(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】過放電防止装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240701BHJP
B60L 58/14 20190101ALI20240701BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240701BHJP
【FI】
H02J7/00 302D
H02J7/00 P
B60L58/14
B60L50/60
(21)【出願番号】P 2023519349
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(86)【国際出願番号】 KR2022008259
(87)【国際公開番号】W WO2022260496
(87)【国際公開日】2022-12-15
【審査請求日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0076258
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ジャン-ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ドン-ヒョン
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-118204(JP,A)
【文献】特開2017-129400(JP,A)
【文献】特開2008-125268(JP,A)
【文献】特表2022-522139(JP,A)
【文献】特開2018-139483(JP,A)
【文献】特開2021-052494(JP,A)
【文献】特開2011-103766(JP,A)
【文献】特開2015-154529(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0131208(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に備えられたバッテリーパックの過放電を防止する過放電防止装置であって、
動作モードによって前記バッテリーパックに備えられたメインバッテリーの電圧を測定する測定部と、
前記メインバッテリーと接続された充放電リレーの動作状態を判断し、判断された前記充放電リレーの動作状態
がターンオフ状態である場合、前記車両が停止したか否か及び前記測定部によって測定された前記メインバッテリーの電圧のうち少なくとも一つに基づいて前記測定部の動作モードを制御する制御部と、を含む、過放電防止装置。
【請求項2】
前記測定部
の動作モードは、
第1測定周期で前記メインバッテリーの電圧を測定するウェークアップモード、前記第1測定周期より長い第2測定周期で前記メインバッテリーの電圧を測定するECOモード及び前記メインバッテリーの電圧を測定しないシャットダウンモード
を含む、請求項1に記載の過放電防止装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記測定部の動作モードが前記ウェークアップモードであり、かつ前記充放電リレーの動作状態がターンオフ状態である場合、前記車両が停止したか否か及び前記メインバッテリーの電圧のうち少なくとも一つに基づいて前記測定部の動作モードを制御する、請求項2に記載の過放電防止装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記測定部の動作モードが前記ウェークアップモードであり、かつ前記充放電リレーの動作状態がターンオフ状態である場合に、前記車両が停止したか否かを判断し、前記車両が停止したと判断された場合、前記測定部の動作モードを前記ECOモードに切り換えるように構成された、請求項3に記載の過放電防止装置。
【請求項5】
前記制御部は、
外部から受信した車両の速度情報及び車輪の回転情報の少なくとも一つに基づいて前記車両が停止したか否かを判断する、請求項4に記載の過放電防止装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記測定部の動作モードが前記ウェークアップモードであり、かつ前記充放電リレーの動作状態がターンオフ状態である場合に、前記メインバッテリーの現在電圧が予め設定された臨界電圧以下である場合、前記測定部の動作モードを前記ECOモードに切り換えるように構成された、請求項3に記載の過放電防止装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記測定部の動作モードが前記ウェークアップモードであり、かつ前記充放電リレーの動作状態がターンオフ状態である場合に、複数の周期の各々で前記メインバッテリーの電圧が基準割合以上
に減少する場合、前記測定部の動作モードを前記ECOモードに切り換えるように構成された、請求項3に記載の過放電防止装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記測定部の動作モードが前記ECOモードに切り換えられた後、予め設定された時間内に前記バッテリーパックに充電装置が接続されたかによって前記充放電リレーまたは前記測定部の動作モードを制御する、請求項2に記載の過放電防止装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記予め設定された時間内に前記バッテリーパックに前記充電装置が接続された場合、前記充放電リレーの動作状態をターンオン状態に制御して前記充電装置によって前記メインバッテリーを充電させるように構成された、請求項8に記載の過放電防止装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記メインバッテリーの電圧が予め設定された基準電圧を超過する場合、前記測定部の動作モードを前記ECOモードから前記ウェークアップモードに切り換えるように構成された、請求項9に記載の過放電防止装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記予め設定された時間内に前記バッテリーパックに前記充電装置が接続されなかった場合、前記測定部の動作モードをシャットダウンモードに切り換えるように構成された、請求項8に記載の過放電防止装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記メインバッテリーと相異なる始動バッテリーからウェークアップ信号が印加された場合
、前記測定部の動作モードを前記シャットダウンモードから前記ウェークアップモードに切り換えるように構成され、
前記測定部は、
前記動作モードが前記ウェークアップモードまたは前記ECOモードである場合、前記メインバッテリーから動作電源が印加され、前記メインバッテリーの電圧を測定する、請求項2に記載の過放電防止装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の過放電防止装置を含む、バッテリーパック。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の過放電防止装置を含む、車両。
【請求項15】
車両に備えられたバッテリーパックの過放電を防止する過放電防止方法であって、
測定部において、前記バッテリーパックに備えられたメインバッテリーの電圧を測定する電圧測定段階と、
制御部において、前記メインバッテリーと接続された充放電リレーの動作状態を判断する動作状態判断段階と、
前記制御部において、
判断された前記充放電リレーの動作状態
がターンオフ状態である場合、前記車両が停止したか否か及び前記メインバッテリーの電圧の少なくとも一つに基づいて前記測定部の動作モードを制御する動作モード制御段階と、を含む、過放電防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過放電防止装置及び方法に関し、より詳しくは、バッテリーパックに備えられたメインバッテリーが過放電されることを防止可能な過放電防止装置及び方法に関する。
【0002】
本出願は、2021年6月11日出願の韓国特許出願第10-2021-0076258号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートブックPC、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、反復的な充放電の可能な高性能バッテリーについての研究が活発に進行しつつある。
【0004】
現在、商用化したバッテリーとしては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどがあり、このうち、リチウムバッテリーは、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリー効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
このようなバッテリーは、高容量化及び高密度化の面で研究が盛んでいるが、寿命と安全性向上の面も重要である。このためには、バッテリーの過充電及び過放電の防止が求められる。
【0006】
なお、バッテリーは、モーターなどの負荷に電源を供給しなくても、バッテリーの温度、電圧及び電流の少なくとも一つ以上の状態情報を測定するBMIC(Battery monitoring IC)に電源を持続的に供給し得る。このような場合、BMICによってバッテリーに保存されたエネルギーが消耗されるため、バッテリーが過放電され得る問題がある。そこで、BMICによってバッテリーが過放電されることを防止する技術の開発が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリーの電圧情報とバッテリーパック及び車情報に基づいてバッテリーの過放電が防止可能な過放電防止装置及び方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組み合わせによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一面による過放電防止装置は、車両に備えられたバッテリーパックの過放電を防止する装置であって、動作モードによって前記バッテリーパックに備えられたメインバッテリーの電圧を測定するように構成された測定部と、前記メインバッテリーと接続された充放電リレーの動作状態を判断し、判断された前記充放電リレーの動作状態、前記車両が停止したか否か及び前記測定部によって測定された前記メインバッテリーの電圧のうち少なくとも一つに基づいて前記測定部の動作モードを制御するように構成された制御部と、を含み得る。
【0010】
前記測定部は、第1測定周期で前記メインバッテリーの電圧を測定するウェークアップモード、前記第1測定周期より長い第2測定周期で前記メインバッテリーの電圧を測定するECOモード及び前記メインバッテリーの電圧を測定しないシャットダウンモードのうちいずれか一つの動作モードで動作するように構成され得る。
【0011】
前記制御部は、前記測定部の動作モードが前記ウェークアップモードであり、かつ前記充放電リレーの動作状態がターンオフ状態である場合、前記車両が停止したか否か及び前記メインバッテリーの電圧のうち少なくとも一つに基づいて前記測定部の動作モードを制御するように構成され得る。
【0012】
前記制御部は、前記車両が停止したか否かを判断し、前記車両が停止したと判断された場合、前記測定部の動作モードを前記ECOモードに切り換えるように構成され得る。
【0013】
前記制御部は、外部から受信した車両の速度情報及び車輪の回転情報の少なくとも一つに基づいて前記車両が停止したか否かを判断するように構成され得る。
【0014】
前記制御部は、前記メインバッテリーの現在電圧が予め設定された臨界電圧以下である場合、前記測定部の動作モードを前記ECOモードに切り換えるように構成され得る。
【0015】
前記制御部は、前記メインバッテリーの電圧が基準割合以上に複数の周期の間に減少する場合、前記測定部の動作モードを前記ECOモードに切り換えるように構成され得る。
【0016】
前記制御部は、前記測定部の動作モードが前記ECOモードに切り換えられた後、予め設定された時間内に前記バッテリーパックに充電装置が接続されたかによって前記充放電リレーまたは前記測定部の動作モードを制御するように構成され得る。
【0017】
前記制御部は、前記予め設定された時間内に前記バッテリーパックに前記充電装置が接続された場合、前記充放電リレーの動作状態をターンオン状態に制御して前記充電装置によって前記メインバッテリーを充電するように構成され得る。
【0018】
前記制御部は、前記メインバッテリーの電圧が予め設定された基準電圧を超過する場合、前記測定部の動作モードを前記ECOモードから前記ウェークアップモードに切り換えるように構成され得る。
【0019】
前記制御部は、前記予め設定された時間内に前記バッテリーパックに前記充電装置が接続されなかった場合、前記測定部の動作モードをシャットダウンモードに切り換えるように構成され得る。
【0020】
前記制御部は、前記メインバッテリーと相異なる始動バッテリーからウェークアップ信号が印加された場合、動作モードがスリップモードからウェークアップモードに切り換えられ、前記測定部の動作モードを前記シャットダウンモードから前記ウェークアップモードに切り換えるように構成され得る。
【0021】
前記測定部は、前記動作モードが前記ウェークアップモードまたは前記ECOモードである場合、前記メインバッテリーから動作電源が印加され、前記メインバッテリーの電圧を測定するように構成され得る。
【0022】
なお、本発明の他面によるバッテリーパックは、本発明の一面による過放電防止装置を含み得る。
【0023】
本発明のさらに他面による車両は、本発明の一面による過放電防止装置を含み得る。
【0024】
本発明のさらに他面による過放電防止方法は、車両に備えられたバッテリーパックの過放電を防止する方法であって、測定部において、前記バッテリーパックに備えられたメインバッテリーの電圧を測定する電圧測定段階と、制御部において、前記メインバッテリーと接続された充放電リレーの動作状態を判断する動作状態判断段階と、前記制御部において、前記充放電リレーの動作状態、前記車両が停止したか否か及び前記メインバッテリーの電圧の少なくとも一つに基づいて前記測定部の動作モードを制御する動作モード制御段階と、を含み得る。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一面によれば、バッテリーから電源を受けてバッテリーの電圧を測定する測定部の動作モードが適切に制御されることで、バッテリーの過放電が防止できる。
【0026】
本発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない本発明の他の効果は請求範囲の記載から当業者により明らかに理解されるだろう。
【0027】
本明細書に添付される次の図面は、後述する発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施例による過放電防止装置を概略的に示した図である。
【
図2】本発明の他の実施例によるバッテリーパックの例示的構成を概略的に示した図である。
【
図3】本発明のさらに他の実施例による車両の他の例示的構成を概略的に示した図である。
【
図4】本発明のさらに他の実施例による過放電防止方法を概略的に示した図である。
【
図5】本発明のさらに他の実施例による過放電防止方法をより具体的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0030】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
また、本発明に関連する公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨をぼやかすと判断される場合、その説明を省略する。
【0031】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちいずれか一つを残りと区別する目的として使用され、このような用語によって構成要素が限定されることではない。
【0032】
なお、明細書の全体にかけて、ある部分が、ある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反する記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0033】
さらに、明細書の全体に亘って、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(接続)」されている場合のみならず、その中間に他の素子を介して「間接的に連結(接続)」されている場合も含む。
【0034】
以下では、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施例による過放電防止装置100を概略的に示した図である。
図2は、本発明の一実施例によるバッテリーパック1の例示的構成を概略的に示した図である。
【0036】
図1を参照すると、本発明の一実施例による過放電防止装置100は、車両に備えられたバッテリーパック1の過放電を防止する装置であって、測定部110及び制御部120を含み得る。
【0037】
測定部110は、動作モードによってバッテリーパック1に備えられたメインバッテリー10の電圧を測定するように構成され得る。
【0038】
ここで、メインバッテリー10は、負極端子及び正極端子を備え、物理的に分離可能な一つの独立したセルを意味する。一例で、リチウムイオン電池またはリチウムポリマー電池がバッテリーとして看做され得る。また、メインバッテリー10は、複数のセルが直列及び/または並列に接続されたバッテリーモジュールを意味し得る。以下では、説明の便宜のために、メインバッテリー10がバッテリーモジュールを意味することに説明する。
【0039】
測定部110は、制御部120と通信可能に接続され、測定したメインバッテリー10の電圧を制御部120へ送信し得る。
【0040】
例えば、測定部110は、メインバッテリー10の電圧を測定可能なBMIC(Battery monitoring IC)であり得る。また、測定部110は、メインバッテリー10の電流及び温度をさらに測定し得る。
【0041】
具体的には、測定部110は、ウェークアップモード、ECOモード及びシャットダウンモードのうちいずれか一つの動作モードで動作され得る。そして、測定部110の動作モードは、制御部120によって制御され得る。
【0042】
例えば、ウェークアップモードは、第1測定周期でメインバッテリー10の電圧を測定するモードであり、ECOモードは、第1測定周期より長い第2測定周期でメインバッテリー10の電圧を測定するモードである。そして、シャットダウンモードは、メインバッテリー10の電圧を測定しないモードであって、一般的に表現されるスリップモードと同じモードであり得る。
【0043】
制御部120は、メインバッテリー10と接続された充放電リレー20の動作状態を判断するように構成され得る。
【0044】
充放電リレー20は、バッテリーパック1においてメインバッテリー10の充放電経路Lに備えられ得る。ここで、充放電経路Lとは、バッテリーパック1の正極端子P+、メインバッテリー10及びバッテリーパック1の負極端子P-が接続される経路であって、メインバッテリー10の充電電流及び放電電流が流れる大電流経路であり得る。
【0045】
例えば、
図2の実施例で、充放電リレー20は、メインバッテリー10の正極端子とバッテリーパック1の正極端子P+との間に直列に接続され得る。充放電リレー20がターンオフ状態である場合、メインバッテリー10とバッテリーパック1の正極端子P+とは電気的に接続されず、充放電リレー20がターンオン状態である場合、メインバッテリー10とバッテリーパック1の正極端子P+とが電気的に接続され得る。
【0046】
具体的には、制御部120は、充放電リレー20の動作状態を制御し得る。例えば、制御部120は、充放電リレー20の動作状態をターンオン状態またはターンオフ状態に制御し得る。
【0047】
したがって、制御部120は、充放電リレー20の制御情報に基づき、現在の充放電リレー20の動作状態を判断し得る。例えば、制御部120は、充放電リレー20に関わる制御情報に基づき、充放電リレー20の現在の動作状態をターンオン状態またはターンオフ状態に判断し得る。
【0048】
制御部120は、バッテリーパック1に備えられたメインバッテリー10の充放電リレー20の動作状態、車両が停止したか否か及び測定部110によって測定されたメインバッテリー10の電圧の少なくとも一つに基づいて測定部110の動作モードを制御するように構成され得る。
【0049】
望ましくは、制御部120は、測定部110の動作モードがウェークアップモードであり、かつ充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態である場合、車両が停止したか否か及びメインバッテリー10の電圧の少なくとも一つに基づいて測定部110の動作モードを制御するように構成され得る。
【0050】
ここで、メインバッテリー10の電圧は、メインバッテリー10のSOC(State of charge)と対応関係を有し得る。例えば、メインバッテリー10の電圧は、SOCと1対1の対応関係であり得る。これによって、以下では、説明の便宜のために、制御部120がメインバッテリー10の電圧を考慮して測定部110の動作モードを制御する実施例を説明するが、制御部120は、メインバッテリー10の電圧の代わりにSOCを考慮して測定部110の動作モードを制御する実施例も容易に導出し得ることに留意する。例えば、制御部120は、メインバッテリー10の電圧に基づいてメインバッテリー10のSOCを推定し、車両が停止したか否か及び推定されたSOCの少なくとも一つに基づいて測定部110の動作モードを制御し得る。
【0051】
具体的には、制御部120は、充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態であることによってバッテリーパック1と車両のモーター(図示せず)との接続が解除された場合、測定部110の動作モードを制御し得る。
【0052】
例えば、充放電リレー20の動作状態がターンオン状態である場合、バッテリーパック1と車両のモーターが電気的に接続され、車両が運行中の状態であり得る。車両が運行中である場合には、メインバッテリー10の電圧挙動が短い周期で、リアルタイムで測定されなくてはならないため、制御部120は、充放電リレー20がターンオフ状態である場合に限り、車両が停止したか否か及び/またはメインバッテリー10の電圧に基づいて測定部110の動作モードを制御し得る。
【0053】
また、制御部120は、車両が停止したか否かを判断するために、外部から車両が停止したか否かを判断できる一つ以上の情報を受信し得る。
【0054】
具体的には、制御部120は、車両に含まれた車両制御装置3から車両が停止したか否かを判断できる一つ以上の情報を受信し得る。
【0055】
例えば、制御部120は、車両に含まれた車両制御装置3から車両の速度情報及び/または車輪の回転情報を受信し、受信した情報に基づいて車両が停止したか否かを判断し得る。ここで、車両制御装置3は、車両に備えられたECU(Electronic control unit)であり得る。一方、制御部120は、車両が停止したか否かを判断するために、車両制御装置3からより多様な情報を受信できることに留意する。
【0056】
また、制御部120は、測定部110からメインバッテリー10の電圧情報を受信し得る。
【0057】
即ち、過放電防止装置100は、充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態である場合、車両が停止したか否か及び/またはメインバッテリー10の電圧に基づいて測定部110の動作モードを適切に制御することで、測定部110によってメインバッテリー10が過放電されることを防止できる。
【0058】
したがって、メインバッテリー10の状態(電圧、電流及び/または温度)を測定するための測定部110の動作モードが過放電防止装置100によって適切に制御されるため、測定部110によるメインバッテリー10の過放電を効果的に防止できる。
【0059】
一方、過放電防止装置100に備えられた制御部120は、本発明で行われる多様な制御ロジッグを実行するために当業界に知られたプロセッサー、ASIC(application-specific integrated circuit;特定用途向け集積回路)、他のチップセット、論理回路、レジスター、通信モデム、データ処理装置などを選択的に含み得る。また、制御ロジッグがソフトウェアとして具現される場合、制御部120は、プログラムモジュールの集合によって具現され得る。この際、プログラムモジュールはメモリーに保存され、制御部120によって実行され得る。前記メモリーは、制御部120の内部または外部に存在し、公知の多様な手段で制御部120と接続され得る。
【0060】
また、過放電防止装置100は、保存部130をさらに含み得る。保存部130は、過放電防止装置100の各構成要素が動作及び機能を行うのに必要なデータやプログラムまたは動作及び機能が行われる過程で生成されるデータなどを保存し得る。保存部130は、データを記録、消去、更新及び読出可能な公知の情報保存手段であれば、その種類は特に制限されない。一例として、情報保存手段には、RAM、フラッシュメモリー(登録商標)、ROM、EEPROM、レジスターなどが含まれ得る。また、保存部130は、制御部120によって実行可能なプロセスが定義されたプログラムコードを保存し得る。
【0061】
以下では、制御部120が測定部110の動作モードを変更する実施例について説明する。
【0062】
一実施例で、制御部120は、車両が停止したか否かによって測定部110の動作モードを制御し得る。
【0063】
先ず、制御部120は、測定部110の動作モードがウェークアップモードであり、かつ充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態である場合、車両が停止したか否かを判断し得る。
【0064】
以下では、説明の便宜のために、制御部120が車両制御装置3から車両の速度情報及び/または車輪の回転情報を受信できると仮定する。
【0065】
例えば、制御部120は、車両制御装置3から車両の速度情報を受信し得る。車両の速度が予め設定された基準速度以下である場合、制御部120は車両が停止したと判断し得る。例えば、予め設定された基準速度は1km/hであり得る。望ましくは、予め設定された基準速度は0.5km/hであり得る。より望ましくは、予め設定された基準速度は0.1km/hであり得る。
【0066】
他の例で、制御部120は、車両制御装置3から車輪の回転情報を受信し得る。車輪の回転情報が予め設定された基準回転値以下である場合、制御部120は、車両が停止したと判断し得る。
【0067】
また、他の例で、制御部120は、車両制御装置3から受信した車両の速度情報と車輪の回転情報を共に考慮して車両が停止したか否かを判断し得る。即ち、車両の速度が予め設定された基準速度以下であり、かつ車輪の回転情報が予め設定された基準回転値以下である場合、制御部120は、車両が停止したと判断し得る。
【0068】
次に、制御部120は、車両が停止したと判断される場合、測定部110の動作モードをECOモードに切り換えるように構成され得る。
【0069】
例えば、制御部120は、充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態であることからバッテリーパック1と車両のモーターとの接続が解除されており、車両が停止状態に判断された場合、測定部110の動作モードをECOモードに切り換え得る。
【0070】
これによって、測定部110がメインバッテリー10の電圧を測定する頻度が減少するので、測定部110によって消耗するメインバッテリー10のエネルギーが減少し得る。
【0071】
即ち、過放電防止装置100は、車両が未運行状態である場合(例えば、充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態であり、かつ車両が停止状態である場合)、測定部110の測定モードをECOモードに切り換えることでメインバッテリー10の過放電を防止できる。
【0072】
他の実施例で、制御部120は、メインバッテリー10の現在電圧が予め設定された臨界電圧以下である場合、測定部110の動作モードをECOモードに切り換えるように構成され得る。
【0073】
ここで、臨界電圧は、メインバッテリー10に対して予め設定された放電終了電圧以上に予め設定され得る。言い換えれば、臨界電圧は、メインバッテリー10に対して予め設定された放電終了電圧に所定のマージンが加えられた電圧値であり得る。例えば、メインバッテリー10の放電終了電圧は2.5Vに予め設定され、臨界電圧は2.8Vに予め設定され得る。即ち、臨界電圧とは、メインバッテリー10の電圧が放電終了電圧に到達していないが、メインバッテリー10が過放電されることを防止するために測定部110の動作モードがECOモードに切り換えられるように予め設定された基準電圧であり得る。
【0074】
具体的には、制御部120は、測定部110の動作モードがウェークアップモードであり、充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態であり、メインバッテリー10の現在電圧が予め設定された臨界電圧以下である場合、測定部110の動作モードをECOモードに切り換えるように構成され得る。
【0075】
例えば、制御部120は、充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態であっても、測定部110はメインバッテリー10の電圧を持続的に測定し得る。これは、メインバッテリー10がモーターと電気的に接続されなくても自然放電し得るため、充放電リレー20がターンオフ状態であっても測定部110はメインバッテリー10の状態を持続的に測定できるのである。但し、測定部110は、メインバッテリー10から動作電源を受けるため、測定部110が動作することによってメインバッテリー10が過放電され得る。これによって、過放電防止装置100は、充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態である場合であっても、メインバッテリー10の電圧が臨界電圧以下である場合、測定部110の測定モードをECOモードに切り換えることでメインバッテリー10の過放電を防止し得る。
【0076】
さらに他の実施例で、制御部120は、メインバッテリー10の電圧が基準割合以上に複数の周期の間に減少する場合、測定部110の動作モードをECOモードに切り換え得る。
【0077】
具体的には、制御部120は、測定部110によって測定されたメインバッテリー10の直前周期の電圧と現在周期の電圧との電圧減少率を算出し得る。例えば、電圧減少率は、直前周期の電圧に対する現在周期の電圧の割合または直前周期の電圧と現在周期の電圧との電圧偏差によって算出され得る。
【0078】
より具体的には、現在周期を含む連続する複数の周期から各々算出された電圧減少率が予め設定された基準割合以上である場合、制御部120は、測定部110の動作モードをウェークアップモードからECOモードに切り換え得る。
【0079】
例えば、現在周期を第N周期と仮定し、直前周期を第N-1周期と仮定する。また、制御部120は、現在周期(第N周期)を含む三つの周期の電圧減少率を考慮して測定部110の動作モードを制御することに仮定する。第N周期、第N-1周期及び第N-2周期の各々での電圧減少率が基準割合以上である場合、制御部120は、測定部110の動作モードをECOモードに切り換え得る。
【0080】
即ち、過放電防止装置100は、メインバッテリー10の現在電圧が臨界電圧以上であるとしても、複数の周期の間にメインバッテリー10の電圧が基準割合以上に持続的に減少する場合、測定部110の動作モードをECOモードに切り換えることでメインバッテリー10の過放電を防止し得る。
【0081】
以上の非制限的な実施例によれば、過放電防止装置100は、測定部110の動作モードを適切に制御することで、測定部110がメインバッテリー10の電圧を測定する頻度を減らすことができる。これによって、測定部110によって消耗するメインバッテリー10のエネルギーが減少するので、メインバッテリー10の過放電が効果的に防止できる。
【0082】
図3は、本発明のさらに他の実施例による車両の例示的構成を概略的に示した図である。
【0083】
図3を参照すると、バッテリーパック1は、始動バッテリー2及び車両制御装置3と接続され得る。そして、バッテリーパック1は、充電装置4と接続され得る。具体的には、バッテリーパック1の正極端子P+とバッテリーパック1の負極端子P-が充電装置4と接続され得る。
【0084】
制御部120は、測定部110の動作モードがECOモードに切り換えられた後、バッテリーパック1に予め設定された時間内に充電装置4が接続されたか否かによって充放電リレー20または測定部110の動作モードを制御するように構成され得る。
【0085】
具体的には、測定部110の動作モードがECOモードに切り換えられた場合、制御部120は、バッテリーパック1と充電装置4との接続有無及び接続所要時間を算出し得る。ここで、接続所要時間とは、測定部110の動作モードがECOモードに切り換えられた時点からバッテリーパック1と充電装置4とが接続された時点までかかった時間であり得る。
【0086】
例えば、t0時点で測定部110の動作モードがECOモードに切り換えられ、t1時点でバッテリーパック1に充電装置4が接続されたと仮定する。制御部120は、t1時点で充電装置4が接続されており、充電装置4の接続所要時間は「t1-t0」として算出し得る。
【0087】
そして、制御部120は、予め設定された時間内にバッテリーパック1に充電装置4が接続された場合、充放電リレー20の動作状態をターンオン状態に制御して充電装置4によってメインバッテリー10を充電するように構成され得る。
【0088】
この場合、メインバッテリー10は、充電装置4によって充電されることで、メインバッテリー10が過放電されることが防止され得る。これによって、制御部120は、予め設定された時間内にバッテリーパック1に充電装置4が接続された場合、充放電リレー20の動作状態をターンオン状態に制御することで、メインバッテリー10を充電し得る。
【0089】
そして、制御部120は、メインバッテリー10の電圧が予め設定された基準電圧を超過する場合、測定部110の動作モードをECOモードからウェークアップモードに切り換えるように構成され得る。即ち、制御部120は、メインバッテリー10が充電装置4によって充電され、メインバッテリー10の電圧が基準電圧を超過する場合、より短い周期でメインバッテリー10の電圧を測定するように測定部110の動作モードをECOモードからウェークアップモードに切り換え得る。
【0090】
逆に、制御部120は、予め設定された時間内にバッテリーパック1に充電装置4が接続されなかった場合、測定部110の動作モードをシャットダウンモードに切り換えるように構成され得る。
【0091】
即ち、制御部120は、予め設定された時間内にバッテリーパック1に充電装置4が接続されない場合、ECOモードで動作する測定部110によってメインバッテリー10のエネルギーが消耗することを防止するために、測定部110の動作モードをECOモードからシャットダウンモードに切り換え得る。この場合、測定部110によるメインバッテリー10の電圧測定が不可能であるため、制御部120は、周期的または非周期的に測定部110の動作モードをウェークアップモードまたはECOモードに切り換えてメインバッテリー10の電圧を測定するようにし得る。
【0092】
本発明の一実施例による過放電防止装置100は、メインバッテリー10の状態(例えば、電圧、電流及び温度の少なくとも一つ以上)の測定過程で消耗するメインバッテリー10のエネルギーを節約するために、測定部110の動作モードを制御し得る。また、過放電防止装置100は、充電装置4の接続有無に基づいて、メインバッテリー10のエネルギーをさらに節約するために測定部110の動作モードをさらに制御し得る。これによって、測定部110によって消耗するメインバッテリー10のエネルギーを最大に節約可能であるため、メインバッテリー10の過放電を効果的に防止することができる。
【0093】
本発明による過放電防止装置100は、BMS(Battery Management System)に適用可能である。即ち、本発明によるBMSは、前述した過放電防止装置100を含み得る。このような構成において、過放電防止装置100の各構成要素の少なくとも一部は、従来のBMSに含まれた構成の機能を補完または追加することで具現され得る。例えば、過放電防止装置100の測定部、制御部及び保存部は、BMSの構成要素として具現され得る。
【0094】
また、本発明による過放電防止装置100は、バッテリーパックに備えら得る。即ち、本発明によるバッテリーパックは、上述した過放電防止装置100及び一つ以上のバッテリーセルを含み得る。また、バッテリーパックは、電装品(リレー、ヒューズなど)及びケースなどをさらに含み得る。
【0095】
メインバッテリー10の正極端子はバッテリーパック1の正極端子P+と接続され、メインバッテリー10の負極端子はバッテリーパック1の負極端子P-と接続され得る。
【0096】
測定部110は、第1センシングラインSL1、第2センシングラインSL2、第3センシングラインSL3及び第4センシングラインSL4と接続され得る。具体的には、測定部110は、第1センシングラインSL1によってメインバッテリー10の正極端子に接続され、第2センシングラインSL2によってメインバッテリー10の負極端子に接続され得る。測定部110は、第1センシングラインSL1及び第2センシングラインSL2の各々で測定された電圧に基づいてメインバッテリー10の電圧を測定し得る。
【0097】
そして、測定部110は、第3センシングラインSL3によって電流測定ユニットAと接続され得る。例えば、電流測定ユニットAは、メインバッテリー10の充電電流及び放電電流を測定可能な電流計またはシャント抵抗であり得る。測定部110は、第3センシングラインSL3によってメインバッテリー10の充電電流を測定して充電量を算出し得る。また、測定部110は、第3センシングラインSL3によってメインバッテリー10の放電電流を測定して放電量を算出し得る。
【0098】
また、測定部110は、第4センシングラインSL4によってメインバッテリー10の温度を測定し得る。例えば、第4センシングラインSL4の一端には温度測定素子が接続され、他端は測定部110に接続され得る。例えば、温度測定素子は、NTC(Negative Temperature Coefficient of Resistance)素子またはPTC(Positive Temperature Coefficient of Resistance)素子であり得る。これによって、測定部110は、第4センシングラインSL4によってメインバッテリー10の温度を測定し得る。
【0099】
充電装置4は、一端がバッテリーパック1の正極端子P+と接続され、他端がバッテリーパック1の負極端子P-と接続され得る。これによって、メインバッテリー10の正極端子、バッテリーパック1の正極端子P+、充電装置4、バッテリーパック1の負極端子P-及びメインバッテリー10の負極端子は、電気的に接続可能になる。
【0100】
一方、制御部120は、メインバッテリー10と異なる他の始動バッテリー2からウェークアップ信号が印加された場合、動作モードがスリップモードからウェークアップモードに切り換えられるように構成され得る。
【0101】
即ち、制御部120は、始動バッテリー2からウェークアップ信号が印加される前には、スリップモードで動作し得る。その後、制御部120は、始動バッテリー2からウェークアップ信号が印加された場合、動作モードがスリップモードからウェークアップモードに切り換えられ得る。
【0102】
そして、制御部120は、測定部110の動作モードをシャットダウンモードからウェークアップモードに切り換えるように構成され得る。
【0103】
即ち、制御部120は、自分の動作モードがスリップモードからウェークアップモードに切り換えられた場合、メインバッテリー10の状態を測定するために測定部110の動作モードをシャットダウンモードからウェークアップモードに切り換え得る。
【0104】
そして、測定部110は、動作モードがウェークアップモードまたはECOモードである場合、メインバッテリー10から動作電源を受け、メインバッテリー10の電圧を測定するように構成され得る。
【0105】
前述したように、測定部110は、メインバッテリー10の電圧、電流及び温度の少なくとも一つ以上の状態を測定し得る。そして、測定部110の動作モードは、メインバッテリー10が過放電されないように制御部120によって制御され得る。
【0106】
図4は、本発明のさらに他の実施例による過放電防止方法を概略的に示した図である。
【0107】
望ましくは、過放電防止方法は、車両に備えられたバッテリーパック1の過放電を防止する方法であって、過放電防止方法の各段階は、過放電防止装置によって行われ得る。以下では、説明の便宜のために、前述した内容と重複する内容は省略するか、または簡略に説明する。
【0108】
図4を参照すると、過放電防止方法は、電圧測定段階S100、動作状態判断段階S200及び動作モード制御段階S300を含み得る。
【0109】
電圧測定段階S100は、バッテリーパック1に備えられたメインバッテリー10の電圧を測定する段階であって、測定部110によって行われ得る。
【0110】
望ましくは、測定部110は、動作モードによって相異なる測定周期でメインバッテリー10の電圧を測定し、測定部110の動作モードは制御部120によって制御され得る。
【0111】
動作状態判断段階S200は、メインバッテリー10と接続された充放電リレー20の動作状態を判断する段階であって、制御部120によって行われ得る。
【0112】
例えば、制御部120は、充放電リレー20の動作状態を制御し得る。したがって、制御部120は、充放電リレー20に関わる制御情報に基づき、充放電リレー20の動作状態をターンオン状態またはターンオフ状態に判断し得る。
【0113】
動作モード制御段階S300は、充放電リレー20の動作状態、車両が停止したか否か及びメインバッテリー10の電圧の少なくとも一つに基づいて測定部110の動作モードを制御する段階であって、制御部120によって行われ得る。
【0114】
具体的には、動作モード制御段階S300は、充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態であるとき、制御部120によって行われ得る。
【0115】
例えば、制御部120は、充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態であり、かつ車両が停止状態である場合、測定部110の動作モードをECOモードに切り換え得る。
【0116】
他の例で、制御部120は、充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態であり、かつメインバッテリー10の電圧が連続する複数の周期の間に基準割合以上に減少した場合、測定部110の動作モードをECOモードに切り換え得る。
【0117】
さらに他の例で、制御部120は、充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態であり、かつメインバッテリー10の電圧が臨界電圧以下である場合、測定部110の動作モードをECOモードに切り換え得る。
【0118】
さらに他の例で、制御部120は、充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態である場合、車両が停止したか否か、メインバッテリー10の電圧及びメインバッテリー10の電圧減少率のうち二つ以上を考慮して測定部110の動作モードを制御し得る。
【0119】
また、制御部120は、測定部110の動作モードがECOモードに切り換えられた後、バッテリーパック1と充電装置3との接続有無に基づいて測定部110の動作モードをシャットダウンモードに切り換え得る。
【0120】
図5は、本発明のさらに他の実施例による過放電防止方法をより具体的に示した図である。
【0121】
具体的には、
図5の実施例は、制御部120が、車両が停止したか否か、メインバッテリー10の電圧及びメインバッテリー10の電圧減少率を全て考慮して測定部110の動作モードを制御する実施例である。
【0122】
以下では、
図5に基づいて制御部120が、段階S310、段階S320及び段階S330を考慮して測定部110の動作モードを制御する実施例を説明するが、制御部120は、段階S310、段階S320及び段階S330の少なくとも一つを選択的に適用して測定部110の動作モードを制御することも可能であることに留意する。例えば、制御部120が、車両が停止したか否か及びメインバッテリー10の電圧に基づいて測定部110の動作モードを制御する実施例の場合、
図5の実施例から段階S320が省略され、段階S310の判断結果が「いいえ」であれば、段階S330へ進み得る。
【0123】
動作状態判断段階S200は、段階S210と段階S220を含み得る。
【0124】
段階S210で、制御部120は、充放電リレー20の動作状態を判断し得る。
【0125】
その後、段階S220で制御部120によって判断された充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態であれば、動作モード制御段階S300に進み、ターンオン状態であれば、電圧測定段階S100へ戻り得る。即ち、動作モード制御段階S300は、充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態である場合に限って行われ得る。
【0126】
段階S310で車両が停止状態であるか否かが判断され得る。具体的には、制御部120は、車両制御装置3から受信した一つ以上の情報に基づいて車両が停止したか否かを判断し得る。
【0127】
もし、制御部120は、段階S310で車両を停止状態に判断した場合、段階S340へ進み、そうではない場合、段階S320へ進み得る。
【0128】
段階S320で、メインバッテリー10の電圧が持続的に減少するか否かが判断され得る。具体的には、制御部120は、現在周期を含む連続する複数の周期の各々でメインバッテリー10の電圧が基準割合以上に減少するかを判断し得る。
【0129】
例えば、制御部120は、各々の周期で現在周期でのメインバッテリー10の電圧と直前周期でのメインバッテリー10の電圧との差に基づいてメインバッテリー10の電圧減少率を算出し得る。制御部120は、メインバッテリー10の電圧が連続する複数の周期で基準割合以上に減少する場合、段階S340へ進み、そうではない場合、段階S330へ進み得る。
【0130】
段階S330で、メインバッテリー10の電圧が臨界電圧以下であるか否かが判断され得る。具体的には、現在周期で測定されたメインバッテリー10の電圧が臨界電圧以下である場合、段階S340へ進み、そうではない場合、電圧測定段階S100へ戻り得る。
【0131】
段階S340で、測定部110の動作モードがECOモードに切り換えられ得る。具体的には、測定部110の動作モードは、ウェークアップモードからECOモードに切り換えられ得る。
【0132】
即ち、制御部120は、充放電リレー20の動作状態がターンオフ状態である場合において、車両が停止状態であるか、またはメインバッテリー10の電圧が複数の周期の間に持続的に減少するか、またはメインバッテリー10の現在周期の電圧が臨界電圧以下であれば、測定部110の動作モードをウェークアップモードからECOモードに切り換え得る。測定部110の動作モードがECOモードに切り換えられることで、測定部110によるメインバッテリー10のエネルギー消耗量が減少し得る。これによって、測定部110が動作されることによるメインバッテリー10の過放電を防止可能である。
【0133】
段階S350で、制御部120は、測定部110の動作モードがECOモードに切り換えられた時点から予め設定された時間内にバッテリーパック1に充電装置4が接続されたか否かによって測定部110の動作モードを制御し得る。
【0134】
例えば、段階S340によって測定部110の動作モードがECOモードに切り換えられた時点から予め設定された時間内にバッテリーパック1に充電装置4が接続された場合、制御部120は測定部110の動作モードをECOモードからウェークアップモードにさらに切り換え得る。
【0135】
逆に、段階S340によって測定部110の動作モードがECOモードに切り換えられた時点から予め設定された時間内にバッテリーパック1に充電装置4が接続されなかった場合、制御部120は測定部110の動作モードをECOモードからシャットダウンモードに切り換え得る。
【0136】
電圧測定段階S100、動作状態判断段階S200及び動作モード制御段階S300による過放電防止方法によれば、測定部110の動作モードが適切に制御されることでメインバッテリー10の過放電が効果的に防止可能である。
【0137】
以上で説明した本発明の実施例は、必ずしも装置及び方法を通じて具現されることではなく、本発明の実施例の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じて具現され得、このような具現は、本発明が属する技術分野における専門家であれば、前述した実施例の記載から容易に具現できるはずである。
【0138】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0139】
また、上述の本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想から脱しない範囲内で多様な置換、変形及び変更が可能であるため、上述の実施例及び添付された図面によって限定されず、多様な変形が行われるように各実施例の全部または一部を選択的に組み合わせて構成可能である。
【符号の説明】
【0140】
1 バッテリーパック
2 始動バッテリー
3 車両制御装置
4 充電装置
10 メインバッテリー
20 充放電リレー
100 過放電防止装置
110 測定部
120 制御部
130 保存部