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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】記録媒体検知装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/02 20060101AFI20240702BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240702BHJP
   B65H 5/06 20060101ALI20240702BHJP
   B65H 29/24 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B65H7/02
G03G15/00 455
B65H5/06 J
B65H29/24 B
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020051606
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021147236
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 努
(72)【発明者】
【氏名】出口 宏治
(72)【発明者】
【氏名】岸 和紀
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-039627(JP,A)
【文献】特開2012-159766(JP,A)
【文献】特開2006-309188(JP,A)
【文献】特開2011-133525(JP,A)
【文献】実開平01-085338(JP,U)
【文献】特開2006-053299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00- 7/20
B65H 43/00- 43/08
G03G 15/00
B65H 5/02
B65H 5/06
B65H 5/22
B65H 29/12- 29/24
B65H 29/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体が搬送される搬送路に突出し、前記記録媒体に接触することにより揺動するアームと、
前記アームの揺動姿勢に応じて前記記録媒体のループ量を検知するセンサと、
前記アームの突出する部分を前記搬送路から退避した位置で保持する保持装置と、
を有し、
前記センサは、前記アームから延びた被検知片と対向する位置に配置されており、前記被検知片の揺動に応じて、前記アームが前記搬送路に対して退避する方向に揺動したことを検知し、
前記アームが前記保持装置で保持されたときに、前記センサは、前記搬送路に対して同じ位置にあり、
さらに、前記センサは、前記被検知片が揺動する位置に複数設けられており、前記アームが揺動した量を検知する構成とされており、
複数の前記センサは、前記アームが前記保持装置で保持される位置に移動した状態を検知し、
前記記録媒体の種類に応じて、複数の前記センサにより、前記アームが前記保持装置で保持される位置に移動していないことが検知されたときに、ユーザに報知する報知装置を備える記録媒体検知装置。
【請求項2】
記録媒体が搬送される搬送路に突出し、前記記録媒体に接触することにより揺動するアームと、
前記アームの揺動姿勢に応じて前記記録媒体のループ量を検知するセンサと、
前記アームの突出する部分を前記搬送路から退避した位置で保持する保持装置と、
を有し、
前記記録媒体が600mm以上の長尺の記録媒体であるときに、前記保持装置は、前記アームの突出する部分を前記搬送路から退避した位置で保持する記録媒体検知装置。
【請求項3】
前記アームは、トナー像を前記記録媒体に転写する転写部と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着部との間の前記搬送路に設けられている請求項1又は請求項2に記載の記録媒体検知装置。
【請求項4】
前記アームは、前記搬送路の幅方向の中央部から外れた位置に設けられている請求項1又は請求項2に記載の記録媒体検知装置。
【請求項5】
前記搬送路の幅方向の中央部には、前記記録媒体の裏面側を吸着しながら搬送する搬送ベルトが設けられており、
前記アームは、前記搬送ベルトの幅方向の外側に設けられている請求項に記載の記録媒体検知装置。
【請求項6】
前記センサは、前記アームから延びた被検知片と対向する位置に配置されており、前記被検知片の揺動に応じて、前記アームが前記搬送路に対して退避する方向に揺動したことを検知する請求項に記載の記録媒体検知装置。
【請求項7】
前記アームが前記保持装置で保持されたときに、前記センサは、前記搬送路に対して同じ位置にある請求項に記載の記録媒体検知装置。
【請求項8】
前記センサは、前記被検知片が揺動する位置に複数設けられており、前記アームが揺動した量を検知する構成とされている請求項に記載の記録媒体検知装置。
【請求項9】
複数の前記センサは、前記アームが前記保持装置で保持される位置に移動した状態を検知する請求項に記載の記録媒体検知装置。
【請求項10】
前記記録媒体の種類に応じて、複数の前記センサにより、前記アームが前記保持装置で保持される位置に移動していないことが検知されたときに、ユーザに報知する報知装置を備える請求項に記載の記録媒体検知装置。
【請求項11】
前記保持装置は、前記アームを移動させるアクチュエータである請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の記録媒体検知装置。
【請求項12】
前記アームは、突出方向に付勢され、前記アームから延びた係止部が設けられており、
前記保持装置は、
前記アームの突出する部分が前記搬送路から退避した位置で前記係止部を係止するスライドレバーと、
前記スライドレバーを前記係止部の係止方向に付勢する付勢部材と、
を備える請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の記録媒体検知装置。
【請求項13】
前記アームは、複数設けられている請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の記録媒体検知装置。
【請求項14】
記録媒体を搬送する搬送手段と、
請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の記録媒体検知装置と、
トナー像を前記記録媒体に転写する転写部と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着部と、
を備え、
前記転写部と前記定着部との間の前記搬送路に前記アームが設けられている画像形成装置。
【請求項15】
前記センサにより検知された前記記録媒体のループ量に応じて、前記ループ量が定められたループ量となるように前記搬送手段による前記記録媒体の搬送速度を変更する速度変更部を備える請求項14に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体検知装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、 互いに対向して配置されて、第1搬送ローラーから第2搬送ローラーへ向かう用紙の搬送経路を形成する一対のガイド部材と、 前記搬送経路に用紙が搬送されたことを検知する用紙検知装置と、を備える画像形成装置が開示されている。前記用紙検知装置は、支軸を中心として回転可能に設けられて、前記第1搬送ローラーから前記搬送経路に送り出された用紙によって押圧されることで、前記搬送経路から退避する方向に揺動するアクチュエータと、該アクチュエータの前記退避方向への揺動を検出する第1センサ部と、を備え、前記アクチュエータは、前記支軸から前記搬送経路に向かって延びて、用紙によって押圧されるアーム部と、該アーム部よりも前記退避方向側において前記支軸に設けられて、前記第1センサ部によって検知される被検知片と、を有し、前記アーム部の先端には、前記搬送経路に常時突出して用紙と接触しながら従動回転するローラー部が設けられている。
【0003】
特許文献2には、ループ形状を形成しながら搬送されるシートにより押されて揺動する第1のメカニカルフラグと、前記第1のメカニカルフラグの動作に応じて従動動作する第2のメカニカルフラグと、前記第2のメカニカルフラグの動作位置を検出する少なくとも2つ以上の光検出手段とを備え、前記光検出手段は、シートの搬送状態におけるシートのループ量の大きさを少なくとも2箇所以上の階調で検出する画像形成装置のシート搬送制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-030900号公報
【文献】特開2005-284019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、記録媒体の種類によって必要なときに記録媒体のループ量を検知できる記録媒体検知装置及び画像形成装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る記録媒体検知装置は、記録媒体が搬送される搬送路に突出し、前記記録媒体に接触することにより揺動するアームと、前記アームの揺動姿勢に応じて前記記録媒体のループ量を検知するセンサと、前記アームの突出する部分を前記搬送路から退避した位置で保持する保持装置と、を有する。
【0007】
第2の態様に係る記録媒体検知装置は、第1の態様に記載の記録媒体検知装置において、前記アームは、トナー像を前記記録媒体に転写する転写部と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着部との間の前記搬送路に設けられている。
【0008】
第3の態様に係る記録媒体検知装置は、第1の態様又は第2の態様に記載の記録媒体検知装置において、前記アームは、前記搬送路の幅方向の中央部から外れた位置に設けられている。
【0009】
第4の態様に係る記録媒体検知装置は、第3の態様に記載の記録媒体検知装置において、前記搬送路の幅方向の中央部には、前記記録媒体の裏面側を吸着しながら搬送する搬送ベルトが設けられており、前記アームは、前記搬送ベルトの幅方向の外側に設けられている。
【0010】
第5の態様に係る記録媒体検知装置は、第1の態様から第4の態様までのいずれか1つの態様に記載の記録媒体検知装置において、前記センサは、前記アームから延びた被検知片と対向する位置に配置されており、前記被検知片の揺動に応じて、前記アームが前記搬送路に対して退避する方向に揺動したことを検知する。
【0011】
第6の態様に係る記録媒体検知装置は、第5の態様に記載の記録媒体検知装置において、前記アームが前記保持装置で保持されたときに、前記センサは、前記搬送路に対して同じ位置にある。
【0012】
第7の態様に係る記録媒体検知装置は、第6の態様に記載の記録媒体検知装置において、前記センサは、前記被検知片が揺動する位置に複数設けられており、前記アームが揺動した量を検知する構成とされている。
【0013】
第8の態様に係る記録媒体検知装置は、第7の態様に記載の記録媒体検知装置において、複数の前記センサは、前記アームが前記保持装置で保持される位置に移動した状態を検知する。
【0014】
第9の態様に係る記録媒体検知装置は、第8の態様に記載の記録媒体検知装置において、前記記録媒体の種類に応じて、複数の前記センサにより、前記アームが前記保持装置で保持される位置に移動していないことが検知されたときに、ユーザに報知する報知装置を備える。
【0015】
第10の態様に係る記録媒体検知装置は、第1の態様から第9の態様までのいずれか1つの態様に記載の記録媒体検知装置において、前記保持装置は、前記アームを移動させるアクチュエータである。
【0016】
第11の態様に係る記録媒体検知装置は、第1の態様から第6の態様までのいずれか1つの態様に記載の記録媒体検知装置において、前記アームは、突出方向に付勢され、前記アームから延びた係止部が設けられており、前記保持装置は、前記アームの突出する部分が前記搬送路から退避した位置で前記係止部を係止するスライドレバーと、前記スライドレバーを前記係止部の係止方向に付勢する付勢部材と、を備える。
【0017】
第12の態様に係る記録媒体検知装置は、第1の態様から第11の態様までのいずれか1つの態様に記載の記録媒体検知装置において、前記記録媒体が600mm以上の長尺の記録媒体であるときに、前記保持装置は、前記アームの突出する部分を前記搬送路から退避した位置で保持する。
【0018】
第13の態様に係る記録媒体検知装置は、第1の態様から第12の態様までのいずれか1つの態様に記載の記録媒体検知装置において、前記アームは、複数設けられている。
【0019】
第14の態様に係る画像形成装置は、記録媒体を搬送する搬送手段と、第1の態様から第13の態様までのいずれか1つの態様に記載の記録媒体検知装置と、トナー像を前記記録媒体に転写する転写部と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着部と、を備え、前記転写部と前記定着部との間の前記搬送路に前記アームが設けられている。
【0020】
第15の態様に係る画像形成装置は、第14の態様に記載の画像形成装置において、前記センサにより検知された前記記録媒体のループ量に応じて、前記ループ量が定められたループ量となるように前記搬送手段による前記記録媒体の搬送速度を変更する速度変更部を備える。
【発明の効果】
【0021】
第1の態様に係る記録媒体検知装置によれば、記録媒体の種類によって必要なときに記録媒体のループ量を検知できる。
【0022】
第2の態様に係る記録媒体検知装置によれば、転写部と定着部との間で、記録媒体の種類によって必要なときに記録媒体のループ量を検知できる。
【0023】
第3の態様に係る記録媒体検知装置によれば、アームが搬送路の幅方向の中央部から外れた位置に設けられている構成において、アームが常に搬送路に突出しているものと比較して、記録媒体の姿勢が適正な搬送方向に対して斜めになることが抑制される。
【0024】
第4の態様に係る記録媒体検知装置によれば、アームが搬送ベルトに対して搬送方向の上流側又は下流側に設けられている場合に比べて、アームを配置する位置の自由度が向上する。
【0025】
第5の態様に係る記録媒体検知装置によれば、搬送路から退避するアームを直接検知する場合に比べて、センサを配置しやすくなる。
【0026】
第6の態様に係る記録媒体検知装置によれば、搬送路に対してアームとセンサの両方を移動させる場合と比較して、アームを退避した位置に保持する構造が簡単になる。
【0027】
第7の態様に係る記録媒体検知装置によれば、センサが被検知片と対向する位置に1つ設けられている場合に比べて、アームが搬送路から退避した量を検知しやすい。
【0028】
第8の態様に係る記録媒体検知装置によれば、センサがアームの揺動による記録媒体のループ量のみを検知する場合と比べて、記録媒体の種類により必要な場合に、アームの突出する部分が搬送路から退避したことを確認できる。
【0029】
第9の態様に係る記録媒体検知装置によれば、アームが搬送路から退避していないことが報知されない場合と比較して、アームの突出する部分が搬送路から退避しない状態で記録媒体が搬送されることが抑制される。
【0030】
第10の態様に係る記録媒体検知装置によれば、アームを手動により退避させる位置に移動する場合と比較して、アームの移動が容易となる。
【0031】
第11の態様に係る記録媒体検知装置によれば、アームを自動で移動させる場合と比較して、低コスト化が可能である。
【0032】
第12の態様に係る記録媒体検知装置によれば、長尺の記録媒体が搬送されるときにアームが搬送路に突出する場合と比較して、長尺の記録媒体が適切な搬送方向に対して斜めに搬送されることが抑制される。
【0033】
第13の態様に係る記録媒体検知装置によれば、アームが1つの場合と比較して、記録媒体のループ量を正確に検知できる。
【0034】
第14の態様に係る画像形成装置によれば、すべての記録媒体がアームに接触する場合と比較して、定着部での記録媒体のしわの発生が抑制される。
【0035】
第15の態様に係る画像形成装置によれば、記録媒体の搬送速度を変更しない場合と比較して、定着部での記録媒体のしわの発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】第1実施形態に係る記録媒体検知装置を備えた画像形成装置を示す構成図である。
図2】第1実施形態に係る記録媒体検知装置、搬送部材、及び定着装置の一部を示す斜視図である。
図3】第1実施形態に係る記録媒体検知装置、及び搬送部材を示す斜視図である。
図4】第1実施形態に係る記録媒体検知装置を示す構成図である。
図5】第1実施形態に係る記録媒体検知装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6】第1実施形態に係る記録媒体検知装置のアーム、被検知片及びセンサを示す斜視図である。
図7】第1実施形態に係る記録媒体検知装置において、アームが搬送路に突出している検知可能状態を示す構成図である。
図8】第1実施形態に係る記録媒体検知装置において、アームが搬送路から退避している退避状態を示す構成図である。
図9】第1実施形態に係る記録媒体検知装置において、記録媒体のループ量を検知している第1状態を示す構成図である。
図10】第1実施形態に係る記録媒体検知装置において、記録媒体のループ量を検知している第2状態を示す構成図である。
図11】第2実施形態に係る記録媒体検知装置において、アームが搬送路に突出している検知可能状態を示す構成図である。
図12】第2実施形態に係る記録媒体検知装置において、アームが搬送路から退避している退避状態を示す構成図である。
図13】第3実施形態に係る記録媒体検知装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という。)について説明する。以下の説明では、図面に矢印Xで示す方向を装置幅方向、矢印Yで示す方向を装置高さ方向とする。また、装置幅方向X及び装置高さ方向Yのそれぞれに直交する矢印Zで示す方向を装置奥行き方向とする。
【0038】
〔第1実施形態〕
図1には、第1実施形態の記録媒体検知装置100が配置された画像形成装置10の一例が示されている。まず、本実施形態の画像形成装置(図1参照)について説明する。次いで、第1実施形態の記録媒体検知装置100について説明する。
【0039】
<画像形成装置の全体構成>
図1に示されるように、画像形成装置10は、記録媒体収容部12と、トナー像形成部14と、転写装置16と、記録媒体搬送装置18と、定着装置20と、制御部70と、を含んで構成される電子写真方式の装置である。
【0040】
記録媒体収容部12は、画像が形成される前の記録媒体の一例としての用紙Pを収容する機能を有する。
【0041】
トナー像形成部14は、帯電、露光、現像の各工程を行って、転写装置16を構成する後述する中間転写ベルト30が保持するトナー像を形成する機能を有する。トナー像形成部14は、一例として、それぞれ異なる色(Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒))のトナーを用いて各感光体22にトナー像を形成する単色ユニット21Y、21M、21C、21Kを備えている。また、トナー像形成部14は、例えば、画像データに応じて、複数色で構成されるトナー像を形成可能とされている。感光体22は、像保持体の一例である。
【0042】
単色ユニット21Y、21M、21C、21Kは、それぞれが形成するトナー像の色以外は同様の構成とされている。以下、単色ユニット21Y、21M、21C、21K及びその構成要素を区別する必要がない場合、単色ユニット21Y、21M、21C、21Kのアルファベット(Y、M、C、K)を省略して説明する。各単色ユニット21は、感光体22と、帯電装置24と、露光装置26と、現像装置50と、クリーニング装置28と、を含んで構成されている。
【0043】
転写装置16は、各単色ユニット21で形成された各色のトナー像を保持し、用紙Pに転写する機能を有する。転写装置16は、中間転写ベルト30と、4本の転写ロール32と、駆動ロール38と、二次転写部36と、テンションロール34と、を備えている。中間転写ベルト30は、無端状とされている。4本の転写ロール32は、それぞれ中間転写ベルト30を挟んで各感光体22とニップを形成している。中間転写ベルト30は、駆動ロール38により矢印方向に周回移動している。本実施形態では、一例として、中間転写ベルト30の周回移動方向の上流側から下流側に向かって、単色ユニット21Y、21M、21C、21Kの順で配置されている。これにより、単色ユニット21Y、21M、21C、21Kで形成された感光体22上のトナー像が、転写ロール32により中間転写ベルト30に重ねて転写されるようになっている。
【0044】
二次転写部36は、中間転写ベルト30のトナー像が保持される面に接触する転写ロール54と、中間転写ベルト30を挟んで転写ロール54と対向して配置される対向ロール56と、を備えている。二次転写部36では、中間転写ベルト30に保持されている各色のトナー像が、搬送されている用紙Pに転写されるようになっている。ここで、転写装置16は、転写部の一例である。
【0045】
記録媒体搬送装置18は、用紙Pが二次転写部36のニップN1及び定着装置20のニップN2を通過するように、用紙Pを搬送する機能を有する。記録媒体搬送装置18は、複数の搬送ロール44と、搬送部材46と、を備えている。ここで、搬送ロール44及び搬送部材46は、搬送手段の一例である。搬送ロール44は、接触状態で配置された一対のロールで構成されている。搬送ロール44は、記録媒体収容部12に収容されている用紙Pを、搬送路18Aに沿って搬送するようになっている。
【0046】
搬送部材46は、離れて配置された一対のロール80、82に巻き掛けられた無端状の搬送ベルト84を備えており、搬送ベルト84が周回移動する構成とされている。搬送部材46は、用紙Pの搬送方向における二次転写部36の下流側であって、定着装置20の上流側に配置されている。搬送部材46は、二次転写部36でトナー像が転写された用紙Pを搬送路18Aに沿って定着装置20に搬送するようになっている。画像形成装置10の正面視にて搬送ベルト84と重なる位置には、用紙Pのループ量を検出する記録媒体検知装置100が設けられている。記録媒体検知装置100の詳細は、後に説明する。
【0047】
定着装置20は、転写装置16により用紙Pに転写(二次転写)されたトナー像をニップN2で定着させる機能を有する。ここで、定着装置20は、定着部の一例である。定着装置20は、周回移動する定着ベルト62を備えた定着ベルトモジュール60と、定着ベルト62の外面に接触する圧力ロール64と、を備えている。定着ベルト62は、支持部72、74、76に巻き掛けられた状態で周回移動する構成とされている。支持部76は、定着ベルト62を圧力ロール64に接触させる。支持部72、74、76は、内部にヒータを備えており、定着ベルト62を加熱する。定着ベルト62と圧力ロール64とのニップN2に用紙Pが搬送されることで、用紙P上のトナー像が加熱及び加圧により定着されるようになっている。
【0048】
制御部70は、画像形成装置10の各部を制御する機能を有する。例えば、制御部70は、外部装置(図示省略)から受け取ったジョブデータに応じて、画像形成装置10の各部を制御する(すなわち、各部にそれぞれの動作をさせる)ようになっている。ここで、ジョブデータには、各単色ユニット21にトナー像を形成させる画像データ(画像情報)、その他の画像形成動作に必要なデータが含まれている。制御部70の詳細については、後に説明する。
【0049】
<画像形成装置の動作>
次に、画像形成装置10の動作について説明する。
【0050】
外部装置(図示省略)からジョブデータを受け取った制御部70は、トナー像形成部14、転写装置16、記録媒体搬送装置18及び定着装置20を作動させる。トナー像形成部14では、各帯電装置24により各感光体22が帯電され、各露光装置26により各感光体22が露光されることで静電潜像が形成され、各現像装置50により各感光体22の静電潜像がトナー像として現像される。その結果、各感光体22には、各トナー像が形成される。
【0051】
次いで、各転写ロール32に、電源(図示省略)から電圧(一次転写電圧)が印加される。また、駆動源(図示省略)により駆動される駆動ロール38は、中間転写ベルト30を矢印方向に周回させる。その結果、中間転写ベルト30には、各色のトナー像が重ねて一次転写される。
【0052】
さらに、周回する中間転写ベルト30に保持されている各色のトナー像がニップN1に到達するタイミングに合わせて、記録媒体搬送装置18は、ニップN1に用紙Pを送り込む。二次転写部36では、対向ロール56の外周に接触する給電ロール(図示省略)に電圧(二次転写電圧)が印加されることで、ニップN1を通過する用紙Pに各色のトナー像が二次転写される。
【0053】
次いで、記録媒体搬送装置18は、各色のトナー像が二次転写された用紙PをニップN2に送り込む。その結果、定着装置20により、ニップN2を通過する用紙Pに各色のトナー像が定着されることで、用紙Pに画像が形成される。その後、用紙Pは、搬送ロール44により排出部66に排出される。
【0054】
<搬送部材>
図2は、搬送部材46、記録媒体検知装置100及び定着装置20の一部を示す斜視図である。また、図3は、搬送部材46及び記録媒体検知装置100を示す斜視図である。まず、搬送部材46について説明する。なお、本実施形態の搬送部材46は一例であり、搬送部材46の各部材の構成は、変更可能である。
【0055】
図2及び図3に示されるように、搬送部材46は、上述のように無端状の搬送ベルト84を備えている。搬送ベルト84は、搬送路18Aの幅方向の一方側に配置された第1ベルト84Aと、搬送路18Aの幅方向の他方側に配置された第2ベルト84Bと、を備えている。本実施形態では、ロール82に駆動力が伝達されてロール82が回転することで、第1ベルト84A及び第2ベルト84Bが周回移動する構成とされている。
【0056】
第1ベルト84Aは、一例として、搬送路18Aの幅方向の中央部に配置された吸引ベルト85Aと、吸引ベルト85Aの幅方向外側に配置されると共に吸引ベルト85Aと連続する側部ベルト85Bと、を備えている。吸引ベルト85Aには、空気を吸引するための複数の貫通孔86が形成されている。本実施形態では、吸引ベルト85Aで用紙Pを吸着してから搬送、すなわち用紙Pを保持した状態で搬送する構成とされている。
【0057】
第2ベルト84Bは、吸引ベルト85Aよりも搬送路18Aの幅方向外側に配置されており、第2ベルト84Bと吸引ベルト85Aとの間には隙間S1が設けられている。本実施形態では、吸引ベルト85Aと第2ベルト84Bとの隙間S1には、記録媒体検知装置100の後述するアーム104の先端部側が突出している。
【0058】
搬送部材46には、吸引ベルト85Aを介して用紙Pを吸引する吸引装置90が設けられている。本実施形態では、吸引ベルト85Aを介して用紙Pを吸引することで、用紙Pが吸引ベルト85Aに吸着される。より具体的には、吸引装置90は、吸引ベルト85Aの上面(すなわち用紙Pが接触する位置)の下側に配置された吸引ボックス92と、吸引ボックス92に接続されるダクト94と、ダクト94の端部に接続されるファン96と、を備えている(図3参照)。吸引ボックス92の上面には、開口(図示省略)が設けられており、吸引ボックス92の上面が吸引ベルト85Aと接触する。吸引装置90では、ファン96の回転により吸引ボックス92の空気が吸引されることで、吸引ベルト85Aの複数の貫通孔86に用紙Pが吸引される。これにより、用紙Pの幅方向中央部の裏面側が吸引ベルト85Aに吸着され、搬送ベルト84の周回移動により用紙Pが搬送される。
【0059】
<用紙検知装置>
次に、記録媒体検知装置100について説明する。
【0060】
図2及び図3に示されるように、記録媒体検知装置100は、一例として、図示しない支持部により回転可能に支持された軸部102と、軸部102の一端部から軸方向に対して交差する方向に延びたアーム104と、を備えている。また、記録媒体検知装置100は、軸部102の他端部から軸方向に対してアーム104の突出方向と異なる方向に延びた被検知片106と、被検知片106と対向する位置に設けられたセンサ108と、を備えている。アーム104の先端部側は、隙間S1を介して搬送ベルト84の上方、すなわち用紙Pが搬送される搬送路18Aに突出している。
【0061】
さらに、記録媒体検知装置100は、アーム104の突出する部分を搬送路18Aから退避した位置に移動させる移動装置110を備えている。ここで、移動装置110は、アーム104の突出する部分を搬送路18Aから退避した位置に保持する保持装置の一例である。移動装置110は、軸部102の他端部からアーム104の突出方向と同方向に延びた突出片112と、突出片112を移動させるアクチュエータ114と、を備えている。なお、記録媒体検知装置100の構成は一例であり、他の構成に変更可能である。
【0062】
アーム104は、図示しないコイルばねなどの付勢部材により、アーム104が突出する方向に付勢されている。アーム104は、長尺状の板状片である。本実施形態では、アクチュエータ114は、後述するロッド114Bの先端が突出片112に接触することで、アーム104がそれ以上突出する方向に移動しないストッパとして機能する。これにより、用紙Pのループ量を検知する通常の検知状態では、アーム104の先端部側が搬送路18Aに突出している。本実施形態では、アーム104の先端部側は、用紙Pの搬送方向下流側に向かうように、搬送路18Aの搬送方向に対して斜め方向に突出している。記録媒体検知装置100では、搬送路18Aを搬送される用紙Pにアーム104の先端部が接触することにより、アーム104が搬送ベルト84側に揺動する。これにより、二次転写部36と定着装置20との間の用紙Pのループ量が検知されるようになっている。
【0063】
本実施形態では、ロール80、82の幅方向の中央部、すなわち搬送路18Aの幅方向の中央部に搬送ベルト84の吸引ベルト85Aが配置されている。このため、アーム104は、吸引ベルト85Aと干渉しないように、搬送路18Aの幅方向の中央部から外れた位置に設けられている。すなわち、アーム104は、吸引ベルト85Aの幅方向の外側に設けられている。
【0064】
被検知片106は、アーム104と軸部102を介して一体的に繋がっている。被検知片106は、軸部102からアーム104と交差する方向に延びており、アーム104の揺動に伴って揺動する。被検知片106は、長尺状の板状片である。本実施形態では、被検知片106は、軸部102に対して斜め下方側に突出している。
【0065】
図3及び図6に示されるように、センサ108は、被検知片106が揺動する位置、すなわち被検知片106の揺動範囲と重なる位置に複数配置されている。本実施形態では、被検知片106の揺動範囲に間隔をおいて2つ配置された第1センサ108A及び第2センサ108Bを備えている。本実施形態では、搬送ベルト84による用紙Pの搬送方向下流側に第1センサ108Aが配置されており、第1センサ108Aよりも用紙Pの搬送方向上流側に第2センサ108Bが配置されている。本実施形態では、第1センサ108Aは、第2センサ108Bよりも上下方向上側に配置されている。
【0066】
第1センサ108Aと第2センサ108Bは同じ構成であり、U字状とされている。図6に示されるように、第1センサ108A及び第2センサ108Bは、それぞれ光を出射する出射部120と、出射部120と対向する位置に配置された受光部122と、を備えている。受光部122は、出射部120から出射された光を受光する。被検知片106の揺動時に出射部120と受光部122との間に被検知片106が位置されることで、受光部122での受光が遮断され、被検知片106の揺動位置が検知される。被検知片106の揺動位置は、アーム104の揺動位置に対応している。言い換えると、第1センサ108A及び第2センサ108Bにより、被検知片106の揺動位置が検知され、この検知結果に応じて、アーム104が搬送路18Aに対して退避する方向に揺動した量が検知される(図4参照)。
【0067】
第1センサ108A及び第2センサ108Bは、図示しないフレームに支持されている。第1センサ108A及び第2センサ108Bは、搬送路18Aに対して動かない構成とされている。すなわち、搬送路18Aに対してアーム104及び被検知片106が揺動しても、第1センサ108A及び第2センサ108Bは同じ位置にある。
【0068】
図4に示されるように、第1センサ108A及び第2センサ108Bは、制御部70に電気的に接続されており、第1センサ108A及び第2センサ108Bの検知信号が制御部70に入力される。図9に示されるように、例えば、第1センサ108Aのみにより、被検知片106の揺動位置が検知された状態では、アーム104の揺動量は小さく、用紙Pのループ量は小さい。図10に示されるように、例えば、第2センサ108Bのみにより、被検知片106の揺動位置が検知された状態では、アーム104の揺動量は大きく、用紙Pのループ量は大きい。
【0069】
図6図8に示されるように、突出片112は、側面視にて軸部102からアーム104の突出方向と同方向に突出している。アクチュエータ114は、例えば、ソレノイドなどで構成されている。アクチュエータ114は、図示しない取付部に取り付けられた本体部114Aと、本体部114Aに対して進退するロッド114Bと、を備えている。ロッド114Bの先端部は、突出片112の先端部に離接可能に接触している。図7に示されるように、用紙Pのループ量を検知する通常の検知状態では、アクチュエータ114は、本体部114Aに対するロッド114Bの突出量が定められた量とされており、突出片112がロッド114Bの先端部に接触している。これにより、突出方向に付勢されたアーム104の突出量が規制され、アーム104の搬送路18Aへの突出量が定められた量となる。
【0070】
また、用紙Pのループ量を検知しない非検知時には、図8に示されるように、本体部114Aに対してロッド114Bを進出させる。これにより、ロッド114Bに接触する突出片112が後退する方向に移動し、これに伴い、アーム104の先端部側が搬送路18Aから退避する方向に移動する。このとき、被検知片106が第1センサ108A及び第2センサ108Bと重なる位置から外れることで、アーム104の先端部側が搬送路18Aから退避したことが検知される。本実施形態では、アーム104の先端部側が搬送路18Aから退避した位置に移動しても、第1センサ108A及び第2センサ108Bは移動しない。言い換えると、アーム104の先端部側が搬送路18Aに対して突出した状態と、アーム104の先端部側が搬送路18Aから退避した位置で保持された状態とで、第1センサ108A及び第2センサ108Bは、搬送路18Aに対して同じ位置にある。
【0071】
図5に示されるように、制御部70は、演算部70Aと、搬送速度制御部70Bと、アーム位置制御部70Cと、報知制御部70Dと、を備えている。
【0072】
演算部70Aは、第1センサ108A及び第2センサ108Bと電気的に接続されており、第1センサ108A及び第2センサ108Bによる検知信号は、演算部70Aに入力される。演算部70Aは、第1センサ108A及び第2センサ108Bの検知信号に基づき、アーム104の揺動位置に対応する用紙Pのループ量を演算する。
【0073】
図9に示されるように、例えば、第1センサ108Aのみにより被検知片106の揺動位置が検知された状態では、アーム104の揺動量は小さい。これにより、演算部70Aでは、用紙Pのループ量は小さいことが検知される。図10に示されるように、例えば、第2センサ108Bのみにより被検知片106の揺動位置が検知された状態では、アーム104の揺動量は大きい。これにより、演算部70Aでは、用紙Pのループ量は大きいことが検知される。
【0074】
図8に示されるように、例えば、第1センサ108A及び第2センサ108Bから被検知片106が外れた場合には、演算部70Aは、被検知片106が第1センサ108A及び第2センサ108Bと対向する位置に無いことを検知する。これにより、アーム104の突出する部分が搬送路18Aから退避する位置に移動した状態が検知される。
【0075】
搬送速度制御部70Bは、図5に示されるように、定着装置20の圧力ロール64(図4参照)を駆動するモータ65と電気的に接続されている。搬送速度制御部70Bは、定着装置20による用紙Pの搬送速度を制御する。ここで、搬送速度制御部70Bは、速度変更部の一例である。搬送速度制御部70Bは、圧力ロール64のモータ65の回転を制御することで、圧力ロール64と定着ベルト62との間を搬送される用紙Pの搬送速度を制御する。本実施形態では、演算部70Aで演算された用紙Pのループ量に応じて、圧力ロール64による用紙Pの搬送速度を制御する。例えば、搬送速度制御部70Bは、用紙Pのループ量が一定となるように、圧力ロール64による用紙Pの搬送速度を増減させる。
【0076】
画像形成装置10には、記録媒体収容部12に、用紙Pの搬送方向の後端部(上流側の端部)の位置を検知する用紙センサ42が設けられている(図1参照)。用紙センサ42により、用紙Pの搬送方向のサイズが検知される。
【0077】
アーム位置制御部70Cは、図5に示されるように、記録媒体収容部12に設けられた用紙センサ42に電気的に接続されており、用紙センサ42で検知された電気信号は、アーム位置制御部70Cに入力される。また、アーム位置制御部70Cは、アクチュエータ114に電気的に接続されている。
【0078】
一般的に用紙Pの搬送方向の長さが600mm以上の長尺紙の場合は、用紙Pが搬送ベルト84から突出するアーム104に接触すると、用紙Pの搬送方向がロール80の軸方向と直交する方向に対して斜め方向にずれる場合がある。特に、アーム104が搬送路18Aの幅方向の中央部から外側にずれていると、用紙Pの搬送方向がロール80の軸方向と直交する方向に対して斜め方向にずれやすくなる。
【0079】
アーム位置制御部70Cは、用紙Pの種類に応じて、アクチュエータ114を制御することで、アーム104を搬送路18Aから退避する位置に移動させる。用紙Pの種類として、例えば、用紙Pの搬送方向の長さが600mm以上の長尺紙の場合が記憶部(図示省略)に記憶されている。用紙センサ42により、用紙Pの搬送方向の長さが600mm以上の長尺紙であることが検知された場合に、アーム位置制御部70Cは、アーム104を搬送路18Aから退避する位置に移動させる。より具体的には、アーム位置制御部70Cは、アクチュエータ114を制御することで、アクチュエータ114のロッド114Bを進出させ、突出片112を移動させる。これにより、アーム104を搬送路18Aから退避する位置に移動させる(図8参照)。演算部70Aでは、第1センサ108A及び第2センサ108Bからの信号に基づき、アーム104が搬送路18Aから退避する位置に移動したことが検知される。
【0080】
報知制御部70Dは、報知装置130と電気的に接続されており、報知装置130を制御する。一例として、報知装置130は、ユーザに報知するためのブザー又は音声を出力する出力装置である。報知制御部70Dは、第1センサ108A及び第2センサ108Bによってアーム104の突出する部分が搬送路18Aから退避する位置に移動していないことが検知されたときに、報知装置130によりユーザに報知する。これにより、ユーザは、アーム104の突出する部分が搬送路18Aから退避する位置に移動していないことを確認できる。
【0081】
<作用及び効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0082】
画像形成装置10では、用紙センサ42によって、用紙Pの搬送方向の長さが600mmより短いことが検出されたときは、図7に示されるように、記録媒体検知装置100では、アーム104の先端部側が搬送路18Aに突出した状態とされる。これにより、搬送路18Aを搬送される用紙Pがアーム104の先端部と接触し、第1センサ108Aと第2センサ108Bにより被検知片106の揺動位置が検知されることで、用紙Pのループ量が検知される。
【0083】
搬送速度制御部70Bでは、用紙Pのループ量に応じて、圧力ロール64のモータ65の回転を制御することで、圧力ロール64と定着ベルト62との間を搬送される用紙Pの搬送速度が制御される。
【0084】
また、用紙センサ42によって、用紙Pの搬送方向の長さが600mm以上の長尺紙であることが検知されたときは、図8に示されるように、記録媒体検知装置100では、アーム104を搬送路18Aから退避する位置に移動させる。具体的には、アーム位置制御部70Cがアクチュエータ114を制御することで、アーム104を搬送路18Aから退避する位置に移動させる。これにより、用紙Pが長尺紙の場合は、用紙Pがアーム104の先端部側に接触しなくなり、用紙Pのループ量が検出されない。
【0085】
上記の記録媒体検知装置100では、用紙Pの種類によって必要なときに用紙Pのループ量を検知できる。
【0086】
また、記録媒体検知装置100では、アーム104は、二次転写部36と定着装置20との間の搬送路18Aに設けられている。このため、記録媒体検知装置100では、二次転写部36と定着装置20との間で、用紙Pの種類によって必要なときに用紙Pのループ量を検知できる。
【0087】
また、記録媒体検知装置100では、アーム104は、搬送路18Aの幅方向の中央部から外れた位置に設けられている。一般的に、用紙Pの種類によっては、搬送路18Aの幅方向の中央部から外れた位置にあるアーム104に用紙Pが接触すると、用紙Pが適正な搬送方向に対して斜めの方向にずれる場合がある。
【0088】
記録媒体検知装置100では、用紙Pの種類によって、アーム104を搬送路18Aから退避する位置に移動させる。このため、記録媒体検知装置100では、アーム104が搬送路18Aの幅方向の中央部から外れた位置に設けられている構成において、アームが常に搬送路に突出しているものと比較して、用紙Pの姿勢が適正な搬送方向に対して斜めになることが抑制される。
【0089】
また、記録媒体検知装置100では、搬送路18Aの幅方向の中央部には、用紙Pの裏面側を吸着しながら搬送する吸引ベルト85Aが設けられており、アーム104は、吸引ベルト85Aの幅方向の外側に設けられている。このため、記録媒体検知装置100では、アームが搬送ベルトに対して搬送方向の上流側又は下流側に設けられている場合に比べて、アーム104を配置する位置の自由度が向上する。
【0090】
また、記録媒体検知装置100では、センサ108(第1センサ108A及び第2センサ108B)は、アーム104から延びた被検知片106と対向する位置に配置されており、被検知片106の揺動に応じて、アーム104が搬送路18Aに対して退避する方向に揺動したことを検知する。このため、記録媒体検知装置100では、搬送路から退避するアームを直接検知する場合に比べて、センサ108(第1センサ108A及び第2センサ108B)を配置しやすくなる。
【0091】
また、記録媒体検知装置100では、アーム104の突出する部分が搬送路18Aから退避した位置で保持されたときに、センサ108(第1センサ108A及び第2センサ108B)は、搬送路18Aに対して同じ位置にある。すなわち、センサ108(第1センサ108A及び第2センサ108B)は、搬送路18Aに対して移動しない。このため、記録媒体検知装置100では、搬送路に対してアームとセンサの両方を移動させる場合と比較して、アーム104を退避した位置に保持する構造が簡単になる。
【0092】
また、記録媒体検知装置100では、被検知片106が揺動する位置に複数のセンサ、例えば第1センサ108A及び第2センサ108Bが設けられており、第1センサ108A及び第2センサ108Bは、アーム104が搬送路18Aから退避した量を検知する。このため、記録媒体検知装置100では、センサが被検知片と対向する位置に1つ設けられている場合に比べて、アーム104が搬送路18Aから退避した量を検知しやすい。
【0093】
また、記録媒体検知装置100では、複数のセンサとしての第1センサ108A及び第2センサ108Bは、アーム104の突出する部分が搬送路18Aから退避する位置に移動した状態を検知する。このため、記録媒体検知装置100では、センサがアームの揺動による記録媒体のループ量のみを検知する場合と比べて、用紙Pの種類により必要な場合に、アーム104の突出する部分が搬送路18Aから退避したことを確認できる。
【0094】
また、記録媒体検知装置100では、用紙Pの種類に応じて、第1センサ108A及び第2センサ108Bにより、アーム104の突出する部分が搬送路18Aから退避する位置に移動していないことが検知されたときに、ユーザに報知する報知装置130を備える。このため、記録媒体検知装置100では、アームが搬送路から退避していないことが報知されない場合と比較して、アーム104の突出する部分が搬送路18Aから退避しない状態で用紙Pが搬送されることが抑制される。すなわち、アームが搬送路から退避していないことが報知されない場合と比較して、用紙Pがアーム104に接触する位置に搬送されることが抑制される。
【0095】
また、記録媒体検知装置100では、アーム104を移動させるアクチュエータ114を備えた移動装置110が設けられている。このため、記録媒体検知装置100では、アームを手動により退避させる位置に移動する場合と比較して、アーム104の移動が容易となる。
【0096】
また、記録媒体検知装置100では、用紙Pが600mm以上の長尺紙であるときに、移動装置110は、アーム104の突出する部分を搬送路18Aから退避した位置で保持する。これにより、記録媒体検知装置100に搬送された用紙Pがアーム104の先端部側に接触しなくなる。このため、記録媒体検知装置100では、長尺の記録媒体が搬送されるときにアームが搬送路に突出する場合と比較して、長尺の用紙Pが適切な搬送方向に対して斜めに搬送されることが抑制される。
【0097】
画像形成装置10では、記録媒体検知装置100を備えており、二次転写部36と定着装置20との間の搬送路18Aにアーム104が設けられている。これにより、用紙Pの種類によっては、アーム104が搬送路18Aから退避する位置に移動され、用紙Pがアーム104の先端部側に接触しない。このため、画像形成装置10では、すべての記録媒体がアームに接触する場合と比較して、定着装置20での用紙Pのしわの発生が抑制される。
【0098】
画像形成装置10では、第1センサ108A及び第2センサ108Bにより検知された用紙Pのループ量に応じて、搬送速度制御部70Bにより、ループ量が定められたループ量となるように定着装置20による用紙Pの搬送速度を変更する。このため、画像形成装置10では、記録媒体の搬送速度を変更しない場合と比較して、定着装置20での用紙Pのしわの発生が抑制される。
【0099】
〔第2実施形態〕
図11及び図12には、第2実施形態の記録媒体検知装置が示されている。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0100】
図11は、第2実施形態に係る記録媒体検知装置150において、アーム104が搬送路18Aに突出している検知可能状態を示す構成図である。また、図12は、記録媒体検知装置150において、アーム104が搬送路18Aから退避している退避状態を示す構成図である。図11及び図12に示されるように、記録媒体検知装置150は、アーム104は、図示しないコイルばねにより突出方向に付勢されている。アーム104の軸部102には、アーム104と異なる方向に延びた係止部152が設けられている。記録媒体検知装置150は、アーム104の突出する部分が搬送路18Aから退避した位置で保持する保持装置154を備えている。
【0101】
保持装置154は、アーム104の突出する部分が搬送路18Aから退避した位置で係止部152を係止するスライドレバー156と、スライドレバー156を係止部152の係止方向に付勢する付勢部材の一例としてのコイルばね160と、を備えている。
【0102】
スライドレバー156は、係止部152の係止面152Aに接触する先端部156Aと、先端部156Aに対して半径方向外側に突出するフランジ部156Bと、フランジ部156Bから先端部156Aと反対側に延びた円柱部156Cと、を備えている。スライドレバー156は、円柱部156Cの先端部に円柱部156Cの軸方向に対して交差する方向に突出する把持部156Dを備えている。先端部156Aの先端は、R状の湾曲面とされている。
【0103】
コイルばね160は、円柱部156Cの周囲に配置されており、コイルばね160の一端は、フランジ部156Bに接触し、コイルばね160の他端は、支持部162の端面に接触している。支持部162には、把持部156Dが貫通する長孔164が設けられている。
【0104】
保持装置154は、コイルばね160の付勢力によりフランジ部156Bが押し付けられる押付け部158を備えている。スライドレバー156のフランジ部156Bが押付け部158に押し付けられた状態で、先端部156Aが押付け部158を貫通している。
【0105】
係止部152は、先端部156Aの軸方向に沿って設けられると共に先端部156Aを係止する係止面152Aと、係止部152が搬送路18Aに近づく方向に移動する際に先端部156Aと摺動可能な湾曲面152Bと、を備えている。なお、記録媒体検知装置150のその他の構成は、第1実施形態の記録媒体検知装置100と同じである。すなわち、図示を省略するが、記録媒体検知装置150では、第1実施形態の記録媒体検知装置100と同様にセンサ108及び被検知片106などを備えている。
【0106】
記録媒体検知装置150では、アーム104を搬送路18Aから退避した位置に保持する場合は、ユーザの手動により係止部152を搬送路18Aから離れる方向に移動させる。これにより、係止部152の湾曲面152Bにスライドレバー156の先端部156Aが押されることにより、コイルばね160が圧縮される。係止部152をさらに搬送路18Aから離れる方向に移動させると、コイルばね160の圧縮が解除されて、係止部152の係止面152Aがスライドレバー156の先端部156Aに係止される。これにより、アーム104は、搬送路18Aから退避した位置に保持される(図12参照)。
【0107】
また、アーム104を搬送路18Aから突出する位置に戻す場合は、ユーザの手動により把持部156Dを係止部152と反対側に移動させる。これにより、コイルばね160の付勢力に抗してスライドレバー156の先端部156Aが係止部152から後退し、係止部152の係止面152Aとスライドレバー156の先端部156Aとの係止が解除される。これにより、アーム104は、図示しない付勢手段により、搬送路18Aから突出する方向に移動する。
【0108】
上記の記録媒体検知装置150では、第1実施形態の記録媒体検知装置100と同様の構成による効果に加えて、以下のような効果を備えている。
【0109】
上記の記録媒体検知装置150では、アーム104を搬送路18Aから退避した位置に保持する保持装置154を備えている。記録媒体検知装置150では、アーム104は、突出方向に付勢され、アーム104から延びた係止部152が設けられている。保持装置154は、アーム104の突出する部分が搬送路18Aから退避した位置で係止部152を係止するスライドレバー156と、スライドレバー156を係止部152の係止方向に付勢するコイルばね160と、を備えている。そして、記録媒体検知装置150では、係止部152を手動で移動させることで、係止部152をスライドレバー156に係止させる。このため、記録媒体検知装置150では、アームを自動で移動させる場合と比較して、低コスト化が可能である。
【0110】
〔第3実施形態〕
図13には、第3実施形態の記録媒体検知装置が示されている。なお、前述した第1及び第2実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0111】
図13に示されるように、記録媒体検知装置170は、定着装置20よりも用紙Pの搬送方向上流側に2つの記録媒体検知部170A、170Bを備えている。記録媒体検知部170Aは、搬送ベルト174よりも用紙Pの搬送方向上流側に配置されている。また、記録媒体検知部170Bは、搬送ベルト174と重なる位置に設けられている。
【0112】
記録媒体検知部170Aは、第1実施形態の記録媒体検知装置100と同様の構成であり、アーム104などを備えている。記録媒体検知部170Aでは、アーム104は、搬送路18Aの幅方向の中央部より外側に配置されている。
【0113】
搬送ベルト174は、第1ベルト174Aと、第2ベルト174Bとを備えている。第1ベルト174Aは、幅方向中央部に配置された吸引ベルト85Aと、吸引ベルト85Aの幅方向の一方側に連続する側部ベルト85Bと、吸引ベルト85Aの幅方向の他方側に連続する側部ベルト175Aと、を備えている。側部ベルト175Aの幅方向の長さは、側部ベルト85Bの幅方向の長さより短い。第2ベルト174Bは、側部ベルト175Aよりも搬送路18Aの幅方向外側に配置されており、第2ベルト174Bと側部ベルト175Aとの間には隙間S2が設けられている。
【0114】
記録媒体検知部170Bは、第1実施形態の記録媒体検知装置100と同様にアーム104などを備えているが、異なる構成として、アーム104を揺動させる軸部176の軸方向の長さは、記録媒体検知装置100の軸部102の長さよりも短い。アーム104は、第2ベルト174Bと側部ベルト175Aとの間には隙間S2から搬送路18Aに突出している。
【0115】
記録媒体検知装置170では、搬送路18Aの幅方向に対して、記録媒体検知部170Aのアーム104の位置と、記録媒体検知部170Bのアーム104の位置が異なる。記録媒体検知部170Bのアーム104は、記録媒体検知部170Aのアーム104よりも搬送路18Aの幅方向外側に配置されている。
【0116】
記録媒体検知装置170では、第1実施形態の記録媒体検知装置100と同様の構成による効果に加えて、以下のような効果を備えている。
【0117】
記録媒体検知装置170では、用紙Pの搬送路18Aの異なる位置に2つの記録媒体検知部170A、170Bが設けられており、2つの記録媒体検知部170A、170Bは、それぞれアーム104を備えている。記録媒体検知装置170では、搬送路18Aの幅方向に対して、記録媒体検知部170Aのアーム104の位置と、記録媒体検知部170Bのアーム104の位置が異なる。このため、記録媒体検知装置170では、アームが1つの場合と比較して、用紙Pのループ量を正確に検知できる。
【0118】
〔捕捉説明〕
第1~第3実施形態において、記録媒体検知装置のアーム104の形状及び用紙Pの搬送方向におけるアーム104の位置などは変更可能である。また、搬送路18Aの幅方向におけるアーム104の位置も変更可能である。
【0119】
第1~第3実施形態において、被検知片106の形状及び位置などは変更可能である。例えば、被検知片106は、軸部の軸方向におけるアーム104と同じ側(一例として、アーム104の下側)に設けられていてもよい。被検知片の位置に合わせてセンサ108の位置も変更する必要がある。
【0120】
第1~第3実施形態において、センサ108は、2つの第1センサ108A及び第2センサ108Bを備えているが、センサの個数及び配置位置などは変更可能である。センサは、1個でもよいし、3個以上でもよい。
【0121】
第1~第3実施形態において、移動装置110及び保持装置154の位置は変更可能である。例えば、移動装置110では、突出片112の位置及び突出方向は、変更可能であり、また、アクチュエータ114の位置も変更可能である。例えば、突出片112は、アーム104と異なる方向(一例として、アーム104に対して下方側)に突出する構成でもよい。
【0122】
第1~第3実施形態では、用紙センサ42により、用紙Pの搬送方向の長さが600mm以上の長尺紙であることが検知された場合に、アーム104を搬送路18Aから退避する位置に移動させたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、用紙センサ42を設けずに、用紙Pが長尺紙であることをユーザが入力することで、アーム104を搬送路18Aから退避する位置に移動させてもよい。
【0123】
また、第1~第3実施形態では、例えば、長尺紙である場合に代えて、又は長尺紙である場合と共に、用紙Pが普通紙よりも薄い薄紙である場合に、アーム104を搬送路18Aから退避する位置に移動させるようにしてもよい。用紙Pが薄紙であるという情報は、例えば、ユーザによる入力情報又は図示しないセンサにより取得することができる。
【0124】
また、第1~第3実施形態では、搬送ベルト84、174の構成も変更可能である。
【0125】
また、第1~第3実施形態の記録媒体検知装置は、転写装置16の二次転写部36と定着装置20との間に配置されたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、記録媒体検知装置は、転写部と定着部との間以外の搬送路に配置してもよい。
【0126】
さらに、第3実施形態の記録媒体検知装置は、アーム104が2つ設けられていたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、用紙搬送方向のアームの位置、搬送路の幅方向におけるアームの位置、及びアームの個数は、変更可能である。
【0127】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0128】
10 画像形成装置
16 転写装置(転写部の一例)
18A 搬送路
20 定着装置(定着部の一例)
36 二次転写部(転写部の一例)
42 用紙センサ
44 搬送ロール(搬送手段の一例)
46 搬送部材(搬送手段の一例)
65 モータ
70B 搬送速度制御部(速度変更部の一例)
84 搬送ベルト
85A 吸引ベルト(搬送ベルトの一例)
100 記録媒体検知装置
104 アーム
106 被検知片
108 センサ
108A 第1センサ
108B 第2センサ
110 移動装置(保持装置の一例)
112 突出片
114 アクチュエータ
130 報知装置
150 記録媒体検知装置
152 係止部
154 保持装置
156 スライドレバー
170 記録媒体検知装置
170A 記録媒体検知部(記録媒体検知装置の一例)
170B 記録媒体検知部(記録媒体検知装置の一例)
174 搬送ベルト
P 用紙(記録媒体の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13