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特許7512531送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/38 20180101AFI20240701BHJP
   H04W 48/10 20090101ALI20240701BHJP
   H04W 74/08 20240101ALI20240701BHJP
   H04W 72/1268 20230101ALI20240701BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20240701BHJP
   H04W 72/1273 20230101ALI20240701BHJP
【FI】
H04W4/38
H04W48/10
H04W74/08
H04W72/1268
H04W52/02 110
H04W72/1273
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023527261
(86)(22)【出願日】2020-12-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 CN2020133278
(87)【国際公開番号】W WO2022095182
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202011228237.7
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520274378
【氏名又は名称】国网江蘇省電力有限公司電力科学研究院
(73)【特許権者】
【識別番号】515291465
【氏名又は名称】中国科学院上海微系統与信息技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】523160667
【氏名又は名称】国网江蘇省電力有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】523148894
【氏名又は名称】国家電网有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】胡 成博
(72)【発明者】
【氏名】鄭 敏
(72)【発明者】
【氏名】路 永玲
(72)【発明者】
【氏名】劉 洪
(72)【発明者】
【氏名】秦 剣華
(72)【発明者】
【氏名】王 真
(72)【発明者】
【氏名】▲ユン▼ 超
(72)【発明者】
【氏名】賈 駿
(72)【発明者】
【氏名】張 国江
(72)【発明者】
【氏名】徐 玲鈴
(72)【発明者】
【氏名】陶 風波
(72)【発明者】
【氏名】黄 強
(72)【発明者】
【氏名】劉 子全
(72)【発明者】
【氏名】朱 雪瓊
(72)【発明者】
【氏名】譚 冲
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0323026(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108848504(CN,A)
【文献】国際公開第2020/198512(WO,A1)
【文献】特表2022-526945(JP,A)
【文献】国際公開第2019/138060(WO,A1)
【文献】特表2021-511695(JP,A)
【文献】3GPP TS36.321 V.15.10.0,フランス,3GPP,2020年10月02日,[検索日 2024.02.07]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送変電設備のモノのインターネットにおけるマスタ設備とスレーブ設備との間の通信チャネルは、ブロードキャストチャネル、下り制御チャネル、マルチキャストチャネル、下り共有チャネル、上りランダム競合チャネル及び上り共有チャネルが設けられ、異なるチャネルは、MAC層フレームヘッダのチャネルタイプフィールドによって区別され、
そのうち、ブロードキャストチャネルは、メッセージブロードキャストと時間同期に用いられ、
下り制御チャネルは、スケジューリング情報と応答に用いられ、
下り共有チャネルは、下りの1対1のデータ又はシグナリング伝送に用いられ、
上りランダム競合チャネルは、上りランダムアクセスとリソース要求に用いられ、
上り共有チャネルは、上りの1対1のデータ又はシグナリング伝送に用いられ、
送変電設備のモノのインターネットにおけるマスタ設備とスレーブ設備は、それぞれ収束ノードとセンシング端末、又は、アクセスノードと収束ノードであり、
マスタ設備とスレーブ設備との間の通信プロセスは、ノードブロードキャストプロセス、ランダムアクセスプロセス、事前割当登録プロセス、上り共有制御チャネルのスケジューリング通信プロセス、非連続受信DRXスケジューリング通信プロセス、下り共有制御チャネルの通信プロセス及びパケットスライスプロセスを含み、
前記ノードブロードキャストプロセスは、マスタ設備がスレーブ設備へブロードキャスト情報を周期的に送信することであり、
前記ランダムアクセスプロセスは、スレーブ設備が上りランダム競合チャネルのランダムアクセス要求を送信してランダムアクセスを行い、マスタ設備が受信に成功した後にスレーブ設備の登録を行い、後続の下り制御チャネル内で当該スレーブ設備の通信アドレスを発行することを含み、
前記事前割当登録プロセスは、マスタ設備がスレーブ設備の設備識別子と通信アドレスとのマッピング関係を備え、アクセスノードで登録を完了しており、事前割当登録プロセスは、マスタ設備が下り制御チャネルを介して事前割当結果を送信し、スレーブ設備が対応する通信アドレスを取得した後、マスタ設備によって指定されたスロット位置に基づいて、上り共有チャネルを介して登録確認メッセージを送信することを含み、
前記上り共有制御チャネルのスケジューリング通信プロセスは、マスタ設備が下り制御チャネルメッセージを送信することと、スレーブ設備が上りスロット構成を読み出して上り共有チャネルのスロット位置を取得し、マスタ設備によって指定されたスロット位置に基づいて上り共有チャネルメッセージを送信することと、マスタ設備が上り共有チャネルメッセージの確認応答を行うために下り制御チャネルを送信することとを含み、
前記DRXスケジューリング通信プロセスは、スレーブ設備が、マスタ設備から送信されたDRX休眠命令を受信してウェイクアップ時間の計時を開始することと、スレーブ設備が、ローカルの動作状態に基づいて、休眠するかどうかを決定することと、休眠するのであれば、今回のデータ送受信処理が完了すると自動的に休眠状態に入ることと、ウェイクアップ計時が終了すると、スレーブ設備が、自動的にウェイクアップされ、マスタ設備に対する受信状態に入ることとを含み、
前記下り共有制御チャネルの通信プロセスは、マスタ設備が下り制御チャネルメッセージを送信し、スレーブ設備が上りスロット構成を読み取ることと、マスタ設備が下り共有制御チャネルメッセージを送信し、スレーブ設備が下りデータ又は命令を読み取り、下りデータタイプに基づいてフィードバックするかどうかを決定することとを含み、
前記パケットスライスプロセスは、下り共有チャネル又は上り共有チャネルに用いられるプロセスであり、スケジューリングリソースのサイズに応じて、利用可能なリソース以下の長さとなるように、パケットキューのパケットスライスを行うことと、スライスごとにデータを伝送することと、すべてのパケットを受信すると、データを復元することとを含み、
センシング端末、収束ノード及びアクセスノードの接続は、ツリー状ネットワークトポロジー又はマルチホップネットワークトポロジーを採用し、
ツリー状ネットワークトポロジーを採用する場合、センシング端末、収束ノード及びアクセスノードは、所定チャネルのアップリンクとダウンリンクを介して接続し、
マルチホップネットワークトポロジーを採用する場合、ネットワークの一部の収束ノードは、中継ノードとして、アクセスノードと収束ノード又はアクセスノードとセンシング端末を接続し、
ここで、センシング端末は、マイクロパワーセンサと低電力消費センサを含み、
マイクロパワーセンサは、送変電設備のモノのインターネットにおける一方向報告センサであり、センサによって通信を開始し、短いメッセージ送信のみをサポートし、業務データのランダムなパケットロスを容認する必要があり、
低電力消費センサは、送電変電設備のモノのインターネットにおける双方向制御可能センサであり、収束ノード又はアクセスノードによって通信を開始し、長メッセージ伝送、業務データのスライス再送及びセンサのタイミング起動をサポートし、
アクセスノードと収束ノード間のネットワーク構築のためのトポロジー構築プロセスは、アクセスノードがブロードキャストを行い、近隣収束ノードがブロードキャスト信号の強度に基づいてランダムアクセスを選択することと、ランダムアクセスに成功した場合、アクセスノードで登録を完了することと、ランダムアクセスに失敗した場合、ランダムアクセスを再開することと、アクセスノードが、すべてのノード設備のローカルエリアネットワーキングが完了するまで、配下の収束ノードのブロードキャストをスケジューリングすることを繰り返すことと、複数のアクセスノードのネットワークについて、収束ノードが、異なるアクセスノードとの通信ホップ数指標に基づいて、接続するローカルエリアネットワークを選択することとを含み、
低電力消費センサのアクセスプロセスは、事前割当登録プロセス又はランダムアクセスプロセスを採用し、マイクロパワーセンサは、ランダムアクセスプロセスを採用することを特徴とする、
送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法。
【請求項2】
MAC層フレームヘッダは、MACタイプと負荷長を含み、
MACタイプは、チャネルタイプ、ネットワーク層指示、応答指示、MIC指示及び暗号化指示を含み、
前記ネットワーク層指示は、データフレームの負荷内容がネットワーク層データであるかどうかを示すために用いられ、
応答指示におけるブロードキャストチャネル及びマルチキャストチャネルは、応答する必要がないことを特徴とする、
請求項1に記載の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法。
【請求項3】
前記下り制御チャネルは、上りデータの応答、上りスロットリソースのスケジューリング、DRX休眠命令の発信及びランダムアクセス応答に用いられ、同じサブタイプのメッセージは、必ず同じ下り制御チャネル内にあり、
下り制御チャネルのメッセージのサブタイプには、USCHスケジューリング、DRXスケジューリング、登録成功応答及び上り受信応答が含まれることを特徴とする、
請求項1に記載の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法。
【請求項4】
前記下り共有チャネルのMAC負荷内容は、マスタ設備アドレス、複数のスレーブ設備アドレス、及び、対応するデータ長及びデータ内容を含み、
ここで、データ内容は、情報タイプ、通信命令及び通信データを含み、
情報タイプは、通信命令長と通信データパケットスライス指示を含み、
通信命令のタイプは、スレーブ設備通信パラメータ照会、スレーブ設備動作チャネル構成、スレーブ設備通信レート構成、スレーブ設備送信電力構成及びスレーブ設備業務報告周期構成を含み、
通信データフィールドは、ネットワーク層データ又は業務データを搬送するために用いられ、パケットスライスをサポートすることを特徴とする、
請求項1に記載の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法。
【請求項5】
前記上りランダム競合チャネルのMAC負荷内容は、マスタ設備アドレス、情報タイプ及びデータ内容を含み、
ここで、情報タイプは、上りリソース要求、ランダムアクセス要求及びバーストショートデータを含むことを特徴とする、
請求項1に記載の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法。
【請求項6】
前記上り共有チャネルのMAC負荷内容は、マスタ設備アドレス、スレーブ設備アドレス、情報フォーマット、通信命令、リソース要求及び通信データを含み、
情報フォーマットフィールドは、通信命令の長さ、通信パケットスライス指示及びリソース要求識別子を定義し、
通信命令のタイプは、ACKフィードバックと通信パラメータ報告を含み、
通信データフィールドは、ネットワーク層データ又は業務データを搬送するために用いられ、パケットスライスをサポートすることを特徴とする、
請求項1に記載の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法。
【請求項7】
アクセスノードと、収束ノードと、センシング端末を含み、
送変電設備のモノのインターネットにおける収束ノードとセンシング端末間の通信時、収束ノードがマスタ設備であり、センシング端末がスレーブ設備であり、アクセスノードと収束ノードの通信時に、アクセスノードがマスタ設備であり、収束ノードがスレーブ設備であり、
マスタ設備とスレーブ設備との間の通信方法は、請求項1-のいずれか1項に記載の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法を採用することを特徴とする、
送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法及びシステムに関し、送変電設備のモノのインターネットにおけるセンサ通信分野に属する。
【背景技術】
【0002】
モノのインターネットや無線通信などの技術の発展に伴い、送変電知能運行検査業務における無線センシングネットワークの応用需要は、絶えず増加している。従来の有線モニタリングに比べて、無線伝送は、帯電体、配線不能などの応用シーンで状態感知データが伝送できないという問題を効果的に解決することができるとともに、センサ構造を簡略化し、センサの小型化や低コスト化を促進し、迅速な設置及び即座の使用を実現する。送変電設備のモノのインターネットの全体構造は、図1に示すように、感知層、ネットワーク層、プラットフォーム層及びアプリケーション層の4つの階層に分けられる。
【0003】
そのうち、感知層は、各種のモノのインターネットのセンサ及びネットワークノードからなり、センサ層とデータ収束層の2つの部分に分けられ、センシング情報の収集と収束を実現する。センサ層は、各種のモノのインターネットのセンサからなり、異なるタイプの設備状態量を収集し、ネットワークを介して収束ノードにデータをアップロードする。モノのインターネットのセンサは、マイクロパワー無線センサ、低電力消費無線センサ及び有線センサの3種類に分けられる。データ収束層は、収束ノード、アクセスノードなどのネットワークノードから構成される。各種のノード設備は、マイクロパワー(μAレベル)/低電力消費(mAレベル)の無線センシングネットワークと有線伝送ネットワークの両方を汎用し、全ての業務シーンをカバーするセンサネットワークを構成する。
【0004】
しかし、無線センシングネットワークの徐々の応用に伴い、3つの面で問題が明らかになった。
1)既存のモノのインターネットのセンシング装置の多くは、私有プロトコルを採用しているため、相互に互換性を持って代替することができず、センシングネットワークシステムの大量の重複構築を招いた。
2)送変電業務において局所放電、振動などの大データ量センサは、送変電業務分野に広く応用されているが、このようなセンサは、データ量が大きいため、ネットワークシステムのスケジューリングに対する要求が高くなる。現在、送変電分野には、このような業務ニーズを満たすことのできる統一的な通信プロトコルはない。
3)架空回線、変電所室などの業務シーンでは、地形、遮蔽、建築構造などの要素の影響により、柔軟なネットワーク構築方式を採用することにより、ネットワークノード間のネットワーク構築を実現し、最終的にセンサネットワークの全業務シーンのカバーを達成する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術に存在する問題に対して、本発明の目的は、送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法及びシステムを提供することにより、送変電設備のモノのインターネットの波形類などのデータ量が比較的に大きく、mAレベルの電力消費の状態感知センサの標準化アクセスを満たし、集積ノードとアクセスノードの間のネットワーク構築を実現し、mAレベルの通信電力消費、センサの同期サンプリング、業務シーンの信頼できるネットワーク構築・カバーの要求を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した発明の目的を実現するために、本発明は、以下の技術手段を採用する。
【0007】
送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法であって、送変電設備のモノのインターネットにおけるマスタ設備とスレーブ設備との間の通信チャネルは、ブロードキャストチャネル、下り制御チャネル、マルチキャストチャネル、下り共有チャネル、上りランダム競合チャネル及び上り共有チャネルが設けられ、異なるチャネルは、MAC層フレームヘッダのチャネルタイプフィールドによって区別される。そのうち、ブロードキャストチャネルは、メッセージブロードキャストと時間同期に用いられる。下り制御チャネルは、スケジューリング情報と応答に用いられる。下り共有チャネルは、下りの1対1のデータ又はシグナリング伝送に用いられる。上りランダム競合チャネルは、上りランダムアクセスとリソース要求に用いられる。上り共有チャネルは、上りの1対1のデータ又はシグナリング伝送に用いられる。送変電設備のモノのインターネットにおけるマスタ設備とスレーブ設備は、それぞれ収束ノードとセンシング端末、又は、アクセスノードと収束ノードである。マスタ設備とスレーブ設備との間の通信プロセスは、ノードブロードキャストプロセス、ランダムアクセスプロセス、事前割当登録プロセス、上り共有制御チャネルのスケジューリング通信プロセス、非連続受信DRXスケジューリング通信プロセス、下り共有制御チャネルの通信プロセス及びパケットスライスプロセスを含む。前記ノードブロードキャストプロセスは、マスタ設備がスレーブ設備へブロードキャスト情報を周期的に送信することである。前記ランダムアクセスプロセスは、スレーブ設備が上りランダム競合チャネルのランダムアクセス要求を送信してランダムアクセスを行い、マスタ設備が受信に成功した後にスレーブ設備の登録を行い、後続の下り制御チャネル内で当該スレーブ設備の通信アドレスを発行することを含む。前記事前割当登録プロセスは、マスタ設備がスレーブ設備の設備識別子と通信アドレスとのマッピング関係を備え、アクセスノードで登録を完了している。事前割当登録プロセスは、マスタ設備が下り制御チャネルを介して事前割当結果を送信し、スレーブ設備が対応する通信アドレスを取得した後、マスタ設備によって指定されたスロット位置に基づいて、上り共有チャネルを介して登録確認メッセージを送信することを含む。前記上り共有制御チャネルのスケジューリング通信プロセスは、マスタ設備が下り制御チャネルメッセージを送信することと、スレーブ設備が上りスロット構成を読み出して上り共有チャネルのスロット位置を取得し、マスタ設備によって指定されたスロット位置に基づいて上り共有チャネルメッセージを送信することと、マスタ設備が上り共有チャネルメッセージの確認応答を行うために下り制御チャネルを送信することとを含む。前記DRXスケジューリング通信プロセスは、スレーブ設備が、マスタ設備から送信されたDRX休眠命令を受信してウェイクアップ時間の計時を開始することと、スレーブ設備が、ローカルの動作状態に基づいて、休眠するかどうかを決定することと、休眠するのであれば、今回のデータ送受信処理が完了すると自動的に休眠状態に入ることと、ウェイクアップ計時が終了すると、スレーブ設備が、自動的にウェイクアップされ、マスタ設備に対する受信状態に入ることとを含む。前記下り共有制御チャネルの通信プロセスは、マスタ設備が下り制御チャネルメッセージを送信し、スレーブ設備が上りスロット構成を読み取ることと、マスタ設備が下り共有制御チャネルメッセージを送信し、スレーブ設備が下りデータ又は命令を読み取り、下りデータタイプに基づいてフィードバックするかどうかを決定することとを含む。前記パケットスライスプロセスは、下り共有チャネル又は上り共有チャネルに用いられるプロセスであり、スケジューリングリソースのサイズに応じて、利用可能なリソース以下の長さとなるように、パケットキューのパケットスライスを行うことと、スライスごとにデータを伝送することと、すべてのパケットを受信すると、データを復元することとを含む。
【0008】
更に、MAC層フレームヘッダは、MACタイプと負荷長を含む。MACタイプは、チャネルタイプ、ネットワーク層指示、応答指示、MIC指示及び暗号化指示を含む。前記ネットワーク層指示は、データフレームの負荷内容がネットワーク層データであるかどうかを示すために用いられる。応答指示におけるブロードキャストチャネル及びマルチキャストチャネルは、応答する必要がない。
【0009】
更に、前記下り制御チャネルは、上りデータの応答、上りスロットリソースのスケジューリング、DRX休眠命令の発信及びランダムアクセス応答に用いられ、同じサブタイプのメッセージは、必ず同じ下り制御チャネル内にある。下り制御チャネルのメッセージのサブタイプには、USCHスケジューリング、DRXスケジューリング、登録成功応答及び上り受信応答が含まれる。
【0010】
更に、前記下り共有チャネルのMAC負荷内容は、マスタ設備アドレス、複数のスレーブ設備アドレス、及び、対応するデータ長及びデータ内容を含む。ここで、データ内容は、情報タイプ、通信命令及び通信データを含む。情報タイプは、通信命令長と通信データパケットスライス指示を含む。通信命令のタイプは、スレーブ設備通信パラメータ照会、スレーブ設備動作チャネル構成、スレーブ設備通信レート構成、スレーブ設備送信電力構成及びスレーブ設備業務報告周期構成を含む。通信データフィールドは、ネットワーク層データ又は業務データを搬送するために用いられ、パケットスライスをサポートする。
【0011】
更に、前記上りランダム競合チャネルのMAC負荷内容は、マスタ設備アドレス、情報タイプ及びデータ内容を含む。ここで、情報タイプは、上りリソース要求、ランダムアクセス要求及びバーストショートデータを含む。
【0012】
更に、前記上り共有チャネルのMAC負荷内容は、マスタ設備アドレス、スレーブ設備アドレス、情報フォーマット、通信命令、リソース要求及び通信データを含む。情報フォーマットフィールドは、通信命令の長さ、通信パケットスライス指示及びリソース要求識別子を定義する。通信命令のタイプは、ACKフィードバックと通信パラメータ報告を含む。通信データフィールドは、ネットワーク層データ又は業務データを搬送するために用いられ、パケットスライスをサポートする。
【0013】
更に、センシング端末、収束ノード及びアクセスノードの接続は、ツリー状ネットワークトポロジー又はマルチホップネットワークトポロジーを採用する。ツリー状ネットワークトポロジーを採用する場合、センシング端末、収束ノード及びアクセスノードは、所定チャネルのアップリンクとダウンリンクを介して接続する。マルチホップネットワークトポロジーを採用する場合、ネットワークの一部の収束ノードは、中継ノードとして、アクセスノードと収束ノード又はアクセスノードとセンシング端末を接続する。ここで、センシング端末は、マイクロパワーセンサと低電力消費センサを含む。マイクロパワーセンサは、送変電設備のモノのインターネットにおける一方向報告センサであり、センサによって通信を開始し、短いメッセージ送信のみをサポートし、業務データのランダムなパケットロスを容認する必要がある。低電力消費センサは、送電変電設備のモノのインターネットにおける双方向制御可能センサであり、収束ノード又はアクセスノードによって通信を開始し、長メッセージ伝送、業務データのスライス再送及びセンサのタイミング起動をサポートする。
【0014】
更に、アクセスノードと収束ノード間のネットワーク構築のためのトポロジー構築プロセスは、アクセスノードがブロードキャストを行い、近隣収束ノードがブロードキャスト信号の強度に基づいてランダムアクセスを選択することと、ランダムアクセスに成功した場合、アクセスノードで登録を完了することと、ランダムアクセスに失敗した場合、ランダムアクセスを再開することと、アクセスノードが、すべてのノード設備のローカルエリアネットワーキングが完了するまで、配下の収束ノードのブロードキャストをスケジューリングすることを繰り返すことと、複数のアクセスノードのネットワークについて、収束ノードが、異なるアクセスノードとの通信ホップ数指標に基づいて、接続するローカルエリアネットワークを選択することとを含む。低電力消費センサのアクセスプロセスは、事前割当登録プロセス又はランダムアクセスプロセスを採用し、マイクロパワーセンサは、ランダムアクセスプロセスを採用する。
【0015】
送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信システムであって、アクセスノードと、収束ノードと、センシング端末を含む。送変電設備のモノのインターネットにおける収束ノードとセンシング端末間の通信時、収束ノードがマスタ設備であり、センシング端末がスレーブ設備であり、アクセスノードと収束ノードの通信時に、アクセスノードがマスタ設備であり、収束ノードがスレーブ設備である。マスタ設備とスレーブ設備との間の通信方法は、上記の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法を採用する。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、ノードによって開始可能なスケジューリング通信であり、スロットスケジューリング方式を採用し、通信衝突を回避し、チャネル利用率を大幅に向上させ、それによって長データ通信のニーズを満たすことができる。また、ノード設備は、DRX命令を送信することにより、センサを一括して休眠に入るようにスケジューリングすることができる。本発明は、ランダム競合スロットを保留し、突発業務の即時伝送要求のインターカットをサポートし、警報業務を優先的にスケジューリングすることができる。本発明は、所定の登録構成とランダムアクセス方式をサポートし、バックグラウンドによる授権の条件下で、センシング端末が迅速に自動的にアクセスすることができる。本発明は、ネットワーク層上でチェーン状、ツリー状などのネットワークトポロジーをサポートし、送変電などの業務シーンのネットワーク構築ニーズを満たす。ノード構成後、ブロードキャストチャネルの好ましい高品質リンクを介してネットワークトポロジーの自動確立を実現し、最小ホップ数ポリシーに基づいて自動ルーティング計画を実現することができる。本発明は、送変電設備のモノのインターネットの波形類などのデータ量が比較的に大きく(100kBレベル)、mAレベルの電力消費の状態感知センサの標準化アクセス(例えば局所放電、振動波形、機械特性など)に用いられ、集積ノードとアクセスノードの間のネットワーク構築を実現し、mAレベルの通信電力消費、センサの同期サンプリング、業務シーンの信頼できるネットワーク構築・カバーの要求を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】送変電設備のモノのインターネットの全体構成図である。
図2】MAC層リソースマッピング関係の概略図である。
図3】チャネルマッピング関係の概略図である。
図4】ノードブロードキャストプロセスの概略図である。
図5】ランダムアクセスプロセスの概略図である。
図6】事前割当登録プロセスの概略図である。
図7】USCHの通信プロセスの概略図である。
図8】DRXプロセスの概略図である。
図9】DSCHの通信プロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例における図面と関連して、本発明の実施例における技術的態様を明確かつ完全に説明するが、明らかに、説明された実施例は、本発明の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく得た他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0019】
本発明に係る送変電設備のモノのインターネットは、感知層、ネットワーク層、プラットフォーム層及びアプリケーション層の4つの部分からなる。本発明は、感知層における無線通信プロトコルを規範化し、カバーする通信設備は、アクセスノード、収束ノード及びセンサを含む。送変電設備のモノのインターネットにおけるノードのネットワーク構築プロトコルの物理層、メディアアクセス制御層、ネットワーク層、及び関連する通信処理プロセスを定義し、それによって送変電設備のモノのインターネットにおけるデータ伝送の有効な管理と割当を実現する。
【0020】
送変電機器のモノのインターネットにおける感知層ネットワークは、ツリー状ネットワークトポロジーとマルチホップネットワークトポロジーをサポートする。ツリー状ネットワークトポロジーを採用する場合、センサ、収束ノード及びアクセスノードは、所定チャネルのアップリンクとダウンリンクを介して接続される。マルチホップネットワークトポロジーを採用する場合、ネットワークの一部の収束ノードは、中継ノードとして、遠く離れたアクセスノードと収束ノード、又はアクセスノードとセンサを効果的に接続し、信頼できる通信伝送を完成する。
【0021】
物理層(PHY)は、送受信を含むビットストリームの物理的伝送を処理する責任を負う。物理層は、無線物理チャネルを介して物理層プロトコルデータユニットを送受信し、物理層データ情報と物理層制御情報を管理する。本発明の物理層は、CSS物理層、IEEE 802.15.4物理層、BLE 5.0物理層のうちの1つを選択することができる。
【0022】
メディアアクセス制御層(MAC)は、物理層がサービスを提供する上でネットワーク層にサービスを提供し、時分割多元接続技術体制に基づいてMACフレームフォーマットと対応するチャネル定義、マスタ設備のブロードキャストプロセス、ランダムアクセスプロセス、上りスケジューリングプロセスなどを規定する。ネットワーク層(NWK)は、エンドツーエンドのデータ伝送フォーマット、トポロジー確立プロセス及びルーティングプロセスを定義する。本発明におけるアドレスに関連する定義は、設備識別子(EID)及び通信アドレス(CID)である。ノード設備とセンサに対応する設備識別子は、業務プラットフォームが管轄するネットワーク全体にわたって6バイト定義でユニークに番号付けされる。マスタ設備の設備識別子は、マスタ設備識別子と略称し、スレーブ設備の設備識別子は、スレーブ設備識別子と略称する。ノード設備とセンサの通信アドレスは、ノードのカバー範囲内でユニークな番号である。マスタ設備の通信アドレスは、以下でマスタアドレスと略称し、スレーブ設備の通信アドレスは、以下でスレーブアドレスと略称する。通信アドレスは、2バイト番号を採用している。
【0023】
本発明の実施例に開示された送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法において、送変電設備のモノのインターネットにおけるマスタ設備とスレーブ設備との間の通信チャネルは、ブロードキャストチャネル、下り制御チャネル、マルチキャストチャネル、下り共有チャネル、上りランダム競合チャネル及び上り共有チャネルが設けられ、異なるチャネルは、MAC層フレームヘッダのチャネルタイプフィールドによって区別される。そのうち、ブロードキャストチャネルは、メッセージブロードキャストと時間同期に用いられる。下り制御チャネルは、スケジューリング情報と応答に用いられる。下り共有チャネルは、下りの1対1のデータ又はシグナリング伝送に用いられる。上りランダム競合チャネルは、上りランダムアクセスとリソース要求に用いられる。上り共有チャネルは、上りの1対1のデータ又はシグナリング伝送に用いられる。送変電設備のモノのインターネットにおけるマスタ設備とスレーブ設備は、それぞれ収束ノードとセンシング端末、又は、アクセスノードと収束ノードである。マスタ設備とスレーブ設備との間の通信プロセスは、ノードブロードキャストプロセス、ランダムアクセスプロセス、事前割当登録プロセス、上り共有制御チャネルのスケジューリング通信プロセス、非連続受信DRXスケジューリング通信プロセス、下り共有制御チャネルの通信プロセス及びパケットスライスプロセスを含む。ノードブロードキャストプロセスは、マスタ設備がスレーブ設備へブロードキャスト情報を周期的に送信することである。ランダムアクセスプロセスは、スレーブ設備が上りランダム競合チャネルのランダムアクセス要求を送信してランダムアクセスを行い、マスタ設備が受信に成功した後にスレーブ設備の登録を行い、後続の下り制御チャネル内で当該スレーブ設備の通信アドレスを発行することを含む。事前割当登録プロセスは、マスタ設備がスレーブ設備の設備識別子と通信アドレスとのマッピング関係を備え、アクセスノードで登録を完了しており、事前割当登録プロセスは、マスタ設備が下り制御チャネルを介して事前割当結果を送信し、スレーブ設備が対応する通信アドレスを取得した後、マスタ設備によって指定されたスロット位置に基づいて、上り共有チャネルを介して登録確認メッセージを送信することを含む。上り共有制御チャネルのスケジューリング通信プロセスは、マスタ設備が下り制御チャネルメッセージを送信することと、スレーブ設備が上りスロット構成を読み出して上り共有チャネルのスロット位置を取得し、マスタ設備によって指定されたスロット位置に基づいて上り共有チャネルメッセージを送信することと、マスタ設備が上り共有チャネルメッセージの確認応答を行うために下り制御チャネルを送信することとを含む。DRXスケジューリング通信プロセスは、スレーブ設備が、マスタ設備から送信されたDRX休眠命令を受信してウェイクアップ時間の計時を開始することと、スレーブ設備が、ローカルの動作状態に基づいて、休眠するかどうかを決定することと、休眠するのであれば、今回のデータ送受信処理が完了すると自動的に休眠状態に入ることと、ウェイクアップ計時が終了すると、スレーブ設備が、自動的にウェイクアップされ、マスタ設備に対する受信状態に入ることとを含む。下り共有制御チャネルの通信プロセスは、マスタ設備が下り制御チャネルメッセージを送信し、スレーブ設備が上りスロット構成を読み取ることと、マスタ設備が下り共有制御チャネルメッセージを送信し、スレーブ設備が下りデータ又は命令を読み取り、下りデータタイプに基づいてフィードバックするかどうかを決定することとを含む。パケットスライスプロセスは、下り共有チャネル又は上り共有チャネルに用いられるプロセスであり、スケジューリングリソースのサイズに応じて、利用可能なリソース以下の長さとなるように、パケットキューのパケットスライスを行うことと、スライスごとにデータを伝送することと、すべてのパケットを受信すると、データを復元することを含む。
【0024】
同じ発明の構想に基づいて、本発明の実施例に開示された送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信システムは、アクセスノードと、収束ノードと、センシング端末を含む。送変電設備のモノのインターネットにおける収束ノードとセンシング端末間の通信時、収束ノードがマスタ設備であり、センシング端末がスレーブ設備であり、アクセスノードと収束ノードの通信時に、アクセスノードがマスタ設備であり、収束ノードがスレーブ設備である。マスタ設備とスレーブ設備との間の通信方法は、上記の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法を採用する。
【0025】
次に、本発明が主に関与するMAC層とネットワーク層について詳細に説明する。
【0026】
システムの時間領域通信リソースは、図3に示すように分割される。1つのスーパーフレーム(Super Frame)は、複数(M)個のフレーム(Frame)を含み、また、1つのフレームは、下りフレーム(DL-Frame)と上りフレーム(UL-Frame)とを含む。ここで、下りフレームと上りフレームのスロット割合は、構成可能であり、フレーム全体に複数(N)個のスロット(Slot)を含む。スロットは、システムスケジューリングの最小時間単位であり、下りフレームが占有するスロットの個数は、NDLであり、上りフレームが占有するスロットの個数は、NULであり、N=NDL+NULである。
【0027】
ネットワーク全体のフレーム長と上り/下りフレームの構成割合は、統一され、ネットワークパラメータとして業務プラットフォームが管轄するネットワーク全体にわたってブロードキャストされる。単一のMACフレームは、少なくとも1つのスロットを占有するが、ノード構成に応じて複数の連続するスロットを占有してもよい。
【0028】
MACフレーム構造は、表1に示すように、MAC層フレームヘッダ、MAC負荷及び情報完全性を含む。
【0029】
表1:MAC層フレーム構造
【表1】
【0030】
MACタイプの定義は、表2を参照し、チャネルタイプ、ネットワーク層指示、応答指示、情報完全性チェック(MIC)指示及び暗号化指示を含む。チャネルタイプの定義は、表3を参照し、指示の定義は、表4を参照する。
【0031】
表2:MACタイプの定義
【表2】
【0032】
表3:チャネルタイプの定義
【表3】
【0033】
表4:指示の定義
【表4】
【0034】
1つのチャネルは、単一のスロット又は複数の連続するスロットを占有し、各チャネルの開始位置がスロット(slot)の開始位置に揃っており、フレーム内のチャネルの配列順は、図8に示されている。下りフレームは、順にブロードキャストチャネル(BCH)、下り制御チャネル(DCCH)、マルチキャストチャネル(MCH)、下り共有チャネル(DSCH)であり、BCHはフレーム毎にある。上りフレームは、順にUSCH、URCHである。異なるチャネルについて、タイプ部分は、MACヘッダ部分で区別され、内容部分は、MAC負荷部分で定義されて搬送される。チャネルマッピング関係を図3に示す。
【0035】
BCHチャネルの定義は、表5を参照する。
【0036】
表5:BCHチャネルの定義
【表5】
【0037】
MAC負荷長は、22バイトに固定され、具体的なフィールド定義は、表6を参照する。ネットワークIDは、異なるノードネットワークを区別するためのローカルエリアネットワーク内の一意のIDである。バージョン番号は、時間次元から異なるネットワークを区別する。ホップ数は、現在のノードからアクセスノードまでの通信ホップ数であり、本ノードがアクセスノードであればホップ数は0である。スロット長は、スロットの時間長を表し、単位がmsである。スーパーフレーム構成は、1つのスーパーフレームに存在するフレームの数である。フレーム番号は、現在のフレームのスーパーフレームにおける位置番号である。ブロードキャスト周期は、いくつのフレームおきにブロードキャストを行う。下りフレームスロット数は、下りフレームが占有するスロット数である。上りフレームスロット数は、上りフレームが占有するスロット数である。GP-Dphyは、下りフレームにおける隣接物理フレームの送信時間保護領域であり、スロットの末尾に位置し、単位が100μsである。GP-Uslotは、上りフレームにおけるスロットの時間保護領域であり、スロットの末尾に位置し、単位が100μsである。GP-DL/ULは、下りフレームから上りフレームに切り替わる時間保護領域であり、下りフレームの末尾に位置し、単位が100μsである。GP-Frameは、フレームとフレームを切り替える時間保護領域であり、上りフレームの末尾に位置し、単位が100μsである。BCH長は、BCH物理負荷のバイト数を示す。BCHにメッセージ内容の後にゼロを補うことで、スレーブ設備のタイミングを容易にし、デフォルトの構成が55バイト(物理負荷55バイト)である。周波数点番号は、現在のマスタ設備の動作周波数点番号を示す。
【0038】
表6:BCHのメッセージ内容の定義
【表6】
【0039】
下り制御チャネルは、主に上りデータの応答、上りタイムスロットリソースのスケジューリング、非連続受信(DRX)休眠命令の発行及びランダムアクセス応答などに用いられる。同じサブタイプのメッセージは、必ず同じDCCHチャネル内にある。異なるサブタイプの情報は、同じ又は異なるDCCHチャネル内にある。下り制御チャネルMAC負荷の具体的な定義は、表7を参照する。
【0040】
表7:下り制御チャネルのMAC負荷の定義
【表7】
【0041】
メッセージタイプの定義は、表8を参照する。
【0042】
表8:メッセージタイプの定義
【表8】
【0043】
USCHスケジューリングは、表9を参照する。
【0044】
表9:USCHスケジューリング
【表9】
【0045】
DRXスケジューリングは、表10を参照する。
【0046】
表10:DRXスケジューリング
【表10】
【0047】
登録成功応答は、表11を参照する。
【0048】
表11:登録成功応答
【表11】
【0049】
上り受信応答は、表12を参照する。
【0050】
表12:上り受信応答
【表12】
【0051】
マルチキャストチャネル(MCH)は、複数のセンサのマルチキャストに命令又はデータを送信するために用いられ、MAC負荷の定義は、表13を参照する。
【0052】
表13:マルチキャストチャネルのMAC負荷の定義
【表13】
【0053】
下り共有チャネルのMAC負荷の定義は、表14を参照する。
【0054】
表14:下り共有チャネルのMAC負荷の定義
【表14】
【0055】
データ内容の定義は、表15を参照する。
【0056】
表15:データ内容の定義
【表15】
【0057】
下り共有チャネルDSCHの情報タイプの定義は、表16を参照する。
【0058】
表16:下り共有チャネルDSCHの情報タイプの定義
【表16】
【0059】
下り通信命令の定義は、表17を参照し、パラメータ照会の命令内容の定義は、表18を参照する。
【0060】
表17:通信命令の定義
【表17】
【0061】
表18:パラメータ照会の命令内容の定義
【表18】
【0062】
下り通信データ(PDU)は、ネットワーク層データ又は業務データ(SDU)を搬送するために用いられる。SDUの長さは、最大1400バイトである。SDUは、パケットスライスを必要としない場合、通信データ中のパケットスライス指示についてb2=0とマークし、PDU=SDUになる。SDUは、パケットスライスを必要とする場合、通信データ中のパケットスライス指示についてb2=1とマークし、PDUにパケットスライスヘッドを加える。具体的なPDUの定義は、表19を参照する。FLAGの定義について、0b00は、スライスを行っていない(FLAG_UNFRAG)ことを示し、0b01は、最初のスライス(FLAG_FRAG_START)を示し、0b10は、後続するスライス(FLAG_FRAG_NEXT)もあることを示し、0b11は、最後のスライス(FLAG_FRAG_STOP)を示す。SSEQの定義について、業務データ(SDU)の番号を示す。Priority定義について、通信データ(PDU)の優先度を示し、0は低を示し、1は高を示す。PSEQの定義について、PDUのシーケンス番号を示す。SIZEの定義について、パケットデータの長さ(バイト数)を示す。パケットデータDATAの定義について、パケットスライス後のPDUデータ内容を示す。
【0063】
表19:パケットスライスありのPDUフォーマットの定義
【表19】
【0064】
上りランダム競合チャネルの本フレーム内でスケジューリングされていないスロットは、複数のスレーブ設備の競合送信に使用することができる。上りランダム競合チャネルMAC負荷内容の定義は、表20を参照する。
【0065】
表20:上りランダム競合チャネルのMAC負荷内容
【表20】
【0066】
情報タイプの定義は、表21を参照する。
【0067】
表21:情報タイプの定義
【表21】
【0068】
上りリソース要求データ内容の定義は、表22を参照する。
【0069】
表22:データ内容の定義
【表22】
【0070】
ランダムアクセスのデータ内容の定義は、表23を参照する。
【0071】
表23:ランダムアクセスのデータ内容の定義
【表23】
【0072】
バーストショートデータ内容の定義は、表24を参照する。
【0073】
表24:バーストショートデータの定義
【表24】
【0074】
上り共有チャネルのMAC負荷内容は、表25を参照する。
【0075】
表25:上り共有チャネルのMAC負荷内容
【表25】
【0076】
情報フォーマットフィールドは、表26を参照する。
【0077】
表26:情報フォーマットフィールド
【表26】
【0078】
上り通信命令の定義は、表27を参照する。ACKフィードバックの命令内容は、表28を参照する。通信パラメータ報告の命令内容は、表29を参照する。
【0079】
表27:上り通信命令の定義
【表27】
【0080】
表28:ACKフィードバックの命令内容の定義
【表28】
【0081】
表29:通信パラメータ報告の命令内容の定義
【表29】
【0082】
上り通信データの内容定義は、上り通信データの内容定義と一致しており、表19を参照する。
【0083】
MAC層の関連プロセスは、ノードブロードキャストプロセス、ランダムアクセスプロセス、上りスケジューリングプロセスなどを含み、具体的には以下のように説明する。
【0084】
1.ノードブロードキャストプロセス
ブロードキャストは、周期的であり、タイミング的であり、マスタ設備(ノード)からスレーブ設備(ノード又はセンサ)にブロードキャスト情報を送信する。BCHチャネルを用いた伝送では、ブロードキャストの周期は、複数フレームに1回であり、DLフレームの開始位置にある。スレーブ設備は、ブロードキャストチャネルを介してマスタ設備との時間同期を取得することができる。ノードブロードキャストプロセスを図4に示す。
【0085】
2.ランダムアクセスプロセス
ランダムアクセスプロセスを図5に示す。具体的なプロセスは、次のとおりである。
a)スレーブ設備は、マスタ設備のDCCHを受信し、上りスケジューリング情報を解析する。
b)スレーブ設備は、残りのスロットを選択し、ランダム退避選択後、URCHを送信してランダムアクセスを行う。
c)マスタ設備は、URCHを正常に受信した場合、スレーブ設備の登録を試みる。
d)マスタ設備は、スレーブ設備の登録に成功した場合、当該スレーブ設備の通信アドレスを後続のDCCH内で発行する。
e)マスタ設備は、DCCHを介してスレーブ設備の上りチャネル又はDRX休眠をスケジューリングする。
【0086】
4.事前割当登録プロセス
マスタ設備は、スレーブ設備の設備識別子と通信アドレスとのマッピング関係を備え、アクセスノードで登録が完了している。ネットワークにアクセスしていないスレーブ設備は、事前割当登録を使用することができる。事前割当登録は、ネットワーク構築開始プロセスのみに用いられ、スレーブ設備のアクセスが完了すると、送信しなくなる。事前割当登録プロセスは、図6に示すように、マスタ設備が、DCCHを介して事前割当結果を送信し、スレーブ設備が、対応する通信アドレスを取得した後、マスタ設備によって指定されたスロット位置に基づいて、USCHを介して登録確認メッセージを送信する。
【0087】
5.上り共有制御チャネル(USCH)のスケジューリング通信プロセス
マスタ設備は、ローカルでスレーブ設備に対する上りスケジューリング表を保守する。スケジューリング表は、主にスレーブ設備のアップロード周期、アップロードデータ長などに基づいて構成され、ランダムチャネル要求によって一時的なスケジュール通信を追加することもできる。USCHの通信プロセスは、図7に示すように、マスタ設備が、DCCHを送信し、スレーブ設備が、上りスロット構成を読み出してUSCHのスロット位置を取得してUSCHメッセージを送信する。マスタ設備は、DCCHを介して上り共有チャネルメッセージの確認応答を行う。
【0088】
6.DRXスケジューリング通信プロセス
DRXプロセスは、図8に示すように、具体的なプロセスは、以下の通りである。
a)スレーブ設備は、マスタ設備から送信されたDRX休眠命令を受信してウェイクアップ時間の計時を開始する。
b)スレーブ設備は、ローカルの動作状態に基づいて、休眠するかどうかを決定する。
c)休眠するのであれば、今回のデータ送受信処理が完了すると自動的に休眠状態に入る。
d)ウェイクアップ計時が終了すると、スレーブ設備が、自動的にウェイクアップされ、マスタ設備に対する受信状態に入る。
【0089】
7.下り共有制御チャネル(DSCH)の通信プロセス
マスタ設備は、ローカルでスレーブ設備に対する下りスケジューリング表を保守する。DSCH通信プロセスは、図9を参照して、スレーブ設備がDCCHから上りスロット構成を読み取り、DCCHから下りデータ又は命令を読み取り、下りデータタイプに基づいてフィードバックするかどうかを決定する。
【0090】
8.パケットスライスプロセス
パケットスライス機能は、下り共有チャネル又は上り共有チャネルにのみ使用され、具体的なプロセスは、以下の通りである。
a)スケジューリングリソースのサイズに応じて、利用可能なリソース以下の長さとなるように、パケットキューのパケットスライスを行う。
b)スライスごとに伝送されるデータのフレームフォーマットは、下り共有チャネルと上り共有チャネルのフレームフォーマットを参照する。
c)すべてのパケットスライスのパケットには、応答確認がある(本ステップは、オプションである)。
d)パケットロスがある場合、再送することができ、又は複数回の再送に失敗した後、パケット全体を破棄することができる(本ステップは、オプションである)。
すべてのパケットを受信すると、ネットワーク層データ(SDU)を復元する。
【0091】
ネットワーク層フレームは、DSCH及びUSCHチャネル上に搬送され、通信データフィールドに対応する。ネットワーク層フレーム構造は、表30を参照する。
【0092】
表30:ネットワーク層フレーム構造
【表30】
【0093】
ネットワークフレームタイプの定義は、表31を参照し、一般的な構成は、表32を参照する。
【0094】
表31:ネットワークフレームタイプの定義
【表31】
【0095】
表32:一般的な構成
【表32】
【0096】
ネットワーク層命令に対応するネットワーク層負荷は、表33を参照する。
【0097】
表33:ネットワーク層負荷の定義
【表33】
【0098】
ネットワーク層命令タイプの定義は、表34を参照する。
【0099】
表34: ネットワーク層命令タイプの定義
【表34】
【0100】
ノード配下トポロジー変化報告命令の内容は、表35を参照し、指示の定義は、表36を参照する。
【0101】
表35:配下トポロジー変化報告命令内容の定義
【表35】
【0102】
表36: 配下トポロジー変化報告の指示の定義
【表36】
【0103】
ノード配下ノードルーティング表発行命令内容の定義は、表37を参照し、指示の定義は、表38を参照する。
【0104】
表37:ノード配下ノードルーティング表発行命令内容の定義
【表37】
【0105】
表38:ノード配下ノードルーティング表の指示の定義
【表38】
【0106】
ノード配下センサルーティング表発行命令内容の定義は、表39を参照し、指示の定義は、表40を参照する。
【0107】
表39:命令内容の定義
【表39】
【0108】
表40: ノード配下センサルーティング表の指示の定義
【表40】
【0109】
配下設備登録要求命令内容の定義は、表41を参照し、指示の定義は、表42を参照する。
【0110】
表41:命令内容の定義
【表41】
【0111】
表42:配下設備登録要求の指示の定義
【表42】
【0112】
配下設備登録応答命令内容の定義は、表43を参照し、設備登録応答の指示の定義は、表44を参照する。
【0113】
表43:命令内容の定義
【表43】
【0114】
表44:設備登録応答の指示の定義
【表44】
【0115】
ノードチャネル状態照会命令の内容は、照会シーケンス(1バイト、保留)である。ノードチャネル状態報告命令の内容の定義は、表45を参照し、チャネルタイプの定義は、表46を参照する。
【0116】
表45:命令内容の定義
【表45】
【0117】
表46:チャネルタイプの定義
【表46】
【0118】
ノードチャネル動作構成発行命令の内容の定義は、表47を参照し、チャネル構成の定義は、表48を参照し、チャネル番号の定義は、表49を参照し、チャネル構成指示の定義は、表50を参照する。
【0119】
表47:命令内容の定義
【表47】
【0120】
表48:チャネル構成の定義
【表48】
【0121】
表49:発行チャネル構成のチャネル番号の定義
【表49】
【0122】
表50:発行チャネル構成の指示の定義
【表50】
【0123】
ノード設備状態報告命令内容の定義は、表51を参照し、状態インデックス及びノード設備状態定義は、表52を参照する。状態インデックスについて、各ビットのシーケンス位置は、ノード設備状態表の番号に対応し、0b1を取ると、表に関連状態内容が含まれることを示し、0b0を取ると、表に関連状態内容が含まれていないことを示す。
【0124】
表51:命令内容の定義
【表51】
【0125】
表52:ノード設備状態定義
【表52】
【0126】
ノード設備状態照会命令の内容について、状態インデックス(2バイト)である。
【0127】
ネットワーク層応答(上り)命令内容の定義は、表53を参照する。
【0128】
表53:命令内容の定義
【表53】
【0129】
ネットワーク層応答(下り)命令内容の定義は、表54を参照する。
【0130】
表54:命令内容の定義
【表54】
【0131】
センサブラック/ホワイトリスト発行命令内容の定義は、表55を参照し、センサブラック/ホワイトリストの指示の定義は、表56を参照する。
【0132】
表55:命令内容の定義
【表55】
【0133】
表56:センサブラック/ホワイトリストの指示の定義
【表56】
【0134】
センサ同期収集命令発行命令の内容の定義は、表57を参照する。
【0135】
表57:命令内容の定義
【表57】
【0136】
配下センサ通信パラメータ構成命令の内容の定義は、表58を参照し、センサ通信のパラメータタイプとパラメータの内容の定義は、表59を参照する
【0137】
表58:命令内容の定義
【表58】
【0138】
表59:センサ通信パラメータ表
【表59】
【0139】
配下センサ通信パラメータ照会命令の内容の定義は、表60を参照し、ここで、センサ通信のパラメータタイプの定義は、表59を参照する。
【0140】
表60:命令内容の定義
【表60】
【0141】
配下センサ通信パラメータ報告命令の内容の定義は、表61を参照し、ここで、センサ通信のパラメータタイプとパラメータの内容の定義は、表59を参照する。
【0142】
表61:命令内容の定義
【表61】
【0143】
ノードネットワーク構築で採用されているトポロジーは、ツリー状トポロジー(又はマルチホップトポロジー)であり、アクセスノードによって開始され、すべてのノードに徐々に拡散される。具体的なプロセスは、以下の通りである。
a)アクセスノードは、ブロードキャストを行い、近隣収束ノードは、ブロードキャスト信号の強度に基づいてランダムアクセスを選択する。
b)ランダムアクセスに成功した場合、アクセスノードで登録を完了するが、ランダムアクセスに失敗した場合、ランダムアクセスを再開する。
c)アクセスノードは、配下の収束ノードのブロードキャストをスケジューリングする。
d)すべてのノード設備のローカルエリアネットワーキングが完了するまで繰り返す。
e)複数のアクセスノード(送電マルチホップ)のネットワークについて、収束ノードは、異なるアクセスノードとの通信ホップ数などの関連指標に基づいて、どのアクセスノードのローカルエリアネットワークに接続するかを選択する。
【0144】
ノード(収束又はアクセスノード)は、アクセスノードのスケジューリング結果に基づいて、指定されたフレーム番号で、低電力消費センサアクセスのブロードキャストを行う。低電力消費センサは、事前にスケジューリングされていてもよく(ランダムアクセスを必要とせず、指定されたフレーム番号とスロット位置で上り通信可能である)、ランダムアクセス(ランダム競合、登録のプロセスを完了する)を介してもよい。
【0145】
ネットワークトポロジーがツリー状トポロジーであるため、各設備(アクセスノードを除く)は、その帰属するマスタ設備を見つけることができ、マスタとスレーブの関係に基づいて、段階的に上りデータ転送を完了することができる。
【0146】
アクセスノードは、その配下のすべての収束ノードとセンサとの接続関係、すなわち下りツリー状ルーティング表を備えている。各収束ノードは、ノード間のノードルーティング表、及び従属するセンサルーティング表を記憶する。アクセスノードが送信する下りデータは、まずノードルーティング表を介して(目的センサに対応する)最終レベルの収束ノードにアドレッシングする。次に、収束ノードは、ローカルのセンサルーティング表を介して、対応するセンサに送信する。収束ノードへのデータであれば、センサ通信部を省略することができる。
【0147】
ルーティング更新は、静的ルーティング更新と動的ルーティング更新を含む。
【0148】
静的ルーティングアドレスの更新は、アクセスノードによって開始され、更新内容によって次の2つに分類される。
A)アクセスノードは、通信を開始し、そのローカルに格納されたノードルーティング表(ノードネットワーク構築)を対応する収束ノードに送信する。
B)アクセスノードは、通信を開始し、そのローカルに格納されたセンサルーティング表(増分更新でもよい)を対応する収束ノードに送信する。
【0149】
動的ルーティングアドレスの更新は、収束ノードによって開始され、更新内容に応じて次の2つに分類される。
A)収束ノードは、通信を開始し、その配下ノードのトポロジー情報(又はトポロジー変更情報)をアクセスノードに送信する。
B)収束ノードは、通信を開始し、その配下センサのトポロジー情報(又はトポロジー変更情報)をアクセスノードに送信する。
【0150】
(付記)
(付記1)
送変電設備のモノのインターネットにおけるマスタ設備とスレーブ設備との間の通信チャネルは、ブロードキャストチャネル、下り制御チャネル、マルチキャストチャネル、下り共有チャネル、上りランダム競合チャネル及び上り共有チャネルが設けられ、異なるチャネルは、MAC層フレームヘッダのチャネルタイプフィールドによって区別され、
そのうち、ブロードキャストチャネルは、メッセージブロードキャストと時間同期に用いられ、
下り制御チャネルは、スケジューリング情報と応答に用いられ、
下り共有チャネルは、下りの1対1のデータ又はシグナリング伝送に用いられ、
上りランダム競合チャネルは、上りランダムアクセスとリソース要求に用いられ、
上り共有チャネルは、上りの1対1のデータ又はシグナリング伝送に用いられ、
送変電設備のモノのインターネットにおけるマスタ設備とスレーブ設備は、それぞれ収束ノードとセンシング端末、又は、アクセスノードと収束ノードであり、
マスタ設備とスレーブ設備との間の通信プロセスは、ノードブロードキャストプロセス、ランダムアクセスプロセス、事前割当登録プロセス、上り共有制御チャネルのスケジューリング通信プロセス、非連続受信DRXスケジューリング通信プロセス、下り共有制御チャネルの通信プロセス及びパケットスライスプロセスを含み、
前記ノードブロードキャストプロセスは、マスタ設備がスレーブ設備へブロードキャスト情報を周期的に送信することであり、
前記ランダムアクセスプロセスは、スレーブ設備が上りランダム競合チャネルのランダムアクセス要求を送信してランダムアクセスを行い、マスタ設備が受信に成功した後にスレーブ設備の登録を行い、後続の下り制御チャネル内で当該スレーブ設備の通信アドレスを発行することを含み、
前記事前割当登録プロセスは、マスタ設備がスレーブ設備の設備識別子と通信アドレスとのマッピング関係を備え、アクセスノードで登録を完了しており、事前割当登録プロセスは、マスタ設備が下り制御チャネルを介して事前割当結果を送信し、スレーブ設備が対応する通信アドレスを取得した後、マスタ設備によって指定されたスロット位置に基づいて、上り共有チャネルを介して登録確認メッセージを送信することを含み、
前記上り共有制御チャネルのスケジューリング通信プロセスは、マスタ設備が下り制御チャネルメッセージを送信することと、スレーブ設備が上りスロット構成を読み出して上り共有チャネルのスロット位置を取得し、マスタ設備によって指定されたスロット位置に基づいて上り共有チャネルメッセージを送信することと、マスタ設備が上り共有チャネルメッセージの確認応答を行うために下り制御チャネルを送信することとを含み、
前記DRXスケジューリング通信プロセスは、スレーブ設備が、マスタ設備から送信されたDRX休眠命令を受信してウェイクアップ時間の計時を開始することと、スレーブ設備が、ローカルの動作状態に基づいて、休眠するかどうかを決定することと、休眠するのであれば、今回のデータ送受信処理が完了すると自動的に休眠状態に入ることと、ウェイクアップ計時が終了すると、スレーブ設備が、自動的にウェイクアップされ、マスタ設備に対する受信状態に入ることとを含み、
前記下り共有制御チャネルの通信プロセスは、マスタ設備が下り制御チャネルメッセージを送信し、スレーブ設備が上りスロット構成を読み取ることと、マスタ設備が下り共有制御チャネルメッセージを送信し、スレーブ設備が下りデータ又は命令を読み取り、下りデータタイプに基づいてフィードバックするかどうかを決定することとを含み、
前記パケットスライスプロセスは、下り共有チャネル又は上り共有チャネルに用いられるプロセスであり、スケジューリングリソースのサイズに応じて、利用可能なリソース以下の長さとなるように、パケットキューのパケットスライスを行うことと、スライスごとにデータを伝送することと、すべてのパケットを受信すると、データを復元することとを含むことを特徴とする、
送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法。
【0151】
(付記2)
MAC層フレームヘッダは、MACタイプと負荷長を含み、
MACタイプは、チャネルタイプ、ネットワーク層指示、応答指示、MIC指示及び暗号化指示を含み、
前記ネットワーク層指示は、データフレームの負荷内容がネットワーク層データであるかどうかを示すために用いられ、
応答指示におけるブロードキャストチャネル及びマルチキャストチャネルは、応答する必要がないことを特徴とする、
付記1に記載の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法。
【0152】
(付記3)
前記下り制御チャネルは、上りデータの応答、上りスロットリソースのスケジューリング、DRX休眠命令の発信及びランダムアクセス応答に用いられ、同じサブタイプのメッセージは、必ず同じ下り制御チャネル内にあり、
下り制御チャネルのメッセージのサブタイプには、USCHスケジューリング、DRXスケジューリング、登録成功応答及び上り受信応答が含まれることを特徴とする、
付記1に記載の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法。
【0153】
(付記4)
前記下り共有チャネルのMAC負荷内容は、マスタ設備アドレス、複数のスレーブ設備アドレス、及び、対応するデータ長及びデータ内容を含み、
ここで、データ内容は、情報タイプ、通信命令及び通信データを含み、
情報タイプは、通信命令長と通信データパケットスライス指示を含み、
通信命令のタイプは、スレーブ設備通信パラメータ照会、スレーブ設備動作チャネル構成、スレーブ設備通信レート構成、スレーブ設備送信電力構成及びスレーブ設備業務報告周期構成を含み、
通信データフィールドは、ネットワーク層データ又は業務データを搬送するために用いられ、パケットスライスをサポートすることを特徴とする、
付記1に記載の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法。
【0154】
(付記5)
前記上りランダム競合チャネルのMAC負荷内容は、マスタ設備アドレス、情報タイプ及びデータ内容を含み、
ここで、情報タイプは、上りリソース要求、ランダムアクセス要求及びバーストショートデータを含むことを特徴とする、
付記1に記載の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法。
【0155】
(付記6)
前記上り共有チャネルのMAC負荷内容は、マスタ設備アドレス、スレーブ設備アドレス、情報フォーマット、通信命令、リソース要求及び通信データを含み、
情報フォーマットフィールドは、通信命令の長さ、通信パケットスライス指示及びリソース要求識別子を定義し、
通信命令のタイプは、ACKフィードバックと通信パラメータ報告を含み、
通信データフィールドは、ネットワーク層データ又は業務データを搬送するために用いられ、パケットスライスをサポートすることを特徴とする、
付記1に記載の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法。
【0156】
(付記7)
センシング端末、収束ノード及びアクセスノードの接続は、ツリー状ネットワークトポロジー又はマルチホップネットワークトポロジーを採用し、
ツリー状ネットワークトポロジーを採用する場合、センシング端末、収束ノード及びアクセスノードは、所定チャネルのアップリンクとダウンリンクを介して接続し、
マルチホップネットワークトポロジーを採用する場合、ネットワークの一部の収束ノードは、中継ノードとして、アクセスノードと収束ノード又はアクセスノードとセンシング端末を接続し、
ここで、センシング端末は、マイクロパワーセンサと低電力消費センサを含み、
マイクロパワーセンサは、送変電設備のモノのインターネットにおける一方向報告センサであり、センサによって通信を開始し、短いメッセージ送信のみをサポートし、業務データのランダムなパケットロスを容認する必要があり、
低電力消費センサは、送電変電設備のモノのインターネットにおける双方向制御可能センサであり、収束ノード又はアクセスノードによって通信を開始し、長メッセージ伝送、業務データのスライス再送及びセンサのタイミング起動をサポートすることを特徴とする、
付記1に記載の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法。
【0157】
(付記8)
アクセスノードと収束ノード間のネットワーク構築のためのトポロジー構築プロセスは、アクセスノードがブロードキャストを行い、近隣収束ノードがブロードキャスト信号の強度に基づいてランダムアクセスを選択することと、ランダムアクセスに成功した場合、アクセスノードで登録を完了することと、ランダムアクセスに失敗した場合、ランダムアクセスを再開することと、アクセスノードが、すべてのノード設備のローカルエリアネットワーキングが完了するまで、配下の収束ノードのブロードキャストをスケジューリングすることを繰り返すことと、複数のアクセスノードのネットワークについて、収束ノードが、異なるアクセスノードとの通信ホップ数指標に基づいて、接続するローカルエリアネットワークを選択することとを含み、
低電力消費センサのアクセスプロセスは、事前割当登録プロセス又はランダムアクセスプロセスを採用し、マイクロパワーセンサは、ランダムアクセスプロセスを採用することを特徴とする、
付記7に記載の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法。
【0158】
(付記9)
アクセスノードと、収束ノードと、センシング端末を含み、
送変電設備のモノのインターネットにおける収束ノードとセンシング端末間の通信時、収束ノードがマスタ設備であり、センシング端末がスレーブ設備であり、アクセスノードと収束ノードの通信時に、アクセスノードがマスタ設備であり、収束ノードがスレーブ設備であり、
マスタ設備とスレーブ設備との間の通信方法は、付記1-8のいずれか一つに記載の送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信方法を採用することを特徴とする、
送変電設備のモノのインターネットにおけるノード設備の無線通信システム。
図1
図2
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図9