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特許7512591搬送制御装置、搬送制御方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】搬送制御装置、搬送制御方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/04 20060101AFI20240702BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240702BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240702BHJP
   B41J 11/06 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B65H5/04
B41J2/01 305
B41J2/01 121
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B41J29/38
B41J11/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019234066
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2021102505
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-03-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】水野 広大
(72)【発明者】
【氏名】玉置 修一
(72)【発明者】
【氏名】渡部 剛
(72)【発明者】
【氏名】篠田 章
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健二
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許第01981715(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/04
B41J 2/01
B41J 11/00-11/70
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラテンの搬送開始位置から前記プラテンに載置された被記録媒体に前処理を行う前処理装置を経由して複数のプリンタの何れかに前記プラテンを搬送する搬送部を制御するコンピュータを備え、
前記コンピュータは、複数の前記プリンタの何れに前記プラテンを搬送するかを判断する判断ステップを実行し、
前記判断ステップにおいて、複数の前記プリンタの状態に基づき、複数の前記プリンタの内、印刷可能な前記プリンタの何れに前記プラテンを搬送するかを判断し、
印刷可能な前記プリンタがない場合、定期動作により印刷が不可能である前記プリンタに前記プラテンを搬送すると判断することを特徴とする搬送制御装置。
【請求項2】
前記コンピュータは、前記判断ステップにおいて、印刷可能な前記プリンタがない場合、前記プリンタの印刷機能に関連する関連動作であって、前記関連動作が終了する時間を算出する前記定期動作により印刷が不可能である前記プリンタに前記プラテンを搬送すると決定することを特徴とする請求項1に記載の搬送制御装置。
【請求項3】
プラテンの搬送開始位置から前記プラテンに載置された被記録媒体に前処理を行う前処理装置を経由して複数のプリンタの何れかに前記プラテンを搬送する搬送部をコンピュータが制御する搬送制御方法であって、
前記搬送制御方法は、複数の前記プリンタの何れに前記プラテンを搬送するかを判断する判断ステップを含み、前記判断ステップにおいて、複数の前記プリンタの状態に基づき、複数の前記プリンタの内、印刷可能な前記プリンタの何れに前記プラテンを搬送するかを判断し、
印刷可能な前記プリンタがない場合、定期動作により印刷が不可能である前記プリンタに前記プラテンを搬送すると判断することを特徴とする搬送制御方法。
【請求項4】
前記搬送制御方法は、前記判断ステップにおいて、印刷可能な前記プリンタがない場合、前記プリンタの印刷機能に関連する関連動作であって、前記関連動作が終了する時間を算出する前記定期動作により印刷が不可能である前記プリンタに前記プラテンを搬送すると判断することを特徴とする請求項3に記載の搬送制御方法。
【請求項5】
プラテンの搬送開始位置から前記プラテンに載置された被記録媒体に前処理を行う前処理装置を経由して複数のプリンタの何れかに前記プラテンを搬送する搬送部を制御するコンピュータに、
複数の前記プリンタの何れに前記プラテンを搬送するかを判断する判断ステップを実行させ、前記判断ステップにおいて、複数の前記プリンタの状態に基づき、複数の前記プリンタの内、印刷可能な前記プリンタの何れに前記プラテンを搬送するかを判断し、
印刷可能な前記プリンタがない場合、定期動作により印刷が不可能である前記プリンタに前記プラテンを搬送すると判断することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、前記判断ステップにおいて、印刷可能な前記プリンタがない場合、前記プリンタの印刷機能に関連する関連動作であって、前記関連動作が終了する時間を算出する前記定期動作により印刷が不可能である前記プリンタに前記プラテンを搬送すると判断させることを特徴とする請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送制御装置、搬送制御方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は前処理剤塗布部と印刷部を備えた印刷装置を開示する。前処理剤塗布部は、プラテン上に載置された被記録媒体に前処理剤を塗布する。プラテンは前処理剤塗布部から移動機構により印刷部に搬送され、印刷部は前処理剤が塗布された被記録媒体に印刷液を塗布して印刷を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-183331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一定期間における印刷処理数を増やすために、複数のプリンタを備える印刷システムが考えられる。この印刷システムでは、被記録媒体をプラテンにセットするセット位置、前処理装置、及び複数のプリンタの何れにでもプラテンを搬送可能な搬送部を設けることが考えられる。この印刷システムでは、特定のプリンタのみにプラテンが搬送されると、一定期間における印刷処理数を増やす上で望ましくないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、一定期間における印刷処理数を増やすことができる搬送制御装置、搬送制御方法、及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様の搬送制御装置は、プラテンの搬送開始位置から前記プラテンに載置された被記録媒体に前処理を行う前処理装置を経由して複数のプリンタの何れかに前記プラテンを搬送する搬送部を制御するコンピュータを備え、前記コンピュータは、複数の前記プリンタの何れに前記プラテンを搬送するかを判断する判断ステップを実行することを特徴とする。
【0007】
コンピュータは、複数のプリンタの何れにプラテンを搬送するかを判断するので、複数のプリンタにプラテンの搬送先を分けることができる。従って、特定のプリンタのみにプラテンが搬送されることが避けられ、一定期間における印刷処理数を増やすことができる。
【0008】
また、前記コンピュータは、前記判断ステップにおいて、複数の前記プリンタの状態に基づき、複数の前記プリンタの何れに前記プラテンを搬送するかを判断してもよい。
【0009】
これにより、コンピュータは、プリンタの状態に基づき、プラテンの搬送先を判断するので、プリンタの状態に基づき、プラテンの搬送先を分けることができ、一定期間における印刷処理数を増やすことができる。
【0010】
また、前記コンピュータは、前記判断ステップにおいて、複数の前記プリンタの夫々の印刷開始までの時間に基づき、複数の前記プリンタの何れに前記プラテンを搬送するかを判断してもよい。
【0011】
これにより、コンピュータは、印刷開始までの時間に基づき、プラテンの搬送先を判断するので、例えば、印刷開始までの時間が短いプリンタにプラテンが搬送されれば、一定期間における印刷処理数を増やすことができる。
【0012】
また、前記コンピュータは、先に搬送した前記プラテンへの印刷処理が完了する時間を計算して、前記プリンタの前記印刷開始までの時間に基づき、複数の前記プリンタの何れに前記プラテンを搬送するかを判断してもよい。
【0013】
これにより、コンピュータは、先に搬送したプラテンへの印刷処理が完了する時間を計算して、プリンタの印刷開始までの時間に基づき、プラテンの搬送先を判断するので、印刷処理が完了する時間が短いプリンタにプラテンが搬送されれば、一定期間における印刷処理数を増やすことができる。
【0014】
また、前記コンピュータは、前記判断ステップにおいて、複数の前記プリンタの内、印刷可能な前記プリンタの何れに前記プラテンを搬送するかを判断してもよい。
【0015】
これにより、コンピュータは、印刷可能なプリンタの何れかをプラテンの搬送先と判断するので、印刷可能でないプリンタにプラテンが送られて、一定期間における印刷処理数が低下する可能性を低減できる。
【0016】
また、前記コンピュータは、前記判断ステップにおいて、印刷可能な前記プリンタがない場合、定期動作により印刷が不可能である前記プリンタに前記プラテンを搬送してもよい。
【0017】
これにより、定期動作により印刷が不可能なプリンタは、定期動作が完了すれば印刷可能になる。従って、コンピュータは、印刷可能なプリンタがない場合、定期動作により印刷が不可能であるプリンタにプラテンを搬送することで、プラテンがプリンタに搬送されず、一定期間における印刷処理数が低下する可能性を低減できる。
【0018】
前記コンピュータは、前記判断ステップにおいて、印刷可能な前記プリンタがない場合、前記プリンタの印刷機能に関連する関連動作であって、前記関連動作が終了する時間を算出する前記定期動作により印刷が不可能である前記プリンタに前記プラテンを搬送してもよい。
【0019】
これにより、コンピュータは、印刷可能なプリンタがない場合、プリンタの印刷機能に関連する関連動作であって、関連動作が終了する時間を算出する定期動作により印刷が不可能であるプリンタにプラテンを搬送する。従って、不定期動作により印刷不可能なプリンタにプラテンが搬送されるよりも一定期間における印刷処理数が低下する可能性を低減できる。
【0020】
また、前記コンピュータは、前記搬送部が先に搬送した前記プラテンの位置に基づき、複数の前記プリンタの何れに前記プラテンを搬送するかを判断してもよい。
【0021】
コンピュータは、搬送部が先に搬送した前記プラテンの位置に基づき、複数の前記プリンタの何れにプラテンを搬送するので、例えば、プラテン同士の衝突を避けることで、プラテン同士の衝突による一定期間における印刷処理数が低下する可能性を低減できる。
【0022】
また、前記コンピュータは、前記判断ステップにおいて、搬送経路の重複していない前記プラテンの搬送を許容してもよい。
【0023】
コンピュータは、判断ステップにおいて、搬送経路の重複していない前記プラテンの搬送を許容するので、搬送されるプラテンの衝突の可能性を低減し、一定期間における印刷処理数を増やすことができる。
【0024】
また、前記コンピュータは、前記判断ステップにおいて、複数の前記プリンタの状態に基づき、前記プリンタの何れに前記プラテンを搬送するかの判断を行う前記プリンタの順番を変更してもよい。
【0025】
コンピュータは、判断ステップにおいて、複数のプリンタの状態に基づき、プリンタの何れにプラテンを搬送するかの判断を行うプリンタの順番を変更するので、印刷実行可能になる見込みの高いプリンタからプラテンを搬送するかの判断を行うことができる。
【0026】
本発明の第二態様の搬送制御方法は、プラテンの搬送開始位置から前記プラテンに載置された被記録媒体に前処理を行う前処理装置を経由して複数のプリンタの何れかに前記プラテンを搬送する搬送部をコンピュータが制御する搬送制御方法であって、前記搬送制御方法は、複数の前記プリンタの何れに前記プラテンを搬送するかを判断する判断ステップを含むことを特徴とする。
【0027】
本発明の第三態様のコンピュータプログラムは、プラテンの搬送開始位置から前記プラテンに載置された被記録媒体に前処理を行う前処理装置を経由して複数のプリンタの何れかに前記プラテンを搬送する搬送部を制御するコンピュータに、複数の前記プリンタの何れに前記プラテンを搬送するかを判断する判断ステップを実行させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】印刷システム1の平面図である。
図2】プラテン50の斜視図である。
図3】印刷システム1の電気的構成を示すブロック図である。
図4】搬送制御処理のフローチャートである。
図5】搬送先判断処理のフローチャートである。
図6】優先順位表104Aである。
図7】(A)~(C)は、プリンタの搬送条件の表である。
図8】搬送先判断処理の変形例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態を説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。図1に示す印刷システム1は、プラテン50を搬送しながら、プラテン50に支持された被記録媒体に対して、前処理、及び印刷処理を順次施すことができるシステムである。被記録媒体の一例は、Tシャツ等の布帛である。布帛の材質の一例は、綿、ポリエステル、綿とポリエステルとの混合等である。
【0030】
図1を参照し、印刷システム1の構成を説明する。印刷システム1は、前処理装置2、プリンタ3、4、5、プラテン搬送機構10、コードリーダ95等を備える。前処理装置2は、印刷システム1の前側に配置され、プラテン50に支持された布帛Pに前処理を行う。前処理装置2は、例えば、塗布部と熱処理部を備える。塗布部は、スプレーで前処理剤を噴霧し、プラテン506に支持された布帛Pに前処理剤を塗布する。前処理剤は、布帛Pにインクが塗布される前に塗布されるベースコート剤である。前処理剤は、インクがより布帛に留まるように、布帛の繊維間に造膜を形成するため液体であり、例えば、樹脂成分を含む。また、前処理剤は、一例として、二価の金属塩(一例としてCaClまたはCa(NOなど)を含み、インクの発色を鮮やかにする。
【0031】
前処理装置2の後方において、プリンタ3~5が前後方向に並ぶ。プリンタ3~5は、プラテン50に支持された前処理後の布帛Pに、印刷ヘッドのノズルからインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタである。プラテン搬送機構10は、後述する準備位置100に設置されたプラテン50を、プラテン50の搬送開始位置である準備位置100から前処理装置2を経由して、プリンタ3~5の何れかに搬送し、再度準備位置100に返送する。
【0032】
後述する準備位置100に設けられたコードリーダ95は、布帛Pに設けられた識別情報部(図示略)を読み取り、識別情報を印刷システム1に入力する。識別情報は、布帛Pを識別する為の情報であり、例えば、バーコード等の一次元コード、QRコード(登録商標)等の二次元、及び三次元等のコードの情報である。識別情報は、少なくとも布帛Pの種類、色、サイズ、印刷の色、印刷のサイズ等の情報を含む。
【0033】
図1を参照し、プラテン搬送機構10の構成を説明する。プラテン搬送機構10は、発送ライン201、処理ライン202、第一返送ライン204、第二返送ライン205を少なくとも備える。
【0034】
発送ライン201は、印刷システム1の最前部において、左右方向に直線状に延設され、後述する処理ライン202に向けてプラテン50を搬送する。発送ライン201は、左側から順に、搬送機構11、12を備える。搬送機構11には、準備位置100が設けられる。準備位置100は、プラテン50に布帛Pを最初取り付けて準備する為の位置である。搬送機構11は、プラテン50を右方に搬送する。搬送機構11と12の間には、後述する搬送機構14の前端部が配置される。搬送機構12の右端側は処理ライン202と別の処理ラインに接続されていてもよい。
【0035】
処理ライン202は、発送ライン201と後述する第一返送ライン204との間において、前後方向に延びる。処理ライン202は、発送ライン201から受け取ったプラテン50を前処理装置2、プリンタ3~5の何れかの順に搬送し、第一返送ライン204に受け渡す。
【0036】
処理ライン202は、搬送機構14、15、17、19、及び印刷搬送機構41~43を備える。搬送機構14は、発送ライン201の搬送機構11の右端側から後方に延び、前処理装置2の内部を通過してさらに後方に延びる。搬送機構14は、搬送機構11からプラテン50を受け取り、前処理装置2を通過して後方に搬送する。搬送機構15は、前処理装置2の後方において、搬送機構14からプリンタ3に向けて左方に延びる。搬送機構15は、搬送機構14からプラテン50を受け取り、プリンタ3に向けて搬送する。また、搬送機構15はプリンタ3で印刷が済んだプラテン50を右方向に搬送し、搬送機構14に送り出す。
【0037】
搬送機構17は、搬送機構15の後方において、搬送機構14からプリンタ4に向けて左方に延びる。搬送機構17は、搬送機構14からプラテン50を受け取り、プリンタ4に向けて搬送する。また、搬送機構17はプリンタ4で印刷が済んだプラテン50を右方向に搬送し、搬送機構14に送り出す。搬送機構19は、搬送機構17の後方において、搬送機構14からプリンタ5に向けて左方に延びる。搬送機構19は、搬送機構14からプラテン50を受け取り、プリンタ5に向けて搬送する。搬送機構19はプリンタ5で印刷が済んだプラテン50を右方向に搬送し、搬送機構14に送り出す。
【0038】
印刷搬送機構41は、プリンタ3に設けられ、プラテン50を左右方向に搬送可能である。印刷搬送機構41は、プラテン支持部材60、搬送モータ137(図3参照)を備える。プラテン支持部材60は、搬送機構15からプラテン50を受け取って支持する。搬送モータ137は、プラテン支持部材60を左右方向に搬送する。なお、プリンタ4には、印刷搬送機構42が設けられ、プリンタ5には、印刷搬送機構43が設けられる。印刷搬送機構42、43は、印刷搬送機構41と同一構成なので、説明を省略する。
【0039】
発送ライン201の搬送機構12は、他の処理ライン(図示略)に向けてプラテン50を搬送してもよい。他の処理ラインが設けられる場合には、処理ライン202と同一構成であってもよい。第一返送ライン204は、印刷システム1の最後部において、左右方向に直線状に延設され、第二返送ライン205に向けてプラテン50を搬送する。第一返送ライン204は、左側から順に、搬送機構28、27を備える。第一返送ライン204の搬送機構27は、他の処理ライン(図示略)から受け取ったプラテン50を左方に搬送する。
【0040】
図1を参照し、プラテン搬送機構10のベルト構成を説明する。初めに発送ライン201のベルト構成を説明する。搬送機構11は、一対の横ベルト11Aを備える。横ベルト11Aは、搬送機構11の搬送方向に直交する方向の両端部に設けられ、プラテン50を右方に搬送してもよい。
【0041】
次に、搬送機構14は、一対の縦ベルト14A、及び一対の横昇降ベルト14B~14Eを備える。一対の縦ベルト14Aは、搬送機構14の搬送方向に直交する方向の両端部に設けられる。一対の縦ベルト14Aは、プラテン50を後方に搬送する。一対の横昇降ベルト14B~14Eは、一対の縦ベルト14Aの間に配置される。一対の横昇降ベルト14Bは、搬送機構14の前端部において昇降可能に設けられる。一対の横昇降ベルト14Bは、プラテン50を右方に搬送する。一対の横昇降ベルト14Cは、搬送機構15の右側において昇降可能に設けられる。一対の横昇降ベルト14Dは、搬送機構17の右側において昇降可能に設けられる。一対の横昇降ベルト14Eは、搬送機構19の右側において昇降可能に設けられる。一対の横昇降ベルト14C~14Eは、プラテン50を左方に搬送する。
【0042】
搬送機構15、17、19は、一対の横搬送ベルト15A、17A、19Aを備える。一対の横搬送ベルト15A、17A、19Aは、搬送機構15、17、19の搬送方向に直交する方向の両端部において、昇降可能に設けられる。
【0043】
搬送機構27、28は、搬送方向に延びる一対の横ベルト27A、28Aを備え、搬送機構27、28における搬送方向にプラテン50を搬送する。搬送機構29は、一対の縦ベルト29A、及び一対の横昇降ベルト29B、29Cを備える。一対の縦ベルト29Aは、搬送機構29の搬送方向に直交する方向の両端部に設けられる。一対の縦ベルト29Aは、プラテン50を前方に搬送する。一対の横昇降ベルト29B、29Cは、一対の縦ベルト29Aの間に配置され、夫々搬送機構28,11の左側において昇降可能に設けられる。一対の横昇降ベルト29Bは、プラテン50を左方に搬送し、一対の横昇降ベルト29Cは、プラテン50を右方に搬送する。
【0044】
プラテン搬送機構10は、図3に示すように、縦ベルトモータ131、横ベルトモータ132、横昇降ベルトモータ133、横搬送ベルトモータ134、第1昇降モータ135、第2昇降モータ136、搬送モータ137等を備える。縦ベルトモータ131は、縦ベルト14A、21A、23A、29Aの夫々に対応して設けられ、各ベルトを駆動する。横ベルトモータ132は、横ベルト11A、12A、27A、28Aの夫々に対応して設けられ、各ベルトを駆動する。横昇降ベルトモータ133は、横昇降ベルト14B~14Eの夫々に対応して設けられ、各ベルトを駆動する。横搬送ベルトモータ134は、横搬送ベルト15A、17A、19Aの夫々に対応して設けられ、各ベルトを駆動する。第1昇降モータ135は、横昇降ベルト14B~14E、14Kの夫々に対応して設けられ、各ベルトを昇降する。第2昇降モータ136は、横搬送ベルト15A、17A、19Aの夫々に対応して設けられ、各ベルトを昇降する。
【0045】
図1に示すように、搬送機構14の前処理装置2の出口に待機場所14Fが設けられる。前処理が終わったプラテン50はプリンタ3~5の何れかに搬送されるまで、待機場所14Fに待機してもよい。以下の説明では、搬送機構14の内、待機場所14Fから横昇降ベルト14Cまでを第一搬送路14Gという。搬送機構15の内、横昇降ベルト14Cの左側からプリンタ3の右側の端部までを第二搬送路15Bという。搬送機構14の内、横昇降ベルト14Cの後側から横昇降ベルト14Dまでを第三搬送路14Hという。搬送機構17の内、横昇降ベルト14Dの左側からプリンタ4の右側の端部までを第四搬送路17Bという。搬送機構14の内、横昇降ベルト14Dの後側から横昇降ベルト14Eまでを第五搬送路14Iという。搬送機構19の内、横昇降ベルト14Eの左側からプリンタ5の右側の端部までを第六搬送路19Bという。搬送機構14の内、横昇降ベルト14Eの後側から横昇降ベルト14Kまでの残りの部分を第七搬送路14Jという。
【0046】
図1を参照し、プラテン搬送機構10によるプラテン搬送動作の一例を説明する。各横昇降ベルトの位置には、図示しないセンサが配置され、プラテン50の有無を検知する。CPU101は、これらセンサからの出力により、各ベルトの駆動、および昇降を制御する。準備位置100からプラテン50の搬送が指示されると横ベルト11Aが駆動し、プラテン50が右方に向けて搬送される。このとき、横昇降ベルト14Bは、横ベルト11Aと同じ高さ位置に配置され、プラテン50は、横ベルト11Aから横昇降ベルト14Bに受け渡される。その後、横昇降ベルト14Bは駆動を停止し、下降する。これと同時に、縦ベルト14Aが駆動する。横昇降ベルト14Bが縦ベルト14Aよりも下降することにより、プラテン50は、縦ベルト14A上に載置され、後方に向けて搬送される。プラテン50は前処理装置2に搬送され、布帛Pに前処理が行われる。その後プラテン50は後方に向けて更に搬送され、待機場所Fで待機する。
【0047】
プラテン50がプリンタ3に搬送される場合には、プラテン50が横昇降ベルト14C上に到達すると、縦ベルト14Aの駆動が停止し、横昇降ベルト14Cが上昇を開始する。横昇降ベルト14Cは、縦ベルト14Aよりも上昇し、横搬送ベルト15Aと同じ高さ位置で停止する。横搬送ベルト15Aと横昇降ベルト14Cが駆動し、プラテン50が、横昇降ベルト14Cから横搬送ベルト15Aに受け渡される。横搬送ベルト15Aが駆動し、プラテン50がプリンタ3に向けて搬送される。プラテン50は、横搬送ベルト15Aからプリンタ3の内部に設けられた後述するプラテン支持部材60に受け渡される。プラテン50がプリンタ4に搬送される場合には、プラテン50が横昇降ベルト14D上に到達すると、縦ベルト14Aの駆動が停止し、横昇降ベルト14Dが上昇を開始する。横昇降ベルト14Dは、縦ベルト14Aよりも上昇し、横搬送ベルト17Aと同じ高さ位置で停止する。横搬送ベルト17Aと横昇降ベルト14Dが駆動し、プラテン50が、横昇降ベルト14Dから横搬送ベルト17Aに受け渡される。また、プラテン50がプリンタ5に搬送される場合には、プラテン50が横昇降ベルト14E上に到達すると、縦ベルト14Aの駆動が停止し、横昇降ベルト14Eが上昇を開始する。横昇降ベルト14Eは、縦ベルト14Aよりも上昇し、横搬送ベルト19Aと同じ高さ位置で停止する。横搬送ベルト19Aと横昇降ベルト14Eが駆動し、プラテン50が、横昇降ベルト14Eから横搬送ベルト19Aに受け渡される。
【0048】
プラテン50がプリンタ3に搬送された場合には、プラテン50は、プラテン支持部材60によって支持され、左方に搬送され、プリンタ3の内部を通過し、左端位置で停止する。プラテン50は、印刷が完了すると、プラテン支持部材60により右方向に搬送され、横搬送ベルト15Aに受け渡される。横搬送ベルト15Aが右方向に駆動し、プラテン50は右方向に搬送される。横昇降ベルト14Cが右方向に駆動し、プラテン50が、横搬送ベルト15Aから横昇降ベルト14Cに受け渡される。横昇降ベルト14Cが右方向への駆動を停止し、降下して、縦ベルト14A上にプラテン50が載置される。次いで、縦ベルト14Aがプラテン50を横昇降ベルト14Kに向けて搬送する。
【0049】
以後、詳述しないが、プラテン50は、上記と同様の受け渡し動作で、処理ライン202から第一返送ライン204、第一返送ライン204から第二返送ライン205の順に受け渡され、発送ライン201の搬送機構11に受け渡されて、準備位置100に戻る。プラテン50がプリンタ4又は5に向けて搬送される場合も同様の動作である。
【0050】
図2を参照し、プラテン50の構造を説明する。プラテン50は、台座51、右側面板52、左側面板53、下板(図示略)、上板(図示略)、及び取付板56を備える。台座51は、平面視矩形状に形成される。台座51の上面における左右方向の略中央部には、前後方向に延びる断面L字状の一対の支持部材(図示略)が、左右方向に互いに離隔した位置に固定される。右側面板52は、右側面視逆L字状に形成され、台座51の上面において、右側の支持部材(図示略)の内面に対し、前後方向に延びる細長板状のスペーサ571を介してネジ(図示略)で固定される。これにより、右側面板52は、台座51の上面において立設される。取付板56には布帛Pが取り付けられる。例えば、布帛PがTシャツの場合には、Tシャツの首側が前側に裾側が後ろ側になるようにして、取付板56にTシャツが取り付けられる。
【0051】
左側面板53は、右側面板52と同様に、台座51の上面において、前後方向に延びる細長板状のスペーサ581を介してネジ(図示略)で固定される。これにより、左側面板53は、台座51の上面において、右側面板52と平行に立設される。
【0052】
<印刷システム1の電気的構成>
図3を参照し、印刷システム1の電気的構成を説明する。印刷システム1は、少なくとも搬送制御装置1Aを備える。搬送制御装置1Aは、CPU101、ROM102、RAM103、駆動回路121~127を備え、バスを介して互いに接続されている。また、搬送制御装置1Aには、記憶部104、前処理装置2、プリンタ3~5、操作部110、入出力部111、近接センサ70~77、コードリーダ95、縦ベルトモータ131、横ベルトモータ132、横昇降ベルトモータ133、横搬送ベルトモータ134、第1昇降モータ135、第2昇降モータ136、搬送モータ137が接続されている。
【0053】
CPU101は、印刷システム1の動作を制御する。ROM32は各種プログラムを記憶する。RAM103はワーキングメモリであり、各種情報を一時的に記憶する。記憶部104は不揮発性のフラッシュメモリであり、後述する優先順位表104A等の各種情報を記憶する。操作部110は、作業者による各種入力を受け付ける。操作部110はタッチパネル(図示略)でもよく、各種入力の受付に加え、各種情報を表示してもよい。入出力部111は、SDメモリカードスロット、及びUSB(登録商標)ポート及び他の規格のシリアルポート等を備える。
【0054】
駆動回路121は、CPU101からの制御指令に基づき、縦ベルトモータ131の動作を制御する。駆動回路122は、CPU101からの制御指令に基づき、横ベルトモータ132の動作を制御する。駆動回路123は、CPU101からの制御指令に基づき、横昇降ベルトモータ133の動作を制御する。駆動回路124は、CPU101からの制御指令に基づき、横搬送ベルトモータ134の動作を制御する。駆動回路125は、CPU101からの制御指令に基づき、第1昇降モータ135の動作を制御する。駆動回路126は、CPU101からの制御指令に基づき、第2昇降モータ136の動作を制御する。駆動回路127は、CPU101からの制御指令に基づき、搬送モータ137の動作を制御する。
【0055】
近接センサ70~77は、各々、待機場所14F、第一搬送路14G、第二搬送路15B、第三搬送路14H、第四搬送路17B、第五搬送路14I、第六搬送路19B、第七搬送路14Jに設けられている。近接センサ70~77は、プラテン50を検出し、CPU101に検出信号を送る。なお、プラテン搬送機構10を構成する各モータとして、ステッピングモータを用いてもよい。その場合、各モータにエンコーダを接続し、各エンコーダからモータの位置情報をCPU101に送信することで、CPU101は各モータの位置を認識できる。
【0056】
<搬送制御処理及び搬送先判断処理>
次に、図4図7を参照し、搬送制御処理及び搬送先判断処理を説明する。なお、本実施形態では、一例として、布帛Pを取り付けたプラテン50を、発送ライン201、処理ライン202(前処理装置2、プリンタ3~5の何れか)、第一返送ライン204、及び第二返送ライン205の順に搬送する場合を説明する。
【0057】
初めに、印刷システム1の電源がONとなると、CPU101は、ROM102から図4に示す搬送制御処理のプログラム及び図5に示す搬送先判断処理のプログラムを読み出し、搬送制御処理及び搬送先判断処理を各々実行する。図4を参照し、搬送制御処理を説明する。初めに、CPU101は、準備位置100に位置するプラテン50に布帛Pが載置されたことを示すセット完了コマンドを受信したかを判断する(S9)。例えば、操作者が、コードリーダ95にて、プラテン50に載置された布帛Pのバーコード又はRFIDタグから布帛Pの識別情報を読み取ると、コードリーダ95が識別情報をCPU101に送信する。CPU101は、コードリーダ95から布帛Pの識別情報を受信した場合には、プラテン50に布帛Pがセットされたと判断する(S9:YES)。CPU101は、S9の判断において、YESと判断しない場合には、S9の判断を続ける。次いで、CPU101は、コードリーダ95から受信した布帛Pの識別情報をRAM103に記憶する(S10)。次いで、CPU101は、第一搬送処理を実行する(S11)。第一搬送処理は、準備位置100に設置されたプラテン50を、処理ライン202の開始位置まで搬送する処理である。例えば、開始位置は、搬送機構14の横昇降ベルト14Bの位置である。なお、S9の前にS10の処理が実行されてもよい。
【0058】
次いで、CPU101は、前処理装置2による前処理を実行する(S12)。CPU101は、搬送機構14によってプラテン50を搬送し、前処理装置2を通過させることによって、プラテン50に取り付けられた布帛Pに前処理を施す。CPU101は、前処理装置2を通過したプラテン50を、待機場所14Fの位置で停止させる。この時、図5に示す搬送先判断処理により、後述するようにプラテン50を搬送するプリンタをプリンタ3~5の中から決定する。次いで、CPU101は、搬送先判断処理で決定されたプリンタにプラテン50を搬送し、プラテン50に載置された布帛Pに印刷を行う(S13)。次いで、CPU101は、印刷済みのプラテン50を第一返送ライン204及び第二返送ライン205を介して、準備位置100に戻す第二搬送処理(S15)を実行する。尚、S12に示す前処理は前処理装置2に設けられたCPU(図示略)の制御により実行され、S13に示す印刷処理はプリンタ3~5に夫々設けられたCPU(図示略)の制御により実行されてもよい。この場合、S12に示す前処理は、CPU101から前処理装置に前処理実行指示が送信され、前処理装置2から前処理中、前処理完了などのステータス情報が搬送制御装置1AのCPU101に送られる。CPU101は、前処理装置2から前処理完了のステータス情報を受信すると、S13の印刷処理を実行する。S13に示す印刷処理も、CPU101からプリンタ3~5に印刷処理実行指示が送信され、プリンタ3~5から印刷中、印刷完了などのステータス情報が搬送制御装置1AのCPU101に送られる。CPU101は、プリンタ3~5から印刷完了のステータス情報を受信すると、S15の第二搬送処理を実行してもよい。
【0059】
次に、図5を参照して、搬送先判断処理について説明する。初めに、CPU101は、既に送り出して搬送している各プラテン50の位置を印刷システム1のプラテン搬送機構10に備えた各近接センサ70~77及び各プリンタ3~5から取得する(S21)。次いで、CPU101は、待機場所14Fにプラテン50があるか判断する(S22)。例えば、CPU101は、待機場所14Fの近接センサ70からプラテン50の検出信号を受信している場合には、待機場所14Fにプラテン50があると判断する。CPU101は、待機場所14Fにプラテン50があると判断しない場合には(S22:NO)、処理をS21に進める。
【0060】
CPU101は、待機場所14Fにプラテン50があると判断した場合(S22:YES)、第一判断の対象とするプリンタをプリンタ3~5から決定する(S23)。CPU101は、後述するS24において、S23で決定されたプリンタにプラテン50を搬送するか否かを判断する。このS24の判断を第一判断と称する。CPU101は、第一判断の対象とするプリンタを、図6に示す優先順位表104Aの優先順位の高いプリンタから選択し決定する。優先順位表104Aは、CPU101が、プラテン50を優先的に搬送するプリンタを判断するための表である。図6を参照して優先順位表104Aの一例について説明する。優先順位表104Aは予め作成され記憶部104に記憶されている。優先順位表104Aには、プリンタの状態、優先順位、状態の詳細、補足が記憶されている。プリンタの状態には、印刷可能と印刷不可能がある。印刷可能のプリンタの優先順位は、1から5まであり、数字が小さいほど優先順位が高い。優先順位1は、プリンタが印刷可能であり、プリンタ内にプラテンが存在しない。優先順位2は、プリンタが印刷中であり、印刷完了まで20秒以下である。優先順位3は、プリンタが印刷中であり、印刷完了まで40秒以下、かつ20秒より長い。優先順位4は、プリンタが印刷中であり、プラテン50をプリンタ内への搬送に10秒、その後、印刷完了までの時間が60秒以下、かつ40秒より長くかかる。優先順位5は、プリンタがメンテナンス動作中であり、メンテナンス動作に30秒を要し、その後印刷完了までの時間が60秒以下、かつ40秒より長くかかる。メンテナンス動作の一例は、印刷前のインクのフラッシング、ヘッドのワイプ等である。メンテナンス動作は、一例として20枚の印刷毎に行われる。
【0061】
印刷不可能のプリンタの優先順位は、6から8までと、3つの対象外(×印)がある。数字が小さいほど優先順位が高い。プリンタ3~5の印刷が不可能な動作には、定期的に行われる定期動作と、不定期に行われる不定期動作がある。定期動作は、終了時間の予測が可能であり、不定期動作は、終了時間の予測が不可能である。定期動作には、一例として、動作が終了する時間を算出できる関連動作がある。関連動作には、一例として、プリンタ3~5に供給される定期インク補充動作、プリンタ3~5のメンテナンス動作がある。メンテナンス動作には、一例として、ヘッド(図示略)のノズル(図示略)からインクを吸引する定期パージ動作、ヘッドのノズルからインクを吐出する定期フラッシング動作、ヘッドのノズル面(図示略)をワイパでワイプする定期ワイプ動作、インクをインク供給路(図示略)及びヘッド内で循環する定期循環動作、インクをインクタンク(図示略)内で攪拌する定期撹拌動作がある。また、関連動作には、準備位置100におけるプラテン50の搬出または搬入動作がある。
【0062】
優先順位6は、インクカートリッジの定期交換中またはインクタンクへのインク補充中であることを示す。優先順位7は、プリンタからプラテン50を排出中であることを示す。優先順位8は、ヘッド(図示略)からインクをパージ中であることを示す。定期的に行われるパージは一例として、6~7時間に一回行われ、5~6分程度の時間を要する。優先順位6~8は、プリンタの定期動作を示す。対象外(×印)は、不定期動作を示し、プリンタの電源がOFF、インクエンプティ等のMACHINE ERROR、プリンタカバーがオープンであることを示す。
【0063】
CPU101は、S23の判断において、プリンタ3~5と通信してプリンタ3~5からステータス情報を受信し、プリンタ3~5の状態を取得し、優先順位表104Aのいずれの優先順位に該当するか判断する。また、CPU101は、優先順位の数字の小さいもの(優先順位が高いもの)を第一判断を行うプリンタに決定する。例えば、プリンタ3~5が先に搬送したプラテン50へ印刷中の場合には、CPU101は、先に搬送したプラテン50への印刷処理が完了する時間を計算して、プリンタの印刷開始までの時間を算出し、優先順位表104Aの優先順位2~5の何れに該当するか判断してもよい。例えば、プリンタ3が優先順位3、プリンタ4が優先順位1、プリンタ5が優先順位5の場合には、CPU101は、優先順位1のプリンタ4を第一判断の対象とするプリンタに決定する(S23)。プリンタの優先順位が同じ場合には、CPU101は、例えば、待機場所14Fに近い方のプリンタを、第一判断の対象とするプリンタに決定する。また、優先順位表104Aは、プリンタ3~5の全ての状態が分類されて予め定められることが望ましい。しかしながら、仮にS23の判断において、プリンタ3~5の状態が優先順位表104Aのいずれの状態にも該当しない場合には、CPU101は、例えば、プリンタ3~5の優先順位を「×」として扱ってもよい。この場合には、CPU101は、処理をS24に進めても良いし、S24に進めず、S21に進めてもよい。
【0064】
次に、CPU101は、S23で決定されたプリンタ4が搬送条件を満たすかを判断する(S24)。図7(A)~(C)を参照して、プリンタ3~5の各々へプラテン50を搬送することができる搬送条件について説明する。図7(A)~(C)は、夫々、プリンタ3から5への搬送条件を示す表であり、予め作成され、記憶部104に記憶されている。図7の表では、(入)とは、その搬送路がプリンタに向かうプラテン50に使われることを意味する。(出)とは、その搬送路がプリンタから排出されたプラテン50に使われることを意味する。「‐」は、待機場所14Fなどその場所にプラテン50が存在しないことを意味する。「×」は、その搬走路又はプリンタにプラテン50が存在していたら待機場所14Fのプラテン50をプリンタに搬送しないことを意味する。「Any」は、待機場所14Fのプラテン50の搬送の判断要素としないことを意味する。すなわち、その搬送路又はプリンタに別のプラテン50が存在しているかに関わらず、搬送可能であることを示す。「GO」は、その搬送路又はプリンタに別のプラテン50が存在しているが、定められた条件を満たす場合であれば搬送可能であることを示す。それゆえ、その搬送路又はプリンタに別のプラテン50が存在しているが、定められた条件を満たさない場合は、「×」が付与される。
【0065】
例えば、図7(B)に示すように、CPU101が、待機場所14Fからプラテン50をプリンタ4へ搬送できる条件は、以下のとおりである。第一搬送路14Gにプラテン50が存在しない。第二搬送路15Bにプリンタ3に向かうプラテン50が存在しない。プリンタ3に印刷終了の後のプラテン50が存在しない。第二搬送路15Bにプリンタ3から排出されたプラテン50が存在しない。第三搬送路14Hに第四搬送路17Bへ向かうプラテン50が存在しない。第四搬送路17Bにプリンタ4に向かうプラテン50が存在しない。プリンタ4にプラテン50が存在しない。そして、「Any」が付されている第四搬送路17B(出)、第五搬送路14I、第六搬送路19B(入)、プリンタ5、第六搬送路19B(出)、第七搬送路14Jにプラテン50が有るか否かは、待機場所14Fからプラテン50をプリンタ4へ搬送できる条件に関係しないので、待機場所14Fのプラテン50の搬送の判断要素としない。
【0066】
なお、プリンタ3が印刷中、メンテナンス中、又は故障中の場合には、「GO」と付されているので、プリンタ4へ搬送可能である。同様に、第三搬送路14Hに第五搬送路14Iへ向かうプラテン50が存在しても、「GO」が付されているので、プリンタ4へ搬送可能である。また、図7(B)に示す搬送条件において、プリンタ4にプラテン50が存在すれば搬送条件を満たさないとあるが、これに限られない。図7(A)に示すプリンタ3への搬送条件におけるプリンタ3の対応箇所、図7(B)に示すプリンタ4への搬送条件におけるプリンタ4の対応箇所、図7(C)に示すプリンタ5への搬送条件におけるプリンタ5の対応箇所は、「Any」でもよい。またこれらの対応箇所は、図6に示す優先順位表104Aと関連づいて定められても良く、例えば、図6に示す優先順位1~3は図7では「GO」とし、図6に示す優先順位4~8、および「×」は、図7では「×」であってもよい。
【0067】
CPU101は、S21で取得したプラテンの位置の搬送条件がいずれも「GO」又は「Any」であれば、S23で決定されたプリンタ4は搬送条件を満たすと判断する(S24:YES)。従って、CPU101は、プリンタ4をプラテン50の搬送先と判断する(S24:YES)。次いで、CPU101は、待機場所14Fからプラテン50をプリンタ4へ向けて搬送する(S25)。プラテン50は、待機場所14Fから第一搬送路14G、第三搬送路14H、第四搬送路17Bを経由して、プリンタ4に搬送される。CPU101は、S24の判断でNOと判断した場合には、第二判断の対象とするプリンタを決定する(S26)。CPU101は、後述するS27において、S26で決定されたプリンタにプラテン50を搬送するか否かを判断する。このS27の判断を第二判断と称する。S26の処理は、S23と同様である。例えば、プリンタ3が優先順位3、プリンタ4が優先順位1、プリンタ5が優先順位5の場合には、CPU101は、プリンタ4に次いで、優先順位が高いプリンタ3を第二判断の対象とするプリンタに決定する(S26)。次に、CPU101は、S26で決定されたプリンタ3が搬送条件を満たすかを判断する(S27)。
【0068】
例えば、図7(A)に示すように、CPU101が、待機場所14Fからプラテン50をプリンタ3へ搬送できる条件は、以下のとおりである。待機場所14Fにプラテン50が存在しない。第一搬送路14Gにプラテン50が存在しない。第二搬送路15Bにプリンタ3に向かうプラテン50が存在しない。プリンタ3にプラテン50が存在しない、第二搬送路15Bにプリンタ3から排出されたプラテン50が存在しない。そして、「Any」が付されている第三搬送路14H、第四搬送路17B(入)、プリンタ4、第四搬送路17B(出)、第五搬送路14I、第六搬送路19B(入)、プリンタ5、第六搬送路19B(出)、第七搬送路14Jにプラテン50が有るか否かは、待機場所14Fからプラテン50をプリンタ3へ搬送できる条件に関係しないので、待機場所14Fのプラテン50の搬送の判断要素としない。
【0069】
CPU101は、S21で取得したプラテンの位置の搬送条件がいずれも「GO」又は「Any」であれば、S26で決定されたプリンタ3は搬送条件を満たすと判断する(S27:YES)。従って、CPU101は、プリンタ3をプラテン50の搬送先と判断する(S27:YES)。次いで、CPU101は、待機場所14Fからプラテン50をプリンタ3へ向けて搬送する(S28)。プラテン50は、待機場所14Fから第一搬送路14G、第二搬送路15Bを経由して、プリンタ3に搬送される。CPU101は、S27の判断でNOと判断した場合には、第三判断の対象とするプリンタを決定する(S29)。CPU101は、後述するS30において、S29で決定されたプリンタにプラテン50を搬送するか否かを判断する。このS30の判断を第三判断と称する。S29の処理は、S23及びS26と同様である。例えば、プリンタ3が優先順位3、プリンタ4が優先順位1、プリンタ5が優先順位5の場合には、CPU101は、プリンタ3に次いで、優先順位が高いプリンタ5を第三判断の対象とするプリンタに決定する(S29)。次に、CPU101は、S21で取得したプラテンの位置に基づいて、S29で決定されたプリンタ5が搬送条件を満たすかを判断する(S30)。
【0070】
例えば、図7(C)に示すように、CPU101が、待機場所14Fからプラテン50をプリンタ5へ搬送できる条件は、以下のとおりである。待機場所14Fにプラテン50が存在しない。第一搬送路14Gにプラテン50が存在しない。第二搬送路15Bのプリンタ3に向かうプラテン50は判断要素としない。プリンタ3に印刷終了の後のプラテン50が存在しない。第二搬送路15Bにプリンタ3から排出されたプラテン50が存在しない。第三搬送路14Hに第六搬送路19Bへ向かうプラテン50が存在しない。第四搬送路17Bのプリンタ4に向かうプラテン50は判断要素としない。プリンタ4に印刷終了の後のプラテン50が存在しない。第四搬送路17B(出)は判断要素としない。第五搬送路14Iに第六搬送路19Bへ向かうプラテン50が存在しない。第六搬送路19B(入)及びプリンタ5にプラテン50が存在しない。第六搬送路19B(出)及び、第七搬送路14Jは、判断要素としない。なお、プリンタ3が印刷中、メンテナンス中、又は故障中の場合には、「GO」と付されているので、プリンタ5へ搬送可能である。同様に、第三搬送路14Hに第四搬送路17B又は第七搬送路14Jへ向かうプラテン50が存在しても、「GO」が付されているので、プリンタ5へ搬送可能である。プリンタ4が印刷中、メンテナンス中、又は故障中の場合には、「GO」と付されているので、プリンタ5へ搬送可能である。第五搬送路14Iに第七搬送路14Jへ向かうプラテン50が存在している場合には、「GO」が付されているので、プリンタ5へ搬送可能である。
【0071】
CPU101は、S21で取得したプラテンの位置の搬送条件がいずれも「GO」又は「Any」であれば、S26で決定されたプリンタ5は搬送条件をすべて満たすと判断する(S30:YES)。従って、CPU101は、プリンタ5をプラテン50の搬送先と判断する(S30:YES)。次いでCPU101は、待機場所14Fからプラテン50をプリンタ5へ向けて搬送する(S31)。プラテン50は、待機場所14Fから第一搬送路14G、第三搬送路14H、第五搬送路14I、第六搬送路19Bを経由して、プリンタ5に搬送される。CPU101は、S30でNOと判断した場合には、処理をS21に戻す。従って、搬送できるプリンタが決定できるまでは、上記同様のS21からS30の処理を繰り返す。CPU101は、S25,S28,S31の処理の後も処理をS21に戻し、次に、待機場所14Fに来るプラテン50の搬送先を決定する。
【0072】
以上説明したように、本実施形態の印刷システム1のCPU101は、複数のプリンタ3~5の何れにプラテン50を搬送するかを判断する判断ステップS24、S27,S30を実行する。従って、複数のプリンタ3~5にプラテン50の搬送先を分けることができる。従って、特定のプリンタのみにプラテン50が搬送されることが避けられ、一定期間における印刷処理数を増やすことができる。
【0073】
また、CPU101は、判断ステップS24、S27、S30において、複数のプリンタ3~5の状態に基づき、プラテン50の搬送先を判断するので、プリンタ3~5の状態に基づき、プラテン50の搬送先を分けることができ、一定期間における印刷処理数を増やすことができる。
【0074】
また、CPU101は、S23,S26,S29の処理において、優先順位表104Aの優先順位を参照して、プラテンの搬送先を判断する。優先順位表104Aの優先順位1~5には、印刷完了までの時間、搬送時間、メンテナンス時間が定められており、待機場所14Fのプラテン50の印刷開始までの時間が関連している。従って、印刷開始までの時間に基づき、プラテン50の搬送先が判断されるので、例えば、印刷開始までの時間が短いプリンタにプラテン50が搬送されれば、一定期間における印刷処理数を増やすことができる。
【0075】
また、CPU101は、S23,S26,S29の処理において、プリンタ3~5の状態を取得し、先に搬送したプラテン50への印刷処理が完了する時間を計算して、プリンタの印刷開始までの時間に基づき、プラテン50の搬送先を判断するので、印刷処理が完了する時間が短いプリンタにプラテン50が搬送されれば、一定期間における印刷処理数を増やすことができる。
【0076】
また、CPU101は、S23,S26,S29の処理において印刷可能なプリンタの何れかのみをプラテン50の搬送先と判断し、印刷可能でないプリンタはプラテン50の搬送先と判断しないようにしてもよい。この場合には、印刷可能でないプリンタにプラテン50が送られて、一定期間における印刷処理数が低下する可能性を低減できる。
【0077】
また、CPU101は、S21の処理において、プラテン搬送機構10が先に搬送したプラテン50の位置を取得し、S24,S27,S30の判断において、S21で取得したプラテン50の位置に基づき、複数のプリンタ3~5の何れにプラテン50を搬送する。
従って、プラテン50同士の衝突を避けることが可能になり、プラテン50同士の衝突による一定期間における印刷処理数が低下する可能性は低減できる。
【0078】
また、CPU101は、S24、S27、S30の判断において、図7(A)~(C)に示す搬送条件に基づいて既に搬送したプラテン50と搬送経路の重複していないプラテン50の搬送を許容する。従って、既に搬送したプラテン50と待機場所14Fから搬送されるプラテン50の衝突の可能性を低減し、一定期間における印刷処理数を増やすことができる。
【0079】
また、CPU101は、判断ステップS24、S27、S30の判断において、夫々、複数のプリンタの状態に基づき、優先順位表104Aを参照して第一判断対象のプリンタ、第二判断対象のプリンタ、及び第三判断対象のプリンタを決定する。即ちCPU101は、複数のプリンタの状態に基づき、プリンタの何れにプラテンを搬送するかの判断(S24,S27,S30)を行うプリンタの順番を変更する。従って、CPU101は、印刷実行可能になる見込みの高いプリンタからプラテン50を搬送するかの判断を行うことができる。
【0080】
上記実施形態において、搬送制御装置1Aは、本発明の「搬送制御装置」の一例である。S24、S27、S30のステップは本発明の「判断ステップ」の一例である。優先順位の数字の小さいプリンタが本発明の「印刷処理が完了する時間が短いプリンタ」の一例である。優先順位6~8のプリンタが本発明の「定期動作により印刷が不可能であるプリンタ」の一例である。プラテン搬送機構10が本発明の「搬送部」の一例である。準備位置100が本発明の「搬送開始位置」の一例である。
【0081】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。上記の実施形態では、CPU101は、第三判断のプリンタも搬送条件を満たさない場合には(30:NO)、処理をS21に戻していた。しかしながら、CPU101は、判断ステップS24、S27、S30において、印刷可能なプリンタがない場合、定期動作により印刷が不可能であるプリンタにプラテン50を搬送してもよい。プラテン50がプリンタに搬送されず、一定期間における印刷処理数が低下する可能性を低減できる。
【0082】
また、CPU101は、図8に示す判断ステップにおいて、印刷可能な前記プリンタがない場合(S24:NO,S26,S27:NO,S29,S30:NO)、優先順位表104Aを用いずに、以下のように、第一判断~第三判断の対象のプリンタを決定してもよい。例えば、CPU101は、各プリンタ3~5の印刷機能に関連する関連動作が終了する時間を算出する(S32)。次いで、CPU101は、現在は関連動作により印刷不可能であるが、関連動作の終了時間が一番早いプリンタにプラテン50を搬送してもよい(S33)。関連動作の終了時間が同じ場合は、CPU101は、待機場所14Fに近い方のプリンタにプラテン50を搬送してもよい。また、関連動作の終了時間が同じ場合は、CPU101は、予め指定されているプリンタにプラテン50を搬送してもよい。これにより、CPU101は、印刷可能なプリンタがない場合、プリンタの印刷機能に関連する関連動作であって、関連動作が終了する時間を算出する定期動作により印刷が不可能であるプリンタにプラテン50を搬送することができる。従って、プラテン50がプリンタに搬送されず、一定期間における印刷処理数が低下する可能性を低減できる。
【0083】
また、S23の判断において、CPU101は、優先順位表104Aを用いずに、先に搬送したプラテン50への印刷処理が完了する時間を計算して、プリンタの印刷開始までの時間に基づき、第一判断の対象とするプリンタを決定してもよい。上記実施形態の印刷システム1は、第七搬送路14Jに後処理装置9を備えてもよい。後処理装置9は、プリンタ3~5の後方に配置され、プラテン50に支持された印刷済みの布帛Pを高温で加熱して、インクを乾燥させることにより、インクの布帛Pへの定着を向上させることができる。また、前処理装置2は、例えば、塗布部だけでもよい。また、プラテン搬送機構10は、処理ライン202の右側に、処理ライン202と同様にプリンタを3台備えた、処理ラインを処理ライン202と左右対称に備えてもよい。また、処理ライン202と右側処理ラインをもう一組備えてもよい。
【0084】
また、近接センサ70~77は赤外センサでもよい。また、図5に示す搬送先判断処理のプラテン位置の取得処理(S21)は、近接センサ70~77に依らず、各プラテン50の搬送量により位置を推定して判断してもよい。また、優先順位表104Aは、図6に示すものに限られない。操作者が予め適宜作成すればよい。また、S23,S26,S29の処理で、同じ優先順位のものが複数有った場合には、待機場所14Fに近い方のプリンタを選ぶのではなく、予め選択順位が指定されたプリンタが選ばれてもよい。各プリンタ3~5にプラテン50を搬送することができる搬送条件は、図7(A)~(C)に限られない。既に搬送しているプラテン50とこれから搬送するプラテン50同士が衝突しない条件であればよい。また、CPU101は、S23の判断で、プリンタ3~5の状態が、印刷不可能なものばかりであれば、例えば、定期動作により印刷不可能な優先順位6~8の中から優先順位の高いプリンタを第一判断の対象とするプリンタに決定してもよい。S26,S29の処理も同様である。
【0085】
図5の搬送先判断処理は、CPU101が実行していたが、CPU101とは、別のCPUを搬送機構14,15、17,19に夫々設け、そのCPUが判断してもよい。また、処理ライン202のプリンタは、3台に限られない、2台、4台、5台等任意の複数設けてもよい。プリンタが増えれば、一定期間における印刷処理数を増やすことができる。また、判断ステップ(S24,S27,S30)は、3個設けているが、必ずしも3個に限られず、少なくてもよい。例えば、1個、2個でもよい。また、判断ステップの数は処理ライン202のプリンタの数と同じでよく、プリンタが5台なら判断ステップの数も5個でもよい。また、プリンタが5台でも判断ステップの数は、3個又は4個でもよい。また、プラテン50に布帛Pがセットされたかの判断(S9)は、操作者が、プラテン50に布帛Pを載置して、操作部110からセット完了コマンドを入力し、CPU101がセット完了コマンドを受信したことにより行われてもよい。また、CPU101は、S23の判断において、プリンタ3~5の状態を取得しているが、S26及びS29に於いてもプリンタ3~5の状態を取得してS26及びS29の処理に利用してもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 印刷システム
1A 搬送制御装置
2 前処理装置
3~5 プリンタ
10 プラテン搬送機構
50 プラテン
14,15、17,19,28 搬送機構
14F 待機場所
70~77 近接センサ
100 準備位置
101 CPU
104A 優先順位表
201 発送ライン
202 処理ライン
204 第一返送ライン
S24、S27、S30 判断ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8