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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】アンテナアレイのグループ化
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/52 20060101AFI20240701BHJP
   H01Q 21/28 20060101ALI20240701BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20240701BHJP
   H01Q 23/00 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
H01Q1/52
H01Q21/28
H01Q21/06
H01Q23/00
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022559336
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2020075677
(87)【国際公開番号】W WO2021197645
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】63/004,224
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【弁理士】
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】ティルマン, フレドリック
(72)【発明者】
【氏名】アンデション, ステファン
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-531801(JP,A)
【文献】特許第4470878(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2017/0324162(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0269919(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0269948(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0229775(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナ素子を有するオン周波数全二重方式における送受信間漏れを軽減する通信装置であって、
トランシーバ集積回路(IC)(24)を有するパネル(42)を含み、前記パネル(42)は、
複数のトランシーバ集積回路(IC)(24、26)を含み、それぞれのトランシーバIC(24、26)は送信回路列(28、34)および受信回路列(30、32)を有し、前記トランシーバIC(24、26)は、1つのトランシーバIC(24)上の受信回路列(30)が隣接トランシーバIC(26)上の受信回路列(32)に隣接するように配置される、通信装置。
【請求項2】
複数のパネル(42、44)をさらに備え、前記複数のパネル(42、44)は、第1のパネル(42)上のトランシーバIC(24)上の受信回路列(30)が第2のパネル(44)上のトランシーバIC(25)上の受信回路列(30)と整列するように並べて配置される、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記パネル(42)上の複数のトランシーバIC(24)は、1つのパネル(42)上の受信回路列(30)が隣接パネル(44)上の受信回路列(30)と同じ列になるように、1つのトランシーバIC(24)ごとに回転させることによって配置される、請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記回転はおよそ180度である、請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
隣接トランシーバIC(24、26)間の距離は、前記複数のアンテナ素子の動作周波数における波長を下回る、請求項1から4のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項6】
隣接パネル(42、44)間の距離は、前記複数のアンテナ素子の動作周波数における波長を下回る、請求項1から5のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
複数のアンテナ素子を有するオン周波数全二重方式における送受信間漏れを軽減するようにトランシーバ集積回路(IC)を配置するための方法であって、
送信回路列(28)および受信回路列(30)をトランシーバIC(24)上に配置することと、
1つのトランシーバIC(24)上の受信回路列(30)が隣接トランシーバIC(26)上の受信回路列(32)に隣接するように複数のトランシーバIC(24、26)を第1のパネル(42)上に配置することとを含む、方法。
【請求項8】
前記第1のパネル(42)上のトランシーバIC(24)上の受信回路列(30)が第2のパネル(44)上のトランシーバIC(25)上の受信回路列(30)と整列するように、複数のパネル(42、44)を並べて配置することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
複数のパネル(42、44)を配置することと、前記第1のパネル(42)上の受信回路列(30)が前記複数のパネル(42、44)の隣接パネル(44)上の受信回路列(30)と同じ列になるように1つのトランシーバIC(24)ごとに回転させることによって、前記複数のトランシーバIC(24、26)を前記第1のパネル(42)上に配置することとをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記回転はおよそ180度である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1のパネル(42)上のトランシーバIC(24)上の受信回路列(30)が第2のパネル(44)上のトランシーバIC(25)の受信回路列(30)と整列するように、前記複数のパネル(42、44)を並べて配置することをさらに含む、請求項から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
隣接パネル(42、44)間の距離は、前記複数のアンテナ素子の動作周波数における波長を下回る、請求項7から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
アンテナ素子のアレイと通信するように設定されるトランシーバ集積回路(IC)(24、26)のアレイであって、
それぞれのトランシーバIC(24、26)は受信回路列(30、32)および送信回路列(28、34)を有し、前記トランシーバICのアレイにおけるトランシーバIC(24、26)は、1つのトランシーバIC(24)上の受信回路列(30)が隣接トランシーバIC(26)上の受信回路列(32)に隣接するように配置される、トランシーバ集積回路(IC)(24、26)のアレイ。
【請求項14】
2つの隣接トランシーバIC(24、26)は、一方のトランシーバIC(24)上の受信回路列(30)が、他方の隣接トランシーバIC(26)上の受信回路列(32)よりも、前記他方の隣接トランシーバIC(26)上の送信回路列(34)に対して遠くなるように配置される、請求項13に記載のトランシーバICのアレイ。
【請求項15】
トランシーバIC(24、25、26、27)は、1つのパネル(42)上の受信回路列(30、32)が隣接パネル(44)上の受信回路列(30、32)と同じ列になるようにパネル(42、44)に配置される、請求項13または14に記載のトランシーバICのアレイ。
【請求項16】
隣接トランシーバIC(24、26)間の距離は、前記隣接トランシーバIC(24、26)のうちの1つと通信している少なくとも1つのアンテナの動作周波数における波長を下回る、請求項13から15のいずれか一項に記載のトランシーバICのアレイ。
【請求項17】
第1のトランシーバIC(24)は、前記第1のトランシーバICに隣接する第2のトランシーバICの向きに対して180度の10度の範囲内で回転する、請求項13から16のいずれか一項に記載のトランシーバICのアレイ。
【請求項18】
トランシーバ集積回路(IC)(24、26)のパネル(42)であって、
それぞれのトランシーバIC(24、26)が送信回路列(28、34)および受信回路列(30、32)を有し、パネル(42)上のトランシーバIC(24、26)の複数の列における1つのトランシーバIC(24)ごとに、前記パネル(42)上の隣接トランシーバICに対して回転する、トランシーバ集積回路(IC)(24、26)のパネル(42)。
【請求項19】
前記パネル(42)上の任意の2つの隣接トランシーバIC(24、26)は、一方のトランシーバIC(24)上の受信回路列(30)が、他方の隣接トランシーバIC(26)上の受信回路列(32)よりも、前記他方の隣接トランシーバIC(26)上の送信回路列(34)に対して遠くなるように配置される、請求項18に記載のトランシーバIC(24、26)のパネル(42)。
【請求項20】
複数のアンテナ素子と通信するためのトランシーバ集積回路(IC)(24、26)のパネル(42)を製造する方法であって、
印刷回路基板上に第1のトランシーバIC(24)を設置することと、
前記第1のトランシーバIC(24)上の第1の受信回路列が第2のトランシーバIC(26)上の第2の受信回路列(32)に隣接するように、前記印刷回路基板上に前記第2のトランシーバIC(26)を設置することとを含む、方法。
【請求項21】
前記第2のトランシーバIC(26)は、前記第2のトランシーバIC(26)が前記第1のトランシーバIC(24)の向きに対して回転するように設置される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第2のトランシーバIC(26)は170~190度の範囲における角度で回転する、または178~182度の範囲における角度で回転する、または180度で回転する、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信に関し、とりわけ、アンテナアレイのグループ化のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の無線通信システムでは、アンテナグループは、無線通信で使用される無線の効果的なアンテナ開口を増大させるために使用される。このような通信システムは、新無線(New Radio:NR)(5Gとしても既知である)およびLong Term Evolution(LTE)(4Gとしても既知である)を含む。効果的な開口の増大によってアンテナ指向性が増大する。アンテナ指向性を増大させることは、等方性自由空間パス・ロスを克服するのに役立つ。受信(RX)および送信(TX)機能は通常、時間領域(時分割複信(TDD))または周波数領域(周波数分割複信(FDD))のいずれかを使用して直交する。どちらの場合も、受信および送信両方に対する共有の時間および周波数リソースを使用することと比較して、瞬時のスペクトル効率は半分になる。このようなシステムは通常、オン周波数全二重方式と呼ばれる。このようなシステムは自己干渉を示す。これは、送信機が望ましくない信号電力を近くの受信機に漏らすことがあることによる。この漏れは望まれている受信信号電力レベルより大幅に強力であり得るため、漏れによって受信機の感度が桁違いに低下する。
【0003】
オン周波数全二重方式は、いくつかの技法を利用し、該技法は、組み合わせられる時、受信機における望ましくない自己誘導の送信干渉のかなりの抑制を実現する。実際には、3つの手法が並行して用いられ得る。これらは、1)アンテナを物理的に区分するおよび/もしくは別個の偏波を使用する、ならびに/またはアンテナが送信および受信に対して共有される場合にアイソレータ/サーキュレータの機能を使用することの観点からのアンテナポートの分離、2)望ましくない干渉を、受信機の非直線性が許容できる範囲を超えて性能を低下させないレベルまで抑制するための送信機から受信機までのアナログキャンセレーションループ、ならびに3)残りの送信漏れがキャンセル可能であり、かつモデル化された送信非直線性を考慮に入れることが可能であるデジタルベースバンドにおけるキャンセレーションを含む。システム要件に応じて、前述の技法のうちの1つまたは可能な場合2つは省略されてよいが、通常は、100dB余りの総送信干渉抑制を要する高性能のセルラシステムについて、3つの手法全てが典型的には全て利用される。
【0004】
アンテナアレイは、それぞれがそれ自体の給電部を有する複数のアンテナ素子を含む。素子(またはサブアレイ)間の位相を調節することによって、アンテナアレイは、アンテナシステムを物理的に移動させる必要なく電子的に操縦可能である。組アンテナを使用する多入力多出力(MIMO)システムについて、複数の送信機がそれぞれの受信機において自己干渉を同時に誘導することがある1つの固有問題がある。よって、自己キャンセレーションの複雑さが大きくなる。アンテナポートを駆動するために複数のトランシーバ(受信機および送信機)集積回路(IC)(タイルとも呼ばれる)を有する大型のアンテナアレイについて、送信機と受信機との間のアナログキャンセレーション経路が、無線周波数(RF)シグナリングを含むアナログチップ間シグナリングを要求する場合がある際にさらなる問題が生じる。これはさらには、アレイの製造を実現可能な範囲を超えて複雑にし得る。このようなシステムは、アンテナ分離技法およびデジタルキャンセレーションのみに頼る必要があり得る。その結果、完全に区分されたアンテナパネル(RXおよびTX)が使用され得る。これには、個々の無線ICによって引き起こされる時に3つの潜在的にマイナスの副作用:1)アンテナパネル間の遠い距離によって総フットプリントが大きくなること、2)費用を理由にして一般的なトランシーバICを使用することが、TXまたはRXのどちらかが使用されなくなり、それによって、未使用のチップ面積が予想されることを意味すること、および3)別個のトランシーバICを使用することによって、2つのICが開発されなければならないため、研究開発、検証、および生産の費用が上昇し、これらの各々の容積が総容積の半分になること、がある。サーキュレータは、同じサーキュレータに接続された送信機から受信機までの漏れを除去することのみを可能にする。近くのアンテナからの漏れは、アンテナによって受信される望ましい信号と区別不可能である。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施形態は、有利には、上述される問題に対処するために、アンテナアレイのグループ化のための方法およびシステムを提供する。いくつかの実施形態では、アンテナ素子のグループにおけるアンテナ素子は、自己干渉による漏れを低減するように配置される。いくつかの実施形態では、TXおよびRX回路は、オン周波数全二重モードで動作する時にTXアンテナ素子とRXアンテナ素子との間の良好な分離を保ちながら、上述される干渉を回避するために組アンテナにおいてインターリーブされる。いくつかの実施形態では、アンテナ素子は、最も近くで干渉しているTXアンテナ素子が被害を受けるRXアンテナ素子と同じ無線ICに接続されることで、オンチップアナログキャンセレーション技法を可能にするように配置される。これは、パネルにわたって全てのサブアレイに対して同じ無線IC、すなわち、タイルを使用している間に達成されるが、幾何学的配列が交互に入れ替えられることで、アンテナ素子が種々の無線ICに接続される時にTXとRXとのより大きい分離が効果的にもたらされるようにする。
【0006】
いくつかの実施形態では、送信および受信アンテナアレイパネルは、物理的なインターリーブが、最上位のTXアグレッサに対するオンチップアナログ自己干渉キャンセレーション方法を可能にするような形状にされる共同アンテナアレイ構造にインターリーブされる。オン周波数全二重利用の場合、これは、総アンテナ面積またはアンテナ指向性を犠牲にすることなくさらなる抑制を可能にする。同じ無線ICがインターリーブされたTX/RXアンテナパネルにわたって使用可能であることによって、研究開発、検証、およびチップ製造量の観点から大きな費用優位が実現される。
【0007】
本明細書に開示される設定の利点には、より優れた受信機の感度、(現時点では遠く離れている)近くの送信機からの送信によって引き起こされる受信機における干渉の低下、設計および製造の容易さ、およびスケーラビリティが含まれる。
【0008】
1つの態様によれば、複数のアンテナ素子を有するオン周波数全二重方式における送受信間漏れを軽減する通信装置が提供される。通信装置は、トランシーバ集積回路(IC)を有するパネルを含み、該パネルは、複数のトランシーバ集積回路(IC)を含み、それぞれのトランシーバICは送信回路列および受信回路列を有し、トランシーバICは、1つのトランシーバIC上の受信回路列が隣接トランシーバIC上の受信回路列に隣接するように配置される。
【0009】
この態様によれば、いくつかの実施形態では、通信装置は複数のパネルをさらに備え、複数のパネルは、第1のパネル上のトランシーバIC上の受信回路列が第2のパネル上のトランシーバIC上の受信回路列と整列するように並べて配置される。いくつかの実施形態では、パネル上の複数のトランシーバICは、1つのパネル上の受信回路列が隣接パネル上の受信回路列と同じ列になるように、1つのトランシーバICごとに回転させることによって配置される。いくつかの実施形態では、回転はおよそ180度である。いくつかの実施形態では、複数のパネルは、第1のパネル上のトランシーバIC上の受信回路列が第2のパネル上のトランシーバICの受信回路列と整列するように並べて配置される。いくつかの実施形態では、隣接パネル間の距離は、複数のアンテナ素子の動作周波数における波長を下回る。
【0010】
さらに別の態様によれば、複数のアンテナ素子を有するオン周波数全二重方式における送受信間漏れを軽減するようにトランシーバ集積回路(IC)を配置するための方法が提供される。方法は、送信回路列および受信回路列をトランシーバIC上に配置することと、1つのトランシーバIC上の受信回路列が隣接トランシーバIC上の受信回路列に隣接するように複数のトランシーバICを第1のパネル上に配置することとを含む。
【0011】
この態様によれば、いくつかの実施形態では、方法は、第1のパネル上のトランシーバIC上の受信回路列が第2のパネル上のトランシーバIC上の受信回路列と整列するように、複数のパネルを並べて配置することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、複数のパネルを配置することと、第1のパネル上の受信回路列が複数のパネルの隣接パネル上の受信回路列と同じ列になるように1つのトランシーバICごとに回転させることによって、複数のトランシーバICを第1のパネル上に配置することとをさらに含む。いくつかの実施形態では、回転はおよそ180度である。いくつかの実施形態では、方法は、第1のパネル上のトランシーバIC上の受信回路列が第2のパネル上のトランシーバICの受信回路列と整列するように、複数のパネルを並べて配置することをさらに含む。いくつかの実施形態では、隣接パネル間の距離は、複数のアンテナ素子の動作周波数における波長を下回る。
【0012】
別の態様によれば、トランシーバ集積回路(IC)のアレイは、アンテナ素子のアレイと通信するように設定され、それぞれのトランシーバICは受信回路列および送信回路列を有し、トランシーバICのアレイにおけるトランシーバICは、1つのトランシーバIC上の受信回路列が隣接トランシーバIC上の受信回路列に隣接するように配置される。
【0013】
この態様によれば、いくつかの実施形態では、2つの隣接トランシーバICは、1つのトランシーバIC上の受信回路列が、他の隣接トランシーバIC上の受信回路列よりも、他の隣接トランシーバIC上の送信回路列に対して遠くなるように配置される。いくつかの実施形態では、トランシーバICは、1つのパネル上の受信回路列が隣接パネル上の受信回路列と同じ列になるようにパネルに配置される。いくつかの実施形態では、隣接トランシーバIC間の距離は、隣接トランシーバICのうちの1つと通信している少なくとも1つのアンテナの動作周波数における波長を下回る。いくつかの実施形態では、第1のトランシーバICは、第1のトランシーバICに隣接する第2のトランシーバICの向きに対して180度回転する。
【0014】
さらに別の態様によれば、トランシーバ集積回路(IC)のパネルは、それぞれのトランシーバICが送信回路列および受信回路列を有するように設定され、パネル上のトランシーバICの複数の列における1つのトランシーバICごとに、パネル上の隣接トランシーバICに対して回転する。
【0015】
この態様によれば、いくつかの実施形態では、パネル上の任意の2つの隣接トランシーバICは、1つのIC上の受信回路列が、他の隣接トランシーバIC上の受信回路列よりも、他の隣接トランシーバIC上の送信回路列に対して遠くなるように配置される。
【0016】
別の態様によれば、複数のアンテナ素子と電気通信するためのトランシーバ集積回路(IC)のパネルを製造する方法が提供される。方法は、印刷回路基板上に第1のトランシーバICを設置することと、第1のトランシーバIC上の第1の受信回路列が第2のトランシーバIC上の第2の受信回路列に隣接するように、印刷回路基板上に第2のトランシーバICを設置することとを含む。
【0017】
この態様によれば、いくつかの実施形態では、第2のトランシーバICは、第2のトランシーバICが第1のトランシーバICの向きに対して回転するように設置される。いくつかの実施形態では、第2のトランシーバICは178~182度の範囲における角度で回転する。いくつかの実施形態では、第2のトランシーバICは170~190度の範囲における角度で回転する。いくつかの実施形態では、第2のトランシーバICは180度で回転する。いくつかの実施形態では、第1のトランシーバICと第2のトランシーバICとの間の距離は、複数のアンテナ素子の動作周波数における波長を下回って離れるように位置付けられる。
【0018】
本明細書に説明される実施形態、およびこれに関連する利点および特徴をより詳細に理解することは、添付の図面と併せて検討される時に以下の詳細な説明を参照することによってより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】送信パネルおよび受信パネルのブロック図である。
図2A図2Aおよび図2Bは、2つの異なるTX/RX配置を比較するブロック図である。
図2B図2Aおよび図2Bは、2つの異なるTX/RX配置を比較するブロック図である。
図3A図3Aおよび図3Bは、2つの異なるTX/RX配置を比較するブロック図である。
図3B図3Aおよび図3Bは、2つの異なるTX/RX配置を比較するブロック図である。
図4】オン周波数全二重方式における送受信間漏れを軽減するためにアンテナ素子をグループ化するための例示のプロセスのフローチャートである。
図5】印刷回路基板上にトランシーバ(TRX)集積回路(IC)を設置する例示のプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
例示の実施形態を詳細に説明する前に、該実施形態が、主に、アンテナアレイのグループ化に関連する装置構成要素および処理ステップの組み合わせで存在することに留意されたい。それ故に、本明細書における説明の利益を有する当業者に容易に明らかになる詳細によって本開示が曖昧にならないように、図面には、必要に応じてシステムおよび方法の構成要素を従来の記号によって表し、本開示の実施形態を理解することに関する具体的な詳細のみを示している。
【0021】
本明細書に使用される際、「第1の」および「第2の」、ならびに「上部」および「下部」などの関係語は、このようなエンティティまたは要素の間にいずれの物理的または論理的な関係もしくは順序も必ずしも要するまたは暗示することなく、単に、1つのエンティティまたは要素を別のエンティティまたは要素と区別するために使用され得る。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することだけを目的とし、本明細書に説明される概念を限定することを意図するものではない。本明細書において使用される際、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段文脈で明確に示されない限り、複数形も同様に含むことが意図されている。「comprises(備える)」、「comprising(備える)」、「includes(含む)」、および/または「including(含む)」は、本明細書で使用される時、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/もしくはこれらのグループの存在または追加を除外しないことは、さらに理解されるであろう。
【0022】
別段規定されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者に一般的に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語が、本明細書および関連技術の文脈での意味と整合する意味を有すると解釈されるものとし、本明細書で明示的に規定されない限り、理想化した意味または過度に形式的な意味で解釈されるものとしないことは、さらに理解されるであろう。
【0023】
本明細書に説明される実施形態では、「~と通信する」などの結合用語は、例えば、物理的接触、誘導、電磁放射、無線シグナリング、赤外線シグナリング、または光シグナリングによって達成され得る電気またはデータ通信を示すために使用されてよい。複数の構成要素が相互動作可能であり、かつ電気およびデータ通信を実現するための変更および変形が可能であることを、当業者は理解するであろう。
【0024】
「IC」および「ICチップ」という用語が本明細書では区別なく使用されることも留意されたい。
【0025】
同様の参照指示子が同様の要素を指す図面を参照すると、図1は、1つのパネルが送信アンテナパネル10であり、もう1つのパネルが受信アンテナパネル12である2つの2×4のアンテナパネルを示す。それぞれのパネルは、2つの専用の無線IC:パネル10上のTX IC1 14-1およびTX IC2 14-2、ならびにパネル12上のRX IC1 16-1およびRX IC2 16-2を有する。TRX ICにはそれぞれ4つのアンテナ素子がある。従来のシステムでは、パネル10とパネル12との間の距離は大きい可能性があるため、オン周波数全二重モードで動作する時に送信と受信との間の優れたアンテナ分離が示されている。この設定のいくつかの根本的な欠点は上に論じられている。TXIC1によって給電されるそれぞれの送信機がサブアレイに接続可能であることに留意されたい。コンバイナおよびスプリッタは典型的には、信号を分割しかつインピーダンス整合を維持するためにアンテナ基板上で使用される。
【0026】
単一のトランシーバIC(タイルとも称される)を利用するために、本明細書における開示によれば、図2Aに示されるように、2つのアンテナパネルは1つの構造に結合可能である。図2Aは、トランシーバIC20が装着されているパネル18を示す。新しい2×8のパネルにおいて1列ごとが、TXまたはRXのどちらかの専用であり、2つの送信機および2つの受信機を支持する接続済みのTRX ICは同一であり得る。アンテナ素子間の通常の区分はキャリア波長を半分にする場合があるが、サイドローブの要件および物理的制約に応じて変化し得る。例えば、より高い周波数(より小さい波長)において、トランシーバ(TRX)をそれぞれのアンテナの背後に設置することは実行不可能である場合がある。トランシーバの送信回路および受信回路をアンテナにどのように接続するかは当業者によって既知であるため、本開示の範囲外である。このような場合、疑似アンテナをアレイに設置することが有用であり得る。これは望ましくないより高いサイドローブを生じさせ得る。図2Aにおけるはっきりとした矢印によって示されるように、自己干渉を引き起こす、TXからRXまでの2つの隣接IC干渉経路が存在する。これによって、オンチップのアナログキャンセレーションを使用して抑制することが困難である場合があり、TXと近くのRXとの間が短距離であるとすると、干渉レベルは深刻である可能性がある。図1に示されるように、いくつかの実施形態では、TXのラベルが付けられたそれぞれの要素が送信機のサブアレイを含んでよく、RXのラベルが付けられたそれぞれの要素が受信機のサブアレイを含んでよいことに留意されたい。
【0027】
図2Bに示されるようないくつかの実施形態がある。図2Bは、トランシーバIC24、26を有するパネル22を示す。1つのトランシーバ(TRX)IC24(またはこの接続されたアンテナ)ごとに、隣接するTRX IC26に対しておよそまたは厳密に180度で回転する(または水平に反転するもしくは左右反対になる)。換言すれば、およそ180度は、厳密に180度または実質的に180度であり得る。例えば、TRX IC24は、いくつかの実施形態では、175~185度の範囲における角度で回転し得る。いくつかの実施形態では、TRX IC24は170~190度の範囲における角度で回転し得る。いくつかの実施形態では、TRX IC24は178~182度の範囲における角度で回転し得る。換言すれば、TRX IC24はTRX IC26の向きに対して回転し得る。この動作は、フットプリント全体を変更することはなく、アンテナパネルは依然2×8である。しかしながら、隣接ICの干渉は、従来の解決策と比較すると減衰される。図2Bは、最も近くの隣接するアグレッサ(A1、A2、A3、A4)の数が図2Aに示される元のアンテナインターリーブレイアウトと比較すると2倍であることを示す。しかしながら、同時に、被害を受けるRXまでの距離も2倍になっている。近接場電力が距離の4乗以上を1で割ったものでロールオフするため、被害を受けるRXに達するTXアグレッサ電力は、より多くのTXアグレッサがあっても大幅に低減することになる。
【0028】
本明細書に開示される設定の利点には、他の配置と比較して、より優れた受信機の感度、(現時点では遠く離れている)近くの送信機からの送信によって引き起こされる受信機における干渉の低下、設計および製造の容易さ、およびスケーラビリティが含まれる。
【0029】
アグレッサ電力はおおよそ3dB増大するのに対し、パス・ロスは6dB増大し、ロールオフすると2乗距離に反比例する。よって、図2Aの元のインターリーブレイアウトと比較した3dBの低減が、図2Bのレイアウトによって実現される。アンテナパネル22が、異なる形状、例えば、8×2を有し得、依然回転したレイアウトからの利益を得ることができることは留意されるべきである。
【0030】
アンテナパネルが、より大きいアレイ構造を形成するために、例えば、アンテナ指向性を増大させるために組み合わせられる時、干渉低減効果は依然存在する。図3Aおよび図3Bに一例が示されている。図3Aのレイアウトにおいて、隣接パネル38および40上の4つの近くの隣接ICアグレッサが識別可能である。しかしながら、図3Bに示される配置を適用する時、パネル42、44のTRX IC24は、パネル42、44のTRX IC26に対して、反転する、回転する、または左右対称になる。近くの隣接ICアグレッサの数は、図3Bに示されるように1に低減される。これは、図3Aのレイアウトと比較して、75%の電力低減、すなわち、-6dBに相当する。TRX ICが、GaAs、InP、GaN、Si、SiGe、またはこれらの任意の組み合わせなど、いくつかの半導体製造技術のうちのいずれか1つを使用して設計可能であることに留意されたい。また、ICをアンテナに接続するための多くのやり方がある。1つの方法では、アンテナは、最上の金属層を使用してIC上で統合される。これによってアンテナ性能が劣る場合がある。別の手法として、通常は「アンテナインパッケージ」解決策と呼ばれる、ICパッケージにおけるアンテナを設計することがある。別の手法として、大型のアンテナ印刷回路基板(PCB)を作製し、その上に、むき出しのICダイを直接装着することがある。これを行うための1つのやり方は、ICをパッケージ化し、次いで、アンテナ基板上にICを装着することである。2つの隣接パネル42、44に対して本明細書に開示される原理が、任意の数の隣接パネルに容易に拡張されることに留意されたい。また、2つの隣接するTRX IC24、26に対して本明細書に開示される原理は、任意の数の隣接トランシーバICに容易に拡張される。
【0031】
知られているように、印刷回路基板は、片側または両側に銅導体層を有する誘電材料で作られている。誘電体は、改善された電気的および機械的安定性のために、ガラス、セラミック、または他の充填材を組み入れてよい。アンテナは、積層板の片側もしくは両側に、または積層材料の複数の層を使用することによって形成可能である。複数の側が使用される時、導体層は、絶縁層におけるめっきスルーホール(PTH)によって電気的に接続されてよい。
【0032】
1つの無線IC(またはこのアンテナ)ごとに回転させることによって得られるアンテナレイアウトは、均一に間隔があけられたアンテナ素子レイアウトと比較して異なるアンテナパターンを生成する。図2Aのように、1つおきの列でRXとTXとで交互に入れ替える時、TX(またはRX)の素子間の垂直方向の間隔は一様になる。提案されたレイアウトでは、図2Bに見られるように、間隔は一様ではない。しかしながら、総アレイサイズは同様であるため、指向性は、どちらの場合も、パネルサイズに対する最大開口に対して、すなわち、全ての素子をRXまたはTXのいずれかに接続する時、-3dB低減される。ビームステアリング制御(すなわち、アンテナ素子間の時間遅延または位相シフト)は2つのレイアウトで異なっているものとする(図2A図2B)が、原理的には、同じメインローブ性能が実現可能である。さらなる分離が、送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間の偏波を変更することによって実現可能であることも留意されたい。TXアンテナ素子とRXアンテナ素子と(または形成されたサブアレイ)の間の偏波を変更することによって、これらの間の信号、歪み、および雑音結合は変更されることになる。これは、TXとRXとの間の全体的に必要とされる系統遮断を履行するために、TXとRXとの間の必要とされる電気的遮断および電気的キャンセレーションの性能に影響を与える。
【0033】
動作中に、ここで説明されるアンテナレイアウトは、非限定的な例として、規格の第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)に準拠している無線通信システムなどのセルラ無線通信システムにおいて使用可能であると考えられる。このような規格は、Long Term Evolution(LTE)および新無線(NR)(5Gとしても既知である)を含み得るが、これらに限定されない。さらに、本明細書に説明されるTRX ICのレイアウトは、gNB、eNBなど、3GPPネットワークノード、例えば、基地局に関連して使用可能であると考えられる。このような基地局は、複数の無線デバイスとの無線通信を可能にする通信機器を有する。このような通信は、アンテナを介したRFチャネルにおける無線によるものである。通信機器のアンテナは、本明細書に説明されるトランシーバICに接続されてよい。しかしながら、実装形態は3GPPベースネットワークに限定されない。さらに、送信経路および受信経路におけるさらなる構成要素、例えば、電力増幅器、フィルタなどは、理解を容易にするために示されていない。
【0034】
図4は、オン周波数全二重方式における送受信間漏れを軽減するためにアンテナ素子をグループ化するための例示のプロセスのフローチャートである。プロセスは、送信集積回路(IC)列および受信IC列をICチップ上に配置すること(ブロックS10)を含む。プロセスは、1つのICチップ上の受信回路列が隣接ICチップ上の受信回路列に隣接するように、複数のICチップをパネル上に配置すること(ブロックS12)をさらに含む。
【0035】
図5は、印刷回路基板上にTRX ICを配置するための例示のプロセスのフローチャートである。プロセスは、第1のTRX ICを印刷回路基板上に設置すること(ブロックS14)と、第1のトランシーバIC上の第1の送信回路列が第2のトランシーバIC上の第2の送信回路列に隣接するように、印刷回路基板上に第2のトランシーバICを設置すること(ブロックS16)とを含む。
【0036】
よって、いくつかの実施形態において、オン周波数全二重方式におけるTx-Rx間の漏れを軽減するためにアンテナアレイ素子をグループ化する方法が提供される。いくつかの実施形態では、最も強力な望ましくない結合によるRxおよびTxアンテナは全て、同じトランシーバ(TRX)ICによって給電され、アナログキャンセレーション方法は、望ましくない漏れを補償するために容易に適用可能である。異なるTRX ICによって給電される受信(Rx)および送信(Tx)アンテナ素子は、いくつかの実施形態では、互いから遠く離れるように移動させるため、分離が大きくなり、トランシーバICの間のアナログキャンセレーションループを必要としなくなる。
【0037】
隣接するTRX IC24、25、26、27を配向するための本明細書に開示される設定は、従来の配向されるトランシーバICのビームパターンと異なるビームパターンをもたらし得ることに留意されたい。これは、送信回路列28、34の間の間隔が本明細書に開示される設定において一様ではないのに対し、送信回路列の間の間隔が一様であるからである。しかしながら、どちらの場合も総アレイサイズが同様であることで、対応する指向性が、そのパネルサイズを前提として、最大開口に対して、すなわち、全ての素子をRXまたはTXのどちらかに接続する時に-3dB低減する。ビームステアリング制御(すなわち、アンテナ素子間の時間遅延または位相シフト)は2つのレイアウトで異なっているものとするが、原理的には、同じメインローブ性能が実現可能である。
【0038】
述べられるように、送信回路の一様ではない間隔があるため、一様な間隔で生成されたビームパターンと比較して異なるビームパターンが生じ得る。とりわけ、特に大きなステアリング角に対して過剰なサイドローブが生じ得る。小さなステアリング角について、一様ではない間隔から生じるビームと一様な間隔から生じるビームとの間のわずかな差のみが予想され得る。また、ビームの方位角カットとビームの仰角カットとの間に変動がある場合がある。例えば、素子およびサブアレイの設置が垂直配向性を有する、図2Bまたは図3Bの幾何学的配列について、ビーム方位角は、一様ではない間隔によってほとんど影響されないのに対し、ビーム仰角は、かなりの追加のサイドローブ、またはより顕著であるサイドローブを有する場合がある。
【0039】
一様ではない間隔により、ビームが、照準から、例えば、-10~-30度それる時、ビーム利得の低減は2~3dB程度増大し得る。この利得の低減は、基地局とビームが操縦される無線デバイスとの間のより短い距離から生じるパス・ロスの低減によってオフセットされ得る。セルの境界上の無線デバイスについて、最大利得は、セルの境界上の基地局と無線デバイスとの間の増大したパス・ロスを補償し得る。本明細書に開示される設定がトランシーバIC間のアナログキャンセレーションループの必要性を排除し得ることに留意されたい。
【0040】
1つの態様によれば、複数のアンテナ素子を有するオン周波数全二重方式における送受信間漏れを軽減する通信装置が提供される。通信装置は、トランシーバ集積回路(IC)24および26を有するパネル42を含む。パネル42は、複数のトランシーバ集積回路(IC)24および26を含み、それぞれのトランシーバIC24、26は送信回路列28、34および受信回路列30、32を有し、トランシーバIC24および26は、1つのトランシーバIC24上の受信回路列30が隣接トランシーバIC26上の受信回路列32に隣接するように配置される。
【0041】
この態様によれば、いくつかの実施形態では、通信装置は複数のパネル42、44をさらに備え、複数のパネル42、44は、第1のパネル42上のトランシーバIC24上の受信回路列30が第2のパネル44上のトランシーバIC25上の受信回路列30と整列するように並べて配置される。いくつかの実施形態では、パネル42上の複数のトランシーバIC24、26は、1つのパネル42上の受信回路列30が隣接パネル44上の受信回路列30と同じ列になるように、1つのトランシーバIC24、26ごとに回転させることによって配置される。いくつかの実施形態では、回転はおよそ180度である。いくつかの実施形態では、隣接トランシーバIC24、26間の距離は、複数のアンテナ素子の動作周波数における波長を下回る。いくつかの実施形態では、複数のパネル42、44は、第1のパネル42上のトランシーバIC24上の受信回路列30が第2のパネル44上のトランシーバIC25上の受信回路列30と整列するように並べて配置される。いくつかの実施形態では、隣接パネル42および44の間の距離は、複数のアンテナ素子の動作周波数における波長を下回る。
【0042】
さらに別の態様によれば、複数のアンテナ素子を有するオン周波数全二重方式における送受信間漏れを軽減するようにトランシーバ集積回路(IC)24、26を配置するための方法が提供される。方法は、送信回路列28および受信回路列30をトランシーバIC24上に配置することと、1つのトランシーバIC24上の受信回路列30が隣接トランシーバIC26上の受信回路列32に隣接するように複数のトランシーバIC24、26を第1のパネル42上に配置することとを含む。
【0043】
この態様によれば、いくつかの実施形態では、方法は、第1のパネル42上のトランシーバIC24上の受信回路列30が第2のパネル44上のトランシーバIC25上の受信回路列30と整列するように、複数のパネル42、44を並べて配置することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、複数のパネル42、44を配置することと、第1のパネル42上の受信回路列30が複数のパネルの隣接パネル44上の受信回路列30と同じ列になるように1つのトランシーバIC24ごとに回転させることによって、複数のトランシーバIC24、26を第1のパネル42上に配置することとをさらに含む。いくつかの実施形態では、回転はおよそ180度である。いくつかの実施形態では、方法は、第1のパネル42上のトランシーバIC24上の受信回路列30が第2のパネル44上のトランシーバIC25の受信回路列と整列するように、複数のパネル42、44を並べて配置することをさらに含む。いくつかの実施形態では、隣接パネル42、44の間の距離は、複数のアンテナ素子の動作周波数における波長を下回る。
【0044】
別の態様によれば、トランシーバ集積回路(IC)24、26のアレイは、アンテナ素子のアレイと通信するように設定され、それぞれのトランシーバIC24、26は受信回路列30および送信回路列28を有し、トランシーバIC24、26のアレイにおけるトランシーバIC24、26は、1つのトランシーバIC24上の受信回路列30が隣接トランシーバIC26上の受信回路列30に隣接するように配置される。
【0045】
この態様によれば、いくつかの実施形態では、2つの隣接トランシーバIC24、26は、1つのトランシーバIC24上の受信回路列30が、他の隣接トランシーバIC26上の受信回路列よりも、他の隣接トランシーバIC26上の送信回路列34に対して遠くなるように配置される。いくつかの実施形態では、トランシーバIC24、25は、1つのパネル42上の受信回路列30が隣接パネル44上の受信回路列30と同じ列になるようにパネル42、44に配置される。いくつかの実施形態では、隣接トランシーバIC24および26の間の距離は、隣接トランシーバIC24、26のうちの1つと通信している少なくとも1つのアンテナの動作周波数における波長を下回る。いくつかの実施形態では、第1のトランシーバIC24は、第1のトランシーバIC24に隣接する第2のトランシーバIC26の向きに対して回転する。
【0046】
さらに別の態様によれば、トランシーバ集積回路(IC)24のパネル42は、それぞれのトランシーバIC24が送信回路列28および受信回路列30を有するように設定され、パネル42上のトランシーバICの複数の列における1つのトランシーバIC24ごとに、パネル上の隣接トランシーバIC26に対して回転させる。
【0047】
この態様によれば、いくつかの実施形態では、パネル42上の任意の2つの隣接トランシーバIC24、26は、1つのトランシーバIC24上の受信回路列30が、他の隣接トランシーバIC26上の受信回路列32よりも、他の隣接トランシーバIC26上の送信回路列34に対して遠くなるように配置される。
【0048】
別の態様によれば、複数のアンテナ素子と通信するためにトランシーバ集積回路(IC)24のパネルを製造する方法が提供される。方法は、印刷回路基板上に第1のトランシーバIC24を設置することと、第1のトランシーバIC24上の第1の受信回路列が第2のトランシーバIC26上の第2の受信回路列に隣接するように、印刷回路基板上に第2のトランシーバIC26を設置することとを含む。
【0049】
この態様によれば、いくつかの実施形態では、第2のトランシーバIC26は、第2のトランシーバIC26が第1のトランシーバIC24の向きに対して回転するように設置される。いくつかの実施形態では、第2のトランシーバIC26は、178~182度の範囲における角度で回転する。いくつかの実施形態では、第2のトランシーバIC26は、170~190度の範囲における角度で回転する。いくつかの実施形態では、第2のトランシーバIC26は180度で回転する。いくつかの実施形態では、第1のトランシーバIC24と第2のトランシーバIC26との間の距離は、複数のアンテナ素子の動作周波数における波長を下回って離れるように位置付けられる。
【0050】
1つの態様によれば、オン周波数全二重方式における送受信間漏れを軽減するためにアンテナ素子をグループ化するための方法が提供される。方法は、送信集積回路(IC)列28および受信回路列30をICチップ24上に配置することを含む。方法は、1つのICチップ24上の受信回路列30が隣接ICチップ26上の受信回路列32に隣接するように、複数のICチップ24をパネル42上に配置することも含む。
【0051】
この態様によれば、いくつかの実施形態では、方法は、複数のパネル42、44を並べて配置することをさらに含む。いくつかの実施形態では、隣接ICチップ24、26間の距離はアンテナ素子のグループの動作周波数における波長を下回り、隣接パネル42、44間の距離は該波長を下回る。いくつかの実施形態では、ICチップ24、26は、ICチップが接続されるアンテナパネル42、44の面積よりもずっと小さくなる場合がある。このような場合、ICチップ24、26は動作周波数における波長を上回って分離され得ると考えられる。
【0052】
別の態様によれば、送信/受信集積回路(IC)チップ24、25、26、27のアレイは、アンテナのグループに給電するように配置される。それぞれのICチップは、受信回路列30、32および送信回路列28、34を有する。アレイにおけるICチップは、1つのICチップ24上の受信回路列30が隣接ICチップ26上の受信回路列32に隣接するように配置される。
【0053】
この態様によれば、いくつかの実施形態では、ICチップは、アンテナのグループの動作周波数における波長を下回る間隔があけられるようにパネル42、44に配置される。いくつかの実施形態では、1つのパネル42における受信回路列30は、隣接パネル44における受信回路列30と同じ列になる。
【0054】
いくつかの実施形態には以下が含まれる。
【0055】
実施形態A1.オン周波数全二重方式における送受信間漏れを軽減するためにアンテナ素子をグループ化するための方法であって、
送信集積回路(IC)列および受信IC列をICチップ上に配置することと、
1つのICチップ上の受信回路列が隣接ICチップ上の受信回路列に隣接するように、複数のICチップをパネル上に配置することとを含む、方法。
【0056】
実施形態A2.複数のパネルを並べて配置することをさらに含む、実施形態A1の方法。
【0057】
実施形態A3.隣接ICチップ間の距離はアンテナ素子のグループの動作周波数における波長を下回り、隣接パネル間の距離は該波長を下回る、実施形態A2の方法。
【0058】
実施形態B1.アンテナのグループに給電するように配置される、送信/受信集積回路(IC)チップのアレイであって、それぞれのICチップは受信回路列および送信回路列を有し、アレイにおけるICチップは1つのICチップ上の受信回路列が隣接ICチップ上の受信回路列に隣接するように配置される、送信/受信集積回路(IC)チップのアレイ。
【0059】
実施形態B2.ICチップは、アンテナのグループの動作周波数における波長を下回る間隔があけられるようにパネルに配置される、実施形態B1のアレイ。
【0060】
実施形態B3.1つのパネルにおける受信回路列は、隣接パネルにおける受信回路列と同じ列になる、実施形態B2のアレイ。
【0061】
略語 説明
IC 集積回路
RX 受信/受信機
TX 送信/送信機
TRX トランシーバ
【0062】
本実施形態が、とりわけ、本明細書において上記に示されかつ説明されているものに限定されないことは、当業者には理解されるであろう。さらに、上記に矛盾する言及がない限り、添付の図面の全てが一定尺度ではないことは留意されるべきである。以下の特許請求の範囲から逸脱することなく上記の教示を考慮してさまざまな変更および変形が可能である。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5