(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】ポート識別方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04B 10/071 20130101AFI20240701BHJP
H04B 10/272 20130101ALI20240701BHJP
【FI】
H04B10/071
H04B10/272
(21)【出願番号】P 2023526209
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(86)【国際出願番号】 CN2021111865
(87)【国際公開番号】W WO2022088839
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】202011183533.X
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ドォン,ジェンホア
(72)【発明者】
【氏名】ドォン,シアオロォン
(72)【発明者】
【氏名】ジン,チャオ
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-134153(JP,A)
【文献】特開2008-294528(JP,A)
【文献】特表2016-524396(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111010228(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0072296(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/071
H04B 10/272
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポート識別方法であり、当該方法は受動光ネットワークPONに適用され、前記PONは、少なくとも1つのレベルのスプリッタ及び少なくとも1つの光ネットワーク終端装置ONTを含み、前記少なくとも1つのONTのそれぞれは、光ファイバを通じて前記少なくとも1つのレベルのスプリッタの異なるポートに別々に接続され、反射部品は前記少なくとも1つのレベルのスプリッタの前記ポートに配置され、同じスプリッタの異なるポートの反射部品により反射される試験光の波長は異なる、方法であって、
波長可変デバイスにより提供された試験光が前記PONにおいて伝送されるとき、前記試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を取得するステップであり、前記試験光は、前記少なくとも1つのレベルのスプリッタの前記ポートの前記反射部品により反射される試験光を含み、前記反射情報は、前記反射ピークの高さを少なくとも含む、ステップと、
前記反射ピークの前記反射情報に基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するステップであり、各反射ピークグループは、前記試験光を反射することにより同じONTにより形成された反射ピークを含む、ステップと、
各反射ピークグループ内の少なくとも1つの反射ピークに対応する第1の伝送情報、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポート、及び各ONTと光回線終端装置OLTとの間の第2の伝送情報に基づいて、前記スプリッタ内の各ONTに対応する前記ポートを決定するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記反射ピークの前記反射情報に基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するステップは、
前記反射ピークの位置及び前記高さに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポートを決定するステップ、又は
前記反射ピークの時間情報及び前記高さに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポートを決定するステップであり、いずれかの反射ピークの時間情報は、前記反射ピークに対応する試験光を前記反射ピークに対応するONTに伝送するために前記波長可変デバイスにより使用される持続時間である、ステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の伝送情報が位置であるとき、前記第2の伝送情報は伝送距離であるか、
前記第1の伝送情報が高さであるとき、前記第2の伝送情報は伝送損失であるか、
前記第1の伝送情報が位置及び高さであるとき、前記第2の伝送情報は伝送距離及び伝送損失であるか、
前記第1の伝送情報が時間情報であるとき、前記第2の伝送情報は伝送持続時間であるか、或いは、
前記第1の伝送情報が時間情報及び伝送損失であるとき、前記第2の伝送情報は伝送持続時間及び伝送損失であり、
いずれかの反射ピークの前記時間情報は、前記反射ピークに対応する前記試験光を前記反射ピークに対応する前記ONTに伝送するために前記波長可変デバイスにより使用される持続時間である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記波長可変デバイスにより提供されたターゲット試験光が前記PONにおいて伝送されるとき、前記ターゲット試験光を反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を取得するステップであり、前記ターゲット試験光の波長は、前記少なくとも1つのレベルのスプリッタの前記ポートの前記反射部品により反射される前記試験光の波長と異なる、ステップを更に含み、
前記反射ピークの位置及び前記高さに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポートを決定するステップは、
前記反射ピークの前記位置及び前記高さ並びに前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポートを決定するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのレベルのスプリッタは均等スプリッタであり、前記少なくとも1つのレベルのスプリッタはn個のレベルのスプリッタであり、nは2以上であり、前記少なくとも1つのONTは、レベルnのスプリッタに接続され、異なるレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長は異なり、
前記反射ピークの前記位置及び前記高さ並びに前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポートを決定するステップは、
前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記位置及び前記高さ並びに前記試験光におけるレベル(i-1)のスプリッタの試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループ内の同じレベルiのスプリッタに対応する反射ピークと、レベルiのスプリッタに接続された前記レベル(i-1)のスプリッタのポートとを決定するステップであり、前記レベル(i-1)のスプリッタの前記試験光は、前記レベル(i-1)のスプリッタの前記ポートの反射部品により反射される試験光であり、iは1よりも大きくn以下である、ステップと、
前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記位置及び前記高さ並びに前記試験光における前記レベルnのスプリッタの試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記レベルnのスプリッタのポートを決定するステップであり、前記レベルnのスプリッタの前記試験光は、前記レベルnのスプリッタの前記ポートの反射部品により反射される試験光である、ステップと、
各反射ピークグループ内の前記同じレベルiのスプリッタに対応する前記反射ピークに基づいて、前記レベルiのスプリッタに接続された前記レベル(i-1)のスプリッタの前記ポートと、各反射ピークグループに対応する前記レベルnのスプリッタの前記ポートとを決定するステップであり、前記スプリッタの前記ポートは各反射ピークグループに対応する、ステップと
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのレベルのスプリッタは均等スプリッタであり、前記少なくとも1つのレベルのスプリッタはn個のレベルのスプリッタであり、nは2以上であり、前記少なくとも1つのONTは、レベルnのスプリッタに接続され、異なるレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長は同じであり、
前記反射ピークの前記位置及び前記高さ並びに前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポートを決定するステップは、
前記試験光により形成された前記反射ピークの前記位置及び前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記位置に基づいて前記反射ピークグループを決定するステップと、
反射ピークグループjについて、前記反射ピークグループj内の前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記高さと前記試験光により形成された前記反射ピークの前記高さとの間の差に基づいて、前記反射ピークグループjに対応するスプリッタのポートを決定するステップと
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのレベルのスプリッタは不均等スプリッタであり、前記少なくとも1つのレベルのスプリッタはn個のレベルのスプリッタであり、nは2以上であり、
前記反射ピークの前記位置及び前記高さ並びに前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポートを決定するステップは、
前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記位置及び前記高さ並びに前記少なくとも1つのレベルのスプリッタの第1のポートに対応する試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタのレベル番号を決定するステップであり、前記第1のポートに対応する前記試験光は、前記第1のポートの反射部品により反射される試験光である、ステップと、
前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記位置及び前記高さ並びに前記少なくとも1つのレベルのスプリッタの第2のポートに対応する試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループが属するONTに直接接続されたスプリッタのポートを決定するステップであり、前記第2のポートに対応する前記試験光は、前記第2のポートの反射部品により反射される試験光である、ステップと、
各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記レベル番号及び各反射ピークグループが属する前記ONTに直接接続された前記スプリッタの前記ポートに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポートを決定するステップと
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の伝送情報が位置及び高さであるとき、前記第2の伝送情報は伝送距離及び伝送損失であり、
各反射ピークグループ内の少なくとも1つの反射ピークに対応する第1の伝送情報、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポート、及び各ONTとOLTとの間の第2の伝送情報に基づいて、前記スプリッタ内の各ONTに対応する前記ポートを決定するステップは、
各反射ピークグループ内の前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記位置に基づいて、各反射ピークグループが属する前記ONTと前記波長可変デバイスとの間の伝送距離を決定し、各反射ピークグループ内の前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記高さに基づいて、各反射ピークグループが属する前記ONTと前記波長可変デバイスとの間の伝送損失を決定するステップと、
各ONTと前記OLTとの間の伝送距離及び伝送損失並びに各反射ピークグループが属する前記ONTと前記波長可変デバイスとの間の前記伝送距離及び前記伝送損失に基づいて、各ONTに対応する反射ピークグループを決定するステップと、
各ONTに対応する前記反射ピークグループ及び各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポートに基づいて、前記スプリッタ内の各ONTに対応するポートを決定するステップと
を含む、請求項5乃至7のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記スプリッタに接続するために前記少なくとも1つのONTにより使用される前記光ファイバにおいて、前記試験光を反射する反射部品は、前記少なくとも1つのONTに接続されたインタフェースの位置に配置されるか、或いは、前記試験光を反射する反射部品は、前記少なくとも1つのONTの内部に配置される、請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の伝送情報の取得要求を各ONTに送信するステップと、
前記少なくとも1つのONTにより別々に送信された前記第2の伝送情報を受信するステップと
を更に含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項11】
試験コマンドを前記波長可変デバイスに送信するステップであり、前記試験コマンドは、前記試験光の前記波長を含むか、或いは、前記試験コマンドは、前記試験光の前記波長及び放射シーケンスを含む、ステップを更に含み、
波長可変デバイスにより提供された試験光が前記PONにおいて伝送されるとき、前記試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を取得するステップは、
前記波長可変デバイスにより送信された前記試験光が前記PONにおいて伝送されるとき、前記試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された前記反射ピークの前記反射情報を受信するステップを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項12】
ポート識別装置であり、当該装置は受動光ネットワークPONにおいて使用され、前記PONは、少なくとも1つのレベルのスプリッタ及び少なくとも1つの光ネットワーク終端装置ONTを含み、前記少なくとも1つのONTのそれぞれは、光ファイバを通じて前記少なくとも1つのレベルのスプリッタの異なるポートに別々に接続され、反射部品は前記少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートに配置され、同じスプリッタの異なるポートの反射部品により反射される試験光の波長は異なる、装置であって、
波長可変デバイスにより提供された試験光が前記PONにおいて伝送されるとき、前記試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を取得するように構成された取得モジュールであり、前記試験光は、前記少なくとも1つのレベルのスプリッタの前記ポートの前記反射部品により反射される試験光を含み、前記反射情報は、前記反射ピークの高さを少なくとも含む、取得モジュールと、
前記反射ピークの前記反射情報に基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するように構成され、各反射ピークグループは、前記試験光を反射することにより同じONTにより形成された反射ピークを含み、異なる反射ピークグループは異なるONTに対応し、
各反射ピークグループ内の少なくとも1つの反射ピークに対応する第1の伝送情報、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポート、及び各ONTと光回線終端装置OLTとの間の第2の伝送情報に基づいて、前記スプリッタ内の各ONTに対応する前記ポートを決定するように構成された決定モジュールと
を含む装置。
【請求項13】
前記決定モジュールは、
前記反射ピークの位置及び前記高さに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポートを決定するように構成されるか、或いは、
前記反射ピークの時間情報及び前記高さに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポートを決定するように構成され、いずれかの反射ピークの時間情報は、前記反射ピークに対応する試験光を前記反射ピークに対応するONTに伝送するために前記波長可変デバイスにより使用される持続時間である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の伝送情報が高さであるとき、前記第2の伝送情報は伝送損失であるか、
前記第1の伝送情報が位置及び高さであるとき、前記第2の伝送情報は伝送距離及び伝送損失であるか、
前記第1の伝送情報が時間情報であるとき、前記第2の伝送情報は伝送持続時間であるか、或いは、
前記第1の伝送情報が時間情報及び伝送損失であるとき、前記第2の伝送情報は伝送持続時間及び伝送損失であり、
いずれかの反射ピークの前記時間情報は、前記反射ピークに対応する前記試験光を前記反射ピークに対応する前記ONTに伝送するために前記波長可変デバイスにより使用される持続時間である、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
前記取得モジュールは、
前記波長可変デバイスにより提供されたターゲット試験光が前記PONにおいて伝送されるとき、前記ターゲット試験光を反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を取得するように更に構成され、前記ターゲット試験光の波長は、前記少なくとも1つのレベルのスプリッタの前記ポートの前記反射部品により反射される前記試験光の波長と異なり、
前記決定モジュールは、
前記反射ピークの前記位置及び前記高さ並びに前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポートを決定するように構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つのレベルのスプリッタは均等スプリッタであり、前記少なくとも1つのレベルのスプリッタはn個のレベルのスプリッタであり、nは2以上であり、前記少なくとも1つのONTは、レベルnのスプリッタに接続され、異なるレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長は異なり、
前記決定モジュールは、
前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記位置及び前記高さ並びに前記試験光におけるレベル(i-1)のスプリッタの試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループ内の同じレベルiのスプリッタに対応する反射ピークと、レベルiのスプリッタに接続された前記レベル(i-1)のスプリッタのポートとを決定するように構成され、前記レベル(i-1)のスプリッタの前記試験光は、前記レベル(i-1)のスプリッタの前記ポートの反射部品により反射される試験光であり、iは1よりも大きくn以下であり、
前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記位置及び前記高さ並びに前記試験光における前記レベルnのスプリッタの試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記レベルnのスプリッタのポートを決定するように構成され、前記レベルnのスプリッタの前記試験光は、前記レベルnのスプリッタの前記ポートの反射部品により反射される試験光であり、
各反射ピークグループ内の前記同じレベルiのスプリッタに対応する前記反射ピークに基づいて、前記レベルiのスプリッタに接続された前記レベル(i-1)のスプリッタの前記ポートと、各反射ピークグループに対応する前記レベルnのスプリッタの前記ポートとを決定するように構成され、前記スプリッタの前記ポートは各反射ピークグループに対応する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つのレベルのスプリッタは均等スプリッタであり、前記少なくとも1つのレベルのスプリッタはn個のレベルのスプリッタであり、nは2以上であり、前記少なくとも1つのONTは、レベルnのスプリッタに接続され、異なるレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長は同じであり、
前記決定モジュールは、
前記試験光により形成された前記反射ピークの前記位置及び前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記位置に基づいて前記反射ピークグループを決定し、
反射ピークグループjについて、前記反射ピークグループj内の前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記高さと前記試験光により形成された前記反射ピークの前記高さとの間の差に基づいて、前記反射ピークグループjに対応するスプリッタのポートを決定するように構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つのレベルのスプリッタは不均等スプリッタであり、前記少なくとも1つのレベルのスプリッタはn個のレベルのスプリッタであり、nは2以上であり、
前記決定モジュールは、
前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記位置及び前記高さ並びに前記少なくとも1つのレベルのスプリッタの第1のポートに対応する試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタのレベル番号を決定するように構成され、前記第1のポートに対応する前記試験光は、前記第1のポートの反射部品により反射される試験光であり、
前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記位置及び前記高さ並びに前記少なくとも1つのレベルのスプリッタの第2のポートに対応する試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループが属するONTに直接接続されたスプリッタのポートを決定するように構成され、前記第2のポートに対応する前記試験光は、前記第2のポートの反射部品により反射される試験光であり、
各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記レベル番号及び各反射ピークグループが属する前記ONTに直接接続された前記スプリッタの前記ポートに基づいて、各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポートを決定するように構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の伝送情報が位置及び高さであるとき、前記第2の伝送情報は伝送距離及び伝送損失であり、
前記決定モジュールは、
各反射ピークグループ内の前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記位置に基づいて、各反射ピークグループが属する前記ONTと前記波長可変デバイスとの間の伝送距離を決定し、各反射ピークグループ内の前記ターゲット試験光により形成された前記反射ピークの前記高さに基づいて、各反射ピークグループが属する前記ONTと前記波長可変デバイスとの間の伝送損失を決定し、
各ONTと前記OLTとの間の伝送距離及び伝送損失並びに各反射ピークグループが属する前記ONTと前記波長可変デバイスとの間の前記伝送距離及び前記伝送損失に基づいて、各ONTに対応する反射ピークグループを決定し、
各ONTに対応する前記反射ピークグループ及び各反射ピークグループに対応する前記スプリッタの前記ポートに基づいて、前記スプリッタ内の各ONTに対応するポートを決定するように構成される、請求項15乃至18のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記スプリッタに接続するために前記少なくとも1つのONTにより使用される前記光ファイバにおいて、前記試験光を反射する反射部品は、前記少なくとも1つのONTに接続されたインタフェースの位置に配置されるか、或いは、前記試験光を反射する反射部品は、前記少なくとも1つのONTの内部に配置される、請求項1
2に記載の装置。
【請求項21】
前記第2の伝送情報の取得要求を各ONTに送信するように構成された送信モジュールと、
前記少なくとも1つのONTにより別々に送信された前記第2の伝送情報を受信するように構成された受信モジュールと
を更に含む、請求項1
2に記載の装置。
【請求項22】
試験コマンドを前記波長可変デバイスに送信するように構成された送信モジュールであり、前記試験コマンドは、前記試験光の前記波長を含むか、或いは、前記試験コマンドは、前記試験光の前記波長及び放射シーケンスを含む、送信モジュールを更に含み、
前記取得モジュールは、
前記波長可変デバイスにより送信された前記試験光が前記PONにおいて伝送されるとき、前記試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された前記反射ピークの前記反射情報を受信するように構成される、請求項1
2に記載の装置。
【請求項23】
受動光ネットワークPONにおいて使用されるポート識別システムであり、波長可変デバイス及びポート識別デバイスを含むシステムであって、
前記波長可変デバイスは、複数の波長の試験光を出力するように構成され、反射ピークの反射情報を記録するように構成され、
前記ポート識別デバイスは、請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、システム。
【請求項24】
プロセッサ及びメモリを含むポート識別デバイスであって、
前記メモリは、コンピュータ命令を記憶し、
前記プロセッサは、前記コンピュータ命令を実行し、請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の方法を実現する、デバイス。
【請求項25】
コンピュータ命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ可読記憶媒体内の前記コンピュータ命令がポート識別デバイスにより実行されると、前記ポート識別デバイスは、請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の方法を実行することが可能になる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この出願は、2020年10月29日に出願された「PORT IDENTIFICATION METHOD AND APPARATUS」という名称の中国特許出願第202011183533.X号の優先権を主張し、その全内容を参照により援用する。
【0002】
[技術分野]
この出願は、光ファイバ通信技術の分野に関し、特に、ポート識別方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
光ファイバ通信技術の発展に伴い、受動光ネットワーク(passive optical network, ON)が急速に発展し、大規模に配備されている。PONはポイントツーマルチポイントシステムであり、順次接続された光回線終端装置(optical line terminal, OLT)、光分配ネットワーク(optical distribution network, ODN)及び光ネットワーク終端装置(optical network terminal, ONT)を含む。ODNは受動光ネットワークであり、主に光ファイバ及びスプリッタ(splitter)を含む受動デバイスのみを含む。ODNは、ポイントツーポイント接続方法を通じてOLTからの光信号をONTに伝送する。ODNは、広いカバレッジエリア、大量の分岐光経路データ及び複雑なシナリオのような特性を有する。さらに、ODNは電力供給を有さない。これらは全て、ODNにおける故障を位置特定して検査することを困難にする。故障位置特定の精度は特に重要である。故障位置特定を実現するために、ODNにおいてONTに接続されたスプリッタのポートを正確に識別することが必要である。
【0004】
関連技術では、ONTが手動で設置されるとき、ONTに接続されたスプリッタのポートが一般的に記録される。多数のONTが存在し、ODNにおいて大量のスプリッタが存在するので、ONTに接続されたスプリッタのポートを区別するのに長い期間を要する。
【発明の概要】
【0005】
この出願は、ポート識別効率を改善するためのポート識別方法及び装置を提供する。技術的解決策は以下の通りである。
【0006】
第1の態様によれば、この出願は、ポート識別方法を提供する。当該方法はPONに適用される。PONは、少なくとも1つのレベルのスプリッタ及び少なくとも1つのONTを含む。少なくとも1つのONTのそれぞれは、光ファイバを通じて少なくとも1つのレベルのスプリッタの異なるポートに別々に接続される。反射部品は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートに配置される。同じスプリッタの異なるポートの反射部品により反射される試験光の波長は異なる。当該方法は、波長可変デバイスにより提供された試験光がPONにおいて伝送されるとき、試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を取得するステップであり、試験光は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光を含み、反射情報は、反射ピークの高さを少なくとも含む、ステップと、反射ピークの反射情報に基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するステップであり、各反射ピークグループは、試験光を反射することにより同じONTにより形成された反射ピークを含む、ステップと、各反射ピークグループ内の少なくとも1つの反射ピークに対応する第1の伝送情報、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポート、及び各ONTとOLTとの間の第2の伝送情報に基づいて、スプリッタ内の各ONTに対応するポートを決定するステップとを含む。
【0007】
この出願における解決策では、ポート識別方法がPONに適用される。PONは、少なくとも1つのレベルのスプリッタ及び少なくとも1つのONTを含む。各ONTは、光ファイバを通じて少なくとも1つのレベルのスプリッタの異なるポートに接続される。異なるONTが異なるポートに接続される。反射部品は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートに配置される。同じスプリッタの異なるポートの反射部品により反射される試験光の波長は異なる。ポート識別方法の実行主体はポート識別デバイスでもよい。
【0008】
ポート識別デバイスは、波長可変デバイスにより提供された試験光がPONにおいて伝送されるとき、試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を取得する。反射情報は、反射ピークの高さを少なくとも含む。次いで、ポート識別デバイスは、反射ピークの反射情報に基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定する。各反射ピークグループは、試験光を反射することにより同じONTにより形成された反射ピークを含む。異なる反射ピークグループは異なるONTに対応する。次いで、ポート識別デバイスは、各反射ピークグループ内の少なくとも1つの反射ピークに対応する第1の伝送情報、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポート、及び各ONTとOLTとの間の第2の伝送情報に基づいて、スプリッタ内の各ONTに対応するポートを決定する。少なくとも1つのレベルのスプリッタが1つのレベルのスプリッタである場合、スプリッタ内の各ONTに対応するポートは、スプリッタ内の各ONTに直接接続されたポートである。少なくとも1つのレベルのスプリッタが複数のレベルのスプリッタである場合、スプリッタ内の各ONTに対応するポートの接続関係は、スプリッタ内の各ONTに直接接続されたポートの接続関係と、各ONTに直接接続されたスプリッタと他のレベルのスプリッタとの間の接続関係とを含む。このように、スプリッタ内のONTに接続されたポートは、試験光により形成された反射ピークを使用することにより決定されてもよく、手動記録は必要とされない。したがって、ポート識別効率が改善できる。
【0009】
可能な実施形態では、反射ピークの反射情報に基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するステップは、反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するステップ、又は反射ピークの時間情報及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するステップであり、いずれかの反射ピークの時間情報は、反射ピークに対応する試験光を反射ピークに対応するONTに伝送するために波長可変デバイスにより使用される持続時間である、ステップを含む。
【0010】
反射ピークの位置は、反射ピークが属するONTと波長可変デバイスとの間の距離を反映するためのものである。反射ピークの高さは、波長可変デバイスにより受信された反射ピークに対応する試験光の受信パワーを反映するためのものである。反射ピークの時間情報は、反射ピークに対応する試験光を反射ピークに対応するONTに伝送するために波長可変デバイスにより使用される持続時間である。
【0011】
この出願における解決策では、ポート識別デバイスは、各反射ピークの位置及び高さを使用することにより、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定してもよい。代替として、ポート識別デバイスは、反射ピークの時間情報及び高さを使用することにより、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定してもよい。このように、反射ピークグループに対応するスプリッタのポートが正確に決定できる。
【0012】
可能な実現方式では、第1の伝送情報が位置であるとき、第2の伝送情報は伝送距離であるか、第1の伝送情報が高さであるとき、第2の伝送情報は伝送損失であるか、第1の伝送情報が位置及び高さであるとき、第2の伝送情報は伝送距離及び伝送損失であるか、第1の伝送情報が時間情報であるとき、第2の伝送情報は伝送持続時間であるか、或いは、第1の伝送情報が時間情報及び伝送損失であるとき、第2の伝送情報は伝送持続時間及び伝送損失である。いずれかの反射ピークの時間情報は、反射ピークに対応する試験光を反射ピークに対応するONTに伝送するために波長可変デバイスにより使用される持続時間である。このように、スプリッタ内のONTに接続されたポートが効率的且つ正確に決定できる。
【0013】
可能な実現方式では、当該方法は、波長可変デバイスにより提供されたターゲット試験光がPONにおいて伝送されるとき、ターゲット試験光を反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を取得するステップであり、ターゲット試験光の波長は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長と異なる、ステップを更に含み、反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するステップは、反射ピークの位置及び高さ並びにターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するステップを含む。このように、ターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さが、反射部品により反射されない試験光により形成された反射ピークの位置及び高さとして使用されるので、高さが減少する反射ピークがより迅速に検出でき、それにより、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートがより迅速に決定できるようにする。
【0014】
可能な実現方式では、少なくとも1つのレベルのスプリッタは均等スプリッタ(even splitter)であり、少なくとも1つのレベルのスプリッタはn個のレベルのスプリッタであり、nは2以上である。少なくとも1つのONTは、レベルnのスプリッタに接続される。異なるレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長は異なる。反射ピークの位置及び高さ並びにターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するステップは、ターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さ並びに試験光におけるレベル(i-1)のスプリッタの試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループ内の同じレベルiのスプリッタに対応する反射ピークと、レベルiのスプリッタに接続されたレベル(i-1)のスプリッタのポートとを決定するステップであり、レベル(i-1)のスプリッタの試験光は、レベル(i-1)のスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光であり、iは1よりも大きくn以下である、ステップと、ターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さ並びに試験光におけるレベルnのスプリッタの試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するレベルnのスプリッタのポートを決定するステップであり、レベルnのスプリッタの試験光は、レベルnのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光である、ステップと、各反射ピークグループ内の同じレベルiのスプリッタに対応する反射ピークに基づいて、レベルiのスプリッタに接続されたレベル(i-1)のスプリッタのポートと、各反射ピークグループに対応するレベルnのスプリッタのポートとを決定するステップであり、スプリッタのポートは各反射ピークグループに対応する、ステップとを含む。
【0015】
この出願における解決策では、各反射ピークグループ内の同じレベルiのスプリッタに対応する反射ピークと、レベルiのスプリッタに接続されたレベル(i-1)のスプリッタのポートとが最初に決定されてもよく、次いで、各反射ピークグループに対応するレベルnのスプリッタのポートが決定されてもよい。最後に、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートがこの内容を参照して正確且つ迅速に決定できる。
【0016】
可能な実現方式では、少なくとも1つのレベルのスプリッタは均等スプリッタであり、少なくとも1つのレベルのスプリッタはn個のレベルのスプリッタであり、nは2以上である。少なくとも1つのONTは、レベルnのスプリッタに接続される。異なるレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長は同じである。反射ピークの位置及び高さ並びにターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するステップは、試験光により形成された反射ピークの位置及びターゲット試験光により形成された反射ピークの位置に基づいて反射ピークグループを決定するステップと、反射ピークグループjについて、反射ピークグループj内のターゲット試験光により形成された反射ピークの高さと試験光により形成された反射ピークの高さとの間の差に基づいて、反射ピークグループjに対応するスプリッタのポートを決定するステップとを含む。
【0017】
この出願における解決策では、ポート識別デバイスは、試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの位置及び高さを使用して、異なる試験光により形成された反射ピークにおいて、位置が同じであるか或いは位置の差が特定の値未満である反射ピークを、試験光を反射することによりONTにより形成された反射ピークとして見なしてもよい。すなわち、反射ピークグループが形成される。反射ピークグループ毎に、ポート識別デバイスは、反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの高さと他の反射ピークの高さとの差を取得する。差は、反射ピークグループjに対応するスプリッタのポートを決定するために使用される。このように、ターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さが、反射部品により反射されない試験光により形成された反射ピークの位置及び高さとして使用されるので、高さが減少する反射ピークがより迅速に検出でき、それにより、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートがより迅速に決定できるようにする。
【0018】
可能な実現方式では、少なくとも1つのレベルのスプリッタは不均等スプリッタであり、少なくとも1つのレベルのスプリッタはn個のレベルのスプリッタであり、nは2以上である。反射ピークの位置及び高さ並びにターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するステップは、ターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さ並びに少なくとも1つのレベルのスプリッタの第1のポートに対応する試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのレベル番号を決定するステップであり、第1のポートに対応する試験光は、第1のポートの反射部品により反射される試験光である、ステップと、ターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さ並びに少なくとも1つのレベルのスプリッタの第2のポートに対応する試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループが属するONTに直接接続されたスプリッタのポートを決定するステップであり、第2のポートに対応する試験光は、第2のポートの反射部品により反射される試験光である、ステップと、各反射ピークグループに対応するスプリッタのレベル番号及び各反射ピークグループが属するONTに直接接続されたスプリッタのポートに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するステップとを含む。
【0019】
この出願における解決策では、第1のポートは、次レベルのスプリッタに接続されたポートであり、第2のポートは、ONTに接続されたポートである。各反射ピークグループに対応するスプリッタのレベル番号が最初に決定されてもよく、次いで、各反射ピークグループが属するONTに直接接続されたスプリッタのポートが決定されてもよい。最後に、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートがこの内容を参照して正確且つ迅速に決定できる。このように、反射ピークグループに対応するスプリッタのポートが迅速且つ正確に決定できる。
【0020】
可能な実現方式では、第1の伝送情報が位置及び高さであるとき、第2の伝送情報は伝送距離及び伝送損失である。各反射ピークグループ内の少なくとも1つの反射ピークに対応する第1の伝送情報、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポート、及び各ONTとOLTとの間の第2の伝送情報に基づいて、スプリッタ内の各ONTに対応するポートを決定するステップは、各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの位置に基づいて、各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送距離を決定し、各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの高さに基づいて、各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送損失を決定するステップと、各ONTとOLTとの間の伝送距離及び伝送損失並びに各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送距離及び伝送損失に基づいて、各ONTに対応する反射ピークグループを決定するステップと、各ONTに対応する反射ピークグループ及び各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートに基づいて、スプリッタ内の各ONTに対応するポートを決定するステップとを含む。
【0021】
この出願における解決策では、各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの位置は、各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送距離を決定するために使用されてもよい。次いで、各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの高さは、各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送損失を決定するために使用されてもよい。次いで、各ONTとOLTとの間の伝送距離及び伝送損失、並びに各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送距離及び伝送損失は、各ONTに対応する反射ピークグループを決定するために使用されてもよい。最後に、各ONTに対応する反射ピークグループ及び各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートは、スプリッタ内の各ONTに対応するポートを決定するために使用されてもよい。このように、スプリッタ内の各ONTに対応するポートは、伝送損失及び伝送持続時間を使用することにより決定され、複数の角度が考慮されるので、スプリッタ内の各ONTに対応するポートが正確に決定できる。
【0022】
可能な実現方式では、スプリッタに接続するために少なくとも1つのONTにより使用される光ファイバにおいて、試験光を反射する反射部品は、少なくとも1つのONTに接続されたインタフェースの位置に配置される。代替として、試験光を反射する反射部品は、少なくとも1つのONTの内部に配置される。このように、より多様なポート識別が実行できる。
【0023】
可能な実現方式では、当該方法は、第2の伝送情報の取得要求を各ONTに送信するステップと、少なくとも1つのONTにより別々に送信された第2の伝送情報を受信するステップとを更に含む。このように、第2の伝送情報がONTから取得されてもよい。
【0024】
可能な実現方式では、当該方法は、試験コマンドを波長可変デバイスに送信するステップを更に含む。試験コマンドは、試験光の波長を含む。代替として、試験コマンドは、試験光の波長及び放射シーケンスを含む。波長可変デバイスにより提供された試験光がPONにおいて伝送されるとき、試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を取得するステップは、波長可変デバイスにより送信された試験光がPONにおいて伝送されるとき、試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を受信するステップを含む。このように、波長可変デバイスがより良好に制御できる。
【0025】
第2の態様によれば、この出願は、ポート識別装置を提供する。当該装置は、第1の態様によるポート識別方法を実現するように構成された1つ以上のモジュールを含む。
【0026】
第3の態様によれば、ポート識別システムが提供され、PONにおいて使用される。当該システムは、波長可変デバイス及びポート識別デバイスを含む。波長可変デバイスは、複数の波長の試験光を出力するように構成され、反射ピークの反射情報を記録するように構成される。ポート識別デバイスは、波長可変デバイスへの通信接続を確立し、ポート識別デバイスは、第1の態様によるポート識別方法を実行するように構成される。
【0027】
第4の態様によれば、ポート識別デバイスが提供される。ポート識別デバイスは、プロセッサ及びメモリを含み、メモリはコンピュータ命令を記憶し、プロセッサは、コンピュータ命令を実行して、第1の態様によるポート識別方法を実現する。
【0028】
第5の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ命令を記憶する。コンピュータ可読記憶媒体内のコンピュータ命令がポート識別デバイスにより実行されると、ポート識別デバイスは、第1の態様によるポート識別方法を実行することが可能になる。
【0029】
第6の態様によれば、この出願は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品はコンピュータ命令を含む。コンピュータ命令がポート識別デバイスにより実行されると、ポート識別デバイスは、第1の態様によるポート識別方法を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】この出願の実施形態の例によるPONの構造の概略図である。
【
図2】この出願の実施形態の例による2つのレベルのスプリッタの構造の概略図である。
【
図3】この出願の実施形態の例による2つのレベルのスプリッタの構造の概略図である。
【
図4】この出願の実施形態の例による2つのレベルのスプリッタの構造の概略図である。
【
図5】この出願の実施形態の例によるONTの概略図である。
【
図6】この出願の実施形態の例によるONTの概略図である。
【
図7】この出願の実施形態の例によるONTの概略図である。
【
図8】この出願の実施形態の例によるONTの概略図である。
【
図9】この出願の実施形態の例による波長可変デバイスの構造の概略図である。
【
図10】この出願の実施形態の例によるポート識別デバイスの構造の概略図である。
【
図11】この出願の実施形態の例によるポート識別方法の概略フローチャートである。
【
図12】この出願の実施形態の例による2レベルの均等スプリッタの構造の概略図である。
【
図13】この出願の実施形態の例による異なるONTにより形成された反射ピークの概略図である。
【
図14】この出願の実施形態の例による異なるONTにより形成された反射ピークの概略図である。
【
図15】この出願の実施形態の例による異なるONTにより形成された反射ピークの概略図である。
【
図16】この出願の実施形態の例による4レベルの不均等スプリッタの構造の概略図である。
【
図17】この出願の実施形態の例による異なるONTにより形成された反射ピークの概略図である。
【
図18】この出願の実施形態の例による異なるONTにより形成された反射ピークの概略図である。
【
図19】この出願の実施形態の例による異なるONTにより形成された反射ピークの概略図である。
【
図20】この出願の実施形態の例によるポート識別装置の構造の概略図である。
【
図21】この出願の実施形態の例によるポート識別装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
この出願の目的、技術的解決策及び利点をより明確にするために、以下に、添付の図面を参照してこの出願の実現方式について詳細に更に説明する。
【0032】
この出願の実施形態の理解を容易にするために、以下に、まず、関連する名詞の概念について説明する。
【0033】
PONは受動光ネットワークである。
図1に示すように、PONは、3つの部分、すなわち、OLT、ODN及びONTを含む。ODNは、一般的に4つの部分、すなわち、スプリッタ、フィーダファイバ、分配ファイバ及び分岐ファイバに分割される。フィーダファイバは、OLTとODNとの間の光ファイバを示す。分配ファイバは、様々なレベルのスプリッタの間の光ファイバを示す。分岐ファイバは、スプリッタとONTとの間の光ファイバを示す。この出願の実施形態におけるONTは、代替として、光ネットワークユニット(optical network unit, ONU)と置き換えられてもよい。
【0034】
関連技術では、ONTに接続されたスプリッタのポートを手動で記録することは、スプリッタ内のONTに接続されたポートを区別する際に費やされる長い期間を引き起こす。したがって、この出願は、スプリッタ内のONTに接続されたポートを効率的に識別するためのポート識別方法を提供する。当該方法で使用されるPONは、少なくとも1つのレベルのスプリッタ及び少なくとも1つのONTを含む。ONTは、光ファイバを通じて少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートに接続される。異なるONTは、少なくとも1つのレベルのスプリッタの異なるポートに接続される。
【0035】
反射部品は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートに配置される。同じスプリッタの異なるポートに配置された反射部品により反射される試験光の波長は異なる。異なるレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長は異なる。例えば、
図2に示すように、少なくとも1つのレベルのスプリッタは2つのレベルのスプリッタである。レベル1のスプリッタは1つの1*4スプリッタを有し、4つのポートに配置された反射部品により反射される試験光の波長は、それぞれλ1、λ2、λ3及びλ4である。レベル2のスプリッタは4つの1*4スプリッタを有し、レベル2のスプリッタ内の各スプリッタのポートに配置された反射部品により反射される試験光の波長は、レベル1のスプリッタの波長と異なる。レベル2のスプリッタ内の各スプリッタの4つのポートに配置された反射部品により反射される試験光の波長は、それぞれλ5、λ6、λ7及びλ8である。明らかに、レベル2のスプリッタ内の各スプリッタのポートに配置された反射部品により反射される試験光は、代替として異なってもよい。各ポートに配置された反射部品の反射率はプリセット値以上であり、プリセット値は一般的に大きい。例えば、プリセット値は99%又は98%である。
【0036】
代替として、少なくとも1つのレベルのスプリッタは均等スプリッタである。反射部品は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートに配置される。同じスプリッタの異なるポートに配置された反射部品により反射される試験光の波長は異なる。異なるレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長は同じである。同じ波長の試験光について、各レベルのスプリッタにおいて試験光を反射する反射部品の反射率は異なり、より小さいレベル番号を有するスプリッタのポートの反射部品の反射率はより低い。例えば、
図3に示すように、少なくとも1つのレベルのスプリッタは2つのレベルのスプリッタであり、2つのレベルのスプリッタのそれぞれは均等スプリッタである。レベル1のスプリッタは1つの1*4スプリッタを有し、4つのポートに配置された反射部品により反射される試験光の波長は、それぞれλ1、λ2、λ3及びλ4である。レベル2のスプリッタは4つの1*4スプリッタを有し、レベル2のスプリッタ内の各スプリッタのポートに配置された反射部品により反射される試験光の波長は、レベル1のスプリッタの波長と同じである。レベル2のスプリッタ内の各スプリッタの4つのポートに配置された反射部品により反射される試験光の波長は、それぞれλ1、λ2、λ3及びλ4である。レベル1のスプリッタにおいてλ1の試験光を反射する反射部品の反射率は50%であり、レベル2のスプリッタにおいてλ1の試験光を反射する反射部品の反射率は70%である。レベル1のスプリッタにおいてλ2の試験光を反射する反射部品の反射率は50%であり、レベル2のスプリッタにおいてλ2の試験光を反射する反射部品の反射率は70%である。レベル1のスプリッタにおいてλ3の試験光を反射する反射部品の反射率は50%であり、レベル2のスプリッタにおいてλ3の試験光を反射する反射部品の反射率は70%である。レベル1のスプリッタにおいてλ4の試験光を反射する反射部品の反射率は50%であり、レベル2のスプリッタにおいてλ4の試験光を反射する反射部品の反射率は70%である。
【0037】
代替として、少なくとも1つのレベルのスプリッタは不均等スプリッタである。反射部品は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートに配置される。同じスプリッタの異なるポートに配置された反射部品により反射される試験光の波長は異なる。異なるレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長は同じである。例えば、
図4に示すように、少なくとも1つのレベルのスプリッタは4つのレベルのスプリッタである。レベル1のスプリッタは1つの1*9スプリッタを有し、レベル2のスプリッタは1つの1*9スプリッタを有し、レベル3のスプリッタは1つの1*9スプリッタを有し、レベル4のスプリッタは1つの1*8スプリッタを有する。レベル1のスプリッタ、レベル2のスプリッタ及びレベル3のスプリッタは不均等スプリッタであり、レベル4のスプリッタは均等スプリッタである。レベル1のスプリッタ、レベル2のスプリッタ及びレベル3のスプリッタのそれぞれの9つのポートは、1つの第1のポート及び8つの第2のポートを含む。第1のポートは、次レベルのスプリッタに接続されたポートであり、第2のポートは、ONTに接続されたポートである。第1のポートの8つの第2のポートに対する分割比は7:3である。8つの第2のポートは、均等スプリッタの出力である(例えば、各レベルのスプリッタに入る光の量が1であり、第1のポートの光分割が7/10であり、8つの第2のポートの合計光分割が3/10であり、8つの第2のポートのそれぞれの光分割が3/80であると仮定する)。レベル4のスプリッタの8つのポートは第2のポートである。λ9の試験光を反射する反射部品は第1のポートに配置され、λ1~λ8の試験光をそれぞれ反射する反射部品は8つの第2のポートに配置される。
【0038】
任意選択で、各ポートに配置された反射部品は、反射格子(reflection grating)でもよい。例えば、反射部品は、光導波路を使用することにより実現された反射格子でもよい。明らかに、各ポートに配置された反射部品は、代替として、試験光を反射するように構成された他の部品でもよい。
【0039】
この出願の実施形態における全てのONTは、様々な波長の試験光を反射してもよい。任意選択で、ONTの3つの実現方式が存在する。第1の実現方式では、
図5に示すように、反射部品は、光ファイバがONTに接続されるインタフェースに配置され、反射部品は、この出願のこの実施形態で言及される全ての試験光を反射してもよい。例えば、反射部品は、様々な試験光を正確に含むが、いずれのサービス光も含まない帯域範囲内の光を反射してもよい。サービス光は、アップリンクサービス光及びダウンリンクサービス光を含む。第1の実現方式では、配備中に、反射部品はオンサイトで手動で追加されてもよい。第2の実現方式では、試験光を反射する反射部品はONTの内部に配置される。例えば、反射部品は反射膜である。
図6は、ONTの内部の反射膜の構造を示す。反射膜は、光がONTに入射する位置に配置される。矢印のある破線はアップリンクサービス光を示す。矢印のある実線はダウンリンクサービス光を示す。矢印のある実線の曲線は、試験光が反射膜により反射されることを示す。
図7は、ONTの内部の反射膜の構造を示す。反射膜は、アップリンクサービス光を送信する部品の前に配置される。矢印のある破線はアップリンクサービス光を示す。矢印のある実線はダウンリンクサービス光を示す。矢印のある実線の曲線は、試験光が反射膜により反射されることを示す。
図8は、ONTの内部の反射膜の構造を示す。反射膜は、ダウンリンクサービス光を受信する部品の前に配置される。片方の矢印のある破線はアップリンクサービス光を示す。片方の矢印のある実線はダウンリンクサービス光を示す。双方の矢印のある実線の曲線は、試験光が反射膜により反射されることを示す。第3の実現方式では、自然な端面における反射は、光ファイバがONTに接続されるインタフェースにおいて形成される。自然な端面は、様々な試験光を反射するために使用されてもよく、ONTは変更される必要がない。
【0040】
以下で言及されるターゲット試験光が存在するとき、上記の反射膜はターゲット試験光を更に反射し、ターゲット試験光の反射率は98%のように高くてもよい点に留意すべきである。
【0041】
さらに、PONは波長可変デバイスを更に含む。波長可変デバイスはOLTの一部であるか、或いは、独立して配置されてもよい。しかし、波長可変デバイスとONTとの間の伝送距離と、ONTとOLTとの間の伝送距離との間の差の絶対値は、特定の値未満である。この出願のこの実施形態では、波長可変デバイスは、波長可変光時間領域反射率計(optical time domain reflectometer, OTDR)でもよい。本来のOTDRに基づいて、波長可変OTDRは、OTDRが複数の波長の試験光を放射することを可能にする。複数の波長は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートに配置された反射部品により反射できる試験光の波長を含む。波長可変OTDRが試験光を放射した後に、試験光は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートに配置された反射部品により反射されてもよく、或いは、ONTにより反射されてもよく(ONTによる反射の原理は以下に説明する)、次いで、波長可変OTDRに戻ってもよい。波長可変OTDRは、受信パワー及び受信時間を記録してもよい。任意選択で、複数の波長は、ターゲット試験光の波長を更に含む。ターゲット試験光は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートに配置された反射部品により反射されない。
【0042】
図9は、パルス発生装置、光コンバイナ/スプリッタ(カプラ等)又はサーキュレータ、受信部品、プロセッサ等を含む波長可変OTDRの概略図を更に提供する。パルス発生装置は、複数の波長の試験光を出力するように構成され、複数の波長の試験光はパルス光であり、光コンバイナ/スプリッタ又はサーキュレータは、試験光を送信及び受信するように構成され、受信部品は、受信パワーを検出するように構成され、プロセッサは、受信時間を記録するように構成される、等である。いくつかのデバイスのみが
図9に示されている。任意選択で、パルス発生装置は、波長可変レーザ及びパルス発生部品を含んでもよく、或いは、パルス発生装置は波長可変パルス発生デバイスでもよい。
【0043】
ここで、サービス光及び試験光の双方が存在する場合、波長分割マルチプレクサのように、サービス光と試験光とを結合するように構成されたデバイスは、可変OTDRとODNとの間に更に配置されてもよい点に留意すべきである。この場合、サービス光がOLTとODNとの間で伝送されるとき、サービス光もデバイスを通過する。
【0044】
ポート識別方法の実行の実行主体について以下の通り説明する。ポート識別方法の実行主体はポート識別装置でもよく、ポート識別装置はハードウェアデバイス又はソフトウェア装置でもよい。ポート識別装置がハードウェアデバイスであるとき、ポート識別装置はポート識別デバイスと呼ばれてもよい。ポート識別装置は、OLT又はPONの管理デバイスでもよく、或いは、サーバのような独立した外部デバイスでもよい。ポート識別装置がOLTでもよいとき、ポート識別方法は、OLT内のボードにより実行されてもよい。ポート識別装置がソフトウェア装置であるとき、ポート識別装置は、ONTに配備されたソフトウェアモジュールでもよく、或いは、PONの管理デバイスに配備されたソフトウェアモジュールでもよい。
【0045】
図10に示すように、ポート識別装置がポート識別デバイスであるとき、ポート識別デバイスは、メモリ1001及びプロセッサ1002を含む。メモリ1001は、読み取り専用メモリ(read-only memory, ROM)、静的記憶デバイス、動的記憶デバイス等でもよい。メモリ1001はコンピュータ命令を記憶してもよい。メモリ1001に記憶されたコンピュータ命令がプロセッサ1002により実行されると、プロセッサ1002は、ポート識別方法を実行するように構成される。メモリは、ポート識別方法が実行されるときに使用されるデータを更に記憶してもよい。汎用中央処理装置(central processing unit, CPU)、グラフィックス処理装置(graphics processing unit, GPU)又はこれらのいずれかの組合せが、プロセッサ1002として使用されてもよい。プロセッサ1002は1つ以上のチップを含んでもよい。任意選択で、ポート識別デバイスは、受信機、送信機等を更に含んでもよい。
【0046】
以下に、
図11を参照して、この出願の実施形態によるポート識別方法について説明する。当該方法は、ポート識別デバイスにより実行されてもよい。
図11に示すように、当該方法の処理手順は以下の通りである。
【0047】
ステップ1101.波長可変デバイスにより提供された試験光がPONにおいて伝送されるとき、試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を取得する。
【0048】
この実施形態では、ポート識別デバイスは、波長可変デバイスにより提供された試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を受信する。反射情報は、位置及び高さを含む。ONTの位置が固定されているので、試験光を反射することによりONTにより形成された反射ピークの位置も同じである。同じ位置又は近い位置にあり且つ異なる試験光に対応する反射ピークは、試験光を別々に反射することによりONTにより形成された反射ピークとして決定される。代替として、反射情報は、時間情報及び高さを含む。いずれかの反射ピークの時間情報は、反射ピークに対応する試験光を反射ピークに対応するONTに伝送するために波長可変デバイスにより使用される持続時間である。ONTの位置が固定されているので、試験光を反射することによりONTにより形成された反射ピークの時間情報も同じであるか或いは同様である。異なる試験光に対応する同じ時間情報又は同様の時間情報の反射ピークは、試験光を別々に反射することによりONTにより形成された反射ピークとして決定される。
【0049】
任意選択で、波長可変デバイスが反射ピークの反射情報を取得するプロセスは、以下の通りである。
【0050】
ポート識別デバイスは、試験コマンドを波長可変デバイスに送信してもよい。試験コマンドは、様々な試験光の波長を含み、試験光の放射シーケンスを示す。代替として、試験コマンドは、様々な試験光の波長を含む。代替として、試験コマンドは、試験光の波長のような情報を搬送しない。
【0051】
試験コマンドを受信した後に、波長可変デバイスは、試験コマンドに含まれる試験光の波長及び試験光の放射シーケンスに基づいて試験光を外部に放射してもよく、試験コマンドに含まれる試験光の波長及び予め記憶された試験光の放射シーケンスに基づいて試験光を外部に放射してもよく、或いは、予め記憶された試験光の波長及び試験光の放射シーケンスに基づいて試験光を外部に放射してもよい。波長可変デバイスが試験光を外部に放射するとき、放射時間が記録される。
【0052】
波長可変デバイスが試験光を外部に放射した後に、試験光のビームがPONにおいて伝送される。試験光の波長が、スプリッタのポートに配置された反射部品により反射される試験光の波長と等しい場合、ポートの反射部品は試験光を反射し、ポートに接続されたONTは試験光の小さい部分のみを受信する。次いで、ポートに接続されたONTは、試験光の小さい部分を反射する。反射される試験光は、波長可変デバイスに入る。波長可変デバイスは、受信時間及び受信パワーを決定してもよい。試験光の波長が、スプリッタのポートに配置された反射部品により反射される試験光の波長と等しくない場合、ポートの反射部品は試験光を反射せず、ポートに接続されたONTは基本的に試験光のほとんどを受信する。次いで、ポートに接続されたONTは、試験光のほとんどを反射する。反射される試験光は、波長可変デバイスに入る。波長可変デバイスは、受信時間及び受信パワーを決定してもよい。
【0053】
試験光のビームについて、波長可変デバイスは、試験光に対応する反射ピークの位置を計算するために以下の式(1)を使用する。
【数1】
【0054】
式(1)において、Lは波長可変デバイスからONTまでの距離であり、cは真空における光の速度であり、nはファイバグループ屈折率であり、c/nは、光ファイバにおける伝送速度であり、Δtは、受信時間と送信時間との間の差である。Lは反射ピークの位置を表す。
【0055】
反射ピークの高さは、波長可変デバイスにより受信された試験光の受信パワーを表す。
【0056】
反射ピークの時間情報は、1/2×(受信時間-送信時間)に等しい。
【0057】
上記の方法を通じて、波長可変デバイスは、試験光がPONにおいて伝送されるとき、試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を生成してもよく、試験光を反射することによりスプリッタのポートの反射部品により形成された反射ピークの反射情報を更に生成してもよい。次いで、波長可変デバイスは、反射ピークの反射情報をポート識別デバイスに送信してもよい。任意選択で、反射情報が送信されるとき、対応する試験光の波長情報が一緒に送信され、それにより、ポート識別デバイスは、反射ピークに対応する特定の試験光を決定し得るようにする。
【0058】
明らかに、反射情報が位置及び高さを含むとき、波長可変デバイスは、代替として、OTDR曲線をポート識別デバイスに送信してもよく、各タイプの試験光により形成された反射ピークの位置及び高さがOTDR曲線上に記録される。明らかに、波長可変デバイスは、1つのタイプの試験光のみにより形成された反射ピークの位置及び高さを毎回ポート識別デバイスに送信してもよく、或いは、全ての試験光により形成された反射ピークの位置及び高さを一緒に送信してもよい。明らかに、波長可変デバイスは、反射ピークの反射情報を記憶デバイスに反映してもよく、ポート識別デバイスは、記憶デバイスから反射情報を取得する。
【0059】
ここで、波長可変デバイスにより放射される試験光の送信パワーは同じでもよい点に留意すべきである。明らかに、波長可変デバイスにより放射される試験光の送信パワーは、代替として異なっていてもよい。試験光の送信パワーが異なるとき、試験光に対応する反射ピークは、試験光の送信パワーを使用することにより、同じ送信パワーの下での反射ピークに変換されてもよい。
【0060】
ここで、波長可変デバイスにより送信された反射ピークの反射情報が、試験光を反射することによりポートの反射部品により形成された反射ピークの反射情報を含むとき、ポート識別デバイスは、いずれの反射ピークグループにも属さない反射ピークの反射情報をフィルタ除去してもよく、試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報は残る点に更に留意すべきである。
【0061】
ステップ1102.反射ピークの反射情報に基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定し、各反射ピークグループは、試験光を反射することにより同じONTにより形成された反射ピークを含む。
【0062】
各反射ピークグループは、試験光を反射することにより同じONTにより形成された反射ピークを含む。異なる反射ピークグループは異なるONTに対応する。少なくとも1つのレベルのスプリッタが複数のレベルのスプリッタであるとき、反射ピークグループに対応するスプリッタのポートは、反射ピークグループが属するONTに接続されたレベルnのスプリッタのポートと、レベルnのスプリッタとレベル1のスプリッタとの間のポートとを記述するためのものである。少なくとも1つのレベルのスプリッタが1つのレベルのスプリッタであるとき、反射ピークグループに対応するスプリッタのポートは、反射ピークグループが属するONTに直接接続されたスプリッタのポートを記述するためのものである。
【0063】
この実施形態では、ステップ1102は複数の実現方式を有し、2つの実現可能な実現方式は以下のように提供される。
【0064】
実現方式1:各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートは、反射ピークの位置及び高さに基づいて決定される。
【0065】
この実施形態では、ポート識別デバイスは、試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの位置及び高さを使用して、異なる試験光に対応する反射ピークにおいて、位置が同じであるか或いは位置の差が特定の値(値は小さい)未満である反射ピークを、試験光を反射することによりONTにより形成された反射ピークとして見なしてもよい。すなわち、反射ピークグループが形成される。次いで、ポート識別デバイスは、各反射ピークグループ内の反射ピークの高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定する。
【0066】
実現方式2:各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートは、反射ピークの時間情報及び高さに基づいて決定され、いずれかの反射ピークの時間情報は、反射ピークに対応する試験光を反射ピークに対応するONTに伝送するために波長可変デバイスにより使用される持続時間である。
【0067】
この実施形態では、ポート識別デバイスは、試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの時間情報を使用して、異なる試験光に対応する反射ピークにおいて、時間情報が同じであるか或いは時間情報の差が特定の値(値は小さい)未満である反射ピークを、試験光を反射することによりONTにより形成された反射ピークとして見なしてもよい。すなわち、反射ピークグループが形成される。代替として、ポート識別デバイスは、各反射ピークの時間情報を伝送速度で乗算することにより各反射ピークの位置を決定し、次いで、異なる試験光に対応する反射ピークの中で、位置が同じであるか或いは位置の差が特定の値(値は小さい)未満である反射ピークを、試験光を反射することによりONTにより形成された反射ピークとして見なす。すなわち、反射ピークグループが形成される。
【0068】
次いで、ポート識別デバイスは、各反射ピークグループ内の反射ピークの高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定する。
【0069】
ステップ1103.各反射ピークグループ内の少なくとも1つの反射ピークに対応する第1の伝送情報、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポート、及び各ONTとOLTとの間の第2の伝送情報に基づいて、スプリッタ内の各ONTに対応するポートを決定する。
【0070】
この実施形態では、反射ピークとスプリッタのポートとの間の関係がステップ1102において決定され、ONTとスプリッタのポートとの間の関係がステップ1103において決定される。具体的には、ポート識別デバイスは、ONTとOLTとの間の第2の伝送情報を予め記憶してもよく、或いは、ONTから第2の伝送情報を取得してもよい(以下に説明する)。ポート識別デバイスは、各反射ピークグループ内の少なくとも1つの反射ピークに対応する第1の伝送情報、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポート、及び各ONTとOLTとの間の第2の伝送情報に基づいて、スプリッタ内の各ONTに対応するポートを決定する。
【0071】
図11に示す手順について、以下に別々に更に説明又補足する。
【0072】
可能な実現方式では、波長可変デバイスにより放射される試験光は、ターゲット試験光を更に含む。ターゲット試験光の波長は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長と異なる。具体的には、ターゲット試験光は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射されず、ターゲット試験光のほとんどはONTに到達する。試験光がターゲット試験光を更に含むとき、ステップ1102における処理は以下の通りでもよい。
【0073】
各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートは、反射ピークの位置及び高さ並びにターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて決定される。
【0074】
この実施形態では、ターゲット試験光により形成された各反射ピークは反射ピークグループである。ポート識別デバイスは、試験光により形成された反射ピークの位置及びターゲット試験光により形成された反射ピークの位置を使用することにより、試験光により形成された反射ピークとターゲット試験光により形成された反射ピークとの間の位置の差を決定してもよい。試験光のいずれかの反射ピークとターゲット試験光の第1の反射ピークとの間の位置の差が最小である場合、反射ピークは、第1の反射ピークが属する反射ピークグループに追加される。次いで、ポート識別デバイスは、ターゲット試験光により形成された反射ピークの高さ及び各反射ピークグループ内の他の反射ピークの高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定する。
【0075】
可能な実現方式では、波長可変デバイスにより放射される試験光は、ターゲット試験光を更に含む。ターゲット試験光の波長は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長と異なる。具体的には、ターゲット試験光は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射されず、ターゲット試験光のほとんどはONTに到達する。試験光がターゲット試験光を更に含むとき、ステップ1102における処理は以下の通りでもよい。
【0076】
各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートは、反射ピークの時間情報及び高さ並びにターゲット試験光により形成された反射ピークの時間情報及び高さに基づいて決定される。いずれかの反射ピークの時間情報は、反射ピークに対応する試験光を反射ピークに対応するONTに伝送するために波長可変デバイスにより使用される持続時間である。
【0077】
この実施形態では、ターゲット試験光により形成された各反射ピークは、異なる反射ピークグループに属する。ポート識別デバイスは、試験光により形成された反射ピークの時間情報及びターゲット試験光により形成された反射ピークの時間情報を使用することにより、試験光により形成された反射ピークとターゲット試験光により形成された反射ピークとの間の時間情報の差を決定してもよい。試験光のいずれかの反射ピークとターゲット試験光の第1の反射ピークとの間の時間情報の差が最小である場合、反射ピークは、第1の反射ピークが属する反射ピークグループに追加される。次いで、ポート識別デバイスは、ターゲット試験光により形成された反射ピークの高さ及び各反射ピークグループ内の他の反射ピークの高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定する。このように、スプリッタのポートに配置された反射部品はターゲット試験光を反射しないので、ターゲット試験光により形成された反射ピークは、他の試験光が反射されるか否かを迅速に決定するための基準として使用されてもよく、それにより、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定する効率を改善する。
【0078】
可能な実現方式では、以下に、少なくとも1つのレベルのスプリッタが均等スプリッタであり、異なるレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長が異なる例を使用することにより、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するプロセスについて説明する。
【0079】
少なくとも1つのレベルのスプリッタは均等スプリッタであり、少なくとも1つのレベルのスプリッタはn個のレベルのスプリッタであり、nは2以上である。少なくとも1つのONTは、レベルnのスプリッタに接続される。各反射ピークグループ内の同じレベルiのスプリッタに対応する反射ピーク、及びレベルiのスプリッタに接続されたレベル(i-1)のスプリッタのポートは、ターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さ並びに試験光におけるレベル(i-1)のスプリッタの試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて決定される。レベル(i-1)のスプリッタの試験光は、レベル(i-1)のスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光であり、iは1よりも大きくn以下である。各反射ピークグループに対応するレベルnのスプリッタのポートは、ターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さ並びに試験光におけるレベルnのスプリッタの試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて決定される。レベルnのスプリッタの試験光は、レベルnのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光である。各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートは、各反射ピークグループ内の同じレベルiのスプリッタに対応する反射ピーク、レベルiのスプリッタに接続されたレベル(i-1)のスプリッタのポート、及び各反射ピークグループに対応するレベルnのスプリッタのポートに基づいて決定される。
【0080】
この実施形態では、少なくとも1つのONTがレベルnのスプリッタに接続されると仮定する。反射ピークグループ毎に、ターゲット試験光により形成された反射ピークとレベル(i-1)のスプリッタの試験光により形成された反射ピークとの間の高さの差が決定される。各反射ピークグループにおいて高さの差が目標値よりも大きいターゲット反射ピークは、同じレベルiのスプリッタに対応させることが可能になる。ターゲット反射ピークを形成する試験光を反射する反射部品が位置するポートは、レベルiのスプリッタに接続されたレベル(i-1)のスプリッタのポートとして決定される。このように、全ての反射ピークグループ内の同じレベルiのスプリッタに対応する反射ピークと、レベルiのスプリッタに接続されたレベル(i-1)のスプリッタのポートとが決定されてもよい。
【0081】
反射ピークグループについて、ターゲット試験光により形成された反射ピークとレベルnのスプリッタの試験光により形成された反射ピークとの間の高さの差が決定される。高さの差が目標値よりも大きい反射ピークが決定される。反射ピークを形成する試験光を反射する反射部品が位置するポートは、反射ピークグループに対応するレベルnのスプリッタのポートとして決定される。具体的には、反射ピークグループが属するONTは、レベルnのスプリッタのポートに接続される。
【0082】
次いで、ポート識別デバイスは、同じレベルiのスプリッタに対応する反射ピークと、レベルiのスプリッタに接続されたレベル(i-1)のスプリッタのポートとを使用することにより、各反射ピークグループに対応するレベルiのスプリッタとレベル(i-1)のスプリッタとの間の接続関係を決定してもよい。さらに、各反射ピークグループに対応するレベルnスプリッタのポートと、各反射ピークグループに対応するレベルiのスプリッタとレベル(i-1)のスプリッタとの間の接続関係とに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートが決定されてもよい。
【0083】
例えば、
図12に示すように、少なくとも1つのレベルのスプリッタは2つのレベルのスプリッタであり、nの値は2である。レベル1のスプリッタは1つの1*8スプリッタを有し、レベル2のスプリッタは2つの1*8スプリッタ(スプリッタa及びスプリッタb)を有する。レベル1のスプリッタ及びレベル2のスプリッタは均等スプリッタである。波長がλ1~λ8である試験光をそれぞれ反射する反射部品は、レベル1のスプリッタの8つのポート(ポート1~ポート8)に配置され、ポート1~ポート8はそれぞれλ1~λ8に対応する。波長がλ9~λ16である試験光をそれぞれ反射する反射部品は、レベル2のスプリッタの各スプリッタの8つのポート(ポート1~ポート8)に配置され、ポート1~ポート8はそれぞれλ9~λ16に対応する。ターゲット試験光の波長はλ0である。レベル2のスプリッタの2つの1*8スプリッタは、レベル1のスプリッタのポート1及びポート3にそれぞれ接続される。スプリッタaのポート1~ポート5はそれぞれONTに接続され、ポート1~ポート5に接続されたONTとOLTとの間の距離は徐々に増加する。スプリッタbのポート1~ポート4はそれぞれONTに接続され、ポート1~ポート4に接続されたONTとOLTとの間の距離は徐々に増加する。各ONTは全ての試験光を反射する。レベルiのスプリッタ及びレベルnのスプリッタはレベル2のスプリッタであり、レベル(i-1)のスプリッタはレベル1のスプリッタである。
【0084】
図13に示すように、波長可変デバイスは、λ0の試験光を放射する。様々なレベルのスプリッタのポートの反射部品はλ0の試験光を反射しないので、全ての反射ピークがONTにより生成され、9つの反射ピークが生成される。
【0085】
図14に示すように、波長可変デバイスは、λn(n∈1~8)の試験光を放射する。λnの試験光がレベル1のスプリッタのポートnの反射部品により反射されるので、レベル2のスプリッタ内にあり且つレベル1のスプリッタのポートnに接続されたONTにより受信されるλnの試験光の受信パワーは減少し、それにより、λnの試験光を反射することによりレベル2のスプリッタ内のONTにより形成された反射ピークの高さが減少するようにする。
図14はλnがλ3である場合を示す。このように、
図13及び
図14を参照すると、レベル2のスプリッタのスプリッタbがレベル1のスプリッタのポート3に接続され、スプリッタbに対応する4つの反射ピークが存在することが取得されてもよい。
【0086】
図15に示すように、波長可変デバイスは、λm(m∈9~16)の試験光を放射する。λmの試験光がレベル2のスプリッタのポートmの反射部品により反射されるので、レベル2のスプリッタのポートmに接続されたONTにより受信されるλmの試験光の受信パワーは減少し、それにより、λmの試験光を反射することによりレベル2のスプリッタのポートmに接続されたONTにより形成された反射ピークの高さが減少するようにする。
図15はλmがλ10である場合を示す。このように、
図13及び
図15を参照すると、レベル2のスプリッタのポート2に接続されたONTがλ10の試験光を反射することが取得されてもよい。このように、スプリッタbのポート2に接続されたONTによる反射を通じて形成された反射ピークグループは、スプリッタbのポート2に対応し、レベル1のスプリッタのポート3に対応することが取得されてもよい。
【0087】
図13~
図15において、各反射ピークの高さ方向における基準点が異なる理由は、ONTと波長可変デバイスとの間の伝送距離が異なり、光ファイバ損失も異なるためである点に留意すべきである。より大きい伝送距離は、より大きい光ファイバ損失を示す。これは、より低い基準点を引き起こす。さらに、
図13~
図15において、それぞれ左から右に、
図13における1番目の反射ピーク、
図14における1番目の反射ピーク及び
図15における1番目の反射ピークが反射ピークグループを構成し、
図13における2番目の反射ピーク、
図14における2番目の反射ピーク及び
図15における2番目の反射ピークが反射ピークグループを構成する、等である。
【0088】
上記のプロセスにおいて反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定する原理は、以下の通りである点に更に留意すべきである。試験光は、スプリッタのポートの反射部品により反射されず、試験光のほとんどがポートに接続されたONTに到達する。したがって、波長可変デバイスに反射して戻る試験光のパワーが高く、形成された反射ピークの高さが高い。試験光は、スプリッタのポートの反射部品により反射され、試験光の小さい部分が、ポートに接続されたONTに到達する。したがって、波長可変デバイスに反射して戻る試験光のパワーは低く、形成された反射ピークの高さは低い。したがって、反射ピークグループに対応するスプリッタのポートは、反射ピークの高さに基づいて決定されてもよい。
【0089】
可能な実現方式では、少なくとも1つのレベルのスプリッタは均等スプリッタである。各レベルのスプリッタは1*mスプリッタであり、mは2以上である。異なるレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長は同じである。以下に、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するプロセスについて説明する。
【0090】
反射ピークグループは、試験光により形成された反射ピークの位置及びターゲット試験光により形成された反射ピークの位置に基づいて決定される。反射ピークグループjについて、反射ピークグループjに対応するスプリッタのポートは、反射ピークグループj内のターゲット試験光により形成された反射ピークの高さと試験光により形成された反射ピークの高さとの間の差に基づいて決定される。反射ピークグループjはいずれかの反射ピークグループである。
【0091】
この実施形態では、ポート識別デバイスは、試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの位置及び高さを使用して、異なる試験光に対応する反射ピークにおいて、位置が同じであるか或いは位置の差が特定の値未満である反射ピークを、試験光を反射することによりONTにより形成された反射ピークとして見なしてもよい。すなわち、反射ピークグループが形成される。各反射ピークグループについて、反射ピークグループjが説明に使用される。ポート識別デバイスは、反射ピークグループj内のターゲット試験光により形成された反射ピークの高さと他の反射ピークの高さとの差を取得する。差が第1のプリセット値よりも大きい場合、差に対応する反射ピークが決定され、反射ピークの試験光が属する反射部品が配置されるポートが決定される。次いで、ポートが、反射ピークグループjに対応するスプリッタのポートとして決定される。これは、試験光が複数回反射され、試験光がONTにより反射されるとき、パワーが低いためである。試験光がONTにより反射された後に、波長可変デバイスにより受信される受信パワーも低い。ターゲット試験光により形成された反射ピークと比較して、高さは最大の減少を有する。差が第2のプリセット値よりも大きく、第1のプリセット値以下である場合、反射ピークの試験光が属する反射部品が配置されるポートが決定される。次いで、ポートが、反射ピークグループjに対応するスプリッタのポートとして決定される。全てが第2のプリセット値よりも大きく、第1のプリセット値以下である複数の差が存在してもよい。この場合、複数の差は降順にソートされてもよく、より大きい差は、差に対応する試験光が属する反射部品が位置するスプリッタのより大きいレベル番号を示す。これは、試験光が或るレベルのスプリッタのポートの反射部品のみで反射され、ターゲット試験光により形成された反射ピークに比べて反射ピークの高さが減少するためである。さらに、より大きいレベル番号はより高い反射部品の反射率を示すので、より大きいレベル番号は、反射ピークの高さにおけるより大きい減少を示す。第2のプリセット値は、第1のプリセット値よりも小さく、ポート識別デバイスに記憶される。
【0092】
例えば、
図3において、反射ピークグループ1は、ターゲット試験光により形成された反射ピークと、λ1に対応する反射ピーク1と、λ2に対応する反射ピーク2と、λ3に対応する反射ピーク3と、λ4に対応する反射ピーク4とを含む。ターゲット試験光により形成された反射ピークと反射ピーク3との間の差、及びターゲット試験光により形成された反射ピークと反射ピーク4との間の差は、第2のプリセット値以下である。ターゲット試験光により形成された反射ピークと反射ピーク1との間の差、及びターゲット試験光により形成された反射ピークと反射ピーク2との間の差は、第2のプリセット値よりも大きく、第1のプリセット値以下である。さらに、ターゲット試験光により形成された反射ピークと反射ピーク1との差は、ターゲット試験光により形成された反射ピークと反射ピーク2との差よりも小さい。これは、反射ピーク1に対応するλ1がレベル1のスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長であり、反射ピーク2に対応するλ2がレベル2のスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長であることを示す。
【0093】
可能な実現方式では、少なくとも1つのレベルのスプリッタは、不均等スプリッタである。異なるレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長は同じである。以下に、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するプロセスについて説明する。
【0094】
少なくとも1つのレベルのスプリッタは不均等スプリッタであり、少なくとも1つのレベルのスプリッタはn個のレベルのスプリッタであり、nは2以上である。各反射ピークグループに対応するスプリッタのレベル番号は、ターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さ並びに少なくとも1つのレベルのスプリッタの第1のポートに対応する試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて決定される。各反射ピークグループが属するONTに直接接続されたスプリッタのポートは、ターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さ並びに少なくとも1つのレベルのスプリッタの第2のポートに対応する試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて決定される。各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートは、各反射ピークグループに対応するスプリッタのレベル番号、及び各反射ピークグループが属するONTに直接接続されたスプリッタのポートに基づいて決定される。
【0095】
この実施形態では、少なくとも1つのレベルのスプリッタは不均等スプリッタであり、少なくとも1つのレベルのスプリッタはn個のレベルのスプリッタであり、nは2以上である。各レベルのスプリッタの第1のポートに配置された反射部品により反射される試験光の波長は同じである。各レベルのスプリッタの第2のポートに配置された反射部品により反射される試験光の波長は同じである。同じレベルのスプリッタの異なる第2のポートに配置された反射部品により反射される試験光の波長は異なる。第1のポートは、バックボーンポートと呼ばれてもよく、第2のポートは、非バックボーンポートと呼ばれてもよく、複数の第2のポートが存在する。例えば、nの値は3である。λ9の試験光を反射する反射部品は、レベル1のスプリッタの第1のポートに配置される。8つの第2のポートが存在する。λ1~λ8の試験光をそれぞれ反射する反射部品は、各レベルのスプリッタの8つの第2のポートに配置される。
【0096】
反射ピークグループについて、ターゲット試験光により形成された反射ピークと、第1のポートに対応する試験光により形成された反射ピークとの間の高さの差が決定される。高さの差が属する値の範囲が決定され、値の範囲に対応するレベル番号が、反射ピークグループのレベル番号として決定される。より小さいレベル番号は、値の範囲のより小さい終点値を示す。例えば、第1のレベルに対応する値の範囲は0から第1の値までであり、第2のレベルに対応する値の範囲は第1の値から第2の値までであり、第3のレベルに対応する値の範囲は第2の値から第3の値までである。第1の値は第2の値よりも小さく、第2の値は第3の値よりも小さい。
【0097】
反射ピークグループについて、ターゲット試験光により形成された反射ピークと、第2のポートの試験光により形成された反射ピークとの間の高さの差が決定される。高さの差が目標値よりも大きい反射ピークが決定される。反射ピークを形成する試験光を反射する反射部品が位置するポートが、反射ピークグループに対応するスプリッタのポートとして決定される。各反射ピークグループに対応するスプリッタのレベル番号が決定され、各反射ピークグループが属するONTに直接接続されたスプリッタのポートが決定されるので、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートが決定され得る。
【0098】
例えば、
図16に示すように、少なくとも1つのレベルのスプリッタは、4つのレベルのスプリッタであり、nの値は4である。レベル1のスプリッタは1つの1*9スプリッタを有し、レベル2のスプリッタは1つの1*9スプリッタを有し、レベル3のスプリッタは1つの1*9スプリッタを有し、レベル4のスプリッタは1つの1*8スプリッタを有する。レベル1のスプリッタ、レベル2のスプリッタ及びレベル3のスプリッタは不均等スプリッタであり、レベル4のスプリッタは均等スプリッタである。レベル1のスプリッタ、レベル2のスプリッタ及びレベル3のスプリッタのそれぞれの9つのポートは、それぞれ1つの第1のポート及び8つの第2のポートを含む。第1のポートの8つの第2のポートに対する分割比は7:3である。8つの第2のポートは、均等スプリッタの出力である(例えば、各レベルのスプリッタに入る光の量が1であり、第1のポートの光分割が7/10であり、8つの第2のポートの合計光分割が3/10であり、8つの第2のポートのそれぞれの光分割が3/80であると仮定する)。レベル4のスプリッタの8つのポートは第2のポートである。λ9の試験光を反射する反射部品は第1のポートに配置され、λ1~λ8の試験光をそれぞれ反射する反射部品は8つの第2のポートに配置される。レベル1のスプリッタ~レベル3のスプリッタのそれぞれの9つのポートは、それぞれポート1~ポート9と呼ばれる。ポート9は第1のポートであり、ポート1~ポート8は8つの第2のポートである。レベル1のスプリッタのポート1、ポート2及びポート6~ポート8は、それぞれONT1~ONT5に接続される。レベル2のスプリッタのポート2及びポート6~ポート8は、それぞれONT6~ONT9に接続される。レベル3のスプリッタのポート3、ポート5及びポート7は、それぞれONT10~ONT12に接続される。レベル4のスプリッタのポートは、ONTに接続されない。ターゲット試験光の波長はλ0である。
【0099】
図17に示すように、波長可変デバイスは、λ0の試験光を放射する。様々なレベルのスプリッタのポートの反射部品はλ0の試験光を反射しないので、全ての反射ピークはONTにより生成される。
【0100】
図18に示すように、波長可変デバイスは、λ9の試験光を放射する。レベル1のスプリッタ~レベルnのスプリッタのそれぞれのポート9の反射部品はλ9の試験光を反射するので、レベル2のスプリッタ及びレベル3のスプリッタにそれぞれ接続されたONTにより受信されるλ9の試験光の受信パワーは減少する。さらに、λ9の試験光を反射することによりレベル1のスプリッタ、レベル2のスプリッタ及びレベル3のスプリッタにそれぞれ接続されたONTにより形成された反射ピークの高さは徐々に減少する。したがって、各反射ピークグループに対応するスプリッタのレベル番号が取得され得る。
【0101】
図19に示すように、波長可変デバイスは、λn(n∈1~8)の試験光を放射する。λnの試験光は、各レベルのスプリッタのポートnの反射部品により反射されるので、各レベルのスプリッタのポートnに接続されたONTにより受信されるλnの試験光の受信パワーが減少し、それにより、λnの試験光を反射することにより各レベルのスプリッタのポートnに接続されたONTにより形成された反射ピークの高さが減少するようにする。したがって、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートが決定され得る。
図19はλnがλ2である場合を示す。このように、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートは、
図18及び
図19において取得された結果を参照して取得され得る。例えば、ONT2がレベル1のスプリッタのポート2に接続され、ONT6がレベル2のスプリッタのポート2に接続されることが取得されてもよい。
【0102】
図17~
図19において、各反射ピークの高さ方向における基準点が異なる理由は、ONTと波長可変デバイスとの間の伝送距離が異なり、光ファイバ損失も異なるためである点に留意すべきである。より大きい伝送距離は、より大きい光ファイバ損失を示す。これは、より低い基準点を引き起こす。
【0103】
可能な実現方式では、第1の伝送情報が位置及び高さであるとき、第2の伝送情報は伝送距離及び伝送損失である。ステップ1103において、各ONTに接続されたスプリッタのポートを決定する処理は、以下の通りでもよい。
【0104】
各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送距離は、各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの位置に基づいて決定される。各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送損失は、各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの高さに基づいて決定される。各ONTに対応する反射ピークグループは、ONTとOLTとの間の伝送距離及び伝送損失並びに各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送距離及び伝送損失に基づいて決定される。各ONTに接続されたスプリッタのポートは、各ONTに対応する反射ピークグループ及び各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートに基づいて決定される。
【0105】
この実施形態では、ポート識別デバイスは、各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの位置を、各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送距離として決定してもよい。伝送距離は第1の伝送距離と呼ばれてもよい。さらに、ポート識別デバイスは、各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの高さと、波長可変デバイスにより放射されたターゲット試験光のパワーとを使用することにより、各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送損失を決定してもよい。伝送損失は第1の伝送損失と呼ばれてもよい。第1の伝送損失は、波長可変デバイスにより放射されたターゲット試験光のパワーからターゲット試験光により形成された反射ピークの高さを引き、次いで2で割ったものに等しい。
【0106】
次いで、ポート識別デバイスは、各ONTとOLTとの間の伝送距離(第2の伝送距離と呼ばれてもよい)及び伝送損失(第2の伝送損失と呼ばれてもよい)を取得する。第1の伝送距離と第2の伝送距離との差の絶対値がプリセット伝送距離未満であり、且つ、第1の伝送損失と第2の伝送損失との差の絶対値がプリセット伝送損失未満であるONTは、反射ピークグループに対応させ、各ONTに対応する反射ピークグループを取得することが可能になる。例えば、表1は、第1の伝送距離が第2の伝送距離に近く、第1の伝送損失が第2の伝送損失に近いとき、ONTが反射ピークに対応する表を示す。
【表1】
【0107】
表1において、反射ピークグループ1はONT3に対応し、反射ピークグループ2はONT4に対応し、反射ピークグループ3はONT1に対応し、反射ピークグループ4はONT2に対応する。
【0108】
次いで、ONTに対応する反射ピークグループに対応するスプリッタのポートは、スプリッタ内のONTに対応するポートとして決定される。このように、伝送距離及び伝送損失の双方が使用されるので、スプリッタ内のONTに対応する取得されたポートは、より正確になることができる。
【0109】
ここで、波長可変デバイスとONTとの間の伝送距離は、OLTとONTとの間の伝送距離に近いので、等しい距離又は近い距離に基づいて、2つのONTが同じであるか否かが決定されてもよい点に留意すべきである。
【0110】
可能な実現方式では、第1の伝送情報が位置であるとき、第2の伝送情報は伝送距離である。ステップ1103において、各ONTに接続されたスプリッタのポートを決定する処理の進行は以下の通りである。
【0111】
各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送距離は、各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの位置に基づいて決定される。各ONTに対応する反射ピークグループは、各ONTとOLTとの間の伝送距離、及び各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送距離に基づいて決定される。各ONTに接続されたスプリッタのポートは、各ONTに対応する反射ピークグループ、及び各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートに基づいて決定される。
【0112】
伝送距離及び伝送損失を使用するプロセスと比較して、このプロセスは伝送距離のみを使用し、他のプロセスは上記のプロセスと同じである。
【0113】
可能な実現方式では、第1の伝送情報が高さであるとき、第2の伝送情報は伝送損失である。ステップ1103において、スプリッタ内の各ONTに対応するポートを決定する処理の進行は以下の通りである。
【0114】
各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送損失は、各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの高さに基づいて決定される。各ONTに対応する反射ピークグループは、各ONTとOLTとの間の伝送損失、及び各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送損失に基づいて決定される。スプリッタ内の各ONTに対応するポートは、各ONTに対応する反射ピークグループ、及び各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートに基づいて決定される。
【0115】
伝送距離及び伝送損失を使用するプロセスと比較して、このプロセスは伝送損失のみを使用し、他のプロセスは上記のプロセスと同じである。
【0116】
可能な実現方式では、第1の伝送情報が時間情報及び高さであるとき、第2の伝送情報は、伝送持続時間及び伝送損失である。ステップ1103において、各ONTに接続されたスプリッタのポートを決定する処理は以下の通りでもよい。
【0117】
各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの時間情報は、各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送持続時間として決定される。各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送損失は、各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの高さに基づいて決定される。各ONTに対応する反射ピークグループは、各ONTとOLTとの間の伝送持続時間及び伝送損失並びに各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送持続時間及び伝送損失に基づいて決定される。各ONTに接続されたスプリッタのポートは、各ONTに対応する反射ピークグループ、及び各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートに基づいて決定される。
【0118】
この実施形態では、ポート識別デバイスは、各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの時間情報を、各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送持続時間として決定してもよい。伝送持続時間は第1の伝送持続時間と呼ばれてもよい。さらに、ポート識別デバイスは、各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの高さと、波長可変デバイスにより放射されるターゲット試験光のパワーとを使用することにより、各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送損失を決定してもよい。伝送損失は第1の伝送損失と呼ばれてもよい。
【0119】
次いで、ポート識別デバイスは、各ONTとOLTとの間の伝送持続時間(第2の伝送持続時間と呼ばれてもよい)及び伝送損失(第2の伝送損失と呼ばれてもよい)を取得する。第1の伝送持続時間と第2の伝送持続時間との間の差の絶対値がプリセット伝送持続時間未満であり、且つ、第1の伝送損失と第2の伝送損失との間の差の絶対値がプリセット伝送損失未満であるONTは、反射ピークグループに対応させ、各ONTに対応する反射ピークグループを取得することが可能になる。次いで、ONTに対応する反射ピークグループに対応するスプリッタのポートは、スプリッタ内のONTに対応するポートとして決定される。このように、伝送持続時間及び伝送損失の双方が使用されるので、スプリッタ内のONTに対応する取得されたポートは、より正確になることができる。
【0120】
可能な実現方式では、第1の伝送情報が時間情報であるとき、第2の伝送情報は伝送持続時間である。ステップ1103において、各ONTに接続されたスプリッタのポートを決定する処理の進行は以下の通りである。
【0121】
各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの時間情報は、各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送持続時間として決定される。各ONTに対応する反射ピークグループは、各ONTとOLTとの間の伝送持続時間、及び各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送持続時間に基づいて決定される。各ONTに接続されたスプリッタのポートは、各ONTに対応する反射ピークグループ、及び各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートに基づいて決定される。
【0122】
伝送持続時間及び伝送損失を使用するプロセスと比較して、このプロセスは伝送持続時間のみを使用し、他のプロセスは上記のプロセスと同じである。
【0123】
可能な実現方式では、この出願のこの実施形態は、第2の伝送情報を取得するプロセスを更に提供する。
【0124】
ポート識別デバイスは、第2の伝送情報の取得要求を各ONTに送信し、少なくとも1つのONTにより別々に送信された第2の伝送情報を受信する。
【0125】
この実施形態では、ポート識別デバイスは、第2の伝送情報の取得要求を各ONTに送信する。取得要求は、送信時間及び送信パワーを搬送する。各ONTは、ONTとOLTとの間の伝送距離及び伝送損失を試験するためのモジュールを有する。取得要求を受信した後に、各ONTは、受信時間及び受信パワーを記録する。次いで、送信時間が受信時間から減算されて時間差を取得し、ONTとOLTとの間の伝送距離は、上記の式(1)を2で乗算することにより取得される。さらに、送信パワーが受信パワーから減算されて、ONTとOLTとの間の伝送損失を取得する。このように、第2の伝送情報が取得されてもよい。第2の伝送情報は、伝送距離及び/又は伝送損失を含む。代替として、ポート識別デバイスは、第2の伝送情報の取得要求を各ONTに送信する。取得要求は、送信時間及び送信パワーを搬送する。各ONTは、ONTとOLTとの間の伝送持続時間及び伝送損失を試験するためのモジュールを有する。取得要求を受信した後に、各ONTは、受信時間及び受信パワーを記録する。次いで、送信時間が受信時間から減算されて時間差を取得し、時間差がONTとOLTとの間の伝送持続時間として決定される。さらに、送信パワーが受信パワーから減算されて、ONTとOLTとの間の伝送損失を取得する。このように、第2の伝送情報が取得されてもよい。第2の伝送情報は、伝送持続時間及び/又は伝送損失を含む。
【0126】
次いで、ONTは、取得された第2の伝送情報をポート識別デバイスに送信する。このように、ポート識別デバイスは、第2の伝送情報を受信する。
【0127】
明らかに、ONTとOLTとの間の第2の伝送情報は、代替として、ユーザにより配置され、ポート識別デバイスに記憶されてもよい。
【0128】
この出願のこの実施形態では、ONTは光ファイバを通じてスプリッタのポートに接続され、各ONTとスプリッタの接続されたポートとの間の距離は一般的に異なる点に留意すべきである。したがって、この出願のこの実施形態における方式では、スプリッタ内のONTに対応するポートが識別され得る。
【0129】
この出願のこの実施形態では、ONTに接続されたスプリッタのポートは、試験光を反射することによりONTにより形成された反射ピークを使用することにより決定され得る。さらに、ONTに接続されたスプリッタのポートが自動的且つ正確に識別され得る。
【0130】
図20は、この出願の実施形態によるポート識別デバイスの構造図である。当該装置は、ソフトウェア、ハードウェア又は2つの組合せを使用することにより、当該装置の一部又は全部として実現されてもよい。当該装置はPONにおいて使用される。この出願のこの実施形態において提供される装置は、この出願の実施形態において
図11に記載の手順を実現してもよい。当該装置は、取得モジュール2010及び決定モジュール2020を含む。
【0131】
取得モジュール2010は、波長可変デバイスにより提供された試験光がPONにおいて伝送されるとき、試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を取得するように構成される。試験光は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光を含み、反射情報は、反射ピークの高さを少なくとも含む。
【0132】
決定モジュール2020は、
反射ピークの反射情報に基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するように構成され、各反射ピークグループは、試験光を反射することにより同じONTにより形成された反射ピークを含み、
各反射ピークグループ内の少なくとも1つの反射ピークに対応する第1の伝送情報、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポート、及び各ONTとOLTとの間の第2の伝送情報に基づいて、スプリッタ内の各ONTに対応するポートを決定するように構成される。
【0133】
可能な実施形態では、決定モジュール2020は、
反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するように構成されるか、或いは、
反射ピークの時間情報及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するように構成される。いずれかの反射ピークの時間情報は、反射ピークに対応する試験光を反射ピークに対応するONTに伝送するために波長可変デバイスにより使用される持続時間である。
【0134】
可能な実現方式では、第1の伝送情報が位置であるとき、第2の伝送情報は伝送距離であるか、第1の伝送情報が高さであるとき、第2の伝送情報は伝送損失であるか、第1の伝送情報が位置及び高さであるとき、第2の伝送情報は伝送距離及び伝送損失であるか、第1の伝送情報が時間情報であるとき、第2の伝送情報は伝送持続時間であるか、或いは、第1の伝送情報が時間情報及び伝送損失であるとき、第2の伝送情報は伝送持続時間及び伝送損失である。いずれかの反射ピークの時間情報は、反射ピークに対応する試験光を反射ピークに対応するONTに伝送するために波長可変デバイスにより使用される持続時間である。
【0135】
可能な実現方式では、取得モジュール2010は、
波長可変デバイスにより提供されたターゲット試験光がPONにおいて伝送されるとき、ターゲット試験光を反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を取得するように更に構成される。ターゲット試験光の波長は、少なくとも1つのレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長と異なる。
【0136】
決定モジュール2020は、
反射ピークの位置及び高さ並びにターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するように構成される。
【0137】
可能な実現方式では、少なくとも1つのレベルのスプリッタは均等スプリッタであり、少なくとも1つのレベルのスプリッタはn個のレベルのスプリッタであり、nは2以上である。少なくとも1つのONTは、レベルnのスプリッタに接続される。異なるレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長は異なる。
【0138】
決定モジュール2020は、
ターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さ並びに試験光におけるレベル(i-1)のスプリッタの試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループ内の同じレベルiのスプリッタに対応する反射ピークと、レベルiのスプリッタに接続されたレベル(i-1)のスプリッタのポートとを決定するように構成され、レベル(i-1)のスプリッタの試験光は、レベル(i-1)のスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光であり、iは1よりも大きくn以下であり、
ターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さ並びに試験光におけるレベルnのスプリッタの試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するレベルnのスプリッタのポートを決定するように構成され、レベルnのスプリッタの試験光は、レベルnのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光であり、
各反射ピークグループ内の同じレベルiのスプリッタに対応する反射ピークに基づいて、レベルiのスプリッタに接続されたレベル(i-1)のスプリッタのポートと、各反射ピークグループに対応するレベルnのスプリッタのポートとを決定するように構成され、スプリッタのポートは各反射ピークグループに対応する。
【0139】
可能な実現方式では、少なくとも1つのレベルのスプリッタは均等スプリッタであり、少なくとも1つのレベルのスプリッタはn個のレベルのスプリッタであり、nは2以上である。少なくとも1つのONTは、レベルnのスプリッタに接続される。異なるレベルのスプリッタのポートの反射部品により反射される試験光の波長は同じである。
【0140】
決定モジュール2020は、
試験光により形成された反射ピークの位置及びターゲット試験光により形成された反射ピークの位置に基づいて反射ピークグループを決定し、
反射ピークグループjについて、反射ピークグループj内のターゲット試験光により形成された反射ピークの高さと試験光により形成された反射ピークの高さとの間の差に基づいて、反射ピークグループjに対応するスプリッタのポートを決定するように構成される。
【0141】
可能な実現方式では、少なくとも1つのレベルのスプリッタは不均等スプリッタであり、少なくとも1つのレベルのスプリッタはn個のレベルのスプリッタであり、nは2以上である。
【0142】
決定モジュール2020は、
ターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さ並びに少なくとも1つのレベルのスプリッタの第1のポートに対応する試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのレベル番号を決定するように構成され、第1のポートに対応する試験光は、第1のポートの反射部品により反射される試験光であり、
ターゲット試験光により形成された反射ピークの位置及び高さ並びに少なくとも1つのレベルのスプリッタの第2のポートに対応する試験光により形成された反射ピークの位置及び高さに基づいて、各反射ピークグループが属するONTに直接接続されたスプリッタのポートを決定するように構成され、第2のポートに対応する試験光は、第2のポートの反射部品により反射される試験光であり、
各反射ピークグループに対応するスプリッタのレベル番号及び各反射ピークグループが属するONTに直接接続されたスプリッタのポートに基づいて、各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートを決定するように構成される。
【0143】
可能な実現方式では、第1の伝送情報が位置及び高さであるとき、第2の伝送情報は伝送距離及び伝送損失である。
【0144】
決定モジュール2020は、
各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの位置に基づいて、各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送距離を決定し、各反射ピークグループ内のターゲット試験光により形成された反射ピークの高さに基づいて、各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送損失を決定し、
各ONTとOLTとの間の伝送距離及び伝送損失並びに各反射ピークグループが属するONTと波長可変デバイスとの間の伝送距離及び伝送損失に基づいて、各ONTに対応する反射ピークグループを決定し、
各ONTに対応する反射ピークグループ及び各反射ピークグループに対応するスプリッタのポートに基づいて、スプリッタ内の各ONTに対応するポートを決定するように構成される。
【0145】
可能な実現方式では、スプリッタに接続するために少なくとも1つのONTにより使用される光ファイバにおいて、試験光を反射する反射部品は、少なくとも1つのONTに接続されたインタフェースの位置に配置される。代替として、試験光を反射する反射部品は、少なくとも1つのONTの内部に配置される。
【0146】
可能な実現方式では、
図21に示すように、当該装置は、
第2の伝送情報の取得要求を各ONTに送信するように構成された送信モジュール2030と、
少なくとも1つのONTにより別々に送信された第2の伝送情報を受信するように構成された受信モジュール2040と
を更に含む。
【0147】
可能な実現方式では、
図21に示すように、
送信モジュール2030は、試験コマンドを波長可変デバイスに送信するように構成され、試験コマンドは、試験光の波長を含むか、或いは、試験コマンドは、試験光の波長及び放射シーケンスを含み、
取得モジュール2010は、波長可変デバイスにより送信された試験光がPONにおいて伝送されるとき、試験光を別々に反射することにより各ONTにより形成された反射ピークの反射情報を受信するように構成される。
【0148】
この出願の実施形態におけるモジュールへの分割は一例であり、単なる論理機能への分割であり、実際の実現方式の中では他の分割でもよい。さらに、この出願の実施形態における機能モジュールは、1つのプロセッサに統合されてもよく、モジュールのそれぞれが物理的に単独で存在してもよく、或いは、2つ以上のモジュールが1つのモジュールに統合されてもよい。統合されたモジュールは、ハードウェアの形式で実現されてもよく、或いは、ソフトウェア機能モジュールの形式で実現されてもよい。
【0149】
上記の実施形態の全部又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はこれらのいずれかの組み合せを使用することにより実現されてもよい。ソフトウェアが実施形態を実現するために使用されるとき、実施形態の全部又は一部は、コンピュータプログラム製品の形式で実現されてもよい。コンピュータプログラム製品は、1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がポート識別デバイスにロードされて実行されると、この出願の実施形態による手順又は機能が、全部又は一部生成される。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、或いは、コンピュータ可読記憶媒体から他のコンピュータ可読記憶媒体に伝送されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、ポート識別デバイスによりアクセス可能ないずれかの使用可能な媒体、又は1つ以上の使用可能な媒体を統合するサーバ若しくはデータセンタのようなデータ記憶デバイスでもよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク又は磁気テープ)、光媒体(例えば、デジタルビデオディスク(digital video disc, DVD))又は半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ)でもよい。