(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】ファイル管理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/16 20190101AFI20240702BHJP
【FI】
G06F16/16
(21)【出願番号】P 2020087643
(22)【出願日】2020-05-19
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】大塚 透
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-506580(JP,A)
【文献】特開2019-086864(JP,A)
【文献】特開2007-226541(JP,A)
【文献】特開平11-203187(JP,A)
【文献】特開2003-288302(JP,A)
【文献】特開2005-234860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
管理対象のファイルに対し、ファイルシステムに格納された当該ファイルを特定する情報であって、当該ファイルシステム上の格納場所と関連付けて管理される特定情報を付加し、
前記ファイルシステムの外にダウンロードされたファイルが外部装置から当該ファイルシステムに再度アップロードされた際に、当該ファイルに付加された前記特定情報を取得し、当該特定情報から当該ファイルシステム上の格納場所を特定することを特徴とする、ファイル管理装置。
【請求項2】
前記特定情報には、管理対象のファイルの各々を識別可能な識別情報が含まれ、
前記プロセッサは、アップロード対象のファイルの識別情報と同一の識別情報が付されたファイルが前記ファイルシステムに存在する場合、当該同一の識別情報が付されたファイルが存在する場所を特定することを特徴とする、請求項1に記載のファイル管理装置。
【請求項3】
前記特定情報には、同一の識別情報が付加された複数のファイルにおける版の別を示す版情報がさらに含まれ、
前記プロセッサは、アップロード対象のファイルの識別情報と同一の識別情報が付されたファイルが前記ファイルシステムに存在し、当該アップロード対象のファイルの前記版情報が当該同一の識別情報が付されたファイルにおける最新の版情報と同一である場合、当該同一の識別情報が付されたファイルが存在する場所に当該アップロード対象のファイルを格納するときは、当該アップロード対象のファイルの版情報を更新することを特徴とする、請求項2に記載のファイル管理装置。
【請求項4】
前記特定情報には、同一の識別情報が付加された複数のファイルにおける版の別を示す版情報がさらに含まれ、
前記プロセッサは、アップロード対象のファイルの識別情報と同一の識別情報が付されたファイルが前記ファイルシステムに存在し、当該アップロード対象のファイルの前記版情報が当該同一の識別情報が付されたファイルにおける最新の版情報と同一でない場合、その旨を示す情報を出力することを特徴とする、請求項2に記載のファイル管理装置。
【請求項5】
前記特定情報には、前記アップロード対象のファイルがダウンロード前に格納されていた場所を識別可能な場所識別情報がさらに含まれることを特徴とする、請求項2に記載のファイル管理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、アップロード対象のファイルの識別情報と同一の識別情報が付されたファイルが前記ファイルシステムに存在し、当該同一の識別情報が付されたファイルが存在する場所が当該アップロード対象のファイルの前記場所識別情報と一致しない場合、その旨を示す情報を出力することを特徴とする、請求項5に記載のファイル管理装置。
【請求項7】
前記特定情報には、
アップロード対象のファイルのダウンロード前における前記ファイルシステム上の場所を示すパス情報が含まれ、
前記プロセッサは、前記パス情報により示される場所が前記ファイルシステムに存在しない場合、その旨を示す情報を出力することを特徴とする、請求項1に記載のファイル管理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記パス情報により示される場所が前記ファイルシステムに存在しない場合であって、当該パス情報においてファイルの上位の場所を示すパスに対応する場所が前記ファイルシステムに存在する場合、当該上位の場所のパスの情報を出力することを特徴とする、請求項7に記載のファイル管理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記ファイルの前記ファイルシステムへの再アップロードにおける格納方法の指定を受け付けることを特徴とする、請求項1に記載のファイル管理装置。
【請求項10】
前記特定情報には、
前記ファイルシステムによる管理対象のファイルの各々を識別可能な識別情報と、
同一の識別情報が付加された複数のファイルにおける版の別を示す版情報とが含まれ、
前記プロセッサは、
前記ファイルシステムからダウンロードされたファイルの前記識別情報と同一の識別情報が付されたファイルが前記ファイルシステムに存在し、当該ファイルシステムからダウンロードされたファイルの前記版情報が当該同一の識別情報が付されたファイルにおける最新の版情報と同一でない場合、その旨を示す情報を出力し、
前記格納方法として、前記ファイルシステムからダウンロードされたファイルの版情報を更新して格納する方法と、当該ファイルシステムからダウンロードされたファイルに対して新たな識別情報を付加して別ファイルとして格納する方法と、の何れかの指定を受け付けることを特徴とする、請求項9に記載のファイル管理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
外部装置から、格納場所を指定して前記ファイルの再アップロードを受け付けた場合、指定された当該格納場所を当該ファイルの格納場所とし、
外部装置から、格納場所を指定せずに前記ファイルの再アップロードを受け付けた場合、当該ファイルから前記特定情報を取得し、当該特定情報から格納場所を特定することを特徴とする、請求項9に記載のファイル管理装置。
【請求項12】
コンピュータに
ファイルシステムからダウンロードされたファイルに記録されている当該ファイルを特定する情報である特定情報を、当該ファイルシステムによりファイルを管理するサーバへ送信する処理と、
前記特定情報により特定されるファイルの有無および前記ファイルシステムにおける当該ファイルの格納場所の情報を前記サーバから受信する処理と、
前記サーバから受信した情報に基づいて、前記ファイルの有無および前記ファイルシステムにおける当該ファイルの格納場所を示す情報を表示装置に表示させる処理と、
前記ファイルシステムからダウンロードされたファイルの当該ファイルシステムへの再アップロードにおける格納方法の指定を受け付ける処理と、
を実行させることを特徴とする、プログラム。
【請求項13】
コンピュータに、
管理対象のファイルに対し、ファイルシステムに格納された当該ファイルを特定する情報であって、当該ファイルシステム上の格納場所と関連付けて管理される特定情報を付加する処理と、
前記ファイルシステムの外にダウンロードされたファイルが外部装置から当該ファイルシステムに再度アップロードされた際に、当該ファイルに付加された前記特定情報を取得し、当該特定情報から当該ファイルシステム上の格納場所を特定する処理と、
を実行させることを特徴とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイル管理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ファイルシステムでは、管理されているデータファイルにアクセスしようとする際に、ファイルの格納場所を指定したり、ファイル名等の属性情報を検索キーとして検索したりすることが行われる。
【0003】
特許文献1には、ファイル保管部に転送された文書ファイルから属性情報を取得しておき、この属性情報に基づいてファイル保管部から対応する文書ファイルを取り出すことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ファイルシステムからあるファイルをダウンロードした後に、そのファイルのファイルシステム上での格納場所を知りたい場合がある。しかし、ファイルの格納場所を知るために毎度検索を行うのは作業効率が悪い。
【0006】
本発明は、ファイルの格納場所を知るために検索を行う場合と比較して、効率よくファイルの格納場所を特定する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る本発明は、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
管理対象のファイルに対し、ファイルシステムに格納された当該ファイルを特定する情報であって、当該ファイルシステム上の格納場所と関連付けて管理される特定情報を付加し、
前記ファイルシステムの外にダウンロードされたファイルが外部装置から当該ファイルシステムに再度アップロードされた際に、当該ファイルに付加された前記特定情報を取得し、当該特定情報から当該ファイルシステム上の格納場所を特定することを特徴とする、ファイル管理装置である。
請求項2に係る本発明は、
前記特定情報には、管理対象のファイルの各々を識別可能な識別情報が含まれ、
前記プロセッサは、アップロード対象のファイルの識別情報と同一の識別情報が付されたファイルが前記ファイルシステムに存在する場合、当該同一の識別情報が付されたファイルが存在する場所を特定することを特徴とする、請求項1に記載のファイル管理装置である。
請求項3に係る本発明は、
前記特定情報には、同一の識別情報が付加された複数のファイルにおける版の別を示す版情報がさらに含まれ、
前記プロセッサは、アップロード対象のファイルの識別情報と同一の識別情報が付されたファイルが前記ファイルシステムに存在し、当該アップロード対象のファイルの前記版情報が当該同一の識別情報が付されたファイルにおける最新の版情報と同一である場合、当該同一の識別情報が付されたファイルが存在する場所に当該アップロード対象のファイルを格納するときは、当該アップロード対象のファイルの版情報を更新することを特徴とする、請求項2に記載のファイル管理装置である。
請求項4に係る本発明は、
前記特定情報には、同一の識別情報が付加された複数のファイルにおける版の別を示す版情報がさらに含まれ、
前記プロセッサは、アップロード対象のファイルの識別情報と同一の識別情報が付されたファイルが前記ファイルシステムに存在し、当該アップロード対象のファイルの前記版情報が当該同一の識別情報が付されたファイルにおける最新の版情報と同一でない場合、その旨を示す情報を出力することを特徴とする、請求項2に記載のファイル管理装置である。
請求項5に係る本発明は、
前記特定情報には、前記アップロード対象のファイルがダウンロード前に格納されていた場所を識別可能な場所識別情報がさらに含まれることを特徴とする、請求項2に記載のファイル管理装置である。
請求項6に係る本発明は、
前記プロセッサは、アップロード対象のファイルの識別情報と同一の識別情報が付されたファイルが前記ファイルシステムに存在し、当該同一の識別情報が付されたファイルが存在する場所が当該アップロード対象のファイルの前記場所識別情報と一致しない場合、その旨を示す情報を出力することを特徴とする、請求項5に記載のファイル管理装置である。
請求項7に係る本発明は、
前記特定情報には、アップロード対象のファイルのダウンロード前における前記ファイルシステム上の場所を示すパス情報が含まれ、
前記プロセッサは、前記パス情報により示される場所が前記ファイルシステムに存在しない場合、その旨を示す情報を出力することを特徴とする、請求項1に記載のファイル管理装置である。
請求項8に係る本発明は、
前記プロセッサは、前記パス情報により示される場所が前記ファイルシステムに存在しない場合であって、当該パス情報においてファイルの上位の場所を示すパスに対応する場所が前記ファイルシステムに存在する場合、当該上位の場所のパスの情報を出力することを特徴とする、請求項7に記載のファイル管理装置である。
請求項9に係る本発明は、
前記プロセッサは、
前記ファイルの前記ファイルシステムへの再アップロードにおける格納方法の指定を受け付けることを特徴とする、請求項1に記載のファイル管理装置である。
請求項10に係る本発明は、
前記特定情報には、
前記ファイルシステムによる管理対象のファイルの各々を識別可能な識別情報と、
同一の識別情報が付加された複数のファイルにおける版の別を示す版情報とが含まれ、
前記プロセッサは、
前記ファイルシステムからダウンロードされたファイルの前記識別情報と同一の識別情報が付されたファイルが前記ファイルシステムに存在し、当該ファイルシステムからダウンロードされたファイルの前記版情報が当該同一の識別情報が付されたファイルにおける最新の版情報と同一でない場合、その旨を示す情報を出力し、
前記格納方法として、前記ファイルシステムからダウンロードされたファイルの版情報を更新して格納する方法と、当該ファイルシステムからダウンロードされたファイルに対して新たな識別情報を付加して別ファイルとして格納する方法と、の何れかの指定を受け付けることを特徴とする、請求項9に記載のファイル管理装置である。
請求項11に係る本発明は、
前記プロセッサは、
外部装置から、格納場所を指定して前記ファイルの再アップロードを受け付けた場合、指定された当該格納場所を当該ファイルの格納場所とし、
外部装置から、格納場所を指定せずに前記ファイルの再アップロードを受け付けた場合、当該ファイルから前記特定情報を取得し、当該特定情報から格納場所を特定することを特徴とする、請求項9に記載のファイル管理装置である。
請求項12に係る本発明は、
コンピュータに
ファイルシステムからダウンロードされたファイルに記録されている当該ファイルを特定する情報である特定情報を、当該ファイルシステムによりファイルを管理するサーバへ送信する処理と、
前記特定情報により特定されるファイルの有無および前記ファイルシステムにおける当該ファイルの格納場所の情報を前記サーバから受信する処理と、
前記サーバから受信した情報に基づいて、前記ファイルの有無および前記ファイルシステムにおける当該ファイルの格納場所を示す情報を表示装置に表示させる処理と、
前記ファイルシステムからダウンロードされたファイルの当該ファイルシステムへの再アップロードにおける格納方法の指定を受け付ける処理と、
を実行させることを特徴とする、プログラムである。
請求項13に係る本発明は、
コンピュータに、
管理対象のファイルに対し、ファイルシステムに格納された当該ファイルを特定する情報であって、当該ファイルシステム上の格納場所と関連付けて管理される特定情報を付加する処理と、
前記ファイルシステムの外にダウンロードされたファイルが外部装置から当該ファイルシステムに再度アップロードされた際に、当該ファイルに付加された前記特定情報を取得し、当該特定情報から当該ファイルシステム上の格納場所を特定する処理と、
を実行させることを特徴とする、プログラムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、ファイルの格納場所を知るために検索を行う場合と比較して、効率よくファイルの格納場所を特定することができる。
請求項2の発明によれば、特定情報としてフォルダ等の場所の情報を用いる場合と異なり、発見されたファイルに基づいて格納場所を特定することができる。
請求項3の発明によれば、特定情報としてファイルの識別情報のみを用いる場合と比較して、ファイルの版を管理し、ファイルを再アップロードにより更新するのに合わせて、版情報を更新できる。
請求項4の発明によれば、特定情報としてファイルの識別情報のみを用いる場合と比較して、処理の競合に対応することができる。
請求項5の発明によれば、特定情報としてファイルの識別情報のみを用いる場合と比較して、ファイルの格納場所の調査を行うことができる。
請求項6の発明によれば、特定情報としてファイルの識別情報のみを用いる場合と比較して、ファイルの移動を管理することができる。
請求項7の発明によれば、特定情報としてファイル自体の識別情報などを用いる場合と異なり、対象ファイルに関するファイルシステムのパス構造を解析することができる。
請求項8の発明によれば、特定情報としてファイル自体の識別情報などを用いる場合と異なり、パス構造に基づき、ファイルの格納場所の候補を特定できる。
請求項9の発明によれば、特定情報に基づきファイルの格納方法を自動決定する構成と異なり、ユーザが格納方法を選択することができる。
請求項10の発明によれば、特定情報としてファイルの識別情報のみを用いる場合と比較して、ファイルの版を管理すると共に、ファイルのアップロードに際して、ユーザがファイルの更新と新規アップロードとを選択することができる。
請求項11の発明によれば、再アップロードに際してファイルの格納場所の指定の有無に関わらずファイルの管理状態の調査を行う構成と比較して、情報処理装置の処理における負荷を軽減することができる。
請求項12の発明によれば、この発明によるプログラムをインストールしたコンピュータにおいて、ファイルの格納場所を知るために検索を行う場合と比較して、効率よくファイルの格納場所を特定し、ファイルのアップロード時におけるユーザの負荷を軽減することができる。
請求項13の発明によれば、この発明によるプログラムをインストールしたコンピュータにおいて、ファイルの格納場所を知るために検索を行う場合と比較して、効率よくファイルの格納場所を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態によるファイル管理システムの全体構成を示す図である。
【
図2】ファイル管理サーバの機能構成を示す図である。
【
図3】ファイル管理サーバのハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】ファイル管理サーバがアップロード要求を受け付けた際の動作を示すフローチャートである。
【
図5】再アップロード時のファイル管理サーバの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】再アップロード時のファイル管理サーバの動作の他の一例を示すフローチャートである。
【
図7】再アップロード時のファイル管理サーバの動作の他の一例を示すフローチャートである。
【
図8】再アップロード時のファイル管理サーバの動作の他の一例を示すフローチャートである。
【
図9】端末装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図10】表示装置に表示されるUI画面の構成例を示す図である。
【
図11】表示装置に表示される他のUI画面の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<全体構成>
図1は、本実施形態によるファイル管理システムの全体構成を示す図である。本実施形態の情報処理システムは、ファイル管理サーバ100と、端末装置400とを備えて実現される。ファイル管理サーバ100と端末装置400とは、ネットワークを介して接続されている。ファイル管理サーバ100には、管理対象のデータファイルを格納するファイル記憶装置200と、データファイルを管理するためのファイル情報データベース(DB)300とが設けられている。なお、
図1では、ファイル管理サーバ100の一部としてファイル記憶装置200およびファイル情報DB300を設けた構成例を示しているが、ファイル記憶装置200およびファイル情報DB300は、ストレージサーバおよびデータベースサーバとしてファイル管理サーバ100とは別個にネットワーク上に設け、ファイル管理サーバ100からアクセスするようにしても良い。
【0011】
端末装置400は、ネットワークを介してファイル管理サーバ100にアクセスし、ファイル管理サーバ100に管理されているデータファイルをダウンロードする。また、端末装置400は、データファイルをファイル管理サーバ100にアップロードして管理させる。端末装置400としては、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット型端末等の情報処理装置が用いられる。
【0012】
<ファイル管理サーバの機能構成>
図2は、ファイル管理サーバ100の機能構成を示す図である。ファイル管理サーバ100は、要求受け付け機能110と、ファイル管理機能120と、ファイル状態調査機能130と、出力機能140とを備える。要求受け付け機能110には、要求識別機能111と、特定情報付加機能112と、特定情報抽出機能113とが含まれる。
【0013】
要求受け付け機能110は、端末装置400からデータファイルのアップロード要求およびダウンロード要求を受け付ける機能である。ファイル管理サーバ100は、要求受け付け機能110によりデータファイルのアップロード要求を受け付けると、アップロード要求により取得したデータファイルをファイル記憶装置200に格納する。また、ファイル管理サーバ100は、要求受け付け機能110によりダウンロード要求を受け付けると、データファイルが格納されているファイル記憶装置200からダウンロード要求により指定されたデータファイルを読み出す。そして、ファイル管理サーバ100は、ファイル記憶装置200から読み出したデータファイルのコピーを、ダウンロード要求を行った端末装置400へ返送する。このとき、ファイル管理サーバ100は、そのコピー元のデータファイル(すなわち、ダウンロード元のデータファイル)を、消去が行われない限りは記憶装置200に格納して管理し続ける。
【0014】
本実施形態では、データファイルのアップロードとして2種類のアップロード方法が想定されている。一つは、新たにファイル管理サーバ100の管理対象となるデータファイルのアップロードであり、他の一つは、既にファイル管理サーバ100の管理対象となっているデータファイルのアップロードである。以下の説明では、前者のアップロードを「最初のアップロード」、後者のアップロードを「再アップロード」と呼んで区別する場合がある。
【0015】
要求識別機能111は、要求受け付け機能110により受け付けたアップロードの要求が、最初のアップロードの要求か、再アップロードの要求かを識別する機能である。アップロードの要求の識別は、アップロード対象のデータファイルに、後述する特定情報が付加されているか否かに基づいて行われる。
【0016】
特定情報付加機能112は、最初のアップロードの対象のデータファイルに特定情報を付加する機能である。特定情報とは、ファイル管理サーバ100の管理下に置かれるデータファイルを一意に特定する情報である。特定情報には、データファイルを識別するための識別情報(以下、「ファイルID」と呼ぶ)が含まれる。なお、ファイルIDは、単に「ID」と略記する場合がある。
【0017】
また、特定情報には、例えば、データファイルの版情報(以下、「バージョン情報」と呼ぶ)、データファイルが格納されている場所を示す場所識別情報などを含んでも良い。バージョン情報は、同一のファイルIDが付加された複数のデータファイルにおける版(バージョン)の別を示す情報である。バージョン情報が存在することは、データファイルの更新がバージョンによって管理されていることを意味する。バージョン情報は、ダウンロードされたデータファイルがファイルシステムの同じフォルダに再アップロードされて更新された際に、更新される。
【0018】
また、データファイルが格納されている場所とは、ファイル管理サーバ100のファイルシステム上の場所であり、例えばディレクトリやフォルダである。以下では、データファイルが格納されている場所をフォルダとし、場所識別情報を「フォルダID」と呼ぶ。ファイルシステムにおいてフォルダが階層構造を有する場合、場所識別情報として、データファイルが格納されているフォルダ自体の識別情報に加え、そのフォルダが含まれる上位のフォルダの情報を含んでも良い。
【0019】
なお、これらの情報は、特定情報として用いられる情報の例示であり、特定情報として必ずしもファイルID、バージョン情報およびフォルダIDの全てを用いる必要はなく、一部の情報のみを用いても良い。また、特定情報として他の情報が用いられることを阻害しない。例えば、ファイル管理サーバ100のファイルシステムにおけるパスの情報を特定情報として用いても良い。
【0020】
ファイル管理サーバ100は、要求受け付け機能110によりデータファイルのアップロード要求を受け付けると、この要求識別機能111により、受け付けたデータファイルのアップロードが最初のアップロードか再アップロードかを識別する。そして、最初のアップロードであった場合、ファイル管理サーバ100は、特定情報付加機能112により、アップロード対象のデータファイルに特定情報を付加する。特定情報は、データファイルの属性情報(プロパティ)として記録される。具体的には、例えば、データファイルのヘッダに記録されるメタデータ等の形式で、データファイルに付加される。
【0021】
特定情報抽出機能113は、再アップロードの対象のデータファイルから特定情報を抽出する機能である。再アップロードされるデータファイルは、元々ファイル管理サーバ100のファイルシステムからダウンロードされたものである。すなわち、既にファイル管理サーバ100により管理されているデータファイルである。したがって、このデータファイルが最初にアップロードされた際に、このデータファイルに対し、特定情報付加機能112により特定情報が付加されている。
【0022】
ファイル管理サーバ100は、要求受け付け機能110によりデータファイルのアップロード要求を受け付けると、要求識別機能111により、受け付けたデータファイルのアップロードが最初のアップロードか再アップロードかを識別する。そして、再アップロードであった場合、ファイル管理サーバ100は、特定情報抽出機能113により、アップロード対象のデータファイルから特定情報を抽出する。
【0023】
ファイル管理機能120は、アップロードされたデータファイルをファイルシステムにより管理する機能である。ファイル管理サーバ100は、このファイル管理機能120により、アップロードされたデータファイルの特定情報をファイル情報DB300で管理する。具体的には、データファイルが最初のアップロードによるデータファイルであれば、ファイル管理機能120は、特定情報付加機能112によりデータファイルに付加された特定情報をファイル情報DB300に登録する。また、データファイルが再アップロードされたデータファイルであれば、ファイル管理機能120は、特定情報抽出機能113によりデータファイルから抽出された特定情報、および、後述するこのデータファイルに対して行われる処理に基づいて、ファイル情報DB300を更新する。ファイル情報DB300には、ファイル管理サーバ100のファイルシステムによるフォルダ構造(階層構造)の情報が格納されている。そして、データファイルの特定情報は、このデータファイルの格納場所(フォルダ)に関連付けて登録される。データファイルに対して行われる処理およびファイル情報DB300の更新の詳細は後述する。
【0024】
ファイル状態調査機能130は、再アップロードの対象のデータファイルに関して、ダウンロード元となったデータファイルの、ファイル管理サーバ100のファイルシステムにおける管理状態を調査する機能である。管理状態の調査は、再アップロードの対象であるデータファイルから抽出された特定情報に基づき、ファイル情報DB300を参照して行われる。具体的には、ファイル管理サーバ100は、このファイル状態調査機能130により、再アップロード対象のデータファイルのダウンロード元となったデータファイルが、ダウンロードされた時の管理状態と同一か否かを調べる。そして、管理状態が異なるのであれば、どのように異なるかを調べる。
【0025】
データファイルのダウンロード時と再アップロード時とにおける管理状態については、例えば以下のような分類が考えられる。なお、ここでは特定情報として、ファイルID、バージョン情報、フォルダIDが付加されているものとする。また、フォルダIDには、データファイルが格納されているフォルダおよびその上位のフォルダの情報が含まれるものとする。また、同一のファイルIDが付されたバージョンの異なるデータファイルが存在する場合、そのデータファイルのダウンロード要求があったときは、最新のバージョンのデータファイルがダウンロードされるものとする。
【0026】
A.アップロード対象のデータファイルから抽出された特定情報に対応するデータファイルが存在する。
A-a.データファイルがダウンロードされた元のフォルダにある。
A-a-1.バージョン情報が同一。
A-a-2.バージョン情報が異なる。
A-b.データファイルがダウンロードされた元の場所とは異なるフォルダにある。
A-b-1.バージョン情報が同一。
A-b-2.バージョン情報が異なる。
【0027】
B.アップロード対象のデータファイルから抽出された特定情報に対応するデータファイルが存在しない。
B-a.データファイルがダウンロードされた元のフォルダが存在する。
B-b.データファイルがダウンロードされた元のフォルダが存在しない。
B-b-1.元のフォルダの上位のフォルダに対応するフォルダが存在する。
B-b-2.元のフォルダの上位のフォルダに対応するフォルダが存在しない。
【0028】
上記の分類において、A-a-1は、アップロード対象のデータファイルが、ファイル管理サーバ100のファイルシステムにおいて、ダウンロードされた時の管理状態と同一の管理状態である場合である。
【0029】
また、A-a-2は、ファイルシステムに、アップロード対象のデータファイルのバージョンよりも新しいバージョンのデータファイルが存在することを意味する。これは、一のユーザがデータファイルをダウンロードした後、再アップロードする前に、他のユーザが同じデータファイルをダウンロードし、再アップロードしてバージョン情報を更新したことを示す。
【0030】
また、A-b-1は、アップロード対象のデータファイルが、ダウンロードされた後、再アップロードされるまでの間に、ダウンロードされた時に格納されていたフォルダから他のフォルダへ移動されたことを意味する。また、A-b-2は、データファイルの移動と共に、他のユーザによりデータファイルが更新され、バージョン情報も更新されていることを示す。
【0031】
なお、ファイル管理サーバ100のファイルシステムにおいて、データファイルのバージョン管理を行っておらず、特定情報にバージョン情報が含まれない場合は、分類Aに該当する分類はA-aおよびA-bのみであり、A-a-1、A-a-2、A-b-1、A-b-2の各分類は存在しない。この場合、A-aは、アップロード対象のデータファイルが、ダウンロードされた時の管理状態と同一の管理状態であることを示す。そして、A-bは、アップロード対象のデータファイルが、ダウンロードされた後、再アップロードされるまでの間に、ダウンロードされた時に格納されていたフォルダから他のフォルダへ移動されたことを示す。
【0032】
また、特定情報にフォルダIDが含まれない場合、A-aとA-bの区別はなく、分類Aは、バージョン情報が同一である場合(A-a-1、A-b-1)と、異なる場合(A-a-2、A-b-2)の二つに分類される。
【0033】
また、分類Bは、アップロード対象のデータファイルが、ダウンロードされた後にファイルシステムから消去されたことを意味する。B-aは、データファイルのみが消去された場合である。B-bは、データファイルが格納されていたフォルダごと消去された場合である。さらに、B-b-1は、データファイルが格納されていたフォルダだけが消去された場合であり、B-b-2は、データファイルが格納されていたフォルダの上位のフォルダも消去された場合である。ここで、上位のフォルダは、データファイルが格納されていたフォルダの一つ上のフォルダとしても良いし、複数階層を遡って特定される一または複数のフォルダとしても良い。なお、特定情報に上位のフォルダの情報が含まれない場合は、B-b-1およびB-b-2の各分類は存在しない。
【0034】
出力機能140は、ファイル状態調査機能130による調査結果に応じた出力を行う機能である。ファイル管理サーバ100は、出力機能140により、ファイルシステムにおけるアップロード対象のデータファイルの管理状態に関する情報をユーザに提供する。情報の提供は、例えば、ユーザに提供する情報を含む画像を生成して端末装置400に送信し、端末装置400に表示させることにより行われる。
【0035】
<ファイル管理サーバのハードウェア構成>
図3は、ファイル管理サーバ100のハードウェア構成例を示す図である。ファイル管理サーバ100は、コンピュータにより実現される。ファイル管理サーバ100を実現するコンピュータは、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)101と、記憶手段であるRAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、記憶装置104とを備える。RAM102は、主記憶装置(メイン・メモリ)であり、CPU101が演算処理を行う際の作業用メモリとして用いられる。ROM103にはプログラムや予め用意された設定値等のデータが保持されており、CPU101はROM103から直接プログラムやデータを読み込んで処理を実行することができる。記憶装置104は、プログラムやデータの保存手段である。記憶装置104にはプログラムが記憶されており、CPU101は記憶装置104に格納されたプログラムを主記憶装置であるRAM102に読み込んで実行する。また、記憶装置104には、CPU101による処理の結果が格納され、保存される。記憶装置104としては、例えば磁気ディスク装置やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。
【0036】
ファイル管理サーバ100が
図3に示すコンピュータで実現される場合、
図2を参照して説明した各機能は、CPU101がプログラムを実行することにより実現される。また、
図1に示したように、ファイル記憶装置200およびファイル情報DB300がファイル管理サーバ100に設けられる構成の場合、このファイル記憶装置200およびファイル情報DB300は、記憶装置104により実現される。
【0037】
<ファイル管理サーバの動作例>
以下、ファイル管理サーバ100の動作について
図4乃至
図8のフローチャートを参照して説明する。まず、アップロード要求に対する動作を説明し、次に、特定情報に関して複数の例を挙げて、各々の場合における再アップロード時の動作を、それぞれ別個のフローチャートを参照して説明する。なお、ダウンロード要求を受け付けた際の動作は、単にダウンロード要求で指定されたデータファイルをファイル記憶装置200から読み出して端末装置400へ返す動作なので、フローチャートによる説明は省略する。
【0038】
<アップロード要求の受け付け時の動作例>
図4は、ファイル管理サーバ100がアップロード要求を受け付けた際の動作を示すフローチャートである。端末装置400からアップロード要求を受け付けると(S401)、ファイル管理サーバ100は、要求識別機能111により、この要求に係るアップロードが最初のアップロードか再アップロードかを識別する。最初のアップロードである場合(S402でYES)、ファイル管理サーバ100は、特定情報付加機能112によりアップロード対象のデータファイルに特定情報を付加し(S403)、データファイルをファイル記憶装置200に格納する(S404)。また、データファイルに付加された特定情報は、ファイル情報DB300に登録される。
【0039】
一方、S401のアップロード要求に係るアップロードが再アップロードである場合(S402でNO)、ファイル管理サーバ100は、特定情報抽出機能113によりアップロード対象のデータファイルから特定情報を抽出する(S405)。そして、ファイル管理サーバ100は、ファイル状態調査機能130により、抽出した特定情報に基づいてデータファイルの管理状態を調査する(S406)。以下、
図5乃至
図8を参照して説明する動作は、S406に示す動作の詳細である。
【0040】
<第1の再アップロード時の動作例>
図5は、再アップロード時のファイル管理サーバ100の動作の一例を示すフローチャートである。
図5に示す動作は、データファイルの特定情報がファイルIDのみである場合の動作である。ファイル管理サーバ100は、ファイル情報DB300を参照し、まず、アップロード対象のデータファイルから抽出された特定情報に示されるファイルIDと同一のファイルIDを有するデータファイルが、ファイルシステム上にあるか否かを調べる。同一のファイルIDを有するデータファイルがある場合(S501でYES)、ファイル管理サーバ100は、該当するデータファイルが検出された場所(フォルダ)に、アップロード対象のデータファイルを格納するか否かを問い合わせ、ユーザの指示を待つ。ユーザに対する問い合わせおよびユーザからの指示の受け付けは、例えば、出力機能140によりユーザの端末装置400に表示させたユーザインターフェイス(UI)画面により行われる。
【0041】
なお、
図5に示す例では、特定情報にフォルダIDが含まれていないため、データファイルが検出されたフォルダが、このデータファイルがダウンロードされた時のフォルダと同一か否かは、特定情報のみからでは不明である。しかし、ファイル情報DB300において特定情報とデータファイルが格納されているフォルダとが関連付けられているため、ファイル情報DB300にダウンロード時の情報が記録されていれば、データファイルが検出されたフォルダがダウンロード時のフォルダと同一か否かを判断することができる。
【0042】
データファイルが検出されたフォルダにアップロード対象のデータファイルを格納する指示を受け付けた場合(S502でYES)、ファイル管理サーバ100は、指示にしたがってデータファイルを格納する。この場合、同一のファイルIDを有するデータファイルがフォルダに存在するので、このデータファイルの更新となる(S503)。これに対し、データファイルが検出されたフォルダとは異なるフォルダにアップロード対象のデータファイルを格納する指示を受け付けた場合(S502でNO)、ファイル管理サーバ100は、指示により指定されたフォルダにデータファイルを格納する。この場合、新規のデータファイルの格納となる(S504)。
【0043】
また、ファイルシステム上にアップロード対象のデータファイルと同一のファイルIDを有するデータファイルが無い場合(S501でNO)、ファイル管理サーバ100は、その旨をユーザに報知する(S505)。これは、該当するデータファイルがファイルシステムから消去されていることを意味する。そして、何れかのフォルダにデータファイルを格納する旨の指示を受け付けた場合(S506でYES)、ファイル管理サーバ100は、指示により指定されたフォルダにデータファイルを格納する。この場合、新規のデータファイルの格納となる(S504)。
【0044】
一方、データファイルの再アップロードをキャンセルする旨の指示を受け付けた場合(S506でNO)、ファイル管理サーバ100は、処理を終了する。ユーザへの報知およびユーザからの指示の受け付けは、例えば、出力機能140によりユーザの端末装置400に表示させたUI画面により行われる。
【0045】
<第2の再アップロード時の動作例>
図6は、再アップロード時のファイル管理サーバ100の動作の他の一例を示すフローチャートである。
図6に示す動作は、データファイルの特定情報にファイルIDおよびバージョン情報が含まれる場合の動作である。ファイル管理サーバ100は、ファイル情報DB300を参照し、まず、アップロード対象のデータファイルから抽出された特定情報に示されるファイルIDと同一のファイルIDを有するデータファイルが、ファイルシステム上にあるか否かを調べる。この動作例では、特定情報にバージョン情報が含まれ、データファイルのバージョン管理が行われているため、同一のファイルIDを有するデータファイルが複数存在する可能性がある。
【0046】
同一のファイルIDを有するデータファイルがある場合(S601でYES)、ファイル管理サーバ100は、検出されたデータファイルにおける最新のバージョン情報とアップロード対象のデータファイルのバージョン情報とを比較する。アップロード対象のデータファイルのバージョン情報が検出されたデータファイルにおける最新のバージョンと同一である場合(S602でYES)、ファイル管理サーバ100は、該当するデータファイルが検出された場所(フォルダ)に、アップロード対象のデータファイルを格納するか否かを問い合わせ、ユーザの指示を待つ。なお、
図6に示す例では、特定情報にフォルダIDが含まれていないが、ファイル情報DB300の情報からデータファイルが検出されたフォルダがダウンロード時のフォルダと同一か否かを判断し得ることは、
図5に示した例と同様である。
【0047】
データファイルが検出されたフォルダにアップロード対象のデータファイルを格納する指示を受け付けた場合(S603でYES)、ファイル管理サーバ100は、指示にしたがってデータファイルを格納する。この場合、同一のファイルIDを有するデータファイルがフォルダに存在するので、このデータファイルの更新となる(S604)。ここでは、データファイルが検出されたフォルダにアップロード対象のデータファイルが追加格納され、追加格納されたデータファイルのバージョン情報が更新されて最新のバージョンとなる。
【0048】
これに対し、データファイルが検出されたフォルダとは異なるフォルダにアップロード対象のデータファイルを格納する指示を受け付けた場合(S603でNO)、ファイル管理サーバ100は、指示により指定されたフォルダにデータファイルを格納する。この場合、新規のデータファイルの格納となる(S605)。したがって、アップロード対象のデータファイルのバージョン情報は、それまでのバージョンに関わらず、最初のバージョンとなる。
【0049】
アップロード対象のデータファイルのバージョン情報が検出されたデータファイルにおける最新のバージョンと同一でない場合(S602でNO)、ファイル管理サーバ100は、アップロード対象のデータファイルのバージョン情報が最新のバージョンでないこと(図では「非同一」と記載)をユーザに報知する(S606)。そして、何れかのフォルダにデータファイルを格納する旨の指示を受け付けた場合(S607でYES)、ファイル管理サーバ100は、指示により指定されたフォルダにデータファイルを格納する(S608)。一方、データファイルの再アップロードをキャンセルする旨の指示を受け付けた場合(S607でNO)、ファイル管理サーバ100は、処理を終了する。
【0050】
ここで、アップロード対象のデータファイルのバージョン情報が最新のバージョンでない場合とは、データファイルが検出されたフォルダに、アップロード対象のデータファイルのバージョンよりも新しいバージョンのデータファイルがあることを示す。これは、上述したデータファイルの管理状態の分類のうちA-a-2で説明したように、アップロード対象のデータファイルがダウンロードされた後、他のユーザが同じデータファイルをダウンロードし、再アップロードしてバージョン情報が更新されていることを意味する。このとき、アップロード対象のデータファイルに関しては、(1)同一データファイルの最新のバージョンとして同一のフォルダに格納することと、(2)別のデータファイルとして新規に格納することの何れかを選択し得る。また、(2)の新規格納の場合、同一のフォルダに格納することと、異なるフォルダに格納することの何れかを選択し得る。ユーザは、データファイルの再アップロードを行う場合、これらの格納方法の中から何れかを選択し、指示を行う。
【0051】
また、ファイルシステム上にアップロード対象のデータファイルと同一のファイルIDを有するデータファイルが無い場合(S601でNO)、ファイル管理サーバ100は、その旨をユーザに報知する(S609)。そして、何れかのフォルダにデータファイルを格納する旨の指示を受け付けた場合(S610でYES)、ファイル管理サーバ100は、指示により指定されたフォルダにデータファイルを格納する(S605)。この場合、新規のデータファイルの格納となる。一方、データファイルの再アップロードをキャンセルする旨の指示を受け付けた場合(S610でNO)、ファイル管理サーバ100は、処理を終了する。
【0052】
<第3の再アップロード時の動作例>
図7は、再アップロード時のファイル管理サーバ100の動作の他の一例を示すフローチャートである。
図7に示す動作は、データファイルの特定情報にファイルIDおよびフォルダIDが含まれる場合の動作である。この例では、データファイルが格納されているフォルダのフォルダIDのみが含まれ、上位のフォルダの情報は含まれないものとする。ファイル管理サーバ100は、ファイル情報DB300を参照し、まず、アップロード対象のデータファイルから抽出された特定情報に示されるファイルIDと同一のファイルIDを有するデータファイルが、ファイルシステム上にあるか否かを調べる。
【0053】
同一のファイルIDを有するデータファイルがある場合(S701でYES)、ファイル管理サーバ100は、データファイルが検出された場所(フォルダ)とアップロード対象のデータファイルのフォルダIDに示されるフォルダとが一致するか否かを調べる。一致する場合(S702でYES)、ファイル管理サーバ100は、データファイルが検出されたフォルダに、アップロード対象のデータファイルを格納するか否かを問い合わせ、ユーザの指示を待つ。
【0054】
データファイルが検出されたフォルダにアップロード対象のデータファイルを格納する指示を受け付けた場合(S703でYES)、ファイル管理サーバ100は、指示にしたがってデータファイルを格納する。この場合、同一のファイルIDを有するデータファイルがフォルダに存在するので、このデータファイルの更新となる(S704)。これに対し、データファイルが検出されたフォルダとは異なるフォルダにアップロード対象のデータファイルを格納する指示を受け付けた場合(S703でNO)、ファイル管理サーバ100は、指示により指定されたフォルダにデータファイルを格納する。この場合、新規のデータファイルの格納となる(S705)。
【0055】
データファイルが検出されたフォルダとアップロード対象のデータファイルのフォルダIDに示されるフォルダとが一致しない場合(S702でNO)、ファイル管理サーバ100は、検出されたフォルダがフォルダIDに示されるフォルダとは異なることをユーザに報知する(S706)。そして、何れかのフォルダにデータファイルを格納する旨の指示を受け付けた場合(S707でYES)、ファイル管理サーバ100は、指示により指定されたフォルダにデータファイルを格納する(S708)。一方、データファイルの再アップロードをキャンセルする旨の指示を受け付けた場合(S707でNO)、ファイル管理サーバ100は、処理を終了する。
【0056】
ここで、データファイルが検出されたフォルダとアップロード対象のデータファイルのフォルダIDに示されるフォルダとが一致しない場合とは、アップロード対象のデータファイルとファイルIDが同一のデータファイルが、フォルダIDに示されるフォルダとは異なるフォルダにあることを示す。これは、上述したデータファイルの管理状態の分類のうちA-b-1で説明したように、アップロード対象のデータファイルがダウンロードされた後に、対応するデータファイルが他のフォルダに移動されたことを意味する。このとき、アップロード対象のデータファイルに関しては、(1)検出された(移動先の)フォルダに格納(データファイルを更新)することと、(2)検出されたフォルダ以外のフォルダに新規に格納することの何れかを選択し得る。また、(2)の場合、ダウンロード元の(移動前の)フォルダに格納することと、移動先または移動元のどちらでもない他のフォルダに格納することの何れかを選択し得る。ユーザは、データファイルの再アップロードを行う場合、これらの格納方法の中から何れかを選択し、指示を行う。
【0057】
また、ファイルシステム上にアップロード対象のデータファイルと同一のファイルIDを有するデータファイルが無い場合(S701でNO)、ファイル管理サーバ100は、アップロード対象のデータファイルの特定情報に含まれるフォルダIDと同一のフォルダIDを有するフォルダが、ファイルシステム上にあるか否かを調べる。アップロード対象のデータファイルのフォルダIDに対応するフォルダがある場合(S709でYES)、ファイル管理サーバ100は、検出したフォルダのファイルシステム上の場所をユーザに報知し(S710)、指示を待つ。
【0058】
また、アップロード対象のデータファイルのフォルダIDに対応するフォルダが無い場合(S709でNO)、その旨をユーザに報知する(S711)。そして、何れかのフォルダにデータファイルを格納する旨の指示を受け付けた場合(S712でYES)、ファイル管理サーバ100は、指示により指定されたフォルダにデータファイルを格納する(S713)。この場合、新規のデータファイルの格納となる。一方、データファイルの再アップロードをキャンセルする旨の指示を受け付けた場合(S712でNO)、ファイル管理サーバ100は、処理を終了する。
【0059】
なお、
図7に示す例では、特定情報にデータファイルが格納されているフォルダのフォルダIDのみが含まれることとしたため、対応するフォルダが無い場合にユーザの指示を待った。これに対し、特定情報にデータファイルが格納されているフォルダの上位のフォルダの情報が含まれる場合、特定情報に基づき、ファイルシステムのフォルダ構造を遡って上位のフォルダを検出し、データファイルを格納するか否かをユーザに問い合わせても良い。
【0060】
<第4の再アップロード時の動作例>
図8は、再アップロード時のファイル管理サーバ100の動作の他の一例を示すフローチャートである。
図8に示す動作は、データファイルの特定情報にファイルシステムにおけるパスの情報(以下、「パス情報」と呼ぶ)が含まれる場合の動作である。パス情報は、パス情報により特定される場所に格納されたデータファイルを一意に特定する。すなわち、データファイルだけでなく、データファイルを格納するフォルダおよびその上位フォルダについても、このパス情報により特定される。なお、この例では、一つのフォルダ内に同じファイル名を有する複数のファイルを格納できないものとし、パス情報に記録されたファイル名によってデータファイルを特定することとする。この場合、複数のフォルダに同一のファイル名のデータファイルが存在し得るが、格納されているフォルダが異なるため、パス情報が異なり、これらのデータファイルは識別し得る。
【0061】
ファイル管理サーバ100は、ファイル情報DB300を参照し、まず、アップロード対象のデータファイルから抽出された特定情報のパス情報により特定されるデータファイルが、ファイルシステム上にあるか否かを調べる。該当するデータファイル(パス情報により特定されるパスと同一パスのデータファイル)がある場合(S801でYES)、ファイル管理サーバ100は、検出された場所(フォルダ)に、アップロード対象のデータファイルを格納するか否かを問い合わせ、ユーザの指示を待つ。この例では、パスが同一であるので、該当するデータファイルが検出された場合、そのデータファイルが格納されているフォルダもパス情報により特定されるフォルダである。
【0062】
データファイルが検出されたフォルダにアップロード対象のデータファイルを格納する指示を受け付けた場合(S802でYES)、ファイル管理サーバ100は、指示にしたがってデータファイルを格納する。この場合、同一のパス情報を有するデータファイルがフォルダに存在するので、このデータファイルの更新となる(S803)。これに対し、データファイルが検出されたフォルダとは異なるフォルダにアップロード対象のデータファイルを格納する指示を受け付けた場合(S802でNO)、ファイル管理サーバ100は、指示により指定されたフォルダにデータファイルを格納する。この場合、新規のデータファイルの格納となる(S804)。
【0063】
また、ファイルシステム上にアップロード対象のデータファイルから抽出されたパス情報に該当するデータファイルが無い場合(S801でNO)、ファイル管理サーバ100は、他のパスに同一ファイル名のデータファイルがあるか否かを調べる。該当するデータファイルがある場合(S805でYES)、ファイル管理サーバ100は、検出されたデータファイルの場所をユーザに報知し(S806)、指示を待つ。この場合、アップロード対象のデータファイルから抽出されたパス情報に示されるパスとは異なるパスに同一ファイル名のデータファイルが存在することになるため、このデータファイルは、ダウンロードされた後に、他のフォルダに移動された可能性がある。したがって、ユーザは、検出された同一ファイル名のデータファイルを更新するか、他の何れかのフォルダにデータファイルを新規に格納するかを選択し得る。そして、ユーザからデータファイルを格納する旨の指示を受け付けた場合(S807でYES)、ファイル管理サーバ100は、指示に応じてデータファイルを格納する(S808)。一方、データファイルの再アップロードをキャンセルする旨の指示を受け付けた場合(S807でNO)、ファイル管理サーバ100は、処理を終了する。
【0064】
何れのパスにも同一ファイル名のデータファイルが無い場合(S805でNO)、ファイル管理サーバ100は、アップロード対象のデータファイルから抽出されたパス情報に含まれるフォルダがあるか否かを調べる。該当するフォルダがある場合(S809でYES)、ファイル管理サーバ100は、検出されたフォルダの場所をユーザに報知し(S810)、指示を待つ。ここで、探索対象のフォルダは、パス情報に含まれるフォルダであれば良く、アップロード対象のデータファイルが格納されていたフォルダに限らず、その上位のフォルダ(ルートノードを除く)であっても良い。ただし、場所を報知するフォルダは、パス情報に含まれるフォルダのうちで最も下位のフォルダとする。また、探索するフォルダの階層を予め定めておいても良い。
【0065】
また、アップロード対象のデータファイルから抽出されたパス情報に含まれるフォルダが無い場合(S809でNO)、パス情報に示されるパスが全てファイルシステムから消去されたことを意味する。この場合、ファイル管理サーバ100は、その旨をユーザに報知し(S811)、指示を待つ。
【0066】
S810またはS811の報知の後、何れかのフォルダにデータファイルを格納する旨の指示を受け付けた場合(S812でYES)、ファイル管理サーバ100は、指示により指定されたフォルダにデータファイルを格納する(S813)。この場合、新規のデータファイルの格納となる。一方、データファイルの再アップロードをキャンセルする旨の指示を受け付けた場合(S812でNO)、ファイル管理サーバ100は、処理を終了する。
【0067】
以上、特性情報の内容に応じて、再アップロード時の動作例を複数示したが、上記の動作は例示に過ぎず、ファイル管理サーバ100の再アップロード時の動作は、上記各フローチャートに示す動作に限定されない。特定情報にファイルID、バージョン情報、フォルダIDが何れも含まれる場合、
図6および
図7のフローチャートを組み合わせた動作となる。また、特定情報としてパス情報を用いた場合について、データファイルの識別をファイル名ではなく特定情報付加機能112により付加されるファイルIDにより行い、特定情報としてパス情報に加えてファイルIDを含むように構成しても良い。また、データファイルのバージョン管理を行い、特定情報としてパス情報に加えてバージョン情報を含むようにしても良い。
【0068】
<端末装置400の構成>
図9は、端末装置400のハードウェア構成例を示す図である。端末装置400は、コンピュータにより実現される。端末装置400を実現するコンピュータは、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)401と、記憶手段であるRAM(Random Access Memory)402、ROM(Read Only Memory)403、記憶装置404とを備える。また、端末装置400を実現するコンピュータは、入力装置405と、表示装置406とを備える。RAM402は、主記憶装置である。CPU401はROM403からプログラムやデータを読み込んで処理を実行することができる。記憶装置404にはプログラムが記憶されており、CPU401は記憶装置404に格納されたプログラムを主記憶装置に読み込んで実行する。また、記憶装置404には、CPU401による処理の結果が格納され、保存される。記憶装置404としては、例えば磁気ディスク装置やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。
【0069】
表示装置406は、操作画面や情報提示画面等の画面を表示する装置である。表示装置406は、ファイル管理サーバ100から取得したUI画面を表示する。表示装置406としては、例えば、液晶ディスプレイ等が用いられる。入力装置405は、利用者による入力操作を受け付ける装置である。入力装置405は、表示装置406に表示されたUI画面等の操作画面にしたがって利用者が行う操作を受け付ける。入力装置405としては、例えば、キーボードやマウス等のデバイスが用いられる。また、入力装置405としてタッチセンサを用い、表示装置406である液晶ディスプレイと組み合わせて、ユーザインターフェイスとしてのタッチパネルを構成しても良い。
【0070】
ファイル管理サーバ100とのデータ交換(データファイルおよび特定情報の送信、ファイルシステムにおける特定情報に対応するデータファイルの有無や格納場所の情報の受信など)、表示装置406へのUI画面の表示、UI画面および入力装置405の操作(データファイルの格納場所や格納方法の指定など)の受け付け等の各機能は、CPU401がプログラムを実行することにより実現される。
【0071】
<UI画面の構成例>
図10は、表示装置406に表示されるUI画面の構成例を示す図である。
図10に示すUI画面410は、階層表示部411と、メッセージ表示部412と、指示入力部413と、OKボタン414と、キャンセルボタン415とを備える。階層表示部411には、ファイル管理サーバ100のファイルシステムのフォルダ構造(階層構造)が表示される。階層表示部411に表示されるフォルダ構造は、フォルダを指定するUIとして機能する。ユーザは、階層表示部411に表示されたフォルダ構造からフォルダを選択操作することにより、データファイルの格納先のフォルダを指定することができる。
【0072】
メッセージ表示部412には、ファイル管理サーバ100からユーザに報知する情報や、ユーザへの問い合わせのメッセージが表示される。指示入力部413には、ユーザによるファイル管理サーバ100への指示が入力される。OKボタン414は、指示入力部413に入力された指示を確定し、ファイル管理サーバ100へ送信するためのボタンオブジェクトである。キャンセルボタン415は、表示されたUI画面410による操作を中止するためのボタンオブジェクトである。
【0073】
図5に示した動作において、S501でYESとなり、ファイル管理サーバ100がアップロード対象のデータファイルを格納するか否かを問い合わせる際、UI画面410において、階層表示部411には、例えば検出されたフォルダがフォルダ構造を示すツリー図等で示される。そして、メッセージ表示部412には、例えば、アップロード対象のデータファイルと同一のファイルIDを有するデータファイルがある場合、「ファイルを更新しますか」等のメッセージが表示される。また、アップロード対象のデータファイルと同一のファイルIDを有するデータファイルが無い場合、「格納しますか」等のメッセージが表示される。ユーザは、指示入力部413に格納先のフォルダのファイルシステム上の場所を入力し、OKボタン414を操作してデータファイルを格納させる。
【0074】
また、S505の報知が行われる際、UI画面410において、メッセージ表示部412には、例えば、「ファイルを格納しますか」等のメッセージが表示される。ユーザは、データファイルを格納する場合は、指示入力部413に格納先のフォルダのファイルシステム上の場所を入力し、OKボタン414を操作してデータファイルを格納させる。一方、データファイルの格納を中止する場合、ユーザは、キャンセルボタン415を操作して、処理を終了する。
【0075】
また、
図6に示した動作において、S606の報知が行われる際、UI画面410において、メッセージ表示部412には、例えば、「最新のバージョンではありません」等のメッセージが表示される。また、指示入力部413には、同一データファイルの最新のバージョンとして同一のフォルダに格納するか、別のデータファイルとして新規に格納するかの選択を受け付ける表示(例えば、チェックボックスと選択内容メッセージの組み合わせ等)が行われる。ユーザは、データファイルを格納する場合、何れかの格納方法を選択してOKボタン414を操作してデータファイルを格納させる。このとき、新規の格納を選択した場合、メッセージ表示部412に格納先の指定を要求するメッセージがさらに表示される。そして、ユーザは、格納先のフォルダのファイルシステム上の場所を入力し、OKボタン414を操作する。一方、データファイルの格納を中止する場合、ユーザは、キャンセルボタン415を操作して、処理を終了する。
【0076】
また、
図7に示した動作において、S706の報知が行われる場合、UI画面410において、階層表示部411にデータファイルが検出されたフォルダの場所が示されると共に、メッセージ表示部412に、例えば、「ファイルが移動されています」等のメッセージが表示され、フォルダが異なることが報知される。また、メッセージ表示部412には、移動先のフォルダのデータファイルを更新するか、別のデータファイルとして新規に格納するかの選択を受け付ける表示(例えば、チェックボックスと選択内容メッセージの組み合わせ等)が行われる。ユーザは、データファイルを格納する場合、何れかの格納方法を選択してOKボタン414を操作してデータファイルを格納させる。このとき、新規の格納を選択した場合、メッセージ表示部412に、ダウンロード元の(移動前の)フォルダに格納するか、他のフォルダに格納するかの選択を要求するメッセージが表示される。ユーザは、格納先のフォルダのファイルシステム上の場所を入力し、OKボタン414を操作する。一方、データファイルの格納を中止する場合、ユーザは、キャンセルボタン415を操作して、処理を終了する。
【0077】
また、S710の報知が行われる場合、UI画面410において、階層表示部411に検出されたフォルダの場所が示されると共に、メッセージ表示部412に、「ファイルを格納しますか」等のメッセージが表示される。これに対し、S711の報知が行われる場合、フォルダの場所は示されず、メッセージ表示部412に、「該当するフォルダがありません。ファイルを格納しますか」等のメッセージが表示される。ユーザは、データファイルを格納する場合、格納先のフォルダのファイルシステム上の場所を入力し、OKボタン414を操作する。一方、データファイルの格納を中止する場合、ユーザは、キャンセルボタン415を操作して、処理を終了する。
【0078】
また、
図8に示した動作において、S806の報知が行われる場合、UI画面410において、階層表示部411に対象のデータファイルのパスが示されると共に、メッセージ表示部412に、例えば、「ファイルが移動されています」等のメッセージが表示され、パスが異なることが報知される。また、メッセージ表示部412には、移動先のパスのデータファイルを更新するか、別のデータファイルとして新規に格納するかの選択を受け付ける表示(例えば、チェックボックスと選択内容メッセージの組み合わせ等)が行われる。ユーザは、データファイルを格納する場合、何れかの格納方法を選択してOKボタン414を操作してデータファイルを格納させる。このとき、新規の格納を選択した場合、メッセージ表示部412に、ダウンロード元の(移動前の)パスに格納するか、他のパスに格納するかの選択を要求するメッセージが表示される。ユーザは、格納先のパスを入力し、OKボタン414を操作する。一方、データファイルの格納を中止する場合、ユーザは、キャンセルボタン415を操作して、処理を終了する。
【0079】
また、S810の報知が行われる場合、UI画面410において、階層表示部411に検出されたパスが示されると共に、メッセージ表示部412に、「ファイルを格納しますか」等のメッセージが表示される。これに対し、S811の報知が行われる場合、パスは示されず、メッセージ表示部412に、「該当するパスがありません。ファイルを格納しますか」等のメッセージが表示される。ユーザは、データファイルを格納する場合、格納先のパスを入力し、OKボタン414を操作する。一方、データファイルの格納を中止する場合、ユーザは、キャンセルボタン415を操作して、処理を終了する。
【0080】
図11は、表示装置406に表示される他のUI画面の構成例を示す図である。
図11に示すUI画面420は、フォルダ表示部421と、アップロード領域422とを備える。
図11に示すUI画面420は、データファイルのアップロード(または、再アップロード)において、初期的に表示される画面の例である。データファイルをアップロード(または、再アップロード)する際、例えば、まず表示装置406に
図11のUI画面420が表示され、データファイルのアップロード(または、再アップロード)の操作を受け付ける。そして、アップロード対象のデータファイルから特定情報が抽出され、
図4のS406に示したデータファイルの管理状態の調査が行われると、
図10のUI画面410が表示されて、データファイルのアップロードの態様が特定される。
【0081】
図11に示すUI画面420において、フォルダ表示部421には、ファイル管理サーバ100のファイルシステムを構成するフォルダ群が表示される。フォルダ表示部421に表示されるフォルダは、特定の表示条件を満たすフォルダのみとしても良いし、
図10のUI画面410の階層表示部411のように、ファイルシステムの階層構造を構成する各フォルダとしても良い。表示条件としては、ファイルシステムにおけるルートから一定階層までのフォルダ、使用頻度の高いフォルダ等、既存のファイルシステムの表示方法において用いられる種々の条件を用い得る。なお、
図11に示すフォルダ表示部421は、各フォルダの名称および説明文を表示するように構成されているが、具体的なフォルダの表示方法は、特に限定しない。
【0082】
アップロード領域422は、GUI(Graphical User Interface)によりデータファイルのアップロード操作を受け付ける操作手段である。具体的には、ユーザは、表示装置406の画面上で、アップロードしようとするデータファイルのアイコンを、ドラッグ・アンド・ドロップ操作によりアップロード領域422に移動させる。この操作が行われると、端末装置400からファイル管理サーバ100へ、操作されたアイコンに係るデータファイルと、このデータファイルのアップロード要求とが送信される。
【0083】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態には限定されない。例えば、上記の実施形態では、ファイル管理サーバ100の機能を一のサーバで実現した構成を説明したが、ファイル管理サーバ100の各機能をネットワーク上の複数のサーバに分散させて構成しても良い(いわゆるクラウドサーバ等)。
【0084】
また、上記の実施形態では、データファイルの識別情報としてファイル管理サーバ100が付加するファイルIDを用いたが、同じファイル名のデータファイルであっても格納場所のフォルダとの組み合わせ等で識別可能である場合や、同じファイル名が存在しないような制限が可能である場合は、ユーザがデータファイルに付加したファイル名をデータファイルの識別情報として用いても良い。
【0085】
また、上記の実施形態では、データファイルの再アップロードの際、特定情報が付加されているデータファイルをファイル管理サーバ100へ送り、ファイル管理サーバ100が特定情報を抽出してデータファイルの管理状態を調査した。これに対し、データファイルの再アップロードに先立って、端末装置400においてデータファイルから特定情報を抽出してファイル管理サーバ100へ送り、ファイル管理サーバ100において受信した特定情報に基づいてデータファイルの管理状態の調査を完了した後に、データファイルのアップロードを受け付けるようにしても良い。
【0086】
また、上記の実施形態では、アップロードされたデータファイルに特定情報が付加されているかいないかに基づき、付加されている場合(再アップロードの場合)は、ファイル管理サーバ100がデータファイルの管理状態を調査した。これに対し、ユーザによりデータファイルの格納場所を指定して再アップロードが行われた場合は、ファイル管理サーバ100によるデータファイルの管理状態の調査を行わず、指定された格納場所にデータファイルを格納するようにしても良い。この場合、データファイルの格納場所を指定せずに再アップロードが行われた場合にのみ、ファイル管理サーバ100によるデータファイルの管理状態の調査が行われる。
【0087】
また、上記の実施形態では、アップロードされたデータファイルに特定情報が付加されているか否かに基づき、そのアップロードが最初のアップロードか再アップロードかを識別した。これに対し、ユーザにより格納場所を指定してデータファイルがアップロードされた場合には最初のアップロードと識別し、ユーザにより格納場所を指定せずにデータファイルがアップロードされた場合には、再アップロードと識別するようにしても良い。この場合、ユーザにより格納場所を指定せずにアップロードされたファイルが、実際には新たに管理対象となるデータファイルである(すなわち、特定情報がいまだ付加されておらず特定情報が抽出できない)場合もある。そうした場合には、ユーザに格納場所の指定を要求するメッセージをメッセージ表示部412に表示し、ユーザに階層表示部411からフォルダを指定させるようにしても良い。その他、本発明の技術思想の範囲から逸脱しない様々な変更や構成の代替は、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
100…ファイル管理サーバ、101…CPU、102…RAM、103…ROM、104…記憶装置、110…要求受け付け機能、111…要求識別機能、112…特定情報付加機能、113…特定情報抽出機能、120…ファイル管理機能、130…ファイル状態調査機能、140…出力機能、200…ファイル記憶装置、250…画像認識機能、260…テキスト抽出機能、270…画像比較機能、280…文書差分判定機能、281…判定規則生成機能、290…出力機能、300…ファイル情報DB、400…端末装置、401…CPU、402…RAM、403…ROM、404…記憶装置、405…入力装置、406…表示装置、410…UI画面、411…階層表示部、412…メッセージ表示部、413…指示入力部、414…OKボタン、415…キャンセルボタン、420…UI画面、421…フォルダ表示部、422…アップロード領域