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特許7512501内蔵された組織切断機構を有する発射部材駆動カムアセンブリを備える外科用ステープルカートリッジ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】内蔵された組織切断機構を有する発射部材駆動カムアセンブリを備える外科用ステープルカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20240701BHJP
   A61B 17/285 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
A61B17/072
A61B17/285
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023174170
(22)【出願日】2023-10-06
(62)【分割の表示】P 2020551883の分割
【原出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2023175948
(43)【公開日】2023-12-12
【審査請求日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】62/649,291
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/649,294
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/649,296
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/649,300
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/649,302
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/649,307
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/649,309
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/649,310
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/649,313
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/649,315
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/649,320
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/649,323
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/649,327
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/649,333
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/650,887
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/807,309
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/807,310
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/807,319
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/281,660
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】バコス・グレゴリー・ジェイ
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第2992838(EP,A2)
【文献】欧州特許出願公開第2586378(EP,A2)
【文献】米国特許第5673841(US,A)
【文献】米国特許第6060054(US,A)
【文献】米国特許第5752644(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第2997906(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0274722(US,A1)
【文献】特開2009-291603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネル及び前記チャネルに対して移動可能に支持されるアンビルと、前記アンビル及び前記チャネルと係合するように構成された発射部材と、を備える、外科用ステープラと共に使用するように構成された外科用ステープルカートリッジであって、前記外科用ステープルカートリッジは、
カートリッジデッキ表面を備えるカートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納される複数の外科用ステープルと、
前記カートリッジ本体に移動可能に支持され、かつ前記発射部材と動作可能に連動するように構成されたカムアセンブリであって、前記発射部材の遠位方向への軸方向移動により、前記カムアセンブリが前記カートリッジ本体内の開始位置から終了位置へと駆動される、カムアセンブリと、
前記カムアセンブリと共に移動するために前記カムアセンブリ上に支持された切断部材と、を備え、
前記切断部材は、前記カムアセンブリによって移動可能に支持され、前記切断部材の少なくとも一部が前記カートリッジ本体の前記カートリッジデッキ表面の上方に延在する展開位置と、前記切断部材の前記少なくとも一部が前記カートリッジデッキ表面の下方にある引っ込み位置との間で移動可能であり
前記カムアセンブリが前記開始位置にあるとき、前記切断部材が、前記展開位置に保持され、
前記カートリッジ本体は、前記カムアセンブリが前記開始位置にあり、前記切断部材が前記展開位置にあるときに、前記切断部材の前記少なくとも一部を包囲するように構成されたガレージ部分を備え、
前記切断部材が、前記ガレージ部分内のリテーナによって前記展開位置に保持される、外科用ステープルカートリッジ。
【請求項2】
前記カートリッジ本体が前記チャネル内に動作可能に設置されているとき、前記切断部材は、前記発射部材上のラッチ機構によって前記展開位置に保持される、請求項1に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【請求項3】
前記発射部材が前記カムアセンブリを前記開始位置から前記終了位置へと前記遠位方向に駆動するとき、前記切断部材は、前記発射部材上の前記ラッチ機構によって前記展開位置に保持される、請求項2に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【請求項4】
前記カートリッジ本体は、前記カムアセンブリが前記終了位置に移動するとき、前記切断部材を前記引っ込み位置に移動させるように構成された解放機構を更に備える、請求項1に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【請求項5】
前記発射部材が近位方向に後退するとき、前記発射部材上の前記ラッチ機構は、前記切断部材を係合解除するように構成されている、請求項3に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【請求項6】
前記ラッチ機構が前記カムアセンブリから係合解除されるとき、前記切断部材を前記引っ込み位置内に付勢するための付勢具を更に備える、請求項2に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【請求項7】
前記発射部材がモータ駆動式である、請求項1に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年2月19日出願の米国特許仮出願第62/807,310号、発明の名称「METHODS FOR CONTROLLING A POWERED SURGICAL STAPLER THAT HAS SEPARATE ROTARY CLOSURE AND FIRING SYSTEMS」、2019年2月19日出願の米国特許仮出願第62/807,319号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH IMPROVED LOCKOUT SYSTEMS」、及び、2019年2月19日出願の米国特許仮出願第62/807,309号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH IMPROVED ROTARY DRIVEN CLOSURE SYSTEMS」の利益を主張するものであり、これらの開示の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,887号、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH OPTIMIZED SENSING CAPABILITIES」の利益を主張するものであり、これらの開示の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,302号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,294号、発明の名称「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,300号、発明の名称「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,309号、発明の名称「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,310号、発明の名称「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,291号、発明の名称「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,296号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,333号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,327号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,315号、発明の名称「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,313号、発明の名称「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,320号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,307号、発明の名称「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、及び、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,323号、発明の名称「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」の利益を主張するものであり、これらの開示の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、外科用器具に関し、また、様々な状況において組織をステープル留めし、切断するために設計された、外科用ステープル留め及び切断器具並びにそれらと共に使用するためのステープルカートリッジに関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本明細書に記載する実施形態の様々な特徴は、それらの利点と共に、以下の添付図面と併せて以下の説明によって理解することができる。
図1】電動外科用ステープル留めシステムの斜視図である。
図2図1の電動外科用ステープル留めシステムの交換式外科用シャフトアセンブリの斜視図である。
図3図1の電動外科用ステープル留めシステムのハンドルアセンブリの一部の分解組立図である。
図4図2の交換式外科用シャフトアセンブリの分解組立図である。
図5図4の交換式外科用シャフトアセンブリの一部の別の部分分解組立図である。
図6】別の電動外科用ステープル留めシステムの斜視図である。
図7図6の電動外科用ステープル留めシステムのシャフトアセンブリの一部の分解組立図である。
図8図6の電動外科用ステープル留めシステムのハンドルアセンブリの一部の分解組立図である。
図9】別の電動外科用ステープル留めシステムの斜視図である。
図10図9の電動外科用ステープル留めシステムの一部の上面図である。
図11図9の外科用ステープル留めシステムのシャフトアセンブリの関節運動継手の部分斜視図である。
図12図11の関節運動継手の上面図である。
図13】発射部材及び発射駆動シャフトの斜視組立図である。
図14図9の電動外科用ステープル留めシステムのエンドエフェクタ及び関節運動継手の一部の斜視図である。
図15図14のエンドエフェクタ及び関節運動継手の別の斜視図である。
図16図14のエンドエフェクタのアンビルの上面図である。
図17図14のエンドエフェクタの細長いチャネルに取り付けられた図16のアンビルの別の上面図である。
図18図17の線18-18に沿ってとられた図17のアンビル及びエンドエフェクタの断面図である。
図19図17の線19-19に沿ってとられた図17のアンビル及びエンドエフェクタの別の断面図である。
図20図14のエンドエフェクタの閉鎖連結アセンブリ及び閉鎖駆動シャフトの分解組立図である。
図21図20の閉鎖連結アセンブリ及び閉鎖駆動シャフトの斜視図である。
図22】別の回転式電動外科用エンドエフェクタのアンビル、閉鎖連結アセンブリ、及び閉鎖駆動シャフトの部分斜視図である。
図23】駆動シャフトが断面で示されている、図22のアンビル、閉鎖連結アセンブリ、及び閉鎖駆動シャフトの部分端面立面図である。
図24】そのアンビルが閉鎖位置にある、別の回転式電動外科用エンドエフェクタのアンビル、閉鎖連結アセンブリ、回転発射駆動シャフト、及び閉鎖駆動シャフトの側面立面図である。
図25】アンビルが開放位置にある、図24のアンビル、閉鎖連結アセンブリ、回転発射駆動シャフト、及び閉鎖駆動シャフトの別の側面立面図である。
図26図24の回転式電動外科用エンドエフェクタの断面端面図である。
図27図24の回転式電動外科用エンドエフェクタの別の断面端面図である。
図28】そのアンビルが開放位置にある、別の回転式電動外科用エンドエフェクタの一部の側面立面図である。
図29図28の回転式電動外科用エンドエフェクタの一部の拡大部分斜視図である。
図30】そのアンビルが開放位置にある、図28及び図29の回転式電動外科用エンドエフェクタの一部の部分側面立面図である。
図31】そのアンビルが閉鎖位置にある、図30の回転式電動外科用エンドエフェクタの一部の別の部分側面立面図である。
図32図31の回転式電動外科用エンドエフェクタのアンビル及び細長いチャネルの一部の、断面側面図である。
図33】そのアンビルが閉鎖位置にある、別の回転式電動外科用エンドエフェクタの部分斜視図である。
図34】アンビルが開放位置にある、図33の回転式電動外科用エンドエフェクタの一部の側面立面図である。
図35】アンビルが閉鎖位置にある、図34の回転式電動外科用エンドエフェクタの一部の別の側面立面図である。
図36図33の回転式電動外科用エンドエフェクタの一部の断面端面図である。
図37図33の回転駆動式外科用エンドエフェクタの回転発射駆動シャフト及び回転閉鎖駆動シャフトの部分断面側面図である。
図38】ジョーが開放位置で示されている、エンドエフェクタのジョーを開閉するための閉鎖リンク構成を採用するエンドエフェクタの図式図である。
図39】ジョーが閉鎖位置にある、図38のエンドエフェクタの別の図式図である。
図40】ジョーが開放位置で示されている、エンドエフェクタのジョーを開閉するための閉鎖リンク構成を採用する別のエンドエフェクタの図式図である。
図41】ジョーが閉鎖位置にある、図40のエンドエフェクタの別の図式図である。
図42】ジョーが開放位置で示されている、エンドエフェクタのジョーを開閉するための閉鎖リンク構成を採用する別のエンドエフェクタの図式図である。
図43】ジョーが閉鎖位置にある、図42のエンドエフェクタの別の図式図である。
図44】そのアンビルが開放位置にある仮想線で示されている、別の外科用エンドエフェクタの一部の側面立面図である。
図45図44の外科用エンドエフェクタの端面図である。
図46図45のエンドエフェクタのアンビルの部分断面斜視図である。
図47図44の外科用エンドエフェクタのアンビル閉鎖部材の側面立面図である。
図48図44の外科用エンドエフェクタの発射部材の側面立面図である。
図49】そのアンビルが開放構成にある仮想線で示されている、図44の外科用エンドエフェクタの部分側面立面図である。
図50】そのアンビルが閉鎖位置にある、図49の外科用エンドエフェクタの別の部分側面立面図である。
図51】その発射部材が発射プロセスを始めている、図50の外科用エンドエフェクタの別の側面立面図である。
図52】アンビル閉鎖部材及び発射部材がエンドエフェクタ内で部分的に遠位に展開されている、図50の外科用エンドエフェクタの別の側面立面図である。
図53】別の電動外科用器具の斜視図である。
図54図53の電動外科用器具の一部の上面図である。
図55図53の外科用器具の外科用エンドエフェクタの一部の部分断面図である。
図56図53の外科用器具の外科用エンドエフェクタのアンビル及びエンドキャップ部分の部分分解組立図である。
図57図53の外科用器具の外科用エンドエフェクタの部分断面端面図である。
図58図57の外科用エンドエフェクタの細長いチャネルの一部の斜視近位端面図である。
図59】一部の構成要素の断面が示されており、そのアンビルが閉鎖位置にある、図57の外科用エンドエフェクタの一部の部分側面立面図である。
図60図59の線60-60に沿ってとられた図59の外科用エンドエフェクタの断面端面図である。
図61図59の線61-61に沿ってとられた図59の外科用エンドエフェクタの断面端面図である。
図62図59の外科用エンドエフェクタの細長いチャネル及び発射部材の部分底面斜視図である。
図63】別の電動外科用器具の斜視図である。
図64図63の電動外科用器具の上面図である。
図65】外科用ステープルカートリッジが内部に動作可能に装着されている、図63の電動外科用器具の外科用エンドエフェクタの部分断面側面図である。
図66図65の外科用ステープルカートリッジの斜視図である。
図67図65の外科用エンドエフェクタの細長いチャネル部分の部分斜視組立図、及び、図66の外科用ステープルカートリッジの底面斜視図である。
図68】ステープルカートリッジが細長いチャネル内に動作可能に装着されているときの、図67の細長いチャネルの一部と係合する図67の外科用ステープルカートリッジのクリップの側面立面図である。
図69図65の外科用エンドエフェクタの発射ロックアウトアセンブリの部分分解組立図である。
図70図66の外科用ステープルカートリッジの一部と係合する図69の発射ロックアウトアセンブリの上面断面図である。
図71】外科用ステープルカートリッジが内部に動作可能に装着されており、発射ロックアウトアセンブリがロック解除位置にある、図65の外科用エンドエフェクタの側面断面図である。
図72】外科用ステープルカートリッジが内部に動作可能に装着されており、そのアンビルが開放位置にある、図65の外科用エンドエフェクタの別の側面断面図である。
図73】そのアンビルが開放位置にあり、外科用ステープルカートリッジを内部に装着する前の状態の、別の外科用エンドエフェクタの部分断面側面図である。
図74】アンビルが閉鎖し始めている、図73の外科用エンドエフェクタの別の部分断面側面図である。
図75図73の外科用エンドエフェクタの発射部材及び発射部材ロックアウト機構の分解組立図である。
図76図73の外科用エンドエフェクタの細長いチャネル内に装着された外科用ステープルカートリッジの一部と係合している、図75の発射部材ロックアウト機構の一部の拡大図である。
図77図73の外科用エンドエフェクタの細長いチャネル内への外科用ステープルカートリッジの装着前のロック位置にある、図76の発射部材ロックアウト機構の一部の別の拡大図である。
図78図73の外科用エンドエフェクタの一部及びエンドエフェクタ内に装着された外科用ステープルカートリッジのカムアセンブリの断面図である。
図79】外科用ステープルカートリッジが内部に装着されており、そのアンビルが開放位置にある、図73の外科用エンドエフェクタの断面側面図である。
図80】そのアンビルが閉鎖位置にある、図73の外科用エンドエフェクタの別の断面側面図である。
図81】外科用ステープルカートリッジが内部に装着されている、別の外科用エンドエフェクタの一部の斜視図である。
図82図81の外科用エンドエフェクタの発射部材及び閉鎖システムの一部の斜視図である。
図83図81の外科用エンドエフェクタの細長いチャネル及び閉鎖シャトルの一部の断面端面図である。
図84】内部にステープルカートリッジを装着する前の図81の外科用エンドエフェクタの部分斜視図である。
図85】カートリッジがエンドエフェクタ内に装着されていないため、その発射ロックアウト部材がロック位置にある、図84の外科用エンドエフェクタの別の部分斜視図である。
図86】内部にカートリッジが装着されている、図84の外科用エンドエフェクタの別の部分斜視図である。
図87】発射ロックアウト部材が見えるようにカートリッジの一部が除かれており、カートリッジのカムアセンブリと係合している、図86の外科用エンドエフェクタの別の部分斜視図である。
図88】内部にカートリッジが装着されており、外科用エンドエフェクタの発射部材が遠位方向に前方に移動している、図86の外科用エンドエフェクタの別の部分斜視図である。
図89】発射ロックアウト部材が見えるようにカートリッジの一部が省略されており、カートリッジのカムアセンブリと係合している、図86の外科用エンドエフェクタの別の部分斜視図である。
図90】外科用エンドエフェクタの回転発射駆動シャフトと螺合可能に係合された別の発射部材の斜視図である。
図91】アンビルが開放位置にあり、断面が示されている、外科用エンドエフェクタのアンビルに関連した図90の発射部材の側面立面図である。
図92】外科用エンドエフェクタの細長いチャネルの一部に関連した図90の発射部材の一部の側面図である。
図93】外科用エンドエフェクタの回転発射駆動シャフトと螺合係合されている、別の発射部材の斜視図である。
図94図93の発射部材のフランジアセンブリの近位部分の一部の部分側面立面図である。
図95図94のフランジアセンブリの遠位部分の一部の部分側面立面図である。
図96】アンビルが開放位置にあり、断面が示されている、外科用エンドエフェクタのアンビルに関連した図93の発射部材の側面立面図である。
図97】電動外科用器具のフィードバックシステム例の論理図である。
図98】電動外科用器具の制御回路例の図である。
図99】電動外科用器具の組み合わせ論理回路例の図である。
図100】電動外科用器具の順序論理回路例の図である。
図101】電動外科用器具の発射プロセス制御システム例のグラフである。
図102】電動外科用器具の発射制御システムを動作させるための、順次論理回路例である。
図103】電動外科用器具の別の発射プロセス制御システム例のグラフである。
図104】別の電動外科用器具の発射制御システムを動作させるための、順次論理回路例である。
図105】別の電動外科用器具の発射制御システムを動作させるための、順次論理回路例である。
図106】その回転発射駆動シャフト上に装着された外科用エンドエフェクタの別の発射部材の斜視図である。
図107図106の発射部材の一部の分解組立図である。
図108図106の回転発射駆動シャフト上に装着された発射部材及び駆動ナット構成の部分断面図である。
図109】その組織切断部材が展開位置にあり、外科用ステープルカートリッジのカムアセンブリとロック解除係合にある、その回転発射駆動シャフト上に装着された外科用エンドエフェクタの別の発射部材の部分斜視図である。
図110】組織切断部材が格納位置にある、図109の発射部材及びカムアセンブリの別の部分斜視図である。
図111】その組織切断部材が展開位置にあり、外科用ステープルカートリッジのカムアセンブリとロック解除係合にある、その回転発射駆動シャフト上に装着された外科用エンドエフェクタの別の発射部材の部分斜視図である。
図112】別の外科用ステープルカートリッジの斜視図である。
図113】そのカムアセンブリが破線で示されている、図112の外科用ステープルカートリッジの近位端の拡大斜視図である。
図114】その組織切断部材が省略された、図112の外科用ステープルカートリッジのカムアセンブリの斜視図である。
図115】そのカムアセンブリが、その中の最遠位端位置に接近している、図112の外科用ステープルカートリッジの遠位端の断面図である。
図116】カムアセンブリが終了位置に達し、その組織切断部材が格納位置に移動した後の、図112の外科用ステープルカートリッジの遠位端の別の断面図である。
図117】その組織切断部材が展開位置にある、図112の外科用ステープルカートリッジの近位端の部分断面側面図である。
図118】その組織切断部材が格納位置にある、図112の外科用ステープルカートリッジの遠位端の別の部分断面側面図である。
図119】一部が省略されて終了位置にあるそのカムアセンブリが露出しており、その組織切断部材が格納位置にある、図112の外科用ステープルカートリッジの遠位端の斜視図である。
図120図119の外科用ステープルカートリッジの別の斜視図である。
図121】明確にするためにエンドエフェクタ及びカートリッジの一部が省略された、外科用ステープルカートリッジを内部に装着する間の外科用エンドエフェクタの部分側面立面図である。
図122】発射プロセスの開始前に、エンドエフェクタの発射部材がカートリッジのカムアセンブリと動作可能に係合している、図121の外科用エンドエフェクタ及びステープルカートリッジの別の部分側面立面図である。
図123】発射プロセスの完了後かつ発射部材の近位方向への後退中の、図121の外科用エンドエフェクタ及びステープルカートリッジの別の部分側面立面図である。
図124】電動外科用エンドエフェクタの別の外科用ステープルカートリッジ及び発射部材の一部の斜視図である。
図125図124の発射部材の一部及び図124の外科用ステープルカートリッジの取り外し可能なブレード構造体の別の斜視図である。
図126図125の取り外し可能なブレード構造体の斜視図である。
図127】外科用ステープルカートリッジの最初の装着中の、図124のステープルカートリッジ及び発射部材のブレード構造体の位置を示す部分断面上面図である。
図128】発射部材のステープルカートリッジを通る遠位前進中の、図124の外科用ステープルカートリッジ及び発射部材の一部の別の上面断面図である。
図129】発射部材の開始位置への後退中の図124の外科用ステープルカートリッジ及び発射部材の一部の別の上面断面図である。
図130】別の取り外し可能なブレード構造体の斜視図である。
図131】別の取り外し可能なブレード構造体の斜視図である。
図132】別の電動外科用器具の別の外科用ステープルカートリッジ及び発射部材の斜視図である。
【0004】
複数の図面をとおして、対応する参照符号は対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の様々な実施形態を1つの形態で例示するものであり、かかる例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願、発明の名称「METHODS FOR CONTROLLING A POWERED SURGICAL STAPLER THAT HAS SEPARATE ROTARY CLOSURE AND FIRING SYSTEMS」、代理人整理番号END9020USNP1/180504-1M、
-米国特許出願、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING A LOCKOUT KEY CONFIGURED TO LIFT A FIRING MEMBER」、代理人整理番号END9021USNP1/180505-1、
-米国特許出願、発明の名称「SURGICAL STAPLERS WITH ARRANGEMENTS FOR MAINTAINING A FIRING MEMBER THEREOF IN A LOCKED CONFIGURATION UNLESS A COMPATIBLE CARTRIDGE HAS BEEN INSTALLED THEREIN」、代理人整理番号END9021USNP2/180505-2、
-米国特許出願、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING CO-OPERATING LOCKOUT FEATURES」、代理人整理番号END9021USNP3/180505-3、
-米国特許出願、発明の名称「SURGICAL STAPLING ASSEMBLY COMPRISING A LOCKOUT AND AN EXTERIOR ACCESS ORIFICE TO PERMIT ARTIFICIAL UNLOCKING OF THE LOCKOUT」、代理人整理番号END9021USNP4/180505-4、
-米国特許出願、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH FEATURES FOR BLOCKING ADVANCEMENT OF A CAMMING ASSEMBLY OF AN INCOMPATIBLE CARTRIDGE INSTALLED THEREIN」、代理人整理番号END9021USNP5/180505-5、
-米国特許出願、発明の名称「STAPLING INSTRUMENT COMPRISING A DEACTIVATABLE LOCKOUT」、代理人整理番号END9021USNP6/18505-6、
-米国特許出願、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A JAW CLOSURE LOCKOUT」、代理人整理番号END9021USNP7/180505-7、
-米国特許出願、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH CARTRIDGE COMPATIBLE CLOSURE AND FIRING LOCKOUT ARRANGEMENTS」、代理人整理番号END9021USNP8/180505-8、
-米国特許出願、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH IMPROVED ROTARY DRIVEN CLOSURE SYSTEMS」、代理人整理番号END9022USNP2/180508-2、
-米国特許出願、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH ASYMMETRIC CLOSURE FEATURES」、代理人整理番号END9022USNP3/180508-3、
-米国特許出願、発明の名称「ROTARY DRIVEN FIRING MEMBERS WITH DIFFERENT ANVIL AND CHANNEL ENGAGEMENT FEATURES」、代理人整理番号END9022USNP4/180508-4、及び
-米国特許出願、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICE WITH SEPARATE ROTARY DRIVEN CLOSURE AND FIRING SYSTEMS AND FIRING MEMBER THAT ENGAGES BOTH JAWS WHILE FIRING」、代理人整理番号END9022USNP5/180508-5。
【0006】
本願の出願人は、2019年2月19日に出願された以下の米国特許仮出願を所有しており、これらはそれぞれの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許仮出願第62/807,310号、発明の名称「METHODS FOR CONTROLLING A POWERED SURGICAL STAPLER THAT HAS SEPARATE ROTARY CLOSURE AND FIRING SYSTEMS」、
-米国特許仮出願第62/807,319号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH IMPROVED LOCKOUT SYSTEMS」、及び
-米国特許仮出願第62/807,309号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH IMPROVED ROTARY DRIVEN CLOSURE SYSTEMS」。
【0007】
本願の出願人は、2018年3月28日に出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、これらの各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国仮特許出願第62/649,302号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」、
-米国仮特許出願第62/649,294号、発明の名称「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」、
-米国仮特許出願第62/649,300号、発明の名称「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」、
-米国仮特許出願第62/649,309号、発明の名称「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」、
-米国仮特許出願第62/649,310号、発明の名称「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」、
-米国仮特許出願第62/649,291号、発明の名称「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」、
-米国仮特許出願第62/649,296号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」、
-米国仮特許出願第62/649,333号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」、
-米国仮特許出願第62/649,327号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」、
-米国仮特許出願第62/649,315号、発明の名称「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」、
-米国仮特許出願第62/649,313号、発明の名称「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」、
-米国仮特許出願第62/649,320号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、
-米国仮特許出願第62/649,307号、発明の名称「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、及び
-米国仮特許出願第62/649,323号、発明の名称「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」。
【0008】
本願の出願人は、2018年3月30日に出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、これらの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許仮出願第62/650,887号、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH OPTIMIZED SENSING CAPABILITIES」。
【0009】
本願の出願人は、2018年12月4日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第16/209,423号、発明の名称「METHOD OF COMPRESSING TISSUE WITHIN A STAPLING DEVICE AND SIMULTANEOUSLY DISPLAYING THE LOCATION OF THE TISSUE WITHIN THE JAWS」。
【0010】
本願の出願人は、2018年8月20日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第16/105,101号、発明の名称「METHOD FOR FABRICATING SURGICAL STAPLER ANVILS」。
-米国特許出願第16/105,183号、発明の名称「REINFORCED DEFORMABLE ANVIL TIP FOR SURGICAL STAPLER ANVIL」、
-米国特許出願第16/105,150号、発明の名称「SURGICAL STAPLER ANVILS WITH STAPLE DIRECTING PROTRUSIONS AND TISSUE STABILITY FEATURES」、
-米国特許出願第16/105,098号、発明の名称「FABRICATING TECHNIQUES FOR SURGICAL STAPLER ANVILS」、
-米国特許出願第16/105,140号、発明の名称「SURGICAL STAPLER ANVILS WITH TISSUE STOP FEATURES CONFIGURED TO AVOID TISSUE PINCH」、
-米国特許出願第16/105,081号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A POWERED ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT」、
-米国特許出願第16/105,094号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH PROGRESSIVE JAW CLOSURE ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第16/105,097号、発明の名称「POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH CLUTCHING ARRANGEMENTS TO CONVERT LINEAR DRIVE MOTIONS TO ROTARY DRIVE MOTIONS」、
-米国特許出願第16/105,104号、発明の名称「POWERED ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH CLUTCHING AND LOCKING ARRANGEMENTS FOR LINKING AN ARTICULATION DRIVE SYSTEM TO A FIRING DRIVE SYSTEM」、
-米国特許出願第16/105,119号、発明の名称「ARTICULATABLE MOTOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH DEDICATED ARTICULATION MOTOR ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第16/105,160号、発明の名称「SWITCHING ARRANGEMENTS FOR MOTOR POWERED ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、及び
-米国意匠特許出願第29/660,252号、発明の名称「SURGICAL STAPLER ANVILS」。
【0011】
本願の出願人は、それぞれの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる、以下の米国特許出願及び米国特許を所有している。
-米国特許出願第15/386,185号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND REPLACEABLE TOOL ASSEMBLIES THEREOF」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168642号)、
-米国特許出願第15/386,230号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168649号)、
-米国特許出願第15/386,221号、発明の名称「LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL END EFFECTORS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168646号)、
-米国特許出願第15/386,209号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS AND FIRING MEMBERS THEREOF」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168645号)、
-米国特許出願第15/386,198号、発明の名称「LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL END EFFECTORS AND REPLACEABLE TOOL ASSEMBLIES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168644号)、
-米国特許出願第15/386,240号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS AND ADAPTABLE FIRING MEMBERS THEREFOR」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168651号)、
-米国特許出願第15/385,939号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168629号)、
-米国特許出願第15/385,941号、発明の名称「SURGICAL TOOL ASSEMBLIES WITH CLUTCHING ARRANGEMENTS FOR SHIFTING BETWEEN CLOSURE SYSTEMS WITH CLOSURE STROKE REDUCTION FEATURES AND ARTICULATION AND FIRING SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168630号)、
-米国特許出願第15/385,943号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND STAPLE-FORMING ANVILS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168631号)、
-米国特許出願第15/385,950号、発明の名称「SURGICAL TOOL ASSEMBLIES WITH CLOSURE STROKE REDUCTION FEATURES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168635号)、
-米国特許出願第15/385,945号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168632号)、
-米国特許出願第15/385,946号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND STAPLE-FORMING ANVILS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168633号)、
-米国特許出願第15/385,951号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH JAW OPENING FEATURES FOR INCREASING A JAW OPENING DISTANCE」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168636号)、
-米国特許出願第15/385,953号、発明の名称「METHODS OF STAPLING TISSUE」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168637号)、
-米国特許出願第15/385,954号、発明の名称「FIRING MEMBERS WITH NON-PARALLEL JAW ENGAGEMENT FEATURES FOR SURGICAL END EFFECTORS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168638号)、
-米国特許出願第15/385,955号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH EXPANDABLE TISSUE STOP ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168639号)、
-米国特許出願第15/385,948号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND STAPLE-FORMING ANVILS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168584号)、
-米国特許出願第15/385,956号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH POSITIVE JAW OPENING FEATURES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168640号)、
-米国特許出願第15/385,958号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR PREVENTING FIRING SYSTEM ACTUATION UNLESS AN UNSPENT STAPLE CARTRIDGE IS PRESENT」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168641号)、
-米国特許出願第15/385,947号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168634号)、
-米国特許出願第15/385,896号、発明の名称「METHOD FOR RESETTING A FUSE OF A SURGICAL INSTRUMENT SHAFT」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168597号)、
-米国特許出願第15/385,898号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENT TO ACCOMMODATE DIFFERENT TYPES OF STAPLES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168599号)、
-米国特許出願第15/385,899号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING IMPROVED JAW CONTROL」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168600号)、
-米国特許出願第15/385,901号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE AND STAPLE CARTRIDGE CHANNEL COMPRISING WINDOWS DEFINED THEREIN」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168602号)、
-米国特許出願第15/385,902号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A CUTTING MEMBER」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168603号)、
-米国特許出願第15/385,904号、発明の名称「STAPLE FIRING MEMBER COMPRISING A MISSING CARTRIDGE AND/OR SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168605号)、
-米国特許出願第15/385,905号、発明の名称「FIRING ASSEMBLY COMPRISING A LOCKOUT」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168606号)、
-米国特許出願第15/385,907号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM COMPRISING AN END EFFECTOR LOCKOUT AND A FIRING ASSEMBLY LOCKOUT」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168608号)、
-米国特許出願第15/385,908号、発明の名称「FIRING ASSEMBLY COMPRISING A FUSE」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168609号)、
-米国特許出願第15/385,909号、発明の名称「FIRING ASSEMBLY COMPRISING A MULTIPLE FAILED-STATE FUSE」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168610号)、
-米国特許出願第15/385,920号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168620号)、
-米国特許出願第15/385,913号、発明の名称「ANVIL ARRANGEMENTS FOR SURGICAL STAPLERS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168614号)、
-米国特許出願第15/385,914号、発明の名称「METHOD OF DEFORMING STAPLES FROM TWO DIFFERENT TYPES OF STAPLE CARTRIDGES WITH THE SAME SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168615号)、
-米国特許出願第15/385,893号、発明の名称「BILATERALLY ASYMMETRIC STAPLE-FORMING POCKET PAIRS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168594号)、
-米国特許出願第15/385,929号、発明の名称「CLOSURE MEMBERS WITH CAM SURFACE ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS WITH SEPARATE AND DISTINCT CLOSURE AND FIRING SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168626号)、
-米国特許出願第15/385,911号、発明の名称「SURGICAL STAPLERS WITH INDEPENDENTLY ACTUATABLE CLOSING AND FIRING SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168612号)、
-米国特許出願第15/385,927号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH SMART STAPLE CARTRIDGES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168625号)、
-米国特許出願第15/385,917号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING STAPLES WITH DIFFERENT CLAMPING BREADTHS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168617号)、
-米国特許出願第15/385,900号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENTS COMPRISING PRIMARY SIDEWALLS AND POCKET SIDEWALLS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168601号)、
-米国特許出願第15/385,931号、発明の名称「NO-CARTRIDGE AND SPENT CARTRIDGE LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL STAPLERS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168627号)、
-米国特許出願第15/385,915号、発明の名称「FIRING MEMBER PIN ANGLE」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168616号)、
-米国特許出願第15/385,897号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENTS COMPRISING ZONED FORMING SURFACE GROOVES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168598号)、
-米国特許出願第15/385,922号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE FAILURE RESPONSE MODES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168622号)、
-米国特許出願第15/385,924号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH PRIMARY AND SAFETY PROCESSORS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168624号)、
-米国特許出願第15/385,910号、発明の名称「ANVIL HAVING A KNIFE SLOT WIDTH」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168611号)、
-米国特許出願第15/385,903号、発明の名称「CLOSURE MEMBER ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168604号)、
-米国特許出願第15/385,906号、発明の名称「FIRING MEMBER PIN CONFIGURATIONS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168607号)、
-米国特許出願第15/386,188号、発明の名称「STEPPED STAPLE CARTRIDGE WITH ASYMMETRICAL STAPLES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168585号)、
-米国特許出願第15/386,192号、発明の名称「STEPPED STAPLE CARTRIDGE WITH TISSUE RETENTION AND GAP SETTING FEATURES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168643号)、
-米国特許出願第15/386,206号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE WITH DEFORMABLE DRIVER RETENTION FEATURES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168586号)、
-米国特許出願第15/386,226号、発明の名称「DURABILITY FEATURES FOR END EFFECTORS AND FIRING ASSEMBLIES OF SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168648号)、
-米国特許出願第15/386,222号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS HAVING END EFFECTORS WITH POSITIVE OPENING FEATURES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168647号)、
-米国特許出願第15/386,236号、発明の名称「CONNECTION PORTIONS FOR DEPOSABLE LOADING UNITS FOR SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168650号)、
-米国特許出願第15/385,887号、発明の名称「METHOD FOR ATTACHING A SHAFT ASSEMBLY TO A SURGICAL INSTRUMENT AND,ALTERNATIVELY,TO A SURGICAL ROBOT」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168589号)、
-米国特許出願第15/385,889号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING A MANUALLY-OPERABLE RETRACTION SYSTEM FOR USE WITH A MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168590号)、
-米国特許出願第15/385,890号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING SEPARATELY ACTUATABLE AND RETRACTABLE SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168591号)、
-米国特許出願第15/385,891号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING A CLUTCH CONFIGURED TO ADAPT THE OUTPUT OF A ROTARY FIRING MEMBER TO TWO DIFFERENT SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168592号)、
-米国特許出願第15/385,892号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COMPRISING A FIRING MEMBER ROTATABLE INTO AN ARTICULATION STATE TO ARTICULATE AN END EFFECTOR OF THE SURGICAL SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168593号)、
-米国特許出願第15/385,894号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING A LOCKOUT」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168595号)、
-米国特許出願第15/385,895号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING FIRST AND SECOND ARTICULATION LOCKOUTS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168596号)、
-米国特許出願第15/385,916号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168575号)、
-米国特許出願第15/385,918号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168618号)、
-米国特許出願第15/385,919号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168619号)、
-米国特許出願第15/385,921号、発明の名称「SURGICAL STAPLE CARTRIDGE WITH MOVABLE CAMMING MEMBER CONFIGURED TO DISENGAGE FIRING MEMBER LOCKOUT FEATURES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168621号)、
-米国特許出願第15/385,923号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168623号)、
-米国特許出願第15/385,925号、発明の名称「JAW ACTUATED LOCK ARRANGEMENTS FOR PREVENTING ADVANCEMENT OF A FIRING MEMBER IN A SURGICAL END EFFECTOR UNLESS AN UNFIRED CARTRIDGE IS INSTALLED IN THE END EFFECTOR」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168576号)、
-米国特許出願第15/385,926号、発明の名称「AXIALLY MOVABLE CLOSURE SYSTEM ARRANGEMENTS FOR APPLYING CLOSURE MOTIONS TO JAWS OF SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168577号)、
-米国特許出願第15/385,928号、発明の名称「PROTECTIVE COVER ARRANGEMENTS FOR A JOINT INTERFACE BETWEEN A MOVABLE JAW AND ACTUATOR SHAFT OF A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168578号)、
-米国特許出願第15/385,930号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTOR WITH TWO SEPARATE COOPERATING OPENING FEATURES FOR OPENING AND CLOSING END EFFECTOR JAWS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168579号)、
-米国特許出願第15/385,932号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL END EFFECTOR WITH ASYMMETRIC SHAFT ARRANGEMENT」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168628号)、
-米国特許出願第15/385,933号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT WITH INDEPENDENT PIVOTABLE LINKAGE DISTAL OF AN ARTICULATION LOCK」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168580号)、
-米国特許出願第15/385,934号、発明の名称「ARTICULATION LOCK ARRANGEMENTS FOR LOCKING AN END EFFECTOR IN AN ARTICULATED POSITION IN RESPONSE TO ACTUATION OF A JAW CLOSURE SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168581号)、
-米国特許出願第15/385,935号、発明の名称「LATERALLY ACTUATABLE ARTICULATION LOCK ARRANGEMENTS FOR LOCKING AN END EFFECTOR OF A SURGICAL INSTRUMENT IN AN ARTICULATED CONFIGURATION」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168582号)、
-米国特許出願第15/385,936号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATION STROKE AMPLIFICATION FEATURES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168583号)、
-米国特許出願第14/318,996号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGES INCLUDING EXTENSIONS HAVING DIFFERENT CONFIGURATIONS」(現在は、米国特許出願公開第2015/0297228号)、
-米国特許出願第14/319,006号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING FASTENER CAVITIES INCLUDING FASTENER CONTROL FEATURES」(現在は、米国特許第10,010,324号)、
-米国特許出願第14/318,991号、発明の名称「SURGICAL FASTENER CARTRIDGES WITH DRIVER STABILIZING ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第9,833,241号)、
-米国特許出願第14/319,004号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH FIRING ELEMENT MONITORING ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第9,844,369号)、
-米国特許出願第14/319,008号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING NON-UNIFORM FASTENERS」(現在は、米国特許出願公開第2015/0297232号)、
-米国特許出願第14/318,997号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING DEPLOYABLE TISSUE ENGAGING MEMBERS」(現在は、米国特許出願公開第2015/0297229号)、
-米国特許出願第14/319,002号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING TISSUE CONTROL FEATURES」(現在は、米国特許第9,877,721号)、
-米国特許出願第14/319,013号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE ASSEMBLIES AND STAPLE RETAINER COVER ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2015/0297233号)、及び
-米国特許出願第14/319,016号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE INCLUDING A LAYER ATTACHED THERETO」(現在は、米国特許出願公開第2015/0297235号)。
【0012】
本願の出願人は、2016年6月24日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/191,775号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING WIRE STAPLES AND STAMPED STAPLES」(現在は、米国特許出願公開第2017/0367695号)、
-米国特許出願第15/191,807号、発明の名称「STAPLING SYSTEM FOR USE WITH WIRE STAPLES AND STAMPED STAPLES」(現在は、米国特許出願公開第2017/0367696号)、
-米国特許出願第15/191,834号、発明の名称「STAMPED STAPLES AND STAPLE CARTRIDGES USING THE SAME」(現在は、米国特許出願公開第2017/0367699号)、
-米国特許出願第15/191,788号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING OVERDRIVEN STAPLES」(現在は、米国特許出願公開第2017/0367698号)、及び
-米国特許出願第15/191,818号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING OFFSET LONGITUDINAL STAPLE ROWS」(現在は、米国特許出願公開第2017/0367697号)。
【0013】
本願の出願人は、2016年6月24日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国意匠特許出願第29/569,218号、発明の名称「SURGICAL FASTENER」(現在は、米国意匠特許第D826,405号)、
-米国意匠特許出願第29/569,227号、発明の名称「SURGICAL FASTENER」(現在は、米国意匠特許第D822,206号)、
-米国意匠特許出願第29/569,259号、発明の名称「SURGICAL FASTENER CARTRIDGE」、及び
-米国意匠特許出願第29/569,264号、発明の名称「SURGICAL FASTENER CARTRIDGE」。
【0014】
本願の出願人は、2016年4月1日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/089,325号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A SURGICAL STAPLING SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2017/0281171号、
-米国特許出願第15/089,321号、発明の名称「MODULAR SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A DISPLAY」、現在は米国特許出願公開第2017/0281163号、
-米国特許出願第15/089,326号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A DISPLAY INCLUDING A RE-ORIENTABLE DISPLAY FIELD」、現在は米国特許出願公開第2017/0281172号、
-米国特許出願第15/089,263号、名称「SURGICAL INSTRUMENT HANDLE ASSEMBLY WITH RECONFIGURABLE GRIP PORTION」、現在は米国特許出願公開第2017/0281165号、
-米国特許出願第15/089,262号、発明の名称「ROTARY POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH MANUALLY ACTUATABLE BAILOUT SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2017/0281161号、
-米国特許出願第15/089,277号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND STAPLING END EFFECTOR WITH ANVIL CONCENTRIC DRIVE MEMBER」、現在は米国特許出願公開第2017/0281166号、
-米国特許出願第15/089,296号、発明の名称「INTERCHANGEABLE SURGICAL TOOL ASSEMBLY WITH A SURGICAL END EFFECTOR THAT IS SELECTIVELY ROTATABLE ABOUT A SHAFT AXIS」、現在は米国特許出願公開第2017/0281168号、
-米国特許出願第15/089,258号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A SHIFTABLE TRANSMISSION」、現在は米国特許出願公開第2017/0281178号、
-米国特許出願第15/089,278号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM CONFIGURED TO PROVIDE SELECTIVE CUTTING OF TISSUE」、現在は米国特許出願公開第2017/0281162号、
-米国特許出願第15/089,284号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A CONTOURABLE SHAFT」、現在は米国特許出願公開第2017/0281186号、
-米国特許出願第15/089,295号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A TISSUE COMPRESSION LOCKOUT」、現在は米国特許出願公開第2017/0281187号、
-米国特許出願第15/089,300号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING AN UNCLAMPING LOCKOUT」、現在は米国特許出願公開第2017/0281179号、
-米国特許出願第15/089,196号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A JAW CLOSURE LOCKOUT」、現在は米国特許出願公開第2017/0281183号、
-米国特許出願第15/089,203号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A JAW ATTACHMENT LOCKOUT」、現在は米国特許出願公開第2017/0281184号、
-米国特許出願第15/089,210号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」、現在は米国特許出願公開第2017/0281185号、
-米国特許出願第15/089,324号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SHIFTING MECHANISM」、現在は、米国特許出願公開第2017/0281170号、
-米国特許出願第15/089,335号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT COMPRISING MULTIPLE LOCKOUTS」、現在は米国特許出願公開第2017/0281155号、
-米国特許出願第15/089,339号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、現在は米国特許出願公開第2017/0281173号、
-米国特許出願第15/089,253号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM CONFIGURED TO APPLY ANNULAR ROWS OF STAPLES HAVING DIFFERENT HEIGHTS」、現在は米国特許出願公開第2017/0281177号、
-米国特許出願第15/089,304号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A GROOVED FORMING POCKET」、現在は米国特許出願公開第2017/0281188号、
-米国特許出願第15/089,331号、発明の名称「ANVIL MODIFICATION MEMBERS FOR SURGICAL STAPLERS」(現在は、米国特許出願公開第2017/0281180号)、
-米国特許出願第15/089,336号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES WITH ATRAUMATIC FEATURES」、現在は米国特許出願公開第2017/0281164号、
-米国特許出願第15/089,312号、名称「CIRCULAR STAPLING SYSTEM COMPRISING AN INCISABLE TISSUE SUPPORT」、現在は米国特許出願公開第2017/0281189号、
-米国特許出願第15/089,309号、発明の名称「CIRCULAR STAPLING SYSTEM COMPRISING ROTARY FIRING SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2017/0281169号、及び
-米国特許出願第15/089,349号、発明の名称「CIRCULAR STAPLING SYSTEM COMPRISING LOAD CONTROL」、現在は米国特許出願公開第2017/0281174号。
【0015】
本願の出願人はまた、2015年12月31日に出願された以下に特定する米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/984,488号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR BATTERY PACK FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2017/0189018号、
-米国特許出願第14/984,525号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2017/0189019号、及び
-米国特許出願第14/984,552号、発明の名称「POWER MANAGEMENT THROUGH SEGMENTED CIRCUIT AND VARIABLE VOLTAGE PROTECTION」、現在は米国特許出願公開第2017/0189020号。
【0016】
本願の出願人はまた、2016年2月9日に出願された以下に特定する米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/019,220号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH ARTICULATING AND AXIALLY TRANSLATABLE END EFFECTOR」、現在は米国特許出願公開第2017/0224333号、
-米国特許出願第15/019,228号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH MULTIPLE LINK ARTICULATION ARRANGEMENTS」、現在は、米国特許出願公開第2017/0224342号、
-米国特許出願第15/019,196号、名称「SURGICAL INSTRUMENT ARTICULATION MECHANISM WITH SLOTTED SECONDARY CONSTRAINT」、現在は米国特許出願公開第2017/0224330号、
-米国特許出願第15/019,206号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH AN END EFFECTOR THAT IS HIGHLY ARTICULATABLE RELATIVE TO AN ELONGATE SHAFT ASSEMBLY」、現在は米国特許出願公開第2017/0224331号、
-米国特許出願第15/019,215号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH NON-SYMMETRICAL ARTICULATION ARRANGEMENTS」、現在は、米国特許出願公開第2017/0224332号、
-米国特許出願第15/019,227号、名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH SINGLE ARTICULATION LINK ARRANGEMENTS」、現在は米国特許出願公開第2017/0224334号、
-米国特許出願第15/019,235号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH TENSIONING ARRANGEMENTS FOR CABLE DRIVEN ARTICULATION SYSTEMS」、現在は米国特許出願公開第2017/0224336号、
-米国特許出願第15/019,230号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH OFF-AXIS FIRING BEAM ARRANGEMENTS」、現在は米国特許出願公開第2017/0224335号、及び
-米国特許出願第15/019,245号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH CLOSURE STROKE REDUCTION ARRANGEMENTS」、現在は米国特許出願公開第2017/0224343号。
【0017】
本願の出願人はまた、2016年2月12日に出願された以下に特定する米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/043,254号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2017/0231623号)、
-米国特許出願第15/043,259号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2017/0231626号)、
-米国特許出願第15/043,275号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2017/0231627号)、及び
-米国特許出願第15/043,289号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2017/0231628号)。
【0018】
本願の出願人は、2015年6月18日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
米国特許出願第14/742,925号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH POSITIVE JAW OPENING ARRANGEMENTS」、現在は、米国特許出願公開第2016/0367256号、
-米国特許出願第14/742,941号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH DUAL CAM ACTUATED JAW CLOSING FEATURES」(現在は、米国特許第10,052,102号)、
-米国特許出願第14/742,914号、発明の名称「MOVABLE FIRING BEAM SUPPORT ARRANGEMENTS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2016/0367255号、
-米国特許出願第14/742,900号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH COMPOSITE FIRING BEAM STRUCTURES WITH CENTER FIRING SUPPORT MEMBER FOR ARTICULATION SUPPORT」、現在は米国特許出願公開第2016/0367254号、
-米国特許出願第14/742,885号、発明の名称「DUAL ARTICULATION DRIVE SYSTEM ARRANGEMENTS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2016/0367246号、及び
-米国特許出願第14/742,876号、発明の名称「PUSH/PULL ARTICULATION DRIVE SYSTEMS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第10,178,992号)。
【0019】
本願の出願人は、2015年3月6日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/640,746号、発明の名称「POWERED SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許第9,808,246号、
-米国特許出願第14/640,795号、発明の名称「MULTIPLE LEVEL THRESHOLDS TO MODIFY OPERATION OF POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2016/02561185号、
-米国特許出願第14/640,832号、発明の名称「ADAPTIVE TISSUE COMPRESSION TECHNIQUES TO ADJUST CLOSURE RATES FOR MULTIPLE TISSUE TYPES」、現在は米国特許出願公開第2016/0256154号、
-米国特許出願第14/640,935号、発明の名称「OVERLAID MULTI SENSOR RADIO FREQUENCY(RF)ELECTRODE SYSTEM TO MEASURE TISSUE COMPRESSION」、現在は米国特許出願公開第2016/0256071号、
-米国特許出願第14/640,831号、発明の名称「MONITORING SPEED CONTROL AND PRECISION INCREMENTING OF MOTOR FOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第9,895,148号)、
-米国特許出願第14/640,859号、発明の名称「TIME DEPENDENT EVALUATION OF SENSOR DATA TO DETERMINE STABILITY,CREEP,AND VISCOELASTIC ELEMENTS OF MEASURES」(現在は、米国特許第10,052,044号)、
-米国特許出願第14/640,817号、発明の名称「INTERACTIVE FEEDBACK SYSTEM FOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第9,924,961号)、
-米国特許出願第14/640,844号、発明の名称「CONTROL TECHNIQUES AND SUB-PROCESSOR CONTAINED WITHIN MODULAR SHAFT WITH SELECT CONTROL PROCESSING FROM HANDLE」(現在は、米国特許第10,045,776号)、
-米国特許出願第14/640,837号、発明の名称「SMART SENSORS WITH LOCAL SIGNAL PROCESSING」(現在は、米国特許第9,993,248号)、
-米国特許出願第14/640,765号、発明の名称「SYSTEM FOR DETECTING THE MIS-INSERTION OF A STAPLE CARTRIDGE INTO A SURGICAL STAPLER」、現在は米国特許出願公開第2016/0256160号、
-米国特許出願第14/640,799号、発明の名称「SIGNAL AND POWER COMMUNICATION SYSTEM POSITIONED ON A ROTATABLE SHAFT」(現在は、米国特許第9,901,342号)、及び
-米国特許出願第14/640,780号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A LOCKABLE BATTERY HOUSING」、現在は米国特許出願公開第2016/0256161号。
【0020】
本願の出願人は、2015年2月27日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/633,576号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM COMPRISING AN INSPECTION STATION」(現在は、米国特許第10,045,779号)、
-米国特許出願第14/633,546号、発明の名称「SURGICAL APPARATUS CONFIGURED TO ASSESS WHETHER A PERFORMANCE PARAMETER OF THE SURGICAL APPARATUS IS WITHIN AN ACCEPTABLE PERFORMANCE BAND」(現在は、米国特許第10,180,463号)、
-米国特許出願第14/633,560号、発明の名称「SURGICAL CHARGING SYSTEM THAT CHARGES AND/OR CONDITIONS ONE OR MORE BATTERIES」、現在は米国特許出願公開第2016/0249910号、
-米国特許出願第14/633,566号、発明の名称「CHARGING SYSTEM THAT ENABLES EMERGENCY RESOLUTIONS FOR CHARGING A BATTERY」、現在は米国特許出願公開第2016/0249918号、
-米国特許出願第14/633,555号、発明の名称「SYSTEM FOR MONITORING WHETHER A SURGICAL INSTRUMENT NEEDS TO BE SERVICED」、現在は米国特許出願公開第2016/0249916号、
-米国特許出願第14/633,542号、発明の名称「REINFORCED BATTERY FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許第9,931,118号)、
-米国特許出願第14/633,548号、発明の名称「POWER ADAPTER FOR A SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許出願公開第2016/0249909号、
-米国特許出願第14/633,526号、発明の名称「ADAPTABLE SURGICAL INSTRUMENT HANDLE」、現在は米国特許出願公開第2016/0249945号、
-米国特許出願第14/633,541号、発明の名称「MODULAR STAPLING ASSEMBLY」(現在は、米国特許第9,993,258号)、及び
-米国特許出願第14/633,562号、発明の名称「SURGICAL APPARATUS CONFIGURED TO TRACK AN END-OF-LIFE PARAMETER」(現在は、米国特許第10,159,483号)。
【0021】
本願の出願人は、2014年12月18日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/574,478号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING AN ARTICULATABLE END EFFECTOR AND MEANS FOR ADJUSTING THE FIRING STROKE OF A FIRING MEMBER」、現在は米国特許第9,844,374号、
-米国特許出願第14/574,483号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY COMPRISING LOCKABLE SYSTEMS」、現在は米国特許出願公開第2016/0174969号、
米国特許出願第14/575,139号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許第9,844,375号、
-米国特許出願第14/575,148号、発明の名称「LOCKING ARRANGEMENTS FOR DETACHABLE SHAFT ASSEMBLIES WITH ARTICULATABLE SURGICAL END EFFECTORS」(現在は、米国特許第10,085,748号)、
-米国特許出願第14/575,130号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH AN ANVIL THAT IS SELECTIVELY MOVABLE ABOUT A DISCRETE NON-MOVABLE AXIS RELATIVE TO A STAPLE CARTRIDGE」、現在は米国特許出願公開第2016/0174972号、
-米国特許出願第14/575,143号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH IMPROVED CLOSURE ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第10,004,501号)、
-米国特許出願第14/575,117号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATABLE END EFFECTORS AND MOVABLE FIRING BEAM SUPPORT ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第9,943,309号)、
-米国特許出願第14/575,154号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATABLE END EFFECTORS AND IMPROVED FIRING BEAM SUPPORT ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第9,968,355号)、
-米国特許出願第14/574,493号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY COMPRISING A FLEXIBLE ARTICULATION SYSTEM」(現在は、米国特許第9,987,000号)、及び
-米国特許出願第14/574,500号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY COMPRISING A LOCKABLE ARTICULATION SYSTEM」(現在は、米国特許第10,117,649号)。
【0022】
本願の出願人は、2013年3月1日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第13/782,295号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH CONDUCTIVE PATHWAYS FOR SIGNAL COMMUNICATION」、現在は米国特許出願公開第2014/0246471号、
-米国特許出願第13/782,323号、発明の名称「ROTARY POWERED ARTICULATION JOINTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2014/0246472号、
-米国特許出願第13/782,338号、発明の名称「THUMBWHEEL SWITCH ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2014/0249557号、
-米国特許出願第13/782,499号、発明の名称「ELECTROMECHANICAL SURGICAL DEVICE WITH SIGNAL RELAY ARRANGEMENT」、現在は米国特許第9,358,003号、
-米国特許出願第13/782,460号、発明の名称「MULTIPLE PROCESSOR MOTOR CONTROL FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2014/0246478号、
-米国特許出願第13/782,358号、発明の名称「JOYSTICK SWITCH ASSEMBLIES FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許第9,326,767号、
-米国特許出願第13/782,481号、発明の名称「SENSOR STRAIGHTENED END EFFECTOR DURING REMOVAL THROUGH TROCAR」、現在は米国特許第9,468,438号、
-米国特許出願第13/782,518号、発明の名称「CONTROL METHODS FOR SURGICAL INSTRUMENTS WITH REMOVABLE IMPLEMENT PORTIONS」、現在は米国特許出願公開第2014/0246475号、
-米国特許出願第13/782,375号、発明の名称「ROTARY POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH MULTIPLE DEGREES OF FREEDOM」、現在は米国特許第9,398,911号、及び
-米国特許出願第13/782,536号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SOFT STOP」、現在は米国特許第9,307,986号。
【0023】
本願の出願人はまた、2013年3月14日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第13/803,097号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」、現在は、米国特許第9,687,230号、
-米国特許出願第13/803,193号、発明の名称「CONTROL ARRANGEMENTS FOR A DRIVE MEMBER OF A SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許第9,332,987号、
-米国特許出願第13/803,053号、発明の名称「INTERCHANGEABLE SHAFT ASSEMBLIES FOR USE WITH A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許第9,883,860号)、
-米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、現在は米国特許出願公開第2014/0263541号、
-米国特許出願第13/803,210号、発明の名称「SENSOR ARRANGEMENTS FOR ABSOLUTE POSITIONING SYSTEM FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許第9,808,244号、
-米国特許出願第13/803,148号、発明の名称「MULTI-FUNCTION MOTOR FOR A SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許出願公開第2014/0263554号、
-米国特許出願第13/803,066号、発明の名称「DRIVE SYSTEM LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許第9,629,623号、
-米国特許出願第13/803,117号、発明の名称「ARTICULATION CONTROL SYSTEM FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許第9,351,726号、
-米国特許出願第13/803,130号、発明の名称「DRIVE TRAIN CONTROL ARRANGEMENTS FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許第9,351,727号、及び
-米国特許出願第13/803,159号、発明の名称「METHOD AND SYSTEM FOR OPERATING A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許第9,888,919号)。
【0024】
本願の出願人はまた、2014年3月7日に出願された以下の特許出願を所有しており、その全体内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/200,111号、発明の名称「CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許第9,629,629号。
【0025】
本願の出願人はまた、2014年3月26日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/226,106号、発明の名称「POWER MANAGEMENT CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2015/0272582号、
-米国特許出願第14/226,099号、発明の名称「STERILIZATION VERIFICATION CIRCUIT」、現在は米国特許第9,826,977号、
-米国特許出願第14/226,094号、発明の名称「VERIFICATION OF NUMBER OF BATTERY EXCHANGES/PROCEDURE COUNT」、現在は米国特許出願公開第2015/0272580号、
-米国特許出願第14/226,117号、発明の名称「POWER MANAGEMENT THROUGH SLEEP OPTIONS OF SEGMENTED CIRCUIT AND WAKE UP CONTROL」(現在は、米国特許第10,013,049号)、
-米国特許出願第14/226,075号、発明の名称「MODULAR POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH DETACHABLE SHAFT ASSEMBLIES」、現在は米国特許第9,743,929号、
-米国特許出願第14/226,093号、発明の名称「FEEDBACK ALGORITHMS FOR MANUAL BAILOUT SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第10,028,761号)、
-米国特許出願第14/226,116号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT UTILIZING SENSOR ADAPTATION」、現在は米国特許出願公開第2015/0272571号、
-米国特許出願第14/226,071号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT CONTROL CIRCUIT HAVING A SAFETY PROCESSOR」、現在は米国特許第9,690,362号、
-米国特許出願第14/226,097号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING INTERACTIVE SYSTEMS」、現在は米国特許第9,820,738号、
-米国特許出願第14/226,126号、発明の名称「INTERFACE SYSTEMS FOR USE WITH SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第10,004,497号)、
-米国特許出願第14/226,133号、発明の名称「MODULAR SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2015/0272557号、
-米国特許出願第14/226,081号、発明の名称「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SEGMENTED CIRCUIT」、現在は米国特許第9,804,618号、
-米国特許出願第14/226,076号、発明の名称「POWER MANAGEMENT THROUGH SEGMENTED CIRCUIT AND VARIABLE VOLTAGE PROTECTION」、現在は米国特許第9,733,663号、
-米国特許出願第14/226,111号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT SYSTEM」、現在は米国第9,750,499号、及び
-米国特許出願第14/226,125号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A ROTATABLE SHAFT」、現在は、米国特許出願公開第2015/0280384号。
【0026】
本願の出願人はまた、2014年9月5日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/479,103号、発明の名称「CIRCUITRY AND SENSORS FOR POWERED MEDICAL DEVICE」(現在は、米国特許第10,111,679号)、
-米国特許出願第14/479,119号、発明の名称「ADJUNCT WITH INTEGRATED SENSORS TO QUANTIFY TISSUE COMPRESSION」、現在は米国特許第9,724,094号、
-米国特許出願第14/478,908号、発明の名称「MONITORING DEVICE DEGRADATION BASED ON COMPONENT EVALUATION」、現在は米国特許第9,737,301号、
-米国特許出願第14/478,895号、発明の名称「MULTIPLE SENSORS WITH ONE SENSOR AFFECTING A SECOND SENSOR’S OUTPUT OR INTERPRETATION」、現在は米国特許第9,757,128号、
-米国特許出願第14/479,110号、発明の名称「POLARITY OF HALL MAGNET TO IDENTIFY CARTRIDGE TYPE」(現在は、米国特許第10,016,199号)、
-米国特許出願第14/479,098号、発明の名称「SMART CARTRIDGE WAKE UP OPERATION AND DATA RETENTION」(現在は、米国特許第10,135,242号)、
-米国特許出願第14/479,115号、発明の名称「MULTIPLE MOTOR CONTROL FOR POWERED MEDICAL DEVICE」、現在は米国特許第9,788,836号、及び
-米国特許出願第14/479,108号、発明の名称「LOCAL DISPLAY OF TISSUE PARAMETER STABILIZATION」、現在は米国特許出願公開第2016/0066913号。
【0027】
本願の出願人はまた、2014年4月9日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/248,590号、発明の名称「MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH LOCKABLE DUAL DRIVE SHAFTS」、現在は米国特許第9,826,976号、
-米国特許出願第14/248,581号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A CLOSING DRIVE AND A FIRING DRIVE OPERATED FROM THE SAME ROTATABLE OUTPUT」、現在は米国特許第9,649,110号、
-米国特許出願第14/248,595号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COMPRISING FIRST AND SECOND DRIVE SYSTEMS」(現在は、米国特許第9,844,368号)、
-米国特許出願第14/248,588号、発明の名称「POWERED LINEAR SURGICAL STAPLER」、現在は米国特許出願公開第2014/0309666号、
-米国特許出願第14/248,591号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A GAP SETTING SYSTEM」(現在は、米国特許第10,149,680号)、
-米国特許出願第14/248,584号、発明の名称「MODULAR MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH ALIGNMENT FEATURES FOR ALIGNING ROTARY DRIVE SHAFTS WITH SURGICAL END EFFECTOR SHAFTS」、現在は米国特許第9,801,626号、
-米国特許出願第14/248,587号、発明の名称「POWERED SURGICAL STAPLER」、現在は米国特許第9867612号、
-米国特許出願第14/248,586号、発明の名称「DRIVE SYSTEM DECOUPLING ARRANGEMENT FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許第10,136,887号)、及び
-米国特許出願第14/248,607号、発明の名称「MODULAR MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH STATUS INDICATION ARRANGEMENTS」、現在は米国特許第9,814,460号。
【0028】
本願の出願人はまた、2013年4月16日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許仮出願第61/812,365号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE FUNCTIONS PERFORMED BY A SINGLE MOTOR」、
-米国特許仮出願第61/812,376号、発明の名称「LINEAR CUTTER WITH POWER」、
-米国特許仮出願第61/812,382号、発明の名称「LINEAR CUTTER WITH MOTOR AND PISTOL GRIP」、
-米国特許仮出願第61/812,385号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HANDLE WITH MULTIPLE ACTUATION MOTORS AND MOTOR CONTROL」、及び
-米国特許仮出願第61/812,372号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE FUNCTIONS PERFORMED BY A SINGLE MOTOR」。
【0029】
明細書に記載され、添付の図面に示されるように、実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明される。周知の動作、構成要素、及び要素は、本明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため、詳細に記載されていない。読者は、本明細書に記載され図示された実施形態は、非限定的な例であり、したがって本明細書に開示された特定の構造的及び機能的詳細は、代表的及び例示的であり得ることを、理解するであろう。特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、それに対する変形及び変更を行うことができる。
【0030】
用語「含む(comprise)」(「comprises」及び「comprising」など、compriseの任意の語形)、「有する(have)」(「has」及び「having」など、haveの任意の語形)、「含む(include)」(「includes」及び「including」など、includeの任意の語形)、及び「含有する(contain)」(「contains」及び「containing」など、containの任意の語形)は、オープンエンドの連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「含む(comprise)」、「有する」、「含む(include)」、若しくは「含有する」外科用システム、デバイス、又は装置は、それらの1つ以上の要素を有するが、それらの1つ以上のみを有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「含む(comprise)」、「有する」、「含む(include)」、若しくは「含有する」、システム、デバイス、又は装置の要素は、それら1つ以上の特徴を有するが、それら1つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0031】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0032】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科手技を行うための、様々な例示的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、本明細書に開示される様々な方法及びデバイスが、例えば切開外科手技と関連するものを含む、多くの外科手技及び用途で使用され得ることが、読者には容易に理解されよう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読み進めることで、読者は、本明細書に開示される様々な器具が、例えば、もとからある開口部を通じて、組織に形成された切開部又は穿刺孔を通じてなど、任意の方法で体内に挿入され得ることを更に理解するであろう。これらの器具の作用部分すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接挿入することもでき、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを進めることが可能な作用通路を有するアクセスデバイスを通じて挿入することもできる。
【0033】
外科用ステープル留めシステムは、シャフトと、シャフトから延在するエンドエフェクタと、を含むことができる。エンドエフェクタは第1のジョー及び第2のジョーを含む。第1のジョーは、ステープルカートリッジを含む。ステープルカートリッジは、第1のジョーへと挿入可能であり、且つ第1のジョーから取り外し可能であるが、ステープルカートリッジが第1のジョーから取り外し可能でない、又は第1のジョーから少なくとも容易に交換可能ではない、その他の実施形態が想到される。第2のジョーは、ステープルカートリッジから排出されたステープルを変形させるように構成されたアンビルを含む。第2のジョーは、閉鎖軸の周囲にて、第1のジョーに対して枢動可能であるが、第1のジョーが第2のジョーに対して枢動可能である、その他の実施形態が想定される。外科用ステープル留めシステムは、エンドエフェクタをシャフトに対して回転させる、すなわち関節運動させることができるように構成された関節運動接合部を更に含む。エンドエフェクタは、関節運動接合部を通って延在する関節運動軸を中心にして回転可能である。関節運動接合部を含まない他の実施形態も想到される。
【0034】
ステープルカートリッジは、カートリッジ本体を含む。カートリッジ本体は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在するデッキ部と、を含む。使用中、ステープルカートリッジは、ステープル留めされる組織の第1の側に位置付けられ、アンビルは、組織の第2の側に位置付けられる。アンビルは、ステープルカートリッジに向かって移動させられて、デッキ部に対して組織を圧縮及びクランプする。続いて、カートリッジ本体内に取り外し可能に格納されたステープルを、組織内に配備することができる。カートリッジ本体は、内部に画定されたステープルキャビティを含み、ステープルは、ステープルキャビティ内に取り外し可能に格納される。ステープルキャビティは、6つの長手方向列に配置されている。3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第1の側に位置付けられ、3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第2の側に位置付けられている。ステープルキャビティ及びステープルの他の配置も可能であり得る。
【0035】
ステープルは、カートリッジ本体内のステープル駆動部によって支持されている。駆動部は、第1の、すなわち未発射位置と、ステープルキャビティからステープルを排出する、第2の、すなわち発射位置と、の間で移動可能である。駆動部は、カートリッジ本体の底部周辺に延在する保持具によってカートリッジ本体内に保持され、また、カートリッジ本体を把持し、保持具をカートリッジ本体に対して保持するように構成された、弾性部材を含む。駆動部は、スレッドによってそれらの未発射位置とそれらの発射位置との間で移動可能である。スレッドは、近位端に隣接した近位位置と、遠位端に隣接した遠位位置と、の間で移動可能である。スレッドは、駆動部の下を摺動し、駆動部を持ち上げるように構成された複数の傾斜面を含み、ステープルがその上に支持され、アンビルに向かう。
【0036】
上記に加えて、スレッドは発射部材によって遠位に移動される。発射部材は、スレッドに接触し、スレッドを遠位端に向かって押し出すように構成されている。カートリッジ本体内に画定された長手方向スロットは、発射部材を受け入れるように構成されている。アンビルは、発射部材を受け入れるように構成されたスロットも含む。発射部材は、第1のジョーに係合する第1のカムと、第2のジョーに係合する第2のカムと、を更に含む。発射部材を遠位に前進させる際、第1のカム及び第2のカムは、ステープルカートリッジのデッキ部とアンビルとの間の距離、すなわち組織隙間を制御することができる。発射部材はまた、ステープルカートリッジとアンビルとの中間に捕捉された組織を切除するように構成されたナイフも含む。ステープルがナイフよりも前方に排出されるように、ナイフが傾斜面に対して少なくとも部分的に近位側に位置付けられることが望ましい。
【0037】
図1は、ハウジング1012に動作可能に連結された交換式シャフトアセンブリ1200を備える、外科用器具1010を示す。図2は、ハウジング1012又はハンドル1014から取り外されている交換式シャフトアセンブリ1200を示す。図3で分かるように、ハンドル1014は、ねじ、スナップ機構、接着剤などで相互連結され得る一対の相互連結可能なハウジングセグメント1016及び1018を備え得る。図示の構成において、ハンドルハウジングセグメント1016、1018は、ピストルグリップ部分1019を形成するように協働する。図1及び図3は、再使用されてもされなくてもよい、モータ駆動される外科用切断及び締結器具1010を示している。図示された実施形態では、器具1010は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成されたハンドル1014を備える前述のハウジング1012を含む。ハウジング1012は、1つ以上の外科的タスク又は処置を行うように構成された外科用エンドエフェクタ1300が動作可能に連結された交換式シャフトアセンブリ1200に動作可能に取り付けられるように構成されている。本発明を実施するための形態を読み進めるにしたがって、本明細書に開示される様々な形態の交換式シャフトアセンブリはまた、ロボット制御式の外科用システムと関連させて効果的に用いられ得ることが理解されよう。したがって、「ハウジング」という用語はまた、本明細書に開示する交換式シャフト組立体及びそれらそれぞれの等価物を作動させるのに使用することができる、少なくとも1つの制御運動を生成し適用するように構成された、少なくとも1つの駆動システムを収容するか又は別の方法で動作可能に支持する、ロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含してもよい。加えて、様々な構成要素は、ハウジング内に「収容」、つまり含有されてもよく、又は様々な構成要素は、「ハウジング」と関連していてもよい。このような場合、構成要素は、ハウジング内に含有されなくてもよく、又はハウジングによって直接支持されてもよい。「フレーム」という用語は、手持ち式外科用器具の一部分を指してもよい。「フレーム」という用語はまた、ロボット制御式の外科用器具の一部分、及び/又は外科用器具を動作可能に制御するのに使用されてもよいロボットシステムの一部分を表してもよい。例えば、本明細書で開示する交換式シャフト組立体は、参照によって全ての内容が本明細書に組み込まれる、米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」で開示されている様々なロボットシステム、器具、構成要素及び方法と共に用いられ得る。
【0038】
図1に描かれる前述のハウジング1012は、外科用ステープルカートリッジ4000をその中で動作可能に支持するように構成された外科用切断及び締結装置を備えるエンドエフェクタ1300を含む交換式シャフトアセンブリ1200(図2、4及び5)と接続されて示されている。ハウジング1012は、種々のサイズ及びタイプのステープルカートリッジを支持するように適合されたエンドエフェクタを含み、種々のシャフトの長さ、サイズ、及びタイプなどを有する交換式シャフトアセンブリと接続されて使用するように構成されてもよい。加えて、ハウジング1012はまた、例えば、運動、並びに高周波(RF)エネルギー、超音波エネルギー及び/又は運動などの他の形態のエネルギーを、様々な外科用途及び処置に関連して用いられるように適合されたエンドエフェクタ構成に印加するように構成されたアセンブリを含む様々な他の交換式シャフトアセンブリと共に効果的に用いられてもよい。更に、エンドエフェクタ、シャフトアセンブリ、ハンドル、外科用器具、及び/又は外科用器具システムは、臨床医によって把持及び操作され得る、任意の好適な締結具を利用してよい。以下で更に詳しく記載されるように、ハンドル1014は、中に複数の駆動システムを動作可能に支持しており、これらの駆動システムは、ハンドルに動作可能に取り付けられた交換式シャフトアセンブリの対応する部分に対して、様々な制御モーションを生成し適用するように構成されている。
【0039】
ここで図3を参照すると、ハンドル1014は、複数の駆動システムを動作可能に支持するフレーム1020を更に含んでもよい。例えば、フレーム1020は、全体として1030で示される「第1の」すなわち閉鎖駆動システムを動作可能に支持することができ、この閉鎖駆動システムは、動作可能に取り付けられた又は結合された交換式シャフトアセンブリ1200に対して開閉運動を適用するために用いられてもよい。少なくとも1つの形態では、閉鎖駆動システム1030は、フレーム1020によって枢動可能に支持されている閉鎖トリガ1032の形態のアクチュエータを含んでもよい。より具体的には、図3に示されるように、閉鎖トリガ1032は、ピン1033によってハウジング1014に枢動可能に結合されている。かかる配置によって、閉鎖トリガ1032を臨床医が操作することが可能になり、それによって、臨床医がハンドル1014のピストルグリップ部分1019を把持すると、閉鎖トリガ1032を、開始位置又は「非作動」位置から「作動」位置へと、より詳細には完全圧縮位置又は完全作動位置へと容易に枢動させることができる。閉鎖トリガ1032は、ばね又は他の付勢装置(図示せず)によって、非作動位置へと付勢されてもよい。様々な形態では、閉鎖駆動システム1030は、閉鎖トリガ1032に枢動可能に連結された閉鎖連結アセンブリ1034を更に含む。図3で分かるように、閉鎖リンクケージアセンブリ1034は、ピン1035によって閉鎖トリガ1032に枢動可能に結合された第1の閉鎖リンク1036及び第2の閉鎖リンク1038を含んでもよい。第2の閉鎖リンク1038は、本明細書では「取り付け部材」と呼ばれることもあり、横向き取り付けピン1037を含む。
【0040】
図3を引き続き参照すると、第1の閉鎖リンク1036はその上に、フレーム1020に枢動可能に結合された閉鎖解除アセンブリ1060と協働するように構成された、ロック壁又は端部1039を有してもよいことを観察することができる。少なくとも1つの形態では、閉鎖解除アセンブリ1060は、遠位側に突出するロック爪1064がその上に形成された解除ボタンアセンブリ1062を備えてもよい。解除ボタンアセンブリ1062は、解除ばね(図示せず)によって反時計方向に枢動させられてもよい。臨床医が閉鎖トリガ1032をその非作動位置からハンドル1014のピストルグリップ部分1019に向かって押下すると、ロック爪1064が第1の閉鎖リンク1036上のロック壁1039との保持係合に至る地点に向かって第1の閉鎖リンク1036が上向きに枢動し、それによって閉鎖トリガ1032が非作動位置に復帰することが防止される。したがって、閉鎖解除アセンブリ1060は、閉鎖トリガ1032を完全作動位置にロックするように働く。臨床医が、閉鎖トリガ1032をロック解除して、それを非作動位置へ付勢することができるようにしたい場合、臨床医は単純に、閉鎖解除ボタンアセンブリ1062を枢動させ、それによってロック爪1064を移動させて、第1の閉鎖リンク1036上のロック壁1039との係合から外す。ロック爪1064が移動させられて第1の閉鎖リンク1036との係合から外れると、閉鎖トリガ1032は枢動して非作動位置に戻ってもよい。他の閉鎖トリガロック及び解放構成が用いられてもよい。
【0041】
アーム1061は、閉鎖解除ボタン1062から延在してもよい。例えば永久磁石などの磁気要素1063をアーム1061に取り付けることができる。閉鎖解除ボタン1062をその第1の位置から第2の位置へと回転させると、磁気素子1063は、回路基板1100に向かって移動することができる。回路基板1100は、磁気素子1063の移動を検出するように構成された、少なくとも1つのセンサを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、例えば「ホール効果」センサ(図示せず)は、回路基板1100の下面に取り付けられ得る。ホール効果センサは、磁気要素1063の移動によって生じるホール効果センサを取り巻く磁場における変化を検出するように構成され得る。ホール効果センサは、例えば、マイクロコントローラとの信号通信が可能であり、それによって、閉鎖解除ボタン1062が、閉鎖トリガ1032の非作動位置とエンドエフェクタの開放構成とに関連付けられた第1の位置にあるか、閉鎖トリガ1032の作動位置とエンドエフェクタの閉鎖構成とに関連付けられた第2の位置にあるか、かつ/又は第1の位置と第2の位置との間の任意の位置にあるかを判断することができる。
【0042】
少なくとも1つの形態では、ハンドル1014及びフレーム1020は、取り付けられた交換式シャフトアセンブリの対応部分に対して発射運動を適用するように構成されている、本明細書では発射駆動システム1080と呼ばれる別の駆動システムを動作可能に支持してもよい。発射駆動システム1080はまた、本明細書において「第2の駆動システム」と呼ばれることもある。発射駆動システム1080は、ハンドル1014のピストルグリップ部分1019内に位置する電気モータ1082を用いてもよい。様々な形態において、モータ1082は、例えば、約25,000RPMの最大回転数を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。その他の構成では、モータとしては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又はその他の任意の好適な電気モータを挙げてもよい。モータ1082は、1つの形態では着脱可能なパワーパック1092を備えてもよい、電源1090によって給電されてもよい。例えば、図3で分かるように、パワーパック1092は、遠位ハウジング部分1096に取り付けるように構成された、近位ハウジング部分1094を備えてもよい。近位ハウジング部分1094及び遠位ハウジング部分1096は、その中で複数の電池1098を動作可能に支持するように構成される。電池1098はそれぞれ、例えば、リチウムイオン(LI)又は他の好適な電池を含んでもよい。遠位ハウジング部分1096は、モータ1082にやはり動作可能に結合されている、回路基板1100に着脱可能かつ動作可能に取り付けられるために構成されている。直列に接続されてもよい多数の電池1098が、外科用器具1010の電源として使用されてもよい。加えて、電源1090は、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0043】
他の様々な形態に関連して上に概説したように、電気モータ1082は、長手方向に移動可能な駆動部材1120上にある駆動歯1122の組又はラックと噛合係合して装着されるギア減速機アセンブリ1084と動作可能に連動する、回転式シャフト(図示せず)を含むことができる。使用の際、電源1090によって提供される電圧極性によって電気モータ1082を時計方向に動作させることができるが、電池によって電気モータに印加される電圧極性は、電気モータ1082を反時計方向に動作させるために反転させることができる。電気モータ1082が1つの方向に回転されると、駆動部材1120は、遠位方向「DD」に軸方向駆動されることになる。モータ82が反対の回転方向に駆動されると、駆動部材1120は、近位方向「PD」に軸方向駆動されることになる。ハンドル1014は、電源1090によって電気モータ1082に印加される極性を反転させるように構成することができるスイッチを含むことができる。本明細書に記載される他の形態と同様に、ハンドル1014はまた、駆動部材1120の位置、及び/又は駆動部材1120が移動させられている方向を検出するように構成されたセンサを含むことができる。
【0044】
モータ1082の作動は、ハンドル1014上で枢動可能に支持される発射トリガ1130によって制御され得る。発射トリガ1130は、非作動位置と作動位置との間を枢動してもよい。発射トリガ1130は、ばね1132又は他の付勢装置によって非作動位置へと付勢されてもよく、それにより、臨床医が発射トリガ1130を解放すると、それがばね1132又は付勢装置によって非作動位置へと枢動されるか又は別の方法で復帰させられてもよい。少なくとも1つの形態では、発射トリガ1130は、上述したように、閉鎖トリガ1032の「外側」に位置付けることができる。少なくとも1つの形態では、発射トリガ安全ボタン1134が、ピン1035によって閉鎖トリガ1032に枢動可能に装着されてもよい。安全ボタン1134は、発射トリガ1130と閉鎖トリガ1032との間に位置付けられ、そこから突出する枢動アーム1136を有してもよい。閉鎖トリガ1032が非作動位置にあるとき、安全ボタン1134は、ハンドル1014に収容され、臨床医が容易にアクセスすることができず、発射トリガ1130の作動を防止する安全位置と、発射トリガ1130が発射されてもよい発射位置との間で移動させることもできない。臨床医が閉鎖トリガ1032を押下すると、安全ボタン1134及び発射トリガ1130が下に枢動して、次いで、臨床医がそれらを操作することが可能になる。
【0045】
上に示されるように、少なくとも1つの形態において、長手方向に移動可能な駆動部材1120は、ギア減速機アセンブリ1084の対応する駆動ギア1086と噛合係合するために、その上に形成された歯1122のラックを有する。少なくとも1つの形態はまた、モータ1082が無効化された場合に、臨床医が長手方向に移動可能な駆動部材1120を手動で後退させることができるように構成された、手動作動式の「緊急離脱」アセンブリ1140を含む。緊急離脱アセンブリ1140は、手動で枢動させて、駆動部材1120にやはり設けられた歯1124とラチェット係合するように構成された、レバー又は緊急離脱ハンドルアセンブリ1142を含んでもよい。したがって、臨床医は、緊急離脱ハンドルアセンブリ1142を使用して駆動部材1120を近位方向「PD」にラチェットさせることによって、駆動部材1120を手動により後退させることができる。米国特許第8,608,045号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」は、緊急離脱装置、並びにやはり本明細書に開示の様々な器具と共に用いられてもよい他の構成要素、装置、及びシステムを開示している。米国特許第8,608,045号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
ここで図2及び図5を参照すると、交換式シャフトアセンブリ1200は、ステープルカートリッジ4000を中で動作可能に支持するように構成された細長いチャネル1310を備える、外科用エンドエフェクタ1300を含む。エンドエフェクタ1300は、細長いチャネル1310に対して枢動可能に支持されたアンビル2000を更に含んでもよい。交換式シャフトアセンブリ1200は、シャフト軸SAに対して所望の位置でエンドエフェクタ1300を解除可能に保持するように構成することができる、関節継手3020及び関節運動ロック2140を更に含んでもよい。エンドエフェクタ1300、関節継手3020、及び関節運動ロックのうち少なくとも1つの形態の様々な特徴の例は、2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、現在の米国特許出願公開第2014/0263541号に見出すことができる。2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、現在の米国特許出願公開第2014/0263541号の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。図4で分かるように、交換式シャフトアセンブリ1200は、ノズル部分1202及び1203から構成される近位ハウジング又はノズル1201を更に含むことができる。
【0047】
交換式シャフトアセンブリ1200は、エンドエフェクタ1300のアンビル2000を開閉するために利用することができる、閉鎖システム、つまり閉鎖部材アセンブリ3000を更に含むことができる。シャフトアセンブリ1200は、(1)発射部材を内部で摺動可能に支持し、(2)スパイン1210の周囲に延在する閉鎖部材アセンブリ3000を摺動可能に支持するように、構成されている、スパイン1210を含むことができる。図5で分かるように、スパイン1210の遠位端1212は、上部ラグ固定特徴部1270内、及び下部ラグ固定特徴部1280内で終端する。上部ラグ固定特徴部1270は、中に上部固定リンク1274を固定するように支持するように適合された、ラグスロット1272が中に形成される。同様に、下部ラグ固定特徴部1280は、中に下部固定リンク1284を固定するように支持するように適合された、ラグスロット1282が中に形成される。上部固定リンク1274は、チャネルキャップ上に形成された枢動ピン1292、又は細長いチャネル1310の近位端部分1312に取り付けられたチャネルキャップ又はアンビル保持装置1290を回転可能に内部に受容するように適合されている、枢動ソケット1276を内部に含む。下部固定リンク1284は、細長いチャネル1310の近位端部分1312内に形成された枢動穴1314内に受容されるように適合された、下部枢動ピン1286を含む。図5を参照されたい。下部枢動ピン1286は枢動ソケット1276と垂直に連動し、それを中心として外科用エンドエフェクタ1300がシャフト軸SAに対して関節運動し得る関節運動軸AAを画定する。図2を参照されたい。
【0048】
図示した例において、外科用エンドエフェクタ1300は関節運動システム2100により、関節運動軸AAを中心として選択的に関節運動可能である。1つの形態において、関節運動システム2100は、関節運動リンク2120に枢動可能に連結された近位関節運動ドライバ2102を含む。図5に最も具体的に確認できるように、ずれ取り付けラグ2114が、近位関節運動ドライバ2102の遠位端2110に形成される。枢動穴2116がずれ取り付けラグ2114の中に形成され、関節運動リンク2120の近位端2122に形成された近位リンクピン2124を、中に枢動可能に受容するように構成されている。関節運動リンク2120の遠位端2126は、細長いチャネル1310の近位端部分1312に形成されたチャネルピン1317を、中に枢動可能に受容するように構成された枢動穴2128を含む。したがって、近位関節運動ドライバ2102の軸移動により、関節運動が細長いチャネル1310に適用され、これによって、外科用エンドエフェクタ1300がスパイン1210に対して、関節運動軸AAを中心に関節移動する。関節運動システム2100の構成及び操作に関する更なる詳細は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月28日出願の米国特許出願第15/635,631号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH AXIALLY MOVABLE CLOSURE MEMBER」、現在は米国特許出願公開第2019/0000464号などの、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献に見出すことができる。様々な状況において、近位関節運動ドライバ2102が近位方向又は遠位方向に移動していないときに、近位関節運動ドライバ2102が、関節運動ロック2140により、所定の位置で維持されてもよい。関節運動ロック2140の例に関する更なる詳細は、米国特許出願第15/635,631号、現在は米国特許出願公開第2019/0000464号、並びに本明細書に参照により組み込まれる他の参考文献に見出すことができる。
【0049】
様々な状況において、スパイン1210は、シャーシ1240内で回転可能に支持される近位端1211を備えることができる。1つの構成では、例えば、スパイン1210の近位端1211は、シャーシ1240内で支持されるように構成されたスパインベアリング1216にねじ込みによって取り付けられるように上部に形成されたねじ山1214を有する。図4を参照されたい。このような構成により、シャーシ1240に対するスパイン1210の回転可能な取り付けが容易になり、スパイン1210を、シャーシ1240に対してシャフト軸SAの周囲にて、選択可能に回転させてよい。
【0050】
主に図4を参照すると、交換式シャフトアセンブリ1200は、シャーシ1240に対して軸方向に移動され得るようにその中で摺動可能に支持される、閉鎖シャトル1250を含む。閉鎖シャトル1250は、一対の近位側に突出するフック1252を含み、それらは、更に詳細に後述するように、第2の閉鎖リンク1038に取り付けられた取り付けピン1037(図3)に取り付けるように構成される。少なくとも1つの例では、閉鎖部材アセンブリ3000は、閉鎖シャトル1250に対して相対的回転するために閉鎖シャトルに連結された近位端3012を有する、近位閉鎖部材セグメント3010を備える。例えば、U字型コネクタ1263は、近位閉鎖部材セグメント3010の近位端3012にある環状スロット3014へと挿入され、閉鎖シャトル1250における垂直スロット1253内で保定される。このような構成により、近位閉鎖部材セグメント3010と閉鎖シャトル1250とが、一緒に軸方向移動するように取り付けられる一方で、近位閉鎖部材セグメント3010は、シャフト軸SAを中心に、閉鎖シャトル1250に対して回転可能となる。近位閉鎖部材セグメント3010上には、閉鎖ばね1268が軸支されており、この閉鎖ばねは、近位閉鎖部材セグメント3010を近位方向「PD」に付勢する機能を果たし、これにより、シャフトアセンブリがハンドル1014に動作可能に連結されたときに、閉鎖トリガ1032を非作動位置へと枢動させる機能を果たし得る。
【0051】
少なくとも1つの形態では、交換式シャフトアセンブリ1200は、関節継手3020を更に含んでもよい。しかしながら、他の交換式シャフト組立体が、関節屈曲可能でなくてもよい。図5で分かるように、例えば、遠位閉鎖部材又は遠位閉鎖管セグメント3030は、近位閉鎖部材セグメント3010の遠位端に連結されている。関節継手3020は、二重枢軸閉鎖スリーブアセンブリ3022を含む。様々な形態によれば、二重枢動閉鎖スリーブアセンブリ3022は、上部遠位突出タング3052及び下部遠位突出タング3054を有する、エンドエフェクタ閉鎖管3050を含む。上部二重枢動リンク3056は、遠位閉鎖管セグメント3030上にある上部近位突出タング3052の上部遠位ピンホール、及び上部遠位突出タング3032の上部近位ピンホールにそれぞれ係合する、上向きに突出する遠位及び近位枢動ピンを含む。下部二重枢動リンク3058は、下部近位突出タング3054の下部遠位ピンホール、及び下部遠位突出タング3034の下部近位ピンホールにそれぞれ係合する、上向きに突出する遠位及び近位枢動ピンを含む。図4及び図5を参照されたい。以下で更に詳細に説明されるように、閉鎖部材アセンブリ3000は、例えば閉鎖トリガ1032の作動に応答してアンビル2000を閉鎖するために遠位(方向「DD」)に並進される。アンビル2000は、閉鎖部材アセンブリ3000を近位に並進させることによって開放され、これによってエンドエフェクタ閉鎖スリーブはアンビル2000と相互作用し、開放位置に枢動する。
【0052】
これも上述したように、交換式シャフトアセンブリ1200は、シャフトスパイン1210内で軸方向移動するように支持される発射部材1900を更に含む。発射部材1900は、遠位切断部分又はナイフバー1910に取り付けるために構成された中間発射シャフト部分1222を含む。中間発射シャフト部分1222は、その遠位端に、遠位ナイフバー1910の近位端にあるタブ1912を受容するように構成され得る長手方向スロット1223を含んでもよい。長手方向スロット1223及び近位端タブ1912は、それらの間の相対運動を可能にするようにサイズ決めして構成することができ、かつスリップ継手1914を備えることができる。スリップ継手1914は、ナイフバー1910を移動させずに、又は少なくとも実質的に移動させずに、発射部材1900の中間発射シャフト部分1222を移動させて、エンドエフェクタ1300を関節運動させることを可能にし得る。エンドエフェクタ1300が好適に配向された後は、ナイフバー1910を進め、チャネル1310内に位置するステープルカートリッジ4000を発射するため、長手方向スロット1223の近位側の側壁がタブ1912に接触するまで、中間発射シャフト部分1222を遠位側に進めることができる。ナイフバー1910は、ブレード、つまり組織切断縁部1922を含むナイフ部分1920を含み、上部アンビル係合タブ1924及び下部チャネル係合タブ1926を含む。様々な発射部材の構成及び操作は、参照により本明細書に組み込まれる様々な他の参考文献に開示されている。
【0053】
図4で分かるように、シャフトアセンブリ1200は、近位閉鎖部材セグメント3010上に回転可能に受け入れられるスイッチドラム1500を更に含む。スイッチドラム1500は、外向き突出作動ピンを中に受け入れるためのシャフトボスが中に形成された中空シャフトセグメント1502を備える。様々な状況において、作動ピンは、ロックスリーブに設けられた長手方向スロットを通って延在して、ロックスリーブが関節運動ドライバと係合されたときにその軸方向運動を容易にする。回転ねじりばね1420は、スイッチドラム1500上のボス及びノズルハウジング1203の一部に係合して、付勢力をスイッチドラム1500に加えるように構成されている。スイッチドラム1500は、その中に画定された少なくとも部分的に円周方向の開口部1506を更に備えることができ、その開口部は、ノズル部分1202、1203から延在する円周方向のマウントを受容し、スイッチドラム1500とノズル1201との間の相対回転は許容するが並進は許容しないように構成され得る。マウントはまた、近位閉鎖部材セグメント3010の開口部3011を通って延在して、スパイン1210の陥凹部1219に収まる。スイッチドラム1500がシャフト軸SAを中心に回転すると、最終的に、作動ピン及びロックスリーブが、その係合位置と係合解除位置との間で回転することになる。1つの構成では、スイッチドラム1500の回転は、閉鎖管、つまり閉鎖部材の軸方向前進にリンクされ得る。したがって、本質的には、閉鎖システムを作動させると、それぞれの開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、現在は米国特許出願公開第2014/0263541号、及び米国特許第9,913,642号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SENSOR SYSTEM」に更に詳細に説明されている様々な方法で、関節運動駆動システムを発射駆動システムに動作可能に係合し、係合解除することができる。例えば、閉鎖管が「ジョー開放」位置に対応する最近位位置にあるとき、閉鎖部材セグメント3010は、関節運動システムを発射駆動システムとリンクさせるように、スイッチドラム1500を配置している。閉鎖管が「ジョー閉鎖」位置に対応する遠位位置に移動したとき、閉鎖管は、スイッチドラム1500を、関節運動システムが発射駆動システムからリンク解除される位置まで回転させている。
【0054】
やはり図4に示されるように、シャフトアセンブリ1200は、例えば、エンドエフェクタ1300との間で電力を伝導し、かつ/又はエンドエフェクタ1300との間で信号を通信するように構成することができる、スリップリングアセンブリ1600を備えることができる。スリップリングアセンブリ1600は、シャーシ1240から延在するシャーシフランジ1242に取り付けられる近位コネクタフランジ1604と、シャフトハウジング内に画定されたスロット内に位置付けられる遠位コネクタフランジとを備えることができる。近位コネクタフランジ1604は第1の面を備えることができ、遠位コネクタフランジは、第1の面に隣接して位置付けられ、かつ第1の面に対して移動可能である第2の面を備えることができる。遠位コネクタフランジは、シャフト軸SAを中心にして、近位コネクタフランジ1604に対して回転することができる。近位コネクタフランジ1604は、その第1の面に画定される、複数の同心の、又は少なくとも実質的に同心の導体を備えることができる。コネクタは、コネクタフランジの近位面に装着することができ、複数の接点を有してもよく、それぞれの接点は、導体の1つに対応し、それと電気的に接触する。かかる構成により、近位コネクタフランジ1604と遠位コネクタフランジとが、それらの間の電気的接触を維持したまま相対回転することが可能になる。近位コネクタフランジ1604は、例えば、シャフトシャーシ1240に装着されたシャフト回路基板1610と信号連通して導体を配置することができる、電気コネクタ1606を含むことができる。少なくとも1つの例では、複数の導体を備える配線ハーネスが、電気コネクタ1606とシャフト回路基板1610との間に延在することができる。電気コネクタ1606は、シャーシフランジ1242に画定されたコネクタ開口部1243を通って近位側に延在してもよい。図4を参照されたい。スリップリングアセンブリ1600に関する更なる詳細は、例えば、米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、現在は米国特許出願公開第2014/0263541号、2013年3月13日出願の米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2014/0263552号、及び米国特許第9,345,481号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」に見出すことができる。米国特許出願第13/803,086号、現在は米国特許出願公開第2014/0263541号、米国特許出願第13/800,067号、現在は米国特許出願公開第2014/0263552号、及び米国特許第9,345,481号は、それぞれ、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0055】
上述したように、シャフトアセンブリ1200は、ハンドル1014に固定可能に装着される近位部分と、長手方向軸を中心にして回転可能な遠位部分とを含むことができる。回転可能な遠位シャフト部分は、上述したように、スリップリングアセンブリ1600を中心にして近位部分に対して回転させることができる。スリップリングアセンブリ1600の遠位コネクタフランジは、回転可能な遠位シャフト部分内に位置付けることができる。また、上記に加えて、スイッチドラム1500も、回転可能な遠位シャフト部分内に位置付けることができる。回転可能な遠位シャフト部分を回転させると、遠位コネクタフランジ及びスイッチドラム1500を互いに同期して回転させることができる。それに加えて、スイッチドラム1500を、遠位コネクタフランジに対して第1の位置と第2の位置との間で回転させることができる。スイッチドラム1500がその第1の位置にあると、関節駆動システムが発射駆動システムから動作可能に係合解除されてもよく、したがって、発射駆動システムの動作によって、シャフトアセンブリ1200のエンドエフェクタ1300を関節運動させることができない。スイッチドラム1500がその第2の位置にあると、関節駆動システムが発射駆動システムと動作可能に係合されてもよく、したがって、発射駆動システムの動作によってシャフトアセンブリ1200のエンドエフェクタ1300を関節運動させることができる。スイッチドラム1500をその第1の位置と第2の位置との間で移動させると、スイッチドラム1500は、遠位コネクタフランジに対して移動させられる。様々な例において、シャフトアセンブリ1200は、スイッチドラム1500の位置を検出するように構成された少なくとも1つのセンサを備えることができる。
【0056】
再び図4を参照すると、シャーシ1240は、フレーム1020の遠位取り付けフランジ部分1700内に形成された、対応するダブテールスロット1702に受け入れられるように適合された、シャーシ上に形成された少なくとも1つの、好ましくは2つの先細取り付け部分1244を含む。図3を参照されたい。各ダブテールスロット1702は、取り付け部分1244を中に収めて受け入れるように、先細であってもよく、又は言い換えればある程度V字形であってもよい。図4に更に見ることができるように、シャフト取り付けラグ1226が、中間発射シャフト部分1222の近位端上に形成される。更に詳細に後述するように、交換式シャフトアセンブリ1200がハンドル1014に結合されると、シャフト取り付けラグ1226は、長手方向駆動部材1120の遠位端1125に形成された発射シャフト取り付けクレードル1126に受け入れられる。図3を参照されたい。
【0057】
様々なシャフトアセンブリの実施形態は、シャフトアセンブリ1200をハウジング1012に、より具体的にはフレーム1020に取り外し可能に結合するためのラッチシステム1710を用いる。図4で分かるように、例えば、少なくとも1つの形態では、ラッチシステム1710は、シャーシ1240に対して移動可能に連結されているロック部材又はロックヨーク1712を含む。図示された実施形態では、例えば、ロックヨーク1712は、2つの離間配置された下方に延びる脚部1714を有するU字形状を有している。脚部1714にはそれぞれ、シャーシ1240に形成された対応する穴1245に受け入れられるように適合された、枢動ラグ1715が形成される。かかる配置により、ロックヨーク1712をシャーシ1240に枢動可能に取り付けやすくなる。ロックヨーク1712は、フレーム1020の遠位取り付けフランジ部分1700の対応するロック戻り止め又は溝1704と解除可能に係合するように構成された、2つの近位側に突出するロックラグ1716を含んでもよい。図3を参照されたい。様々な形態では、ロックヨーク1712は、ばね又は付勢部材(図示せず)によって近位方向に付勢される。ロックヨーク1712の作動は、シャーシ1240に装着されたラッチアクチュエータアセンブリ1720上に摺動可能に装着される、ラッチボタン1722によって遂行されてもよい。ラッチボタン1722は、ロックヨーク1712に対して近位方向に付勢することができる。更に詳細に後述するように、ロックヨーク1712は、ラッチボタンを遠位方向で付勢することによってロック解除位置へと移動させられてもよく、それによってまた、ロックヨーク1712が枢動して、フレーム1020の遠位取り付けフランジ部分1700との保定係合から外れる。ロックヨーク1712がフレーム1020の遠位取り付けフランジ部分1700と「保定係合」しているとき、ロックラグ1716は、遠位取り付けフランジ部分1700の対応するロック戻り止め又は溝1704内に保定されて収まっている。
【0058】
組織を切断し締結するように適合された本明細書に記載されるタイプのエンドエフェクタ、並びに他のタイプのエンドエフェクタを含む、交換式シャフト組立体を用いる場合、エンドエフェクタの作動中に交換式シャフト組立体がハウジングから不用意に分離されることを防止することが望ましいことがある。例えば、使用の際、臨床医は、閉鎖トリガ1032を作動させて標的組織を把持し、所望の位置へと操作することがある。標的組織がエンドエフェクタ1300内に所望の向きで位置付けられると、臨床医は、次に、閉鎖トリガ1032を完全に作動させてアンビル2000を閉鎖し、標的組織を切断及びステープル留めの位置でクランプしてもよい。その場合、第1の駆動システム1030は、完全に作動している。標的組織がエンドエフェクタ1300にクランプされた後、シャフトアセンブリ1200がハウジング1012から不用意に分離されることを防止することが望ましいことがある。ラッチシステム1710の1つの形態は、かかる不用意な分離を防止するように構成されている。
【0059】
図4で最も具体的に分かるように、ロックヨーク1712は、閉鎖シャトル1250上に形成された対応するロックラグ部分1256に接触するように適合された、少なくとも1つの、好ましくは2つのロックフック1718を含む。閉鎖シャトル1250が非作動位置にある(すなわち、第1の駆動システム1030が非作動で、アンビル2000が開放されている)とき、ロックヨーク1712を遠位方向で枢動させて、交換式シャフトアセンブリ1200をハウジング1012からロック解除してもよい。その位置にある場合、ロックフック1718は、閉鎖シャトル1250のロックラグ部分1256と接触していない。しかしながら、閉鎖シャトル1250を作動位置へと移動させる(すなわち、第1の駆動システム1030が作動され、アンビル2000が閉鎖位置にある)と、ロックヨーク1712がロック解除位置へと枢動することが防止される。別の言い方をすると、臨床医がロックヨーク1712をロック解除位置に枢動させようとした場合、又は例えばロックヨーク1712が、遠位方向に枢動するような形で不用意に突き当たられるか又は接触された場合、ロックヨーク1712のロックフック1718が閉鎖シャトル1250のロックラグ部分1256と接触してロックヨーク1712がロック解除に位置に動くことを防止する。
【0060】
以下、ハンドル1014に対する交換式シャフトアセンブリ1200の取り付けについて記載する。結合プロセスを開始するために、臨床医は、シャーシ1240上に形成された先細取り付け部分1244がフレーム1020のダブテールスロット1702と整列されるようにして、交換式シャフトアセンブリ1200のシャーシ1240をフレーム1020の遠位取り付けフランジ1700の上方に、又はそれに隣接して位置付けてもよい。臨床医は、次に、シャフトアセンブリ1200を、シャフト軸SAに垂直な装着軸IAに沿って移動させて、取り付け部分1244を対応するダブテール受け入れスロット1702と「動作可能に係合」させて収めてもよい。その際、中間発射シャフト部分1222上のシャフト取り付けラグ1226もまた、長手方向に移動可能な駆動部材1120のクレードル1126に収められ、第2の閉鎖リンク1038上にあるピン1037の部分が、閉鎖シャトル1250の対応するフック1252に収められる。本明細書で使用するとき、2つの構成要素の文脈における「動作可能な係合」という用語は、それら2つの構成要素が互いに十分に係合され、それにより、作動運動をそれらに適用すると、構成要素が意図される行為、機能、及び/又は手順を実施し得ることを意味する。
【0061】
交換式シャフトアセンブリ1200の少なくとも5つのシステムを、ハンドル1014の少なくとも5つの対応するシステムと動作可能に結合することができる。第1のシステムは、シャフトアセンブリ1200のフレーム又はスパインをハンドル1014のフレーム1020と結合及び/又は位置合わせする、フレームシステムを備えることができる。別のシステムは、ハンドル1014の閉鎖トリガ1032と、閉鎖チューブ1260と、シャフトアセンブリ1200のアンビル2000とを動作可能に接続することができる、閉鎖駆動システム1030を備えることができる。上で概説したように、シャフトアセンブリ1200の閉鎖シャトル1250を、第2の閉鎖リンク1038のピン1037と係合させることができる。別のシステムは、ハンドル1014の発射トリガ1130をシャフトアセンブリ1200の中間発射シャフト部分1222と動作可能に接続することができる、発射駆動システム1080を備えることができる。上で概説したように、シャフト取り付けラグ1226は、長手方向駆動部材1120のクレードル1126と動作可能に接続することができる。別のシステムは、例えばシャフトアセンブリ1200などのシャフトアセンブリが、ハンドル1014と動作可能に係合されていることを、例えばマイクロコントローラなど、ハンドル1014内のコントローラに信号伝達することができ、並びに/又は第2に、電力及び/若しくは通信信号をシャフトアセンブリ1200とハンドル1014との間で伝導することができる、電気システムを含むことができる。例えば、シャフトアセンブリ1200は、シャフト回路基板1610に動作可能に装着される電気コネクタ1810を含むことができる。電気コネクタ1810は、ハンドル制御基板1100上の対応する電気コネクタ1800と噛合係合するように構成されている。回路類及び制御システムに関する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号、現在は米国特許出願公開第2014/0263541号、及び米国特許出願第14/226,142号、現在は米国特許第9,913,642号に見出すことができ、それぞれの開示内容全体は、参照により本明細書に既に組み込まれている。第5のシステムは、シャフトアセンブリ1200をハンドル1014に解除可能にロックするラッチングシステムからなっていてもよい。
【0062】
図示された例におけるアンビル2000は、アンビル取り付け部分2010で終端するアンビル本体2002を含んでいる。アンビル固定部分2010は、シャフト軸SAを横断する、固定されたアンビル枢動軸PAを中心にしたアンビル固定部分に対する選択的な枢動移動のために、細長いチャネル1310の上で、移動可能に、又は枢動可能に支持される。図示された構成では、枢動部材又はアンビルトラニオン2012は、アンビル取り付け部分2010の各横側面から横方向に延びて、細長いチャネル1310の近位端部分1312の直立壁1315に形成された対応するトラニオンクレードル1316内に受容される。アンビルトラニオン2012は、チャネルキャップ又はアンビル保持装置1290により、対応するトラニオンクレードル1316内で枢動可能に保持される。チャネルキャップ又はアンビルリテーナ1290は、細長いチャネル1310の近位端部分1312の直立壁1315に形成された対応するラグ溝又はノッチ内に保持されるようにして受容されるように構成された一対の取り付けラグを有している。図5を参照されたい。
【0063】
更に図5を参照すると、少なくとも1つの構成では、遠位閉鎖部材又はエンドエフェクタ閉鎖管3050は、2つの軸方向にオフセットされた近位側及び遠位側の正のジョー開口部機構3060及び3062を利用する。正のジョー開口部機構3060、3062は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第15/635,631号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH AXIALLY MOVABLE CLOSURE MEMBER」、現在は米国特許出願公開第2019/0000464号で更に詳細に説明されるように、対応する解放領域及びアンビル取り付け部分2010上に形成された段差部分と相互作用するように構成されている。他のジョー開口部構成が用いられてもよい。
【0064】
図6~8は、外科用エンドエフェクタ5012を動作させるための回転駆動運動を生成するように構成された、従来の外科用切断及び締結器具5010を示す。内視鏡手術用器具5010は、ハンドル5006、シャフト5008、及び関節運動枢動点5014においてシャフト5008に枢動可能に連結された関節運動式外科用エンドエフェクタ5012を有している。関節運動制御部5016がハンドル5006に隣接して設けられて、関節運動枢動点5014を中心としてエンドエフェクタ5012を回転させてよい。様々な実施形態は、非枢動エンドエフェクタを含んでもよく、したがって関節運動枢動点5014又は関節運動制御部5016を有さない場合がある点は理解されるであろう。
【0065】
器具5010のハンドル5006は、エンドエフェクタ5012を作動させるための閉鎖トリガ5018及び発射トリガ5020を有し得る。異なる外科的手技を目的とするエンドエフェクタを有する器具は、エンドエフェクタ5012を操作するために異なる数又は種類のトリガ若しくは他の適切な制御部を有し得ることが理解されるであろう。1つの実施形態では、臨床医又は器具5010の操作者は、本明細書においてその全開示が参照として組み込まれる、同時係属中の米国特許第7,670,334号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING AN ARTICULATING END EFFECTOR」により詳細に記載されるように、関節運動制御部5016を利用することによってシャフト5008に対してエンドエフェクタ5012を関節運動させることができる。この例では、このエンドエフェクタ5012は、とりわけ、ステープルチャネル5022、及びアンビル5024などの枢動可能に平行移動可能なクランピング部材を含み、これらはエンドエフェクタ5012によりクランプされた組織の効果的なステープル留め及び切断を確保するようなある間隔で保持されている。ハンドル5006は、アンビル5024がエンドエフェクタ5012のステープルチャネル5022に対してクランピング又は閉鎖を引き起こし、それによってアンビル5024とチャネル5022との間に位置付けられた組織をクランプするため、臨床医がそれに向かって閉鎖トリガ5018を枢動可能に引き付けるピストルグリップ5026を含む。
【0066】
図7に示される構成では、エンドエフェクタ5012は、上記に述べたチャネル5022及びアンビル5024以外に、切開器具5032、スレッド5033、チャネル5022内に着脱可能に位置するステープルカートリッジ5034、及び螺旋状ねじシャフト5036を含む。切断器具5032は、例えば、ナイフであってよい。アンビル5024は、チャネル5022内の対応するスロット内で移動可能に支持される枢動ピン5025を含む。1つの構成では、アンビル5024は、アンビル5024を開閉するために機械的閉鎖システム(下記に更に詳述する)の要素に挿入されるタブ5027を近位端に含む。
【0067】
更に図7を参照すると、シャフト5008は、枢動リンク5044によって枢動可能に連結される近位閉鎖管5040、及び遠位閉鎖管5042を含む。遠位閉鎖管5042は開口部5045を有しており、下記に詳述するように、その中にアンビル5024のタブ5027が挿入されることでアンビル5024が開閉される。閉鎖管5040、5042の内部には近位スパイン管5046が配置され得る。近位スパイン管5046の内部には、ベベルギアアセンブリ5052a~cを介して第2の(又は遠位)駆動シャフト5050と連通する主回転(又は近位)駆動シャフト5048が配置され得る。第2の駆動シャフト5050は、螺旋状ねじシャフト5036の近位駆動ギア5056と係合する駆動ギア5054に接続されている。垂直ベベルギア5052bは近位スパイン管5046の遠位端の開口部5057内に位置し、その中で枢動し得る。遠位スパイン管5058は、第2の駆動シャフト5050及び駆動ギア5054、5056を収容するために用いられてもよい。主駆動シャフト5048、第2の駆動シャフト5050、及び関節運動アセンブリ(例えば、ベベルギアアセンブリ5052a~c)は、本明細書ではまとめて「主駆動シャフトアセンブリ」と呼ぶ場合がある。
【0068】
ステープルチャネル5022の遠位端に位置付けられたベアリング5038が螺旋状ねじシャフト5036を受容することにより、螺旋状ねじシャフト5036はチャネル5022に対して自由に回転することが可能である。螺旋状ねじシャフト5036がナイフ5032のねじ付き開口部(図示されない)と連動することにより、螺旋状ねじシャフト5036の回転によってナイフ5032がステープルチャネル5022内で遠位方向又は近位方向に(回転方向に応じて)並進運動できる。
【0069】
次に図8に移ると、ハンドル5006は、互いに嵌合してハンドル5006の外面を概ね形成する外部下側側面部品5059、5060及びノズル部品5061、5062を有する。リチウムイオン電池などの電池5064をハンドル5006のピストル把持部5026に設けることができる。電池5064はハンドル5006のピストルグリップ部分5026の上側部分に配置されたモータ5065に電力を供給する。モータ5065は、第1のベベルギア5068と第2のベベルギア5070とを備える90°ベベルギアアセンブリ5066を駆動することができる。ベベルギアアセンブリ5066は、遊星ギアアセンブリ5072を駆動することができる。遊星ギアアセンブリ5072は駆動シャフト5076に連結されたピニオンギア5074を含み得る。ピニオンギア5074は、駆動シャフトを介して螺旋状ギアドラム5080を駆動する、嵌合するリングギア5078を駆動することができる。リング5084を螺旋状ギアドラム5080上に螺着することができる。このため、モータ5065が回転すると、リング5084が、介装されたベベルギアアセンブリ5066、遊星ギアアセンブリ5072、及びリングギア5078によって、螺旋状ギアドラム5080に沿って移動される。
【0070】
ハンドル5006は、発射トリガ5020の上方部分に隣接して中央ハンドル部品5104を有し得る。ハンドル5006はまた、中央ハンドル部品5104及び発射トリガ5020の支柱間に連結された付勢バネ5112を有し得る。付勢バネ5112は、発射トリガ5020を完全に開放位置に付勢することができる。このようにして、操作者が発射トリガ5020を解放すると、付勢ばね5112は発射トリガ5020をその開放位置へと引っ張る。螺旋状ギアドラム5080の遠位端は、ピニオンギア5124と嵌合するリングギア5122を駆動する遠位駆動シャフト5120を含む。ピニオンギア5124は主駆動シャフトアセンブリの主駆動シャフト5048に連結されている。これにより、モータ5065の回転が主駆動シャフトアセンブリを回転させることでエンドエフェクタ5012が作動する。螺旋状ギアドラム5080に螺着されたリング5084はスロット付きアーム5090のスロット5088内に位置する支柱5086を有し得る。スロット付きアーム5090は、ハンドル外部側面部材5059,5060の間に連結されている枢動ピン5096を受容する開口部5092を反対側の端部5094に有する。枢動ピン5096はまた、発射トリガ5020の開口部5100及び中央ハンドル部品5104の開口部5102に通して配置される。
【0071】
中央ハンドル部品5104は、スロット付きアーム5090と係合する後方肩部5106を有している。中央ハンドル部品5104はまた、発射トリガ5020と係合する前方運動5107停止部を有している。スロット付きアーム5090の運動は、モータ5065の回転によって制御される。リング5084が螺旋状ギアドラム5080の近位端から遠位端まで移動するにつれて、スロット付きアーム5090が反時計方向に回転すると、中央ハンドル部品5104は、自由に反時計方向に回転することができる。これにより、ユーザーが発射トリガ5020を引くと発射トリガ5020は中央ハンドル部品5104の前方運動停止部5107と係合して、中央ハンドル部品5104を反時計方向に回転させる。しかしながら、後方肩部5106がスロット付きアーム5090と係合するために、中央ハンドル部品5104は、スロット付きアーム5090によって許容される範囲内で反時計方向に回転できるだけである。これにより、何らかの理由によってモータ5065の回転が停止した場合、スロット付きアーム5090は回転を停止し、中央ハンドル部品5104がスロット付きアーム5090のために反時計方向に自由に回転できなくなるため、ユーザーは発射トリガ5020を更に引くことができなくなる。
【0072】
閉鎖トリガ5018を後退させることによってエンドエフェクタ5012のアンビル5024を閉鎖する(又はクランプ締めする)ための例示的な閉鎖システムの構成要素もまた図8に示される。図示された実施形態では、閉鎖システムは、閉鎖トリガ5018に連結されたヨーク5250を含む。枢動ピン5252は、閉鎖トリガ5018及びヨーク5250の両方が同じ点を中心に回転するように、その両方にある整列した開口部を通して挿入される。ヨーク5250の遠位端は、ピン5254を介して第1の閉鎖ブラケット5256に連結されている。第1閉鎖ブラケット5256は第2閉鎖ブラケット5258に連結される。閉鎖ブラケット5256、5258は、閉鎖ブラケット5256、5258の長手方向の運動が近位閉鎖管5040(図7を参照)による長手方向の運動を生じるように近位閉鎖管5040の近位端が内部に設置、保持される開口部を共に画定する。器具5010はまた、近位閉鎖管5040の内部に配置される閉鎖駆動シャフト5260も含む。閉鎖駆動シャフト5260は、図示された実施形態の外部下側側面部品5059のようなハンドル外部部品の1つの支柱5263が内部に配置されることにより閉鎖駆動シャフト5260をハンドル5006に固定的に連結する窓5261を有し得る。このようにして、近位閉鎖管5040は閉鎖駆動シャフト5260に対して長手方向に動くことが可能になる。閉鎖駆動シャフト5260はまた、近位スパイン管5046内のキャビティに嵌合してキャップによりキャビティ内に保持される遠位カラー5267を有し得る。
【0073】
動作時には、閉鎖トリガ5018が後退させられることによりヨーク5250が回転すると、閉鎖ブラケット5256、5258によって近位閉鎖管5040が遠位方向(すなわち、器具5010のハンドル側の端部から離れる方向)に動き、これにより遠位閉鎖管5042が遠位方向に動くと、アンビル5024が枢動ピン5025を中心としてクランプ位置、すなわち閉鎖位置へと回転する。閉鎖トリガ5018がロック位置から解除されると、近位閉鎖管5040が近位方向に摺動し、これにより遠位閉鎖管5042が近位方向に摺動し、遠位閉鎖管5042の開口部5045にタブ5027が挿入されていることによって、アンビル5024が枢動ピン5025を中心として開いた位置、すなわち非クランプ位置へと枢動する。このようにして、操作者は閉鎖トリガ5018を後退かつロックすることによってアンビル5024とチャネル5022との間で組織をクランプし、切開/ステープル留め動作後にはロック位置から閉鎖トリガ5018を解除することによって組織のクランプを緩めることができる。従来の外科用器具5010の構成及び動作に関する更なる詳細は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第7,845,537号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」に見出すことができる。様々な形態のロボットシステムと共に使用するように構成された他の回転駆動構成は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2016/0287251号、発明の名称「STAPLING END EFFECTOR CONFIGURED TO COMPENSATE FOR AN UNEVEN GAP BETWEEN A FIRST JAW AND A SECOND JAW」に開示されている。
【0074】
次に図9及び図10に移ると、再使用されてもされなくてもよい、別のモータ駆動される外科用切断及び締結器具10010を示している。図示された実施形態では、器具10010は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成されたハンドル10014を備えるハウジング10012を含む。例えば図9で分かるように、器具10010は、1つ以上の外科的タスク又は処置を行うように構成された、動作可能に連結されている外科用エンドエフェクタ10300を有する、シャフトアセンブリ10200を含む。1つの構成では、シャフトアセンブリ10200は、本明細書に開示される様々な方法でハンドルアセンブリ10014に取り外し可能に連結可能であることが意図される、交換式シャフトアセンブリを備える。しかしながら、シャフトアセンブリ10200はまた、ハンドル10014から取り外されることを意図しない専用のシャフトアセンブリを備えてもよい。シャフトアセンブリ10200の機能及び動作を理解するために必要なこれらの特定の構成要素についてのみ、以下で更に詳細に論じる。
【0075】
例えば図9で分かるように、外科用エンドエフェクタ10300は、ステープルカートリッジ10400を中で動作可能に支持するように構成された細長いチャネル10310を含む。エンドエフェクタ10300は、細長チャンネル10310に対して枢動可能に支持されるアンビル10500も含む。1つの構成では、例えば、アンビル10500は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第16/105,101号、発明の名称「METHOD FOR FABRICATING SURGICAL STAPLER ANVILS」に記載されている様々な製造技術を使用して製造され得る。シャフトアセンブリ10200は、長手方向シャフト軸LAを横断する関節運動軸AAを中心とした外科用エンドエフェクタ10300の関節運動を促進する、関節継手10250を更に含み得る。しかしながら、他のシャフトアセンブリが、関節運動可能でなくてもよい。図示された例では、シャフトアセンブリ10200は、ノズルアセンブリ10202から遠位に延在する近位外側シャフト管又は部材10210を備える。細長いチャネルの近位端10312は、近位外側シャフト管10120と同様のサイズであり、近位外側シャフト管10210の遠位端に連結されて関節継手10250を形成する管状部分10314を備える。関節継手10250は、二重枢動シャフトアセンブリ10252を含む。図11及び図12を参照されたい。様々な形態によれば、細長いチャネル10310の管状部分10314は、上部及び下部近位突出タング10316、10318を含む。図11を参照されたい。上部二重枢動リンク10320は、近位外側シャフト管10210上にある上部近位突出タング10316の上部ピンホール、及び上部遠位突出タング10212の上部遠位ピンホールにそれぞれ係合する、上向きに突出する遠位及び近位枢動ピンを含む。下部二重枢動リンク10322は、近位外側シャフト管10210内の下部近位突出タング10318の下部遠位ピンホール、及び下部遠位突出タング10214の下部近位ピンホールにそれぞれ係合する、下向きに突出する遠位及び近位枢動ピンを含む。図11を参照されたい。シャフトアセンブリ10200はまた、細長いチャネル10310の管状部分10314内に受容され、例えば溶接、接着剤、締結具などによってそこに取り付けられている挿入アセンブリ10330に枢動可能に連結された内部スパイン部材10230を含む。内部スパイン部材10230の近位端は、例えば、本明細書に開示される様々な方法で、ノズルアセンブリ10202内のシャーシ(図示せず)に回転可能に連結されてもよい。内部スパイン部材10230の遠位端は、内部スパイン部材10230に対する細長いチャネル10310の枢動移動を容易にするために、挿入アセンブリ10330にピン留めされてもよい。
【0076】
図示された例では、外科用エンドエフェクタ10300は関節運動システム10260により、関節運動軸AAを中心として選択的に関節運動可能である。1つの形態では、関節運動システム10260は、例えば、ノズルアセンブリ10202内で動作可能に支持される関節運動モータ10262を含む。図10を参照されたい。別の例では、関節運動モータ10262は、ハウジング10012又はハンドル10014又はロボットシステムの他の部分に動作可能に支持されてもよい。図10を参照すると、関節運動モータ10262は、近位関節運動ドライバ10268に取り付けられるか、ないしは別の方法で形成される駆動ギアラック10266と噛合係合している関節駆動ギア10264に連結されている。近位関節運動ドライバ10268の遠位端は、遠位関節運動リンク10270に枢動可能に連結される。図12で分かるように、オフセット取り付けラグ10272が、近位関節運動ドライバ10268の遠位端10271に形成されている。枢動穴がずれ取り付けラグ10272の中に形成され、遠位関節運動リンク10270の近位端10274に形成された近位リンクピン10276を、中に枢動可能に受容するように構成されている。遠位関節運動リンク10270の遠位端10278は、挿入アセンブリ10330上に形成されたチャネルピン10332を、内部に枢動可能に受容するように構成された枢動穴を含む。関節運動モータ10262の動作は、近位関節運動ドライバ10268の軸方向移動を引き起こす。近位関節運動ドライバ10268の軸移動により、関節運動が細長いチャネル10310に適用され、これによって、外科用エンドエフェクタ10300が内部スパイン部材10230に対して、関節運動軸AAを中心に関節移動する。他の関節運動システム及び構成を、本明細書に開示される様々な方法で使用してもよい。他の実施形態では、外科用エンドエフェクタは関節運動可能でなくてもよい。
【0077】
少なくとも1つの構成では、外科用エンドエフェクタ10300は、開始位置と終了位置との間で外科用エンドエフェクタ10300内で軸方向に移動可能な発射部材を含む。以下で更に詳細に説明するように、発射部材は、アンビル10500と、細長いチャネル10310内で動作可能に支持される外科用ステープルカートリッジ10400との間にクランプされた組織を切断するように構成されてもよい。1つの構成では、ステープルカートリッジ10400は、カートリッジ内で移動可能に支持される対応するドライバ上で動作可能に支持されている、外科用ステープル又は締結具の列を含む。発射部材が遠位側に駆動されると、発射部材は、ステープルカートリッジ内で支持されているスレッド又はカムアセンブリと協働し、このステープルカートリッジは、閉じたアンビルに向かう方向にドライバを前進させるように機能し、上面に支持されたステープル又は締結具がクランプした組織を貫通し、閉じたアンビルの下面との接触を形成させる。発射部材がその近位開始位置からエンドエフェクタ内の終了位置まで遠位に前進すると、アンビルを開放してエンドエフェクタから切断/ステープル留めされた組織を容易に取り出すことが可能な、その開始位置まで後退させてもよい。他の構成では、発射部材は、アンビルから係合解除されアンビルの開口を容易にすることが可能な終了位置に残されてもよい。
【0078】
少なくとも1つの構成において、外科用器具10010はまた、発射部材に回転駆動運動を加え、発射部材を開始位置と終了位置との間で駆動するように構成されている、発射システム10600を使用してもよい。図10に示される例では、発射システム10600は、例えば、ノズルアセンブリ10202内で動作可能に支持される発射モータ10602を含む。別の例では、発射モータ10602は、ハウジング又はハンドル又はロボットシステムの他の部分に動作可能に支持されてもよい。発射モータ10602は、回転発射駆動シャフト10610に取り付けられるか、ないしは別の方法で形成される従動ギア10606と噛合係合している発射駆動ギア10604に連結されている。図11及び図12で分かるように、発射駆動シャフト10610は、上記の方法で外科用エンドエフェクタ10300の関節運動を可能にするように可撓性であってもよい。
【0079】
図13は、外科用エンドエフェクタ10300で使用され得る回転駆動発射部材10620の1つの例を示す。図13で分かるように、発射部材10620は、ねじ山がなく、互いに離間しており、それらの間にねじ付き駆動ナット10630を受容する、2つの下向きに延在する中空取り付け部分10624を含む、本体部分10622を備える。ねじ付き駆動ナット10630は、回転発射駆動シャフト10610のねじ付き部分10612上に螺着されている。回転発射駆動シャフト10610の遠位端10614は、細長いチャネル内に収容され、回転発射駆動シャフト10610を内部に回転可能に支持するように構成されたベアリング(図示せず)内で回転可能に支持されるように構成されてもよい。駆動ナット10630は、細長いチャネルの底部の軸方向スロットを通って延在するようにサイズ決めされた垂直タブ部分10632を含む。2つの横方向に延在するチャネル係合フランジ10634は、ねじ付き駆動ナット10630上に形成され、細長いチャネルの底部を係合するように構成されている。加えて、2つの横方向に延在するアンビル係合タブ10626は、発射部材本体10622の上部に形成され、発射部材10620がエンドエフェクタ10300内で軸方向に移動されると、アンビル10500内に形成された対応するレッジと係合するように構成されている。この構成では、発射部材10620は、ステープルカートリッジ内に移動可能に格納されたカムアセンブリと動作可能に係合するように構成された、カムスレッド係合機構10628を含む。カムスレッド又はカムアセンブリ(図示せず)は、発射部材10620に取り付けられた組織切断部材又は組織切断機構を含んでもよい。発射部材10620は、未発射のステープルカートリッジ内に格納されてもよく、カートリッジが細長いチャネル内に動作可能に装着されたときにねじ付き駆動ナット10630上に設置されるように構成されている。しかしながら、様々な他の回転駆動発射部材構成が採用されてもよい。例えば、回転発射駆動シャフト上に永続的にねじ込まれた発射及び組織切断部材も使用され得る。様々な態様では、発射部材10620が外科用ステープルカートリッジ10400を通って遠位側に駆動されると、発射部材10620は、アンビル係合タブ10626のアンビル10500との係合、及びチャネル係合フランジ10634のチャネル10310との係合を介して、ステープルカートリッジ10400上のデッキ表面10402とアンビル10500上のステープル成形下面10502との間に所望の幅の組織間隙を維持する役割を果たし得る。図9を参照されたい。
【0080】
図10図21に示される例では、回転駆動発射システムに加えて、外科用器具10010はまた、回転閉鎖運動をアンビル10500に加えるように構成された回転駆動閉鎖システム10700も含む。図10で分かるように、例えば、1つの構成では、回転駆動閉鎖システム10700は、例えば、ノズルアセンブリ10202内で動作可能に支持される閉鎖モータ10702を備える。別の例では、閉鎖モータ10702は、ハウジング又はハンドル又はロボットシステムの他の部分に動作可能に支持されてもよい。閉鎖モータ10702は、回転閉鎖駆動シャフト10710に取り付けられるか、ないしは別の方法で形成される従動ギア10706と噛合係合している閉鎖駆動ギア10704に連結されている。図11及び図12で分かるように、閉鎖駆動シャフト10710は、上記の方法で外科用エンドエフェクタ10300の関節運動を可能にするように可撓性であってもよい。
【0081】
図示された例では、外科用エンドエフェクタ10300は、挿入アセンブリ10330の遠位挿入部分10334に枢動可能に取り付けられるように構成された近位に延在する取り付けタブ10510を含む、アンビル10500を含む。代替的な構成では、遠位挿入部分10334は、挿入アセンブリ10330から分離されてもよく、ないしは別の方法で、溶接、接着剤、締結具などによって細長いチャネル10310の近位端部分10312に取り付けられてもよい。更に他の構成では、遠位挿入部分10334は、細長いチャネル10310の一部を実際に備えてもよく、それと一体的に形成されてもよい。図示された構成では、アンビル取り付けタブ10510は遠位部分10512を含み、そこを通って横断スロット10514が延在し、遠位挿入部分10334内の横断スロット10336、並びに細長いチャネル10310の管状部分10314内のスロット10315と整列する。図18を参照されたい。アンビル取り付けタブ10510は、リベット10340によって細長いチャネル10310に枢動可能に取り付けられる。アンビル取り付けタブ10510、並びに遠位挿入部分10334は、リベット10340が動作する十分な程度の強度を提供するのに十分に堅牢であり、エンドエフェクタの中心線又は中間点の上に枢動取り付け点を配置する能力を提供し、それによって、発射部材構成要素及び回転駆動構成要素のための十分な空間が得られる。リベット10340の軌道形成により、アンビル取り付けタブ10510が細長いチャネル10310に枢動可能に締め付けられ、過剰な遊び又は移動を排除し(許容範囲の空間)、閉鎖荷重に対する抵抗のためリベット10340を完全又はほぼ完全剪断に置くように機能することができる。加えて、このような構成要素間の比較的広い接触はまた、アンビル取り付けタブ10510と細長いチャネル10310との間のねじれを防止又は最小化する働きをする場合がある。
【0082】
図14図15及び図17で分かるように、アンビル10500は細長いチャネル10310に非対称的に連結されている。換言すれば、アンビル10500が細長いチャネル10310に取り付けられている位置は、エンドエフェクタ中心線ECから横方向にオフセットされている。少なくとも1つの構成では、リベット10340は、直径0.05’’~0.1’’の中実コアリベットと、リベットシャンク10344の一方の端部上の軌道形成ヘッド10342と、リベットシャンク10344の他方の端部上の機械加工ヘッド10346と、を備える。1つの構成では、リベット10340が、アンビル取り付けタブ10510と細長いチャネル10310の対応する取り付け部分との間の密接な接触を確実にする最終的に形成された高さを保持するような方法で、リベット打ちが行われる。「軌道形成」ヘッド10342は、アンビル取り付けタブ10510及び細長いチャネル部分側でリベットシャンク10344を膨張させて、リベットがこの部分に対して回転することを阻止し、一方、他の「事前に機械加工された」側10346は膨張シャンク部分を有さず、隣接する構成要素が回転することを可能にし得る。1つの例では、リベット10340はチャネル部分に対して固定され、アンビルが挿入部及び細長いチャネルに対して自由に枢動する状態を回避する。
【0083】
図10図19に示される例は、アンビル10500に開放運動及び閉鎖運動を加えるように構成された回転作動閉鎖システム10700を用いる。1つの構成では、閉鎖システム10700は、共通の閉鎖軸CAを中心としてアンビル取り付けタブ10510に対して枢動移動するようにアンビル取り付けタブに枢動可能に連結される、閉鎖連結アセンブリ10716を含む。図19及び図20で分かるように、閉鎖駆動シャフト10710は、駆動ヨーク10720によって支持される駆動ナット10730を螺合可能に係合するように構成されたねじ付き駆動セグメント10714を備える。駆動ヨーク10720は、閉鎖駆動シャフト10710の通過を可能にするための、貫通したねじ無し穴10724を有する2つのヨークアーム10722を含む。駆動ナット10730は、閉鎖駆動シャフト10710のねじ付き駆動セグメント10714上に螺合し、ヨークアーム10722の間に受容される、貫通したねじ穴10732を有する。閉鎖リンク10740は、ピン10742によって駆動ヨーク10720と枢動可能に連結される。閉鎖リンク10740は、ピン10744によってアンビル取り付けタブ10510に枢動可能に取り付けられる(ピン留めされる)。図19を参照されたい。図19で分かるように、スペーサ部材10746は、閉鎖リンク10740とアンビル取り付けタブ10510の離間配置されたアーム10516との間の空間を埋めるために提供される。あるいは、閉鎖リンクは、その空間を埋めるような大きさ及び形状であってもよい。図19に更で分かるように、リテーナタブ10311は細長いチャネル10310内に形成され、駆動ヨーク10720を内部に摺動可能に受容するための軸方向トラフ10313を画定する。回転閉鎖駆動シャフト10710が第1の回転方向に回転すると、駆動ヨーク10720が遠位に移動し、閉鎖リンク10740がアンビル取り付けタブ10510を開放方向に引き寄せ、これによってアンビル10500を枢動軸PAを中心として開放位置に枢動させる。同様に、回転閉鎖駆動シャフト10710が第2の回転方向に回転すると、駆動ヨーク10720が近位に移動し、閉鎖リンク10740がアンビル取り付けタブ10510を閉鎖方向に押し、これによってアンビル10500を枢動軸PAを中心として閉鎖位置に枢動させる。様々な態様では、回転駆動閉鎖システム10700は、発射部材がステープルカートリッジを通って軸方向に駆動される際に、閉鎖システム10700がアンビルに付加的な閉鎖運動を加え続けるように、回転駆動発射システム10600の作動中に作動され得る。
【0084】
図22及び図23は、アンビル10500’のアンビル取り付けタブ10510’がエンドエフェクタ内で概ね中央に支持されている、代替的な閉鎖駆動構成を示す。アンビル取り付け部分10510’は、上記の方法で細長いチャネル10310’に枢動可能に連結され得る。この構成では、回転閉鎖駆動シャフト10710’は中空であり、内部に回転発射シャフト10610’を同心円状に支持する。回転閉鎖駆動シャフト10710’及び回転発射駆動シャフト10610’は、図23で分かるように、細長いチャネル10310’内に中央に配置される。回転発射駆動シャフト10610’は、回転閉鎖駆動シャフト10710’を通って回転可能に延在し、例えば、上記の方法で発射部材10620を螺合可能に駆動するように構成された遠位ねじ付き部分10612’を含む。
【0085】
図22及び図23に示される例は、アンビル10500’に開放運動及び閉鎖運動を加えるように構成された回転作動閉鎖連結アセンブリ10716’を用いる。1つの構成では、閉鎖連結アセンブリ10716’は、近位駆動ヨークアセンブリ10720’及び遠位駆動ヨークアセンブリ10750を備える。近位駆動ヨークアセンブリ10720’は、閉鎖駆動シャフト10710’の通過を可能にするための、貫通したねじ無し穴10724’を有する2つの離間配置されたヨークアーム10722’を含む。近位駆動ナット10730’は、離間配置されたヨークアーム10722’の間に受容され、回転閉鎖駆動シャフト10710’上の近位ねじ山セグメント10712’と螺合可能に係合するためのねじ穴を含む。近位駆動ヨークアセンブリ10720’は、アンビル取り付け部分10510’に枢動可能にピン留めされた近位閉鎖リンク10740’に枢動可能に連結される。遠位駆動ヨークアセンブリ10750’は、閉鎖駆動シャフト10710’の通過を可能にするための、貫通したねじ無し穴10754’を有する2つの離間配置されたヨークアーム10752’を含む。遠位駆動ナット10760’は、離間配置されたヨークアーム10752’の間に受容され、回転閉鎖駆動シャフト10710’上の遠位ねじ山セグメント10714’と螺合可能に係合するためのねじ穴を含む。近位ねじ付きセグメント10712’及び遠位ねじ付きセグメント10714’は、反対方向のねじ山である。遠位駆動ヨークアセンブリ10750は、アンビル取り付け部分10510’に枢動可能にピン留めされたU字形遠位閉鎖リンク10770に枢動可能に連結される。U字形遠位閉鎖リンク10770は、対称的な耐力構成を有する閉鎖連結アセンブリ10716’を提供する。回転閉鎖駆動シャフト10710’が第1の回転方向に回転すると、近位駆動ヨーク10720’及び遠位駆動ヨークアセンブリ10750は互いから離れる方向に軸方向に移動して、アンビル取り付けタブ10510’を開放方向に引き寄せ、これによってアンビル10500’を枢動軸PAを中心として開放位置に枢動させる。同様に、回転閉鎖駆動シャフト10710’が第2の回転方向に回転すると、近位駆動ヨーク10720’及び遠位駆動ヨークアセンブリ10750は互いに向かって移動して、アンビル取り付けタブ10510’を閉鎖方向に押し、これによってアンビル10500’を枢動軸PAを中心として閉鎖位置に枢動させる。このような構成は、アンビル10500’に概ねより高い閉鎖力を加えるように機能し得る。回転発射駆動シャフト10610’は、回転閉鎖駆動シャフト10710’に対して独立して回転可能であることが理解されるであろう。様々な態様では、回転駆動閉鎖システム10700は、発射部材がステープルカートリッジを通って軸方向に駆動される際に、閉鎖システム10700がアンビルに付加的な閉鎖運動を加え続けるように、回転駆動発射システム10600の作動中に作動され得る。
【0086】
図24図27は、アンビル10802のアンビル取り付けタブ10804がエンドエフェクタ10800内で中央に支持され、2つの回転閉鎖シャフト10830及び10840がアンビル10802に閉鎖運動を加えるために用いられる、閉鎖駆動構成を使用する別の外科用エンドエフェクタ10800を示す。この構成では、アンビル取り付けタブ10804の遠位部分10806は、細長いチャネル10310’’の遠位取り付け部分の直立壁10354内の枢動クレードル10356に枢動可能に揺れるように適合された、一対の横方向に延在する枢動部材10808を含む。図27を参照されたい。したがって、枢動部材10808は、対応する枢動クレードル10356内で垂直方向に移動可能又は「浮動可能」である。この構成では、回転発射駆動シャフト10610(図26)は、回転閉鎖駆動シャフト10710の上方に垂直に支持される(図24及び図25)。図示された例では、回転発射駆動シャフト10610は、本明細書に記載される様々な方法で細長いチャネル10310’’内で回転可能に支持される遠位発射駆動シャフト10613上の従動ギア(図示せず)と駆動係合するように構成された発射駆動ギア10611を含む。図27を参照されたい。発射部材駆動ナット10630は、遠位発射駆動シャフト10613上に螺着され、回転発射駆動シャフト10610が本明細書に記載される方法で回転するとき、エンドエフェクタ10800内で発射部材10620を駆動するように機能する。
【0087】
図24及び図25で分かるように、回転閉鎖駆動シャフト10710は、右遠位閉鎖シャフト10830と左遠位閉鎖シャフト10840との間に中央に配設された閉鎖駆動ギア10715を含む。右遠位閉鎖シャフト10830は、閉鎖駆動ギア10715と噛合係合している右従動ギア10832を含み、左遠位閉鎖シャフト10840は、これも閉鎖駆動ギア10715と噛合係合している左従動ギア10842を含む。回転閉鎖駆動シャフト10710の回転の結果、右遠位閉鎖シャフト10830が第1の回転方向に回転し、左遠位閉鎖シャフト10840が第2の回転方向に回転する。
【0088】
図24図26に示される例は、アンビル10802に開放運動及び閉鎖運動を加えるように構成された回転作動右閉鎖連結アセンブリ10850及び回転作動左閉鎖連結アセンブリ10860を用いる。1つの構成では、右閉鎖連結アセンブリ10850は、右遠位閉鎖シャフト10830上に螺着され、アンビル取り付けタブ10804に取り付けられた右閉鎖リンク10854に連結される、近位駆動ナットアセンブリ10852を備える。同様に、左閉鎖連結アセンブリ10860は、左遠位閉鎖シャフト10840上に螺着され、アンビル取り付けタブ10804に取り付けられた左閉鎖リンク10864に連結される、左駆動ナットアセンブリ10862を備える。1つの構成では、右遠位閉鎖シャフト10830及び左遠位閉鎖シャフト10840の直径Dは、約0.078’’であってもよい。図26を参照されたい。右駆動ナットアセンブリ10852と左駆動ナットアセンブリ10862との間の空隙「E」は、約0.093’’であってもよく、チャネル10310’’の幅「W」は、約0.256’’であってもよい。しかしながら、エンドエフェクタ構成要素の他のサイズ及び形状が採用されてもよい。回転閉鎖駆動シャフト10710が第1の回転方向に回転すると、右駆動ナットアセンブリ10852及び左駆動ナットアセンブリ10862は同調して移動し、釣り合いが取れた均一な方法でアンビル10802を開放させる。回転閉鎖駆動シャフト10710が第2の回転方向に回転すると、右駆動ナットアセンブリ10852及び左駆動ナットアセンブリ10862は同調して移動し、釣り合いが取れた均一な方法でアンビル10802を閉鎖させて、アンビル10802が枢動的に閉鎖する際にアンビル10802にねじりモーメントを少なくする。
【0089】
図24及び図25でも分かるように、アンビル取り付けタブ10804は、ドーム形又は遠位球面部分10809を含む。閉鎖リング10811(図27)は、遠位球面部分10809上で移動可能に軸支される。アンビル10802が右閉鎖連結アセンブリ10850及び左閉鎖連結アセンブリ10860によって閉鎖位置へと枢動すると、閉鎖リング10811は、アンビル10802を細長いチャネル10310’’に拘束する働きをする。図24は、閉鎖位置にあるアンビル10802を示す。図24で分かるように、リンク10854及び10864は、エンドエフェクタ軸ECに対してほぼ垂直(直角)である。このような構成は、アンビル10802を閉鎖位置に保持するための最大モーメントアームMAを確立する。図25は、解放位置にあるアンビルアセンブリ10802を示す。例えば、アンビル10802は、図示されるように水平から約20°の角度で上向きに枢動される。その位置にあるとき、リンク10854及び10864はほぼ水平(互いに対して)であり、アンビルが閉鎖位置に移動したときに確立されたものよりも少ない閉鎖力の適用をもたらす。1つの構成では、リンク10854及び10864は、例えば、約0.150’’の長さLを有し得る。様々な態様では、回転駆動閉鎖システム10700は、発射部材がステープルカートリッジを通って軸方向に駆動される際に、閉鎖システム10700がアンビルに付加的な閉鎖運動を加え続けるように、回転駆動発射システム10600の作動中に作動され得る。
【0090】
図28図31は、アンビル10802のアンビル取り付けタブ10804’もまたエンドエフェクタ10800’内で中央に支持され、2つの回転閉鎖シャフト10830及び10840がアンビル10802’に閉鎖運動を加えるために用いられる、閉鎖駆動構成を使用する別の外科用エンドエフェクタ10800’を示す。図29を参照されたい。1つの構成では、例えば、アンビル10802’は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第16/105,101号、発明の名称「METHOD FOR FABRICATING SURGICAL STAPLER ANVILS」に記載されている様々な製造技術を使用して製造され得る。この構成では、アンビル取り付けタブ10804’の遠位部分10806’は、細長いチャネル10310’’の遠位取り付け部分10352’’の直立壁10354’’内の枢動クレードル10356’’に枢動可能に揺れるように適合された、一対の横方向に延在する枢動部材10808’を含む。図30及び図31を参照されたい。したがって、枢動部材10808’は、対応する枢動クレードル10356’’内で垂直方向に移動可能又は「浮動可能」である。この構成では、回転発射駆動シャフト10610(図26に示されるものと同様)は、細長いシャフトの回転閉鎖駆動シャフト10710の上方に垂直に支持される(図24及び図25)。上述したように、図示された例では、回転発射駆動シャフト(図示せず)は、本明細書に記載される様々な方法で細長いチャネル10310’’内で回転可能に支持される遠位発射駆動シャフト10613’上の従動ギア(図示せず)と駆動係合するように構成された発射駆動ギア(図示せず)を含む。図28及び図29を参照されたい。遠位発射駆動シャフト10613’は、回転発射駆動シャフト及び遠位発射駆動シャフト10613’が本明細書に記載される方法で回転するときに、エンドエフェクタ10800’内の発射部材10620’を螺合可能に駆動するように構成されている。
【0091】
上述したように、回転閉鎖駆動シャフト10710は、右遠位閉鎖シャフト10830と左遠位閉鎖シャフト10840との間に中央に配設された閉鎖駆動ギア10715を含む。図29図31を参照されたい。右遠位閉鎖シャフト10830は、閉鎖駆動ギア10715と噛合係合している右従動ギアを含み、左遠位閉鎖シャフト10840は、これも閉鎖駆動ギア10715と噛合係合している左従動ギア10842を含む。回転閉鎖駆動シャフト10710の回転の結果、右遠位閉鎖シャフト10830が第1の回転方向に回転し、左遠位閉鎖シャフト10840が第2の回転方向に回転する。図30及び図31に示される例は、アンビル10802’に開放運動及び閉鎖運動を加えるように構成された回転作動右閉鎖連結アセンブリ10850及び回転作動左閉鎖連結アセンブリ10860を用いる。1つの構成では、右閉鎖連結アセンブリ10850は、右遠位閉鎖シャフト10830上に螺着され、アンビル取り付けタブ10804’に取り付けられた右閉鎖リンク10854に連結される、近位駆動ナットアセンブリ10852を備える。同様に、左閉鎖連結アセンブリ10860は、左遠位閉鎖シャフト10840上に螺着され、アンビル取り付けタブ10804’に取り付けられた左閉鎖リンク10864に連結される、左駆動ナットアセンブリ10862を備える。回転閉鎖駆動シャフト10710が第1の回転方向に回転すると、右駆動ナットアセンブリ10852及び左駆動ナットアセンブリ10862は同調して移動し、釣り合いが取れた均一な方法でアンビル10802’を開放させる。回転閉鎖駆動シャフト10710が第2の回転方向に回転すると、右駆動ナットアセンブリ10852及び左駆動ナットアセンブリ10862は同調して移動し、釣り合いが取れた均一な方法でアンビル10802’を閉鎖させて、アンビル10802’が枢動的に閉鎖する際にアンビル10802’にねじりモーメントを少なくする。
【0092】
図30図32で分かるように、アンビル取り付けタブ10804’は、ドーム形又は球形の遠位表面部分10809’を含む。閉鎖リング10811’は、遠位球面部分10809’上で移動可能に軸支される。アンビル10802’が右閉鎖連結アセンブリ10850及び左閉鎖連結アセンブリ10860によって閉鎖位置へと枢動すると、閉鎖リング10811’は、アンビル10802を細長いチャネル10310’’に拘束する働きをする。図示された例では、枢動ばね10813’がクレードル10356’’のそれぞれに設置され、ピボット部材10808’をそれぞれのクレードル10356’’内で上方に付勢する役割を果たす。少なくとも1つの構成において、球面部分10809’の遠位部分は、アンビル10802’が更に開いて枢動することを可能にするための閉鎖リング10811’に対して更なる隙間を提供する浅いノッチ領域10815’を備え、例えば、アンビル10802’の下面10803’は、チャネル10310’’内に設置した外科用ステープルカートリッジのデッキ表面から少なくとも20°(角度A)である。図30を参照されたい。例えば、枢動部材10808’の中心と球面10809’との間の半径方向距離は、図30及び図31において「r」と指定される。枢動部材10808’の中心線からノッチ領域10815’までの半径方向距離は、「r’」と指定され、r’>rである。
【0093】
図30は、開放位置にあるアンビル10802を示す。図30で分かるように、閉鎖リング10811’は、枢動部材10808’とほぼ軸方向に整列され、ピボット部材10808’をそれぞれのクレードル10356’’の底部内に駆動し、枢動ばね10813’をその中で圧縮する役割を果たす。図31は、閉鎖位置にあるアンビル10802’を示し、閉鎖リング10811’は枢動部材10808’からわずかに近位方向かつ軸方向にオフセットされており、枢動ばね10813’が枢動部材10808’をそれぞれのクレードル10356’’内で上方に付勢することを可能にする。
【0094】
これらの実施形態における閉鎖リングは、対応するアンビル及び細長いチャネル部分を本質的に取り囲む。所望の開口アパーチャ又は角度へのアンビルの開放を容易にするために、閉鎖リングは、遠位位置にばね付勢されている間に、近位から遠位に少量(例えば、0.0’’~0.1’’)移動させることができる。リングは、閉鎖を誘導しないが、単にアンビル及びチャネルの垂直移動を拘束し、2つの構成要素間で枢動運動が生じることを可能にする。そのような構成は、特にアンビル取り付け領域においてより厚いアンビルの使用を容易にし、アンビルの強度及び信頼性を向上させることができる。この構成により、ジョー(アンビル及びチャネル)が、枢動位置から近位のアンビルのモーメントアーム状態を改善するように枢動し、エンドエフェクタの開放をより大きな開放角度にすることを更に可能にし得る。様々な態様では、回転駆動閉鎖システム10700は、発射部材がステープルカートリッジを通って軸方向に駆動される際に、閉鎖システム10700がアンビルに付加的な閉鎖運動を加え続けるように、回転駆動発射システム10600の作動中に作動され得る。
【0095】
図33図35は、アンビル10920をその細長いチャネル10910に対して開閉するための代替的な閉鎖駆動構成を用いる別のエンドエフェクタ10900を示す。アンビル10920は、アンビル10920の中心線に沿って近位方向に突出し、本明細書に開示される様々な方法で細長いチャネル10910の近位端10912に枢動可能に連結される、アンビル取り付けタブ10922を含む。1つの構成では、例えば、アンビル10920は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第16/105,101号、発明の名称「METHOD FOR FABRICATING SURGICAL STAPLER ANVILS」に記載されている様々な製造技術を使用して製造され得る。この構成では、回転閉鎖駆動シャフト10710’は中空であり、内部に回転発射駆動シャフト10610’を同心円状に支持する。回転閉鎖駆動シャフト10710’及び回転発射駆動シャフト10610’は、図33で分かるように、細長いチャネル10910内に中央に配置される。回転発射駆動シャフト10610’は、回転閉鎖駆動シャフト10710’を通って回転可能に延在し、例えば、上記の方法で発射部材10620を螺合可能に駆動するように構成された遠位ねじ付き部分10612’を含む。
【0096】
図33を参照すると、閉鎖シャトル10940は、細長いチャネル10910内で軸方向に移動するように支持されている。閉鎖シャトル10940は、ねじ付き閉鎖駆動シャフト10710’上で螺合可能に軸支され、その結果、ねじ付き閉鎖駆動シャフト10710’が第1の方向に回転すると、閉鎖シャトル10940が遠位方向に移動し、ねじ付き閉鎖駆動シャフト10710’が第2の回転方向に回転すると、閉鎖シャトル10940が細長いチャネル10910内で近位方向に移動する。図33で分かるように、右閉鎖リンク10950及び左閉鎖リンク10960は、アンビル取り付けタブ10922に枢動可能に連結されている。右閉鎖リンク10950はまた、閉鎖シャトル10940の対応する右作動ノッチ10942内に受容される作動端部10952を含み、左閉鎖リンク10960は、閉鎖シャトル10940の対応する左作動ノッチ10944内に受容される作動端部10962を含む。また、図示された構成では、右閉鎖リンク10950の作動端部10952に右駆動ノッチ10954が設けられ、左閉鎖リンク10960の作動端10962に左駆動ノッチ10964が設けられている。駆動ノッチ10954、10964は、作動ノッチ10942、10944をそれぞれ駆動的に係合するように構成されている。
【0097】
図33及び図35は、最近位の後退位置にある閉鎖シャトル10940を示す。その位置にあるとき、右閉鎖リンク10950及び左閉鎖リンク10960は、アンビル取り付けタブ10922を押し上げ、アンビル10920を枢動軸PAを中心として閉鎖位置に枢動させる。閉鎖シャトル10940がその最遠位の延在位置に移動されると、右閉鎖リンク10950及び左閉鎖リンク10960は、アンビルタブ10922を下方に引き、アンビル10920を図34に示すように開放位置に枢動させる。図36は、外科用エンドエフェクタ10900の様々な構成要素のいくつかの例示的な寸法を示す。1つの構成では、例えば、全高「H」は、約0.500’’であってもよい。アンビル高さ「AH」は、約0.120’’であってもよい。リベット通路は、約0.070’’の直径「PD」を有してもよく、ベース高さ「BH」は、例えば約0.310’’であってもよい。図37を参照すると、中空閉鎖駆動シャフト10710’は、約0.100’’の内径「ID」、及び約0.129’’のねじ無し外径「UTD」、及び約0.164’’のねじ付き外径「TD」を有し得る。発射駆動シャフト10610’は、例えば、約0.0668’’のねじ無し直径「UTD’」及び約0.0854’’のねじ付き外径「TD’」を有し得る。他の直径、構成要素のサイズ及び寸法もまた使用されてもよい。
【0098】
図38及び図39は、代替的な閉鎖リンク構成を採用するエンドエフェクタ10900’の図式図である。これらの図で分かるように、遠位閉鎖リンク(又はリンク)10970は、アンビル10920’及び細長いチャネル10910’に枢動可能にピン留めされるか、ないしは別の方法で枢動可能に連結される。加えて、近位閉鎖リンク10972は、アンビル取り付けタブ部分10922’に取り付けられ、細長いチャネル10910’内の対応する軸方向スロット10911’又は閉鎖シャトル若しくは、アンビル10920’の開放位置に対応する第1の位置(図38)とアンビル10920’の閉鎖位置に対応する第2の位置(図39)との間で近位閉鎖リンク10972を移動するように構成されている他の部材(図示せず)内に受容される対応するピン10974を介して、摺動可能に連結される。
【0099】
図40及び図41は、代替的な閉鎖リンク構成を採用するエンドエフェクタ10900’の図式図である。これらの図で分かるように、アンビル10920’’の近位端部分10923’’は、近位取り付けリンク10980によって細長いチャネル10910’’に枢動可能に連結される。近位取り付けリンク10980(図には1つのみが示されている)は、下部枢動軸LPAを中心として、それに対して枢動移動するように、細長いチャネル10910’’に枢動可能に取り付けられる。近位取り付けリンク10980はまた、アンビル枢動軸APAを中心として近位端10923’’に対して枢動移動するように近位端に枢動可能に連結される。エンドエフェクタ10900’’は、少なくとも1つの遠位リンク10984及び1つの近位リンク10986を備える閉鎖連結アセンブリ10982を更に含む。他の構成では、閉鎖連結アセンブリ10982は、一対の遠位リンク10984(細長いチャネルの各側に1つ)と、一対の近位リンク10986(細長いチャネルの各側に1つ)を備える。遠位リンク10984は、アンビル枢動軸APAを中心にして、並びに対応する近位リンク10986に対して枢動移動するためにアンビル10920’’に取り付けられる。近位リンクの他方の端部は、細長いチャネル10910’’に枢動可能に取り付けられる。閉鎖連結アセンブリ10982は、細長いチャネル又は閉鎖シャトル若しくは、アンビル10920’’の開放位置に対応する第1の位置(図40)とアンビル10920’’の閉鎖位置に対応する第2の位置(図41)との間でピン10988を移動するように構成されている他の部材(図示せず)内のいずれかで、軸方向に移動するように拘束されたスライダピン10988によって作動される。示されるように、閉鎖連結アセンブリ10982は、リンクの複合セットを含み得る。このような構成は、第2の連結機構に対する1つの連結機構の回転を制限する相互作用面を有し得る。このようにして、アンビル10920’’が所定の速度の角回転で閉鎖すると、第1及び第2の閉鎖速度を同様に誘導し、アンビルを閉じるための異なる機械的利点を確立することができる。例えば、閉鎖アクチュエータの閉鎖ストロークの初期部分に対して高速での閉鎖を最初に用いてもよく、その後、閉鎖ストロークの残りの部分の間により遅い速度での閉鎖を用いてもよく、これにより、アンビルへの閉鎖力の増加がもたらされ得る。
【0100】
図42及び図43は、代替的な閉鎖リンク構成を採用するエンドエフェクタ10900’’’の図式図である。これらの図で分かるように、アンビル10920’’’の近位端部分10923’’’である端部は、近位取り付けリンク10980によって細長いチャネル10910’’’に枢動可能に連結される。近位取り付けリンク10980(図には1つのみが示されている)は、下部枢動軸LPAを中心として、それに対して枢動移動するように、細長いチャネル10910’’’に枢動可能に取り付けられる。近位取り付けリンク10980はまた、アンビル枢動軸APAを中心として近位端10923’’’に対して枢動移動するように近位端に枢動可能に連結される。エンドエフェクタ10900’’’は、少なくとも1つの遠位リンク10992及び1つの近位リンク10994を備える閉鎖連結アセンブリ10990を更に含む。他の構成では、閉鎖連結アセンブリ10990は、一対の遠位リンク10992(細長いチャネルの各側に1つ)と、一対の近位リンク10994(細長いチャネルの各側に1つ)を備える。遠位リンク10992は、アンビル枢動軸APAを中心にして、並びに対応する近位リンク10994に対して枢動移動するためにアンビル10920’’’に取り付けられる。近位リンクの他方の端部は、細長いチャネル10910’’’に枢動可能に取り付けられる。閉鎖連結アセンブリ10990は、細長いチャネル又は閉鎖シャトル若しくは、アンビルの開放位置に対応する第1の位置(図42)とアンビルの閉鎖位置に対応する第2の位置(図43)との間でピン10988を移動するように構成されている他の部材(図示せず)の対応するスロット内のいずれかで、軸方向に移動するように拘束されたスライダピン10988によって作動される。スライダピン10988は、近位リンク10994に連結されている。開放状態では、スライダピン10988は最遠位位置にある(図42)。アンビル10920’’’を閉じるために、スライダピン10988は、近位方向に移動され、近位閉鎖リンク10994を図43に示す位置まで引き、ここで、遠位閉鎖リンク10992は中心上に飛び出してアンビル10920’’’を閉鎖状態に保持する。閉鎖中の力ベクトルは、近位閉鎖リンク及び遠位閉鎖リンクによって圧縮状態で提供され、それによって、閉鎖中にエンドエフェクタ内にクランプされた組織によって生じる負荷に抵抗する。
【0101】
次に図44図52に移ると、外科用ステープルカートリッジ(図示せず)を内部に動作可能に支持するように構成された細長いチャネル11010上で枢動可能に支持されるアンビル11100を含む、別の外科用エンドエフェクタ11000が示されている。この構成はまた、アンビル及び細長いチャネル内に2つの回転作動シャフトも使用し、1つは閉鎖用(すなわち、アンビル及び細長いチャネルを開放位置と閉鎖位置との間で移動させる)であり、もう1つは発射用(すなわち、発射部材を軸方向に移動させる)である。図示された例では、アンビル11100は、細長いアンビル本体11110及びアンビル取り付け部分11140を含む。1つの構成では、例えば、アンビル11100は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第16/105,101号、発明の名称「METHOD FOR FABRICATING SURGICAL STAPLER ANVILS」に記載されている様々な製造技術を使用して製造され得る。一対のアンビルトラニオン11142は、アンビル取り付け部分11140から横方向に突出する。各アンビルトラニオンは、細長いチャネル11010の近位端部分11012の対応する直立壁11014に形成された対応するトラニオンクレードル11016内に枢動可能に支持されている。図44を参照されたい。細長いチャネル11010の近位端部分11012は、例えば、エンドエフェクタ11000の関節運動を容易にするために、本明細書に記載されるタイプの外科用器具10010の細長いシャフトアセンブリ10200に枢動可能に連結されてもよい。他の構成では、細長いチャネル11010は関節運動可能でなくてもよい。アンビルトラニオン11142は、構造及び動作について上述したチャネルキャップ又はアンビルリテーナ1290と類似し得るアンビルリテーナ(図示せず)によって、それらの対応するトラニオンクレードル11016内に保持されてもよい。
【0102】
図示された例では、外科用エンドエフェクタ11000は、それぞれ独立して制御され、軸方向に移動可能である、アンビル閉鎖部材11200及び発射部材11300を含む。図47は、使用可能な閉鎖部材11200の1つの形態を示す。図47で分かるように、閉鎖部材11200は、そこから横方向に突出する2つの底部チャネルタブ10204を有する、垂直方向に延在する閉鎖本体11202を含む。閉鎖本体11202の一部は、細長いチャネル11010の底面11018内のスロット11019を通って延在するように構成され、チャネルタブ11204は、チャネル11010の底部と摺動可能に係合するように横方向外側に延在する。同様に、一対のアンビル係合タブ11206は、閉鎖本体11202の頂部から横方向に突出して、アンビル11100と摺動可能に係合する。閉鎖本体11202は、本明細書に記載される様々な方法で閉鎖部材11200を軸方向に駆動するために、回転可能な閉鎖駆動シャフト10710のねじ付き部分10712と螺合可能に係合するためのねじ付き貫通穴11208を含む。
【0103】
上記のように、外科用エンドエフェクタ11000は、軸方向に移動可能な発射部材11300を更に含む。図48は、使用可能な発射部材11300の1つの形態を示す。図48で分かるように、発射部材11300は、組織切断面11303、並びに本体から横方向に突出する2つの底部チャネルタブ11304を有する、垂直方向に延在する発射部材本体11302を含む。発射部材本体11302の一部は、細長いチャネル11010の底面11018内のスロット11019を通って延在するように構成され、チャネルタブ11304は、チャネル11010の底部と摺動可能に係合するように横方向外側に延在する。図45を参照されたい。同様に、一対のアンビル係合タブ11306は、発射部材本体11302の頂部から横方向に突出して、アンビル11100と摺動可能に係合する。発射部材本体11302は、上述の発射駆動シャフト10610などの回転可能な発射駆動シャフトのねじ付き部分と螺合可能に係合するためのねじ付き貫通穴11308を含む。遠位発射シャフト10610は、閉鎖本体11202内のねじ無しクリアランス孔11210を通過する。図47を参照されたい。発射駆動シャフト10610は、細長いチャネル11010を軸方向に下方に延在し、ベアリング(図示せず)又は他の構成によってその遠位端部分に回転可能に支持される。同様に、閉鎖駆動シャフト10710は、細長いチャネル11010を軸方向に下方に延在し、ベアリング(図示せず)又は他の構成によってその遠位端部分に回転可能に支持されてもよい。したがって、発射部材本体11302は同様に、閉鎖駆動シャフト10710を収容するために、その中を通るねじ無しクリアランス孔11310を有する。このような構成では、閉鎖駆動シャフト10710及び発射駆動シャフト10610は、それらが独立して回転可能であり得るように、垂直方向の積み重ね配置で支持されてもよいことが理解されるであろう。
【0104】
図46は、アンビル11100の1つの形態を示し、その一部が断面図で示されている。アンビル取り付け部分11140は、閉鎖部材11200がアンビル11100の開放位置に対応する最近位位置にあるときに閉鎖部材11200を内部に収容するための開口部11146を画定するように働く、中央交差ブレース11144を含む。図46で分かるように、アンビル本体11110は、発射部材本体11302及び閉鎖本体11202を内部に収容するための細長いスロット11112を画定する。発射部材11300は、閉鎖部材11200の遠位側に位置する。発射部材11302上のアンビル係合タブ11306は、スロット11112の両側に形成された対応する第1の又は下部レッジ11114と摺動可能に係合するように構成されている。図49及び図50で分かるように、下部レッジ11114は、アンビルがその開放位置に枢動されるときに、発射部材11300上のアンビル係合タブ11306を収容するために、それらの近位端においてわずかに下方に先細になっている。閉鎖部材11200上のアンビル係合タブ11206は、スロット11112の両側に形成された対応する第2の又は上部レッジ11116と摺動可能に係合するように構成されている。図46を参照されたい。アンビル11100を開放するために、閉鎖駆動シャフトを回転させて、閉鎖部材11200を近位側にその最近位位置へと螺合可能に駆動する(図49)。閉鎖部材11200がその最近位位置にあるとき、その上部にあるアンビル係合タブ11206は、アンビル11100に枢動開放運動を適用してアンビルを枢動して開放する。発射部材11300は、発射部材11300のアンビル係合タブ11306がアンビル11100に閉鎖運動を適用しないように、その開始位置にある。
【0105】
アンビル11100を閉じるために、閉鎖駆動シャフト10710は反対方向に回転され、閉鎖部材11200を閉鎖位置へと遠位に前進させる。発射駆動シャフト10610はまた同時に回転し、発射部材11300を開始位置へと遠位に前進させてもよい。閉鎖部材11200及び発射部材11300がそれらの位置にあるとき、アンビル11100は閉鎖され、発射部材11300は発射される準備が整う。したがって、未使用の外科用ステープルカートリッジが細長いチャネル11010内で最初に動作可能に支持され、エンドエフェクタ11000が、ステープルカートリッジとアンビルとの間に標的組織を捕捉するように操作されたとすると、ユーザーは、エンドエフェクタの発射準備のため、上記の方法でアンビル11100を組織上に閉鎖できる。この閉鎖プロセスの間、発射駆動シャフト10610を回転させて、発射部材11300をクランプされた組織内に遠位方向に駆動して、組織を切断し、ステープルカートリッジ内に格納されたステープルを切断部の両側の切断組織内に形成させる。このプロセスの間、閉鎖部材11200はまた、アンビル11100及び細長いチャネル11010に付加的な閉鎖運動を加えるように遠位に駆動されてもよい。発射部材11300が経験する抵抗の量に応じて、例えば、閉鎖部材11200を、発射部材11300が停止した後、再び動かして前進させることができる。閉鎖部材11200は、発射部材の遠位前進速度とは異なる速度で遠位に前進され得る。閉鎖部材11200と発射部材11300との間の距離Dは、発射プロセス中に経験される負荷を均衡させるように制御され得る。図52を参照されたい。例えば、ユーザーが発射部材11300によって経験される垂直負荷量の減少を望む場合、閉鎖部材11200は、前進中に発射部材11300に近づくように移動され得る。発射部材11300が経験する垂直負荷は、発射部材11300と閉鎖部材11200との間の距離を増加させることによって増加され得る。
【0106】
図47及び図48に戻ると、閉鎖部材11200上のアンビル係合タブ11206の厚さtは、発射部材11300上のアンビル係合タブ11306の厚さtよりも大きい。1つの構成では、閉鎖部材11200上のアンビル係合タブ11206の長さLは、発射部材11300上のアンビル係合タブ11306の長さLよりわずかに短い。同様に、閉鎖部材11200上のチャネルタブ11204の厚さtは、発射部材11300上のチャネルタブ11304の厚さtよりも大きい。1つの構成では、閉鎖部材11200上のチャネルタブ11204の長さLは、発射部材11300上のチャネルタブ11304の長さLよりも短い。両方の場合において、ねじ穴11208、11308の直径dは、ねじ無し貫通穴11210、11310の直径dよりも大きくてもよい。加えて、アンビル係合タブ11206、11306とそれらの対応するアンビルレッジ及びチャネルタブ11204、11304及びそれらの対応するチャネルレッジとの間の相対的迎え角は、変化してもよく、同じであっても異なっていてもよい。1つの構成では、発射部材11300上のアンビル係合タブ11306は、閉鎖部材11200上のアンビル係合タブ11206の迎え角よりも、対応するアンビルレッジに対してわずかに高い迎え角で配置される。1つの構成では、チャネルタブ11204及び11304は、細長いチャネル11010の底部に形成された同じレッジ上に乗る。図45を参照されたい。閉鎖部材11200及び発射部材11300は、より良好な発射効率のために、閉鎖部材がアンビル枢動部からのより大きなモーメントアームを収容するように設計されることを可能にし得る、別個の作用経路を有する。
【0107】
前述の構成を使用するときに経験され得る1つの利点は、閉鎖部材11200が発射部材11300から離れる方向に移動して、閉鎖中に相当な量の機械的利点を得ることである。閉鎖部材11200は、発射ストロークの完全な長さを移動させる必要はない。例えば、閉鎖部材11200がエンドエフェクタを約半分前進した場合、アンビル11100の相対的剛性により、発射部材11300が遭遇する負荷の量が低減されるであろう。発射システム構成要素及び閉鎖システム構成要素によって経験される負荷量を検出するためのセンサ(例えば、ひずみゲージなど)を用いる制御システム、並びにアルゴリズムを使用して、両方のシステムが遭遇する負荷を均衡させることができる。例えば、発射部材11300によって経験される垂直負荷の最大閾値は、その発射部材構成要素の幾何学的形状及び構成に基づいて、コントローラに設定され得る。負荷が閾値に近づくと、アルゴリズムは、より多くの負荷を吸収し、発射部材11300によって経験される負荷の量を低減するように、閉鎖部材11200を自動的に前進させることができる。様々な態様では、発射部材11300が外科用ステープルカートリッジを通って遠位側に駆動されると、発射部材11300は、アンビル係合タブ11306のアンビル11100との係合、及びチャネル係合タブ11304のチャネル11010との係合を介して、ステープルカートリッジ上のデッキ表面とアンビル11100上のステープル成形下面との間に所望の幅の組織間隙を維持する役割を果たし得る。外科用エンドエフェクタ11000の開閉に関連して、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第16/105,081号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A POWERED ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT」に開示されるものなどの、他の閉鎖制御方法もまた用いられてもよい。
【0108】
図53は、組織を切断及びステープル留めするために使用され得る外科用器具12000を示す。器具は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成されたハンドル12012を備えるハウジング12010を含む。例えば図53で分かるように、器具12000は、1つ以上の外科的タスク又は処置を行うように構成された、動作可能に連結されている外科用エンドエフェクタ12200を有する、シャフトアセンブリ12100を含む。シャフトアセンブリ12100は、本明細書に開示される様々な方法でハンドルアセンブリ12012に取り外し可能に連結可能であることが意図される、交換式シャフトアセンブリを備える。しかしながら、別の構成では、シャフトアセンブリ12100は、ハンドル12012から取り外されることを意図しない専用のシャフトアセンブリを備えてもよい。更に他の構成では、シャフトアセンブリ12100は、本明細書に開示される様々な方法で外科用エンドエフェクタを動作させるのに必要な回転動作運動を生成することができるロボットシステムに動作可能に連結されるか、又は動作可能に連動されてもよい。シャフトアセンブリ12100の機能及び動作を理解するために必要なこれらの特定の構成要素についてのみ、以下で更に詳細に論じる。
【0109】
示される例では、細長いシャフトアセンブリ12100は、長手方向シャフト軸LAを横断する関節運動軸AAを中心とした外科用エンドエフェクタ12200の関節運動を促進する、関節継手12120を更に含み得る。しかしながら、他のシャフトアセンブリが、関節運動可能でなくてもよい。示される例では、シャフトアセンブリ12100は、以下で更に詳細に説明するように、ノズルアセンブリ12014から遠位方向に延在する近位外側シャフト管又は部材12110を備え、外科用エンドエフェクタ12200は、エンドキャップ取り付け機構12400に動作可能に取り付けられている。1つの構成では、エンドキャップ取り付け機構12400は、近位外側シャフト管12110と同様のサイズであり、近位外側シャフト管12110の遠位端12112に連結されて関節継手12120を形成する管状形状本体12402を備える。シャフトアセンブリ12100はまた、エンドキャップ12400に枢動可能に連結された内部スパイン部材(図示せず)を含んでもよい。内部スパイン部材の近位端は、例えば、本明細書に開示される様々な方法で、ノズルアセンブリ12014内のシャーシ(図示せず)に回転可能に連結されてもよい。
【0110】
図示された例では、外科用エンドエフェクタ12200は関節運動システム12030により、関節運動軸AAを中心として選択的に関節運動可能である。1つの形態では、関節運動システム12030は、例えば、ノズルアセンブリ12014内で動作可能に支持される関節運動モータ12032を含む。図54を参照されたい。別の例では、作動モータは、ハウジング又はハンドル又はロボットシステムの他の部分に動作可能に支持されてもよい。図54を参照すると、関節運動モータ12032は、近位関節運動ドライバ12038に取り付けられるか、ないしは別の方法で形成される駆動ギアラック12036と噛合係合している関節駆動ギア12034に連結されている。近位関節運動ドライバ12038の遠位端は、関節継手にまたがり、エンドキャップ12400に連結される遠位関節運動リンク(図示せず)に枢動可能に連結されている。関節運動モータ12032の動作は、近位関節運動ドライバ12038の軸方向移動を引き起こす。近位関節運動ドライバ12038の軸移動により、そこに取り付けられた関節運動がエンドキャップ12400及び細長いチャネル12210に適用され、これによって、外科用エンドエフェクタ12200がシャフトアセンブリ12100に対して、関節運動軸AAを中心に関節移動する。他の関節運動システム及び構成は、本明細書に開示される様々な方法で利用されてよく、又は他の実施形態では、外科用エンドエフェクタは関節運動可能でなくてもよい。
【0111】
外科用エンドエフェクタ12200は、閉鎖システム12500によって開放構成と閉鎖構成との間で細長いチャネル12210に対して選択的に枢動可能なアンビル12300を更に含む。1つの構成では、例えば、アンビル12300は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第16/105,101号、発明の名称「METHOD FOR FABRICATING SURGICAL STAPLER ANVILS」に記載されている様々な製造技術を使用して製造され得る。少なくとも1つの構成では、外科用エンドエフェクタ12200はまた、開始位置と終了位置との間で外科用エンドエフェクタ12200内で軸方向に移動可能な発射部材12620も含む。図55を参照されたい。以下で更に詳細に説明するように、発射部材12620は、アンビル12300と、細長いチャネル12210内で動作可能に支持される外科用ステープルカートリッジ12700との間にクランプされた組織を切断するように構成されてもよい。1つの構成では、ステープルカートリッジ12700は、カートリッジ内で移動可能に支持される対応するドライバ(図示せず)上で動作可能に支持されている、外科用ステープル又は締結具(図示せず)の列を含む。発射部材12620が遠位側に駆動されると、発射部材12620は、ステープルカートリッジ12700内で支持されているスレッド又はカムアセンブリ(図示せず)と協働し、このステープルカートリッジは、閉じたアンビル12300に向かう方向にドライバをカム運動させるように機能し、上面に支持されたステープル又は締結具がクランプした組織を貫通し、閉じたアンビルの下面との接触を形成させる。発射部材12620がその近位開始位置からエンドエフェクタ12200内の終了位置まで遠位に前進すると、アンビル12300を開放してエンドエフェクタ12200から切断/ステープル留めされた組織を容易に取り出すことが可能な、その開始位置まで後退させてもよい。他の構成では、発射部材12620は、アンビルから係合解除されアンビルの開口を容易にすることが可能な終了位置に残されてもよい。
【0112】
少なくとも1つの構成において、外科用器具12000はまた、発射部材12620に回転駆動運動を加え、発射部材を開始位置と終了位置との間で駆動するように構成されている、発射システム12600を使用してもよい。図54に示される例では、発射システム12600は、例えば、ノズルアセンブリ12014内で動作可能に支持される発射モータ12602を含む。別の例では、発射モータ12602は、ハウジング又はハンドル又はロボットシステムの他の部分に動作可能に支持されてもよい。発射モータ12602は、回転発射駆動シャフト12610に取り付けられるか、ないしは別の方法で形成される従動ギア12606と噛合係合している発射駆動ギア12604に連結されている。発射駆動シャフト12610は、上記の方法で外科用エンドエフェクタ12200の関節運動を可能にするように可撓性であってもよい。図55で分かるように、発射部材12620は、ねじ山がなく、互いに離間しており、それらの間にねじ付き駆動ナット12630を受容する、2つの下向きに延在する中空取り付け部分12624を含む、本体部分12622を備える。ねじ付き駆動ナット12630は、回転発射駆動シャフト12610のねじ付き部分12612上に螺着されている。回転発射駆動シャフト12610の遠位端12614は、細長いチャネル内に収容され、回転発射駆動シャフト12610を内部に回転可能に支持するベアリング(図示せず)内で回転可能に支持されるように構成されてもよい。駆動ナット12630は、細長いチャネル12210の底面12211の軸方向スロット12216を通って延在するようにサイズ決めされた垂直タブ部分12632を含む。図62を参照されたい。2つの横方向に延在する保持フランジ12634は、垂直タブ部分12632上に形成されて、細長いチャネル12210の底面12211を摺動可能に係合する。加えて、2つの横方向に延在するアンビル係合タブ12628は、発射部材12620の本体部分12622の上部に形成され、発射部材12620がエンドエフェクタ内で軸方向に移動される際にアンビル12300を係合するように構成されている。ねじ付き駆動ナット12630は、回転発射駆動シャフト12610のねじ付き部分12612上に螺着されている。回転発射駆動シャフト12610の遠位端は、細長いチャネル12210内に収容され、回転発射駆動シャフト12610を内部に回転可能に支持するベアリング(図示せず)内で回転可能に支持されるように構成されてもよい。様々な態様では、発射部材12620が外科用ステープルカートリッジ12700を通って遠位側に駆動されると、発射部材12620は、アンビル係合タブ12628のアンビル12300との係合、及び横方向に延在する保持フランジ12634のチャネル12210との係合を介して、ステープルカートリッジ12700上のデッキ表面12702とアンビル12300上のステープル成形下面12307との間に所望の幅の組織間隙を維持する役割を果たし得る。図53を参照されたい。
【0113】
示される例では、回転駆動発射システム12600に加えて、外科用器具12000はまた、回転閉鎖運動をアンビル12300に加えるように構成された回転駆動閉鎖システム12500も含む。図54で分かるように、例えば、1つの構成では、回転駆動閉鎖システム12500は、例えば、ノズルアセンブリ12014内で動作可能に支持される閉鎖モータ12502を備える。別の例では、閉鎖モータ12502は、ハウジング又はハンドル又はロボットシステムの他の部分に動作可能に支持されてもよい。閉鎖モータ12502は、回転閉鎖駆動シャフト12510に取り付けられるか、ないしは別の方法で形成される従動ギア12506と噛合係合している閉鎖駆動ギア12504に連結されている。閉鎖駆動シャフト12510は、上記の方法で外科用エンドエフェクタ12200の関節運動を可能にするように可撓性であってもよい。
【0114】
図56で分かるように、アンビル12300は、エンドキャップ12400の対応する枢動ラグ部分12404に枢動可能に連結されるように構成された、近位に突出するアンビル取り付けタブ12310を含む。例えば、枢動ラグ部分12404は、エンドキャップ中心線ECLの第1の又は右側に形成され、アンビル取り付けタブ12310の対応するアンビル取り付け部分12312は、2つの構成要素が一緒に連結されたときにエンドキャップ中心線ECLに対応する(整列する)アンビル中心線ACLの第2の、又は左側に形成される。アンビル12300がエンドキャップ12400に移動可能に連結されるとき、アンビル中心線ACL及びエンドキャップ中心線ECLは、エンドエフェクタ軸又は、エンドエフェクタ12200の中心を通って軸方向に延在するエンドエフェクタ中心面ECPに沿って整列される。別の言い方をすれば、エンドエフェクタ中心面ECPはエンドエフェクタ12200を二分する。図60及び図61を参照されたい。1つの態様では、枢動ラグ部分12404は、アンビル取り付けタブ12310の中央部分12316上に形成された垂直方向に延在するアンビル取り付け面12317に摺動可能に直面するように適合された、垂直方向に延在する枢動ラグ取り付け面12405を備える。図56を更に参照すると、アンビル取り付けタブ12310の近位端12314は、中央部分12316より横方向に幅広である。アンビル12300がエンドキャップ12400に取り付けられると、アンビル取り付けタブ12310の近位端部分12314は、枢動ラグ部分12404及び枢動ラグ取り付け面12405、並びに、中央に配置されたエンドエフェクタ中心平面ECPに沿って互いに移動可能に直面する垂直方向に延在するアンビル取り付け面12317より近位にある。図60を参照されたい。図示された構成では、アンビル12300のアンビル本体部分12302の上面12303及びアンビル取り付けタブ12310のアンビル取り付け部分12312は、例えば、トロカールを通して外科用エンドエフェクタ及び細長いシャフトを容易に挿入しやすくするために、エンドキャップ12400の半径と一致する又は少なくともほぼ一致するように丸みを付けられる。
【0115】
1つの態様では、アンビル12300は、アンビル取り付けタブ12310のアンビル取り付け部分12312内の通路12360、及びエンドキャップ12400の枢動ラグ部分12404内の対応する通路12406を通って延在するリベット12370によって、エンドキャップ12400に枢動可能に連結される。少なくとも1つの構成では、リベット12370は、例えば0.05’’~0.1’’の直径を有するシャンク12372と、一方の端部が軌道形成ヘッド12374と、他方の端部に形成された機械加工された端部12376とを備える、中実コアリベットを含む。図57を参照されたい。リベット12370は、アンビル取り付け部分12312と枢動ラグ部分12404との間の密接な接触を確実にする最終形成高さを維持できるように装着されてもよい。軌道形成リベットヘッド12374は、アンビル12300又はエンドキャップ12400の側のリベットシャンク12372を膨張させてこれら構成要素に対するリベット12370の回転を阻止し、一方、機械加工された端部12376は、膨張したシャンクを有さず、リベット12370及び他の部分(アンビル取り付け部分12312又は枢動ラグ部分12404)に対する隣接する部分の回転を可能にする。図57に示される例では、アンビル取り付け部分12312に隣接するリベット12370の端部は、リベット12370の一部がアンビル取り付け部分12312に対して回転しないように軌道形成され、エンドキャップ12400を通って延在するリベット12370の一部は自由に回転して、アンビル12300の枢動ラグ部分12404に対する自由な枢動を可能にする。図57で分かるように、リベットシャンク12372は、そのような回転移動を容易にするようにサイズ決めされた、既定の最終形態長さRLを有する。また、図56で分かるように、1つの構成では、例えば、エンドキャップ12400は、約0.675’’の長さELを有してもよい。アンビル本体12302はまた、細長いチャネル12210内に設置されたステープルカートリッジ12700内の最近位のステープル又は締結具を越えて、クランプされた組織が近位に延在するのを防ぐように構成された、下方に延在する組織停止部材12305と共に形成されてもよい。図示された例では、組織停止部12305は、およそ0.400’’の停止長SLを有してもよく、各組織停止部12305の遠位端から通路12360の中心線までの距離PSDは、約0.500’’である。この距離は、最近位のステープル又は締結具から、それを中心としてアンビル12300がエンドキャップ12400に対して枢動する枢動軸PAまでの距離に相当し得る。
【0116】
図58で分かるように、一対のチャネル取り付けタブ12214は、細長いチャネル12210の近位端12212から突出する。チャネル取り付けタブ12214は、エンドキャップ12400の対応する溝12408内に設置するように構成されている。図60を参照されたい。タブ12214は、エンドキャップ12400に溶接、接着、ピン留めなどをされてもよい。
【0117】
ここで図55及び図59図61を参照すると、回転駆動閉鎖システム12500はまた、閉鎖駆動シャフト12510のねじ付き部分12512と螺合係合する軸方向に移動可能な閉鎖シャトル12520を備える。図示された構成では、閉鎖シャトル12520は、エンドキャップ12400の底部に形成された近位キャップスロット12410を通って延在するシャトルベース部分12522を備える。横方向フランジ12524は、シャトルベース部分12522の各側面から横方向に延在して、エンドキャップ12400の底部と摺動可能に係合する。図55を参照されたい。図55に更で分かるように、閉鎖駆動シャフト12510は中空であり、発射駆動シャフト12610が内部を通って同心状に延在することを可能にする。したがって、閉鎖駆動シャフト12510が第1の回転方向に回転すると、閉鎖シャトル12520を遠位に移動させ、閉鎖駆動シャフト12510が反対の回転方向に回転すると、閉鎖シャトル12520を近位方向に移動させる。
【0118】
図示された例では、閉鎖シャトル12520の軸方向移動は、枢動閉鎖連結アセンブリ12530によってアンビル12300に伝達される。1つの構成では、閉鎖連結アセンブリ12530は、アンビル取り付けタブ12310の近位端部分12314にそれぞれ枢動可能に取り付けられ、そこから懸架される第1の枢動アーム12540及び第2の枢動アーム12550を含む。図61で分かるように、例えば、第1の枢動アーム12540及び第2の枢動アーム12550は、それを中心に枢動アーム12540及び12550が枢動できる共通の近位枢動軸PPAを画定する枢動ピン12560によって、アンビル取り付けタブ12310の近位端部分12314に枢動可能に連結されてもよい。第1の枢動アーム12540は、第1の枢動アーム12540の残りの部分よりも広い第1の自由端12542を備え、閉鎖シャトルベース部分12522の第1の駆動溝12526内に移動可能かつ駆動可能に係合されるように構成されている。図61を参照されたい。第1の枢動アーム12540は、エンドエフェクタ中心面ECPから第1の枢動アーム距離FPDに位置する第1の点FPにおいて、アンビル取り付けタブ12310に連結される。同様に、第2の枢動アーム12550は、第2の枢動アーム12550の残りの部分よりも広い第2の自由端12552を備え、閉鎖シャトルベース部分12522の第2の駆動溝12528内に移動可能かつ駆動可能に係合されるように構成されている。第2の枢動アーム12550は、エンドエフェクタ中心面ECPから第2の枢動アーム距離SPDに位置する第2の点SPにおいて、アンビル取り付けタブ12310に連結される。図示された構成では、閉鎖システムは、アンビル12300に非対称的に連結されている。例えば、図61で分かるように、SPD>FPDである。閉鎖シャトル12520が遠位方向DDに駆動されるとき、閉鎖シャトル12520との係合によって枢動アーム12540及び12550は、第1の方向(図59中の時計回りCW)に枢動され、枢動開口運動をアンビル取り付けタブ12310に加えて、アンビル12300をエンドキャップ12400に対して枢動軸PAを中心として開放位置へと枢動させる。閉鎖シャトル12520が近位方向PDに軸方向に移動されるとき、枢動アーム12540、12550は第2の方向(図59の反時計回りCCW)に枢動され、閉鎖運動をアンビル取り付けタブ12310に加えて、アンビル12300をエンドキャップ12400に対して枢動軸PAを中心として閉鎖位置へと枢動させる(図59)。枢動アーム12540、12550のそれぞれより大きい自由端部12542、12552は、枢動アーム全体に閉鎖力をより良好に分配するために、枢動アームの残りの部分よりも堅牢である。
【0119】
図63は、組織を切断及びステープル留めするために使用され得る外科用器具13000を示す。器具は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成されたハンドル13012を備えるハウジング13010を含む。例えば図63で分かるように、器具13000は、組織を切断及びステープル留めするように構成された、動作可能に連結されている外科用エンドエフェクタ13200を有する、シャフトアセンブリ13100を含む。以下で更に詳細に説明するように、例えば、外科用エンドエフェクタ13200は、交換可能な外科用ステープルカートリッジ13700を内部に動作可能に支持するように構成された細長いチャネル13210と、開放位置と閉鎖位置との間の移動のために、それに対して移動可能に支持されるアンビル13300と、を備える。シャフトアセンブリ13100は、本明細書に開示される様々な方法でハンドルアセンブリ13012に取り外し可能に連結可能であることが意図される、交換式シャフトアセンブリを備える。しかしながら、別の構成では、シャフトアセンブリ13100は、ハンドル13012から取り外されることを意図しない専用のシャフトアセンブリを備えてもよい。更に他の構成では、シャフトアセンブリ13100は、本明細書に開示される様々な方法で外科用エンドエフェクタを動作させるのに必要な回転動作運動を生成することができるロボットシステムに動作可能に連結されるか、又は動作可能に連動されてもよい。シャフトアセンブリ13100の機能及び動作を理解するために必要なこれらの特定の構成要素についてのみ、以下で更に詳細に論じる。
【0120】
示される例では、シャフトアセンブリ13100は、長手方向シャフト軸LAを横断する関節運動軸AAを中心とした外科用エンドエフェクタ13200の関節運動を促進する、関節継手13120を更に含み得る。しかしながら、他のシャフトアセンブリが、関節運動可能でなくてもよい。1つの態様によると、シャフトアセンブリ13100は、以下で更に詳細に説明するように、ノズルアセンブリ13014から遠位方向に延在する近位外側シャフト管又は部材13110を備え、外科用エンドエフェクタ13200は、エンドキャップ取り付け機構13400に動作可能に取り付けられている。1つの構成では、エンドキャップ取り付け機構13400は、近位外側シャフト管13110と同様のサイズであり、近位外側シャフト管13110の遠位端13112に連結されて関節継手13120を形成する管状形状本体13402を備える。エンドキャップ13400はまた、細長いチャネル13210の近位部分を備えてもよい。シャフトアセンブリ13100はまた、エンドキャップ13400に枢動可能に連結された内部スパイン部材(図示せず)を含んでもよい。内部スパイン部材の近位端は、例えば、本明細書に開示される様々な方法で、ノズルアセンブリ13014内のシャーシ(図示せず)に回転可能に連結されてもよい。
【0121】
図示された例では、外科用エンドエフェクタ13200は関節運動システム13030により、関節運動軸AAを中心として選択的に関節運動可能である。1つの形態では、関節運動システム13030は、例えば、ノズルアセンブリ13014内で動作可能に支持される関節運動モータ13032を含む。図64を参照されたい。別の例では、作動モータは、ハウジング又はハンドル又はロボットシステムの他の部分に動作可能に支持されてもよい。図64を参照すると、関節運動モータ13032は、近位関節運動ドライバ13038に取り付けられるか、ないしは別の方法で形成される駆動ギアラック13036と噛合係合している関節駆動ギア13034に連結されている。近位関節運動ドライバ13038の遠位端は、関節継手にまたがり、エンドキャップ13400に連結される遠位関節運動リンク(図示せず)に枢動可能に連結されている。関節運動モータ13032の動作は、近位関節運動ドライバ13038の軸方向移動を引き起こす。近位関節運動ドライバ13038の軸移動により、そこに取り付けられた関節運動がエンドキャップ13400及び細長いチャネル13210に適用され、これによって、外科用エンドエフェクタ13200がシャフトアセンブリ13100に対して、関節運動軸AAを中心に関節移動する。他の関節運動システム及び構成を、本明細書に開示される様々な方法で使用してもよい。他の実施形態では、外科用エンドエフェクタは関節運動可能でなくてもよい。
【0122】
上記のように、外科用エンドエフェクタ13200は、回転駆動閉鎖システム13500によって開放構成と閉鎖構成との間で細長いチャネル13210に対して選択的に移動可能なアンビル13300を含む。図64で分かるように、1つの構成では、回転駆動閉鎖システム13500は、例えば、ノズルアセンブリ13014内で動作可能に支持される閉鎖モータ13502を備える。別の例では、閉鎖モータ13502は、ハウジング又はハンドル又はロボットシステムの他の部分に動作可能に支持されてもよい。閉鎖モータ13502は、回転閉鎖駆動シャフト13510に取り付けられるか、ないしは別の方法で形成される従動ギア13506と噛合係合している閉鎖駆動ギア13504に連結されている。閉鎖駆動シャフト13510は、上記の方法で外科用エンドエフェクタ13200の関節運動を可能にするように可撓性であってもよい。
【0123】
図65で分かるように、アンビル13300は、例えば、リベット13401又は本明細書に開示される他の枢動構成によってエンドキャップ13400の対応する部分に枢動可能に連結されるように構成された、近位に突出するアンビル取り付けタブ13310を含む。図示された構成では、回転駆動閉鎖システム13500はまた、閉鎖駆動シャフト13510に駆動的に連結されるように構成されたねじ付き遠位閉鎖シャフトセグメント13512と螺合係合する軸方向に移動可能な閉鎖シャトル13520も備える。図示された構成では、閉鎖シャトル13520は、エンドキャップ13400の底部に形成された近位キャップスロット(図示せず)を通って延在するシャトルベース部分13522を備える。横方向フランジ(図示せず)は、シャトルベース部分13522の各側面から横方向に延在して、本明細書に開示される様々な方法でエンドキャップ13400の底部と摺動可能に係合する。1つの構成では、例えば、アンビル13300は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第16/105,101号、発明の名称「METHOD FOR FABRICATING SURGICAL STAPLER ANVILS」に記載されている様々な製造技術を使用して製造され得る。
【0124】
図示された例では、閉鎖シャトル13520の軸方向移動は、枢動閉鎖リンクアセンブリ13530によってアンビル13300に伝達される。1つの構成では、閉鎖リンクアセンブリ13530は、アンビル取り付けタブ13310の近位端部分13314にそれぞれ枢動可能に取り付けられ、そこから懸架される一対の枢動アーム13540(図65には1つのみが示される)を含む。各枢動アーム13540は、閉鎖シャトルベース部分13522内の対応する駆動溝13526に駆動的に係合するように構成されたノッチ13544を含む自由端13542を備える。閉鎖シャトル13520が遠位方向DDに駆動されるとき、枢動アーム13540は、閉鎖シャトル13520との係合によって、第1の方向に枢動して、枢動開放運動をアンビル取り付けタブ13310に加える。この解放運動により、アンビル13300は、開放位置へと枢動される。閉鎖シャトル13520が近位方向PDに軸方向に移動されるとき、枢動アーム13540は第2の方向に枢動され、枢動閉鎖運動をアンビル取り付けタブ13310に加えて、アンビル13300を閉鎖位置へと枢動させる。
【0125】
やはり上記されるように、外科用エンドエフェクタ13200は、交換可能な外科用ステープルカートリッジ13700を内部に動作可能に支持するように構成されている。ステープルカートリッジ13700は、ステープルカートリッジ13700内で開始位置と終了位置との間で回転可能に駆動されるように構成されている、内蔵された発射部材13820を含む。発射部材13820は、上部に形成された、又はそこに取り付けられた組織切断面13824を有する、垂直方向に延在する発射部材本体13822を備える。一対のチャネル係合タブ13826は、発射部材本体13822の底部から横方向に延在し、一対のアンビル係合タブ13828は、発射部材13820がその端部から見たときにIビーム構成に見えるように、発射部材本体13822の上部から延在する。図66で分かるように、図示された例では、外科用ステープルカートリッジ13700は、デッキ表面13707を含む細長いカートリッジ本体13702を備える。カートリッジ本体13702は、内部での発射部材13820の軸方向移動に適応するように構成された、中心に配設された細長いカートリッジスロット13704を更に含む。また、図示された例では、3つの列の外科用ステープルポケット13706が、細長いスロット13704の各側に形成され、デッキ表面13707を通って開いている。各ステープルポケット13706は、その上に外科用ステープル又は締結具(図示せず)を支持する、それと関連付けられたステープルドライバ(図示せず)を有し得る。
【0126】
図65で分かるように、カートリッジ本体13702は、内蔵された回転発射駆動シャフト13710を動作可能に支持する。発射駆動シャフト13710は、近位ねじ山セグメント13712と、ねじ無しセグメント13714と、ねじ無しセグメント13714からねじ無し遠位端13718まで延在する遠位ねじ山セグメント13716と、を含む。発射駆動シャフト13710のねじ無し遠位端13718は、カートリッジ本体13702の遠位端13703内に支持される遠位ベアリング13720内に回転可能に支持される。図示された例では、発射部材本体13822は、最近位の「装填位置」にあるときに、近位ねじ山セグメント13712上に螺着される。図66で分かるように、安全ガレージ13732は、発射部材13820が装填位置にあるときに、組織切断面13824がそれによって保護される(露出されていない)ように、カートリッジ本体13702の近位端13730上に形成される。発射部材13820が装填位置にあるとき、発射部材本体13822の底部は、細長いチャネル13210内へのカートリッジ13700の装着中に細長いチャネル13210の底部13212の装填開口部13214を通って延在するように構成される。図67で分かるように、チャネルスロット13216は、細長いチャネル13210の底部13212に設けられ、装填開口部13214から遠位方向に延在する。ステープルカートリッジ13700が細長いチャネル13210内に動作可能に設置されると、発射部材13820の底部は装填開口部13214を通って突出し、発射部材13820が遠位側に前進するときに、発射部材本体13822がチャネルスロット13216と整列し、チャネル係合タブ13826は、チャネルスロット13216の各側面上の細長いチャネル13210の底部13212に摺動可能に係合するように位置付けられる。
【0127】
1つの例では、少なくとも1つのC字形クリップ13890は、クリップ13890の中央部分13892がカートリッジ本体13702内の細長いカートリッジスロット13704を通って延在し、クリップ13890の上側脚部13894がカートリッジスロット13704に隣接するカートリッジ本体13702内の内面又はレッジ13708上に乗るように、カートリッジ本体13702内で軸支されてもよい。クリップ13890の下側脚部13896は、図68に示されるように、チャネル底部13212の底面13213上に乗る。カートリッジ13700が最初に装着されるとき、C字形クリップ13890は、カートリッジ13700が内部に適切に設置され得るように、細長いチャネルスロット13216の近位に位置付けられてもよい。発射部材13820が遠位に前進されると、C字形クリップ13890は、整列したカートリッジスロット13704及びチャネルスロット13216の中を遠位方向に前進して、発射動作中のカートリッジ13700の更なる安定化を提供する。
【0128】
これも図67で分かるように、少なくとも1つの構成では、少なくとも1つのカートリッジ位置決め部材13722は、カートリッジ本体13702上に形成されるか、ないしは別の方法で取り付けられ、細長いチャネル13210内に形成された対応するノッチ13218又は他の嵌合機構内に設置されるように位置決めかつサイズ決めされ、装着中にカートリッジ13700が細長いチャネル13210内に適切に設置されることを確実にする。1つの例では、位置決め部材13722は、カートリッジ本体13702の各横側面に形成される。また、図示された例では、駆動シャフト支持クレードル13222は、チャネル13210の遠位端13220上に形成され、(支持ベアリング13720の近位の)発射駆動シャフト13710のねじ付き遠位端13718が回転可能に揺れるように構成されている。図65を参照されたい。
【0129】
図64に戻ると、外科用器具13000はまた、発射部材13820に回転駆動運動を加え、発射部材13820をステープルカートリッジ13700内の開始位置と終了位置との間で駆動するように構成されている、回転駆動発射システム13800を使用してもよい。図64に示される例では、回転駆動発射システム13800は、ノズルアセンブリ13014内で動作可能に支持される発射モータ13802を含む。別の例では、発射モータ13802は、ハウジング又はハンドル又はロボットシステムの他の部分に動作可能に支持されてもよい。発射モータ13802は、回転発射駆動シャフト13810に取り付けられるか、ないしは別の方法で形成される従動ギア13806と噛合係合している発射駆動ギア13804に連結されている。発射駆動シャフト13810は、上記の方法で外科用エンドエフェクタ13200の関節運動を可能にするように可撓性であってもよい。図65及び図67で分かるように、発射駆動シャフト13810は、閉鎖駆動シャフト13510に駆動的に結合されるように構成され、それに取り付けられた駆動連結具13812を有する、中空遠位閉鎖シャフトセグメント13512を通って延在する。1つの構成では、駆動連結具13812は、発射駆動シャフト13710上の対応する雄型連結具13724を駆動的に受容するように構成された、雌型駆動ソケット13814を備える。雄型連結具13724が雌型駆動ソケット13814と駆動係合されるとき、発射駆動シャフト13810が回転すると、外科用ステープルカートリッジ13700内の発射駆動シャフト13710の回転をもたらす。
【0130】
図65は、装填位置にある発射部材13820を示す。その位置にあるとき、発射部材13820は、雄型連結具13724のカラー部分13726に当接し得る。図65からもまた分かるように、ステープルカートリッジ13700はまた、ステープルカートリッジ13700内で移動可能に支持されるスレッド又はカムアセンブリ13740も含む。カムアセンブリ13740は、一連の雌ねじ13742によって発射駆動シャフト13710上で螺合可能に軸支される。図65で分かるように、発射部材13820が装填位置にあるとき、カムアセンブリ13740内の雌ねじ13742は、発射駆動シャフト13710のねじ無しセグメント13714上に位置する。
【0131】
図示された例はまた、カートリッジ13700が細長いチャネル13210内に適切に設置されるまでアンビル13300の閉鎖を防止するように構成された、アンビルロックアウトアセンブリ13900を使用する。1つの構成では、アンビルロックアウトアセンブリ13900は、細長いチャネル13210内で移動可能に支持されるアンビルロックアウト部材13910を備える。図69及び図70を参照すると、1つの構成では、アンビルロックアウト部材13910は、その遠位端から横方向に突出する遠位ばねタブ13914と、クリップ本体13912の反対側から横方向に突出する近位キータブ13916とを有する、クリップ本体13912を備える。クリップ本体13912は、クリップ本体13912から上方に突出する垂直方向に延在するロックタブ13918を更に含む。図69及び図70で分かるように、ロックアウト部材13910は、遠位ロック位置LPと近位ロック解除位置ULPとの間で軸方向に移動可能である。ロックばね13920は、ロックアウト部材13910をロック位置LPに遠位に付勢するために、チャネルラグ13230と遠位ばねタブ13914との間に設けられる。図65及び図69は、ロック位置LPにあるアンビルロックアウトアセンブリ13900を示す。図65及び図69で分かるように、垂直方向に延在するロックタブ13918は、アンビル13300上に形成されたアンビルロックアウト突出部13930と垂直に整列される。したがって、アンビルロックアウトアセンブリ13900がロック位置にあるとき、ユーザーはアンビル13300を閉鎖位置に移動させることができない。
【0132】
図示された構成では、カートリッジ本体13702は、カートリッジ13700が細長いチャネル13210内に適切に設置されたときに、ロック位置LPからロック解除位置ULPへロックアウト部材13910を移動させるように構成された、キー部材13760を含む。1つの例では、キー部材13760は、クリップ本体13912上の近位キータブ13916に接触するように構成された近位に延在するフィン13762を備える。カートリッジ13700が細長いチャネル13210内に動作可能に設置されたとき、フィン13762は、ロックアウト部材13910をロック位置LPからロック解除位置ULPまで近位方向に移動させる。
【0133】
図71で分かるように、発射部材13820はまた、枢動ピン13846によって発射部材本体13822に枢動可能に連結されたロックアウト部材13842を備える、内蔵された発射部材ロックアウトアセンブリ13840を備えてもよい。ロックアウト部材13842は、カムアセンブリ13740が未発射位置にあるときに、カムアセンブリ13740によって係合されるように構成されたスレッドラッチ13848を含む。図71で分かるように、カムアセンブリ13740は、ロックアウト部材13482上のスレッドラッチ13848を係合するように構成された発射部材レッジ13741を含む。ロックアウトばね13850は、細長いチャネル13210内に取り付けられ、カムアセンブリ13740が未発射位置にない場合にロックアウト部材13842の遠位縁部13849が装填開口部13214の遠位縁部と係合するように、ロックアウト部材13842を下方に付勢するように構成されている。その位置にあるとき、ユーザーが誤って発射部材13820を遠位に前進させるように試みた場合、ロックアウト部材13842は、装填開口部13214の遠位縁部に接触し、発射部材13820の遠位側への前進が阻止される。
【0134】
図65及び図67は、新しく未発射ステープルカートリッジ13700のエンドエフェクタ13200への挿入を示す。ユーザーがカートリッジ13700をチャネル13210内に挿入すると、雄型連結具13724が雌型連結具13812内に挿入され、カートリッジ本体13702は、図72に示されるようにチャネル13210内に設置される。その位置にあるとき、フィン13762は、ロックアウト部材13910をロック解除位置に付勢する。次いで、ユーザーは、閉鎖駆動システム13500(図64)を作動させて、閉鎖駆動シャフト13510を第1の回転方向に回転させ、閉鎖シャトル13520を近位方向PDに駆動することによって、アンビル13300を閉鎖位置に移動させることができる。閉鎖シャトル13520がアンビル13300を閉鎖位置に移動させた後、続いてユーザーは、発射システム13800を起動することができる。図72でも分かるように、カムアセンブリ13740は、発射部材ロックアウト部材13842をロック解除位置へと枢動させている。発射駆動シャフト13810が第1の回転方向に回転すると、カートリッジ発射駆動シャフト13710の近位ねじ付きセグメント13712は、発射部材13820を遠位に(遠位方向DD)に駆動する。発射部材13820が遠位に移動すると、カムアセンブリ13740は、カートリッジ発射駆動シャフト13710の遠位ねじ山セグメント13716と螺合係合するように付勢される。カートリッジ発射駆動シャフト13710を継続して回転させると、発射部材13820及びカムアセンブリ13740はそれぞれの終了位置まで遠位に移動する。カムアセンブリ13740が遠位側に駆動されると、上部のカム部分は、ステープルカートリッジ13700内で支持されたドライバを、閉じたアンビル13300に向かって駆動し、その上に支持されるステープル又は締結具がアンビル13300とカートリッジ13700との間にクランプされた組織を通過し、アンビル13300の下面との接触を形成する。発射部材13820は、上部の組織切断面13824がステープル留めされた後にクランプされた組織を切断するように、カムアセンブリ13740より近位にある。様々な態様では、発射部材13820が外科用ステープルカートリッジ13700を通って遠位側に駆動されると、発射部材13820は、アンビル係合タブ13828のアンビル13300との係合、及びチャネル係合タブ13826のチャネル13210との係合を介して、ステープルカートリッジ13700上のデッキ表面13707とアンビル13300上のステープル成形下面13302との間に所望の幅の組織間隙を維持する役割を果たし得る。カムアセンブリ13740及び発射部材13820がそれらの終了位置に到達すると、発射駆動シャフト13810は逆回転方向に回転され、発射部材13820及びカムアセンブリ13740をそれぞれの開始位置に戻すように駆動することができる。発射部材13820が開始位置に戻されると、閉鎖駆動シャフト13510は、第2の回転方向に回転され、閉鎖シャトル13520を遠位方向DDに駆動し、アンビル13300を開放位置(図72)に枢動して、ステープル留めされた組織をエンドエフェクタ13200からクランプ解除することができる。C字形クリップ13890を含む例では、クリップはまた、クリップ13890が終了位置に到達するまで、カムアセンブリ13740及び/又は発射部材13820によって遠位方向に駆動され、その下側脚部13896は、チャネル底部13212の開口部(図示せず)内に位置して、使用済みカートリッジ13700の細長いチャネル13210からの取り出しを可能にする。
【0135】
図73図80は、上述の器具13000と非常に類似した外科用器具14000と共に使用される別の外科用エンドエフェクタ14200を示す。外科用エンドエフェクタ14200は、以下で説明する相違点を除いて、上記のエンドエフェクタ13200とある程度類似している。外科用器具13000の構成要素と同一である外科用器具14000の構成要素のうちの少なくともいくつかは、同様の要素番号と共に本明細書に記載されている。外科用エンドエフェクタ14200は、交換可能な外科用ステープルカートリッジ14700をその中に動作可能に支持するように構成されている細長いチャネル14210を備えている。外科用エンドエフェクタ14200は、回転駆動閉鎖システム13500(図64)によって開放構成と閉鎖構成との間で細長いチャネル14210に対して選択的に枢動可能なアンビル14300を更に含む。図73及び図74で分かるように、アンビル14300は、細長いチャネル14210に取り付けられるか、又はその一部を含むエンドキャップ14400の対応する部分に枢動可能に連結されるように構成された、近位に突出するアンビル取り付けタブ14310を含む。アンビル取り付けタブ14310は、例えば、本明細書に開示されるリベット14401又は他の枢動構成によって、エンドキャップ14400に取り付けられる。エンドエフェクタ14200はまた、上述の回転駆動閉鎖システム13500を使用する。1つの構成では、例えば、アンビル14300は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第16/105,101号、発明の名称「METHOD FOR FABRICATING SURGICAL STAPLER ANVILS」に記載されている様々な製造技術を使用して製造され得る。
【0136】
上述したように、回転駆動閉鎖システム13500は、閉鎖駆動シャフト13510(図64)に駆動的に連結されるように構成されたねじ付き遠位閉鎖シャフトセグメント13512上に螺着される軸方向に移動可能な閉鎖シャトル13520を備える。図示された構成では、閉鎖シャトル13520は、エンドキャップ14400の底部に形成された近位キャップスロット(図示せず)を通って延在するシャトルベース部分13522を備える。横方向フランジ(図示せず)は、シャトルベース部分13522の各側面から横方向に延在して、本明細書に開示される様々な方法でエンドキャップ14400の底部と摺動可能に係合する。
【0137】
図示された例では、閉鎖シャトル13520の軸方向移動は、枢動閉鎖リンクアセンブリ13530によってアンビル14300に伝達される。1つの構成では、閉鎖リンクアセンブリ13530は、アンビル取り付けタブ14310の近位端部分14314にそれぞれ枢動可能に取り付けられ、そこから懸架される一対の枢動アーム13540(図73及び図74には1つのみが示される)を含む。各枢動アーム13540は、閉鎖シャトルベース部分13522内の対応する駆動溝13526に駆動的に係合するように構成されたノッチ13544を含む自由端13542を備える。閉鎖シャトル13520が遠位方向DDに駆動されるとき、枢動アーム13540は、閉鎖シャトル13520との係合によって、枢動開放運動をアンビル取り付けタブ14310に加え、アンビル14300を開放位置(図73)へと枢動させる。閉鎖シャトル13520が近位方向PDに軸方向に移動されるとき、枢動アーム13540は第2の方向に枢動され、枢動閉鎖運動をアンビル取り付けタブ13310に加えて、アンビル13300を閉鎖位置(図80)へと枢動させる。
【0138】
発射部材13820が交換式外科用ステープルカートリッジ13700内に収容されている外科用エンドエフェクタ13200とは異なり、外科用エンドエフェクタ14200は、回転発射駆動シャフト13810上で永続的に軸支された専用発射部材14820を用いる。図示された例では、回転発射駆動シャフト13810及びねじ付き遠位閉鎖シャフトセグメント13512は、細長いチャネル14210内で回転可能に支持される。以下で更に詳細に論じるように、ねじ付き遠位閉鎖シャフトセグメント13512の遠位にある回転発射駆動シャフト13810の一部は、近位ねじ付きセグメント13811、ねじ付きセグメント13815、及び遠位ねじ付きセグメント13817を含む。
【0139】
図75は、エンドエフェクタ14200と共に用いられ得る発射部材14820の1つの形態を示す。図75で分かるように、発射部材14820は、ねじ山がなく、互いに離間しており、それらの間にねじ付き駆動ナット14830を受容する、2つの下向きに延在する中空取り付け部分14824を含む、本体部分14822を備える。ねじ付き駆動ナット14830は、回転発射駆動シャフト13810のねじ付きセグメント13811、13817を螺合係合するように構成されている。駆動ナット14830は、細長いチャネル14210の底部の軸方向スロット14216を通って延在するようにサイズ決めされた垂直タブ部分14832を含む。2つの横方向に延在する保持フランジ14834は、ねじ付き駆動ナット14830上に形成され、細長いチャネル14210の底部を係合するように構成されている。加えて、2つの横方向に延在するアンビル係合タブ14826は、発射部材本体14822の上部に形成され、発射部材14820がエンドエフェクタ14200内で軸方向に移動されると、アンビル14300と係合するように構成されている。組織切断面14828は、発射部材本体14822に形成又は取り付けられる。
【0140】
この構成において、発射部材14820は、新しく未発射ステープルカートリッジが細長いチャネル14210内に適切に設置されていない限り、発射部材14820がその開始位置から遠位に前進するのを阻止するように構成された発射部材ロックアウト機構14840を含む。図75で分かるように、1つの例では、発射部材ロックアウト機構14840は、発射部材本体14822の取り付け部分14824の周囲に延在する、そこから突出する2つの離間配置された取り付け脚部14844を有するロックアウト本体14842を備える。各取り付け脚部14844は、取り付け部分14824に設けられた対応するスロット付き開口部14825内に枢動可能に受容されるように適合された、内側に延在する枢動ピン14846を含む。ロックアウト機構14840は、ステープルカートリッジ14700内で動作可能に支持されたカムスレッド又はアセンブリ14740(図77)と接触するように構成されたスレッドラッチ14848を更に含む。
【0141】
図76及び図77は、最近位の開始位置にある発射部材14820を示す。図76及び図77で分かるように、発射ロックアウト孔14215は、細長いチャネル14210の底部を通って提供される。ロックアウトばね14850は、細長いチャネル14210内に取り付けられ、新しく未発射ステープルカートリッジが細長いチャネル14210内に適切に装填されていない場合にロックアウト本体14842の遠位縁部14849が発射ロックアウト孔14215の角度付き遠位縁部14217と係合するように、ロックアウト機構14840を下方に付勢するように構成されている。その位置にあるとき、ユーザーが誤って発射部材14820を遠位に前進させるように試みた場合、ロックアウト機構14840は、発射部材14820の遠位側への前進を阻止する。図76に示されるように、高い力「F」では、ピン14846は、それらの対応するスロット14825を上方に摺動する。ピン14846がそれぞれのスロット14825を上方に摺動すると、取り付け脚部14844の近位端14847は、発射部材本体14822の取り付け部分14824上に形成された対応する後退停止壁14827と係合して、枢動ピン14846上にかかる応力を低減する。図76を参照されたい。
【0142】
新しく未発射の外科用ステープルカートリッジ14700は、カートリッジ本体内で支持されるステープルドライバの列の近位にある開始位置に位置する、カムアセンブリ14740を収容する。本明細書で使用するとき、用語「新しく未発射」は、ステープルカートリッジが、そのそれぞれの未発射位置にある全ての意図されたステープル又は締結具を有し、カムアセンブリが近位未発射開始位置にあることを意味する。新しく未発射の外科用ステープルカートリッジ14700が、細長いチャネル14210内に適切に設置されているとき、カムアセンブリ14740上の近位に延在するロック解除部分14742は、ロックアウト機構14840上のスレッドラッチ14848と係合して、ロックアウト機構14840を、ロックアウト機構14840が細長いチャネル内の発射ロックアウト孔14215内に延在しないロック解除位置へと枢動させる。図78は、開始位置にあるカムアセンブリ14740を示す。外科用ステープルカートリッジ14700の残りの部分は、明確にするために省略されている。図78で分かるように、カムアセンブリ14740は、回転発射駆動シャフト13810上のねじ無し部分13815の軸方向長さ「b」よりも短い長さ「a」を有する、雌ねじ14744のセグメントを含む。カムアセンブリ14740の底部14746は、カートリッジ14700が細長いチャネル14210内に設置されたときに、カムアセンブリ14740が回転発射駆動シャフト13810の上にスナップ留めできるように、開放されている。
【0143】
1つの例では、カムアセンブリ14740内の雌ねじ14744は、カムアセンブリ14740を遠位方向にのみ駆動するように構成されている。例えば、雌ねじ14744は、発射駆動シャフト13810上のねじ付きセグメント13817との螺合係合を容易にするように構成された先端部分14747を有してもよい。しかしながら、雌ねじ14744は、カムアセンブリ14740がその終了位置に駆動され、発射駆動シャフト13810が反対方向に回転されて発射部材14820を開始位置に戻すように駆動されるとき、ねじ山13817との螺合係合を阻止するように構成された後方部分14748を有してもよい。図79及び図80では、カムアセンブリ14740の終了位置を仮想線で示す。図79及び図80で分かるように、発射駆動シャフト13810の遠位部分13819は、ねじ山を欠いている。カムアセンブリ14740がその終了位置へと遠位に駆動されたとき、雌ねじ14744は、発射駆動シャフト13810のねじ付きセグメント13817を係合解除する。発射駆動シャフト13810が反対方向に回転されるとき、発射部材14820が開始位置に後退させられると、カムアセンブリ14740がステープルカートリッジ14700内の終了位置に留まるように、雌ねじ14744は、ねじ付きセグメント13817を滑動させ、再係合しないように設計される。したがって、一旦ステープルカートリッジ14700が使用される(例えば、完全に発射される)と、カムアセンブリ14740は、その開始位置に戻らない。したがって、使用済みカートリッジがエンドエフェクタ14200内に不注意に再装着された場合、カムアセンブリ14740は、ロックアウト機構14840をロック解除する位置にない。この状態は、カートリッジの発射後にカートリッジ本体内に位置する、落下したステープルドライバとの干渉によって補助され得る。加えて、雌ねじ14744は、発射駆動シャフト13810上のねじ山13817の有効径よりも大きい有効径を有して、発射部材14820が遠位側に駆動されるときに発射部材がカムアセンブリ14740と接触することを可能にし得る、これらの間のある程度の「遊び」を促進する場合がある。このような構成は、カートリッジ本体14702が細長いチャネル14210内に装着されているときに、カムアセンブリ14740のある程度の移動を容易にする一方で、発射駆動シャフト13810のねじ付きセグメント13817との螺合駆動接触を引き続き確立することができる。
【0144】
図示されるように、エンドエフェクタ14200はまた、ステープルカートリッジ14700が内部に適切に設置されていない限り、アンビル14300の閉鎖を阻止するように構成されたアンビルロックアウトアセンブリ13900も含む。アンビルロックアウト部材13910の動作については上述されており、簡潔にするため繰り返さないことにする。
【0145】
図73は、外科用ステープルカートリッジが内部に装着されて折らず、アンビル14300が完全開放位置にある、外科用エンドエフェクタ14200を示す。図73で分かるように、閉鎖シャトル13520は、その最遠位位置にある。図73に更で分かるように、アンビルロックアウト部材13910の垂直方向に延在するロックタブ13918は、アンビル14300上に形成されたアンビルロックアウト突出部14930と整列される。図74は、閉鎖駆動システムの偶発的な作動中にアンビル14300を閉鎖できないことを示す。図73では、閉鎖シャトル13520はその開始位置から近位側に移動しているが、ロックタブ13918とロックアウト突出部14930との間の接触により、アンビル14300の閉鎖が阻止されている。図73及び図74でも分かるように、発射部材ロックアウト機構14840は、ロックアウト機構14840が細長いチャネル底部14212と接触するように整列するロック位置に付勢される。ユーザーが発射駆動システムを不注意に作動させた場合、ロックアウト機構14840は、細長いチャネル14210の底部14212に接触して、発射部材14820の遠位側への前進を阻止する。
【0146】
図79は、新しく未発射の外科用ステープルカートリッジ14700が内部に装着された後のエンドエフェクタ14200を示す。この図で分かるように、カートリッジ本体14702内のカムアセンブリ14740は最近位の開始位置にあり、カムアセンブリ14740上のロック解除部分14742は、ロックアウト機構14840上のスレッドラッチ14848と係合する。ロック解除部分14742とスレッドラッチ14848との間のこの接触は、ロックアウト機構14840をロック解除位置に移動させる。図79でも分かるように、カートリッジ本体14702上の近位に延在するフィン14762は、ロックアウト部材13910をロック位置からロック解除位置へと近位方向に付勢し、それによってアンビル14300の閉鎖を可能にする。上述したように、カムアセンブリ14740内の雌ねじセグメント14744の長さaは、発射駆動シャフト13810上のねじ無しセグメント13815の長さbよりも短い。加えて、ねじ付き発射ナット14830内のねじ山の長さ「c」は、発射駆動シャフト13810上のねじ無しセグメント13815の長さbよりも長い。したがって、a<b<cである。
【0147】
図80は、アンビル14300が完全閉鎖位置にある、図79の外科用エンドエフェクタ14200を示す。図80で分かるように、遠位閉鎖シャフトセグメント13512は、第1の回転方向に回転されて、閉鎖シャトル13520をその最近位位置まで軸方向に移動させ、それによって閉鎖リンクアセンブリ13530がアンビル14300をその完全閉鎖位置に枢動させる。図80で分かるように、アンビル14300が完全閉鎖位置にあるとき、枢動アーム13540は、駆動シャフト軸DSAに対してほぼ垂直である。このような構成は、アンビルへの最大閉鎖モーメントの適用をもたらす(例えば、モーメントアーム角度MAは約90°である)。図80で更に分かるように、アンビル係合機構14826は、アンビルスロットの各横側面に形成された対応する細長い通路14301と整列し、発射部材14820がその開始位置から終了位置へと遠位に前進する際に、内部の軸方向移動を可能にする。発射部材14820を遠位に前進させるために、ユーザーは発射駆動システム13800(図64)を作動させて、発射駆動シャフト13810を第1の回転方向に回転させる。発射部材14820が遠位側に駆動すると、発射部材14820は、雌ねじ14744のセグメントがねじ付きセグメント13817と螺合可能に係合するまで、ねじ無しセグメント13815上でカムアセンブリ14740を前進させる。ねじ山14744がねじ付きセグメント13817と螺合係合すると、駆動シャフト13810の回転により、カムアセンブリ14740を遠位方向に移動させ続ける。カムアセンブリ14740が遠位方向に移動すると、その上にあるカム面は、カートリッジ14700内に格納されたステープルドライバを上方へ駆動する。ステープルドライバの上方への移動により、上面に支持されるステープル又は締結具に、アンビル14300とカートリッジ14700との間にクランプされた組織を貫通させ、アンビル14300のステープル成形下面14303との接触を形成する。発射部材14820が遠位に駆動されると、組織切断面14828は、締結具が組織内に形成された後に、クランプされた組織を切断する。発射駆動シャフト13810は、発射部材14820がその終了位置に到達するまで回転され続け、この時点で、センサが、発射モータ13802の第1の方向への回転を停止し得る。次いで、器具コントローラは、発射モータ13802を反対方向に回転させて、発射部材14820をその開始位置に後退させてもよく、又はコントローラは、ユーザーが後退回転を開始することを必要とする場合がある。いずれの場合も、カムアセンブリ14740は、カートリッジ14700の遠位端に留まる。次いで、ユーザーは、使用済みカートリッジをエンドエフェクタから取り外し、それを廃棄することができる。カムアセンブリ14740は使用済みカートリッジの遠位端に留まっているため、使用済みカートリッジが、新しく未発射のカートリッジであるとうっかり間違われ、エンドエフェクタ内に再装填された場合、ロックアウト機構14840はロック位置に留まって、発射部材の偶発的な発射を阻止する。図80で分かるように、発射部材14820の横方向に延在する保持フランジ14834の軸方向長さ「e」は、チャネル14210の底部14212の発射ロックアウト孔14215の軸方向長さ「d」よりも長い。加えて、装着孔14213は、カートリッジ底部4212の遠位部分を貫通して設けられ、そこを通る発射部材14820の装着を容易にする。したがって、装着孔14213の軸方向長さ「f」は、発射部材14820の横方向に延在する保持フランジ14834の軸方向長さ「e」よりも長い。したがって、d<e<fである。
【0148】
図81は、明確にするためにアンビルが省略された、別の外科用エンドエフェクタ15200の一部を示す。外科用エンドエフェクタ15200は、エンドエフェクタ15200内の開始位置と終了位置との間で軸方向に駆動される2片発射部材15820を含む。エンドエフェクタ15200は、開放運動及び閉鎖運動をアンビルに適用するための閉鎖駆動シャフト13510によって軸方向に駆動される回転閉鎖シャトル13520を用いてもよい。上述したように、閉鎖シャトル13520は、図82及び図83に示されるように、エンドキャップ14400内で軸方向に移動するように支持される。アンビルの開閉についての更なる詳細は、例えば、図64及び図65を参照されたい。加えて、2片発射部材15820は、本明細書に開示される様々な方法で遠位閉鎖駆動シャフトセグメントを通って延在する回転発射駆動シャフト13810によって軸方向に駆動される。
【0149】
図82で分かるように、発射部材15820は、ねじ山がなく、互いに離間しており、それらの間にねじ付き駆動ナット15830を受容する、2つの下向きに延在する中空取り付け部分15824を含む、本体部分15822を備える。ねじ付き駆動ナット15830は、ねじ付き回転発射駆動シャフト13810を螺合係合するように構成されている。駆動ナット15830は、外科用エンドエフェクタ15200の細長いチャネル15210の底部にある軸方向スロット(図示せず)を通って延在するようにサイズ決めされた垂直タブ部分(図示せず)を含む。2つの横方向に延在する保持フランジ15834は、ねじ付き駆動ナット15830上に形成され、細長いチャネル15210の底部を係合するように構成されている。加えて、2つの横方向に延在するアンビル係合タブ15826は、発射部材本体15822の上部に形成され、発射部材15820がエンドエフェクタ15200内で軸方向に移動されると、アンビルと係合するように構成されている。図示された例では、発射部材15820は、その上に内蔵された組織切断ナイフ15743を有するカムアセンブリ15740と動作可能に連動するように構成されている。図87及び図89を参照されたい。代替的な構成では、組織切断面は、本体部材15822に形成又は取り付けられる。
【0150】
図82でも分かるように、発射部材15820はまた、発射部材本体15822に枢動可能に連結されたロックアウト部材15842を備える、内蔵された発射部材ロックアウトアセンブリ15840を備えてもよい。ロックアウト部材15842は、カムアセンブリ15740が未発射位置にあるときに、カムアセンブリ15740によって係合されるように構成されたスレッドラッチ15848を含む。図87及び図89で分かるように、カムアセンブリ15740は、ロックアウト部材15482上のスレッドラッチ15848を係合するように構成された発射部材レッジ15741を含む。ロックアウトばね15850は、細長いチャネル15210内に取り付けられ、カムアセンブリ15740が未発射位置にない場合に遠位縁部15849がチャネル15210の底部15212にあるロックアウトキャビティ15214の遠位縁部と係合するように、ロックアウト部材15842を下方に付勢するように構成されている。その位置にあるとき、ユーザーが誤って発射部材15820を遠位に前進させるように試みた場合、ロックアウト部材15842は、ロックアウトキャビティ15214の遠位縁部に接触し、発射部材15820の遠位側への前進が阻止される。
【0151】
図84は、外科用ステープルカートリッジ15700(図81)を内部に装着する前のエンドエフェクタ15200を示す。図84で分かるように、発射部材15820は、その最近位開始位置にある。図85は、カートリッジが存在しないときに発射部材15820が不注意に遠位に前進した場合に起こる状態を示す。図85で分かるように、ロックアウト部材15842は、ロックアウト部材15842の遠位端面15849がチャネル15210内のロックアウトキャビティ15214の遠位端と接触して、発射部材15820の更なる遠位前進を阻止するように、ばね15850によって下方に付勢されている。
【0152】
図86及び図87は、細長いチャネル15210内に動作可能に装填された未発射の外科用ステープルカートリッジ15700を有するエンドエフェクタ15200を示す。図89で分かるように、カムアセンブリ15740上の発射部材レッジ15741は、ロックアウト部材15482上のスレッドラッチ15848とロック係合解除されており、ロックアウトキャビティ15214とのロック係合から外れるように発射部材15820を持ち上げる。図88及び図89は、発射プロセスが開始され、発射部材15820が遠位方向に移動し始めた後の、発射部材15820の位置を示す。
【0153】
図90は、上述のエンドエフェクタ15200、並びに本明細書に開示される様々な他のエンドエフェクタ構成に関連して使用され得る、代替的な発射部材16820を示す。図90で分かるように、発射部材16820は、例えば、本明細書に開示される様々な方法で発射駆動シャフト13810によって螺合可能に係合されるように適合された軸方向に延在するねじ付き通路16824を含む本体部分16822を備える。発射プロセス中、発射部材本体16822は、エンドエフェクタの細長いチャネル内に装着されている外科用ステープルカートリッジ内の軸方向スロットを通って延在するように構成される。ステープルカートリッジ内の軸方向スロットは、細長いチャネル15210の底部の軸方向スロットと垂直方向に整列し、発射プロセス中に発射部材本体16822の底部がそこを通って延在することを可能にする。図90に示すように、底部チャネル係合部材又はベース部16830は、発射部材本体18622に取り付けられるか、又はその上に形成される。ベース部16830は、発射中にチャネルの底部と摺動可能に係合するように構成されている。加えて、上部アンビル係合部材16826は、発射部材本体16822の上部に形成されるか、又はその上部に取り付けられる。
【0154】
更に図90を参照すると、1つの態様では、ベース部16830は、発射部材本体16822の左側から横方向に突出する左フランジアセンブリ16832Lと、発射部材本体16822の右側から横方向に突出する右フランジアセンブリ16832Rとを備える。ベース部16830は、発射部材本体16822の下部の幅LBWよりも大きいベース部幅BWを有する。1つの態様では、下部本体幅LBWは、外科用ステープルカートリッジ及び細長いチャネル内の軸方向スロットの幅よりも小さく、ベース部幅BWは、外科用ステープルカートリッジ及び細長いチャネル内の軸方向スロットの幅よりも大きい。上部アンビル係合部材16826は、発射部材本体16822の左側から横方向に突出する左上部フランジアセンブリ16827Lと、発射部材本体16822の右側から横方向に突出する右上部フランジアセンブリ16827Rとを備える。上部アンビル係合部材16826は、発射部材本体16822の上部の幅TBWよりも大きい幅TWを有する。1つの態様では、上部本体幅TBWは、発射部材本体16822の上部が摺動可能に通過することを可能にするようにアンビル内の軸方向スロットの幅より小さく、一方、上部アンビル係合部材16826の幅TWは、アンビルスロットの幅よりも大きい。
【0155】
図91は、以下に述べる相違点を除いて、本明細書に開示されるアンビル構成の多くと同一であり得る、発射部材16820及びアンビル16300を示す。図91で分かるように、アンビル16300は、細長いアンビル本体16302及びアンビル取り付け部分16310を含む。細長いアンビル本体部分16302は、発射部材本体16822の内部を通る上部アンビル係合部材16826の軸方向通路を収容するように構成された細長いアンビルスロット(図示せず)を備える。アンビル本体16302は、対応する右上部フランジ16827R及び左上部フランジ16827Lを内部に収容するために、アンビルスロットの各側面上に軸方向フランジ通路16308を画定する軸方向に延在するレッジ16304を更に含む。図91に示される例では、レッジ16304の近位部分16306は、図示されるように半径方向又は緩やかな傾斜で形成される。図91はまた、上部アンビル係合部材16826がレッジ16304の近位部分16306上に乗り、アンビル16300への閉鎖運動の適用を開始する準備が整った位置にある、発射部材16820を示す。この例では、レッジ16304の近位部分16306は弓状又は徐々に傾斜しており、上部アンビル係合部材16826をレッジ16304に容易に移行させる。1つの例では、傾斜は約0°~8°であってもよい。これは、アンビル16300の初期閉鎖中に発射部材16820とアンビル16300との間で生じ得る摩擦力及び拘束力の程度を低減することができる。発射部材16820がアンビル本体16302内のフランジ通路16308に入ると、発射部材本体16820は、チャネル底部15212に垂直な基準軸RAに対してわずかに傾斜(傾斜角度TA、図92参照)してもよい。底部フランジ16832R、16832Lの遠位端は、そのような移行を支援するためにアール形状である。加えて、オフセット距離ODだけ近位方向軸方向にオフセットされた上部アンビル係合部材16826を有することによって、及び/又は上部アンビル係合部材16826の軸方向長さTLを軸方向ベース部長さBLより短くすることによって、上部アンビル係合部材16826とレッジ16304の近位部分16306との間の拘束量を低減することができる。当然のことながら、このプロセス中に生じる摩擦力及び拘束力の全ては、概して、アンビル16300を閉じるために発射部材16820に加えなければならない閉鎖力を増大させる。
【0156】
図93は、上述のエンドエフェクタ15200、並びに本明細書に開示される様々な他のエンドエフェクタ構成に関連して使用され得る、代替的な発射部材17820を示す。図93で分かるように、発射部材17820は、例えば、本明細書に開示される様々な方法で発射駆動シャフト13810によって螺合可能に係合されるように適合された軸方向に延在するねじ付き通路17824を含む本体部分17822を備える。上述したように、発射プロセス中、発射部材本体17822は、エンドエフェクタの細長いチャネル内に装着されている外科用ステープルカートリッジ内の軸方向スロットを通って延在するように構成される。ステープルカートリッジ内の軸方向スロットは、細長いチャネルの底部の軸方向スロットと垂直方向に整列し、発射プロセス中に発射部材本体17822の底部がそこを通って延在することを可能にする。図93に示すように、底部チャネル係合部材又はベース部17830は、発射部材本体17822に取り付けられるか、又はその上に形成される。ベース部17830は、発射中にチャネルの底部と摺動可能に係合するように構成されている。加えて、上部アンビル係合部材17826は、発射部材本体17822の上部に形成されるか、又はその上部に取り付けられる。
【0157】
更に図93を参照すると、1つの態様では、ベース部17830は、発射部材本体17822の左側から横方向に突出する左フランジアセンブリ17832Lと、発射部材本体17822の右側から横方向に突出する右フランジアセンブリ17832Rとを備える。ベース部17830は、発射部材本体17822の下部の幅LBW’よりも大きいベース部幅BW’を有する。1つの態様では、下部本体幅LBW’は、外科用ステープルカートリッジ及び細長いチャネル内の軸方向スロットの幅よりも小さい。BW’を有するベース部は、外科用ステープルカートリッジ及び細長いチャネル内の軸方向スロットの幅よりも大きい。上部アンビル係合部材17826は、発射部材本体17822の左側から横方向に突出する左上部フランジアセンブリ17827Lと、発射部材本体17822の右側から横方向に突出する右上部フランジアセンブリ17827Rとを備える。上部アンビル係合部材17826は、発射部材本体17822の上部の幅TBW’よりも大きい幅TW’を有する。1つの態様では、上部本体幅TBW’は、本体17822の上部が摺動可能に通過することを可能にするようにアンビル内の軸方向スロットの幅より小さく、一方、上部アンビル係合部材17826の幅TW’は、アンビルスロットの幅よりも大きい。
【0158】
態様では、左及び右フランジアセンブリ17832L、17832Rのそれぞれは、軸方向長さCLを有する中央セグメント17834と、軸方向近位長さPLを有する近位セグメント17836と、軸方向遠位長DLを有する遠位セグメント17838と、を備える。図93を参照されたい。ベース部16830は、全体軸方向長さBL’を有する。したがって、BL’=PL+CL+DLである。1つの例では、PL及びDLはそれぞれ>CLである。1つの構成では、PL=DL>CLである。各フランジアセンブリ17832L及び17832Rに関して、近位セグメント17836の近位端17840は、発射部材17820が開始位置に戻る間に細長いチャネルとの摩擦係合を低減するためにアール形状である。加えて、近位セグメント17836は、中央セグメント17834からアール形状の近位端17840まで近位方向に先細になっている、近位テーパ状上面17842を有し得る。例えば、中央セグメント17834の厚さHCは、図示されるように近位端17840の厚さHDよりも大きい。1つの構成では、例えば、近位テーパ状上面17842は、約8度未満、好ましくは4度未満、かつ0度超の近位フランジ角PFAで、中央セグメント17834の水平上面17837から下方に角度をなしてもよい。したがって、少なくとも1つの例では、8°>PFA<4°である。同様に、遠位セグメント17838の遠位端17844は、発射プロセス中に細長いチャネルとの摩擦係合を低減するためにアール形状である。加えて、遠位セグメント17838は、中央セグメント17834からアール形状の遠位端17844まで近位方向に先細になっている、遠位テーパ状上面17846を有し得る。図95を参照されたい。例えば、中央セグメント17834の厚さHCは、図示されるように遠位端17844の厚さHDよりも大きい。1つの構成では、例えば、遠位テーパ状上面17846は、約8度未満、好ましくは4度未満、かつ0度超の遠位フランジ角DFAで、中央セグメント17834の水平上面17837から下方に角度をなしてもよい。したがって、少なくとも1つの例では、8°>DFA<4°である。
【0159】
図96は、以下に述べる相違点を除いて、本明細書に開示されるアンビル構成の多くと同一であり得る、発射部材17820及びアンビル17300を示す。図96で分かるように、アンビル17300は、細長いアンビル本体17302及びアンビル取り付け部分17310を含む。細長いアンビル本体部分17302は、発射部材本体17822の内部を通る上方部分の軸方向通路を収容するように構成された細長いアンビルスロット(図示せず)を備える。アンビル本体17302は、対応する右上部フランジ17827R及び左上部フランジ17827Lを内部に収容するために、アンビルスロットの各側面上に軸方向フランジ通路17308を画定する軸方向に延在するレッジ17304を更に含む。図96に示される例では、レッジ17304は、遠位部分17305、移行部分17306、及び近位部分17307を含む。遠位部分17305は、軸方向の傾斜を伴わずに、すなわち、水平に形成される。移行部分17306は、遠位部分17305に対して移行角TLAで形成される。近位部分17307は、移行角TLAよりも大きい遠位部分17305に対する近位角PLAで形成される。この構成は、閉鎖プロセス中に発射部材17820とアンビル17300との間に確立される摩擦力及び拘束力の程度を低減する役割を果たす。加えて、オフセット距離OD’だけ近位方向軸方向にオフセットされた上部アンビル係合部材17826を有することによって、及び/又は上部アンビル係合部材17826の軸方向長さTL’を軸方向ベース部長さBL’より短くすることによって、上部アンビル係合部材17826とレッジ17304の近位部分17307との間の拘束量を低減することができる。当然のことながら、このプロセス中に生じる摩擦力及び拘束力の全ては、概して、アンビル17300を閉じるために発射部材17820に加えなければならない閉鎖力を増大させる。このような構成はまた、発射プロセス中に、発射部材17820の誘導を改善し、並びに、回転発射駆動シャフト13810に加えられるねじり又は曲げ荷重を低減するようにも機能し得る。
【0160】
図97は、本明細書に開示されるモータ駆動外科用器具の多くによって、その発射システムに関連して使用され得るフィードバックシステム17900の論理図の例を示す。例えば、フィードバックシステム17900は、外科用器具13000の発射システム13800によって利用されてもよい。フィードバックシステム17900は、回路を備える。回路は、プロセッサ17904及びメモリ17906を備えるコントローラ17902を含む。発射モータ13802は、モータ駆動器17908によって駆動され、発射駆動シャフト13810を回転し、発射部材13820を軸方向に駆動する。追跡システム17910は、発射部材13820の位置を判定するように構成されている。位置情報は、発射部材13820の位置、並びにカムアセンブリ13740、及び発射駆動シャフト13810などの位置を判定するようにプログラム又は構成され得るプロセッサ17904に提供される。
【0161】
図97に示される態様では、例えば、歪みゲージ又は微小歪みゲージなどのセンサ17912は、例えば、アンビル13300に加えられる閉鎖力を示すことができる、把持動作中にアンビル13300に及ぼされる歪みの振幅などのエンドエフェクタ13200の1つ以上のパラメータを測定するように構成されている。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、プロセッサ17904に提供される。センサ17912の代わりに、又はこれに加えて、例えば、負荷センサなどのセンサ17914が、閉鎖駆動システム13500によってアンビル13300に加えられる閉鎖力を測定することができる。例えば、負荷センサなどのセンサ17916は、外科用器具13000の発射ストローク中にIビームに加えられる発射力を測定することができる。代替的に、発射モータ13802による引き込み電流を測定するために、電流センサ17918を用いることができる。発射部材13820を前進させるために要する力は、例えば、発射モータ13802によって引き出される電流に対応することができる。測定された力は、デジタル信号に変換されて、プロセッサ17904に提供される。
【0162】
図98は、本明細書に開示される外科用器具13000又は他の外科用器具/システムの態様を制御するように構成された制御回路を示す。図98は、本開示の1つの態様による、外科用器具13000の態様を制御するように構成された制御回路17920を示す。制御回路17920は、本明細書に説明される様々なプロセスを実装するように構成することができる。制御回路17920は、少なくとも1つのメモリ回路17924に連結された1つ以上のプロセッサ17922(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ)を備えるコントローラを備えることができる。メモリ回路17924は、プロセッサ17922によって実行されると、本明細書に説明される様々なプロセスを実装するための機械命令をプロセッサ17922に実行させる、機械実行可能命令を記憶する。プロセッサ17922は、当該技術分野で既知の多くのシングルコア又はマルチコアプロセッサのうちの任意の1つであってよい。メモリ回路17924は、揮発性及び不揮発性の記憶媒体を含むことができる。プロセッサ17922は、命令処理ユニット17926及び演算ユニット17928を含んでもよい。命令処理ユニットは、本開示のメモリ回路17924から命令を受信するように構成されてもよい。
【0163】
図99は、本明細書に開示される外科用器具13000又は他の外科用器具/システムの態様を制御するように構成された組み合わせ論理回路17930を示す。組み合わせ論理回路17930は、本明細書に説明される様々なプロセスを実装するように構成することができる。回路17930は、外科用器具13000と関連付けられたデータを入力17934において受信し、組み合わせ論理17932によってデータを処理し、出力17936を提供するように構成された組み合わせ論理回路17932を含む有限状態マシンを含み得る。
【0164】
図100は、本明細書に開示される外科用器具13000又は他の外科用器具/システムの態様を制御するように構成された順序論理回路17940を示す。順序論理回路17940は、本明細書に説明される様々なプロセスを実装するように構成することができる。回路17940は、組み合わせ論理回路17942を備える有限状態マシンを備えてよい。順序論理回路17940は、例えば、組み合わせ論理回路17942、少なくとも1つのメモリ回路17944、及びクロック17949を含んでもよい。少なくとも1つのメモリ回路17944は、有限状態マシンの現在の状態を記憶することができる。特定の例では、順序論理回路17940は、同期式又は非同期式であってもよい。組み合わせ論理回路17942は、本明細書に開示される外科用器具13000又は他の外科用器具/システムと関連付けられたデータを入力17946において受信し、組み合わせ論理回路17942によってデータを処理し、出力17948を提供するように構成される。他の態様では、回路は、プロセッサ17922と、本明細書の様々なプロセスを実装する有限状態マシンと、の組み合わせを含んでもよい。他の態様では、有限状態マシンは、組み合わせ論理回路17930及び順序論理回路17940の組み合わせを含むことができる。
【0165】
態様は、製造物品として実装されてもよい。製造物品は、1つ又は2つ以上の態様の様々な動作を行うための論理、命令、及び/又はデータを格納するように構成されたコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。例えば、製造物品は、汎用プロセッサ又は特定用途向けプロセッサによって実行するために好適なコンピュータプログラム命令を含む磁気ディスク、光学ディスク、フラッシュメモリ、又はファームウェアを含んでもよい。本明細書に開示されるモータのそれぞれは、モータのシャフト上の出力トルクを測定するためのトルクセンサを備えてもよい。エンドエフェクタ上の力は、ジョーの外側の力センサによって、又はジョーを作動させるモータのトルクセンサなどによって、任意の従来の方法で感知されてもよい。
【0166】
例えば60mmのエンドエフェクタなどのより長いエンドエフェクタを使用するときに起こり得るように、厚い組織上でクランプするとき、アンビルはかなり応力を受け得る。例えば、アンビルが実際に屈曲し、外科用ステープルカートリッジのデッキから離れる方向にそのステープル成形下面を上方に屈曲させる場合がある。そのような状態は、一般的に、構成要素の信頼性だけではなく、形成不良のステープルにもつながり得るという点でも望ましくない。極端な状態では、その初期閉鎖位置において、アンビル位置は、外科用ステープルカートリッジに対して角度をなしている場合がある。
【0167】
図101及び図102は、本明細書に開示される様々な発射制御システムを動作させるために使用され得るプロセス17950を示す。図101は、発射プロセス中に経過した時間量に対して、発射部材14820(又は、例えば発射部材13820)のx位置を関連付けるグラフ形態のプロセス17950の1つの形態を示す。発射プロセスは、発射モータ13802を動作させて、発射部材14820を一定速度で駆動することによって開始される(17952)。発射モータ13802を動作させて、発射部材14820を一定速度で前方に駆動すると(17952)、17954において、制御回路は、モータ電流がアンビルの最終閉鎖位置に関連する既定のモータ電流閾値MCを超えるまで、発射モータ13802の電流を監視する。所定のモータ電流閾値MCは、アンビル13300が最終閉鎖位置に達するまでに発射部材14820が移動しなければならない軸方向距離に基づいて選択され得る。1つの構成では、例えば、発射部材14820は最初に、その開始位置から遠位に約(0.250’’)移動してもよい。この段階で、発射モータ13802は、所定の第1の量の滞留時間TD1にわたって停止し(17956)、クランプされた組織内の流体がクランプされた組織からの流出又は移動を始めさせる(組織のクリープ変形)更に、待機時間の後、発射部材14820を少量の垂直負荷又は抵抗に遭遇させ、その位置を通る横方向移動の可能性を改善することができる。1つの構成では、TD1は、例えば1~5秒であってもよい。第1の量の滞留時間TD1が経過した後、発射モータ13802を逆回転方向に駆動し(17958)、発射部材14820を所定の軸方向距離ADP1だけ後退させてよい(近位方向の軸方向移動)。1つの例では、ADP1は、例えば、約0.1’’~0.15’’であってもよい。このような動作は、組織のクリープ変形を継続させる(流体はクランプされた組織から流出する)。発射部材14820が所定の軸方向距離ADP1を後退すると、発射モータ13802は、第2の所定量の滞留時間TDにわたって停止する(17960)。1つの例では、TDは、例えば、約0.5~1.0秒であってもよい。TDの経過後、発射モータ13802を、発射部材14820を第2の軸方向距離ADD2だけ遠位に駆動するように動作させる(17962)。1つの例では、第2の軸方向距離ADD2は、例えば、約0.0125’’~0.250’’であってもよい。この段階17964において、発射モータ13802は、更なる組織のクリープ変形を促進するために、第3の所定量の滞留時間TDで停止される。1つの構成では、TD3は例えば1~5秒であってもよい。第3の量の滞留時間TD3が経過した後、発射モータ13802を逆回転方向に駆動し(17966)、発射部材14820を第2の所定の軸方向距離ADP2だけ後退させる(近位方向の軸方向移動)。1つの例では、ADP2は、例えば、約0.1’’~0.15’’であってもよい。この時点で、発射部材14820がその終了位置に到達するまで遠位方向に駆動するように、発射モータ13802を動作させることができる(17968)。代替的に、発射部材14820が軸方向距離ADP2を近位に駆動された後、発射部材を遠位に駆動するように動作する前に、発射モータ13802を、別の滞留時間TDの間停止してもよい。1つの例では、TDは、例えば、約0.5~1.0秒であってもよい。好ましい構成では、発射部材14820は、17968において細長いチャネルに平行なアンビルトラックの部分に入っている。発射部材14820がその終了位置に達すると(センサによって検出され得るように)、発射モータ13802を反転し、発射部材14820を開始位置に後退させてよい(17969)。このようなプロセスは、堅牢な組織のクランプ留め及びステープル留め中にアンビルによってもたらされる曲げの量及び他の応力を低減するように機能し得る。
【0168】
図103及び図104は、本明細書に開示される様々な発射制御システムを動作させる別のプロセス17970を示す。図103は、発射プロセス中に経過した時間量に対して、発射部材14820(又は、例えば13820)のx位置を関連付けるグラフ形態の1つのプロセス17970を示す。発射プロセスは、発射モータ13802を動作させて、発射部材14820を第1の事項方向距離ADD1だけ駆動することによって開始される(17972)。発射部材14820の位置は、アンビル14300内に位置付けられるセンサ(ホール効果など)によって検出され、制御回路17920に伝達されてよい。代替プロセス17970’では、発射モータ13802を、第1の所定の時間TP動作させ(17972’)、発射部材14820を第1の軸方向遠位距離ADD1だけ駆動してもよい。図105を参照されたい。その後、発射モータ13802を逆回転方向に駆動し(17974)、発射部材14820を所定の軸方向近位距離ADP1だけ後退させる(近位方向の軸方向移動)。1つの例では、ADP1は、例えば、約0.1’’~0.15’’であってもよい。このような動作は、組織のクリープ変形を継続させる(流体はクランプされた組織から流出する又は出る)。プロセス17970’では、発射モータ13802を、第2の所定の時間TP動作させ(17974’)、発射部材13820を第1の軸方向近位距離ADP1だけ駆動してもよい。発射部材14820が所定の軸方向近位距離ADP1だけ後退すると、17976において発射モータ13802を駆動して、発射部材14820を第2の軸方向遠位距離ADD2だけ遠位に駆動する。代替プロセス17970’では、発射モータ13802を、第3の所定の時間TP動作させ(17976’)、発射部材14820を第2の軸方向遠位距離ADD2だけ駆動してもよい。その後、発射モータ13802を逆回転方向に駆動し(17978)、発射部材14820を第2の所定の軸方向近位距離ADP2だけ後退させる。1つの例では、ADP2は、例えば、約0.1’’~0.15’’であってもよい。代替プロセス17970’では、発射モータ13802を、第4の所定の時間TP動作させ(17978’)、発射部材14820を第2の軸方向近位距離ADP2だけ駆動してもよい。その後、17980において、発射モータ13802を駆動し、発射部材14820を第3の軸方向遠位距離ADD3だけ遠位に駆動する。代替プロセス17970’では、発射モータ13802を、第5の所定の時間TP動作させ(17980’)、発射部材14820を第3の軸方向遠位距離ADD3だけ駆動してもよい。その後、発射モータ13802を逆回転方向に駆動し(17982)、発射部材14820を第3の所定の軸方向近位距離ADP3だけ後退させる。1つの例では、ADP3は、例えば、約0.1’’~0.15’’であってもよい。代替プロセス17970’では、発射モータ13802を、第6の所定の時間TP動作させ(17982’)、発射部材14820を第3の軸方向近位距離ADP3だけ駆動してもよい。その後、17984において、発射モータ13802を駆動し、発射部材14820をその終了位置まで遠位に駆動する。代替プロセス17970’では、発射モータ13802を、第7の所定の時間TP動作させ(17984’)、発射部材14820を終了位置に駆動してもよい。発射部材14820がその終了位置に達すると(例えば、センサによって検出されるように)、発射モータ13802を反転し、発射部材14820を開始位置に後退させてよい(17986、17986’)。
【0169】
好ましい構成では、発射部材14820は、17984において細長いチャネルに平行なアンビルトラックの部分に入っている。このようなプロセスは、堅牢な組織のクランプ留め及びステープル留め中のアンビルの曲げ及び応力を低減するように機能し得る。他の構成において、種々軸方向遠位距離及び時間を変更してもよい。1つの構成では、軸方向遠位距離ADD1、ADD2、ADD3は、等しくてもよく、又は異なっていてもよい。同様に、時間TP、TP、TPは、等しくてもよく、又は異なっていてもよい。
【0170】
プロセス17950、17970、17970’は、比較的厚い組織をクランプ留めし、発射する際に特に有用であり得る。いくつかの回転駆動エンドエフェクタ構成は、アンビルのアンビル取り付け部分に隣接する比較的急なアンビル開始時の傾斜を必然的に有し得る、比較的短いアンビル取り付け接合部と共に構築され得る。このような急な開始時の傾斜は、従来の閉鎖及び発射システムのプロセスを使用するときに、横断させるのが特に困難であり得る。本明細書に開示される様々なプロセス及び手順は、従来の発射及び閉鎖プロセスを別の方法で使用するときに、発射部材によって通常もたらされる拘束応力の量を低減/最小化しながら、アンビルの完全な閉鎖を可能にする/容易にする。
【0171】
図106及び図107は、多くの態様において発射部材14820と同様であり得る別の形態の発射部材18820を示す。図106及び図107で分かるように、発射部材18820は、ねじ山がなく、互いに離間しており、それらの間にねじ付き駆動ナット18830を受容する、2つの下向きに延在する中空取り付け部分18824を含む、本体部分18822を備える。図107及び図108で分かるように、駆動ナット18830は、発射駆動シャフト13810を螺合可能に係合するように構成されたねじ付き通路18831を含む。駆動ナット18830は、上述したように、細長いチャネルの底部の軸方向スロットを通って延在するようにサイズ決めされた垂直タブ部分18832を含む。2つの横方向に延在するチャネル係合フランジ18834は、ねじ付き駆動ナット18830上に形成され、細長いチャネルの底部を係合するように構成されている。発射駆動シャフト13810の回転によって、駆動ナット18830が軸方向に移動する。駆動ナット18830が軸方向に移動すると、駆動ナット18830は、図108に示されるように、発射部材本体18822に軸方向駆動力DFを加え、発射部材18820を軸方向に駆動させる。このような構成により、図示されるように、剪断力SFが発射駆動シャフト13810に加えられる。この負荷構成は、発射駆動シャフト13810を剪断破壊モードにし、曲げるために好ましい場合がある。図108を参照されたい。システムは、発射駆動シャフト13810を中空取り付け部分18824の一方に通過させ、発射駆動シャフト13810が第2の中空取り付け部分18824を通過し、組み立てられた発射部材18820が発射駆動シャフト13810上の所望の位置になるまで、駆動ナット18830のねじ付き通路18831内にねじ込むことによって組み立てられる。加えて、2つの横方向に延在するアンビル係合タブ18826は、発射部材本体18822の上部に形成され、発射部材18820がエンドエフェクタ内で軸方向に移動されると、アンビルと係合するように構成されている。発射部材本体18822の上部は、遠位に延在するアンビルノーズ部分18836を更に備える。
【0172】
この構成において、発射部材18820は、新しく未発射ステープルカートリッジが細長いチャネル内に適切に設置されていない限り、発射部材18820がその開始位置から遠位に前進するのを阻止するように構成された発射部材ロックアウト機構18840を含む。1つの例では、発射部材ロックアウト機構18840は、発射部材本体18822の周囲に延在する、そこから突出する2つの離間配置された取り付け脚部18844を有するロックアウト本体18842を備える。各取り付け脚部18844は、取り付け部分18824中の開口部18825内に枢動可能に受容されるように適合された、内側に延在する枢動ピン18846を含む。ロックアウト機構18840は、ステープルカートリッジ内のカムアセンブリ18740と接触するように構成されたスレッドラッチ18848を更に含む。
【0173】
図109及び図110を参照すると、発射部材18820は、上述のカムアセンブリ14740と多くの態様で類似しているカムアセンブリ18740と動作可能に連動するように構成されている。例えば、1つの態様では、カムアセンブリ18740は、ステープルカートリッジ内で動作可能に支持され、本明細書に記載される様々な方法のいずれかで、発射駆動シャフト13810上にスナップ留めされるか、ないしは別の方法で動作可能に連動するように構成されている。例えば、カムアセンブリ18740は、上述の方法で発射駆動シャフト13810上のねじ山又はねじ山セグメントに螺合可能に係合するように構成された一連の雌ねじセグメント(図示せず)を有し得るカムアセンブリ本体18741を備える。他の構成では、カムアセンブリ18740はねじ山を有さなくてもよい。そのような構成において、発射部材本体18822は、例えば、発射駆動シャフト13810の周りに(螺合係合なしに)延在するように構成される。このような構成では、カムアセンブリ18740は、発射部材18820によってステープルカートリッジを通って遠位側に駆動される。発射部材18820及びカムアセンブリ18740がそれらの最遠位終了位置に駆動されると、カムアセンブリ18740がその終了位置に留まる間、発射駆動シャフト13810を逆回転方向に回転させることによって、発射部材18820をその開始位置に後退させてもよい。
【0174】
更に図109及び図110で分かるように、カムアセンブリ本体18741は、ロックアウト機構18840上のスレッドラッチ18848を係合するように構成された近位方向に延在するロック解除部分18742を含む。したがって、上述したように、カムアセンブリ18740を含む新しく未発射の外科用ステープルカートリッジが、エンドエフェクタの細長いチャネル内に適切に設置されているとき、カムアセンブリ18740上の近位に延在するロック解除部分18742は、ロックアウト機構18840上のスレッドラッチ18848と係合して、ロックアウト機構18840を、ロックアウト機構18840が細長いチャネル内のロックアウト孔内に延在しないロック解除位置へと枢動させる。図109及び図110でも分かるように、カムアセンブリ本体18741は、ステープルカートリッジ内の列内で支持された対応するステープルドライバと整列される一連のカム部材18743を含む。
【0175】
未発射の開始位置にあるカムアセンブリ18740を内部に収容する新しいステープルカートリッジが、エンドエフェクタの細長いチャネル内に適切に装填され、そのアンビルが閉鎖システムの作動によって閉鎖位置に移動されると、発射システムを作動して発射部材18820を遠位に駆動することができる。発射部材18820を遠位に移動し続けると、カムアセンブリ18740内の雌ねじ(存在する場合)が、発射駆動シャフト13810上の対応するねじ山と係合する。発射駆動シャフト13810を回転し続けると、カムアセンブリ18740及び発射部材18820が、本明細書に記載される方法でステープルカートリッジを通って遠位に移動する。カム部材18743がカートリッジ本体内の対応するステープルドライバに接触すると、カム部材18743は、ドライバをそれぞれのポケット内で上方に駆動する。ドライバが上方に駆動されると、上面に支持されるステープル又は締結具は、カートリッジとアンビルとの間にクランプされた組織を通過させられ、アンビルのステープル形成下面との接触を形成する。
【0176】
カムアセンブリ14740とは異なり、カムアセンブリ18740は、組織切断部材又はブレード18747を収容する。1つの態様では、組織切断部材18747は、展開位置(図109)から引っ込んだ、つまり格納位置(図110)に移動可能であるように、カムアセンブリ本体18741上で移動可能に支持される。1つの態様では、カム部材18743は、組織切断部材18747が組織を切断する前に、ステープル又は締結具が組織を通して配備されるように、組織切断部材18747を越えて遠位に延在する。したがって、クランプ留めされた組織がステープル留めされ、その後、発射部材18820及びカムアセンブリ18740を遠位に駆動すると切断される。1つの態様では、組織切断部材18747は、展開位置と格納位置との間で枢動可能であるように、枢動ピン18749上で枢動可能に支持される。組織切断部材18747は、カムアセンブリ本体18741内に画定されたブレード取り付け部分18746内に取り付けられる。1つの例では、組織切断部材18747は、カムアセンブリ本体18741内の対応する凹部と解放可能に係合するように構成された組織切断部材18747内の戻り止め(図示せず)によって、展開位置に解放可能に保持されてもよい。他の解放可能な組織切断リテーナ構成が想到される。少なくとも1つの構成では、カムアセンブリ18740がステープルカートリッジ内の最遠位終了位置まで駆動されると、組織切断部材18747は、カートリッジ本体の遠位端に設けられた対応する作動機構との接触によって、格納位置へと枢動するように構成されている。発射行程の完了時に、発射駆動シャフト13810は反対方向に回転され、発射部材18820をエンドエフェクタ内の開始位置へと近位に駆動させる。カムアセンブリ18740は、発射駆動シャフト13810から係合解除され、終了位置に留まる。発射部材18820が開始位置に戻った後、閉鎖システムを起動し、アンビルを開放位置に移動させ、それによってステープル留めされた組織をエンドエフェクタから解放できる。その後、「使用済み」ステープルカートリッジを、エンドエフェクタの細長いチャネルから取り外してもよい。使用者が使用済みカートリッジの再使用を試みると、カムアセンブリ18740が開始位置にないため、ロックアウト機構18840は、発射部材18820の偶発的な作動を阻止する。
【0177】
図111は、組織分離機構18821が発射部材本体18822’の遠位縁部18823上に形成されることを除いて、上述の発射部材18820と同一である代替の発射部材構成18820’を示す。別の言い方をすれば、発射部材本体18822’の遠位縁部18823は、その上に組織切断縁部を形成することなく、より薄い断面に向かって先細になっている。この組織分離機構は、例えば、様々な金属射出成形技術を使用して形成され得る。このような機構は、カムアセンブリ18740上の組織切断部材17847’によって切断された後に組織を広げるのに役立つ(追加的に切断することなく)。
【0178】
このようなカムアセンブリ構成は、新しいカートリッジごとに新しい切断面を提供する。加えて、異なるカートリッジ全体にわたる組織切断部材は、特定の用途に応じて異なる外形、厚さ、及び切断力を有し得る。例えば、バットレス材料と共に使用するように構成されたカートリッジは、より堅牢な組織切断部材を有してもよい(例えば、組織切断部材が、より鋭利である、より厚い、より小さい研ぎ角度を有す、鋸歯状であるなど)。図111は、例えば、鋸歯状組織切断部材18747’を示す。したがって、組織切断部材の特定の構成は、切断され、ステープル留めされる組織の特定の種類及び厚さに合わせて調整され得る。
【0179】
図112及び図113は、例えば、以下に記載される相違点を除いて、カムアセンブリ18740と同一であり得るカムアセンブリ18740’を含む、外科用ステープルカートリッジ18700を示す。カートリッジ18700は、内部での発射部材18820の軸方向移動に適応するように構成された、中心に配設された細長いカートリッジスロット18704を有する細長いカートリッジ本体18702を含む。また、図示された例では、3つの列の外科用ステープルポケット18706が、細長いスロット18704の各側に形成されている。各ステープルポケット18706は、カートリッジ本体18702のカートリッジデッキ表面18703に開口部を画定する。各ステープルポケット18706は、その上に1つ以上の外科用ステープル又は締結具(図示せず)を支持する、それと関連付けられたステープルドライバ(図示せず)を有し得る。図113で分かるように、安全ガレージ18732は、カムアセンブリ18740が開始位置にあるときに、組織切断部材18747(展開位置にある)がそれによって保護される(露出されていない)ように、カートリッジ本体13702の近位端18730上に形成される。
【0180】
図114は、明確にするために組織切断部材を省略したカムアセンブリ18740’の1つの形態を示す。カムアセンブリ18740’は、カムアセンブリ本体18741’が、ブレード取り付け部分18746内に延在する後退通路18745を更に含むことを除いて、カムアセンブリ18740と実質的に同一である。図115及び図116を参照すると、1つの態様では、組織切断部材18747は、カートリッジ本体18702の遠位端18734上に形成された後退部材18738によって接触されると、組織切断部材18747をその展開位置(図115)からその引っ込んだ、つまり格納位置(図116)へと枢動できる作動尾部18748を含む。図115で分かるように、カムアセンブリ18740’が終了位置に近づくと、後退部材18738は、カムアセンブリ本体18741’内の後退通路18745を通って延在して、組織切断部材18747上の作動尾部18748に接触する。後退部材18738は、カムアセンブリ18740’がカートリッジ本体18702の遠位端18734内の最終の最遠位位置に到達すると、組織切断部材18747を引っ込んだ、つまり格納位置(図116)まで枢動させる。図116で分かるように、1つの例では、カム部材18743は、カートリッジ本体18702の遠位端18734の端壁18736に接触する。隙間開口部18739は、カートリッジ本体18702の遠位端に設けられ、組織切断部材18747が引っ込んだ、つまり格納位置まで枢動するのに十分な隙間を提供する。図116に更で分かるように、組織切断部材18747が引っ込んだ、つまり格納位置にあるとき、その上の切断面18751は、カートリッジ本体18702のカートリッジデッキ表面18703の下に格納されて、そこへのアクセスを阻止する。
【0181】
図117は、組織切断部材18747が展開状態にある、開始位置にあるカムアセンブリ18740’を示す。図117で分かるように、組織切断部材18747は、カートリッジ本体18702の近位端18730上のガレージ部分18732内に配置され、その結果、その上の組織切断面18751は、内部に完全に受容されて露出されておらず、カートリッジ18700の操作中のユーザーのけがを予防する。図118は、カートリッジの遠位端にある引っ込んだ、つまり格納位置まで移動された後の組織切断部材18747を示す。図118で分かるように、組織切断面18751は、カートリッジデッキ表面18703の下方に安全に位置し、発射後の使用済みカートリッジの取り外し及び廃棄中の不注意によるけがを予防する。図119及び図120についても参照されたい。
【0182】
図121図123は、発射部材上に提供される切断部材リテーナと相互作用するように構成された代替的な組織切断部材18747’’を示す。図121は、それ以外は上述の発射部材18820と同一である発射部材18820’を示す。しかしながら、発射部材18820’は、切断部材リテーナ18827も含む。図121で分かるように、カムアセンブリ18740’’は、ステープルカートリッジ18700’内の開始位置にある。組織切断部材18747’’は展開位置にあり、カートリッジ本体18702のガレージ部分18732内に受容される。ねじりばね18753は、カムアセンブリ本体18741上に取り付けられ、組織切断部材18747’’を格納位置まで枢動させる付勢運動を組織切断部材18747’’に加えるように構成されている。発射前にばね18753によって加えられる付勢運動に対して組織切断部材18747’’を展開位置に保持するために、脆弱なブレードリテーナ18755が、ガレージ18732内に支持され、組織切断部材18747’’を展開位置に保持する。ブレードリテーナ18755は、発射プロセス中にカムアセンブリ18740’’がカートリッジ18700’’を通って遠位に前進するときに組織切断部材18747’’上の組織切断面18751によって切断され得る、ゴムなどの軟質材料から製作されてもよい。
【0183】
図121は、カートリッジ18700’がエンドエフェクタ内に適切に装填された後、かつ発射前の、ステープルカートリッジ18700’及び発射部材18820’の位置を示す。図121で分かるように、発射部材18820’は開始位置にあり、遠位に前進してカムアセンブリ18740’’と係合していない。図122において、発射部材18820’はまず遠位に前進して、カムアセンブリ18740’’を、発射部材18820’上の切断部材リテーナ18827が、組織切断部材18747’’上の作動尾部18748’’と係合して、発射プロセス中に組織切断部材18747’’を展開位置に保持する点に接触させる。発射部材18820’及びカムアセンブリ18740’’が遠位に前進すると、発射プロセスが進行するにつれて、組織切断部材18747’’がカートリッジ本体ガレージ18732内の脆弱なブレードリテーナ18755を切断する。図123は、その終了位置にあり、発射部材18820’がまず近位方向PDに後退運動を開始した後のカムアセンブリ18740’’を示す。図122で分かるように、切断部材リテーナ18827は、組織切断部材18747’’上の作動尾部18748’’から係合解除され、ねじりばね18753が組織切断部材18747’’を格納位置に付勢することを可能にする。発射部材18820’は、開始位置へと後退し、使用済みカートリッジをエンドエフェクタから取り外すことが可能になる。発射プロセス中(すなわち、発射部材18820’及びカムアセンブリ18740’’の遠位への前進中)の任意の時間、発射プロセスが停止され、発射部材18820’を後退させる必要がなくなった場合、発射部材18820’’の近位方向への移動により、切断部材リテーナ18827から作動尾部18748’’が係合解除され、その時点でねじりばね18753は、組織切断部材18747’’を格納位置へと付勢する。したがって、カムアセンブリ18470’’は、組織切断部材18747’’が格納位置に付勢されるために終了位置にある必要はない。
【0184】
図124は、以下に説明する相違点を除いて先に詳述されたステープルカートリッジ14700と実質的に同一である、交換式ステープルカートリッジ14700’の1つの形態を示す。ステープルカートリッジ14700’は、例えば、上述した外科用器具14000と関連して使用され得る。1つの態様では、外科用器具14000は、後述する相違点を除いて、上記の発射部材14820と非常に類似した発射部材14820’を含む。発射部材14820’は、ねじ山がなく、互いに離間しており、それらの間にねじ付き駆動ナットを受容する、2つの下向きに延在する中空取り付け部分を含む、本体部分14822’を備える。ねじ付き駆動ナットは、上記の方法で、回転発射駆動シャフトのねじ付きセグメントを螺合係合するように構成されている。発射部材14820’は、発射部材本体14822’の底部から横方向に延在する一対のチャネル係合タブと、発射部材14820’がその端部から見たときにIビーム構成に見えるように、発射部材本体14822’の上部から延在する一対のアンビル係合タブ14828と、を有する。
【0185】
更に図124を参照すると、外科用ステープルカートリッジ14700’は、内部での発射部材14820’の軸方向移動に適応するように構成された、中心に配設された細長いカートリッジスロット14704を有する細長いカートリッジ本体14702’を含む。また、図示された例では、3つの列の外科用ステープルポケット14706が、細長いスロット14704の各側に形成されている。各ステープルポケット14706は、その上に外科用締結具(図示せず)を支持する、それと関連付けられたステープルドライバ(図示せず)を有し得る。1つの態様では、交換可能なステープルカートリッジ14700’は、カートリッジ14700’による切断及びステープル留めを意図する組織の種類及び構成に対して具体的に適合され得る交換式ブレード構造体14860を含む。より具体的には、カートリッジ本体14702’は、カートリッジ本体14702’の近位端14703上に形成されたブレード格納ガレージ14780を含む。
【0186】
図示された例では、発射部材14820’は、カートリッジ14700’内のブレード格納ガレージ14780に格納された取り外し可能なブレード構造体14860を取り外し可能に支持するように構成されている。1つの態様では、取り外し可能なブレード構造体14860は、組織切断縁部14862で終端するブレード本体14861を備える。図125及び図126を参照されたい。ブレード本体14861は、それぞれが位置決め戻り止め14866及びリテーナタブ14868を有する2つの可撓性取り付け脚部14864を更に備える。図125で分かるように、発射部材本体14822’の上部は、ブレード構造体14860を上部にスナップ式で受容するように構成されたブレード取り付け機構14870を備えて形成される。ブレード取り付け機構14870は、ブレード本体14861上の位置決め戻り止め14866に対応する位置決め溝14872と、ブレード本体14861上のリテーナタブ14868に対応する2つのラッチキャビティ14874とを含む。
【0187】
図127を参照すると、ブレード構造体14860は、ブレード格納ガレージ14780のキャビティ14782内に格納される。発射部材本体14822’は、ブレード収納ガレージ14780の近位端14781に形成された2つの内向きに延在する排出タブ14786の間に画定される開口部14784を通過するようにサイズ決めされる。外科用ステープルカートリッジ14700’が最初に外科用エンドエフェクタの細長いチャネル内に装着されるとき、発射部材14820’は、ブレード保管ガレージ14780の近位端14781より近位の開始位置にある。発射部材14820’を遠位方向DDに最初に作動させると、ブレード取り付け機構14870は、ブレード収納ガレージ14780の開口部14784を通って進入して、内部のブレード構造体14860と係合する。図127を参照されたい。発射部材14820’が引き続き遠位に前進すると、ブレード構造体14860は、ブレード取り付け機構14870とスナップ留めされて係合し、ブレード構造体14860が発射部材14820’と共にスロット14704を軸方向に移動して、アンビルと外科用ステープルカートリッジ14700’との間にクランプされた組織を切断する。図128を参照されたい。図128で分かるように、リテーナタブ14868は、ブレード取り付け機構14870の対応するラッチキャビティ14874内に設置される。ブレード構造体14860は、カートリッジ本体14702’内の軸方向スロット14704に対してサイズ決めされており、これにより、発射及びブレード格納ガレージ14780内への後退中に、リテーナタブ14868がそれぞれのラッチキャビティ14874内にしっかりと保持される。図129は、近位方向PDへの発射部材14820’の後退を示す。図128で分かるように、リテーナタブ14868が排出タブ14786に接触すると、リテーナタブ14868の近位への移動が阻止され、ブレード取り付け機構14870によるブレード構造体14860の係合解除が可能になる。1つの態様では、ブレード格納ガレージ14780内のキャビティ14782は、カートリッジ本体14702’のスロット14704よりも広く、それによってブレード構造体14860の可撓性取り付け脚部14864が横方向外側に広がり、ブレード取り付け機構14870を係合解除することができる。したがって、ブレード構造体14860は、使用済みのステープルカートリッジ14700’と共に廃棄されるブレード格納ガレージ14780内に残る。
【0188】
交換可能なステープルカートリッジ14700’は、切断される組織の種類及び構成に対して具体的に適合された特定のブレード構造体を含んでもよい。例えば、硬化金属から作製されるブレード構造体14860’は、ブレード構造体がステープル列を横切る必要があり得る用途において使用できる。図130を参照されたい。ブレードがバットレス材料を切断する必要があり得る用途では、鋸歯状切断縁部14862’’を有するブレード構造体14860’’が有利に使用され得る。図131を参照されたい。このような構成は、ユーザーに、それぞれ新しいステープルカートリッジを有する新しいブレードを提供する。
【0189】
図132は、以下に説明する相違点を除いて上述されたステープルカートリッジ13700と実質的に同一である、交換式ステープルカートリッジ13700’の別の形態を示す。ステープルカートリッジ13700’は、例えば、上述した外科用器具13000と関連して使用され得る。1つの態様では、ステープルカートリッジ13700’は、後述する相違点を除いて、上記の発射部材13820と同一である内蔵された発射部材13820’を含む。上記の方法では、例えば、発射部材13820’は、本明細書に記載されるように、内蔵された回転発射駆動シャフト13710によって外科用ステープルカートリッジ13700’内で軸方向に駆動されるように構成された、垂直方向に延在する発射部材本体13822’を備える。発射部材13820’は、発射部材本体13822’の底部から横方向に延在する一対のチャネル係合タブと、発射部材13820’がその端部から見たときにIビーム構成に見えるように、発射部材本体13822の上部から延在する一対のアンビル係合タブ13828と、を有する。
【0190】
更に図132を参照すると、外科用ステープルカートリッジ13700’は、内部での発射部材13820’の軸方向移動に適応するように構成された、中心に配設された細長いカートリッジスロット13704を有する細長いカートリッジ本体13702’を含む。また、図示された例では、3つの列の外科用ステープルポケット13706が、細長いスロット13704の各側に形成されている。各ステープルポケット13706は、その上に外科用締結具(図示せず)を支持する、それと関連付けられたステープルドライバ(図示せず)を有し得る。1つの態様では、発射部材13820’は、上述の方法で取り外し可能なブレード構造体14860を取り外し可能に支持するように構成される。ブレード構造体14860は、上で詳細に説明したように、カートリッジ本体13702’の近位端13701に形成されたブレード格納ガレージ13780内に格納される。しかしながら、この場合、ブレード構造体14860は、内蔵された発射部材13820’上に留まり、カートリッジ及び内蔵された発射部材13820’と共に廃棄されてもよい。
【0191】
本明細書で記載される主題の様々な態様を、以下の実施例において説明する。
【0192】
実施例1-チャネル及びチャネルに対して移動可能に支持されるアンビルと、アンビル及びチャネルと漸進的に軸方向に係合するように構成された発射部材と、を備える、外科用ステープラと共に使用するように構成された外科用ステープルカートリッジ。外科用ステープルカートリッジは、カートリッジ本体と、カートリッジ本体内に取り外し可能に格納された複数の外科用ステープルと、カムアセンブリと、共に移動するためにカムアセンブリ上に支持された切断部材と、を備える。カートリッジ本体は、カートリッジデッキ表面を備える。カムアセンブリは、カートリッジ本体に移動可能に支持され、かつ発射部材と動作可能に連動するように構成されており、発射部材の遠位方向への軸方向移動により、カムアセンブリがカートリッジ本体内の開始位置から終了位置へと駆動される。
【0193】
実施例2-切断部材は、カムアセンブリによって移動可能に支持され、切断部材の少なくとも一部がカートリッジ本体のカートリッジデッキ表面の上方に延在する展開位置と、切断部材の一部がカートリッジデッキ表面の下方にある引っ込み位置との間で移動可能である、実施例1に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0194】
実施例3-カムアセンブリが開始位置にあるとき、切断部材が展開位置に保持される、実施例2に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0195】
実施例4-カートリッジ本体は、カムアセンブリが開始位置にあり、切断部材が展開位置にあるときに、切断部材の一部を包囲するように構成されたガレージ部分を備える、実施例2又は3に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0196】
実施例5-切断部材が、ガレージ部分内の切断可能なリテーナによって展開位置に保持される、実施例4に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0197】
実施例6-カートリッジ本体がチャネル内に動作可能に設置されているとき、切断部材は、発射部材上のラッチ機構によって展開位置に保持される、実施例2に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0198】
実施例7-発射部材がカムアセンブリを開始位置から終了位置へと遠位方向に駆動するとき、切断部材は、発射部材上のラッチ機構によって展開位置に保持される、実施例6に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0199】
実施例8-カートリッジ本体は、カムアセンブリが終了位置に移動するとき、切断部材を引っ込み位置に移動させるように構成された解放機構を更に備える、実施例2に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0200】
実施例9-発射部材が近位方向に後退するとき、発射部材上のラッチ機構は、切断部材を係合解除するように構成されている、実施例6又は7に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0201】
実施例10-ラッチ機構がカムアセンブリから係合解除されるとき、切断部材を引っ込み位置内に付勢するための付勢具を更に備える、実施例6又は7に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0202】
実施例11-発射部材がモータ駆動される、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の外科用ステープルカートリッジ。
【0203】
実施例12-チャネル及びチャネルに対して移動可能に支持されるアンビルと、アンビル及びチャネルと漸進的に軸方向に係合するように構成された発射部材と、を備える、外科用ステープラと共に使用するように構成された外科用ステープルカートリッジ。外科用ステープルカートリッジは、カートリッジ本体と、カートリッジ本体内に取り外し可能に格納された複数の外科用ステープルと、カムアセンブリと、切断部材と、を備える。カートリッジ本体は、カートリッジデッキ表面を備える。カムアセンブリは、カートリッジ本体に移動可能に支持され、かつ発射部材と動作可能に連動するように構成されており、発射部材の遠位方向への軸方向移動により、カムアセンブリがカートリッジ本体内の開始位置から終了位置へと駆動される。切断部材は、発射部材が遠位方向に駆動されて切断部材と接触するとき、発射部材に取り外し可能に取り付けられるように構成されている。切断部材は、カートリッジ本体の近位部分内の準備位置に格納される。
【0204】
実施例13-発射部材が遠位方向に駆動されて切断部材と接触するとき、切断部材は、発射部材上にクリップ留めされるように構成されている、実施例12に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0205】
実施例14-切断部材が、ナイフブレードを画定する本体部材と、間に保持空間を画定する一対の離間配置されたばねアームと、を備え、一対の離間配置されたばねアームは、それらの間に発射部材の一部を保持して受容するように構成されている、実施例12又は13に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0206】
実施例15-発射部材が初期位置から遠位方向に駆動される際に、切断部材は、発射部材に取り外し可能に取り付けられ、発射部材が初期位置に後退したとき、切断部材は、カートリッジ本体の近位部分上のブレード格納ガレージ内に保持されるように、発射部材から取り外される、実施例12、13、又は14に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0207】
実施例16-切断部材が、発射部材に取り付けられる前に、カートリッジ本体の近位端上のブレード格納ガレージ内に保持される、実施例12、13、又は14に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0208】
実施例17-発射部材が、回転駆動シャフト上に螺着され、カムアセンブリが、回転駆動シャフト上で摺動可能に軸支されている、実施例12、13、14、15、又は16に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0209】
実施例18-カートリッジ支持体と、アンビルと、Iビーム発射部材と、外科用ステープルカートリッジと、を備える、外科用器具。アンビル及びカートリッジ支持体の一方は、アンビル及びカートリッジ支持体の他方に対して、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能である。Iビーム発射部材は、アンビル及びカートリッジ支持体と漸進的に軸方向に係合するように構成されている。外科用ステープルカートリッジは、カートリッジ本体と、カートリッジ本体内に取り外し可能に格納された複数の外科用ステープルと、カムアセンブリと、切断部材と、を備える。カートリッジ本体は、カートリッジ支持体に取り外し可能に支持されるように構成されており、カートリッジデッキ表面を備える。カムアセンブリは、カートリッジ本体に移動可能に支持され、かつIビーム発射部材と動作可能に連動するように構成されており、Iビーム発射部材の遠位方向への軸方向移動により、カムアセンブリがカートリッジ本体内の開始位置から終了位置へと駆動される。切断部材は、切断部材の少なくとも一部がカートリッジ本体のカートリッジデッキ表面の上方に延在する展開位置と、切断部材の一部がカートリッジデッキ表面の下方にある引っ込み位置との間で、カムアセンブリによって移動可能に支持されている。
【0210】
実施例19-カートリッジ支持体と動作可能に連結された細長いシャフトアセンブリと、細長いシャフトアセンブリに動作可能に取り付けられたハウジングと、ハウジングによって動作可能に支持され、Iビーム発射部材と連動して、Iビーム発射部材を軸方向に駆動する、モータと、を更に備える、実施例18に記載の外科用器具。
【0211】
実施例20-カートリッジ本体がカートリッジ支持体内に動作可能に設置されているとき、切断部材は、Iビーム発射部材上のラッチ機構によって展開位置に保持される、実施例18又は19に記載の外科用器具。
【0212】
本明細書で説明する外科用器具システムの多くは、電動モータによって駆動されている。本明細書に記載された外科用器具システムは、任意の好適な様態で動作することができる。様々な事例において、本明細書で説明した外科用器具システムは、例えば、手動操作トリガにより動作することができる。特定の例では、本明細書に開示されるモータは、ロボット制御式システムの1つ又は複数の部分を備えることができる。更に、本明細書に開示されるエンドエフェクタ及び/又は工具アセンブリのいずれもロボット手術器具システムと共に利用することができる。例えば、米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在は米国特許第9,072,535号は、ロボット外科用器具システムのいくつかの例をより詳細に開示している。
【0213】
本明細書に記載される外科用器具システムは、ステープルの展開及び変形に関連して説明されてきた。しかしながら、本明細書に記載された実施形態は、これに限定されない。例えば、クランプ又はタックなど、ステープル以外の締結要素を展開する様々な実施形態が想定される。更に、組織を封止するための任意の好適な手段を利用する、様々な実施形態も想到される。例えば、様々な実施形態によるエンドエフェクタは、組織を加熱して封止するように構成された電極を備え得る。また例えば、特定の実施形態によるエンドエフェクタは、組織を封止するために振動エネルギーを加えることができる。
【0214】
以下の開示の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、1995年4月4日に発行、
-米国特許第7,000,818号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」、2006年2月21日に発行、
-米国特許第7,422,139号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH TACTILE POSITION FEEDBACK」、2008年9月9日に発行、
-米国特許第7,464,849号、発明の名称「ELECTRO-MECHANICAL SURGICAL INSTRUMENT WITH CLOSURE SYSTEM AND ANVIL ALIGNMENT COMPONENTS」、2008年12月16日に発行、
-米国特許第7,670,334号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING AN ARTICULATING END EFFECTOR」、2010年3月2日に発行、
-米国特許第7,753,245号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」、2010年7月13日に発行、
-米国特許第8,393,514号、発明の名称「SELECTIVELY ORIENTABLE IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE」、2013年3月12日に発行、
-米国特許出願第11/343,803号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」、現在は米国特許第7,845,537号、
-米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」、2008年2月14日に出願、
-米国特許出願第12/031,873号、発明の名称「END EFFECTORS FOR A SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」、2008年2月15日に出願、現在は米国特許第7,980,443号、
-米国特許出願第12/235,782号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」、現在は米国特許第8,210,411号、
-米国特許出願第12/235,972号、発明の名称「MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許第9,050,083号。
-米国特許出願第12/249,117号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」、現在は米国特許第8,608,045号、
-2009年12月24日に出願された米国特許出願第12/647,100号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT WITH ELECTRIC ACTUATOR DIRECTIONAL CONTROL ASSEMBLY」、現在は米国特許第8,220,688号、
-米国特許出願第12/893,461号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE」、2012年9月29日に出願、現在は米国特許第8,733,613号、
-米国特許出願第13/036,647号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、2011年2月28日に出願、現在は米国特許第8,561,870号、
-米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在は米国特許第9,072,535号、
-2012年6月15日に出願された、米国特許出願第13/524049号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」、現在は、米国特許第9,101,358号、
2013年3月13日付けで出願された米国特許出願第13/800,025号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、現在は、米国特許第9,345,481号、
2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2014/0263552号、
-米国特許出願公開第2007/0175955号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH CLOSURE TRIGGER LOCKING MECHANISM」、2006年1月31日に出願、及び、
-米国特許出願公開第2010/0264194号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH AN ARTICULATABLE END EFFECTOR」、2010年4月22日に出願、現在は米国特許第8,308,040号。
【0215】
特定の実施形態と共に本明細書で様々なデバイスについて説明したが、それらの実施形態に対して修正及び変更が実施されてもよい。特定の特徴、構造又は特性を、1つ又は2つ以上の実施形態で、任意の好適な様態で組み合わせてもよい。したがって、一実施形態に関して図示又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、無制限に、1つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と全て、あるいは、部分的に組み合わされてよい。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。更に、様々な実施形態に従って、所与の機能(複数可)を実行するために、単一の構成要素を複数の構成要素に置き換えてもよく、また複数の構成要素を単一の構成要素に置き換えてもよい。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、そのような修正及び変形形態を全て包含することが意図される。
【0216】
本明細書に開示されるデバイスは、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整には、デバイスの分解工程、それに続くデバイスの特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後のデバイスの再組み立て工程の任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。具体的には、再調整の施設及び/又は外科チームは、デバイスを分解することができ、デバイスの特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、デバイスをその後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用できることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0217】
本明細書に開示のデバイスは、手術前に処理され得る。最初に、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、及び/又は高エネルギー電子などの、容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、β線、γ線、エチレンオキシド、過酸化水素プラズマ、及び/又は水蒸気が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を用いて滅菌され得る。
【0218】
代表的な設計を有するものとして本発明について記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用、又は適合を包含するものとする。
【0219】
〔実施の態様〕
(1) チャネル及び前記チャネルに対して移動可能に支持されるアンビルと、前記アンビル及び前記チャネルと漸進的に軸方向に係合するように構成された発射部材と、を備える、外科用ステープラと共に使用するように構成された外科用ステープルカートリッジであって、前記外科用ステープルカートリッジは、
カートリッジデッキ表面を備えるカートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納される複数の外科用ステープルと、
前記カートリッジ本体に移動可能に支持され、かつ前記発射部材と動作可能に連動するように構成されたカムアセンブリであって、前記発射部材の遠位方向への軸方向移動により、前記カムアセンブリが前記カートリッジ本体内の開始位置から終了位置へと駆動される、カムアセンブリと、
前記カムアセンブリと共に移動するために前記カムアセンブリ上に支持された切断部材と、を備える、外科用ステープルカートリッジ。
(2) 前記切断部材は、前記カムアセンブリによって移動可能に支持され、前記切断部材の少なくとも一部が前記カートリッジ本体の前記カートリッジデッキ表面の上方に延在する展開位置と、前記切断部材の前記少なくとも一部が前記カートリッジデッキ表面の下方にある引っ込み位置との間で移動可能である、実施態様1に記載の外科用ステープルカートリッジ。
(3) 前記カムアセンブリが前記開始位置にあるとき、前記切断部材が前記展開位置に保持される、実施態様2に記載の外科用ステープルカートリッジ。
(4) 前記カートリッジ本体は、前記カムアセンブリが前記開始位置にあり、前記切断部材が前記展開位置にあるときに、前記切断部材の前記少なくとも一部を包囲するように構成されたガレージ部分を備える、実施態様3に記載の外科用ステープルカートリッジ。
(5) 前記切断部材が、前記ガレージ部分内の切断可能なリテーナによって前記展開位置に保持される、実施態様4に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0220】
(6) 前記カートリッジ本体が前記チャネル内に動作可能に設置されているとき、前記切断部材は、前記発射部材上のラッチ機構によって前記展開位置に保持される、実施態様2に記載の外科用ステープルカートリッジ。
(7) 前記発射部材が前記カムアセンブリを前記開始位置から前記終了位置へと前記遠位方向に駆動するとき、前記切断部材は、前記発射部材上の前記ラッチ機構によって前記展開位置に保持される、実施態様6に記載の外科用ステープルカートリッジ。
(8) 前記カートリッジ本体は、前記カムアセンブリが前記終了位置に移動するとき、前記切断部材を前記引っ込み位置に移動させるように構成された解放機構を更に備える、実施態様2に記載の外科用ステープルカートリッジ。
(9) 前記発射部材が近位方向に後退するとき、前記発射部材上の前記ラッチ機構は、前記切断部材を係合解除するように構成されている、実施態様7に記載の外科用ステープルカートリッジ。
(10) 前記ラッチ機構が前記カムアセンブリから係合解除されるとき、前記切断部材を前記引っ込み位置内に付勢するための付勢具を更に備える、実施態様6に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0221】
(11) 前記発射部材がモータ駆動式である、実施態様1に記載の外科用ステープルカートリッジ。
(12) チャネル及び前記チャネルに対して移動可能に支持されるアンビルと、前記アンビル及び前記チャネルと漸進的に軸方向に係合するように構成された発射部材と、を備える、外科用ステープラと共に使用するように構成された外科用ステープルカートリッジであって、前記外科用ステープルカートリッジは、
カートリッジデッキ表面を備えるカートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納される複数の外科用ステープルと、
前記カートリッジ本体に移動可能に支持され、かつ前記発射部材と動作可能に連動するように構成されたカムアセンブリであって、前記発射部材の遠位方向への軸方向移動により、前記カムアセンブリが前記カートリッジ本体内の開始位置から終了位置へと駆動される、カムアセンブリと、
切断部材であって、前記発射部材が遠位方向に駆動されて前記切断部材と接触するとき、前記発射部材に取り外し可能に取り付けられるように構成され、前記切断部材は、前記カートリッジ本体の近位部分内の準備位置に格納される、切断部材と、を備える、外科用ステープルカートリッジ。
(13) 前記発射部材が遠位方向に駆動されて前記切断部材と接触するとき、前記切断部材は、前記発射部材上にクリップ留めされるように構成されている、実施態様12に記載の外科用ステープルカートリッジ。
(14) 前記切断部材が、ナイフブレードを画定する本体部材と、間に保持空間を画定する一対の離間配置されたばねアームと、を備え、前記一対の離間配置されたばねアームは、それらの間に前記発射部材の一部を保持して受容するように構成されている、実施態様13に記載の外科用ステープルカートリッジ。
(15) 前記発射部材が初期位置から遠位方向に駆動される際に、前記切断部材は、前記発射部材に取り外し可能に取り付けられ、前記発射部材が前記初期位置に後退したとき、前記切断部材は、前記カートリッジ本体の前記近位部分上のブレード格納ガレージ内に保持されるように、前記発射部材から取り外される、実施態様12に記載の外科用ステープルカートリッジ。
【0222】
(16) 前記切断部材が、前記発射部材に取り付けられる前に、前記カートリッジ本体の近位端上のブレード格納ガレージ内に保持される、実施態様12に記載の外科用ステープルカートリッジ。
(17) 前記発射部材が、回転駆動シャフト上に螺着され、前記カムアセンブリが、前記回転駆動シャフト上で摺動可能に軸支されている、実施態様12に記載の外科用ステープルカートリッジ。
(18) 外科用器具であって、
カートリッジ支持体と、
アンビルであって、前記アンビル及び前記カートリッジ支持体の一方が前記アンビル及び前記カートリッジ支持体の他方に対して、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能である、アンビルと、
前記アンビル及び前記カートリッジ支持体と漸進的に軸方向に係合するように構成されたIビーム発射部材と、
外科用ステープルカートリッジであって、
前記カートリッジ支持体に取り外し可能に支持されるように構成されており、カートリッジデッキ表面を備える、カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納される複数の外科用ステープルと、
前記カートリッジ本体に移動可能に支持され、かつ前記Iビーム発射部材と動作可能に連動するように構成されたカムアセンブリであって、前記Iビーム発射部材の遠位方向への軸方向移動により、前記カムアセンブリが前記カートリッジ本体内の開始位置から終了位置へと駆動される、カムアセンブリと、
切断部材であって、前記切断部材の少なくとも一部が前記カートリッジ本体の前記カートリッジデッキ表面の上方に延在する展開位置と、前記切断部材の前記少なくとも一部が前記カートリッジデッキ表面の下方にある引っ込み位置との間で、前記カムアセンブリによって移動可能に支持される、切断部材と、を備える、外科用ステープルカートリッジと、を備える、外科用器具。
(19) 前記カートリッジ支持体と動作可能に連結された細長いシャフトアセンブリと、
前記細長いシャフトアセンブリに動作可能に取り付けられたハウジングと、
前記ハウジングによって動作可能に支持され、前記Iビーム発射部材と連動して、前記Iビーム発射部材を軸方向に駆動する、モータと、を更に備える、実施態様18に記載の外科用器具。
(20) 前記カートリッジ本体が前記カートリッジ支持体内に動作可能に設置されているとき、前記切断部材は、前記Iビーム発射部材上のラッチ機構によって前記展開位置に保持される、実施態様18に記載の外科用器具。
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