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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】センサ装置
(51)【国際特許分類】
   G01H 3/00 20060101AFI20240701BHJP
   H04R 23/00 20060101ALI20240701BHJP
   G01H 17/00 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
G01H3/00 Z
H04R23/00 320
G01H17/00 C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022559379
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 CN2021106947
(87)【国際公開番号】W WO2023283966
(87)【国際公開日】2023-01-19
【審査請求日】2022-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】521080118
【氏名又は名称】シェンツェン・ショックス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 文俊
(72)【発明者】
【氏名】袁 永▲帥▼
(72)【発明者】
【氏名】周 文兵
(72)【発明者】
【氏名】黄 雨佳
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-150072(JP,A)
【文献】特開2016-102731(JP,A)
【文献】特開2008-301430(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112637736(CN,A)
【文献】中国実用新案第211930871(CN,U)
【文献】特開平07-244168(JP,A)
【文献】特開2019-002905(JP,A)
【文献】特開2016-181841(JP,A)
【文献】特開2016-004016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01H 1/00-17/00
G01L 7/00-23/32
27/00-27/02
H04R11/00-11/06
11/14-15/02
19/00-19/04
21/00-21/02
23/00-23/02
31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性部品と、
センサキャビティの第1の側壁が前記弾性部品によって構成されるセンサキャビティと、
エネルギー変換部品であって、センサ信号を取得しかつ電気信号に変換するために用い、前記エネルギー変換部品は前記センサキャビティに連通し、前記弾性部品は、外部信号に応答して振動し、又は、弾性的に変形し、前記弾性部品の振動又は変形は、前記センサキャビティの体積を変化させ、前記センサキャビティ内の空気圧は変化して前記センサ信号を生成するようになる、エネルギー変換部品とを含み、
前記弾性部品の前記センサキャビティを向く側に突起構造が設置され、前記弾性部品は、前記外部信号に応答して前記突起構造を移動させ、前記突起構造の移動は、前記センサキャビティの体積を変化させる、センサ装置。
【請求項2】
前記突起構造は、前記センサキャビティの第2の側壁に当接し、前記第2の側壁は、前記第1の側壁に対向する、請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記突起構造は、弾性を有し、前記突起構造が移動するとき、前記突起構造は、弾性変形を生成し、前記弾性変形は、前記センサキャビティの体積を減少するように変化させる、請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記突起構造は、前記弾性部品の表面の少なくとも一部にアレイ状に設置される、請求項1~3のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記突起構造の形状は、ピラミッド形状、半球状及びストライプ状のうちの少なくとも1種である、請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項6】
隣接する突起構造の間の間隔は、1μm~2000μm又は10μm~500μmである、請求項1~5のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記突起構造の高さは、1μm~1000μm又は10μm~300μmである、請求項1~6のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記弾性部品は、弾性薄膜及び弾性微細構造層を含み、前記突起構造は、前記弾性微細構造層上に設置される、請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記突起構造の高さと前記センサキャビティの高さとの差は、10%以内である、請求項8に記載のセンサ装置。
【請求項10】
前記エネルギー変換部品は、音響トランスデューサである、請求項に記載のセンサ装置。
【請求項11】
前記弾性部品は、前記音響トランスデューサの上方に設置され、かつ前記弾性部品と前記音響トランスデューサとの間に前記センサキャビティが形成される、請求項10に記載のセンサ装置。
【請求項12】
弾性部品と、
センサキャビティの第1の側壁が前記弾性部品によって構成される第1のセンサキャビティとを含み、
前記弾性部品の前記第1のセンサキャビティを向く側に突起構造が設置され、前記弾性部品は、外部信号に応答して前記突起構造を移動させ、前記突起構造の移動は、前記第1のセンサキャビティの体積を変化させ、
前記弾性部品に対向して配置されて密閉センサキャビティを形成し、前記密閉センサキャビティの体積変化を電気信号に変換するトランスデューサと貼り合わせるように構成される、センサ素子。
【請求項13】
弾性部品と、
センサキャビティの第1の側壁が前記弾性部品によって構成されるセンサキャビティと、
エネルギー変換部品と、を含み、
前記弾性部品の前記センサキャビティを向く側の表面に突起構造が設置され、前記突起構造のヤング率は、100kPa~1MPaであり、前記弾性部品は、外部信号に応答して前記突起構造の移動及び変形のうちの少なくとも1種を引き起こし、前記突起構造の移動及び変形のうちの少なくとも1種は、前記センサキャビティの体積を変化させる、センサ素子であって、
前記センサ素子は、
前記弾性部品の他側の表面に設置され、前記弾性部品と共に外部信号に応答して振動を生成する質量ユニットと、
前記弾性部品、前記質量ユニット、前記センサキャビティ及び前記エネルギー変換部品を収容するハウジングとをさらに含む、センサ素子
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、センサの分野に関し、特に薄膜に突起構造が設置されたセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
センサ装置は、一般的な検出装置の1つであり、その内部のエネルギー変換部品により、収集されたセンサ信号を電気信号又は所望の形式を有する他の所望の情報に変換して出力する。感度は、センサ装置の出力信号の強度と入力信号の強度との比率を表すことができ、感度が小さすぎると、ユーザの使用体験に影響を与える。センサ装置が動作するとき、センサ装置の感度は、センサ装置におけるセンサキャビティの体積及び体積変化量に関連する。
【0003】
本願は、信頼性を向上させるだけでなく、センサ装置の感度を効果的に向上させることができるセンサ装置を提供する。
【発明の概要】
【0004】
センサ装置は、弾性部品と、センサキャビティの第1の側壁が前記弾性部品によって構成されるセンサキャビティと、エネルギー変換部品であって、センサ信号を取得しかつ電気信号に変換するために用い、前記エネルギー変換部品は前記センサキャビティに連通し、前記センサ信号は前記センサキャビティの体積変化に関連するエネルギー変換部品とを含み、前記弾性部品の前記センサキャビティを向く側に突起構造が設置され、前記弾性部品は、外部信号に応答して前記突起構造を移動させ、前記突起構造の移動は、前記センサキャビティの体積を変化させる。
【0005】
いくつかの実施例において、前記突起構造は、前記センサキャビティの第2の側壁に当接し、前記第2の側壁は、前記第1の側壁に対向する。
【0006】
いくつかの実施例において、前記突起構造は、弾性を有し、前記突起構造が移動するとき、前記突起構造は、弾性変形を生成し、前記弾性変形は、前記センサキャビティの体積を減少するように変化させる。
【0007】
いくつかの実施例において、前記突起構造は、前記弾性部品の表面の少なくとも一部にアレイ状に設置される。
【0008】
いくつかの実施例において、前記突起構造の形状は、ピラミッド形状、半球状及びストライプ状のうちの少なくとも1種である。
【0009】
いくつかの実施例において、隣接する突起構造の間の間隔は、1μm~2000μmである。
【0010】
いくつかの実施例において、隣接する突起構造の間の間隔は、10μm~500μmである。
【0011】
いくつかの実施例において、前記突起構造の高さは、1μm~1000μmである。
【0012】
いくつかの実施例において、前記突起構造の高さは、10μm~300μmである。
【0013】
いくつかの実施例において、前記弾性部品は、弾性薄膜及び弾性微細構造層を含み、前記突起構造は、前記弾性微細構造層上に設置される。
【0014】
いくつかの実施例において、前記弾性微細構造層と前記弾性薄膜とは、同じ材料で製造される。
【0015】
いくつかの実施例において、前記弾性微細構造層と前記弾性薄膜とは、異なる材料で製造される。
【0016】
いくつかの実施例において、前記弾性薄膜の厚さは、0.1μm~500μmである。
【0017】
いくつかの実施例において、前記弾性薄膜の厚さは、1μm~200μmである。
【0018】
いくつかの実施例において、前記突起構造の高さと前記センサキャビティの高さとの差は、10%以内である。
【0019】
いくつかの実施例において、前記センサ装置は、前記弾性部品の他側の表面に設置され、前記弾性部品と共に外部信号に応答して振動を生成する質量ユニットと、前記弾性部品、前記質量ユニット、前記センサキャビティ及び前記エネルギー変換部品を収容するハウジングとをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施例において、前記エネルギー変換部品は、音響トランスデューサである。
【0021】
いくつかの実施例において、前記弾性部品は、前記音響トランスデューサの上方に設置され、かつ前記弾性部品と前記音響トランスデューサとの間に前記センサキャビティが形成される。
【0022】
いくつかの実施例において、前記弾性部品の外縁は、密封部品により前記音響トランスデューサに固定接続され、前記弾性部品、前記密封部品及び前記音響トランスデューサは、共に前記センサキャビティを形成する。
【0023】
いくつかの実施例において、前記弾性部品の外縁は、前記ハウジングに固定接続され、前記弾性部品、前記ハウジング及び前記音響トランスデューサは、共に前記センサキャビティを形成する。
【0024】
いくつかの実施例において、前記質量ユニットの厚さは、1μm~1000μmである。
【0025】
いくつかの実施例において、前記質量ユニットの厚さは、50μm~500μmである。
【0026】
いくつかの実施例において、前記質量ユニットと前記弾性部品とで形成された共振システムの共振周波数は、1500Hz~6000Hzである。
【0027】
いくつかの実施例において、前記質量ユニットと前記弾性部品とで形成された共振システムの共振周波数は、1500Hz~3000Hzである。
【0028】
いくつかの実施例において、前記センサ装置は、前記質量ユニットの両側に前記弾性部品と対称的に設置され、前記ハウジングに固定接続される別の弾性部品をさらに含む。
【0029】
センサ素子は、弾性部品と、センサキャビティの第1の側壁が前記弾性部品によって構成される第1のセンサキャビティとを含み、前記弾性部品の前記第1のセンサキャビティを向く側に突起構造が設置され、前記弾性部品は、外部信号に応答して前記突起構造を移動させ、前記突起構造の移動は、前記第1のセンサキャビティの体積を変化させる。
【0030】
いくつかの実施例において、前記センサ素子は、前記弾性部品に対向して配置されて密閉センサキャビティを形成し、前記密閉センサキャビティの体積変化を電気信号に変換するトランスデューサと貼り合わせるように構成される。
【0031】
振動センサ装置は、振動膜を含む弾性振動部品と、前記弾性振動膜との間に音響キャビティを形成し、前記音響キャビティの体積変化に関連するセンサ信号を取得し、かつ電気信号に変換する音響トランスデューサとを含み、前記振動膜の前記音響キャビティを向く側に突起構造が設置され、前記弾性振動部品は、外部信号に応答して前記突起構造を移動させ、前記突起構造の移動は、前記音響キャビティの体積を変化させる。
【0032】
センサ素子は、弾性部品と、センサキャビティの第1の側壁が前記弾性部品によって構成されるセンサキャビティとを含み、前記弾性部品の前記センサキャビティを向く側の表面に弾性突起構造が設置され、前記弾性突起構造のヤング率は、100kPa~1MPaであり、前記弾性部品は、外部信号に応答して前記突起構造の移動及び変形のうちの少なくとも1種を引き起こし、前記突起構造の移動及び変形のうちの少なくとも1種は、前記センサキャビティの体積を変化させる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本願は、例示的な実施例の方式でさらに説明し、これらの例示的な実施例を図面により詳細に説明する。これらの実施例は、限定的なものではなく、これらの実施例において、同じ番号は同様の構造を表す。
【0034】
図1】本願のいくつかの実施例に係るセンサ装置の構造ブロック図である。
図2】本願のいくつかの実施例に係るセンサ装置の概略図である。
図3】本願のいくつかの実施例に係る突起構造がセンサキャビティの第2の側壁に当接する断面概略図である。
図4】本願のいくつかの実施例に係る突起構造の構造概略図である。
図5】本願の他のいくつかの実施例に係る突起構造の構造概略図である。
図6】本願のさらなる実施例に係る突起構造の構造概略図である。
図7】本願の他のいくつかの実施例に係るセンサ装置の概略図である。
図8】本願のいくつかの実施例に係るセンサ装置の概略図である。
図9】本願のいくつかの実施例に係るセンサ装置の概略図である。
図10】本願のいくつかの実施例に係るセンサ素子がハウジングに接続される概略図である。
図11】本願のいくつかの実施例に係る弾性部品と質量ユニットとで構成されたシステムの簡略化された力学モデルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本願の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本願の例又は実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本願を他の類似するシナリオに応用することができる。これらの例示的な実施例は、当業者が本発明をよりよく理解して実施することを可能にするためのものに過ぎず、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものではないことが理解されたい。言語環境から明らかではないか又は明記しない限り、図面において同じ符号は同じ構造又は操作を表す。
【0036】
本願及び特許請求の範囲に示すように、文脈を通して明確に別段の指示をしない限り、「1つ」、「1個」、「1種」及び/又は「該」などの用語は、特に単数形を意味するものではなく、複数形を含んでもよい。一般的に、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素を含むことを提示するものに過ぎず、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は設備は、また他のステップ又は要素を含む可能性がある。用語「基づく」とは、「少なくとも部分的に基づく」ことである。用語「1つの実施例」は、「少なくとも1つの実施例」を表す。用語「他の実施例」は、「少なくとも1つの他の実施例」を表す。その他の用語の関連定義については後述する。
【0037】
本願のいくつかの実施例は、センサ装置に関する。上記センサ装置は、弾性部品、センサキャビティ及びエネルギー変換部品を含んでもよい。上記弾性部品は、上記センサキャビティの第1の側壁を構成する。上記エネルギー変換部品は、上記センサキャビティに連通し、上記センサキャビティの体積変化に関連するセンサ信号を取得し、かつ電気信号に変換するために用いられる。上記センサ装置の感度は、センサキャビティの体積の減少に伴って向上し、体積変化量の増加に伴って向上する。弾性部品のセンサキャビティに向う側に突起構造が設置される。突起構造は、センサキャビティの体積を減少させることにより、センサ装置の感度を向上させることができる。いくつかの実施例において、突起構造は、センサキャビティの第2の側壁に当接するように構成されてもよく、センサ装置が動作状態にあるとき、弾性部品は、突起構造を駆動して振動させ、かつセンサキャビティの第2の側壁に押し付けることにより、弾性変形を生成する。突起構造が弾性変形するとき、センサキャビティの体積変化量を増加させることにより、センサ装置の感度を向上させることができる。また、突起構造の存在により、弾性部品とセンサキャビティの第2の側壁との接触面積を効果的に減少させることができるため、センサキャビティを構成する第2の側壁との粘着を防止し、センサ装置の安定性及び信頼性を効果的に向上させることができる。
【0038】
図1は、本願のいくつかの実施例に係るセンサ装置の概略図である。センサ装置10は、外部信号を収集し、かつ外部信号に基づいて所望の信号(例えば、電気信号)を生成することができる。上記外部信号は、機械的振動信号、音響信号、光信号、電気信号などを含んでもよい。センサ装置10のタイプは、圧力センサ装置、振動センサ装置、触覚センサ装置などを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、センサ装置10は、モバイル装置、ウェアラブル装置、仮想現実装置、拡張現実装置など、又はそれらの任意の組み合わせに応用されてもよい。いくつかの実施例において、モバイル装置は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ゲーム装置、ナビゲーション装置など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、ウェアラブル装置は、スマートブレスレット、イヤホン、補聴器、スマートヘルメット、スマートウォッチ、スマート衣類、スマートバックパック、スマートアクセサリなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、仮想現実装置及び/又は拡張現実装置は、仮想現実ヘルメット、仮想現実メガネ、仮想現実パッチ、拡張現実ヘルメット、拡張現実メガネ、拡張現実パッチなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、仮想現実装置及び/又は拡張現実装置は、Google Glass、Oculus Rift、Hololens、Gear VRなどを含んでもよい。
【0039】
図1に示すように、センサ装置10は、弾性部品20、エネルギー変換部品30、ハウジング40及びセンサキャビティ50を含んでもよい。ハウジング40の内部は、センサ装置10の少なくとも1つの部品を収容する収容空間を有してもよい。例えば、ハウジング40は、弾性部品20及び他の部品(例えば、図2に示す質量ユニット260、密封ユニット270)を収容してもよい。いくつかの実施例において、ハウジング40は、センサ装置10の他の部品(例えば、弾性部品20、エネルギー変換部品30など)に接続されて上記収容空間を形成してもよい。例えば、図2に示す実施例において、ハウジング240は、エネルギー変換部品230に接続されて上記収容空間241を形成してもよい。
【0040】
いくつかの実施例において、ハウジング40は、異なる形状に設定されてもよい。例えば、ハウジング40は、立方体、直方体、略直方体(例えば、直方体の8つの角を円弧に置き換える構造)、楕円体、球体又は他の任意の形状に設定されてもよい。
【0041】
いくつかの実施例において、ハウジング40は、センサ装置10及びその内部素子(例えば、弾性部品20)を保護するために、一定の硬度又は強度を有する材料で製造されてもよい。いくつかの実施例において、ハウジング40を製造する材料は、PCB基板(例えばFR-1紙フェノール基板、FR-2紙フェノール基板、FR-3紙エポキシ基板、FR-4エポキシガラスクロスボード、CEM-1エポキシガラスクロス-紙複合ボード、CEM-3エポキシガラスクロス-ガラスボードなど)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(Acrylonitrile butadiene styrene、 ABS)、ポリスチレン(Polystyrene、PS)、耐衝撃性ポリスチレン(High impact polystyrene、HIPS)、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PET)、ポリエステル(Polyester、PES)、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリアミド(Polyamides、PA)、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl chloride、PVC)、ポリウレタン(Polyurethanes、PU)、ポリ塩化ビニリデン(Polyvinylidene chloride)、ポリエチレン(Polyethylene、PE)、ポリメチルメタクリレート(Polymethyl methacrylate、PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(Poly-ether-ether-ketone、PEEK)、フェノール樹脂(Phenolics、PF)、尿素ホルムアルデヒド樹脂(Urea-formaldehyde、UF)、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂(Melamine formaldehyde、MF)、及びいくつかの金属、合金(例えばアルミニウム合金、クロムモリブデン鋼、スカンジウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、マグネシウムリチウム合金、ニッケル合金など)、ガラス繊維もしくは炭素繊維のうちの任意の材料、又は上記任意の材料の組み合わせを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、ハウジング40を製造する材料は、ガラス繊維及び炭素繊維とポリカーボネート(Polycarbonate、PC)及びポリアミド(Polyamides、PA)などの材料との任意の組み合わせである。いくつかの実施例において、ハウジング40を製造する材料は、炭素繊維及びポリカーボネート(Polycarbonate、PC)を一定の比率で混合して製造されてもよい。いくつかの実施例において、ハウジング40を製造する材料は、炭素繊維、ガラス繊維及びポリカーボネート(Polycarbonate、PC)を一定の比率で混合して製造されてもよい。いくつかの実施例において、ハウジング40を製造する材料は、ガラス繊維及びポリカーボネート(Polycarbonate、PC)を一定の比率で混合して製造されてもよく、ガラス繊維及びポリアミド(Polyamides、PA)を一定の比率で混合して製造されてもよい。
【0042】
センサキャビティ50は、センサ装置10の内部に設置される。センサキャビティ50は、エネルギー変換部品30が取得したセンサ信号に関連してもよい。センサキャビティ50は、センサ装置10の1つ以上の部品で形成された密閉又は半密閉のキャビティであってもよい。いくつかの実施例において、センサキャビティ50は、弾性部品20と他の部品とで形成された密閉又は半密閉のキャビティであってもよい。例えば、センサキャビティ50は、弾性部品20、エネルギー変換部品30及びハウジング40で形成された密閉キャビティであってもよい。センサキャビティ50は、一定の体積を有し、その内部に気体が充填されてもよい。上記気体は、性質が安定した気体(例えば、液化、燃焼、爆発しにくい気体)を選択してもよい。例えば、上記気体は、空気、窒素ガス、不活性ガスなどを含んでもよい。
【0043】
センサ装置10が動作するとき、センサキャビティ50の体積が変化する。センサキャビティ50は、対向して設置された2つの側壁を少なくとも含む。上記対向して設置された2つの側壁は、第1の側壁及び第2の側壁を含む。センサ装置10が動作するとき、センサキャビティ50の第1の側壁(又はそれに設置された構造の一部)及び/又は第2の側壁(又はそれに設置された構造の一部)が相対的に変位することにより、センサキャビティ50の体積が変化する。いくつかの実施例において、上記第1の側壁及び/又は第2の側壁は、センサ装置10の1つ以上の部品で構成されてもよい。例示的には、第1の側壁は、弾性部品20又はその1つ以上の素子/ユニットで構成されてもよい。上記第2の側壁は、エネルギー変換部品30又はその1つ以上の素子/ユニットで構成されてもよい。例えば、センサ装置10が動作する過程において、センサキャビティ50の第1の側壁を構成する弾性部品20(又は弾性部品20のセンサキャビティ50を向く表面(内面とも呼ばれる)に設置された微細構造、例えば、突起構造)及び/又はセンサキャビティ50の第2の側壁を構成するエネルギー変換部品30は、外部振動信号の駆動で相対的な移動(例えば、第1の側壁と第2の側壁の振動応答の不一致による相対的な移動)を生成し、上記第1の側壁と第2の側壁の内面との距離が変化し、さらにセンサキャビティ50の体積が変化する。
【0044】
エネルギー変換部品30とは、センサ信号を取得し、かつ所望の信号に変換することができる素子を指す。上記センサ信号は、音響信号を含んでもよい。いくつかの実施例において、エネルギー変換部品30は、センサ信号を電気信号に変換してもよい。例えば、エネルギー変換部品30は、音響信号(例えば音圧)を電気信号に変換してもよい。また例えば、エネルギー変換部品30は、機械的振動信号を電気信号に変換してもよい。エネルギー変換部品30は、センサキャビティ50に連通し、かつセンサ信号を取得してもよい。例えば、エネルギー変換部品30又はその素子/ユニット(例えば、エネルギー変換部品30におけるセンサ信号を取得する素子)の1つの表面をセンサキャビティ50の第2の側壁としてもよい。このとき、エネルギー変換部品30は、センサキャビティ50の内部に連通し、かつセンサ信号を取得する。上記センサ信号は、センサキャビティ50の1つ以上のパラメータに関連してもよい。上記1つ以上のパラメータは、キャビティの高さ、体積の大きさ、体積変化、気圧などを含んでもよい。いくつかの実施例において、上記センサ信号は、センサキャビティ50の体積変化に関連してもよい。例示的には、センサキャビティ50の体積が変化するとき、センサキャビティ50内に充填された気体(例えば、空気)の気圧が変化する。エネルギー変換部品30におけるセンサ信号を取得する素子は、上記気圧の変化を取得し、かつ対応する電気信号を生成することができる。いくつかの実施例において、エネルギー変換部品30は、音響トランスデューサであってもよい。例えば、エネルギー変換部品30は、空気伝導マイクロフォン(気導マイクロフォンとも呼ばれる)であってもよい。上記気導マイクロフォンは、センサキャビティ50の音圧変化を取得し、かつ電気信号に変換することができる。
【0045】
弾性部品20は、外部信号(例えば、振動)に応答して、振動又は弾性変形することができる(弾性部品20は、一定の弾性を有する)。上述したように、弾性部品20は、センサキャビティ50の第1の側壁を構成してもよい。弾性部品20が振動又は弾性変形するとき、上記第1の側壁の内面の位置が変化する。いくつかの実施例において、センサキャビティ50の第2の側壁の位置は、固定されるか又は基本的に固定されるように保持される。このとき、第1の側壁の内面と第2の側壁の内面との間の距離が相対的に変化し、センサキャビティ50の体積が変化する(第1の側壁と第2の側壁との間の側壁が相対的に固定されるように保持されると仮定する)。いくつかの実施例において、センサキャビティ50の第2の側壁の位置も変化する。例えば、センサキャビティ50の第2の側壁と第1の側壁は、いずれも振動する。上記第2の側壁の振動位相が上記第1の側壁の振動位相とは異なると、第1の側壁の内面と第2の側壁の内面との間の距離が相対的に変化し、センサキャビティ50の体積が変化する(第1の側壁と第2の側壁との間の側壁が相対的に固定されるように保持されると仮定する)。また例えば、センサキャビティ50の第2の側壁と第1の側壁は、いずれも弾性変形する。上記第2の側壁の弾性変形量が上記第1の側壁の弾性変形量とは異なると、第1の側壁の内面と第2の側壁の内面との間の距離が相対的に変化し、センサキャビティ50の体積が変化する(第1の側壁と第2の側壁との間の側壁が相対的に固定されるように保持されると仮定する)。
【0046】
例示的には、弾性部品20とエネルギー変換部品30又はその素子/ユニット(例えば、エネルギー変換部品30におけるセンサ信号を取得する素子)は、それぞれセンサキャビティ50の第1の側壁と第2の側壁を構成してもよい。上記外部信号は、機械的振動である。上記機械的振動は、ハウジング40によりエネルギー変換部品30及び弾性部品20に伝達される。上記機械的振動に応答して、エネルギー変換部品30と弾性部品20は、いずれも振動する。エネルギー変換部品30と弾性部品20との振動位相が異なるため、第1の側壁及び第2の側壁の内面間の距離が変化し、センサキャビティ50の体積が変化する。
【0047】
いくつかの実施例において、弾性部品20の内面(即ち、センサキャビティ50を向く側の表面)に突起構造23(例えば、図2に示す突起構造223)が設置されてもよい。突起構造23は、弾性部品20の内面における少なくとも一部の領域に設置されてもよい。いくつかの実施例において、突起構造23は、弾性部品20の内面のすべての領域に設置されてもよい。いくつかの実施例において、突起構造23は、弾性部品20の内面の一部のみに設置されてもよい。いくつかの実施例において、突起構造23の占める内面の面積と弾性部品20の内面の面積との比率は、4分の3より小さくてもよい。いくつかの実施例において、突起構造23の占める内面の面積と弾性部品20の内面の面積との比率は、3分の2より小さくてもよい。いくつかの実施例において、突起構造23の占める内面の面積と弾性部品20の内面の面積との比率は、2分の1より小さくてもよい。いくつかの実施例において、突起構造23の占める面積と弾性部品20の内面の面積との比率は、3分の1より小さくてもよい。いくつかの実施例において、突起構造23の占める面積と弾性部品20の内面の面積との比率は、4分の1より小さくてもよい。いくつかの実施例において、突起構造23の占める面積と弾性部品20の内面の面積との比率は、5分の1より小さくてもよい。いくつかの実施例において、突起構造23の占める面積と弾性部品20の内面の面積との比率は、6分の1より小さくてもよい。例示的には、弾性部品20の内面は、中心部分と周辺部分に分割されてもよい。突起構造23は、中心部分に設置されず周辺部分に設置されてもよい。上記周辺部分の占める内面の面積と弾性部品20の内面の面積との比率は、4分の3、3分の2、2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、6分の1などより小さくてもよい。
【0048】
上記突起構造23は、弾性部品20の内面に均一に又は不均一に設置されてもよい。いくつかの実施例において、突起構造23は、弾性部品20の内面にアレイ状に設置されてもよい。例えば、隣接する突起構造23は、弾性部品20の内面に等間隔をおいて設置される。いくつかの実施例において、突起構造23の弾性部品20の内面での分布は、不均一であってもよい。例えば、隣接する突起構造23の間の間隔は、突起構造23が所在する位置に伴って変化する。
【0049】
突起構造23は、特定の形状を有してもよい。いくつかの実施例において、上記特定の形状は、ピラミッド形状、半球状、ストライプ状、階段状、円柱状などの規則的な形状を含む。いくつかの実施例において、上記特定の形状は、任意の不規則な形状であってもよい。
【0050】
突起構造23を含まない一般的な弾性部品は、センサキャビティ50の第1の側壁として、振動の過程において、振動幅が大きいため、センサキャビティ50の第2の側壁(例えば、エネルギー変換部品30)と粘着され、センサ装置10が正常に動作できないことを引き起こす可能性がある。突起構造23の存在により、弾性部品20とセンサキャビティ50の第2の側壁との接触面積を効果的に減少させることができるため、センサキャビティ50を構成する第2の側壁との粘着を防止し、センサ装置10の安定性及び信頼性を効果的に向上させることができる。
【0051】
突起構造23は、センサ装置10の感度に影響を与えることができる。感度は、センサ装置10の性能を反映する重要な指標である。感度は、センサ装置10の動作中の特定の外部信号に対する応答の大きさとして理解されてもよい。センサ装置10において、エネルギー変換部品30は、センサキャビティ50に連通する。エネルギー変換部品30が取得したセンサ信号は、センサキャビティ50の体積変化に関連する。センサ装置10の感度は、センサキャビティ50の体積の大きさ及び/又は体積変化に関連する。同じ外部信号に対して、センサキャビティ50の体積変化が大きいほど、センサ装置10の応答が大きくなり、それに応じて、センサ装置10の感度が高くなり、センサキャビティ50の体積が小さいほど、センサ装置10の応答が大きくなり、それに応じて、センサ装置10の感度が高くなる。したがって、センサキャビティ50の体積及び/又はセンサ装置10の動作過程におけるセンサキャビティ50の体積の変化量を変化させることにより、センサ装置10の感度を変化させることができる。突起構造23がセンサキャビティ50の内部に突出し、センサキャビティ50の体積の一部を占めるため、センサキャビティ50の体積は、突起構造23が設置されない弾性部品20ときの体積より小さいため、センサ装置10は、より高い感度を有する。
【0052】
いくつかの実施例において、突起構造23は、一定の弾性を有してもよい。突起構造23は、弾性を有するため、外力で押し付けられるときに弾性変形する。いくつかの実施例において、突起構造23は、センサキャビティ50の第2の側壁(例えば、エネルギー変換部品30又はその1つ以上の部品の表面)に当接してもよい。突起構造23がセンサキャビティ50の第2の側壁に当接すると、弾性部品20の振動は、突起構造23を移動するように駆動する。このとき、突起構造23がセンサキャビティ50の第2の側壁に押し付けられることにより、突起構造23は弾性変形する。上記弾性変形により、突起構造23をさらにセンサキャビティ50の内部に突出させ、上記センサキャビティ50の体積を減少させることができる。したがって、センサキャビティ50の体積変化量をさらに増加させることにより、センサ装置10の感度を向上させることができる。突起構造及び突起構造によるセンサ装置の感度の向上のより多くの詳細については、図2図6の具体的な実施例を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0053】
いくつかの実施例において、弾性部品20は、弾性薄膜21を含んでもよい。突起構造23は、弾性薄膜21のセンサキャビティ50に面する側の表面(即ち内面)に設置されてもよい。いくつかの実施例において、弾性薄膜21を製造する材料は、ポリイミド(Polyimide、PI)、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane、PDMS)、ポリテトラフルオロエチレン(Poly tetra fluoroethylene、PTFE)などのポリマー材料を含んでもよい。弾性薄膜のより多くの詳細については、図2及び図7の実施例を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0054】
以上のセンサ装置10に対する説明は、具体的な例に過ぎず、唯一の実行可能な実施形態と見なされるべきではない。明らかに、当業者は、センサ装置10の基本的な原理を理解した後、この原理から逸脱することなく、センサ装置10を実装する具体的な方式及びステップの形態及び詳細に対して様々な修正及び変更を行うことができるが、これらの修正及び変更は、依然として以上に説明した範囲内にある。いくつかの実施例において、センサ装置10は、1つ以上の他の部品、例えば、質量ユニット(図2に示す質量ユニット260)、密封ユニット(図2に示す密封ユニット270)など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、センサ装置10の複数の部品は、単一の部品に統合されてもよい。例えば、質量ユニットは、弾性部品20に一体化され、弾性部品20と共に共振システムを構成してもよい。上記共振システムは、外部信号に応答して振動する。いくつかの実施例において、センサ装置10の1つの部品は、1つ以上のサブ部品に分割されてもよい。例えば、弾性部品20は、弾性薄膜(図7に示す弾性薄膜721)と弾性微細構造層(図7に示す弾性微細構造層725)に分割されてもよい。突起構造23は、上記弾性微細構造層上に設置される。
【0055】
図2は、本願のいくつかの実施例に係るセンサ装置の概略図である。本実施例において、センサ装置210は、振動センサ装置であってもよい。上記振動センサ装置は、振動信号を収集し、かつ電気信号に変換することができる。例えば、センサ装置210は、骨伝導マイクロフォン(骨導マイクロフォンとも呼ばれる)のようなマイクロフォンの一部であってもよい。上記骨導マイクロフォンは、振動信号を音声信号に変換することができ、例えば、ユーザが話すときに顔の筋肉によって生成された振動信号を収集し、かつ振動信号を、音声情報を含む電気信号に変換する。
【0056】
図2に示すように、センサ装置210は、弾性部品220、エネルギー変換部品230、ハウジング240、質量ユニット260及び密封ユニット270を含んでもよい。ハウジング240は、センサ装置210の1つ以上の部品(例えば、弾性部品220、質量ユニット260及び密封ユニット270)を収容する収容空間241を有してもよい。いくつかの実施例において、ハウジング240は、半密閉ハウジングであり、エネルギー変換部品230との接続により、上記収容空間241を形成する。例えば、ハウジング240は、エネルギー変換部品230の上方をカバーし、収容空間241を形成する。
【0057】
いくつかの実施例において、図2に示すセンサ装置210は、振動センサ装置としてマイクロフォンの分野、例えば、骨導マイクロフォンに応用されてもよい。例えば、骨導マイクロフォンに応用されるとき、センサキャビティ250は、音響キャビティと呼ばれてもよく、エネルギー変換部品230は、音響トランスデューサであってもよい。音響トランスデューサは、音響キャビティの音圧変化を取得し、かつ電気信号に変換する。いくつかの実施例において、弾性部品220は、音響トランスデューサ(即ちエネルギー変換部品230)の上方に設置され、かつ弾性部品220と音響トランスデューサとの間にセンサキャビティ250が形成される。
【0058】
弾性部品220は、弾性薄膜221を含んでもよい。上記弾性薄膜221のエネルギー変換部品230に近接する側の表面(内面とも呼ばれる)に突起構造223が設置される。突起構造223及び(センサキャビティ250の第1の側壁を形成する)弾性薄膜221は、(センサキャビティ250の第2の側壁を形成する)エネルギー変換部品230と共にセンサキャビティ250を形成することができる。振動センサ装置において、センサキャビティ250は、音響キャビティと呼ばれてもよい。弾性薄膜221は、振動膜と呼ばれてもよい。
【0059】
図2に示すように、弾性薄膜221の外縁は、エネルギー変換部品230に物理的に接続されてもよい。上記物理的接続は、接着、釘接合、係止及び追加の接続部品(例えば、密封ユニット270)による接続を含んでもよい。例えば、弾性薄膜221の外縁は、上記センサキャビティ250を形成するために、接着剤でエネルギー変換部品230に接着されてもよい。しかしながら、接着剤による接着の密封性が低く、センサ装置210の感度をある程度で低下させる。いくつかの実施例において、突起構造223の先端は、上記エネルギー変換部品230の表面に当接する。上記先端とは、突起構造223の上記弾性薄膜221から離れる端部を指す。弾性薄膜221の外周に設置された突起構造223の先端とエネルギー変換部品230の表面との接続部は、突起構造223、弾性薄膜221、密封ユニット270及びエネルギー変換部品230が共に密閉したセンサキャビティ250を形成するために、密封ユニット270により密封されてもよい。理解されるように、密封部品270の設置位置は、上記説明に限定されない。いくつかの実施例において、密封部品270は、突起構造223の先端とエネルギー変換部品230の表面との接続部に設置されることに限定されず、センサキャビティ250を形成する突起構造223の外側(即ち突起構造223のセンサキャビティ250から離れる側)に設置されてもよい。いくつかの実施例において、密封性をさらに向上させるために、センサキャビティ250の内部にも密封構造を設置してもよい。密封ユニット270により弾性部品220とエネルギー変換部品230との接続部を密封することにより、センサキャビティ250全体の密封性を保証し、さらにセンサ装置210の信頼性及び安定性を効果的に向上させることができる。いくつかの実施例において、密封ユニット270は、密封ユニット270の密封性能をさらに向上させるために、シリカゲル、ゴムなどの材料で製造されてもよい。いくつかの実施例において、密封ユニット270の種類は、密封リング、密封ガスケット、密封ゴムストリップのうちの1種又は複数種を含んでもよい。
【0060】
いくつかの実施例において、弾性薄膜221は、一定の厚さを有してもよく、弾性薄膜221の厚さとは、弾性薄膜221の第1の方向での寸法を指す。理解を容易にするために、弾性薄膜221の厚さは、図2におけるH3で表すことができる。いくつかの実施例において、弾性薄膜221の厚さH3は、0.1μm~500μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、弾性薄膜221の厚さH3は、0.2μm~400μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、弾性薄膜221の厚さH3は、0.4μm~350μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、弾性薄膜221の厚さH3は、0.6μm~300μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、弾性薄膜221の厚さH3は、0.8μm~250μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、弾性薄膜の厚さH3は、1μm~200μmの範囲内にあってもよい。
【0061】
質量ユニット260は、弾性部品220に接続され、弾性部品220のセンサキャビティ250から離れる側に位置してもよい。例えば、質量ユニット260は、弾性薄膜221に設置され、センサキャビティ250から離れる側に位置してもよい。ハウジング240及び/又はエネルギー変換部品230の振動に応答して、質量ユニット260は、弾性部品220と共に共振システムを構成し、振動を生成することができる。質量ユニット260は、一定の質量を有するため、弾性部品220のハウジング240に対する振動幅を増大させて、センサキャビティ250の体積変化量を強度の異なる外部振動の作用でいずれも明らかに変化させ、さらにセンサ装置210の感度を向上させることができる。
【0062】
いくつかの実施例において、質量ユニット260は、円柱体、立方体、直方体などの規則的な構造体又は他の不規則な構造体であってもよい。図2に示すように、質量ユニット260は、円柱体構造であってもよい。
【0063】
いくつかの実施例において、質量ユニット260は、密度が高い材料で製造されてもよい。例示的には、質量ユニット260は、銅、鉄、ステンレス鋼、鉛、タングステン、モリブデンなどの材料を用いてもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260は、銅で製造されてもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260は、一定の弾性を有する材料で製造されてもよい。いくつかの実施例において、上記弾性材料で製造された質量ユニット260は、弾性部品220のエネルギー変換部品230を向く側に設置されてもよい。例えば、質量ユニット260のエネルギー変換部品230を向く側の表面に突起構造223が直接的に設置されてもよい(例えば、切削、射出成形、接着などの方式で加工される)。質量ユニット260自体が弾性を有するため、質量ユニット260に設置された突起構造223も弾性を有する。本実施例において、質量ユニット260は、センサキャビティ250の体積を減少させ、センサ装置210の感度をある程度で向上させることができる。いくつかの実施例において、質量ユニット260に設置された突起構造223の先端は、上記エネルギー変換部品230の表面に当接してもよい。
【0064】
いくつかの実施例において、タイプ及び/又は寸法の異なるセンサ装置210に対して、弾性薄膜221のヤング率と質量ユニット260のヤング率は、異なる値を有してもよい。いくつかの実施例において、弾性薄膜221のヤング率の数値は、500MPaより小さくてもよい。いくつかの実施例において、弾性薄膜221のヤング率の数値は、300MPaより小さくてもよい。いくつかの実施例において、弾性薄膜221のヤング率の数値は、200MPaより小さくてもよい。いくつかの実施例において、弾性薄膜221のヤング率の数値は、100MPaより小さくてもよい。いくつかの実施例において、弾性薄膜221のヤング率の数値は、80MPaより小さくてもよい。いくつかの実施例において、弾性薄膜221のヤング率の数値は、60MPaより小さくてもよい。いくつかの実施例において、弾性薄膜221のヤング率の数値は、40MPaより小さくてもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260のヤング率は、10Gpaより大きくてもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260のヤング率は、50Gpaより大きくてもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260のヤング率は、80Gpaより大きくてもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260のヤング率は、100Gpaより大きくてもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260のヤング率は、200Gpaより大きくてもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260のヤング率は、500Gpaより大きくてもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260のヤング率は、1000Gpaより大きくてもよい。
【0065】
いくつかの実施例において、質量ユニット260は、一定の厚さを有する。質量ユニットの厚さとは、質量ユニット260の第1の方向での寸法を指してもよい。理解を容易にするために、質量ユニット260の厚さは、図2におけるH4で表すことができる。いくつかの実施例において、質量ユニット260の厚さH4は、1μm~1000μmの範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の厚さH4は、10μm~900μmの範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の厚さH4は、20μm~800μmの範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の厚さH4は、30μm~700μmの範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の厚さH4は、40μm~600μmの範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の厚さH4は、50μm~500μmの範囲内にある。
【0066】
タイプ及び/又は寸法の異なるセンサ装置210に対して、質量ユニット260の厚さH4と弾性薄膜221の厚さH3との比率又は差は、一定の範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の厚さH4と弾性薄膜221の厚さH3との比率は、1~100000の範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の厚さH4と弾性薄膜221の厚さH3との比率は、1~50000の範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の厚さH4と弾性薄膜221の厚さH3との比率は、10~10000の範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の厚さH4と弾性薄膜221の厚さH3との比率は、100~5000の範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の厚さH4と弾性薄膜221の厚さH3との比率は、100~1000の範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の厚さH4と弾性薄膜221の厚さH3との比率は、100~5000の範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の厚さH4と弾性薄膜221の厚さH3との比率は、500~2000の範囲内にある。
【0067】
いくつかの実施例において、質量ユニット260は、弾性部品220(例えば、弾性薄膜221)の中部に位置してもよい。上記中部とは、弾性部品220の第2の方向での中間部分を指す。例えば、弾性薄膜221は、円形を呈し、質量ユニット260は、円柱体構造である。質量ユニット260は、弾性薄膜221の中間部分に設置されてもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260の軸線と弾性薄膜221の中心点との第2の方向での距離は、閾値距離より小さくてもよい。上記閾値距離は、50μm、0.1mm、0.5mm、1mm、2mmなどであってもよい。いくつかの実施例において、弾性薄膜221の中心点は、質量ユニット260の軸線にある。質量ユニット260を弾性薄膜221の中部に設置することにより、質量ユニット260の第2の方向での変位を低減し、センサ装置210の感度を向上させることができる。
【0068】
図2に示すように、質量ユニット260の第1の方向での投影面積は、弾性部品220の第1の方向での投影面積より小さくてもよい。タイプ及び/又は寸法の異なるセンサ装置210に対して、質量ユニット260の第1の方向での投影面積と弾性部品220の第1の方向での投影面積との比率は、一定の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積と弾性部品220の第1の方向での投影面積との比率は、0.05~0.95の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積と弾性部品220の第1の方向での投影面積との比率は、0.1~0.9の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積と弾性部品220の第1の方向での投影面積との比率は、0.2~0.9の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積と弾性部品220の第1の方向での投影面積との比率は、0.3~0.8の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積と弾性部品220の第1の方向での投影面積との比率は、0.4~0.7の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積と弾性部品220の第1の方向での投影面積との比率は、0.5~0.6の範囲内にあってもよい。
【0069】
タイプ及び/又は寸法の異なるセンサ装置210に対して、質量ユニット260の第1の方向での投影面積とセンサキャビティ250の第1の方向での投影面積との比率は、一定の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積とセンサキャビティ250の第1の方向での投影面積との比率は、0.05~0.95の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積とセンサキャビティ250の第1の方向での投影面積との比率は、0.1~0.9の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積とセンサキャビティ250の第1の方向での投影面積との比率は、0.2~0.9の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積とセンサキャビティ250の第1の方向での投影面積との比率は、0.3~0.8の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積とセンサキャビティ250の第1の方向での投影面積との比率は、0.4~0.7の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積とセンサキャビティ250の第1の方向での投影面積との比率は、0.5~0.6の範囲内にあってもよい。
【0070】
本実施例において、弾性部品220(例えば、弾性薄膜221)はハウジング240に比べてより弾性変形しやすいため、弾性部品220はハウジング240に対して相対的に移動することができる。外部の振動がハウジング240に作用するとき、ハウジング240、エネルギー変換部品230、弾性部品220などの部品は、いずれも振動を生成する。弾性部品220の振動位相がエネルギー変換部品230の振動位相とは異なるため、センサキャビティ250(即ち音響キャビティ)の体積変化を引き起こし、音響キャビティの音圧を変化させ、かつエネルギー変換部品230によりそれを電気信号に変換し、骨導音へのピックアップを実現することができる。
【0071】
理解を容易にするために、弾性部品220(弾性薄膜221及び突起構造223を含む)及び質量ユニット260で構成された構造を、図11に示すようなばね-質量-ダンパシステムモデルに簡略化して等価することができ、弾性部品220は、システムにばね及びダンパ作用を提供し、質量ユニット260は、システムに質量作用を提供する。該システムが動作するとき、ばね-質量-ダンパシステムモデルが加振力の作用で強制的に動かされ、その振動法則がばね-質量-ダンパシステムの法則に合致すると考えることができる。具体的には、該システムの動きは、式(1)の微分方程式で説明することができる。
【数1】
ここで、Mは、システムの質量であり、Rはシステムの減衰であり、Kはシステムの弾性係数であり、Fは駆動力の振幅であり、xはシステムの変位であり、ωは駆動力の角周波数である。式(1)に基づいて定常状態の変位を求めると、以下の式を得ることができる。
【数2】
ここで、
【数3】
である。
【0072】
さらに、式(1)及び式(2)に基づいて変位振幅比(正規化)方程式を得ることができる。
【数4】
ここで、fはシステムの周波数を表し、fはシステムの共振周波数を表すことができ、
【数5】
、Qは力学的品質係数を表し、
【数6】
は静的変位振幅(又はω=0ときの変位振幅と呼ばれる)を表すことができる。
【0073】
質量ユニット260が外部振動信号の励起で振動するとき、センサキャビティ250の体積Vが圧縮又は拡張することを引き起こし、センサキャビティ250が圧縮又は拡張するときに体積変化量はΔVである。センサ装置210の感度
【数7】
、即ちセンサ装置210の感度Sは、センサキャビティ250の体積変化量ΔVに比例し、センサキャビティ250の体積Vに反比例する。上記原理に基づいて、いくつかの実施例において、センサキャビティ250の体積変化量ΔVを増加させることによりセンサ装置210の感度を向上させることができ、及び/又はセンサキャビティ250の体積Vを減少させることによりセンサ装置210の感度を向上させることができる。
【0074】
いくつかの実施例において、センサキャビティ250は、弾性部品220、エネルギー変換部品230及び他の部品で構成される。例えば、センサキャビティ250は、弾性部品220、エネルギー変換部品230及び密封ユニット270で構成される。上記実施例において、弾性部品(例えば、弾性薄膜221及び突起構造223)とエネルギー変換部品(例えば、エネルギー変換部品230)は、それぞれセンサキャビティ250の第1の側壁と第2の側壁とする。したがって、弾性部品220及びエネルギー変換部品230の構造は、センサ装置210のセンサキャビティ250の体積V及びセンサ装置210が動作するときのセンサキャビティ250の体積変化量ΔVに影響を与える。弾性部品220に対して、弾性薄膜221の内面に突起構造223が設置され、かつ上記突起構造223がセンサキャビティ250内に突出し、センサキャビティ250の体積Vを減少させるため、センサ装置210の感度を向上させることができる。
【0075】
いくつかの実施例において、センサキャビティ250の体積Vは、センサキャビティ250を構成する突起構造223の密度に関連する。理解されるように、隣接する突起構造223の間隔が小さいほど、突起構造223の密度が大きくなることを表すため、突起構造223で構成されたセンサキャビティ250の体積Vも小さくなる。隣接する突起構造体223の間隔とは、隣接する突起構造体223の中心間の距離を指してもよい。ここでの中心は、突起構造223の断面上の図心として理解されてもよい。説明を容易にするために、隣接する突起構造223の間の間隔は、図2のL1、即ち隣接する突起構造の先端又は中心の間の距離で表すことができる。いくつかの実施例において、隣接する突起構造223の間の間隔L1は、1μm~2000μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、隣接する突起構造223の間の間隔L1は、4μm~1500μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、隣接する突起構造223の間の間隔L1は、8μm~1000μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、隣接する突起構造223の間の間隔L1は、10μm~500μmの範囲内にあってもよい。
【0076】
いくつかの実施例において、センサキャビティ250の体積Vは、突起構造223の幅に関連する。突起構造223の幅は、突起構造223の第2の方向での寸法として理解されてもよい。説明を容易にするために、突起構造223の第2の方向での寸法は、図2におけるL2で表すことができる。いくつかの実施例において、単一の突起構造223の幅L2は、1μm~1000μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、単一の突起構造223の幅L2は、2μm~800μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、単一の突起構造223の幅L2は、3μm~600μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、単一の突起構造223の幅L2は、6μm~400μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、単一の突起構造223の幅は、10μm~300μmの範囲内にあってもよい。
【0077】
タイプ及び/又は寸法の異なるセンサ装置210に対して、突起構造223の幅L2と隣接する突起構造223の間の間隔L1との比率は、一定の範囲内にある。いくつかの実施例において、突起構造223の幅L2と隣接する突起構造223の間の間隔L1との比率は、0.05~20の範囲内にある。いくつかの実施例において、突起構造223の幅L2と隣接する突起構造223の間の間隔L1との比率は、0.1~20の範囲内にある。いくつかの実施例において、突起構造223の幅L2と隣接する突起構造223の間の間隔L1との比率は、0.1~10の範囲内にある。いくつかの実施例において、突起構造223の幅L2と隣接する突起構造223の間の間隔L1との比率は、0.5~8の範囲内にある。いくつかの実施例において、突起構造223の幅L2と隣接する突起構造223の間の間隔L1との比率は、1~6の範囲内にある。いくつかの実施例において、突起構造223の幅L2と隣接する突起構造223の間の間隔L1との比率は、2~4の範囲内にある。
【0078】
いくつかの実施例において、センサキャビティ250の体積Vは、突起構造223の高さH1に関連する。突起構造223の高さは、突起構造223が自然状態にあるとき(例えば、突起構造223が弾性変形を引き起こすような押し付けを受けない場合)の第1の方向での寸法として理解されてもよい。説明を容易にするために、突起構造223の第1の方向での寸法は、図2におけるH1で表すことができる。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1は、1μm~1000μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1は、2μm~800μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1は、4μm~600μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1は、6μm~500μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1は、8μm~400μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1は、10μm~300μmの範囲内にあってもよい。
【0079】
いくつかの実施例において、センサキャビティ250の高さと突起構造223の高さとの差は、一定の範囲内にある。例えば、突起構造223の少なくとも一部は、エネルギー変換部品230と接触しなくてもよい。このとき、突起構造223とエネルギー変換部品230の表面との間に一定の隙間が存在する。突起構造223とエネルギー変換部品230の表面との間の隙間とは、突起構造223の先端とエネルギー変換部品230の表面との間の距離を指す。該隙間は、突起構造223を加工したり、弾性部品220を取り付けたりする過程において形成されてもよい。センサキャビティ250の高さは、センサキャビティ250の自然状態(例えば、その第1の側壁及び第2の側壁に振動又は弾性変形が発生しない場合)での第1の方向での寸法として理解されてもよい。説明を容易にするために、センサキャビティ250の第1の方向での寸法は、図2におけるH2で表すことができる。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1とセンサキャビティ250の高さH2との差は、20%以内であってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1とセンサキャビティ250の高さH2との差は、15%以内であってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1とセンサキャビティ250の高さH2との差は、10%以内であってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1とセンサキャビティ250の高さH2との差は、5%以内であってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223とエネルギー変換部品230の表面との間の隙間は、10μm以内であってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223とエネルギー変換部品230の表面との間の隙間は、5μm以内であってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223とエネルギー変換部品230の表面との間の隙間は、1μm以内であってもよい。
【0080】
センサ装置210が動作する過程において、弾性部品220は、外部信号(例えば、振動信号)を受信して振動又は弾性変形を生成し、かつ突起構造223を図2に示す第1の方向に沿って移動するように駆動することにより、センサキャビティ250を収縮又は拡張させ、それによるセンサキャビティ250の体積変化量は、ΔV1として表すことができる。弾性部品220及び突起構造223の第1の方向での移動幅が小さく、例えば、突起構造223の第1の方向での移動幅が一般的に1μmより小さく、この過程において、突起構造223がエネルギー変換部品230の表面と接触しない可能性があるため、ΔV1は突起構造223に関連せず、かつΔV1の値が小さい。
【0081】
タイプ及び/又は寸法の異なるセンサ装置210に対して、突起構造223の高さH1と弾性薄膜221の厚さH3との比率又は差は、一定の範囲内にある。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1と弾性薄膜221の厚さH3との比率は、0.5~500の範囲内にある。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1と弾性薄膜221の厚さH3との比率は、1~500の範囲内にある。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1と弾性薄膜221の厚さH3との比率は、1~200の範囲内にある。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1と弾性薄膜221の厚さH3との比率は、1~100の範囲内にある。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1と弾性薄膜221の厚さH3との比率は、10~90の範囲内にある。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1と弾性薄膜221の厚さH3との比率は、20~80の範囲内にある。いくつかの実施例において、突起構造223の高さH1と弾性薄膜221の厚さH3との比率は、40~60の範囲内にある。
【0082】
いくつかの実施例において、突起構造223は、エネルギー変換部品230の表面と直接的に接触してもよい。このとき、突起構造223の高さH1は、センサキャビティ250の高さH2と同じであるか又は類似する。図3A及び図3Bは、本願のいくつかの実施例に係る突起構造がセンサキャビティの第2の側壁に当接する断面概略図である。図3Aに示すように、突起構造223は、センサキャビティ250の第2の側壁に当接してもよい。突起構造223は、一定の弾性を有してもよい。本実施例において、弾性部品220は、外力の励起を受けて移動するとき、突起構造223をエネルギー変換部品230の方向に移動するように駆動する。弾性部品220及び突起構造223が移動するとき、センサキャビティ250の体積を減少させ、それによるセンサキャビティ250の体積の変化量は、ΔV1として表すことができる。また、突起構造223自体がエネルギー変換部品230に当接するため、突起構造223は、外力の作用でエネルギー変換部品230に押し付けられる。突起構造223自体が一定の弾性を有するため、押し付けによる力により突起構造223が弾性変形する。突起構造223が弾性変形するとき、センサキャビティ250の体積をさらに縮小する。図3Bは、突起構造223が第1の方向に移動する振幅と発生した弾性変形を示す。実線P1は、押し付け後の突起構造223の形状の輪郭及び位置を示す。破線P2は、押し付け前の突起構造223の形状の輪郭及び位置を示す。図から分かるように、突起構造223の弾性変形により、センサキャビティ250の体積がさらに減少する。説明を容易にするために、突起構造223とセンサキャビティ250の第2の側壁との押し付けによるセンサキャビティ250の体積変化の値は、ΔV2として表すことができる。上記内容に基づいて、突起構造223がセンサキャビティ250の第2の側壁に当接すれば、センサ装置210が動作する過程において、センサキャビティ250の体積変化量ΔVは、ΔV1とΔV2との和である。したがって、センサキャビティ250の体積変化量ΔVはΔV1より大きく、センサ装置210の感度をさらに向上させることができる。また、突起構造223が変形するため、自然状態の場合に比べて、突起構造223の第1の方向での寸法が小さくなるため、センサキャビティ250の高さH2は、自然状態である突起構造223の第1の方向での寸法(即ちH1)より小さい。
【0083】
いくつかの実施例において、センサキャビティ250の体積変化量ΔV2は、突起構造223の材料に関連してもよい。突起構造223は、一定の特性を有する材料を選択してもよい。例えば、突起構造223は、特定のヤング率を有してもよい。いくつかの実施例において、突起構造223のヤング率は、10kPa~10MPaである。いくつかの実施例において、突起構造223のヤング率は、20kPa~8MPaである。いくつかの実施例において、突起構造223のヤング率は、50kPa~5MPaである。いくつかの実施例において、突起構造223のヤング率は、80kPa~2MPaである。いくつかの実施例において、突起構造223のヤング率は、100kPa~1MPaである。タイプ及び/又は寸法の異なるセンサ装置210に対して、突起構造223のヤング率と弾性薄膜221のヤング率との比率又は差は、一定の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223のヤング率と弾性薄膜221のヤング率との比率は、0.005~1の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223のヤング率と弾性薄膜221のヤング率との比率は、0.01~1の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223のヤング率と弾性薄膜221のヤング率との比率は、0.05~0.8の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223のヤング率と弾性薄膜221のヤング率との比率は、0.1~0.6の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、突起構造223のヤング率と弾性薄膜221のヤング率との比率は、0.2~0.4の範囲内にあってもよい。
【0084】
いくつかの実施例において、突起構造223が高い弾性を有し、同じ大きさの外力を受けるときの弾性変形量をより大きくし、さらにセンサキャビティ250の体積変化量ΔV2をより大きくすることを確保するために、突起構造223を製造する材料は、シリカゲル、シリコンゲル、シリコンゴム、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane、PDMS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(Styrenic Block Copolymers、SBS)のうちの1種又は複数種を含んでもよい。
【0085】
いくつかの実施例において、センサキャビティ250の体積変化量ΔV2は、さらに突起構造223の形状に関連してもよい。いくつかの実施例において、突起構造223の形状は、様々な形状であってもよい。図4図6は、それぞれ3種類の形状の異なる突起構造を示す。図4における突起構造423は、形状がピラミッド状であり、弾性部品420の内面にドットアレイ状に分布する。図5における突起構造523は、形状が半球状であり、弾性部品520の内面にドットアレイ状に分布する。図6における突起構造623は、形状がストライプ状であり、弾性部品620の内面にラインアレイ状に分布する。理解されるように、これは、説明のためのものに過ぎず、突起構造223の形状を制限することを意図するものではない。突起構造223は、他の可能な形状であってもよい。例えば、階段状、円柱状、楕円球状などである。
【0086】
図4に示すように、突起構造223の形状は、ピラミッド状であり、他の形状(例えば、半球状)である場合に比べて、突起構造223が外力作用を受けるとき、ピラミッド状の突起構造223は、応力を先端に集中させる。形状の異なる突起構造223に対して、そのヤング率が同じである場合、ピラミッド状の突起構造223の等価剛性がより低く、弾性係数がより低く、弾性変形が発生する場合の変形量がより大きく、さらにセンサキャビティ250の体積変化量ΔV2がより大きく、センサ装置210の感度の向上幅がより大きい。
【0087】
いくつかの実施例において、センサ装置210の感度は、質量ユニット260及び弾性部品220で構成されたシステムの共振周波数ω(即ち式(3)におけるf)に関連する。具体的には、
【数8】
において、
【数9】
を減少させると、センサ装置210のセンサキャビティ250の音圧の変化量Δpが大きくなり、同時にシステムの共振周波数ωが低下する。共振周波数ωは、システムの共振周波数の前後の一定の周波数範囲内のセンサ装置210の感度に影響を与える。したがって、センサ装置210の共振周波数を調整することによりセンサ装置210の感度を調整する過程において、周波数範囲がセンサ装置210の感度に与える影響を考慮する必要がある。いくつかの実施例において、センサ装置210の共振周波数は、1500Hz~6000Hzの範囲内にある。いくつかの実施例において、センサ装置210の共振周波数は、1500Hz~5000Hzの範囲内にある。いくつかの実施例において、センサ装置210の共振周波数は、1500Hz~4000Hzの範囲内にある。いくつかの実施例において、センサ装置210の共振周波数は、1500Hz~3000Hzの範囲内にある。
【0088】
図7は、本願の他のいくつかの実施例に係るセンサ装置の概略図である。センサ装置210と同様に、センサ装置710は、エネルギー変換部品230、ハウジング240、センサキャビティ250、質量ユニット260、密封ユニット270及び弾性部品720を含んでもよい。ハウジング240は、エネルギー変換部品230の上方をカバーし、収容空間241を形成する。弾性部品720、質量ユニット260及び密封ユニット270は、収容空間241内に収容されてもよい。弾性部品720の外縁は、密封ユニット270によりエネルギー変換部品230に固定接続される。弾性部品720、エネルギー変換部品230及び密封ユニット270は、共にセンサキャビティ250を構成する。質量ユニット260は、弾性部品720のセンサキャビティ250から離れる側に設置され、弾性部品720の振動幅を増大させるために用いられる。
【0089】
いくつかの実施例において、図7に示すセンサ装置710は、振動センサ装置としてマイクロフォンの分野、例えば、骨導マイクロフォンに応用されてもよい。例えば、骨導マイクロフォンに応用されるとき、センサキャビティ250は、音響キャビティと呼ばれてもよく、エネルギー変換部品230は、音響トランスデューサであってもよい。音響トランスデューサは、音響キャビティの音圧変化を取得し、かつ電気信号に変換する。
【0090】
図2に示すセンサ装置210との相違点は、図7に示すセンサ装置710において、弾性部品720が弾性薄膜721及び弾性微細構造層725を含んでもよいことである。弾性微細構造層725の一側は、弾性薄膜721に接続され、他側の表面に突起構造223が設置される。例示的には、突起構造223は、2種類の方式で加工されてもよい。方式(1)において、シリコンウェハに溝をエッチングし、溝の形状を、製造しようとする突起構造223の形状に対応させる。次に、突起構造223を製造する材料(例えば、PDMS)をシリコンウェハに塗布し、PDMSをシリコンウェハの溝に充填し、かつシリコンウェハの表面に1層のPDMS薄膜を形成する。次に、溝内のPDMS及びシリコンウェハの表面のPDMS薄膜がまだ硬化しない前に、弾性薄膜721を製造する材料、例えば、ポリイミド(Polyimide、PI)をPDMS薄膜の表面に塗布する。最後に、PDMS薄膜、弾性薄膜721及び突起構造223が硬化してから取り出す。方式(2)において、同様に、シリコンウェハに溝をエッチングする。次に、突起構造223を製造する材料(例えば、PDMS)をシリコンウェハに塗布し、溝内のPDMS及びシリコンウェハの表面のPDMS薄膜が硬化してから、弾性薄膜721を製造する材料(例えば、PI)をPDMS薄膜の表面に塗布するか又は塗布前にグルーを添加する。最後に、弾性薄膜721が硬化してから取り出す。上記2種類の方式で加工された突起構造223と弾性薄膜721との間にいずれも1層のPDMS薄膜が含まれ、該PDMS薄膜は、即ち弾性微細構造層725である。
【0091】
いくつかの実施例において、弾性微細構造層725と弾性薄膜721は、同じ材料で製造されてもよい。例えば、弾性微細構造層725と弾性薄膜721は、いずれもPDMSで製造されてもよい。具体的には、突起構造223を加工するとき、PDMS薄膜(即ち弾性微細構造層725)の表面に1層のPDMS薄膜を弾性薄膜721として塗布してもよい。いくつかの実施例において、弾性微細構造層725と弾性薄膜721は、異なる材料で製造されてもよい。例えば、弾性微細構造層725は、PDMSで製造されてもよいが、弾性薄膜721は、PIで製造されてもよい。また例えば、弾性微細構造層725は、PDMSで製造されてもよいが、弾性薄膜721は、ポリテトラフルオロエチレン(Poly tetra fluoroethylene、PTFE)で製造されてもよい。
【0092】
いくつかの実施例において、弾性薄膜721の厚さは、上記実施例における弾性薄膜221の厚さと同じであってもよく、異なってもよい。弾性微細構造層725の厚さとは、弾性微細構造層725の第1の方向での寸法を指し、図7におけるH5で表すことができる。いくつかの実施例において、弾性微細構造層725の厚さH5は、1μm~1000μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、弾性微細構造層725の厚さH5は、10μm~200μmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、弾性微細構造層725の厚さH5は、20μm~100μmの範囲内にあってもよい。
【0093】
いくつかの実施例において、タイプ及び/又は寸法の異なるセンサ装置210に対して、弾性微細構造層725の厚さH5と弾性部品720の厚さ(即ちH5とH3との和)との比率は、0.5~1の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、弾性微細構造層725の厚さH5と弾性部品720の厚さとの比率は、0.8~1の範囲内にある。いくつかの実施例において、弾性微細構造層725の厚さH5と弾性部品720の厚さとの比率は、0.9~1の範囲内にある。
【0094】
図8は、本願のいくつかの実施例に係るセンサ装置の概略図である。図8に示すように、センサ装置810は、エネルギー変換部品230、ハウジング240、センサキャビティ250、質量ユニット260及び弾性部品820を含んでもよい。いくつかの実施例において、図8に示すセンサ装置810は、センサキャビティ250の密封方式が異なる以外、図7に示すセンサ装置710と同様である。センサ装置810の弾性部品820の外縁は、ハウジング240に直接的に固定接続され、さらにエネルギー変換部品230、ハウジング240及び弾性部品820により共にセンサキャビティ250を形成する。いくつかの実施例において、弾性部品820は、弾性薄膜821及び弾性微細構造層825を含んでもよい。突起構造223は、弾性微細構造層825の一部であってもよい。弾性微細構造層825のセンサキャビティ250から離れる側は、弾性薄膜821に接続される。弾性微細構造層825のセンサキャビティ250に近接する側は、突起構造223に設置される。弾性薄膜821及び/又は弾性微細構造層825は、ハウジング240に直接的に接続されてもよく、接続の方式は、接着、係止、リベット接合、釘接合などを含む。例示的には、図8に示すように、弾性薄膜821の縁部は、ハウジング240の側壁に直接的に嵌設されてもよく、弾性微細構造層825は、センサキャビティ250の密封性を保証するために、ハウジング240の内壁に密着されてもよい。本実施例において、弾性部品820は、ハウジング240に直接的に接続され、一方では、センサキャビティ250が高い密封性を有することを保証することができ、他方では、密封ユニットを省略し、センサ装置810の構造を簡略化し、センサ装置810の製造プロセスを簡略化する。
【0095】
いくつかの実施例において、弾性部品820がハウジング240に直接的に接続されるとき、質量ユニット260の第1の方向での投影面積は、センサキャビティ250の第1の方向での投影面積より小さい。具体的には、弾性部品820(例えば、弾性部品820の弾性薄膜821、弾性微細構造層825)がハウジング240に直接的に固定接続されれば、センサキャビティ250の第1の方向での投影面積は、質量ユニット260の縁部とハウジング240との間に一定の隙間を有して、質量ユニット260を上記第1の方向で振動させることができるようにするために、質量ユニット260の第1の方向での投影面積より大きい必要がある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積とセンサキャビティ250の第1の方向での投影面積との比率は、0.05~0.95の範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積とセンサキャビティ250の第1の方向での投影面積との比率は、0.1~0.9の範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積とセンサキャビティ250の第1の方向での投影面積との比率は、0.2~0.9の範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積とセンサキャビティ250の第1の方向での投影面積との比率は、0.3~0.8の範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積とセンサキャビティ250の第1の方向での投影面積との比率は、0.4~0.7の範囲内にある。いくつかの実施例において、質量ユニット260の第1の方向での投影面積とセンサキャビティ250の第1の方向での投影面積との比率は、0.5~0.6の範囲内にある。
【0096】
図9は、本願のいくつかの実施例に係るセンサ装置の概略図である。図9に示すセンサ装置910は、センサ装置910の弾性部品920が第1の弾性部品920-1及び第2の弾性部品920-2を含む以外は、図2に示すセンサ装置210と同様である。第1の弾性部品920-1及び第2の弾性部品920-2は、質量ユニット260の第1の方向の両側にそれぞれ設置される。第1の弾性部品920-1は、質量ユニット260のエネルギー変換部品230に近接する側に位置し、第2の弾性部品920-2は、質量ユニット260のエネルギー変換部品230から離れる側に位置する。図2に示す弾性部品220と同様に、第1の弾性部品920-1は、第1の弾性薄膜221-1と、第1の弾性薄膜221-1のセンサキャビティ250を向く側の表面(内面とも呼ばれる)に設置された第1の突起構造223-1とを含む。第1の突起構造223-1の縁部は、第1の密封ユニット270-1によりエネルギー変換部品230に密封接続されることにより、第1の弾性薄膜221-1、第1の突起構造223-1、第1の密封ユニット270-1及びエネルギー変換部品230は、共にセンサキャビティ250を形成する。第2の弾性部品920-2は、第2の弾性薄膜221-2と、第2の弾性薄膜221-2のセンサキャビティ250から離れる側に設置された第2の突起構造223-2とを含む。第2の突起構造223-2の縁部は、第2の密封ユニット270-2によりハウジング240の上壁(即ちハウジング240のエネルギー変換部品230から離れる側)に密封接続される。
【0097】
いくつかの実施例において、第1の弾性部品920-1及び第2の弾性部品920-2のうちの少なくとも1つは、弾性微細構造層(図示せず)を含んでもよい。第1の弾性部品920-1を例として、第1の弾性部品920-1は、第1の弾性薄膜221-1及び第1の弾性微細構造層を含んでもよく、第1の弾性微細構造層は、第1の弾性薄膜221-1のエネルギー変換部品230を向く側に設置される。第1の弾性微細構造層のエネルギー変換部品230を向く側に第1の突起構造223-1が含まれる。第1の突起構造223-1は、第1の弾性微細構造層の一部であってもよい。弾性微細構造層は、上記1つ以上の実施例における弾性微細構造層(例えば、図7に示す弾性微細構造層725)と同じであってもよく、類似してもよく、ここでは説明を省略する。
【0098】
図9に示すように、第1の弾性部品920-1及び第2の弾性部品920-2は、第1の方向に沿って質量ユニット260の対向する両側に分布する。ここで、第1の弾性部品920-1及び第2の弾性部品920-2を、ほぼ1つの弾性部品920としてもよい。説明を容易にするために、第1の弾性部品920-1と第2の弾性部品920-2とで一体的に形成された弾性部品920は、第3の弾性部品と呼ばれてもよい。第3の弾性部品の図心は、質量ユニット260の重心に重なるか又はほぼ重なり、かつ第2の弾性部品920-2は、ハウジング240の上壁(即ちハウジング240のエネルギー変換部品230から離れる側)に密封接続され、目標周波数範囲(例えば、3000Hz以下)内において、ハウジング240の第1の方向での振動に対する第3の弾性部品の応答感度は、ハウジング240の第2の方向での振動に対する第3の弾性部品の応答感度より高い。
【0099】
いくつかの実施例において、第3の弾性部品(即ち弾性部品920)は、ハウジング240の振動に応答して第1の方向に振動を生成する。第1の方向での振動は、センサ装置910(例えば、振動センサ装置)がピックアップする目標信号として見なされてもよく、第2の方向での振動は、ノイズ信号として見なされてもよい。センサ装置910の動作過程において、第3の弾性部品が第2の方向で生成した振動を低減することによりハウジング240の第2の方向での振動に対する第3の弾性部品の応答感度を低下させ、さらにセンサ装置910の方向選択性を向上させ、ノイズ信号の音声信号に対する干渉を低減することができる。
【0100】
いくつかの実施例において、第3の弾性部品がハウジング240の振動に応答して振動を生成するとき、第3の弾性部品の図心が質量ユニット260の重心に重なるか又はほぼ重なり、かつ第2の弾性部品920-2がハウジング240の上壁(即ちハウジング240のエネルギー変換部品230から離れる側)に密封接続されると、ハウジング240の第1の方向での振動に対する第3の弾性部品の応答感度が基本的に変化しない前提で、質量ユニット260の第2の方向での振動を低減することにより、ハウジング240の第2の方向での振動に対する第3の弾性部品の応答感度を低下させ、さらにセンサ装置910の方向選択性を向上させることができる。なお、ここで第3の弾性部品の図心が質量ユニット260の重心にほぼ重なることは、第3の弾性部品が、密度が均一な規則的な幾何学的構造であるため、第3の弾性部品の図心がその重心にほぼ重なると理解されてもよい。第3の弾性部品の重心は、質量ユニット260の重心として見なされてもよい。このとき、第3の弾性部品の図心は、質量ユニット260の重心にほぼ重なると見なされてもよい。いくつかの実施例において、第3の弾性部品が不規則な構造体であるとき、又は密度が不均一であるとき、第3の弾性部品の実際の重心が質量ユニット260の重心にほぼ重なると見なされてもよい。ほぼ重なるとは、第3の弾性部品の実際の重心又は第3の弾性部品の図心と質量ユニット260の重心との距離が一定の範囲内にあり、例えば、100μmより小さく、500μmより小さく、1mmより小さく、2mmより小さく、3mmより小さく、5mmより小さく、10mmより小さいなどであることを意味してもよい。
【0101】
第3の弾性部品の図心が質量ユニット260の重心に重なるか又はほぼ重なるとき、第3の弾性部品の第1の方向での振動の共振周波数を変化させずに、第3の弾性部品の第2の方向での振動の共振周波数を高周波にシフトさせることができる。第3の弾性部品の第1の方向での振動の共振周波数は、基本的に変化しないように保持することができ、例えば、第3の弾性部品の第1の方向での振動の共振周波数は、人の耳による感知が比較的に強い周波数範囲(例えば、20Hz~2000Hz、2000Hz~3000Hzなど)内の周波数であってもよい。第3の弾性部品の第2の方向での振動の共振周波数は、高周波にシフトし、人の耳による感知が比較的に弱い周波数範囲(例えば、5000Hz~9000Hz、1kHz~14kHzなど)内の周波数に位置してもよい。
【0102】
図10は、本願のいくつかの実施例に係るセンサ素子の概略図である。センサ素子1010は、1つの独立したデバイスであってもよい。センサ素子1010は、特定のタイプのエネルギー変換部品(図示せず)と組み立てられる(例えば、グルーで貼り合わせられるか又は接着され、又は他の取り外し可能な方式で結合される)ことにより、高感度のセンサ装置(例えば、センサ装置10、センサ装置210)を構成する。上記特定のタイプのエネルギー変換部品は、第1のセンサキャビティ1050の体積の変化に応答して、所望の信号(例えば、電気信号)を生成することができる。上記特定のタイプのエネルギー変換部品は、例えば、音響エネルギー変換部品、例えば気導マイクロフォンを含んでもよい。
【0103】
図10に示すように、センサ素子1010は、ハウジング240、質量ユニット260、第1のセンサキャビティ1050及び弾性部品820を含んでもよい。図10に示す弾性部品820、質量ユニット260及びハウジング240は、図8に示すセンサ装置810の対応する部品又はユニットと同じであってもよく、類似してもよく、ここでは説明を省略する。弾性部品820は、第1のセンサキャビティ1050の第1の側壁であり、ハウジング240と共に第1のセンサキャビティ1050を構成してもよい。第1のセンサキャビティ1050は、半密閉構造である。また、センサ素子1010の第1のセンサキャビティ1050が密閉されないため、輸送及び取り付け過程において塵埃及び不純物が第1のセンサキャビティ1050に入り、センサ素子1010の性能に影響を与える可能性がある。したがって、いくつかの実施例において、密閉されないセンサ素子1010の開口、即ち第1のセンサキャビティ1050の開口側に防塵構造が設置されてもよい。防塵構造の例は、防塵膜、防塵カバーなどを含んでもよい。
【0104】
センサ素子1010は、独立したデバイスであり、上記特定のタイプのエネルギー変換部品に接続されて、センサ装置(例えば、センサ装置10、センサ装置210)を構成する。例えば、上記センサ素子1010は、エネルギー変換部品(例えば、音響トランスデューサを含む)と貼り合わせられ、上記エネルギー変換部品は、弾性部品820に対向して配置されて密閉センサキャビティを形成する。上記エネルギー変換部品は、上記密閉センサキャビティの体積変化を電気信号に変換する。いくつかの実施例において、上記エネルギー変換部品は、接続基板1031に接続される。例えば、上記エネルギー変換部品は、接続基板1031のセンサ素子1010から離れる側に接続される。接続基板1031は、プリント回路基板(PCB基板)、例えば、PCB紙フェノール基板、PCB複合基板、PCBガラス繊維基板、PCB金属基板、積層法によるPCB多層基板などであってもよい。いくつかの実施例において、接続基板1031は、エポキシガラスガラスクロスで製造されたFR-4グレードのPCBガラス繊維基板であってもよい。いくつかの実施例において、接続基板1031は、フレキシブルプリント回路基板(FPC)であってもよい。接続基板1031に(例えば、レーザエッチング、化学エッチング、埋設などの方式で)回路及び他のデバイス、例えば、プロセッサ、メモリなどが設置されてもよい。いくつかの実施例において、上記エネルギー変換部品は、固定接着剤又は金属ピンにより接続基板1031に固定接続されてもよい。いくつかの実施例において、固定接着剤は、導電性接着剤(例えば、導電性銀接着剤、銅粉末導電性接着剤、ニッケル炭素導電性接着剤、銀銅導電性接着剤など)であってもよい。上記導電性接着剤は、導電性グルー、導電性接着フィルム、導電性接着リング、導電性テープなどであってもよい。上記接続基板1031は、少なくとも1つの開口1033を含む。上記エネルギー変換部品におけるセンサ信号を取得する素子(例えば、気導マイクロフォンの振動膜)は、開口1033により上記第1のセンサキャビティ1050に連通してもよい。
【0105】
センサ素子1010のハウジング240を接続基板1031に接続することにより、センサ素子1010と、接続基板1031及びそれに接続されたエネルギー変換部品とはセンサ装置を構成してもよい。ハウジング240と接続基板1031との接続方式は、接着、係止、溶接、リベット接合、釘接合などを含んでもよい。このとき、弾性部品820、ハウジング240、接続基板1031及びエネルギー変換部品におけるセンサ信号を取得する素子は、共に密閉されたセンサキャビティ(例えばセンサキャビティ250)を構成してもよい。上記第1のセンサキャビティ1050は、該密閉センサキャビティの一部(例えば、サブキャビティ)である。接続基板1031及びエネルギー変換部品におけるセンサ信号を取得する素子は、上記密閉センサキャビティの第2の側壁を構成してもよい。
【0106】
弾性部品820で構成された第1の側壁に突起構造823が設置される。突起構造823は、センサキャビティ又はセンサキャビティ1050の一部の体積を減少させることにより、センサ装置の感度を向上させることができる。いくつかの実施例において、センサ素子1010と上記エネルギー変換部品がセンサ装置を構成するとき、突起構造は、センサキャビティの第2の側壁に当接するように構成されてもよい。センサ装置1010が動作状態にあるとき、弾性部品820は、突起構造223を駆動して振動させ、かつセンサキャビティの第2の側壁に押し付けることにより、弾性変形を生成する。突起構造が弾性変形するとき、センサキャビティの体積変化量を増加させることにより、センサ装置1010の感度を向上させることができる。また、突起構造の存在により、弾性部品820とセンサキャビティの第2の側壁との接触面積を効果的に減少させることができるため、センサキャビティを構成する第2の側壁との粘着を防止し、センサ装置1010の安定性及び信頼性を向上させることができる。
【0107】
なお、接続基板1031は、センサ素子1010の一部であってもよく、特定のタイプのエネルギー変換部品は、接続基板1031に接続されることにより、センサ素子1010と共にセンサ装置を構成する。このとき、弾性部品、ハウジング240及び接続基板1031は、センサキャビティ1050の一部を構成する。
【0108】
以上のセンサ素子1010の構造に対する説明は、具体的な例に過ぎず、唯一の実行可能な実施形態と見なされるべきではない。明らかに、当業者は、骨伝導スピーカの基本的な原理を理解した後、この原理から逸脱することなく、センサ素子1010を実装する具体的な方式及びステップの形態及び詳細に様々な修正及び変更を行うことができ、これらの修正及び変更は、依然として以上に説明した範囲内にある。例えば、センサ素子1010は、質量ユニット260を含まなくてもよい。また例えば、センサ素子1010が音響トランスデューサの接続基板1031に接続されるとき、突起構造223は、接続基板1031で構成された第2の側壁に当接しなくてもよい。
【0109】
上記で基本概念を説明してきたが、当業者にとっては、上記発明の開示は、単なる例として提示されているに過ぎず、本願を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本願において示唆されているため、本願の例示的な実施例の精神及び範囲内にある。
【0110】
さらに、本願の実施例を説明するために、本願において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における2回以上言及した「一実施例」又は「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」は、必ずしもすべてが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本願の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造、又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0111】
さらに、当業者には理解されるように、本願の各態様は、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製品又は物質の組み合わせ、又はそれらへの任意の新規かつ有用な改善を含むいくつかの特許可能なクラス又はコンテキストで、例示及び説明され得る。よって、本願の各態様は、完全にハードウェアによって実行されてもよく、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)によって実行されてもよく、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによって実行されてもよい。以上のハードウェア又はソフトウェアは、いずれも「データブロック」、「モジュール」、「エンジン」、「ユニット」、「アセンブリ」又は「システム」と呼ばれてもよい。さらに、本願の各態様は、コンピュータ可読プログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
【0112】
さらに、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本願に記載の処理要素又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本願の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、説明のためのものに過ぎず、添付の特許請求の範囲は、単に、開示される実施例に限定されず、反対に、本願の実施例の趣旨及び範囲内にあるすべての修正及び等価な組み合わせを含むように意図されることが理解されたい。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみの解決手段、例えば、既存のサーバ又はモバイル装置に説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0113】
同様に、本願の実施例の前述の説明では、本願に開示されているものを簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を容易にするために、様々な特徴は1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることが注意されたい。しかしながら、このような開示方法は、本願の対象が各請求項で列挙される特徴よりも多くの特徴を必要とすることを意味するものではない。実際に、実施例の特徴は、上記開示された単一の実施例のすべての特徴より少ない。
【0114】
いくつかの実施例において成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「実質的」などによって修飾されることが理解されるべきである。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「実質的」は、上記数字が説明する値の±20%の変動が許容されることを示す。よって、いくつかの実施例において、明細書及び特許請求の範囲において使用されている数値データは、いずれも特定の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例において、数値データについては、規定された有効桁数を考慮すると共に、通常の丸め手法を適用するべきである。本願のいくつかの実施例におけるその範囲を決定するための数値範囲及びデータは近似値であるにもかかわらず、具体的な実施例では、このような数値は実現可能な範囲において可能な限り正確に設定される。
【0115】
最後に、本願に記載の実施例は、本願の実施例の原理を説明するものに過ぎないことが理解されたい。他の変形例も本願の範囲内に含まれる可能性がある。したがって、限定的なものではなく、例示的なものとして、本願の実施例の代替構成は、本願の教示と一致すると見なされてもよい。よって、本願の実施例は、本願において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0116】
10、210、710、810、910 センサ装置
20、220、420、520、620、720、820、920 弾性部品
21、221、721、821 弾性薄膜
23、223、423、523、623、823 突起構造
30、230 エネルギー変換部品
40、240 ハウジング
50、250、1050 センサキャビティ
260 質量ユニット
270 密封ユニット
725、825 弾性微細構造層
1010 センサ素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11