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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】シフトレジスタ、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 19/28 20060101AFI20240702BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240702BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G11C19/28 230
G09G3/20 622E
G09G3/20 680G
G09G3/20 624B
G09G3/36
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020105851
(22)【出願日】2020-06-19
(65)【公開番号】P2022000833
(43)【公開日】2022-01-04
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】小倉 潤
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-130139(JP,A)
【文献】特表2018-506130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 19/28
G09G 3/20
G09G 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査線にそれぞれ接続され、縦続接続された複数のコア回路を具備し、
前記複数のコア回路の各々は、
前段のコア回路の出力信号に対応する入力信号を第1ノードに転送する入力部と、
第1フレーム信号により有効化され、前記第1ノードの反転信号を第2ノードで保持する第1インバータ回路と、
前記第1フレーム信号と相補である第2フレーム信号により有効化され、前記第1ノードの反転信号を第3ノードで保持する第2インバータ回路と、
出力トランジスタと、キャパシタとを含み、前記出力トランジスタは、前記第1ノードに接続されたゲートと、第1クロック信号又は第2クロック信号を受ける第1端子と、走査線に接続された第2端子とを有し、前記キャパシタは、前記第1ノードに接続された第1電極と、前記走査線に接続された第2電極とを有する、出力部と、
前記第2ノードに接続されたゲートと、前記走査線に接続された第1端子と、基準電圧が供給される第2端子とを有する第1プルダウントランジスタと、
前記第3ノードに接続されたゲートと、前記走査線に接続された第1端子と、前記基準電圧が供給される第2端子とを有する第2プルダウントランジスタと、
前記第2ノードと前記第3ノードとの間に接続され、前記第1ノードに接続されたゲートを有する第1トランジスタと、
を含み、
奇数番目のコア回路は、前記第1クロック信号を受け、
偶数番目のコア回路は、前記第1クロック信号と相補である前記第2クロック信号を受ける
シフトレジスタ。
【請求項2】
前記第1インバータ回路は、第2及び第3トランジスタを含み、
前記第2トランジスタは、前記第2ノードに接続されたゲートと、前記第1ノードに接続された第1端子と、前記基準電圧が供給される第2端子とを有し、
前記第3トランジスタは、前記第1ノードに接続されたゲートと、前記第2ノードに接続された第1端子と、前記基準電圧が供給される第2端子とを有し、
前記第2インバータ回路は、第4及び第5トランジスタを含み、
前記第4トランジスタは、前記第3ノードに接続されたゲートと、前記第1ノードに接続された第1端子と、前記基準電圧が供給される第2端子とを有し、
前記第5トランジスタは、前記第1ノードに接続されたゲートと、前記第3ノードに接続された第1端子と、前記基準電圧が供給される第2端子とを有する
請求項に記載のシフトレジスタ。
【請求項3】
前記第2トランジスタのチャネル幅をW1、前記第3トランジスタのチャネル幅をW2とすると、
W2≦W1≦2×W2
の関係を有する
請求項に記載のシフトレジスタ。
【請求項4】
前記第1インバータ回路は、前記第1フレーム信号を前記第2ノードに転送する第6トランジスタを含み、
前記第2インバータ回路は、前記第2フレーム信号を前記第3ノードに転送する第7トランジスタを含む
請求項1乃至の何れか1項に記載のシフトレジスタ。
【請求項5】
前記入力部は、後段のコア回路の出力信号に対応するリセット信号が入力されるゲートと、前記第1ノードに接続された第1端子と、前記基準電圧が供給される第2端子とを有するリセットトランジスタを含む
請求項1乃至の何れか1項に記載のシフトレジスタ。
【請求項6】
最終段のコア回路に含まれるリセットトランジスタのゲートには、前記最終段のコア回路の出力信号が有効化された後に有効化されるクリア信号が入力される
請求項に記載のシフトレジスタ。
【請求項7】
1段目のコア回路の入力部には、走査動作を開始するためのスタート信号が入力される
請求項1乃至の何れか1項に記載のシフトレジスタ。
【請求項8】
請求項1乃至の何れか1項に記載のシフトレジスタを具備する表示装置。
【請求項9】
複数の画素を含む画素アレイをさらに具備し、
前記複数の走査線は、前記画素アレイに接続される
請求項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフトレジスタ、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)をアクティブ素子として使用するアクティブマトリクス型の液晶表示装置、或いは有機EL(electroluminescence)表示装置は、TFTをマトリクス状に配置した基板(TFT基板と呼ぶ)を備えている。TFT基板は、カラム方向にそれぞれが延びかつ画像信号が入力される複数の信号線と、ロウ方向にそれぞれが延びる複数の走査線とを有している。
【0003】
近年、走査線を駆動するゲートドライバをTFT基板上に形成し、ドライバICのコスト削減および表示パネルの狭額縁化が図られている。また、TFT基板上にゲートドライバを形成することで、走査線の引き回し配線の制約がなくなるため、車載向けなどで要求が高い「異形表示パネル」に対しても有用な技術となってきている。このような技術は、GIP(Gate driver in panel)、或いはGOA(Gate driver on array)と呼ばれる。
【0004】
TFTで形成された走査線駆動回路には、複数の走査線に順次パルス信号を出力するためのシフトレジスタが用いられる。このシフトレジスタは、走査線にパルス信号を出力するTFT(出力TFTと呼ぶ)と、走査線が非選択時に走査線をプルダウンさせるTFT(プルダウンTFTと呼ぶ)と、インバータ回路とを備える。インバータ回路を備える目的は、出力TFTがゲート・ドレイン間の寄生容量を介して自らを誤動作させてしまう、いわゆるセルフターンオン現象を抑制することにある。
【0005】
このインバータ回路は、走査線が非選択時に走査線をオフに保つように動作することが必要となる。そのため、プルダウンTFTのゲートには正バイアスが印加され続けることになり、TFTの特性が経時変化(例えば閾値電圧のシフト)してしまう。その場合、インバータ回路の機能不良や走査線のプルダウンの機能不良による誤動作が生じてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5190281号公報
【文献】特許第5399555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、誤動作を抑制できるシフトレジスタ、及び表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様に係るシフトレジスタは、複数の走査線にそれぞれ接続され、縦続接続された複数のコア回路を具備する。前記複数のコア回路の各々は、前段のコア回路の出力信号に対応する入力信号を第1ノードに転送する入力部と、第1フレーム信号により有効化され、前記第1ノードの反転信号を第2ノードで保持する第1インバータ回路と、前記第1フレーム信号と相補である第2フレーム信号により有効化され、前記第1ノードの反転信号を第3ノードで保持する第2インバータ回路と、出力トランジスタと、キャパシタとを含み、前記出力トランジスタは、前記第1ノードに接続されたゲートと、第1クロック信号又は第2クロック信号を受ける第1端子と、走査線に接続された第2端子とを有し、前記キャパシタは、前記第1ノードに接続された第1電極と、前記走査線に接続された第2電極とを有する、出力部と、前記第2ノードに接続されたゲートと、前記走査線に接続された第1端子と、基準電圧が供給される第2端子とを有する第1プルダウントランジスタと、前記第3ノードに接続されたゲートと、前記走査線に接続された第1端子と、前記基準電圧が供給される第2端子とを有する第2プルダウントランジスタとを含む。奇数番目のコア回路は、前記第1クロック信号を受け、偶数番目のコア回路は、前記第1クロック信号と相補である前記第2クロック信号を受ける。
【0009】
本発明の第2態様に係るシフトレジスタは、第1態様のシフトレジスタにおいて、前記第2ノードと前記第3ノードとの間に接続され、前記第1ノードに接続されたゲートを有する第1トランジスタをさらに具備する。
【0010】
本発明の第3態様に係るシフトレジスタは、第1又は2態様のシフトレジスタにおいて、前記第1インバータ回路は、第2及び第3トランジスタを含み、前記第2トランジスタは、前記第2ノードに接続されたゲートと、前記第1ノードに接続された第1端子と、前記基準電圧が供給される第2端子とを有し、前記第3トランジスタは、前記第1ノードに接続されたゲートと、前記第2ノードに接続された第1端子と、前記基準電圧が供給される第2端子とを有し、前記第2インバータ回路は、第4及び第5トランジスタを含み、前記第4トランジスタは、前記第3ノードに接続されたゲートと、前記第1ノードに接続された第1端子と、前記基準電圧が供給される第2端子とを有し、前記第5トランジスタは、前記第1ノードに接続されたゲートと、前記第3ノードに接続された第1端子と、前記基準電圧が供給される第2端子とを有する。
【0011】
本発明の第4態様に係るシフトレジスタは、第3態様のシフトレジスタにおいて、前記第2トランジスタのチャネル幅をW1、前記第3トランジスタのチャネル幅をW2とすると、「W2≦W1≦2×W2」の関係を有する。
【0012】
本発明の第5態様に係るシフトレジスタは、第1乃至4態様の何れかのシフトレジスタにおいて、前記第1インバータ回路は、前記第1フレーム信号を前記第2ノードに転送する第6トランジスタを含み、前記第2インバータ回路は、前記第2フレーム信号を前記第3ノードに転送する第7トランジスタを含む。
【0013】
本発明の第6態様に係るシフトレジスタは、第1乃至5態様の何れかのシフトレジスタにおいて、前記入力部は、後段のコア回路の出力信号に対応するリセット信号が入力されるゲートと、前記第1ノードに接続された第1端子と、前記基準電圧が供給される第2端子とを有するリセットトランジスタを含む。
【0014】
本発明の第7態様に係るシフトレジスタは、第6態様のシフトレジスタにおいて、最終段のコア回路に含まれるリセットトランジスタのゲートには、前記最終段のコア回路の出力信号が有効化された後に有効化されるクリア信号が入力される。
【0015】
本発明の第8態様に係るシフトレジスタは、第1乃至7態様の何れかのシフトレジスタにおいて、1段目のコア回路の入力部には、走査動作を開始するためのスタート信号が入力される。
【0016】
本発明の第9態様に係る表示装置は、第1乃至8態様の何れかのシフトレジスタを具備する。
【0017】
本発明の第10態様に係る表示装置は、第9態様の表示装置において、複数の画素を含む画素アレイをさらに具備する。前記複数の走査線は、前記画素アレイに接続される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、誤動作を抑制できるシフトレジスタ、及び表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施形態に係る液晶表示装置のレイアウト図である。
図2図2は、実施形態に係る液晶表示装置のブロック図である。
図3図3は、図2に示した画素アレイの回路図である。
図4図4は、走査線駆動回路に含まれるシフトレジスタのブロック図である。
図5図5は、図4に示したコア回路の回路図である。
図6図6は、液晶表示装置の基本的な動作を説明するタイミング図である。
図7図7は、液晶表示装置のより詳細な動作を説明するタイミング図である。
図8図8は、選択期間におけるコア回路のインバータ動作を説明する模式図である。
図9図9は、1段目のコア回路の駆動波形である。
図10図10は、1段目のコア回路の駆動波形である。
図11図11は、最終段のコア回路の駆動波形である。
図12図12は、最終段のコア回路の駆動波形である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法および比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、図面の相互間で同じ部分を表す場合においても、互いの寸法の関係や比率が異なって表される場合もある。特に、以下に示す幾つかの実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置等によって、本発明の技術思想が特定されるものではない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0021】
[1] 液晶表示装置1の構成
本実施形態では、表示装置として、液晶表示装置を例に挙げて説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置1のレイアウト図である。本実施形態の液晶表示装置1は、例えば、GIP(gate driver in panel)、又はGOA(gate driver on array)型のLCD(liquid crystal display)からなる。液晶表示装置1は、画素アレイ10、走査線ドライバ(GIPと表記する)11-1、11-2、及び集積回路(IC:integrated circuit)2を備える。
【0023】
画素アレイ10には、それぞれがX方向に延びる複数の走査線GLと、それぞれがX方向に交差するY方向に延びる複数の信号線SLとが配設される。
【0024】
画素アレイ10のX方向両側にはそれぞれ、走査線ドライバ11-1、11-2が配置される。走査線ドライバ11-1は、奇数番目の走査線GLに接続される。走査線ドライバ11-は、偶数番目の走査線GLに接続される。
【0025】
集積回路2は、複数の信号線SLに接続される。また、集積回路2は、走査線ドライバ11-1、11-2に接続される。集積回路2は、ICチップで構成される。
【0026】
図2は、実施形態に係る液晶表示装置1のブロック図である。液晶表示装置1は、画素アレイ10、走査線駆動回路11、信号線駆動回路12、共通電極駆動回路13、電圧発生回路14、及び制御回路15を備える。図1に示した走査線ドライバ11-1、11-2は、図2に示した走査線駆動回路11に対応する。図1に示した集積回路2は、図2に示した信号線駆動回路12、共通電極駆動回路13、電圧発生回路14、及び制御回路15を含む。
【0027】
画素アレイ10は、マトリクス状に配列された複数の画素PXを備える。画素アレイ10には、それぞれがX方向に延びる複数の走査線GL1~GLmと、それぞれがY方向に延びる複数の信号線SL1~SLnとが配設される。“m”及び“n”はそれぞれ、2以上の整数である。走査線GLと信号線SLとの交差領域には、画素PXが配置される。
【0028】
走査線駆動回路11は、複数の走査線GLに電気的に接続される。走査線駆動回路11は、制御回路15から送られる制御信号に基づいて、画素PXに含まれるスイッチング素子をオン/オフするための走査信号を画素アレイ10に送る。
【0029】
信号線駆動回路12は、複数の信号線SLに電気的に接続される。信号線駆動回路12は、制御回路15から制御信号、及び表示データを受ける。信号線駆動回路12は、制御信号に基づいて、表示データに対応する階調信号(駆動電圧)を画素アレイ10に送る。
【0030】
共通電極駆動回路13は、共通電圧Vcomを生成し、これを画素アレイ10内の共通電極に供給する。共通電極は、複数の画素PXごとに設けられた複数の画素電極に液晶層を介して対向するように設けられる電極である。
【0031】
電圧発生回路14は、液晶表示装置1の動作に必要な各種電圧を生成し、これら電圧を対応する回路に供給する。
【0032】
制御回路15は、液晶表示装置1の動作を統括的に制御する。制御回路15は、外部から画像データDT及び制御信号CNTを受ける。制御回路15は、画像データDTに基づいて、各種制御信号を生成し、これら制御信号を、対応する回路に送る。
【0033】
[2] 画素PXの回路構成
次に、画素アレイ10に含まれる画素PXの回路構成について説明する。図3は、図2に示した画素アレイ10の回路図である。
【0034】
画素PXは、スイッチング素子(アクティブ素子)16、液晶容量(液晶素子)Clc、及び蓄積容量Csを備える。スイッチング素子16としては、例えばTFT(Thin Film Transistor)が用いられ、またnチャネルTFTが用いられる。
【0035】
TFT16のソースは、信号線SLに接続され、そのゲートは、走査線GLに接続され、そのドレインは、液晶容量Clcに接続される。液晶素子としての液晶容量Clcは、画素電極と、共通電極と、これらに挟まれた液晶層とにより構成される。
【0036】
蓄積容量Csは、液晶容量Clcに並列接続される。蓄積容量Csは、画素電極に生じる電位変動を抑制するとともに、画素電極に印加された駆動電圧を次の信号に対応する駆動電圧が印加されるまでの間保持する機能を有する。蓄積容量Csは、画素電極と、蓄積電極(蓄積容量線ともいう)と、これらに挟まれた絶縁膜とにより構成される。共通電極及び蓄積電極には、共通電極駆動回路13により共通電圧Vcomが印加される。
【0037】
[3] 走査線駆動回路11の構成
次に、走査線駆動回路11の構成について説明する。走査線駆動回路11は、シフトレジスタ11Aを備える。図4は、走査線駆動回路11に含まれるシフトレジスタ11Aのブロック図である。
【0038】
シフトレジスタ11Aは、複数のコア回路RG1~RGmを備える。コア回路RG1~RGmはそれぞれ、走査線GL1~GLmに対応して設けられる。本明細書では、複数のコア回路RG1~RGmに共通する説明には、“コア回路RG”と表記する。
【0039】
複数のコア回路RG1~RGmは、縦続接続される。各コア回路RGは、入力データを一時的に記憶するレジスタとして機能する。シフトレジスタ11Aは、クロック信号に同期して動作し、入力データ(パルス信号)を順次シフトするように動作する。
【0040】
各コア回路RGは、自身に入力される複数の信号の条件に応じて、パルス信号を出力するように構成される。各コア回路RGは、入力端子V_IN、出力端子OUT、フレーム端子Fr_o、フレーム端子Fr_e、クロック端子CLK、クリア端子CR、及びリセット端子RST_INを備える。
【0041】
複数のコア回路RG1~RGmは、任意のコア回路RGiの出力端子OUTが、後段のコア回路RG(i+1)の入力端子V_INに接続されるようにして、縦続接続される。iは、1~mのうち任意の数である。なお、1段目のコア回路RG1の入力端子V_INには、スタート信号STが入力される。
【0042】
コア回路RG1~RGmのフレーム端子Fr_oには、フレーム信号Frame_oが入力される。コア回路RG1~RGmのフレーム端子Fr_eには、フレーム信号Frame_eが入力される。コア回路RG1~RGmのクリア端子CRには、クリア信号CLRが入力される。
【0043】
奇数番目のコア回路RG1、RG3、・・・のクロック端子CLKには、クロック信号ClkAが入力される。偶数番目のコア回路RG2、RG4、・・・のクロック端子CLKには、クロック信号ClkBが入力される。クロック信号ClkAとクロック信号ClkBとは、相補的な位相関係を有する。
【0044】
任意のコア回路RGiの出力端子OUTは、前段のコア回路RG(i-1)のリセット端子RST_INに接続される。最終段のコア回路RGmのリセット端子RST_INには、クリア信号CLRが入力される。
【0045】
複数のコア回路RG1~RGmの出力端子OUTはそれぞれ、走査線GL1~GLmに接続される。図4の各走査線GLに接続されたキャパシタは、走査線に接続された画素の容量を簡略化して表している。
【0046】
制御回路15は、前述したフレーム信号Frame_o、フレーム信号Frame_e、クロック信号ClkA、クロック信号ClkB、及びクリア信号CLRを生成し、これらの信号をシフトレジスタ11Aに供給する。
【0047】
(コア回路RGの具体的な構成)
次に、コア回路RGの具体的な構成について説明する。図5は、図4に示したコア回路RGの回路図である。コア回路RGは、入力部20、レジスタ部21、出力部22、プルダウン部23、及びクリア部24を備える。コア回路RGは、N型の電界効果トランジスタ(FET)を用いて構成される。以下、FETを単にトランジスタと呼ぶ。本実施形態では、一例として、コア回路RGを構成するトランジスタは、NチャネルTFTで構成される。本明細書では、トランジスタのソース及びドレインの一方を第1端子、他方を第2端子とも呼ぶ。
【0048】
入力部20は、入力信号VINを受けるための回路である。入力部20は、2個のトランジスタM2、M5を備える。トランジスタM2のゲートには、入力端子V_INを介して、入力信号VINが入力される。入力信号VINは、前段のコア回路RGの出力信号に対応する。トランジスタM2のドレインは、自身のゲートに接続される。すなわち、トランジスタM2は、ダイオード接続される。トランジスタM2のソースは、ノードAnに接続される。トランジスタM2は、入力信号VINがハイレベルの場合に、入力信号VINをノードAnに転送し、入力信号VINがローレベルの場合にオフする。
【0049】
トランジスタ(リセットトランジスタともいう)M5のゲートには、リセット端子RST_INを介して、リセット信号RSTが入力される。リセット信号RSTは、後段のコア回路RGの出力信号に対応する。トランジスタM5のドレインは、ノードAnに接続される。トランジスタM5のソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。電圧Vglは、信号をローレベルに設定するための基準電圧であり、信号のハイレベル電圧より低い電圧である。電圧Vglは、例えば、接地電圧GNDより低い負電圧であり、-10V~-20Vの範囲に設定される。
【0050】
レジスタ部21は、選択状態および非選択状態のキャパシタCb間にかかる電圧を保持するための回路である。レジスタ部21は、2個のインバータ回路21o、21eと、トランジスタM1bとを備える。
【0051】
インバータ回路21oは、3個のトランジスタM1o、M6o、M7oを備える。トランジスタM1oのゲートには、フレーム端子Fr_oを介して、フレーム信号Frame_oが入力される。トランジスタM1oのドレインは、自身のゲートに接続される。トランジスタM1oのソースは、ノードBnoに接続される。トランジスタM1oは、フレーム信号Frame_oがハイレベルの場合に、フレーム信号Frame_oをノードBnoに転送し、フレーム信号Frame_oがローレベルの場合にオフする。すなわち、インバータ回路21oは、フレーム信号Frame_oがハイレベルの場合に有効化される。
【0052】
トランジスタM6oのゲートは、ノードBnoに接続される。トランジスタM6oのドレインは、ノードAnに接続される。トランジスタM6oのソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。トランジスタM6oは、ノードAnの電位をプルダウンする機能を有する。
【0053】
トランジスタM7oのゲートは、ノードAnに接続される。トランジスタM7oのドレインは、ノードBnoに接続される。トランジスタM7oのソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。トランジスタM7oは、ノードBnoの電位をプルダウンする機能を有する。
【0054】
インバータ回路21eは、3個のトランジスタM1e、M6e、M7eを備える。トランジスタM1eのゲートには、フレーム端子Fr_eを介して、フレーム信号Frame_eが入力される。トランジスタM1eのドレインは、自身のゲートに接続される。トランジスタM1eのソースは、ノードBneに接続される。トランジスタM1eは、フレーム信号Frame_eがハイレベルの場合に、フレーム信号Frame_eをノードBneに転送し、フレーム信号Frame_eがローレベルの場合にオフする。すなわち、インバータ回路21eは、フレーム信号Frame_eがハイレベルの場合に有効化される。
【0055】
トランジスタM6eのゲートは、ノードBneに接続される。トランジスタM6eのドレインは、ノードAnに接続される。トランジスタM6eのソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。トランジスタM6eは、ノードAnの電位をプルダウンする機能を有する。
【0056】
トランジスタM7eのゲートは、ノードAnに接続される。トランジスタM7eのドレインは、ノードBneに接続される。トランジスタM7eのソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。トランジスタM7eは、ノードBneの電位をプルダウンする機能を有する。
【0057】
トランジスタM1bのゲートは、ノードAnに接続される。トランジスタM1bの電流経路の一端は、ノードBnoに接続される。トランジスタM1bの電流経路の他端は、ノードBneに接続される。トランジスタM1bは、ノードAnがハイレベルの場合に、ノードBnoとノードBneとを接続する。
【0058】
出力部22は、出力信号を走査線GLに出力するための回路である。出力部22は、トランジスタ(出力トランジスタともいう)M3と、キャパシタCbとを備える。トランジスタM3のゲートは、ノードAnに接続される。トランジスタM3のドレインには、クロック信号Clkが入力される。クロック信号Clkは、クロック信号ClkA、ClkBのいずれかであり、奇数番目のコア回路RGの場合はクロック信号ClkAとなり、偶数番目のコア回路RGの場合はクロック信号ClkBとなる。トランジスタM3のソースは、ノードQnに接続される。
【0059】
キャパシタCbの一方の電極は、ノードAnに接続され、キャパシタCbの他方の電極は、ノードQnに接続される。ノードQnは、対応する走査線GLに接続される。
【0060】
プルダウン部23は、ノードQnの電位をプルダウンするための回路である。プルダウン部23は、2個のトランジスタ(プルダウントランジスタともいう)M4o、M4eを備える。トランジスタM4oのゲートは、ノードBnoに接続される。トランジスタM4oのドレインは、ノードQnに接続される。トランジスタM4oのソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。
【0061】
トランジスタM4eのゲートは、ノードBneに接続される。トランジスタM4eのドレインは、ノードQnに接続される。トランジスタM4eのソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。
【0062】
クリア部24は、ノードAn、及びノードQnをクリアするための回路である。クリア部24は、2個のトランジスタM8、M9を備える。トランジスタM8のゲートには、クリア端子CRを介して、クリア信号CLRが入力される。トランジスタM8のドレインは、ノードQnに接続される。トランジスタM8のソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。
【0063】
トランジスタM9のゲートには、クリア端子CRを介してクリア信号CLRが入力される。トランジスタM9のドレインは、ノードAnに接続される。トランジスタM9のソースは、電圧Vglが供給される電源端子に接続される。
【0064】
[4] 動作
上記のように構成された液晶表示装置1の動作について説明する。図6は、液晶表示装置1の基本的な動作を説明するタイミング図である。図6の行番号は、走査線GLの番号に対応する。
【0065】
制御回路15は、外部から信号Vsyncを受ける。信号Vsyncが一旦ローレベルになってから、再度ローレベルになるまでの期間が1フレームである。1フレームとは、全ての走査線を1回走査する期間であり、また、画面に1つの画像を表示する期間である。
【0066】
シフトレジスタ11Aは、制御回路15から送られる信号に基づいて動作する。1フレーム期間において、シフトレジスタ11Aに含まれるコア回路RG1~RGmは、順にパルス信号を出力するように動作する。
【0067】
図7は、液晶表示装置1のより詳細な動作を説明するタイミング図である。
【0068】
フレーム信号Frame_o、Frame_eは、1フレームごとに交互に有効化(ハイレベル)される。フレーム信号Frame_o、Frame_eに応じて、2個のインバータ回路21o、21eは、交互に動作する。制御回路15は、信号Vsyncがローレベルの期間に、フレーム信号Frame_o、Frame_eの状態を切り替える。
【0069】
一例として、フレーム信号Frame_oが有効化(ハイレベル)されるものとする。フレーム信号Frame_eは、ローレベルである。フレーム信号Frame_oがハイレベルになると、インバータ回路21oのトランジスタM1oがオンし、インバータ回路21oが有効化される。インバータ回路21eのトランジスタM1eはオフし、インバータ回路21eは無効化される。
【0070】
フレーム信号Frame_oがハイレベルになった後、スタート信号STがハイレベルにされる。これにより、1段目のコア回路RG1の入力信号VINがハイレベルになる。すると、入力部20のトランジスタM2がオンし、ノードAnがハイレベルになる。
【0071】
ノードAnがハイレベルになると、インバータ回路21oのトランジスタM7oがオンし、ノードBnoがローレベルになる。すなわち、インバータ回路21oは、ノードBnoにおいてノードAn反転データを保持する。これにより、プルダウン部23のトランジスタM4oがオフし、ノードQnのプルダウン動作が停止する。
【0072】
また、ノードAnがハイレベルになると、出力部22のトランジスタM3がオンする。続いて、クロック信号ClkAがハイレベルになる。すると、走査線GL1がハイレベルになる。
【0073】
2段目のコア回路RG2は、入力信号VINとして前段のコア回路RG1から出力信号を受ける。続いて、クロック信号ClkBがハイレベルになる。すると、コア回路RG2は、走査線GL2をハイレベルにする。
【0074】
1段目のコア回路RG1は、2段目のコア回路RG2の出力信号をリセット信号RSTとして受ける。リセット信号RSTは、入力部20のトランジスタM5のゲートに入力される。すると、トランジスタM5がオンし、ノードAnがローレベルになる。
【0075】
ノードAnがローレベルになると、インバータ回路21oのトランジスタM7oがオフし、ノードBnoがハイレベルになる。すなわち、インバータ回路21oは、ノードBnoにおいてノードAnの反転データを保持する。ノードBnoがハイレベルになると、トランジスタM6oがオンし、ノードAnは、ローレベルに保持される。これにより、プルダウン部23のトランジスタM4oがオンし、ノードQnがローレベルになる。
【0076】
また、ノードAnがローレベルになると、出力部22のトランジスタM3がオフする。これにより、走査線GL1がローレベルになる。
【0077】
なお、詳細な設計として、隣接するコア回路RGが同時に動作しないようにする。このため、クロック信号ClkAのパルスとクロック信号ClkBのパルスとが重ならないように、互いのエッジに間隔を空けている。
【0078】
以下同様に、コア回路RG3~RGmは、順にパルス信号を出力する。
【0079】
最終段のコア回路RGmがパルス信号を出力した後、クリア信号CLRがハイレベルにされる。クリア信号CLRがハイレベルになると、クリア部24のトランジスタM8、M9がオンする。すると、ノードQn、及びノードAnがローレベルになる。これにより、コア回路RGmは、走査線GLmをローレベルにする。
【0080】
その後、フレーム信号Frame_eがハイレベル、フレーム信号Frame_oがローレベルにされる。すると、コア回路RGのインバータ回路21eが有効化される。その後、シフトレジスタ11Aによる走査動作が繰り返される。
【0081】
このような動作により、コア回路RGにおいて、正バイアスが印加され続けるトランジスタをなくすことができる。これにより、コア回路RGを構成するトランジスタの特性が劣化するのを抑制できる。特に、トランジスタとしてTFTを用いた場合、正バイアスが印加され続けると、閾値電圧Vthがシフトしてしまう。しかし、本実施形態では、TFTの特性が劣化するのを抑制できる。
【0082】
次に、選択期間におけるコア回路RGのインバータ動作について説明する。選択期間とは、走査線が選択された期間であり、走査線がパルス信号を出力する期間である。非選択期間は、選択期間以外の期間であり、走査線がパルス信号を出力しない期間である。
【0083】
図8は、選択期間におけるコア回路RGのインバータ動作を説明する模式図である。一例として、フレーム信号Frame_oが有効化(ハイレベル(図8の“Hi”))され、インバータ回路21oがインバータ動作を行うものとする。フレーム信号Frame_eは、ローレベル(図8の“Lo”)である。
【0084】
トランジスタM2のゲートには、前段のコア回路RGからハイレベル(図8の“ON”)の入力信号VINが入力される。よって、トランジスタM2がオンし、ノードAnがハイレベル(図8の“Hi”)になる。
【0085】
トランジスタM1oのゲートには、ハイレベルのフレーム信号Frame_oが入力される。よって、トランジスタM1oがオンし、インバータ回路21oは、有効化される。
【0086】
ノードAnがハイレベルであるため、トランジスタM7oがオンし、ノードBnoは、プルダウンされる。図8の矢印が電流を意味している。
【0087】
さらに、選択期間におけるインバータ動作には、インバータ回路21eのトランジスタM7eも動作させることができる。すなわち、ノードAnがハイレベルであるため、トランジスタM1b、M7eがオンしている。よって、ノードBnoは、トランジスタM1b、ノードBne、及びトランジスタM7eの経路でもプルダウンされる。これにより、ノードBnoを確実にローレベルに設定できる。
【0088】
トランジスタM6oの駆動能力は、トランジスタM7oの駆動能力より大きく設定される。非選択期間では、トランジスタM6oによりノードAnがプルダウンされ、ノードAnを確実にローレベルに設定できる。
【0089】
上記インバータ動作を実現するための条件として、トランジスタM6、M7は、以下の条件を満たすように設定される。トランジスタM6は、トランジスタM6o、M6eそれぞれを意味し、トランジスタM7は、トランジスタM7o、M7eそれぞれを意味する。トランジスタM6、M7のチャネル幅をそれぞれW6、W7と表記する。チャネル幅は、ゲート幅とも呼ばれる。
【0090】
W7≦W6≦2×W7
“W6≦2×W7”とすることで、トランジスタM7o、M7eを合わせた駆動能力がトランジスタM6o(又はトランジスタM6e)の駆動能力より大きくなる。これにより、選択期間において、ノードBnoを確実にローレベルに設定できる。
【0091】
“W7≦W6”とすることで、トランジスタM6の駆動能力がトランジスタM7の駆動能力より大きくなる。これにより、非選択期間において、ノードAnを確実にローレベルに設定できる。
【0092】
最終段に近いコア回路RGに含まれるインバータ回路に着目する。インバータ回路21o、21eのうち無効化されたインバータ回路(例えば、インバータ回路21eとする)のノードBneの電位は、トランジスタM1eのリーク電流により低下していく。そのため、最終段に近いコア回路RGでは、選択期間においてトランジスタM1bがオンすることで、有効化された側のノードBnoが、ノードBneと導通することで、より着実にローレベルに設定できる仕組みになっている。
【0093】
次に、1段目のコア回路RG1の詳細な駆動波形について説明する。
図9及び図10は、1段目のコア回路RG1の駆動波形である。図9には、ノードAn、Bno、Bneの波形を示している。図10には、フレーム信号Frame_o、Frame_e、及び走査線GL1の波形を示している。図9及び図10の横軸が時間(msec)であり、縦軸が電圧(V)である。波形振幅は、Hi=11V、Lo=-10Vである。走査線のパルス幅は約70μs、フレーム周波数は60Hzである。
【0094】
まず、フレーム信号Frame_oが有効化(ハイレベル)され、インバータ回路21oが有効化される。続いて、ノードAnがハイレベルとなり、インバータ回路21oのインバータ動作により、ノードBnoがローレベルとなる。また、ノードBnoがローレベルになると同時に、インバータ回路21eのノードBneがローレベルになっているのが分かる。これにより、インバータ回路21eのトランジスタM4e、M6eのゲート電圧は、フレーム信号Frame_eがハイレベルになるまで、ローレベルに保たれる。その後、クロック信号ClkAが入力されるタイミングで、走査線GL1にパルス信号が出力される。
【0095】
次に、最終段のコア回路RGmの詳細な駆動波形について説明する。
図11及び図12は、最終段のコア回路RGmの駆動波形である。図11には、ノードAn、Bno、Bneの波形を示している。図12には、フレーム信号Frame_o、Frame_e、及び走査線GLmの波形を示している。
【0096】
コア回路RG1の場合と同様に、ノードAnがハイレベルとなり、インバータ回路21oのインバータ動作により、ノードBnoがローレベルとなる。その後、クロック信号ClkAが入力されるタイミングで、走査線GLmにパルス信号が出力される。
【0097】
また、最終段のコア回路RGmでは、ノードBneの電位は、トランジスタM1eのリーク電流により、走査線GLmが選択される前にすでにローレベルになっている。よって、トランジスタM1bがオンすることで、ノードBnoとノードBneとが導通し、ノードBnoをより着実にローレベルに設定できる。
【0098】
[5] 実施形態の効果
本実施形態によれば、各コア回路RGが2個のインバータ回路21o、21eを備え、フレーム信号Frame_o、Frame_eに応じて、インバータ回路21o、21eが交互に有効化される。よって、シフトレジスタ11Aを構成するトランジスタ(例えばTFT)に電圧が印加され続けるのを防ぐことができる。
【0099】
具体的には、ノードBnoにゲートが接続されたトランジスタM6oの特性が劣化するのを抑制できる。特に、トランジスタM6oの閾値電圧がシフトするのを抑制できる。これにより、インバータ回路21oが機能不良になるのを抑制できる。トランジスタM6eについても同様である。よって、シフトレジスタ11Aが誤動作するのを抑制できる。
【0100】
また、ノードBnoにゲートが接続されたトランジスタM4oの特性が劣化するのを抑制できる。特に、トランジスタM4oの閾値電圧がシフトするのを抑制できる。これにより、走査線をプルダウンするためのトランジスタM4oが機能不良になるのを抑制できる。トランジスタM4eについても同様である。よって、シフトレジスタ11Aが誤動作するのを抑制できる。
【0101】
また、ノードBnoとノードBneとをトランジスタM1bで接続し、ノードAnがハイレベルの場合に、ノードBnoとノードBneとを導通させるようにしている。これにより、例えばインバータ回路21oが有効化されている場合、ノードBnoをより確実にローレベルに設定できる。よって、シフトレジスタ11Aが誤動作するのを抑制できる。
【0102】
また、走査線の本数が増えた場合でも、シフトレジスタ11Aを確実に動作させることができる。
【0103】
なお、上記実施形態では、1フレーム毎にフレーム信号Frame_o、Frame_eの電圧関係を切り替えている。しかし、これに限定されず、2フレーム以上の期間ごとに、フレーム信号Frame_o、Frame_eの電圧関係を切り替えてもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、トランジスタを全てN型トランジスタで構成する場合について説明している。しかし、これに限定されず、電源電圧、及びクロック信号の極性を反転させることで、全てのトランジスタをP型トランジスタで構成することも可能である。
【0105】
また、上記実施形態では、表示装置として液晶表示装置を例に挙げて説明している。しかし、これに限定されず、有機EL表示装置などの他の表示装置に適用することも可能である。
【0106】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0107】
1…液晶表示装置、2…集積回路、10…画素アレイ、11…走査線駆動回路、11A…シフトレジスタ、12…信号線駆動回路、13…共通電極駆動回路、14…電圧発生回路、15…制御回路、16…スイッチング素子、20…入力部、21…レジスタ部、21e,21o…インバータ回路、22…出力部、23…プルダウン部、24…クリア部、RG…コア回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12