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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】検体採取スティック
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/10 20060101AFI20240702BHJP
   A61B 10/02 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G01N1/10 V
A61B10/02 130
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023517231
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-16
(86)【国際出願番号】 KR2021012565
(87)【国際公開番号】W WO2022060074
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-03-14
(31)【優先権主張番号】10-2020-0119514
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0017061
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0017056
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0122435
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522136957
【氏名又は名称】ビオンライフサイエンス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】高 昌 郁
(72)【発明者】
【氏名】鄭 仲 煥
(72)【発明者】
【氏名】金 奉 胤
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2015-0105281(KR,A)
【文献】中国実用新案第204049697(CN,U)
【文献】特開平11-318907(JP,A)
【文献】特表2001-522683(JP,A)
【文献】特開平05-015543(JP,A)
【文献】特開昭61-280851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/10
A61B 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の長さを有するロッドまたはバーの形態の支持部と、
前記支持部の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集する検体採取部と、を含み、
前記検体採取部は、
前記支持部の前側に結合されるハブと、
前記ハブによって支持され、前記ハブの長手方向中心軸に対して回転対称または軸対称を成す形態に前記ハブの外側に配置された多数の採取ブレードと、を含み、
多数の前記採取ブレードのそれぞれは、プレートの形態を有し、縦方向長の中間地点での横方向幅が前記ハブの外面に接する一端から他端までの縦方向長と同じかまたは縦方向長より小さく形成され、厚さが前記横方向幅より小さく形成され、
前記採取ブレードまたは前記ハブは、柔軟性または弾力性を有する材質からなることを特徴とする検体採取スティック。
【請求項2】
前記ハブの外周面で同じ円周上に配列された多数の前記採取ブレードは一つのブレードグループ(blade group)を成し、互いに隣り合う多数の前記ブレードグループのそれぞれは、隣接した他の前記ブレードグループから任意の間隔を置いて前記ハブの長手方向に離隔して前記ハブの外周面に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の検体採取スティック。
【請求項3】
互いに隣り合う前記ブレードグループにおいて、
いずれか一つの前記ブレードグループに属する採取ブレードと、隣接した他の前記ブレードグループに属する採取ブレードとが前記ハブの長手方向に平行に整列されるように前記ハブの外周面に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の検体採取スティック。
【請求項4】
互いに隣り合う前記ブレードグループにおいて、
いずれか一つの前記ブレードグループに属する前記採取ブレードが前記ハブの外周面に配置される形態は、隣接した他の一つの前記ブレードグループに属する前記採取ブレードに対して前記ハブの長手方向中心軸を中心に任意の角度だけ回転した配置形態を有することを特徴とする、請求項2に記載の検体採取スティック。
【請求項5】
多数の前記採取ブレードは、前記採取ブレードの水平面または前記採取ブレードの幅に平行な前記採取ブレードの水平方向中心軸が前記ハブの長手方向中心軸に対して任意の角度だけ傾いた形態に前記ハブの外周面上に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の検体採取スティック。
【請求項6】
前記採取ブレードは、前記縦方向長の区間の少なくとも一部区間で他側に行くほど前記横方向幅が減少するかまたは前記厚さが減少する形態に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の検体採取スティック。
【請求項7】
多数の前記採取ブレードは、前記ハブの外周面上で前記ハブの長手方向中心軸を中心とする螺旋形に配列された配置形態を成すことを特徴とする、請求項1に記載の検体採取スティック。
【請求項8】
前記検体採取部を内側に収容する検体容器の蓋に固定結合できるように、前記支持部の外周面には突出した形態の結合段または結合突起が形成されているかまたは蓋締結溝が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の検体採取スティック。
【請求項9】
任意の長さを有するロッドまたはバーの形態の支持部と、
前記支持部の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集する検体採取部と、を含み、
前記検体採取部は、
前記支持部の前側に結合されるハブと、
前記ハブによって支持され、前記ハブの長手方向中心軸に対して回転対称または軸対称を成す形態に前記ハブの外側に配置された多数の採取ブレードと、を含み、
多数の前記採取ブレードのそれぞれは、プレートの形態を有し、前記ハブの外面に接する一端から他端までの縦方向長は前記縦方向長の中間地点での横方向幅と同じかまたは横方向幅より小さく形成され、厚さが前記縦方向長より小さく形成され、
前記採取ブレードまたは前記ハブは、柔軟性または弾力性を有する材質からなることを特徴とする、検体採取スティック
【請求項10】
前記ハブの外側で同じ円周上に配列された多数の前記採取ブレードは一つのブレードグループ(blade group)を成し、
互いに隣り合う多数の前記ブレードグループのそれぞれは、隣接した他の前記ブレードグループから任意の間隔を置いて前記ハブの長手方向に離隔して前記ハブの外周面上に配置されていることを特徴とする、請求項9に記載の検体採取スティック。
【請求項11】
互いに隣り合う前記ブレードグループにおいて、
いずれか一つの前記ブレードグループに属する採取ブレードと、隣接した他の前記ブレードグループに属する採取ブレードとが前記ハブの長手方向に平行に整列されるように前記ハブの外周面上に配置されていることを特徴とする、請求項10に記載の検体採取スティック。
【請求項12】
互いに隣り合う前記ブレードグループにおいて、
いずれか一つの前記ブレードグループに属する前記採取ブレードが前記ハブの外周面に配置される形態は、隣接した他の一つの前記ブレードグループに属する前記採取ブレードに対して前記ハブの長手方向中心軸を中心に任意の角度だけ回転した配置形態を有することを特徴とする、請求項10に記載の検体採取スティック。
【請求項13】
多数の前記採取ブレードは、前記採取ブレードの水平面または前記採取ブレードの幅に平行な前記採取ブレードの水平方向中心軸が前記ハブの長手方向中心軸に対して任意の角度だけ傾いた形態に前記ハブの外周面上に配置されていることを特徴とする、請求項10に記載の検体採取スティック。
【請求項14】
前記採取ブレードは、前記縦方向長の区間の少なくとも一部区間で他側に行くほど前記横方向幅が減少するかまたは前記厚さが減少する形態に形成されていることを特徴とする、請求項9に記載の検体採取スティック。
【請求項15】
多数の前記採取ブレードは、前記ハブの外周面上で前記ハブの長手方向中心軸を中心とする螺旋形に配列された配置形態を成すことを特徴とする、請求項9に記載の検体採取スティック。
【請求項16】
前記検体採取部を内側に収容する検体容器の蓋に固定結合できるように、前記支持部の外周面には突出した形態の結合段または結合突起が形成されているかまたは蓋締結溝が形成されていることを特徴とする、請求項9に記載の検体採取スティック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検体採取スティックに関するものであり、より詳しくは被検査者の口腔または鼻腔内の唾液などの検体を採取するために被検査者の口腔及び鼻腔の唾液などを掻き出して検体を採取することができる検体採取用スティックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
微生物学的検査とは、検体が疾病を引き起こすことができる病源菌に汚染されているかを判断する検査である。すなわち、疾病の原因が微生物であると思われるとき、その診断、治療、予防法を確立するために行う検査である。微生物学的検査は、被検査者が大膓菌、腸チフス菌、ブドウ状球菌、シュードモナス菌など、疾病を引き起こすことができる病源菌に汚染されているかを判断するためのものある。
【0003】
一般的に、微生物学的検査のために、被検査者の体内から検体を採取する。採取された検体は検査のための試薬または溶液に混合された後、病源菌の存在有無を検査する。
【0004】
被検査者の唾液や体液または身体組職から検体を採取するとき、検体採取用スティック、ブラシまたはスワブ(swab)と呼ばれる器具が使用される。すなわち、検体採取用スワブを被検査者の体内に進入させ、スワブに検体をつけて引き出す方式で検体を採取することになる。
【0005】
既存の検体採取用スワブの場合、棒状のスワブの末端に円形の採取部が形成されていた。スワブの採取部には小さなサイズの微細繊維が付着されて形成された繊維層が設けられていた。このように、従来のスワブの採取部に形成された繊維層に検体が染みこむようにし、被検査者からスワブの採取部を引き出すことで検体を採取することになる。
【0006】
このように、従来は検体の採取のために使用される検体採取用スワブは、繊維層に唾液などが染みこむようにするために一定の時間以上に被検査者の口腔及び鼻腔内に挿入された状態を維持しなければならないので、被検査者の不便が大きい。なによりも、検体採取用スワブに設けられた繊維層で一部の繊維層がスワブの採取部から分離及び離脱して被検査者の体内に残ることになる問題が発生することもあった。繊維層のような異物が被検査者の体内に残ることは医学的に深刻な問題に違いない。また、従来のスワブを用いて採取される採取量が不十分であって検査の正確性が低下する場合がたびたび発生するという問題点もあった。
【0007】
したがって、このような問題点を解決することができる技術が要望されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は前述したような従来の問題点を解決するためのことであり、検体採取の際、採取される検体の採取量を増大させることができ、検体採取にかかる時間を減らすことができ、従来のスワブの繊維層を構成する繊維部分がスワブから分離されない問題が発生しない検体採取スティックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような目的を達成するための本発明の実施例による検体採取スティックは、任意の長さを有するロッドまたはバーの形態の支持部と、前記支持部の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集する検体採取部とを含み、前記検体採取部は、前記支持部の前側に結合されるハブと、前記ハブによって支持され、前記ハブの長手方向中心軸に対して回転対称または軸対称を成す形態に前記ハブの外側に配置された多数の採取ブレードとを含み、多数の前記採取ブレードのそれぞれは、プレートの形態を有し、前記縦方向長の中間地点での横方向幅が前記ハブの外面に接する一端から他端までの縦方向長と同じかまたは縦方向長より小さく形成され、厚さが前記横方向幅より小さく形成され、前記採取ブレードまたは前記ハブは、柔軟性または弾力性を有する材質からなることを一特徴とすることができる。
【0010】
ここで、前記ハブの外周面で同じ円周上に配列された多数の前記採取ブレードは一つのブレードグループ(blade group)を成し、互いに隣り合う多数の前記ブレードグループのそれぞれは、隣接した他の前記ブレードグループから任意の間隔を置いて前記ハブの長手方向に離隔して前記ハブの外周面に配置されていることを他の一特徴とすることができる。
【0011】
さらに、互いに隣り合う前記ブレードグループにおいて、いずれか一つの前記ブレードグループに属する採取ブレードと、隣接した他の前記ブレードグループに属する採取ブレードとが前記ハブの長手方向に平行に整列されるように前記ハブの外周面に配置されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0012】
もしくは、互いに隣り合う前記ブレードグループにおいて、いずれか一つの前記ブレードグループに属する前記採取ブレードが前記ハブの外周面に配置される形態は、隣接した他の一つの前記ブレードグループに属する前記採取ブレードに対して前記ハブの長手方向中心軸を中心に任意の角度だけ回転した配置形態を有することをさらに他の一特徴とすることができる。
【0013】
もしくは、多数の前記採取ブレードは、前記採取ブレードの水平面または前記採取ブレードの幅に平行な前記採取ブレードの水平方向中心軸が前記ハブの長手方向中心軸に対して任意の角度だけ傾いた形態に前記ハブの外周面上に配置されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0014】
また、前記採取ブレードは、前記縦方向長の区間の少なくとも一部区間で他側に行くほど前記横方向幅が減少するかまたは前記厚さが減少する形態に形成されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0015】
また、多数の前記採取ブレードは、前記ハブの外周面上で前記ハブの長手方向中心軸を中心とする螺旋形に配列された配置形態を成すことをさらに他の一特徴とすることができる。
【0016】
また、前記検体採取部を内側に収容する検体容器の蓋に固定結合できるように、前記支持部の外周面には突出した形態の結合段または結合突起が形成されているかまたは蓋締結溝が形成されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0017】
前記のような目的を達成するための本発明の実施例による検体採取スティックは、任意の長さを有するロッドまたはバーの形態の支持部と、前記支持部の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集する検体採取部とを含み、前記検体採取部は、前記支持部の前側に結合されるハブと、前記ハブによって支持され、前記ハブの長手方向中心軸に対して回転対称または軸対称を成す形態に前記ハブの外側に配置された多数の採取ブレードとを含み、多数の前記採取ブレードのそれぞれは、プレートの形態を有し、前記ハブの外面に接する一端から他端までの縦方向長は前記縦方向長の中間地点での横方向幅と同じかまたは横方向幅より小さく形成され、厚さが前記縦方向長より小さく形成され、前記採取ブレードまたは前記ハブは、柔軟性または弾力性を有する材質からなることを一特徴とすることができる。
【0018】
ここで、前記ハブの外側で同じ円周上に配列された多数の前記採取ブレードは一つのブレードグループ(blade group)を成し、互いに隣り合う多数の前記ブレードグループのそれぞれは、隣接した他の前記ブレードグループから任意の間隔を置いて前記ハブの長手方向に離隔して前記ハブの外周面上に配置されていることを他の一特徴とすることができる。
【0019】
さらに、互いに隣り合う前記ブレードグループにおいて、いずれか一つの前記ブレードグループに属する採取ブレードと、隣接した他の前記ブレードグループに属する採取ブレードとが前記ハブの長手方向に平行に整列されるように前記ハブの外周面上に配置されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0020】
もしくは、互いに隣り合う前記ブレードグループにおいて、いずれか一つの前記ブレードグループに属する前記採取ブレードが前記ハブの外周面に配置される形態は、隣接した他の一つの前記ブレードグループに属する前記採取ブレードに対して前記ハブの長手方向中心軸を中心に任意の角度だけ回転した配置形態を有することをさらに他の一特徴とすることができる。
【0021】
また、多数の前記採取ブレードは、前記採取ブレードの水平面または前記採取ブレードの幅に平行な前記採取ブレードの水平方向中心軸が前記ハブの長手方向中心軸に対して任意の角度だけ傾いた形態に前記ハブの外周面上に配置されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0022】
ここで、前記採取ブレードは、前記縦方向長の区間の少なくとも一部区間で他側に行くほど前記横方向幅が減少するかまたは前記厚さが減少する形態に形成されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【0023】
ここで、多数の前記採取ブレードは、前記ハブの外周面上で前記ハブの長手方向中心軸を中心とする螺旋形に配列された配置形態を成すことをさらに他の一特徴とすることができる。
【0024】
前記検体採取部を内側に収容する検体容器の蓋に固定結合できるように、前記支持部の外周面には突出した形態の結合段または結合突起が形成されているかまたは蓋締結溝が形成されていることをさらに他の一特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明による検体採取スティックは、既存の検体採取用スワブの製造過程で要求されるフロッキング(flocking)工程が不要であるので、検体採取スティックの製造コストを節減することができ、検体採取スティックに繊維層がないので、既存の検体採取用スワブのように、繊維層部分が取れて被検査者の体内に残ることになる問題が発生するおそれがなく、検査の安全性を向上させる効果がある。
【0026】
また、本発明による検体採取スティックは、被検査者の体内から採取される検体の採取量を増大させ、さらに従来のスワブのように繊維層に検体が染みこむのにかかる吸収時間が不要であるので、検体採取にかかる時間を減らす。よって、検体採取にかかる時間を短縮することができ、検体採取の際、被検査者の不便さを軽減することができ、検体の採取量の増大によって検査の正確度を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施例による検体採取スティックを概略的に示す側面図である。
図2】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部部分を概略的に示す側面図である。
図3】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部部分を概略的に示す正面図である。
図4】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部部分を概略的に示す斜視図である。
図5】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部のハブ及び一つの採取ブレードを概略的に示す図である。
図6】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部のハブ及び採取ブレードの側断面を概略的に示す概念図である。
図7】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部のハブ及び採取ブレードの側断面を概略的に示す概念図である。
図8】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて採取ブレードがハブに他の形態に配置されたものを概略的に示す側面図である。
図9】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて採取ブレードがハブに他の形態に配置されたものを正面から概略的に示す図である。
図10】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて採取ブレードがハブに他の形態に配置されたものを概略的に示す斜視図である。
図11】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部の一部を概略的に示す概念図である。
図12】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部の一部を概略的に示す概念図である。
図13】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部の一部を概略的に示す概念図である。
図14】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部を仮想の平面形態に広げたものを概略的に示す概念図である。
図15】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部を仮想の平面形態に広げたものを概略的に示す概念図である。
図16】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて採取ブレードがハブにさらに他の形態に配置されたものを正面から概略的に示す図である。
図17】本発明の実施例による検体採取スティックにおいて採取ブレードがハブにさらに他の形態に配置されたものを概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は多様な変換を加えることができ、さまざまな実施例を有することができるが、特定の実施例を図面に例示しながら詳細に説明しようとする。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変換、均等物や代替物を含むものと理解しなければならない。本実施例は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供するものである。したがって、図面に示す各要素の形状はより明らかな説明を強調するために誇張されていることがあり、本発明の説明において、関連した公知の技術についての具体的な説明が本発明の要旨をあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略することができる。
【0029】
第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用することができるが、構成要素はその用語によって限定されてはいけない。用語は一構成要素を他の構成要素と区別して説明し、理解する目的で使用する。
【0030】
本発明で使用する用語は単に特定の実施例を説明するために使用したものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に指示しない限り、複数の表現を含む。
【0031】
本発明で、「含む」または「有する」などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組合せなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0032】
以下、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。しかし、本発明はさまざまな相異なる形態に具現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。明細書全般にわたって類似の部分に対しては同じ図面符号を使うこともできる。
【0033】
以下、図面を参照して本発明の実施例による検体採取スティックについて説明する。
【0034】
図1は本発明の実施例による検体採取スティックを概略的に示す側面図である。
【0035】
図1を参照すると、本発明の実施例による検体採取スティックは、支持部200及び検体採取部300を含み、取っ手部100をさらに含むことができる。
【0036】
まず、支持部200はロッド(rod)またはバー(bar)の形態を有し、図面で参照できるように、任意の長さを有している。支持部200の前端には検体採取部300が結合されて位置している。支持部200は検体採取部300を支持する。支持部200の後側には取っ手部100が連結されている。支持部200は、検体採取部300が被検査者の体内に進入することができるように支持する。
【0037】
支持部200は検体採取部300が被検査者の体内に進入して検体を採取することができるように支持することができれば十分であり、特定の形態に限定されるものではない。
【0038】
また、支持部200は、伝達される力によって柔軟に変形できるとともに元の形態に戻ることができるように柔軟性及び弾力性を有する高分子素材からなることが好ましい。
【0039】
一方、検体容器(図示せず)に保管された検体採取スティック10の検体採取部300及び支持部200を引き出すとき、ピンセットのような道具を用いて取り出す場合、事前にピンセットを洗浄し、検体採取スティック10の支持部200をピンセットでつまんで検体容器から取り出した後、検査者が意図する位置に検体採取スティック10の検体採取部300及び支持部200が置かれれば、使用したピンセットをまた洗浄しなければならない。
【0040】
このように、検体容器から検体採取スティックを引き出す過程で使用したピンセットを毎度洗浄しなければならないので、検体に対する検査作業の効率を低下させる要因として作用することもある。よって、ピンセットを用いなくても検体容器から検体採取スティック10の検体採取部300及び支持部200を引き出すことができるように、次のような構成を備えることもできる。
【0041】
すなわち、支持部200の外面に検体容器のカバーまたは蓋が固定結合できるように、外面から突出した形態の結合段または結合突起210が形成される形態が可能である。
【0042】
検体容器(図示せず)のカバーまたは蓋(図示せず)の内側には、検体採取スティックの支持部200が検体容器のカバーまたは蓋(図示せず)に固定できるように、固定溝または嵌合段(図示せず)が設けられることができる。検体容器のカバーまたは蓋の内側に設けられた固定溝または嵌合段に、支持部の結合段または結合突起210と噛み合うか結合される方式で結合できる。
【0043】
このように、検体容器のカバーまたは蓋に支持部200が固定できるので、ピンセットのような器具を用いなくても、検体容器のカバーまたは蓋をオープンさせると、検体容器の蓋またはカバーとともに支持部200を検体容器から容易に取り出すことができるので好ましい。
【0044】
図1では、このような結合段または結合突起210の例示的な形態として、支持部200の外側面上に円周方向に沿って形成されたリング状の結合段または結合突起210を示した。図1で参照できるように、支持部200の後側にリングの形態に形成された一つまたは多数の結合段または結合突起210が支持部200の外側面上に設けられることも好ましい。
【0045】
このように、検体容器のカバーに支持部200が結合できれば、利用上の便宜性が増大することができるので好ましい。
【0046】
前述したように、支持部200の後側には取っ手部100が位置している。すなわち、支持部200の後端が取っ手部100と連結されている。
【0047】
取っ手部100は支持部200の後端に連結され、検査者の手または指によって把持できるように、一定の長さを有している。
【0048】
図面で参照できるように、取っ手部100は一定の長さを有するロッドまたはバーの形態を有している。このような取っ手部100は検査者の手または指によって把持される。検査者は取っ手部100を用いて検体採取部300を被検査者の体内に進入または挿入させるコントロールを行うことができる。
【0049】
したがって、取っ手部100を用いた検査者のコントロールにより、検体採取部300は被検査者の口腔や鼻腔などを通して体内に進入または挿入できる。
【0050】
図面で参照できるように、取っ手部100と支持部200の後端との間には、取っ手部100と支持部200とを区別することができる分節のような分節溝120が設けられていることが好ましい。すなわち、取っ手部100及び支持部200の間には、取っ手部100と支持部200とが分離できるように、分節溝120が設けられていることが好ましい。
【0051】
使用者である検査者の意図に応じて被検査者の体内から検体採取部300が引き出されると、検体容器に検体採取部300及び支持部200を収容させる。
【0052】
ここで、敢えて取っ手部100を検体容器に収容させる必要がないので、支持部200から取っ手部100を分離することが好ましい。よって、支持部200と取っ手部100とが検査者の必要に応じて分離できるように、図面で参照できるように、支持部200と取っ手部100との間に分節または分節溝120が設けられていることが好ましい。
【0053】
支持部200と取っ手部100とが分離された後、前述したように、支持部200が検体容器のカバーまたは蓋に結合できる。検体採取部を内側に収容する検体容器のカバーまたは蓋に固定結合できるように、前記支持部の外周面には突出した形態の結合段または結合突起210が形成されているかまたは蓋締結溝が形成されていることが好ましい。
【0054】
検体採取部300は支持部200の前端に位置し、被検査者の体内に挿入または進入されて検体と接触する部分であって、検体を採取する部分である。検体採取部300についての説明及び理解の便宜のために図2図4をもっと参照する。
【0055】
図2は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部部分を概略的に示す側面図であり、図3は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部部分を概略的に示す正面図であり、図4は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部部分を概略的に示す斜視図である。
【0056】
図2図4をもっと参照すると、検体採取部300は支持部200の前端に位置し、被検査者の体内で接触する検体を採集または採取する。このような検体採取部300は、ハブ310及び多数の採取ブレード320を含む。
【0057】
ハブ310は支持部200の前側に結合される。ハブ310の長手方向中心軸と支持部200の長手方向中心軸とが一致するようにハブ310と支持部200とが結合されることが好ましい。ハブ310は、支持部200の前方部分がハブ310の内側に挿入される方式で支持部200と結合または形成される。そして、ハブ310の外側に配置された採取ブレード320を支持する。
【0058】
採取ブレード320はハブ310によって支持され、ハブ310の長手方向中心軸に対して回転対称または軸対称を成す形態にハブ310の外周面上に多数が配置されている。
【0059】
すなわち、検体採取部300は、接触する検体が付くかホールディングされて被検査者の体外に引き出されることができるように、少なくとも一つ以上の採取ブレード320を含む。
【0060】
また、図面で参照できるように、多数の採取ブレード320の一部分である一端がハブ310に結合されるように形成されている。このように形成された多数の採取ブレード320はハブ310によって支持される。すなわち、採取ブレード320は一端がハブ310の外面上に連結されるように形成され、ハブ310によって支持される。
【0061】
ハブ310は柔軟性または弾力性を有する材質からなることが好ましい。すなわち、柔軟性及び弾力性を有する高分子素材またはエラストマー材質から形成できる。
【0062】
採取ブレード320を支持するハブ310は支持部200の前方部分と結合される。そして、ハブ310は支持部200によって支持される。ハブ310の長手方向中心軸は支持部200の長手方向中心軸と一致することが好ましい。
【0063】
ハブ310は、図面で参照できるように、断面円形の棒の形態を有することができるが、これに限定されるものではない。
【0064】
採取ブレード320は、検体と接触することができるように、ハブ310または支持部200の中心軸から外側方向に、すなわち、遠心方向に任意のサイズに突出するように形成されている。
【0065】
ここで、図5及び図6をもっと参照して採取ブレードについて説明する。
【0066】
図5は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部のハブ及び一つの採取ブレードを概略的に示す図であり、図6は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部のハブ及び採取ブレードの側断面を概略的に示す概念図である。ここで、図5及び図6では、説明及び理解の便宜のために、ハブの一部分に結合された一つの採取ブレードのみを示したことを明かしておく。
【0067】
多数の採取ブレード320のそれぞれはプレートの形態を有している。そして、図5に概略的に示すように、プレートの形態を有する多数の採取ブレード320のそれぞれは、縦方向長L0の中間地点CPでの横方向幅WCがハブ310の外面に接する一端から他端までの縦方向長L0と同じかまたは縦方向長L0より小さく形成され、厚さT0が横方向幅WCより小さく形成される。
【0068】
すなわち、採取ブレード320は、横方向幅WCが縦方向長L0と同じかまたは縦方向長L0より小さい。そして、厚さT0が横方向幅WCより小さい。
【0069】
例えば、採取ブレード320の縦方向長L0は横方向幅WCの1~3倍であることが好ましい。
【0070】
図5で、図面符号LCは縦方向長L0の中間地点CPから他端までの縦方向長区間を示すものであり、縦方向長L0の半長に相当する。参考までに、図面符号CLは採取ブレード320の縦方向中心軸を示すものである。
【0071】
そして、縦方向長L0の区間の少なくとも一部区間LDで他側に行くほど横方向幅WD、WEが減少する形態を有することが好ましい。
【0072】
ここで、図面符号WDは、採取ブレード320において縦方向長L0の区間の少なくとも一部区間LDで他側に行くほど横方向幅が減少し始める地点での横方向幅WDを示すものであり、図面符号WEは採取ブレード320の他端での横方向幅WEを示すものである。
【0073】
このように、採取ブレード320の横方向幅がWD>WC>WEのように減少する形態を有することが好ましい。
【0074】
採取ブレード320の厚さは、図6で参照できるように、採取ブレード320の一端から他端までの厚さが一様であることも好ましく、図7で参照できるように、一部分で厚さが減少する形態を有することも好ましい。
【0075】
図7は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部のハブ及び採取ブレードの側断面を概略的に示す概念図である。図7でも、説明及び理解の便宜のために、ハブ310の一部分に結合された一つの採取ブレード320のみを示したことを明かしておく。
【0076】
図7で参照できるように、採取ブレード320において縦方向長L0の区間の少なくとも一部区間LD2で他側に行くほど厚さT0、TEが減少する形態に形成されることも可能である。
【0077】
ここで、図面符号T0は採取ブレード320において縦方向長L0の区間の少なくとも一部区間LD2で他側に行くほど厚さが減少し始める地点での厚さT0を示すものであり、図面符号TEは採取ブレード320の他端での厚さTEを示すものである。
【0078】
よって、縦方向長L0の区間の少なくとも一部区間LD2での厚さがT0からTEに減少する形態に形成されることも好ましい。他に表現すると、厚さがテーパー状に形成されることも好ましい。
【0079】
このように、採取ブレード320は縦方向長L0の区間の少なくとも一部区間LDで他側に行くほど横方向幅WDが減少するかまたは厚さT0、TEが減少する形態に形成されることが好ましい。
【0080】
採取ブレード320の厚さは0.1mm~1mmの範囲に属することが好ましく、0.2mm~0.8mmの範囲に属することがより好ましい。
【0081】
このように、図5で参照される採取ブレードの形態も好ましく、次のような形態を有する採取ブレードも充分に可能である。
【0082】
すなわち、プレートの形態を有する採取ブレードは、ハブの外面に接する一端から他端までの縦方向長が前記縦方向長の中間地点での横方向幅と同じかまたは横方向幅より小さく形成され、厚さが前記縦方向長より小さく形成されることも充分に可能であり、これも好ましい。
【0083】
すなわち、採取ブレード320の縦方向長L0が横方向幅WCと同じかまたは横方向幅WCより小さく、厚さT0が縦方向長より小さく形成されることも可能である。
【0084】
例えば、採取ブレード320の横方向幅は縦方向長の1~2倍であることが好ましい。
【0085】
採取ブレード320は、少なくとも一側面が曲面または平面になったプレートの形態を有することができる。すなわち、採取ブレード320の表面の少なくとも一部分が曲面または平面になることも可能である。また、プレート形態を有する採取ブレードの外縁角部分が丸く曲線または曲面の形態になることも好ましい。
【0086】
プレート形態を有する採取ブレード320の外縁角部分が丸く曲線または曲面の形態になれば、採取過程で体内に傷が発生するおそれを抑制させることができるので好ましい。
【0087】
そして、前述したように、採取ブレード320またはハブ310は柔軟性または弾力性を有する材質からなることが好ましい。すなわち、採取ブレード320またはハブ310は柔軟性及び弾力性を有する高分子素材またはエラストマー材質から形成できる。
【0088】
そして、図面で参照できるように、このようなハブ310の外周面の一つの同じ円周上に多数の採取ブレード320が配置または配列される。図2及び図3で参照できるように、一つの同じ円周上に6個の採取ブレード320が配置された形態を例として示したが、採取ブレード320の個数は特に限定されるものではない。
【0089】
このように、ハブ310の一つの同じ外周面上に配置または配列される多数の採取ブレード320は、一つのブレード組(crew)またはブレードグループ(blade group)を成すと言える。参考までに、ここで、円周の中心は、図面で参照できるように、ハブの長手方向中心軸上に円周の中心がある。
【0090】
そして、このようなブレードグループは、図2または図4で参照できるように、ハブ310の中心軸長手方向に任意の間隔を置いて離隔して多数が配置される。
【0091】
多数のブレードグループはハブ310の長手方向の中心軸方向に沿って順次配列される形態を有していると言える。
【0092】
互いに隣り合う多数のブレードグループのそれぞれは隣接した他のブレードグループに対して任意の間隔を置いてハブの長手方向に離隔してハブ310の外周面上に配置されることが好ましい。もちろん、各ブレードグループの間の間隔が一定した形態も好ましい。
【0093】
図2で参照できるように、互いに隣り合うブレードグループは離隔している。離隔したブレードグループの間の空間に流入または進入する検体が採取ブレード320またはハブ310の表面に接触するかまたは付くようになる。よって、検体周辺の採取ブレード320及びハブ310の表面によってホールディングされる効果が現れる。
【0094】
さらに、図8図10で参照されるような応用実施形態も充分に可能である。
【0095】
図8は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて採取ブレードがハブに他の形態に配置されたものを概略的に示す側面図であり、図9は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて採取ブレードがハブに他の形態に配置されたものを正面から概略的に示す図面であり、図10は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて採取ブレードがハブに他の形態に配置されたものを概略的に示す斜視図である。
【0096】
図8図10で参照できるように、一つのブレードグループにおいて採取ブレード320が配置された位置は一つのブレードグループに隣接したブレードグループにおいて採取ブレード320が配置された位置と異なるように形成されている。
【0097】
すなわち、前述した図2図4では、いずれか一つのブレードグループの採取ブレード320と隣接したブレードグループの採取ブレード320とは一列を成すように整列されているが、図8図10では、採取ブレード320が整列されず、ハブ310の長手方向中心軸を中心に任意の角度だけ回転した配置形態を有している。
【0098】
このように、ブレードグループごとに採取ブレード320が形成された位置が異なるように形成される形態も充分に可能であり、かつ好ましい。
【0099】
ここで、図8で参照できるように、図面符号aが指示するブレードグループの採取ブレード320と図面符号bが指示するブレードグループの採取ブレード320とはハブ310の長手方向中心軸を中心に任意の角度だけ回転すれば互いに整列される軸対称または回転対称を成している。
【0100】
そして、図面符号aが指示するブレードグループと図面符号bが指示するブレードグループとは、図8図10で参照できるように、互いに交互に現れるように配置される。このように、多数の採取ブレード320がハブ310に結合された方向が互いに異なるように配置されているブレードグループがハブ320の軸方向に沿って交互に現れる形態に構成されたものも検体の採取量を増大させるのに役立ち、かつ好ましい。
【0101】
次に、図11図13を参照して採取ブレードがハブに結合される形態を説明する。
【0102】
図11図13は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部の一部分、すなわち、ハブ310に採取ブレード320が結合される形態を概略的に示す概念図である。
【0103】
理解及び説明の便宜のために、図13図15ではハブ310に結合された一つの採取ブレード320のみを示したことを明かしておく。
【0104】
図11で参照できるように、ハブ310の長手方向中心軸に対して採取ブレード320の水平方向中心軸が互いに直交する形態に結合されることも可能である。ここで、水平方向中心軸は、先に図5で説明した横方向幅WCの方向と同一であるかまたは横方向幅WCの方向に平行である。
【0105】
また、多数の採取ブレードの水平方向中心軸がハブの長手方向中心軸に対して任意の角度をなすように傾いて形成されることも充分に可能であり、かつ好ましい。
【0106】
図12で参照できるように、採取ブレード320の水平方向中心軸がハブ310の長手方向中心軸に対して任意の角度(θ)だけ右上方に傾くように採取ブレード320がハブ310の表面に形成される形態も好ましく、図13で参照できるように、採取ブレード320の水平方向中心軸がハブ310の長手方向中心軸に対して任意の角度(θ)だけ右下方に傾くように採取ブレード320がハブ310の表面に形成される形態も好ましい。
【0107】
このように、採取ブレード320の水平軸または水平面がハブ310の長手方向中心軸に対して任意の角度だけ傾くように多数の採取ブレード320が結合される形態も好ましい。
【0108】
図14及び図15は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて検体採取部を平面形態に広げたものを概略的に示す概念図である。
【0109】
理解及び説明の便宜のために、同じ行(row)に6個の採取ブレード320が配置されて一つのブレードグループを成し、このようなブレードグループが4個配置された例示的な形態を概略的に示すものであり、縦断面が円形であるハブ310の外表面を平面的に広げた場合に見える平面的形状を概略的に示すものである。
【0110】
ここで、図14及び図15の図面符号Aはハブ310の表面上の任意の一点を示すものであり、左側のA点と右側のA点とが触れ合うように曲げれば、前述したようなハブの形態になると言える。
【0111】
まず、図14で参照できるように、第1行row1に属する6個の採取ブレード320は一つのブレードグループを構成する。そして、第2行row2、第3行row3及び第4行row4もそれぞれ6個の採取ブレードが一つのブレードグループを構成する。
【0112】
第1行row1に属する6個の採取ブレード320と第3行row3に属する6個の採取ブレード320とは、先に図12で説明したように、ハブ310の中心軸に対してそれぞれの採取ブレード320が任意の角度に右上方に傾くように結合されたものである。
【0113】
そして、第2行row2に属する6個の採取ブレード320と第4行row4に属する6個の採取ブレード320とは、先に図13で説明したように、ハブ310の中心軸に対してそれぞれの採取ブレード320が任意の角度に右下方に傾くように結合されたものである。
【0114】
このように、図14または図15で参照できるように、一つのブレードグループに属する採取ブレード320が傾くように結合された方向と、隣接した他のブレードグループに属する採取ブレード320が傾くように結合された方向とが互いに異なるようにそれぞれの採取ブレード320をハブ310の表面上に配置した形態が可能であり、かつ好ましい。
【0115】
このように、いずれか一つのブレードグループに属する採取ブレード320の勾配角が隣接した他のブレードグループに属する採取ブレード320の勾配角とは異なる角度を有するように形成されることも好ましい。
【0116】
そして、図14で参照できるように、それぞれの採取ブレード320は一つの列にすべてが共通して属している。すなわち、採取ブレード320がハブ310の中心軸の長手方向に整列された状態に配置されている。
【0117】
図14の応用形態として、図15で参照できるように、第1行row1に属する6個の採取ブレード320と第3行row3に属する6個の採取ブレード320とは、先に図12で説明したように、ハブ310の中心軸に対してそれぞれの採取ブレード320が任意の角度に右上方に傾くように結合されたものである。
【0118】
そして、図面符号Col1’が指示する列のように、第1行row1に属する採取ブレード320と第3行row3に属する採取ブレード320とが一列に整列されている。
【0119】
そして、第2行row2に属する6個の採取ブレード320と第4行row4に属する6個の採取ブレード320とは、先に図13で説明したように、ハブ310の中心軸に対してそれぞれの採取ブレード320が任意の角度に右下方に傾くように結合されたものである。ここで、図面符号Col2が指示する列のように、第2行row2に属する採取ブレード320と第4行row4に属する採取ブレード320とが一列に整列されている。
【0120】
そして、第1行row1に属する採取ブレード320と第2行row2に属する採取ブレード320とは整列されていない配置を示す。このように採取ブレード320が配列される形態も充分に可能であり、かつ好ましい。
【0121】
このように、ハブ310及び多数の採取ブレード320を備えるので、従来のスワブに比べて、図面で参照できるように、検体採取部300の表面積が増大する。
【0122】
そして、前述したように、多数の採取ブレード320のそれぞれは柔軟性及び弾力性を有する。したがって、多数の採取ブレード320のそれぞれは被検査者の体内で身体組職と接するようになる。検査者が取っ手部100を介して検体採取部300を被検査者の体内で掻き回すかまたは掻き出す動きを実施することで、採取ブレード320は検体がある身体組職部分に接して掻き出すようになり、その結果、検体が採取ブレード320の表面に付くかまたは互いに隣り合う採取ブレード320の間の間隔にホールディングされる。
【0123】
すなわち、検体採取部300が被検査者の体内に挿入された状態で、採取ブレード320の表面とこれに隣接した採取ブレード320との間に離隔した間隔に検体が付くかまたはホールディングされることで、検体採取部300が被検査者の体外に引き出されるとき、検体が検体採取部300に残存するようになる。このように互いに隣り合う採取ブレード320の間の間隔を採取空間または採取間隔ともいえる。
【0124】
採取ブレード320のサイズは、鼻腔、口腔、肛門または子宮頸部のように被検査者の体内に挿入される部位によって設定されたサイズに成形製造されることが好ましい。そして、採取ブレード320及びハブ310を含む検体採取部300は柔軟性及び弾力性を有する高分子材質またはエラストマーから形成できる。
【0125】
このように、本発明の実施例による検体採取スティックは、検体採取部300に含まれた多数の採取ブレード320によって採取される検体の量が従来の検体採取用スワブよりも相対的に多くなる。
【0126】
したがって、被検査者から採取される検体の採取量を増大させることができ、採取された検体が検体採取スティックから試薬または固定溶液に溶解または分散する量を増大させることができる。
【0127】
参考までに、図16及び図17で参照できるように、応用形態も充分に可能である。
【0128】
図16は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて採取ブレードがハブにさらに他の形態に配置されたものを正面から概略的に示す図であり、図17は本発明の実施例による検体採取スティックにおいて採取ブレードがハブにさらに他の形態に配置されたものを概略的に示す斜視図である。
【0129】
図16及び図17で参照できるように、多数の採取ブレード321は、ハブ310の外周面上でハブ310の長手方向中心軸AXを中心とする螺旋形に配列された配置形態を成すことができる。
【0130】
このように配列された多数の採取ブレード321において、互いに隣り合う採取ブレード321の間に離隔した空間に検体が付いてホールディングできる。したがって、このように多数の採取ブレード321がハブ310の外周面上に螺旋形に配列された配置形態も好ましい。
【0131】
図16及び図17の採取ブレード321は横方向幅が縦方向長より大きく形成されたものを例として示したが、これに限定されるものではなく、縦方向長が横方向幅より小さく形成されることも充分に可能である。
【0132】
以上で説明したように、本発明の実施例による検体採取スティックは、検体採取部に含まれた多数の採取ブレードと、互いに隣り合う採取ブレードの間に離隔した間隔とによって採取される検体の量が従来の検体採取用スワブよりも大きく増加する。
【0133】
このように、本発明による検体採取スティックは、既存の検体採取用スワブの製造過程で要求されるフロッキング(flocking)工程が不要であるので、検体採取スティックの製造コストを節減することができ、検体採取スティックに繊維層がないので、既存の検体採取用スワブのように繊維層部分が取れて被検査者の体内に残ることになる問題が発生するおそれがないという利点がある。
【0134】
また、本発明による検体採取スティックは、従来のスワブに比べて被検査者から採取される検体の採取量を増大させることができ、採取された検体が検体採取スティックから試薬または固定溶液に溶解または分散する量を増大させることができるという利点があり、検体の採取量が増大することによって検査の正確度を向上させることができる利点がある。
【0135】
さらに、本発明による検体採取スティックは、検体採取にかかる時間を減らすことができ、検体採取の際、被検査者の不便さを軽減することができる。そして、被検査者の口腔または鼻腔に挿入される検体採取部が柔軟性及び弾力性を有する高分子材質またはエラストマー素材から形成されるので、使用者の不便さを減少させることができる利点もある。
【0136】
以上で説明したように、本発明についての具体的な説明は添付図面を参照する実施例に基づいて開示したが、上述した実施例は本発明の好適な実施例を例として説明しただけであるので、本発明が前記実施例にのみ限定されるものと理解してはいけなく、本発明の権利範囲は後述する特許請求の範囲及びその等価概念によって理解されなければならない。
【符号の説明】
【0137】
100 取っ手部
200 支持部
300 検体採取部
310 ハブ
320 採取ブレード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17