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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】記録材搬送装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/38 20060101AFI20240702BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B65H5/38
G03G15/00 445
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019202612
(22)【出願日】2019-11-07
(65)【公開番号】P2021075355
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】蝶名林 勇哉
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-180864(JP,A)
【文献】特開2006-069732(JP,A)
【文献】特開2018-095427(JP,A)
【文献】特開2016-222384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/38
B65H 1/26
G03G 15/00
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材を搬送する搬送手段と、
鉛直方向と交差する方向へ延びるように配置され搬送が停止された記録材を下方から支持する支持部材であって、下降可能に設けられ、下降に伴い、当該交差する方向における一端部および他端部の両者が下降するとともに当該一端部が当該他端部よりも下方に位置するように傾斜する支持部材と、
を備える記録材搬送装置であり、
前記支持部材の前記一端部側に設けられ且つ当該支持部材に連動するように設けられ、当該支持部材が下降する際、前記記録材搬送装置の本体側により案内される第1被案内部と、
前記支持部材の前記他端部側に設けられ且つ当該支持部材に連動するように設けられ、当該支持部材が下降する際、前記本体側により案内される第2被案内部と、
を備え、
前記第1被案内部は、下降する際、直線状の移動経路に沿って移動し、
前記第2被案内部は、下降する際、直線状の移動経路に沿って移動し、
前記第1被案内部が移動する前記移動経路の水平方向に対する傾斜角度の方が、前記第2被案内部が移動する前記移動経路の水平方向に対する傾斜角度よりも大きいことを特徴とする記録材搬送装置。
【請求項2】
側部に開口が設けられ、前記搬送手段および前記支持部材を収容する筐体をさらに備え、
前記支持部材は、前記一端部側を先頭として、鉛直方向と交差する方向へ且つ前記開口が設けられている側へ移動可能に設けられている請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項3】
前記支持部材は、前記傾斜した状態で、前記交差する方向へ且つ前記開口が設けられている側へ移動可能に設けられている請求項2に記載の記録材搬送装置。
【請求項4】
前記支持部材を、鉛直方向と交差する方向へ且つ前記開口が設けられている側へ移動させると、当該開口を通じて当該支持部材の前記一端部が前記筺体の外部へ出る請求項2に記載の記録材搬送装置。
【請求項5】
前記支持部材を下降させると、前記一端部の方が前記他端部よりも先に下降を開始する請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項6】
前記支持部材を下降させると、水平方向に対する当該支持部材の傾斜角度が次第に大きくなり、その後、水平方向に対する当該支持部材の傾斜角度が次第に小さくなる請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項7】
前記支持部材を最も下降させると、当該支持部材が水平方向に沿うようになる請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項8】
前記支持部材を下方から支持する支持部を更に備え、
前記支持部材を鉛直方向と交差する方向へ移動させることで、前記支持部による当該支持部材の支持が解除され、当該支持部材の下降が可能になる請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項9】
側部に開口が設けられ、前記搬送手段および前記支持部材を収容する筐体をさらに備え、
前記支持部材を前記交差する方向へ且つ前記開口が設けられている側へ移動させることで、前記支持部による当該支持部材の支持が解除される請求項8に記載の記録材搬送装置。
【請求項10】
側部に開口が設けられ、前記搬送手段および前記支持部材を収容する筐体をさらに備え、
記録材を収容する収容容器を前記開口を通じて前記筺体の内部に入れると、下降した状態にある前記支持部材が、当該収容容器から力を受けて上方へ移動する請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項11】
側部に開口が設けられた筺体と、
前記筺体内に設けられ、記録材を搬送する搬送手段と、
鉛直方向と交差する方向へ延びるように配置され搬送が停止された記録材を下方から支持する支持部材であって、下降可能に設けられ、下降に伴い、当該交差する方向における一端部および他端部の各々が下降するとともに、前記開口側に位置する当該一端部の方が当該開口から離れた側に位置する当該他端部よりも先に下降を開始する支持部材と、
を備える記録材搬送装置であり、
前記支持部材の前記一端部側に設けられ且つ当該支持部材に連動するように設けられ、当該支持部材が下降する際、前記記録材搬送装置の本体側により案内される第1被案内部と、
前記支持部材の前記他端部側に設けられ且つ当該支持部材に連動するように設けられ、当該支持部材が下降する際、前記本体側により案内される第2被案内部と、を備え、
前記第1被案内部は、下降する際、直線状の移動経路に沿って移動し、
前記第2被案内部は、下降する際、直線状の移動経路に沿って移動し、
前記第1被案内部が移動する前記移動経路の水平方向に対する傾斜角度の方が、前記第2被案内部が移動する前記移動経路の水平方向に対する傾斜角度よりも大きいことを特徴とする記録材搬送装置。
【請求項12】
前記一端部を先頭として、鉛直方向と交差する方向へ且つ前記開口が設けられている側へ前記支持部材が移動可能となっている請求項11に記載の記録材搬送装置。
【請求項13】
前記第1被案内部が下降する際、当該第1被案内部は、鉛直方向に沿って移動する請求項11に記載の記録材搬送装置。
【請求項14】
側部に開口が設けられた筺体と、
前記筺体内に設けられ、記録材を搬送する搬送手段と、
鉛直方向と交差する方向へ延びるように配置され搬送が停止された記録材を下方から支持する支持部材であって、下降可能に設けられ、下降に伴い、当該交差する方向における一端部および他端部の各々が下降するとともに、前記開口側に位置する当該一端部の方が当該開口から離れた側に位置する当該他端部よりも先に最下端部へ達する支持部材と、
を備える記録材搬送装置であり、
前記支持部材の前記一端部側に設けられ且つ当該支持部材に連動するように設けられ、当該支持部材が下降する際、前記記録材搬送装置の本体側により案内される第1被案内部と、
前記支持部材の前記他端部側に設けられ且つ当該支持部材に連動するように設けられ、当該支持部材が下降する際、前記本体側により案内される第2被案内部と、を備え、
前記第1被案内部は、下降する際、直線状の移動経路に沿って移動し、
前記第2被案内部は、下降する際、直線状の移動経路に沿って移動し、
前記第1被案内部が移動する前記移動経路の水平方向に対する傾斜角度の方が、前記第2被案内部が移動する前記移動経路の水平方向に対する傾斜角度よりも大きいことを特徴とする記録材搬送装置。
【請求項15】
前記第1被案内部が最下端部に達した後に、鉛直方向と交差する方向へ且つ前記開口が設けられている側へ前記支持部材を移動させることができるようになり、
前記第1被案内部が前記最下端部に達し、前記支持部材が前記交差する方向へ且つ前記開口が設けられている側へ移動される際、当該支持部材は水平方向に対して傾斜している請求項14に記載の記録材搬送装置。
【請求項16】
前記記録材搬送装置の本体側に設けられ、前記第1被案内部を案内する第1案内部と、
前記記録材搬送装置の本体側に設けられ、前記第2被案内部を案内する第2案内部と、をさらに備え、
前記第1案内部は、前記交差する方向に延び、かつ前記第1被案内部が下降する前に当該第1被案内部を案内する第1水平部を備え、
前記第2案内部は、前記交差する方向に延び、かつ前記第2被案内部が下降する前に当該第2被案内部を案内する第2水平部を備え、
前記第1被案内部が傾斜する前記直線状の移動経路に沿って移動を開始した際に、前記第2被案内部が前記第2水平部に位置し、前記第1被案内部が前記直線状の移動経路に沿ってさらに移動すると、当該第2被案内部が傾斜する前記直線状の移動経路における移動を開始する
ことを特徴とする請求項1、11、14の何れかに記載の記録材搬送装置。
【請求項17】
記録材へ画像を形成する画像形成手段と、記録材を搬送する記録材搬送装置と、を備え、当該記録材搬送装置が請求項1乃至16の何れかに記載の記録材搬送装置を含んで構成された画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、分離パッドが取り付けられた第1搬送ガイドが、装置本体に固定され、第2搬送ガイドが、搬送位置と退避位置との間を移動可能に設けられている構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-86039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録材の搬送を行う装置では、搬送が停止された記録材を下方から支持する支持部材が設けられることがある。また、この支持部材が下降可能に設けられ、停止している記録材がこの支持部材上に載った状態で、この支持部材が下降することもある。
本発明の目的は、記録材を下方から支持する支持部材が水平状態を保ったまま下降する場合に比べ、装置内部にて停止した記録材の除去をより行いやすいものにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、記録材を搬送する搬送手段と、鉛直方向と交差する方向へ延びるように配置され搬送が停止された記録材を下方から支持する支持部材であって、下降可能に設けられ、下降に伴い、当該交差する方向における一端部および他端部の両者が下降するとともに当該一端部が当該他端部よりも下方に位置するように傾斜する支持部材と、を備える記録材搬送装置であり、前記支持部材の前記一端部側に設けられ且つ当該支持部材に連動するように設けられ、当該支持部材が下降する際、前記記録材搬送装置の本体側により案内される第1被案内部と、前記支持部材の前記他端部側に設けられ且つ当該支持部材に連動するように設けられ、当該支持部材が下降する際、前記本体側により案内される第2被案内部と、を備え、前記第1被案内部は、下降する際、直線状の移動経路に沿って移動し、前記第2被案内部は、下降する際、直線状の移動経路に沿って移動し、前記第1被案内部が移動する前記移動経路の水平方向に対する傾斜角度の方が、前記第2被案内部が移動する前記移動経路の水平方向に対する傾斜角度よりも大きいことを特徴とする記録材搬送装置である。
請求項2に記載の発明は、側部に開口が設けられ、前記搬送手段および前記支持部材を収容する筐体をさらに備え、前記支持部材は、前記一端部側を先頭として、鉛直方向と交差する方向へ且つ前記開口が設けられている側へ移動可能に設けられている請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項3に記載の発明は、前記支持部材は、前記傾斜した状態で、前記交差する方向へ且つ前記開口が設けられている側へ移動可能に設けられている請求項2に記載の記録材搬送装置である。
請求項4に記載の発明は、前記支持部材を、鉛直方向と交差する方向へ且つ前記開口が設けられている側へ移動させると、当該開口を通じて当該支持部材の前記一端部が前記筺体の外部へ出る請求項2に記載の記録材搬送装置である。
請求項5に記載の発明は、前記支持部材を下降させると、前記一端部の方が前記他端部よりも先に下降を開始する請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項6に記載の発明は、前記支持部材を下降させると、水平方向に対する当該支持部材の傾斜角度が次第に大きくなり、その後、水平方向に対する当該支持部材の傾斜角度が次第に小さくなる請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項7に記載の発明は、前記支持部材を最も下降させると、当該支持部材が水平方向に沿うようになる請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項8に記載の発明は、前記支持部材を下方から支持する支持部を更に備え、前記支持部材を鉛直方向と交差する方向へ移動させることで、前記支持部による当該支持部材の支持が解除され、当該支持部材の下降が可能になる請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項9に記載の発明は、側部に開口が設けられ、前記搬送手段および前記支持部材を収容する筐体をさらに備え、前記支持部材を前記交差する方向へ且つ前記開口が設けられている側へ移動させることで、前記支持部による当該支持部材の支持が解除される請求項8に記載の記録材搬送装置である。
請求項10に記載の発明は、側部に開口が設けられ、前記搬送手段および前記支持部材を収容する筐体をさらに備え、記録材を収容する収容容器を前記開口を通じて前記筺体の内部に入れると、下降した状態にある前記支持部材が、当該収容容器から力を受けて上方へ移動する請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項11に記載の発明は、側部に開口が設けられた筺体と、前記筺体内に設けられ、記録材を搬送する搬送手段と、鉛直方向と交差する方向へ延びるように配置され搬送が停止された記録材を下方から支持する支持部材であって、下降可能に設けられ、下降に伴い、当該交差する方向における一端部および他端部の各々が下降するとともに、前記開口側に位置する当該一端部の方が当該開口から離れた側に位置する当該他端部よりも先に下降を開始する支持部材と、を備える記録材搬送装置であり、前記支持部材の前記一端部側に設けられ且つ当該支持部材に連動するように設けられ、当該支持部材が下降する際、前記記録材搬送装置の本体側により案内される第1被案内部と、前記支持部材の前記他端部側に設けられ且つ当該支持部材に連動するように設けられ、当該支持部材が下降する際、前記本体側により案内される第2被案内部と、を備え、前記第1被案内部は、下降する際、直線状の移動経路に沿って移動し、前記第2被案内部は、下降する際、直線状の移動経路に沿って移動し、前記第1被案内部が移動する前記移動経路の水平方向に対する傾斜角度の方が、前記第2被案内部が移動する前記移動経路の水平方向に対する傾斜角度よりも大きいことを特徴とする記録材搬送装置である。
請求項12に記載の発明は、前記一端部を先頭として、鉛直方向と交差する方向へ且つ前記開口が設けられている側へ前記支持部材が移動可能となっている請求項11に記載の記録材搬送装置である。
請求項13に記載の発明は、前記第1被案内部が下降する際、当該第1被案内部は、鉛直方向に沿って移動する請求項11に記載の記録材搬送装置である。
請求項14に記載の発明は、側部に開口が設けられた筺体と、前記筺体内に設けられ、記録材を搬送する搬送手段と、鉛直方向と交差する方向へ延びるように配置され搬送が停止された記録材を下方から支持する支持部材であって、下降可能に設けられ、下降に伴い、当該交差する方向における一端部および他端部の各々が下降するとともに、前記開口側に位置する当該一端部の方が当該開口から離れた側に位置する当該他端部よりも先に最下端部へ達する支持部材と、を備える記録材搬送装置であり、前記支持部材の前記一端部側に設けられ且つ当該支持部材に連動するように設けられ、当該支持部材が下降する際、前記記録材搬送装置の本体側により案内される第1被案内部と、前記支持部材の前記他端部側に設けられ且つ当該支持部材に連動するように設けられ、当該支持部材が下降する際、前記本体側により案内される第2被案内部と、を備え、前記第1被案内部は、下降する際、直線状の移動経路に沿って移動し、前記第2被案内部は、下降する際、直線状の移動経路に沿って移動し、前記第1被案内部が移動する前記移動経路の水平方向に対する傾斜角度の方が、前記第2被案内部が移動する前記移動経路の水平方向に対する傾斜角度よりも大きいことを特徴とする記録材搬送装置である。
請求項15に記載の発明は、前記第1被案内部が最下端部に達した後に、鉛直方向と交差する方向へ且つ前記開口が設けられている側へ前記支持部材を移動させることができるようになり、前記第1被案内部が前記最下端部に達し、前記支持部材が前記交差する方向へ且つ前記開口が設けられている側へ移動される際、当該支持部材は水平方向に対して傾斜している請求項14に記載の記録材搬送装置である。
請求項16に記載の発明は、前記記録材搬送装置の本体側に設けられ、前記第1被案内部を案内する第1案内部と、前記記録材搬送装置の本体側に設けられ、前記第2被案内部を案内する第2案内部と、をさらに備え、前記第1案内部は、前記交差する方向に延び、かつ前記第1被案内部が下降する前に当該第1被案内部を案内する第1水平部を備え、前記第2案内部は、前記交差する方向に延び、かつ前記第2被案内部が下降する前に当該第2被案内部を案内する第2水平部を備え、前記第1被案内部が傾斜する前記直線状の移動経路に沿って移動を開始した際に、前記第2被案内部が前記第2水平部に位置し、前記第1被案内部が前記直線状の移動経路に沿ってさらに移動すると、当該第2被案内部が傾斜する前記直線状の移動経路における移動を開始することを特徴とする請求項1、11、14の何れかに記載の記録材搬送装置である。
請求項17に記載の発明は、記録材へ画像を形成する画像形成手段と、記録材を搬送する記録材搬送装置と、を備え、当該記録材搬送装置が請求項1乃至16の何れかに記載の記録材搬送装置を含んで構成された画像形成装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、記録材を下方から支持する支持部材が水平状態を保ったまま下降する場合に比べ、装置内部にて停止した記録材の除去をより行いやすいものにすることができ、また、支持部材を下降させている最中に支持部材の一端部の方を他端部よりも下方に位置させることができる。
請求項2の発明によれば、開口が設けられている側への支持部材の移動が可能ではない場合に比べ、装置内部にて停止し支持部材の上に載っている記録材の除去をより行いやすいものにすることができる。
請求項3の発明によれば、支持部材が傾斜していない状態で開口が設けられている側への支持部材の移動が行われる構成に比べ、開口を通じて、記録材が載っている支持部材を見た場合にこの記録材を視認しやすくなる。
請求項4の発明によれば、開口を通じて支持部材の一端部が筺体の外部へ出ない場合に比べ、支持部材の上の載った記録材の除去をより行いやすいものにできる。
請求項5の発明によれば、一端部と他端部とが同時に下降を開始する場合に比べ、開口を通じて、記録材が載っている支持部材を見た場合に、この記録材を視認しやすくなる。
請求項6の発明によれば、水平方向に対する支持部材の傾斜角度が次第に大きくならない場合に比べ、開口を通じて記録材が載っている支持部材を見た場合にこの記録材を視認しやすくなり、また、水平方向に対する支持部材の傾斜角度が次第に小さくならない場合に比べ、下降が終了した後の支持部材の上に位置する記録材の除去をより行いやすいものにできる。
請求項7の発明によれば、支持部材が水平方向に沿わない場合に比べ、下降が終了した後の支持部材の上にある記録材の除去をより行いやすいものにできる。
請求項8の発明によれば、支持部材を鉛直方向と交差する方向へ移動させることで、支持部による支持部材の支持の解除を行えるようになる。
請求項9の発明によれば、支持部材を開口が設けられている側へ移動させることで、支持部による支持部材の支持の解除を行えるようになる。
請求項10の発明によれば、収容容器を筺体の内部に入れても支持部材が上方へ移動しない構成に比べ、操作者の操作負担を軽減できる。
請求項11の発明によれば、記録材を下方から支持する支持部材が水平状態を保ったまま下降する場合に比べ、装置内部にて停止した記録材の除去をより行いやすいものにすることができ、また、支持部材を下降させている最中に支持部材の一端部の方を他端部よりも下方に位置させることができる。
請求項12の発明によれば、開口が設けられている側への支持部材の移動が可能ではない場合に比べ、装置内部にて停止し支持部材の上に載っている記録材の除去をより行いやすいものにすることができる。
請求項13の発明によれば、第1被案内部が下降する際に第1被案内部が斜め下方向へ移動する場合に比べ、支持部材の傾斜角度を大きくできる。
請求項14、16の発明によれば、記録材を下方から支持する支持部材が水平状態を保ったまま下降する場合に比べ、装置内部にて停止した記録材の除去をより行いやすいものにすることができ、また、支持部材を下降させている最中に支持部材の一端部の方を他端部よりも下方に位置させることができる。
請求項15の発明によれば、開口が設けられている側へ支持部材が移動する際に、支持部材が水平方向に沿っている場合に比べ、記録材が載っている支持部材を開口を通じて見た場合にこの記録材を視認しやすくなる。
請求項17の発明によれば、記録材を下方から支持する支持部材が水平状態を保ったまま下降する場合に比べ、装置内部にて停止した記録材の除去をより行いやすいものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成装置のフロント側から画像形成装置を見た場合の全体構成図である。
図2】画像形成部を説明する図である。
図3】案内部材等を拡大して示した図である。
図4】(A)~(D)は、第1突起、第2突起の動きを説明する図である。
図5】(A)、(B)は、第1突起、第2突起の動きを説明する図である。
図6】(A)~(D)は、案内部材の他の構成例を説明する図である。
図7】(A)~(D)は、案内部材の他の構成例を説明する図である。
図8】案内部材等の他の構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、画像形成装置1のフロント側から画像形成装置1を見た場合の全体構成図である。
画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタであり、画像形成手段の一例としての画像形成部10を備える。画像形成部10は、画像データに基づき、記録材の一例である用紙Pへの画像形成を行う。
【0009】
画像形成装置1には、各種の機能部を収容する筐体20が設けられている。この筐体20の側部20A且つ下部には、開口21が設けられている。
ここで、筐体20は、1つの部品により構成されたものに限らず、複数の部品により構成されたものも含む。また、筐体20は、直方体や立方体に限らず、直方体や立方体以外の他の形状であってもよい。
【0010】
図2は、画像形成部10を説明する図である。
画像形成部10には、一定の間隔を置いて並列的に配置された4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K(以下、総称して単に「画像形成ユニット11」とも称する)が設けられている。
各画像形成ユニット11は、現像器15(後述)に収納されるトナーを除いて、同様に構成されている。各画像形成ユニット11は、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像(画像)を形成する。
【0011】
画像形成ユニット11の各々には、感光体ドラム12、感光体ドラム12の帯電を行う帯電器200、感光体ドラム12への露光を行うLEDプリントヘッド(LPH)300が設けられている。
感光体ドラム12は、帯電器200による帯電が行われる。さらに、感光体ドラム12はLPH300により露光され、感光体ドラム12には静電潜像が形成される。
さらに、各画像形成ユニット11には、感光体ドラム12の表面を清掃するクリーナ(不図示)、感光体ドラム12に形成された静電潜像を現像する現像器15が設けられている。
【0012】
さらに、画像形成部10には、感光体ドラム12にて形成された各色トナー像が転写される中間転写ベルト16、感光体ドラム12にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト16に順次転写(一次転写)させる一次転写ロール17が設けられている。
また、本実施形態では、図1に示すように、画像形成部10の対向位置に、中間転写ベルト16上に転写されたトナー像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写ロール19が設けられている。
【0013】
本実施形態では、中間転写ベルト16と二次転写ロール19とが互いに対向して配置された箇所が二次転写部Tとなっており、本実施形態では、この二次転写部Tにて、中間転写ベルト16上に形成されたトナー像が、用紙Pに転写される。
また、図1に示すように、本実施形態では、用紙Pの搬送方向において、二次転写部Tの下流側に、用紙P上に二次転写されたトナー像を、この用紙Pに定着させる定着装置40が設けられている。
【0014】
定着装置40には、内部に加熱源(不図示)が設置された定着ロール41が設けられている。また、定着装置40には、この定着ロール41に押し当てられ、この定着ロール41とともに用紙Pを加圧する加圧ロール43が設けられている。
加圧ロール43は、定着ロール41の外周面に押し当てられ、定着ロール41と加圧ロール43との間を移動する用紙Pを加圧する。言い換えると、加圧ロール43は、定着ロール41と加圧ロール43との間を通る用紙搬送経路Rを移動する用紙Pを加圧する。
【0015】
用紙Pの搬送方向において、定着装置40の下流側には、定着装置40を経て搬送されてきた用紙Pを、用紙積載部1Eに向けて搬送する(送り出す)排出ロール500が設けられている。
さらに、本実施形態では、用紙Pの搬送方向において、二次転写部Tの上流側には、この二次転写部Tに供給される用紙Pが収容される収容容器400が設けられている。
この収容容器400は、筐体20の側部20Aに設けられた開口21を通じて、筐体20の内部に入れられている。
【0016】
また、本実施形態では、用紙Pの搬送方向において、二次転写部Tの上流側に、いわゆる手差しによりセットされる用紙Pを下方から支持する用紙支持部80が設けられている。
さらに、この用紙支持部80により支持されている用紙Pを送り出す送り出しロール81が設けられている。
さらに、この送り出しロール81により送り出された用紙Pを、二次転写部Tへ搬送する搬送部600が設けられている。
【0017】
搬送手段の一例としてのこの搬送部600には、回転駆動を行う2つの駆動ロール605と、この駆動ロール605に接触配置されこの駆動ロール605から駆動力を受けて回転する2つの回転ロール610とが設けられている。
この回転ロール610は、後述する支持部材630により支持されている。
【0018】
さらに、搬送部600には、二次転写部Tに向けて記録材を送り出すレジロール601が設けられている。
レジロール601は、用紙Pがこのレジロール601へ搬送されてくる際には停止している。そして、予め定められたタイミングで回転を開始し、この用紙Pを、二次転写部Tに向けて送り出す。
また、本実施形態では、収容容器400に終了されている用紙Pを、レジロール601に向けて送り出す送り出しロール(不図示)が設けられている。
【0019】
さらに、本実施形態では、搬送部600による搬送が停止された用紙Pを下方から支持する支持部材630が設けられている。
本実施形態では、搬送部600による用紙Pの搬送が停止されると、この用紙Pが、支持部材630によって下方から支持される。
【0020】
付言すると、本実施形態では、用紙Pの詰まりなどが発生すると、搬送部600による用紙Pの搬送が停止される。そして、このとき、支持部材630の対向位置にて用紙Pが停止していると、この用紙Pは、支持部材630によって下方から支持される。
ここで、支持部材630は、案内部材としての機能も有しており、搬送部600による用紙Pの搬送が行われている際には、この用紙Pを下方から支持しつつこの用紙Pの案内を行う。
【0021】
画像形成装置1における一連の処理を説明する。
画像形成装置1では、画像データに基づく信号が、各画像形成ユニット11(図2参照)に供給される。
そして、例えば、黒(K)色の画像形成ユニット11Kでは、感光体ドラム12が矢印A方向に回転しながら、帯電器200により帯電され、画像処理部(不図示)から送信された画像データに基づいて発光するLPH300により露光される。
【0022】
これにより、感光体ドラム12上には、黒(K)色の画像に関する静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム12上に形成された静電潜像は、現像器15により現像され、感光体ドラム12上には、黒(K)色のトナー像が形成される。
同様に、画像形成ユニット11Y,11M,11Cでは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナー像が形成される。
【0023】
各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像は、矢印B方向に移動する中間転写ベルト16上に、一次転写ロール17により順次静電吸引されて、中間転写ベルト16上には、各色トナーが重畳されたトナー像が形成される。
中間転写ベルト16上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト16の移動に伴って二次転写部T(図1参照)へ移動する。
そして、トナー像が二次転写部Tへ達するタイミングに合わせて、用紙支持部80や収容容器400からの用紙Pの送り出しが行われ、この用紙Pが、二次転写部Tへ供給される。
【0024】
二次転写部Tでは、二次転写ロール19により形成される転写電界により、中間転写ベルト16上のトナー像が、搬送されてきた用紙Pに一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、中間転写ベルト16から剥離され、定着装置40まで搬送される。
【0025】
定着装置40では、回転している定着ロール41と加圧ロール43とが用紙Pを挟む。これにより、用紙Pが搬送されながらこの用紙Pの加圧および加熱が行われ、用紙P上のトナー像が、この用紙Pに定着される。
そして、定着が終了した用紙Pは、排出ロール500によって、用紙積載部1Eへ搬送される。
ここで、本実施形態では、搬送部600が設けられた箇所は、記録材の一例である用紙Pの搬送機能を有していることになり、画像形成装置1のうちの、搬送部600が設けられた箇所は、記録材搬送装置として捉えることもできる。
【0026】
支持部材630は、図1に示すように、鉛直方向と交差する方向へ延びるように配置され、開口21側に位置する一端部630A、および、開口21から離れた側に位置する他端部630Bを有する。
付言すると、支持部材630は、鉛直方向と交差する方向における位置が互いに異なる一端部630Aおよび他端部630Bを有する。
【0027】
ここで、支持部材630は、下降可能に設けられ、後述するように、操作者により操作されることで下方へ移動する。
本実施形態では、支持部材630のこの下方への移動に伴い、一端部630Aおよび他端部630Bの両者が下降する。さらに、本実施形態では、一端部630Aが他端部630Bよりも下方に位置するようになり、支持部材630が傾斜する(後述)。
【0028】
さらに、本実施形態では、画像形成装置1のリア側およびフロント側の両者に、支持部材630の案内を行う板状の案内部材640が設けられている。
なお、図1にて符号1Aで示す案内部材640は、画像形成装置1のフロント側に位置する案内部材640を示している。リア側の案内部材640は、フロント側のこの案内部材640の奥側に位置することになる。
【0029】
図3は、図1にて示した案内部材640等を拡大して示した図である。
なお、この図3では、支持部材630に設けられた回転ロール610(図1参照)の図示を省略している。また、この図3では、収容容器400の図示も省略している。
本実施形態では、支持部材630に連動する第1突起631、第2突起632が設けられている。
この第1突起631、第2突起632は、案内部材640により案内される。また、この第1突起631および第2突起632は、画像形成装置1のリア側およびフロント側の両者に設けられている。
【0030】
第1被案内部の一例としての第1突起631は、支持部材630の一端部630A側に設けられ且つ支持部材630に連動するように設けられている。
ここで、支持部材630の一端部630A側とは、支持部材630の長手方向における中央部Cよりも支持部材630の一端部630A側に位置することをいう。
第1突起631は、支持部材630が下降する際、画像形成装置1の本体側により案内される。より具体的には、第1突起631は、案内部材640により案内される。
【0031】
また、第2被案内部の一例としての第2突起632は、支持部材630の他端部630B側に設けられ且つ支持部材630に連動するように設けられている。
ここで、支持部材630の他端部630B側とは、支持部材630の長手方向における中央部Cよりも支持部材630の他端部630B側に位置することをいう。
第2突起632も、支持部材630が下降する際、画像形成装置1の本体側により案内される。より具体的には、第2突起632は、案内部材640により案内される。
【0032】
2つ設けられた案内部材640の各々には、第1案内溝641および第2案内溝642が形成されている。
本実施形態では、支持部材630の一端部630A側が、第1案内溝641により案内される。また、支持部材630の他端部630B側が、第2案内溝642により案内される。
より具体的には、本実施形態では、第1突起631が、第1案内溝641により案内され、第2突起632が、第2案内溝642により案内される。
【0033】
第1案内溝641には、最も下方に位置し水平方向に延びる下側水平部641Aと、最も上方に位置し水平方向に延びる上側水平部641Bとが設けられている。
また、第1案内溝641には、鉛直方向に対して傾斜して配置され、下側水平部641Aと上側水平部641Bとを接続する接続部641Cが設けられている。
【0034】
また、第2案内溝642には、最も上方に位置し水平方向に延びる上側水平部642Aが設けられている。
また、第2案内溝642には、鉛直方向に対して傾斜して配置され、上側水平部642Aに接続された箇所を始点として斜め下方に延びる傾斜部642Bが設けられている。
【0035】
図4(A)~(D)、図5(A)、(B)は、第1突起631、第2突起632の動きを説明する図である。
本実施形態では、例えば、搬送部600による用紙Pの搬送が停止され且つ支持部材630の対向位置に用紙Pが停止している場合、操作者が支持部材630を下降させる。
【0036】
付言すると、本実施形態では、用紙Pの詰まりが発生した場合には、支持部材630を下降させて、用紙Pの搬送経路を開放し、支持部材630の対向位置にて停止している用紙Pの除去を行う。
より具体的には、本実施形態では、用紙Pの詰まりが発生した場合、まず、筐体20から収容容器400(図1参照)を引き出す。その後、支持部材630を下降させ、停止している用紙Pの除去を行う。
【0037】
本実施形態では、支持部材630(図1参照)を下降させる場合、まず、支持部材630を開口21側へ移動させる。
本実施形態では、支持部材630は、一端部630A側を先頭として、鉛直方向と交差する方向へ且つ開口21が設けられている側へ移動可能となっている。
【0038】
より具体的には、支持部材630を下降させるにあたっては、まず、例えば、支持部材630の一端部630Aや支持部材630に接続されたレバー(不図示)などを把持したうえで、支持部材630を開口21側へ移動させる。
支持部材630を開口21側へ移動させると、図4の(A)、(B)で示すように、第1突起631および第2突起632の各々が、符号4Fで示す箇所まで移動する。
【0039】
ここで、図4(A)は、支持部材630を移動させる前の状態を示している。
支持部材630を開口21側へ移動させると、図4(B)に示すように、第1突起631および第2突起632の各々は、符号4Fで示す箇所まで移動する。
【0040】
また、支持部材630を開口21側へ移動させると、支持部材630により支持されている回転ロール610(図1参照)の各々も、開口21側へ移動する。
この場合、駆動ロール605と回転ロール610とにより用紙Pが挟まれこの用紙Pがニップされている場合には、駆動ロール605から回転ロール610が離れ、このニップが解除される。
【0041】
図4(B)にて示す状態から、支持部材630(図4(B)では不図示)が開口21側へさらに移動すると、図4(C)に示すように、第1突起631が、接続部641Cへ達するようになる。
これより、第1突起631の下降が開始される。本実施形態では、第1突起631が接続部641Cへ達した際、第2突起632は、図4(C)に示すように、上側水平部642Aと傾斜部642Bとの接続部に位置する状態となっている。
【0042】
本実施形態では、第1突起631が、先に下降を開始する。そして、この場合、本実施形態では、支持部材630の一端部630A(図1参照)の方が、他端部630Bよりも先に下降を開始する。
【0043】
さらに説明すると、本実施形態では、図4(B)の符号4Hで示す部分が、支持部材630(図4(B)では不図示)を下方から支持する支持部となっている。
ここで、支持部材630の支持とは、支持部材630を直接支持する態様に限らず、支持部材630に連動する部分を支持する態様も含む。
【0044】
本実施形態では、支持部材630を、鉛直方向と交差する方向へ且つ開口21が設けられている側へ移動させると、符号4Hで示した支持部による支持部材630の支持が解除される。これにより、支持部材630の下降が可能になる。
付言すると、支持部材630を、鉛直方向と交差する方向へ且つ開口21が設けられている側へ移動させると、符号4Hで示した支持部による第1突起631の支持が解除され、支持部材630の下降が可能になる。
なお、第2突起632側については、図4(B)の符号4Jで示す部分が支持部となり、この支持部の上から第2突起632が外れると、第2突起632が下降するようになる。
【0045】
その後、第1突起631、第2突起632の各々は、図4(D)~図5(B)で示すように移動する。
ここで、本実施形態では、第1突起631、第2突起632が下方へ移動している最中においては、第2突起632よりも第1突起631の方が下方に位置する。
このため、本実施形態では、支持部材630(図1参照)は、水平方向に対して傾斜した状態を維持しながら、下降を行うことになる。
【0046】
また、本実施形態では、図4(C)、(D)、図5(A)に示すように、第1突起631、第2突起632の各々は、下降を行いながら開口21(図1参照)側へ移動する。
この結果、本実施形態では、支持部材630(図1参照)も、下降を行いながら開口21側へ移動する。
付言すると、支持部材630は、傾斜した状態を維持しながら、開口21が設けられている側へ移動する。言い換えると、支持部材630は、傾斜した状態で、鉛直方向と交差する方向へ移動する。
【0047】
支持部材630がこのように傾斜すると、傾斜しない場合に比べ、支持部材630の上に載っている用紙Pを視認しやすくなる。
より具体的には、開口21(図1参照)を通じて筐体20の外部から、支持部材630を見た場合に、この支持部材630の上に載っている用紙Pを視認しやすくなる。
【0048】
付言すると、本実施形態では、支持部材630の対向位置に用紙Pが停止している状態にて、支持部材630を下降させると、用紙Pが支持部材630に載った状態で支持部材630が下降する。
この場合に、支持部材630が傾斜すると、支持部材630の上に載っている用紙Pを視認しやすくなる。
【0049】
より具体的には、本実施形態では、支持部材630が傾斜すると、支持部材630のうちの、用紙Pを支持する用紙支持面630X(図3参照)が、開口21(図1参照)側を向く。付言すると、本実施形態では、支持部材630が傾斜すると、支持部材630の上面が、開口21側を向く。
この場合、用紙支持面630Xが開口21側を向かない場合に比べ、支持部材630の上に載っている用紙Pを開口21側から見た場合に、この用紙Pを視認しやすくなる。
【0050】
さらに、本実施形態のように支持部材630が傾斜すると、支持部材630の上に載っている用紙Pが、支持部材630を滑りながら開口21側へ移動することもある。
この場合、用紙Pが開口21側へ移動しない場合に比べ、支持部材630に載っている用紙Pの除去を行いやすくなる。
【0051】
なお、本実施形態では、支持部材630が下降を開始する前においては、図3に示すように、支持部材630は、水平方向に沿って配置されている。
ところで、これに限らず、支持部材630が下降を開始する前において、支持部材630が、水平方向に対して傾斜した状態で配置されていてもよい。
【0052】
より具体的には、例えば、支持部材630が下降を開始する前において、一端部630Aが他端部630Bよりも下方に位置するように、又は、他端部630Bが一端部630Aよりも下方に位置するように、支持部材630が傾斜していてもよい。
この場合、支持部材630の一端部630Aおよび他端部630Bが上記のように下降を開始すると、支持部材630の傾斜が、下降する前における傾斜よりも大きくなる。
【0053】
ここで、本実施形態において、「支持部材630の下降に伴い、一端部630Aが他端部630Bよりも下方に位置するように支持部材630が傾斜する」とは、水平方向に沿う支持部材630が、下降に伴い傾斜する態様に限られない。
「支持部材630の下降に伴い、一端部630Aが他端部630Bよりも下方に位置するように支持部材630が傾斜する」には、当初から傾斜していた状態の支持部材630が、下降に伴いさらに傾斜する態様も含む。
【0054】
図4(D)、図5(A)、(B)を参照し、第1突起631、第2突起632等の動きをさらに説明する。
図4(D)の状態の後、本実施形態では、図5(A)で示すように、第1突起631が下側水平部641Aに達するようになる。このとき、本実施形態では、第1突起631よりも上方に第2突起632が位置する。
【0055】
この場合、本実施形態では、開口21側に位置する一端部630A(図3参照)の方が、開口21から離れた側に位置する他端部630Bよりも先に最下端部へ達するようになる。
付言すると、本実施形態では、図3の符号3Zで示す領域が、支持部材630の可動領域となるが、本実施形態では、開口21側に位置する一端部630Aの方が、開口21から離れた側に位置する他端部630Bよりも先に、この可動領域の最下端部へ達するようになる。
【0056】
その後、本実施形態では、操作者が、支持部材630を手前側へさらに移動させる。
これにより、第1突起631および第2突起632は、図5(B)に示す状態となる。
より具体的には、第1突起631が下側水平部641Aの左端部に位置し、第2突起632が傾斜部642Bの下端部に位置する状態となる。
そして、このとき、支持部材630は、水平方向に沿うようになる。付言すると、本実施形態では、支持部材630を最も下降させると、支持部材630は、水平方向に沿うようになる。
【0057】
ここで、本実施形態では、支持部材630を下降させると、水平方向に対する支持部材630の傾斜角度が次第に大きくなり、その後、水平方向に対する支持部材630の傾斜角度が次第に小さくなる。
そして、最終的に、上記のとおり、支持部材630は水平方向に沿うようになる。
【0058】
より具体的には、本実施形態では、第1突起631、第2突起632が、図4(B)で示す状態から、図5(A)で示す状態となるまでの間、水平方向に対する支持部材630の傾斜角度が次第に大きくなる。
【0059】
また、本実施形態では、第1突起631、第2突起632が、図5(A)で示す状態から、図5(B)で示す状態となるまでの間、水平方向に対する支持部材630の傾斜角度が次第に小さくなる。
そして、最終的に、支持部材630は水平方向に沿うようになる。付言すると、第1突起631、第2突起632が、図5(B)で示す状態にあるときには、支持部材630は、水平方向に沿うようになる。
なお、本実施形態では、第1突起631および第2突起632が、図5(B)で示す状態にある場合、支持部材630(図1参照)の一端部630Aが、開口21を通じて筐体20の外部へ出た状態となる。
【0060】
用紙Pの除去が終了した後の各部の動きを説明する。
本実施形態では、用紙Pの除去が終了すると、操作者によって、収容容器400が元の箇所に戻される。より具体的には、用紙Pの除去が終了すると、操作者は、開口21を通じて、収容容器400を筐体20の内部に入れる。
これにより、本実施形態では、下降した状態にある支持部材630が、収容容器400から力を受けて上方へ移動する。
【0061】
収容容器400を、開口21を通じて筐体20の内部に入れると、支持部材630(図1参照)の一端部630Aがこの収容容器400により押圧されて、筐体20の内部方向へ移動する。
より具体的には、図1の符号1Zは、支持部材630の一端部630Aが筐体20の外部に出た状態におけるこの一端部630Aを示している。
本実施形態では、この一端部630Aが収容容器400により押圧されて、支持部材630が、筐体20の内部方向へ移動する。
【0062】
そして、この場合、支持部材630は、上記の下降時の動きとは逆の動きを行って、上方へ移動する。
支持部材630が上方へ移動すると、第1突起631、第2突起632が、図4(B)で示した状態で配置されるようになる。
その後、本実施形態では、ユーザが、不図示のレバーなどを操作して、支持部材630を、さらに押し込み(図1における右側方向へ支持部材630をさらに移動させ)、支持部材630を初期状態とする。言い換えると、支持部材630を、下降を開始する前の状態とする。
【0063】
図6(A)~(D)、図7(A)~(D)は、案内部材640の他の構成例を説明する図である。
この構成例では、第1突起631が下降する際、この第1突起631は、鉛直方向に沿って移動する。
付言すると、この構成例では、図6(A)に示すように、上側水平部641Bと下側水平部641Aとを接続する接続部641Cが、鉛直方向に沿って延びており、第1突起631が下降する際、第1突起631は、鉛直方向における下方に向かって移動する。
【0064】
さらに、この構成例では、図7(A)、(B)に示すように、第1突起631が最下端部に達した後に、開口21(図1参照)が設けられている側への支持部材630(図1参照)の移動を行えるようになる。
より具体的には、この構成例では、第1突起631が、下側水平部641Aと接続部641Cとの接続箇所(図7(A)参照)へ達した後に、開口21が設けられている側への支持部材630の移動を行えるようになる。
【0065】
付言すると、この構成例では、接続部641Cが鉛直方向に沿っており、第1突起631がこの接続部641Cを移動している最中には、支持部材630は、開口21側へ移動しない。
第1突起631が、接続部641Cと下側水平部641Aとの接続箇所へ達することで、開口21が設けられている側への支持部材630の移動を行えるようになる。
【0066】
さらに説明すると、この構成例では、第1突起631が、接続部641Cの最下端部に達した後に、下側水平部641Aへの第1突起631の移動を行えるようになる。
そして、この場合、第1突起631がこの最下端部に達した後に、開口21が設けられている側へ支持部材630の移動を行えるようになる。
【0067】
この構成例では、第1突起631が鉛直方向に沿って移動するため、上記のように第1突起631が斜め下方向へ移動する場合に比べ、第1突起631が最下端部に達した際の支持部材630の傾斜角度が大きくなる。
そして、この場合、支持部材630上の用紙Pを視認しやすくなる。付言すると、支持部材630の傾斜角度が大きいと、開口21を通じて、支持部材630上の用紙Pを見た場合に、この用紙Pを視認しやすくなる。
【0068】
ここで、図6図7にて示したこの構成例では、第1突起631が、接続部641Cの最下端部に達し(図7(A)参照)、次いで、支持部材630(図1参照)が開口21が設けられている側へ移動する際、この支持部材630は水平方向に対して傾斜している。
付言すると、この構成例では、図7(A)~(D)のように、第1突起631が下側水平部641Aに沿って移動する際、支持部材630は水平方向に対して傾斜している。
【0069】
さらに説明すると、この構成例では、第1突起631は、下降する際、直線状の移動経路である接続部641C(図6(C)参照)に沿って移動する。
また、第2突起632も、下降する際、直線状の移動経路である傾斜部642B(図6(C)参照)に沿って移動する。
さらに、この構成例では、図6(C)に示すように、接続部641Cの、水平方向に対する傾斜角度αの方が、傾斜部642Bの、水平方向に対する傾斜角度βよりも大きい。
【0070】
ここで、本実施形態において、「水平方向に対する傾斜角度」とは、この傾斜角度が90°の場合はこの90°が傾斜角度となる。
また、鋭角側の角度および鈍角側の角度の2つの角度が得られる場合には、鋭角側の角度が、「水平方向に対する傾斜角度」となる。
なお、上記では説明を省略したが、図3にて示した構成例でも同様であり、図3にて示した構成例においても、接続部641Cの水平方向に対する傾斜角度αの方が、傾斜部642Bの水平方向に対する傾斜角度βよりも大きい。
【0071】
(その他)
上記では、鉛直方向と交差する方向における位置を比べた場合に、支持部材630の一端部630Aの位置と第1突起631の位置とがずれ、また、支持部材630の他端部630Bの位置と第2突起632の位置とがずれていた。
ここで、これらの位置関係は一例であり、その他に、例えば、支持部材630の一端部630Aに、第1突起631を設け、また、支持部材630の他端部630Bに、第2突起632を設けてもよい。
【0072】
また、上記では、開口21側へ支持部材630が移動する構成であったが、開口21側への支持部材630の移動は必須ではなく、開口21側へ支持部材630が移動しない構成であってもよい。
また、上記では、支持部材630を開口21側へ移動させることで、支持部材630の下降が開始される構成を一例に説明した。
【0073】
ところで、これに限らず、例えば、図8(案内部材640等の他の構成例を示した図)の符号8Aで示す箇所に、固定機構を設け、この固定機構による固定を解除することで、支持部材630(図8では不図示)の下降が開始されるようにしてもよい。
固定機構は、例えば、第1突起631と同軸上に配置された回転部材699と、この回転部材699を回転させるレバー部材700とにより構成される。
【0074】
回転部材699には、画像形成装置1の本体側に引っ掛かる突起699Aが設けられており、支持部材630が上方に位置する際には、この突起699Aが、画像形成装置1の本体側に引っ掛かっている。
操作者が、レバー部材700を用いて、回転部材699を回転させると、本体側への突起699Aの引っ掛かりが解除され、支持部材630が下降するようになる。
【符号の説明】
【0075】
1…画像形成装置、10…画像形成部、20…筐体、20A…側部、21…開口、400…収容容器、600…搬送部、630…支持部材、630A…一端部、630B…他端部、631…第1突起、632…第2突起、P…用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8