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特許7512664医療診断支援装置、医療診断支援プログラム、および医療診断支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】医療診断支援装置、医療診断支援プログラム、および医療診断支援方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20240702BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20240702BHJP
   A61B 6/00 20240101ALI20240702BHJP
   A61B 6/46 20240101ALI20240702BHJP
   A61B 6/50 20240101ALI20240702BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20240702BHJP
   G01T 1/161 20060101ALI20240702BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240702BHJP
   G16H 30/20 20180101ALI20240702BHJP
   G16H 50/20 20180101ALI20240702BHJP
【FI】
A61B5/00 G
A61B5/055 380
A61B5/055 390
A61B6/00 550S
A61B6/00 560
A61B6/46 506Z
A61B6/50 500E
A61B8/14
G01T1/161 D
G06T7/00 350B
G06T7/00 616
G16H30/20
G16H50/20
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2020082500
(22)【出願日】2020-05-08
(65)【公開番号】P2021176424
(43)【公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】根本 絵梨
(72)【発明者】
【氏名】角森 昭教
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0161806(US,A1)
【文献】特開2012-139411(JP,A)
【文献】特開2018-116584(JP,A)
【文献】特表2018-516703(JP,A)
【文献】特開2020-010805(JP,A)
【文献】国際公開第2020/013230(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/059366(WO,A1)
【文献】特開2018-175227(JP,A)
【文献】特開2019-016235(JP,A)
【文献】特開2013-027439(JP,A)
【文献】国際公開第2020/158717(WO,A1)
【文献】特開2020-174861(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なるタイミングにおいて同一の対象者について取得された2つ以上の同一種類の医療関連情報に関する差分情報を取得する取得部と、
学習済みの識別器を用いて、前記取得部によって取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された前記発症リスクに関する情報を出力部に出力させる制御部と、
を有し、
前記医療関連情報は、前記対象者を撮影して取得された医用画像情報を含み、
前記取得部は、前記医用画像情報に関する前記差分情報を取得し、
前記推定部は、前記疾患の発症リスクとして、乳がんの発症リスクに関する情報を推定するものであって、前記発症リスクに関する情報として、前記疾患の発症確率を推定し、
前記制御部は、前記対象者の医用画像に、前記発症確率が関連付けられて表示される画面を生成して前記出力部に出力させる医療診断支援装置。
【請求項2】
それぞれ異なるタイミングにおいて同一の対象者について取得された2つ以上の同一種類の医療関連情報に関する差分情報を取得する取得部と、
学習済みの識別器を用いて、前記取得部によって取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された前記発症リスクに関する情報を出力部に出力させる制御部と、
を有し、
前記医療関連情報は、前記対象者を撮影して取得された医用画像に関する医用画像情報を含み、
前記取得部は、前記医用画像情報に関する前記差分情報を取得し、
前記推定部は、前記発症リスクに関する情報として、前記疾患の発症確率を推定し、
前記制御部は、前記発症リスクに応じて前記疾患に関する検査項目に関する情報を前記出力部に出力させ、前記対象者の医用画像に、前記発症確率が関連付けられて表示される画面を生成して前記出力部に出力させる医療診断支援装置。
【請求項3】
それぞれ異なるタイミングにおいて同一の対象者について取得された2つ以上の同一種類の医療関連情報に関する差分情報として、乳房の医用画像の差分情報を取得する取得部と、
学習済みの識別器を用いて、前記取得部によって取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクとして、乳がんの発症リスクに関する情報を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された前記発症リスクに関する情報を出力部に出力させる制御部と、
を有する医療診断支援装置。
【請求項4】
前記医療関連情報は、前記対象者を撮影して取得された医用画像に関する医用画像情報を含み、
前記取得部は、前記医用画像情報に関する前記差分情報を取得する請求項に記載の医療診断支援装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記発症リスクに関する情報として、前記疾患の発症確率を推定し、
前記制御部は、前記対象者の医用画像に、前記発症確率が関連付けられて表示される画面を生成して前記出力部に出力させる請求項1、2、および4のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【請求項6】
前記推定部は、前記発症リスクに関する情報として、前記対象者の身体の領域ごとの前記疾患の発症確率を推定し、
前記制御部は、前記対象者の前記医用画像上において、前記疾患の発症確率が高い領域ほど濃い色として示されるヒートマップ画面を生成して前記出力部に出力させる請求項1、2、および4のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記画面において、前記異なるタイミングにおいて取得された複数の前記医用画像を並べて一覧可能に表示させる請求項1、2、5、および6のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【請求項8】
前記出力部は、前記医用画像において、前記対象者の身体において疾患の発症確率が所定の値よりも高いと推定された領域に識別可能な図形を配置するとともに、発症確率を示すテキスト情報を前記領域に関連付けて配置して、前記医用画像を示す画面を出力する請求項1、2、5、および6のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【請求項9】
前記医用画像は、X線撮影装置、超音波撮影装置、MRI、およびPETの少なくともいずれかによって取得された画像である請求項のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【請求項10】
前記それぞれ異なるタイミングにおいて取得された前記2つ以上の医療関連情報には、それぞれ異なる装置によって取得された2つ以上の医療関連情報が含まれる請求項1~のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【請求項11】
前記推定部は、前記対象者の前記発症リスクとして、特定の時点における前記対象者の前記疾患の発症の有無および発症確率の少なくとも一方を推定する請求項3、および請求項3に従属する4~10のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記発症リスクに応じて前記疾患に関する検査の受診時期を前記出力部に出力させる請求項1~11のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記発症リスクに応じて前記疾患に関する検査項目および生活改善に関する情報の少なくとも一方を前記出力部に出力させる請求項1~12のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【請求項14】
前記推定部は、前記差分情報に加えて、前記医療関連情報を前記識別器への入力として用いて、前記発症リスクに関する情報を推定する請求項1~13のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【請求項15】
前記識別器は、それぞれ異なるタイミングにおいて取得された同一の対象者に関する前記2つ以上の医療関連情報の差分情報を入力データとし、前記対象者の特定の時点における前記発症リスクに関する情報を出力データとして機械学習される請求項1~14のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【請求項16】
前記識別器は、前記差分情報および前記医療関連情報を入力データとし、前記対象者の特定の時点における前記発症リスクに関する情報を出力データとして機械学習される請求項1~15のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【請求項17】
それぞれ異なるタイミングにおいて取得された同一の対象者に関する2つ以上の同一種類の医療関連情報に関する差分情報を取得するステップ(a)と、
学習済みの識別器を用いて、前記ステップ(a)において取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定するステップ(b)と、
前記ステップ(b)において推定された前記発症リスクに関する情報を出力するステップ(c)と、
を有し、
前記医療関連情報は、前記対象者を撮影して取得された医用画像に関する医用画像情報を含み、
前記ステップ(a)は、前記医用画像情報に関する前記差分情報を取得し、
前記ステップ(b)は、前記疾患の発症リスクとして、乳がんの発症リスクに関する情報を推定するものであって、前記発症リスクに関する情報として、前記疾患の発症確率を推定し、
前記ステップ(c)は、前記対象者の医用画像に、前記発症確率が関連付けられて表示される画面を生成して出力する処理をコンピューターに実行させるための医療診断支援プログラム。
【請求項18】
それぞれ異なるタイミングにおいて取得された同一の対象者に関する2つ以上の同一種類の医療関連情報に関する差分情報を取得するステップ(a)と、
学習済みの識別器を用いて、前記ステップ(a)において取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定するステップ(b)と、
前記ステップ(b)において推定された前記発症リスクに関する情報を出力するステップ(c)と、
を有し、
前記医療関連情報は、前記対象者を撮影して取得された医用画像に関する医用画像情報を含み、
前記ステップ(a)は、前記医用画像情報に関する前記差分情報を取得し、
前記ステップ(b)は、前記発症リスクに関する情報として、前記疾患の発症確率を推定し、
前記ステップ(c)は、前記発症リスクに応じて前記疾患に関する検査項目に関する情報を出力させ、前記対象者の医用画像に、前記発症確率が関連付けられて表示される画面を生成して出力する処理をコンピューターに実行させるための医療診断支援プログラム。
【請求項19】
それぞれ異なるタイミングにおいて取得された同一の対象者に関する2つ以上の同一種類の医療関連情報に関する差分情報を取得するステップ(a)と、
学習済みの識別器を用いて、前記ステップ(a)において取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定するステップ(b)と、
前記ステップ(b)において推定された前記発症リスクに関する情報を出力するステップ(c)と、
を有し、
前記医療関連情報は、前記対象者を撮影して取得された医用画像に関する医用画像情報を含み、
前記ステップ(a)は、前記医用画像情報に関する前記差分情報を取得し、
前記ステップ(b)は、前記疾患の発症リスクとして、乳がんの発症リスクに関する情報を推定するものであって、前記発症リスクに関する情報として、前記疾患の発症確率を推定し、
前記ステップ(c)は、前記対象者の医用画像に、前記発症確率が関連付けられて表示される画面を生成して出力する医療診断支援方法。
【請求項20】
それぞれ異なるタイミングにおいて取得された同一の対象者に関する2つ以上の同一種類の医療関連情報に関する差分情報を取得するステップ(a)と、
学習済みの識別器を用いて、前記ステップ(a)において取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定するステップ(b)と、
前記ステップ(b)において推定された前記発症リスクに関する情報を出力するステップ(c)と、
を有し、
前記医療関連情報は、前記対象者を撮影して取得された医用画像に関する医用画像情報を含み、
前記ステップ(a)は、前記医用画像情報に関する前記差分情報を取得し、
前記ステップ(b)は、前記発症リスクに関する情報として、前記疾患の発症確率を推定し、
前記ステップ(c)は、前記発症リスクに応じて前記疾患に関する検査項目に関する情報を出力させ、前記対象者の医用画像に、前記発症確率が関連付けられて表示される画面を生成して出力する医療診断支援方法。
【請求項21】
それぞれ異なるタイミングにおいて取得された同一の対象者に関する2つ以上の同一種類の医療関連情報の差分情報として、乳房の医用画像の差分情報を取得するステップ(a)と、
学習済みの識別器を用いて、前記ステップ(a)において取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定するステップ(b)と、
前記ステップ(b)において推定された前記発症リスクに関する情報を出力するステップ(c)と、
を有し、
前記ステップ(b)は、前記疾患の発症リスクとして、乳がんの発症リスクに関する情報を推定する処理をコンピューターに実行させるための医療診断支援プログラム。
【請求項22】
それぞれ異なるタイミングにおいて取得された同一の対象者に関する2つ以上の同一種類の医療関連情報の差分情報として、乳房の医用画像の差分情報を取得するステップ(a)と、
学習済みの識別器を用いて、前記ステップ(a)において取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定するステップ(b)と、
前記ステップ(b)において推定された前記発症リスクに関する情報を出力するステップ(c)と、
を有し、
前記ステップ(b)は、前記疾患の発症リスクとして、乳がんの発症リスクに関する情報を推定する医療診断支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療診断支援装置、医療診断支援プログラム、および医療診断支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乳がん等の疾患を発見するための検査においては、画一化されたプログラムによって集団に対して検査が実施されることが一般的である。このような検査においては、対象者個人の発症リスクのレベルに関わらず、一律の検査が実施されるため、疾患の早期発見が遅れる場合がある。
【0003】
このような問題に関連して、近年では、対象者を撮影して得られた画像等の情報を解析して、対象者個人の疾患の発症リスク等を推定するための技術として、下記の特許文献1、非特許文献1に示すような技術も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2007-524461号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】Adam Yala et al., Radiology Vol.292, No.1, A Deep Learning Mammography-based Model for Improved Breast Cancer Risk Prediction, URL:https://pubs.rsna.org/doi/10.1148/radiol.2019182716
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来技術においては、ある単一のタイミングにおいて対象者から取得された情報に基づいて発症リスク等を推定するものであり、推定の精度が低いことが問題となっている。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、対象者個人の疾患の発症リスクを精度よく推定するための医療診断支援装置、医療診断支援プログラム、および医療診断支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0009】
(1)それぞれ異なるタイミングにおいて同一の対象者について取得された2つ以上の同一種類の医療関連情報に関する差分情報を取得する取得部と、学習済みの識別器を用いて、前記取得部によって取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定する推定部と、前記推定部によって推定された前記発症リスクに関する情報を出力部に出力させる制御部と、を有し、前記医療関連情報は、前記対象者を撮影して取得された医用画像情報を含み、前記取得部は、前記医用画像情報に関する前記差分情報を取得し、前記推定部は、前記疾患の発症リスクとして、乳がんの発症リスクに関する情報を推定するものであって、前記発症リスクに関する情報として、前記疾患の発症確率を推定し、前記制御部は、前記対象者の医用画像に、前記発症確率が関連付けられて表示される画面を生成して前記出力部に出力させる医療診断支援装置。
(2)それぞれ異なるタイミングにおいて同一の対象者について取得された2つ以上の同一種類の医療関連情報に関する差分情報を取得する取得部と、学習済みの識別器を用いて、前記取得部によって取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定する推定部と、前記推定部によって推定された前記発症リスクに関する情報を出力部に出力させる制御部と、を有し、前記医療関連情報は、前記対象者を撮影して取得された医用画像に関する医用画像情報を含み、前記取得部は、前記医用画像情報に関する前記差分情報を取得し、前記推定部は、前記発症リスクに関する情報として、前記疾患の発症確率を推定し、前記制御部は、前記発症リスクに応じて前記疾患に関する検査項目に関する情報を前記出力部に出力させ、前記対象者の医用画像に、前記発症確率が関連付けられて表示される画面を生成して前記出力部に出力させる医療診断支援装置。
(3)それぞれ異なるタイミングにおいて同一の対象者について取得された2つ以上の同一種類の医療関連情報に関する差分情報として、乳房の医用画像の差分情報を取得する取得部と、学習済みの識別器を用いて、前記取得部によって取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクとして、乳がんの発症リスクに関する情報を推定する推定部と、前記推定部によって推定された前記発症リスクに関する情報を出力部に出力させる制御部と、を有する医療診断支援装置。
【0010】
)前記医療関連情報は、前記対象者を撮影して取得された医用画像に関する医用画像情報を含み、前記取得部は、前記医用画像情報に関する前記差分情報を取得する上記()に記載の医療診断支援装置。
)前記推定部は、前記発症リスクに関する情報として、前記疾患の発症確率を推定し、前記制御部は、前記対象者の医用画像に、前記発症確率が関連付けられて表示される画面を生成して前記出力部に出力させる上記(1)、(2)、および(4)のいずれかに記載の医療診断支援装置。
)前記推定部は、前記発症リスクに関する情報として、前記対象者の身体の領域ごとの前記疾患の発症確率を推定し、前記制御部は、前記対象者の前記医用画像上において、前記疾患の発症確率が高い領域ほど濃い色として示されるヒートマップ画面を生成して前記出力部に出力させる上記(1)、(2)、および(4)のいずれかに記載の医療診断支援装置。
)前記制御部は、前記画面において、前記異なるタイミングにおいて取得された複数の前記医用画像を並べて一覧可能に表示させる上記(1)、(2)、(5)、および(6)のいずれかに記載の医療診断支援装置。
)前記出力部は、前記医用画像において、前記対象者の身体において疾患の発症確率が所定の値よりも高いと推定された領域に識別可能な図形を配置するとともに、発症確率を示すテキスト情報を前記領域に関連付けて配置して、前記医用画像を示す画面を出力する上記(1)、(2)、(5)、および(6)のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【0011】
)前記医用画像は、X線撮影装置、超音波撮影装置、MRI、およびPETの少なくともいずれかによって取得された画像である上記()~()のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【0014】
10)前記それぞれ異なるタイミングにおいて取得された前記2つ以上の医療関連情報には、それぞれ異なる装置によって取得された2つ以上の医療関連情報が含まれる上記(1)~()のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【0016】
11)前記推定部は、前記対象者の前記発症リスクとして、特定の時点における前記対象者の前記疾患の発症の有無および発症確率の少なくとも一方を推定する上記(、および上記(3)に従属する(4)~(10)のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【0017】
12)前記制御部は、前記発症リスクに応じて前記疾患に関する検査の受診時期を前記出力部に出力させる上記(1)~(11)のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【0018】
13)前記制御部は、前記発症リスクに応じて前記疾患に関する検査項目および生活改善に関する情報の少なくとも一方を前記出力部に出力させる上記(1)~(12)のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【0019】
14)前記推定部は、前記差分情報に加えて、前記医療関連情報を前記識別器への入力として用いて、前記発症リスクに関する情報を推定する上記(1)~(13)のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【0020】
15)前記識別器は、それぞれ異なるタイミングにおいて取得された同一の対象者に関する前記2つ以上の医療関連情報の差分情報を入力データとし、前記対象者の特定の時点における前記発症リスクに関する情報を出力データとして機械学習される上記(1)~(14)のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【0021】
16)前記識別器は、前記差分情報および前記医療関連情報を入力データとし、前記対象者の特定の時点における前記発症リスクに関する情報を出力データとして機械学習される上記(1)~(15)のいずれかに記載の医療診断支援装置。
【0022】
17)それぞれ異なるタイミングにおいて取得された同一の対象者に関する2つ以上の同一種類の医療関連情報に関する差分情報を取得するステップ(a)と、学習済みの識別器を用いて、前記ステップ(a)において取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定するステップ(b)と、前記ステップ(b)において推定された前記発症リスクに関する情報を出力するステップ(c)と、を有し、前記医療関連情報は、前記対象者を撮影して取得された医用画像に関する医用画像情報を含み、前記ステップ(a)は、前記医用画像情報に関する前記差分情報を取得し、前記ステップ(b)は、前記疾患の発症リスクとして、乳がんの発症リスクに関する情報を推定するものであって、前記発症リスクに関する情報として、前記疾患の発症確率を推定し、前記ステップ(c)は、前記対象者の医用画像に、前記発症確率が関連付けられて表示される画面を生成して出力する処理をコンピューターに実行させるための医療診断支援プログラム。
18)それぞれ異なるタイミングにおいて取得された同一の対象者に関する2つ以上の同一種類の医療関連情報に関する差分情報を取得するステップ(a)と、学習済みの識別器を用いて、前記ステップ(a)において取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定するステップ(b)と、前記ステップ(b)において推定された前記発症リスクに関する情報を出力するステップ(c)と、を有し、前記医療関連情報は、前記対象者を撮影して取得された医用画像に関する医用画像情報を含み、前記ステップ(a)は、前記医用画像情報に関する前記差分情報を取得し、前記ステップ(b)は、前記発症リスクに関する情報として、前記疾患の発症確率を推定し、前記ステップ(c)は、前記発症リスクに応じて前記疾患に関する検査項目に関する情報を出力させ、前記対象者の医用画像に、前記発症確率が関連付けられて表示される画面を生成して出力する処理をコンピューターに実行させるための医療診断支援プログラム。
【0023】
19)それぞれ異なるタイミングにおいて取得された同一の対象者に関する2つ以上の同一種類の医療関連情報に関する差分情報を取得するステップ(a)と、学習済みの識別器を用いて、前記ステップ(a)において取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定するステップ(b)と、前記ステップ(b)において推定された前記発症リスクに関する情報を出力するステップ(c)と、を有し、前記医療関連情報は、前記対象者を撮影して取得された医用画像に関する医用画像情報を含み、前記ステップ(a)は、前記医用画像情報に関する前記差分情報を取得し、前記ステップ(b)は、前記疾患の発症リスクとして、乳がんの発症リスクに関する情報を推定するものであって、前記発症リスクに関する情報として、前記疾患の発症確率を推定し、前記ステップ(c)は、前記対象者の医用画像に、前記発症確率が関連付けられて表示される画面を生成して出力する医療診断支援方法。
20)それぞれ異なるタイミングにおいて取得された同一の対象者に関する2つ以上の同一種類の医療関連情報に関する差分情報を取得するステップ(a)と、学習済みの識別器を用いて、前記ステップ(a)において取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定するステップ(b)と、前記ステップ(b)において推定された前記発症リスクに関する情報を出力するステップ(c)と、を有し、前記医療関連情報は、前記対象者を撮影して取得された医用画像に関する医用画像情報を含み、前記ステップ(a)は、前記医用画像情報に関する前記差分情報を取得し、前記ステップ(b)は、前記発症リスクに関する情報として、前記疾患の発症確率を推定し、前記ステップ(c)は、前記発症リスクに応じて前記疾患に関する検査項目に関する情報を出力させ、前記対象者の医用画像に、前記発症確率が関連付けられて表示される画面を生成して出力する医療診断支援方法。
(21)それぞれ異なるタイミングにおいて取得された同一の対象者に関する2つ以上の同一種類の医療関連情報の差分情報として、乳房の医用画像の差分情報を取得するステップ(a)と、学習済みの識別器を用いて、前記ステップ(a)において取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定するステップ(b)と、前記ステップ(b)において推定された前記発症リスクに関する情報を出力するステップ(c)と、を有し、前記ステップ(b)は、前記疾患の発症リスクとして、乳がんの発症リスクに関する情報を推定する処理をコンピューターに実行させるための医療診断支援プログラム。
(22)それぞれ異なるタイミングにおいて取得された同一の対象者に関する2つ以上の同一種類の医療関連情報の差分情報として、乳房の医用画像の差分情報を取得するステップ(a)と、学習済みの識別器を用いて、前記ステップ(a)において取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定するステップ(b)と、前記ステップ(b)において推定された前記発症リスクに関する情報を出力するステップ(c)と、を有し、前記ステップ(b)は、前記疾患の発症リスクとして、乳がんの発症リスクに関する情報を推定する医療診断支援方法。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る医療診断支援装置は、それぞれ異なるタイミングにおいて同一の対象者について取得された2つ以上の医療関連情報に関する差分情報を取得する取得部と、学習済みの識別器を用いて、取得部によって取得された差分情報を入力とし、特定の時点における対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定する推定部と、推定部によって推定された発症リスクに関する情報を出力部に出力させる制御部と、を有する。これにより、対象者個人に関して取得された情報に基づいて、対象者個人の疾患の発症リスクを精度よく推定して出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】医療診断支援システムの全体構成を示す図である。
図2】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】情報処理装置において実行される医療診断支援処理の手順を示すフローチャートである。
図5】情報処理装置によって出力される情報の表示形態の一例を示す図である。
図6】情報処理装置によって出力される情報の表示形態の他の例を示す図である。
図7】情報処理装置によって出力される情報の表示形態の他の例を示す図である。
図8】情報処理装置によって出力される情報の表示形態の他の例を示す図である。
図9】情報処理装置によって出力される情報の表示形態の他の例を示す図である。
図10】学習済みモデルの機械学習方法を示すフローチャートである。
図11】変形例1に係る情報処理装置において実行される医療診断支援処理の手順を示すフローチャートである。
図12】変形例2に係る情報処理装置において実行される医療診断支援処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0027】
<全体構成>
図1は、医療診断支援システムの全体構成を示す図である。
【0028】
図1に示すように、医療診断支援システムは、情報処理装置100、撮影装置200、およびサーバー300を有する。
【0029】
情報処理装置100は、たとえばPCやスマートフォン、タブレット端末等のコンピューターであり、本実施形態においては医療情報支援装置として機能する。情報処理装置100は、撮影装置200およびサーバー300と接続可能に構成され、各装置との間で各種情報を送受信する。
【0030】
撮影装置200は、対象者を撮影した医用画像を示す医用画像情報を取得するための装置である。撮影装置200としては、たとえば、X線撮影装置、超音波撮影装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、PET(Positron Emission Tomography)等が用いられる。X線撮影装置には、マンモグラフィまたはトモシンセシスの撮影装置や、単純X線またはCT(Computed Tomography)の撮影装置等が含まれる。
【0031】
サーバー300は、対象者に関して取得された医用画像以外の医療に関する情報である非医用画像情報を取得して記憶するための装置である。非医用画像情報としては、たとえば、対象者のEHR(Electronic Health Record:電子健康記録)、PHR(Personal Health Record:個人健康記録)、各種生物学的検査の結果に関する情報等が記録される。なお、サーバー300は、非医用画像情報に加えて、撮影装置200によって取得された医用画像情報を撮影装置200から取得して記憶してもよい。
【0032】
<情報処理装置100の構成>
図2は、情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0033】
図2に示すように、情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130、ストレージ140、通信インターフェース150、表示部160、および操作受付部170を有する。各構成は、バス180を介して相互に通信可能に接続されている。
【0034】
CPU110は、ROM120やストレージ140に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御や各種の演算処理を行う。
【0035】
ROM120は、各種プログラムや各種データを格納する。
【0036】
RAM130は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。
【0037】
ストレージ140は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや、各種データを格納する。たとえば、ストレージ140には、学習済みの識別器を用いて、異なるタイミングで取得された2つ以上の医療関連情報の差分情報から対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定するためのアプリケーションがインストールされている。また、ストレージ140には、撮影装置200から取得された医用画像情報およびサーバー300から取得された非医用画像情報が記憶されてもよい。また、ストレージ140には、識別器として用いられる学習済みモデルや、機械学習に用いられる教師データが記憶されてもよい。医用画像情報および非医用画像情報は、医療関連情報を構成する。医療関連情報について、詳細は後述する。
【0038】
通信インターフェース150は、他の装置と通信するためのインターフェースである。通信インターフェース150としては、有線または無線の各種規格による通信インターフェースが用いられる。通信インターフェース150は、たとえば、撮影装置200またはサーバー300から医療関連情報を受信したり、保存のために推定結果をサーバー300等に送信したりする際に用いられる。
【0039】
表示部160は、LCD(液晶ディスプレイ)や有機ELディスプレイ等を備え、各種情報を表示する。本実施形態において、表示部160は、出力部として機能する。
【0040】
操作受付部170は、タッチセンサーや、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等を備え、ユーザーの各種操作を受け付ける。なお、表示部160および操作受付部170は、表示部160としての表示面に、操作受付部170としてのタッチセンサーを重畳することによって、タッチパネルを構成してもよい。
【0041】
<情報処理装置100の機能>
図3は、情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【0042】
図3に示すように、情報処理装置100は、CPU110がストレージ140に記憶されたプログラムを読み込んで処理を実行することによって、取得部111、推定部112、および制御部113として機能する。
【0043】
取得部111は、それぞれ異なるタイミングにおいて同一の対象者について取得された2つ以上の医療関連情報に関する差分情報を取得する。
【0044】
推定部112は、学習済みの識別器を用いて、前記取得部によって取得された前記差分情報を入力とし、特定の時点における前記対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定する。
【0045】
制御部113は、推定部によって推定された前記発症リスクに関する情報を出力部に出力させる。
【0046】
情報処理装置100において実行される処理について、詳細は後述する。
【0047】
<医療関連情報について>
医療関連情報には、医用画像情報および非医用画像情報が含まれる。
【0048】
医用画像情報は、たとえば、X線撮影装置、超音波撮影装置、MRI、PET等によって対象者を撮影して得られた画像を示す情報である。X線撮影装置によって取得される医用画像情報には、マンモグラフィ画像、トモシンセシス画像、単純X線画像、CT画像等が含まれる。
【0049】
非医用画像情報は、対象者のEHR/PHR情報や、各種生物学的検査の結果に関する情報を含む。
【0050】
EHR/PHR情報は、たとえば乳がんの場合、がん家族歴および罹患年齢、卵巣がん家族歴および罹患年齢、年齢、体重、身長、出産歴、第一子出産年齢、月経状態、閉経年齢、初経年齢、良性乳腺疾患の既往、卵巣がんの既往および罹患年齢等に関する情報を含む。また、肺がんの場合、EHR/PHR情報は、性別、がん家族歴、喫煙歴、喫煙量、既往歴等に関する情報を含む。また、脳腫瘍の場合、EHR/PHR情報は、年齢、がんの家族歴、既往歴(ウイルス感染)、頭皮や脳に対する治療歴等に関する情報を含む。
【0051】
生物学的検査の結果に関する情報は、血液検査や生体検査等の検査結果を示す情報である。生物学的検査は、たとえば、腫瘍マーカー検査、アミノ酸検査、遺伝子解析等を含む。遺伝子解析は、たとえば、マイクロアレイ分析、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、遺伝子(DNA/RNA)配列解析等によって、遺伝子経路活性(gene pathway activation)、ノンコーディングRNA(noncoding RNA)、複数のRNA(multiple RNAs)、一塩基多型(single nucleotide polymorphism)、コピー数多型(copy number polymorphism)エピジェネティック多型(epigenetic polymorphism)等を得ることを含む。
【0052】
<処理概要>
<推定処理について>
図4は、情報処理装置において実行される推定処理の手順を示すフローチャートである。図5は、情報処理装置によって出力される情報の表示形態の一例を示す図である。図6図9は、情報処理装置によって出力される情報の表示形態の他の例を示す図である。図4のフローチャートに示される情報処理装置100の処理は、情報処理装置100のストレージ140にプログラムとして記憶されており、CPU110が各部を制御することにより実行される。
【0053】
(ステップS101)
情報処理装置100は、それぞれ異なるタイミングにおいて同一の対象者について取得された2つ以上の医用画像を示す医用画像情報を取得する。たとえば、情報処理装置100は、1年前、2年前等の過去のある時点に対象者を撮影して得られた医用画像情報と、本処理を実行する時点で同一の対象者を撮影して得られた医用画像情報を取得する。あるいは、情報処理装置100は、マンモグラフィ撮影装置と超音波撮影装置のようにそれぞれ異なる撮影装置200(異なるモダリティ)によって、数秒または数分程度の異なるタイミングにおいて取得された2つ以上の医用画像情報を取得してもよい。
【0054】
(ステップS102)
情報処理装置100は、ステップS101の処理において取得された2つ以上の医用画像情報に関する差分を算出して差分情報を取得する。たとえば、情報処理装置100は、2つの医用画像情報それぞれについて、対象者の身体の同一の箇所に対応する画素を特定して当該画素同士の画素値の差分を算出してもよい。あるいは、情報処理装置100は、対象者の身体における特定の領域に対応する関心領域内の画像情報について差分を取得してもよい。また、情報処理装置100は、医用画像情報または上記の関心領域内の画像情報について、形状、サイズ、位置、密度、濃度、テクスチャ等に関する特徴量を抽出して特徴量同士の差分を算出してもよい。なお、ステップS101の医用画像情報の取得処理およびステップS102の差分の算出処理は、情報処理装置100以外の他の装置によって実行されてもよい。この場合、情報処理装置100は、当該他の装置において算出および生成された差分情報を取得する。
【0055】
(ステップS103)
情報処理装置100は、ステップS102の処理において取得された差分情報を、予め機械学習された識別器に入力して、特定の時点における対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定する。たとえば、識別器は、後述するような学習方法によって、予め多数準備された過去の被検者の異なるタイミングにおける複数の医用画像に関する差分情報と、最新の医用画像が取得されてから1年後、3年後、5年後等の特定の時点における当該被検者のがんの発症有無に関する情報とを有する教師データを用いて機械学習される。これにより、情報処理装置100は、対象者の医用画像について取得された差分情報を識別器に入力することによって、1年後、3年後、5年後等の特定の時点における対象者の疾患の発症の有無あるいは発症確率を推定することができる。
【0056】
たとえば、乳がんの発症リスクを推定する場合、乳房の医用画像に関する差分情報と特定の時点における乳がんの発症有無とを有する多数の教師データによって機械学習された識別器に、対象者の乳房の医用画像に関する差分情報を入力することによって、特定の時点における対象者の乳がんの発症リスクを推定することができる。
【0057】
なお、識別器に入力する情報は差分情報に限定されず、差分情報に加えて、医用画像情報や医用画像情報から抽出された各種特徴量も、識別器に入力して学習および推定を行うための情報として用いられてもよい。また、医療関連情報として、医用画像情報に加えて、非医用画像情報や非医用画像情報の差分情報も、識別器に入力して学習および推定を行うための情報として用いられてもよい。
【0058】
(ステップS104)
情報処理装置100は、ステップS103の処理における識別器による出力に基づいて、対象者の疾患の発症リスクに関する情報の推定結果を生成する。
【0059】
(ステップS105)
情報処理装置100は、ステップS104の処理において生成された推定結果を出力する。たとえば、情報処理装置100は、図5図9に示すような画面を表示部160に表示することによって推定結果を出力する(エンド)。
【0060】
たとえば、情報処理装置100は、図5に示すように、対象者の身体の領域ごとの疾患の発症確率をヒートマップとして示す画面を推定結果表示部161に表示してもよい。図5に示す例では、対象者の医用画像上において、疾患の発症確率が高い領域ほど濃い色となるように表現されている。これにより、医師等の医療スタッフは、疾患の発症確率が高い部位を一見して容易に視認することができる。なお、図5の画面下部のサムネイル表示部162には、各タイミングにおける対象者の医用画像がサムネイル(縮小画像)として時系列等の順番で一覧表示され得る。各サムネイルは、選択されることによって拡大表示され得る。これにより、医師等の医療スタッフは、疾患の発症確率が高い領域等の過去の状態や状態の推移を容易に確認することができる。サムネイル表示部162の表示については、以下の図6図9の画面においても同様である。
【0061】
また、情報処理装置100は、図6に示すように、対象者の身体において疾患の発症確率が高い領域に識別可能な図形163を配置して、対象者の医用画像を推定結果表示部161に表示するとともに、具体的な発症確率の数値等のテキストを関連付けて表示してもよい。これにより、医師等の医療スタッフは、疾患の発症確率が高い部位を一見して容易に視認できるとともに、具体的な発症確率等の詳細な情報もあわせて確認することができる。
【0062】
また、情報処理装置100は、図7に示すように、対象者の身体において疾患の発症確率が高い領域に識別可能な図形163を配置して、対象者の医用画像を推定結果表示部161に表示するとともに、並べて設けられる説明表示部164に発症リスクや発症確率を示す情報を表示してもよい。これにより、医師等の医療スタッフは、対象者の疾患の発症リスクや発症確率を把握しつつ、医用画像を確認することができる。
【0063】
また、情報処理装置100は、図8に示すように、対象者の過去の医用画像と現在の医用画像とを比較可能に並べて推定結果表示部161に表示してもよい。この場合、情報処理装置100は、過去の医用画像において、その時点で推定された疾患の発症リスクに関する情報を関連付けて表示し、疾患の発症リスクが高いと推定された箇所について、現在の医用画像においても病変等の発症状況を確認しやすいように、識別可能な図形163を表示してもよい。これにより、医師等の医療スタッフは、過去に疾患の発症リスクが高いと推定された箇所について、現在の状況を迅速かつ容易に把握することができる。
【0064】
また、情報処理装置100は、図9に示すように、特定の時点における対象者の発症リスクや発症確率を示す情報を、時系列のグラフとして推定結果表示部161に表示してもよい。これにより、医師等の医療スタッフは、対象者の疾患の発症リスクや発症確率の経時変化を視覚によって迅速かつ容易に把握することができる。
【0065】
なお、情報処理装置100は、疾患の発症リスクに関する情報を、図5図9のような画面として表示部160に表示させるかわりに、通信インターフェース150を介してサーバー300等の他の装置に送信することによって出力してもよい。あるいは、情報処理装置100は、疾患の発症リスクに関する情報を、プリンターに送信して印刷させることによって出力してもよい。上記の場合、通信インターフェース150は、出力部として機能する。
【0066】
また、情報処理装置100は、推定された疾患の発症リスクに応じて、疾患に関する検査の受診時期を出力してもよい。たとえば、情報処理装置100は、疾患の発症リスクが高いと推定された対象者に対して、通常の集団検査の受診時期または受診年齢よりも早期の受診を提案したり、通常の集団検査の受診サイクルよりも短いサイクルでの受診を提案したりすることができる。あるいは、情報処理装置100は、疾患の発症確率に関する閾値をストレージ140に予め記憶し、推定された疾患の発症確率が上記の閾値を超える時点を、当該疾患に関する検査の受診時期として提示してもよい。
【0067】
また、情報処理装置100は、推定された疾患の発症リスクに応じて、疾患に関する検査項目や、生活改善に関する情報を出力してもよい。たとえば、情報処理装置100は、疾患の発症リスクが高いと推定された対象者に対して、通常の集団検査では実施されない、遺伝子検査、超音波検査、MRI検査等のより精密な検査を受診することを提案してもよい。あるいは、情報処理装置100は、疾患の発症確率に関する閾値をストレージ140に予め記憶し、推定された疾患の発症確率が上記の閾値を超えた場合に、より精密な検査を受診することを対象者に提案してもよい。
【0068】
また、情報処理装置100は、疾患の発症リスクが高いと推定された対象者に対して、疾患の内容やリスクの程度に応じて、飲酒量を減らしたり、禁煙したり、適度な運動を行うこと等の生活改善に関する情報を提示してもよい。あるいは、情報処理装置100は、疾患の発症確率に関する閾値をストレージ140に予め記憶し、推定された疾患の発症確率が上記の閾値を超えた場合に、当該疾患を予防するために有効と考えられる食事、睡眠、運動、禁酒、禁煙等の生活改善に関するアドバイス等を対象者に提示してもよい。
【0069】
また、情報処理装置100は、疾患の発症リスクが高いと推定された対象者について、当該対象者の医用画像の読影を担当する医師等の人数を増やす旨の指示を出力してもよい。
【0070】
また、情報処理装置100は、読影を担当する医師の熟練度を予め記憶しておき、疾患の発症リスクが高いと推定された対象者について、当該対象者の医用画像の読影を熟練度が高い医師に自動的に依頼するための指示を出力してもよい。あるいは、情報処理装置100は、推定された疾患の発症リスクと、読影を担当する医師の熟練度に基づいて、当該対象者の医用画像の読影を担当する医師を自動的に決定してもよい。
【0071】
<学習処理について>
次に、識別器において用いられる学習済みモデルの機械学習方法について説明する。
【0072】
図10は、学習済みモデルの機械学習方法を示すフローチャートである。
【0073】
図10の処理においては、予め準備した2つ以上の医療関連情報の差分情報等を入力とし、正解として設定された特定の時点における対象者の疾病の発症リスクに関する情報を出力とする、多数(i組個(iは例えば数千から十数万))のデータセットを学習サンプルデータとして用いて機械学習が実行される。識別器として機能する学習器(図示せず)には、たとえば、CPUおよびGPUのプロセッサを用いたスタンドアロンの高性能コンピューター、またはクラウドコンピューターが用いられる。以下においては、学習器において、ディープラーニング等のパーセプトロンを組み合わせて構成したニューラルネットワークを用いる学習方法について説明するが、これに限られず、種種の手法が適用され得る。例えば、ランダムフォレスト、決定木、サポートベクターマシン(SVM)、ロジスティック回帰、k近傍法、トピックモデル等が適用され得る。
【0074】
(ステップS111)
学習器は、教師データである学習サンプルデータを読み込む。最初であれば1組目の学習サンプルデータを読み込み、i回目であれば、i組目の学習サンプルデータを読み込む。
【0075】
(ステップS112)
学習器は、読み込んだ学習サンプルデータのうち入力データをニューラルネットワークに入力する。
【0076】
(ステップS113)
学習器は、ニューラルネットワークの推定結果を、正解データと比較する。
【0077】
(ステップS114)
学習器は、比較結果に基づいてパラメータを調整する。学習器は、たとえば、バックプロパゲーション(Back-propagation、誤差逆伝搬法)に基づく処理を実行することにより、比較結果の差異が小さくなるようにパラメータを調整する。
【0078】
(ステップS115)
学習器は、1~i組目まで全データの処理が完了すれば(YES)、処理をステップS116に進め、完了していなければ(NO)、処理をステップS111に戻し、次の学習サンプルデータを読み込み、ステップS111以下の処理を繰り返す。
【0079】
(ステップS116)
学習器は、学習を継続するか否かを判定し、継続する場合(YES)、処理をステップS111に戻し、ステップS111~S115において再度1組目~i組目までの処理を実行し、継続しない場合(NO)、処理をステップS117に進める。
【0080】
(ステップS117)
学習器は、これまでの処理で構築された学習済みモデルを記憶して終了する(エンド)。記憶先には、情報処理装置100の内部メモリが含まれる。上述の図4の処理では、このようにして生成された学習済みモデルを用いて疾病の発症リスクが推定される。
【0081】
<変形例1>
変形例1として、医用画像情報の差分情報に加えて、非医用画像情報も識別器に入力して発症リスクを推定する例について具体的に説明する。
【0082】
図11は、変形例1に係る情報処理装置において実行される医療診断支援処理の手順を示すフローチャートである。
【0083】
(ステップS201、S202)
ステップS201、S202の処理は、図4のステップS101、S102の処理と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0084】
(ステップS203)
情報処理装置100は、サーバー300から、医用画像を取得した対象者と同一の対象者に関する非医用画像情報を取得する。
【0085】
(ステップS204)
情報処理装置100は、ステップS202の処理において取得された医用画像情報の差分情報と、ステップS203の処理において取得された非医用画像情報とを、予め機械学習された識別器に入力して、特定の時点における対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定する。識別器は、医用画像情報の差分情報および非医用画像情報と、特定の時点における疾患の発症リスクに関する情報とを有する多数の教師データを用いて予め機械学習されている。
【0086】
(ステップS205、S206)
ステップS205、S206の処理は、図4のステップS104、S105の処理と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0087】
<変形例2>
変形例2として、非医用画像情報の差分情報と、医用画像情報とを識別器に入力して発症リスクを推定する例について具体的に説明する。
【0088】
図12は、変形例2に係る情報処理装置において実行される医療診断支援処理の手順を示すフローチャートである。
【0089】
(ステップS301)
情報処理装置100は、それぞれ異なるタイミングにおいて同一の対象者について取得された2つ以上の非医用画像情報を取得する。たとえば、情報処理装置100は、1年前、2年前等の過去のある時点に対象者に関して得られた各種非医用画像情報と、本処理を実行する時点で同一の対象者に関して得られた各種非医用画像情報とを取得する。
【0090】
(ステップS302)
情報処理装置100は、ステップS301の処理において取得された2つ以上の非医用画像情報に関する差分を算出して差分情報を取得する。たとえば、情報処理装置100は、2つの非医用画像情報それぞれについて、同一の項目を特定して同一項目同士の値の差分を算出してもよい。あるいは、情報処理装置100は、発症リスクを推定したい特定の項目の値について差分を取得してもよい。また、情報処理装置100は、非医用画像情報について、所定の方法を用いて特徴量を抽出して特徴量同士の差分を算出してもよい。なお、ステップS301の非医用画像情報の取得処理およびステップS302の差分の算出処理は、情報処理装置100以外の他の装置によって実行されてもよい。この場合、情報処理装置100は、当該他の装置において算出および生成された差分情報を取得する。
【0091】
(ステップS303)
ステップS303の処理は、図4のステップS101の処理と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0092】
(ステップS304)
情報処理装置100は、ステップS302の処理において取得された非医用画像情報の差分情報と、ステップS303の処理において取得された医用画像情報とを、予め機械学習された識別器に入力して、特定の時点における対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定する。識別器は、非医用画像情報の差分情報および医用画像情報と、特定の時点における疾患の発症リスクに関する情報とを有する多数の教師データを用いて予め機械学習されている。
【0093】
(ステップS305、S306)
ステップS305、S306の処理は、図4のステップS104、S105の処理と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0094】
以上のように、情報処理装置100によれば、それぞれ異なるタイミングにおいて同一の対象者について取得された2つ以上の医療関連情報に関する差分情報を取得し、学習済みの識別器に差分情報を入力することによって、特定の時点における対象者の疾患の発症リスクに関する情報を推定して出力する。これにより、対象者個人に関して取得された情報に基づいて、対象者個人の疾患の発症リスクを精度よく推定して出力することができる。より具体的には、複数のタイミングにおいて取得された対象者の医療関連情報の差分情報を用いることにより、対象者の経時的な変化に関する情報を考慮することができる。これにより、疾患の発生リスクを推定する対象となる注目領域、例えば乳腺の発達または退縮に関する情報の予測精度を向上でき、疾患の発症リスクに関する予測精度を向上させることができる。
【0095】
また、医療関連情報は、対象者を撮影して取得された医用画像に関する医用画像情報を含む。これにより、医用画像情報の差分情報を用いてより高精度に疾患の発症リスクを推定することができる。
【0096】
また、医用画像は、X線撮影装置、超音波撮影装置、MRI、PETの少なくともいずれかによって取得された画像である。これにより、診断対象とする疾患の種類や部位等に応じて、適切な医用画像を用いて疾患の発症リスクを推定することができる。
【0097】
また、医療関連情報は、対象者に関して取得された医用画像以外の医療に関する情報である非医用画像情報を含む。これにより、対象者の医療に関する様々な観点の情報を多面的に考慮できるため、より高精度に疾患の発症リスクを推定することができる。
【0098】
また、非医用画像情報は、対象者のEHR、PHR、および生物学的検査の結果の少なくともいずれかに関する情報を含む。これにより、対象者のEHR、PHR、生物学的検査の結果等の情報を考慮できるため、より高精度に疾患の発症リスクを推定することができる。
【0099】
また、それぞれ異なるタイミングにおいて取得された2つ以上の医療関連情報には、それぞれ異なる装置によって取得された2つ以上の医療関連情報が含まれる。これにより、異なる装置によって取得された医療関連情報同士の差異を考慮できるため、より高精度に疾患の発症リスクを推定することができる。
【0100】
また、情報処理装置100は、疾患の発症リスクとして、乳がんの発症リスクに関する情報を推定する。これにより、早期発見が重要である乳がんの発症リスクをより高精度に推定して、発症リスクに応じた適切な措置につなげることができる。
【0101】
また、情報処理装置100は、疾患の発症リスクとして、特定の時点における対象者の疾患の発症の有無および発症確率の少なくとも一方を推定する。これにより、将来の特定の時点における疾患の発症の有無や発症確率を推定できるため、疾患の予防や早期発見に向けた適切な措置を計画的に進めることができる。
【0102】
また、情報処理装置100は、疾患の発症リスクに応じて、疾患に関する検査の受診時期を出力する。これにより、対象者個人ごとの疾患の発症リスクに応じて適切な検査の受診時期を判断できるため、従来の集団検査よりもより適切かつ効果的に検査を行うことができる。
【0103】
また、情報処理装置100は、疾患の発症リスクに応じて、疾患に関する検査項目および生活改善に関する情報の少なくとも一方を出力する。これにより、対象者個人ごとの疾患の発症リスクに応じて適切な検査項目を判断したり生活改善を促したりすることができる。
【0104】
また、情報処理装置100は、差分情報に加えて、医療関連情報を前記識別器への入力として用いて、前記発症リスクに関する情報を推定する。差分情報に加えて医用画像情報や非医用画像情報そのものも入力として用いるため、より高精度に疾患の発症リスクを推定することができる。
【0105】
なお、本発明は、上述した実施形態および各変形例のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0106】
たとえば、情報処理装置100、撮影装置200、およびサーバー300は、それぞれ上記の構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記の構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0107】
また、情報処理装置100、撮影装置200、およびサーバー300は、それぞれ複数の装置によって構成されてもよく、あるいは単一の装置によって構成されてもよい。
【0108】
また、各構成が有する機能は、他の構成によって実現されてもよい。たとえば、撮影装置200およびサーバー300は、情報処理装置100に統合され、撮影装置200およびサーバー300が有する各機能の一部または全部が情報処理装置100によって実現されてもよい。
【0109】
また、上記の実施形態におけるフローチャートの処理単位は、各処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方によって、本願発明が制限されることはない。各処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
【0110】
上述した実施形態に係るシステムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、システムの一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0111】
100 情報処理装置、
110 CPU、
111 取得部、
112 推定部、
113 制御部、
120 ROM、
130 RAM、
140 ストレージ、
150 通信インターフェース、
160 表示部、
170 操作受付部、
200 撮影装置、
300 サーバー。
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