IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧

特許7512606会計システム、会計機、会計方法、及び、記録媒体
<>
  • 特許-会計システム、会計機、会計方法、及び、記録媒体 図1
  • 特許-会計システム、会計機、会計方法、及び、記録媒体 図2
  • 特許-会計システム、会計機、会計方法、及び、記録媒体 図3
  • 特許-会計システム、会計機、会計方法、及び、記録媒体 図4
  • 特許-会計システム、会計機、会計方法、及び、記録媒体 図5
  • 特許-会計システム、会計機、会計方法、及び、記録媒体 図6
  • 特許-会計システム、会計機、会計方法、及び、記録媒体 図7
  • 特許-会計システム、会計機、会計方法、及び、記録媒体 図8
  • 特許-会計システム、会計機、会計方法、及び、記録媒体 図9
  • 特許-会計システム、会計機、会計方法、及び、記録媒体 図10
  • 特許-会計システム、会計機、会計方法、及び、記録媒体 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】会計システム、会計機、会計方法、及び、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/20 20120101AFI20240702BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240702BHJP
【FI】
G06Q20/20
G06Q30/06
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020021608
(22)【出願日】2020-02-12
(65)【公開番号】P2021128426
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】船井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】内村 淳
(72)【発明者】
【氏名】松井 孝宏
(72)【発明者】
【氏名】津田 隼輔
(72)【発明者】
【氏名】鶴岡 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】菅ヶ谷 啓希
【審査官】山崎 雄司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/150226(WO,A1)
【文献】特開2010-122755(JP,A)
【文献】特開2013-025603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入れ物に入っている商品の会計を行う会計システムであって、
前記入れ物の数を確定するための入力画面を表示する入力画面表示部と、
前記入力画面に対する入力に基づいて前記入れ物の数を確定する確定部と、
前記入れ物に入ったままで、当該入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報取得部により前記商品識別情報が取得された前記入れ物の数をカウントするカウント部と、
前記確定部が確定した前記入れ物の数と、前記カウント部がカウントした前記入れ物の数とが一致するか否かを判定する一致判定部と、
前記一致判定部が一致すると判定した場合に、前記商品識別情報に基づいて精算を行う精算部と、
を備える会計システム。
【請求項2】
前記商品識別情報取得部は、前記一致判定部が一致しないと判定した場合に、他の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報を取得する請求項1に記載の会計システム。
【請求項3】
前記入力画面は、前記入れ物の数を入力するための入力欄を含み、
前記確定部は、前記入力欄に入れ物の数の入力が行われていない場合、前記入れ物の数を1と確定する請求項1又は2に記載の会計システム。
【請求項4】
各商品の前記商品識別情報と、各商品の価格とが対応付けられた商品情報を取得する商品情報取得部と、
前記商品情報と、前記商品識別情報取得部が取得した前記商品識別情報とに基づいて、前記商品と、前記商品の価格と、合計金額とを含む入れ物毎の商品リストと、全ての入れ物の合計金額と、を含む購入商品リストを作成する購入商品リスト作成部と、
前記一致判定部が一致すると判定した場合に、前記購入商品リストに基づいて、購入商品リスト画面を表示するリスト画面表示部と、
前記購入商品リスト画面に入力された精算を要求する精算要求を取得する精算要求取得部と、
を備え、
前記精算部は、前記精算要求を取得した場合に、前記購入商品リストに基づいて精算を行う請求項1乃至3のいずれか一項に記載の会計システム。
【請求項5】
前記会計システムに来た顧客を撮影した顧客画像を取得する画像取得部と、
前記顧客画像を解析することにより前記顧客が有する入れ物の数を判定する数判定部と、
を備え、
前記入力画面は、前記数判定部が判定した入れ物の数と、当該入れ物の数が正しいか否か又は正しい入れ物の数を入力する入力欄と、を含み、
前記確定部は、前記入力欄に対する入力に基づいて、前記入れ物の数を確定する請求項1に記載の会計システム。
【請求項6】
前記会計システムに来た顧客を撮影した顧客画像を取得する画像取得部と、
前記顧客画像を解析することにより前記顧客が有する入れ物の数を判定する数判定部と、
を備え、
前記入力画面表示部は、前記数判定部が判定した入れ物の数が2個以上である場合に、前記入力画面を表示する請求項1に記載の会計システム。
【請求項7】
入れ物に入っている商品の会計を行う会計システムであって、
前記入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、
追加の入れ物が存在するか否かを顧客に選択させる追加選択部と、
前記商品識別情報に基づいて精算を行う精算部と、
を備え、
前記商品識別情報取得部は、前記追加選択部により前記追加の入れ物が存在することが選択された場合に、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報を取得し、
前記精算部は、前記追加選択部により前記追加の入れ物が存在することが選択された場合に、前記入れ物に入っている商品の前記商品識別情報と、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報とに基づいて、精算を行う会計システム。
【請求項8】
入れ物に入っている商品の会計を行う会計機であって、
前記入れ物の数を確定するための入力画面を表示する入力画面表示部と、
前記入力画面に対する入力に基づいて前記入れ物の数を確定する確定部と、
前記入れ物に入ったままで、当該入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報取得部により前記商品識別情報が取得された前記入れ物の数をカウントするカウント部と、
前記確定部が確定した前記入れ物の数と、前記カウント部がカウントした前記入れ物の数とが一致するか否かを判定する一致判定部と、
前記一致判定部が一致すると判定した場合に、前記商品識別情報に基づいて精算を行う精算部と、
を備える会計機。
【請求項9】
入れ物に入っている商品の会計を行う会計システムにより実行される会計方法であって、
前記入れ物の数を確定するための入力画面を表示し、
前記入力画面に対する入力に基づいて前記入れ物の数を確定し、
前記入れ物に入ったままで、当該入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得し、
前記商品識別情報が取得された前記入れ物の数をカウントし、
確定した前記入れ物の数と、カウントした前記入れ物の数とが一致するか否かを判定し、
一致すると判定した場合に、前記商品識別情報に基づいて精算を行う会計方法。
【請求項10】
入れ物の数を確定するための入力画面を表示し、
前記入力画面に対する入力に基づいて前記入れ物の数を確定し、
前記入れ物に入ったままで、当該入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得し、
前記商品識別情報が取得された前記入れ物の数をカウントし、
確定した前記入れ物の数と、カウントした前記入れ物の数とが一致するか否かを判定し、
一致すると判定した場合に、前記商品識別情報に基づいて精算を行う処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【請求項11】
入れ物に入っている商品の会計を行う会計システムにより実行される会計方法であって、
前記入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得し、
追加の入れ物が存在するか否かを顧客に選択させ、
前記商品識別情報に基づいて精算を行うものであって、
前記顧客により前記追加の入れ物が存在することが選択された場合に、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報を取得し、
前記顧客により前記追加の入れ物が存在することが選択された場合に、前記入れ物に入っている商品の前記商品識別情報と、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報とに基づいて、精算を行う会計方法。
【請求項12】
入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得し、
追加の入れ物が存在するか否かを顧客に選択させ、
前記商品識別情報に基づいて精算を行うものであって、
前記顧客により前記追加の入れ物が存在することが選択された場合に、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報を取得し、
前記顧客により前記追加の入れ物が存在することが選択された場合に、前記入れ物に入っている商品の前記商品識別情報と、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報とに基づいて、精算を行う処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗などに設置されるセルフレジに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどにおいて、セルフレジの導入が進んでいる。特許文献1には、店舗において商品を購入する際に、精算処理だけではなく荷詰処理もセルフレジが自動的に行う買物支援システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開WO2017/150226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の買物支援システムは、顧客が買い物かごを所定の位置に設置し、当該買い物かごに入っている商品に付された商品情報を読み取ることで精算処理を行い、決済する。そのため、2個以上の買い物かごがある場合、一度に決済することはできず、買い物かご毎に別々の決済をしていた。
【0005】
本発明の目的は、精算処理や荷詰処理を自動で行うセルフレジ等において、買物かごが複数となる場合であっても、購入商品を一度に決済することができるようにすることを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点では、入れ物に入っている商品の会計を行う会計システムは、
前記入れ物の数を確定するための入力画面を表示する入力画面表示部と、
前記入力画面に対する入力に基づいて前記入れ物の数を確定する確定部と、
前記入れ物に入ったままで、当該入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報取得部により前記商品識別情報が取得された前記入れ物の数をカウントするカウント部と、
前記確定部が確定した前記入れ物の数と、前記カウント部がカウントした前記入れ物の数とが一致するか否かを判定する一致判定部と、
前記一致判定部が一致すると判定した場合に、前記商品識別情報に基づいて精算を行う精算部と、を備える。
【0007】
本発明の他の観点では、入れ物に入っている商品の会計を行う会計システムは、
前記入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、
追加の入れ物が存在するか否かを顧客に選択させる追加選択部と、
前記商品識別情報に基づいて精算を行う精算部と、を備え、
前記商品識別情報取得部は、前記追加選択部により前記追加の入れ物が存在することが選択された場合に、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報を取得し、
前記精算部は、前記追加選択部により前記追加の入れ物が存在することが選択された場合に、前記入れ物に入っている商品の前記商品識別情報と、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報とに基づいて、精算を行う。
【0008】
本発明の他の観点では、入れ物に入っている商品の会計を行う会計機は、
前記入れ物の数を確定するための入力画面を表示する入力画面表示部と、
前記入力画面に対する入力に基づいて前記入れ物の数を確定する確定部と、
前記入れ物に入ったままで、当該入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報取得部により前記商品識別情報が取得された前記入れ物の数をカウントするカウント部と、
前記確定部が確定した前記入れ物の数と、前記カウント部がカウントした前記入れ物の数とが一致するか否かを判定する一致判定部と、
前記一致判定部が一致すると判定した場合に、前記商品識別情報に基づいて精算を行う精算部と、を備える。
【0009】
本発明の他の観点では、入れ物に入っている商品の会計を行う会計システムにより実行される会計方法は、
前記入れ物の数を確定するための入力画面を表示し、
前記入力画面に対する入力に基づいて前記入れ物の数を確定し、
前記入れ物に入ったままで、当該入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得し、
前記商品識別情報が取得された前記入れ物の数をカウントし、
確定した前記入れ物の数と、カウントした前記入れ物の数とが一致するか否かを判定し、
一致すると判定した場合に、前記商品識別情報に基づいて精算を行う。
【0010】
本発明の他の観点では、記録媒体は、
入れ物の数を確定するための入力画面を表示し、
前記入力画面に対する入力に基づいて前記入れ物の数を確定し、
前記入れ物に入ったままで、当該入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得し、
前記商品識別情報が取得された前記入れ物の数をカウントし、
確定した前記入れ物の数と、カウントした前記入れ物の数とが一致するか否かを判定し、
一致すると判定した場合に、前記商品識別情報に基づいて精算を行う処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録する。
【0011】
本発明の他の観点では、入れ物に入っている商品の会計を行う会計システムにより実行される会計方法は、
前記入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得し、
追加の入れ物が存在するか否かを顧客に選択させ、
前記商品識別情報に基づいて精算を行うものであって、
前記顧客により前記追加の入れ物が存在することが選択された場合に、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報を取得し、
前記顧客により前記追加の入れ物が存在することが選択された場合に、前記入れ物に入っている商品の前記商品識別情報と、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報とに基づいて、精算を行う。
【0012】
本発明のさらに他の観点では、記録媒体は、
入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得し、
追加の入れ物が存在するか否かを顧客に選択させ、
前記商品識別情報に基づいて精算を行うものであって、
前記顧客により前記追加の入れ物が存在することが選択された場合に、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報を取得し、
前記顧客により前記追加の入れ物が存在することが選択された場合に、前記入れ物に入っている商品の前記商品識別情報と、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報とに基づいて、精算を行う処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、精算処理や荷詰処理を自動で行うセルフレジ等において、買物かごが複数となる場合であっても、購入商品を一度に決済することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態に係る購入管理システムの構成を示す。
図2】POSサーバの概略構成を示す。
図3】会計機の概略構成を示す。
図4】商品購入処理のフローチャートである。
図5】購入商品リスト画面の表示例である。
図6】改良型商品購入処理のフローチャートである。
図7】確認画面の表示例である。
図8】案内画面の表示例である。
図9】改良型商品購入処理における購入商品リスト画面の表示例である。
図10】変形例における改良型商品購入処理のフローチャートである。
図11】追加選択画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0016】
[購入管理システムの構成]
図1は、本実施形態に係る購入管理システム100の構成を示す。購入管理システム100は、主に、POSサーバ1と、カメラ3と、会計機5とを備える。購入管理システム100は、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの店舗に設置される。顧客は商品の販売を行う店舗内において、購入する商品をかご20に入れる。顧客が商品の入っているかご20を会計機5の所定位置に置くと、会計機5は、商品に付されたRFID(Radio Frequency IDentifier)タグを読み取ることで、購入する商品(「購入商品」とも呼ぶ。)の精算を行う。購入商品の精算が終了すると、会計機5は購入商品をレジ袋などに自動的に荷詰めする。顧客は自動的に荷詰めされた商品を受け取ることができる。
【0017】
POSサーバ1は、店舗で販売される商品に関する価格、在庫状況などを含む商品情報、店舗の売上情報などの種々の販売情報を管理するサーバである。POSサーバ1は、会計機5とネットワーク等を介して通信可能である。なお、POSサーバ1は、複数の系列店舗の販売情報を一括して管理するものであってもよく、店舗毎に存在し、その店舗の販売情報のみを管理するものであってもよい。
【0018】
会計機5は、顧客が精算を行うための精算機(所謂セルフ精算機)である。会計機5は、POSサーバ1と通信可能であって、精算に必要な種々の情報の授受を必要に応じて行う。会計機5は、商品に付された商品バーコードを読み取るためのハンディバーコードリーダ56と、店員を呼ぶためのライト57とを備えている。さらに、会計機5は、かご20や商品を一時的に置くためのカウンタ台80と、精算のためにかご20を置く収容部90と、収容部90の上部を開閉するためのシャッター91と、クレジットカードで支払いをするためのカード挿入口92と、現金で支払いをするための現金投入口93と、つり銭を取り出すためのつり銭取口94とを備えている。
【0019】
カメラ3は、精算のために並んでいる顧客のかご20を撮影するものであって、会計機5と通信可能である。カメラ3は、会計機5の位置に来た顧客を撮影し、撮影画像を会計機5に送信する。
【0020】
[装置構成]
次に、POSサーバ1及び会計機5の各構成について図2及び図3を参照して説明する。
【0021】
(POSサーバ)
図2は、POSサーバ1の概略構成を示す。POSサーバ1は、主に、記憶部13と、データ通信を行う通信部14と、制御部15とを備える。これらの要素はバスライン10により相互に接続されている。
【0022】
記憶部13は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部13は、制御部15が実行するプログラム、及び、制御部15がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。本実施形態では、記憶部13は、売価変更情報17と、商品情報DB(Database)18と、商品の売上に関する情報である売上情報19とを含んでいる。なお、記憶部13は、売価変更情報17、商品情報DB18、売上情報19以外の種々の販売に関する情報を記憶してもよい。
【0023】
商品情報DB18は、店舗又は店舗を含む系列店舗で取り扱う商品に関する情報のデータベースである。商品情報DB18は、例えば、商品の価格、JAN(Japanese Article Number)コードなどの商品を識別するための情報(「商品識別情報」とも呼ぶ。)、商品の分類情報、商品の在庫状況などの各種情報を含む。
【0024】
売価変更情報17は、売価の変更に関する情報である。具体的に、売価変更情報17は、分類別割引情報、バンドル割引情報、セット割引情報、合計額割引情報、分類別値引情報、バンドル値引情報、セット値引情報、及び合計額値引情報などの任意の割引情報又は値引情報の少なくとも1つを含んでいる。
【0025】
制御部15は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備え、POSサーバ1内の各構成要素に対して種々の制御を行う。例えば、制御部15は、通信部14を介して会計機5と通信を行うことで、商品情報DB18に関する情報を会計機5に提供する。
【0026】
(会計機)
図3は、会計機5の概略構成を示す。会計機5は、主に、表示部51と、入力部52と、記憶部53と、通信部54と、制御部55と、ハンディバーコードリーダ56と、ライト57と、スピーカ58と、かご検知部59と、荷詰装置60とを備える。これらの各要素は、バスライン50を介して相互に接続されている。
【0027】
表示部51は、制御部55の制御に基づき、購入商品リスト画面や精算画面などの各種情報の表示を行う。入力部52は、顧客の入力を受け付けるインターフェースであり、例えば、タッチパネル、ボタンなどが該当する。なお、本実施形態では、表示部51をタッチパネルにより構成し、入力部52の機能も併せ持つものとする。
【0028】
記憶部53は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部53は、制御部55が実行するプログラム、及び、制御部55がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。例えば、記憶部53には、顧客が支払いを行う際に動作し、商品購入処理を行うための専用のアプリケーションプログラムが記憶されている。
【0029】
制御部55は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、会計機5内の各構成要素に対して種々の制御を行う。制御部55が実行する制御については後述する。ハンディバーコードリーダ56は、商品に付されたRFIDタグを読み取れない場合等に、顧客が読み取り操作することにより商品に付された商品バーコードを読み取り、読み取った情報を制御部55に供給する。ライト57は、会計機5に不具合が生じたときや、店員を呼ぶときなどに点灯する。スピーカ58は、必要に応じて注意喚起のための操作音や音声メッセージなどを出力する。
【0030】
かご検知部59は、かご20が所定位置に置かれたか否かを検知する。本実施形態において、所定位置はカウンタ台80の収容部90の底面上である。かご検知部59は、収容部90の底面に設置された重量センサによって、かご20が所定位置に置かれたか否かを検知する。なお、重量センサによってかご20を検知する代わりに、赤外線装置等によって光学的にかご20を検知することとしてもよい。また、かご20を置くことにより、収容部90の底面に設けられた物理的スイッチが押されたか否かによってかご20を検知することとしてもよい。制御部55は、かご検知部59によりかご20が所定位置に置かれたことを検知すると、シャッター91を閉める。
【0031】
荷詰装置60は、かご20に入っている購入商品の精算が完了すると、収容部90の底面とかご20の底部を開放し、購入商品を収容部90の下部に設置された袋に移動させることで自動的に荷詰めを行う。具体的に、かご20の床板は、図1に示すように、開閉可能となるように取り付けられている。かご20は、床板を矢印の方向に開くことでかご20の底部を開放し、商品を下方、即ち荷詰装置60に移動させることが可能となる。なお、荷詰装置60は、本実施形態のように購入商品をかご20の下向きに移動させる機構に限られるものではなく、購入商品をかご20の横向きに移動させる機構であってもよい。即ち、荷詰装置60は、かご20に入っている購入商品をビニール袋やエコバック、段ボール箱等、顧客が持ち帰り可能な入れ物に自動的に荷詰めするものであればよい。
【0032】
[商品購入処理]
次に、購入管理システム100による商品購入処理の基本的な動作について説明する。商品購入処理は、顧客が店舗において商品を購入する処理である。図4は、商品購入処理の概要を示すフローチャートである。なお、商品購入処理は、主として会計機5が、予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0033】
まず、顧客は、店舗に入るとかご置き場から1つのかご20aを取り、購入したい商品をかご20aに入れていく。全ての購入商品をかご20aに入れると、顧客は、精算するためにかご20aを会計機5の収容部90に置く。会計機5の制御部55は、かご20aが所定位置に置かれたことをかご検知部59が検知したか否かを判定する(ステップS101)。かご20aが所定位置に置かれたことを検知しない場合(ステップS101:No)、制御部55は、かご20を検知するまで待機する。
【0034】
かご20が所定位置に置かれたことを検知した場合(ステップS101:Yes)、制御部55は、シャッター91を閉め、かご20aに入っている商品に付されたRFIDタグと通信することで、購入商品の商品識別情報を取得する(ステップS102)。次に、制御部55は、通信部54を介し、取得した商品識別情報に基づいて、POSサーバ1の商品情報DB18を参照することで購入商品リストを作成する(ステップS103)。購入商品リストは、例えば、購入商品を示す商品識別情報、商品名、その商品の購入予定数量、価格等を含むリストである。
【0035】
そして、制御部55は、作成した購入商品リストに基づいて、表示部51に購入商品リスト画面を表示する。図5は、購入商品リスト画面の表示例を示す。この例では、購入商品リスト画面は、リスト表示欄41と、小計表示欄42と、合計額表示欄43と、精算ボタン45と、中止ボタン46とを有する。リスト表示欄41には、購入商品毎に購入商品の名称、数量、価格が表示される。小計表示欄42は、購入商品リストの全商品に対する価格の税抜きの小計を表示し、合計額表示欄43は、購入商品リストの全商品に対する価格の税込みの合計金額を表示する。
【0036】
顧客は、購入商品リスト画面に表示された購入商品や合計金額を確認し、精算ボタン45を押下して支払いを行う。制御部55は、精算ボタン45の押下による精算要求を受信したか否かを判定する(ステップS104)。顧客が商品の買い忘れなどに気づき、中止ボタン46を押した場合(ステップS104:No)、処理は終了する。一方、精算要求を受信したと判定した場合(ステップS104:Yes)、制御部55は、購入代金の精算を行う(ステップS105)。具体的に、制御部55は、まず表示部51及び入力部52を介して、支払いを現金で行うか、クレジットで行うかといった支払い方法を顧客に選択させる。顧客が現金での支払いを選択した場合、制御部55は、会計機5の現金投入口93に現金を投入することを促し、現金が投入されると、必要に応じて釣銭を支払う。また、顧客がクレジットでの支払いを選択した場合、制御部55は、会計機5のカード挿入口92へのカード挿入や暗証番号の入力などを促し、クレジット決済を行う。
【0037】
そして、制御部55は、顧客の支払いにより精算が完了したか否かを判定する(ステップS106)。精算が完了していないと判定した場合(ステップS106:No)、制御部55は顧客による支払が完了するまで待機する。一方、精算が完了したと判定した場合(ステップS106:Yes)、制御部55は、荷詰装置60を制御して購入商品の荷詰めを行う(ステップS107)。荷詰めが完了すると制御部55はシャッター91を開く。これにより、顧客は、精算が完了すると自動的に荷詰めされた購入商品を受け取ることができる。このとき、かご20aは、荷詰装置60により回収されることとしてもよいし、シャッター91が開いたタイミングで顧客が取り除いてかご置き場へ戻すこととしてもよい。
【0038】
なお、上記の例では、制御部55は、ステップS106において精算が完了したと判定した場合に、購入商品の荷詰めを行うこととしているが、精算が完了する前に予め購入商品を袋に荷詰めしておくこととしてもよい。この場合、制御部55は、精算が完了したと判定した場合にシャッターを開くことで、顧客に荷詰めした袋を提供する。また、上記の例では、制御部55は、ステップS102及びS103において商品識別情報の取得及び購入商品リストの作成、表示を行っているが、精算が完了する前に荷詰めをしておくのであれば、荷詰めのときにRFIDタグと通信することで商品識別情報を取得し、商品リストの作成、表示を行うこととしてもよい。
【0039】
[かごが複数ある場合の商品購入処理]
上記の商品購入処理では、会計機5は、購入商品が1つのかご20aに入っている場合、一度に決済をすることができる。しかし、購入商品が複数のかご20に入っている場合、一度に決済することはできず、かご20毎に商品購入処理を行い、別々に決済をすることとなる。
【0040】
そこで、本実施形態では、購入商品が複数のかご20に入っている場合でも、一度の決済ですむようにする。以下、かご20が複数ある場合でも一度の決済が実行可能な商品購入処理(以下、「改良型商品購入処理」と呼ぶ。)ついて説明する。改良型商品購入処理は、予め顧客の有するかご数を確定し、商品識別情報を取得したかご20の数が当該かご数と一致するまで精算を行わないように商品の購入を進める。図6は、改良型商品購入処理の動作を示すフローチャートである。なお、改良型商品購入処理は、主として会計機5が、予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0041】
まず、顧客は、店舗に入るとかご置き場から1つのかご20aを取り、購入したい商品をかご20aに入れていく。購入したい商品が多く、かご20aに入りきらない場合、顧客は、新たなかご20bを取り商品を入れていく。全ての商品をかご20a及び20bに入れると、顧客は、精算するためにかご20aを会計機5の収容部90に置く。また、かご20bをカウンタ台80に置く。会計機5の制御部55は、かご20aが所定位置に置かれたことをかご検知部59が検知したか否かを判定する(ステップS401)。かご20aが所定位置に置かれたことを検知しない場合(ステップS401:No)、制御部55は、かご20を検知するまで待機する。
【0042】
かご20aが所定位置に置かれたことを検知した場合(ステップS401:Yes)、制御部55は、表示部51にかご数入力画面を表示し、一定時間内に顧客による入力が行われたか否かを判定する(ステップS402)。かご数入力画面として、表示部51は、例えば図7(A)に示すように「かごの数はいくつですか?」という質問とともに、かご数を入力するボックス30、OKボタン31などを表示する。顧客は、入力部52により、例えばかご数が2個であれば、ボックス30に数字「2」を入力し、OKボタン31を押下する。なお、かご数が1個である場合、顧客は入力を行わなくてもよい。制御部55は、かご数入力画面において一定時間内に顧客による入力が行われていないと判定した場合(ステップS402:No)、ステップS404へ進み、かご数を1個と確定する(ステップS404)。
【0043】
かご数入力画面において一定時間内に顧客による入力が行われたと判定した場合(ステップS402:Yes)、制御部55は、入力部52を介して取得した入力情報に基づいてかご数を判定し、表示部51に判定したかご数の正誤を確認するためのかご数確認画面を表示する(ステップS403)。かご数確認画面として、表示部51は、例えば図7(B)に示すように「かごの数は2個でよろしいですか?」というメッセージとともに、YESボタン32とNOボタン33を表示する。顧客は、かご数確認画面に表示されたかご数が正しい場合はYESボタン32を押下し、間違っている場合はNOボタン33を押下する。制御部55は、顧客によりYESボタン32が押下されたと判定すると(ステップS403:Yes)、かご数確認画面に表示した個数でかご数を確定する(ステップS404)。一方、顧客によりNOボタン33が押下されたと判定すると(ステップS403:No)、制御部55は、ステップS402に戻り、再度かご数入力画面を表示する。
【0044】
かご数を確定すると、制御部55は、シャッター91を閉め、かご20aに入っている商品に付されたRFIDタグと通信することで、購入商品の商品識別情報を取得する(ステップS405)。そして、制御部55は、通信部54を介し、取得した商品識別情報に基づいて、POSサーバ1の商品情報DB18を参照することで購入商品リストを作成し、記憶しておく(ステップS406)。このとき、制御部55は、商品識別情報を取得したかご数を合わせて記憶しておく。具体的には、かご20aが当該改良型商品購入処理において何個目であるかをカウントし、その個数をかご数として購入商品リストと対応付けて記憶しておく。例えば、かご20aであれば、当該かご20aに入っている商品に関する購入商品リストと、かご数1とを対応付けて記憶する。
【0045】
そして、制御部55は、ステップS404において確定したかご数と、商品識別情報を取得したかご数が一致しているか否かを判定する(ステップS407)。確定したかご数と一致していないと判定した場合(ステップS407:No)、制御部55は、荷詰めを行い、表示部51に次のかご20bを所定位置に置くことを促す案内画面を表示する(ステップS413)。
【0046】
具体的に、制御部55は、まず、かご20aの床板を開くことで購入商品を収容部90の下部に設置された袋に移動させ、荷詰装置60を制御して荷詰めを行う。このとき、制御部55は、荷詰装置60を制御してかご20aを回収し、シャッター91を開く。シャッター91が開くと、既にかご20aは回収され、収容部90には何も置かれていない状態となる。よって、顧客は、次のかご20bを所定位置である収容部90に置くことが可能となる。また、制御部55は、案内画面として、表示部51に、例えば図8に示すように「次のかごを置いてください」というメッセージとともに、OKボタン34と精算ボタン35を表示する。すると、顧客は、OKボタン34を押下し、かご20bを所定位置に置く。なお、1つのかご20aで足りているが、かご数入力画面において誤って2以上の数値を入力してしまった場合、顧客は、精算ボタン35を押下する。
【0047】
制御部55は、精算ボタン35の押下による精算要求を受信したか否かを判定する(ステップS414)。精算要求を受信したと判定した場合(ステップS414:Yes)、制御部55は、ステップS408に進む。一方、顧客がOKボタン34を押下した場合(ステップS414:No)、かご20bが所定位置に置かれたことをかご検知部59が検知したか否かを判定する(ステップS415)。かご20bが所定位置に置かれたことを検知しない場合(ステップS415:No)、制御部55は、かご20を検知するまで待機する。一方、かご20bが所定位置に置かれたことを検知した場合(ステップS415:Yes)、制御部55は、かご20bに入っている商品の商品識別情報を取得する(ステップS405)。さらに、制御部55は、購入商品リストを作成し、作成した購入商品リストと、かご20bが当該改良型商品購入処理において何個目であるかを記憶する(ステップS406)。具体的に、かご20bであれば、当該かご20bに入っている商品に関する購入商品リストと、かご数2とを対応付けて記憶する。
【0048】
そして、制御部55は、ステップS404において確定したかご数と、商品識別情報を取得したかご数が一致しているか否かを判定する(ステップS407)。確定したかご数と一致していると判定した場合(ステップS407:Yes)、制御部55は、記憶している購入商品リストに基づいて、表示部51に、購入商品リスト画面を表示する(ステップS408)。購入商品リスト画面として、表示部51は、例えば図9に示すように、かご20aに入っている商品に対応する「かご1」のリスト表示欄41a及び小計表示欄42aと、かご20bに入っている商品に対応する「かご2」のリスト表示欄41b及び小計表示欄42bと、かご1及びかご2に入っている全商品、即ち、購入商品リストの全商品に対する価格の税込みの合計額表示欄43と、精算ボタン45と、中止ボタン46とを表示する。これによれば、顧客は、各かご20にどのような商品がいくら分入っていたかを確認した上で、精算を行うことができる。
【0049】
顧客は、購入商品リスト画面に表示された購入商品や合計金額を確認し、精算ボタン45を押下して支払いを行う。具体的に、制御部55は、精算ボタン45の押下による精算要求を受信したか否かを判定する(ステップS409)。顧客が商品の買い忘れなどに気づき、中止ボタン46を押した場合(ステップS409:No)、処理は終了する。一方、精算要求を受信したと判定した場合(ステップS409:Yes)、制御部55は、購入代金の精算を行うことで決済する(ステップS410)。
【0050】
そして、制御部55は、顧客の支払いにより精算が完了したか否かを判定する(ステップS411)。精算が完了していないと判定した場合(ステップS411:No)、顧客による精算が完了するまで待機する。一方、精算が完了したと判定した場合(ステップS411:Yes)、制御部55は、荷詰装置60を制御し、2個目のかご20bに入っていた購入商品の荷詰めを行う(ステップS412)。荷詰めが完了すると制御部55はシャッター91を開く。このとき、制御部55は、ステップS413において予め荷詰めしておいた袋と、ステップS412の処理で荷詰めした袋とを顧客が受け取れる状態で提供する。これにより、顧客は、一度の決済で、複数のかご20a及び20bに入っていた全ての購入商品を荷詰めされた状態で受け取ることができる。
【0051】
なお、上記の例では、制御部55は、予め荷詰めしておいた袋と、ステップS412の処理で荷詰めした袋とを精算完了後に顧客へ提供することとしているが、ステップS412の処理で荷詰めした袋以外は、精算完了前であっても荷詰めが終わり次第、顧客へ提供することとしてもよい。
【0052】
以上説明したように、改良型商品購入処理によれば、商品を入れるかご20が複数となる場合であっても、購入商品を一度に決済することが可能となる。
【0053】
[変形例]
以下、上記の実施形態の変形例について説明する。なお、以下の変形例は、適宜組み合わせて実施することができる。
【0054】
(第1変形例)
上記の実施形態では、商品購入処理のステップS405において、会計機5が、かご20に入っている商品に付されたRFIDタグを読み取ることで、購入商品の商品識別情報を取得することとしている。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、顧客が購入商品に付された商品バーコードをかご20のバーコードリーダに読み取らせることで商品識別情報を取得することとしてもよい。
【0055】
この場合、かご20には、外部との通信機能を備えたバーコードリーダが設けられる。顧客は、商品をかご20に入れる際、商品に付されている商品バーコードをバーコードリーダにより読み取る。商品バーコードとして使用されるコードとしては、JANコードの他、欧州等で用いられているEAN(European Article Number)コード、及び米国等で用いられているUPC(Universal Article Number)等がある。なお、バーコードリーダは、少なくとも読取を行う部分がかご20の外側面に露出するように設けられる。
【0056】
具体的に、顧客が店舗に入店した際、かご20は初期化され、バッテリが充電された状態でかご置き場に置かれている。顧客は、かご置き場から取ったかご20を持ったまま、店内を自由に移動し、購入商品を1つずつかご20に入れる。このとき、顧客は、各購入商品に付された商品バーコードをかご20のバーコードリーダに読み取らせてから、購入商品をかご20に入れる。かご20のバーコードリーダは、読み取った商品識別情報を記憶しておく。このように、顧客が購入商品をかご20に入れる際、その都度商品バーコードをバーコードリーダで読ませることで、バーコードリーダは、かご20に入れられた全ての購入商品の商品識別情報を記憶していることとなる。よって、バーコードリーダは、商品購入処理において会計機5から商品識別情報の要求があると、記憶しておいた商品識別情報を会計機5へ送信する。つまり、本変形例において、会計機5は、RFIDタグと通信するのではなく、かご20から取得した商品識別情報に基づいて、POSサーバ1の商品情報DB18を参照することで購入商品リストを作成することとなる。
【0057】
なお、かご20のバーコードリーダの代わりに、顧客が使用している携帯端末が、商品バーコードを読み取り、取得した商品識別情報を要求に応じて会計機5へ送信するシステムとして適用してもよい。
【0058】
(第2変形例)
上記の実施形態において、制御部55は、顧客による入力情報に基づいて、かご数を確定している。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、制御部55は、カメラ3が撮影した画像を解析することでかご数を判定し、判定結果に基づいて自動的にかご数を確定することとしてもよい。これによれば、かご数入力画面やかご数確認画面の表示は不要となり、顧客はかご数を入力する手間が省け、精算による決済をよりスムーズに行うことができる。
なお、制御部55は、カメラ3が撮影した画像を解析することで、顧客の有するかご20が少なくとも2個以上であると判定した場合にのみ、かご数入力画面を表示することとしてもよい。また、画像を解析することで判定したかご数に基づいて、かご数確認画面を表示することとしてもよい。これによれば、かご20を1個しか有していない顧客には、かご数入力画面の表示が不要となり、精算による決済をスムーズに行うことができる。また、かご20を複数有している顧客にはかご数入力画面やかご数確認画面を表示するため、画像を解析することで判定したかご数が誤っている場合であっても、適宜修正したうえで精算による決済を行うことができる。
【0059】
(第3変形例)
上記の実施形態において、制御部55は、かご20が所定位置に置かれたことを検知した場合、自動的に表示部51にかご入力画面を表示することとしている。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、複数のかご20を有する顧客が、表示部51及び入力部52を介して、例えばかご数入力画面を要求した場合にのみ表示することとしてもよい。これによれば、かご20を1個しか有していない顧客は、かご数を意識することなく精算による決済をより短時間で行うことができる。
【0060】
(第4変形例)
上記の実施形態において、制御部55は、かご20aに入っている商品の商品識別情報を取得する前にかご数を確定している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、制御部55は、1つ目のかご20aに入っている商品の商品識別情報を取得した後に、追加のかご20bがあるか否かを顧客に選択させることとしてもよい。図10は、本変形例における改良型商品購入処理の動作を示すフローチャートである。なお、本変形例における改良型商品購入処理のステップS512~S514及びステップS506~510は、図6に示す改良型商品購入処理のステップS413~415及びステップS408~412にそれぞれ対応するため、詳細な説明は省略する。
【0061】
会計機5の制御部55は、かご20aが所定の位置に置かれたことをかご検知部59が検知したか否かを判定する(ステップS501)。かご20aが、所定の位置におかれたことを検知しない場合(ステップS401;No)、制御部55は、かご20を検知するまで待機する。かご20aが所定位置に置かれたことを検知した場合(ステップS501;Yes)、制御部55は、シャッター91を閉め、かご20aに入っている商品に付されたRFIDタグと通信することで、購入商品の商品識別情報を取得する(ステップS502)。さらに、制御部55は、通信部54を介し、取得した商品識別情報に基づいて、POSサーバ1の商品情報DB18を参照することで購入商品リストを作成し、記憶しておく(ステップS503)。
【0062】
次に、制御部55は、追加のかご20があるか否かを顧客に選択させる追加選択画面を表示する(ステップS504)。追加選択画面として、表示部51は、例えば図11に示すように「追加するかごはありますか?」というメッセージとともに、YESボタン47とNOボタン48を表示する。顧客は、まだ会計機5に商品識別情報を読み取らせていない商品が他のかご20に存在する場合、YESボタン47を押下する。一方、全ての購入商品について会計機5に商品識別情報を読み取らせている場合、顧客は、NOボタン48を押下する。
【0063】
顧客によりYESボタン47が押下されると、制御部55は、追加のかご20があると判定し(ステップS505;Yes)、荷詰めを行い、案内画面を表示する(ステップS512)。なお、1つのかご20aで足りているが、追加選択画面において誤ってYESボタン47を押下してしまった場合、顧客は、案内画面の精算ボタン35を押下する。制御部55は、精算ボタン35押下による精算要求を受信したか否かを判定し(ステップS513)、精算要求を受信したと判定した場合(ステップS513;Yes)、ステップS506に進む。一方、顧客がOKボタン34を押下した場合(ステップS513;No)、制御部55は、追加のかご20bが所定位置に置かれたことをかご検知部59が検知したか否かを判定する(ステップS514)。
【0064】
かご20bが所定位置に置かれたことを検知した場合(ステップS514;Yes)、制御部55は、かご20bにはいっている商品の商品識別情報を取得する(ステップS502)。さらに、制御部55は、購入商品リストを作成し、記憶する(ステップS503)。そして、制御部55は、再び追加選択画面を表示する(ステップS504)。顧客がNOボタン48を押下した場合、制御部55は、追加のかご20はないと判定し(ステップS505;No)、ステップS506~S510の処理を行う。
【0065】
以上説明したように、本変形例における改良型商品購入処理によれば、予めかご数を確定することなく、複数のかご20に入った商品の精算を効率よく行うことができる。
【0066】
その他、上記の各実施形態(変形例を含む、以下同じ)の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが以下には限られない。
【0067】
(付記1)
入れ物に入っている商品の会計を行う会計システムであって、
前記入れ物の数を確定するための入力画面を表示する入力画面表示部と、
前記入力画面に対する入力に基づいて前記入れ物の数を確定する確定部と、
前記入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報取得部により前記商品識別情報が取得された前記入れ物の数をカウントするカウント部と、
前記確定部が確定した前記入れ物の数と、前記カウント部がカウントした前記入れ物の数とが一致するか否かを判定する一致判定部と、
前記一致判定部が一致すると判定した場合に、前記商品識別情報に基づいて精算を行う精算部と、
を備える会計システム。
【0068】
(付記2)
前記商品識別情報取得部は、前記一致判定部が一致しないと判定した場合に、他の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報を取得する付記1に記載の会計システム。
【0069】
(付記3)
前記入力画面は、前記入れ物の数を入力するための入力欄を含み、
前記確定部は、前記入力欄に入れ物の数の入力が行われていない場合、前記入れ物の数を1と確定する付記1又は2に記載の会計システム。
【0070】
(付記4)
各商品の前記商品識別情報と、各商品の価格とが対応付けられた商品情報を取得する商品情報取得部と、
前記商品情報と、前記商品識別情報取得部が取得した前記商品識別情報とに基づいて、前記商品と、前記商品の価格と、合計金額とを含む入れ物毎の商品リストと、全ての入れ物の合計金額と、を含む購入商品リストを作成する購入商品リスト作成部と、
前記一致判定部が一致すると判定した場合に、前記購入商品リストに基づいて、購入商品リスト画面を表示するリスト画面表示部と、
前記購入商品リスト画面に入力された精算を要求する精算要求を取得する精算要求取得部と、
を備え、
前記精算部は、前記精算要求を取得した場合に、前記購入商品リストに基づいて精算を行う付記1乃至3のいずれか一項に記載の会計システム。
【0071】
(付記5)
前記会計システムに来た顧客を撮影した顧客画像を取得する画像取得部と、
前記顧客画像を解析することにより前記顧客が有する入れ物の数を判定する数判定部と、
を備え、
前記入力画面は、前記数判定部が判定した入れ物の数と、当該入れ物の数が正しいか否か又は正しい入れ物の数を入力する入力欄と、を含み、
前記確定部は、前記入力欄に対する入力に基づいて、前記入れ物の数を確定する付記1に記載の会計システム。
【0072】
(付記6)
前記会計システムに来た顧客を撮影した顧客画像を取得する画像取得部と、
前記顧客画像を解析することにより前記顧客が有する入れ物の数を判定する数判定部と、
を備え、
前記入力画面表示部は、前記数判定部が判定した入れ物の数が2個以上である場合に、前記入力画面を表示する付記1に記載の会計システム。
【0073】
(付記7)
入れ物に入っている商品の会計を行う会計システムであって、
前記入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、
追加の入れ物が存在するか否かを顧客に選択させる追加選択部と、
前記商品識別情報に基づいて精算を行う精算部と、
を備え、
前記商品識別情報取得部は、前記追加選択部により前記追加の入れ物が選択された場合に、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報を取得し、
前記精算部は、前記追加選択部により前記追加の入れ物が選択された場合に、前記入れ物に入っている商品の前記商品識別情報と、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報とに基づいて、精算を行う会計システム。
【0074】
(付記8)
入れ物に入っている商品の会計を行う会計機であって、
前記入れ物の数を確定するための入力画面を表示する入力画面表示部と、
前記入力画面に対する入力に基づいて前記入れ物の数を確定する確定部と、
前記入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報取得部により前記商品識別情報が取得された前記入れ物の数をカウントするカウント部と、
前記確定部が確定した前記入れ物の数と、前記カウント部がカウントした前記入れ物の数とが一致するか否かを判定する一致判定部と、
前記一致判定部が一致すると判定した場合に、前記商品識別情報に基づいて精算を行う精算部と、
を備える会計機。
【0075】
(付記9)
入れ物に入っている商品の会計を行う会計システムにより実行される会計方法であって、
前記入れ物の数を確定するための入力画面を表示し、
前記入力画面に対する入力に基づいて前記入れ物の数を確定し、
前記入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得し、
前記商品識別情報が取得された前記入れ物の数をカウントし、
確定した前記入れ物の数と、カウントした前記入れ物の数とが一致するか否かを判定し、
一致すると判定した場合に、前記商品識別情報に基づいて精算を行う会計方法。
【0076】
(付記10)
入れ物の数を確定するための入力画面を表示し、
前記入力画面に対する入力に基づいて前記入れ物の数を確定し、
前記入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得し、
前記商品識別情報が取得された前記入れ物の数をカウントし、
確定した前記入れ物の数と、カウントした前記入れ物の数とが一致するか否かを判定し、
一致すると判定した場合に、前記商品識別情報に基づいて精算を行う処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【0077】
(付記11)
入れ物に入っている商品の会計を行う会計システムにより実行される会計方法であって、
前記入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得し、
追加の入れ物が存在するか否かを顧客に選択させ、
前記商品識別情報に基づいて精算を行うものであって、
前記顧客により前記追加の入れ物が選択された場合に、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報を取得し、
前記顧客により前記追加の入れ物が選択された場合に、前記入れ物に入っている商品の前記商品識別情報と、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報とに基づいて、精算を行う会計方法。
【0078】
(付記12)
入れ物に入っている商品の商品識別情報を取得し、
追加の入れ物が存在するか否かを顧客に選択させ、
前記商品識別情報に基づいて精算を行うものであって、
前記顧客により前記追加の入れ物が選択された場合に、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報を取得し、
前記顧客により前記追加の入れ物が選択された場合に、前記入れ物に入っている商品の前記商品識別情報と、前記追加の入れ物に入っている商品の前記商品識別情報とに基づいて、精算を行う処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【0079】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。
【符号の説明】
【0080】
1 POSサーバ
3 カメラ
5 会計機
20 かご
60 荷詰装置
80 カウンタ台
90 収容部
91 シャッター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11