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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】記録材処理装置および画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/38 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
B65H31/38
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020057594
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2021155189
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】米山 武志
(72)【発明者】
【氏名】大橋 史郎
(72)【発明者】
【氏名】浜端 直人
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 大輝
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-190835(JP,A)
【文献】特開2013-170068(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0214483(US,A1)
【文献】特開2002-265130(JP,A)
【文献】特開2008-094586(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0088081(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00- 31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材を下方から支持する支持部と、
前記支持部により支持されている記録材の側方から当該記録材へ進出し当該記録材の縁部に接触する接触面を有する接触部材と、
前記接触部材と共に記録材へ進出する進出部と、
を備え、
前記接触部材は、前記進出部の下端部よりも、下方に位置する下縁部を有するとともに、
前記接触部材の前記接触面が前記縁部に接触して当該縁部を押圧しているとき、当該接触面が斜め下方を向いている記録材処理装置。
【請求項2】
前記接触部材を挟み、前記記録材が位置する側とは反対側に、当該接触部材と共に当該記録材へ進出する前記進出部が設けられ、
前記接触部材と前記進出部との間に、弾性部材が設けられている請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項3】
前記弾性部材は、コイルばねであり、
前記接触部材のうちの、前記コイルばねの軸中心よりも下方に位置する部分が、記録材の前記縁部に接触する請求項2に記載の記録材処理装置。
【請求項4】
前記接触部材を挟み、前記記録材が位置する側とは反対側に、当該接触部材と共に当該記録材へ進出する前記進出部が設けられ、
前記接触部材は、前記進出部により支持され、
前記接触部材は、前記接触面が前記縁部に接触して当該縁部を押圧しているとき、鉛直方向に対して傾斜した状態で配置され、
前記進出部は、前記接触面が前記縁部に接触して当該縁部を押圧しているとき、鉛直方向に沿った状態で配置される請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項5】
前記接触部材を挟み、前記記録材が位置する側とは反対側に、当該接触部材と共に当該記録材へ進出する前記進出部が設けられ、
前記接触部材は、前記進出部により支持され、
前記接触部材は、前記記録材に向かって進出して前記縁部に接触すると姿勢が変化し、当該姿勢の変化に伴い、前記接触面が斜め下方を向き、
前記進出部は、前記接触部材の前記接触面が前記縁部に接触した後も姿勢が変化しない請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項6】
前記進出部は、鉛直方向に沿っており、
前記接触部材の前記接触面が前記縁部に接触した後も、前記進出部の姿勢が変化せず、当該進出部が鉛直方向に沿った状態が保たれる請求項5に記載の記録材処理装置。
【請求項7】
前記接触部材を挟み、前記記録材が位置する側とは反対側に、当該接触部材と共に当該記録材へ進出する前記進出部が設けられ、
前記接触部材は、前記進出部により支持され、
前記記録材に向かって前記接触部材が進出する際の進出方向における厚みを比べた場合に、当該接触部材の厚みの方が、前記進出部の厚みよりも小さい請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項8】
前記接触部材が前記記録材から退避しているとき、前記接触面は、鉛直方向に沿って配置されている請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項9】
前記記録材に前記接触部材が接触すると、当該記録材から当該接触部材に荷重が作用し、当該接触部材に作用する当該荷重により、前記接触面が斜め下方向を向く請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項10】
前記接触部材は、前記下縁部および上縁部を有し、
前記接触部材のうちの、前記下縁部に近い側に位置する箇所に、前記記録材からの前記荷重が作用する請求項9に記載の記録材処理装置。
【請求項11】
前記記録材の前記縁部に対して、前記接触部材の前記接触面が接触し、当該接触面が当該縁部を押圧しているとき、当該接触部材の上縁部が当該記録材の上面の対向箇所に位置する請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項12】
記録材への画像の形成を行う画像形成装置と、記録材に対する処理を行う記録材処理装置とを備え、当該記録材処理装置が請求項1乃至11の何れかに記載の記録材処理装置を含んで構成された画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材処理装置および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、排出手段から排出されたシート状媒体がトレイ上に完全に積載された後、シート状媒体の排出方向と平行な該シート状媒体の端面に揃え部材を接離させて端面の位置を揃える処理が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-240295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録材を処理する装置では、記録材の延び方向における位置が揃わない場合がある。また、記録材の厚み方向で膨らんでしまう場合がある。これに対応する方法として、記録材の延び方向における位置を揃える機構に加え、記録材の厚み方向に作用する荷重を記録材に与えるための機構を設けることが考えられるが、その場合は記録材に対して作用する機構を別々に構成することにより部品点数が増したり、記録材に作用させる機構の順番を制御する必要があったりなど、構成が複雑化する。
本発明の目的は、記録材の延び方向における位置を揃えるための機構と、記録材の厚み方向に作用する荷重を記録材に与えるための機構とを個別に設ける場合に比べ、記録材の処理に要する構成が複雑化することを抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、記録材を下方から支持する支持部と、前記支持部により支持されている記録材の側方から当該記録材へ進出し当該記録材の縁部に接触する接触面を有する接触部材と、前記接触部材と共に記録材へ進出する進出部と、を備え、前記接触部材は、前記進出部の下端部よりも、下方に位置する下縁部を有するとともに、前記接触部材の前記接触面が前記縁部に接触して当該縁部を押圧しているとき、当該接触面が斜め下方を向いている記録材処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記接触部材を挟み、前記記録材が位置する側とは反対側に、当該接触部材と共に当該記録材へ進出する前記進出部が設けられ、前記接触部材と前記進出部との間に、弾性部材が設けられている請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記弾性部材は、コイルばねであり、前記接触部材のうちの、前記コイルばねの軸中心よりも下方に位置する部分が、記録材の前記縁部に接触する請求項2に記載の記録材処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記接触部材を挟み、前記記録材が位置する側とは反対側に、当該接触部材と共に当該記録材へ進出する前記進出部が設けられ、前記接触部材は、前記進出部により支持され、前記接触部材は、前記接触面が前記縁部に接触して当該縁部を押圧しているとき、鉛直方向に対して傾斜した状態で配置され、前記進出部は、前記接触面が前記縁部に接触して当該縁部を押圧しているとき、鉛直方向に沿った状態で配置される請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記接触部材を挟み、前記記録材が位置する側とは反対側に、当該接触部材と共に当該記録材へ進出する前記進出部が設けられ、前記接触部材は、前記進出部により支持され、前記接触部材は、前記記録材に向かって進出して前記縁部に接触すると姿勢が変化し、当該姿勢の変化に伴い、前記接触面が斜め下方を向き、前記進出部は、前記接触部材の前記接触面が前記縁部に接触した後も姿勢が変化しない請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記進出部は、鉛直方向に沿っており、前記接触部材の前記接触面が前記縁部に接触した後も、前記進出部の姿勢が変化せず、当該進出部が鉛直方向に沿った状態が保たれる請求項5に記載の記録材処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記接触部材を挟み、前記記録材が位置する側とは反対側に、当該接触部材と共に当該記録材へ進出する前記進出部が設けられ、前記接触部材は、前記進出部により支持され、前記記録材に向かって前記接触部材が進出する際の進出方向における厚みを比べた場合に、当該接触部材の厚みの方が、前記進出部の厚みよりも小さい請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記接触部材が前記記録材から退避しているとき、前記接触面は、鉛直方向に沿って配置されている請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記記録材に前記接触部材が接触すると、当該記録材から当該接触部材に荷重が作用し、当該接触部材に作用する当該荷重により、前記接触面が斜め下方向を向く請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項10に記載の発明は、前記接触部材は、前記下縁部および上縁部を有し、前記接触部材のうちの、前記下縁部に近い側に位置する箇所に、前記記録材からの前記荷重が作用する請求項9に記載の記録材処理装置である。
請求項11に記載の発明は、前記記録材の前記縁部に対して、前記接触部材の前記接触面が接触し、当該接触面が当該縁部を押圧しているとき、当該接触部材の上縁部が当該記録材の上面の対向箇所に位置する請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項12に記載の発明は、記録材への画像の形成を行う画像形成装置と、記録材に対する処理を行う記録材処理装置とを備え、当該記録材処理装置が請求項1乃至11の何れかに記載の記録材処理装置を含んで構成された画像形成システムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、記録材の延び方向における位置を揃えるための機構と、記録材の厚み方向に作用する荷重を記録材に与えるための機構とを個別に設ける場合に比べ、記録材の処理に要する構成が複雑化することを抑制することができる。
請求項2の発明によれば、接触部材と進出部との間に弾性部材が設けられない場合に比べ、記録材に作用する負荷を軽減できる。
請求項3の発明によれば、接触部材のうちの、コイルばねの軸中心よりも上方に位置する部分が、記録材の縁部に接触する場合に比べ、接触部材の接触面を斜め下方に向けやすくなる。
請求項4の発明によれば、進出部が鉛直方向に沿った状態で配置されずに傾斜した状態で配置される場合に比べ、進出部による接触部材の支持をより安定的に行うことができる。
請求項5の発明によれば、進出部の姿勢が変化する場合に比べ、進出部による接触部材の支持をより安定的に行うことができる。
請求項6の発明によれば、進出部の姿勢が変化し鉛直方向に沿った状態以外の状態となる場合に比べ、進出部による接触部材の支持をより安定的に行うことができる。
請求項7の発明によれば、接触部材の厚みの方が進出部の厚みよりも大きい場合に比べ、接触部材が変形しやすく、接触部材から記録材に作用する負荷を軽減できる。
請求項8の発明によれば、接触部材が記録材から退避しているとき、接触面が、鉛直方向に沿って配置されずに傾斜した状態で配置される場合に比べ、支持部に新たに供給される記録材と接触部材との干渉が生じにくくなる。
請求項9の発明によれば、接触部材の接触面を斜め下方に向けるための専用の駆動源を設けずに、接触部材の接触面を斜め下方に向けることができる。
請求項10の発明によれば、接触部材のうちの、上縁部に近い側に位置する箇所に、記録材からの荷重が作用する場合に比べ、接触部材の接触面を斜め下方に向けやすくなる。
請求項11の発明によれば、接触面が縁部を押圧しているとき、接触部材の上縁部が記録材の上面の対向箇所に位置しない場合に比べ、上方へのこの記録材の移動を規制することができる。
請求項12の発明によれば、記録材の延び方向における位置を揃えるための機構と、記録材の厚み方向に作用する荷重を記録材に与えるための機構とを個別に設ける場合に比べ、記録材の処理に要する構成が複雑化することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成システムの全体構成を示した図である。
図2】第1後処理装置の構成を説明する図である。
図3図2の矢印IIIで示す方向から第1積載部を見た場合の図である。
図4図3の矢印IVで示す方向から第1進出部材等を見た場合のである。
図5図4の矢印Vで示す方向から、第1進出部材および接触部材を見た場合の図である。
図6図3の矢印VIで示す方向から支持部、第1進出部材、接触部材を見た場合の図である。
図7】支持部、用紙、第1進出部材、接触部材の他の配置例を示した図である。
図8図7の矢印VIIIで示す方向から、支持部、用紙、第1進出部材、第2進出部材、接触部材を見た場合の図である。
図9】用紙が互い違いで積載される際の処理例を説明する図である。
図10図9の矢印Xで示す方向から、支持部、用紙、第2進出部材、接触部材を見た場合の図である。
図11】(A)、(B)は、移動機構を説明する図である。
図12】用紙から退避した接触部材等の状態を示した図である。
図13】(A)、(B)は、接触部材等の他の構成例を示した図である。
図14】他の構成例を示した図である。
図15】接触部材の他の構成例を示した図である。
図16】接触部材の他の構成例を示した図である。
図17】用紙をオフセットして積載する際の状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、画像形成システム1の全体構成を示した図である。
図1に示す画像形成システム1は、記録材の一例としての用紙Pに対して画像を形成する画像形成装置2と、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pに対して予め定められた処理を施す用紙処理装置3とを備える。
ここで、画像形成装置2は、電子写真方式やインクジェット方式を用いて、用紙Pへの画像の形成を行う。
【0009】
記録材処理装置の一例としての用紙処理装置3には、画像形成装置2から出力された用紙Pを下流側に搬送する搬送装置10、搬送装置10により搬送される用紙Pに対して厚紙や窓空き用紙P等の合紙を供給する合紙供給装置20が設けられている。
また、用紙処理装置3には、搬送装置10から搬送された用紙Pに対して内三折り(C折り)や外三折り(Z折り)等の折り処理を施す折り装置30が設けられている。
【0010】
また、用紙処理装置3には、折り装置30の下流側に設けられ、用紙Pに穴あけや端綴じ、中綴じ等を行う第1後処理装置40が設けられている。
付言すると、折り装置30の下流側は、画像形成装置2により画像が形成された複数枚の用紙Pによりなる用紙束(記録材束の一例)に対する処理を行ったり、一枚の用紙P毎に用紙Pに対する処理を行ったりする第1後処理装置40が設けられている。
【0011】
また、用紙処理装置3には、第1後処理装置40の下流側に設けられ、中折りや中綴じされた用紙束に対する処理をさらに行う第2後処理装置500が設けられている。
また、用紙処理装置3には、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)により構成され、用紙処理装置3の各機能部の制御を行う制御部100が設けられている。
【0012】
第1後処理装置40には、用紙Pに穴あけ(パンチ)を施す穿孔ユニット41、用紙束の端を綴じる端綴じステープラユニット42が設けられている。
また、端綴じステープラユニット42を経た用紙Pが積載される第1積載部43、第1後処理装置40での処理が行われない用紙Pまたは穴あけだけが施された用紙Pが積載される第2積載部45が設けられている。第1積載部43および第2積載部45は装置の外部に開放されており、操作者が第1積載部43や第2積載部45上に積載された用紙Pを手で取り除く。
さらに、第1後処理装置40には、用紙束を中折り/中綴じして見開き状の冊子を作製する中綴じユニット44が設けられている。
【0013】
図2は、第1後処理装置40の構成を説明する図である。
第1後処理装置40には、折り装置30から搬送されてきた用紙Pを受け入れる受け入れ口49が設けられている。
受け入れ口49の直後には、穿孔ユニット41が設けられている。穿孔ユニット41は、第1後処理装置40へ搬送されてきた用紙Pに対して、2穴や4穴等の穴あけ(パンチ)を施す。
【0014】
また、この受け入れ口49から端綴じステープラユニット42にかけて設けられ、受け入れ口49にて受け入れられた用紙Pの端綴じステープラユニット42への搬送に用いられる第1用紙搬送経路R1が設けられている。
さらに、第1分岐部B1にて、第1用紙搬送経路R1から分岐し、第2積載部45への用紙Pの搬送に用いられる第2用紙搬送経路R2が設けられている。
【0015】
また、第2分岐部B2にて、第1用紙搬送経路R1から分岐し、中綴じユニット44への用紙Pの搬送に用いられる第3用紙搬送経路R3が設けられている。
また、用紙Pの搬送先を、第1用紙搬送経路R1~第3用紙搬送経路R3の何れかに切り替える(設定する)切り替えゲート70が設けられている。
【0016】
端綴じステープラユニット42には、用紙Pを必要枚数だけ集積させて用紙束を生成する用紙集積部60が設けられている。
用紙集積部60には、水平方向に対して傾斜して配置され、搬送されてきた用紙Pを下方から支持する支持板67が設けられている。本実施形態では、この支持板67の上に、用紙束が生成される。
【0017】
さらに、端綴じステープラユニット42には、用紙集積部60にて生成された用紙束の端部に対して綴じ(端綴じ)を実行する綴じ処理装置50が設けられている。
また、端綴じステープラユニット42には、回転駆動を行い、用紙集積部60にて生成された用紙束を装置外部に設けられた第1積載部43へ送り出す排出ロール61が設けられている。
さらに、排出ロール61から退避した位置、および、排出ロール61に圧接する位置へ移動可能な可動ロール62が設けられている。
【0018】
ここで、端綴じステープラユニット42による処理が行われる際には、まず、受け入れ口49にて、搬送されてきた用紙Pが受け入れられる。
その後、この用紙Pは、第1用紙搬送経路R1に沿って搬送され、端綴じステープラユニット42に達する。
そして、この用紙Pは、支持板67の上方まで搬送された後に支持板67に落下する。また、この用紙Pは、支持板67によって下方から支持されるとともに、支持板67に付与された傾斜および回転部材63によって、支持板67の上をスライド移動する。
【0019】
その後、この用紙Pは、支持板67の端部に取り付けられたエンドガイド64に突き当たる。付言すると、本実施形態では、支持板67の端部に対し、図中上方に向かって延びるエンドガイド64が設けられており、支持板67上を移動した用紙Pは、このエンドガイド64に突き当たる。
これにより、本実施形態では、用紙Pの移動が停止される。以後、用紙Pが上流側から搬送されてくる度にこの動作が行われ、支持板67上には、用紙Pが揃えられた用紙束が生成される。
【0020】
なお、本実施形態では、用紙束の幅方向における位置を揃える用紙幅位置揃え部材65がさらに設けられている。
本実施形態では、支持板67上に用紙Pが供給される度に、用紙Pの幅方向における端部(側部)が用紙幅位置揃え部材65により押圧され、用紙P(用紙束)の幅方向における位置も揃えられる。
【0021】
予め定められた枚数の用紙Pが支持板67上に積載されると、綴じ処理装置50によって、用紙束の端部に対する綴じが実行される。
その後、本実施形態では、可動ロール62が排出ロール61に向かって進出し、可動ロール62および排出ロール61により用紙束が挟まれる。その後、排出ロール61が回転駆動を行い、用紙束が第1積載部43へ搬送される。
【0022】
なお、綴じ処理装置50は、図中紙面の奥側および手前側に向かって移動可能に設けられており、本実施形態では、複数の箇所にて、用紙Pに対する綴じ処理を行えるようになっている。
また、綴じ処理装置50による綴じ処理が行われない場合もあり、この場合は、綴じ処理が行われていない状態の用紙Pが、用紙集積部60から第1積載部43へ送られることになる。
【0023】
図3は、図2の矢印IIIで示す方向から第1積載部43を見た場合の図である。
第1積載部43には、用紙Pを下方から支持する支持部300が設けられている。この支持部300は、水平方向に対して傾斜している。
さらに、第1積載部43には、支持部300により支持されている用紙Pの側方からこの用紙Pへ進出する進出部材600が設けられている。進出部材600は、本実施例における進出手段に相当する。
【0024】
ここで、本実施形態では、進出部材600として、第1進出部材610、第2進出部材620が設けられている。
第1進出部材610は、用紙Pの一方の側方から用紙Pに進出し、第2進出部材620は、用紙Pの他方の側方から用紙Pに進出する。
図5に示すように、第1進出部材610は、回転軸612と、回転軸612を中心にして回転するアーム部613と、アーム部613が回転し下方に位置した際に、用紙Pの側方から用紙Pに進出する進出部614とからなる。また、本実施形態では、進出部614のうち回転軸612に近い側を回転軸610A側とし先端側を先端610B側とする。
【0025】
付言すると、第1進出部材610、第2進出部材620の各々は、用紙Pの搬送方向と直交する方向(用紙Pの幅方向)へ移動して、用紙Pの側方から用紙Pへ進出する。
ここで、第1積載部43へ用紙Pが積載されてくる際、用紙Pは、図3の矢印3Aで示す方向へ搬送される。
本実施形態では、この搬送方向と直交する方向に、第1進出部材610、第2進出部材620の各々が移動する。
【0026】
付言すると、本実施形態では、第1進出部材610、第2進出部材620の各々は、鉛直方向と交差する方向へ移動して、用紙Pの側方から用紙Pへ進出する。
さらに、本実施形態では、第1進出部材610、第2進出部材620の各々に、用紙Pに接触する接触部材700が取り付けられている。
【0027】
接触部材700は、第1進出部材610のうちの用紙P側に位置する部位、第2進出部材620のうちの用紙P側に位置する部位に取り付けられ、第1進出部材610、第2進出部材620の用紙Pへの進出に伴いこの用紙Pの縁部PBに接触する。
付言すると、接触部材700は、進出部材600よりも用紙P側に設けられており、用紙Pへの第1進出部材610、第2進出部材620の進出に伴い用紙Pの縁部PBに接触する。
また、本実施形態では、後述するように、接触部材700の各々は、第1進出部材610、第2進出部材620の進出方向とは反対方向へ移動を行えるようになっている。また、本実施例では、接触部材700の各々は、鉛直方向に垂直な方向で用紙Pに進出し、用紙Pに接触した後、用紙Pの側方に配置されている第1進出部材610、第2進出部材620に向かって移動し、第1進出部材610、第2進出部材620の用紙Pの鉛直方向に対し垂直な方向で同じ位置にある面がコイルばねKB(図5参照)を介して接触部材700の衝撃を受け止める。
【0028】
図4は、図3の矢印IVで示す方向から第1進出部材610等を見た場合のである。なお、図4では、支持部300の図示を省略している。
第1進出部材610、第2進出部材620は、第1後処理装置40の装置本体40Aから突出するように設けられている。
また、本実施形態では、第1進出部材610および第2進出部材620を移動させる移動機構730が設けられている。
【0029】
本実施形態では、この移動機構730により、第1進出部材610、第2進出部材620は、図3の符号3Xで示す回転中心を中心として、図4の矢印4Aで示す方向への回転を行えるようになっている。
言い換えると、本実施形態では、第1進出部材610、第2進出部材620は、上下方向への移動を行えるようになっている。
第1積載部43は、外部に開放されており、操作者が支持部300に積載された用紙Pを取り除く際には、第1進出部材610および第2進出部材620が上方向の位置にあり、取り出そうとする用紙Pからは退避している。
【0030】
また、本実施形態では、移動機構730により、第1進出部材610、第2進出部材620は、図4の矢印4Xで示す方向への移動を行えるようになっている。
付言すると、本実施形態では、上記のとおり、用紙P(図4では不図示)の縁部PBに対する、第1進出部材610、第2進出部材620の移動を行えるようになっている。
また、本実施形態では、第1進出部材610、第2進出部材620よりも用紙P(図4では不図示)に近い側に、接触部材700が位置する構成となっている。
【0031】
図5は、図4の矢印Vで示す方向から、第1進出部材610および接触部材700を見た場合の図である。なお、本実施形態では、第2進出部材620側は、第1進出部材610側と同様に構成されている。
接触部材700には、第1進出部材610側に向かって突出した二つの突起740が設けられ、本実施形態では、この突起740が設けられた箇所を中心として、接触部材700が傾く(後述)。
【0032】
言い換えると、本実施形態では、2つの突起740が、軸となる構造となっており、本実施形態では、この軸の各々を中心として、接触部材700が傾くようになっている。
なお、本実施形態では、突起740として、第1進出部材610の先端610B側に位置する先端側突起741と、第1進出部材610の根本610A側に位置する根本側突起742とが設けられている。
【0033】
ここで、2つ設けられた突起740は、接触部材700の長手方向における位置が互いに異なるように配置されている。
また、第1進出部材610には、接触部材700に設けられた突起740が入る2つの穴部750が設けられている。
【0034】
さらに、本実施形態の接触部材700は、第1進出部材610の根本610A側に位置する根本側端部700Aと、この根本側端部700Aとは反対側(第1進出部材610の先端610B側)に位置する反対側端部700Bとを有する。
本実施形態では、一方の突起740である根本側突起742と根本側端部700Aとの距離L1よりも、他方の突起740である先端側突起741と反対側端部700Bとの距離L2の方が大きくなっている。
【0035】
ここで、本実施形態では、第1進出部材610の先端610B側に位置する穴部750である先端部側穴部751は、長穴により構成されている。ここで、この長穴は、接触部材700の長手方向に沿うように配置されている。
一方で、第1進出部材610の根本610A側に位置する穴部750である根本側穴部752は、丸穴により構成されている。
ここで、本実施形態では、2つの穴部750のうちの一方の穴部750である先端部側穴部751の断面積(穴部750の軸方向と直交する面における断面積)の方が、他方の穴部750である根本側穴部752の断面積よりも大きくなっている。
【0036】
本実施形態では、第1進出部材610が用紙Pへ進出すると、接触部材700のうちの予め定められた接触箇所(後述)が用紙Pに接触する。
本実施形態では、2つの穴部750のうち、この接触箇所に近い側に位置する先端部側穴部751の断面積が、根本側穴部752の断面積よりも大きくなっている。
【0037】
さらに、本実施形態では、接触部材700と第1進出部材610との間に、弾性部材の一例としてのコイルばねKBが設けられている。
なお、本明細書では、コイルばねKBを一例に説明するが、弾性部材としては、コイルばねKBの他に、板バネやゴムなどの部材も挙げられる。
【0038】
本実施形態では、図5にて示す接触部材700を挟み、用紙P(図3参照)が位置する側とは反対側には、この接触部材700と共に用紙Pへ進出する進出部614が設けられている。
本実施形態では、接触部材700とこの進出部614との間に、弾性部材の一例としてのコイルばねKBが設けられている。
【0039】
本実施形態では、コイルばねKBは、複数設けられている。
具体的には、本実施形態では、第1進出部材610の先端610B側に設けられた先端側コイルばねKB1、および、第1進出部材610の根本610A側に設けられた根本側コイルばねKB2の2つのコイルばねKBが設けられている。
本実施形態では、先端側突起741の周囲に、先端側コイルばねKB1が設けられ、根本側突起742の周囲に、根本側コイルばねKB2が設けられている。
【0040】
また、本実施形態では、第1進出部材610から離れる方向への接触部材700の移動を規制するための規制用ねじ220が設けられている。
付言すると、第1進出部材610から離れる方向への接触部材700の移動を規制し、この接触部材700の離脱を防止するための規制用ねじ220が設けられている。
【0041】
規制用ねじ220の各々は、先端側突起741の先端部、根本側突起742の先端部に取り付けられている。
第1進出部材610から離れる方向へ接触部材700が移動しようとすると、この規制用ねじ220の頭部221が、第1進出部材610に突き当たるようになる。これにより、第1進出部材610からの接触部材700の離脱が防止される。
【0042】
図6は、図3の矢印VIで示す方向から支持部300、第1進出部材610、接触部材700を見た場合の図である。
本実施形態では、支持部300に対して用紙Pが搬送されてくる度に、第1進出部材610が、この用紙Pに進出し、用紙Pの縁部PBにこの接触部材700が押し当てられる。
なお、このとき、第2進出部材620(図6では不図示)も用紙Pに進出し、用紙Pの縁部PBに対して、第2進出部材620側に設けられた接触部材700が押し当てられる。
【0043】
用紙Pの縁部PBにこの接触部材700が押し当てられる際、本実施形態では、接触部材700の予め定められた接触箇所780が、用紙Pに接触する。
ここで、本実施形態では、この接触箇所780に近い側に、先端部側穴部751(図5参照)が位置し、本実施形態では、この先端部側穴部751の断面積が、根本側穴部752の断面積よりも大きくなっている。
【0044】
これにより、本実施形態では、先端部側穴部751の断面積が、根本側穴部752の断面積よりも小さい場合に比べ、接触部材700の接触箇所780(図6参照)が動きやすくなる。
付言すると、接触部材700のうちの、接触箇所780が位置する側が、第1進出部材610側へ退避しやすくなる。本実施例では接触箇所780の領域が接触部材の一部になっていたが、接触部材のより多くの領域が接触するように構成してもよい。その場合接触箇所780が図6より広くなり、図6の方向から見て穴の両方にかかるような場合は、より接触箇所の中心に近い位置にある穴部のほうが、接触箇所に近い側となる。
【0045】
また、図6では、第1進出部材610の進出方向における上流側から、第1進出部材610、接触部材700を見た場合の状態を示している。
このように、第1進出部材610の進出方向における上流側から、第1進出部材610、接触部材700を見ると、本実施形態では、接触部材700の方が、第1進出部材610よりも大きくなっている。
【0046】
より具体的には、本実施形態では、第1進出部材610の突出方向において、接触部材700が有する端部701の方が、第1進出部材610が有する先端部611よりも、第1進出部材610の突出方向における下流側に位置する。
【0047】
また、本実施形態では、第1進出部材610の幅よりも、接触部材700の幅の方が大きくなっている。
より具体的には、本実施形態では、第1進出部材610の突出方向と直交する方向における幅を比べた場合に、第1進出部材610の幅W1よりも、接触部材700の幅W2の方が大きくなっている。
また、本実施形態では、接触部材700の下縁部709の方が、第1進出部材610の下縁部610Eよりも下方に位置している。
さらに、本実施形態では、第1進出部材610の厚みの方が、接触部材700の厚みよりも大きくなっている。
【0048】
また、本実施形態では、第1進出部材610が用紙Pに進出する際、図6に示すように、複数設けられたコイルばねKBが、縁部PBが延びる方向における位置が互いに異なるように配置される。
より具体的には、この場合、根本側コイルばねKB2が用紙Pの搬送方向における上流側に位置し、先端側コイルばねKB1が、用紙Pの搬送方向における下流側に位置する。
【0049】
なお、本実施形態では、第1進出部材610、接触部材700と、支持部300との干渉を避けるため、支持部300の上面300Aには凹部300Bが形成されている。
また、本実施形態では、第1進出部材610に対する用紙Pの位置をずらせるようになっている。より具体的には、本実施形態では、第1進出部材610に対する相対的な用紙Pの移動であって上下方向への用紙Pの移動を行えるようになっている。
【0050】
第1進出部材610に対する用紙Pの相対的な移動は、例えば、支持部300を上下動させることにより行う。
より具体的には、例えば、第1進出部材610に対する用紙Pの移動であって、上下方向への用紙Pの移動は、支持部300を上下動させて、用紙Pの積載位置を上方または下方へ移動させることにより行う。
なお、本実施例では接触部材700と第1進出部材610との間に、弾性部材を設けている。なお、接触部材700と第1進出部材610との間に、弾性部材を設けたうえで、更に回転軸612(図5参照)にもバネを配置して、二重で衝撃を吸収してもよい。
一方比較例として、回転軸612のみにバネを設けて接触部材700と第1進出部材610全体を一体とした接触可動部(不図示)で構成した場合でも、用紙Pに対して接触部分は進出可能にはなるが、一体とした接触可動部とした場合は、用紙の側方で受けた衝撃を用紙の側方で吸収するのではなく、回転支点である回転軸612で吸収するので、接触可動部の剛性が必要になる。この場合、回転軸612での負荷が大きくなるという状況になるので、適さない。
【0051】
図7は、支持部300、用紙P、第1進出部材610、接触部材700の他の配置例を示した図である。
この配置例では、図6にて示した状態よりも支持部300が下降し、接触部材700のうちの、下縁部709により近い部分が、用紙Pに接触する。
より具体的には、この配置例では、接触部材700のうち、先端側コイルばねKB1よりも下方に位置する部分が用紙Pに接触する。
付言すると、この配置例では、接触部材700のうち、先端側コイルばねKB1の軸中心Cよりも下方に位置する部分が用紙Pに接触する。
【0052】
図8は、図7の矢印VIIIで示す方向から、支持部300、用紙P、第1進出部材610、第2進出部材620、接触部材700を見た場合の図である。
図7図8にて示すこの配置例では、接触部材700のうちの、先端側コイルばねKB1よりも下方に位置する部分が用紙Pに接触する。
この場合、図8に示すように、接触部材700が傾斜し、用紙Pの縁部PBに対して接触部材700が覆いかぶさるようになる。
【0053】
接触部材700のうちの、先端側コイルばねKB1よりも下方に位置する部分が用紙Pに接触すると、接触部材700のうちの用紙Pを押圧する面が斜め下方を向く。この場合、用紙Pの縁部PBに対して接触部材700が覆いかぶさるようになる。
この場合、縁部PBの上方からも用紙Pに対して荷重が作用する。付言すると、この場合、用紙Pの側方からのみではなく、用紙Pの上方からも荷重が作用し、用紙Pを上方から押さえつける荷重が用紙Pに作用する。
【0054】
本実施形態の接触部材700は、用紙Pの縁部PBに接触する接触面760を有する。
本実施形態では、図8に示すように、この接触面760が、縁部PBに接触してこの縁部PBを押圧しているとき、接触面760は、斜め下方を向く。言い換えると、接触面760は、鉛直方向に対して傾斜し、用紙P側且つ下方を向く。言い換えると、接触面760は、この接触面760に対する法線が斜め下方を向くように配置される。
また、本実施形態では、用紙Pの縁部PBに接触面760が接触し、接触面760がこの縁部PBを押圧しているとき、接触部材700の上縁部710が、最上位の用紙Pの上面PUの対向箇所に位置する。
【0055】
また、本実施形態では、接触部材700のうちの、先端側コイルばねKB1の軸中心Cよりも下方に位置する部分が、用紙Pの縁部PBに接触する。
本実施形態では、接触部材700を挟み、用紙Pが位置する側とは反対側に、接触部材700を用紙P側に向けて押圧するコイルばねKBが設けられている。
本実施形態では、接触部材700のうち、このコイルばねKBの軸中心Cよりも下方に位置する部分が、用紙Pの縁部PBに接触する。
【0056】
さらに、本実施形態では、上記の通り、接触部材700を挟み、用紙Pが位置する側とは反対側に、接触部材700と共に用紙Pへ進出する進出部614が設けられている。接触部材700は、この進出部614により支持されている。
本実施形態では、接触部材700は、接触面760が縁部PBに接触してこの縁部PBを押圧しているとき、鉛直方向に対して傾斜した状態で配置される。
具体的には、本実施形態では、接触部材700は、板状に形成されており、接触面760が縁部PBを押圧している状態のとき、接触部材700は、鉛直方向に対して傾斜した状態で配置される。
【0057】
これに対し、進出部614は、接触面760が縁部PBを押圧しているとき、図8に示すように、鉛直方向に沿った状態で配置される。
具体的には、進出部614は、板状に形成され、接触面760が縁部PBを押圧しているとき、図8に示すように、板状のこの進出部614は、鉛直方向に沿った状態で配置される。
【0058】
本実施形態の接触部材700は、用紙Pに向かって進出して用紙Pの縁部PBに接触すると姿勢が変化する。そして、この姿勢の変化に伴い、接触面760が斜め下方を向く。
これに対し、進出部614は、接触部材700の接触面760が縁部PBに接触した後も姿勢が変化しない。
より具体的には、進出部614は、鉛直方向に沿っており、接触部材700の接触面760が縁部PBに接触した後も、進出部614の姿勢が変化せず、進出部614が鉛直方向に沿った状態が保たれる。
【0059】
なお、接触部材700が用紙Pから退避しているときには、図12(用紙Pから退避した接触部材700等の状態を示した図)に示すように、接触部材700および接触面760は、鉛直方向に沿って配置される。
本実施形態では、用紙Pに接触部材700が接触すると、この用紙Pから接触部材700に荷重が作用する。本実施形態では、接触部材700に作用するこの荷重により、接触部材700が傾斜するようになり、これに伴い、接触面760が斜め下方向を向く。
【0060】
より具体的には、本実施形態では、図8に示すように、接触部材700のうちの、下縁部709に近い側に位置する箇所に、用紙Pからの荷重が作用する。
より具体的には、本実施形態の接触部材700は、上縁部710および下縁部709を有するが、接触部材700のうち、下縁部709に近い側に位置する箇所に、用紙Pからの荷重が作用する。言い換えると、本実施形態では、接触部材700のうち、下縁部709に近い側が、用紙Pの縁部PBに接触する。
【0061】
さらに、本実施形態では、図5に示すように、用紙P(図8参照)へ接触部材700が進出する際の進出方向における厚みを比べた場合に、接触部材700の厚みW5の方が、進出部614の厚みW6よりも小さくなっている。
ここで、厚みとは、板状に形成された本体部分の厚みを指し、突出部の存在によって厚みが部分的に大きくなっている箇所の厚みや、凹部の存在によって部分的に厚みが小さくなっている箇所の厚みを指すものではない。
【0062】
例えば、本実施形態では、図5に示すように、進出部614に、突出部614Aが設けられているが、進出部614の厚みW6とは、この突出部614Aを除いた部分における厚みを指す。
同様に、接触部材700にも、突起740が設けられているが、接触部材700の厚みW5とは、この突起740を除いた部分における厚みを指す。
【0063】
図13(A)、(B)は、接触部材700等の他の構成例を示した図であり、図13(A)に示すように、この構成例でも、進出部614に、突出部614Bが設けられているが、進出部614の厚みW6とは、この突出部614Bを除いた部分における厚みを指す。
なお、この構成例では、図5にて示した突出部614Aは、設けられておらず、規制用ねじ220の頭部221は、板状の進出部614の側面614Xに突き当たる。
また、図13(A)にて示すこの構成例では、接触部材700に、図5には示されていない突出部789が設けられているが、接触部材700の厚みW5とは、この突出部789を除いた部分における厚みを指す。
【0064】
図13(B)は、図13(A)における矢印XIIIBで示す方向から、進出部614を見た場合の図である。この進出部614では、接触部材700(図13(A)参照)側を向く面に、複数の凹部700Yが設けられている。
進出部614の厚みW6とは、この凹部700Yが設けられていない部分における厚みを指す。言い換えると、進出部614の厚みW6とは、この凹部700Yが設けられていない状態を想定した場合における進出部614の厚みを指す。
【0065】
図14は、他の構成例を示した図である。
この構成例では、接触部材700の接触面760が、用紙Pに接触しない状態のときも、斜め下方を向く。言い換えると、この構成例では、接触部材700が用紙Pから退避している状態のときも、接触部材700の接触面760が、斜め下方を向く。
言い換えると、この構成例では、接触部材700のうちの、用紙Pの縁部PBに接触する部分に、鉛直方向に対して傾斜し斜め下方を向く傾斜面が設けられている。
【0066】
より具体的には、図14にて示すこの構成例では、接触部材700のうちの、用紙P側を向く面の全体に亘って傾斜が付与され、この面の全体が、鉛直方向に対して傾斜し斜め下方を向いている。
また、この構成例では、進出部614およびコイルばねKBが設けられていない構成となっており、接触部材700は、第1進出部材610(図5参照)に設けられたアーム部613により直接支持されている。
この構成例でも、この接触面760を、用紙Pの縁部PBに押し当てることで、用紙Pの延び方向における位置の揃えが行われ、また、用紙Pを上方から押さえつける荷重が用紙Pに作用する。
【0067】
図15、16は、接触部材700の他の構成例を示した図である。
この構成例では、図15に示すように、接触部材700のうちの、用紙P側を向く面790に、上記と同様、斜め下方を向く接触面760が設けられている。言い換えると、接触部材700のうちの、用紙P側を向く面790に、斜め下方を向く傾斜面が設けられている。
さらに、用紙P側を向くこの面790には、鉛直方向に沿って配置された面である鉛直面762が設けられている。
【0068】
この構成例では、用紙Pの膨らみを抑えやすくなる。
この構成例では、図16に示すように、接触部材700のうちの鉛直面762の部分を、用紙Pの縁部PBに押し当てる。これにより、上記と同様、用紙Pの揃えが行われる。
さらに、この構成例では、例えば、図15に示すように、用紙Pがカールし、用紙Pが上方に向かって凸となるように膨らんでいる場合、図16に示すように、この膨らみが、接触面760により、上方から押圧される。これにより、この場合、用紙Pの膨らみが減り、用紙Pの積載乱れなどが生じにくくなる。
なお、この図15、16にて示す接触部材700は、第1進出部材610(図5参照)に設けられたアーム部613に直接取り付けるようにしてもよい。また、上記と同様、コイルばねKBおよび進出部614を設け、接触部材700は、コイルばねKBを介して進出部614に取り付けてもよい。
【0069】
次に、用紙Pが互い違いで積載される際の処理例を説明する。言い換えると、用紙Pがオフセットされて積載される場合の処理例を説明する。
本実施形態では、図9(用紙Pが互い違いで積載される際の処理例を説明する図)に示すように、予め定められた枚数の用紙Pが積載される度に、用紙Pの幅方向における積載位置をずらして用紙Pを積載し、互い違いでの用紙Pの積載を行えるようになっている。
より具体的には、第1の位置にて積載される用紙Pと、用紙Pの幅方向における位置がこの第1の位置とは異なる第2の位置にて積載される用紙Pとを、交互に積載できるようになっている。
【0070】
付言すると、本実施形態では、支持部300上に既に積載されている用紙Pである既積載用紙PXの上に新たな用紙Pの積載を行えるようになっており、さらに、この既積載用紙PXに対する位置がずらされた状態で、この新たな用紙Pの積載を行えるようになっている。
このように、用紙Pが互い違いで積載される場合は、図9に示すように、例えば、第1進出部材610が用紙Pに進出する一方で、他方の進出部材である第2進出部材620は、この第1進出部材610により押圧され移動してくる用紙Pを受ける。
【0071】
ここで、用紙Pの押圧する側である第1進出部材610側では、用紙Pの縁部PBに対して、接触部材700が押し当てられる。
また、用紙Pの受け側である第2進出部材620側は、その位置が固定され、固定されたこの第2進出部材620側に向かって用紙Pが移動し、この第2進出部材620側によって用紙Pの移動が停止される。
また、この第2進出部材620側では、既積載用紙PXの上面に、第2進出部材620側に設けられた接触部材700が接触配置される。
【0072】
ここで、本実施形態では、第2進出部材620側が受け部として機能し、本実施形態では、第1進出部材610の進出に伴い移動してくる用紙Pを、第2進出部材620側で受ける。
より具体的には、第2進出部材620に取り付けられた接触部材700がこの用紙Pを受ける。
【0073】
より具体的には、本実施形態では、移動してくる用紙Pの縁部PBがこの接触部材700に接触して、この用紙Pの移動が規制され、用紙Pが予め定められた位置にて停止する。
なお、このとき、本実施形態では、この接触部材700と第2進出部材620との間に配置された、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2により、この接触部材700が支持される。
【0074】
なお、図9では、第1進出部材610が進出し、第2進出部材620が用紙Pを受ける場合を示したが、用紙Pの積載位置がもう一方の積載位置に変更されたうえで用紙Pの積載が行われる場合には、第2進出部材620が用紙Pに進出し、第1進出部材610側が用紙Pを受ける。
【0075】
また、本実施形態では、用紙Pの積載位置の変更は、支持部300を、用紙Pの幅方向に移動させることにより行う。
但し、これに限られず、第1積載部43に向けて用紙Pを排出する排出口を、用紙Pの幅方向に移動させるなど、他の方法を用いて、用紙Pの積載位置を変更してもよい。
【0076】
ここで、本実施形態では、図9に示すように、用紙Pを押圧する側である第1進出部材610は、用紙Pを受ける側である第2進出部材620よりも下方に配置される。
また、用紙Pを押圧する側である第1進出部材610は、上記の図6図7にて示した状態で配置される。
この場合、この第1進出部材610側では、上記にて説明したように、接触部材700の接触箇所780(図6、7参照)が、用紙Pに接触する。
【0077】
一方で、用紙Pを受ける側である第2進出部材620側については、図9に示すように、既積載用紙PXの上方に配置される。
より具体的には、本実施形態では、第2進出部材620側に設けられた接触部材700が、既積載用紙PXの上に載るようになる。より具体的には、第2進出部材620側に設けられたこの接触部材700は、既積載用紙PXに接触配置される。
【0078】
その一方で、本実施形態では、第2進出部材620は、既積載用紙PXよりも上方に配置され、既積載用紙PXに対して非接触の状態で配置される。
さらに、本実施形態では、既積載用紙PXの上に新たな用紙Pが積載されると、矢印9Aで示すように、この新たな用紙Pを挟んで第2進出部材620とは反対側から、この新たな用紙Pに向かって第1進出部材610が進出する。
【0079】
さらに、本実施形態では、第2進出部材620側に設けられた接触部材700が、既積載用紙PXに接触する場合、接触部材700の下縁部709がこの既積載用紙PXに接触する。
ここで、上記では説明を省略したが、本実施形態では、接触部材700の下縁部709の厚みD1が、接触部材700の上縁部710の厚みD2よりも小さくなっている。
【0080】
より具体的には、本実施形態の接触部材700は、板状に形成され、且つ、用紙Pの搬送方向に沿うように配置されているが、この板状の接触部材700では、下縁部709の厚みD1の方が、上縁部710の厚みD2よりも小さくなっている。
付言すると、本実施形態では、第1進出部材610、第2進出部材620の移動方向における厚みを比べた場合に、下縁部709の厚みの方が上縁部710の厚みよりも小さくなっている。
【0081】
また、本実施形態では、図9に示すように、接触部材700のうちの下側に位置する下側部位700Fでは、下縁部709に向かうに従い厚みが小さくなっている。
付言すると、本実施形態では、接触部材700のうちの、第2進出部材620が位置する側の面に、テーパが付されており、接触部材700の下側部位700Fでは、下縁部709に向かうに従い接触部材700の厚みが次第に小さくなる。
【0082】
より具体的には、本実施形態は、接触部材700が有する、第2進出部材620側を向く面のうち、下側に位置する部分には、下方に向かうに従い第2進出部材620から次第に離れる傾斜が付与されている。これにより、上記の下側部位700Fでは、下縁部709に向かうに従い接触部材700の厚みが小さくなる。
より具体的には、接触部材700が有する、第2進出部材620側を向く面のうち、下側に位置する部分には、テーパ面TMが設けられており、下側部位700Fでは、下縁部709に向かうに従い接触部材700の厚みが小さくなる。
【0083】
また、本実施形態では、接触部材700のうちの、根本側コイルばねKB2、先端側コイルばねKB1に接触しない箇所に、テーパ面TMが設けられている。
付言すると、本実施形態では、図中矢印9Xに示す方向へ向けて、テーパ面TM、根本側コイルばねKB2、先端側コイルばねKB1を投影した場合に、テーパ面TMと根本側コイルばねKB2、テーパ面TMと先端側コイルばねKB1との間に重なりが生じないようになっている。
【0084】
付言すると、本実施形態では、接触部材700の厚み方向に向けて且つこの接触部材700に平行な面9Zに向けて、テーパ面TM、根本側コイルばねKB2、先端側コイルばねKB1を投影した場合に、テーパ面TMと根本側コイルばねKB2、テーパ面TMと先端側コイルばねKB1との間に重なりが生じないようになっている。
これにより、本実施形態では、接触部材700にテーパの形状を付与しつつ、接触部材700の変形を抑えられるようになる。
【0085】
ここで、接触部材700のうちの、根本側コイルばねKB2、先端側コイルばねKB1が接触する箇所に、上記のテーパ面TMがあると、テーパ面TMが形成された部分では、接触部材700の厚みが小さいために、接触部材700が変形しやすくなる。
これに対し、上記のように、接触部材700のうちの、根本側コイルばねKB2、先端側コイルばねKB1に接触しない箇所に、上記のテーパ面TMがあると、接触部材700の変形が抑制される。
【0086】
図10は、図9の矢印Xで示す方向から、支持部300、用紙P、第2進出部材620、接触部材700を見た場合の図である。
本実施形態では、用紙Pを受ける側である第2進出部材620は、上記のとおり、既積載用紙PXの上方に配置される。
さらに、上記のとおり、本実施形態では、接触部材700が、既積載用紙PXの上に載り、さらに、接触部材700の下縁部709が、この既積載用紙PXに接触する。
【0087】
ここで、本実施形態では、下縁部709は、既積載用紙PXの表面に沿って配置され、下縁部709と既積載用紙PXとは線接触する。
また、本実施形態では、下縁部709が既積載用紙PXに接触している際、この下縁部709と既積載用紙PXとの平行度の方が、第2進出部材620の下縁部610Eと既積載用紙PXとの平行度よりも高くなっている。
【0088】
ここで、本実施形態では、用紙Pを押圧する側である、第1進出部材610は、例えば、図6に示す状態で配置される。
また、用紙Pを受ける側である、第2進出部材620は、図10で示す状態で配置され、第2進出部材620は、第1進出部材610よりも、既積載用紙PXに沿った状態で配置される。
【0089】
付言すると、本実施形態では、第1進出部材610側に設けられた先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の各々の軸中心C2同士を結ぶ線L11と用紙Pの縁部PBとのなす角度が、図6に示すように、角度αとなる。
これに対し、第2進出部材620側に設けられた先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の各々の軸中心C21同士を結ぶ線L21と用紙Pの縁部PBとのなす角度が、図10に示すように、角度βとなる。
本実施形態では、角度αの方が、角度βよりも大きくなるように、第1進出部材610、第2進出部材620が配置される。
【0090】
また、本実施形態では、第2進出部材620(図10参照)側では、新たに供給された用紙P(図10では不図示)からこの第2進出部材620側に作用する荷重を、コイルばねKBで受けるが、このとき、本実施形態では、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の2つのコイルばねKBで、この荷重を受ける。
これに対し、第1進出部材610(図6参照)側でも、用紙Pからの反作用に起因する荷重を、コイルばねKBにより受けるが、このとき、本実施形態では、この荷重を、主に、先端側コイルばねKB1で受ける。
【0091】
ここで、受け側である第2進出部材620(図10参照)側では、上記のように、2個のコイルばねKBで荷重を受けるため、個々のコイルばねKBに作用する荷重は小さくなる。この場合、第2進出部材620側に設けられた接触部材700は移動しにくくなり、この接触部材700による用紙Pの位置決めがより安定的になされる。
また、接触部材700が移動しにくい構成であると、この接触部材700の下方に位置しこの接触部材700が接触している既積載用紙PXが移動しにくくなる。
【0092】
また、本実施形態では、用紙Pを受ける受け部として機能するこの接触部材700に対して、用紙Pが押し当てられると、この接触部材700は、下縁部709(図9参照)を中心として、矢印9Fで示す方向へ回転しやすい。
付言すると、本実施形態では、接触部材700の下縁部709については、既積載用紙PXに接触し用紙Pから抗力を受け移動しにくい。その一方で、接触部材700のうちの下縁部709よりも上方に位置する部分は、新たな用紙Pにより押圧され、矢印9Fで示す方向へ倒れやすい。
この場合、接触部材700の下方に位置する既積載用紙PXは、移動しにくくなる。そして、この場合、接触部材700の下縁部709が移動することによる、既積載用紙PXの位置ずれが起きにくくなる。
【0093】
また、本実施形態では、上記のように、接触部材700に対して、テーパ面TMが付されており、これにより、接触部材700がさらに倒れやすくなっている。
付言すると、本実施形態では、接触部材700のうち、接触部材700が倒れる側に位置する面にテーパ面TMが付されており、接触部材700がさらに倒れやすくなっている。
【0094】
一方で、第1進出部材610(図6参照)側では、用紙Pからの反作用に起因する荷重を、主に、先端側コイルばねKB1で受ける。
この場合、この先端側コイルばねKB1の縮み量は大きくなり、接触部材700は大きく移動する。この場合、第1進出部材610側から用紙Pに作用する負荷が軽減される。
【0095】
ここで、用紙Pに作用する負荷が大きいと、用紙Pが波打ち変形したり、この負荷が解除された際に用紙Pが跳ねて揃えが乱れたりするおそれがある。また、用紙Pに作用する負荷が大きいと、用紙Pの縁部PBが折れたりするおそれもある。
これに対し、本実施形態では、用紙Pに作用する負荷が軽減され、用紙Pに大きな負荷を作用させた際に生じる不具合が起こりにくくなる。
【0096】
ここで、用紙Pのサイズには、ばらつきが存在することも多く、規定値よりも大きい用紙Pが存在することもある。
この場合、この規定値よりも大きい用紙Pは、第1進出部材610や第2進出部材620により過度に押圧され、この場合、用紙Pの変形が生じたり、用紙Pが乱れたりするおそれがある。
【0097】
これに対して、本実施形態では、規定値よりも大きい用紙Pが存在する場合、接触部材700が用紙Pから退避する。
付言すると、規定値よりも大きい用紙Pが存在する場合には、第1進出部材610、第2進出部材620の進出方向とは反対方向へ、接触部材700が移動する。
これにより、用紙Pに対して過度な荷重が作用することが抑制され、用紙Pの変形や、用紙Pの乱れが抑えられる。
【0098】
本実施形態では、進出側に設けられた接触部材700の移動量(用紙Pからの退避量)の方が、受け側に設けられた接触部材700の移動量よりも大きくなる。
この場合、受け側では、用紙Pの位置決めをより精度よく行えるようになり、進出側では、用紙Pから作用する負荷を逃がせるようになる。
【0099】
なお、本実施形態では、図8に示したように、用紙Pに対して、第1進出部材610、第2進出部材620の両者を進出させる場合も、同様に、接触部材700の移動量(用紙Pからの退避量)が大きくなり、用紙Pに作用する負荷が軽減される。
用紙Pに対して、第1進出部材610、第2進出部材620の両者を進出させる場合も、主に、先端側コイルばねKB1が、用紙Pからの反作用に起因する荷重を受ける。
この場合、接触部材700が大きく移動し、第1進出部材610、第2進出部材620から用紙Pに作用する負荷が軽減される。
【0100】
なお、用紙Pをオフセットして積載する処理は、図15にて示した構成を用いて行ってもよい。
図15にて示した構成を用いる場合は、上記と同様、例えば、図17(用紙Pをオフセットして積載する際の状態を示した図)に示すように、用紙Pを押圧する側の接触部材700(符号17Aで示す接触部材700)を、用紙Pを受ける側の接触部材700(符号17Bで示す接触部材700)よりも下降させる。
【0101】
そして、用紙Pを押圧するにあたっては、用紙Pを押圧する側の接触部材700の接触面760の部分を、用紙Pに向けて進出させ、この接触面760を、用紙Pの縁部PBに接触させる。言い換えると、用紙Pを押圧する側の接触部材700のうちの傾斜面の部分を、用紙Pに向けて進出させ、この傾斜面を、用紙Pの縁部PBに接触させる。 これに対し、用紙Pを受ける側の接触部材700では、移動してくる用紙Pの延長線上に、鉛直面762が位置するように、接触部材700を位置させる。これにより、用紙の縁部PBが、この鉛直面762に押し当てられる。
なお、図17では、接触面760の鉛直方向に対する傾斜角度を、図15にて示した接触面760の鉛直方向に対する傾斜角度よりも小さくしている。
【0102】
この処理例では、用紙の縁部PBの押し当てが行われる面が、鉛直方向に沿っており、これにより、各用紙Pの延び方向における位置が揃う。
言い換えると、図中右側に設けられた接触部材700の鉛直面762が、鉛直方向に沿っており、この鉛直面762に対して用紙Pの押し当てが行われることで、各用紙Pの延び方向における位置が揃う。言い換えると、各用紙Pの水平方向における位置が揃う。
【0103】
また、この構成例では、新たに積載される用紙Pの上面の対向位置に、斜め下方を向く接触面760が位置するようになり、この新たに積載される用紙Pが上方に向かって凸となるように膨らむ場合には、上記と同様、この膨らみを抑えられる。
さらに、この構成例では、上記と同様、新たに積載される用紙Pが、接触面760により上方から押圧され、新たに積載されるこの用紙Pに対し、この用紙Pを下方に向けて押圧する荷重が作用する。
【0104】
また、本実施形態では、第1進出部材610、第2進出部材620を用いて用紙Pの揃え処理を行っている最中に上流側から搬送されてくる用紙Pを蓄積する蓄積部が設けられている。
より具体的には、本実施形態では、第1進出部材610および第2進出部材620の一方又は両方の進出部材600の進出が開始されてからこの進出部材600が元の位置に戻るまでの間に、上流側から支持部300に向かっての新たな用紙Pが搬送されることがあり、この場合、本実施形態では、この新たな用紙Pは、蓄積部に一時的に蓄積される。
【0105】
具体的には、本実施形態では、用紙集積部60(図2参照)が蓄積部として機能しており、上記の一方又は両方の進出部材600の進出が開始されてからこの進出部材600が元の位置に戻るまでの間に、複数枚の新たな用紙Pが用紙集積部60に蓄積される。
付言すると、本実施形態では、一方又は両方の進出部材600の進出が開始されてからこの進出部材600が元の位置に戻るまでの間に用紙集積部60へ達した複数枚の用紙Pが、この用紙集積部60に蓄積される。
そして、本実施形態では、進出した進出部材600が元の位置に戻ると、用紙集積部60に蓄積されている複数枚の用紙Pが、第1積載部43へ送られる。
【0106】
ここで、例えば、用紙集積部60に複数枚の用紙Pが蓄積されない構成であると、画像形成装置2(図1参照)における画像形成処理を一時的に停止させるなどの処理を行う必要が生じる。
より具体的には、第1積載部43にて用紙Pの揃え処理を行っている最中には、第1積載部43に向かう用紙Pの搬送が滞るため、この場合、画像形成装置2がこの影響を受け、画像形成処理を一時的に停止させるなどの処理を行う必要が生じる。
これに対して、本実施形態のように、用紙集積部60に複数枚の用紙Pを蓄積する場合、蓄積しない場合に比べ、画像形成装置2に与える影響が小さくなり、画像形成システム1の全体における処理効率を高められる。
【0107】
なお、上記では、第1進出部材610、第2進出部材620の両者に、用紙Pを押圧する機能と、用紙Pを受ける機能とを持たせたが、一方の進出部材600に、用紙Pを押圧する機能のみを持たせ、他方の進出部材600に、用紙Pを受ける機能のみを持たせてもよい。
付言すると、上記では、第1進出部材610、第2進出部材620の両者に、用紙Pに対して進退する機能を持たせた。ところで、これに限らず、第1進出部材610、第2進出部材620の一方の進出部材600のみに、用紙Pに対して進退する機能を付与し、他方の進出部材600には進退する機能を付与せず、この他方の進出部材600は固定した状態で設けてもよい。
【0108】
この場合、固定した状態で設けられる方の進出部材600は、進出する機能を有しないため、進出部材として捉えるのではなく、幅方向に沿って移動してくる用紙Pよりも下流側に配置された配置部材として捉えることができる。
付言すると、固定した状態で設けられる方の進出部材600は、もう一方の進出部材600により押圧され移動してくる用紙Pよりも用紙移動方向における下流側に配置された配置部材として捉えることができる。
【0109】
付言すると、この場合、用紙Pを押圧する側に位置する方の進出部材600については、支持部300により支持されている用紙Pを、用紙Pの幅方向へ移動させる移動手段として捉えることができる。
また、固定した状態で設けられる方の進出部材600については、この移動手段により移動してくる用紙Pよりも用紙移動方向下流側に配置された配置部材として捉えることができる。
【0110】
また、この場合、この配置部材側では、この配置部材側に設けられた接触部材700を用いて、移動手段により移動してくる用紙Pを受ける。
ここで、この場合、この接触部材700は、移動手段により移動してくるこの用紙Pと配置部材との間に配置される。
また、用紙Pを受ける側では、上記の接触部材700のような部材を設けず、例えば、鉛直方向に沿った壁部を設け、この壁部に用紙Pを突き当てるようにしてもよい。
【0111】
図11(A)、(B)は、移動機構730(図4参照)を説明する図である。
図11(A)は、移動機構730の上面図であり、図11(B)は、図11(A)の矢印XIB方向から移動機構730の一部を見た場合の図である。
本実施形態では、上記の通り、第1進出部材610、第2進出部材620を移動させる移動機構730が設けられている。
図11(A)に示すように、この移動機構730には、第1進出部材610、第2進出部材620の進退方向に沿って配置され、第1進出部材610、第2進出部材620の案内を行う案内部材910が設けられている。
【0112】
さらに、本実施形態では、第1進出部材610を移動させる第1移動機構921が設けられている。また、第2進出部材620を移動させる第2移動機構922が設けられている。
第1移動機構921には、第1進出部材610の進退方向に沿う部分を有した環状のベルト部材921Aが設けられている。さらに、このベルト部材921Aを移動させる第1駆動モータM101が設けられている。
【0113】
本実施形態では、ベルト部材921Aに対して第1進出部材610が固定されており、本実施形態では、第1駆動モータM101を駆動することで、第1進出部材610が用紙Pの幅方向に沿って進退する。
同様に、第2移動機構922にも、第2進出部材620の進退方向に沿う部分を有した環状のベルト部材922A、このベルト部材922Aを移動させる第2駆動モータM102が設けられており、この第2駆動モータM102を駆動することで、第2進出部材620が用紙Pの幅方向に沿って進退する。
【0114】
また、本実施形態では、図11(A)に示すように、回転機構950が設けられている。
この回転機構950は、第1進出部材610の根本610Aの部分を中心として第1進出部材610を回転させ、第2進出部材620の根本620Aの部分を中心として第2進出部材620を回転させる。
【0115】
回転機構950には、第1進出部材610、第2進出部材620の進退方向に沿って延び、第1進出部材610、第2進出部材620を下方から支持する支持部材951が設けられている。
さらに、回転機構950には、この支持部材951を上下動させる上下動機構952が設けられている。
【0116】
上下動機構952には、第3駆動モータM103が設けられている。また、上下動機構952には、第3駆動モータM103により回転し、一端954Aが上下動する回転部材954が設けられている。本実施形態では、回転部材954のこの一端954Aに対して、支持部材951に取り付けられている。
本実施形態では、第3駆動モータM103を駆動し、図11(B)に示すように、回転部材954を回転させると、支持部材951が上下動し、これに伴い、第1進出部材610、第2進出部材620が上下動する。
【0117】
ここで、本実施形態では、図8にて示したように、第1進出部材610、第2進出部材620を用い、用紙Pの両側から用紙Pを押圧する際には、第3駆動モータM103を駆動し、支持部300により支持されている用紙Pの側方まで、第1進出部材610、第2進出部材620を下降させる。
次いで、本実施形態では、第1駆動モータM101、第2駆動モータM102を駆動して、第1進出部材610、第2進出部材620を用紙Pに向けて移動させる。
【0118】
また、第1進出部材610、第2進出部材620を、図9のように配置するには、同様に、第3駆動モータM103を駆動する。これにより、支持部300により支持される用紙Pの側方まで、第1進出部材610が下降する。
さらに、本実施形態では、第1進出部材610が下降している途中で、第2進出部材620の移動が既積載用紙PXにより規制され、既積載用紙PXの上方に、第2進出部材620が位置するようになる。
そして、第1駆動モータM101を駆動して、第1進出部材610を用紙Pに向けて進出させる。
【符号の説明】
【0119】
2…画像形成装置、3…用紙処理装置、300…支持部、610…第1進出部材、614…進出部、620…第2進出部材、700…接触部材、709…下縁部、710…上縁部、760…接触面、762…鉛直面、C…軸中心、KB…コイルばね、P…用紙、PB…縁部、PU…上面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図17