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特許7512583情報処理装置及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】情報処理装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20240702BHJP
   H04M 3/56 20060101ALI20240702BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H04N7/15
H04M3/56 C
H04M3/42 E
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019204037
(22)【出願日】2019-11-11
(65)【公開番号】P2021078026
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 徹也
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-224062(JP,A)
【文献】特開2012-034020(JP,A)
【文献】特開2015-185174(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0044066(US,A1)
【文献】特開2004-056473(JP,A)
【文献】特開2013-251812(JP,A)
【文献】特開2013-141201(JP,A)
【文献】特開2016-099920(JP,A)
【文献】国際公開第2010/058683(WO,A1)
【文献】特開2008-035210(JP,A)
【文献】特開2008-131412(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0248809(US,A1)
【文献】特開2016-177672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/15
H04M 3/56
H04M 3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
他の場所との通信を伴ったサービスを利用するユーザの利用場所の周囲の状況を取得し、
取得した前記状況に係るデータを前記サービスを利用したユーザの居場所から送られた画像データ又は音声データと、前記サービスの提供者に確認させた安全性のレベルとを教師データとして、前記安全性のレベルの判定について機械学習させた結果のデータに入力して、前記他の場所から前記利用場所への映像送信及び音声送信のそれぞれについて前記利用場所の安全性のレベルを判断し、
判断したレベルに基づいて、前記利用場所と前記他の場所との間の映像又は音声の通信の是非を判断する
処理を実行する、情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、さらに、前記サービスが要求する安全性のレベルに基づいて、前記利用場所と前記他の場所との間の映像及び音声の通信の是非を判断する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記サービスが要求する安全性のレベルは、映像送信及び音声送信のそれぞれについて定められる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記利用場所の撮像装置の設置状況に応じて、前記利用場所の周囲の状況の取得指示を出力する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記利用場所に撮像装置が設置されていない場合、前記取得指示として、前記ユーザに対して該ユーザが所有する装置で周囲の状況を撮像する指示を出力する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記利用場所の収音装置の設置状況に応じて、前記利用場所の周囲の状況の取得指示を出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記利用場所に収音装置が設置されていない場合、前記取得指示として、前記ユーザに対して該ユーザが所有する装置で周囲を収音する指示を出力する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記利用場所から送信された映像に対して画像認識処理を実行することで映像送信の安全性のレベルを判断する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、映像送信の安全性のレベルが所定の閾値以上である場合に映像を前記他の場所から前記利用場所へ送信する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、映像送信の安全性のレベルが所定の閾値未満である場合に、映像を前記他の場所から前記利用場所へ送信できるようにするための手法を提供する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記利用場所から送信された音声に対して音声認識処理を実行することで音声送信の安全性のレベルを判断する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、音声送信の安全性のレベルが所定の閾値以上である場合に音声を前記他の場所から前記利用場所へ送信する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、音声送信の安全性のレベルが所定の閾値未満である場合に、音声を前記他の場所から前記利用場所へ送信できるようにするための手法を提供する、請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記利用場所の安全性のレベルが所定の閾値未満である場合に、前記サービスの実行を停止する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記サービスの実行を開始した後であっても、前記利用場所の安全性のレベルが所定の閾値未満に低下すると、前記サービスの実行を停止する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記サービスの実行を開始した後であっても、前記利用場所の安全性のレベルが所定の閾値未満に低下すると警告を提示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記サービスが要求する安全性のレベルは、前記サービス毎に異なる、請求項1~16のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
コンピュータに、
他の場所と通信を伴ったサービスを利用するユーザの利用場所の周囲の状況を取得し、
取得した前記状況に係るデータを前記サービスを利用したユーザの居場所から送られた画像データ又は音声データと、前記サービスの提供者に確認させた安全性のレベルとを教師データとして、前記安全性のレベルの判定について機械学習させた結果のデータに入力して、前記他の場所から前記利用場所への映像送信及び音声送信のそれぞれについて前記利用場所の安全性のレベルを判断し、
判断したレベルに基づいて、前記利用場所と前記他の場所との間の映像又は音声の通信の是非を判断する
処理を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、情報の開示の度合いを表す開示レベル情報を含む情報を取得する取得ステップと、取得ステップで取得した情報に含まれる開示レベル情報が示す情報の開示の度合いと、自装置で表示可能な情報の開示の度合いとを比較する比較ステップと、比較ステップでの比較結果が、情報の表示を許可する予め定める許可条件を満たしているとき、情報の表示が許可されていると判断する判断ステップと、判断ステップで情報の表示が許可されていると判断されたとき、取得ステップで取得した情報を表示する表示ステップとを含むことを特徴とする情報表示方法が開示されている。
【0003】
特許文献2には、画面の表示情報の表示を制御する情報処理装置であって、自身の使用場所を特定する特定手段と、前記特定手段により特定した使用場所における情報漏洩に関するリスク度を求める算定手段と、前記算定手段により求めたリスク度に応じて、表示情報を非表示とする表示手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-110199号公報
【文献】特開2019-117483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ネットワークを通じた映像又は音声の通信を伴ったサービスを、サービス提供者が利用者に提供する際に、利用者が上記サービスの提供を受ける利用場所の機密性がわからないままでは、サービス提供者による映像又は音声の提供に不安が残る。
【0006】
本発明は、利用場所の安全性を判定することで、当該利用場所において第三者に知られたくない映像又は音声の第三者への漏洩を防ぐことが可能な情報処理装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、他の場所との通信を伴ったサービスを利用するユーザの利用場所の周囲の状況を取得し、取得した前記状況に基づいて、前記他の場所から前記利用場所への映像送信又は音声送信のそれぞれについて前記利用場所の安全性のレベルを判断し、判断したレベルに基づいて、前記利用場所と前記他の場所との間の映像又は音声の通信の是非を判断する処理を実行する。
【0008】
本発明の第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、さらに、前記サービスが要求する安全性のレベルに基づいて、前記利用場所と前記他の場所との間の映像及び音声の通信の是非を判断する。
【0009】
本発明の第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置であって、前記サービスが要求する安全性のレベルは、映像送信及び音声送信のそれぞれについて定められる。
【0010】
本発明の第4態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記利用場所の撮像装置の設置状況に応じて、前記利用場所の周囲の状況の取得指示を出力する。
【0011】
本発明の第5態様に係る情報処理装置は、第4態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記利用場所に撮像装置が設置されていない場合、前記取得指示として、前記ユーザに対して該ユーザが所有する装置で周囲の状況を撮像する指示を出力する。
【0012】
本発明の第6態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記利用場所の収音装置の設置状況に応じて、前記利用場所の周囲の状況の取得指示を出力する。
【0013】
本発明の第7態様に係る情報処理装置は、第5態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記利用場所に収音装置が設置されていない場合、前記取得指示として、前記ユーザに対して該ユーザが所有する装置で周囲を収音する指示を出力する。
【0014】
本発明の第8態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記利用場所から送信された映像に対して画像認識処理を実行することで映像送信の安全性のレベルを判断する。
【0015】
本発明の第9態様に係る情報処理装置は、第8態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、映像送信の安全性のレベルが所定の閾値以上である場合に映像を前記他の場所から前記利用場所へ送信する。
【0016】
本発明の第10態様に係る情報処理装置は、第9態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、映像送信の安全性のレベルが所定の閾値未満である場合に、映像を前記他の場所から前記利用場所へ送信できるようにするための手法を提供する。
【0017】
本発明の第11態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記利用場所から送信された音声に対して音声認識処理を実行することで映像送信の安全性のレベルを判断する。
【0018】
本発明の第12態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、音声送信の安全性のレベルが所定の閾値以上である場合に音声を前記他の場所から前記利用場所へ送信する。
【0019】
本発明の第13態様に係る情報処理装置は、第12態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、音声送信の安全性のレベルが所定の閾値未満である場合に、音声を前記他の場所から前記利用場所へ送信できるようにするための手法を提供する。
【0020】
本発明の第14態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記利用場所の安全性のレベルが所定の閾値未満である場合に、前記サービスの実行を停止する。
【0021】
本発明の第15態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記サービスの実行を開始した後であっても、前記利用場所の安全性のレベルが所定の閾値未満に低下すると、前記サービスの実行を停止する。
【0022】
本発明の第16態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記サービスの実行を開始した後であっても、前記利用場所の安全性のレベルが所定の閾値未満に低下すると警告を提示する。
【0023】
本発明の第17態様に係る情報処理装置は、第1態様~第16態様のいずれかに係る情報処理装置であって、前記安全性のレベルは、前記サービス毎に異なる。
【0024】
本発明の第18態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、他の場所と通信を伴ったサービスを利用するユーザの利用場所の周囲の状況を取得し、取得した前記状況に基づいて、前記他の場所から前記利用場所への映像送信又は音声送信のそれぞれについて前記利用場所の安全性のレベルを判断し、判断したレベルに基づいて、前記利用場所と前記他の場所との間の映像又は音声の通信の是非を判断する処理を実行させる。
【0025】
本発明の第1態様によれば、利用場所の安全性を、音声と映像とのそれぞれについて自動で判定することで、当該利用場所において第三者に知られたくない映像又は音声の第三者への漏洩を防ぐことができる。
【0026】
本発明の第2態様によれば、サービスが要求する安全性のレベルを満たしているかどうかで、利用場所への映像又は音声の送信の是非を判断できる。
【0027】
本発明の第3態様によれば、映像送信及び音声送信についてそれぞれ定められている安全性のレベルを満たしているかどうかで、利用場所への映像又は音声の送信の是非を判断できる。
【0028】
本発明の第4態様によれば、利用場所に撮像装置が設置されているかどうかで、安全性のレベルを判定するために、利用場所への撮像の指示を判断できる。
【0029】
本発明の第5態様によれば、利用場所に撮像装置が設置されていなければ、安全性のレベルを判定するために、ユーザに撮像を指示できる。
【0030】
本発明の第6態様によれば、利用場所に収音装置が設置されているかどうかで、安全性のレベルを判定するために、利用場所への撮像の指示を判断できる。
【0031】
本発明の第7態様によれば、利用場所に収音装置が設置されていなければ、安全性のレベルを判定するために、ユーザに収音を指示できる。
【0032】
本発明の第8態様によれば、利用場所から送信された映像の解析によって映像送信の安全性のレベルを判定できる。
【0033】
本発明の第9態様によれば、映像の解析の結果、安全性のレベルが閾値以上の場合に、映像を利用場所へ送信させることができる。
【0034】
本発明の第10態様によれば、映像の解析の結果、安全性のレベルが閾値未満の場合に、映像を利用場所へ送信させるための手法を提案できる。
【0035】
本発明の第11態様によれば、利用場所から送信された音声の解析によって映像送信の安全性のレベルを判定できる。
【0036】
本発明の第12態様によれば、音声の解析の結果、安全性のレベルが閾値以上の場合に、映像を利用場所へ送信させることができる。
【0037】
本発明の第13態様によれば、音声の解析の結果、安全性のレベルが閾値未満の場合に、音声を利用場所へ送信させるための手法を提案できる。
【0038】
本発明の第14態様によれば、映像送信及び音声送信についてそれぞれ定められている安全性のレベルを満たしていなければ、利用場所への映像又は音声の送信を伴うサービスの提供を停止できる。
【0039】
本発明の第15態様によれば、サービス実行後であっても、映像送信及び音声送信についてそれぞれ定められている安全性のレベルを満たさなくなれば、利用場所への映像又は音声の送信を伴うサービスの提供を停止できる。
【0040】
本発明の第16態様によれば、サービス実行後であっても、映像送信及び音声送信についてそれぞれ定められている安全性のレベルを満たさなくなれば、安全性のレベルが低下したことについて警告を提示できる。
【0041】
本発明の第17態様によれば、サービスによって要求がそれぞれ異なる安全性のレベルを満たしているかどうかで、利用場所への映像又は音声の送信の是非を判断できる。
【0042】
本発明の第18態様によれば、利用場所の安全性を、音声と映像とのそれぞれについて自動で判定することで、当該利用場所において第三者に知られたくない映像又は音声の第三者への漏洩を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0043】
本開示によれば、利用場所の安全性を、音声と映像とのそれぞれについて自動で判定することで、当該利用場所において第三者に知られたくない映像又は音声の第三者への漏洩を防ぐことが可能な、情報処理装置及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本実施形態に係るサービス提供システムの概略構成を示す図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の機能構成の例を示すブロック図である。
図4】映像送信の安全性のレベルに関する情報の例を示す図である。
図5】音声送信の安全性のレベルに関する情報の例を示す図である。
図6】情報処理装置による安全性判定処理の流れを示すフローチャートである。
図7】情報処理装置による安全性判定処理の流れを示すフローチャートである。
図8】情報処理装置による安全性判定処理の流れを示すフローチャートである。
図9】情報処理装置による安全性判定処理の流れを示すフローチャートである。
図10】情報処理装置が提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
図11】情報処理装置が提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
図12】情報処理装置が提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0046】
図1は、本実施形態に係るサービス提供システムの概略構成を示す図である。図1に示したサービス提供システムは、ネットワークを通じて何らかのサービスを提供するサービス提供者50と、サービス提供者50が提供するサービスを利用するユーザとが、ネットワーク60を経由して映像又は音声を送信し合うシステムである。ユーザは、サービス提供者からサービスの提供を受ける際にはユーザ機器20を使用する。ユーザ機器20は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末等の通信機器である。
【0047】
サービス提供者50が提供するサービスには様々なものがありうる。一例を挙げれば、会議を行うためのオンライン会議サービス、機密情報が含まれない会議を行うためのオンライン会議サービス、投薬を受ける医薬品の相談を行うための医薬相談サービス、旅行の提案及び予約を行うための旅行予約サービス、英会話のレッスンを行うためのオンライン英会話サービス等がある。オンライン会議サービスで行われる会議には、機密情報が含まれてもよく、機密情報が含まれなくてもよい。また、サービス提供者50が提供するサービスを利用するユーザの属性にも、様々なものが考えられる。例えば、会議利用者、営業担当者、海外旅行者、妊婦又は小さい子供のいる親等が、ユーザの属性として考えられる。
【0048】
サービス提供者50が提供するサービスを利用する際には、ユーザは任意の場所からネットワークに接続する必要がある。この任意の場所は、自宅、又はホテルの部屋等のプライベートな場所に限られない。例えば、会社等に設けられた会議室、パーテーションで区切られた打ち合わせスペース、レストラン、喫茶店、ファーストフード店等の公共の場所も、サービスを利用する際の任意の場所となり得る。また近年では、事前に予約することで利用可能となるシェアスペースも普及しつつあり、このシェアスペースもサービスを利用する際の任意の場所となり得る。図1には、会議室30及びシェアスペース40を図示しているが、ユーザがサービスの提供を受ける場所はこれらに限定されるものではない。
【0049】
サービス提供者50がサービスを提供するにあたり、ユーザがどのような場所にいるかを把握することは、サービスの安全かつ円滑な提供のために非常に重要である。例えば、機密情報を扱うオンライン会議サービスをサービス提供者50が提供する場合がある。また例えば、医薬相談サービスをサービス提供者50が提供する場合、投薬する医薬品の情報の中には、厳重に管理されなければならないものもある。そのようなサービスが提供される場合、サービスの提供を受けるユーザの周囲に他人がいたり、映像を他人に見られたり、音声を他人に聞かれたりすることがあってはならない。しかし、ユーザがサービスの提供を希望する際に、そのユーザの居場所がどのような状態なのかを確認せずに映像又は音声をその居場所に送信してしまうと、機密情報の漏洩に繋がりかねない。
【0050】
そこで、本実施形態に係るサービス提供システムは、ユーザの居場所の安全性のレベルを判定する情報処理装置10を備える。安全性のレベルとは、サービス提供者50が提供するサービスで送信される映像又は音声が、第三者に漏洩せずにユーザに提供できるかどうかを表す程度である。情報処理装置10は、サービス提供者50が提供するサービスを受けようとする、又はサービスを受けているユーザの居場所の安全性のレベルを、当該場所で撮像された映像、又は収音された音声に基づいて判定する。情報処理装置10は、安全性のレベルを、映像送信及び音声送信のそれぞれについて判定する。情報処理装置10は、ユーザの居場所の安全性のレベルの判定結果に基づいて、サービス提供者50による映像又は音声の送信の可否を決定する。情報処理装置10が、映像送信及び音声送信のそれぞれについて安全性のレベルを判定することで、サービス提供者50は、映像又は音声をユーザの居場所に安心して送信できる。
【0051】
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0052】
図2に示すように、情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、表示部16及び通信インタフェース(I/F)17を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
【0053】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12またはストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12またはストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12またはストレージ14には、サービスを利用するユーザの居場所の安全性のレベルを判定する安全性判定プログラムが格納されている。
【0054】
ROM12は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)またはフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0055】
入力部15は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0056】
表示部16は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能しても良い。
【0057】
通信インタフェース17は、ユーザ機器20等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0058】
上記の安全性判定プログラムを実行する際に、情報処理装置10は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。情報処理装置10が実現する機能構成について説明する。
【0059】
次に、情報処理装置10の機能構成について説明する。
【0060】
図3は、情報処理装置10の機能構成の例を示すブロック図である。
【0061】
図3に示すように、情報処理装置10は、機能構成として、安全性判定部101、サービスマッチング部102、及び予約部103を有する。各機能構成は、CPU11がROM12またはストレージ14に記憶された安全性判定プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0062】
安全性判定部101は、ユーザのサービスの利用場所、すなわち、サービス提供者50が提供するサービスを利用しようとする、又は利用しているユーザの居場所の、安全性のレベルを判定する。安全性判定部101は、ユーザの居場所の周囲の状況を取得し、取得した周囲の状況に基づいて、ユーザの居場所への映像送信及び音声送信のそれぞれについて、安全性のレベルを判定する。図3に示したように、安全性判定部101は、画像判定部111、音声判定部112、安全性確認部113、確認結果学習部114、学習データ記録部115、及び回避策提示部116を含む。
【0063】
画像判定部111は、ユーザの利用場所の周囲の状況として、ユーザの居場所から送信された画像データを取得し、取得した画像データを解析することで、ユーザの居場所への映像送信の安全性のレベルを判定する。画像データは、静止画像であってもよく、動画像であってもよい。画像判定部111は、安全性のレベルを判定する際に、学習データ記録部115に記録されている機械学習のデータに基づいて判定してもよい。画像判定部111は、映像送信の安全性のレベルの判定結果を、ユーザの居場所へ提示してもよい。例えば、ユーザの居場所にモニタ等の表示装置が設置されていれば、画像判定部111は、判定結果を表示装置に表示させてもよい。また例えば、ユーザの居場所にモニタ等の表示装置が設置されていなければ、画像判定部111は、判定結果をユーザ機器20に表示させてもよい。
【0064】
具体的には、画像判定部111は、ユーザの居場所から送信された画像データから、ユーザがどのような場所に居るのかを判定する。具体的には、画像判定部111は、ユーザが会議室又はシェアスペース等の密閉された場所にいるのか、窓がある部屋にいるのか、パーテーションで区切られている場所にいるのか、間仕切りが全くない開かれた場所にいるのか、等を判定する。そして、画像判定部111は、ユーザの居場所の密閉度合いが高くなるほど安全性のレベルを相対的に高く判定し、密閉度合いが低くなるほど安全性のレベルを相対的に低く判定する。
【0065】
画像判定部111は、ユーザの居場所にカメラ等の撮像装置が固定して設置されている場合は、その撮像装置に対してユーザの居場所の撮像の指示を出す。一方、ユーザの居場所に撮像装置が固定して設置されていない場合は、ユーザに対してユーザ機器20で周囲を撮像するよう指示を出す。ユーザ機器20での撮像の指示の手法は問わない。画像判定部111は、例えばユーザ機器20に撮像の指示に関するメッセージを表示させてもよく、ユーザ機器20に撮像の指示に関する音声を出力させてもよい。
【0066】
画像判定部111は、カメラからの死角になっている場所があると画像データから判断した場合には、死角部分の撮像を追加で指示してもよい。また画像判定部111は、壁が写っていないと画像データから判断した場合には、壁の存在を認識できるまでユーザの居場所の撮像を追加で指示してもよい。
【0067】
また画像判定部111は、画像データからでは完全に安全性のレベルを判定できない場合は、ユーザに対して部屋を暗くしてから撮像してもらい、光の入り具合から安全性のレベルを判定してもよい。例えば、画像判定部111は、外からの光の入り方から、ユーザの居場所がどのような構造であるかを判断し、安全性のレベルを判定してもよい。
【0068】
画像判定部111は、安全性のレベルの判定結果に基づいて、サービス提供者50が提供するサービスに応じ、ユーザの居場所と、当該居場所とは異なる他の場所との間の映像の通信の是非を判断してもよい。
【0069】
例えば、画像判定部111が判定した安全性のレベルと、サービス提供者50が提供するサービスが要求するレベルとを比較して、画像判定部111が判定した安全性のレベルが、サービスが要求するレベル以上であれば、ユーザの居場所への映像送信を許可する。一方、画像判定部111が判定した安全性のレベルと、サービス提供者50が提供するサービスが要求するレベルとを比較して、画像判定部111が判定した安全性のレベルが、サービスが要求するレベル未満であれば、ユーザの居場所への映像送信を制限する。
【0070】
音声判定部112は、ユーザの利用場所の周囲の状況として、ユーザの居場所で所定時間収音され、ユーザの居場所から送信された音声データを取得する。そして音声判定部112は、取得した音声データを解析することで、ユーザの居場所への音声送信の安全性のレベルを判定する。音声判定部112は、安全性のレベルを判定する際に、学習データ記録部115に記録されている機械学習のデータに基づいて判定してもよい。音声判定部112は、音声送信の安全性のレベルの判定結果を、ユーザの居場所へ提示してもよい。例えば、ユーザの居場所にモニタ等の表示装置が設置されていれば、音声判定部112は、判定結果を表示装置に表示させてもよい。また例えば、ユーザの居場所にモニタ等の表示装置が設置されていなければ、音声判定部112は、判定結果をユーザ機器20に表示させてもよい。
【0071】
具体的には、音声判定部112は、音声データから、ユーザの周囲の人の有無を判定する。音声判定部112は、ユーザの周囲に人がいないほど安全性のレベルを相対的に高く判定し、ユーザの周囲に人が多くなったり、騒音が多くなったりするほど安全性のレベルを相対的に低く判定する。
【0072】
音声判定部112は、ユーザの居場所から音声データを取得する際に、ユーザの居場所にマイク等の収音装置が固定して設置されている場合は、その収音装置に対し収音レベルを最大にする指示を出す。一方、ユーザの居場所に収音装置が固定して設置されていない場合は、ユーザに対してユーザ機器20に備えられた収音装置の収音レベルを最大にした上で収音するよう指示を出す。ユーザ機器20での収音の指示の手法は問わない。音声判定部112は、例えばユーザ機器20に収音の指示に関するメッセージを表示させてもよく、ユーザ機器20に収音の指示に関する音声を出力させてもよい。
【0073】
音声判定部112は、ユーザの居場所でサービスを利用しようとする、又は利用している人の数と、音声データから認識した人の数とで差があるかどうかによって、安全性のレベルを判定してもよい。例えば、ユーザの利用目的が会議であり、ユーザの居場所で2人が会議に参加しようとしているとする。音声データから2人の声を認識した場合、音声判定部112は、安全性のレベルを相対的に高く判定する。一方、音声データから3人の声を認識した場合、音声判定部112は、安全性のレベルを相対的に低く判定する。
【0074】
音声判定部112は、安全性のレベルの判定結果に基づいて、サービス提供者が提供するサービスに応じ、ユーザの居場所と、当該居場所とは異なる他の場所との間の音声の通信の是非を判断してもよい。
【0075】
例えば、音声判定部112が判定した安全性のレベルと、サービス提供者50が提供するサービスが要求するレベルとを比較して、音声判定部112が判定した安全性のレベルが、サービスが要求するレベル以上であれば、ユーザの居場所への音声送信を許可する。一方、音声判定部112が判定した安全性のレベルと、サービス提供者50が提供するサービスが要求するレベルとを比較して、音声判定部112が判定した安全性のレベルが、サービスが要求するレベル未満であれば、ユーザの居場所への音声送信を制限する。
【0076】
サービス提供者50がサービスの提供を開始した時点では、ユーザの居場所の安全性のレベルが、サービスが要求するレベル以上であっても、その後、ユーザの居場所の安全性のレベルが、サービスが要求するレベル未満に低下する場合があり得る。従って、画像判定部111及び音声判定部112は、サービス提供者50がサービスの提供を開始した後も、ユーザの居場所の安全性のレベルを判定してもよい。そして、ユーザの居場所の安全性のレベルが、サービスが要求するレベル未満に低下した場合は、画像判定部111又は音声判定部112は、ユーザの居場所への映像送信又は音声送信を制限してもよい。また、ユーザの居場所の安全性のレベルが、サービスが要求するレベル未満に低下した場合は、画像判定部111及び音声判定部112は、ユーザの居場所に対して所定の警告を提示してもよい。
【0077】
安全性確認部113は、画像判定部111又は音声判定部112によっては、安全性のレベルを判定できない場合に、サービス提供者に安全性のレベルを確認させる。安全性確認部113は、サービス提供者の管理者が目で見ることで、又は耳で聞くことで確認した安全性のレベルを、ユーザの居場所における安全性のレベルとする。
【0078】
確認結果学習部114は、ユーザの居場所から送られた画像データ又は音声データと、安全性確認部113によってサービス提供者に確認させた安全性のレベルとを教師データとして、安全性のレベルの判定についての機械学習を実施する。確認結果学習部114は、学習データ記録部115に記録されている機械学習のデータを、機械学習の結果で更新する。確認結果学習部114が、安全性のレベルの判定についての機械学習を実施することで、画像判定部111及び音声判定部112での判定精度を向上させることができる。
【0079】
例えば、ある場所から送信された画像データ又は音声データの解析では安全性のレベルが判定できず、管理者の確認によって安全性のレベルが判定されたとする。確認結果学習部114が管理者の確認結果を学習することで、安全性判定部101は、次に同じ場所、または同様の構造を有する場所から送信された画像データ又は音声データを解析することで、安全性のレベルを判定できる可能性が高まる。
【0080】
画像判定部111又は音声判定部112の安全性のレベルの判定結果によっては、サービス提供者50が提供するサービスにおいて要求される安全性のレベルを満たさない可能性がある。回避策提示部116は、ユーザの居場所の安全性のレベルが、サービス提供者50が提供するサービスにおいて要求される安全性のレベルを満たさない場合に、ユーザの居場所へサービスを提供できるようにするための手法を回避策として提供する。
【0081】
図4は、映像送信の安全性のレベルに関する情報の例を示す図である。レベルの数値が高いほど映像送信の安全性のレベルが高いことを意味している。
【0082】
例えば、画像データを解析した結果、ユーザの居場所の周囲が完全に壁及び天井で囲われていることがわかった場合は、画像判定部111は安全性のレベルをレベル4と判定する。この場合は、そのままの状態でユーザの居場所に対してサービスの提供が可能である。
【0083】
また例えば、画像データを解析した結果、ユーザの居場所の周囲の一部が窓になっているが、距離が離れていてモニタの画面はほとんど見えないことがわかった場合は、画像判定部111は安全性のレベルをレベル3と判定する。この場合は、回避策提示部116は、モニタの角度を変更することで映像を送信できるようになる旨をユーザ機器20に対して提示する。また、この場合においてサービス提供者が提供できるサービスは、例えば、機密情報を含んだ社内での会議、又は医薬の相談といったものが考えられる。
【0084】
また例えば、画像データを解析した結果、ユーザの居場所の周囲の一部が窓になっていて、窓の外からモニタの画面が見えることがわかった場合は、画像判定部111は安全性のレベルをレベル2と判定する。この場合は、回避策提示部116は、モニタの画面表示を小さくしたり、解像度を低くしたりすることで映像を送信できるようになる旨をユーザ機器20に対して提示する。また、この場合においてサービス提供者が提供できるサービスは、例えば、機密情報を含まない社内若しくは社外での会議、又は旅行代理店の窓口業務といったものが考えられる。
【0085】
また例えば、画像データを解析した結果、ユーザの居場所の周囲が壁で囲まれていないことがわかった場合は、画像判定部111は安全性のレベルをレベル1と判定する。この場合は、回避策提示部116は、映像送信によるコミュニケーションは不可能であるが、音声送信だけによるコミュニケーションならば可能である旨をユーザ機器20に対して提示する。この場合においてサービス提供者が提供できるサービスは、音声コミュニケーションサービスが考えられる。また例えば、この場合は、回避策提示部116は、英会話レッスンのような機密情報を扱わないサービスであれば通常の画面表示でも問題が無い旨をユーザ機器20に提示する。
【0086】
回避策提示部116が提示する回避策は係る例に限定されない。例えば、回避策提示部116は、画面を赤等の所定の色で表示し、覗かれる危険性をユーザに通知してもよい。また回避策提示部116は、画面のコントラストを低下させることで情報が覗かれる危険性を低下させてもよい。また回避策提示部116は、機密文書を送信する場合には黒塗りで表示するよう制御してもよい。回避策提示部116は、例えば、文書に所定のマークが付与されているかどうかで、機密文書かどうかを判断してもよい。
【0087】
図5は、音声送信の安全性のレベルに関する情報の例を示す図である。レベルの数値が高いほど音声送信の安全性のレベルが高いことを意味している。ここでは、ユーザの居場所が会議室である場合を例示している。
【0088】
例えば、会議室にいる人以外の音声がまったく聞こえない場合は、音声判定部112は安全性のレベルをレベル3と判定する。この場合は、そのままの状態でユーザの居場所に対してサービスの提供が可能である。すなわち、音声送信の安全性がレベル3の場合は、スピーカからの音声の出力が可能である。
【0089】
また例えば、会議室にいる人以外の音声がわずかに聞こえる場合は、音声判定部112は安全性のレベルをレベル2と判定する。この場合は、回避策提示部116は、機密情報を含んだ社内での会議、又は医薬の相談を行う場合、イヤホンを使用したり、電話(電話に準じた通話サービスも含む)を使用したりするときに限りサービスの提供が可能である旨をユーザ機器20に対して提示する。またこの場合は、回避策提示部116は、機密情報を含まない社内、又は社外での会議、又は旅行代理店の窓口業務を行う場合、スピーカの音量を所定量以下に下げたときに限りサービスの提供が可能である旨をユーザ機器20に対して提示する。
【0090】
また例えば、会議室にいる人以外の音声が大きく、又は頻繁に聞こえる場合は、音声判定部112は安全性のレベルをレベル1と判定する。この場合は、回避策提示部116は、英会話レッスンのような機密情報を扱わないサービスであれば通常の画面表示でも問題が無い旨をユーザ機器20に提示する。また例えば、回避策提示部116は、音声を文字に変換して画面に出力することで伝達すればサービスの提供が可能である旨を、ユーザ機器20に対して提示してもよい。
【0091】
情報処理装置10は、このように安全性のレベルに応じた手法を提案することで、手法を講じない場合に比べ、情報の漏洩のリスクを低下させることができる。
【0092】
サービスマッチング部102は、サービス提供者50が提供するサービスを利用するユーザのマッチングを行う。サービスマッチング部102は、画像判定部111及び音声判定部112の判定結果に基づいてマッチングを行ってもよい。例えば、サービス提供者が提供するサービスがオンライン英会話システムであれば、ユーザは、英会話を教える講師及び英会話のレッスンを受ける生徒である。
【0093】
予約部103は、サービス提供者50が提供するサービスについて、ユーザからの利用予約を受け付ける。予約部103が受け付ける利用予約に含まれる情報には、サービスを利用する時間帯、場所、人数、サービスの内容等が含まれ得る。
【0094】
本実施形態に係る情報処理装置10は、図3に示した構成を有することで、ユーザの居場所で撮像された映像、又は収音された音声に基づいて、映像送信及び音声送信のそれぞれについて判定することができる。そして、本実施形態に係る情報処理装置10は、ユーザの居場所の安全性のレベルの判定結果に基づいて、サービス提供者50による映像又は音声の送信の可否を決定することができる。
【0095】
次に、情報処理装置10の作用について説明する。
【0096】
図6は、情報処理装置10による安全性判定処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から安全性判定プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、安全性判定処理が行なわれる。
【0097】
最初に、CPU11は、サービス提供者50が提供するサービスを利用しようとするユーザの居場所からの、当該サービスへの接続要求を取得する(ステップS101)。
【0098】
ステップS101に続いて、CPU11は、サービス提供者50が提供するサービスを利用しようとするユーザの居場所への映像送信の安全性のレベルを判定する(ステップS102)。
【0099】
ステップS102に続いて、CPU11は、ユーザの居場所への音声送信の安全性のレベルを判定する(ステップS103)。なお、映像送信の安全性のレベルの判定処理と、音声送信の安全性のレベルの判定処理との順序は、逆でもよい。また、CPU11は、映像送信の安全性のレベルの判定処理と、音声送信の安全性のレベルの判定処理とを並行して実施してもよい。
【0100】
ステップS103に続いて、CPU11は、判定した安全性のレベルが、サービス提供者が提供するサービスで要求されるレベル以上であるかどうか判断する(ステップS104)。
【0101】
ステップS104の判断の結果、判定した安全性のレベルが、サービス提供者50が提供するサービスで要求されるレベル以上であれば(ステップS104;Yes)、CPU11は、サービス提供者に対し、ユーザの居場所への接続を許可する(ステップS105)。CPU11は、ユーザの居場所への接続の可否を、映像及び音声のそれぞれに対して判定する。
【0102】
一方、ステップS104の判断の結果、判定した安全性のレベルが、サービス提供者50が提供するサービスで要求されるレベル以上でなければ(ステップS104;No)、CPU11は、サービス提供者50が提供するサービスをユーザが受けられるための回避策があるかどうか判断する(ステップS106)。
【0103】
回避策があると判断した場合は(ステップS106;Yes)、CPU11は、ユーザに対して回避策を提示する(ステップS107)。そして、CPU11は、サービス提供者に対し、ユーザの居場所への接続を許可する(ステップS105)。
【0104】
CPU11は、ユーザが回避策を実行したことを条件に、サービス提供者に対し、ユーザの居場所への接続を許可してもよいし、ユーザの自己責任で、ユーザの回避策の実行を待たずに、サービス提供者に対し、ユーザの居場所への接続を許可してもよい。例えば、CPU11は、ユーザの居場所に設置されているモニタの角度を所定の角度だけ左右に回転させるという回避策を提示した場合、ユーザの居場所に設置されているモニタの回転角を取得する。そしてCPU11は、実際にモニタが所定の角度以上回転されてから、ユーザの居場所への接続を許可してもよい。
【0105】
一方、回避策が無いと判断した場合は(ステップS106;No)、CPU11は、サービス提供者に対し、ユーザの居場所への接続を却下する(ステップS108)。
【0106】
図7は、情報処理装置10による安全性判定処理の流れを示すフローチャートである。図7に示したのは、図6のステップS102の、映像送信の安全性のレベルを判定する処理の詳細である。
【0107】
まず、CPU11は、ユーザの居場所にカメラが固定して設置されているかどうか判断する(ステップS111)。CPU11は、カメラが固定して設置されているかどうか、ユーザからの情報提供によって判断してもよく、ユーザがサービスを利用しようとする場所について予め登録された情報に基づいて判断してもよい。
【0108】
ユーザの居場所にカメラが固定して設置されている場合は(ステップS111;Yes)、CPU11は、そのカメラからの撮像でユーザの周囲を判定可能かどうか判断する(ステップS112)。CPU11は、そのカメラからの撮像でユーザの周囲の状況を判定可能かどうか、ユーザからの情報提供によって判断してもよく、ユーザがサービスを利用しようとする場所について予め登録された情報に基づいて判断してもよい。例えば、CPU11は、カメラの向きを情報処理装置10から制御可能である、という情報が登録されているかどうかで、ユーザの周囲の状況を判定可能かどうか判断してもよい。
【0109】
カメラからの撮像でユーザの周囲を判定可能である場合は(ステップS112;Yes)、CPU11は、そのカメラに対して撮像指示を送る(ステップS113)。
【0110】
ユーザの居場所にカメラが固定して設置されていない場合は(ステップS111;No)、又は、カメラからの撮像でユーザの周囲を判定可能ではない場合は(ステップS112;No)、CPU11は、ユーザ機器20でユーザの周囲の状況を撮像可能か判断する(ステップS114)。CPU11は、ユーザ機器20でユーザの周囲の状況を撮像可能か、例えばユーザからの情報提供によって判断する。
【0111】
ユーザ機器20でユーザの周囲の状況を撮像可能であれば(ステップS114、Yes)、CPU11は、ユーザの周囲の状況の撮像をユーザに対して指示する(ステップS115)。ユーザへの指示方法は特定の方法に限定されるものではない。例えば、CPU11は、ユーザ機器20から文字、画像、又は音声を出力させることによってユーザに指示してもよく、ユーザの居場所に設置されているモニタから文字又は画像を表示させることによってユーザに指示してもよく、スピーカから音声を出力させることによってユーザに指示してもよい。
【0112】
CPU11は、ユーザの居場所で撮像された画像データを用いて、ユーザの居場所への映像送信の安全性のレベルを判定する(ステップS116)。
【0113】
ステップS116に続いて、CPU11は、安全性のレベルを確定するために、ユーザの居場所を追加で撮像する必要があるかどうか判断する(ステップS117)。例えば、CPU11は、ユーザの居場所で撮像されていない場所があるかどうかで、追加で撮像する必要があるかどうか判断する。
【0114】
ユーザの居場所を追加で撮像する必要があると判断した場合は(ステップS117;Yes)、CPU11は、ユーザの周囲の状況の撮像をユーザに対して指示する(ステップS115)。CPU11は、例えば、ユーザの居場所で撮像された画像データでは安全性のレベルが複数判定できる場合に、ユーザの居場所を追加で収音する必要があると判断する。一方、ユーザの居場所を追加で撮像する必要がないと判断した場合は(ステップS117;No)、CPU11は、ユーザの居場所への映像送信の安全性のレベルを確定する(ステップS118)。
【0115】
一方、ステップS114の判断の結果、ユーザ機器20でユーザの周囲の状況を撮像可能でなければ(ステップS114、No)、CPU11は、ユーザの居場所への映像送信の安全性のレベルを確定しない(ステップS119)。ユーザの居場所への映像送信の安全性のレベルが確定できなければ、CPU11は、その居場所への映像送信を制限してもよい。また、ユーザの居場所への映像送信の安全性のレベルが確定できなければ、CPU11は、ユーザにその場所へ映像を送信しても問題がないか確認させてもよい。
【0116】
図8は、情報処理装置10による安全性判定処理の流れを示すフローチャートである。図8に示したのは、図6のステップS103の、音声送信の安全性のレベルを判定する処理の詳細である。
【0117】
まず、CPU11は、ユーザの居場所にマイクが固定して設置されているかどうか判断する(ステップS121)。CPU11は、マイクが固定して設置されているかどうか、ユーザからの情報提供によって判断してもよく、ユーザがサービスを利用しようとする場所について予め登録された情報に基づいて判断してもよい。
【0118】
ユーザの居場所にマイクが固定して設置されている場合は(ステップS121;Yes)、CPU11は、そのマイクの収音レベルを最大化する(ステップS122)。
【0119】
一方、ユーザの居場所にマイクが固定して設置されていない場合は(ステップS121;No)、CPU11は、ユーザ機器20でユーザの周囲の状況を収音可能か判断する(ステップS123)。CPU11は、ユーザ機器20でユーザの周囲の状況を収音可能か、ユーザからの情報提供によって判断する。
【0120】
ユーザ機器20でユーザの周囲の状況を収音可能である場合は(ステップS123;Yes)、CPU11は、そのユーザ機器20のマイクの収音レベルをリモートで最大化できるかどうか判断する(ステップS124)。例えば、ユーザ機器20のマイクの収音レベルを外部から変更することが許可されているかどうかによって、CPU11はステップS124の判断を行ってもよい。
【0121】
ユーザ機器20のマイクの収音レベルをリモートで最大化できる場合は(ステップS124;Yes)、CPU11は、そのマイクの収音レベルを最大化する(ステップS122)。一方、ユーザ機器20のマイクの収音レベルをリモートで最大化できない場合は(ステップS124;No)、CPU11は、ユーザ機器20のマイクの収音レベルを最大化するようユーザに指示する(ステップS125)。例えば、CPU11は、ユーザ機器20から文字、画像、又は音声を出力させることによってユーザに指示してもよく、ユーザの居場所に設置されているモニタから文字又は画像を表示させることによってユーザに指示してもよく、スピーカから音声を出力させることによってユーザに指示してもよい。
【0122】
続いて、CPU11は、ユーザの周囲の状況をマイクで収音させる(ステップS126)。
【0123】
ステップS126に続いて、CPU11は、ユーザの居場所で収音された音声データを用いて、ユーザの居場所への音声送信の安全性のレベルを判定する(ステップS127)。
【0124】
ステップS127に続いて、CPU11は、安全性のレベルを確定するために、ユーザの居場所を追加で収音する必要があるかどうか判断する(ステップS128)。
【0125】
ユーザの居場所を追加で収音する必要があると判断した場合は(ステップS128;Yes)、CPU11は、ステップS126に戻って、再びユーザの周囲の状況をマイクで収音させる。CPU11は、例えば、ユーザの居場所で収音された音声データでは安全性のレベルが複数判定できる場合に、ユーザの居場所を追加で収音する必要があると判断する。一方、ユーザの居場所を追加で収音する必要がないと判断した場合は(ステップS128;No)、CPU11は、ユーザの居場所への音声送信の安全性のレベルを確定する(ステップS129)。
【0126】
一方、ステップS123の判断の結果、ユーザ機器20でユーザの周囲の状況を収音可能でなければ(ステップS123、No)、CPU11は、ユーザの居場所への音声送信の安全性のレベルを確定しない(ステップS130)。ユーザの居場所への音声送信の安全性のレベルが確定できなければ、CPU11は、その居場所への音声送信を制限してもよい。また、ユーザの居場所への音声送信の安全性のレベルが確定できなければ、CPU11は、ユーザにその場所へ音声を送信しても問題がないか確認させてもよい。
【0127】
図9は、情報処理装置10による安全性判定処理の流れを示すフローチャートである。図9に示したのは、情報処理装置10が安全性のレベルの判定結果を学習する処理の詳細である。
【0128】
CPU11は、ユーザの居場所の画像データ及び音声データからでは安全性のレベルを判定できない場合に、サービス提供者に安全性のレベルの確認を依頼する(ステップS131)。依頼の手法は特定のものに限定されない。
【0129】
ステップS131に続いて、CPU11は、安全性のレベルの確認のために、追加で撮像又は収音が必要であるとサービス提供者が判断したかどうか判定する(ステップS132)。
【0130】
追加で撮像又は収音が必要であるとサービス提供者が判断した場合は(ステップS132;Yes)、CPU11は、ユーザの居場所に対し、カメラによる撮像、又はマイクによる収音を指示する(ステップS133)。カメラによる撮像、又はマイクによる収音を指示し、撮像又は収音が行われると、CPU11は、ステップS131に戻り、サービス提供者に安全性のレベルの確認を再び依頼する。
【0131】
一方、追加で撮像又は収音が必要でないとサービス提供者が判断した場合は(ステップS132;No)、サービス提供者は安全性のレベルを判定する。CPU11は、サービス提供者による安全性のレベルの判定結果を取得し、画像データ又は音声データと、安全性のレベルの判定結果とを教師データとした機械学習を実施する(ステップS134)。
【0132】
ステップS134に続いて、CPU11は、機械学習した結果を用いて学習データを更新する(ステップS135)。CPU11は、機械学習した結果を用いて学習データを更新することで、次に同じ場所、または同様の構造を有する場所から送信された映像データ又は音声データを解析した場合に、安全性のレベルを判定できる可能性を高めることができる。
【0133】
本実施形態に係る情報処理装置10は、上述したような動作を実行することで、ユーザの居場所で撮像された映像、又は収音された音声に基づいて、映像送信及び音声送信のそれぞれについて判定することができる。そして、本実施形態に係る情報処理装置10は、ユーザの居場所の安全性のレベルの判定結果に基づいて、サービス提供者50による映像又は音声の送信の可否を決定することができる。
【0134】
上述した例では、CPU11は、ユーザがサービスの利用を開始する時点で、ユーザの居場所の安全性のレベルを判定していた。ユーザのサービスの利用場所が予めわかっていれば、CPU11は、ユーザへのサービスの提供に先立ち、ユーザのサービスの利用場所の安全性のレベルを判定してもよい。CPU11が、利用場所の安全性のレベルを予め判定することで、その場所の安全性のレベルの情報を、サービスの提供前にユーザに提示できる。またCPU11が、予め利用場所の安全性のレベルを判定することで、ユーザへのサービスの提供までの時間を短縮できる。
【0135】
例えば、ユーザがサービスを利用するためにシェアスペース40を予約した場合、CPU11は、そのシェアスペース40について安全性のレベルを予め判定してもよい。そして、CPU11は、そのシェアスペース40の安全性のレベルが、ユーザに提供しようとするサービスが要求する安全性のレベル未満である場合、CPU11は、シェアスペース40の安全性のレベルが低い旨をユーザに提示してもよい。ユーザは、その予約したシェアスペース40をそのまま利用するか、予約を取りやめて別の場所に変更するか、を判断することができる。
【0136】
続いて、情報処理装置10が提供するユーザインタフェースの例を説明する。
【0137】
図10は、情報処理装置10が提供するユーザインタフェースの例である。図10に示したのは、図7のステップS115でユーザに周囲を撮像させる際に、例えばユーザの居場所に設置されているモニタ、又はユーザが使用するユーザ機器20に表示させるメッセージの例である。情報処理装置10は、図10に示したようなメッセージを提示することで、ユーザに対して分かりやすく撮像を指示できる。
【0138】
図11は、情報処理装置10が提供するユーザインタフェースの例である。図11に示したのは、図7のステップS117で追加の撮像が必要であるとCPU11が判断した場合に、例えばユーザの居場所に設置されているモニタ、又はユーザが使用するユーザ機器20に表示させるメッセージの例である。情報処理装置10は、図11に示したようなメッセージを提示することで、ユーザに対して分かりやすく撮像を指示できる。
【0139】
図12は、情報処理装置10が提供するユーザインタフェースの例である。図12に示したのは、図6のステップS107の回避策の提示の際に、例えばユーザの居場所に設置されているモニタ、又はユーザが使用するユーザ機器20に表示させるメッセージの例である。情報処理装置10は、図12に示したようなメッセージを提示することで、ユーザに対して分かりやすく回避策を提示できる。
【0140】
なお、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した安全性判定処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、安全性判定処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0141】
また、上記各実施形態では、安全性判定処理のプログラムがROMまたはストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0142】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0143】
10 情報処理装置
20 ユーザ機器
30 会議室
40 シェアスペース
50 サービス提供者
60 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12