(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240702BHJP
G06F 21/71 20130101ALI20240702BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H04N1/00 127Z
H04N1/00 127A
G06F21/71
B41J29/38 701
(21)【出願番号】P 2020108774
(22)【出願日】2020-06-24
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】石川 智久
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-248777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G06F 21/00-21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
旧機種の情報処理装置を新機種の自装置に入れ替える際に入れ替え予定の自装置を試しに使用する場合に、入れ替え前の
前記旧機種の情報処理装置を特定するための情報および自装置の試用期間の設定を受け付け、
受け付けた情報に基づいて入れ替え前の
前記旧機種の情報処理装置から許可情報を取得して
、自装置の機能
のうち使用するためには許可情報を用いた認証処理を行う必要がある拡張機能を有効化し、
設定された自装置の試用期間が終了する際に、自装置の使用を継続する旨が選択された場合、
前記旧機種の情報処理装置の
前記拡張機能を無効化し、自装置を使用しない旨が選択された場合、自装置の
前記拡張機能を無効化する
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、自装置の使用を継続する旨および自装置を使用しない旨のいずれもが選択されずに試用期間が終了した場合、自装置の
前記拡張機能を無効化する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、設定された自装置の試用期間が終了する際に、自装置の使用を継続する旨が選択された場合、前記
旧機種の情報処理装置に当該
拡張機能を無効化するよう要求を行うことにより前記
旧機種の情報処理装置の
前記拡張機能を無効化する請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記
旧機種の情報処理装置に記憶している許可情報の削除を要求することにより、前記
旧機種の情報処理装置の
前記拡張機能を無効化する請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、設定された自装置の試用期間が終了する際に、自装置の使用を継続する旨が選択された場合、当該
拡張機能の使用可否を管理している管理装置に対して、前記
旧機種の情報処理装置の
前記拡張機能を無効化するよう要求を行うことにより前記
旧機種の情報処理装置の
前記拡張機能を無効化する請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、入れ替え前の
前記旧機種の情報処理装置から許可情報を取得して自装置の
前記拡張機能を有効化した際に、設定された試用期間の情報、許可情報及び自装置を特定するための識別情報を前記管理装置に送信する請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、当該
拡張機能の使用が選択された際に、前記管理装置に対して保持している許可情報を送信して使用を許可する旨が返信された場合に、当該
拡張機能を使用可能とする請求項5記載の情報処理装置。
【請求項8】
メモリとプロセッサを備え、前記プロセッサは、
自装置である新機種の第1の情報処理装置とは異なる旧機種の第2の情報処理装置を自装置に入れ替える際に入れ替え予定の自装置を試しに使用する場合に、入れ替え前の
前記第2の情報処理装置を特定するための情報および自装置の試用期間の設定を受け付け、受け付けた情報に基づいて入れ替え前の
前記第2の情報処理装置から許可情報を取得して
、自装置の機能
のうち使用するためには許可情報を用いた認証処理を行う必要がある拡張機能を有効化し、設定された自装置の試用期間が終了する際に、自装置の使用を継続する旨が選択された場合、前記
第2の情報処理装置の
前記拡張機能を無効化し、自装置を使用しない旨が選択された場合、自装置の
前記拡張機能を無効化する第1の情報処理装置と、
メモリとプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記第1の情報処理装置からの要求に応じて、自装置において登録されている許可情報を当該第1の情報処理装置に送信し、前記第1の情報処理装置から有効化していた
前記拡張機能を無効化する旨の要求を受信した場合、当該
拡張機能を有効化するために用いていた許可情報を削除する
前記第2の情報処理装置と、
を備えた情報処理システム。
【請求項9】
メモリとプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記第1及び第2の情報処理装置における
前記拡張機能の使用可否を管理し、前記第1の情報処理装置から試用期間の情報とともに許可情報が送信されてきた場合、当該試用期間が終了するまでは既に登録されている許可情報と同一であった場合でも送信されてきた許可情報の登録を行い、当該試用期間が終了する際には、前記第1の情報処理装置に対して前記第1の情報処理装置及び前記第2の情報処理装置のいずれを継続して使用するかを選択するよう要求する管理装置をさらに備えた請求項8記載の情報処理システム。
【請求項10】
旧機種の情報処理装置を新機種の自装置に入れ替える際に入れ替え予定の自装置を試しに使用する場合に、入れ替え前の
前記旧機種の情報処理装置を特定するための情報および自装置の試用期間の設定を受け付けるステップと、
受け付けた情報に基づいて入れ替え前の
前記旧機種の情報処理装置から許可情報を取得して
、自装置の機能
のうち使用するためには許可情報を用いた認証処理を行う必要がある拡張機能を有効化するステップと、
設定された自装置の試用期間が終了する際に、自装置の使用を継続する旨が選択された場合、前記
旧機種の情報処理装置の
前記拡張機能を無効化し、自装置を使用しない旨が選択された場合、自装置の
前記拡張機能を無効化するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、MFPの置き換え作業の際に、ライセンスサーバを用いて、旧MFPのライセンスを無効化し、新MFPの機能を有効化するようにしたライセンス管理システムが開示されている。
【0003】
特許文献2には、旧デバイスから新デバイスにライセンス情報を転送する際に、転送元の旧デバイスに対して時間制限のライセンス情報を発行することにより、旧デバイスから新デバイスにライセンス情報を転送する期間中は新旧デバイスの両方で同時にデバイス機能を使用できるようしたシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-271680号公報
【文献】特開2010-146302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ある旧機種の情報処理装置を新機種に入れ替えるような場合、入れ替え予定の新機種の情報処理装置を試しに使用してみてから、その新機種の採用可否を決定するようなことが行われる場合がある。しかし、このような情報処理装置では、ユーザが選択した機能に応じたアプリケーションプログラム(以下アプリと略す。)をインストールすることにより機能拡張を行うような構成となっている場合がある。この場合、ライセンスキー等の許可情報を情報処理装置に登録してインストールしたアプリの機能を有効化するような認証処理が行われる。
【0006】
このような場合に、新機種の情報処理装置の試用期間において、旧機種において使用していた機能を有効化しようとする場合、新機種においてもライセンスキーを登録してその機能を有効化する必要がある。しかし、旧機種に登録していたライセンスキーを新機種に移動したのでは、旧機種でその機能が使用できなくなってしまう。また、旧機種に登録していたライセンスキーを複製して新機種に登録したのでは、新機種の採用後に旧機種にもライセンスキーが残ってしまい、二重ライセンスが発生してしまう可能性がある。
【0007】
さらに、有効期限が設定された新たなライセンスキーを発行して新機種に登録して試用期間だけ新旧の両機種で機能を有効化するようなことも考えられる。しかし、このような方法を用いた場合には、新機種を採用する際に、有効期限が設定されたライセンスキーを削除して、旧機種に登録されているライセンスキーを新機種に移すような煩雑な処理が必要となる。
【0008】
本発明の目的は、許可情報を用いてある機能が有効化されている旧機種を新機種に入れ替えようとする際の新機種の試用期間中において、旧機種に登録されている許可情報とは異なる新たな許可情報を発行することなく、設定された試用期間において入れ替え前後の両方の機種の機能を併用して使用可能にしつつ、試用期間が終了した場合には両方の機種の機能が使用できてしまうことを防ぐことが可能な情報処理装置、情報処理システムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[情報処理装置]
請求項1に係る本発明は、メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
旧機種の情報処理装置を新機種の自装置に入れ替える際に入れ替え予定の自装置を試しに使用する場合に、入れ替え前の前記旧機種の情報処理装置を特定するための情報および自装置の試用期間の設定を受け付け、
受け付けた情報に基づいて入れ替え前の前記旧機種の情報処理装置から許可情報を取得して、自装置の機能のうち使用するためには許可情報を用いた認証処理を行う必要がある拡張機能を有効化し、
設定された自装置の試用期間が終了する際に、自装置の使用を継続する旨が選択された場合、前記旧機種の情報処理装置の前記拡張機能を無効化し、自装置を使用しない旨が選択された場合、自装置の前記拡張機能を無効化する情報処理装置である。
【0010】
請求項2に係る本発明は、前記プロセッサが、自装置の使用を継続する旨および自装置を使用しない旨のいずれもが選択されずに試用期間が終了した場合、自装置の前記拡張機能を無効化する請求項1記載の情報処理装置である。
【0011】
請求項3に係る本発明は、前記プロセッサが、設定された自装置の試用期間が終了する際に、自装置の使用を継続する旨が選択された場合、前記旧機種の情報処理装置に当該拡張機能を無効化するよう要求を行うことにより前記旧機種の情報処理装置の前記拡張機能を無効化する請求項1又は2記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項4に係る本発明は、前記プロセッサが、前記旧機種の情報処理装置に記憶している許可情報の削除を要求することにより、前記旧機種の情報処理装置の前記拡張機能を無効化する請求項3記載の情報処理装置である。
【0013】
請求項5に係る本発明は、前記プロセッサが、設定された自装置の試用期間が終了する際に、自装置の使用を継続する旨が選択された場合、当該拡張機能の使用可否を管理している管理装置に対して、前記旧機種の情報処理装置の前記拡張機能を無効化するよう要求を行うことにより前記旧機種の情報処理装置の前記拡張機能を無効化する請求項1又は2記載の情報処理装置である。
【0014】
請求項6に係る本発明は、前記プロセッサが、入れ替え前の前記旧機種の情報処理装置から許可情報を取得して自装置の前記拡張機能を有効化した際に、設定された試用期間の情報、許可情報及び自装置を特定するための識別情報を前記管理装置に送信する請求項5記載の情報処理装置である。
【0015】
請求項7に係る本発明は、前記プロセッサが、当該拡張機能の使用が選択された際に、前記管理装置に対して保持している許可情報を送信して使用を許可する旨が返信された場合に、当該拡張機能を使用可能とする請求項5記載の情報処理装置である。
【0016】
[情報処理システム]
請求項8に係る本発明は、メモリとプロセッサを備え、前記プロセッサは、自装置である新機種の第1の情報処理装置とは異なる旧機種の第2の情報処理装置を自装置に入れ替える際に入れ替え予定の自装置を試しに使用する場合に、入れ替え前の前記第2の情報処理装置を特定するための情報および自装置の試用期間の設定を受け付け、受け付けた情報に基づいて入れ替え前の前記第2の情報処理装置から許可情報を取得して、自装置の機能のうち使用するためには許可情報を用いた認証処理を行う必要がある拡張機能を有効化し、設定された自装置の試用期間が終了する際に、自装置の使用を継続する旨が選択された場合、前記第2の情報処理装置の前記拡張機能を無効化し、自装置を使用しない旨が選択された場合、自装置の前記拡張機能を無効化する第1の情報処理装置と、
メモリとプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記第1の情報処理装置からの要求に応じて、自装置において登録されている許可情報を当該第1の情報処理装置に送信し、前記第1の情報処理装置から有効化していた前記拡張機能を無効化する旨の要求を受信した場合、当該拡張機能を有効化するために用いていた許可情報を削除する前記第2の情報処理装置と、
を備えた情報処理システムである。
【0017】
請求項9に係る本発明は、メモリとプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記第1及び第2の情報処理装置における前記拡張機能の使用可否を管理し、前記第1の情報処理装置から試用期間の情報とともに許可情報が送信されてきた場合、当該試用期間が終了するまでは既に登録されている許可情報と同一であった場合でも送信されてきた許可情報の登録を行い、当該試用期間が終了する際には、前記第1の情報処理装置に対して前記第1の情報処理装置及び前記第2の情報処理装置のいずれを継続して使用するかを選択するよう要求する管理装置をさらに備えた請求項8記載の情報処理システムである。
【0018】
[プログラム]
請求項10に係る本発明は、旧機種の情報処理装置を新機種の自装置に入れ替える際に入れ替え予定の自装置を試しに使用する場合に、入れ替え前の前記旧機種の情報処理装置を特定するための情報および自装置の試用期間の設定を受け付けるステップと、
受け付けた情報に基づいて入れ替え前の前記旧機種の情報処理装置から許可情報を取得して、自装置の機能のうち使用するためには許可情報を用いた認証処理を行う必要がある拡張機能を有効化するステップと、
設定された自装置の試用期間が終了する際に、自装置の使用を継続する旨が選択された場合、前記旧機種の情報処理装置の前記拡張機能を無効化し、自装置を使用しない旨が選択された場合、自装置の前記拡張機能を無効化するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る本発明によれば、許可情報を用いてある機能が有効化されている旧機種を新機種に入れ替えようとする際の新機種の試用期間中において、旧機種に登録されている許可情報とは異なる新たな許可情報を発行することなく、設定された試用期間において入れ替え前後の両方の機種の機能を併用して使用可能にしつつ、試用期間が終了した場合には両方の機種の機能が使用できてしまうことを防ぐことが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0020】
請求項2に係る本発明によれば、旧機種と新機種のいずれも選択せずに試用期間が終了した場合に、両方の機種の機能が使用できてしまうことを防ぐことが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0021】
請求項3に係る本発明によれば、情報処理装置の機能の使用可否を管理する管理装置を必要とすることなく、他の情報処理装置の機能を無効化することが可能となる。
【0022】
請求項4に係る本発明によれば、情報処理装置の機能の使用可否を管理する管理装置を必要とすることなく、他の情報処理装置に記憶されている許可情報を削除して機能を無効化することが可能となる。
【0023】
請求項5に係る本発明によれば、情報処理装置の機能の使用可否を管理装置により管理している場合に、他の情報処理装置の機能を無効化することが可能となる。
【0024】
請求項6に係る本発明によれば、情報処理装置の機能の使用可否を管理装置により管理している場合に、試用期間が設定された情報処理装置の機能を試用期間だけ有効にすることが可能となる。
【0025】
請求項7に係る本発明によれば、情報処理装置の機能の使用可否を管理装置により管理している場合に、試用期間が設定された情報処理装置の機能を試用期間だけ有効にすることが可能となる。
【0026】
請求項8に係る本発明によれば、許可情報を用いてある機能が有効化されている旧機種を新機種に入れ替えようとする際の新機種の試用期間中において、旧機種に登録されている許可情報とは異なる新たな許可情報を発行することなく、設定された試用期間において入れ替え前後の両方の機種の機能を併用して使用可能にしつつ、試用期間が終了した場合には両方の機種の機能が使用できてしまうことを防ぐことが可能な情報処理システムを提供することができる。
【0027】
請求項9に係る本発明によれば、情報処理装置の機能の使用可否を管理装置により管理している場合に、許可情報を用いてある機能が有効化されている旧機種を新機種に入れ替えようとする際の新機種の試用期間中において、旧機種に登録されている許可情報とは異なる新たな許可情報を発行することなく、設定された試用期間において入れ替え前後の両方の機種の機能を併用して使用可能にしつつ、試用期間が終了した場合には両方の機種の機能が使用できてしまうことを防ぐことが可能な情報処理システムを提供することができる。
【0028】
請求項10に係る本発明によれば、許可情報を用いてある機能が有効化されている旧機種を新機種に入れ替えようとする際の新機種の試用期間中において、旧機種に登録されている許可情報とは異なる新たな許可情報を発行することなく、設定された試用期間において入れ替え前後の両方の機種の機能を併用して使用可能にしつつ、試用期間が終了した場合には両方の機種の機能が使用できてしまうことを防ぐことが可能なプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態の画像形成システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態における画素0のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態における画像形成装置30の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】単独認証方式の場合の画像形成装置30の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図5】
図4のフローチャートを参照して説明した処理手順において画像形成装置20、30間で行われるデータ送受信の様子を示すシーケンスチャートである。
【
図6】操作パネル61において試用期間が入力される様子を説明するための図である。
【
図7】操作パネル61から移譲元の複合機0のIPアドレスが入力される様子を説明するための図である。
【
図8】操作パネル61に表示されるライセンス一覧情報の一例を示す図である。
【
図9】試用期間が終了する際の画像形成装置30の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図10】ユーザに、新機種への入れ替えを選択するのか、旧機種の試用を継続するのかを選択するのかの問い合わせを行う際の表示画面例を示す図である。
【
図11】試用期間が設定された画像形成装置30が画像形成装置20に対してライセンスキーの複製を要求して、自装置のライセンスを有効化する際の動作の概略を示す図である。
【
図12】ユーザが試用期間の経過後に新機種を使用することを選択した場合の画像形成装置20、30の動作の概略を示す図(
図12(A))、およびユーザが試用期間の経過後に旧機種を使用することを選択した場合の画像形成装置20、30の動作の概略を示す図(
図12(B))である。
【
図13】サーバ認証方式を採用した場合の本発明の一実施形態の画像形成システムのシステム構成を示す図である。
【
図14】サーバ認証方式の場合の画像形成装置30の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図15】ライセンス管理サーバ10に登録される管理情報例を示す図である。
【
図16】画像形成装置30においてアプリの起動指示が行われた場合の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図17】
図16のフローチャートのステップS504において説明した新機種と旧機種の選択処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【
図18】試用期間が設定された画像形成装置30が画像形成装置20に対してライセンスキーの複製を要求して、自装置のライセンスを有効化する際の動作を示す図である。
【
図19】サーバ認証方式のシステム構成の場合に、ユーザが試用期間の経過後に新機種を使用することを選択した場合の画像形成装置20、30の動作の概略を示す図である。
【
図20】サーバ認証方式のシステム構成の場合に、ユーザが試用期間の経過後に旧機種を使用することを選択した場合の画像形成装置20、30の動作の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1は本発明の一実施形態の画像形成システムのシステム構成を示す図である。
【0032】
本発明の一実施形態の画像形成システムは、
図1に示されるように、ネットワーク40により相互に接続された画像形成装置20、30および端末装置50により構成される情報処理システムである。端末装置20は、印刷データを生成して、ネットワーク40経由にて生成した印刷データを画像形成装置20、30に対して送信する。画像形成装置20、30は、端末装置50から送信された印刷データを受け付けて、印刷データに応じた画像を用紙上に出力する。なお、画像形成装置20、30は、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。
【0033】
ここで、画像形成装置20は、ユーザの職場やオフィス等に元々設置されていた旧機種の装置である。そして、画像形成装置30は、このユーザに新機種への入れ替えを薦める販売会社がユーザの職場やオフィスに試用期間を設定して設置した新機種の装置である。
【0034】
この試用期間中においては、旧機種の画像形成装置20と、新機種の画像形成装置30の両方の装置を併用して使用可能となる。そして、この試用期間中においてユーザが旧機種の画像形成装置20と、新機種の画像形成装置30の両方の装置をそれぞれ使用してみて、新機種への入れ替えを決定した場合には、旧機種の画像形成装置20は撤去され、旧機種を使い続けることを決定した場合には、新機種の画像形成装置30は撤去される。
【0035】
このような新機種と旧機種が併用されて使用される場合、新機種の画像形成装置30の試用期間中において、新機種と旧機種の両方の装置において各種機能を有効化する必要がある。
【0036】
しかし、本実施形態の画像形成装置20、30では、ユーザが選択した機能に応じたアプリケーションプログラム(以下アプリと略す。)をインストールすることにより機能拡張を行うような構成となっている。そして、単にアプリをインストールしただけではその機能を使用することができず、ライセンスキー等の許可情報を画像形成装置20、30に登録して認証処理を行うことによりインストールしたアプリの機能が有効化されるようになっている。
【0037】
このような状態において、新機種の画像形成装置30の試用期間において、旧機種において使用していた機能を有効化しようとする場合、新機種においてもライセンスキーを登録してその機能を有効化する必要がある。しかし、旧機種の画像形成装置20に登録していたライセンスキーを新機種の画像形成装置30に移動したのでは、旧機種の画像形成装置20でその機能が使用できなくなってしまう。また、旧機種の画像形成装置20に登録していたライセンスキーを複製して新機種の画像形成装置30に登録したのでは、新機種の採用後に旧機種にもライセンスキーが残ってしまい、二重ライセンスが発生してしまう可能性がある。
【0038】
さらに、有効期限が設定された新たなライセンスキーを発行して新機種の画像形成装置30に登録して試用期間だけ新旧の両機種で機能を有効化するようなことも考えられる。しかし、このような方法を用いた場合には、新機種を採用する際に、有効期限が設定されたライセンスキーを削除して、旧機種の画像形成装置20に登録されているライセンスキーを新機種の画像形成装置30に移譲するような煩雑な処理が必要となる。
【0039】
そこで、本実施形態の画像形成システムでは、以下のような方法を用いることにより、旧機種に登録されているライセンスキーとは異なる新たなライセンスキーを発行することなく、設定された試用期間において入れ替え前後の両方の機種の機能を併用して使用可能にしつつ、試用期間が終了した場合には両方の機種の機能が使用できてしまうことを防ぐようにしている。
【0040】
次に、本実施形態の画像形成システムにおける画像形成装置30のハードウェア構成を
図2に示す。
【0041】
画像形成装置30は、
図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ等の記憶装置13、ネットワーク30を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IFと略す。)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UIと略す。)装置15、スキャナ16、プリントエンジン17を有する。これらの構成要素は、制御バス18を介して互いに接続されている。
【0042】
プリントエンジン17は、帯電、露光、現像、転写、定着などの工程を経て印刷用紙等の記録媒体上に画像を印刷する。
【0043】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置30の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明するが、当該プログラムをCD-ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0044】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される画像形成装置30の機能構成を示すブロック図である。
【0045】
本実施形態の画像形成装置30は、
図3に示されるように、ライセンス管理制御部31と、操作入力部32と、表示部33と、データ送受信部34と、制御部35と、画像読取部36と、データ格納部37と、画像出力部38と、アプリ管理部39を備えている。
【0046】
データ送受信部34は、端末装置50や画像形成装置20等の外部の装置との間でネットワーク40を介してデータの送受信を行う。
【0047】
制御部35は、データ送受信部34を介して端末装置50から受信した印刷ジョブに基づいて印刷データを生成して、生成した印刷データを画像出力部38から出力する制御を行う。データ格納部37は、制御部35により生成された印刷データ等の各種データを格納する。
【0048】
表示部33は、制御部35により制御され、ユーザに各種情報を表示する。操作入力部32は、ユーザにより行われた各種操作情報を入力する。
【0049】
画像出力部38は、制御部35による制御に基づいて、印刷用紙等の記録媒体上に画像を出力する。画像読取部36は、制御部35による制御に基づいて、セットされた原稿から原稿画像を読み取る。
【0050】
アプリ管理部39は、自装置にインストールされているアプリの管理を行っていて、アプリの起動、アプリのインストール・アンインストールおよび別の画像形成装置へのエクスポート等の各種処理を制御している。
【0051】
そして、ライセンス管理制御部31は、インストールされたアプリのライセンスを管理している。具体的には、ライセンス管理部31は、入力されたライセンスキーの真贋を判定し、入力されたラインセスキーが真正なものであると判定した場合、そのライセンスキーを登録して、ライセンスキーに対応したアプリの機能を有効化、つまりそのアプリのライセンスを有効化する。
【0052】
また、アプリ管理部39は、アプリを起動する際に、起動しようとするアプリのライセンスが有効であるか否かをライセンス管理制御部31に問い合わせる。そして、ライセンス管理制御部31からそのアプリのライセンスが有効である旨の返信を受け取った場合に、起動を指示されたアプリを起動する。
【0053】
なお、ライセンス管理制御部31は、有効期限が設定されたライセンスキーを管理する際には、そのライセンスキーの有効期限を徒過していないかを管理する。
【0054】
なお、ライセンス管理制御部31が、アプリのライセンスが有効か否かを判定する方法としては、自装置単独で判定を行う単独認証方式と、外部のライセンス管理サーバに問い合わせを行って判定結果を受け取るサーバ認証方式とが存在する。ここで、本実施形態では、まず最初に、ライセンス管理制御部31が単独認証方式によりライセンスが有効か否かを判定する場合について説明する。なお、サーバ認証方式については後述する。
【0055】
ライセンス管理制御部31は、単独認証方式によりライセンスの有効性を判定するため、まずは入力されたライセンスキーが真正な発行元で生成されたものであることを確認する。その際には、ライセンス管理制御部31は、バーコード、文字列または数字列で表されたライセンスキーを入力すると、予め設定されたハッシュ関数を用いた計算の計算結果により、そのライセンスキーが真正な発行元により生成されたものであるか否かを判定する。
【0056】
ただし、この単独認証方式では、装置単体でライセンスキーの真贋を判定することができる点が利点であるが、ライセンスキーが複製された場合でも、複製されたライセンスキーを有効であるものとして判定してしまうという欠点もある。
【0057】
そして、ライセンス管理制御部31は、画像形成装置の機種入れ替えの際に、入れ替え前の画像形成装置20を特定するための情報であるIP(Internet Protocolの略)アドレスおよび自装置の試用期間の設定を、操作入力部32経由で受け付ける。
【0058】
また、ライセンス管理制御部31は、受け付けたIPアドレス等の情報に基づいて入れ替え前の他の画像形成装置20、つまり旧機種の画像形成装置から許可情報であるライセンスキーを取得して自装置の機能を有効化する。
【0059】
そして、ライセンス管理制御部31は、設定された自装置の試用期間が終了する際に、自装置の使用を継続する旨が選択された場合、他の画像形成装置20の機能を無効化し、自装置を使用しない旨が選択された場合、自装置の機能を無効化する。
【0060】
なお、ライセンス管理制御部31は、自装置の使用を継続する旨および自装置を使用しない旨のいずれもが選択されずに試用期間が終了した場合には、両方の機種の機能が使用可能となってしまうことを防ぐために自装置の機能を無効化する。
【0061】
ここで、ライセンス管理制御部31は、設定された自装置の試用期間が終了する際に、自装置の使用を継続する旨が選択された場合、他の画像形成装置20にその機能を無効化するよう要求を行うことにより他の画像形成装置20の機能を無効化する。
【0062】
なお、画像形成装置20の機能を無効化するとは、具体的には、画像形成装置20に記憶されているライセンスキーを削除することである。そのため、ライセンス管理制御部31は、他の画像形成装置20に対して、記憶しているライセンスキーの削除を要求することにより、他の画像形成装置20の機能を無効化する。
【0063】
なお、旧機種の画像形成装置20は、新機種の画像形成装置30からの要求に応じて、自装置において登録されているライセンスキーを画像形成装置30に送信する。そして、画像形成装置20は、新機種の画像形成装置30からの有効化していた機能の無効化する旨の要求を受信した場合、その機能を有効化するために用いていたライセンスキーを削除する。
【0064】
次に、本実施形態の画像形成システムの動作について図面を参照して詳細に説明する。
【0065】
ここで、新機種の画像形成装置30を設置して試用期間中において稼働させる場合、旧機種の画像形成装置20に登録されているライセンスキーを画像形成装置30に移譲する際には、画像形成装置30にインストールされているライセンス移譲用ソフトを使用する。そのため、旧機種の画像形成装置20を移譲元の複合機、新機種の画像形成装置30を移譲先の複合機として表現する。
【0066】
最初に、単独認証方式の場合に、画像形成装置20、30間でライセンス移譲を行う際の画像形成装置30の処理手順を
図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、画像形成装置30では、ステップS101において、ライセンス移譲用ソフトが起動される。すると、ライセンス管理制御部31は、ステップS102において、操作入力部32経由により試用期間を入力する。さらに、ライセンス管理制御部31は、ステップS103において、操作入力部32経由により移譲元複合機、つまり画像形成装置20のIPアドレスを入力する。
【0067】
すると、ライセンス管理制御部31は、ステップS104において、入力されたIPアドレスを用いて画像形成装置20にアクセスして、移譲元複合機である画像形成装置20に対してライセンス一覧を要求する。
【0068】
そして、ライセンス管理制御部31は、画像形成装置20からライセンス一覧を受信すると、ステップS105において、受信したライセンス一覧を表示部33上に表示して、移譲するライセンスの選択を受け付ける。
【0069】
次に、ライセンス管理制御部31は、ステップS106において、移譲するよう選択されたライセンスのライセンスキーの複製を画像形成装置20に要求する。
【0070】
そして、ライセンス管理制御部31は、ステップS107において、移譲元複合機である画像形成装置20からのライセンスキーを受信して、ライセンスを有効化する。
【0071】
なお、画像形成装置20、30間でライセンスキー等のライセンス情報の送受信を行う際に、画像形成装置20、30が
図1に示した本実施形態のように同じ拠点に配置されている場合には、LAN(Local Area Networkの略)による通信で、ライセンス情報を送受信する。
【0072】
また、画像形成装置20、30がそれぞれ異なる拠点に配置されている場合には、WAN(Wide Area Networkの略)や、クラウドサーバを介して通信によりライセンス情報を送受信する。
【0073】
さらに、USBメモリやSDカード等の取り外し可能な記録メディアを用いて、画像形成装置20から画像形成装置30にライセンス情報を複製するようにしても良い。
【0074】
また、旧機種である画像形成装置20からバーコード、数字、記号、文字等により表現されたライセンス情報を用紙上に出力して、その用紙を新機種である画像形成装置30においてスキャンして読み取ることにより、画像形成装置20から画像形成装置30にライセンス情報を複製することも可能である。
【0075】
さらに、旧機種の画像形成装置20の操作パネル等のUI装置上に数字、記号、文字等から構成されたライセンス情報を表示させ、新機種の画像形成装置30の操作入力部32から入力することにより、画像形成装置20から画像形成装置30にライセンス情報を複製することも可能である。
【0076】
さらに、画像形成装置30が画像形成装置20から保有しているライセンスの一覧情報を取得する際には、SOAP(Simple Object Access Protocolの略)や、REST(Representational State Transferの略)等の通信プロトコルにより、ライセンス一覧要求を送信して、ライセンスの一覧情報を受信する。なお、画像形成装置20、30間がネットワークにより接続されていない場合には、USBメモリやSDカード等の取り外し可能な記録メディアに画像形成装置30においてライセンス一覧要求を書き込み、その記録メディアを画像形成装置20に接続すると、画像形成装置20がライセンス一覧要求を解釈して、ライセンス一覧情報を記録メディアに書き込むようにしても良い。そして、その記録メディアを画像形成装置30に接続することにより、画像形成装置30は画像形成装置20のライセンス一覧情報を取得する。
【0077】
さらに、用紙を介して画像形成装置20、30間でライセンス一覧情報の受け渡しを行うようなことも可能である。具体的には、画像形成装置30においてライセンス一覧要求を意味する文字やバーコード等により表現された命令情報を用紙上に出力し、その命令情報が出力された用紙を画像形成装置20においてスキャンして読み取る。すると、画像形成装置20は読み取った画像データに含まれるライセンス一覧要求を解釈して、ライセンス一覧情報を用紙上に出力する。そして、ライセンス一覧情報が出力された用紙を画像形成装置30においてスキャンして読み取ることにより、画像形成装置30は画像形成装置20のライセンス一覧情報を取得する。
【0078】
次に、上記で説明した処理手順において画像形成装置20、30間で行われるデータ送受信の様子について
図5のシーケンスチャートを参照して説明する。
【0079】
まず、画像形成装置30では、ライセンス移譲用ソフトが起動されると、ライセンス管理制御部31は、ステップS201において、操作入力部32経由により試用期間を受け付ける。例えば、画像形成装置30では、
図6に示すように、操作パネル61から試用期間の開始日時と終了日時の情報を入力する。
【0080】
さらに、ライセンス管理制御部31は、ステップS202において、操作入力部32経由により移譲元複合機、つまり画像形成装置20のIPアドレスを入力する。例えば、画像形成装置30では、
図7に示すように、操作パネル61から移譲元の複合機、つまり画像形成装置20のIPアドレスを入力する。
【0081】
なお、本実施形態では、移譲元の複合機を特定するための情報としてIPアドレスを用いる場合について説明するが、他の情報を用いて移譲元の複合機を特定するような構成とすることも可能である。
【0082】
そして、ライセンス管理制御部31は、ステップS203において、入力されたIPアドレスを用いて画像形成装置20にアクセスして、移譲元複合機である旧機種の画像形成装置20に対してライセンス一覧を要求する。
【0083】
すると、このライセンス一覧要求を受け取った画像形成装置20は、ステップS204において、自装置内に記録されているライセンスの一覧情報を画像形成装置30に応答する。
【0084】
ライセンス管理制御部31は、画像形成装置20からライセンス一覧情報を受信すると、ステップS205において、受信したライセンス一覧を表示部33上に表示して、移譲するライセンスの選択を受け付ける。このようにして表示されるライセンス一覧情報の一例を
図8に示す。
【0085】
図8に示した表示例では、画像形成装置30の操作パネル61上に、画像形成装置20が保有しているライセンスの一覧が表示されている。ユーザは、この一覧情報を参照して、画像形成装置30に移譲するライセンスの選択を行う。
図8では、「SuperPrint」、「HyperFax」、「UltraScan」、「EasyPrint」という4つのアプリのライセンスが移譲対象として選択されているのが分かる。
【0086】
次に、ライセンス管理制御部31は、ステップS206において、移譲するよう選択されたライセンスのライセンスキーの複製を画像形成装置20に要求する。
すると、画像形成装置20は、ステップS207において、複製を要求されたライセンスキーの情報を画像形成装置30に応答する。
【0087】
そして、ライセンス管理制御部31は、ステップS208において、移譲元複合機である画像形成装置20からのライセンスキーを受信して、ライセンスを有効化する。
【0088】
このようにして画像形成装置30では、設定された試用期間が終了するまでは、画像形成装置20からのライセンスキーにより有効化された各種機能を使用することができるようになる。また、画像形成装置20においても、ライセンスキーは残されており、従来通り、様々なアプリによる各種機能を使用することができる。
【0089】
しかし、設定された試用期間が終了する際には、ユーザは旧機種である画像形成装置20の使用を継続するのか、新機種である画像形成装置30に機種入れ替えを行うのかを選択する必要がある。ここで、試用期間が終了する際とは、実際に試用期間が終了する前の予め設定されたタイミングのことを意味しており、例えば、試用期間が終了する1日前のような時刻を意味する。
【0090】
次に、このような試用期間が終了する際の画像形成装置30の動作について
図9のフローチャートを参照して説明する。
【0091】
ライセンス管理制御部31は、ステップS301において、設定された試用期間が終了しそうになったと判定した場合、ステップS302において、旧機種と新機種のいずれかの採否を要求する画面を表示部33上に表示する。
【0092】
例えば、ライセンス管理制御部31は、試用期間が終了する1日前に、
図10に示すような表示を操作パネル61上に行って、ユーザに、新機種への入れ替えを選択するのか、旧機種の試用を継続するのかを選択するのかの問い合わせを行う。なお、
図10では、ユーザが新機種への入れ替えを選択しようとする場合の操作例が示されている。
【0093】
そして、ユーザによる選択が行われた後に、ライセンス管理制御部31は、ステップS303において、新機種が採用されたか否かを判定する。ステップS303において新機種が採用された場合、ライセンス管理制御部31は、ステップS304において、旧機種である画像形成装置20に対して、ライセンスを無効化するよう、つまり記憶されているライセンスキーを削除するよう要求する。
【0094】
また、ステップS303において新機種が採用されなかった場合、つまり旧機種の使用を継続することが選択された場合、ライセンス管理制御部31は、ステップS305において、自装置のライセンスを無効化、つまり自装置において記憶しているライセンスキーを削除する。
【0095】
次に、上記で説明した画像形成装置20、30の動作の概略を
図11、
図12を参照して説明する。
【0096】
まず、試用期間が設定された画像形成装置30が画像形成装置20に対してライセンスキーの複製を要求して、自装置のライセンスを有効化する際の動作を
図11に示す。
【0097】
図11(A)では、画像形成装置30が画像形成装置20に対してライセンスキーの複製を要求する様子が示されている。
図11(B)では、画像形成装置30からのライセンスキーの複製要求に応じて、画像形成装置20がライセンスキーの複製を生成して画像形成装置30に送信する様子が示されている。この結果、同一のライセンスキーが画像形成装置20、30のそれぞれにおいて登録されていることになる。
【0098】
そして、このような状態においてユーザが試用期間の経過後に新機種を使用することを選択した場合、
図12(A)に示すように、画像形成装置30は、画像形成装置20に対してライセンスキーの削除を要求する。すると、画像形成装置20では、記録しているライセンスキーを削除して、有効だったライセンスを無効化する。この結果、ライセンスキーは画像形成装置30のみに残ることになる。
【0099】
また、このような状態においてユーザが試用期間の経過後に旧機種を使用することを選択した場合、
図12(B)に示すように、画像形成装置30は、自装置に記録されているライセンスキーを削除して、有効だったライセンスを無効化する。この結果、ライセンスキーは画像形成装置20のみに残ることになる。
【0100】
このように試用期間の経過後には、画像形成装置20、30のいずれかのみにライセンスキーが残るため、二重ライセンスが発生してしまうことが防がれる。
【0101】
次に、ライセンスの有効・無効を外部のサーバにおいて管理するようなサーバ認証方式を採用したシステム構成の場合について説明する。
【0102】
本実施形態の画像形成システムは、
図13に示すようなシステム構成となっており、
図1に示した単独認証方式の場合のシステム構成に対して、ライセンス管理サーバ10が追加された構成となっている。
【0103】
サーバ認証方式では、ライセンス管理サーバ10は、画像形成装置20、30における各アプリのライセンスが有効か無効であるのかが登録されており各アプリの機能の使用可否を管理している。
【0104】
サーバ認証方式においても画像形成装置20、30はアプリのライセンスを有効化するためのライセンスキーが記録されているが、アプリが起動される際にライセンスキーが有効か否かをライセンス管理サーバ10に問い合わせ、有効であるとの確認が行われた場合にのみアプリを起動する。具体的には、画像形成装置20、30は、アプリの起動が指示されてある機能の使用が選択された際に、ライセンス管理サーバ10に対して保持しているライセンスキーを送信して使用を許可する旨が返信された場合に、アプリを起動してその機能を使用可能とする。
【0105】
このサーバ認証方式によれば、ライセンスキーが不正に複製されたことを検知することが可能である点が利点であるが、各画像形成装置がネットワーク経由でライセンス管理サーバ10との間で通信可能であることが必要である。
【0106】
このようなサーバ認証方式では、画像形成装置30のライセンス管理制御部31は、ライセンス管理サーバ10との間で通信を行うことにより、ライセンスキーが真正なものであるか否か、および自装置に対するライセンスが有効であるか否かを判定する。
【0107】
次に、このようなサーバ認証方式の場合の画像形成装置30の動作について
図14のフローチャートを参照して説明する。
【0108】
なお、
図14のフローチャートにおいて、ステップS401~S406の処理については、
図4のフローチャートにおいて説明したステップS101~S106の処理と同様であるためのその説明は省略する。
【0109】
サーバ認証方式の場合には、画像形成装置30のライセンス管理制御部31は、移譲元複合機である画像形成装置20からのライセンスキーを受信すると、ステップS407において、入れ替え前の旧機種の画像形成装置20からライセンスキーを取得して自装置の機能を有効化した際に、設定された試用期間の情報、ライセンスキー及び自装置を特定するための識別情報である個体番号をライセンス管理サーバ10に送信して登録することによりライセンスを有効化する。
【0110】
このようにしてライセンス管理サーバ10に登録される管理情報例を
図15に示す。
図15に示されるように、ライセンス管理サーバ10では、ライセンスキーの情報とともに、そのライセンスキーが登録された装置の個体番号とが対応付けられて記憶されている。さらに、試用期間の情報が送信されてきた場合には、この試用期間の情報も対応付けて記憶されている。
【0111】
例えば、このライセンスキーが本来であれば1台の装置のみに有効なものである場合、ライセンス管理サーバ10では、異なる複数の装置の個体番号に対して同一のライセンスキーを対応付けて登録することは許可しない。
【0112】
しかし、新機種の画像形成装置30から試用期間の情報とともにライセンスキーが送信されてきた場合、その試用期間が終了するまでは既に登録されているライセンスキーと同一であった場合でも送信されてきたライセンスキーの登録を行う。ただし、ライセンス管理サーバ10は、その試用期間が終了する際には、新機種の画像形成装置30に対して新機種及び旧機種の装置のいずれを継続して使用するかを選択するよう要求する。
【0113】
なお、1つのライセンスキーに対して予め複数台の装置のライセンスを有効化することが許可されている場合、例えば1つのライセンスキーに対して5台の装置のライセンスを有効化することが許可されている場合には、ライセンス管理サーバ10は、そのライセンスキーに対して5台の装置までライセンスが有効であるものとして扱い、6台目の装置の登録は許可しない。
【0114】
このようなサーバ認証方式の場合には、ライセンス管理制御部31は、設定された自装置の試用期間が終了する際に、自装置の使用を継続する旨が選択された場合、その機能の使用可否を管理しているライセンス管理サーバ10に対して、旧機種の画像形成装置20の機能を無効化するよう要求を行うことにより画像形成装置20の機能を無効化する。
【0115】
次に、画像形成装置30においてアプリの起動指示が行われた場合の動作について
図16のフローチャートを参照して説明する。
【0116】
まず、ステップS501において、アプリ管理部39があるアプリの起動指示が行われた場合、アプリ管理部39はライセンス管理制御部31に対して、起動指示が行われたアプリのライセンスが有効であるか否かを問い合わせる。すると、ライセンス管理制御部31は、ステップS502において、ライセンス管理サーバ10に対して、そのアプリに対して登録されているライセンスキーが有効化否かを問い合わせる。
【0117】
ここで、ライセンス管理制御部31は、ステップS503において、試用期間が終了、又は終了するまでの時間が予め設定された時間よりも短くなった旨を受信した場合、ステップS504において、新機種と旧機種のいずれの使用を選択するかをユーザに問い合わせる選択処理を実行する。
【0118】
そして、まだ試用期間が終了するまでにある程度の時間が残っている場合、ライセンス管理制御部31は、ステップS505おいて、ライセンス管理サーバ10からの回答が、自装置のライセンスが有効であるか否かを判定する。
【0119】
そして、ライセンス管理サーバ10からの回答がライセンスは有効である旨の場合には、ライセンス管理制御部31は、アプリ管理部39に対してその回答を転送する。その結果、アプリ管理部39は、ステップS506において、起動指示が行われたアプリを起動する。
【0120】
なお、ライセンス管理サーバ10からの回答がライセンスは無効である旨の場合には、ライセンス管理制御部31は、アプリ管理部39に対してその回答を転送する。その結果、アプリ管理部39は、ステップS507において、起動指示が行われたアプリを起動せずに、アプリの起動が不可である旨をユーザに通知する。
【0121】
次に、
図16のフローチャートのステップS504において説明した新機種と旧機種の選択処理の詳細について
図17のフローチャートを参照して説明する。
【0122】
まず、ライセンス管理制御部31は、ステップS601において、旧機種と新機種のいずれかの採否を要求する画面を表示部33上に表示する。この際には、
図10において示したような表示内容と同様な表示画面が操作パネル61上に表示される。
【0123】
そして、ユーザによる選択が行われた後に、ライセンス管理制御部31は、ステップS602において、新機種が採用されたか否かを判定する。ステップS602において新機種が採用された場合、ライセンス管理制御部31は、ステップS603において、ライセンス管理サーバ10に旧機種のライセンスを無効化するよう要求するとともに、旧機種である画像形成装置20に対して、ライセンスを無効化するよう要求する。
【0124】
また、ステップS602において新機種が採用されなかった場合、つまり旧機種の使用を継続することが選択された場合、ライセンス管理制御部31は、ステップS604において、自装置のライセンスを無効化するようライセンス管理サーバ10に要求するとともに、自装置において記憶しているライセンスキーを削除する。
【0125】
次に、上記で説明した画像形成装置20、30の動作の概略を
図18~
図20を参照して説明する。
【0126】
まず、試用期間が設定された画像形成装置30が画像形成装置20に対してライセンスキーの複製を要求して、自装置のライセンスを有効化する際の動作を
図18に示す。
【0127】
図18では、画像形成装置30が画像形成装置20に対してライセンスキーの複製を要求し、画像形成装置30からのライセンスキーの複製要求に応じて、画像形成装置20がライセンスキーの複製を生成して画像形成装置30に送信する様子が示されている。この結果、同一のライセンスキーが画像形成装置20、30のそれぞれにおいて登録されていることになる。さらに、画像形成装置30は、画像形成装置20から受信したライセンスキー、自装置の個体番号、試用期間の情報をライセンス管理サーバ10に送信する。
【0128】
そして、このような状態においてユーザが試用期間の経過後に新機種を使用することを選択した場合、
図19に示すように、画像形成装置30は、ライセンス管理サーバ10に対して、旧機種である画像形成装置20のライセンスの無効化を要求する。さらに、画像形成装置30は、画像形成装置20に対してライセンスキーの削除を要求する。すると、画像形成装置20では、記録しているライセンスキーを削除して、有効だったライセンスを無効化する。この結果、ライセンスキーは画像形成装置30のみに残ることになる。
【0129】
また、このような状態においてユーザが試用期間の経過後に旧機種を使用することを選択した場合、
図20に示すように、画像形成装置30は、自装置に記録されているライセンスキーを削除するともに、ライセンス管理サーバ10に対して自装置のライセンスを無効化する要求する。この結果、ライセンスキーは画像形成装置20のみに残ることになる。
【0130】
このようにサーバ認証方式の場合であっても、試用期間の経過後には、画像形成装置20、30のいずれかのみにライセンスキーが残るため、二重ライセンスが発生してしまうことが防がれる。
【0131】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0132】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0133】
[変形例]
上記実施形態では、ある旧機種の画像形成装置を新機種の画像形成装置に入れ替える場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の携帯端末のような各種情報処理装置を旧機種から新機種に入れ替えるような場合でも同様に本発明を適用することができるものである。
【符号の説明】
【0134】
10 ライセンス管理サーバ
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース
15 ユーザインタフェース装置
16 スキャナ
17 プリントエンジン
18 制御バス
20、30 画像形成装置
31 ライセンス管理制御部
32 操作入力部
33 表示部
34 データ送受信部
35 制御部
36 画像読取部
37 、データ格納部
38 画像出力部
39 アプリ管理部
40 ネットワーク
50 端末装置
61 操作パネル