(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/237 20180101AFI20240702BHJP
F21S 43/247 20180101ALI20240702BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20240702BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20240702BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20240702BHJP
【FI】
F21S43/237
F21S43/247
F21W103:00
F21W103:35
F21W103:20
(21)【出願番号】P 2020094788
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西畑 孝司
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-012460(JP,A)
【文献】特開2018-85271(JP,A)
【文献】特開2018-181432(JP,A)
【文献】特開2018-198154(JP,A)
【文献】特開2019-96458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/237
F21S 43/247
F21W 103/00
F21W 103/35
F21W 103/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部及び可動部を有する車両の前記固定部に配置されて光を照射する固定側ユニットと、前記固定側ユニットとの間に隙間を空けた状態で前記可動部に配置されて光を照射する可動側ユニットとを備え、
前記固定側ユニットは、
第1光源と、
前記第1光源の光を導光する第1導光体と、
車両搭載状態において前記第1導光体の正面側を覆う第1正面部と、前記第1導光体の前記隙間側の側面を覆う第1脚部とを有する第1アウターレンズと
を有し、
前記可動側ユニットは、
第2光源と、
前記第2光源の光を導光する第2導光体と、
車両搭載状態において前記第2導光体の正面側を覆う第2正面部と、前記第2導光体の前記隙間側の側面を覆う第2脚部とを有する第2アウターレンズと
を有し、
前記第2脚部は、前記第2導光体に面する部分に光制御面を有し、
前記光制御面は、前記第1光源及び前記第2光源の少なくとも一方から出射されて当該光制御面に入射する光が前記第2脚部の内部を透過して当該第2脚部の正面側から出射されるように制御
し、
前記光制御面は、前記第1光源から出射され前記隙間側から前記第2脚部の内部に入射して当該第2脚部の内部側から前記光制御面に入射する光を内面反射する
車両用灯具。
【請求項2】
固定部及び可動部を有する車両の前記固定部に配置されて光を照射する固定側ユニットと、前記固定側ユニットとの間に隙間を空けた状態で前記可動部に配置されて光を照射する可動側ユニットとを備え、
前記固定側ユニットは、
第1光源と、
前記第1光源の光を導光する第1導光体と、
車両搭載状態において前記第1導光体の正面側を覆う第1正面部と、前記第1導光体の前記隙間側の側面を覆う第1脚部とを有する第1アウターレンズと
を有し、
前記可動側ユニットは、
第2光源と、
前記第2光源の光を導光する第2導光体と、
車両搭載状態において前記第2導光体の正面側を覆う第2正面部と、前記第2導光体の前記隙間側の側面を覆う第2脚部とを有する第2アウターレンズと
を有し、
前記第2脚部は、前記第2導光体に面する部分に光制御面を有し、
前記光制御面は、前記第1光源及び前記第2光源の少なくとも一方から出射されて当該光制御面に入射する光が前記第2脚部の内部を透過して当該第2脚部の正面側から出射されるように制御するものであり、車両搭載状態において水平面に平行な平面により前記第2脚部を切断した場合の断面形状が鋸状である
車両用灯具。
【請求項3】
前記光制御面は、前記第2脚部のうち前記第2導光体に面する部分に設けられる
請求項1
又は請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記光制御面は、前記第2導光体から出射されて当該光制御面に入射する前記光を前記第2脚部の内部に屈折させる
請求項
3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記第1脚部は、前記第1導光体から出射される光を当該第1脚部の内部に屈折させる屈折面を有する
請求項
1に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記光制御面は、当該光制御面に到達する光が前記第2脚部のうち前記隙間側の面で内面反射するように前記光を制御する
請求項
3から請求項5のいずれか一項に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記光制御面は、車両搭載状態において水平面に平行な平面により前記第2脚部を切断した場合の断面形状が鋸状である
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の後部に車両本体側とバックドア側とに跨って配置される車両用灯具が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような車両用灯具は、車両本体側の灯具ユニットと、バックドア側の灯具ユニットとを備えた構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の車両用灯具は、車両本体側の灯具ユニットとバックドア側の灯具ユニットとが隙間を空けて配置される。このように車両における固定側と可動側との間に跨って配置される車両用灯具においては、固定側の灯具ユニットと可動側の灯具ユニットとの繋がり感を高める構成が求められている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、固定側の灯具ユニットと可動側の灯具ユニットとの間の繋がり感を向上させることが可能な車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用灯具は、固定部及び可動部を有する車両の前記固定部に配置されて光を照射する固定側ユニットと、前記固定側ユニットとの間に隙間を空けた状態で前記可動部に配置されて光を照射する可動側ユニットとを備え、前記固定側ユニットは、第1光源と、前記第1光源の光を導光する第1導光体と、車両搭載状態において前記第1導光体の正面側を覆う第1正面部と、前記第1導光体の前記隙間側の側面を覆う第1脚部とを有する第1アウターレンズとを有し、前記可動側ユニットは、第2光源と、前記第2光源の光を導光する第2導光体と、車両搭載状態において前記第2導光体の正面側を覆う第2正面部と、前記第2導光体の前記隙間側の側面を覆う第2脚部とを有する第2アウターレンズとを有し、前記第2脚部は、前記第2導光体に面する部分に光制御面を有し、前記光制御面は、前記第1光源及び前記第2光源の少なくとも一方から出射されて当該光制御面に入射する光が前記第2脚部の内部を透過して当該第2脚部の正面側から出射されるように制御する。
【0007】
また、前記光制御面は、前記第2脚部のうち前記第2導光体に面する部分に設けられてもよい。
【0008】
また、前記光制御面は、前記第2導光体から出射されて当該光制御面に入射する前記光を前記第2脚部の内部に屈折させてもよい。
【0009】
また、前記光制御面は、前記第1光源から出射され前記隙間側から前記第2脚部の内部に入射して当該第2脚部の内部側から前記光制御面に入射する光を内面反射してもよい。
【0010】
また、前記第1脚部は、前記第1導光体から出射される光を当該第1脚部の内部に屈折させる屈折面を有してもよい。
【0011】
また、前記光制御面は、当該光制御面に到達する光が前記第2脚部のうち前記隙間側の面で内面反射するように前記光を制御してもよい。
【0012】
また、前記光制御面は、車両搭載状態において水平面に平行な平面により前記第2脚部を切断した場合の断面形状が鋸状であってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、固定側の灯具ユニットと可動側の灯具ユニットとの間の繋がり感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、車両の後方から見た状態の車両用灯具の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1におけるB-B断面に沿った構成を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1におけるC-C断面に沿った構成を示す図である。
【
図5】
図5は、車両用灯具を点灯させた場合の光の経路の一例を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、車両用灯具を点灯させた場合の光の経路の一例を模式的に示す図である。
【
図7】
図7は、車両用灯具の点灯状態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る車両用灯具の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0016】
図1は、車両1の後方から見た状態の車両用灯具100の一例を示す図である。
図1に示すように、車両1は、不図示の走行装置を有する車体2と、車両用灯具100と、を備える。車体2は、運転者が搭乗する運転室を有する。車体2は、走行装置に支持される。走行装置は、タイヤが装着されるホイールと、車両1の進行方向を変えるための操舵装置と、走行装置を減速又は停止させるためのブレーキ装置とを有する。車両1は、車体2の側部に設けられる乗降用ドアと、車体2の後部に設けられるバックドア7とを備える。乗降用ドア及びバックドア7はそれぞれ、ヒンジ機構を介して車体2に移動可能に支持される。
【0017】
以下の説明においては、車両1が水平面と平行な地面に配置されることとし、運転室に搭乗した運転者を基準として、前、後、上、下、左、及び右という用語を用いて各部の位置関係について説明する。前後、上下、左右の各方向は、車両用灯具が車両に搭載された車両搭載状態における方向であって、運転席から車両の進行方向を見た場合における方向を示す。なお、本実施形態では、上下方向は鉛直方向に平行であり、前後方向及び左右方向は水平方向に平行であるとする。
【0018】
本実施形態において、車両用灯具100は、車体2の後部の左側及び右側のそれぞれに設けられる。本実施形態では、車両用灯具100が車体2の後部に設けられる。そのため、前後方向の後方側を車両用灯具100の正面側とし、前後方向の前方側を車両用灯具100の背面側として説明する。
【0019】
車両用灯具100は、機能ランプを含む。機能ランプとして、車体2の後部に設けられヘッドランプの点灯と連動して点灯するテールランプ、車体2の後部に設けられブレーキ装置の作動と連動して点灯するストップランプ、車体2の後部に設けられ車両1の進行方向を周囲に示すために点灯するリアターンシグナルランプなどが挙げられる。
【0020】
車両用灯具100は、それぞれ車体2側とバックドア7側とに跨って配置される。本実施形態において、車体2は、固定部である。また、バックドア7は、可動部である。車体2の後部の左側に設けられる車両用灯具100の構造と車体2の後部の右側に設けられる車両用灯具100の構造とは、左右方向について対称であり、実質的に同一の構造である。以下、車体2の後部の右側に設けられる車両用灯具100について主に説明し、車体2の後部の左側に設けられる車両用灯具100についての説明は簡略又は省略する。
【0021】
図2から
図4は、本実施形態に係る車両用灯具100の一例を模式的に示す図である。
図2は、
図1におけるA-A断面に沿った構成を示している。
図3は、
図1におけるB-B断面に沿った構成を示している。図
4は、
図1におけるC-C断面に沿った構成を示している。
【0022】
図2から
図4に示す車両用灯具100は、固定部である車体2側に配置される固定側ユニット10と、可動部であるバックドア7側に配置される可動側ユニット20とを備える。固定側ユニット10と可動側ユニット20とは、隙間30を空けて分離されている。
【0023】
固定側ユニット10は、光源(第1光源)11と、導光体(第1導光体)12と、インナーハウジング13と、インナーレンズ14と、アウターレンズ(第1アウターレンズ)15と、ランプハウジング16とを備える。
【0024】
光源11は、例えばLED等の半導体型光源である。光源11は、固定側ユニット10に光を供給する。
【0025】
導光体12は、光源11からの光を正面側(後方)に向けて出射する。導光体12は、バックドア7側(可動側、左側)の端部に端面を有する。導光体12では、光源11からの光の一部が端面から左方に出射される。端面は、例えば平面状である。導光体12の左側の端部に端面を設けることにより、光源11の光の一部を効率的に左方に出射することができる。
【0026】
インナーハウジング13は、導光体12を保持する。インナーハウジング13は、導光体12の背面側に配置される。インナーハウジング13は、正面側の面13aに反射部材を有してもよい。この場合、導光体12から背面側に出射された光を正面側に反射することができる。
【0027】
インナーレンズ14は、導光体12から出射された光を透過する。インナーレンズ14は、導光体12の正面側を覆うように配置される。
【0028】
アウターレンズ15は、インナーレンズ14から出射された光を車両用灯具100の外部に出射する。アウターレンズ15は、板状であり、断面視において隙間30に面する部分がL状に屈曲されている。アウターレンズ15は、ランプハウジング16と共に車両用灯具100の各部を収容する。アウターレンズ15は、例えば透明又は点灯色と同系色の樹脂材料を用いて形成される。
【0029】
アウターレンズ15は、正面部(第1正面部)17と、脚部(第1脚部)18とを有する。正面部17は、インナーレンズ14の正面側に配置される。脚部18は、導光体12のバックドア7側の側方(左方)に配置される。脚部18は、正面部17の隙間側の端部から背面側に向けて延びた部分である。脚部18は、正面部17に接続される接続部分19を有する。接続部分19は、断面視において丸みを帯びた形状を有する。
【0030】
脚部18は、屈折面18aを有する。屈折面18aは、導光体12から出射されて脚部18に到達した光を当該脚部18の内部に屈折させる。屈折面18aから脚部18の内部に屈折した光は、脚部18を透過して隙間30側に出射される。隙間30側に出射された光は、後述する脚部28に入射する。屈折面18aは、背面側から正面側にかけて、例えば導光体12の正面側端部に対応する位置から接続部分19の背面側端部までの範囲に形成される。なお、屈折面18aの背面側の端部の位置は、後述する光制御面28aの位置に応じて適宜設定することができる。つまり、屈折面18aの背面側の端部の位置は、例えば導光体12からの光が後述する光制御面28aに入射可能となる位置に適宜設定することができる。
【0031】
屈折面18aは、例えば断面形状が鋸状である。なお、屈折面18aの断面形状は、鋸状に限定されず、上記のように光を屈折可能であれば、他の形状であってもよい。また、脚部18の導光体12側の面のうち屈折面18aが設けられる部分以外の部分は、例えばシボ加工が施された形状であってもよい。
【0032】
また、可動側ユニット20は、光源(第2光源)21と、導光体(第2導光体)22と、インナーハウジング23と、インナーレンズ24と、アウターレンズ(第2アウターレンズ)25と、ランプハウジング26とを備える。
【0033】
光源21は、例えばLED等の半導体型光源である。光源21は、可動側ユニット20に光を供給する。導光体22は、光源21からの光を正面側(後方)に向けて出射する。インナーハウジング23は、導光体22を保持する。インナーレンズ24は、導光体22から出射された光を透過する。
【0034】
光源21は、例えばLED等の半導体型光源である。光源21は、可動側ユニット20に光を供給する。導光体22は、光源21からの光を正面側(後方)に向けて出射する。インナーハウジング23は、導光体22を保持する。インナーレンズ24は、導光体22から出射された光を透過する。
【0035】
アウターレンズ25は、インナーレンズ24から出射された光を車両用灯具100の外部に出射する。アウターレンズ25は、板状であり、断面視において隙間30に面する部分がL状に屈曲されている。アウターレンズ25は、ランプハウジング26と共に車両用灯具100の各部を収容する。アウターレンズ25は、例えば透明又は点灯色と同系色の樹脂材料を用いて形成される。
【0036】
アウターレンズ25は、正面部(第2正面部)27と、脚部(第2脚部)28とを有する。正面部27は、インナーレンズ24の正面側に配置される。脚部28は、導光体22のバックドア7側の側方(左方)に配置される。脚部28は、正面部27の隙間30側の端部から背面側に向けて延びた部分である。脚部28は、正面部27に接続される接続部分29を有する。接続部分29は、断面視において丸みを帯びた形状を有する。
【0037】
脚部28は、光制御面28aを有する。光制御面28aは、脚部28のうち導光体22側の面に設けられる。光制御面28aは、導光体22から出射されて当該光制御面28aに入射する光を脚部28の内部に屈折させる。また、光制御面28aは、光源11から出射され隙間30側から脚部28の内部に入射して当該脚部28の内部側から光制御面28aに入射する光を内面反射する。光制御面28aは、背面側から正面側にかけて、例えば導光体22の正面側端部に対応する位置から接続部分29の背面側端部までの範囲に形成される。
【0038】
光制御面28aは、当該光制御面28aに到達する光、つまり、導光体22から出射されて光制御面28aに到達する光、及び固定側ユニット10から隙間30側に出射して脚部28の内部から光制御面28aに到達する光が、脚部28のうち隙間30側の面28bで内面反射するように当該光を制御する。光制御面28aは、例えば断面形状が鋸状である。なお、光制御面28aの断面形状は、鋸状に限定されず、上記のように光を制御可能であれば、他の形状であってもよい。また、脚部28において導光体22側の面のうち光制御面28aが設けられる部分以外の部分は、例えばシボ加工が施された形状であってもよい。
【0039】
本実施形態において、接続部分29の径は、固定側ユニット10のアウターレンズ25における接続部分19の径に比べて小さくなっている。この構成により、湾曲部分が脚部28の前方側(背面側)に延びた形状となることを抑制できる。接続部分29が脚部28の前方側に延びた形状の場合、光制御面28aで制御された光が接続部分29で内面反射されやすくなる。光制御面28aで制御された光が接続部分29で反射されると、正面部27側に回り込み、正面側27から出射されることになる。本実施形態では、アウターレンズ25の接続部分29の径が抑制されるため、光制御面28aで制御された光が正面部27側に回り込むことを防ぎ、確実に脚部28の正面側から出射することができる。
【0040】
次に、上記のように構成された車両用灯具100の動作の一例を説明する。運転者によって車両側の方向指示器の操作又はハザードスイッチの操作等、所定の操作が行われた場合、車両用灯具100は、当該操作に応じて、固定側ユニット10の光源11及び可動側ユニット20の光源21からそれぞれ光を出射する。
【0041】
図5及び
図6は、車両用灯具100を点灯させた場合の光の経路の一例を模式的に示す図である。
図5に示すように、固定側ユニット10の光源11から出射された光は、導光体12に入射し、導光体12によって導光される。この光は、一部が導光体12から正面側に出射され、インナーレンズ14の
正面部を透過し、アウターレンズ15の
正面部から正面に出射される。これにより、アウター
レンズ15の正面部の点灯領域AR1(
図7参照)が点灯した状態となる。
【0042】
また、
図5に示すように、可動側ユニット20の光源21から出射された光は、導光体22に入射し、導光体22によって導光される。この光は、導光体22から出射され、インナーレンズ24を透過し、アウターレンズ25から正面に出射される。これにより、アウターレンズ25の点灯領域AR2(
図7参照)が点灯した状態となる。
【0043】
一方、
図6に示すように、導光体12によって導光される光L1のうちの一部の光L1aは、例えば導光体12から出射されてアウターレンズ15の脚部18に到達し、脚部18に設けられた屈折面18aにより脚部18の内部に入射する。この光L1aは、脚部18の内部を透過し、隙間30側に出射され、可動側ユニット20のアウターレンズ25の脚部28の内部に入射して、脚部28の内部側から光制御面28aに到達する。光L1aは、光制御面28aにより正面側へ内面反射される。この光L1aは、脚部28の内部を進行し、脚部28の隙間30側の面でさらに内面反射され、脚部28の正面側から出射される。
【0044】
また、
図6に示すように、導光体22によって導光される光L2のうちの一部の光L2aは、例えば導光体22から出射されて、アウターレンズ25の光制御面28aに外部から到達する。光制御面28aに到達した光L2aは、当該光制御面28aにより脚部28の内部の正面側へ屈折される。この光L2aは、脚部28の内部を進行し、脚部28の隙間30側の面でさらに内面反射され、脚部28の正面側から出射される。
【0045】
上記の光L1a及び光L2aにより、アウターレンズ25の点灯領域AR3が点灯した状態となる。
【0046】
図7は、車両用灯具100の点灯状態の一例を示す図である。
図7に示すように、車両用灯具100では、光制御面28aが設けられることにより、脚部28の正面側に点灯領域AR3が形成される。この場合、車両用灯具100は、固定側ユニット10のアウターレンズ15の正面部17に点灯領域AR1が形成され、可動側ユニット20のアウターレンズ25の正面部27に点灯領域AR2が形成され、アウターレンズ25の脚部28の正面側に点灯領域AR3が形成される。このため、点灯領域AR1と点灯領域AR2との間が点灯領域AR3によって接続される印象を見る者に与えることができる。
【0047】
以上のように、本実施形態に係る車両用灯具100は、固定部(車体2)及び可動部(バックドア7)を有する車両の固定部に配置されて光を照射する固定側ユニット10と、固定側ユニット10との間に隙間30を空けた状態で可動部に配置されて光を照射する可動側ユニット20とを備え、固定側ユニット10は、光源11と、光源11の光を導光する導光体12と、車両搭載状態において導光体12の正面側を覆う正面部17と、導光体12の隙間30側の側面を覆う脚部18とを有するアウターレンズ15とを有し、可動側ユニット20は、光源21と、光源21の光を導光する導光体22と、車両搭載状態において導光体22の正面側を覆う正面部27と、導光体22の隙間30側の側面を覆う脚部28とを有するアウターレンズ25とを有し、脚部28は、導光体22に面する部分に光制御面28aを有し、光制御面28aは、光源11及び光源21の少なくとも一方から出射されて当該光制御面28aに入射する光が脚部28の内部を透過して正面側から出射されるように制御する。
【0048】
この構成によれば、光源11及び光源21の少なくとも一方から出射されて当該光制御面28aに入射する光が脚部28の内部を透過して正面側から出射されるため、脚部28の正面側に点灯領域AR3が形成される。つまり、固定側ユニット10アウターレンズ15の正面部17に点灯領域AR1が形成され、可動側ユニット20のアウターレンズ25の正面部27に点灯領域AR2が形成され、脚部28の正面側に点灯領域AR3が形成される。このため、点灯領域AR1と点灯領域AR2との間が点灯領域AR3によって接続される印象を見る者に与えることができる。これにより、固定側ユニット10と可動側ユニット20との間の繋がり感を向上させることができる。
【0049】
本実施形態に係る車両用灯具100において、光制御面28aは、脚部28のうち導光体22に面する部分に設けられてもよい。これにより、外部から直接見える位置に光制御面28aが配置されない構成となるため、見栄えの低下を回避できる。
【0050】
本実施形態に係る車両用灯具100において、光制御面28aは、導光体22から出射されて当該光制御面28aに入射する光を脚部28の内部に屈折させてもよい。これにより、導光体22から出射されて脚部28に到達する光を無駄なく利用することができる。
【0051】
本実施形態に係る車両用灯具100において、光制御面28aは、光源11から出射され隙間30側から脚部28の内部に入射して当該脚部28の内部側から光制御面28aに入射する光を内面反射してもよい。固定側ユニット10から照射される光についても点灯領域AR3に用いることができるため、点灯領域AR3の輝度を十分に確保できる。
【0052】
本実施形態に係る車両用灯具100において、脚部18は、導光体12から出射される光を当該脚部18の内部に屈折させる屈折面18aを有してもよい。これにより、導光体12から出射されて脚部18に到達する光を効率的に光制御面28a側に供給することができる。
【0053】
本実施形態に係る車両用灯具100において、光制御面28aは、当該光制御面28aに到達する光が脚部28のうち隙間30側の面で内面反射するように光を制御してもよい。これにより、光制御面28aで制御した光を脚部28の内部から正面側に確実に到達させることができる。
【0054】
本実施形態に係る車両用灯具100において、光制御面28aは、車両搭載状態において水平面に平行な平面により脚部28を切断した場合の断面形状が鋸状であってもよい。これにより、光制御面28aに入射する光が脚部28の内部を透過して正面側から出射されるように制御可能な構成を容易に形成することができる。
【0055】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、光制御面28aが光L1a及び光L2aの両方を脚部28の正面側に供給するように制御する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。光制御面28aは、光L1a及び光L2aのうち少なくとも一方を脚部28の正面側に供給可能な構成であってもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、脚部18に屈折面18aが形成された構成を例に挙げて説明したが、例えば屈折面18aは、設けられなくてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、脚部28のうち導光体22に面する部分に光制御面28aが設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。光制御面28aは、脚部28のうち隙間30に面する部分に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0058】
L1,L2,L1a,L2a…光、AR1,AR2,AR3…点灯領域、1…車両、2…車体、7…バックドア、10…固定側ユニット、11,21…光源、12,22…導光体、13,23…インナーハウジング、13a,28b…面、14,24…インナーレンズ、15,25…アウターレンズ、16,26…ランプハウジング、17,27…正面部、18,28…脚部、18a…屈折面、19,29…接続部分、20…可動側ユニット、28a…光制御面、30…隙間、100…車両用灯具