(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】サービスサーバ、サービス提供方法、プログラム、アプリケーションプログラム、およびサービスシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240701BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023057139
(22)【出願日】2023-03-31
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】ゴバニ アカシ スレシクマル
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-060755(JP,A)
【文献】登録実用新案第3231108(JP,U)
【文献】特開2019-133476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子決済サービスを利用して御朱印を利用者に提供するサービスを提供するサービスサーバであって、
利用者端末装置に対する前記利用者の操作に応じて、前記サービスにおいて提供可能な御朱印のうちから選択された御朱印を特定するための御朱印識別情報、前記電子決済サービスにおける電子決済を行って前記御朱印の提供機関に納入対象を納めて前記御朱印の提供を受けるリクエスト情報、および前記サービスにおいて管理されている前記利用者の利用者識別情報を取得する取得部と、
前記御朱印識別情報、前記リクエスト情報、および前記利用者識別情報に基づいて、前記利用者識別情報に前記提供機関において前記御朱印の提供を受ける権限を付与する情報処理部と、
前記御朱印が提供される権限の付与に対する電子決済において、前記サービスにおいて管理されている前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記サービスにおいて管理されている前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットまたは前記送金用残高ウォレットとは異なる決済用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させる決済部を備え、
前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットは、納税義務が生じない納入対象を管理するためのウォレットであり、
前記利用者端末装置または前記提供機関の端末装置から前記御朱印が提供される権限の付与に対する電子決済のリクエストを取得した場合、前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させ、
前記利用者端末装置または前記提供機関の端末装置から所定の商品またはサービスに対する電子決済のリクエストを取得した場合、前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記提供機関のウォレットの前記決済用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させる、
サービスサーバ。
【請求項2】
前記利用者端末装置または前記提供機関の端末装置から送信された前記御朱印が提供される権限の付与に対する電子決済のリクエストであり且つ送金処理の対象であることを示す情報を取得した場合、前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させ、
前記利用者端末装置または前記提供機関の端末装置から送信された所定の商品またはサービスに対する電子決済のリクエストであり且つ残高決済の対象であることを示す情報を取得した場合、前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記提供機関のウォレットの前記決済用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させる、
請求項1に記載のサービスサーバ。
【請求項3】
前記御朱印の提供機関は、前記サービスに参加している寺社である、
請求項1または2に記載のサービスサーバ。
【請求項4】
利用者の操作に応じて前記提供機関である寺社の位置が対応付けられた地図情報を利用者端末装置の表示部に表示させるコンテンツ提供部を備え、
前記情報処理部は、
前記利用者識別情報に前記利用者の操作によって選択された寺社において前記御朱印が提供される権限を付与する、
請求項1または2に記載のサービスサーバ。
【請求項5】
利用者が指定した地域の情報に応じて前記地域に位置する前記提供機関である寺社の情報を利用者端末装置の表示部に表示させるコンテンツ提供部を備え、
前記情報処理部は、前記利用者識別情報に前記利用者の操作によって選択された寺社において前記御朱印が提供される権限を付与する、
請求項1または2に記載のサービスサーバ。
【請求項6】
利用者が指定した前記提供機関である寺社名の情報に応じて前記寺社名の寺社の情報を利用者端末装置の表示部に表示させるコンテンツ提供部を備え、
前記情報処理部は、前記利用者識別情報に前記利用者の操作によって選択された寺社において前記御朱印が提供される権限を付与する、
請求項1または2に記載のサービスサーバ。
【請求項7】
前記情報処理部は、前記利用者が指定した日時に前記御朱印の提供を受けるための予約を受け付け、受け付けた日時の情報を前記御朱印の提供機関の端末装置に提供する、
請求項1または2に記載のサービスサーバ。
【請求項8】
前記情報処理部は、前記権限を付与した前記利用者の利用者端末装置にデジタル御朱印データを提供する、
請求項1または2に記載のサービスサーバ。
【請求項9】
前記情報処理部は、前記利用者が入手したデジタル御朱印帳にデジタル御朱印データを電子的に記帳し、前記デジタル御朱印帳に電子的に記帳した状態の前記デジタル御朱印データを前記利用者端末装置の表示部に表示させる、
請求項8に記載のサービスサーバ。
【請求項10】
前記情報処理部は、前記権限を付与したことに応じて前記利用者の利用者端末装置に御朱印を前記提供機関である寺社において提供を受ける電子チケットを提供する、
請求項1または2に記載のサービスサーバ。
【請求項11】
電子決済サービスを利用して御朱印を利用者に提供するサービスを提供するサービス提供方法であって、
コンピュータが、
利用者端末装置に対する前記利用者の操作に応じて、前記サービスにおいて提供可能な御朱印のうちから選択された御朱印を特定するための御朱印識別情報、前記電子決済サービスにおける電子決済を行って前記御朱印の提供機関に納入対象を納めて前記御朱印の提供を受けるリクエスト情報、および前記サービスにおいて管理されている前記利用者の利用者識別情報を取得し、
前記御朱印識別情報、前記リクエスト情報、および前記利用者識別情報に基づいて、前記利用者識別情報に前記提供機関において前記御朱印の提供を受ける権限を付与し、
前記御朱印が提供される権限の付与に対する電子決済において、前記サービスにおいて管理されている前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記サービスにおいて管理されている前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットまたは前記送金用残高ウォレットとは異なる決済用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させ、
前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットは、納税義務が生じない納入対象を管理するためのウォレットであり、
前記利用者端末装置または前記提供機関の端末装置から前記御朱印が提供される権限の付与に対する電子決済のリクエストを取得した場合、前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させ、
前記利用者端末装置または前記提供機関の端末装置から所定の商品またはサービスに対する電子決済のリクエストを取得した場合、前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記提供機関のウォレットの前記決済用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させる、
サービス提供方法。
【請求項12】
電子決済サービスを利用して御朱印を利用者に提供するサービスを提供するプログラムであって、
コンピュータに、
利用者端末装置に対する前記利用者の操作に応じて、前記サービスにおいて提供可能な御朱印のうちから選択された御朱印を特定するための御朱印識別情報、前記電子決済サービスにおける電子決済を行って前記御朱印の提供機関に納入対象を納めて前記御朱印の提供を受けるリクエスト情報、および前記サービスにおいて管理されている前記利用者の利用者識別情報を取得させ、
前記御朱印識別情報、前記リクエスト情報、および前記利用者識別情報に基づいて、前記利用者識別情報に前記提供機関において前記御朱印の提供を受ける権限を付与させ、
前記御朱印が提供される権限の付与に対する電子決済において、前記サービスにおいて管理されている前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記サービスにおいて管理されている前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットまたは前記送金用残高ウォレットとは異なる決済用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させ、
前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットは、納税義務が生じない納入対象を管理するためのウォレットであり、
前記利用者端末装置または前記提供機関の端末装置から前記御朱印が提供される権限の付与に対する電子決済のリクエストを取得した場合、前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させ、
前記利用者端末装置または前記提供機関の端末装置から所定の商品またはサービスに対する電子決済のリクエストを取得した場合、前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記提供機関のウォレットの前記決済用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させる、
プログラム。
【請求項13】
利用者端末装置において動作して御朱印を利用者に提供するサービスを提供するアプリケーションプログラムであって、
コンピュータに、
利用者の操作に応じて前記御朱印の提供機関の識別情報がエンコードされたコード情報が撮像された画像を取得させ、
前記アプリケーションプログラムと協働して前記サービスを提供するサービスサーバが前記アプリケーションプログラムを介して提供するインターフェース画面であって、前記画像の取得に応じて前記御朱印の提供の依頼を受け付けるためのインターフェース画面を表示部に表示させ、
前記利用者が前記インターフェース画面に対して前記御朱印の提供の依頼の操作を行った場合に、前記サービスにおいて管理されている利用者の利用者識別情報に前記御朱印が提供される権限を付与させることを指示する情報を前記サービスを提供するサービスサーバに送信する、
アプリケーションプログラムと、
前記サービスサーバと、を備え、
前記サービスサーバは、
前記御朱印が提供される権限の付与に対する電子決済において、前記サービスにおいて管理されている前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記サービスにおいて管理されている前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットまたは前記送金用残高ウォレットとは異なる決済用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させ、
前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットは、納税義務が生じない納入対象を管理するためのウォレットであり、
前記利用者端末装置または前記提供機関の端末装置から前記御朱印が提供される権限の付与に対する電子決済のリクエストを取得した場合、前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させ、
前記利用者端末装置または前記提供機関の端末装置から所定の商品またはサービスに対する電子決済のリクエストを取得した場合、前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記提供機関のウォレットの前記決済用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させる、
サービスシステム。
【請求項14】
利用者端末装置において動作して御朱印を利用者に提供するサービスを提供するアプリケーションプログラムであって、
コンピュータに、
利用者の操作に応じて、前記御朱印の提供機関の端末装置にコード情報を読み取らせるために、前記利用者端末装置の利用者を特定するための利用者識別情報がエンコードされた前記コード情報を表示部に表示させ、
前記サービスを提供するサービスサーバが前記サービスにおいて管理されている利用者の識別情報に前記御朱印が提供される権限を付与したことに応じて送信した前記権限を付与したことを示す付与情報を取得させ、
取得させた前記付与情報を前記表示部に表示させる、
アプリケーションプログラムと、
前記サービスサーバと、を備え、
前記サービスサーバは、
前記御朱印が提供される権限の付与に対する電子決済において、前記サービスにおいて管理されている前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記サービスにおいて管理されている前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットまたは前記送金用残高ウォレットとは異なる決済用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させ、
前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットは、納税義務が生じない納入対象を管理するためのウォレットであり、
前記利用者端末装置または前記提供機関の端末装置から前記御朱印が提供される権限の付与に対する電子決済のリクエストを取得した場合、前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させ、
前記利用者端末装置または前記提供機関の端末装置から所定の商品またはサービスに対する電子決済のリクエストを取得した場合、前記利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、前記提供機関のウォレットの前記決済用残高ウォレットに前記電子決済に係る金額を移動させる、
サービスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービスサーバ、サービス提供方法、プログラム、アプリケーションプログラム、およびサービスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、寺社における御朱印を電子化したデジタル御朱印を提供するデジタル御朱印システムが知られている(例えば特許文献1参照)。このデジタル御朱印システムは、寺社に設置された寺社固有のコード情報を利用者の携帯端末が読み取った結果を当該携帯端末から受け取り、これに応じて当該寺社のデジタル御朱印を取得するための画面を前記携帯端末に表示させ、画面を通じて携帯端末からデジタル御朱印を取得する旨の指示を受け取ると、該デジタル御朱印のデータを前記ユーザ領域記憶部に格納する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、御朱印を提供するサービスに関して利用者の満足度を十分に高いとは言えないことがあった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、御朱印を提供するサービスに関して利用者の満足度を向上させることができるサービスサーバ、サービス提供方法、プログラム、アプリケーションプログラム、およびサービスシステムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、電子決済サービスを利用して御朱印を利用者に提供するサービスを提供するサービスサーバであって、利用者端末装置に対する前記利用者の操作に応じて、前記サービスにおいて提供可能な御朱印のうちから選択された御朱印を特定するための御朱印識別情報、前記電子決済サービスにおける電子決済を行って前記御朱印の提供機関に納入対象を納めて前記御朱印の提供を受けるリクエスト情報、および前記サービスにおいて管理されている前記利用者の利用者識別情報を取得する取得部と、前記御朱印識別情報、前記リクエスト情報、および利用者識別情報に基づいて、前記利用者識別情報に前記提供機関において前記御朱印の提供を受ける権限を付与する情報処理部と、を備えるサービスサーバである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、御朱印を提供するサービスに関して利用者の満足度を向上させることができるサービスサーバ、サービス提供方法、プログラム、アプリケーションプログラム、およびサービスシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
【
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
【
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
【
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
【
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
【
図7】決済アプリ20のトップ画面IF1の一例を示す図である。
【
図8】御朱印アプリ30が提供するインターフェース画面IF2である。
【
図9】訪問日時の予約に関するインターフェース画面IF3の一例を示す図である。
【
図10】デジタル御朱印に関するインターフェース画面の一例を示す図である。
【
図11】デジタル御朱印帳のインターフェース画面IF6の一例を示す図である。
【
図12】御朱印アプリ30と決済サーバ100とにより実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】御朱印関連情報172Aの内容の一例を示す図である。
【
図14】送金処理について説明するための図である。
【
図15】送金処理が完了したことを示すコンテンツを含むインターフェース画面の一例を示す図である。
【
図16】利用者が権限情報を利用して御朱印を入手する処理について説明するための図である。
【
図17】ユーザスキャンによって御朱印を提供する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図18】ユーザスキャンによって御朱印を提供する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図19】第1店舗端末装置50または第2店舗端末装置70に表示される送金完了画面の一例を示す図である。
【
図20】決済サーバ100が実行する処理の一部のフローチャートである。
【
図21】必要な情報を登録するためのインターフェース画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明のサービスサーバ、サービス提供方法、プログラム、アプリケーションプログラム、およびサービスシステムの実施形態について説明する。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、及び一以上の第2店舗端末装置70のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。
【0011】
[利用者端末装置]
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0012】
[決済アプリ、御朱印アプリ]
決済アプリ20は、御朱印アプリ30などの一以上のミニアプリを含む。御朱印アプリ30は、電子決済サービスを利用して御朱印を利用者に提供するサービスを提供する。ミニアプリは、例えば、決済アプリ20が利用者端末装置10にダウンロードされると、決済アプリ20に含まれるミニアプリも利用者端末装置10にダウンロードされてもよい。ミニアプリは、決済アプリ20内で起動可能なように開発されたアプリケーションである。例えば、ミニアプリは、決済アプリ20内で起動し、webビュー機能を用いて各種画面を表示する。御朱印アプリ30が起動すると、決済サーバ100と協働して決済サーバ100(決済サーバ100が提供するAPI;Application Programming Interface)と協働し決済サーバ100が提供するコンテンツを利用者端末装置10の表示部に表示させる。御朱印アプリ30は、例えば、URL(Uniform Resource Locator)にアクセスし、webビュー機能により、決済サーバ100が提供するHTML(Hyper Text Markup Language)コンテンツを表示する。
【0013】
御朱印アプリ30は、本実施形態では、決済サーバ100(決済サーバ100が提供するAPI)と協働して御朱印に関するサービスを利用者端末装置10の表示部に表示させるものとするが、御朱印に関するサービスは、例えば、決済サーバ100とは異なるサーバが提供してもよい。御朱印アプリ30と異なるサーバとが、御朱印に関するサービスを利用者に提供してもよい。なお、御朱印アプリ30と決済アプリ20とは統合されて、御朱印アプリ30が実行する各種処理を決済アプリ20が実行してもよい。本実施形態では、御朱印アプリ30は、決済アプリ20に含まれるミニアプリであるものとして説明するが、御朱印アプリ30は、決済アプリ20に含まれない別のアプリであってもよい。この場合、御朱印アプリ30は、決済アプリ20または決済サーバ100と連携して電子決済を行って御朱印に関するサービスを利用者に提供する。
【0014】
[第1店舗端末装置]
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0015】
[第2店舗端末装置]
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0016】
[決済サーバ]
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0017】
図2および
図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0018】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントID(利用者識別情報)を含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0019】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコード(利用者識別情報)の発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像(コード情報)を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0020】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、
図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0021】
[決済サーバ]
図4は、決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部(「取得部」の一例)140と、情報処理部150と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0022】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176などの情報が格納される。
【0023】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0024】
コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスまたは御朱印に関するサービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。コンテンツ提供部120は、コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20または御朱印アプリ30によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。
【0025】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0026】
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報、御朱印関連情報(詳細は後述)などの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0027】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。
【0028】
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名とウォレット情報が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0029】
ウォレット情報は、例えば、その店舗に対応付けられた決済残高と送金残高の情報である。決済残高とは、決済処理によって店舗に払い込まれた金額の残高を示すものであり、送金残高とは、後述する送金処理によって店舗に送金された金額の残高を示すものである。
【0030】
情報管理部140は、利用者端末装置10、第1店舗端末装置50、または第2店舗端末装置70により提供された情報を取得し、これらの情報を管理する。情報管理部140は、例えば、利用者端末装置10または第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172および加盟店/店舗情報176を管理する。情報管理部140は、利用者情報172および加盟店/店舗情報176について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
【0031】
情報管理部140は、例えば、利用者端末装置10に対する利用者の操作に応じて、御朱印利用者に提供するサービスにおいて提供可能な御朱印のうちから選択された御朱印を特定するための御朱印識別情報(寺社を特定するための情報である場合もある)、電子決済サービスにおける電子決済を行って御朱印の提供機関に納入対象を納めて御朱印の提供を受けるリクエスト情報、および御朱印を利用者に提供するサービスにおいて管理されている利用者の利用者識別情報(例えばアカウントIDや利用者ID、ワンタイムパスワードなど利用者を特定するための情報)を取得する。御朱印の提供機関とは、例えばサービスに参加している寺社や、寺社に関連する機関、寺社が業務を委託している機関などである。納入対象とは、例えば、電子マネー(初穂料)や、電子決済サービスや御朱印サービスなどで管理されているポイントなどである。納入対象は、電子決済サービスや御朱印サービス、御朱印の提供機関などにおいて発行され利用者に付与されたクーポンなどの権限(御朱印サービスの提供を受けることができる電子的チケット)であってもよい。
【0032】
情報処理部150は、情報管理部140が取得した、御朱印識別情報、リクエスト情報、および利用者識別情報に基づいて、利用者の識別情報に提供機関において御朱印の提供を受ける権限を付与する。付与するとは、例えば、利用者情報172のアカウントIDや利用者IDなどに対して権限を有することを示す情報を対応付けることである。付与するとは、例えば、権限を有することを示す情報を神社が認識可能なように利用者に提供することであってもよい。例えば、利用者が権限を有することを示すコンテンツを利用者端末装置10の表示部に表示可能なように提供することであってもよい(
図10のインターフェース画面IF5参照)。
【0033】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0034】
決済処理部130は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0035】
[トップ画面]
図7は、決済アプリ20のトップ画面IF1の一例を示す図である。トップ画面IF1には、コード画像CDが表示される。コード画像CDは、例えばバーコードとQRコードを含む。また、トップ画面IF1は、御朱印アプリ30を起動させるためのボタンB1を含む。「ボタン(スイッチ)」はタッチパネルと協働して実現されるGUI(Graphical User Interface)である。ボタンB1が操作されると、御朱印アプリ30が起動して、後述する
図8のインターフェース画面IF2に遷移する。またトップ画面IF1には、各種サービスを開始するためのボタンや、用意されたミニアプリを起動させるためのボタンなどを含む。各種サービスとは、電子決済サービスで提供しているサービスや、電子決済サービスと連携しているサービスなど種々のサービスである。
【0036】
[御朱印アプリが提供するインターフェース画面]
図8は、御朱印アプリ30が提供するインターフェース画面IF2である。インターフェース画面IF2は、例えば、ボタンB2、ボタンB3、ボタンB4、およびボタンB5を含む。
【0037】
ボタンB2は、神社名から御朱印サービスに対応する神社(対象神社)を検索するためのボタンである。ボタンB2が操作されると、例えば、御朱印アプリ30は、神社名を入力する検索窓を含むインターフェース画面を表示部に表示させる。検索窓に寺社名が入力されると、御朱印アプリ30とコンテンツ提供部120とは協働して、寺社名に応じて寺社名の寺社の情報を利用者端末装置10の表示部に表示させる。利用者は、寺社名から入手したい御朱印を見つけることができる。
【0038】
ボタンB3は、神社を場所から探すためのボタンである。ボタンB2が操作されると、御朱印アプリ30は、サービスの対象の神社の位置が対応付けられた地図情報や、場所を入力するための検索窓などを含むインターフェース画面を表示部に表示させる。利用者は、地図や場所などから入手したい御朱印を見つけることができる。
【0039】
ボタンB4は、神社を地域から探すためのボタンである。ボタンB3が操作されると、御朱印アプリ30は、地域を選択するためのコンテンツを表示部に表示させ、利用者の操作によって選択された地域におけるサービスの対象の神社の一覧を表示部に表示させる。利用者は、地域から入手したい御朱印を見つけることができる。
【0040】
ボタンB5は、人気の神社を探すためのボタンである。ボタンB5が操作されると、御朱印アプリ30は、対象神社のうち人気のある神社や、神社の人気ランキングなどを含むインターフェース画面を表示部に表示させる。利用者は、ランキングから入手したい御朱印を見つけることができる。
【0041】
上記のように、御朱印アプリ30が、利用者にとって好適な神社が検索できるようにコンテンツを提供することにより、利用者の利便性が向上する。
【0042】
[訪問日時の予約]
利用者は、御朱印アプリ30を操作して神社への訪問日時を予約することができる。利用者が、上記のインターフェース画面IF2において、神社を選択すると、御朱印アプリ30は、当該神社を訪問する日時を予約するためのインターフェース画面を表示部に表示させる。このインターフェース画面3において、利用者が訪問日時を選択すると、御朱印アプリ30は、インターフェース画面IF3を表示部に表示させる。
【0043】
図9は、訪問日時の予約に関するインターフェース画面IF3の一例を示す図である。利用者が確定ボタンB6を操作すると、御朱印アプリ30は、訪問日時を決済サーバ100に送信する。決済サーバ100の情報処理部150は、御朱印アプリ30から送信された訪問日時を取得すると、訪問日時の予約を確定する。例えば、決済サーバ100が、神社ごとの訪問日時の予約スケジュールを管理しており、このスケジュールに基づいて訪問日時の予約を管理する。そして、所定時間ごとに、決済サーバ100は、予約のスケジュールを神社が管理する端末装置や神社の第2店舗端末装置70(または第1店舗端末装置50)に送信する。上記のように決済サーバ100は、利用者が指定した日時に御朱印の提供を受けるための予約を受け付け、受け付けた日時の情報を御朱印の提供機関の端末装置に提供する。神社は、決済サーバ100により送信された情報に基づいて、訪問日時の予約がされたことを認識することができる。
【0044】
訪問日時の予約のスケジュールは、第2店舗端末装置70において管理されていてもよい。この場合、決済サーバ100は、第2店舗端末装置70と連携してスケジュールを管理する。例えば、決済サーバ100が、予約された訪問日時の情報を第2店舗端末装置70に送信する。第2店舗端末装置70が、送信された訪問日時と、管理しているスケジュールとに基づいて、予約の可否を判断してもよい。
【0045】
[デジタル御朱印の提供]
決済サーバ100の情報処理部150は、御朱印を提供する権限を付与した利用者の利用者端末装置10にデジタル御朱印(デジタル御朱印データ)を提供する。利用者が御朱印アプリ30を操作して電子決済を完了させると、デジタル御朱印が利用者に提供される。デジタル御朱印は、例えば、御朱印の画像データである。決済サーバ100は、例えば、記憶部170において利用者の識別情報に御朱印の画像データを対応付けて管理する。決済サーバ100は、御朱印アプリ30を介して利用者端末装置10に当該画像データを提供してもよい。この場合、御朱印アプリ30が利用者端末装置10の記憶部を利用してデジタル御朱印を管理する。
【0046】
図10は、デジタル御朱印に関するインターフェース画面の一例を示す図である。御朱印アプリ30は、例えば、インターフェース画面IF4を表示部に表示させる。インターフェース画面IF4は、利用者が選択した神社の御朱印の見本の画像IM1や、御朱印の値段、ボタンB11などを含む。利用者が、御朱印の見本や値段などを参照して、ボタンB11を操作すると、インターフェース画面IF5が表示部に表示される。ボタンB11は、御朱印の提供を受けるためのボタン(提供依頼を送信するためのボタン)である。
【0047】
インターフェース画面IF5は、デジタル御朱印(御朱印画像)IM2や送金が完了したことを示す情報、ボタンB12などを含む。例えば、利用者が神社を訪れて、インターフェース画面IF5を神社のスタッフに提示すると、利用者は神社のスタッフから御朱印(物理的な御朱印)を取得することができる。この場合、利用者また神社のスタッフがボタン12を操作すると、ボタンB12は提供済の表示に変更される。このように、提供済の表示に変更されることで、利用者が神社で御朱印の提供を受けたことが確認される。
【0048】
上記のインターフェース画面IF5は、「前記権限を付与したことに応じて前記利用者の利用者端末装置に御朱印を前記提供機関である寺社において提供を受ける電子チケット」の一例である。情報処理部150は、インターフェース画面IF5とは異なる態様のデジタデータを利用した電子チケットを利用者端末装置10に提供してもよい。
【0049】
[デジタル御朱印帳]
決済サーバ100の情報処理部150と御朱印アプリ30とは、連携して利用者が入手したデジタル御朱印帳にデジタル御朱印データを電子的に記帳し、デジタル御朱印帳に電子的に記帳した状態のデジタル御朱印データを利用者端末装置10の表示部に表示させる。
【0050】
御朱印アプリ30は、デジタル御朱印帳を利用者に提供する。利用者が、御朱印アプリ30を操作して、所望の御朱印帳を入手することができる。御朱印アプリ30は、決済サーバ100と協働して御朱印帳の一覧画面を表示させる。利用者が、御朱印帳の一覧画面から所望の御朱印帳を選択して、電子決済を介して御朱印帳を購入することができる。御朱印帳は、例えば、神社が発行しているものであってもよいし、複数の神社で形成されるグループが発行するものであってもよいし、地域が発行するものであってもよい。
【0051】
図11は、デジタル御朱印帳のインターフェース画面IF6の一例を示す図である。利用者がデジタル御朱印を入手した場合に、デジタル御朱印帳にデジタル御朱印が記帳されたように表示される。例えば、利用者が入手したデジタル御朱印IM11-IM14が御朱印帳に含まれている。このように、利用者は、デジタル御朱印をデジタル御朱印帳に集めることができる。
【0052】
デジタル御朱印は、他の利用者に提供することが制限されてもよい。例えば、デジタル御朱印が、他の利用者に提供される場合、御朱印アプリ30が、デジタル御朱印の画像の解像度を低下させる処理を行ってもよいし、デジタル御朱印の画像にウォーターマークを重畳させる処理を行ってもよい。
【0053】
[シーケンス図]
図12は、御朱印アプリ30と決済サーバ100とにより実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。御朱印アプリ30が、コンテンツの提供の利用者の操作を受け付けると(S100)、決済サーバ100に御朱印サービスのコンテンツの提供をリクエストする(S102)。次に、決済サーバ100は、コンテンツを御朱印アプリ30に提供する(S104)。次に、御朱印アプリ30が、コンテンツを表示部に表示させ、利用者が神社の選択や、電子決済の指示の操作などを行うと(S106)、御朱印の提供依頼情報を決済サーバ100に送信する(S108)。提供依頼情報は、例えば、御朱印の識別情報(または神社の識別情報)や、御朱印の提供を受けるリクエスト情報、利用者の識別情報などを含む。上記の処理において、前述したように訪問日時の予約が行われてもよい。
【0054】
次に、決済サーバ100が、提供依頼情報に応じて電子決済を実行して、利用者に御朱印の提供を受ける権限を示す権限情報を付与する(S110)。これにより、後述する御朱印関連情報172Aにおいて利用者を特定するための情報に対して、御朱印の提供の権限を示す情報が対応付けられる。次に、決済サーバ100は、上記の電子決済に応じて送金処理を行う(S112)。次に、決済サーバ100は、権限情報およびデジタル御朱印を御朱印アプリ30に提供する(S116)。権限情報を御朱印アプリ30に提供するとは、利用者が御朱印の提供を受けることができることを示すコンテンツ(例えば
図10のインターフェース画面IF5)を提供することである。次に、御朱印アプリ30は、権限情報およびデジタル御朱印を含むインターフェース画面を表示部に表示させる(S118)。
【0055】
その後、利用者が権限情報を有する神社を訪れ、権限情報を含むインターフェース画面を神社のスタッフに提示する。これにより利用者は、スタッフから御朱印を入手することができる。この際に、利用者が所定の操作を行うと(前述した
図10のボタンB12を操作すると)、御朱印アプリ30が、御朱印の提供が利用者にされたことを示す情報を決済サーバ100に送信する(S120、S122)。決済サーバ100は、上記で送信された情報を取得すると、利用者が御朱印の提供を受けたことを示す情報を、利用者情報172を更新して利用者の識別情報に対応付ける(S124)。
【0056】
上記の例において、電子決済を行う決済サーバと、御朱印に関するサービスを提供するサービスサーバとが異なる場合、サービスサーバまたは御朱印アプリ30は、電子決済を決済サーバ(または決済アプリ20)に依頼して、電子決済の完了の通知を決済サーバから取得したことに応じて、サービスサーバまたは御朱印アプリ30が権限情報を利用者に提供する。この場合、電子決済サービスの利用者を特定するための識別情報と、御朱印を提供するサービスの利用者を特定するための識別情報とは、同じであっても、異なっていてもよい。異なっている場合は、決済サービスと、御朱印を提供するサービスとにおいて、識別情報の対応関係が認識可能である。
【0057】
[御朱印関連情報]
決済サーバ100は、御朱印アプリ30から送信された情報に応じて、利用者情報172の御朱印関連情報172Aに含まれる情報を更新する。
図13は、御朱印関連情報172Aの内容の一例を示す図である。御朱印関連情報172Aは、例えば、利用者を識別するための情報(利用者IDやアカウントID、利用者URLなど)に対して、御朱印帳情報や、権限情報、提供済情報などを含む。御朱印帳情報は、利用者が保有している御朱印帳(電子的な御朱印帳)を示す情報である。権限情報は、利用者が御朱印の提供を受ける権限を有する神社を示す情報である。提供済情報は、利用者に権限情報の御朱印が提供されたか否かを示す情報である。
図13の例では、利用者は、神社Aの御朱印帳を保有し、神社Bの権限情報を有し、更に利用者は、神社Aにおいて御朱印の提供を受けている。
【0058】
上記のように、決済サーバ100は、御朱印関連情報172Aにおいて御朱印を提供する権限などを管理する。これにより、利用者は、御朱印アプリ30を利用して、決済サーバ100と協働して御朱印に関するサービスの提供を受けることができる。
【0059】
[送金処理]
決済サーバ100は、上記のように御朱印に関する電子決済が行われた場合に送金処理を実行する。決済処理部130は、御朱印が提供される権限の付与に対する電子決済において、御朱印帳を提供するサービスにおいて管理されている利用者のウォレットの決済用残高ウォレットの残高から、サービスにおいて管理されている提供機関のウォレットの送金用残高ウォレットに電子決済に係る金額を移動させる。
【0060】
図14は、送金処理について説明するための図である。御朱印の提供に対する電子決済がされた場合、決済サーバ100は、電子決済に係る利用者の利用者情報172のチャージ残高から電子決済に係る金額を差し引く。更に、決済サーバ100は、電子決済に係る金額から所定のサービス料を差し引いた金額を送金残高に加算する。これにより、
図14に示すように加盟店/店舗情報176の第2テーブル176Bの神社(加盟店)のウォレットの送金残高に御朱印の提供に対する金額が加算される。
【0061】
上記のように決済サーバ100は、御朱印の提供に対する電子決済が行われた場合に送金処理を実行する。例えば、御朱印の提供に対する金銭は、例えば、収益事業から生じた所得に該当せずに、納税義務が生じない金銭(例えば寄付)である。このため、上記のように、ウォレット情報において決済残高とは別に(または決済残高の代わりに)、送金残高のウォレットを用意する。決済サーバ100は、御朱印の提供に対する電子決済が行われた場合に送金残高に御朱印の提供に対する金額を対応付けることで、送金処理を行う。これにより、神社は、納税義務の生じない金銭(納入対象)を好適に管理することができる。
【0062】
上記の例では、ウォレットは、決済用残高ウォレットと送金用残高ウォレットとが含まれるものとして説明したが、決済用残高ウォレットは省略されてもよい。例えば、決済用残高ウォレットと送金用残高ウォレットとは、別々の契約(例えば加盟店ID)で管理されていてもよい。例えば、御朱印サービスに参加する神社は、例えば、送金用残高ウォレットを有していればよい。御朱印サービスに参加する神社は、例えば、御朱印サービス以外の物販を行う場合は、例えば、送金用残高ウォレットの契約とは異なる決済用残高ウォレットの契約を行って、物販に係る電子決済の電子マネーを管理する。例えば、物販用のコード情報を利用して決済用残高ウォレットに入金がされる。また、送金用残高ウォレットを管理すると加盟店向けインターフェース72と、決済用残高ウォレットを管理する加盟店向けインターフェース72とは別々であってもよい。
【0063】
上記の例では、神社は、加盟店IDを利用して送金を受け取るものとして説明したが、これに代えて(加えて)、神社(例えば神社の代表者など)が、利用者と同様にアカウントIDを利用して送金を受けてもよい。
【0064】
[送金処理に関するインターフェース画面]
決済サーバ100は、送金処理が完了した場合、第2店舗端末装置70(または第1店舗端末装置50)に送金処理が完了したことを示すコンテンツを含むインターフェース画面を提供する。
図15は、送金処理が完了したことを示すコンテンツを含むインターフェース画面の一例を示す図である。インターフェース画面IF7には、例えば、送金された金額や、利用者が予約した訪問日時、ウォレット情報(例えば送金残高)を表示させるためのボタンなどが含まれる。
【0065】
上記のように送金処理が完了したことを示すコンテンツが神社に提供されるため、神社は、納税義務の生じない金銭を容易に認識したり、納税義務の生じる金銭と、納税義務の生じない金銭とを区分けして認識したりすることができる。
【0066】
上述したように、決済サーバ100は、御朱印を利用者に提供するサービスを利用者に提供することで、利用者の利便性を向上させて利用者の満足度を向上させることができる。
【0067】
上記の例において、デジタル御朱印のみが利用者に提供されてもよいし、デジタル御朱印の提供は省略されてもよい。
【0068】
[コード情報を利用した御朱印に関するサービス]
上記の例では、利用者が神社に訪問する前に権限情報を得ることができるものとした。以下のように、利用者は、神社を訪れ、神社に設けられたコード情報を利用して権限情報を得てもよい。御朱印アプリ30は、利用者の操作に応じて御朱印の提供機関の識別情報がエンコードされたコード情報が撮像された画像を取得し、御朱印アプリ30と協働してサービスを提供するサービスサーバ(例えば決済サーバ100)が御朱印アプリ30を介して提供するインターフェース画面であって、画像の取得に応じて御朱印の提供の依頼を受け付けるためのインターフェース画面を表示部に表示させる。御朱印アプリ30は、利用者がインターフェース画面に対して御朱印の提供の依頼の操作を行った場合に、サービスにおいて管理されている利用者の識別情報に御朱印が提供される権限を付与させることを指示する情報をサービスを提供するサービスサーバに送信する。これにより、サービスサーバにおいて利用者の識別情報に権限が対応付けられ、権限を付与されたことを示す情報が利用者端末装置10に提供される。
【0069】
図16は、利用者が権限情報を利用して御朱印を入手する処理について説明するための図である。神社には、御朱印用のコード情報が用意されている。利用者が、御朱印アプリ30を利用してコード情報を取得して、送金処理の操作を行うと、送金完了のインターフェース画面IF11が表示部に表示させる。神社のスタッフが、上記のインターフェース画面IF11を確認すると、利用者の物理的な御朱印帳に御朱印を記帳する。
【0070】
上記の例において、コード情報には、例えば、神社の識別情報、決済の金額、および送金処理の対象であることを示す情報がエンコードされている。神社の識別情報は、例えば、上述したように決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている店舗(神社)URLの情報である。御朱印アプリ30が、上記のコード情報を読み取ることで、利用者の識別情報、神社の識別情報、決済の金額、および送金処理の対象であることを示す情報を含むリクエスト情報(「御朱印の提供を受けるリクエスト情報」の他の一例)を決済サーバ100に送信して、電子決済を決済サーバ100に依頼する。これにより、決済サーバ100が、送金処理を行って電子決済を実行する。
【0071】
神社において、複数の御朱印が提供可能である場合、コード情報には、御朱印の識別情報が含まれ、御朱印の識別情報が決済サーバ100に送信されてもよい。
【0072】
上記の処理において、コード情報において決済の金額のエンコードは省略され、利用者が決済の金額を入力するためのインターフェース画面が利用者に提供されてもよい。また、例えば、神社がウォレット情報において決済残高ウォレットを有さず、送金残高ウォレットを有する場合は(送金用ウォレットに係る契約である場合であって加盟店IDから送金対象であることを特定できる場合は)、送金処理の対象であることを示す情報は、省略されてもよい(後述する
図17でも同様)。
【0073】
[フローチャート(ユーザスキャン)]
図17は、ユーザスキャンによって御朱印を提供する処理の流れの一例を示すフローチャートである。御朱印アプリ30が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって御朱印用のコード情報をデコードする(S200)。次に、御朱印アプリ30は、店舗(神社)URLや、アカウントID、送金処理の対象であることを示す情報を含む第1御朱印情報を決済サーバ100に送信する(S202)。
【0074】
次に、決済サーバ100は、送金処理の対象であることを認識し、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報を検索して神社名の情報を取得し(S204)、神社名の情報を決済アプリ20に送信する(S206)。利用者は、神社名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S208)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2御朱印情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S210)。金額を入力する処理は省略されてもよい。
【0075】
次に、決済サーバ100は、受信した第2御朱印情報に基づいて電子決済を行い(S212)、送金処理を行う(S214)。例えば、神社の加盟店IDのウォレット情報が決済残高ウォレットを有さず、送金残高ウォレットを有する場合は(送金用ウォレットに係る契約である場合であって加盟店IDから送金対象であることを特定できる場合は)、送金処理の対象であることを、決済サーバ100は認識することができる。御朱印アプリ30は、送金対象であることを示す情報を決済サーバ100に送信し、決済サーバ100は、この情報から送金対象であることを認識してもよい。そして、決済サーバ100は、送金完了通知を御朱印アプリ30に送信し(S216)、御朱印アプリ30は送金完了画面を表示する(S218)。本処理により電子決済が行われた場合も、利用者にデジタル御朱印が提供されてもよい。
【0076】
上述したように、利用者は、神社を訪れた際に電子決済を利用して容易に御朱印を入手することができる。神社は、御朱印に対する金銭を送金処理によって、他の決済と分けて管理することができる。
【0077】
[神社スキャン(店舗スキャン)を利用した御朱印に関するサービス]
以下のように、利用者は、神社を訪れ、店舗スキャンを利用して権限情報を得てもよい。御朱印アプリ30は、利用者の操作に応じて、御朱印の提供機関の端末装置(例えば第1店舗端末装置50)にコード情報を読み取らせるために、利用者端末装置10の利用者を特定するための利用者識別情報がエンコードされたコード情報を表示部に表示させる。御朱印アプリ30は、御朱印の提供のサービスを提供するサービスサーバがサービスにおいて管理されている利用者の識別情報に御朱印が提供される権限を付与したことに応じて送信した権限を付与したことを示す付与情報を取得させ、取得させた付与情報を表示部に表示させる。
【0078】
[フローチャート(神社スキャン)]
図18は、ユーザスキャンによって御朱印を提供する処理の流れの一例を示すフローチャートである。御朱印アプリ30の起動時、御朱印アプリ30において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、御朱印アプリ30はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S300)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S302)、御朱印アプリ30に送信する(S304)。
【0079】
御朱印アプリ30は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像(コード情報)を表示する(S306)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S308)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S310)。決済金額の情報は、手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行い(S213)、送金処理を行う(S314)。そして、決済サーバ100は、送金完了通知を御朱印アプリ30に送信し(S318)、御朱印アプリ30は送金完了画面を表示する(S320)。
【0080】
図19は、第1店舗端末装置50または第2店舗端末装置70に表示される送金完了画面の一例を示す図である。送金が完了した場合、
図19に示すようにウォレット情報の送金残高に送金が行われたことや、御朱印の記帳を行うことを促す情報などを神社に提供する。利用者端末装置10にも、送金処理が完了したことを示す情報や、御朱印の提供を受ける権限が付与されたことを示す情報が提供される。本処理により電子決済が行われた場合も、利用者にデジタル御朱印が提供されてもよい。
【0081】
上述したように、利用者は、神社を訪れた際に電子決済を利用して容易に御朱印を入手することができる。神社は、御朱印に対する金銭を送金処理によって、他の決済と分けて管理することができる。
【0082】
[決済対象に応じた処理]
決済サーバ100は、決済対象の種別に基づいて、電子決済に係る決済の金額を送金残高に対応付けるか、決済残高に対応付けるかを判断してもよい。電子決済の種別は、決済アプリ20、御朱印アプリ30、または第1店舗端末装置50により決済サーバ100に提供される。
【0083】
例えば、神社には、送金処理用(御朱印用)のコード情報と決済残高用のコード情報とが用意されている。送金処理用のコード情報は、第1種別の対象の電子決済に利用される。決済残高用のコード情報は、第2種別の対象の電子決済に利用される。第1種別の対象は、例えば、納税義務の生じない対象であって、御朱印や、祈祷サービスなどである。第2種別の対象は、例えば、納税義務の生じる対象であって、お土産や、お菓子、駐車場代などである。
【0084】
ユーザスキャンにおいて御朱印アプリ30は、送金処理用のコード情報を読み取った場合は、決済対象が送金処理の対象であることを示す情報を決済サーバ100に送信し、決済残高用のコード情報を読み取った場合は、決済対象が決済残高処理の対象であることを示す情報を決済サーバ100に送信する。
【0085】
ユーザスキャンにおいて御朱印アプリ30は利用して電子決済を行う場合は、御朱印アプリ30は、送金処理の対象であることを示す情報を決済サーバ100に送信し、ユーザスキャンにおいて決済アプリ20は利用して電子決済を行う場合は、決済アプリ20は、残高決済の対象であることを示す情報を決済サーバ100に送信してもよい(または送金処理の対象や残高決済の対象などの情報を送信しなくてもよい)。つまり御朱印アプリ30を利用した電子決済は、送金処理の対象として扱われる。
【0086】
また、御朱印アプリ30の機能が決済アプリ20に含まれる場合、決済アプリ20が、読み取ったコード情報に応じた電子決済の対象を決済サーバ100に送信する。
【0087】
ストアスキャンにおいて、御朱印アプリ30が生成するコード情報には送金処理の対象であることを示す情報が含まれる。第1店舗端末装置50は、コード情報を読み取って得た送金処理の対象であることを示す情報を決済サーバ100に送信してもよい。つまり御朱印アプリ30を利用した電子決済は、送金処理の対象として扱われる。
【0088】
第1店舗端末装置50が、例えば、スタッフの操作に応じた電子決済の対象の情報を決済サーバ100に送信してもよい。
【0089】
図20は、決済サーバ100が実行する処理の一部のフローチャートである。本処理は、上述した各シーケンス図の処理に対して適用可能である。例えば、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から電子決済の対象を示す情報が送信されるものとして説明するための図である。
【0090】
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された情報に基づいて、送金処理の対象の決済であるか否かを判定する(S400)。送信処理の対象である場合、決済サーバ100は、電子決済を行って送金処理を実行する(S402)。送信処理の対象でない場合、決済サーバ100は、電子決済を行い決済残高に係る処理を実行する(S404)。上記のように、決済の対象または利用するアプリに応じて、決済サーバ100は、送金処理または決済残高に係る処理を実行することにより、対象に応じた適切な処理を行うことができる。
【0091】
上記の例では、送信対象が御朱印に対する金銭であるものとして説明したが、これに限らず、所定の商品やサービスなどであってもよい。例えば、加盟店が定めた商品やサービスが送金対象とされてもよい。また、上記の例では、ウォレットが決済残高および送金残高を含むものとして説明したが、これに加えて(または代えて)他の種別の残高が含まれていてもよい。この場合、御朱印を提供するサービスに関して利用者の満足度を向上させることに代えて、決済サーバ100は、電子決済に係る金額を対象ごとに管理することができるため、加盟店の利便性を向上させることができる。
【0092】
[神社がサービスに参加するためのインターフェース画面]
神社が御朱印を提供するサービスに参加する場合、第2店舗端末装置70を介して必要な情報を登録することでサービスに参加することができる。
図21は、必要な情報を登録するためのインターフェース画面の一例を示す図である。神社のスタッフが、例えば、インターフェース画面に神社名や、御朱印の納入対象(初穂料)、提供する御朱印のデジタルデータなどを登録し、申込ボタンを操作すると、第2店舗端末装置70が、登録した情報を決済サーバ100に送信する。決済サーバ100は、送信された情報に対して所定の審査を行って、審査を通過した神社をサービスを提供可能な神社として登録する。
【0093】
上記のように、神社は、容易に本実施形態が提供するサービスに参加することができる。
【0094】
[ユーザ体験を向上させるサービス]
(御朱印帳の種別)
デジタル御朱印帳は、通常版と、限定版とが用意されていてもよい。例えば、通常版は、どの神社でも御朱印が入手できる御朱印帳である。限定版は、特定の神社のみの御朱印が入手できる御朱印帳である。例えば、決済サーバ100は、通常版を保有する利用者に対しては提供する御朱印を制限せず、限定版を保有する利用者に対しては提供する御朱印を制限する。例えば、限定版の御朱印帳は、通常版の御朱印帳よりも価格が低く設定されていてもよい。利用者は、入手する御朱印に応じて御朱印帳を選択することができる。
【0095】
(御朱印のタイプ)
複数の御朱印のタイプが用意されていてもよい。例えば、レギュラー御朱印や、特別御朱印、限定御朱印などが用意されていてもよい。レギュラー御朱印は、年間を通じて利用可能な御朱印である。特別御朱印は、特定の時期のみ利用可能な御朱印である。特別御朱印は、例えば、季節や祭りなどの時期に提供される特別な御朱印である。限定御朱印は、電子決済サービスまたは御朱印サービスの利用者のみに提供される特別な御朱印である。例えば決済サーバ100は、上記の各御朱印を利用者のリクエストに応じて利用者に提供する。利用者は、御朱印サービスで用意された種々の御朱印を好みに応じて入手することができる。
【0096】
(御朱印ラリー)
御朱印ラリーが提供されてもよい。御朱印ラリーとは、予め定められた複数の御朱印を順番に集める企画である。例えば、ある地域の複数の神社の御朱印を集める企画がされてもよい。例えば、地域Aにおける神社の御朱印を集める企画である。この際に、御朱印を集める順番が定められてもよい。例えば神社Aの御朱印を入手した後に、神社Bの御朱印を入手することが条件とされてもよい。決済サーバ100は、御朱印アプリ30と連携して御朱印を集める順番が条件に合致するか否かを判定する。例えば、決済サーバ100は、ユーザスキャンまたはストアスキャンによって電子決済の依頼を受け付けた場合、条件を満たす御朱印に対する電子決済である場合は御朱印の提供を許可し、条件を満たす御朱印に対する電子決済でない場合は御朱印の提供を許可しない。許可しない場合は、御朱印を提供する順番を示す情報を利用者に提供してもよい。
【0097】
前述した
図12の処理のように利用者が御朱印を事前に購入している場合は、決済サーバ100は、
図10のインターフェース画面IF5のボタンB12(御朱印の提供を受ける際に操作されることで、御朱印が提供済であることを示すためのボタン)の操作を無効にして、条件を満たさない御朱印の提供を制限する。
【0098】
決済サーバ100は、上記の御朱印ラリーを完走した場合または御朱印ラリーに参加した場合、特典を利用者に提供してもよい。例えば、決済サーバ100は、御朱印ラリーが開催されている地域の加盟店や、神社に設けられている加盟店などで利用できる電子決済のポイントを利用者に付与してもよいし、これらの加盟店で利用できるクーポンまたは割引券を利用者に付与してもよい。
【0099】
以上説明した実施形態によれば、決済サーバ100が、御朱印識別情報、リクエスト情報、および利用者識別情報に基づいて、利用者識別情報に御朱印の提供機関において御朱印の提供を受ける権限を付与することにより、御朱印を提供するサービスに関して利用者の満足度を向上させることができる。
【0100】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0101】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
30 御朱印アプリ
100 決済サーバ
120 コンテンツ提供部
122 表示制御部
130 決済処理部
140 情報管理部
150 情報処理部
【要約】
【課題】御朱印を提供するサービスに関して利用者の満足度を向上させること。
【解決手段】電子決済サービスを利用して御朱印を利用者に提供するサービスを提供するサービスサーバであって、利用者端末装置に対する前記利用者の操作に応じて、前記サービスにおいて提供可能な御朱印のうちから選択された御朱印を特定するための御朱印識別情報、前記電子決済サービスにおける電子決済を行って前記御朱印の提供機関に納入対象を納めて前記御朱印の提供を受けるリクエスト情報、および前記サービスにおいて管理されている前記利用者の利用者識別情報を取得する取得部と、前記御朱印識別情報、前記リクエスト情報、および利用者識別情報に基づいて、前記利用者識別情報に前記提供機関において前記御朱印の提供を受ける権限を付与する情報処理部と、を備えるサービスサーバ。
【選択図】
図1