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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】発信機、及び信号発信方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
G08B17/00 H
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023043596
(22)【出願日】2023-03-17
(62)【分割の表示】P 2019021964の分割
【原出願日】2019-02-08
(65)【公開番号】P2023075316
(43)【公開日】2023-05-30
【審査請求日】2023-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】岡田 博二
(72)【発明者】
【氏名】安藤 拓史
(72)【発明者】
【氏名】外村 賢昭
【審査官】小松崎 里沙
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-204061(JP,A)
【文献】特開2013-205993(JP,A)
【文献】特開2018-097646(JP,A)
【文献】特開2009-193859(JP,A)
【文献】特開2018-120340(JP,A)
【文献】特開2009-037438(JP,A)
【文献】特開2018-120472(JP,A)
【文献】特開2005-135204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 1/00- 9/20
17/00-31/00
H04M 1/00
1/24- 3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00- 7/16
11/00-11/10
99/00
A62C 2/00-99/00
G06F 3/01
3/048- 3/04895
H01H13/00-13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火設備又はその近傍に設けられ、
画像を表示する表示部と、
前記表示部に火災の発生を示す火災信号を送信するための発報画像を表示させる表示制御部と、
前記発報画像に対する操作を示す操作信号を取得する取得部と、
前記取得部により取得される前記操作信号に基づいて、前記火災信号を送信するか否かを判定する判定部と、
前記判定部により判定された結果に応じて前記火災信号を受信機に送信する通信部と、
を備え
前記表示制御部は、前記表示部に前記発報画像を表示させている状態において、前記火災信号が送信された場合、前記消火設備の使用方法を示す所定のガイダンス画像を表示させる、
発信機。
【請求項2】
画像を表示する表示部と、
前記表示部に火災の発生を示す火災信号を送信するための発報画像を表示させる表示制御部と、
前記発報画像に対する操作を示す操作信号を取得する取得部と、
前記取得部により取得される前記操作信号に基づいて、前記火災信号を送信するか否かを判定する判定部と、
前記判定部により判定された結果に応じて前記火災信号を送信する通信部と、
を備え
前記表示制御部は、
前記火災信号が送信されていない通常状態において、前記表示部に、前記発報画像、及び前記発報画像とは異なる画像を切り替えて前記表示部に表示させ、
単位時間あたりに前記発報画像を表示させる時間を、前記発報画像とは異なる画像を表示させる時間よりも長い時間とする、
発信機。
【請求項3】
前記判定部は、前記操作信号に基づいて、前記発報画像が押された力の大きさを判定し、前記発報画像が所定の圧力以上で押された場合に、前記火災信号を送信すると判定する
請求項1に記載の発信機。
【請求項4】
前記判定部は、前記操作信号に基づいて、前記発報画像が押された時間を判定し、前記発報画像が所定の時間以上押され続けた場合に、前記火災信号を送信すると判定する
請求項1に記載の発信機。
【請求項5】
前記表示部には、前記表示部の表示画面を保護する保護板が設けられる
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の発信機。
【請求項6】
消火設備又はその近傍に設けられた発信機が行う信号発信方法であって、
表示制御部が、画像を表示する表示部に火災の発生を示す火災信号を送信するための発報画像を表示させ、
取得部が、前記発報画像に対する操作を示す操作信号を取得し、
判定部が、前記取得部により取得される前記操作信号に基づいて、前記火災信号を送信するか否かを判定し、
通信部が、前記判定部により判定された結果に応じて前記火災信号を受信機に送信し、
前記表示制御部は、前記表示部に前記発報画像を表示させている状態において、前記火災信号が送信された場合、前記消火設備の使用方法を示す所定のガイダンス画像を表示させる、
信号発信方法。
【請求項7】
表示制御部が、画像を表示する表示部に火災の発生を示す火災信号を送信するための発報画像を表示させ、
取得部が、前記発報画像に対する操作を示す操作信号を取得し、
判定部が、前記取得部により取得される前記操作信号に基づいて、前記火災信号を送信するか否かを判定し、
通信部が、前記判定部により判定された結果に応じて前記火災信号を送信し、
前記表示制御部は、
前記火災信号が送信されていない通常状態において、前記表示部に、前記発報画像、及び前記発報画像とは異なる画像を切り替えて前記表示部に表示させ、
単位時間あたりに前記発報画像を表示させる時間を、前記発報画像とは異なる画像を表示させる時間よりも長い時間とする、
信号発信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信機、及び信号発信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、消防用設備として、警報設備や消火設備が利用されている。警報設備は、例えば、表示灯、音響装置、発信機などが防災機器収容箱に収容され、設置される。このような防災機器収容箱としては、例えば、特許文献1に記載された防災機器収容箱がある。また、消火設備としての消火栓装置は、例えば、バルブに長尺の折り畳み可能なフラットホースが接続され、その先端にノズルが接続される。このような消火栓装置としては、例えば、特許文献2に記載された消火栓装置がある。
【0003】
また、このような消防用設備の活用状況について調査や報告が行われている(例えば非特許文献1)。この報告によれば、消防用設備のうち、消火器具等を使用する必要があったと判断される火災のうち消火器具等が実際に使用されたケースは、56.1%(使用率)であり、そのうち効果的に使用されたケースは74.7%(奏効率)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-102085号公報
【文献】特開2004-236918号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】”平成30年版 火災の実態”、[online]、 平成30年8月 東京消防庁 電子図書館、[平成30年8月27日検索]、インターネット〈URL:http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-cyousaka/kasaijittai/h27/1-7.pdf〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、消防用設備については、活用されやすくするためには、消防用設備が設置されていることを日常的に認識してもらうことが必要である。従来の消防用設備では、表示灯の視認性を高めること、発信機の色を赤に統一して発信機であることを識別しやすくすること、屋内消火栓の筐体外観部分に「消火栓」等の文字を表記すること、等によって、周囲の人に消防用設備が設置されていることを認識してもらいやすい工夫がなされているものの、実際には、非特許文献1に記載されているように、消防用設備の利用率は半数程度であり、そのうち奏効率は8割弱程度となっている。そのため、火災が生じたケース全体から考えると、消防用設備の活用をさらに促進させる余地はある。消防用設備の活用をより促進するためには、従来の方法とは異なる方法で、消防用設備に対する周囲の人の認識度合いをさらに向上させることが考えられる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、消防用設備への認識度合いを向上させることができる発信機、及び信号発信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態は、消火設備又はその近傍に設けられ、画像を表示する表示部と、前記表示部に火災の発生を示す火災信号を送信するための発報画像を表示させる表示制御部と、前記発報画像に対する操作を示す操作信号を取得する取得部と、前記取得部により取得される前記操作信号に基づいて、前記火災信号を送信するか否かを判定する判定部と、前記判定部により判定された結果に応じて前記火災信号を受信機に送信する通信部と、を備え、前記表示制御部は、前記表示部に前記発報画像を表示させている状態において、前記火災信号が送信された場合、前記消火設備の使用方法を示す所定のガイダンス画像を表示させる発信機である。
また、本発明の一実施形態は、画像を表示する表示部と、前記表示部に火災の発生を示す火災信号を送信するための発報画像を表示させる表示制御部と、前記発報画像に対する操作を示す操作信号を取得する取得部と、前記取得部により取得される前記操作信号に基づいて、前記火災信号を送信するか否かを判定する判定部と、前記判定部により判定された結果に応じて前記火災信号を送信する通信部と、を備え、前記表示制御部は、前記火災信号が送信されていない通常状態において、前記表示部に、前記発報画像、及び前記発報画像とは異なる画像を切り替えて前記表示部に表示させ、単位時間あたりに前記発報画像を表示させる時間を、前記発報画像とは異なる画像を表示させる時間よりも長い時間とする発信機である。
【0009】
また、本発明の一実施形態は、消火設備又はその近傍に設けられた発信機が行う信号発信方法であって、表示制御部が、画像を表示する表示部に火災の発生を示す火災信号を送信するための発報画像を表示させ、取得部が、前記発報画像に対する操作を示す操作信号を取得し、判定部が、前記取得部により取得される前記操作信号に基づいて、前記火災信号を送信するか否かを判定し、通信部が、前記判定部により判定された結果に応じて前記火災信号を受信機に送信し、前記表示制御部は、前記表示部に前記発報画像を表示させている状態において、前記火災信号が送信された場合、前記消火設備の使用方法を示す所定のガイダンス画像を表示させる信号発信方法である。
また、本発明の一実施形態は、表示制御部が、画像を表示する表示部に火災の発生を示す火災信号を送信するための発報画像を表示させ、取得部が、前記発報画像に対する操作を示す操作信号を取得し、判定部が、前記取得部により取得される前記操作信号に基づいて、前記火災信号を送信するか否かを判定し、通信部が、前記判定部により判定された結果に応じて前記火災信号を送信し、前記表示制御部は、前記火災信号が送信されていない通常状態において、前記表示部に、前記発報画像、及び前記発報画像とは異なる画像を切り替えて前記表示部に表示させ、単位時間あたりに前記発報画像を表示させる時間を、前記発報画像とは異なる画像を表示させる時間よりも長い時間とする信号発信方法である。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、この発明によれば、警報設備と消火設備のうち少なくともいずれか一方に表示部を設けるようにしたので、警報設備や消火設備であっても、各種情報を表示することができる。これにより、従来の警報設備や消火設備とは異なる方法を用い、消防用設備に対する周囲の人の目を引くことで、警報設備や消火設備に対する意識を向上させることが可能となり、消防用設備に対する認識度合いを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態の発信機20に適用される火災報知システム1の構成を示すブロックである。
図2】第1の実施形態の記憶部26に記憶される発信機情報の構成例を示す図である。
図3】第1の実施形態の表示部21の表示例及び操作例を示す図である。
図4】第1の実施形態の発信機20の動作例を示すフローチャートである。
図5】第2の実施形態の表示部21の表示例及び操作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態の発信機20が適用される火災報知システム1の構成を示すブロックである。火災報知システム1は、例えば、受信機10及び発信機20を備える。発信機20は、「警報装置」の一例である。
受信機10は、発信機20により送信される火災信号を受信し、受信した信号の内容に応じて火災警報等を行う。また、受信機10は、発信機20から火災信号を受信した場合、発信機20に、火災信号を受信したことを示す応答信号を送信する。
発信機20は、人の操作により火災信号を受信機10に送信する。また、発信機20は、受信機10から応答信号を受信する。発信機20は、例えば、表示部21、取得部22、判定部23、通信部24、制御部25及び記憶部26を備える。制御部25は「表示制御部」の一例である。
【0014】
表示部21は、例えば、制御部25の制御に基づいて、画像を表示する、液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)、有機EL(Organic Electroluminescence)ディスプレイ、またはCRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイである。
【0015】
表示部21は、火災の状況に応じた画像を表示する。この火災の状況は、火災が発生していない状態から、火災が発生し、その後火災が消し止められるまでの状況であり、例えば、通常状態と、応答状態とがある。通常状態とは、火災信号が送信されていない状態であり、火災が発生していないか、或いは火災が発見されていない状態である。応答状態とは、発信機20が、火災信号に応答したことを示す応答信号を受信機10から受信してから、火災の鎮火時において火災に対する警戒の解除を示す解除信号を受信機10から受信するまでの状態である。
【0016】
表示部21は、通常状態において、火災信号を送信するための発報釦の画像211(図3参照)を表示する。ここで、画像211は「発報画像」の一例である。
また、表示部21は、通常状態において、表示灯の画像212(図3参照)を表示してよい。画像212は、受信機10の位置を示す表示である。受信機10が屋内消火栓設備に設けられている場合には、画像212は、屋内消火栓設備の位置を示す表示を兼ねてよい。ここで、画像212は「表示灯画像」の一例である。
【0017】
また、表示部21は、応答状態において、応答灯の画像213(図3参照)を表示してよい。画像213は、発信機20が受信機10から応答信号を受信したことを示す画像であり、例えば、点灯又は点滅を伴う画像である。ここで、画像213は「応答灯画像」の一例である。
【0018】
取得部22は、画像211に対する操作を示す操作信号を取得する。例えば、取得部22は、画像211に加えられた力を電圧に変換する圧電素子(不図示)から画像211に加えられた力を取得する。取得部22は、取得した操作信号を判定部23に出力する。
【0019】
判定部23は、取得部22により取得された操作信号に基づいて火災信号を送信するか否かを判定する。判定部23は、例えば、画像211に加えられた力の大きさに基づいて、画像211に対して所定の圧力以上で押す操作が行われた場合に火災信号を送信すると判定する。
この所定の圧力は、例えば、予め記憶部26に記憶されてよい。この場合、判定部23は、記憶部26を参照することにより当該所定の圧力を取得する。
【0020】
通信部24は、受信機10との通信を行う。通信部24は、受信機10に火災信号を送信し、受信機10から応答信号を受信する。
制御部25は、発信機20を統括的に制御する。制御部25は、通常状態において表示部21に画像211を表示させる。また、制御部25は、通常状態において、表示部21に、画像211と共に、画像212を表示させる。
また、制御部25は、判定部23により火災信号を送信すると判定された場合、通信部24を介して火災信号を受信機10に送信する。
また、制御部25は、受信機10から応答信号を受信した場合、応答状態となったとして表示部21に画像213を表示させる。
画像211~213の画像情報は、例えば、予め記憶部26に記憶されてよい。この場合、判定部23は、記憶部26を参照することにより、画像211~213のうち、表示部21に表示させる画像情報を取得し、取得した画像情報に対応する画像を表示部21に表示させる。
【0021】
記憶部26は、発信機20に関する発信機情報を記憶する。
図2は、第1の実施形態の記憶部26に記憶される発信機情報の構成例を示す図である。
図2に示すように、発信機情報は、例えば、発信機ID、圧力閾値、発報釦画像、表示灯画像、及び応答灯画像の各項目を備える。発信機IDには、発信機20を一意に識別する識別情報が示される。圧力閾値には、発信機IDに対応する発信機20が火災信号を送信すると判定される場合における画像を押す圧力の閾値が示される。発報釦画像には、表示部21に表示する画像211の画像情報が示される。表示灯画像には、表示部21に表示する画像212の画像情報が示される。応答灯画像には、表示部21に表示する画像213の画像情報が示される。
【0022】
図3は、第1の実施形態の表示部21の表示例及び操作例を示す図である。
図3に示すように、表示部21は、例えば、発信機20の画像210を表示する。画像210には、従来の発信機の外観と同様に、円形の発信機本体の略中央に、「強く押す」と記載された画像211が示される。また、発信機本体の外周を囲むようにして、円環状の画像212、213が示される。この例では、この円環状の画像を点灯させることで表示灯を表現し、円環状の画像を点滅させることで応答灯を表現する。また、この例に示すように、画像210には、「火災報知器」と記載された表示板が示されていてもよい。従来の発信機の外観と同様な画像を表示することにより、人が発信機を認識し易くなり、操作も容易となる。
また、図3に示すように、火災が発見された場合、画像211に対して、例えば指Fにより画像211が押されることにより操作がなされる。
【0023】
なお、画像211~213は、この例に限定されることはなく、任意の画像であってよい。
また、この例では、画像212、213が点灯と点滅により表現される場合を例示したが、これに限定されない。画像213は、画像212とは別の異なる任意の画像であってよいし、画像212が示される位置とは異なる位置に表示される画像であってよい。
【0024】
図4は、第1の実施形態の発信機20の動作例を示すフローチャートである。本フローチャートにおいては、通常状態から火災信号を送信し、応答信号を受信するまでの動作の流れを示している。
まず、発信機20は、通常状態において、表示部21に画像211、および表示灯の画像212を表示させる(ステップS10)。
次に、発信機20は、画像211が押されたか否かを判定する(ステップS11)。発信機20は、取得部22により画像211に対する操作を示す信号が取得された場合に、画像211が押されたと判定する。
発信機20は、画像211が押されたと判定した場合、判定部23により所定の圧力以上の力で押されたか否かを判定する(ステップS12)。
発信機20は、画像211が所定の圧力以上の力で押されたと判定する場合、通信部24を介して火災信号を受信機10に送信する(ステップS13)。
発信機20は、受信機10より応答信号を受信したか否かを判定し(ステップS14)、受信機10より応答信号を受信した場合、画像213を表示させる(ステップS15)。
【0025】
一方、発信機20は、ステップS11に示す処理において画像211が押されていないと判定する場合、及びステップS12に示す処理において画像211が所定の圧力以上の力で押されていないと判定する場合、ステップS11に示す処理に戻る。
また、発信機20は、ステップS14に示す処理において受信機10より応答信号を受信していないと判定する場合、ステップS11に示す処理に戻り、応答信号の受信を待つ。
【0026】
以上説明したように、第1の実施形態の発信機20は、画像を表示する表示部21と表示部21に火災の発生を示す火災信号を送信するための発報釦の画像211を表示させる制御部25と、画像211に対する操作を示す操作信号を取得する取得部22と、取得部22により取得される操作信号に基づいて、火災信号を送信するか否かを判定する判定部23と、判定部23により判定された結果に応じて火災信号を送信する通信部24を備える。これにより、第1の実施形態の発信機20は、表示部21に表示させた画像211に操作がなされた場合に、火災信号を受信機10に送信することができる。表示部21に画像211を表示させることで、消防用設備への認識度合いを向上させることができる。
【0027】
また、第1の実施形態の発信機20では、判定部23は、画像211を所定の圧力以上で押す操作が行われた場合に、火災信号を送信すると判定する。これにより、第1の実施形態の発信機20は、画像211が所定の圧力以上の強い力で押された場合に火災信号を送信することができ、画像211が所定の圧力未満の力で単に触れられただけでは火災信号を送信しないようにして、火災が発生していないにもかかわらず誤って画像211に触れてしまい、火災信号が送信されてしまうような誤発報を抑制できる。
【0028】
また、第1の実施形態の発信機20では、表示部21は、画像211と共に発信機の位置を示す画像212を表示するようにしてもよい。これにより、第1の実施形態の発信機20は、発信機の位置を示すことができ、人が発信機20の所在をより確実に把握することが可能である。
【0029】
また、第1の実施形態の発信機20では、通信部24は、火災信号を受信した受信機10からの応答信号を受信し、表示部21は、通信部24により応答信号が受信された場合に、応答信号が受信されたことを示す画像213を表示するようにしてもよい。これにより、第1の実施形態の発信機20は、応答信号を受信したことを示すことができる。
【0030】
(第1の実施形態の変形例1)
次に、第1の実施形態の変形例1について説明する。本変形例では、表示部21の表示画面に保護板が設けられる点において、上述した実施形態と異なる。この保護板は、表示画面の強度が強くない場合において、強く押されることにより画面が破損してしまうことを抑制する目的で取り付けられる。
本変形例では、取得部22は、保護板に加えられた力の大きさを示す信号を、操作信号として取得する。
【0031】
また、本変形例において、保護板は、従来の発信機に取り付けられている保護板と同様に、強く押されることで奥側に押し込まれてロック機構が押し外される構成であってもよい。
この場合、取得部22は、保護板のロック機構が押し外されたか否かを示す信号を、操作信号として取得する。
そして、判定部23は、保護板のロック機構が押し外された場合に火災信号を送信すると判定する。
【0032】
以上説明したように、第1の実施形態の変形例1の発信機20では、表示部21の表示画面に保護板が設けられる。これにより、第1の実施形態の変形例1の発信機20では、強く押されることにより表示画面が破損してしまうことを抑制することができる。
また、第1の実施形態の変形例1の発信機20では、表示部21の表示画面に、強く押されることでロック機構が押し外される保護板が設けられてもよい。これにより、第1の実施形態の変形例1の発信機20では、上述した効果と同様の効果を奏する他、ロック機構が押し外されたか否かにを判定するだけで、容易に火災信号を送信するか否かを判定することができる。
【0033】
(第1の実施形態の変形例2)
次に、第1の実施形態の変形例2について説明する。本変形例では、画像211が長押しされた場合に、火災信号を送信する点において、上述した実施形態と異なる。
本変形例では、表示部21は、例えばタッチパネルである。
この場合、取得部22は、当該タッチパネルのタッチ機能を実現する機能部である。取得部22は、表示部21の表示画面に対する操作を示す操作信号を取得し、取得した操作信号を判定部23に出力する。
判定部23は、取得部22により取得された操作信号に基づいて、画像211が所定の時間以上押され続けた場合に、火災信号を送信すると判定する。
この所定の時間は、例えば、記憶部26に予め記憶されていてよい。この場合、判定部23は、記憶部26を参照して、当該所定の時間を取得する。
【0034】
以上説明したように、第1の実施形態の変形例2の発信機20では、取得部22は、表示部21の表示画面に対する操作を示す操作信号を取得し、判定部23は、取得部22により取得された操作信号に基づいて、画像211が所定の時間以上押され続けた場合に、火災信号を送信すると判定する。これにより、第1の実施形態の変形例2の発信機20では、これにより、第1の実施形態の変形例2の発信機20は、強い力で押される代わりに、画像211が長押しされた場合に火災信号を送信することができ、表示画面の強度が強くない場合であっても画面を保護する保護板を設けなくともよい。また、画像211に短時間触れただけでは火災信号を送信しないようにすることができるため、上述した効果と同様の誤発報を抑制する効果を奏する。
【0035】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、発信機20が屋内消火栓設備、又はその近傍に設けられる点、及び、火災の状況に応じて、屋内消火栓設備の使用方法を案内(ガイダンス)する画像(以下、ガイダンスの画像と称する)を表示する点において、上述した実施形態と異なる。ここで、屋内消火栓設備は「消火設備」の一例である。
【0036】
制御部25は、火災の状況に応じて、表示部21にガイダンスの画像215(図5参照)を表示する。ここで、画像215は「ガイダンス画像」の一例である。
制御部25は、例えば、発信機20が、火災信号を受信機10に送信した後である。火災が発見され、火災信号が送信された後に、ガイダンス画像を表示させることにより、火災を発見した人が、ガイダンス画像を見て屋内消火栓設備を使用でき、初期消火を行うことが可能である。
【0037】
図5は、第2の実施形態の表示部21の表示例及び操作例を示す図である。
図5に示すように、表示部21は、例えば、画像214を表示する。画像214には、画像215、及び画像215の外周を囲むように配された表示灯又は応答灯を示す円環状の画像212、213が示される。
画像215は、屋内消火栓設備の使用方法が順に示される。この例では、1号消火栓の使用方法の例が示されており、まず発信機のボタンを押下して消火栓のポンプを起動させ、消火栓の扉を開くこと、次にノズルを取り出してホースを引き伸ばし、放水姿勢をとること、そして放水側と給水側で声を掛け合って開閉弁を開いて放水することが、図解により示されている。
【0038】
このように、画像215は、発信機20が設けられている屋内消火栓設備の種別に応じて、その種別の屋内消火栓設備の使用方法を案内するものであってよい。例えば、発信機20が易操作性1号消火栓、又は2号消火栓に設けられた場合には、制御部25は表示部21にその消火栓の使用方法を案内する画像を表示する。
【0039】
発信機20が何れの種別の屋内消火栓設備に設けられているかは、例えば、記憶部26に予め記憶されていてよい。この場合、制御部25は、記憶部26を参照して、発信機20が設けられている屋内消火栓設備の種別を取得し、取得した屋内消火栓設備の種別に応じた画像215を表示部21に表示させる。
【0040】
また、図5に示すように、画像215に対して、例えば指Fによるタッチ操作が行われてもよい。この場合、表示部21は、例えば、タッチパネルである。また、画像215に対して行われる操作は、例えば、画像を拡大させたりスライドさせたりする操作である。
【0041】
以上説明したように、第2の実施形態の発信機20は屋内消火栓設備に設けられ、表示部21は、火災の状況が消火状態である場合、屋内消火栓設備の使用方法について案内する画像215を表示する。これにより、第2の実施形態の発信機20は、発信機20が設けられている屋内消火栓設備の使用方法を表示することができ、消火栓を使用しようとする人に使用方法を伝えることができるため、適切に消火栓が使用されて火災を初期段階で消火することが可能となる。消火栓が利用されることで、消防用設備への認識度合いを向上させることができる。
【0042】
また、第2の実施形態の発信機20では、表示部21は、発信機20が設けられている屋内消火栓の種別に応じて互いに異なる画像215を表示する。これにより、第2の実施形態の発信機20は、発信機20が設けられている屋内消火栓設備の種別に応じた使用方法を表示することができ、消火栓の種別に応じた使用方法を伝えることができるため、より確実に消火栓を使用することが可能となる。
【0043】
上述した実施形態においては、発信機20における表示部21、制御部25の機能を発信機20や消火設備の位置を示す表示灯として構成するようにしてもよい。
この場合、表示灯は、制御部25の制御に基づいて、表示部21に画像を表示する。表示部21は、広告画像、或いは、海や森などの自然の風景を示す環境画像、気象情報、火災予防を啓蒙するポスターなどを表示させてもよい。
また、表示灯は、上述した表示灯の画像212を表示するようにしてもよい。
また、表示灯が、発信機20の位置を示すものである場合には、制御部25は発信機20の通信部24からの信号を取得する。制御部25は、発信機20により応答信号が受信された場合に、応答灯の画像213を表示させるようにしてもよい。この場合、表示灯は「警報設備に設けられた表示灯」の一例である。
また、表示灯が、発信機20が設けられた屋内消火栓設備の位置を示すものである場合、発信機20により火災信号が送信された場合に、ガイダンスの画像215を表示してもよい。この場合、表示灯は「消火設備に設けられた表示灯」の一例である。このガイダンスの画像215は、表示灯が設けられている屋内消火栓の種別に応じたものであってよい。
表示灯が、表示灯の画像、応答灯の画像、ガイダンスの画像、火災予防啓蒙ポスター画像等、様々な画像を表示することで、周囲に防災設備への認識度合いを向上させることができる。
【0044】
表示灯は、通常状態において、表示灯の画像212、広告画像、環境画像、気象情報、及び火災予防を啓蒙するポスターなどを、時間で切り替えて表示するようにしてもよい。この場合において、当該表示灯は、表示灯の画像212と、画像212とは異なる広告画像等の画像(以下、表示灯以外の画像という)とで、画像を表示させるタイミング及び表示させる時間を異なるようにしてもよい。この場合、当該表示灯は、単位時間あたりにおける、表示灯の画像212が表示される時間を、表示灯以外の画像が表示される時間よりも長い時間となるようにする。
例えば、当該表示灯は、表示灯の画像212を表示させる頻度を、表示灯以外の画像を表示させる頻度よりも、大きな(高い)頻度とする。或いは、当該表示灯は、一回の表示において表示灯の画像212を表示させる時間を、表示灯以外の画像を表示させる時間よりも、長い時間とする。
これにより、当該表示灯は、発信機や消火栓設備(「対象設備」の一例)の位置を知らせるという、本来の表示灯としての機能を発揮することができる。
【0045】
また、上述した実施形態における発信機20についても、同様な表示を行ってもよい。すなわち、発信機20は、通常状態において、発報釦の画像211、及び広告画像などの発報釦以外の画像を順次切り替えて表示するようにしてもよい。この場合において、発信機20は、単位時間あたりにおける、発報釦の画像211を表示させる時間を、発報釦以外の画像を表示させる時間よりも長い時間とする。
例えば、発信機20は、発報釦の画像211を表示させる頻度を、発報釦以外の画像を表示させる頻度よりも、大きな(高い)頻度とする。或いは、発信機20は、一回の表示において発報釦の画像211を表示させる時間を、発報釦以外の画像を表示させる時間よりも、長い時間とする。
これにより、発信機20は、火災の発生を発報するという、本来の発信機としての機能を発揮することができる。
【0046】
(実施形態の変形例)
次に、実施形態の変形例について説明する。本変形例では、上述した発信機20、又は表示灯が、受信機10の表示部(不図示)に表示される内容を表示する点において、上述した実施形態と相違する。
受信機10の表示部は、例えば、応答状態において、発報が行われた発信機の設置位置や、発報が行われた時刻を表示する。また、受信機10の表示部は、通常状態及び応答状態において、各種の火災ガイダンスを表示する。火災ガイダンスとは、火災が発生した場合に必要な対応を案内(ガイダンス)する画像であり、例えば、消防署への通報、避難誘導、消火活動、防火管理者への通報などを案内する画像である。火災ガイダンスは、例えば、受信機10の表示部にアイコン画像で表示されており、ユーザの操作により当該アイコン画像が選択された場合に、当該選択されたアイコン画像に応じたガイダンスの内容を具体的に文字や図を用いて説明する画像が表示される。
【0047】
発信機20又は表示灯は、例えば、応答信号を受信すると共に、受信機10の表示部に表示させる画像や情報の内容を示す画像の情報(以下、受信機画像情報という)を、受信機10から受信する。そして、発信機20又は表示灯は、応答信号に応じて応答灯の画像213を表示すると共に、受信した受信機画像情報に応じた画像の全部又は一部(例えば、発報が行われた発信機の設置位置や、発報が行われた時刻)を表示する。
なお、発信機20又は表示灯は、通常状態においても、受信機画像情報を受信機10から受信し、受信した受信機画像情報に応じた画像の全部又は一部(例えば、各種の火災ガイダンス)を表示するようにしてもよい。
【0048】
また、上述した発信機20又は表示灯が、建物内に複数設けられており、これらの複数の発信機20又は表示灯が同一の受信機10に接続されることにより火災報知システム1が構成されている場合、火災が発報された状況や、時間の経過に応じて、複数の発信機20、又は表示灯のうちの全部又は一部に、受信機10の表示部に表示される内容を表示させるようにしてもよい。
例えば、火災が発報された直後には、当該発報が行われた発信機20が位置するフロアに設置された表示灯及び発信機20のみが、受信機10の表示部に表示される画像等を表示する。そして、火災が発報された後、所定時間が経過した場合において、未だ警戒が解除されていない場合には、建物内の全てのフロアにおける表示灯及び発信機20が、受信機10の表示部に表示される画像等を表示する。
【0049】
発信機20又は表示灯は、受信機画像情報と共に、発報が行われた発信機20が位置するフロア、発報が行われた時刻などを示す属性情報を、受信機10から受信する。また、発信機20又は表示灯の記憶部(例えば、記憶部26)には、建物内における発信機20又は表示灯の設置フロアに関する設置情報が記憶される。
【0050】
発信機20又は表示灯は、受信した受信機画像情報と属性情報、及び自身の記憶部に記憶された設置情報を用いて、受信機10の表示部に表示される画像の全部又は一部を表示する。
例えば、発信機20又は表示灯は、属性情報に示される、発報が行われた発信機20が位置するフロアと、設置情報として記憶される、自身が設置されているフロアとが同一のフロアであり、属性情報に示される発報が行われた時刻が、現在の時刻から所定の時間未満である場合には、受信機画像情報に対応する画像の全部又は一部(例えば、発報が行われた発信機の設置位置や、発報が行われた時刻)を表示する。
一方、発信機20又は表示灯は、属性情報に示される、発報が行われた発信機20が位置するフロアと、設置情報として記憶される、自身が設置されているフロアとが異なるフロアであり、属性情報に示される発報が行われた時刻が、現在の時刻から所定の時間未満である場合には、受信機画像情報に対応する画像を表示しない。
そして、発信機20又は表示灯は、属性情報に示される、発報が行われた発信機20が位置するフロアと、設置情報として記憶される、自身が設置されているフロアとが異なるフロアである場合において、属性情報に示される発報が行われた時刻が、現在の時刻から所定の時間以上が経過している場合には、受信機画像情報に対応する画像の全部又は一部(例えば、避難誘導を案内する画像)を表示する。
【0051】
これにより、火災が発生した直後には、火災が発生したフロアに火災の発生を通知して当該フロアにおける消火活動や避難誘導などの対応を促すと共に、他のフロアには火災を通知しないようにすることにより、火災が直ちに消し止められた場合や、発報が誤報であった場合に、他のフロアにいる人々に不要な動揺を与えないようにすることができる。そして、所定時間が経過した場合において、未だ警戒が解除されていない場合には、火災が拡大する可能性があるとして、他のフロアにも火災の発生を通知して、避難誘導などの対応を促すことができる。
【0052】
なお、上述した少なくとも一つの実施形態では、従来の物理的な発信機(或いは、従来の物理的な表示灯)と共に、表示部21及び制御部25が設けられる構成であってもよい。表示部21は、広告画像、或いは、海や森などの自然の風景を示す環境画像、気象情報、火災予防を啓蒙するポスターなどを表示させてもよい。表示部21にどのような画像を表示させるかを、発信機や表示灯を管理する管理者等が設定できるようにしてもよい。
【0053】
ここで、従来の発信機には、例えば、電話ジャックや、非常電話を備えているものがある。電話ジャックは、非常時において受信機との通話に用いる受話器を接続するための接続部である。非常電話は、受話器が取り上げられることにより受信機に火災信号が送信され、火災信号を受信した受信機側の電話機が取り上げられることで、受信機側と発信機側と通話が可能となる設備である。
【0054】
本実施形態の発信機20に、上述したような、従来の発信機に備えられる電話ジャック、又は非常電話(以下、電話ジャック等)が設けられてもよい。この場合、電話ジャック等は、例えば、発信機20の筐体内、又は発信機20の近傍に設けられる。これにより、非常時において、受信機側と通話が可能となり、火災の状況などを詳細に伝えることができる。
なお、本実施形態の発信機20は、発信機20と受信機10との通話用のマイク及びスピーカを備えてもよい。発信機20からの音声が当該マイクにより集音されて受信機10に送信され、受信機10からの音声が当該スピーカから出力されることにより、発信機20と受信機10との通話が可能である。つまり、当該マイク及びスピーカを、ハンズフリー電話として機能させることにより、非常時における通話を受話器なしでスムーズに行うことが可能である。
【0055】
また、発信機20の表示部21が備えるタッチパネルが操作されることにより、受信機10との通話に用いられる各種の信号が受信機10に送信されるようにしてもよい。ここでの各種の信号とは、例えば、火災の状況や概要を伝える信号である。この場合、例えば、タッチパネルに「故障」、「救急」、「火災」のいずれかのアイコン画像が表示され、当該アイコン画像がタッチ操作されることにより、操作されたアイコン画像に対応する火災の状況が受信機10に通知される。
【0056】
また、本実施形態の火災報知システム1は、複数の発信機20が、受信機10と通信可能に接続される構成であってもよい。この場合、複数の発信機20のうち一つの発信機20から火災信号が送信(発報)された際に、受信機10が残りの発信機20に、他の発信機20より火災信号が発報された旨の情報(発報情報)を通知するようにしてもよい。 発信機20は、受信機10から上述した発報情報を受信した場合、例えば、「他の発信機が発報しました」とのメッセージを表示部21に表示するようにしてもよい。
また、発報情報に火災信号が発報された発信機の位置を示す情報が含まれている場合、発信機20は、火災信号が発報された発信機の位置を表示部21に表示してもよい。発信機20は、「1Fロビー」など場所を文字で示すメッセージ等により位置を表示してもよいし、フロア平面図に火災信号が発報された発信機の位置を点滅させるなどして、画像により位置を表示するようにしてもよい。また、発信機20は、上述したメッセージ(文字列)と平面図(画像)とを組み合わせて、火災信号が発報された発信機の位置を表示するようにしてもよい。
なお、発信機20は、発報情報に限らず、受信機10から受信した各種の情報を表示してもよい。ここでの各種の情報とは、例えば、火災予防を呼びかけるメッセージや画像、広告、或いは、火災の発生に備えて屋内消火栓設備などの使用方法を案内するガイダンスの画像などである。
【0057】
発信機20は、実際に火災が発生しているか否かの状況に応じてガイダンスの画像を表示するタイミングや表示の内容を制御するようにしてもよい。
発信機20は、実際に火災が発生していない時、例えば、避難訓練を行っている時や消防用設備の点検時には、ガイダンスの対象となる画像の全体を表示する。ここでの画像の全体とは、ガイダンスの対象が消火栓設備の使用方法であれば、図5の例のように、(1)消火栓の扉を開ける操作、(2)ノズルを取り出してホースを引き伸ばす操作、及び(3)放水側と給水側で声を掛け合って開閉弁を開き放水する操作等、消火栓設備を使用するための一連の方法を、全て表示するものである。
【0058】
一方、発信機20は、実際に火災が発生した時、ガイダンスの対象の特定の操作を表示する。特定の操作とは、ガイダンスの対象が消火栓設備の使用方法であれば、図5に示す画像のコマ、つまり操作方法を示す画像の一つであり、上記(1)~(3)の何れかの操作方法を示す画像の一つである。
例えば、発信機20のボタンが押下された場合、発信機20は、(1)の図を表示して消火栓の扉を開ける操作を行うように促す。次に、消火栓の扉が開放されたことを検知した場合、発信機20は、(2)の図を表示してノズルを取出してホースを引伸ばす操作を行うように促す。消火栓の扉が開放されたか否かは、例えば、扉が開閉されることによる磁場の変化に基づいて開放を検知するマグネットセンサを用いて検知する。また、発信機20は、(2)の図を表示した後、所定時間経過後に(3)の図を表示して、開閉弁を開いて放水を行うように促す。
これにより、実際に火災が発生し、消火栓設備が使用される場合には個々の操作を表示でき、より丁寧に操作方法をガイダンスすることができる。
なお、発信機20は、特定の操作を示す複数の画像の各々を、所定の時間間隔で切り替えて表示するようにしてもよい。例えば、発信機20は、上記(1)~(3)の画像を、所定の時間間隔(例えば、3秒間隔)で順次切り替えて表示するようにしてもよい。
【0059】
上述した実施形態における発信機20、表示灯の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0060】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1…火災報知システム
10…受信機
20…発信機
21…表示部
22…取得部
23…判定部
24…通信部
25…制御部(表示制御部)
26…記憶部
図1
図2
図3
図4
図5