認証コードを取得するためにリモートサーバを呼び出すアプリケーションプログラミングインターフェースを含む。アプリケーションソフトウェアは、アクティベーションコードと認証コードとを比較し、認証コードとアクティベーションコードとが一致する場合に承認メッセージを生成するように構成される。送信機は、承認メッセージを送信するように構成される。受信機は、送信機により送信された承認メッセージを受信するように構成される。コンピューティング処理ユニットは、承認メッセージに基づいて、フローコントローラを、薬物送達デバイスから液体薬物が流れることを許容する使用状態に起動するように構成される。
【0007】
さらなる態様において、主題の発明は、組み合わせ薬物送達デバイスの、直列接続された複数の薬物モジュールの正確さを確認するためのシステムを提供する。複数の薬物モジュールの各々は、液体薬物を収容する薬物貯蔵器を含む。システムは、複数の薬物モジュールの各々に配置される薬物モジュール機械可読コードと、ユーザのモバイルデバイス上にあるアプリケーションソフトウェアと、ユーザのモバイルデバイス上にある送信機と、薬物送達デバイス上にあり、薬物送達デバイスから液体薬物が流れることを許容する使用状態に選択的に起動可能なフローコントローラと、薬物送達デバイス上にあり、コンピューティング処理ユニットと受信機とを有するコントロールユニットと、を備える。アプリケーションソフトウェアは、直列接続された複数の薬物モジュールの取り込まれたデジタル画像内の複数の薬物モジュール機械可読コードを読み取るように、及び、認証コードを表す第2の機械可読コードを読み取るように構成される。アプリケーションソフトウェアは、複数の薬物モジュール機械可読コード及び複数の薬物モジュール機械可読コードの順序に基づいてアクティベーションコードを生成するように構成される。アプリケーションソフトウェアは、アクティベーションコードと認証コードとを比較し、認証コードとアクティベーションコードとが一致する場合に承認メッセージを生成するように構成される。送信機は、承認メッセージを送信するように構成される。受信機は、送信機により送信された承認メッセージを受信するように構成される。コンピューティング処理ユニットは、承認メッセージに基づいて、フローコントローラを、薬物送達デバイスから液体薬物が流れることを許容する使用状態に起動するように構成される。
【0008】
またさらなる態様において、主題の発明は、組み合わせ薬物送達デバイスの、直列接続された複数の薬物モジュールの正確さを確認するためのシステムを提供する。複数の薬物モジュールの各々は、液体薬物を収容する薬物貯蔵器を含む。システムは、複数の薬物モジュールの各々に配置される機械可読コードと、ユーザのモバイルデバイス上にあるアプリケーションソフトウェアと、ユーザのモバイルデバイス上にある送信機と、薬物送達デバイスに関連付けられた認証コードを格納するリモートサーバと、薬物送達デバイス上にあり、薬物送達デバイスから液体薬物が流れることを許容する使用状態に選択的に起動可能なフローコントローラと、薬物送達デバイス上にあり、コンピューティング処理ユニットと受信機とを有するコントロールユニットと、を備える。アプリケーションソフトウェアは、直列接続された複数の薬物モジュールの取り込まれたデジタル画像内の複数の機械可読コードを読み取るように構成される。アプリケーションソフトウェアは、複数の機械可読コード及び複数の機械可読コードの順序に基づいてアクティベーションコードを生成するように構成される。送信機は、アクティベーションコードを送信するように構成される。リモートサーバは、送信機により送信されたアクティベーションコードを受信するように構成される。リモートサーバは、アクティベーションコードと認証コードとを比較するように構成される。リモートサーバは、認証コードがアクティベーションコードに一致する場合に、承認メッセージを生成し、承認メッセージを送信するように構成される。ユーザのモバイルデバイス上にある送信機は、承認メッセージを受信すると、承認メッセージを送信する。受信機は、ユーザのモバイルデバイス上にある送信機により送信された承認メッセージを受信するように構成される。コンピューティング処理ユニットは、承認メッセージに基づいて、フローコントローラを、薬物送達デバイスから液体薬物が流れることを許容する使用状態に起動するように構成される。
【0009】
発明のこれら及び他の特徴は、詳細な説明及び添付の図面の検討を通じてよりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図2】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図2A】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図3】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図4】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図4A】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図5】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図6】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図7】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図8】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図9】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図10】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図11】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図12】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図13】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図14】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
図15】主題の発明にしたがって形成されるシステムの種々の特徴を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照すると、組み合わせ薬物送達デバイス14の、直列接続された複数の薬物モジュール12の正確さを確認するために使用可能なシステム10が示される。複数の薬物モジュール12の各々は、液体薬物18を収容するための薬物貯蔵器16を含む。複数の薬物貯蔵器16は、複数の薬物モジュール12の一部分として定義されてよいし、あるいは、又、複数の薬物モジュール12に挿入されるバイアル等のコンポーネントにより定義されてもよい。組み合わせ薬物送達デバイス14(それらの任意の態様を含む)は、米国仮特許出願62/670,266、国際出願PCT/US2019/031727、国際出願PCT/2019/031762、及び、国際出願PCT/US2019/031791のいずれかに開示された実施の形態のいずれかにしたがって、形成され得る。説明を目的として、組み合わせ薬物送達デバイス14の例示的な特徴がここでは説明される。当業者によって認識されるように、主題の発明は、組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかとともに使用可能であり、上述した特許出願のいずれかに開示された、それらの構成要素(例えば、システム10、複数の薬物モジュール12、複数の薬物モジュール12の接続の仕方、フローコントローラ34等)のいずれかとともに使用可能であることを含む。
【0012】
図2に示すように、複数の薬物モジュール12は、複数の薬物モジュール12の各々の液体薬物18が引き出され得る、複数の薬物モジュール12の列を通る薬物送達デバイス14のための単一の流路を定義するように直列接続される。図2に示すように、流入及び流出管20,22は、複数の薬物モジュール12の各々に、液体薬物18が複数の薬物モジュール12の各々から連続して引き出され得るように、提供され得る。図3に示すように、流入及び流出管20,22は、各管が複数の薬物貯蔵器16の一つの流出口及び次の薬物貯蔵器16の流入口の両方として機能するように提供されるように、複数の薬物貯蔵器16の間に連続的に形成され得る。図2は、6つの薬物モジュール12(12A-12F)を示す。当業者であれば理解されるように、任意の数の薬物モジュール12が利用され得る。流出口13は、流路の終端(最も遠方の薬物モジュール)に提供され得る。
【0013】
1以上のバイパス薬物モジュール12BYが、列に、当該列に場所を提供するが、何らの液体薬物も含まないようにするために必要とされ得ることに留意すべきである。図2Aに示すように、バイパス薬物モジュール12BYは、薬物貯蔵器を通らない流れを許容するためにその流入口から流出口まで延びるバイパス管24を有し得る。あるいは、図3に示すように、バイパス管24は、複数の薬物モジュール12のうちの2つ、又は、複数の薬物モジュール12のうちの1つと後述するコントローラハウジング等の薬物送達デバイス14の2つのコンポーネントを接続するために、複数の薬物モジュール12の一つの代わりに提供され得る。
【0014】
複数の薬物モジュール12に含まれる複数の液体薬物18は、種類及び濃度が異なり得る。モジュール12のいくつかの液体薬物18は、薬学的又は生物学的な活性薬剤を有しない希釈剤であり得る。複数の薬物モジュール12は、そこに希釈剤が流入することで調製されて液体薬物を形成する1以上の固体成分を含み得る。種々の薬物の種類及び濃度を含む直列接続された複数の薬物モジュール12の能力は、薬物送達デバイス14が組み合わせ薬物送達デバイス14であることを可能にし、種々の液体薬物の混合を提供する。患者のための特別な組み合わせを対象とした複数の液体薬物18は、医者によって処方される。主題の発明は、薬物送達デバイス14内に特定の複数の薬物モジュール12が含まれていること、及び、複数の薬物モジュール12の順序についての正確さの確認を提供する。複数の薬物モジュール14の順序は、重要であり得、最終的に結果として生じる組み合わせの効能に影響を及ぼす可能性がある。
【0015】
薬物送達デバイス14は、好ましくは、直列接続された複数の薬物モジュール12が接続されるコントローラハウジング26を含む。最初の薬物モジュール12A(コントローラハウジング26に最も近い)の流出管22は、コントローラハウジング26に形成される、複数の薬物モジュール12から液体薬物18が流入し得る流入口28に繋がる。送達管30は、コントローラハウジング26を通して流出口32に液体薬物18を運ぶために、流入口28から延びる。管又は輸送媒体は、貯蔵装置(例えば、IVバッグ、注射器等)に、又は、患者に接続される薬物送達デバイス(例えば、翼状針)に、液体薬物18を移動させるために流出口32に固定され得る。
【0016】
フローコントローラ34は、コントローラハウジング26に提供され、送達管30を通る流れを選択的に制御する。一実施の形態において、フローコントローラ34は、流入口28を通じて液体薬物18を引き出して、流出口32を通じて液体薬物18を送達管30(これは接続されない場合もある)を介して放出させるために、コントローラハウジング26に設けられる、ポンプ等の起動可能な負圧源36を含み得る。休止状態において、負圧源36は、負圧を生成せず、したがって、液体薬物18を引き出さない。さらなる実施の形態において、フローコントローラ34は、コントローラハウジング26に設けられる、ボールバルブ等の、送達管30を通る流れを選択的に制御するように構成される、特に、開及び閉状態の間で選択的に調整可能に構成される1以上の調整可能なバルブ38を含み得る。バルブ38を用いることによって、コントローラハウジング26の外部にあって、流出口32に負圧を与えてそこから液体薬物18を引き出すように構成される負圧源が利用され得る。
【0017】
コントロールユニット40は、コントローラハウジング26に提供され得、コンピューティング処理ユニット(CPU)42を含む。フローコントローラ34は、CPU42により制御されるように、電気的に動力が供給されることが好ましい。例えば、CPU42により制御されるように構成されるスイッチを有する電気モータ又はアクチュエータが提供され得る。モータを起動することによって負圧源30が起動される(例えば、ポンプがオンになる)一方で、アクチュエータを起動することによって1以上のバルブ38が調整されて開状態になる(例えば、バルブステムが回転して開状態になる)。スイッチは、モータをオフにする、又は、1以上のバルブを閉じるために、CPU42によりオフ位置に調整され得る。
【0018】
複数の薬物モジュール12は、使える状態にする際に、直列に接続されるだろうことが、想定される。複数の薬物モジュール12の組み立ては、ユーザにより、又は、ユーザに代わって、要求される。フェイルセーフメカニズムとして、図4に示すように、複数の薬物モジュール12が薬物送達デバイス14に適切に含まれ、正しい順序で並んでいることを確実にするために、複数の薬物モジュール12の各々には、液体薬物18が充填された際に、液体薬物18に対応する機械可読コード44が付される。機械可読コード44は、好ましくは、保管又は輸送の間に薬物モジュール12から機械可読コード44が分離することがないように薬物モジュール12に永久的に固定される(例えば、強粘着性のステッカー、接着剤、エッチング加工等)。機械可読コード44は、任意の形式であってよく、例えば、バーコード形式及びQRコード形式を含む。機械可読コード44は、薬物の種類、及び、可能であれば、薬物の濃度又は強度を指定するように準備される。液体薬物18は、薬物モジュール12に、製造設備又は薬局において充填され得、同時に、機械可読コード44が固定される。正しい機械可読コード44が薬物モジュール12に付されるように注意する必要がある。
【0019】
複数の特定の液体薬物18(種類、濃度)は処方箋により特定され得る。複数の薬物モジュール12は、特定された複数の液体薬物18を収容するように準備され得る。使用される複数の薬物モジュール12の数は、少なくとも、処方箋により特定された薬物成分の数に等しい。複数の薬物モジュール12は、コントローラハウジング26とともに、組み立てのためのキットとして、ユーザ、又は、ユーザに関連付けられた場所に、配達され得る。複数の薬物モジュール12の組み立てに関して、第1位置(コントローラハウジング26に最も近い)、第2位置等々の複数の薬物モジュール12の順序を含むインストラクションが提供され得る。
【0020】
一旦、複数の薬物モジュール12がコントローラハウジング26とともに薬物送達デバイス14として組み立てられると、薬物送達デバイス14は、使用できるように用意されなければならない。当該デバイスを用意するにあたって、直列接続された複数の薬物モジュール12の全体の列のデジタル画像、特に、複数の薬物モジュール12の全ての機械可読コード44を含むものが、デジタルカメラ、又は、デジタルカメラを備えるデバイス46(スマートホン、タブレット、ノートブック、携帯電話)により取り込まれる。デジタル画像は、ユーザ45の制御のもと、又は、デジタルカメラが薬物送達デバイス14を準備する設備に配置される自動化手段を通じて、デバイス46により取り込まれ得る。
【0021】
好ましくは、デバイス46は、複数の機械可読コード44の内容及びそれらの順序に基づいてアクティベーションコードを生成するために機械可読コード44を読み取るように構成されるアプリケーションソフトウェア48を含む。例えば、デバイス46は、デジタルカメラを備えてアプリケーションソフトウェア48にアクセス可能なスマートホン等のモバイルデバイスであってよい。任意のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)が、ユーザとの相互作用を可能にするために、デバイス46上に提供され得る。当業者により理解されるように、バーコード及びQRコードの認識及び読み取りのソフトウェアは、周知であり、アプリケーションソフトウェア48に使用可能である。アプリケーションソフトウェア48は、インストラクションの組としてデバイス46に関連付けられた非一時的なメモリに格納され得る。アプリケーションソフトウェア48の全部又は一部は、デバイス46に常駐していてもよく、後述するようにネットワークを通じて必要な場合に呼び出され得る。
【0022】
あるいは、デバイス46は、アプリケーションソフトウェア48に関連付けられた第2デバイス又はコンピュータ処理ユニット47(リモートサーバであり得る)に、リンク可能であり得る。ここで、デバイス46により取り込まれたデジタル画像は、アプリケーションソフトウェア48により読み取られるために、第2デバイスまたはCPU47に送信される。デバイス46は、任意のネットワーク49(有線、無線、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN))を通じて第2デバイスまたはCPU47にリンクされ得る。第2デバイス又はCPU47は、取り込まれた画像中の機械可読コード44の読み取りに基づいて、アクティベーションコードを生成する。第2デバイス又はCPU47は、アプリケーションソフトウェア48の全部又は一部がインストラクションの組として格納され得る非一時的なメモリ50に関連付けられ得る。
【0023】
図4Aに示すように、複数の薬物モジュール12の各々の機械可読コード44は、組み合わされた英数字データ列CDSを生成するために使用され得る。この場合、複数の薬物モジュール12の各々の個別のデータ列DSは、アクティベーションコードを生み出すために、複数の薬物モジュール12の順序において互いに組み合わされる。
【0024】
アクティベーションコードは、その正確さを決定するための認証コードとの比較に用いられ得る。一実施の形態において、認証コードは、コントローラハウジング26のCPU42に関連付けられた非一時的なメモリ41に格納され得る。アプリケーションソフトウェア48は、生成されたアクティベーションコードがCPU42に(例えば、デバイス46上の送信機T1及びコントローラハウジング26上の受信機R1を通じて)送信されるように構成され得、これによって、CPU42は、一致を決定するための比較を実行する。一致する場合、CPU42は、液体薬物18の送達を可能にするためにフローコントローラ34を起動し得る。
【0025】
送信機T1及び受信機R1は、各々、受信機及び送信機であるように形成され得る。任意の無線ネットワークプロトコルが、無線通信のために利用され得、特に限定されないが、802.11準拠のネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、セルラパケットデジタルデータ(cellular digital packet data:CDPD)ネットワーク、ハイスピードサーキットスイッチドデータ(high speed circuit switched data:HSCSD)ネットワーク、パケットデータセルラ(packet data cellular:PDC-P)ネットワーク、一般パケット無線サービス(general packet radio service:GPRS)ネットワーク、1xラジオトランミッションテクノロジ(1x radio transmission technology:1xRTT)ネットワーク、IrDAネットワーク、マルチチャンネルマルチポイント配布サービス(multichannel multipoint distribution service:MMDS)ネットワーク、ローカルマルチポイント配布サービス(local multipoint distribution service:LMDS)ネットワーク、及び、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(worldwide interoperability for microwave access:WiMAX)ネットワークから取得されるプロトコルを含む。
【0026】
別の実施の形態において、デバイス46上のアプリケーションソフトウェア48は、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を用いて第2デバイス又はCPU47を例えばネットワーク49を通じて呼び出して、そこから認証コードを取得するように構成され得る。あるいは、デバイス46は、別の情報源から、例えば、薬物モジュール12に備えられる機械可読コードから、認証コードを取得し得る。その後、アプリケーションソフトウェア48は、デバイス46上で、アクティベーションコードを認証コードと比較し得る。一致する場合、アプリケーションソフトウェア48は、承認メッセージを生成し得る。承認メッセージは、例えば、送信機T1を用いて、CPU42に送信される。承認メッセージは、メモリ41に格納され得る。一致する場合、CPU42は、液体薬物18の送達を可能にするためにフローコントローラ34を起動し得る。本実施の形態は、コントローラハウジング26に認証コードを格納しておく必要がなくなる。
【0027】
さらなる実施の形態において、デバイス46上のアプリケーションソフトウェア48は、ネットワーク49を通じて、例えば、第2デバイス又はCPU47に、アクティベーションコードを、認証コードとの比較のために、送信し得る。一致する場合、第2デバイス又はCPU47が、例えばネットワーク49を通じて、承認メッセージをアプリケーションソフトウェア48に送信し、次に、アプリケーションソフトウェア48が、例えば送信機T1を用いて、承認メッセージをCPU42に送信する。生じ得る承認メッセージは、メモリ41に格納され得る。一致する場合、CPU42は、液体薬物18の送達を可能にするためにフローコントローラ34を起動し得る。本実施の形態は、コントローラハウジング26に認証コードを格納しておく必要がなくなる。
【0028】
フローコントローラ34は、送達管30を通じて流出口32に流れないように1以上の調整バルブ38が閉状態にされる貯留(すなわち、非使用)状態を有するように提供され得る。加えて、あるいは、代えて、貯留状態において、負圧源36は休止状態にある。アクティベーションコード及び認証コードが一致する場合、上述したように、CPU42は、フローコントローラ34を起動してよく、それによって、フローコントローラ34を使用状態にさせ得る。フローコントローラ34が使用状態である場合、薬物送達デバイス14からの液体薬物18の送達が達成され得る。特に、送達管30を通じて流出口32に流れるように、1以上の調整バルブ38が開状態にされる。加えて、負圧源36は起動される。あるいは、負圧源36は、(コントローラハウジング26のスイッチによる、及び/又は、デバイス46を用いるアプリケーションソフトウェア48を通じた)起動を待ち受ける起動状態とされ得る。
【0029】
当業者であれば理解されるように、システム10は、様々な機能を可能にする。例えば、ユーザアカウントが、設置され得、例えば、データベースの形式でメモリ50に格納され得る。処方医師P、調剤薬局Ph、及び/又は、薬物送達デバイス14の1以上のコンポーネントを準備する製造場所M等を含む種々の主体によるユーザアカウントへのアクセスが許容され得る。ネットワーク49を通じてユーザアカウントにアクセス可能である場合に、処方箋の詳細は、確認され、及び/又は、必要な場合には更新される。この情報は、薬物送達デバイス14で使用される液体薬物18の選択に使用され得る。ユーザ45は、必要に応じて詳細にアクセスするために、例えば、モバイルデバイス等のデバイス46を用いてネットワーク49を通じて、GUIにしたがって自身のアカウントにアクセスし得る。
【0030】
薬物送達デバイス14が送信機としても構成される受信機R1を有する場合、薬物送達デバイス14による薬物の投与の詳細(時間、日にち、完了の確認)が、ネットワーク49を通じて、関連するユーザアカウントに送信され得る。医療従事者、例えば、処方医師Pは、投与計画のコンプライアンスを確認するために、このデータにアクセスし得る。
【0031】
システム10は、また、処方箋を決定するために使用可能な患者の医療情報の提供を可能にする。例えば、患者の試験に基づく情報は、処方箋を決定するために参照され得るユーザアカウントにアップロードされ得る。種々の生理学的なパラメータ及び/又はバイオマーカが試験され、結果がアップロードされ得る。これは、処方箋を実現するために、例えば、処方医師Pによる遠隔地からの確認を、それに続く、薬局Ph及び/又は製造場所Mによる処方箋の確認とともに、可能にする。準備された複数の薬物モジュール12及びコントローラハウジング26のキットは、ユーザ又は補助者による組み立てのために、使用場所に送られ得る。キットは、薬局Ph、診療所等の、患者のためにキットが組み立てられる施設に送られてもよい。
【0032】
図6図15を参照すると、アプリケーションソフトウェア48の処理フローの非制限的な例が提示され、これは、処理の異なる段階においてデバイス46に提示され得るGUIを含む。図6を参照すると、使用可能な処理フロー100が描かれており、これは、ホームページ又はスプラッシュ画面102から開始される。処理フロー100は、起動画面104、及び、組立前の複数の薬物モジュール12のキットに関連付けられたパッケージ上の機械可読コードを読み取るための画像リーダ又はキャプチャスクリーン106(デバイス46上のカメラが起動され得る)を有するパッケージスキャンサブルーチンに続く。このサブルーチンは、複数の薬物モジュール12のパッケージキットに関連付けられた認証コードを識別することを可能にする。このサブルーチンは、時間切れになると、リスタートを可能にするために起動画面104に戻ることを要求する。
【0033】
パッケージスキャンサブルーチンが無事に完了した後、インタースティシャル(interstitial)画面108が、複数の薬物モジュール12の組み立てが完了したことを示すようにユーザに促すために、提供される。ユーザが完了したことを示す場合(例えば、ボタン110を押下することによって)、薬物モジュールスキャンサブルーチンが、組み立てられた複数の薬物モジュール12の順番に並ぶ全ての機械可読コードをデバイス46のカメラで読み取る、又は、取得するための画像リーダ、又は、キャプチャスクリーン112とともに起動される。アプリケーションソフトウェア48は、機械可読コード、その内容及び順序を含む、に基づいてアクティベーションコードを生成するように構成される。処理フロー100で示されるようにアクティベーションコードが生成される場合、スキャンは成功したとみなされる(ステップ114)。アクティベーションコードが無事に生成されない場合、例えば、適切なデータキャプチャが生成されずにスキャンが時間切れになった場合(例えば、画面117参照)、ステップ116の処理フローは、パッケージスキャンサブルーチンを繰り返すために、起動画面104に戻る。
【0034】
アプリケーションソフトウェア48は、生成されたアクティベーションコードを取得された認証コードと比較し、一致するかどうかを決定する。一致する場合、ステップ118に示されるように、複数の薬物モジュール12が適切で、さらに、適切な順序にあるということが決定される。これは、薬物のリスト、投与量、及び、それらの順序を含む画面120を起動し得る。
【0035】
アクティベーションコード及び認証コードが一致しない場合、一致しない理由が、アプリケーションソフトウェア48によって決定され得、エラーとして示され得る。例えば、アプリケーションソフトウェア48は、エラーメッセージ122で示すように、複数の薬物モジュール12は適切であるものの、順序が正しくないことを決定してよい。あるいは、アプリケーションソフトウェア48は、エラーメッセージ124で示すように、複数の薬物モジュール12の1以上が正しくないことを決定してよい。さらに、アプリケーションソフトウェア48は、複数の薬物モジュール12の1以上が見つからないと決定してよく、それにしたがって、エラーメッセージ126で示すように、不完全な順序を提供する。起動画面104に戻ることによってリスタートが可能である。
【0036】
一実施の形態において、例えば、癌、自己免疫疾患、炎症性疾患、心血管疾患、線維症等の幅広い疾患又は症状のいずれかを患う患者の利益のために、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、2以上の薬物を送達できる。一実施の形態において、複数の薬物モジュール12の1以上は、単一の薬物を含み得る。一実施の形態において、薬物モジュール12の1以上は、2以上の合剤にされた薬物を含み得る。一実施の形態において、薬物モジュール12の1以上は、希釈剤の流入により調製されて液体薬物を形成する固形薬物(例えば、錠剤、カプセル、粉末、凍結乾燥物、噴霧乾燥物)を含んでよい。
【0037】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、免疫チェックポイント阻害薬である。ある実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、プログラム死1(「PD-1」)経路阻害薬、細胞傷害性Tリンパ球抗原4(「CTLA-4」)アンタゴニスト、リンパ球活性化遺伝子3(「LAG3」)アンタゴニスト、CD80アンタゴニスト、CD86アンタゴニスト、T細胞免疫グロブリン-ムチンドメイン(「Tim-3」)アンタゴニスト、IgとITIMドメインを持つT細胞免疫受容体(「TIGIT」)アンタゴニスト、CD20アンタゴニスト、CD96アンタゴニスト、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(「IDO1」)アンタゴニスト、インターフェロン遺伝子刺激因子(「STING」)アンタゴニスト、反復優位型糖タンパク質A(GARP)アンタゴニスト、CD40アンタゴニスト、アデノシンA2A受容体(「A2aR」)アンタゴニスト、癌胎児性抗原関連細胞接着分子1(CEACAM1)(CD66a)アンタゴニスト、癌胎児性抗原(CEA)アンタゴニスト、CD47アンタゴニスト、受容体関連免疫グロブリンドメインタンパク質(「PVRIG」)アンタゴニスト、トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ(「TDO])アンタゴニスト、Vドメイン免疫グロブリンT細胞活性化抑制因子(「VISTA」)アンタゴニスト、又は、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(「KIR」)アンタゴニストである。
【0038】
一実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、抗PD-1抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマム(pembrolizumab)(キイトルーダ;MK-3475)、ピディリズマブ(pidilizumab)(CT-011)、ニボルマブ(nivolumab)(オプジーボ;BMS-936558)、PDR001、MEDI0680(AMP-514)、TSR-042、REGN2810、JS001、AMP-224(GSK-2661380)、PF-06801591、BGB-A317、BI754091、又はSHR-1210である。
【0039】
一実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、抗PD-L1抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ(atezolizumab)(テセントリク;RG7446;MPDL3280A;RO5541267)、デュルバルマブ(durvalumab)(MEDI4736)、BMS-936559、アベルマブ(avelumab)(バベンチオ)、LY3300054、CX-072(Proclaim-CX-072)、FAZ053、KN035、又は、MDX-1105である。
【0040】
一実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、小分子薬剤である。ある実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、CA-170である。他の実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、細胞ベースの治療である。一実施の形態において、細胞ベースの治療は、MiHA付加PD-L1/L2発現抑制樹状細胞ワクチンである。その他の実施の形態において、細胞ベースの治療は、多能性Tリンパ球を発現する抗プログラム細胞死タンパク質1抗体、自己PD-1標的化キメラスイッチ受容体修飾Tリンパ球、又は、PD-1ノックアウト自己Tリンパ球である。
【0041】
一実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、抗PD-L2抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。別の実施の形態において、抗PD-L2抗体は、rHIgM12B7である。
【0042】
一実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、可溶性PD-1ポリペプチドである。ある実施の形態において、可溶性PD-1ポリペプチドは、融合ポリペプチドである。いくつかの実施の形態において、可溶性PD-1ポリペプチドは、PD-1細胞外ドメインのリガンド結合フラグメントを含む。他の実施の形態において、可溶性PD-1ポリペプチドは、PD-1細胞外ドメインのリガンド結合フラグメントを含む。他の実施の形態において、可溶性PD-1ポリペプチドは、Fcドメインを更に含む。
【0043】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CTLA-4アンタゴニストである。ある実施の形態において、CTLA-4アンタゴニストは、抗CTLA-4抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ(ipilimumab)(ヤーボイ)、トレメリムマブ(tremelimumab)(チシリムマブ(ticilimumab);CP-675,206)、AGEN-1884、又は、ATOR-1015である。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニスト、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬を含む。
【0044】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、LAG3アンタゴニストである。ある実施の形態において、LAG3アンタゴニストは、抗LAG3抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗LAG3抗体は、リラトリマブ(relatlimab)(BMS-986016)、MK-4280(28G-10)、REGN3767、GSK2831781、IMP731(H5L7BW)、BAP050、IMP-701(LAG-5250)、IMP321、TSR-033、LAG525、BI754111、又は、FS-118である。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニスト、及び、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬を含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニスト、及び、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニストを含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニスト、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニスト、及び、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬を含む。
【0045】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、KIRアンタゴニストである。ある実施の形態において、KIRアンタゴニストは、抗KIR抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗KIR抗体は、リリルマブ(lirilumab)(1-7F9、BMS-986015、IPH2101)、又は、IPH4102である。
【0046】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、TIGITアンタゴニストである。一実施の形態において、TIGITアンタゴニストは、抗TIGIT抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗TIGIT抗体は、BMS-986207、AB154、COM902(CGEN-15137)、又は、OMP-313M32である。
【0047】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、Tim-3アンタゴニストである。ある実施の形態において、Tim-3アンタゴニストは、抗Tim-3抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗Tim-3抗体は、TSR-022、又は、LY3321367である。
【0048】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬はIDO1アンタゴニストである。別の実施の形態において、IDO1アンタゴニストは、インドキシモド(indoximod)(NLG8189;1-メチル-D-トリプトファン)、エパカドスタット(epacadostat)(INCB-024360,INCB-24360)、KHK2455、PE-06840003、ナボキシモド(navoximod)(RG6078、GDC-0919、NLG919)、BMS-986205(F001287)、又は、ピロリジン-2,5-ジオン誘導体である。
【0049】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、STINGアンタゴニストである。ある実施の形態において、STINGアンタゴニストは、2’又は3’-モノ-フルオロ置換環状-ジ-ヌクレオチド、2’3’-ジ-フルオロ置換混合結合2’,5’-3’,5’環状-ジ-ヌクレオチド、2’-フルオロ置換,ビス-3’,5’環状-ジ-ヌクレオチド、2’,2”-ジF-Rp,Rp,ビス-3’,5’環状-ジ-ヌクレオチド、又は、フッ素化環状-ジ-ヌクレオチドである。
【0050】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CD20アンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD20アンタゴニストは、抗CD20抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD20抗体は、リツキシマブ(rituximab)(リツキサン(RITUXAN);IDEC-102;IDEC-C2B8)、ABP798、オファツムマブ(ofatumumab)、又は、オビヌツズマブ(obinutuzumab)である。
【0051】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CD80アンタゴニストである。ある実施の形態において、CD80アンタゴニストは、抗CD80抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD80抗体は、ガリキシマブ(galiximab)、又は、AV1142742である。
【0052】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、GARPアンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、GARPアンタゴニストは、抗GARP抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗GARP抗体は、ARGX-115である。
【0053】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CD40アンタゴニストである。ある実施の形態において、CD40アンタゴニストは、その抗原結合フラグメントのための抗CD40抗体である。いくつかの実施の形態において、抗CD40抗体は、BMS3h-56、ルカツムマブ(lucatumumab)(HCD122及びCHIR-12.12)、CHIR-5.9、又は、ダセツズマブ(dacetuzumab)(huS2C6、PRO64553、RG3636、SGN14、SGN-40)である。別の実施の形態において、CD40アンタゴニストは、可溶性CD40リガンド(CD40-L)である。一実施の形態において、可溶性CD40リガンドは、融合ポリペプチドである。一実施の形態において、可溶性CD40リガンドは、CD40-L/FC2、又は、単量体のCD40-Lである。
【0054】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、A2aRアンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、A2aRアンタゴニストは、小分子である。ある実施の形態において、A2aRアンタゴニストは、CPI-444、PBF-509、イストラデフィリン(istradefylline)(KW-6002)、プレラデナント(preladenant)(SCH420814)、トザデナント(tozadenant)(SYN115)、ビパデナント(vipadenant)(BIIB014)、HTL-1071、ST1535、SCH412348、SCH442416、SCH58261、ZM241385、又は、AZD4635である。
【0055】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CEACAM1アンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、CEACAM1アンタゴニストは、抗CEACAM1抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CEACAM1抗体は、CM-24(MK-6018)である。
【0056】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CEAアンタゴニストである。一実施の形態において、CEAアンタゴニストは、抗CEA抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗CEA抗体は、セルグツズマブ・アムナロイキン(cergutuzumab amunaleukin)(RG7813,RO-6895882)、又は、RG7802(RO6958688)である。
【0057】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CD47アンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD47アンタゴニストは、抗CD47抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗CD47抗体は、HuF9-G4、CC-90002、TTI-621、ALX148、NI-1701、NI-1801、SRF231、又は、Effi-DEMである。
【0058】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、PVRIGアンタゴニストである。ある実施の形態において、PVRIGアンタゴニストは、抗PVRIG抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗PVRIG抗体は、COM701(CGEN-15029)である。
【0059】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、TDOアンタゴニストである。一実施の形態において、TDOアンタゴニストは、4-(インドール-3-イル)-ピラゾール誘導体、3-インドール置換誘導体、又は、3-(インドール-3-イル)-ピリジン誘導体である。別の実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、デュアルIDO及びTDOアンタゴニストである。一実施の形態において、デュアルIDO及びTDOアンタゴニストは、小分子である。
【0060】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、VISTAアンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、VISTAアンタゴニストは、CA-170、又は、JNJ-61610588である。
【0061】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子である。
【0062】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD28アゴニスト、4-1BBアゴニスト、OX40アゴニスト、CD27アゴニスト、CD80アゴニスト、CD86アゴニスト、CD40アゴニスト、ICOSアゴニスト、CD70アゴニスト、又は、GITRアゴニストである。
【0063】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、OX40アゴニストである。ある実施の形態において、OX40アゴニストは、抗OX40抗体又はその抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗OX40抗体は、タボリキシズマブ(tavolixizumab)(MEDI-0562)、ポガリズマブ(pogalizumab)(MOXR0916,RG7888)、GSK3174998、ATOR-1015、MEDI-6383、MEDI-6469、BMS986178、PF-04518600、又は、RG7888(MOXR0916)である。別の実施の形態において、OX40アゴニストは、細胞ベースの治療である。ある実施の形態において、OX40アゴニストは、GINAKIT細胞(iC9-GD2-CD28-OX40発現Tリンパ球)である。
【0064】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD40アゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD40アゴニストは、抗CD40抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD40抗体は、ADC-1013(JNJ-64457107)、RG7876(RO-7009789)、HuCD40-M2、APX005M(EPI-0050)、又は、Chi Lob 7/4である。別の実施の形態において、CD40アゴニストは、可溶性CD40リガンド(CD40-L)である。一実施の形態において、可溶性CD40リガンドは、融合ポリペプチドである。ある実施の形態において、可溶性CD40リガンドは、三量体CD40-L(AVREND(登録商標))である。
【0065】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、GITRアゴニストである。ある実施の形態において、GITRアゴニストは、抗GITR抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗GITR抗体は、BMS-986156、TRX518、GWN323、INCAGN01876、又は、MEDI1873である。一実施の形態において、GITRアゴニストは、可溶性GITRリガンド(GITRL)である。いくつかの実施の形態において、可溶性GITRリガンドは、融合ポリペプチドである。別の実施の形態において、GITRアゴニストは、細胞ベースの治療である。一実施の形態において、細胞ベースの治療は、抗CTLA4 mAb RNA/GITRL RNAトランスフェクト自己樹状細胞ワクチン、又は、GITRL RNAトランスフェクト自己樹状細胞ワクチンである。
【0066】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、4-1BBアゴニストである。いくつかの実施の形態において、4-1BBアゴニストは、抗4-1BB抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗4-1BB抗体は、ウレルマブ(urelumab)、又は、PF-05082566である。
【0067】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD80アゴニスト又はCD86アゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD80アゴニスト又はCD86アゴニストは、可溶性CD80又はCD86リガンド(CTLA-4)である。ある実施の形態において、可溶性CD80又はCD86リガンドは、融合ポリペプチドである。一実施の形態において、CD80又はCD86リガンドは、CTLA4-Ig(CTLA4-IgG4m、RG2077、又は、RG1046)、又は、アバタセプト(オレンシア、BMS-188667)である。その他の実施の形態において、CD80アゴニスト又はCD86アゴニストは、細胞ベースの治療である。一実施の形態において、細胞ベースの治療は、MGN1601(同種腎細胞癌ワクチン)である。
【0068】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD28アゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD28アゴニストは、抗CD28抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗CD28抗体は、TGN1412である。
【0069】
一実施の形態において、CD28アゴニストは、細胞ベースの治療である。ある実施の形態において、細胞ベースの治療は、JCAR015(抗CD19-CD28-ゼータ修飾CAR CD3+ Tリンパ球)、CD28CAR/CD137CAR発現Tリンパ球、同種CD4+ 記憶 Th1様T細胞/微粒子結合抗CD3/抗CD28、抗CD19/CD28/CD3ゼータ CAR ガンマレトロウイルスベクタ-形質導入自己Tリンパ球KTE-C19、抗CEA IgCD28TCR形質導入自己Tリンパ球、抗EGFRvIII CAR形質導入同種Tリンパ球、自己CD123CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tリンパ球、自己CD171特異的CAR-CD28ゼータ-4-1-BB-EGFRt発現Tリンパ球、自己CD19CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tcm富化T細胞、自己PD-1標的化キメラスイッチ受容体修飾Tリンパ球(CD28とのキメラ)、CD19CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tcm富化Tリンパ球、CD19CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tn/mem富化Tリンパ球、CD19CAR-CD28ゼータ-4-1BB発現同種Tリンパ球、CD19CAR-CD3ゼータ-4-1BB-CD28発現自己Tリンパ球、CD28CAR/CD137CAR発現Tリンパ球、CD3/CD28共刺激ワクチン刺激自己Tリンパ球、又は、iC9-GD2-CD28-OX40発現Tリンパ球である。
【0070】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD27アゴニストである。ある実施の形態において、CD27アゴニストは、抗CD27抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD27抗体は、バルリルマブ(CDX-1127)である。
【0071】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD70アゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD70アゴニストは、抗CD70抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD70抗体は、ARGX-110である。
【0072】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、ICOSアゴニストである。ある実施の形態において、ICOSアゴニストは、抗ICOS抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗ICOS抗体は、BMS986226、MEDI-570、GSK3359609、又は、JTX-2011である。その他の実施の形態において、ICOSアゴニストは、可溶性ICOSリガンドである。いくつかの実施の形態において、可溶性ICOSリガンドは、融合ポリペプチドである。一実施の形態において、可溶性ICOSリガンドは、AMG750である。
【0073】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、抗CD73抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗CD73抗体は、MEDI9447である。
【0074】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、TLR9アゴニストである。一実施の形態において、TLR9アゴニストは、アガトリモドナトリウムである。
【0075】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、サイトカインである。ある実施の形態において、サイトカインは、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンホカイン、又は、腫瘍壊死因子ファミリのメンバである。いくつかの実施の形態において、サイトカインは、IL-2、IL-15、又は、インターフェロン-ガンマである。
【0076】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、TGF-βアンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、TGF-βアンタゴニストは、フレソリムマブ(fresolimumab)(GC-1008)、NIS793、IMC-TR1(LY3022859)、ISTH0036、トラベデルセン(AP12009)、組み換えトランスフォーミング増殖因子-ベータ-2、自己HPV-16/18 E6/E7特異的TGF-ベータ抵抗性Tリンパ球、又は、TGF-ベータ抵抗性LMP特異的細胞毒性Tリンパ球である。
【0077】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、iNOSアンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、iNOSアンタゴニストは、N-アセチル-システイン(NAC)、アミノグアニジン、L-ニトロアルギニンメチルエステル、又は、S,S-1,4-フェニレン-ビス(1,2-エタンジル)ビス-イソチオ尿素)である。
【0078】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、SHP-1アンタゴニストである。
【0079】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、コロニー刺激因子1受容体(「CSF1R」)アンタゴニストである。ある実施の形態において、CSF1Rアンタゴニストは、抗CSF1R抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗CSF1R抗体は、エマクツヅマブ(emactuzumab)である。
【0080】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、TNFファミリのメンバのアゴニストである。いくつかの実施の形態において、TNFファミリのメンバのアゴニストは、ATOR1016、ABBV-621、又は、アダリムマブ(adalimumab)である。
【0081】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、アルデスロイキン(aldesleukin)等のインターロイキン-2(Interleukin-2)(IL-2)である。好ましくは、IL-2又は共役したIL-2(例えば、PEG化)は、ベンペガルデスロイキン等のように、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化するように修飾されてよい(「T-eff IL-2」)。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化する、ベンペガルデスロイキン等の修飾IL-2と、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬とを含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化する、ベンペガルデスロイキン等の修飾IL-2と、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニストとを含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化する、ベンペガルデスロイキン等の修飾IL-2と、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬と、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニストとを含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化する、ベンペガルデスロイキン等の修飾IL-2と、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニストとを含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化する、ベンペガルデスロイキン等の修飾IL-2と、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬と、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニストとを含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化する、ベンペガルデスロイキン等の修飾IL-2と、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニストと、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニストとを含む。一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかは、制御性T細胞を通じてエフェクターT細胞を選択的に活性化する、ベンペガルデスロイキン等の修飾IL-2と、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬と、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニストと、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニストとを含む。
【0082】
一実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスのいずれかの1以上の薬物は、CD160(NK1)アゴニストである。ある実施の形態において、CD160(NK1)アゴニストは、抗CD160抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD160抗体は、BY55である。
【0083】
一実施の形態において、薬物モジュール12の1以上は、可溶型CTLA-4ポリペプチドを含んでよい。可溶型CTLA-4ポリペプチドは、例えば、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、移植片対宿主病、移植拒絶等の胞媒介自己免疫性疾患等の治療に有用であり得る。一実施の形態において、可溶型CTLA-4ポリペプチドは、アバタセプト(abatacept)(オレンシア)、ベラタセプト(belatacept)(ニューロジクス)、RG2077、又は、RG-1046である。特定の実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスの1以上の薬物モジュール12は、例えばアバタセプト(abatacept)(オレンシア)等の可溶型CTLA-4ポリペプチドと、例えばブラネブルチニブ(branebrutinib)等のブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬とを含む。特定の実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスの1以上の薬物モジュール12は、例えばアバタセプト(abatacept)(オレンシア)等の可溶型CTLA-4ポリペプチドと、例えばBMS-986165等のチロシンキナーゼ2阻害薬とを含む。特定の実施の形態において、本開示の組み合わせ薬物送達デバイスの1以上の薬物モジュール12は、例えばアバタセプト(abatacept)(オレンシア)等の可溶型CTLA-4ポリペプチドと、インターロイキン-2(IL2)又はエフェクターT細胞に対立する制御性T細胞を選択的に活性化する、例えばBMS-986326及びNKTR-358等の、「T-reg IL-2」とを含む。
図1
図2
図2A
図3
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