(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240702BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G09F9/00 348Z
G02F1/1333
G09F9/00 309
G09F9/00 350Z
(21)【出願番号】P 2019228299
(22)【出願日】2019-12-18
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】加藤 真一
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-058836(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0047962(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0024714(US,A1)
【文献】特開2012-088605(JP,A)
【文献】特開2005-049774(JP,A)
【文献】特開2010-010255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G02F 1/1333
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を含む表示パネルと、
前記基板に取り付けられ、
ベースフィルムと、前記ベースフィルム上に設けられた配線層と、前記配線層上に設けられたカバーフィルムとを含むフレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板上に設けられた導電部材と、
を具備し、
前記配線層は、グランド線を含み、
前記フレキシブルプリント配線板は、前記グランド線に電気的に接続され、前記基板の上方に配置された金属膜を含み、
前記カバーフィルムは、前記グランド線を被覆しかつ前記金属膜を露出するように構成され、
前記導電部材は、前記金属膜上に設けられ、前記表示パネルを覆う上側ケースに接し、
前記導電部材は、クッション部材と、前記クッション部材を包む導電層とを含み、
前記導電部材は、前記上側ケースに固定されない
表示装置。
【請求項2】
基板を含む表示パネルと、
前記基板に取り付けられ、
ベースフィルムと、前記ベースフィルム上に設けられた配線層と、前記配線層上に設けられたカバーフィルムとを含むフレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板上に設けられた導電部材と、
を具備し、
前記フレキシブルプリント配線板は、前記配線層を含む本体部と、前記本体部の端部から前記基板の端部に沿って延びるようにして前記基板上に設けられた延在部とを含み、
前記配線層は、グランド線を含み、
前記延在部は、前記ベースフィルム上に設けられ、前記グランド線に電気的に接続された金属膜を含み、
前記カバーフィルムは、前記グランド線を被覆しかつ前記金属膜を露出するように構成され、
前記導電部材は、前記金属膜上に設けられ、前記表示パネルを覆う上側ケースに接し、
前記導電部材は、クッション部材と、前記クッション部材を包む導電層とを含み、
前記導電部材は、前記上側ケースに固定されない
表示装置。
【請求項3】
前記導電層は、メッシュ形状を有する
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記導電部材と前記金属膜とを固定するシール材をさらに具備する
請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
基板を含む表示パネルと、
前記基板に接続され、グランド線を含むフレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板の端部から前記基板の端部に沿って延びるようにして前記基板の上方に設けられた延在部と、
前記基板と前記延在部との間に設けられたクッション部材と、
を具備し、
前記延在部は、前記グランド線に電気的に接続された金属膜を含み、
前記金属膜は、前記表示パネルを覆う上側ケースに接する
表示装置。
【請求項6】
前記延在部は、ベースフィルムと、前記ベースフィルム上に設けられた配線層とをさらに含み、
前記金属膜は、前記配線層上に設けられる
請求項
5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記フレキシブルプリント配線板は、ベースフィルムと、前記ベースフィルム上に設けられた配線層と、前記配線層上に設けられたシール材と、前記シール材上に設けられたカバーフィルムとを含み、
前記グランド線は、前記配線層に含まれる
請求項
5又は6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記金属膜は、めっき膜で構成される
請求項1乃至
7のいずれかに記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示パネルを収容する下側ケースと、
前記下側ケースに接する前記上側ケースと、
をさらに具備し、
前記上側ケース及び前記下側ケースは、金属で構成される
請求項1乃至8のいずれかに記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置として液晶表示装置が知られている。液晶表示装置は、バックライト及び液晶表示パネルを備える。組み立て工程において、バックライト及び液晶表示パネルは、下側の金属ケースと上側の金属ケースとで包むように固定される。
【0003】
液晶表示パネルには、信号を供給するためのフレキシブルプリント配線板(FPC)が取り付けられる。フレキシブルプリント配線板は、上下の金属ケースの外側に引き出される。
【0004】
液晶表示パネルは、ノイズを発生させる場合がある。このノイズは、フレキシブルプリント配線板に接続された外部装置に悪影響を与える。また、ノイズの影響により、液晶表示パネルの動作が不安定になり、表示特性が劣化してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ノイズを低減することが可能な表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る表示装置は、基板を含む表示パネルと、前記基板に取り付けられ、グランド線と、前記グランド線に電気的に接続され、前記基板の上方に配置された金属膜とを含むフレキシブルプリント配線板と、前記金属膜上に設けられ、前記表示パネルを覆う上側ケースに接する導電部材とを具備する。前記導電部材は、クッション部材と、前記クッション部材を包む導電層とを含む。
【0008】
本発明の一態様に係る表示装置は、基板を含む表示パネルと、前記基板に取り付けられ、グランド線を含むフレキシブルプリント配線板と、前記フレキシブルプリント配線板の端部から前記基板の端部に沿って延びるようにして前記基板上に設けられ、前記グランド線に電気的に接続された金属膜を含む延在部と、前記金属膜上に設けられ、前記表示パネルを覆う上側ケースに接する導電部材とを具備する。前記導電部材は、クッション部材と、前記クッション部材を包む導電層とを含む。
【0009】
本発明の一態様に係る表示装置は、基板を含む表示パネルと、前記基板に接続され、グランド線を含むフレキシブルプリント配線板と、前記フレキシブルプリント配線板の端部から前記基板の端部に沿って延びるようにして前記基板の上方に設けられた延在部と、前記基板と前記延在部との間に設けられたクッション部材とを具備する。前記延在部は、前記グランド線に電気的に接続された金属膜を含む。前記金属膜は、前記表示パネルを覆う上側ケースに接する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ノイズを低減することが可能な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る液晶表示装置の平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したA-A´線に沿った液晶表示装置の断面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した液晶表示パネル及びバックライトを説明する図である。
【
図4】
図4は、液晶表示パネルの一例を示す断面図である。
【
図8】
図8は、
図2に示したフレキシブルプリント配線板及び導電部材を説明する図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る液晶表示パネルを説明する図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係るフレキシブルプリント配線板及び導電部材の平面図である。
【
図11】
図11は、
図10に示したA-A´線に沿ったフレキシブルプリント配線板の断面図である。
【
図12】
図12は、
図10に示したB-B´線に沿ったフレキシブルプリント配線板及び導電部材の断面図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【
図14】
図14は、第3実施形態に係る液晶表示パネルを説明する図である。
【
図15】
図15は、第3実施形態に係るフレキシブルプリント配線板及びクッション部材の平面図である。
【
図16】
図16は、
図15に示したB-B´線に沿ったフレキシブルプリント配線板及びクッション部材の断面図である。
【
図17】
図17は、第3実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法および比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、図面の相互間で同じ部分を表す場合においても、互いの寸法の関係や比率が異なって表される場合もある。特に、以下に示す幾つかの実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置等によって、本発明の技術思想が特定されるものではない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0013】
[1] 第1実施形態
以下に、表示装置として液晶表示装置を例に挙げて説明する。
【0014】
[1-1] 液晶表示装置1の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置1の平面図である。
図2は、
図1に示したA-A´線に沿った液晶表示装置1の断面図である。A-A´線に直交する方向がX方向、A-A´線に沿った方向がY方向である。
【0015】
液晶表示装置1は、液晶表示パネル10、バックライト(照明装置)20、フレーム21、下側ケース22、及び上側ケース23を備える。
【0016】
バックライト20の上方には、液晶表示パネル10が配置される。バックライト20と液晶表示パネル10とは、フレーム21によって固定される。下側ケース22は、液晶表示パネル10、バックライト20、及びフレーム21を収容する。上側ケース23は、下側ケース22に被せられ、液晶表示パネル10を上側から固定する。
【0017】
以下に各部品の具体的な構成について説明する。
【0018】
(液晶表示パネル10)
図3は、液晶表示パネル10及びバックライト20を説明する図である。
図3(a)が平面図、
図3(b)が側面図、
図3(c)が正面図である。
【0019】
液晶表示パネル10は、基板11、12、偏光板13、14、及びドライバ15を備える。基板11、12間には、液晶層などが配置される。
図2及び
図3では、基板11、12間の部材について図示を省略している。偏光板13は、基板11の一方の主面に積層される。偏光板14は、基板12の一方の主面に積層される。
【0020】
基板11のY方向の端部には、ドライバ15が配置される。ドライバ15は、液晶表示パネル10に含まれる複数の画素を駆動する回路である。ドライバ15は、IC(Integrated Circuit:集積回路)で構成される。
【0021】
基板11のY方向の端部には、フレキシブルプリント配線板30が接続される。フレキシブルプリント配線板30は、ドライバ15に電気的に接続される。フレキシブルプリント配線板(FPC:Flexible Printed Circuit)30は、プリント基板の一種であり、フレキシブルプリント回路基板とも呼ばれる。フレキシブルプリント配線板30は、薄く柔らかい絶縁性のあるベースフィルムと、導電性金属とを貼り合わせた基材に電気回路を形成したフィルム状のプリント基板である。
【0022】
フレキシブルプリント配線板30上には、導電部材40が設けられる。導電部材40は、フレキシブルプリント配線板30に含まれるグランド線を上側ケース23に電気的に接続するためのものである。導電部材40の具体的な構成については後述する。
【0023】
なお、液晶表示パネル10上には、一般的にタッチパネルが設けられるが、タッチパネルの図示は省略している。
【0024】
図4は、液晶表示パネル10の一例を示す断面図である。
【0025】
液晶表示パネル10は、スイッチング素子及び画素電極等が形成されるTFT基板11と、カラーフィルター及び共通電極等が形成されかつTFT基板11に対向配置されるカラーフィルター基板(CF基板)12とを備える。TFT基板11及びCF基板12の各々は、透明基板(例えば、ガラス基板、又はプラスチック基板)から構成される。TFT基板11は、バックライト20に対向配置され、バックライト20からの照明光は、TFT基板11側から液晶表示パネル10に入射する。液晶表示パネル10の2つの主面のうちバックライト20と反対側の主面が、液晶表示パネル10の表示面である。
【0026】
液晶層50は、TFT基板11及びCF基板12間に充填される。具体的には、液晶層50は、TFT基板11及びCF基板12と、これらを貼り付けるシール材(図示せず)とによって包囲された領域内に封入される。シール材は、例えば、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、又は紫外線・熱併用型硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFT基板11又はCF基板12に塗布された後、紫外線照射、又は加熱等により硬化させられる。
【0027】
液晶層50を構成する液晶材料は、TFT基板11及びCF基板12間に印加された電界に応じて液晶分子の配向が操作されて光学特性が変化する。液晶モードとしては、VA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モード、及びホモジニアスモードなど種々の液晶モードを適用することができる。
【0028】
TFT基板11の液晶層50側には、複数のスイッチング素子(アクティブ素子)51が設けられる。スイッチング素子51としては、例えばTFT(Thin Film Transistor)が用いられ、またnチャネルTFTが用いられる。TFT51は、走査線として機能するゲート電極と、ゲート電極上に設けられたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に設けられた半導体層(例えばアモルファスシリコン層)と、半導体層に部分的に接しかつ互いに離間して設けられたソース電極及びドレイン電極とを備える。ソース電極は、信号線に電気的に接続される。
【0029】
TFT51上には、絶縁層52が設けられる。絶縁層52上には、複数の画素に対応する複数の画素電極53が設けられる。絶縁層52内かつTFT51のドレイン電極上には、画素電極53に電気的に接続されたコンタクトプラグ(コンタクトホール)54が設けられる。
【0030】
CF基板12の液晶層50側には、カラーフィルター55が設けられる。カラーフィルター55は、複数の着色フィルター(着色部材)を備え、具体的には、複数の赤フィルター55-R、複数の緑フィルター55-G、及び複数の青フィルター55-Bを備える。一般的なカラーフィルターは光の三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)で構成される。隣接したR、G、Bの三色のセットが表示の単位(画素)となっており、1つの画素中のR、G、Bのいずれか単色の部分はサブピクセル(サブ画素)と呼ばれる最小駆動単位である。TFT51及び画素電極53は、サブピクセルごとに設けられる。
【0031】
赤フィルター55-R、緑フィルター55-G、及び青フィルター55-Bの境界部分、及び画素(サブピクセル)の境界部分には、遮光用のブラックマトリクス(遮光膜)56が設けられる。すなわち、ブラックマトリクス56は、網目状に形成される。ブラックマトリクス56は、例えば、着色部材間の不要な光を遮蔽し、コントラストを向上させる機能を有する。
【0032】
カラーフィルター55及びブラックマトリクス56上には、共通電極57が設けられる。共通電極57は、液晶表示パネル10の表示領域全体に平面状に形成される。
【0033】
TFT基板11の液晶層50と反対側には、偏光板13が積層され、CF基板12の液晶層50と反対側には、偏光板14が積層される。偏光板13及び偏光板14は、互いの透過軸が直交するように、すなわち直交ニコル状態で配置される。TFT基板11と偏光板13との間に、1/4波長板を設けてもよい。CF基板12と偏光板14との間に、1/4波長板を設けてもよい。
【0034】
画素電極53、コンタクトプラグ54、及び共通電極57は、透明電極から構成され、例えばITO(インジウム錫酸化物)が用いられる。絶縁層52としては、透明な絶縁材料が用いられ、例えば、シリコン窒化物(SiN)が用いられる。
【0035】
(バックライト20)
バックライト20は、例えば、サイドライト型(エッジライト型)である。バックライト20は、光源部、反射シート、導光板、拡散シート、及びプリズムシートなどを備える。反射シート、導光板、拡散シート、及びプリズムシートは、この順に積層される。光源部は、例えば複数の発光素子を備える。複数の発光素子の各々は、例えばLED(light-emitting diode)で構成される。
【0036】
(フレーム21)
図5は、フレーム21を説明する図である。
図5(a)が平面図、
図5(b)が側面図、
図5(c)が正面図である。
【0037】
フレーム21は、バックライト20及び液晶表示パネル10を固定する。フレーム21は、四角枠形状を有する。フレーム21は、樹脂で構成される。
【0038】
フレーム21は、段差21Aを有する。フレーム21のうち段差21Aより下の開口部のサイズは、バックライト20のサイズと同じか若干大きく設定され、この部分の開口部には、バックライト20がはめ込まれる。段差21Aには、液晶表示パネル10が載置される。フレーム21のうち段差21Aより上の開口部のサイズは、液晶表示パネル10のサイズと同じか若干大きく設定され、この部分の開口部には、液晶表示パネル10がはめ込まれる。
【0039】
フレーム21のY方向における1つの側部には、開口部21Bが設けられる。開口部21Bは、フレキシブルプリント配線板30を外側に引き出すためのものである。
【0040】
(下側ケース22)
図6は、下側ケース22を説明する図である。
図6(a)が平面図、
図6(b)が側面図、
図6(c)が正面図である。
【0041】
下側ケース22は、液晶表示パネル10、バックライト20、及びフレーム21を収容する。下側ケース22は、平面視において四角形状を有する。下側ケース22の内側のサイズは、フレーム21の外形と同じかそれより若干大きく設定される。下側ケース22は、金属で構成される。
【0042】
下側ケース22のY方向における1つの側部には、開口部22Aが設けられる。開口部22Aは、フレキシブルプリント配線板30を外側に引き出すためのものである。
【0043】
(上側ケース23)
図7は、上側ケース23を説明する図である。
図7(a)が平面図、
図7(b)が側面図、
図7(c)が正面図である。
【0044】
上側ケース23は、下側ケース22を覆い、液晶表示パネル10を上から固定する。上側ケース23は、平面視において四角形状を有する。上側ケース23の内側のサイズは、下側ケース22の外形と同じかそれより若干大きく設定される。上側ケース23は、金属で構成される。
【0045】
上側ケース23は、液晶表示パネル10の画面を露出するための開口部23Aを有する。また、上側ケース23のY方向における1つの側部には、開口部23Bが設けられる。開口部23Bは、フレキシブルプリント配線板30を外側に引き出すためのものである。
【0046】
上側ケース23の4つの側部は、下側ケース22の4つの側部に接触する。よって、上側ケース23は、下側ケース22と電気的に接続される。上側ケース23と下側ケース22とは、図示せぬ固定部材によって互いに固定される。
【0047】
[1-2] フレキシブルプリント配線板30及び導電部材40の構成
次に、フレキシブルプリント配線板30及び導電部材40の構成について説明する。
図8は、フレキシブルプリント配線板30及び導電部材40を説明する図である。
図8(a)が平面図、
図8(b)が
図8(a)に示したA-A´線に沿った断面図である。
図8(b)には、基板11及びドライバ15も図示している。
【0048】
フレキシブルプリント配線板30は、ベースフィルム31、配線層32、36、接着剤33、37、カバーフィルム34、38、及び金属膜35、39を備える。
【0049】
ベースフィルム31、及びカバーフィルム34、38としては、例えばポリイミドが用いられる。配線層32、36としては、例えば銅箔が用いられる。金属膜35、39は、例えば金(Au)を用いためっき膜で構成される。
【0050】
ベースフィルム31の上側の主面上には、それぞれがY方向に延びる複数の配線層32が設けられる。複数の配線層32は、複数のグランド線GNDを含む。
図8には、1本のグランド線GNDを例示している。複数の配線層32は、カバーフィルム34によって覆われる。複数の配線層32とカバーフィルム34とは、接着剤33によって接着される。
【0051】
配線層32のY方向における端部は、カバーフィルム34から露出される。配線層32のうちカバーフィルム34から露出された部分上には、金属膜35が設けられる。金属膜35は、端子として機能し、配線層32(グランド線GNDを含む)に電気的に接続される。また、金属膜35は、ドライバ15に電気的に接続される。金属膜35とドライバ15とを接続する配線の図示は省略している。
【0052】
ベースフィルム31の下側の主面上には、それぞれがY方向に延びる複数の配線層36が設けられる。複数の配線層36は、カバーフィルム38によって覆われる。複数の配線層36とカバーフィルム38とは、接着剤37によって接着される。
【0053】
配線層36のY方向における端部は、カバーフィルム38から露出される。配線層36のうちカバーフィルム38から露出された部分上には、金属膜39が設けられる。金属膜39は、端子として機能し、配線層36に電気的に接続される。また、金属膜39は、基板11に形成された配線を介して、ドライバ15に電気的に接続される。金属膜39とドライバ15とを接続する配線の図示は省略している。
【0054】
導電部材40は、クッション部材41、及び導電層42を備える。クッション部材41は、柔らかく、クッション性を有する。クッション部材41の形状は、角が丸くなった直方体である。クッション部材41は、絶縁材料で構成してもよいし、導電材料で構成してもよい。クッション部材41としては、例えばポリウレタン樹脂が用いられる。
【0055】
導電層42は、例えば、クッション部材41の全体を包むように構成される。少なくとも、導電層42は、クッション部材41をある一方向(例えばY方向)に沿って包んでいればよい。導電層42は、クッション部材41とともに変形可能な材料で構成される。すなわち、導電層42は、柔軟性を有し、曲げやすい特性を有する。例えば、導電層42は、メッシュ状の導電層(メッシュシートともいう)で構成される。導電層42は、例えば金属で構成される。
図8(a)における導電部材40に示した網目状の模様は、メッシュシートを表している。金属からなるメッシュシートは、柔軟性を有する。なお、導電層42は、柔軟性を有する材料であればよく、メッシュシートに限定されない。
【0056】
導電部材40は、X方向に延びるように構成される。導電部材40のサイズは、金属膜35のサイズより小さい。導電部材40は、シール材43によって、金属膜35に接着される。このシール材43により、金属膜35から導電部材40がずれるのを防ぐことができる。
【0057】
導電部材40の高さは、フレキシブルプリント配線板30と上側ケース23との距離より高く設定される。これにより、
図2に示すように、導電部材40は、上側ケース23に接触する。
【0058】
[1-3] 作用
上記のように構成された液晶表示装置1の動作について説明する。
【0059】
図2に示すように、液晶表示パネル10及びバックライト20は、下側ケース22及び上側ケース23内に収容される。
【0060】
図8に示すように、導電部材40は、フレキシブルプリント配線板30に含まれるグランド線GNDに電気的に接続される。また、
図2に示すように、導電部材40は、上側ケース23に接触する。
【0061】
すなわち、フレキシブルプリント配線板30に含まれるグランド線GNDは、導電部材40を介して上側ケース23に電気的に接続される。さらに、グランド線GNDは、導電部材40及び上側ケース23を介して下側ケース22に電気的に接続される。
【0062】
フレキシブルプリント配線板30の他方の端部には、端子が設けられ、この端子は、外部機器に接続される。外部機器は、液晶表示パネル10を駆動するための複数の信号をフレキシブルプリント配線板30に供給する。また、外部機器は、図示せぬ配線を用いてバックライト20に信号を供給する。これにより、液晶表示パネル10及びバックライト20が表示動作を実行する。
【0063】
[1-4] 第1実施形態の効果
第1実施形態によれば、グランド線GNDを導電部材40を介して上側ケース23及び下側ケース22に電気的に接続することができる。これにより、グランド線GNDの容量を大きくすることができる。よって、グランド線GNDに印加される接地電圧を安定させることができるため、ノイズを低減することが可能となる。結果として、液晶表示装置1の動作を安定させることができ、また、表示特性を向上させることができる。
【0064】
また、フレキシブルプリント配線板30のグランド線GNDは、上側ケース23及び下側ケース22と接触して導通している。すなわち、液晶表示パネル10及びバックライト20を、グランド線GNDに電気的に接続された金属ケース(上側ケース23及び下側ケース22からなる)で覆うことができる。これにより、液晶表示パネル10が発生したノイズを金属ケースで遮蔽することができる。よって、液晶表示パネル10が発生したノイズが外部装置に悪影響を与えるのを抑制できる。
【0065】
また、組み立て工程において、特別な作業を必要としない。これにより、組み立て工程にかかる時間を短縮することができ、また、製造コストを低減することができる。
【0066】
また、薄型に設計された液晶表示装置においても、簡単な構造でかつ確実に、グランド線を上側ケース23及び下側ケース22に電気的に接続することができる。
【0067】
[2] 第2実施形態
図9は、本発明の第2実施形態に係る液晶表示パネル10を説明する図である。
【0068】
基板11のY方向の端部には、フレキシブルプリント配線板30が接続される。フレキシブルプリント配線板30は、その端部からX方向に延びる延在部30Aを有する。延在部30A上には、導電部材40が設けられる。
【0069】
図10は、フレキシブルプリント配線板30及び導電部材40の平面図である。
図11は、
図10に示したA-A´線に沿ったフレキシブルプリント配線板30の断面図である。
図12は、
図10に示したB-B´線に沿ったフレキシブルプリント配線板30及び導電部材40の断面図である。
【0070】
複数の配線層36は、複数のグランド線GNDを含む。
図10には、1本のグランド線GNDを例示している。
【0071】
ベースフィルム31の上側の主面上には、配線層32が設けられる。配線層32は、グランド線の一部として機能する。配線層32は、コンタクト60を介して、グランド線GNDに電気的に接続される。配線層32上には、接着剤33、及びカバーフィルム34が設けられる。
【0072】
延在部30Aは、ベースフィルム31A、配線層32A、及び金属膜35Aを備える。基板11上には、ベースフィルム31Aが設けられる。ベースフィルム31Aは、ベースフィルム31と連続層である。
【0073】
ベースフィルム31A上には、配線層32Aが設けられる。配線層32Aは、配線層32と連続層である。配線層32A上には、金属膜35Aが設けられる。
【0074】
金属膜35A上には、導電部材40が設けられる。導電部材40は、X方向に延びるように構成される。導電部材40のサイズは、金属膜35Aのサイズと概略同じかそれより小さい。導電部材40は、シール材43によって、金属膜35Aに接着される。このシール材43により、金属膜35Aから導電部材40がずれるのを防ぐことができる。
【0075】
導電部材40の高さは、フレキシブルプリント配線板30の延在部30Aと上側ケース23との距離より高く設定される。
【0076】
図13は、第2実施形態に係る液晶表示装置1の断面図である。
図13は、導電部材40を通りかつY方向に沿って切断した断面図である。
【0077】
図13に示すように、導電部材40は、上側ケース23に接触する。これにより、複数の配線層36に含まれるグランド線GNDは、コンタクト60、配線層32、配線層32A、金属膜35A、及び導電部材40を経由して、上側ケース23に電気的に接続される。
【0078】
第2実施形態においても、第1実施形態と同じ効果を得ることができる。
【0079】
[3] 第3実施形態
図14は、第3実施形態に係る液晶表示パネル10を説明する図である。
【0080】
基板11のY方向の端部には、フレキシブルプリント配線板30が接続される。フレキシブルプリント配線板30は、その端部からX方向に延びる延在部30Aを有する。延在部30Aの下には、クッション部材41が設けられる。すなわち、延在部30Aは、フレキシブルプリント配線板30の端部から、クッション部材41の側面及び上面まで延びるように構成される。
【0081】
図15は、フレキシブルプリント配線板30及びクッション部材41の平面図である。
図15のA-A´線に沿ったフレキシブルプリント配線板30の断面図は、第2実施形態で用いた
図11と同じである。
図16は、
図15に示したB-B´線に沿ったフレキシブルプリント配線板30及びクッション部材41の断面図である。
【0082】
複数の配線層36は、複数のグランド線GNDを含む。
図15には、1本のグランド線GNDを例示している。フレキシブルプリント配線板30の構成は、第2実施形態と同じである。
【0083】
延在部30Aは、ベースフィルム31A、配線層32A、及び金属膜35Aを備える。ベースフィルム31A、配線層32A、及び金属膜35Aは、この順に積層される。ベースフィルム31Aは、ベースフィルム31と連続層である。配線層32Aは、配線層32と連続層である。金属膜35Aは、上側ケース23に接触する部分である。
【0084】
クッション部材41は、基板11と延在部30Aとの間に設けられる。すなわち、延在部30Aは、フレキシブルプリント配線板30との物理的な接続を保持したまま、クッション部材41によって上方向に持ち上げられる。クッション部材41の材料は、第1実施形態と同じである。
【0085】
クッション部材41は、シール材43Aによって基板11に接着される。このシール材43Aにより、基板11からクッション部材41がずれるのを防ぐことができる。延在部30Aは、シール材43Bによってクッション部材41に接着される。このシール材43Bにより、クッション部材41から延在部30Aがずれるのを防ぐことができる。
【0086】
クッション部材41のサイズは、延在部30Aの水平部分のサイズと概略同じに設定される。クッション部材41の高さは、基板11と上側ケース23との距離と概略同じに設定される。
【0087】
図17は、第3実施形態に係る液晶表示装置1の断面図である。
図17は、クッション部材41を通りかつY方向に沿って切断した断面図である。
【0088】
図17に示すように、延在部30A(具体的には、金属膜35A)は、上側ケース23に接触する。これにより、複数の配線層36に含まれるグランド線GNDは、コンタクト60、配線層32、配線層32A、及び金属膜35Aを経由して、上側ケース23に電気的に接続される。
【0089】
第3実施形態においても、第1実施形態と同じ効果を得ることができる。
【0090】
上記各実施形態では、表示装置として液晶表示装置を例に挙げて説明したが、本実施形態は、液晶表示装置以外の表示装置に適用することも可能である。
【0091】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0092】
1…液晶表示装置、10…液晶表示パネル、11…TFT基板、12…CF基板、13,14…偏光板、15…ドライバ、20…バックライト、21…フレーム、22…下側ケース、23…上側ケース、30…フレキシブルプリント配線板、30A…延在部、31…ベースフィルム、32,36…配線層、33,37…接着剤、34,38…カバーフィルム、35,39…金属膜、40…導電部材、41…クッション部材、42…導電層、43…シール材、50…液晶層、51…スイッチング素子、52…絶縁層、53…画素電極、54…コンタクトプラグ、55…カラーフィルター、56…ブラックマトリクス、57…共通電極、60…コンタクト。