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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】色管理装置及び色管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240702BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240702BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240702BHJP
   B41F 33/00 20060101ALN20240702BHJP
【FI】
G06F3/12 329
H04N1/00 127A
H04N1/00 002Z
G06F3/12 305
G06F3/12 373
G03G21/00 396
B41F33/00 280
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020109315
(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公開番号】P2022022512
(43)【公開日】2022-02-07
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 和真
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-206173(JP,A)
【文献】特開2020-010104(JP,A)
【文献】特開2014-010792(JP,A)
【文献】特開2005-222439(JP,A)
【文献】特開2005-078446(JP,A)
【文献】特開2021-110992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
H04N 1/00
G03G 21/00
B41F 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの画像形成装置に対して、測色器による測色結果が満たすべき基準である色管理目標値を対応付けて色管理を行う色管理装置であって、
前記画像形成装置の印刷ジョブにおいて使用された前記色管理目標値の情報を取得して、前記印刷ジョブと、前記印刷ジョブの前に行われる前記測色器による測色のジョブである測色ジョブと、前記色管理目標値とを対応付ける測色ジョブ対応設定部と、
前記測色ジョブ対応設定部による対応付けの情報に基づいて、前記印刷ジョブ及び/又は前記測色ジョブにおける前記色管理目標値の利用状況を解析する色管理目標値利用状況解析部と、
前記色管理目標値利用状況解析部が解析した前記色管理目標値の利用状況を用いて色管理目標値利用状況情報を生成し、該色管理目標値利用状況情報をユーザに報知する色管理目標値利用状況情報生成部と、を備え、
前記色管理目標値利用状況解析部は、前記印刷ジョブにおける前記色管理目標値の利用状況を、前記色管理目標値と対応付けられた前記印刷ジョブに基づく印刷の枚数、又は、前記色管理目標値と対応付けられた前記印刷ジョブの実行回数に基づいて分析し、前記測色ジョブにおける前記色管理目標値の利用状況を、前記色管理目標値と対応付けられた前記測色ジョブの実行回数、又は、前記色管理目標値と対応付けられた前記測色ジョブにおいて前記測色器が読み取った用紙の枚数に基づいて分析する
色管理装置。
【請求項2】
前記色管理目標値は複数あり、前記色管理目標値利用状況情報生成部は、複数の色管理目標値のそれぞれに対する前記色管理目標値利用状況情報を生成する
請求項1に記載の色管理装置。
【請求項3】
前記色管理目標値には、該色管理目標値の作成者の情報が対応付けられており、前記色管理目標値利用状況情報生成部は、前記作成者のそれぞれに対する前記色管理目標値利用状況情報を生成する
請求項2に記載の色管理装置。
【請求項4】
前記色管理目標値利用状況解析部が解析する、前記印刷ジョブにおける前記色管理目標値の利用状況は、前記画像形成装置において実行された前記印刷ジョブの総実行回数に対する、前記色管理目標値と対応付けられた前記印刷ジョブの実行回数、前記画像形成装置において実行された前記印刷ジョブの総実行回数に占める、前記印刷ジョブの実行回数の割合、前記画像形成装置における総印刷枚数に対する、前記色管理目標値と対応付けられた前記印刷ジョブに基づく印刷の印刷枚数、前記画像形成装置における総印刷枚数に占める、前記色管理目標値と対応付けられた前記印刷ジョブに基づく印刷の印刷枚数の比率のうちの、少なくとも一つである
請求項2又は3に記載の色管理装置。
【請求項5】
前記色管理目標値は、目標値及び前記目標値との差異の許容値を含み、
前記色管理目標値利用状況解析部が解析する、前記測色ジョブにおける前記色管理目標値の利用状況は、前記画像形成装置において実行された前記測色ジョブの総実行回数に対する、前記色管理目標値と対応付けられた前記許容値を満たす前記測色ジョブの実行回数、前記画像形成装置において実行された前記測色ジョブの総実行回数に占める、前記色管理目標値と対応付けられた前記測色ジョブにおける前記許容値を満たした前記測色ジョブの実行回数の割合、前記画像形成装置において実行された前記測色ジョブに基づき前記測色器が読み取った用紙の総読み取り枚数に対する、前記色管理目標値と対応付けられた前記許容値を満たした前記測色ジョブにおいて前記測色器が読み取った用紙の枚数、前記画像形成装置において実行された前記測色ジョブに基づき前記測色器が読み取った用紙の総読み取り枚数に占める、前記色管理目標値と対応付けられた前記許容値を満たした前記測色ジョブにおいて前記測色器が読み取った用紙の枚数の割合のうちの、少なくとも一つである
請求項2~4のいずれか一項に記載の色管理装置。
【請求項6】
前記色管理目標値は、複数の前記画像形成装置において共用される
請求項1~5のいずれか一項に記載の色管理装置。
【請求項7】
前記画像形成装置は複数あり、前記複数の画像形成装置は、第1の組織、及び、前記第1の組織とは異なる第2の組織において使用される
請求項6に記載の色管理装置。
【請求項8】
少なくとも一つの画像形成装置に対して、測色器による測色結果が満たすべき基準である色管理目標値を対応付けて色管理を行う色管理装置による色管理方法であって、
前記画像形成装置の印刷ジョブにおいて使用された前記色管理目標値の情報を取得して、前記印刷ジョブと、前記印刷ジョブの前に行われる前記測色器による測色のジョブである測色ジョブと、前記色管理目標値とを対応付ける手順と、
前記対応付けの情報に基づいて、前記印刷ジョブ及び/又は前記測色ジョブにおける前記色管理目標値の利用状況を解析する色管理目標値利用状況解析手順と、
解析した前記色管理目標値の利用状況を用いて色管理目標値利用状況情報を生成し、該色管理目標値利用状況情報をユーザに報知する手順と、を含み、
前記色管理目標値利用状況解析手順では、前記印刷ジョブにおける前記色管理目標値の利用状況を、前記色管理目標値と対応付けられた前記印刷ジョブに基づく印刷の枚数、又は、前記色管理目標値と対応付けられた前記印刷ジョブの実行回数に基づいて分析し、前記測色ジョブにおける前記色管理目標値の利用状況を、前記色管理目標値と対応付けられた前記測色ジョブの実行回数、又は、前記色管理目標値と対応付けられた前記測色ジョブにおいて前記測色器が読み取った用紙の枚数に基づいて分析する
色管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色管理装置及び色管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷会社においては、プリンタで印刷物を印刷する前に、色調整用のパッチがマトリクス状に配置された原稿であるチャート(又はウェッジ)を用紙に印刷し、印刷されたチャートの色を測色器で測色することが行われる。そして、印刷会社は、測色器で測色された色が、予め定められた基準としての色管理目標値を満たしているかどうかの確認を行うことにより、自社で保有する複数台のプリンタの出力品質を管理する。色管理目標値には、Japan Color,IDEAliance,FORGA,ISO等の規格団体によって定められたものや、印刷会社が自社で定めたものなどがあり、色管理目標値は、Lab値等によって表される。
【0003】
色管理目標値に基づくプリンタの色管理を行う場合、まず、印刷会社内の色管理担当者が、色管理目標値を設定する。色管理目標値としては、測色値又は測色値の計算結果と目標値(規定値)との差異の許容範囲が設定されることが多い。そして、色管理目標値は、用紙の種類毎、もしくは、印刷内容に応じて変更される。印刷物に印刷された色の色味は、用紙の紙質等によっても変わるためである。
【0004】
色管理目標値の設定後、プリンタの担当者は、自身が管理するプリンタを用いてチャートを印刷し、印刷されたチャートを、測色器を用いて測色(測定)する。その後、測色器による測色結果が色管理目標値を満たしているかどうかを、色管理担当者又はプリンタの担当者が、必要に応じて計算も行う事によって確認する。
【0005】
特許文献1には、形成される画像についての複数の評価項目のうちのユーザの関心度が高い評価項目を把握する把握手段と、複数の評価項目のうちの、把握された関心度が高い評価項目について基準(色管理目標値)を設定し、当該基準が満たされるように調整処理を行う調整手段と、を備える情報処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-95776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、色管理目標値は、用紙の種類や印刷内容に応じても変更されるものであり、適切に管理される必要がある。また、必要に応じて、色管理目標値そのものの見直しや改善が行われることにより、色管理の精度を向上させることができる。しかしながら、特許文献1には、ユーザの満足度を向上させる技術は記載されているが、色管理担当者が色管理目標値そのものを見直したり、改善したりすることを助ける手法については、開示されていない。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、色管理目標値そのものの見直しや改善を色管理担当者が行いやすくする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の一側面を反映した色管理装置は、少なくとも一つの画像形成装置に対して、測色器による測色結果が満たすべき基準である色管理目標値を対応付けて色管理を行う色管理装置である。そして、本発明の一側面を反映した色管理装置は、画像形成装置の印刷ジョブにおいて使用された色管理目標値の情報を取得して、印刷ジョブと、印刷ジョブの前に行われる測色器による測色のジョブである測色ジョブと、色管理目標値とを対応付ける測色ジョブ対応設定部と、測色ジョブ対応設定部による対応付けの情報に基づいて、印刷ジョブ及び/又は測色ジョブにおける色管理目標値の利用状況を解析する色管理目標値利用状況解析部と、色管理目標値利用状況解析部が解析した色管理目標値の利用状況を用いて色管理目標値利用状況情報を生成し、該色管理目標値利用状況情報をユーザに報知する色管理目標値利用状況情報生成部と、を備える。そして、色管理目標値利用状況解析部は、印刷ジョブにおける色管理目標値の利用状況を、色管理目標値と対応付けられた印刷ジョブに基づく印刷の枚数、又は、色管理目標値と対応付けられた印刷ジョブの実行回数に基づいて分析し、測色ジョブにおける色管理目標値の利用状況を、色管理目標値と対応付けられた測色ジョブの実行回数、又は、色管理目標値と対応付けられた測色ジョブにおいて測色器が読み取った用紙の枚数に基づいて分析する。
【0010】
また、本発明の一側面を反映した色管理方法は、少なくとも一つの画像形成装置に対して、測色器による測色結果が満たすべき基準である色管理目標値を対応付けて色管理を行う色管理装置による色管理方法である。そして、本発明の一側面を反映した色管理方法は、画像形成装置の印刷ジョブにおいて使用された色管理目標値の情報を取得して、印刷ジョブと、印刷ジョブの前に行われる測色器による測色のジョブである測色ジョブと、色管理目標値とを対応付ける手順と、対応付けの情報に基づいて、印刷ジョブ及び/又は測色ジョブにおける色管理目標値の利用状況を解析する手順と、解析した色管理目標値の利用状況を用いて色管理目標値利用状況情報を生成し、該色管理目標値利用状況情報をユーザに報知する手順と、を含む。そして、色管理目標値利用状況解析手順では、印刷ジョブにおける色管理目標値の利用状況を、色管理目標値と対応付けられた印刷ジョブに基づく印刷の枚数、又は、色管理目標値と対応付けられた印刷ジョブの実行回数に基づいて分析し、測色ジョブにおける色管理目標値の利用状況を、色管理目標値と対応付けられた測色ジョブの実行回数、又は、色管理目標値と対応付けられた測色ジョブにおいて測色器が読み取った用紙の枚数に基づいて分析する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、色管理目標値そのものの見直しや改善を色管理担当者が行いやすくする技術を提供することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る色管理システムの全体構成を示す概要図である。
図2】本発明の一実施形態に係る色管理サーバの制御系の構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係るプリンタ情報テーブルの構成例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る色管理目標値テーブルの構成例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る測色履歴データの構成例を説明する図である。
図6】本発明の一実施形態に係るジョブ履歴データの構成例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係るジョブ履歴-測色履歴対応データの構成例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る色管理目標値利用状況データの構成例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る色管理目標値利用状況情報の表示例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る色管理サーバによる色管理処理の手順の例を示すフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態に係る測色ジョブ対応設定部による、各画像形成装置の印刷ジョブにおいて使用された色管理目標値の情報の取得処理の手順の例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に係る測色ジョブ対応設定部による印刷ジョブの色管理目標値設定有無判定処理の手順の例を示すフローチャートである。
図13】本発明の一実施形態に係る色管理サーバの色管理目標値利用状況解析部による、色管理目標値の利用状況判定処理の手順の例を示すフローチャートである。
図14】本発明の一実施形態に係る色管理目標値利用状況解析部による測色ジョブの利用状況解析処理の手順の例を示すフローチャートである。
図15】本発明の一実施形態に係る色管理目標値利用状況解析部による印刷ジョブの利用状況解析処理の手順の例を示すフローチャートである。
図16】本発明の一実施形態に係る色管理サーバの色管理目標値利用状況情報生成部による、色管理目標値の利用状況情報の生成及び報知処理の手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素は、同一の符号を付し、構成要素の重複説明は省略する。
【0014】
<色管理システムの全体構成>
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る色管理システム100の構成例について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る色管理システム100の全体構成を示す概要図である。なお、図1には、本発明の説明に必要と考える要素又はその関連要素を記載しており、本発明の色管理システムは、図1に示す例に限定されない。
【0015】
図1に示す色管理システム100は、画像形成装置1A~画像形成装置1Eと、クライアントPC(Personal Computer)12と、色管理サーバ2(色管理装置の一例)と、プリンタジョブ管理サーバ3と、を含む。画像形成装置1A~画像形成装置1E、クライアントPC12、色管理サーバ2及びプリンタジョブ管理サーバ3は、ネットワークNを介して互いに接続される。
【0016】
画像形成装置1A~画像形成装置1Eは、印刷会社C内に設置される。画像形成装置1A~画像形成装置1Eは、プリンタジョブ管理サーバ3から送信される印刷ジョブに基づいて印刷を行う。画像形成装置1A~画像形成装置1Eは、静電気を用いて画像の形成を行う電子写真方式を採用したカラー画像形成装置であり、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー画像を重ね合わせるタンデム形式で画像を形成する。以下の説明において、画像形成装置1A~画像形成装置1Cを個々に区別する必要がない場合には、これらを画像形成装置1と総称する。
【0017】
画像形成装置1Aはインライン測色器11Aを備え、画像形成装置1Cはインライン測色器11Cを備える。また、インライン測色器を備えない画像形成装置1における測色を行う測色器11が、クライアントPC12に接続されている。測色器11には、例えば自動フィーダー機能を有する測色器を適用可能であり、その測色動作は、色管理サーバ2によって制御される。
【0018】
インライン測色器11A及び11C、測色器11による各測色結果は、色管理サーバ2に送信される。また、図1には、印刷会社C内で使用される画像形成装置1が5台である場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。画像形成装置1の台数は、4台以下であっても良く、6台以上であってもよい。以下の説明において、インライン測色器11A,11C,測色器11を個々に区別する必要がない場合には、これらを測色器11と総称する。
【0019】
色管理サーバ2は、測色器11による測色結果が満たすべき基準である色管理目標値の作成及び管理、色管理目標値と各画像形成装置1との対応関係の設定及び管理、測色履歴の管理等を行う。測色履歴は、用紙に印刷された測色用のチャートを測色器11が測色するジョブ(以下、「測色ジョブ」と称する)の実行履歴である。
【0020】
また、色管理サーバ2は、1ヶ月に一度等の予め定められたタイミングで、プリンタジョブ管理サーバ3から、各画像形成装置1における印刷ジョブ(以下、単に「ジョブ」とも称する)の実行履歴の情報(以下、「ジョブ履歴情報」と称する)と、各画像形成装置1の印刷の稼働状況データを収集する。そして、色管理サーバ2は、収集したこれらの情報を用いて、色管理目標値の利用状況を集計する。色管理目標値の利用状況には、例えば、測色ジョブの利用状況や、印刷ジョブの利用状況などがある。
【0021】
測色ジョブの利用状況は、各色管理目標値を用いた測色における測色結果(Pass又はFail)の情報等により示される。印刷ジョブの利用状況は、各画像形成装置1による総印刷枚数に占める、各色管理目標値を使用した印刷枚数の割合の情報等により示される。さらに、色管理サーバ2は、集計した色管理目標値の利用状況を、印刷会社C内のクライアントPC12の画面等を介して、色管理担当者(色管理目標値の作成者)に通知する。
【0022】
プリンタジョブ管理サーバ3は、印刷会社C内の各画像形成装置1に対するジョブの振り分け、振り分けたジョブの履歴情報の管理、及び、各画像形成装置1における印刷稼働状況の管理等を行う。なお、本実施形態では、プリンタジョブ管理サーバ3が設けられる例を挙げるが、本発明はこれに限定されない。プリンタジョブ管理サーバ3が持つ機能を、印刷会社C内のクライアントPC12に持たせてもよい。
【0023】
<色管理サーバの構成>
次に、図2を参照して、本実施形態に係る色管理サーバ2の制御系の構成例について説明する。図2は、本実施形態に係る色管理サーバ2の制御系の構成例を示すブロック図である。
【0024】
色管理サーバ2は、図2に示すように、色管理部20と、制御部21と、操作表示部22と、ネットワークI/F(Interface)部23と、記憶部24と、を含む。色管理部20は、色管理サーバ2のRAM(Random Access Memory)212又は記憶部24等に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)211が読み出すことにより実現される機能部である。
【0025】
色管理部20は、測色データ管理部201と、チャート生成部202と、カスタム色管理目標値生成部203と、測色結果判定部204と、測色ジョブ対応設定部205と、色管理目標値利用状況解析部206と、色管理目標値利用状況情報生成部207と、クライアント連携部208と、測色結果データ生成部209と、プリンタジョブ管理サーバ連携部210と、を含む。
【0026】
測色データ管理部201は、画像形成装置1A~画像形成装置1Eのそれぞれと色管理目標値との対応関係を、プリンタ情報テーブルT1(図3参照)を用いて管理する。プリンタ情報テーブルT1については、次の図3を参照して後述する。
【0027】
チャート生成部202は、測色データ管理部201で管理されるプリンタ情報テーブルT1に記載の内容に基づいて、測色用のチャートを生成する。カスタム色管理目標値生成部203は、印刷会社Cが自社で独自に色管理目標値を生成する場合における該色管理目標値(以下、「カスタム色管理目標値」とも称する)を生成する。各規格団体により定められた規定の色管理目標値、及び、カスタム色管理目標値の情報は、図4に示す色管理目標値テーブルT2において管理される。色管理目標値テーブルT2については、図4を参照して後述する。
【0028】
測色結果判定部204は、測定器によるチャートの測定結果が、色管理目標値において規定されている目標値との誤差の許容範囲内に収まっているか否かを判定する。測色結果判定部204による判定結果は、図5に示す測色履歴データD1に記録される。測色履歴データD1については、図5を参照して後述する。
【0029】
測色ジョブ対応設定部205は、測色履歴データD1に記録された測色履歴情報と、プリンタジョブ管理サーバ3から取得したジョブ履歴データDj(図6参照)とを照合することにより、印刷ジョブと測色ジョブとの対応付けを行う。測色ジョブ対応設定部205は、対応関係の判定結果を、ジョブ履歴-測色履歴対応データD2(図7参照)に登録する。ジョブ履歴データDjについては図6を参照して後述し、ジョブ履歴-測色履歴対応データD2については図7を参照して登録する。
【0030】
色管理目標値利用状況解析部206は、測色ジョブ対応設定部205による印刷ジョブ及び測色ジョブの対応付けの情報に基づいて、色管理目標値の測色ジョブにおける利用状況、及び、印刷ジョブにおける利用状況を解析する。色管理目標値利用状況解析部206による色管理目標値の利用状況の集計結果は、図8に示す色管理目標値利用状況データD3に記録される。色管理目標値利用状況データD3については、図8を参照して後述する。以下、色管理目標値の測色ジョブにおける利用状況と、色管理目標値の印刷ジョブにおける利用状況とを個別に識別する必要がない場合には、これらを「色管理目標値利用状況」と総称する。
【0031】
色管理目標値利用状況情報生成部207は、色管理目標値利用状況解析部206が生成した色管理目標値利用状況データD3と、測色データ管理部201で管理される色管理目標値テーブルT2とに基づいて、各色管理目標値の作成者を特定する。そして、色管理目標値利用状況情報生成部207は、各色管理目標値の作成者と、色管理目標値利用状況解析部206が生成した色管理目標値利用状況とを対応付けた色管理目標値利用状況データ(色管理目標値利用状況情報の一例)を生成する。
【0032】
さらに、色管理目標値利用状況情報生成部207は、生成した色管理目標値利用状況情報を、クライアント連携部208に出力して、クライアントPC12(図1参照)の画面に表示させる制御を行う。
【0033】
クライアント連携部208は、ネットワークI/F部23を介して接続される、印刷会社CのクライアントPC12との連携に関する処理を行う。クライアント連携部208は、UI(User Interface)制御部208aと、測色器制御部208bと、を含む。UI制御部208aは、例えば、クライアントPC12のUIであるブラウザに、測色器による測色結果や、色管理目標値の利用状況などを表示させる制御を行う。
【0034】
測色器制御部208bは、クライアントPC12に接続された測色器11の動作を制御する。具体的には、測色の開始や終了を指示する制御信号を送信したり、測色器11による測色結果を取得して記憶部24に出力したりする。測色結果データ生成部209は、測色結果判定部204による判定結果を用いて、UI制御部208aがクライアントPC12のブラウザに表示する表示データを生成する。
【0035】
プリンタジョブ管理サーバ連携部210は、ネットワークI/F部23を介して接続される、プリンタジョブ管理サーバ3との連携に関する処理を行う。具体的には、プリンタジョブ管理サーバ連携部210は、プリンタジョブ管理サーバ3からジョブに関する情報を取得して、測色結果判定部204及び測色ジョブ対応設定部205に出力する。
【0036】
制御部21は、CPU211と、RAM212と、ROM(Read Only Memory)213と、を含む。CPU211は、ROM213に記憶されているシステムプログラムや色管理プログラムなどの各種処理プログラムを読み出してRAM212に展開し、展開したプログラムに従って色管理サーバ2の各部の動作を制御する。
【0037】
RAM212は、CPU211により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成し、色管理に関わる各種動作に対する設定内容等を記憶する。
【0038】
ROM213は、半導体メモリ等の不揮発性メモリ等により構成され、色管理サーバ2に対応するシステムプログラム、及び、該システムプログラム上で実行可能な色管理プログラム等を記憶する。これらのプログラムは、コンピュータが読取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU211は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0039】
操作表示部22は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)等よりなる表示部と、タッチセンサ等よりなる操作入力部とが一体に形成されたタッチパネルとして構成される。なお、本実施形態では、表示部及び操作入力部が操作表示部22として一体に形成される例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。表示部と、キーボードやマウス等よりなる操作入力部とが、それぞれ別々に構成されてもよい。または、タッチパネルとして構成された操作表示部22に加えて、キーボードやマウス等よりなる操作入力部を備える構成としてもよい。
【0040】
ネットワークI/F部23は、ネットワークN(図1参照)を介して接続される、印刷会社Cの各画像形成装置1、クライアントPC12との間で行われる各種データの送受信動作を制御する。
【0041】
記憶部24は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等で構成される。記憶部24には、プリンタ情報テーブルT1、色管理目標値テーブルT2、測色履歴データD1、ジョブ履歴-測色履歴対応データD2、色管理目標値利用状況データD3等が格納される。
【0042】
<プリンタ情報テーブルの構成>
次に、図3を参照して、色管理サーバ2の測色データ管理部201(図2参照)が管理するプリンタ情報テーブルT1の構成について説明する。図3は、プリンタ情報テーブルT1の構成例を示す図である。プリンタ情報テーブルT1では、画像形成装置1A~1Eと、それぞれに設定された色管理目標値とが対応付けて管理される。
【0043】
図3に示すように、プリンタ情報テーブルT1は、「プリンタ」、「機種モデル」、「色管理目標値」、「最新測色日」、「最新測色ジョブID」及び「自動測色機能」の各フィールドを有する。
【0044】
「プリンタ」のフィールドには、印刷会社Cが所有する画像形成装置1の名称が格納される。プリンタ情報テーブルT1では、画像形成装置1A~画像形成装置1Eは、PrinterA~PrinterEと示される。「機種モデル」のフィールドには、各画像形成装置1の機種モデル名が格納される。
【0045】
「色管理目標値」のフィールドには、色管理目標値の名称が格納される。「最新測色日」のフィールドには、「色管理目標値」に格納された色管理目標値が設定された測色ジョブの最新の実行日時が、“YYYY-MM-DD”のフォーマットで格納される。「最新測色ジョブID」のフィールドには、「最新測色日」に示される測色時の測色ジョブのIDが格納される。
【0046】
「自動測色機能」のフィールドには、「プリンタ」のフィールドに格納される各画像形成装置1が、自動測色機能を有するか否かの情報を示す“0” (Not Supported)又は“1(Supported)”の値が格納される。「自動測色機能」の“0”は、その画像形成装置1が自動測色機能を持っていないことを示し、“1”は、その画像形成装置1が自動測色機能を持っていることを示す。具体的には、自動測色機能を有するインライン測色器11Aを有する画像形成装置1A(Printer A)、1C(Printer C)における「自動測色機能」には“1”が格納される。一方、自動測色機能を有さない画像形成装置1B(Printer B)、1D(Printer D)、1E(Printer E)における「自動測色機能」には“0”が格納される。
【0047】
例えば、プリンタ情報テーブルT1の1行目には、画像形成装置1A(Printer A)の機種モデルは“C6000”であり、設定された色管理目標値は“Customer Target 1”であり、最新測色日は“2020年7月9日”であり、最新測色ジョブIDは“100”であり、自動測色機能は“1”であることが示されている。
【0048】
<色管理目標値テーブルの構成>
次に、図4を参照して、色管理サーバ2の測色データ管理部201が管理する色管理目標値テーブルT2の構成について説明する。図4は、色管理目標値テーブルT2の構成例を示す図である。色管理目標値テーブルT2では、色管理目標値の設定内容が管理される。
【0049】
図4に示すように、色管理目標値テーブルT2は、「色管理目標値」、「作成日」、「チャート(Preset/Custom名)」、「許容値」、「作成者(0:Preset)」及び「目標値」の各フィールドを有する。「色管理目標値」には、色管理目標値の名称が格納される。「作成日」のフィールドには、色管理目標値が、印刷会社Cにおいて生成されたカスタム色管理目標値である場合における作成日の情報が、“YYYY-MM-DD”のフォーマットで格納される。
【0050】
「チャート(Preset/Custom名)」のフィールドには、色管理目標値を満たす色が再現できているか否かを確認するために用いられるチャートの名称が格納される。チャートの名称には、Japan Color,IDEAliance等の規格団体により制定されたプリセットの色管理目標値、又は、印刷会社Cが自社で作成したカスタム色管理目標値の名称が格納される。
【0051】
「許容値」には、Lab値等により示される目標値(規定値)からのズレが生じる場合における、ズレの許容範囲を示す値が格納される。例えば、色管理目標値の“Customer Target 1”に対応付けられた許容値dである“dE:3”は、CIE DE2000色差式により求められるLab値から許容されるズレ量は“3”以下であることを示し、“dEavg:2”は、CIE DE2000色差式により求められるLab値の平均値(avg)から許容されるズレ量は“2”以下であることを示す。また、“dEmax:6”は、CIE DE2000色差式により求められるLab値から許容されるズレ量の最大値は“6”以下であることを示す。
【0052】
「作成者」のフィールドには、色管理目標値が、印刷会社Cにおいて生成されたカスタム色管理目標値である場合における、カスタム色管理目標値の作成者の氏名が格納される。プリセットの色管理目標値に対しては、“0”が格納される。
【0053】
「目標値」のフィールドには、Lab値における“L”,“a”及び“b”の3つの値で示される目標値(規定値)の値が格納される。“L”,“a”及び“b”の3つの値は、チャートを構成する各パッチの個数分設けられる。
【0054】
例えば、色管理目標値テーブルT2の1行目には、色管理目標値の“Customer Target 1”の作成日は、“2020年7月1日”であり、チャート名は“IDEAliance2013-custom”であり、許容値は“dE:3,dEavg:2,dEmax:6,dCavgCMYgray:2”であることが示されている。また、色管理目標値の作成者は“John Smith”であり、目標値は“94(L),-0.02(a),-1.96(b)”であることが示されている。
【0055】
<測色履歴データの構成>
次に、図5を参照して、測色履歴データD1の構成について説明する。図5は、測色履歴データD1の構成例を説明する図である。測色履歴データD1では、測色ジョブのそれぞれに割り振られる測色IDに対応付けて、印刷を実行した画像形成装置1の情報や、測色結果、測色器11の情報等が管理される。
【0056】
図5に示すように、測色履歴データD1は、「測色ID」、「測色実行日」、「プリンタ」、「色管理目標値」、「測色結果」、「測色器」及び「測色値」の各フィールドを有する。「測色ID」のフィールドには、各測色ジョブに割り振られるIDが格納される。「測色実行日」のフィールドは、測色器11による測色が行われた日時が、“YYYY-MM-DD”のフォーマットで格納される。「プリンタ」のフィールドには、測色器11による測色が行われた印刷物を印刷した画像形成装置1の名称が格納される。
【0057】
「色管理目標値」のフィールドには、色管理目標値の名称が格納される。「測色結果」のフィールドには、測色結果判定部204が判定した測色結果を示す“Pass”又は“Fail”の値が格納される。“Pass”は、測色値が目標値の許容値の範囲内に収まっていることを示し、“Fail”は、測色値が目標値の許容値の範囲を超えていることを示す。「測色器」のフィールドには、測色器の名称が格納される。「測色値」には、測色器11が取得した測色値が格納される。
【0058】
例えば、測色履歴データD1の1行目には、測色IDの“100”の測色ジョブの実行日時は“2020年7月9日”であり、測色器11による測色が行われた印刷物を印刷した画像形成装置1は“Printer A”(画像形成装置1A)であることが示されている。また、印刷時に使用された色管理目標値の名称は“Custom Target 1”であり、測色を行った測色器11の名称は“AB製プリンタインライン型001”であり、測色値は“93,-0.05,-2.96…”であることが示されている。
【0059】
<ジョブ履歴データの構成>
次に、図6を参照して、プリンタジョブ管理サーバ3(図2参照)において管理されるジョブ履歴データDjの構成について説明する。図6は、ジョブ履歴データDjの構成例を示す図である。
【0060】
図6に示すように、ジョブ履歴データDjは、「ジョブID」、「ユーザ名」、「ファイル名」、「実行結果」、「ページ数」、「印刷済み部数」、「印刷済み枚数」、「ジョブ受付日時」、「印刷開始日時」、「印刷終了日時」、「用紙サイズ」及び「用紙種類」の各フィールドを有する。
【0061】
「ジョブID」のフィールドには、プリンタジョブ管理サーバ3が各画像形成装置1に振り分けた各印刷ジョブに対して割り振られた、ジョブIDが格納される。「ユーザ名」のフィールドには、印刷を実行したユーザの名称が格納される。「ファイル名」のフィールドには、印刷ジョブに使用されたファイルの名称が格納される。「実行結果」のフィールドには、印刷が正常に終了したことを示す“正常終了”、又は、異常が検出されたことを示す“異常終了”の値が格納される。
【0062】
「ページ数」のフィールドには、印刷物のページ数が格納される。「印刷済み部数」のフィールドには、印刷が終了した用紙の部数が格納される。「印刷済み枚数」のフィールドには、印刷が終了した用紙の枚数が格納される。「ジョブ受付日時」のフィールドには、印刷ジョブを受け付けた日時が、“YYYY-MM-DD HH:MM:SS”のフォーマットで格納される。「印刷開始日時」のフィールドには、印刷が開始された日時が、“YYYY-MM-DD HH:MM:SS”のフォーマットで格納される。「印刷終了日時」のフィールドには、印刷が終了した日時が、“YYYY-MM-DD HH:MM:SS”のフォーマットで格納される。「用紙サイズ」のフィールドには、用紙のサイズが格納される。「用紙種類」のフィールドには、用紙の種類が格納される。
【0063】
例えば、ジョブ履歴データDjの1行目には、ジョブIDが“1000”の印刷を実行したユーザの名称は“Operator1”であり、印刷に用いられたファイルのファイル名は“IDEAliance 2013_custom.pdf”であり、印刷の実行結果は正常終了であることが示されている。また、印刷されるファイルのページ枚数は“2枚”であり、印刷済みの部数は“1部”であり、印刷済み枚数は“2枚”であることが示されている。
【0064】
また、ジョブの受付日時は“2020年8月9日12時00分00秒”であり、印刷が開始された日時は“2020年8月9日12時00分05秒”であり、印刷が終了した日時は“2020年8月9日12時01分40秒”であることが管理される。さらに、印刷が行われた用紙のサイズは“A3”であり、用紙種類は“コート紙”であることが示されている。
【0065】
<ジョブ履歴-測色履歴対応データ>
次に、図7を参照して、ジョブ履歴-測色履歴対応データD2の構成について説明する。図7は、ジョブ履歴-測色履歴対応データD2の構成例を示す図である。ジョブ履歴-測色履歴対応データD2は、色管理目標値利用状況解析部206が生成するデータであり、ジョブ履歴-測色履歴対応データD2では、印刷ジョブと測色ジョブとの対応情報が管理される。
【0066】
図7に示すように、ジョブ履歴-測色履歴対応データD2は、「ジョブID」、「印刷済み枚数」、「ジョブ受付日時」、「印刷開始日時」、「印刷終了日時」、「用紙サイズ」、「用紙種類」、「ジョブ種類」、「関連する測色ID」及び「測色結果」の各フィールドを有する。「ジョブID」、「印刷済み枚数」、「ジョブ受付日時」、「印刷開始日時」、「印刷終了日時」、「用紙サイズ」及び「用紙種類」の各フィールドは、図6に示したジョブ履歴データDjから抽出される。これらの各フィールドの内容については、図6を参照して説明済みであるため、ここではこれらの説明は省略する。
【0067】
「ジョブ種類」のフィールドには、ジョブの種類が測色ジョブであるか印刷ジョブであるかの情報が格納される。ジョブの種類が測色ジョブである場合には「測色」の文字が格納され、印刷ジョブである場合には「ドキュメント」の文字が格納される。「関連する測色ID」のフィールドには、印刷ジョブに対応する測色ジョブがある場合における、該測色ジョブの測色IDが格納される。「測色結果」のフィールドには、測色器11による測色結果を示す“Pass”又は“Fail”の値が格納される。
【0068】
例えば、ジョブ履歴-測色履歴対応データD2の1行目には、ジョブID“1000”の印刷ジョブによる印刷済み枚数は“2枚”であり、ジョブ受付日時は“2020年7月9日12時00分00秒”であり、印刷開始日時は“2020年7月9日12時05秒”であり、印刷終了日時は“2020年7月9日12時01分40秒”であることが示されている。
【0069】
また、印刷に用いられた用紙のサイズは“A3”であり、用紙種類は“コート紙”であり、ジョブ種類は“測色ジョブ”であり、関連する測色IDは“100”であり、測色結果は“Pass”であることが示されている。
【0070】
<色管理目標値利用状況データの構成>
次に、図8を参照して、色管理目標値利用状況解析部206が生成する色管理目標値利用状況データD3の構成について説明する。図8は、色管理目標値利用状況データD3の構成例を示す図である。色管理目標値利用状況データD3では、図7に示したジョブ履歴-測色履歴対応データD2に示される、印刷ジョブと測色ジョブとの対応情報に対して、色管理目標値の情報が対応付けて管理される。
【0071】
図8に示すように、色管理目標値利用状況データD3は、「ジョブID」、「印刷済み枚数」、「用紙サイズ」、「用紙種類」、「ジョブ種類」、「関連する測色ID」、「測色結果」及び「色管理目標値」の各フィールドを有する。「ジョブID」、「印刷済み枚数」、「用紙サイズ」、「用紙種類」、「ジョブ種類」、「関連する測色ID」及び「測色結果」は、図7に示したジョブ履歴-測色履歴対応データD2から抽出される。これらの各フィールドの内容については、図7を参照して説明済みであるため、ここではこれらの説明は省略する。「色管理目標値」のフィールドには、色管理目標値の名称が格納される。
【0072】
例えば、色管理目標値利用状況データD3の1行目には、ジョブID“2020”の印刷ジョブによる印刷済み枚数は“1枚”であり、であり、用紙サイズは“A3”であり、用紙種類は“コート紙”であり、ジョブの種類は“測色ジョブ”であることが示されている。また、ジョブID“2020”で管理される印刷ジョブに関連する測色ジョブのID(測色ID)は“200”であり、測色器11による測色結果は“Fail”であり、ジョブIDの“2020”で使用された色管理目標値の名称は“Custom Target 1”であることが示されている。
【0073】
<色管理目標値利用状況情報の表示例>
次に、図9を参照して、色管理目標値利用状況解析部206が生成した色管理目標値利用状況データD3をクライアントPC12の画面に表示した場合における、色管理目標値利用状況情報の表示例について説明する。図9は、色管理目標値利用状況情報の表示例を示す図である。
【0074】
図9に示す例では、「あなたの作成したCustomer Target 1の利用状況」という表題において、PrinterA(画像形成装置1A)~PrinterC(画像形成装置1C)のそれぞれに対応付けて、「ドキュメント印刷利用率」及び「測色Pass率」の各情報が示されている。
【0075】
「ドキュメント印刷利用率」は、色管理目標値の印刷ジョブにおける利用状況を示す。色管理目標値の印刷ジョブにおける利用状況は、各画像形成装置1による総印刷枚数に占める、色管理目標値を用いて印刷された印刷枚数の割合(%)を示す。「測色Pass率」は、色管理目標値の測色ジョブにおける利用状況を示す。色管理目標値の測色ジョブにおける利用状況は、各画像形成装置1による測色ジョブの実行回数に占める、測色結果が“Pass”であるジョブの実行回数の割合(%)を示す。
【0076】
図9に示す例では、PrinterA(画像形成装置1A)における“Customer Target 1”のドキュメント印刷利用率は“95.7%”であり、測色Pass率は“28.6%”であることが示されている。また、PrinterB(画像形成装置1B)における“Customer Target 1”のドキュメント印刷利用率及び測色Pass率は、いずれも“0.0%”であることが示されている。さらに、PrinterC(画像形成装置1C)における“Customer Target 1”のドキュメント印刷利用率は“70.0%”であり、測色Pass率は“60.0%”であることが示されている。
【0077】
図9に示したような色管理目標値利用状況情報は、色管理目標値の作成者(“Customer Target 1”の作成者である“John Smith氏等)が見るクライアントPC12の画面に表示される。
【0078】
<色管理サーバによる色管理方法>
次に、図10を参照して、色管理サーバ2による色管理方法について説明する。図10は、色管理サーバ2による色管理処理の手順の例を示すフローチャートである。まず、色管理サーバ2の測色ジョブ対応設定部205(図2参照)は、各画像形成装置1の印刷ジョブにおいて使用された色管理目標値の情報の取得処理を行う(ステップS1)。ステップS1の処理の内容については、次の図11を参照して詳述する。
【0079】
次いで、色管理サーバ2の色管理目標値利用状況解析部206は、色管理目標値の利用状況判定処理を行う(ステップS2)。ステップS2の処理の詳細については、後述の図13を参照して詳述する。次いで、色管理サーバ2の色管理目標値利用状況情報生成部207は、色管理目標値の利用状況情報の生成及び報知処理を行う(ステップS3)。ステップS3の処理の内容については、後述の図16を参照して詳述する。
【0080】
次に、図10のステップS1の処理の内容について、図11を参照して説明する。図11は、測色ジョブ対応設定部205による、各画像形成装置1の印刷ジョブにおいて使用された色管理目標値の情報の取得処理の手順の例を示す図である。
【0081】
まず、測色ジョブ対応設定部205は、プリンタジョブ管理サーバ3より、印刷履歴情報を取得する(ステップS11)。印刷履歴情報には、ジョブ履歴データDjにより示される内容や、プリンタジョブ管理サーバ3から各画像形成装置1に送信された印刷指示の情報などがある。次いで、測色ジョブ対応設定部205は、ステップS1で取得した印刷履歴情報に基づいて、各印刷ジョブに対する色管理目標値(の対応付け)が明確か否かを判定する(ステップS12)。
【0082】
例えば、プリンタジョブ管理サーバ3から画像形成装置1に対して印刷指示を行う場合、該画像形成装置1に対して、印刷プロファイルを指定することが行われる。そして、該印刷プロファイルには、色管理目標値が紐づけられていることが通常である。このように、印刷指示において印刷プロファイルが指定されている場合、測色ジョブ対応設定部205は、ステップS12においてYES判定を行う。
【0083】
ステップS12で、各印刷ジョブに対する色管理目標値の対応付けは明確であると判定された場合(ステップS12がYES判定の場合)、各画像形成装置1の印刷ジョブにおいて使用された色管理目標値の情報の取得処理は終了する。
【0084】
一方、ステップS12で、各印刷ジョブに対する色管理目標値の対応付けは明確でないと判定された場合(ステップS12がNO判定の場合)、測色ジョブ対応設定部205は、印刷ジョブの色管理目標値設定有無判定処理を行う(ステップS13)。ステップS13の処理については、次の図12を参照して詳述する。
【0085】
次に、図12を参照して、図11のステップS13の処理の内容について説明する。図12は、測色ジョブ対応設定部205による印刷ジョブの色管理目標値設定有無判定処理の手順の例を示すフローチャートである。
【0086】
まず、測色ジョブ対応設定部205は、測色履歴データD1等により示される測色ジョブ履歴情報と、印刷履歴情報とに基づいて、ジョブIDで管理される各印刷に用いられたジョブファイル(の種類)を判定する(ステップS21)。ジョブファイルの判定は、例えば、測色履歴データD1における測色実行日の情報と、ジョブ履歴データDjにおける印刷開始日時又は終了日時とを比較することにより行うことができる。具体的には、測色履歴データD1における測色実行日の情報と、ジョブ履歴データDjにおける印刷開始日時又は終了日時とが対応している場合には、そのジョブファイルの種類は測色用のチャートのファイルであると判定できる。
【0087】
また、インライン測色器11を有する画像形成装置1A、1Cで実行された印刷ジョブであれば、プリンタジョブ管理サーバ3において、該ジョブと測色IDとが対応付けて管理されている。したがって、測色ジョブ対応設定部205は、印刷履歴情報としてプリンタジョブ管理サーバ3から印刷ジョブと測色IDとの対応情報を取得することにより、ジョブファイルの種類は測色用のチャートのファイルであると判定できる。
【0088】
次いで、測色ジョブ対応設定部205は、ステップS21で判定したジョブファイルは、測色用のチャートのファイルであるか否かを判定する(ステップS22)。ステップS22で、ジョブファイルは測色用のチャートのファイルであると判定された場合(ステップS22がYES判定の場合)、測色ジョブ対応設定部205は、各画像形成装置1で実行されたジョブは測色ジョブであると判定し、測色ジョブとの紐づけを行う(ステップS23)。測色ジョブとの紐づけは、例えば、測色ジョブ対応設定部205が、ジョブ履歴-測色履歴対応データD2(図7参照)の「関連する測色ID」のフィールドに、該測色ジョブの測色IDの情報を記録するとともに、「測色結果」のフィールドに測色結果の情報を記録することにより行う。
【0089】
一方、ステップS22で、ジョブファイルは測色用のチャートのファイルでないと判定された場合(ステップS22がNO判定の場合)、測色ジョブ対応設定部205は、ジョブは印刷ジョブであると判定し、ジョブの種類が印刷ジョブであることをジョブ履歴-測色履歴対応データD2に記録する(ステップS24)。
【0090】
次いで、測色ジョブ対応設定部205は、ステップS24で印刷ジョブであると判定されたジョブの直前に実行されたジョブを確認する(ステップS25)。直前に実行されたジョブとは、ジョブIDが一つ前のジョブである。次いで、測色ジョブ対応設定部205は、直前に実行されたジョブにおいて使用された用紙の種類と、判定を行っているジョブにおいて使用された用紙の種類とが、一致しているか否かを判定する(ステップS26)。
【0091】
ステップS26で、用紙の種類は一致していると判定された場合(ステップS26がYES判定の場合)、測色ジョブ対応設定部205は、判定を行っている印刷ジョブを測色ジョブと関連付け、使用された色管理目標値を特定する(ステップS27)。色管理目標値の特定は、例えば、直前に実行されたジョブで使用されたファイルのファイル名等の情報に基づいて、色管理目標値テーブルT2(図4参照)を参照して行うことができる。
【0092】
一方、ステップS26で、用紙の種類は一致していないと判定された場合(ステップS26がNO判定の場合)、測色ジョブ対応設定部205は、印刷ジョブに関連付けられる測色ジョブはないと判定し、ジョブの種類は印刷ジョブ(“ドキュメント”)であるとジョブ履歴-測色履歴対応データD2に記録する(ステップS28)。ステップS27の処理後、又は、ステップS28の処理後、測色ジョブ対応設定部205は、印刷ジョブの色管理目標値設定有無判定処理を終了する。
【0093】
次に、図13を参照して、図10のステップS2の処理の内容について説明する。図13は、色管理サーバ2の色管理目標値利用状況解析部206による、色管理目標値の利用状況判定処理の手順の例を示すフローチャートである。
【0094】
まず、色管理目標値利用状況解析部206は、画像形成装置1毎に、色管理目標値と紐づけられたジョブを特定する(ステップS31)。次いで、色管理目標値利用状況解析部206は、測色ジョブの利用状況解析処理を行う(ステップS32)。ステップS32の処理の内容については、次の図14を参照して詳述する。
【0095】
次いで、色管理目標値利用状況解析部206は、印刷ジョブの利用状況解析処理を行う(ステップS33)。ステップS33の処理の内容については、図15を参照して詳述する。次いで、色管理目標値利用状況解析部206は、利用状況解析処理を行っていない色管理目標値はあるか否かを判定する(ステップS34)。
【0096】
ステップS34で、利用状況解析処理を行っていない色管理目標値があると判定された場合(ステップS34がYES判定の場合)、色管理目標値利用状況解析部206は、ステップS31に戻って処理を継続する。一方、ステップS34で、利用状況解析処理を行っていない色管理目標値はないと判定された場合(ステップS34がNO判定の場合)、色管理目標値利用状況解析部206は、色管理目標値の利用状況判定処理を終了する。
【0097】
次に、図14を参照して、図13のステップS32の処理の内容について説明する。図14は、色管理目標値利用状況解析部206による測色ジョブの利用状況解析処理の手順の例を示すフローチャートである。
【0098】
まず、色管理目標値利用状況解析部206は、画像形成装置1において所定の一定期間内に実行された、色管理目標値が設定された測色ジョブの履歴情報を取得する(ステップS41)。ここで、測色ジョブ対応設定部205は、画像形成装置1Aによって1ヶ月等の期間内に実行された測色ジョブの履歴情報として、図8に示した色管理目標値利用状況データD3を生成する。
【0099】
次いで、色管理目標値利用状況解析部206は、測色結果と測色ジョブの実行回数とを比較することにより、測色結果のPass率を算出する(ステップS42)。測色結果のPass率は、(測色結果が“Pass”である回数/測色ジョブの総実行回数)により求めることができる。
【0100】
例えば、色管理目標値“Custom Target 1”のPass率を求めるとする。図8に示す色管理目標値利用状況データD3によれば、色管理目標値の“Custom Target 1”を用いた測色ジョブは、ジョブID“2020”~“2023”,“2060”~“2062”のジョブであり、測色ジョブの実行回数は計7回である。また、これらの測色ジョブのうち、測色結果が“Pass”であった測色ジョブの実行回数は2回である。したがって、色管理目標値“Custom Target 1”のPass率は、(2/7=約66.7%)と算出できる。
【0101】
ステップS42の処理後、色管理目標値利用状況解析部206は、測色ジョブの利用状況解析処理を終了する。なお、図7には、色管理目標値利用状況解析部206が、ある画像形成装置1の測色ジョブの総実行回数に占める、色管理目標値と紐づけられた測色ジョブの総実行回数の割合(%)を求める例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。色管理目標値利用状況解析部206は、画像形成装置1において実行された測色ジョブの総実行回数に対する、色管理目標値と対応付けられた許容値を満たす(測色結果がPassの)測色ジョブの実行回数や、画像形成装置1において実行された測色ジョブに基づき測色器11が読み取った用紙の総読み取り枚数に対する、色管理目標値と対応付けられた許容値を満たした測色ジョブにおいて、測色器11が読み取った用紙の枚数などを求めてもよい。
【0102】
もしくは、色管理目標値利用状況解析部206は、画像形成装置1において実行された測色ジョブに基づき測色器11が読み取った用紙の総読み取り枚数に占める、色管理目標値と対応付けられた許容値を満たした測色ジョブにおいて測色器11が読み取った用紙の枚数の割合を求めてもよい。
【0103】
次に、図15を参照して、図13のステップS33の処理の内容について説明する。図15は、色管理目標値利用状況解析部206による印刷ジョブの利用状況解析処理の手順の例を示すフローチャートである。
【0104】
まず、色管理目標値利用状況解析部206は、画像形成装置1において所定の一定期間内に実行された印刷ジョブの履歴情報を取得する(ステップS51)。次いで、色管理目標値利用状況解析部206は、画像形成装置1において一定期間内に実行されたすべての印刷ジョブの総印刷枚数を取得する(ステップS52)。例えば、図8に示した色管理目標値利用状況データD3によれば、画像形成装置1Aによるすべての印刷ジョブの総印刷枚数は、「印刷済み枚数」に示される印刷枚数を合計することに算出可能であり、“4,700枚”となる。
【0105】
次いで、色管理目標値利用状況解析部206は、各色管理目標値に対応付けられたジョブの総印刷枚数を取得する(ステップS53)。図8に示した色管理目標値利用状況データD3によれば、画像形成装置1Aによる、“Custom Target 1”と対応付けられた印刷ジョブの総印刷枚数は、“4,500枚”であり、“Custom Target 2”と対応付けられた印刷ジョブの総印刷枚数は、“200枚”である。
【0106】
次いで、色管理目標値利用状況解析部206は、ステップS52で算出したすべての印刷ジョブの総印刷枚数と、ステップS52で算出した、色管理目標値と紐づけられた印刷ジョブの総印刷枚数を比較し、色管理目標値と紐づけられた印刷ジョブの利用率(%)を算出する(ステップS54)。
【0107】
図8に示した色管理目標値利用状況データD3によれば、“Custom Target 1”と対応付けられた印刷ジョブの利用率は、(4,500枚/4,700枚=約95.7%)と算出できる。また、“Custom Target 2”と対応付けられた印刷ジョブの利用率は、(200枚/4,700枚=約4.3%)と算出できる。ステップS54の処理後、色管理目標値利用状況解析部206は、印刷ジョブの利用状況解析処理を終了する。
【0108】
なお、図8には、色管理目標値利用状況解析部206が、ある画像形成装置1の総印刷枚数に占める、色管理目標値と紐づけられた印刷ジョブの総印刷枚数の割合(%)を求める例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。色管理目標値利用状況解析部206は、ある画像形成装置1の総印刷枚数に対する、色管理目標値と紐づけられた印刷ジョブの総印刷枚数や、ある画像形成装置1の印刷ジョブの総実行回数に占める、色管理目標値と紐づけられた印刷ジョブの実行回数の割合、ある画像形成装置1の印刷ジョブの総実行回数に対する、色管理目標値と紐づけられた印刷ジョブの実行回数などを求めてもよい。
【0109】
また、図7及び図8には、測色ジョブの利用率又は印刷ジョブの利用状況の算出を、画像形成装置1の印刷枚数又はジョブの実行回数に基づいて算出する例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像形成装置1が使用するトナーの各色の使用率等、印刷に相関のあるデータを用いることによっても、測色ジョブの利用率、印刷ジョブの利用状況を算出することができる。
【0110】
また、本実施形態では、色管理目標値利用状況解析部206が、印刷ジョブの利用状況解析と、測色ジョブの利用状況解析とを両方行う例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。色管理目標値利用状況解析部206は、印刷ジョブの利用状況解析及び測色ジョブの利用状況解析のいずれか一方のみを行ってもよい。
【0111】
次に、図16を参照して、図10のステップS3の処理の内容について説明する。図16は、色管理サーバ2の色管理目標値利用状況情報生成部207による、色管理目標値の利用状況情報の生成及び報知処理の手順の例を示すフローチャートである。
【0112】
まず、色管理サーバ2の色管理目標値利用状況情報生成部207は、色管理目標値の作成者を特定する(ステップS61)。色管理目標値の作成者の特定は、図4に示した色管理目標値テーブルT2を参照して行うことができる。色管理目標値テーブルT2には、色管理目標値の“Custom Target 1”の作成者は“John Smith”であり、色管理目標値の“Custom Target 2”の作成者は“山田 太郎”であることが示されている。
【0113】
次いで、色管理目標値利用状況情報生成部207は、作成者毎の色管理目標値の利用状況を整理して色管理目標値利用状況情報を生成する(ステップS62)。次いで、色管理目標値利用状況情報生成部207は、作成者の特定が済んでいない色管理目標値があるか否かを判定する(ステップS63)。ステップS63で、作成者の特定が済んでいない色管理目標値があると判定された場合(ステップS63がYES判定の場合)、色管理目標値利用状況情報生成部207は、ステップS61に戻って処理を行う。
【0114】
一方、ステップS63で、作成者の特定が済んでいない色管理目標値はないと判定された場合(ステップS63がNO判定の場合)、色管理目標値利用状況情報生成部207は、ステップS62で生成した色管理目標値利用状況情報を、ネットワークI/F部23(図2参照)を介して、色管理目標値の作成者が見るクライアントPC12(図1参照)の画面に表示させる制御を行う(ステップS64)。ステップS64の処理後、色管理目標値利用状況情報生成部207は、色管理目標値の利用状況情報の生成及び報知処理を終了する。
【0115】
ステップS64の処理が行われることにより、図9に示したように、色管理目標値利用状況情報がクライアントPC12の画面に表示される。これにより、色管理目標値の作成者は、Printer B(画像形成装置1B)の測色Pass率が悪い理由を調査したり、“Customer Target 1”のプロファイル自体を再作成することによる測色業務の効率化を図ったりすることができる。すなわち、本実施形態によれば、色管理目標値そのものの見直しや改善を色管理担当者が行いやすくする技術を提供が提供される。
【0116】
<各種変形例>
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
【0117】
例えば、上述の実施形態では、色管理サーバ2が、印刷会社C内の画像形成装置1A~1Eの色管理を行う例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。本発明に係る色管理サーバ2は、ある印刷会社(第1の組織の一例)とその印刷会社の下請け先の印刷会社(第2の組織の一例)等、異なる会社間での色管理目標値の情報の共有や、それぞれの会社に対する色管理目標値利用状況情報の提供などを行ってもよい。
【符号の説明】
【0118】
1、1A~1E…画像形成装置、2…色管理サーバ、3…プリンタジョブ管理サーバ、11…測色器、12…クライアントPC、20…色管理部、100…色管理システム、205…測色ジョブ対応設定部、206…色管理目標値利用状況解析部、207…色管理目標値利用状況情報生成部
図1
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