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特許7512420ボックス前部壁と側壁との間に傾斜した長軸方向の縁を有する細長い消費者物品のための容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】ボックス前部壁と側壁との間に傾斜した長軸方向の縁を有する細長い消費者物品のための容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20240701BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B65D85/10
B65D5/66 321B
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022563415
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(86)【国際出願番号】 EP2021059870
(87)【国際公開番号】W WO2021213908
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】20170606.6
(32)【優先日】2020-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ベルムデス フェルナンド
(72)【発明者】
【氏名】アンドロセンコ アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ロスリスベルガー ジャック
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】台湾特許出願公開第201406628(TW,A)
【文献】特開2006-240744(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02883808(EP,A1)
【文献】米国特許第04526317(US,A)
【文献】米国特許第04303191(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/10
B65D 5/00-5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費財細長い物品のための容器であって、前記容器が、
消費財を収容するためのボックスであって、前記ボックスが、ボックス前部壁、ボックス後部壁、第一のボックス側壁、第二のボックス側壁およびボックス底部壁を備え、前記ボックスの上端が少なくとも部分的に開いて前記消費財にアクセスするためのアクセス開口部を提供するボックスと、
ヒンジに沿って前記ボックス後部壁に枢動可能に接続されたリッドであって、前記リッドが前記アクセス開口部を覆う閉位置と、前記アクセス開口部が露出している開位置との間で、前記ヒンジの周りを枢動可能であるリッドと、を備え、
前記ボックス前部壁が、ボックス前部下側セクションおよびボックス前部上側セクションを備え、前記第一のボックス側壁が、第一のボックス側面下側セクションおよび第一のボックス側面上側セクションを備え、前記第二のボックス側壁が、第二のボックス側面下側セクションおよび第二のボックス側面上側セクションを備え、前記ボックス前部下側セクション、前記第一のボックス側面下側セクションおよび前記第二のボックス側面下側セクションが、前記ボックス底部壁に隣接し、前記ボックス前部上側セクションならびに前記第一のボックス側面上側セクションおよび前記第二のボックス側面上側セクションが、前記リッドがその閉位置にある時に前記リッドによって覆われるように構成されており、前記容器が、前記第一のボックス側壁を前記容器の前記ボックス前部壁と接続する第一の長軸方向の縁をさらに備え、前記上側の第一の長軸方向の縁が前記下側の第一の長軸方向の縁に対してある角度をなすように、前記ボックス前部上側セクションにある前記上側の第一の長軸方向の縁が、前記ボックス前部下側セクションにある前記下側の第一の長軸方向の縁に対して傾斜しており、
前記容器が、一片のブランクから製造される、容器。
【請求項2】
前記容器の前記第二のボックス側壁を前記ボックス前部壁と接続する第二の長軸方向の縁をさらに含み、前記上側の第二の長軸方向の縁が前記下側の第二の長軸方向の縁に対して角度をなすように、前記ボックス前部上側セクションにある前記上側の第二の長軸方向の縁が、前記ボックス前部下側セクションにある前記下側の第二の長軸方向の縁に対して傾斜している、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記上側の第一の長軸方向の縁および前記上側の第二の長軸方向の縁の一方または両方が、前記ボックス前部壁の中央長軸方向軸に向かって傾斜している、請求項1~2のいずれかに記載の容器。
【請求項4】
前記上側の第一の長軸方向の縁および前記上側の第二の長軸方向の縁の一方または両方が、2度~8度の間の角度で傾斜している、請求項1~3のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
前記ボックス後部壁に隣接する前記第一のボックス側壁の最小高さ、前記ボックス後部壁に隣接する前記第二のボックス側壁の最小高さ、または前記ボックス後部壁に隣接する前記第一のボックス側壁および前記第二のボックス側壁の両方の最小高さが、前記ボックス後部壁の高さと同じ高さであるかまたはそれよりも低い、請求項1~4のいずれかに記載の容器。
【請求項6】
前記第一のボックス側面上側セクションの上側の縁、前記第二のボックス側面上側セクションの上側の縁、または前記第一のボックス側面上側セクションおよび前記第二のボックス側面上側セクションの両方の上側の縁が、切り抜き部分によって形成される陥凹部を含む、請求項1~5のいずれかに記載の容器。
【請求項7】
前記ボックス前部上側セクションの最も狭い幅が、前記ボックス前部下側セクションの幅より0.1パーセント~5パーセント小さい、請求項1~6のいずれかに記載の容器。
【請求項8】
前記ボックス前部下側セクションが、前記ボックス前部上側セクションと同一の平面にある、請求項1~7のいずれかに記載の容器。
【請求項9】
前記ボックス前部上側セクションに少なくとも一つの保持タブを備え、前記保持タブが前記ボックス前部上側セクションから突出している、請求項1~8のいずれかに記載の容器。
【請求項10】
前記リッドがリッド上部壁を備え、前記リッド上部壁の幅が、前記ボックス後部壁の幅より大きい、請求項1~9のいずれかに記載の容器。
【請求項11】
前記リッド上部壁の幅が、前記ボックス後部壁の幅よりも最大2mm大きい、請求項10に記載の容器。
【請求項12】
請求項1~11のいずれかに記載の細長い物品のための容器を形成するためのブランクであって、前記ブランクが、
ボックス形成セクションおよびリッド形成セクションであって、前記リッド形成セクションが、リッド上部壁、リッド後部壁、リッド前部壁、および二つのリッド側壁を備え、前記リッド後部壁が、リッド折り目に沿って前記ボックス形成セクションに接続され、前記ボックス形成セクションが、ボックス前部壁、ボックス後部壁、ボックス底部壁、ならびに第一のボックス側壁および第二のボックス側壁を備え、前記ボックス後部壁が、前記リッド折り目に沿って前記リッド形成セクションに接続され、前記ボックス前部壁が、ボックス前部下側セクションおよびボックス前部上側セクションを備え、前記第一のボックス側壁が、第一のボックス側面下側セクションおよび第一のボックス上側セクションを備え、前記第二のボックス側壁が、第二のボックス側面下側セクションおよび第二のボックス上側セクションを備え、前記ボックス前部下側セクションが前記ボックス底部壁に隣接しており、前記ブランクが、前記第一のボックス側壁を前記ボックス前部壁と接続する第一の長軸方向の折り目をさらに含み、前記上側の第一の長軸方向の折り目が前記下側の第一の長軸方向の折り目に対して角度をなすように、前記ボックス前部上側セクションにある前記上側の第一の長軸方向の折り目が、前記ボックス前部下側セクションにある前記下側の第一の長軸方向の折り目に対して傾斜しており、前記ボックス前部下側セクションの高さが、前記容器の全高から前記リッド前部壁の高さを引いたものと同じであるかまたはそれより大きく、前記容器の前記全高が、前記ボックス後部壁の前記高さと前記リッド後部壁の前記高さとの合計である、ブランク。
【請求項13】
前記容器の前記第二のボックス側壁を前記ボックス前部壁と接続する第二の長軸方向の折り目をさらに含み、前記上側の第二の長軸方向の折り目が前記下側の第二の長軸方向の折り目に対して角度をなすように、前記ボックス前部上側セクションにある前記上側の第二の長軸方向の折り目が、前記ボックス前部下側セクションにある前記下側の第二の長軸方向の折り目に対して傾斜している、請求項12に記載のブランク。
【請求項14】
前記上側の第一の長軸方向の折り目、前記上側の第二の長軸方向の折り目、または前記上側の第一の長軸方向の折り目および前記上側の第二の長軸方向の折り目の両方が、2度~8度の角度で傾斜している、請求項13に記載のブランク。
【請求項15】
前記ボックス後部壁に隣接する前記第一のボックス側壁の最小高さ、前記ボックス後部壁に隣接する前記第二のボックス側壁の最小高さ、または前記ボックス後部壁に隣接する前記第一のボックス側壁および前記第二のボックス側壁の両方の最小高さが、前記ボックス後部壁と同じ高さであるかまたはそれよりも低い、請求項13または14に記載のブランク。
【請求項16】
前記第一のボックス側壁の上側の縁、前記第二のボックス側壁の上側の縁、または前記第一のボックス側壁および前記第二のボックス側壁の両方の上側の縁が、切り抜き部分によって形成される陥凹部を含む、請求項15に記載のブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費財、特に、例えば、エアロゾル発生物品、クレヨンまたは紙巻たばこなどの細長い物品のための容器に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生物品または紙巻たばこなどの細長い消費者物品は一般に、ボックスと、容器の後部壁を横切って延びるヒンジ線に沿ってボックス部分に接続されたリッドとを有する、剛直なヒンジリッド容器中に包装される。こうしたヒンジリッド容器は、典型的には厚紙ブランクから構成される。使用時、リッド部分はヒンジ線の周りを枢動して容器を開き、ボックス部分に収容されている細長い物品へのアクセスを得る。
【0003】
従来法では、厚紙で作製された別個の内側フレームが容器の内部に収容されて、容器にさらなる安定性を提供し、リッドが閉じている時にリッドの保持を助ける。この内側フレームは、通常、リッドが閉じている時にリッドの正しい位置を画定し、さらに、内側からリッドに圧力をかけることによって、リッドが偶発的に開くのを防止する。こうした内側フレームは、接着によって容器に接続される。ボックス部分に収容されている細長い物品の群は典型的に、金属化紙、金属箔、またはその他の可撓性シート材料の内側ライナーに包まれて、内側束を形成する。
【0004】
米国特許第2,163,828号は、内側フレームが統合されたブランク片からなるヒンジリッドボックスを記述している。しかしながら、こうしたタイプのボックスは、しばしばかなりの欠点がある。例えば、ボックスの本体部分の上部は、リッドがその閉位置に回転する時に、リッドに引っかかりやすい可能性がある。リッドとボックスとが頻繁に衝突するのは、こうしたボックスの使用を不便なものにする。
【0005】
本発明の目的は、上記の欠点を克服する細長い物品のための改善された容器を提供することである。改良された容器は、リッドの閉鎖を手助けしうる。同時に、本容器は安価で生産が容易である。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、ボックスおよびリッドを有するハウジングを備えうる細長い物品など、消費財のための容器が提供されている。ボックスは、ボックス前部壁、ボックス後部壁、第一のボックス側壁、第二のボックス側壁およびボックス底部壁を備えうる。ボックスの上端は、消費財にアクセスするためのアクセス開口部を提供するために、少なくとも部分的に開いていてもよい。リッドは、ヒンジの周りでボックス後部壁に枢動可能に接続されてもよい。リッドは、リッドが過剰な開口部を覆う閉位置と、過剰な開口部が露出している開位置との間でヒンジの周りに枢動可能であってもよい。ボックス前部壁は、ボックス前部下側セクションおよびボックス前部上側セクションを備えてもよく、第一のボックス側壁は、第一のボックス側面下側セクションおよび第一のボックス側面上側セクションを備えてもよい。同様に、第二のボックス側壁は、第二のボックス側面下側セクションおよび第二のボックス側面上側セクションを備えてもよい。ボックス前部下側セクション、第一のボックス側面下側セクション、および第二のボックス側面下側セクションは、ボックス底部壁に隣接していてもよい。ボックス前部上側セクション、第一のボックス側面上側セクション、および第二のボックス側面上側セクションは、リッドがその閉位置にある時に、リッドによって覆われるように構成されていてもよい。容器は、第一のボックス側壁を容器のボックス前部壁と接続する第一の長軸方向の縁をさらに備えてもよい。上側の第一の長軸方向の縁が、下側の第一の長軸方向の縁に対してある角度をなすように、ボックス前部上側セクションにある上側の第一の長軸方向の縁は、ボックス前部下側セクションにある下側の第一の長軸方向の縁に対して傾斜していてもよい。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、ボックスおよびリッドを有するハウジングを備える細長い物品など、細長い消費者物品のための容器が提供されている。ボックスは、ボックス前部壁、ボックス後部壁、第一のボックス側壁、第二のボックス側壁およびボックス底部壁を備える。ボックスの上端は、消費財にアクセスするためのアクセス開口部を提供するために、少なくとも部分的に開いている。リッドは、ヒンジの周りでボックス後部壁に枢動可能に接続されている。リッドは、リッドがアクセス開口部を覆う閉位置と、アクセス開口部が露出している開位置との間でヒンジの周りに枢動可能である。ボックス前部壁は、ボックス前部下側セクションおよびボックス前部上側セクションを備え、第一のボックス側壁は、第一のボックス側面下側セクションおよび第一のボックス側面上側セクションを備える。第二のボックス側壁は、第二のボックス側面下側セクションおよび第二のボックス側面上側セクションを備える。ボックス前部下側セクション、第一のボックス側面下側セクション、および第二のボックス側面下側セクションは、ボックス底部壁に隣接している。ボックス前部上側セクション、第一のボックス側面上側セクション、および第二のボックス側面上側セクションは、リッドがその閉位置にある時に、リッドによって覆われるように構成されている。容器は、第一のボックス側壁を容器のボックス前部壁と接続する第一の長軸方向の縁をさらに備える。上側の第一の長軸方向の縁が、下側の第一の長軸方向の縁に対してある角度をなすように、ボックス前部上側セクションにある上側の第一の長軸方向の縁は、ボックス前部下側セクションにある下側の第一の長軸方向の縁に対して傾斜している。
【0008】
ボックス前部上側セクションにある上側の第一の長軸方向の縁が、ボックス前部下側セクションにある下側の第一の長軸方向の縁に対してある角度をなす、傾斜した第一の長軸方向の縁を容器に提供することによって、ボックスの上端がわずかに先細りしうる。ボックスの先細りの上端は、有利なことに、リッドがその閉位置に回転する時に、リッドがボックスの上側の縁に引っかかるリスクを低減することによって、滑らかなリッドの閉鎖を助けうる。
【0009】
加えて、容器に傾斜した上側の第一の長軸方向の縁を提供することによって、こうした容器は、傾斜した縁からの張力のために容器から外側に突出したボックスの、ボックス前部上側セクション、第一のボックス側面上側セクション、またはボックス前部上側セクションと第一のボックス側面上側セクションの両方の部分を含みうる。これらの突出セクションは、内側からリッドと摩擦係合し、リッドが閉位置にある時にリッドに押し付けられうる。これは、リッドが偶発的に開くのを回避するのに役立ちうる。
【0010】
本発明の以下の説明では、本発明による容器の構成要素の相対的な位置を説明するために使用される「側部」、「上部」、「底部」、「前部」、「後部」およびその他の用語は、上部にアクセス開口部を有する直立位置にある容器について言及するものである。本発明による容器を説明する時、説明されている容器の向きに関係なく、これらの用語が使用される。容器の「底部」は、容器の「上部」の反対側の容器の側を意味する。
【0011】
「壁」という用語は、より一般的に容器の面を意味し、壁は単一のパネルまたはフラップから形成されてもよく、または壁は二つ以上の当接するまたは重なり合うパネルまたはフラップから形成されてもよい。
【0012】
本明細書で使用される場合、「パネル」という用語は、材料の単一の連続した部分から形成される容器の一部分を意味する。パネルは、一つ以上の他のパネルに従属してもよい。
【0013】
「折り目」という用語は、ブランクが折り畳まれるブランクの任意の線を説明するために使用される。折り目は、折り畳み作用を支援するための虚弱線によって画定されてもよい。
【0014】
本明細書で使用される場合、「高さ」という用語は、上部と底部との間に延びる寸法を意味する。本明細書で使用される場合、「幅」という用語は、二つの側部の間に延びる寸法を意味する。
【0015】
「内表面」という用語は本明細書全体を通して、容器が閉位置にある時に、その容器の内部の方(例えば、消費財の方)を向いている、組み立てられた容器の構成要素の表面を指すために使用される。
【0016】
一部の実施形態では、容器は、第二のボックス側壁を容器のボックス前部壁と接続する第二の長軸方向の縁をさらに備えてもよい。上側の第二の長軸方向の縁が下側の第二の長軸方向の縁に対してある角度をなすように、ボックス前部上側セクションにある上側の第二の長軸方向の縁は、ボックス前部下側セクションにある下側の第二の長軸方向の縁に対して傾斜していてもよい。
【0017】
同様に、容器に傾斜した第一の長軸方向の縁を提供することによって、表題の第二の長軸方向の縁を提供することはまた、ボックスの上端が先細りするのを助ける。ボックスの先細りの上端は、有利なことに、リッドがその閉位置に回転する時に、リッドがボックスの上側の縁に引っかかるリスクを低減することによって、滑らかなリッドの閉鎖を助けうる。
【0018】
加えて、傾斜した上側の第二の長軸方向の縁は、ボックス前部上側セクション、第二のボックス側面上側セクション、またはボックス前部上側セクションと第二のボックス側面上側セクションの両方の部分が容器から外側に突出することにつながりうる。これらの突出セクションは、ボックス前部上側セクションと第一のボックス側面上側セクションとの間の突出セクションに加えて、内側からリッドとさらに摩擦係合してもよい。こうした容器は、偶発的に開くことに対する追加的保護を提供しうる。
【0019】
上側の第一の長軸方向の縁および上側の第二の長軸方向の縁の一方または両方は、ボックス前部壁の中央長軸方向軸に向かって傾斜していてもよい。これは、ボックス前部上側セクションの幅がリッドに向かって減少することにつながりうる。ボックス前部上側セクションの幅は、上側の第一の長軸方向の縁と、ボックス底部壁に平行な上側の第二の長軸方向の縁との間の、上側セクションにあるボックス前部壁の最も狭い幅として測定されうる。ボックス前部上側セクションの幅は、リッドに向かって漸減し、ボックスの上端が先細りになる。ボックスの先細りの上端はまた有利なことに、リッドがその閉位置に回転する時に、リッドがボックスの上側の縁に引っかかるリスクを低減することによって、滑らかなリッドの閉鎖を支援しうる。
【0020】
ボックス前部上側セクションの幅は、0.1パーセント~5パーセントの間であってもよく、好ましくは、ボックス前部下側セクションの幅よりも0.5パーセント~3パーセント小さくてもよい。例えば、ボックス前部上側セクションの幅は、ボックス前部下側セクションの幅よりも2~3ミリメートル小さくてもよい。
【0021】
上側の第一の長軸方向の縁と下側の第一の長軸方向の縁との間の傾斜角は、傾斜した上側の第一の長軸方向の縁と仮想的な第一の長軸方向の縁との間の角度であると定義され、これは、ボックス前部下側セクションからボックス前部上側セクションへの、下側の第一の長軸方向の縁の直線延長部である。その結果、傾斜角は、ボックス前部上側セクションにある傾斜した上側の第一の長軸方向の縁が、下側の第一の長軸方向の縁から離れる頂点から開始して測定されうる(上側の第一の長軸方向の縁と下側の第一の長軸方向の縁との間の傾斜角を決定する方法を記述した図4も参照)。上側の第二の長軸方向の縁と下側の第二の長軸方向の縁との間の傾斜角は、同じ方法で定義されてもよい。
【0022】
上側の第一の長軸方向の縁または上側の第二の長軸方向の縁、または上側の第一の長軸方向の縁および上側の第二の長軸方向の縁の両方は、2度~8度、好ましくは4度~6度、最も好ましくは5度の角度をなしてもよい。これらの傾斜角は、ボックス前部下側セクションの容器の外表面が、前部下側セクションにある容器の外表面のように平坦ではなく、凸状になることにつながりうる。外向きにアーチ状のボックス前部上側セクションは、容器の凸面が必然的に、ボックスの上側部分とリッドの内表面との間の摩擦係合をリッドの閉位置において増加させうるため、閉じたリッドを固定し、偶発的に開くことを最小化するのに特に有利である。
【0023】
ボックス前部壁の中央長軸方向軸に向かって傾斜する代わりに、上側の第一の長軸方向の縁または上側の第二の長軸方向の縁、または上側の第一の長軸方向の縁および上側の第二の長軸方向の縁の両方は、ボックス前部壁の中央長軸方向軸から離れて傾斜してもよい。これにより、ボックス前部上側セクションの幅がリッドに向かって増加する結果となりうる。
【0024】
上側の第一の長軸方向の縁および上側の第二の長軸方向の縁の一方または両方は、2度~10度、好ましくは5度~10度の傾斜角で、ボックス前部壁の中央長軸方向軸から離れて傾斜していてもよい。
【0025】
ボックス前部上側セクション、第一のボックス側面上側セクション、および第二のボックス側面上側セクションは、リッドがその閉位置にある時に、リッドによって覆われてもよく、好ましくは完全に覆われてもよい。これにより、ボックス前部上側セクションの外向きにアーチ状の表面が、リッドが閉じている時に、リッド前部壁によって完全に覆われることが確実になりうる。
【0026】
容器は、一片のブランクから製造されてもよい。これは製造プロセスを簡略化しうる。加えて、こうしたブランクの使用は、既存の包装装置に何も大幅な修正を必要としない場合がある。こうした容器は、安価で、かつ製造しやすい場合がある。加えて、こうした容器は、容器に取り付けられた、別個のブランクから製造される追加の部品を含むことが多い従来の容器よりも少ない材料を必要としうる。特に、容器は別個の内側フレームを含まない。従来の容器では、内側フレームは通常、容器のボックスの内表面に接着剤で付けられる。この内側フレームは、リッドが接触して閉まる前部壁および側壁を有するU字形を有してもよい。こうした内側フレームは、内側フレームの機能が、ボックス前部壁の上側セクション、ならびに第一のボックス側壁の上側セクション、および第二のボックス側壁の上側セクションによって引き継がれるため、本発明の容器には必要ではない場合がある。
【0027】
容器は、厚紙またはプラスチック、または厚紙もしくはプラスチックの組み合わせ、好ましくは厚紙でありうる、単一の一片ブランクから製造されうる。
【0028】
ボックス前部下側セクションは、ボックス前部上側セクションと同じ平面上にあってもよい。これは、容器が単一のブランク片から製造される場合、特に、ボックス前部下側セクションおよびボックス前部上側セクションを含むボックス前部壁全体が一つのブランクパネルによって形成される場合に、特に良好に達成されうる。この場合、容器は、容器に接着剤で付けられるか、またはそれ以外の方法で取り付けられる任意の追加的な別個の部品を欠いてもよい。
【0029】
容器の一実施形態では、第一のボックス側壁の最小高さ、または第二のボックス側壁の最小高さ、または第一のボックス側壁および第二のボックス側壁の最小高さの両方は、ボックス後部壁の高さと同じ高さまたはそれより低くてもよい。第一のボックス側壁、または第二のボックス側壁、または両方のボックス側壁のこれらの低い高さは、リッドが閉じている時に、ボックス側壁がリッド側壁と干渉しないことを確実にしうる。特に、閉じている間に、リッドはヒンジの周りを枢動し、容器内のヒンジの位置は、ヒンジを介してリッド後部壁に直接接続するボックス後部壁の高さによって決定される。ボックス側壁の少なくとも一部が、リッドのヒンジより下または同じレベルに位置する高さを有するようにボックス側壁を構成することによって、ボックス側壁からの大きな干渉なしに、リッドを適切に閉鎖することができることを確実にしうる。特に、ボックス側壁のこうした構成は、有利なことに、開位置から閉位置への枢動の際、リッドの初期移動時のボックス側壁とリッド側壁との間の衝突のリスクを低減しうる。好ましくは、ボックス後部壁に隣接する第一のボックス側壁の高さは、ボックス前部壁に隣接する第一のボックス側壁の高さよりも小さくてもよく、または、ボックス後部壁に隣接する第二のボックス側壁の高さは、ボックス前部壁に隣接する第二のボックス側壁の高さよりも小さくてもよく、または、ボックス後部壁に隣接する第一のボックス側壁および第二のボックス側壁の両方の高さが、ボックス前部壁に隣接する第一のボックス側壁および第二のボックス側壁の高さよりも小さくてもよい。これにより、リッドの適切な閉鎖を確実にすることができ、同時に、ボックス前部壁、特にボックス前部上側セクションに対して十分な支持を提供しうる。
【0030】
容器の一実施形態では、第一のボックス側壁の高さ、または第二のボックス側壁の高さ、または第一のボックス側壁および第二のボックス側壁両方の高さは、ボックス後部壁からボックス前部壁に向かって連続的に増加しうる。別の実施形態では、第一のボックス側壁の高さ、または第二のボックス側壁の高さ、または第一のボックス側壁および第二のボックス側壁の両方の高さは、ボックス後部壁から始める時には、ボックス底部壁に平行であってもよく、ボックス前部壁に向かってさらに進む時には、ボックス側壁の高さはその後増加してもよい。
【0031】
容器のさらなる実施形態では、第一のボックス側壁の高さ、または第二のボックス側壁の高さ、または第一のボックスおよび第二のボックス側壁の両方の高さは、ボックス後部壁から始めて、ボックス側壁の高さの最小値に達するまで減少しうる。その最小値から始めて、第一のボックス側壁、または第二のボックス側壁、または第一のボックス側壁および第二のボックス側壁の両方の高さは、次に、ボックス前部壁、特にボックス前部上側セクションに向かって増加しうる。ボックス側壁のこれらの設計は、リッドの閉鎖中に側壁とリッド側壁との衝突を避けるために特に好適でありうる。
【0032】
第一のボックス側面上側セクションおよび第二のボックス側面上側セクションの両方は、ボックスの上端に隣接し、消費財にアクセスするためのアクセス開口部の外周側を画定する上側の縁を備えてもよい。第一のボックス側面上側セクションの上側の縁、第二のボックス側面上側セクションの上側の縁、または第一のボックス側面上側セクションおよび第二のボックス側面上側セクションの両方の上側の縁は、切り抜き部分によって形成される陥凹部を備えてもよい。切り抜き部分は、容器ブランクの一部であり、ブランクから切り取られる。切り抜き部分の除去は、ボックス側壁の陥凹した上側の縁を形成する。ボックス前部上側セクションに直接隣接するボックス側面上側セクションの縁と、後部壁に直接隣接するボックス側面上側セクションの縁との間に、直線の接続仮想線を引くことができる。ボックス側壁の上側の縁は、切り抜き部分を備えるために、この仮想線の下に少なくとも部分的に位置してもよい(切り抜き部分の定義を詳述する図9も参照)。
【0033】
容器の一部の実施形態では、切り抜き部分は、ボックス後部壁に隣接するボックス側壁の上側の縁の上に位置付けられてもよく、その結果、後部壁に隣接する第一のボックス側壁の上側の縁、または後部壁に隣接する第二のボックス側壁の上側の縁、または後部壁に隣接する第一のボックス側壁の上側の縁および第二のボックス側壁の上側の縁の両方が、ボックス後部壁とリッド後部壁の間にあるヒンジの下方に位置する。こうした構成は、第一のボックス側壁および第二のボックス側壁の上側の縁が、リッドを閉じる時にリッド側壁と干渉しないことを確実にしうる。
【0034】
容器のリッド部分は、リッド上部壁、リッド後部壁、二つの対向するリッド側壁、およびリッド前部壁を備えてもよい。リッド後部壁は、ボックスに枢動可能に取り付けられるリッドの部分であってもよい。特に、リッド後部壁は、ヒンジに沿って後部ボックス壁に枢動可能に取り付けられてもよい。リッド前部壁は、ボックス前部上側セクションをその閉位置で、覆ってもよく、完全に覆いうることが好ましい。同様に、リッド側壁は、リッドが閉じている時に、第一のボックス側面上側セクションおよび第二のボックス側面上側セクションを覆ってもよく、完全に覆いうることが好ましい。
【0035】
容器のリッド上部壁の幅は、ボックスのボックス後部壁の幅よりも大きくてもよい。特に、リッド上部壁の幅は、ボックス後部壁の幅よりも2パーセント~10パーセント、好ましくは3パーセント~8パーセント大きくてもよい。例えば、リッド上部壁の幅は、ボックスの後部壁の幅よりも2~3ミリメートル大きくてもよい。
【0036】
別の方法として、または追加的に、リッド上部壁の幅は、上側の第一の長軸方向の縁および上側の第二の長軸方向の縁の一方または両方が、ボックス前部壁の中央長軸方向軸に向かって傾けられる時、ボックス前部上側セクションの最も狭い幅よりも大きくてもよい。特に、リッド上部壁の幅は、前部上側セクションの最も狭い幅よりも2パーセント~10パーセント、好ましくは3パーセント~8パーセント大きくてもよい。例えば、リッド上部壁の幅は、ボックス前部上側セクションの最も狭い幅よりも2~3ミリメートル大きくてもよい。これによって、リッドの閉鎖を維持するための、リッドの内側とボックス前部上側セクションとの十分な摩擦係合による信頼できる閉鎖と、リッドが開位置から閉位置へと枢動する時に、リッドとボックスとの間の衝突のリスクを低減することによる容易な閉鎖との良好なバランスを確実にしうる。リッド前部壁は、リッド上部壁がより大きな寸法であるため、外側に突出しうる。外側に突出するリッド前部壁は、ボックス前部上側セクションが、上側の第一の長軸方向の縁および上側の第二の長軸方向の縁の一方または両方の傾斜角によって外側に突出する場合でも、リッドの閉鎖を可能にする。
【0037】
リッド前部壁は、リッドが閉じている時にボックス前部上側セクションの上にあり、覆ってもよい。ボックス前部上側セクションは、ボックス下側セクションと同一の平面にありうるため、リッドが閉じている時に、ボックス前部壁の上部の上にあるリッド前部壁が、前部下側セクションから突出する。したがって、リッド前部壁は、ボックスの前部下側セクションと同一平面ではない場合がある。これにより、リッドが閉じている時に、リッド前部壁とボックス前部下側セクションとの間にギャップが生じる場合がある。このギャップは、ユーザーがリッドを開くのを助けうる。
【0038】
容器は、ボックス前部上側セクションに少なくとも一つの保持タブを備えてもよく、保持タブは、ボックス前部上側セクションから突出する。保持タブは、リッドが閉じている時に、内側からリッドに摩擦接触を提供しうる。保持タブは、上側の第一の長軸方向の縁に位置しうることが好ましい。容器は、二つの保持タブを備えてもよい。この場合、一つの保持タブは、上側の第一の長軸方向の縁に位置してもよく、第二の保持タブは、上側の第二の長軸方向の縁に位置してもよい。保持タブはさらに、リッドを閉位置に保持し、不注意に開くのを防止するのに役立つ。
【0039】
本発明はさらに、細長い消費者物品のための容器を形成するためのブランクに関し、ブランクは、容器の異なる部分または壁を形成するための様々なパネルを備える。ブランクは、ボックス形成セクションおよびリッド形成セクションを備えうる。リッド形成セクションは、リッド上部壁、リッド後部壁、リッド前部壁、および二つのリッド側壁を備えうる。リッド後部壁は、リッド折り目に沿ってブランクのボックス形成セクションに接続されてもよい。ブランクのボックス形成セクションは、ボックス前部壁、ボックス後部壁、ボックス底部壁、ならびに第一のボックス側壁および第二のボックス側壁を備えうる。ボックス後部壁は、リッド折り目に沿ってリッド形成セクションに接続されてもよい。ボックス前部壁は、ボックス前部下側セクションおよびボックス前部上側セクションを備えてもよい。第一のボックス側壁は、第一のボックス側面下側セクションおよび第一のボックス上側セクションを備えてもよい。第二のボックス側壁は、第二のボックス側面下側セクションおよび第二のボックス上側セクションを備えてもよい。ボックス前部下側セクションは、ボックス底部壁に隣接してもよく、ボックス前部上側セクションは、ボックス前部下側セクションに隣接してもよい。ブランクは追加的に、第一のボックス側壁をボックス前部壁と接続する第一の長軸方向の折り目を含んでもよい。上側の第一の長軸方向の折り目が下側の第一の長軸方向の折り目に対してある角度をなしうるように、ボックス前部壁のボックス前部上側セクションにある上側の第一の長軸方向の折り目は、ボックス前部下側セクションにある下側の第一の長軸方向の折り目に対して傾斜していてもよい。さらに、ボックス前部下側セクションの高さは、容器の全高からリッド前部壁の高さを引いたものと同等またはそれより大きくてもよく、容器の全高は、ボックス後部壁の高さおよびリッド後部壁の高さの合計である。この明細書内では、ボックス前部下側セクションの高さは、ボックス底部壁と、ボックス前部上側セクションの傾斜した上側の第一の長軸方向の折り目が、ボックス底部壁の下側の第一の長軸方向の折り目から分岐する頂点との間の距離によって定義される。
【0040】
本発明はさらに、細長い物品のための容器を形成するためのブランクに関し、ブランクは、容器の異なる部分または壁を形成するための様々なパネルを備える。ブランクは、ボックス形成セクションおよびリッド形成セクションを備える。リッド形成セクションは、リッド上部壁、リッド後部壁、リッド前部壁、および二つのリッド側壁を備える。リッド後部壁は、リッド折り目に沿ってブランクのボックス形成セクションに接続される。ブランクのボックス形成セクションは、ボックス前部壁、ボックス後部壁、ボックス底部壁、ならびに第一のボックス側壁および第二のボックス側壁を備える。ボックス後部壁は、リッド折り目に沿ってリッド形成セクションに接続される。ボックス前部壁は、ボックス前部下側セクションおよびボックス前部上側セクションを備える。第一のボックス側壁は、第一のボックス側面下側セクションおよび第一のボックス上側セクションを備える。第二のボックス側壁は、第二のボックス側面下側セクションおよび第二のボックス上側セクションを備える。ボックス前部下側セクションは、ボックス底部壁に隣接し、ボックス前部上側セクションは、ボックス前部下側セクションに隣接している。ブランクは、追加的に、第一の側壁をボックス前部壁と接続する第一の長軸方向の折り目を備える。上側の第一の長軸方向の折り目が、下側の第一の長軸方向の折り目に対してある角度をなすように、ボックス前部上側セクションにある上側の第一の長軸方向の折り目は、ボックス前部下側セクションにある下側の第一の長軸方向の折り目に対して傾斜している。さらに、ボックス前部下側セクションの高さは、容器の全高からリッド前部壁の高さを引いたものと同等またはそれより大きく、容器の全高は、ボックス後部壁の高さおよびリッド後部壁の高さの合計である。
【0041】
ボックス前部下側セクションの高さが、容器の全高からリッド前部壁の高さを引いたものと同等またはそれより大きい場合には、ボックス前部上側セクションは、リッドが閉じられている時に、リッド前部壁によって完全に覆われることになる。したがって、こうした構成は、一片のブランクが容器全体を形成することを可能にする。また、このような構成は、容器がブランクから製造された後、リッドがボックス前部壁、特にボックス前部上側セクションの部分に対して確実に閉じることを確実にしうるが、これは、既存の従来的なヒンジリッド容器の内側フレームの機能が、ボックス前部壁の上側セクション、ならびに第一のボックス側壁の上側セクションおよび第二のボックス側壁の上側セクションによって引き継がれるためである。
【0042】
さらに、ボックス前部壁の最大高さは、容器の全高と等しいか、またはそれより小さくてもよい。さらに、ボックス前部壁の最大高さは、容器の全高からリッド前部壁の高さを引いたものよりも大きくてもよい。
【0043】
ブランクは、第二のボックス側壁を容器のボックス前部壁と接続する第二の長軸方向の折り目を含みうる。ボックス前部上側セクションにある上側の第二の長軸方向の折り目は、ボックス前部下側セクションにある下側の第二の長軸方向の折り目に対して傾斜していてもよい。
【0044】
特に、第一の長軸方向の折り目および第二の長軸方向の折り目の一方または両方に沿って、ブランクを折り畳む時、容器の第一および第二の長軸方向の縁が形成されうる。この容器は、前部上側セクションにある第一の長軸方向の折り目および第二の長軸方向の折り目の傾斜のために、ボックス前部上側セクション内に突出するセクションを含みうる。これらの突出セクションは、ボックスの上部とリッドの内側との摩擦係合を強化し、それゆえ、リッドが偶発的に開くことに対する保護を提供しうる。
【0045】
上側の第一の長軸方向の折り目および上側の第二の長軸方向の折り目の一方または両方は、2度~8度、好ましくは4度~6度、最も好ましくは5度の角度で傾斜していてもよい。上側の第一の長軸方向の折り目および上側の第二の長軸方向の折り目を折り畳むと、容器の上側の第一の長軸方向の縁および上側の第二の長軸方向の縁が生じることになる。偶発的に開くことに対する保護の利点に加えて、ボックス前部上側セクションの幅はリッドに向かって漸減し、ボックスの上端にわずかに先細りをもたらす。ボックスの先細りの上端はまた有利なことに、リッドが閉位置に回転する時に、リッドがボックスの上側の縁に引っかかるリスクを低減することによって、滑らかなリッドの閉鎖に役立ちうる。
【0046】
リッド上部壁の幅は、ボックス前部上側セクションの幅よりも大きくてもよい。リッド上部壁およびボックス前部上側セクションの幅のこうした構成は、ボックス前部上側セクションがリッドと確実に係合することを保証し、リッドが閉位置に回転する時に、リッドがボックスの上側の縁に引っかかるリスクを低減することによって、リッドとの衝突を回避しうる。
【0047】
本発明のブランクでは、リッド前部壁は、単一パネルのブランクによって形成されうる。すなわち、ブランク上の単一リッド前部壁パネルが、リッド前部壁を形成することになる。リッド前部壁の内表面の下に折り畳まれた、またはリッド前部壁の内表面に取り付けられた、さらなる他のパネルはない。一つのブランクパネルを使用して、リッド前部壁を形成するこうした構造は、リッドが閉じている時の、リッド前部壁とボックス前部下側セクションとの間の上述のギャップを著しく減少させることができる。こうした構成により、後続の包装プロセスにおける容器の容易な取り扱いが可能になる。例えば、最終商品にされた時に容器を囲むラッパー上のしわを低減することができる。
【0048】
本発明のブランクでは、ボックス後部壁は、後部壁の折り目に沿ってボックス底部壁に接続されうる。
【0049】
本発明のブランクでは、ボックス底部壁、ボックス後部壁、およびリッド前部壁は、容器の組立のための接続タップに接続されてもよい。接続タップは、ボックス底部壁、ボックス後部壁、およびリッド前部壁に折り目に沿って接続されてもよい。これらの折り目は、折り畳まれると、容器の縁を形成しうる。容器は、例えば、接着剤を接続タップに塗布し、接続タップを容器の異なる壁部分に接着剤で付けることによって形成されてもよく、それによって容器を形成する。
【0050】
本発明のブランクは、一片のブランクとして形成されうる。これは、単一のブランクを折り畳み、それによって本発明の容器を形成することができることを意味する。容器を形成するために、内側フレームなどの追加的な別個の構造部品が容器に接続される必要はない。したがって、本発明のブランクは、単にそれぞれの折り目に沿ってブランクを折り畳み、接続タップを介して異なる壁部分を接続することによって、容器を形成する簡単で信頼できる特有の方法を提供する。
【0051】
本発明のブランクは、厚紙またはプラスチック、または厚紙とプラスチックの組み合わせ、好ましくは厚紙で作製されうる。
【0052】
本発明の主題はまた、細長い物品のための容器を形成するための方法である。方法は、そこに記述されるようなブランクを使用してもよく、そのブランクの壁を折り目に沿って折ることと、接着剤を接続タップに塗布し、接続タップを容器の壁部分と接続することによって壁を封止することと、を含みうる。上側の第一の長軸方向の折り目および上側の第二の長軸方向の折り目の一方または両方の傾斜のために、ボックス前部上側セクションに傾斜角を有する上側の第一の長軸方向の縁および第二の長軸方向の縁の一方または両方が形成されうる。これらの傾斜角は、ブランクが折り畳まれた時に、ボックス前部上側セクション、第一のボックス側面上側セクション、および第二のボックス側面上側セクションの部分が外側に突出することにつながりうる。
【0053】
本発明の主題はまた、細長い消費者物品のための容器を形成するための方法である。方法は、そこに記述されるようなブランクを使用し、そのブランクの壁を折り目に沿って折ることと、接着剤を接続タップに塗布し、接続タップを容器の壁部分と接続することによって壁を封止することと、を含む。上側の第一の長軸方向の折り目および上側の第二の長軸方向の折り目の一方または両方の傾斜角のために、ボックス前部上側セクションに傾斜角を有する上側の第一の長軸方向の縁および上側の第二の長軸方向の縁の一方または両方が形成される。これらの傾斜角は、ブランクが折り畳まれた時に、ボックス前部上側セクション、第一のボックス側面上側セクション、および第二のボックス側面上側セクションの部分が外側に突出することにつながる。
【0054】
一実施形態に関して記述される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。同じ参照番号は、図面全体を通して、同じ要素を示す。
【0055】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1図1は、本発明の一実施形態による容器の斜視図を示す。
図2図2は、容器のボックス部分の側面からの斜視図を示す。
図3図3は、リッド付きの容器の前部上側セクションおよび第一の側面上側セクションの斜視図を示す。
図4図4は、傾斜角の決定を詳細に示す、図3の第一の長軸方向の縁部分の拡大図を示す。
図5図5は、本発明の容器を形成するためのブランクの異なる実施形態を示す。
図7図7は、本発明の容器を形成するためのブランクの異なる実施形態を示す。
図8図8は、本発明の容器の異なる実施形態を斜視図および側面図で示す。
図9図9は、本発明の容器の異なる実施形態を斜視図および側面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1を参照すると、細長い物品を収容するための容器10の一実施形態の概略的な斜視図が描かれている。容器は、リッド14およびボックス12を備える。ボックス12は、ボックス前部下側セクション16Aおよびボックス前部上側セクション16Bを含むボックス前部壁16を備える。さらに、第一のボックス側壁下側セクション20Aおよび第一のボックス側壁上側セクション20Bを含む、第一のボックス側壁20が存在する。ボックスはさらに、第二のボックス側壁22を備え、その第二のボックス側壁上側セクション22Bのみが図1に示されている。ボックスはまた、ボックス底部壁24およびボックス後部壁18を備える。ボックス前部壁およびボックス側壁の上側セクションは、仮想分離線28によって、ボックス前部壁およびボックス側壁のそれぞれの下側セクションから分離されている。この分離線28は、リッド14がその閉位置にある時に、リッドの下側の縁によって完全に覆われる。したがって、リッド14は、リッドが閉じている時に、第一のボックス側面上側セクション20B、ボックス前部上側セクション16B、およびボックスの第二の側面上側セクション22Bを覆う。
【0058】
第一の長軸方向の縁26は、ボックス前部壁16を第一のボックス側壁20に接続する。ボックス前部下側セクション16Aに、下側の第一の長軸方向の縁26Aが存在する。ボックス前部上側セクション16Bには、上側の第一の長軸方向の縁26Bが存在し、これは、前部下側セクションにある下側の第一の長軸方向の縁26Aに対して角度30で傾斜している。これにより、ボックス前部上側セクションの幅32が、ボックス前部下側セクションの幅34よりも小さくなる。加えて、第一の側面上側セクションの幅38は、第一の側面下側セクションの幅40よりも大きい。同様に、第二の長軸方向の縁27は、ボックス前部壁16を第二のボックス側壁22に接続する。ボックス前部上側セクションにある上側の第二の長軸方向の縁27Bは、ボックス前部下側セクションにある下側の第二の長軸方向の縁27Aに対して傾斜角30で傾斜している。上側の第一の長軸方向の縁26Bおよび上側の第二の長軸方向の縁27Bの両方は、ボックス前部壁の中央長軸方向軸16Cに向かって傾斜している。ボックスは、ボックス前部上側セクションに保持タブ36をさらに備える。これらの保持タブは、リッドが閉位置にある時に、リッドと摩擦係合することができる。前部上側セクションにある、上側の第一の長軸方向の縁26Bおよび上側の第二の長軸方向の縁27Bの傾斜角30は、ボックス前部上側セクションが外向きに突出するという結果をもたらす。突出したボックス前部上側セクションは、リッドが閉じられた時、有利なことに、リッドの内側からリッドと係合することができる。ボックス、特にボックス前部上側セクションの先細りの上端は、ボックス前部壁およびボックス側壁の上側の縁が、リッド前部壁およびリッド側壁の下側の縁に引っかかるのを防止することによって、リッドがその閉位置に回転する時に、リッドが滑らかに閉じることを確実にしうる。
【0059】
図2は、図1に示す容器10のボックス部分12の斜視側面図を示す。破線42は、前部上側セクションにある上側の第一の長軸方向の縁および上側の第二の長軸方向の縁が傾斜していない場合に存在するボックス前部上側セクションの位置を示す。ボックス前部上側セクションがわずかに外側に突出していることがはっきりと分かり、閉じている時のリッドとの摩擦相互作用の強化を可能にする。
【0060】
図3は、リッド14を有する容器の上部分の拡大斜視図を示す。リッド14は、リッド後部壁58、リッド側壁52、リッド前部壁54、およびリッド上部壁48を含む。リッド上部壁48の幅48Aは、破線として示されている。リッド上部壁のこの幅48Aは、ボックスの後部上側セクションの幅50よりも大きい。リッド上部壁およびボックスの後部上側セクションの幅の寸法構成のため、リッド上部壁48のより大きな幅は、第一のボックス側面上側セクション20Bおよび第二のボックス側面上側セクション22Bと比較して、リッド側壁52の少なくとも一部がわずかに外側に突出することにつながる可能性があり、その結果、リッドを開位置から閉位置へと枢動させる時に、リッド側壁52がボックス側壁と衝突するのが防止されうる。したがって、リッド14、特に膨らみのあるリッド側壁52は、引用符号29で示される破線の円で示される、ボックス側壁の縁からの大きな干渉なしにボックスを覆うために、容易で滑らかな閉鎖を確実にすることができる。
【0061】
図4は、図3の破線の円23によってマークされた領域の斜視拡大図を示す。図4は、傾斜角30を決定する一つの方法を示す。ボックス前部下側セクションにある下側の第一の長軸方向の縁26Aが示されている。頂点31で、ボックス前部上側セクションにある上側の第一の長軸方向の縁26Bは、ボックス前部下側セクションにある下側の第一の長軸方向の縁26Aから分岐する。傾斜角30は、傾斜した上側の第一の長軸方向の縁26Bと、ボックス前部下側セクションからボックス前部上側セクションの中への直線延長部である、下側の第一の長軸方向の縁26Aの仮想線26A’との間の角度として測定することができる。この場合、ボックス前部上側セクションにある第一の長軸方向の縁26Bは、ボックス前部壁16Cの中央長軸方向軸に向かって傾斜している。
【0062】
図5は、本発明の容器を形成するためのブランク74の一例を示す。ブランク74は、ボックス形成セクション74Aおよびリッド形成セクション74Bを含む。ボックス形成セクション74Aは、ボックス前部下側セクションにある下側の第一の長軸方向の折り目26Cと、ボックス前部上側セクションにある上側の第一の長軸方向の折り目26Dによって第一のボックス側壁20に接続されたボックス前部壁16を備える。加えて、ボックス前部壁16は、ボックス前部下側セクションにある下側の第二の長軸方向の折り目27Cおよびボックス前部上側セクションにある上側の第二の長軸方向の折り目27Dによって、第二のボックス側壁22に接続されている。第一および第二の長軸方向の折り目26Dおよび27Dは、ボックス前部のボックス壁16の中央長軸方向軸16Cに向かって傾斜している。第一のボックス側壁20および第二のボックス側壁22の両方は、ボックス前部壁からボックス後部壁まで下向きに傾斜する上側の縁60Aおよび60Bを含む。ボックス側壁20、22のこれらの傾斜した上側の縁は、開位置から閉位置への枢動に伴うリッドの初期移動時に、ボックス側壁のリッド側壁との干渉を最小化する役目を果たし、したがって、リッドとボックスとの間の衝突を回避することによって、リッドの滑らかな閉鎖を助ける。
【0063】
底部折り目64は、ボックス前部壁16をボックス底部壁24に接続する。このボックス底部壁24はまた、折り目によって隣接する後部壁18から分離されている。ボックス後部壁18は、リッド折り目62によって、ブランクのリッド形成セクション74Bに接続されている。特に、ボックス後部壁18は、リッド後部壁58に接続され、これは別の折り目を通してリッド上部壁48に直接接続されている。リッド上部壁48は、さらなる折り目を通してリッド側壁52およびリッド前部壁54に接続されている。さらなる折り目を通してブランクのそれぞれの壁に接続された接続タップ68が存在する。
【0064】
破線の円60Cによって示されるU字形状の切り抜き領域は、ボックス前部壁16のボックス前部上側セクションに存在し、これは容器からの細長い物品の引き出しを容易にするのに役立つ。ボックス前部下側セクションの高さ70が示されている。この高さは、容器の全高からリッド前部壁の高さ75を引いたものと同等か、またはそれより大きい。容器の全高は、ボックス後部壁の高さ72とリッド後部壁の高さ73の合計である。これらの高さ比率は、リッド前部壁を確実に覆うことができること、特に、容器がブランクから折り畳まれた後のボックス前部上側セクションを完全に覆うことができることを確実にすることができる。完全なボックス前部壁の最大高さ71も図示されている。
【0065】
図6は、本発明による別の容器を形成するためのブランクを示す。図5に示すブランクと比較して、異なる形状の縁60Aおよび60Bが、第一および第二のボックス側壁の上側セクションに存在する。図6のこれらの縁60Aおよび60Bは、切り抜き部分によって形成される陥凹部を備え、これは図5のブランクに示される傾斜した直線の縁60Aおよび60Bとは異なる。これは、リッドを閉じる間のボックス側壁の干渉を避けるための、第一および第二のボックス側壁の縁の別の設計である。
【0066】
図7は、本発明によるさらに別の容器のためのブランクを示す。図6に示すブランクと比較して、前部上側セクションにある上側の第一の長軸方向の折り目26Dおよび上側の第二の長軸方向の折り目27Dは、ボックス前部壁16の中央長軸方向軸16Cから離れて傾斜し、ボックス側壁に向かって傾斜している。
【0067】
図8は、本発明の容器の別の実施形態の斜視図を示す。明確にするために、ボックス前部上側セクションにある傾斜した上側の第一の長軸方向の縁は示されていない。この容器は、第一のボックス側壁20を備え、ボックス後部壁に隣接する第一のボックス側壁の高さ76と、第一のボックス側壁の最小高さ78と、ボックス前部壁に隣接する第一のボックス側壁の高さ80とが示されている。第一のボックス側壁20は、切り抜き部分によって形成される陥凹した上側の縁を備え、第一のボックス側壁の最小高さ78は、後部壁に隣接する第一のボックス側壁の高さ76よりも小さいことが明確に分かる。この容器は第二のボックス側壁を備え、対称的に第二のボックス側壁は第一のボックス側壁20と同じ構造的構成を備えうる。図5に示すブランクによって形成される本発明の容器実施形態と比較して、ボックス側壁の陥凹した上側の縁のこうした構成は、特に開位置から閉位置への枢動に伴うリッドの初期移動における、ボックス側壁のリッド側壁との干渉をさらに最小化しうる。したがって、ボックス側壁の陥凹した上側の縁上の切り抜き部分は、有利なことに、リッドとボックスとの間の衝突を回避することによって、リッドの滑らかな閉鎖を確実にする。
【0068】
図9は、図8の容器の側面図を示す。斜線領域88によって示される切り抜き部分は、一つのボックス側壁の陥凹した上側の縁を形成するために除去される容器ブランクの部分である。この斜線領域88は、ボックス前部壁に隣接する第一のボックス側壁の上側の縁86と、ボックス後部壁に隣接する第一のボックス側壁の上側の縁84との間に引かれる仮想接続線82より下に位置する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9