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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】点灯装置および照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/34 20200101AFI20240702BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20240702BHJP
   H05B 45/385 20200101ALI20240702BHJP
   H05B 45/14 20200101ALI20240702BHJP
【FI】
H05B45/34
H05B45/325
H05B45/385
H05B45/14
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020058291
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2021157986
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-01-30
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江口 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】今▲吉▼ ちづる
(72)【発明者】
【氏名】篠田 健吾
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-018736(JP,A)
【文献】特開2014-102956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/34
H05B 45/325
H05B 45/385
H05B 45/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から供給される電力を1次巻線からフライバック方向に巻かれた2次巻線と、前記2次巻線とは逆のフォワード方向に巻かれた3次巻線に伝達するトランスを有するフライバック回路と、
前記2次巻線の出力電圧を供給され光源を点灯させる点灯回路と、
前記光源が第1状態のときと比較して、前記光源が前記第1状態よりも消費電力が小さい第2状態のときに、前記2次巻線の前記出力電圧が高くなるように前記フライバック回路を制御する制御部と、
を備え
前記第2状態は、外部から前記光源の消灯を指示する信号が入力されたことによる、前記光源の消灯状態であることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記3次巻線の出力電圧によって充電される電池を備えることを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
前記光源は、前記外部電源の停電時に前記電池から電力を供給されて点灯することを特徴とする請求項に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記光源が前記第2状態のとき、前記3次巻線の前記出力電圧は前記電池の充電が可能な電圧以上となることを特徴とする請求項またはに記載の点灯装置。
【請求項5】
前記フライバック回路は、前記1次巻線に接続されるスイッチング素子を有し、
前記制御部は、前記2次巻線の前記出力電圧が予め定められた電圧と一致するように前記スイッチング素子のオンオフを制御することを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項6】
請求項1からの何れか1項に記載の点灯装置と、
前記光源と、
を備えることを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、点灯装置および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外部の電源からの電力供給により発生する直流電圧を所定周期でオンオフするスイッチング素子と、トランスとを備える電源装置が開示されている。トランスの第1の巻線は、スイッチング素子によりオンオフされる直流電圧を入力する。トランスの第2の巻線は、第1の巻線により入力される直流電圧のオフ時に電圧を出力するフライバック巻線である。トランスの第3の巻線は、外部の電源の種類に応じて巻数を切り替えるために選択されるタップが付され、第1の巻線により入力される直流電圧を巻数に応じた電圧に変換して出力するフォワード巻線である。
【0003】
電源装置は、さらに整流平滑回路と、点灯回路と、電圧検出回路と、制御回路を備える。整流平滑回路は、第2の巻線から出力された電圧を整流及び平滑する。点灯回路は、整流平滑回路により整流及び平滑された電圧により得られる電力を外部の光源に供給する。電圧検出回路は、第3の巻線の両端間の電圧を検出する。
【0004】
制御回路は、第3の巻線から出力される電圧を駆動電圧として動作する。制御回路は、起動時は、電圧検出回路により検出された電圧に基づいて外部の電源の種類を判定し、外部の電源の種類の判定結果が第3の巻線で選択されているタップに対応する種類とは別の種類であれば第3の巻線で当該別の種類に対応するタップを選択する。制御回路は、その後は、電圧検出回路により検出される電圧を監視し、当該電圧に基づいて点灯回路から外部の光源への電力供給を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6169329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
誘導灯は、映画館での上映時などに、リモートで消灯する機能を有する場合がある。このような消灯時には一般に消費電力が低下する。このとき、フライバックトランスの逆巻き線では、出力電圧が低下する場合がある。これに対し、特許文献1のように電圧低下分を見越して巻数を切り替えることが考えられる。しかし、この場合、回路の追加により製造コストが上昇するおそれがある。
【0007】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、容易に3次巻線の出力電圧の低下を抑制できる点灯装置および照明器具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る点灯装置は、外部電源から供給される電力を1次巻線からフライバック方向に巻かれた2次巻線と、該2次巻線とは逆のフォワード方向に巻かれた3次巻線に伝達するトランスを有するフライバック回路と、該2次巻線の出力電圧を供給され光源を点灯させる点灯回路と、該光源が第1状態のときと比較して、該光源が該第1状態よりも消費電力が小さい第2状態のときに、該2次巻線の該出力電圧が高くなるように該フライバック回路を制御する制御部と、を備え、該第2状態は、外部から該光源の消灯を指示する信号が入力されたことによる、該光源の消灯状態である。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る点灯装置では、光源の消費電力が小さいほど、制御部は2次巻線の出力電圧を高くする。従って、容易に3次巻線の出力電圧の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る照明器具の回路ブロック図である。
図2】実施の形態1に係る制御部の機能ブロック図である。
図3】比較例に係る照明器具の電流電圧波形を示す図である。
図4】実施の形態1に係る照明器具の電流電圧波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施の形態に係る点灯装置および照明器具について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具130の回路ブロック図である。照明器具130は、例えば誘導灯である。照明器具130は、点灯装置100と、光源モジュール30とを備える。点灯装置100は、例えば誘導灯点灯装置である。
【0013】
光源モジュール30は複数の光源31を備える。光源31はLED等の発光素子である。複数の光源31は直列接続されている。複数の光源31は並列接続されても良いし、直並列に接続されても良い。
【0014】
点灯装置100は、整流回路2とフライバック回路11を備える。整流回路2は、外部電源1から供給される電圧を整流する。整流回路2は、ダイオードブリッジである。外部電源1は、商用電源であり例えばAC100Vである。整流回路2の出力には、平滑コンデンサ3が接続される。整流回路2で整流された電圧は、平滑コンデンサ3で平滑される。
【0015】
平滑コンデンサ3と並列に、フライバック回路11が接続される。フライバック回路11はトランス4を有する。トランス4は、1次巻線4a、2次巻線4b、3次巻線4cを有する。トランス4は、外部電源1から供給される電力を1次巻線4aから2次巻線4bと3次巻線4cに伝達する。トランス4は、外部電源からの電圧を低下させるフライバックトランスである。
【0016】
1次巻線4aの一端は、平滑コンデンサ3の正極に接続される。フライバック回路11は、1次巻線4aに接続されるスイッチング素子6を有する。スイッチング素子6は、例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。スイッチング素子6の第1端子は1次巻線4aの他端に接続される。スイッチング素子6の第2端子は、平滑コンデンサ3の負極に接続される。スイッチング素子6の制御端子はフライバック制御回路5に接続される。制御端子は第1端子と第2端子の間のオンオフを切り替える端子である。
【0017】
2次巻線4bの一端は、ダイオード7を介してスイッチ18の一端に接続される。2次巻線4bは、フライバック出力となる。スイッチ18の他端には点灯回路15が接続される。2次巻線4bの他端は点灯回路15に接続される。2次巻線4bの一端と他端の間には、コンデンサ8が接続される。
【0018】
3次巻線4cは、2次巻線4bとは逆極性に巻かれている。3次巻線4cはフォワード巻線である。3次巻線4cの一端は、ダイオード9を介して充電回路12に接続される。3次巻線4cの他端は充電回路12に接続される。3次巻線4cの一端と他端の間には、コンデンサ10が接続される。
【0019】
充電回路12の出力には、電池13が接続される。電池13には、放電回路14の入力が接続される。放電回路14の出力には点灯回路15が接続される。点灯回路15の出力には、光源モジュール30が接続される。
【0020】
また、フライバック制御回路5、充電回路12、放電回路14、点灯回路15、コンデンサ8の正極、スイッチ18には、制御回路16が接続される。制御回路16は、フライバック制御回路5、充電回路12、放電回路14を制御する。また、制御回路16は、例えば点灯回路15が有するスイッチング素子のオンオフを制御して、光源31の明るさを制御する。また、制御回路16はスイッチ18のオンオフを制御する。また、制御回路16には外部機器17から消灯信号が入力される。
【0021】
平滑コンデンサ3で平滑された電圧は、フライバック回路11で降圧される。フライバック回路11の出力電圧は、点灯回路15、充電回路12に供給される。誘導灯である照明器具130において、外部電源1が供給される常用時は、点灯回路15は、2次巻線4bの出力電圧を供給され光源31を常用点灯させる。また、常用時において電池13は、充電回路12を介して、3次巻線4cの出力電圧によって充電される。
【0022】
外部電源1が遮断されると停電となる。このような非常時には、フライバック回路11から点灯回路15への電源供給がなくなる。このとき、電池13から電源を供給されて放電回路14が動作する。放電回路14は、点灯回路15に電源を供給する。これにより、点灯回路15は光源31を非常点灯させる。このように、光源31は、外部電源1の停電時に電池13から電力を供給されて点灯する。
【0023】
制御回路16は、常用時および非常時のフライバック制御回路5、充電回路12、放電回路14、点灯回路15の動作を制御する。また、制御回路16は、消灯信号が入力されると、スイッチ18を導通状態から開放状態に切り替える。これにより、フライバック回路11から点灯回路15への電力供給が遮断され、光源31が消灯する。消灯信号は、例えば映画館での上映時または人の不在が明確な時などに入力される。
【0024】
制御回路16は、点灯回路15への出力電圧Voutを検出する。コンデンサ8と並列に出力電圧Voutを検出するための分圧回路が設けられても良い。出力電圧Voutは制御回路16経由でフライバック制御回路5に帰還される。フライバック制御回路5は、出力電圧Voutに応じて、出力電圧Voutが予め定められた電圧と一致するようにスイッチング素子6の制御端子にスイッチング信号を出力する。スイッチング信号は、例えばPWM(Pulse Width Modulation)信号である。
【0025】
このように、2次巻線4bの出力電圧Voutであるフライバック出力は、制御回路16およびフライバック制御回路5で一定に制御される。しかし、逆極性の3次巻線4cの出力電圧は、フィードバック制御されない。3次巻線4cからは、例えば平滑コンデンサ3に発生する電圧に比例した電圧が出力される。平滑コンデンサ3に発生する電圧は、外部電源1を整流した電圧である。
【0026】
図2は、実施の形態1に係る制御部21の機能ブロック図である。制御部21は、制御回路16とフライバック制御回路5を有する。制御部21は、2次巻線4bの出力電圧Voutが予め定められた電圧と一致するように、スイッチング素子6のオンオフを制御する。制御回路16とフライバック制御回路5の各々は、例えばマイコンである。制御部21は、マイコン等の1つの制御装置で形成されても良く、複数の制御装置で形成されても良い。制御回路16とフライバック制御回路5の各々が、複数の制御装置で形成されても良い。
【0027】
制御部21は、演算部21a、電圧検出部21b、記憶部21c、受信部21d、送信部21eを有する。記憶部21cは、例えば不揮発性メモリなどからなる。記憶部21cは、演算部21aが実行すべき演算プログラムおよび演算に用いられる各種データを記憶している。記憶部21cに対して外部からデータの書き込みおよび読み出しが行われる。制御回路16とフライバック制御回路5の各々が、記憶部を有しても良い。記憶部21cは、例えば出力電圧Voutとスイッチ18の動作とコンデンサ10の電圧の対応関係を記憶している。
【0028】
電圧検出部21bには、2次巻線4bの出力電圧Voutが入力される。電圧検出部21bは、出力電圧Voutをデジタル値に変換するA/D変換回路を有しても良い。このデジタル値を用いて演算部21aにより演算処理が行われる。
【0029】
また、受信部21dは、外部機器17から消灯信号を受信する。演算部21aは、消灯信号に応じて、スイッチング素子6の制御を変更する。
【0030】
送信部21eは、演算部21aの演算結果に応じて、スイッチング素子6へのスイッチング信号、充電回路12および放電回路14への制御信号、点灯回路15への調光信号を送信する。また、送信部21eは、スイッチ18を導通状態と開放状態との間で切り替える切り替え信号を送信する。
【0031】
図3は、比較例に係る照明器具の電流電圧波形を示す図である。図3における横軸は時刻を示す。左から右に照明器具130の動作が遷移する。時刻T0では外部電源1は供給されていない。また、図3において電池13の電池電圧がゼロの状態から充電する場合の例を示した。
【0032】
時刻T1で外部電源1が投入される。これにより、コンデンサ8、10に電圧が発生する。また、コンデンサ8の電圧により、点灯回路15が光源31を常用点灯させる。従って、LED電流が流れる。また、コンデンサ10の電圧の上昇により、電池13が充電された状態となり、電池電圧が充電電圧まで上昇する。コンデンサ10の電圧は、充電に必要な必要電圧よりも大きい。
【0033】
時刻T2で外部電源1を遮断する。これにより、フライバック回路11が停止するためコンデンサ8、10の電圧はゼロとなる。このとき、電池電源が放電回路14を経由し点灯回路15に供給される。これにより、光源31は非常点灯する。非常点灯時は常用点灯時よりもLED電流が小さくても良い。
【0034】
時刻T3で外部電源1が投入される。これにより、各部の状態は時刻T1と同様となる。時刻T4から時刻T6にかけて外部電源1が低下する。このとき、コンデンサ8の電圧は制御部21によるフィードバック制御により一定値であるVoutに維持される。一方、トランス4の3次巻線4cから生成されたコンデンサ10の電圧は、外部電源1に比例して低下する。
【0035】
時刻T6で外部電源1の電圧が正常値に戻る。これにより、各部の状態は時刻T1と同様となる。時刻T7で制御回路16に消灯信号が入力される。制御回路16は消灯信号に応じてスイッチ18を遮断状態に切り替える。これにより、フライバック回路11から点灯回路15への電源供給が遮断される。従って、光源31は消灯し、LED電流はゼロになる。この時、外部電源1は遮断されていない。このため、制御回路16はコンデンサ8の電圧を定電圧制御する。また、制御回路16は非常点灯を実施しない。
【0036】
この時、外部電源1の電圧が正常値である。しかし、光源31が消灯することで、点灯時と比較して光源31での消費電力が大きく低下する。このとき、トランス4の特性により、コンデンサ10の電圧が低下する。このように、消灯時には、外部電源1の電圧は正常値であっても、コンデンサ10の電圧は時刻T1、T3、T6と同様の規定電圧に維持されない。
【0037】
コンデンサ10の電圧は、充電回路12の電源として使用される。コンデンサ10の電圧が低下することで、充電に必要な必要電圧を割り込み、正常に電池13を充電できないおそれがある。
【0038】
このように、誘導灯の消灯により、消費電力の低下および発熱の低減等の効果が得られる一方で、上記のような問題が生じる場合がある。コンデンサ10の電圧低下を抑制するため、3次巻線4cの巻き数を増やして3次巻線4cの出力電圧を高くしておくことが考えられる。しかし、3次巻線4cに十分な電圧の確保が可能な常用点灯時等においても、3次巻線4cの出力電圧が上昇する。このため、電力損失が大きくなり、消費電力および発熱が増加するおそれがある。
【0039】
また、2次巻線4b側から電源を供給できるように回路を追加することも考えられる。しかし、追加の回路が必要となり、製造コストの上昇および効率の低下が発生するおそれがある。
【0040】
図4は、実施の形態1に係る照明器具130の電流電圧波形を示す図である。本実施の形態の照明器具130の動作は、消灯信号が入力されたときの動作以外は、図3で説明したものと同様である。時刻T1までの動作は、比較例における時刻T1までの動作と同様である。時刻T2で消灯信号が入力される。これにより、照明器具130は比較例における時刻T7と同じ状態となる。
【0041】
時刻T3において、制御部21は、コンデンサ8の電圧を制御回路16からフライバック回路11経由で増加させる。これにより、トランス4の特性を改善し、コンデンサ10の電圧を必要電圧以上に上昇させることができる。この時、スイッチ18は遮断状態である。このため、フライバック回路11から点灯回路15への電源供給はされておらず、コンデンサ8の電圧の上昇により光源31が再点灯することもない。
【0042】
時刻T4において、消灯信号が停止する。このとき、制御部21は、コンデンサ8の電圧を消灯信号の入力前の電圧に戻す。これにより、照明器具130は時刻T1と同様の状態に戻る。
【0043】
このように、本実施の形態の制御部21は、光源31が点灯状態のときと比較して、光源31が消灯状態のときに、2次巻線4bの出力電圧Voutが高くなるようにフライバック回路11を制御する。光源31が消灯状態のとき、3次巻線4cの出力電圧は電池13の充電が可能な必要電圧以上となる。従って、3次巻線4cの出力電圧の低下を抑制できる。
【0044】
また、本実施の形態では3次巻線4cの巻き数の増加および追加の回路が必要ない。従って、容易に3次巻線4cの出力電圧の低下を抑制できる。
【0045】
2次巻線4bの出力電圧Voutを上昇させることでトランス4の消費電力は多少増える。しかし、光源31が消灯状態であるため、点灯時に比べて消費電力を低下させることができる。また、照明器具130の発熱を抑制できる。また、点灯時におけるコンデンサ8の電圧は一定である。このため、3次巻線4cの出力電圧の低下を抑制することによる点灯状態への影響を抑制できる。
【0046】
また、制御部21には通常のマイコンなどを使用できる。このため、2次巻線4bの出力電圧Voutの増減の制御は、制御部21のソフトウェアの変更のみで可能である。従って、追加回路なしで、容易に3次巻線4cの出力電圧の低下を抑制できる。
【0047】
消灯状態から点灯状態に戻る際、コンデンサ8の電圧が上昇した状態でスイッチ18を導通させると、サージ電流および光源31のフラッシュなどが発生するおそれがある。このため、予めコンデンサ8の電圧を通常値まで下げてからスイッチ18を導通させても良い。また、スイッチ18をゆっくり導通させても良い。このようなスイッチ18の制御の変更は、制御部21としてマイコンを使用することで、ソフトウェアの変更により回路の追加なしで対応できる。
【0048】
本実施の形態では、制御部21は、光源31が消灯状態のときに、2次巻線4bの出力電圧Voutを上昇させた。これに限らず制御部21は、光源31が第1状態のときと比較して、光源31が第1状態よりも消費電力が小さい第2状態のときに、2次巻線4bの出力電圧Voutが高くなるようにフライバック回路11を制御しても良い。制御部21は、光源31の消費電力が予め定められた規定値以上のときに2次巻線4bの出力電圧Voutを第1電圧とし、光源31の消費電力が規定値よりも小さいときに2次巻線4bの出力電圧Voutを第1電圧よりも大きい第2電圧としても良い。
【0049】
照明器具130は誘導灯等の非常用照明器具に限らず、光源を点灯させるあらゆる器具に適用できる。また、3次巻線4cから電力を供給される回路は、充電回路12に限らない。3次巻線4cは何らかの回路に電力を供給していれば良い。例えば、制御部21の電源が3次巻線4cから生成されても良い。この場合、2次巻線4bの出力電圧Voutの増加により3次巻線4cの出力電圧の低下を抑制することで、制御部21の電源を確保できる。
【0050】
なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 外部電源、2 整流回路、3 平滑コンデンサ、4 トランス、5 フライバック制御回路、6 スイッチング素子、7 ダイオード、8 コンデンサ、9 ダイオード、10 コンデンサ、11 フライバック回路、12 充電回路、13 電池、14 放電回路、15 点灯回路、16 制御回路、17 外部機器、18 スイッチ、21 制御部、21a 演算部、21b 電圧検出部、21c 記憶部、21d 受信部、21e 送信部、30 光源モジュール、31 光源、100 点灯装置、130 照明器具
図1
図2
図3
図4